JP4180331B2 - プリント配線基板、プリント配線基板用レリーフパターン付金属板、及び、プリント配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプリント配線基板の製造方法に係り、更に詳細には配線層間を貫通型の導体配線部で接続する、いわゆる導体貫通型のプリント配線基板、プリント配線基板用レリーフパターン付金属板、及びプリント配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、多層板の製造方法として絶縁性基板の厚さ方向に略円錐形のペーストバンプを圧入して絶縁性基板の両面に形成された二つの配線パターン間の電気的導通を図る、いわゆる導体間通法が知られている。図34は従来の代表的な導体貫通法の製造工程を模式的に示した断面図である。この導体貫通法では、図34(a)に示すように、導体板101の上に例えば複数の貫通孔が穿孔された印刷用マスク(図示省略)を重ね、この印刷用マスクの上側から銀ペーストなどの導電性組成物をスキージしながら前記貫通孔に充填し、しかる後に前記印刷用マスクと導電板とを剥離することにより略円錐形のペーストバンプ群102,102,…を形成する(図34(b))。次いで例えばガラス繊維マットにエポキシ樹脂を含浸させて得られるような絶縁材料板前駆体103を積層、プレスして貫通させ(図34(c))、その上から銅箔104を積層し(図34(d))、エッチングして配線パターン104a,101aを形成してコア材110を形成する(図34(e))。
【0003】
一方、上記と同様の方法により図34(c)と同様のバンプ付銅箔120及び140を作成しておき、前記コア材110と前記バンプ付銅箔120及び140との間に、前記絶縁材料板前駆体103と同様の絶縁材料板前駆体130,150をそれぞれ図34(f)のようにセットする。しかる後にプレスして図34(g)に示したような積層体160を形成し、この積層体160の最外層の銅箔をエッチングして配線パターンを形成し、図34(h)に示したような多層プリント配線基板170を得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような配線層の形成された絶縁性基板上にペーストバンプ群を形成する場合、ペーストバンプ群形成のための印刷用マスク等が必要になる。また、導電性組成材料で形成したペーストバンプ群では高さにばらつきが生じるため、層間接続に不備が生じる場合がある。更に配線層と組成が異なるために熱的要因で組成間にクラックが発生する場合がある。また多層化工程において配線層同士を絶縁性材料を挟んで密着させるために配線層の厚みの分だけ広い層間を必要とし、同時に基板平滑性にも影響があるために、より薄い高多層プリント配線基板の製造の障害になるという問題がある。また、印刷法では技術的に0.15mmのバンプ径が形成可能なバンプの最小とされており、これ以下の直径のバンプを形成できないという問題や、印刷法で形成されるペーストバンプの高さがばらつくので層間接続の信頼性が不十分であるという問題がある。
【0005】
本発明は上記の従来の問題を解決するためになされた発明である。即ち、本発明はファインな層間接続部を有し、信頼性の高い多層プリント配線基板、プリント配線基板用レリーフパターン付金属板、及び、プリント配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のプリント配線基板は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板の一の表面に配設された第1の表面配線パターンと、前記絶縁性基板の他の表面に配設された第2の表面配線パターンと、前記第1の表面配線パターン又は前記第2の表面配線パターンと電気的に接続された金属バンプ、及び、前記第1の表面配線パターンと前記第2の表面配線パターンとの間に配設され、前記絶縁性基板表面に平行に配設された内層配線パターンとからなる金属バンプ付配線部材と、前記第1の表面配線パターンと、前記第2の表面配線パターン及び/又は内層配線パターンとを電気的に接続した層間接続部材とを具備することを特徴とする。
【0007】
上記プリント配線基板において、前記層間配線部材の例として、ペーストバンプを挙げることができる。
【0008】
上記プリント配線基板において、前記層間配線部材の例として、スルホール金属層を挙げることができる。
【0009】
本発明の他のプリント配線基板は、コア基板と、第1の内側絶縁層と、第1の外側絶縁層と、第1の表面配線パターンと、前記第1の内側絶縁層と前記外側絶縁層との間に貫挿された内側配線パターンから前記外側絶縁層表面に延設された金属バンプを有する第1の金属バンプ部材と、第2の内側絶縁層と、第2の外側絶縁層と、第2の表面配線パターンと、前記第2の内側絶縁層と前記外側絶縁層との間に貫挿された内側配線パターンから前記外側絶縁層表面に延設された金属バンプを有する第2の金属バンプ部材と、前記絶縁層で隔絶された配線パターンどうしを電気的に接続する層間接続部材と、を具備することを特徴とする。
【0010】
上記プリント配線基板において、前記層間配線部材の例として、ペーストバンプを挙げることができる。
【0011】
上記プリント配線基板において、前記層間配線部材の例として、スルホール金属層を挙げることができる。
【0012】
本発明の更に他のプリント配線基板は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板の一の表面に配設された第1の表面配線パターンと、前記絶縁性基板の他の面を覆う第2の表面配線パターンを構成する底部と、前記第1の表面配線パターンと電気的に接続された頭部と、前記底部から前記頭部にかけて前記絶縁性基板を貫通するバンプ部とを有する金属バンプ付配線部材とを具備することを特徴とする。
【0013】
上記プリント配線基板は、前記絶縁性基板の厚さ方向に貫挿され、前記第1の表面配線パターンと前記第2の表面配線パターンとを電気的に接続するスルホール金属層を更に具備していてもよい。
【0014】
上記プリント配線基板は、前記第1の表面配線パターン及び/又は第2の表面配線パターンのL/S値がL/S=10/10〜40/40(μm/μm)であってもよい。
【0015】
上記プリント配線基板は、前記金属バンプが、20〜100μmの頭部半径、75〜200μmの底部半径、及び50から150μmの高さを有していてもよい。
【0016】
本発明の更にもうひとつのプリント配線基板は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板の一の表面に配設された第1の表面配線パターンと、前記絶縁性基板の他の表面に配設された第2の表面配線パターンと、前記第1の表面配線パターン又は前記第2の表面配線パターンと電気的に接続された金属バンプ、及び、前記第1の表面配線パターンと前記第2の表面配線パターンとの間に配設され、前記絶縁性基板表面に平行に配設された内層配線パターンとを有する第1の金属バンプ付配線部材と、前記第2の表面配線パターン又は前記第1の表面配線パターンと電気的に接続された金属バンプ、及び、前記第1の表面配線パターン又は前記第2の表面配線パターンと、前記第1の金属バンプ付配線部材との間に配設され、前記絶縁性基板表面に平行に配設された他の内層配線パターンとを有する第2の金属バンプ付配線部材と、前記絶縁性基板の厚さ方向に貫挿され、少なくとも前記第1の配線パターンと前記第2の配線パターンとを電気的に接続するスルホールメッキ層とを具備することを特徴とする。
【0017】
上記プリント配線基板では、前記第1の金属バンプ付配線部材と、前記第2の金属バンプ付配線部材との間に、絶縁層と配線パターンとを積層したコア基板が介挿されていてもよい。
【0018】
本発明のプリント配線基板の製造方法は、金属板表面にマスキングする工程と、 前記マスキングを介して前記金属板をハーフエッチングして前記金属板底面から略円錐形の金属バンプが延設されたバンプ付配線部材を形成する工程と、前記バンプ付配線部材のバンプ形成面に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層表面を研磨する工程と、前記バンプ付金属板の底面をパターニングして前記絶縁層下面側に一の配線パターンを形成する工程と、前記絶縁層表面に他の配線パターンを形成する工程とを具備することを特徴とする。
【0019】
上記プリント配線基板の製造方法では、前記他の配線パターンを形成した後に、前記一の配線パターンと前記他の配線パターンとを電気的に接続するスルホール金属層を形成する工程を更に具備していてもよい。
【0020】
本発明の他のプリント配線基板の製造方法は、金属板表面にマスキングする工程と、前記マスキングを介して前記金属板をハーフエッチングして前記金属板底面から略円錐形の金属バンプが延設されたバンプ付配線部材を形成する工程と、前記バンプ付配線部材のバンプ形成面に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層表面を研磨する工程と、前記バンプ付金属板の底面をパターニングして前記絶縁層下面側に一の配線パターンを形成する工程と、前記絶縁層表面に他の配線パターンを形成して二つの積層板ユニットを形成する工程と、前記二つの積層板ユニットの間にコア絶縁層を挟んでプレスして一体化した積層体を形成する工程と、 少なくとも前記積層体の一の表面の配線パターンと前記積層体の他の表面の配線パターンとを電気的に接続するスルホール金属層を形成する工程とを具備することを特徴とする。
【0021】
上記プリント配線基板の製造方法において、前記コア絶縁層が、配線パターンと絶縁性基板とを積層したコア基板であってもよい。
【0022】
本発明のプリント配線基板は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板の一の表面に配設された第1の表面配線パターンと、前記絶縁性基板の他の表面に配設された第2の表面配線パターンと、前記第1の表面配線パターン又は前記第2の表面配線パターンと電気的に接続された金属バンプ及び前記第1の表面配線パターンと前記第2の表面配線パターンとの間に配設され、前記絶縁性基板表面に平行に配設された内層配線パターンとからなる金属バンプ付配線部材と、前記金属バンプ付配線部材と、前記第2の表面配線パターン又は前記第1の表面配線パターンとを電気的に接続したペーストバンプとを具備することを特徴とする。
【0023】
上記プリント配線基板において、前記金属バンプの例として、円錐の頂部を挟み前記円錐の軸に平行な一組の平面又は曲面で裾部を切り取った略円錐形状を備えているバンプを挙げることができる。
【0024】
上記プリント配線基板において、前記金属バンプの例として、導体板の表面側と裏面側から順次エッチング処理することにより形成される形状を備えているバンプを挙げることができる。
【0025】
上記プリント配線基板において、前記内層配線パターンが、前記ペーストバンプが貫通している、前記絶縁性基板を構成する絶縁性材料の層に埋設されているものを挙げることができる。
【0026】
上記プリント配線基板において、前記金属バンプ付配線部材が連続した同一の金属からなるものを挙げることができる。
【0027】
上記プリント配線基板において、前記金属バンプの例として、20〜100μmの頭部半径、75〜200μmの底部半径、及び50から150μmの高さを有する金属バンプを挙げることができる。
【0028】
上記プリント配線基板において、前記表面配線パターンの例として、パターン状に加工された金属箔、スパッタ膜、又はメッキ膜からなるパターンを挙げることができる。
【0029】
上記プリント配線基板において、前記金属バンプの例として、円筒形、円錐形、四角錐形、円錐台形、四角錐台形、及び、円錐形の下部に円筒形の上部が接合された形状からなる群から選択される一の形状に近似する形を備えたバンプを挙げることができる。
【0030】
上記プリント配線基板において、前記金属バンプの例として、前記内層配線パターンの幅と実質的に等しい幅の下部を有するバンプを挙げることができる。
【0031】
上記プリント配線基板において、前記金属バンプの例として、対向する一組の平行平面と、これら平行平面の間を繋ぐ四つの曲面とからなる略六角形の、前記内層配線パターンの長手方向を法線とする平面上の断面形状を有し、前記曲面のうちの少なくとも一つが負の曲率半径を有する曲面であるバンプを挙げることができる。
【0032】
上記の本発明のプリント配線基板用のレリーフパターン付金属板としては、金属材料の片面をハーフエッチングすることによって、金属バンプ付配線部材の内層配線パターンに対応するレリーフパターンが、金属材料の片面に形成されているプリント配線基板用レリーフパターン付金属板を挙げることができる。
【0033】
本発明の他のプリント配線基板は、前記絶縁性基板の一の表面に配設された第1の表面配線パターンと、前記絶縁性基板の他の表面に配設された第2の表面配線パターンと、前記第1の表面配線パターン又は前記第2の表面配線パターンと電気的に接続された金属バンプ、及び、前記第1の表面配線パターンと前記第2の表面配線パターンとの間に配設され、前記絶縁性基板表面に平行に配設された内層配線パターンとを有する第1の金属バンプ付配線部材と、前記第2の表面配線パターン又は前記第1の表面配線パターンと電気的に接続された金属バンプ、及び、前記第1の表面配線パターン又は前記第2の表面配線パターンと、前記第1の金属バンプ付配線部材との間に配設され、前記絶縁性基板表面に平行に配設された他の内層配線パターンとを有する第2の金属バンプ付配線部材と、前記第1の金属バンプ付配線部材と前記第2の金属バンプ付配線部材との間に間挿され、前記第1の金属バンプ付配線部材と前記第2の金属バンプ付配線部材とを電気的に接続するペーストバンプとを具備することを特徴とする。
【0034】
上記プリント配線基板において、前記金属バンプの例として、円錐の頂部を挟み前記円錐の軸に平行な一組の平面又は曲面で裾部を切り取った略円錐形状を備えているバンプを挙げることができる。
【0035】
上記プリント配線基板において、前記金属バンプの例として、導体板の表面側と裏面側から順次エッチング処理することにより形成される形状を備えているバンプを挙げることができる。
【0036】
上記プリント配線基板において、前記内層配線パターンが、前記ペーストバンプの貫通している、前記絶縁性基板を構成する絶縁性材料の層に埋設されているものを挙げることができる。
【0037】
上記プリント配線基板において、前記金属バンプ付配線部材が連続した同一の金属からなるものを挙げることができる。
【0038】
上記プリント配線基板において、前記金属バンプの例として、20〜100μmの頭部半径、75〜200μmの底部半径、及び50から150μmの高さを有する金属バンプを挙げることができる。
【0039】
上記プリント配線基板において、前記表面配線パターンの例として、パターン状に加工された金属箔、スパッタ膜、蒸着膜、又はメッキ膜からなるパターンを挙げることができる。
【0040】
上記プリント配線基板において、前記金属バンプの例として、円筒形、円錐形、四角錐形、円錐台形、四角錐台形、及び、円錐形の下部に円筒状の上部が接合された形状からなる群から選択される一の形状に近似する形を備えたバンプを挙げることができる。
【0041】
上記プリント配線基板であって、前記金属バンプの例として、前記内層配線パターンの幅と実質的に等しい幅の下部を有するバンプを挙げることができる。
【0042】
上記プリント配線基板であって、前記金属バンプの例として、対向する一組の平行平面と、これら平行平面の間を繋ぐ四つの曲面とからなる略六角形の、前記内層配線パターンの長手方向を法線とする平面状の断面形状を有し、前記曲面のうち少なくとも一つが負の曲率半径を有する曲面であるバンプを挙げることができる。
【0043】
上記プリント配線基板用のレリーフパターン付金属板としては、金属材料の片面をハーフエッチングすることによって、金属バンプ付配線部材の内層配線パターンに対応するレリーフパターンが、金属材料の片面に形成されているプリント配線基板用レリーフパターン付金属板を挙げることができる。
【0044】
本発明のプリント配線基板の製造方法は、導体板の一の表面の内層配線パターン形成位置に第1のマスキングを形成する工程と、前記導体板のマスキング形成面をハーフエッチングして内層配線パターン状にレリーフパターンを前記導体板の前記一の表面に形成する工程と、前記内層配線パターン状レリーフパターン上の所定位置にペーストバンプを形成する工程と、前記ペーストバンプの上に絶縁性材料と他の導体板又は他の配線基板とを位置合わせする工程と、前記導体板と、前記絶縁性材料と、他の導体板又は他の配線基板とを加熱下に加圧する工程と、前記導体板の他の表面上の金属バンプ形成位置に第2のマスキングを形成する工程と、前記導体板の他の表面をハーフエッチングして前記内層配線パターン状レリーフパターンの根元部分を切り離し内層配線パターンとなすと同時に該内層配線パターン背面上に金属バンプを形成する工程と、前記金属バンプ形成面に絶縁性材料を充填する工程と、前記絶縁性材料を硬化する工程と、前記露出した金属バンプの頭部及び絶縁性材料層上に外側配線パターンを形成する工程とを具備することを特徴とする。
【0045】
上記プリント配線基板の製造方法において、前記絶縁性材料の例として、絶縁性基板前駆体である絶縁性材料を挙げることができる。
【0046】
上記プリント配線基板の製造方法において、前記絶縁性材料の例として、絶縁性材料組成物フィルムを挙げることができる。
【0047】
上記プリント配線基板の製造方法において、前記絶縁性材料の例として、塗布形成された絶縁性材料組成物を挙げることができる。
【0048】
本発明では、導体板をハーフエッチング処理して根元部分が結合した金属バンプを形成し、この根元部分を反対側からエッチング処理して切り離すことにより第1の表面配線パターンを形成するので、製造コストを上昇させることなく金属バンプで層間接続した多層型プリント配線基板を得ることができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態に係るプリント配線基板の製造方法について説明する。図1は本実施形態に係るプリント配線基板の製造方法の各工程の流れを示したフローチャートであり、図2〜図6は本実施形態に係るプリント配線基板の製造途中の各段階のものを模式的に示した断面図である。
【0050】
本実施形態に係るプリント配線基板1を製造するには、図2(a)に示したように、まず銅板などの金属板11を用意する。この金属板11としては例えば無酸素銅や、銅合金などが挙げられる。銅合金としては、例えばCr、Snなどの金属を0.2%含んだものを用いる事ができる。この金属板11の厚さは後の工程で形成しようとする金属バンプの高さや残厚に応じて選択する。例えば、高さ140μmの金属バンプを形成し、30μmの残厚が必要である場合、金属板11は厚さ170μmのものを用いる。
【0051】
次に図2(b)に示したように、この金属板11の表面のうち、ハーフエッチングを施す方の面、例えば図2(b)中では金属板11の上面側に第1のマスキング20を形成する(ステップ1)。この第1のマスキング20を形成する方法としては、最初に感光性樹脂を塗布し、乾燥させた後マスクパターンを介して選択的に露光し、部分的に硬化させ、次いで現像して不要部分を溶解除去するフォトリソグフィ−法などが挙げられる。
【0052】
一方金属板11の表面のうち、ハーフエッチングを施さない方の面、図2(b)中の下面側には表面全体にわたって保護層21を形成する。こうして図2(b)に示したように金属板11の上表面に第1のマスキング20が形成され、金属板11の下表面には保護層21が形成される。
【0053】
この状態で金属板11の上面側にハーフエッチング処理を施す(ステップ2)。このハーフエッチング処理の方法としては、エッチング液を噴霧するスプレー法、エッチング液槽中に第1のマスキング20と保護層21とを形成した金属板11を浸漬する湿式法、或いはプラズマなどのエネルギー波を衝突させる乾式法などを挙げることができる。
【0054】
以下スプレー法を例にして説明する。図2(b)に示した状態の金属板11の上面側からエッチング液を噴霧すると、霧状に噴霧されたエッチング液は第1のマスキング20と第1のマスキング20との間の露出した表面の金属板11を侵蝕し、更に第1のマスキング20の下面側にまで回り込んで金属板11をエッチングしてゆく。ここで用いるエッチング液としては、たとえば塩化第2鉄水溶液得、塩化第2銅水溶液、及び銅アンモニウム錯イオンを主成分とするアルカリ水溶液から成るエッチング液が挙げられる。
【0055】
このエッチング処理を適当なところで停止すると(ハーフエッチング/ステップ2)、図2(c)のように放物線或いは楕円状の曲線で描かれる断面形状(負の曲率半径を有する曲面)を呈する内層配線パターン状のレリーフパターン11B,11B,…(以下、「内層配線レリーフパターン」という。)が得られる。これらの内層配線レリーフパターン11B,11B,…はその根元部分11Aで繋がっている。
【0056】
次に第1のマスキング20と保護層21とを除去し(ステップ3)、表面を洗浄してエッチング液を除去すると図2(d)に示したような内層配線レリーフパターン11B,11B,…を備えた配線レリーフパターン付金属板(以下「配線部材」という。)11Dが得られる。
【0057】
次にこうして形成した内層配線レリーフパターン11B,11B,…の上に、例えば銀粉や銅粉などの導電性微粒子を例えばエポキシ樹脂等の液状熱硬化性樹脂中に分散させて得られる導電ペーストを印刷法を用いて略円錐形のペーストバンプ12,12,…を形成する(ステップ4)。
【0058】
ここでいう「印刷法」とは、例えばバンプ形成位置に貫通孔が穿孔された金属マスクを、配線パターンが形成された絶縁性基板の上に重ね、前記金属マスクの上から前記導電ペーストをヘラですり込む「スキージ」と呼ばれる操作を行い、しかる後に前記金属マスクを剥離することにより配線パターン上に略円錐形の微小なペーストバンプを形成する方法である。ここで形成するペーストバンプ12,12,…は底面半径が100〜500μm、高さが70〜550μm、底面半径対高さのアスペクト比が1:0.5〜1:3のバンプである。ペーストバンプ12,12,…は印刷後乾燥させることで形成される。
【0059】
ペーストバンプ12,12,…形成後、図3(f)に示したように、配線部材11Dのペーストバンプ12,12,…形成面上に絶縁性基板前駆体(プリプレグ)13を重ね合わせる(ステップ5)。この絶縁性基板前駆体(プリプレグ)13は、例えばガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させて形成した、例えば厚さ60μmのプリプレグである。この絶縁性基板前駆体(プリプレグ)13を前記配線部材11Dのペーストバンプ12形成面上に重ねあわせ(ステップ5)、ゴムシートのような弾性体に当接させた状態で加熱下に加圧(ヒートプレス)する(ステップ6)。
【0060】
このヒートプレスの結果、図3(g)に示したように絶縁性基板前駆体(プリプレグ)13をペーストバンプ12,12,…が貫通した絶縁性基板付配線部材14が得られる。この状態で、内層配線レリーフパターン11Bは、ペーストバンプ12の貫通したプリプレグ13の層に埋設された構造となる。
【0061】
次に、上記ステップ1〜3と同様の操作をすることにより得られた他の配線部材21を形成し、図3(h)に示したように前記絶縁性基板付配線部材14と他の配線部材21とを、ペーストバンプ12,12,…の頭部と断面凸型の配線パターン形成面とが対向するように配置する(ステップ7)。
【0062】
次にこのように対向配置した前記絶縁性基板付配線部材14と他の配線部材21とをヒートプレスする(ステップ8)。このときペーストバンプ12,12,…の頭部と他の配線部材21の内層配線レリーフパターン21B,21B,…とがそれぞれ当接し、内層配線レリーフパターン11B,11B,…と内層配線レリーフパターン21B,21B,…とが電気的に接続される。それと同時にプリプレグ13中の絶縁性熱硬化性樹脂が硬化してCステージまで移行する。
【0063】
かくして図3(i)に示したような、いわゆる2層構造のプリント配線基板用素材15が形成される。次にこのプリント配線基板用素材15の両表面に露出した配線部材11D,21のうち金属バンプ形成部分部分に、図4(j)に示したように、第2のマスキング22,24を形成する(ステップ9)。なお、この第2のマスキング22,24の形成方法も前記第1のマスキング20の形成方法と同様に、フォトリソグラフィー技術を用いて形成する方法が挙げられる。
【0064】
図4(j)に示したような第2のマスキング22,24を形成した後、この第2のマスキング22,24の上からエッチング処理を施して配線部材11D,21の底部をエッチングして切り離し、図4(k)に示したような金属バンプ11C,11C、…及び、金属バンプ21C,21C…を形成する(ステップ10)。これにより、同時に配線部材11D、21の内層配線レリーフパターン11B,21Bは、内層配線パターン11E,21Eとして形成される。
【0065】
図7はハーフエッチング処理後に得られる金属バンプの斜視図及び断面図であり、図8はこの第2のマスキング22,24側からのエッチングにより形成される、内層配線パターンと金属バンプとの結合部の斜視図であり、図9はハーフエッチング処理後に得られる内層配線レリーフパターン11Bの断面写真及び電子顕微鏡写真であり、図10は第2のマスキング22,24側からのエッチングにより形成される、内層配線パターンと金属バンプとの結合部の電子顕微鏡写真である。
【0066】
図7及び図9に示したように、金属板11の片面をハーフエッチングすることにより、略円錐形の金属バンプ11Cが形成される。この金属バンプ11Cの断面は円錐台の側面を凹型曲面に置換した形状を備えており、換言すれば負の曲率半径を有する曲面を側面に備えている。図7及び図9に示したように、金属バンプ11Cの上部は半径20〜100μm程度の円形に仕上げることが可能であり、金属バンプ11Cの高さは50〜150μm程度に仕上げることが可能である。実際の製品では、金属バンプ11Cの上部は半径40〜75μm程度の円形に仕上げることが好ましく、また、金属バンプ11Cの高さは70〜120μm程度の円形に仕上げることが好ましい。
【0067】
また図8及び図10に示したように、ステップ10の第2のマスキング側からエッチングすることにより、金属バンプ11Cの裾の部分の幅をその上部平面の半径と略同等の線幅にまで狭めると共に、金属バンプ11Cの底部が内層配線パターン11Eに結合した帯状の金属バンプ付配線部材11Fが形成される。この金属バンプ付配線部材11Fにおいて、内層配線パターン11Eはその側面部分がステップ9の第2のマスキング側からのエッチングにより略平面状、より正確には曲面状に形成されている。図11は金属バンプ11Cの断面形状を、金属バンプ付配線部材11Fの内層配線パターン11Eの長手方向を法線とし、金属バンプ11Cの軸を通る平面で切断したときの断面形状として示した断面図である。図11に示したように、ステップ10の第2のマスキング側からのエッチングにより、金属バンプ11Cの裾の部分は金属バンプの底面側すなわち第2のマスキング側から曲面状に侵食され、概略六角形の断面形状を呈し、上部と底部に配設された一組の平行平面の間を画定する側面は曲面を形成し、これらの4曲面の少なくとも一つに負の曲率半径を有する曲面を形成する。
【0068】
このとき金属バンプ11Cの底面側に形成される金属バンプ付配線部材11Fの内層配線パターン11Eの線幅は第2のマスキングの幅により調整することができる。この金属バンプ11Cの底面側に形成される金属バンプ付配線部材11Fの内層配線パターン11Eの線幅は最小30μm程度まで可能である。なお、この配線において、裏面にバンプがある部分とない部分で同一の配線幅を形成することができる。
【0069】
このようにして第2のマスキング側からのエッチングを行った後、次いで第2のマスキング22,24を除去することにより、図4(l)に示したような2層型のプリント配線基板用素材19が得られる。
【0070】
次にこのプリント配線基板用素材19の上下両面に、図4(m)に示すように、プリプレグ26,28を位置決めし、前記と同様の方法によりヒートプレスすることにより、図5(n)に示したように絶縁材料層(プリプレグ)26a,28aを金属バンプ11C,21Cが貫通した、絶縁材料付プリント配線基板用素材30が得られる(ステップ12)。次いでこの樹脂付プリント配線基板用素材30の両表面上にバフがけなどによる研磨を施すことにより(ステップ13)、図5(o)に示したような表面が平坦化された樹脂付プリント配線基板用素材32が得られる。
【0071】
次にこの樹脂付プリント配線基板用素材32の両表面に例えば電解メッキや無電解メッキなどのメッキ処理を施して(ステップ14)金属層31を形成する。しかる後にこの金属層31の上に前記と同様にして例えばフォトリソグラフィー法を用いて第3のマスキング34,34,…を形成し(ステップ15)、この第3のマスキング34,34,…の上からエッチング液を供給してエッチング処理を施し(ステップ16)、金属層31のうちの露出部分を除去すると、図6(r)に示したようなプリント配線基板40が得られる。次いで表面に付着したマスキング34,34,…を除去すると(ステップ17)、図6(s)に示したような4層の配線パターンを備えたプリント配線基板40が得られる。
【0072】
以上説明したように本実施形態に係るプリント配線基板の製造方法では、金属板11をエッチングして形成した金属バンプ11C,11C,…を用いて層間接続を行うので、金属バンプ11C,11C,…の高さのバラツキが小さく、接続信頼性の高い層間接続を形成することができる。
【0073】
また本実施形態に係るプリント配線基板では、金属板11を上下両面からエッチングして金属バンプ11C及びその底部で結合した内層配線パターン11Eを形成しているので、金属バンプ11Cの幅が内層配線パターン11Eの幅と同じ寸法の狭い幅に形成することができる。そのため、隣設させる金属バンプ11C,11C間の間隔を小さくすることができ、配線パターンの密度、ひいては集積度の高いプリント配線基板を得ることができる。
【0074】
更に本実施形態に係るプリント配線基板では、単一材料からなる金属板11を上面側からのハーフエッチングと裏面側からのエッチングとにより加工して金属バンプ11C,11C,…と内層配線パターン11Fとを形成するので、安価な材料を用いることができ、製品コストを低く抑えることができる。
【0075】
(第2の実施の形態)
本実施形態に係るプリント配線基板の製造方法では、上記第1の実施形態において、絶縁材料層を形成するのに絶縁性基板前駆体(プリプレグ)を位置合わせして重ね、ヒートプレスすることによりペーストバンプや金属バンプを前記絶縁性基板前駆体(プリプレグ)に貫通させるかわりに、ペーストバンプや金属バンプの上に絶縁性材料組成物からなるフィルムを被覆して適用する方法を採用した。ペーストバンプや金属バンプ上に被覆適用された絶縁性材料組成物フィルムは、圧力と熱によりペーストバンプや金属バンプを貫通させ、その頭部が絶縁性材料組成物フィルムの上に突出し、ちょうど上記第1の実施形態において、絶縁性基板前駆体(プリプレグ)を重ね、ヒートプレスしてペーストバンプや金属バンプを前記絶縁性基板前駆体(プリプレグ)に貫通させたのと同じ状態が得られる。
【0076】
本実施形態ではペーストバンプや金属バンプ上に絶縁性材料の層を形成するのに絶縁性材料組成物フィルムを被覆適用する方法を採用しているので、平板高圧プレス機のような大型の設備を必要としない。
【0077】
(第3の実施の形態)
本実施形態に係るプリント配線基板の製造方法では、上記第1の実施形態において、絶縁材料層を形成するのに絶縁性基板前駆体(プリプレグ)を位置合わせして重ね、ヒートプレスすることによりペーストバンプや金属バンプを前記絶縁性基板前駆体(プリプレグ)に貫通させるかわりに、ペーストバンプや金属バンプの上に絶縁性材料組成物を塗布する方法を採用した。ペーストバンプや金属バンプ上に、絶縁性材料組成物を、その頭部が露出するように塗布形成することによって、ちょうど上記第1の実施形態において、絶縁性基板前駆体(プリプレグ)を重ね、ヒートプレスしてペーストバンプや金属バンプを前記絶縁性基板前駆体(プリプレグ)に貫通させたのと同じ状態が得られる。
【0078】
本実施形態ではペーストバンプや金属バンプ上に絶縁性材料の層を形成するのに絶縁性材料組成物を塗布形成する方法を採用しているので、平板高圧プレス機のような大型の設備を必要としない。また、高圧のプレスを行わないので、バンプなどが変形する虞れが小さく、信頼性の高い層間接続を形成することができる。
【0079】
(第4の実施形態)
以下、本発明の実施の形態に係るプリント配線基板の製造方法について説明する。図12は本実施形態に係るプリント配線基板の製造方法の各工程の流れを示したフローチャートであり、図13〜図17は本実施形態に係るプリント配線基板の製造途中の各段階のものを模式的に示した断面図である。
【0080】
本実施形態に係るプリント配線基板1を製造するには、図13(a)に示したように、まず銅板などの金属板11を用意する。この金属板11としては例えば板厚約150μmのCu99.9%の無酸素銅などが挙げられる。
【0081】
次に図13(b)に示したように、この金属板11の表面のうち、ハーフエッチングを施す方の面、例えば図13(b)中では金属板11の上面側に第1のマスキング20を形成する(ステップ1)。この第1のマスキング20を形成する方法としては、最初に感光性樹脂(フォトレジスト)を塗布し乾燥後、予め所定の回路図柄が描画されたマスクパターンを介して例えば出力3kWの高圧水銀灯から発射される平行光を照射して選択的に露光し、部分的に硬化させる。次いで、例えば30℃、1.0%の炭酸ナトリウムを表面に圧力0.1MPaでスプレー噴霧して非感光面を溶解除去することにより、現像して不要部分を溶解除去する。
【0082】
一方金属板11の表面のうち、ハーフエッチングを施さない方の面、図13(b)中の下面側には表面全体にわたって保護層21を形成する。
【0083】
この状態で金属板11の上面側にハーフエッチング処理を施す(ステップ2)。
【0084】
以下スプレー法を例にして説明する。図13(b)に示した状態の金属板11の上面側からエッチング液を噴霧すると、霧状に噴霧されたエッチング液は第1のマスキング20と第1のマスキング20との間の露出した表面の金属板11を侵蝕し、更に第1のマスキング20の下面側にまで回り込んで金属板11をエッチングしてゆく。このハーフエッチング処理の方法としては、例えば50℃の比重1.4の塩化第2鉄水溶液を圧力0.3MPaでスプレー噴霧して、表面からの深さが30μmになるまでエッチングする方法が挙げられる。
【0085】
このエッチング処理を適当なところで停止すると(ハーフエッチング/ステップ2)、図13(c)のように放物線或いは楕円状の曲線で描かれる断面形状(負の曲率半径を有する曲面)を呈する内層配線レリーフパターン11B,11B,…が得られる。これらの内層配線レリーフパターン11B,11B,…はその根元部分11Aで繋がっている。
【0086】
次に第1のマスキング20と保護層21とを除去し(ステップ3)、表面を洗浄してエッチング液を除去すると図13(d)に示したような内層配線レリーフパターン11B,11B,…を備えた配線部材11Dが得られる。
【0087】
なおマスキング20や保護層の除去には例えば50℃、3%の水酸化ナトリウム水溶液を使用する。
【0088】
次にこうして形成した内層配線レリーフパターン11B,11B,…の上に、例えば銀粉や銅粉などの導電性微粒子を例えばエポキシ樹脂等の液状熱硬化性樹脂中に分散させて得られる導電ペーストを、例えば所定のバンプ形成位置に0.3mm径の貫通孔を穿孔したメタルマスクの上から導電ペーストをスキージしてすり込む、いわゆる印刷法を用いて略円錐形のペーストバンプ12,12,…を形成する。
【0089】
ペーストバンプ12,12,…形成後、図14(f)に示したように、配線部材11Dのペーストバンプ12,12,…形成面上に絶縁性基板前駆体(プリプレグ)、例えばガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸被着してなる厚さ60μmのプリプレグ13を重ね合わせる(ステップ5)。
【0090】
このプリプレグ13を前記配線部材11Dのペーストバンプ12形成面上に重ねあわせ(ステップ5)、ゴムシートのような弾性体に当接させた状態で加熱下に加圧(ヒートプレス)する(ステップ6)。
【0091】
このヒートプレスの結果、図14(g)に示したようにプリプレグ13をペーストバンプ12,12,…が貫通した絶縁性基板付配線部材14が得られる。この状態で内層配線レリーフパターン11Bはペーストバンプ12の貫通したプリプレグ13の層に埋設された構造となる。
【0092】
次に、銅箔のような導体板51を用意し、図14(h)に示したように前記絶縁性基板付配線部材14と導体板51とを、ペーストバンプ12,12,…の頭部と導体板51とが対向するように配置する(ステップ7)。
【0093】
次にこのように対向配置した前記樹脂付配線部材14と導体板51とをヒートプレスする(ステップ8)。このときペーストバンプ12,12,…の頭部と導体板51とが当接して電気的に接続される。それと同時にプリプレグ13中の絶縁性熱硬化性樹脂が硬化してCステージまで移行する。
【0094】
かくして図14(i)に示したような、いわゆる2層構造のプリント配線基板用素材60が形成される。次にこのプリント配線基板用素材60の表面に露出した配線部材11Dのうち、金属バンプ形成部分に、図15(j)に示したように、第2のマスキング22,53を形成する(ステップ9)。なお、この第2のマスキング22,53の形成方法も前記第1のマスキング20の形成方法と同様に、フォトリソグラフィー技術を用いて形成する方法が挙げられる。
【0095】
図15(j)に示したような第2のマスキング22,53を形成した後、この第2のマスキング22,53の上からエッチング処理を施して配線部材11Dの底部をエッチングして切り離し、図15(k)に示したような金属バンプ11G,11G、…を形成する(ステップ10)。これにより、同時に配線部材11Dの内層配線レリーフパターン11Bは内層配線パターン11Hとして形成される。
【0096】
このようにして第2のマスキング側からのエッチングを行った後、次いで第2のマスキング22,53を除去することにより、図15(l)に示したような2層型のプリント配線基板用素材62が得られる。
【0097】
次にこのプリント配線基板用素材62の上面に、例えば厚さ60μmのプリプレグ26を位置決めし、前記と同様の方法によりヒートプレスすることにより、図16(n)に示したように絶縁材料層(プリプレグ)26aを金属バンプ11Gの頭部11Cが貫通した、絶縁材料付プリント配線基板用素材63が得られる(ステップ12)。
【0098】
次いでこの絶縁材料付プリント配線基板用素材63の上表面にバフがけなどによる研磨を施すことにより(ステップ13)、図16(o)に示したような表面が平坦化された絶縁材料付プリント配線基板用素材64が得られる。
【0099】
次にこの絶縁材料付プリント配線基板用素材64の両表面に例えば電解メッキや無電解メッキなどのメッキ処理を施して(ステップ14)金属層31を形成する。例えば、まず表面を1%の硫酸に浸漬後、水洗して表面を洗浄する。その後表面にパラジウム−錫の錯化合物を吸着させ、次に錫成分を除去する。次いで後、ホルマリン、水酸化ナトリウム、硫酸銅の混合液中で銅を0.3μm程度析出させる。次いで更に電解メッキを行う。例えば、30℃の硫酸、硫酸銅の混合液中で3A/dm2の電流を約10分間流して表面に5μmの銅を析出させる。
【0100】
しかる後にこの金属層31の上に前記と同様にして例えばフォトリソグラフィー法を用いて第3のマスキング34,34,…,及び55,55,…を形成し(ステップ15)、この第3のマスキング34,34,…,及び55,55,…の上からエッチング液を供給してエッチング処理を施し(ステップ16)、金属層31,51のうちの露出部分を除去すると、図17(r)に示したようなプリント配線基板66が得られる。次いで表面に付着したマスキング34,34,…及び55,55,…を除去すると(ステップ17)、図17(s)に示したような3層の配線パターンを備えたプリント配線基板66が得られる。
【0101】
以上説明したように、本実施形態に係るプリント配線基板の製造方法では、金属板11をエッチングして形成した金属バンプ11G,11G,…を用いて層間接続を行うので、金属バンプ11G,11G,…の高さのバラツキが小さく、接続信頼性の高い層間接続を形成することができる。
【0102】
また本実施形態に係るプリント配線基板では、金属板11を上下両面からエッチングして金属バンプ11G及びその底部で結合した内層配線パターン11Hを形成しているので、金属バンプ11Gの幅が内層配線パターン11Hの幅と同じ寸法の狭い幅に形成することができる。そのため、隣設させる金属バンプ11G,11G間の間隔を小さくすることができ、配線パターンの密度、ひいては集積度の高いプリント配線基板を得ることができる。
【0103】
更に本実施形態に係るプリント配線基板では、単一材料からなる金属板11を上面側からのハーフエッチングと裏面側からのエッチングとにより加工して金属バンプ11G,11G,…と内層配線パターン11Hとを形成するので、安価な材料を用いることができ、製品コストを低く抑えることができる。
【0104】
(実施例1)
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、Cu99.9%以上の無酸素銅からなる板厚150ミクロンの銅板の両面に感光性レジストを塗布し、片面に予め所定の配線パターンの図柄を描画したフィルムマスクを用い、その上から3kWの超高圧水銀灯から照射される平行光を用いて真空密着露光を行った。次に露光で焼き付けした図柄を現像した。現像には30℃、1.0%の炭酸ナトリウムを表面に圧力0.1MPaで噴霧して非感光面を溶解して除去した。
【0105】
現像により露出した銅板表面をエッチングして所定の内層配線レリーフパターンをハーフエッチングにて配線部材を形成した。ハーフエッチングの方法としては、50℃の比重1.4の塩化第2鉄水溶液を圧力0.3MPaでスプレー噴霧して、深さが約30μmになるまでエッチングした。次いで感光性レジストを剥離し洗浄した後、乾燥した。
【0106】
次に板厚0.2mmのステンレス板の所定位置に0.2mm径の孔を穿孔したメタルマスクを用いて、上記配線部材の所定位置にエポキシ樹脂系銀ペーストの突起(バンプ)を印刷し、乾燥させ、ペーストバンプを形成した。このようなスクリーン印刷と乾燥の各工程を複数回繰り返すことにより所定の高さのペーストバンプを形成した。
【0107】
次に、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸被着してなる厚さ60μmのプリプレグを前記バンプを印刷した配線部材の上に積層配置し、熱ローラーの間を通過させることによりバンプの先端が前記プリプレグを貫通した積層体を得た。
【0108】
前述したハーフエッチングと同様の工程を行って片側に所定の配線パターンの図柄を形成した他の配線レリーフパターン付の配線部材を作成した。この他の配線レリーフパターン付の配線部材に対して、前記積層体を上下反転させ、二つの配線部材が各々の配線レリーフパターン面を対向させるように積層配置し、加熱機構、加圧機構、及び、冷却機構を備えたプレス装置にセットし、175℃、3MPaの条件で60分間プレスして貫通型導体部を備えた両面銅張のプリント配線基板用素材を作成した。
【0109】
上記のプリント配線基板用素材の両面に感光性レジストを塗付し、予め所定の導通用のバンプ(金属バンプ)の図柄を描画したフィルムマスクを用い、3kWの超高圧水銀灯から照射される平行光にて真空密着露光を行った。露光後、30℃、圧力0.1MPaの条件で1.0%の炭酸ナトリウムを前記感光性レジストを塗布した前記プリント配線基板用素材の両表面に噴霧し、非感光面を溶解して除去した。上記現像により露出した前記プリント配線基板用素材両面の銅板表面をエッチングして所定の金属バンプをハーフエッチング処理により形成した。このときのハーフエッチング処理には、50℃の比重1.4の塩化第2鉄水溶液を圧力0.3MPaでスプレー噴霧し、所定の厚さになるまでハーフエッチングを施した。次いで感光性レジストを剥離除去し、洗浄した後、乾燥した。剥離には50℃、3%の水酸化ナトリウム水溶液を使用した。
【0110】
次いでガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸被着してなる厚さ60μmのプリプレグを、金属バンプが形成された前記プリント配線基板用素材の上下両面に積層配置し、熱ローラーの間を通過させることにより、表裏の金属バンプの先端が前記プリプレグをそれぞれ貫通した積層体を形成した。こうして得た積層体の両表面に研磨ロールなどを当接させて研磨し、前記プリプレグの表面と金属バンプの先端面とが同一平面状になるように表面状態を整えた。
【0111】
次に前記表面研磨した積層体の両表面にメッキを施して銅層を形成した。この工程では、まず無電解メッキを施して積層体表面に薄くメッキ層を形成した。詳細には、まず、積層体の表面を1%の硫酸に浸漬した後、表面を水洗して洗浄した。その後表面にパラジウム−錫の錯化合物を吸着させ、次に錫成分を除去した。しかる後、ホルマリン、水酸化ナトリウム、硫酸銅の混合液中で銅を厚さ0.3μm程度析出させた。次いで銅層の上に電解メッキを行った。具体的には30℃の硫酸、硫酸銅の混合液中で3A/dm2の電流を約10分間通電し、表面に厚さ5μmの銅層を形成した。この銅層の表面に感光性レジストを塗布し、予め所定の表面配線パターンの図柄を描画したフィルムマスクを重ね、3kWの超高圧水銀灯から発射された平行光をそのフィルムマスクの上から照射して真空密着露光を行った。こうして焼付けした図柄を現像した。現像は30℃、圧力0.1MPaの条件で1.0%の炭酸ナトリウムを表面にスプレー噴霧して非感光面を溶解して除去した。
【0112】
上記現像により露出した銅層表面をエッチングして所定の配線パターンをハーフエッチングして形成した。具体的には50℃の比重1.4の塩化第2鉄水溶液を圧力0.3MPaでスプレー噴霧して、所定の厚さになるまでハーフエッチングを施した。次いで感光性レジストを剥離し、洗浄した後、乾燥した。剥離には50℃、3%の水酸化ナトリウム水溶液を使用した。
【0113】
このようにして得られたプリント配線基板は、以下のような優れた諸特性を備えた高品質のプリント配線基板であることが確認された。最外層において、層間接続部にランドを形成する必要が無く、L/S=40/40μmで高精細なプリント配線基板が得られた。さらに上記プリント基板に対しホットオイル試験を実施したところ、500サイクル後において抵抗変化率10%以内の高い信頼性を確認した。
【0114】
(実施例2)
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、上記第1の実施形態と同様にして、ペーストバンプを形成した配線部材と他の配線部材とを突き当てて層間接続し、形成されるプリント配線基板用素材の両表面を再度エッチングして金属バンプを形成した。その次の工程として、金属バンプの上にプリプレグを重ねてヒートプレスする代わりに、エポキシ樹脂を主成分とし、感光性を有するフィルム状の絶縁材を用意した。この絶縁材を、配線部材の上下にラミネートした後に、表裏のフィルムに紫外線を照射し、前記感光性フィルム状絶縁材中の樹脂を硬化させた。以後の操作も第1の実施例と同様の操作を行った。
【0115】
このようにして得られたプリント配線基板は、以下のような優れた諸特性を備えた高品質のプリント配線基板であることが確認された。
【0116】
すなわち、最外層において、層間接続部にランドを形成する必要がなく、L/S=40/40μmで高精細なプリント配線基板が得られた。さらに上記プリント配線基板に対しホットオイル試験を実施したところ、500サイクル後において抵抗値変化率10%以内の高い信頼性を確認した。
【0117】
(実施例3)
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、上記第1の実施形態と同様にして、ペーストバンプを形成した配線部材と他の配線部材とを突き当てて層間接続し、形成されるプリント配線基板用素材の両表面を再度エッチングして金属バンプを形成した。その次の工程として、金属バンプの上にプリプレグを重ねてヒートプレスする代わりに、絶縁性の液体樹脂をカーテンコートにて塗布し、乾燥させた。以後の操作も第1の実施例と同様の操作を行った。
【0118】
このようにして得られたプリント配線基板は、以下のような優れた諸特性を備えた高品質のプリント配線基板であることが確認された。
【0119】
すなわち、最外層において、層間接続部にランドを形成する必要がなく、L/S=40/40μmで高精細なプリント配線基板が得られた。さらに上記プリント配線基板に対しホットオイル試験を実施したところ、500サイクル後において抵抗値変化率10%以内の高い信頼性を確認した。
【0120】
(第5の実施形態)
本実施形態では、絶縁性基板の一の表面に第1の配線パターンを形成し、他の表面に金属バンプ付の第2の配線パターンを形成した。第1の配線パターンと第2の配線パターンとは第2の配線パターンと一体的に形成された金属バンプを介して電気的に接続されている。図18は本実施形態に係るプリント配線基板の製造方法のフローチャートであり、図19及び図20はは本実施形態に係るプリント配線基板の製造途中の各段階のものを模式的に示した断面図である。
【0121】
本実施形態に係るプリント配線基板1を製造するには、図19(a)に示したように、まず銅板などの金属板11を用意する。次に図19(b)に示したように、この金属板11の表面のうち、ハーフエッチングを施す方の面、例えば図19(b)中では金属板11の上面側に第1のマスキング41を形成する(ステップ1)。
【0122】
一方金属板11の表面のうち、ハーフエッチングを施さない方の面、すなわち図19(b)中の下面側には表面全体にわたって保護層43を形成する。こうして図19(b)に示したように金属板11の上表面に第1のマスキング41が形成され、金属板11の下表面には保護層43が形成される。この状態で金属板11の上面側にハーフエッチング処理を施す(ステップ2)。図19(b)に示した状態の金属板11の上面側からエッチング液を噴霧すると、霧状に噴霧されたエッチング液は第1のマスキング41と第1のマスキング41との間の露出した表面の金属板11を侵蝕し、更に第1のマスキング41の下面側にまで回り込んで金属板11をエッチングしてゆく。
【0123】
このエッチング処理を適当なところで停止すると(ハーフエッチング/ステップ2)、図19(c)のように放物線或いは楕円状の曲線で描かれる断面形状(負の曲率半径を有する曲面)を呈する金属バンプ11B,11B,…が得られる。これらの金属バンプ11B,11B,…はその根元部分11Aで繋がっている。次に第1のマスキング41と保護層43とを除去し(ステップ3)、表面を洗浄してエッチング液を除去する。その結果図19(d)に示したような金属バンプ11B,11B,…を備えた配線レリーフパターン付金属板(以下「配線部材」という。)11Cが得られる。
【0124】
次いでこの配線部材11Cの金属バンプ形成面上に図19(e)のような絶縁材料層(絶縁層)13を形成する(ステップ4)。絶縁材料層13の形成方法としては、プリプレグを重ねてプレスする方法、液状の絶縁材料組成物を塗布する方法、絶縁材料製のフィルムを重ねて金属バンプ11Bを貫通させる方法等が挙げられる。次に絶縁材料層13表面を研磨して絶縁材料層13表面に突出した金属バンプ11Bを削り(ステップ5)、図20(f)に示したように表面を平滑化する。次いで平滑化した表面にメッキ処理を施して(ステップ6)、図20(g)に示したような金属層45を形成する。次いで図20(h)に示したように2層板49両表面に第2のマスキング47,48を形成する(ステップ7)。次に図20(i)に示したように前記第2のマスキング47,48を例えばフォトリソグラフィーによりパターニングする。しかる後に第2のマスキング47,48の上からエッチングを施して金属層45,11Aをパターニングする(ステップ8)。その結果図20(j)のように余分な金属部分が除去される。次いで第2のマスキング47a,48aを除去すると(ステップ9)、図20(k)に示したような両面配線板49aが得られる。
【0125】
本実施形態に係る両面配線板では、配線パターンと一体的に形成された金属バンプを介して層間接続が形成されている。そのため、信頼性の高い層間接続が得られる。また、スルホールのような貫通孔を形成しないので、集積度の高いプリント配線基板を得ることができる。
【0126】
(第6の実施形態)
本実施形態では、エッチングで形成した金属バンプとスルホールメッキとを併用して多層板を形成する。図21は本実施形態に係るプリント配線基板の製造方法のフローチャートであり、図22〜図25は本実施形態に係るプリント配線基板の製造途中の各段階のものを模式的に示した断面図である。
【0127】
本実施形態に係るプリント配線基板1を製造するには、図22(a)に示したように、銅板などの金属板11を用意する。次に図22(b)に示したように、金属板11の表面のうち、ハーフエッチングを施す方の面、例えば図22(b)中では金属板11の上面側に第1のマスキング41を形成する(ステップ1)。
【0128】
一方金属板11の表面のうち、ハーフエッチングを施さない方の面、すなわち図22(b)中の下面側には表面全体にわたって保護層43を形成する。こうして図22(b)に示したように金属板11の上表面に第1のマスキング41が形成され、金属板11の下表面には保護層43が形成される。この状態で金属板11の上面側にハーフエッチング処理を施す(ステップ2)。図22(b)に示した状態の金属板11の上面側からエッチング液を噴霧すると、霧状に噴霧されたエッチング液は第1のマスキング41と第1のマスキング41との間の露出した表面の金属板11を侵蝕し、更に第1のマスキング41の下面側にまで回り込んで金属板11をエッチングしてゆく。
【0129】
このエッチング処理を適当なところで停止すると(ハーフエッチング/ステップ2)、図22(c)のように放物線或いは楕円状の曲線で描かれる断面形状(負の曲率半径を有する曲面)を呈する金属バンプ11B,11B,…が得られる。これらの金属バンプ11B,11B,…はその根元部分11Aで繋がっている。次に第1のマスキング41と保護層43とを除去し(ステップ3)、表面を洗浄してエッチング液を除去する。その結果図22(d)に示したような金属バンプ11B,11B,…を備えた配線レリーフパターン付金属板(以下「配線部材」という。)11Cが得られる。
【0130】
次いでこの配線部材11Cの金属バンプ形成面上に図22(e)のような絶縁材料層(絶縁層)13を形成する(ステップ4)。次に図23(f)に示したように配線部材11Cの下面側表面にフォトレジストからなる第2のマスキング層46を形成する(ステップ5)。このこの第2のマスキング層46をフォトリソグラフィー法によりパターニングして図23(g)のようにパターニングし第2のマスキング46aを形成する。次いで第2のマスキング46aの上からエッチングを施す(ステップ6)。その結果図23(h)に示すように配線部材底部の金属層11Aがパターニングされる。金属層11A上の第2のマスキング46aを除去すると(ステップ7)、図23(i)に示したような多層板ユニット71aが得られる。一方、この多層板ユニットと同様にしてもう一枚の多層板ユニット73aを作成しておく。
【0131】
次いで上記のようにして形成した二枚一組の多層板ユニット71a,73aを図23(j)に示したようにプリプレグ72を挟んで対向させた状態で重ね合わせる(ステップ8)。この重ね合わせた状態でヒートプレスする(ステップ9)。その結果図24(k)に示したような多層板中間体75が得られる。この多層板中間体75表面には図24(k)に示したように金属バンプ11B,11Jの各頭部先端が突出しているので、多層板中間体75の表面を研磨する(ステップ10)。その結果図24(l)に示したように多層板中間体75の表面が平滑化される。次いで多層板中間体75の所定の位置にドリリングなどの機械的加工やレーザー光照射などの光学的加工により貫通孔67を形成する(ステップ11)。その結果図24(m)に示したようなスルホール用の貫通孔67を備えた多層板中間体75aが形成される。次いでこの多層板中間体75a表面にスルホールメッキを施す(ステップ12)。その結果図24(n)に示したようなスルホールメッキ層68が形成される。次いで多層板中間体75b表面の金属層68を選択的エッチングなどによりパターニングする(ステップ13)。その結果図25(o)に示したような多層板77が得られる。
【0132】
本実施形態では金属バンプとスルホールメッキとを併用して層間接続を形成している。そのため、信頼性の高い層間接続が形成された多層板を得ることができる。
【0133】
(第7の実施形態)
本実施形態では、エッチングで形成した金属バンプとスルホールメッキとを併用して多層板を形成する。図26は本実施形態に係るプリント配線基板の製造方法のフローチャートであり、図27〜図31は本実施形態に係るプリント配線基板の製造途中の各段階のものを模式的に示した断面図である。
【0134】
本実施形態に係るプリント配線基板を製造するには、図27(a)に示したように、銅板などの金属板10を用意する。次に図27(b)に示したように、金属板10の表面のうち、ハーフエッチング処理を施して内側配線パターンを形成する方の面、例えば図27(b)中では金属板10の下面側に第1のマスキングを形成する(ステップ1)。
【0135】
一方金属板10の表面のうち、内側配線パターンを形成しない方の面、すなわち図27(b)中の上面側には表面全体にわたって保護層42を形成する。こうして図27(b)に示したように金属板10の下表面に第1のマスキング46が形成され、金属板10の上表面には保護層42が形成される。この状態で金属板10の下面側にハーフエッチング処理を施す(ステップ2)。図27(b)に示した状態の金属板10の上面側からエッチング液を噴霧すると、霧状に噴霧されたエッチング液は第1のマスキング44と第1のマスキング44との間の露出した表面の金属板10を侵蝕し、第1のマスキング44のパターンに対応した形にエッチングされる。
【0136】
このエッチング処理を適当なところで停止すると(ハーフエッチング/ステップ2)、図27(c)のように内側配線パターン46が金属板10の下面側表面に形成される。この内側配線パターン46が下面側に形成された金属板10表面から第1のマスキング44と保護層42とを除去する(ステップ3)。すると図27(d)に示したような金属板10が形成される。上記と同様にしてもう一枚の金属板10aを形成しておく。次いで図27(e)のように4層の配線パターン27を備えたコア材29を用意する。このコア材27の両表面にそれぞれプリプレグ26,28と上記金属板10,10aとを二枚ずつ対向配置して重ね合わせる(ステップ4)。この状態でヒートプレスする(ステップ5)。その結果図28(f)に示したような多層板中間体80が得られる。
【0137】
次いでこの多層板中間体80の両表面の所定位置、正確には金属バンプを形成する位置に第2のマスキング47,48を図28(g)のように形成する(ステップ6)。この状態で多層板中間体80の両面にハーフエッチング処理を施す(ステップ7)。図29(h)に示した状態の多層板中間体80の両面からエッチング液を噴霧すると、霧状に噴霧されたエッチング液は第2のマスキング47(48)と第2のマスキング47(48)との間の露出した表面の金属板10,10aを侵蝕し、更に第2のマスキング47,48の下面側にまで回り込んで金属板10,10aをエッチングしてゆく。
【0138】
このエッチング処理を適当なところで停止すると(ハーフエッチング/ステップ7)、図29(h)のように放物線或いは楕円状の曲線で描かれる断面形状(負の曲率半径を有する曲面)を呈する金属バンプ11B,11B,…が得られる。上記ハーフエッチングで金属板10,10aが表面側から削られて薄くなってゆく。そして最後には金属板10,10a底面側に形成された内側配線パターン46,46aが切り離され、内側配線パターン46,46aが完成する。
【0139】
次に第2のマスキング47,48を除去し(ステップ8)、表面を洗浄してエッチング液を除去する。その結果図29(i)に示したような金属バンプ11B,11B,…が表面に形成された多層板中間体80aが得られる。
【0140】
次いでこの多層板中間体80aの金属バンプ形成面上に図30(j)のような絶縁材料層(絶縁層)13a,13bを形成する(ステップ9)。しかる後に表面研磨して(ステップ10)、図30(k)のように多層板中間体80cの表面を平滑化する(ステップ10)。
【0141】
次に図31(l)に示したように多層板中間体80cの所定位置、すなわちスルホール形成位置に機械的加工を施して貫通孔67を形成する(ステップ11)。次いでこの多層板中間体80dの表面に無電解メッキや電解メッキなどによりメッキを施す(ステップ12)。その結果、図31(m)に示したようなスルホールメッキ層68が形成される。次いでこの多層板中間体80e表面の金属層68をパターニングする(ステップ13)。こうして図31(n)に示したような金属バンプ11B,11Jとスルホールメッキ68とが混在した多層板82が得られる。
【0142】
本実施形態では金属バンプとスルホールメッキとを併用して層間接続を形成している。そのため、信頼性の高い層間接続が形成された多層板を得ることができる。
【0143】
(第8の実施形態)
本実施形態に係るプリント配線基板では、上記第4の実施形態で形成したプリント配線基板の表面の金属層の上に更にNi/Auメッキを施した構成とした。図32は本実施形態に係るプリント配線基板の断面図の部分的拡大図である。図33は本実施形態に係るプリント配線基板の最終的な使用形態を示した断面図である。図32に示したように、本実施形態に係るプリント配線基板では、表面の金属層の上に更に更にNi/Auメッキが形成されている。
【0144】
本実施形態に係るプリント配線基板を製造するには、概ね上記第4の実施形態の製造方法に従う。すなわち、上記第4の実施形態のステップ1〜13に従って図32(n)示したような絶縁基板用素材63を形成する。次いでこの絶縁基板用素材63の上表面を研磨して平滑化し、図32(n)示したような絶縁基板用素材64を形成する。この絶縁基板用素材64下面側の金属層51を選択的エッチング等によりパターニングして図32(p)示したような絶縁基板用素材65を形成する。次いでこの絶縁基板用素材65の両表面にメッキ処理を施してNi/Auメッキ層56,57を形成する。かくして図32(q)に示したようなプリント配線基板67が形成される。
【0145】
本実施形態に係るプリント配線基板の用途としては図33に示すように半導体装置のコンタクトシート90としての用途が挙げられる。コンタクトシートは半導体デバイス83と半導体デバイスのテスト装置の回路基板86との間に介挿されて半導体デバイス83の電極84と回路基板の電極87との間を電気的に接続するシートである。図33(a)は半導体デバイス83の導通テストを行うためのテスト装置の概略構成である。このテスト装置では、固定台88上に回路基板86を固定し、その上にコンタクトシート90を位置決めピン97で位置決めして固定してある。このコンタクトシート90の上に半導体デバイス83を載置し、押圧具85で押圧する。
【0146】
図33(b)は図33(a)の小円部分の拡大図である。図33(b)に示したように本実施形態に係るコンタクトシート90では金属バンプ92が絶縁層91の厚さ方向に埋設されている。絶縁層91の表面にはそれぞれ端子93,94が配されている。端子93、端子94表面の金属層はNi/Auメッキで構成されている。金属バンプ92と端子94との間は銀ペーストバンプ96を介して電気的に接続されている。また本実施形態に係るプリント配線基板ではエッチングバンプにより層間接続が形成されているので、電気抵抗が小さく、また厚さが均一なシートを作ることができる。更に本実施形態に係るコンタクトシート90はこのような構造を備えているので、被検査体とテスト装置間に介挿して使用することで、被検査体にかかる応力を吸収するため、被検査体をテスト装置に押しつけることができ、充分な電気的接触が得られる。
【0147】
【発明の効果】
本発明によれば、金属板を表裏から順次エッチングして金属バンプを形成するので、より高さの均一性が高く、従って層間接続の信頼性が高いプリント配線基板を得ることができる。また、この金属バンプを形成するのに金属板の表と裏から順次エッチングを施すことにより形成するので、単一材料からなる金属板を用いることができ、製造コストを低く抑えることができる。更にハーフエッチングして形成した金属バンプの根元側からエッチングすることにより金属バンプの裾の部分を殺ぎ落とし、配線密度が高く、高信頼性のプリント配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るプリント配線基板製造方法の各工程を示したフローチャートである。
【図2】第1の実施形態に係るプリント配線基板製造方法の各工程を示した断面図である。
【図3】第1の実施形態に係るプリント配線基板製造方法の各工程を示した断面図である。
【図4】第1の実施形態に係るプリント配線基板製造方法の各工程を示した断面図である。
【図5】第1の実施形態に係るプリント配線基板製造方法の各工程を示した断面図である。
【図6】 第1の実施形態に係るプリント配線基板製造方法の各工程を示した断面図である。
【図7】 第1の実施形態に係る金属バンプ付配線部材の模式図である。
【図8】 第1の実施形態に係る金属バンプ付配線部材の模式図である。
【図9】 第1の実施形態に係る金属バンプ付配線部材の電子顕微鏡写真である。
【図10】 第1の実施形態に係る金属バンプ付配線部材の電子顕微鏡写真である。
【図11】 金属バンプ付配線部材の長手方向を法線とし、金属バンプの軸を通る平面で切断したときの金属バンプの断面図である。
【図12】第4の実施形態に係るプリント配線基板製造方法の各工程を示したフローチャートである。
【図13】第4の実施形態に係るプリント配線基板製造方法の各工程を示した断面図である。
【図14】第4の実施形態に係るプリント配線基板製造方法の各工程を示した断面図である。
【図15】第4の実施形態に係るプリント配線基板製造方法の各工程を示した断面図である。
【図16】第4の実施形態に係るプリント配線基板製造方法の各工程を示した断面図である。
【図17】第4の実施形態に係るプリント配線基板製造方法の各工程を示した断面図である。
【図18】第5の実施形態に係るプリント配線基板の製造方法のフローチャートである。
【図19】 第5の実施形態に係るプリント配線基板の製造途中の断面図である。
【図20】 第5の実施形態に係るプリント配線基板の製造途中の断面図である。
【図21】 第6の実施形態に係るプリント配線基板の製造方法のフローチャートである。
【図22】 第6の実施形態に係るプリント配線基板の製造途中の断面図である。
【図23】 第6の実施形態に係るプリント配線基板の製造途中の断面図である。
【図24】 第6の実施形態に係るプリント配線基板の製造途中の断面図である。
【図25】 第6の実施形態に係るプリント配線基板の製造途中の断面図である。
【図26】 第7の実施形態に係るプリント配線基板の製造方法のフローチャートである。
【図27】第7の実施形態に係るプリント配線基板の製造方法のフローチャートである。
【図28】 第7の実施形態に係るプリント配線基板の製造方法のフローチャートである。
【図29】 第7の実施形態に係るプリント配線基板の製造方法のフローチャートである。
【図30】第7の実施形態に係るプリント配線基板の製造方法のフローチャートである。
【図31】 第7の実施形態に係るプリント配線基板の製造方法のフローチャートである。
【図32】 第8の実施形態に係るプリント配線基板の断面図の部分的拡大図である。
【図33】 第8の実施形態に係るプリント配線基板の使用形態を示した断面図である。
【図34】 従来の導体貫通法の製造工程を示した断面図である。
【符号の説明】
11…金属板、11B…内層配線レリーフパターン、11C…金属バンプ、11D…配線部材、11E…内層配線パターン、11F…金属バンプ付配線部材、13…プリプレグ(絶縁性基板)、20…第1のマスキング、31a…第1の表面配線パターン、32a…第2の表面配線パターン、41…第2のマスキング。
Claims (4)
- 導体板の一の表面の内層配線パターン形成位置に第1のマスキングを形成する工程と、
前記導体板のマスキング形成面をハーフエッチングして内層配線パターン状にレリーフパターンを前記導体板の前記一の表面に形成する工程と、
前記内層配線パターン状レリーフパターン上の所定位置にペーストバンプを形成する工程と、
前記ペーストバンプの上に絶縁性材料と他の導体板又は他の配線基板とを位置合わせする工程と、
前記導体板と、前記絶縁性材料と、他の導体板又は他の配線基板とを加熱下に加圧する工程と、
前記導体板の他の表面上の金属バンプ形成位置に第2のマスキングを形成する工程と、
前記導体板の他の表面をハーフエッチングして前記内層配線パターン状レリーフパターンの根元部分を切り離し内層配線パターンとなすと同時に該内層配線パターン背面上に金属バンプを形成する工程と、
前記金属バンプ形成面に絶縁性材料を充填する工程と、
前記絶縁性材料を硬化する工程と、
前記露出した金属バンプの頭部及び絶縁性材料層上に外側配線パターンを形成する工程と
を具備することを特徴とするプリント配線基板の製造方法。 - 前記絶縁性材料が、絶縁性基板前駆体であることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線基板の製造方法。
- 前記絶縁性材料が、絶縁性材料組成物フィルムであることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線基板の製造方法。
- 前記絶縁性材料が、塗布形成された絶縁性材料組成物であることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線基板の製造方法。
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