JP4178000B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、端子金具を二重係止するフロントリテーナを備えたコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
フロントリテーナを備えたコネクタとして、端子金具を挿入可能な複数のキャビティを有したハウジングと、このハウジングの組付空間に組み付け可能なフロントリテーナとを備えてなり、ハウジングには組付空間の奥端側から各キャビティの前部を構成するキャビティタワーが互いに独立した形態で突設された構成のものがある。また、ハウジングの各キャビティには、端子金具に対し弾性的に係止可能なランスが設けられ、フロントリテーナを組付空間に組み付けたときには、フロントリテーナがランスの撓み空間に進入して端子金具からの係止解除方向への撓み変形が規制されるようになっている。なお、フロントリテーナを備えたコネクタの一例としては、例えば実開平04−102576号公報に記載されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のコネクタでは、各キャビティタワーを支持するための構成は設けられておらず、リテーナを正規位置に組み付ける前の段階において、端子金具の後端部に接続された電線が引っ張られるなどして端子金具に対し後方への引張力が作用した場合に、端子金具がランスに引っ掛かった状態で傾き、それに伴ってキャビティタワーが撓み変形してしまうことがあった。このとき、キャビティタワーが大きく変形すると、端子金具の変位が大きくなってランスとの係止が外れ易くなるため、端子金具に対する抜止め機能の信頼性が低下するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、端子金具に対する抜止め機能の信頼性を向上させることの可能なコネクタを提供するところにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための請求項1の発明に係るコネクタは、端子金具を後方から挿入可能な複数のキャビティを有するハウジングと、前記ハウジングに設けられた組付空間へ前方から組み付けられるリテーナとを備えてなり、前記キャビティには、前記端子金具に係止することでこれを抜け止めするランスが設けられ、前記リテーナが前記ランスの撓み空間に進入することで前記ランスが前記端子金具から係止を解除するように撓み変形することを規制するようにしたコネクタにおいて、前記ハウジングにおける前記組付空間の奥端側からは、前記各キャビティの前部を構成するキャビティタワーが他のキャビティとは独立した形態で前方へ突設されるとともに、隣り合う前記キャビティタワー間には、前記組付空間の奥端よりも前方位置に、前記両キャビティタワー同士を連結する連結部が形成されているとともに、前記キャビティタワーの上面は開口しており、その開口部を上下に撓み変形可能な前記ランスが上方から覆うとともに、前記キャビティタワーの両側壁の上端面と前記ランスの側縁部とが上下に隙間を空けて対向する形態とされ、かつ前記リテーナは、前記組付空間内に収容され前記ランスの撓み変形を規制する本組付け位置と、前記組付空間から前方に退避し前記ランスの撓み変形を許容する仮組付け位置とに組付け可能とされるとともに、前記キャビティタワーを嵌合可能な嵌合部を備え、この嵌合部が前記仮組付け位置において前記キャビティタワーの先端部の下方向及び左右方向への変位を規制する構成としたところに特徴を有する。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、互いに隣り合う前記キャビティタワーと前記連結部によって連結された形態で一列に並んだ前記キャビティタワーのうち両端に位置する前記キャビティタワーには、前記組付空間の奥端側から前方へ延びる補強リブが形成されているところに特徴を有する。
【0007】
【発明の作用および効果】
請求項1の発明によれば、隣り合うキャビティタワー同士が連結部によって連結されることで、その変形が規制される。そのため、端子金具に対し後方への引張力が作用した場合に、キャビティタワーが変形して端子金具が抜けてしまうことを防止できる。従って、端子金具に対する抜止め機能の信頼性が向上する。
また、リテーナを仮組付け位置に組み付けた状態において、キャビティタワーの先端部が嵌合部内に進入することで、先端側の変位が規制されるため、キャビティタワーの変形がより確実に防止される。
【0008】
請求項2の発明によれば、一列に並んだキャビティタワーのうち両端位置のものは、片側のキャビティタワーのみと連結されることになるため、両隣りのキャビティタワーと連結された他のキャビティタワーと比較すると強度不足が懸念される。しかし、本構成によれば、両端位置のキャビティタワーに前後方向に沿った補強リブが形成されることで強度が確保される。
【0010】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図12を参照して説明する。本実施形態のコネクタは、図1に示すように、ハウジング10、リテーナ30及び端子金具50を備えて構成されている。
【0011】
ハウジング10は合成樹脂製であって、その内部には複数のキャビティ11が前後に開口して形成されている。これらのキャビティ11は、図2にも示すように、上下2段に分かれるとともに、各段において横幅方向に図示5個ずつ並んだ形態で配置されている。ハウジング10の前部には、相手の雌コネクタ(図示せず)を嵌合可能なフード部12が設けられ、そのフード部12の奥面12Aにはリテーナ30を嵌入可能な組付空間13が凹んで形成されている。
【0012】
組付空間13の奥端面13Aからは、各キャビティ11の前部を構成するキャビティタワー14が組付空間13内に突出して形成されている。より詳細には、図3にも示すように、上段側のキャビティタワー14は、左右一対の側壁16と、この両側壁16の前端部同士を連結する前面壁17とによって構成されており、下段側のキャビティタワー14は、左右一対の側壁16と、この両側壁16の前端部同士を連結する前面壁17と、両側壁16及び前面壁17の下縁に連なる底壁18とによって構成されている。各キャビティタワー14は、他のキャビティタワー14とは独立して個別に前方へ突出した形態となっている。なお、前面壁17には、端子金具50のタブ52をキャビティ11外へ突出させるためのタブ孔19が形成されている。また、前面壁17の前端面は、フード部12の奥面12Aに対し僅かに奥側(後側)に位置している。
【0013】
各キャビティタワー14の上面、即ち両側壁16の間の領域は開口した形態となっていて、この開口部における略後半分領域は、ハウジング10に形成したランス21によって上から覆われている。ランス21の左右両側縁部と両側壁16の上端縁との間には、前後方向のスリット状をなす隙間が空けられている。この側壁16の上端面、即ちランス21の側縁部の下面と対向する面は受け面22とされている。この受け面22は、キャビティ11に対する端子金具50の挿入方向(水平方向)と略並行をなしている。また、この受け面22は、ランス21の延出端部(前端部)即ち端子金具50に対する係止部23が端子金具50側(下方)へ変位するのを規制するための変位規制部としても機能する。
【0014】
ハウジング10には、組付空間13の奥端面13Aからキャビティ11の上面の開口部に沿って前方へ片持ち状に延出した形態であって、上下方向への弾性撓みを可能とされたランス21が形成されている。このランス21は、横断面形状(前方から視た形状)が左右対称な凸字形をなしており、幅方向(左右方向)中央は上下の厚さ寸法の大きい肉厚部21Aとされ、その肉厚部21Aの左右両側は上下の厚さが肉厚部21Aよりも薄い肉薄部21Bとされている。ランス21の下面(端子金具50と対応する面)においては肉厚部21Aと肉薄部21Bの下面同士が面一状に連続するが、ランス21の上面(後述する撓み空間25に臨む面)においては、肉厚部21Aが肉薄部21Bよりも上方へ突出した形態となっている。
【0015】
かかるランス21の前端下縁部は、端子金具50に係止してその端子金具50を抜止めするための係止部23となっている。ランス21が弾性撓みしない自由状態においては、係止部23がキャビティ11内における端子金具50の挿入空間内に突出した状態、即ちキャビティ11の天井面よりも下方へ突出した状態となる。また、肉薄部21Bの上面(撓み空間25と対応する面)は、前下がりに傾斜したガイド斜面24となっており、このガイド斜面24には後述するリテーナ30が当接されるようになっている。
【0016】
各キャビティ11のランス21の上方には、そのランス21の上方への弾性撓みを許容するための撓み空間25が、ハウジング10の前端面に開口する形態で形成されている。下段側のランス21の撓み空間25は、ランス21の肉厚部21Aと対応する領域において上段側のキャビティ11に連通されており、この下段側のランス21は、上段側のキャビティ11と下段側のキャビティ11との間を仕切るように位置している。
【0017】
さて、左右に隣り合うキャビティタワー14間には、その基端側において側壁16同士を連結する連結部26が形成されている。図3から図5にも示すように、この連結部26は、側壁16と同じ厚み寸法を有しているとともに、組付空間13の奥端面13Aから所定寸法前方へ突出した形態である。また、図2に示すように、上下各段に横一列に並んだキャビティタワー14のうち、左右両側端に位置するキャビティタワー14においては、その幅方向外側に前後方向に沿った補強リブ27が張り出して形成されている。この補強リブ27は、組付空間13の奥端面13Aからキャビティタワー14の前端に至るまで形成されている。
【0018】
リテーナ30は合成樹脂製であって、図1,図4,図6,図7に示すように、前面壁31の後面側における下縁部及び左右両側縁部から後方へ向けて、断面コの字状をなす周壁部32が突出して形成されている。リテーナ30は、ハウジング10に対して前方から組み付けられ、前記の組付空間13内に全体が収容される本組付け位置(図10から図12を参照)と、組付空間13から前方へ退避した仮組付け位置(図8及び図9を参照)とに組み付けられるようになっている。周壁部32の前後方向の長さ寸法は、組付空間13の深さ寸法とほぼ等しくされており、リテーナ30を前記の本組付け位置に組み付けたときには、周壁部32の後端面が組付空間13の奥端面13Aの位置とほぼ一致するとともに、前面壁31の前面がフード部12の奥面12Aとほぼ一致する。また、図4に示すように、周壁部32の左右両内側面の後端付近には、上下一対ずつ係合爪33が突出して形成されている。一方、上下のキャビティタワー14のうち左右両側端位置のキャビティタワー14における外側の側壁16には、係合溝28が前後に延びて形成されており、ここにリテーナ30の係合爪33を係合させることで、リテーナ30が正規組み付け位置から仮組付け位置までの間で変位可能に保持されるようになっている。
【0019】
リテーナ30の前面壁31の後面側には、各キャビティタワー14を、それぞれ、個別に上下左右方向へのガタ付きなく嵌合させるための嵌合部34が形成されている。そして、キャビティタワー14は上下左右に整列されていることから、これら角筒状をなす嵌合部34の集合体として見ると、全体として格子状をなしている。個々の嵌合部34は、略角筒状をなし、キャビティタワー14の前端部を包囲するように嵌合される。なお、リテーナ30を仮組付け位置に組み付けた状態では、キャビティタワー14の先端部のみが嵌合部34内に進入して、その先端部の下方向及び左右方向への変位が規制されるように設定されている。また、リテーナ30の前面壁31には、端子金具50のタブ52を貫通させるための貫通孔36がキャビティ11のタブ孔19と対応するように形成されている。また、周壁部32の内側面の後端から前後方向に沿って前面壁31を貫通するようにして、両側端位置のキャビティタワー14に設けられた補強リブ27を受け入れて係合可能な受入溝37が形成されている。
【0020】
図4に示すように、前面壁31の幅方向中央に位置する上下の嵌合部34の内側面には、ロック突起38が突設されている。一方、対応する幅方向中央のキャビティタワー14の側壁16には、溝状のロック受部29が形成されており、ここにリテーナ30のロック突起38を係合させることで、リテーナ30が正規組み付け位置に保持されるようになっている。なお、リテーナ30をハウジング10に対し本組付け位置に組み付けた状態では、嵌合部34の前端面と前記した連結部26の前端面26Aとがほぼ一致するように設定されている。
【0021】
各嵌合部34の上部には、それぞれ、各ランス21の肉薄部21Bと対応する嵌入部39が形成されている。この嵌入部39は嵌合部34(キャビティタワー14を包囲する部分)の一部を構成するものである。嵌入部39の下面には、ランス21のガイド斜面24と対応する押圧斜面40が形成されている。嵌入部39には、ランス21の肉厚部21Aとの干渉を回避するための逃がし溝41が形成されている。
【0022】
リテーナ30が仮組付け位置にある状態では、嵌入部39はランス21よりも前方に離れた位置にあるが、リテーナ30を本組付け位置へ押し込むと、各嵌入部39が撓み空間25に嵌入される。上段側の撓み空間25に嵌入された嵌入部39は、その撓み空間25の天井面とランス21の肉薄部21Bの上面との間に割り込み、リテーナ30の押圧斜面40がランス21のガイド斜面24を下方へ押圧する。下段側の撓み空間25に嵌入した嵌入部39は、上段のキャビティ11を構成する側壁16の下端面と肉薄部21Bの上面との間に割り込み、リテーナ30の押圧斜面40がランス21のガイド斜面24を下方へ押圧する。これにより、各ランス21は、それぞれ、自由状態よりも端子金具50側(下方)の位置へ強制的に押し下げられ、撓み空間25側(上方)への撓みを規制される。
【0023】
端子金具50は、所定形状に打ち抜いた金属板材を曲げ加工して成形したものであって、全体として前後方向に細長い形態となっている。端子金具50の長さ方向における略中央部分は角筒部51となっており、角筒部51からはタブ52が前方に延出されており、端子金具50の後端部の電線圧着部53には電線54が圧着により接続されている。かかる端子金具50は後方から各キャビティ11に挿入される。
【0024】
角筒部51の上面板には、その前後方向における一部を全幅に亘って切欠した形態の上部切欠部55が形成されており、角筒部51の左右両側板の上端部には、上面板の上部切欠部55と対応する側部切欠部56が形成されている。これらの切欠部55,56の前端縁は、ランス21の係止部23に対して前方から係止される抜止部57となっている。側部切欠部56の水平に延びる上縁は、ランス21の延出端部の係止部23が端子金具50側へ変位することを規制するための変位規制部58となっている。この端子金具50の変位規制部58は、ハウジング10(キャビティ11を構成する側壁16)の受け面22とほぼ同じ高さとされている。
【0025】
次に、本実施形態の作用を説明する。
本実施形態のコネクタの組付けに際しては、まず、リテーナ30をハウジング10の組付空間13へ前方から組み付ける。周壁部32が組付空間13内に挿入されるとともに、両側端位置のキャビティタワー14の補強リブ27が受入溝37内に進入して係合状態となって、リテーナ30の挿入姿勢が案内される。リテーナ30が仮組付け位置に押し込まれると、係合爪33が係合溝28内に係合する(図8,図9参照)。この仮組付け状態では、嵌入部39がランス21の前端よりもさらに前方に離れているため、ランス21の撓み空間25側への弾性撓みは許容されている。また、キャビティタワー14の先端部が嵌合部34の内側に進入して、キャビティタワー14先端部の下方向及び左右方向への撓み変形が規制されている。
【0026】
この状態から各キャビティ11に端子金具50を挿入する。挿入が進んで正規挿入位置に近くなると、角筒部51の上面の前端がランス21の下面に当接し、それ以降は、端子金具50の挿入が進むのに伴ってランス21が上方へ弾性撓みさせられて撓み空間25内に進出する。
この半挿入状態を経た端子金具50が正規挿入位置に到達すると、ランス21が下方へ弾性復帰し、その前端の係止部23が角筒部51の切欠部55,56内に落ち込み、抜止部57に対して後方から係止する。このランス21の係止により、端子金具50は、後方への遊動を規制された抜止め状態とされる。尚、角筒部51がキャビティ11の前面壁17に当接することにより、端子金具50は正規挿入位置において前止まりされる。
【0027】
このランス21によって抜止めされている状態では、ランス21が弾性撓みしない自由状態となっているとともに、ランス21の係止部23と端子金具50の変位規制部58との間、及び係止部23と受け面22との間に、それぞれ上下方向の隙間が空いている。したがって、この隙間の分だけランス21は下方へ弾性撓みすることができる。
【0028】
この状態において、電線54が引っ張られるなどして端子金具50に対し後方への引張力が作用した場合には、端子金具50が傾くとともにキャビティタワー14が下方向や左右方向に撓み変形して、ランス21との係止が解除され、端子金具50が抜けてしまうことが懸念される。しかしながら、本実施形態では、隣り合うキャビティタワー14の基端側が連結部26によって連結されているため、キャビティタワー14の基端側の変形が規制される。また、キャビティタワー14の先端部がリテーナ30の嵌合部34内に進入した状態であることで、その先端部の変形が規制される。さらに、両側端位置のキャビティタワー14については、補強リブ27が形成されていることで、その変形が規制される。これらにより、キャビティタワー14の変形が規制されるため、端子金具50がキャビティ11から抜けることが防止できる。
【0029】
さて、全ての端子金具50を挿入し終わったら、仮組付け位置のリテーナ30を後方へ押し込んで図10から図12に示す本組付け位置とする。リテーナ30を押し込む過程では、各撓み空間25内に嵌入部39が進入してその押圧斜面40をランス21のガイド斜面24に当接させ、その後は、リテーナ30の押し込みが進むのに伴なって押圧斜面40がガイド斜面24を下方へ押し動かし、ランス21は、自由状態から端子金具50側(下方)へ強制的に撓まされて前下がりの姿勢となる。このランス21の変位により、自由状態のときに比べると、ランス21の係止部23と端子金具50の抜止部57との間の係止代(上下方向における係止領域)が増大する。また、ランス21は、その肉薄部21Bを嵌入部39によって上から押さえつけられているため、撓み空間25側(上方)への弾性撓みを規制され、端子金具50に係止した状態に保持される。これにより、端子金具50は二重係止状態となって確実な抜止めがなされる。
【0030】
リテーナ30を本組付け位置に押し込んだ状態では、ロック突起38がロック受部29内に係合することで、リテーナ30が同位置に保持される。また、嵌合部34が、各キャビティタワー14に対し、仮組付け位置におけるよりも深く外嵌するため、キャビティタワー14が上下左右の各方向への変形がより確実に防止される。
【0031】
また、この状態で端子金具50に後方への強い引張力が作用した場合には、ランス21が、その係止部23と撓みの支点(ランス21の後端)との間の部分を撓み空間25側へ膨出させるような形態で座屈変形することが懸念される。しかしながら、本実施形態では、リテーナ30がランス21を押し下げて前傾姿勢にした状態のときに、リテーナ30の嵌入部39が、ランス21の上面に対して係止部23よりも後方(ランス21の撓みの支点となる後端よりは前方)の位置で上から当接しているとともに、ランス21の係止部23が、受け面22及び変位規制部58に当接することにより下方へ変位を規制されている。したがって、端子金具50及び係止部23に後方への引張力が付与されても、ランス21は座屈変形する虞がない。
【0032】
上述のように本実施形態においては、隣り合うキャビティタワー14同士が連結部26によって連結されることで、その変形が規制される。そのため、端子金具50に対し後方への引張力が作用した場合に、キャビティタワー14が変形して端子金具50が抜けてしまうことを防止できる。従って、端子金具50に対する抜止め機能の信頼性が向上する。
特に本実施形態では、連結部26の前端面26Aが本組付け位置におけるリテーナ30の嵌合部34の前端とほぼ一致するように設定されているため、リテーナ30と組付空間13の奥端面13Aとの間のデッドスペースがなくなり、スペース的な無駄をなくすことができる。
【0033】
また、横一列に並んだキャビティタワー14のうち両端位置のものは、片側のキャビティタワー14のみと連結されることになるため、両隣りのキャビティタワー14と連結された他のキャビティタワー14と比較すると変形に対する強度の不足が懸念される。しかし、本実施形態によれば、両端位置のキャビティタワー14に前後方向に沿った補強リブ27が形成されることで強度が確保される。また、この補強リブ27がリテーナ30の受入溝37に係合することで、リテーナ30の挿入が案内されるため、組み付けを円滑に行うことができる。
【0034】
さらに、リテーナ30を仮組付け位置に組み付けた状態において、キャビティタワー14の先端部が嵌合部34内に進入することで、先端側の変位が規制されるため、キャビティタワー14の変形がより確実に防止される。
【0035】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、雄タブを有する雄側端子金具が挿入される雄コネクタに適用した例を説明したが、本発明は、雄タブを有しない雌側端子金具が挿入される雌コネクタにも適用することができる。
(2)上記実施形態では、連結部が隣り合う一対のキャビティタワーの基端部のみを連結するような形態としたが、本発明によれば、連結部が隣り合う一対のキャビティタワーの先端部や中間部分を橋渡し状に連結するような構成としても良い。
(3)上記実施形態では、横一列に並んだキャビティタワーを連結部により連結したが、本発明によれば、上下に並んだキャビティタワーを連結することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるコネクタの分解側断面図
【図2】ハウジングの正面図
【図3】キャビティタワーを示す部分拡大斜視図
【図4】ハウジング及びリテーナの組み付け前の状態を示す平断面図
【図5】ハウジングの側断面図
【図6】リテーナの斜視図
【図7】リテーナの背面図
【図8】リテーナを仮組付け位置に組み付けた状態の部分拡大側断面図
【図9】その平断面図
【図10】リテーナを本組付け位置に組み付けた状態の側断面図
【図11】その部分拡大側断面図
【図12】その部分拡大平断面図
【符号の説明】
10…ハウジング
11…キャビティ
13…組付空間
14…キャビティタワー
21…ランス
26…連結部
27…補強リブ
30…リテーナ
34…嵌合部
50…端子金具
Claims (2)
- 端子金具を後方から挿入可能な複数のキャビティを有するハウジングと、
前記ハウジングに設けられた組付空間へ前方から組み付けられるリテーナとを備えてなり、
前記キャビティには、前記端子金具に係止することでこれを抜け止めするランスが設けられ、前記リテーナが前記ランスの撓み空間に進入することで前記ランスが前記端子金具から係止を解除するように撓み変形することを規制するようにしたコネクタにおいて、
前記ハウジングにおける前記組付空間の奥端側からは、前記各キャビティの前部を構成するキャビティタワーが他のキャビティとは独立した形態で前方へ突設されるとともに、隣り合う前記キャビティタワー間には、前記組付空間の奥端よりも前方位置に、前記両キャビティタワー同士を連結する連結部が形成されているとともに、
前記キャビティタワーの上面は開口しており、その開口部を上下に撓み変形可能な前記ランスが上方から覆うとともに、前記キャビティタワーの両側壁の上端面と前記ランスの側縁部とが上下に隙間を空けて対向する形態とされ、
かつ前記リテーナは、前記組付空間内に収容され前記ランスの撓み変形を規制する本組付け位置と、前記組付空間から前方に退避し前記ランスの撓み変形を許容する仮組付け位置とに組付け可能とされるとともに、前記キャビティタワーを嵌合可能な嵌合部を備え、この嵌合部が前記仮組付け位置において前記キャビティタワーの先端部の下方向及び左右方向への変位を規制する構成としたことを特徴とするコネクタ。 - 互いに隣り合う前記キャビティタワーと前記連結部によって連結された形態で一列に並んだ前記キャビティタワーのうち両端に位置する前記キャビティタワーには、前記組付空間の奥端側から前方へ延びる補強リブが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
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