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JP4178975B2 - ペン入力装置用表面材およびペン入力装置 - Google Patents

ペン入力装置用表面材およびペン入力装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記感に優れるペン入力装置用表面材およびそれを用いたペン入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイなどの各種ディスプレイの前面に設けられ、その表面を入力ペンで接触することにより検出される接触位置信号により入力操作を行うペン入力装置は、入力ペンによる細かな操作、そして曲線や直線などの連続した線状の入力が可能である。そのため比較的小さな画面においても多くの情報の入力が可能であり、さらに入力ペンでディスプレイ上に文字を書くという紙感覚で入力操作が行える利点を生かして、携帯情報端末、電子手帳およびマルチメディア機器など幅広くその利用範囲が急速に拡大している。
【0003】
従来このペン入力装置に用いられている表面材としては、ガラス板や表面にハードコート層を形成したプラスチック板などが用いられてきた。しかし、その表面のスベリ感が適切でなかったり凹凸が極めて少ないなどの理由により、通常の紙に対してペンで書く場合とは大きな隔たりがあり、筆記感が極めて悪かった。筆記感を改善するために、幾つかの提案がなされている。
【0004】
例えば、基材の最表面にハードコート材を使用し、基材の下に弾性変形性を有する粘着層を使用したパネル板を備えたペン入力装置が知られている(特許文献1を参照)。また、アクリル樹脂などの微粒子により凹凸のある表面層を形成した電離放射線硬化性樹脂の表面材を備えたペン入力装置用表面材が知られている(特許文献2を参照)。さらに、自己修復性および耐擦傷性を有する透明な軟質合成樹脂を備えたペン入力装置用保護フィルムが知られている(特許文献3を参照)。
【0005】
一般にペン入力装置は、入力ペンによりパネルなどの表面に描画する動作を行うことにより情報を入力するため、入力ペンによる筆記感が特に重要である。その筆記感は、スベリ感、ヘコミ感およびザラザラ感の三つの感覚に分けて考えることができ、これらの三つの感覚をバランス良く満たすことが最も好ましい。この中でスベリ感は特に重要であり、入力ペンの先とパネルなどのペン入力装置表面との摩擦抵抗を測定することによりスベリ感を評価できる。この摩擦抵抗は、描画動作中のスベリ感に相当する動摩擦抵抗と書き始めのスベリ感に相当する静摩擦抵抗の2つに分けることができる。その両方を制御することが重要である。また、このスベリ感とあわせて紙の柔らかい感じをヘコミ感として持たせることで筆記感がより良好になる。さらに鉛筆で紙に書いたときのようなザラザラ感を持たせるとより筆記感が良好になる。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−309990号公報(第2頁および第3頁)
【特許文献2】
特開平7−244552号公報(第2頁)
【特許文献3】
特開平6−180628号公報(第2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先の開示された技術では、これら三つの感覚に基づく評価がなされていない上に、筆記感が十分ではなかった。即ち、特許文献1に開示された技術では、最表面がハードコート層で形成されているためにスベリ感が適切でない。また紙のような表面の凸凹がなく、ザラザラ感が不足しているという問題があった。
【0008】
また、特許文献2に開示された技術では、表面の凹凸によりザラザラ感はあるもののスベリ感が適切でなく、ヘコミ感が不足しているという問題があった。さらに、特許文献3に開示された技術では、軟質合成樹脂によりヘコミ感はあるが、スベリ感が適切でない。さらに表面の凸凹形成などの工夫が不足しているためにザラザラ感が不足しているという問題があった。
【0009】
従って、スベリ感、ヘコミ感およびザラザラ感の三つの感覚をバランス良く満たした良好な筆記感が望まれているが、特にスベリ感について十分満足できるペン入力装置用表面材がないのが現状である。
【0010】
本発明の目的は、特にスベリ感に基づく筆記感に優れるペン入力装置用表面材およびそれを用いたペン入力装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、ペン入力装置用表面材の表面層の動摩擦係数および静摩擦係数の両方が特定の範囲内にある場合に前記3つの感覚のうち特にスベリ感が良好となり、筆記感が優れたものとなる知見を得て本発明を完成した。
【0012】
即ち、第1の発明は、基材と表面層とからなり、前記表面層は下記に示す樹脂組成物(1)、(2)、(3)または(4)を、基材上に20〜30μmの厚みで塗布し硬化してなるものであり、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で入力ペンを用いて荷重200gで表面層の表面を10cm/secの速度で移動させたときの動摩擦係数が0.10.4であり、かつ静摩擦係数が0.51.0であり、さらに20℃、50%相対湿度の雰囲気下で先端径0.75mmの超硬製加傷体を用いて表面層の表面を10cm/secの速度で引っ掻いたときに超硬製加傷体に対する荷重が20〜1000gで復元するペン入力装置用表面材である。
(1)ウレタン変性アクリレートを含む樹脂組成物。
(2)ウレタン変性アクリレートと、アクリロイル基を2つ以上含んだ多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
(3)アクリロイル基を2つ以上含んだ多官能重合性化合物と、シリコーン系、メラミン系またはエポキシ系の多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
(4)ウレタン変性アクリレートと、シリコーン系、メラミン系またはエポキシ系の多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
【0014】
の発明は、さらに、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で直径20mmの円盤形状をなす綿布を用いて荷重200gでペン入力装置用表面材の表面層上を10cm/secの速度で1000回往復させたときのヘイズ値の増加が10%以下である前記のペン入力装置用表面材である。
【0015】
の発明は、表面層がアクリル基含有化合物を主成分として含む樹脂組成物の硬化物である前記のペン入力装置用表面材である。
の発明は、表面層の表面は中心線平均粗さが0.1〜5.0μmである前記のペン入力装置用表面材である。
【0016】
の発明は、表面層がポリシロキサン系化合物を0.01〜10重量%含有する前記のペン入力装置用表面材である。
の発明は、前記表面層とは反対側の基材面に粘着層をさらに有する前記のペン入力装置用表面材である。
【0017】
の発明は、前記のペン入力装置用表面材を備えてなるペン入力装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。
ペン入力装置は、パネルなどの表面に鉛筆やボールペンなどに似せたペン形状の器具を用いて描画する動作を行うことにより入力操作を行う装置であり、かつパネルまたはペン形状の器具の少なくとも一方に電気や電磁波などによる信号出力回路または信号記録回路を持つ装置であれば特に限定されない。例えば、各種ディスプレイの前面に設けられるペン入力タッチパネル装置や、ディスプレイの前面に設けられずにコンピューターに接続されて使用されるペン入力装置や、電子ペーパーなどを挙げることができる。
【0019】
ペン入力タッチパネル装置は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセント(EL)ディスプレイ、ブラウン管(CRT)ディスプレイなどの表示面上にタッチパネルが配置され、その表面を入力ペンで接触することにより検出される接触位置信号で入力操作を行う装置である。そして、タッチパネルは上記のような各種ディスプレイに組み込まれた一体型の場合や、各種ディスプレイ装置表示面上に配置されるセパレート型がある。タッチパネルの方式としては公知の方式が何れも使用可能であり、特に限定されない。具体的に例示すると、例えば、超音波方式、抵抗膜方式、静電容量方式、電気歪み方式、磁気歪み方式および赤外線方式などのタッチパネルの方式が挙げられる。
【0020】
このようなペン入力装置の入力ペンが直接触れる面にペン入力装置用表面材が使用される。本発明のペン入力装置用表面材は、樹脂からなる基材と入力ペンが直接触れる表面層からなる。表面層は単層であってもよいし、複数の層により形成されていてもよい。入力ペンは、ペン入力装置での入力操作に使用できるペンであれば特に限定されない。公知の入力ペンとしては、例えば、ポリアセタール樹脂を主成分とする材質を用い、ペン先の形状は直径が1.6mm程度のものが挙げられる。
【0021】
第1の発明のペン入力装置用表面材は、入力ペンに対する摩擦抵抗を表面性試験機(新東科学(株)製、商品名:トライボギア、TYPE:14DR)により測定した値が特定の範囲にあるものである。即ち、20℃、50%相対湿度雰囲気下で入力ペンを用いて荷重200gでペン入力装置用表面材上を10cm/secの速度で移動させたとき、動摩擦係数が0.1〜0.4であり、かつ静摩擦係数が0.5〜1.0となるペン入力装置用表面材である。
【0022】
ペン入力装置用表面材の入力ペンに対する動摩擦係数が0.1未満である場合または静摩擦係数が0.5未満である場合、いずれの場合も上記入力ペンがすべりすぎる結果、筆記感の悪いものとなる。逆に動摩擦係数が0.4を超える場合または静摩擦係数が1.0を超える場合、いずれの場合も入力ペンのすべりが悪くて重く感じる結果、筆記感の悪いものとなる。
【0023】
筆記感のうちのヘコミ感をより向上させるという観点から、次のようなペン入力装置用表面材はより好ましいものである。即ち、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で先端径0.75mmの超硬製加傷体を用いてペン入力装置用表面材の表面層上を10cm/secの速度で引っ掻いたときに超硬製加傷体に対する荷重が20〜1000gで復元するペン入力装置用表面材である。復元する荷重が20g未満である場合には、入力ペンによる入力時にヘコミが生じ、そのヘコミが視認性を阻害する上に筆記感を悪くする傾向にある。一方、1000gを越える場合には、表面層の表面が軟らかくなりすぎ、かえって筆記感が低下する。ここで、復元性は一度生じたヘコミが経時的に消失する性質を意味し、一時的に生じるへこみによりヘコミ感を得ることができ、また加わった力を吸収するために傷つき防止性能を持つことができる。
【0024】
また、筆記感のうち耐久性をより向上させるという観点から、次のようなペン入力装置用表面材はより好ましいものである。即ち、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で直径20mmの円盤形状をなす綿布を用いて荷重200gでペン入力装置用表面材の表面層上を10cm/secの速度で1000回往復させたときのヘイズ値の増加が好ましくは10%以下、より好ましくは9%以下であるペン入力装置用表面材である。ヘイズ値の増加が10%を越える場合、ペン入力装置用表面材は入力ペンによる入力に対して耐久性がなく、長時間の使用により視認性と筆記感が悪化する傾向にある。
【0025】
また、本発明のペン入力装置用表面材は、基材と表面層との間、または表面層が形成されている基材面の反対側に必要に応じて反射防止層、透過光制御層、導電性層および帯電防止層などの機能を有する層(以下、機能層と略記する。)を単層または複数層の形態で形成することができる。また、基材としても複数層からなる層で形成することができ、特に限定されない。
【0026】
本発明のペン入力装置用表面材に使用される基材の材質としては、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、再生セルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン3元共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ナイロン、ポリエチレン、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ノルボルネン系樹脂などが挙げられる。これらの中では、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの透明性のある基材は、好ましい基材として挙げられる。
【0027】
また表面層は、基材あるいは基材に積層された機能層の最表面上に、通常表面層形成用組成物を20〜30μmの厚みで塗布後、硬化させて樹脂とすることにより形成される。そのような表面層形成用組成物中には、紫外線硬化型または熱硬化型の不飽和アクリル樹脂組成物、ウレタン変性(メタ)アクリレートなどの不飽和ポリウレタン樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物、熱硬化型のシリコーン系、メラミン系およびエポキシ系の樹脂組成物などが含まれている。
【0028】
より具体的には、例えば多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物などのアクリロイル基、メタクリロイル基を2つ以上含んだ多官能重合性化合物を含む樹脂組成物やウレタン変性(メタ)アクリレートを含む樹脂組成物、そしてシリコーン系、メラミン系またはエポキシ系の多官能重合性化合物を含む樹脂組成物などを挙げることができる。係る表面層としては、下記に示す樹脂組成物(1)、(2)、(3)または(4)を硬化してなるものが用いられる。
(1)ウレタン変性アクリレートを含む樹脂組成物。
(2)ウレタン変性アクリレートと、アクリロイル基を2つ以上含んだ多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
(3)アクリロイル基を2つ以上含んだ多官能重合性化合物と、シリコーン系、メラミン系またはエポキシ系の多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
(4)ウレタン変性アクリレートと、シリコーン系、メラミン系またはエポキシ系の多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
これらの中では、耐久性や取扱いの容易さの点で、紫外線、電子線または加熱により硬化することのできる多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物やウレタン変性(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル基含有化合物を主成分として含む樹脂組成物が優れている。
【0029】
前記多価アルコールとしては、たとえばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2'−チオジエタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの2価のアルコール;トリメチロールプロパン、ペンタグリセロール、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、ジペンタグリセロールなどの3価以上のアルコールが挙げられる。
【0030】
また、前記ウレタン変性(メタ)アクリレートは、末端イソシアネートポリウレタンと水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体とのウレタン化反応によって得ることができる。末端イソシアネートポリウレタンは、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートなどポリイソシアネートと、ポリカプロラクトンジオールやポリテトラメチレンジオールなど複数の水酸基を有するオリゴマーとの反応によって製造される。水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、たとえば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどを挙げることができる。これらの成分は単独で用いても良いし、2種類以上併用してもよい。また筆記感のうちのヘコミ感と耐久性を得るために、上記各種樹脂のうち長鎖の成分を多く含むものが好ましい。
【0031】
また、反応性希釈剤として単官能の成分を併用してもよい。これらは主成分として用いる樹脂との相溶性がよい単量体であれば特に限定されない。例えば、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミドなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
【0032】
さらに塗料の粘度を調整するために、希釈溶媒を用いてもよい。これらは、非重合性のものであれば特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、エチルセルソルブアセテート、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトンなどが挙げられる。これらの希釈溶媒は、単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
【0033】
筆記感のうちのザラザラ感をより向上させるために、ペン入力装置用表面材の表面層に中心線平均粗さ(Ra)が好ましくは0.1〜5.0μm、より好ましくは1.0〜4.0μmである微細な凹凸を形成させる方がより好ましい。中心線平均粗さ(Ra)が0.1μm未満であると表面粗さが不足し、5.0μmを越える場合には光学特性が悪くなる。表面層の表面に粗面化処理を施して微細な凹凸を形成させる方法としては、エンボス加工やサンドブラスト加工、エッチング加工などの方法が適宜採用される。
【0034】
また、表面層に微細な凸凹を形成させるために微粒子物質などを添加してもよい。微粒子物質としては、例えばシリカ、酸化カルシウム、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化スズ、酸化インジウム、酸化カドミウムおよび酸化アンチモンなどの無機系微粒子物質や、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタンおよびポリスチレンなどの架橋または未架橋ポリマーからなる有機系微粒子物質などが使用できる。用いる微粒子物質の平均粒径は、100μm以下が好ましく、0.1〜50μmがさらに好ましく、0.5〜20μmが特に好ましい。また、前記の粗面化処理と微粒子などの添加を併用してもよい。
【0035】
筆記感のうちのスベリ感をより適切にするために、表面層形成組成物中にポリシロキサン系化合物を含有させることができる。ポリシロキサン系化合物としては直鎖状あるいは分岐状のポリジオルガノシロキサン系化合物が好ましい。またはポリオルガノシロキサン基含有共重合体であっても良い。さらに主鎖や側差の末端にビニル基や(メタ)アクリロイル基などの反応性基を持っていても良い。ポリジオルガノシロキサンの代表例はポリジメチルシロキサンである。そのメチル基の一部ないし全部が他の有機基に置換された構造のもの(ただし、そのメチル基が置換される位置は末端であっても連鎖内であってもよい)であってもよい。
【0036】
そのような他の有機基としては、例えば、メチル基以外のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、およびポリオキシアルキレン鎖やポリエステル鎖などの繰り返し単位を有する連鎖などがある。さらにこれらの有機基は水酸基、アミノ基、エポキシ基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、その他の官能基を有することができる。前記繰り返し単位を有する連鎖としては、例えばポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシテトラメチレン鎖、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)鎖などのポリオキシアルキレン鎖や、ポリカプロラクトン鎖やポリエチレンセバケート鎖、ポリエチレンアジペート鎖などのポリエステル鎖が挙げられる。
【0037】
またこれら連鎖の末端は水酸基やカルボキシル基、(メタ)アクリル基やビニル基であっても、その末端が有機基で封鎖されていてもよい。例えばアルキルエーテル化、アルキルエステル化などで封鎖されていてもよい。また、この連鎖は通常ジメチレン基やトリメチレン基などのアルキレン基を介して珪素原子と結合しているが、これに限られるものではない。
【0038】
ポリオルガノシロキサン基含有共重合体は、ポリオルガノシロキサン基含有化合物とビニル系化合物とから形成されるポリオルガノシロキサン基含有グラフト共重合体セグメントAとビニル系化合物から形成されるポリオルガノシロキサン基を含有しない重合体セグメントBとからなるA−B型ブロック共重合体が好ましい。そのような化合物としては、例えば市販品として入手できるモディパーFS700、FS710、FS720、FS730(いずれも日本油脂(株)製)等がある。本発明に用いるポリシロキサン系化合物の表面層形成用組成物中の含有量は、通常0.01〜10重量%であり、特に0.01〜5重量%が好ましい。
【0039】
表面材である表面層形成組成物を基材に直接あるいは基材に積層された機能層の上に塗布する方法としては、ロールコート法、ディップコート法、ハケ塗り法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、グラビアコート法、カーテンフローコート法、リバースコート法、キスコート法、コンマコート法など公知のいかなる方法でもよい。また塗布に際しては、必要に応じて基材と表面層である被膜との密着性を向上させるために、あらかじめコロナ放電などの何らかの前処理を施してもよい。
【0040】
上記のようにして基材に直接あるいは基材に積層された機能層の上に塗布され、乾燥された表面層形成用組成物を硬化する方法としては、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。紫外線照射により硬化させる場合には、従来公知の光重合開始剤を表面層形成用組成物中に添加した後に硬化させる。光重合開始剤の具体例としては、例えば2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、N,N,N',N'−テトラメチル−4,4'−ジアミノベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、その他チオキサント系化合物などが挙げられる。
【0041】
上記の硬化に用いられるエネルギー線源としては、例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザー、電子線加速装置、放射性元素などの線源が使用される。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜5000mJ/cm2 が好ましい。照射量が、50mJ/cm2 未満の場合には、硬化が不十分となるため、表面層の耐摩耗性や硬度が低下する。また、5000mJ/cm2 を超えると、表面層が着色して透明性が低下する。
【0042】
また加熱による硬化を行う場合、従来公知の熱重合開始剤を表面層形成用組成物中に添加した後に硬化させる。熱重合開始剤の具体例としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネートなどが挙げられる。これら熱重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
【0043】
上記表面層形成用組成物中には、性能を損なわない範囲で、必要に応じて、顔料、充填剤、界面活性剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加することができる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
【0044】
また表面層が形成されている基材の反対面に粘着層を形成することができ、それにより筆記感のうちのヘコミ感をより改善することができる。このような粘着層としては、例えばアクリル系粘着剤やゴム系粘着剤などを用いることができるが、透明性の点でアクリル系粘着剤を用いるのが特に好ましい。これら粘着剤中には、粘着性ポリマー成分のほか、可塑剤、粘着付与成分などを含ませることができるが、透明性を損なわない添加剤を使用する方がより望ましい。
【0045】
アクリル系粘着剤の主成分である粘着性ポリマーとしては、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピルなどのアルキル基の炭素数が1〜10のアルコールと(メタ)アクリル酸とのアルキルエステルと、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチルなどの官能基含有不飽和単量体との共重合体が好ましく用いられる。
【0046】
また、ゴム系粘着剤の主成分である粘着性ポリマーとしては、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−イソプレン系ブロツク共重合体、天然ゴムなどが好ましく用いられる。これらの成分による粘着層を5〜100μmの厚みで形成するのが好ましい。
【0047】
表面層が形成されている基材の反対面に形成される導電性層としては、酸化錫(SnO2 など)、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム、インジウム錫酸化物(ITO)などの金属酸化物や、金、銀、銅、アルミニウム、錫、ニッケルなどの金属膜が挙げられる。これらの中では、酸化亜鉛、酸化錫などの単一金属からなる酸化物が化学量論比による制御が容易で高性能な薄膜が得られる点で好ましい。上記導電性層の積層方法は特に限定されず、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、低圧プラズマ法、塗工法、および常圧プラズマ化学蒸着(CVD)法などが挙げられる。上記導電性層の厚みは、導電性能や、赤外線および電磁波の低減性能が発現し、かつ透明性が保たれる厚み、即ち、可視光透過率が60%以上であるためには、膜厚は30〜200nmであることが好ましい。
【0048】
以上の実施形態により発揮される効果を以下にまとめて説明する。
・ 本実施形態のペン入力装置用表面材は、表面層の動摩擦係数が0.10.4、かつ静摩擦係数が0.51.0に設定されている。このため、入力ペンを操作面に接触させたとき、その後入力ペンで入力操作を行っている間、特にスベリ感に基づく優れた筆記感を得ることができる。
【0049】
・ また、表面層の復元性が前記所定の条件下で荷重が20〜1000gで復元する場合には、表面層の表面のヘコミ感をより向上させることができ、ペン入力の際に紙の柔らかい感じを得ることができる。さらに、表面層のヘイズ値の増加が10%以下である場合には、表面層の耐久性をより向上させることができる。加えて、表面層の表面における中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜5.0μmである場合には、表面層の表面のザラザラ感をより向上させることができる。
【0050】
・ 従って、実施形態のペン入力装置用表面材を組み込んだペン入力装置に対する接触位置信号での入力操作は筆記感に優れ、入力操作を繰り返し行なっても疲労感がなく快適である。
【0051】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
また、各ペン入力装置用表面材について、静摩擦係数、動摩擦係数、塗膜復元性、ヘイズ値、中心線平均粗さ(Ra)、全光線透過率および筆記感を下記の方法で評価した。
【0052】
1)静摩擦係数および動摩擦係数
20℃、50%相対湿度の雰囲気下で入力ペンを用いて荷重200gでペン入力装置用表面材の表面層上を10cm/secの速度で移動させたときにおける動摩擦係数(μs、単位なし)および静摩擦係数(μk、単位なし)を表面性試験機器により測定した。なお、入力ペンはパーム(palm)社製、商品名:スタイラスを用い、表面性試験機器は新東科学製、商品名:トライボギア、TYPE:14DRを用いた。
【0053】
2)塗膜復元性
20℃、50%相対湿度の雰囲気下先端径0.75mmの超硬製加傷体を用いてペン入力装置用表面材の表面層上を10cm/secの速度で引っ掻いたときに復元する超硬製加傷体に対する荷重(g)を塗膜復元性として引っ掻き式硬度計(ドイツ・エリクセン社製、商品名:引っ掻き式硬度計、モデル318)により測定した。
【0054】
3)ヘイズ値
20℃、50%相対湿度の雰囲気下で綿布(直径20mmの円盤形状)を用いて荷重200gでペン入力装置用表面材の表面層上を10cm/secの速度で1000回往復させたときのヘイズ値(%)の増加量を表面性試験機器と直読ヘイズメーターにより測定した。なお、増加量は、1000回往復させた後のヘイズ値(%)−初期のヘイズ値(%)にて算出した。また、表面性試験機器は新東科学(株)製、商品名:トライボギア、TYPE:14DRを用い、直読ヘイズメーターは東洋精機製作所社製、商品名:直読ヘイズメーター(No.206)を用いた。
【0055】
4)中心線平均粗さ(Ra)
JIS B0601−1982に従い、カットオフ値0.8mm、縦倍率5000倍として触針式表面粗さ形状測定機(東京精密社製、商品名:サーフコム550A)を用いてペン入力装置用表面材の表面層における中心線平均粗さ(Ra、単位:μm)を測定した。
【0056】
5)全光線透過率
直読ヘイズメーター(東洋精機製作所社製、商品名:直読ヘイズメーター(No.206))を使用して、光学特性としての全光線透過率(%)を測定した。
【0057】
6)筆記感
入力ペンを用いて表面層上に実際に筆記し、筆記感をスベリ感、ヘコミ感およびザラザラ感の三つの観点で10人が評価した。そして鉛筆を用いて紙に書いているような良好な筆記感として10人中6人が判断した場合を○とし、10人中3〜5人が判断した場合を△とし、そして10人中2人以下が判断した場合を×として分類評価した。
【0058】
実施例1
ウレタンアクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名:NKオリゴU−108A)80重量部とペンタエリスリトールトリアクリレート10重量部とアクリル酸20重量部とポリシロキサン系化合物(ビックケミー(Byk−chemie)社製、商品名:BYK−300)0.1重量部からなる混合液に平均粒径10μmのポリスチレン系微粒子5重量部を添加後、十分に攪拌することにより表面層用樹脂液を調製した。
【0059】
それをロールコーターにて厚み100μmのトリアセチルセルロースフィルム上に20μmの厚みで均一に塗布し、エレクトロンカーテン型EB装置(ESI社製)により電子線を照射(150keV、5Mrad)し、塗膜を硬化させた。
【0060】
次に、硬化面とは反対側の面にアクリル系粘着剤を含む溶液を塗工、乾燥することにより本発明のペン入力装置用表面材を作成した。このペン入力装置用表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて静摩擦係数、動摩擦係数、塗膜復元性、ヘイズ値、中心線平均粗さ(Ra)、全光線透過率および筆記感についての評価を行った。その結果を表1に示す。
【0061】
実施例2
ポリエチレングリコール#600ジアクリレート40重量部とトリメチロールプロパントリアクリレート10重量部とジメチルアクリルアミド50重量部とポリシロキサン系化合物(信越化学工業(株)社製、商品名:KF−351A)0.1重量部と2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(光重合開始剤)5重量部からなる混合液に平均粒径14μmのアクリル系微粒子5重量部を添加後、十分に攪拌することにより表面層用樹脂液を調製した。
【0062】
それをロールコーターにて厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に20μmの厚みで均一に塗布し、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯(日本電池(株)社製)により紫外線を照射(3J/cm2)し、塗膜を硬化させた。
【0063】
次に、硬化面の反対側の面にアクリル系粘着剤を含む溶液を塗工、乾燥することにより本発明のペン入力装置用表面材を作成した。このペン入力装置用表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0064】
実施例3
水酸基価50のアクリルポリオール100重量部とヘキサメチレンジイソシアネート20重量部とシリカ系微粒子7重量部からなる混合液を十分に攪拌することにより表面層用樹脂液を調整した。それをロールコーターにて厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に30μmの厚みで均一に塗布し、100℃で10分間乾燥させ、塗膜を硬化させた。
【0065】
次に、硬化面とは反対側の面にアクリル系粘着剤を含む溶液を塗工、乾燥することにより本発明のペン入力装置用表面材を作成した。このペン入力装置用表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0066】
実施例4
ポリエチレングリコール#1000ジアクリレート60重量部とエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート10重量部とラウリルアクリレート30重量部とジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート5重量部からなる混合液に粒径10μmのアクリル系微粒子を3重量部添加後、十分に攪拌して表面層用樹脂液を調製した。この液をロールコーターにて厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に20μmの厚みで均一に塗布し、100℃で10分間乾燥させ、塗膜を硬化させた。
【0067】
次に、硬化面の反対側の面にアクリル系粘着剤を含む溶液を塗工、乾燥することにより本発明のペン入力装置用表面材を作成した。このペン入力装置表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0068】
実施例5
トリエチレンジイソシアネート誘導体(武田薬品工業(株)社製、商品名:タケネートD−212)40重量部とポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業(株)社製、商品名:プラクセルFA3)60重量部からなるウレタンアクリレート77重量部とポリジメチルシロキサンマクロモノマー(チッソ(株)社製、商品名:FM0721)15重量部とメチルメタクリレート25重量部とブチルメタクリレート25重量部とイソシアネートエチルメタクリレート(昭和電工(株)社製、商品名:カレンズMOI)15重量部とペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成(株)社製、商品名:アロニックスM305)20重量部からなる紫外線硬化性シリコーン共重合体20重量部と1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(光開始剤)3重量部からなる表面層用樹脂液を調製した。
【0069】
それをロールコーターにて厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に20μmの厚みで均一に塗布し、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯(日本電池(株)社製)により紫外線を照射(1J/cm2)し、塗膜を硬化させた。
【0070】
次に、硬化面の反対側の面にアクリル系粘着剤を含む溶液を塗工、乾燥することにより本発明のペン入力装置用表面材を作成した。このペン入力装置用表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0071】
実施例6
ウレタンアクリレート72重量部と、紫外線硬化性シリコーン共重合体20重量部と、ポリオルガノシロキサン基含有共重合体〔日本油脂(株)製、商品名:モディパーFS710〕5重量部と、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン3重量部とよりなる表面層用樹脂液を調製した。上記のウレタンアクリレートは、トリエチレンジイソシアネート誘導体〔武田薬品工業(株)製、商品名:タケネートD−212〕30重量部とポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート〔ダイセル化学工業(株)製、商品名:プラクセルFA3〕70重量部とを反応させて得たものである。紫外線硬化性シリコーン共重合体は、ポリジメチルシロキサンマクロモノマー〔チッソ(株)製、商品名FM0721〕10重量部と、ブチルメタクリレート30重量部と、イソシアネートエチルメタクリレート〔昭和電工(株)製、商品名:カレンズMOI〕15重量部と、ペンタエリスリトールアクリレート〔東亞合成(株)製、商品名:アロニックスM305〕20重量部と、メチルメタクリレート25重量部とを反応させて得たものである。1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンは光重合開始剤である。
【0072】
得られた表面層用樹脂液を、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に30μmの厚みでロールコータにて均一に塗布し、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射(1J/cm2)し、塗膜を硬化させた。次いで、塗膜による硬化面の反対側の面にアクリル系粘着剤を含む溶液を塗工し、乾燥することにより、ペン入力装置用表面材を作製した。このペン入力装置用表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着して貼付することによりペン入力装置を作製した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0073】
比較例1
厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにアクリル系ハードコート樹脂を厚さ5μmに塗工した後、硬化し、さらにこの基材の反対面にアクリル酸2−エチルヘキシル100重量部とアクリル酸10重量部との共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤を厚さ40μmで塗工して透明粘着剤層を作成し、乾燥することにより表面材を作成した。
【0074】
この表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0075】
比較例2
厚さ100μm厚の透明なポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に紫外線硬化型アクリル系樹脂100重量部と、粒径5〜10μmのアクリル樹脂系ビーズ2重量部と、微量のシリコン樹脂とを含有する樹脂液を塗布し、紫外線照射により硬化させ、厚さ5μmの樹脂層を形成した。
【0076】
このポリエチレンテレフタレートフィルムの反対面にアクリル系粘着剤を溶液状で塗工、乾燥することにより表面材を作成した。この表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0077】
比較例3
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にポリカプロラクトントリオールとポリシロキサン系化合物を主成分とするポリオール液とヘキサメチレンイソシアネートを主成分とするイソシアネート液を重量比100対90で混合しながら厚さ300μmで塗工し、120℃で20分加熱して硬化させた。
【0078】
その後ポリエチレンテレフタレートフィルムと剥離し、軟質樹脂フィルムを作成した。この軟質樹脂フィルムの表面にアクリル系粘着剤を溶液状で塗工、乾燥することにより表面材を作成した。この表面材をタッチ入力装置付き液晶ディスプレイ表面に常温下で圧着・貼付することによりペン入力装置を作成した。これを用いて実施例1と同様に各種評価を行った。その結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
Figure 0004178975
実施例1〜4では、すべてにおいてスベリ感、ヘコミ感、ザラザラ感の筆記感を得ることができ、総合的な筆記感においても良好であった。実施例5および6では、ザラザラ感が不足するもののヘコミ感があり、またスベリ感が適切であるため総合的な筆記感は良好であった。
【0080】
それに対して比較例は全てにおいてスベリ感が適切でなく、さらに比較例1では特にザラザラ感が不足し、良好な筆記感を得ることができなかった。また、比較例2では特にヘコミ感が不足し、良好な筆記感を得ることができなかった。また、比較例3では特にザラザラ感が不足し、良好な筆記感を得ることができなかった。
【0081】
なお、前記実施形態を次のように変更して実施することもできる。
・ 表面層にスベリ感を向上させるために、ポリシロキサン系化合物に代えてフッ素系化合物を含有させてもよい。
【0082】
・ 表面層とは反対側の基材面に設ける粘着層を省略し、ペン入力装置用表面材接着剤によってディスプレイの前面に接着してもよい。
さらに、前記実施形態より把握される技術的思想について以下に記載する。
【0083】
・ 前記アクリル基含有化合物は、多価アルコールとアクリル酸とのエステル化物またはウレタン変性アクリレートである請求項4〜7のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。このように構成した場合、ペン入力装置用表面材の耐久性を向上させることができる。
【0084】
・ ポリシロキサン系化合物は、ポリオルガノシロキサン基含有グラフト共重合体セグメントAとポリオルガノシロキサン基を含有しない重合体セグメントBとからなるA−B型ブロック共重合体である請求項6または請求項7に記載のペン入力装置用表面材。このように構成した場合、表面層の表面のスベリ感を向上させることができる。
【0085】
【発明の効果】
本発明のペン入力装置用表面材は、表面層の動摩擦係数および静摩擦係数を特定の範囲に設定したことから、入力ペンを操作面に接触させたときに、特にスベリ感に基づく優れた筆記感が得られる。
【0086】
また、本発明のペン入力装置用表面材は、表面層の復元性が特定の範囲にある場合には、表面層の表面のヘコミ感をより向上させることができる。さらに、本発明のペン入力装置用表面材は、表面層のヘイズ値が特定の範囲にある場合には、耐久性をより向上させることができる。
【0087】
また、本発明のペン入力装置用表面材は、表面層の表面の中心線平均粗さ(Ra)が特定の範囲にある場合には、表面層の表面のザラザラ感をより向上させることができる。従って、本発明のペン入力装置用表面材を組み込んだペン入力装置に対する接触位置信号での入力操作は筆記感に優れ、入力操作を繰り返し行なっても疲労感がなく快適である。

Claims (7)

  1. 基材と表面層とからなり、前記表面層は下記に示す樹脂組成物(1)、(2)、(3)または(4)を、基材上に20〜30μmの厚みで塗布し硬化してなるものであり、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で入力ペンを用いて荷重200gで表面層の表面を10cm/secの速度で移動させたときの動摩擦係数が0.10.4であり、かつ静摩擦係数が0.51.0であり、さらに20℃、50%相対湿度の雰囲気下で先端径0.75mmの超硬製加傷体を用いて表面層の表面を10cm/secの速度で引っ掻いたときに超硬製加傷体に対する荷重が20〜1000gで復元するペン入力装置用表面材。
    (1)ウレタン変性アクリレートを含む樹脂組成物。
    (2)ウレタン変性アクリレートと、アクリロイル基を2つ以上含んだ多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
    (3)アクリロイル基を2つ以上含んだ多官能重合性化合物と、シリコーン系、メラミン系またはエポキシ系の多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
    (4)ウレタン変性アクリレートと、シリコーン系、メラミン系またはエポキシ系の多官能重合性化合物とを含む樹脂組成物。
  2. さらに、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で直径20mmの円盤形状をなす綿布を用いて荷重200gで表面層の表面を10cm/secの速度で1000回往復させたときのヘイズ値の増加が10%以下である請求項1に記載のペン入力装置用表面材。
  3. 表面層がアクリル基含有化合物を主成分として含む樹脂組成物の硬化物である請求項1または2に記載のペン入力装置用表面材。
  4. 表面層の表面は中心線平均粗さが0.1〜5.0μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。
  5. 表面層がポリシロキサン系化合物を0.01〜10重量%含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。
  6. 表面層とは反対側の基材面に粘着層をさらに有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のペン入力装置用表面材を備えてなるペン入力装置。
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