JP4177448B1 - 陰茎固定方法及び陰茎保持具 - Google Patents

Abstract

【課題】従来にない新規な陰茎固定方法及びこの新規の陰茎固定方法を実現するための陰茎保持具を提供することを目的とする。
【解決手段】本実施形態に係る本実施形態に係る男性用下着（陰茎保持具）１０は、第１帯型布状部材２２及び第２帯型布状部材２５と、輪状の腰紐２０とを備えている。第１帯型布状部材２５の中心部分には、装着時に陰茎の亀頭部分が挿入される挿通穴２２ａが形成されている。陰茎の固定に際して、陰茎は、陰茎の根元から亀頭のカリ首までの表側を第１帯型布状部材２２の内面によって面接触で股間に押さえつけられると共に、表側カリ首に挿通穴２２ａの前側縁部が引っ掛けられて保持される。
【選択図】図１

Description

本発明は、男性の陰茎を固定するための陰茎固定方法及び陰茎保持具に関する。

従来から、快適さ等を追求するために、男性の下半身用下着として様々な種類の下着が提供されているが、通常は、重力によって下向きになった陰茎と陰嚢とを自然な状態で保持する下着がほとんどである。

一方、下記特許文献１乃至３には、陰茎を特殊な方法で保持する男性用下着が開示されている。
特開２００３−１１１７８８号公報 特開２００５−２３４８６号公報 特開２００７−７０７８５号公報

特許文献１には、失禁患者、幼児、寝たきり老人等に使用する男性用吸収性物品であって、着用したときに陰茎が外部に突出する穴部が前面に形成された着用部品と、この穴部の外側に着脱自在に装着され、穴部から外部に突出した陰茎が挿入される袋部品とからなる男性用吸収性物品が開示されている。

特許文献２には、装着時の蒸れを防止すると共に下着内のずれを防止でき、特に運動時の着用に適した男性用下着であって、下着本体の股間部の略袋状の陰嚢収容部と、下着本体前面の穴の外周部分に設置された略輪状の陰茎支持鍔部とを有する男性用下着が開示されている。

特許文献３には、陰茎を適切な位置に配置して、スポーツ時や激しい運動時に身体の動きを阻害したりせず、湿気や蒸れ等による不快感を軽減させる男性用パンツであって、陰茎を上方に向けて固定するために本体前面に陰茎収納用ポケットが設置された男性用パンツが開示されている。

従来の一般的な男性用下着や、上記特許文献１乃至３に開示された男性用下着であってもある程度の快適性は得られる。しかし、さらなる爽快感や快適性等を得られる陰茎保持具への需要もある。そこで、本発明は、従来にない新規な陰茎固定方法及びこの新規の陰茎固定方法を実現するための陰茎保持具を提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明に係る陰茎保持具は、陰茎を股間に押しつけて固定するための陰茎保持具において、人体への装着時に股間の下方に設置されて前側開口から陰茎が内部空間に挿入される筒型布状部材と、前記筒型布状部材の前側に一端が取り付けられた前側接続用紐と、前記筒型布状部材の後側に一端が取り付けられた後側接続用紐と、を有する、前記筒型布状部材を人体に装着するための接続部材と、を備え、人体への装着時に、前記前側接続用紐及び前記後側接続用紐の他端を人体又は人体に装着された部材に固定することで、股間の下方に設置された前記筒型布状部材の前側部分及び後側部分を上方に引っ張りながら前記筒型布状部材を装着するように構成されていることを特徴とする。

また、本発明に係る陰茎固定方法は、上記陰茎保持具を用いて、陰茎を股間に押しつけて固定する陰茎固定方法において、陰茎を下方から後方に引っ張ると共に包皮を剥いて亀頭を完全に露出させ、この後方に引っ張った状態の前記陰茎の根元付近から亀頭のカリ首までの表側を、前記筒型布状部材の内側下面によって面で上方に押しつけることで、前記陰茎を股間に対して押さえつけると共に、前記陰茎が前方に戻らないように前記筒型布状部材の後端縁部を表側の前記カリ首に引っ掛けて陰茎を固定することを特徴とする。

本発明に係る陰茎固定方法によれば、着用者に不快な感じを与えることなく、陰茎を股間に押しつけてしっかりと安定して固定することができる。

以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
（１）第１実施形態

まず、本発明の第１実施形態について、図面を参照しながら説明する。図１は、第１実施形態に係る男性用下着の斜視図である。図２は、第１実施形態に係る男性用下着の保持具本体を展開して示す図である。図３は、第１実施形態に係る男性用下着を装着した状態を示す断面図である。

図１に示すように、本実施形態に係る男性用下着（陰茎保持具）１０は、保持具本体を構成する第１帯型布状部材２２及び第２帯型布状部材２５と、保持具本体を人体に装着するための接続部材として機能する輪状の腰紐２０とを備えている。帯型布状部材２２，２５の前側及び後側端部が腰紐２０の前側中央部と後側中央部とに縫い付けにより固定されており、第１帯型布状部材２２が内側、第２帯型布状部材２５が外側となるように固定されている。もちろん、縫い付け以外の方法によって、帯型布状部材２２，２５を腰紐２０に固定しても良い。例えば、面ファスナー、いわゆるマジックテープ（登録商標）によって着脱可能に固定するようにしても良い。

図２に展開した状態を示すように、帯型布状部材２２，２５は、細長い帯状をした布状部材であり、長辺方向の側端部は内側へ折り込まれている。このように、布状部材の側端部が内側へ折り込まれていると、人体に装着された際に、陰茎を側面からも包み込むように覆うことができる。

第１帯型布状部材２２の中心部分には、直径4cm程度の挿通穴２２ａが形成されており、図１に示すように、この挿通穴２２ａは、男性用下着１０の保持具本体の下面に位置する。後述するように、男性用下着１０が人体に装着された際には、陰茎の先の亀頭部分がこの挿通穴２２ａから第１帯型布状部材２２の外側に突出することになる。

このとき、第１帯型布状部材の内面が、陰茎の根元から亀頭の手前までにおいて表側にぴったり接触し、面接触により陰茎を股間に押しつける。ここで、陰茎の表側とは、非勃起状態の陰茎が自然に垂れ下がった状態で外側に向く側であり、陰茎小帯（裏筋）が位置する裏側の反対側である。

また、挿通穴２２ａの前側縁部分は、亀頭の表側カリ首に引っ掛かり、陰茎の亀頭部分を後側に引っ張るようにも機能する。また、挿通穴２２ａから飛び出した亀頭部分は、第１帯型布状部材２２と第２帯型布状部材２５との間に挟まれて包まれることになるので、亀頭部分が男性用下着１０の外部に露出しないで済む。また、第２帯型布状部材２５によって亀頭部をも面接触で押さえつけるので、より安定して陰茎を保持することができる。

ここで、本実施形態に係る男性用下着１０を構成する第１帯型布状部材２２及び第２帯型布状部材２５は、肌触りを考慮して、絹（シルク）製の織物である。また、腰紐２０は、腰に確実に固着させるためにゴム製である。もちろん、男性用下着１０の材料としては、肌に直接触れても支障のない材料であれば、適宜他の素材を用いることができ、織物の他、編み物、レース、フェルト、不織布等であっても良い。

続いて、男性用下着１０を人体に装着して陰茎を固定する際の流れを説明する。まず、保持具本体が両足の間に挟まれるように、両足を腰紐２０の中に通す。続いて、腰紐２０を腰近くまで引き上げた後、着用者が手を使って、陰茎を勃起状態に近い長さまで下方から後方に引き伸ばした状態で、包皮を剥いて露出した亀頭部分を第１帯型布状部材２２の挿通穴２２ａに挿し込む。

このように陰茎の先端が挿通穴２２ａに挿し込まれた状態で、腰紐２０を腰まで引き上げて、男性用下着１０を完全に下半身に装着すると、第１帯型布状部材２２の内面によって陰茎の表側が上方に押されると共に、保持具本体の下面に形成されている挿通穴２２ａの前側縁部が露出した亀頭部分の表側カリ首に引っ掛かって、陰茎が後方に引っ張られた状態で、陰茎が固定・保持されることになる。

図３に、男性用下着１０を装着した状態の断面図を示すが、陰茎の先端の亀頭部分が、挿通穴２２ａの前側縁部に引っ掛かって後方に引っ張られつつ、第１帯型布状部材２２の内面によって陰茎の根元付近から亀頭までの裏側が股間に押しつけられて固定されている。図３では、図示を省略しているが、陰茎が股間に押さえつけられると、陰嚢は、陰茎と股間の間に挟まれることになる。なお、このとき、陰茎は、２つの睾丸の間に位置しており、陰茎によって２つの睾丸が左右に分離される。

また、第２帯型布状部材２５の内面は、第１帯型布状部材２２の外面及び挿通穴２２ａから露出した亀頭に密着して上方に押しつけるように機能する。これにより、第１帯型布状部材ごと陰茎を固定することができ、陰茎が前側に移動して亀頭が挿通穴２２ａから抜けてしまうのを防止する等、安定して陰茎を固定することができる。また、亀頭部をも面接触で押さえつけるので、より安定して陰茎を保持することができる。

このように、本実施形態に係る陰茎固定方法によれば、包皮を剥いた亀頭を下方から後方に引っ張って股間に押しつけた状態で陰茎を保持することにより、陰茎と陰嚢とを人体に対してしっかりと固定することができる。よって、スポーツ等の激しい動きをする場合であっても、陰茎や陰嚢が移動して邪魔になったり、不快な感じとなったりすることがない。

また、本実施形態では、陰茎の固定に際して、陰茎の根元から亀頭のカリ首までの表側を布状部材によって面接触で押さえつけると共に、カリ首に布状部材の穴の縁部を引っ掛けて固定しているので、着用者に痛みや不快感を与えることなく、安定して陰茎を固定することができる。

さらに、本実施形態では、非勃起状態（陰茎の海綿体に血液が十分に満たされていない状態）の陰茎を勃起状態の長さに近い長さまで引っ張った状態で、男性用下着によって保持して固定しており、装着者はある種の爽快感や快適感を得ることができる。なお、本明細書における勃起状態に近い長さとは、完全に勃起した状態の長さの７割程度以上の長さのことをいうものとする。また、本実施形態によれば、陰茎が前方に飛び出さないため、本実施形態に係る男性用下着は、ニューハーフや性同一性障害者等、陰茎を隠したい者にとっても重宝される。

また、本実施形態においては、包皮を剥いて亀頭を露出させた状態で陰茎を固定しており、仮性包茎の場合に陰毛が亀頭を覆う包皮に巻き込まれるといった事態を回避することができると共に、包茎の矯正にも寄与することができる。

なお、本実施形態においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能であり、各構成部材のサイズや形状は、着用者の体型に合わせて適宜変更可能であり、帯型布状部材も細長い帯状に限らず、三角形状等、幅が変化するような形状であっても良い。

また、陰茎の亀頭のカリ首部分を引っ掛けるために、亀頭部分が挿通される挿通穴の形状も、三角形や四角形等の方形状であっても良く、また、亀頭部分が通過できる程度の大きさの切り込みであっても良い。但し、下着を装着した状態で、この挿通穴の前側の縁部が、亀頭の表側のカリ首部分に引っ掛かって、陰茎が前側に戻るのを阻止するように機能する形状とする必要がある。

（変形例１）
続いて、第１実施形態の変形例１について、図面を参照しながら説明する。図４は、本変形例１に係る男性用下着の斜視図である。本変形例１に係る男性用下着１１は、帯型布状部材が一枚である点で上記第１実施形態の男性用下着１０と構成が異なるが、その他の構成は同様であるため、同じ構成ついては同じ番号を付し、説明を省略する。

図４に示すように、本変形例１に係る男性用下着１１は、保持具本体を構成する第１帯型布状部材２２と、保持具本体を人体に装着するための腰紐２０とを備えている。このように簡単な構成の本変形例１によれば、第１帯型布状部材２２の挿通穴２２ａから露出した亀頭を覆うための別の布状部材が設けられていないが、陰茎の固定に関しては、上記第１実施形態と同様の作用効果を奏することが可能である。また、本変形例１に係る男性用下着１１は、シンプルな構成であり、製造コストを大きく抑えることができる。

（変形例２）
次に、第１実施形態の変形例２について、図面を参照しながら説明する。図５は、本変形例２に係る男性用下着の斜視図である。図６は、本変形例２に係る男性用下着の本体部分を展開した平面図である。本変形例２に係る男性用下着１２は、保持具本体を構成する帯型布状部材が三枚である点で、上記第１実施形態の男性用下着１０と構成が異なるが、その他の構成は同様であるため、同じ構成については同じ番号を付し、説明を省略する。

図５に示すように、本変形例２に係る男性用下着１２は、保持具本体を構成する第１帯型布状部材２２と、第２帯型布状部材２５と、第１帯型布状部材２２の内側に設置される第３帯型布状部材２６とを備えている。

図５及び図６に示すように、第３帯型布状部材２６は、その前面に、上記挿通穴２２ａと同様の挿通穴２６ａが開けられている。この男性用下着１２を着用する際には、まず陰茎をこの挿通穴２６ａに通し、その後に上述したように陰茎の亀頭部分を挿通穴２２ａに通す。そうすると、陰茎の真ん中あたり部分が、この挿通穴２６ａの縁部によって保持されることになり、上記第１実施形態の男性用下着１０よりも、さらに安定して陰茎を固定することが可能である。

（変形例３）
続いて、第１実施形態の変形例３について、図面を参照しながら説明する。図７は、本変形例３に係る男性用下着の斜視図である。図８は、本変形例３に係る男性用下着のカバーを除いて正面からみた図である。変形例３に係る男性用下着１３は、腰紐が複数の部材から構成されている点と、保持具本体を覆うカバーが設けられている点で上記第１実施形態の男性用下着１０と構成が異なるが、その他の構成は同様であるため、同じ構成については同じ番号を付して説明を省略する。

変形例３の腰紐は、弾性力のあるゴム紐から形成され、図７及び図８に示すように、第１輪状紐２１−１、第２輪状紐２１−２及び第１輪状紐２１−１と第２輪状紐２１−２を４箇所で接続する接続紐２３から構成されている。このような構成の腰紐を人体に着用した場合には、図８に示すように、第２輪状紐２１−２の第２帯型布状部材２５が接続される前後の中央部分は、第２帯型布状部材２５によって下方に引っ張られる。よって、着用時に下着自体が大きく変形可能であり、さまざまなサイズの人にフィットすることができると共に、弾性力を発揮する輪状紐２１−１，２１−２によって、より強固に下着を人体に固定できる。

また、カバー２７は、保持具本体の外側に保持具本体を覆い隠すように設置される長方形状の布であり、長辺方向の前後両端は、第１輪状紐２１−１に接続されている。また、カバー２７の幅は、着用時にほぼ楕円形となる腰紐の長軸の長さよりも若干短く、股間をほぼ覆い隠すことができる。

このような構成の本変形例３によれば、第１実施形態の男性用下着と同様の作用効果を奏すると共に、さらに、下着を確実に人体にフィットさせることができ、また、カバーによって股間の露出を抑えることもできる。

（変形例４）
次に、第１実施形態の変形例４について、図面を参照しながら説明する。図９は、本変形例４に係る男性用下着の斜視図である。同図に示すように、変形例４に係る男性用下着１４は、腰紐３０の後部分にリング３１が備えられている点で、第１実施形態の男性用下着１０と構成が異なっている。

挿通穴３２ａが設けられた第１帯型布状部材３２と第２帯型布状部材３５とは、一本の帯状部材がリング３１に通された部分で折り曲げられて構成されている。よって、本変形例４によれば、第１及び第２帯型布状部材３２，３５をリング３１に対してスライドさせることで、それぞれの長さを変動させることができ、男性用下着１４を簡単に着用者の体型にフィットさせることが可能である。

（変形例５）
次に、第１実施形態の変形例５について、図面を参照しながら説明する。図１０は、本変形例５に係る男性用下着の斜視図である。同図に示すように、本変形例５に係る男性用下着１５は、上記変形例４に加えて、さらに腰紐３０'の前側にもリング３１が設けられている。

第１帯型布状部材３２'と第２帯型布状部材３５'とは、前後の双方で一体に接続され、一つにつながった環状に構成されている。よって、男性用下着１５においては、第１及び第２帯型布状部材３２'，３５'は、腰紐３０'の前後に設置されたリング３１，３１の双方においてスライド可能であり、挿通用穴３２ａ'の位置を移動させることも可能である。

このような構成の本変形例５によれば、挿通穴３２ａ'を着用者の陰茎の形状等に応じて移動させることが可能であるため、下着をより着用者にフィットさせることが可能である。

（変形例６）
次に、第１実施形態の変形例６について、図面を参照しながら説明する。図１１は、本変形例６に係る男性用下着の斜視図である。同図に示すように、変形例６に係る男性用下着１６は、上記変形例４と比較して、第２帯型布状部材３５の代わりに後側から前側にかけて幅が広くなる三角形状の第２帯型布状部材３６を採用している点で構成が異なる。

本変形例６によれば、上記変形例４の作用効果に加えて、第２帯型布状部材３６でカバーすることで、陰嚢や陰毛等も覆い隠すことができるというメリットがある。

（変形例７）
次に、第１実施形態の変形例７について、図面を参照しながら説明する。図１２は、本変形例７に係る男性用下着の斜視図である。同図に示すように、変形例７に係る男性用下着１７は、上記変形例３と比較して、さらに前垂れ２８と、第２輪状紐２１−２の前側に取り付けられたクリップ２９とを備えている点で構成が異なる。

本変形例７によれば、上記変形例３の作用効果に加えて、クリップ２９で前垂れ２９やカバー２７の所定の位置を挟むことで、第２輪状紐２１−１の弾性力を調整して、第２輪状紐２１−１による保持具本体を引っ張る力を調整することができる。したがって、男性用下着１７をより着用者の下半身に適切にフィットさせることができる。また、前垂れ２８によって越中褌のような外観となり、デザイン上も優れたものとなる。

（２）第２実施形態
続いて、本発明の第２実施形態について、図面を参照しながら説明する。図１３は、第２実施形態に係る陰茎保持具の斜視図である。図１４は、第２実施形態に係る陰茎保持具の側縁部の縫い合わせ状態をイメージ的に示す概略図である。

図１３に示すように、第２実施形態に係る陰茎保持具５０は、保持具本体である筒型布状部材５５と、保持具本体を人体に装着するための接続部材であって、筒型布状部材５５の前側開口部の下面側に一端が取り付けられた前側接続用紐５８ａと、前側接続用紐５８ａの先端に取り付けられたクリップ５９ａと、筒型布状部材５５の後側開口部の上面側に一端が取り付けられた後側接続用紐５８ｂと、後側接続用紐５８ｂの先端に取り付けられたクリップ５９ｂとを備えている。

本実施形態では、図１３に示すように、この陰茎保持具５０のクリップ５９を、人体の腰の部分に設置された腰紐５１の前側中央部分及び後側中央部分にそれぞれ留めることで、筒型布状部材５５を人体に装着する。もちろん、筒型布状部材５５を装着するための接続部材は任意の場所に固定することができ、接続部材自体も種々の構成のものを採用することができる。例えば、接続用紐５８を延長して首周りの肩に固定するようにしても良い。

筒型布状部材５５は、三枚の第１〜第３長方形布状部材５６ａ〜５６ｃの長辺の両側縁部が縫い合わされて筒状に構成されている。図１４に示すように、最も上側に位置する第１長方形布状部材５６ａと真ん中に位置する第２長方形布状部材５６ｂとは、ほぼ同じ大きさであるが、第２長方形布状部材５６ｂが前側に3cm程度ずれた状態で、両者の両側縁部の重なった部分が縫い合わされている。なお、第１長方形布状部材５６ａと第２長方形布状部材５６ｂとは、長辺方向の両側縁部以外は縫い合わされておらず、人体への装着時には、両者に囲まれた筒状の空間に陰茎が挿入されることになる。

また、真ん中の第２長方形布状部材５６ｂと最下部の第３長方形布状部材５６ｃとは、前側（図中左側）端は同じ位置であるが、第３長方形布状部材５６ｃのほうが4cmほど長いので、第３長方形布状部材５６ｃの後側端は、第２長方形布状部材５６ｂの後側端よりも4cmほど後側にずれており、第１長方形布状部材５６ａの後側端と同じ位置である。

図１４に示すように、第２長方形布状部材５６ｂと第３長方形布状部材５６ｃとは、一部（第２長方形布状部材５６ｂの後端から前側に4cm程度の部分）を除いて両者の長辺方向の両側縁部の重なった部分が縫い合わされている。縫い合わされていない部分は側面の開口６０となり、排尿時にこの開口６０から亀頭先端を露出させることが可能である。なお、第２長方形布状部材５６ｂの前側短辺部は、第３長方形布状部材５６ｃと縫い合わされているが、第２長方形布状部材５６ｂの後側短辺部は、第３長方形布状部材５６ｃと縫い合わされていない。

また、筒型布状部材５５の後側部分の第２長方形布状部材５６ｂが存在しない箇所では、第１長方形布状部材５６ａと第３長方形布状部材５６ｃの長辺方向の両側縁部が縫い合わされている。もちろん、第１長方形布状部材５６ａと第３長方形布状部材５６ｃの後側の短辺部は縫い合わされずに開放されている。

続いて、このような構成の陰茎保持具５０を人体に装着する際には、まず、陰茎を第１長方形布状部材５６ａと第２長方形布状部材５６ｂとによって挟まれた筒状空間に挿入する。このとき、包皮を剥いて露出させた亀頭のカリ首部分が第２長方形布状部材５６ｂの後側端部を超える位置まで挿入する必要がある。

このようにして、陰茎を筒型布状部材５５内に挿入した後に、クリップ５９ａ，５９ｂをそれぞれ腰紐５１の前後に取り付ければ、装着が完了する。なお、クリップ５９ｂを腰紐５１の後部に取り付ける際には、陰茎を後方に引っ張りながら行う必要がある。装着されると、接続用紐５８を介して、筒型布状部材５５の前側端部が前側上方に、後側端部が後側上方に引っ張られる。

そうすると、陰茎自体は、筒型布状部材５５の内側下面（第２長方形布状部材の上面）によって、股間に押しつけられ、しっかりと固定される。また、陰茎は、後側に引っ張られた状態で筒型布状部材５５に保持されているため、前側に戻ろうとするが、亀頭の表側カリ首が第２長方形布状部材５６ｂの後側の下側端縁部分に引っ掛かるので、戻ることができない。また、第２長方形布状部材５６ｂの後側端部よりも後方に突出した亀頭部分は、第３長方形布状部材５６ｃによって覆われ、外部に露出しないで済む。

このように、第２実施形態によれば、第１実施形態と同様に、陰茎の根元から亀頭のカリ首までの表側を第２長方形布状部材によって面で押さえつけると共に、カリ首に第２長方形布状部材の後側の縁部を引っ掛けて固定しているので、着用者に痛みや不快感を与えることなく、安定して陰茎を固定することができる。

また、第２実施形態に係る陰茎保持具によっても、包皮を剥いた亀頭を下方から後方に引っ張って股間に押しつけた状態で陰茎を保持することができ、陰茎と陰嚢とを人体に対してしっかりと固定することができる。このように、第２実施形態によっても、上記第１実施形態と同様に様々な作用効果を奏することができる。

以上、第２実施形態について詳細に説明したが、本実施形態においても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、第２実施形態では、短辺である前後両端が開放された筒型布状部材５５としているが、陰茎保持具により陰茎を確実に覆い隠したい場合には、筒型布状部材の後側の開放端を縫い合わせて閉じるように構成しても良い。

また、陰茎保持具を構成する各部材の素材も適宜変更可能である。例えば、筒型布状部材５５の素材として、パンティストッキングに用いられるストッキング素材であるポリウレタンやナイロン等の合成繊維から形成された縦横に伸縮性の高い布状部材を用いることができる。伸縮性の高い素材を用いた場合には、筒型布状部材５５による保持性能を高めるために、そのサイズを小さくするのが望ましい。

（変形例８）
次に、第２実施形態の変形例８について、図面を参照しながら説明する。図１５は、変形例８に係る陰茎保持具の斜視図である。変形例８に係る陰茎保持具５３は、筒型布状部材５７と、筒型布状部材５７の前側開口部の下面側に一端が取り付けられた前側接続用紐５８ａと、前側接続用紐５８ａの先端に取り付けられたクリップ５９ａと、筒型布状部材５７の後側開口部の上面側に一端が取り付けられた後側接続用紐５８ｂと、後側接続用紐５８ｂの先端に取り付けられたクリップ５９ｂとを備えている。

本変形例８に係る陰茎保持具５３は、同じ大きさの二枚の長方形布状部材から筒型布状部材５７が構成されている点で上記第２実施形態に係る筒型布状部材５５と構成が異なるが、その他の構成は同様であるため、同じ構成については同じ番号を付し、説明を省略する。

図１５に示すように、変形例８では、同じ大きさの二枚の長方形布状部材を重ね合わせて長辺となる両側縁部を縫い合わせて筒体を構成している。また、両短辺は縫い合わされておらず、筒型布状部材５５の前後両端は開放されている。

このような構成の陰茎保持具５３を人体に装着する際には、上記第２実施形態と同様に陰茎を二枚の長方形布状部材に挟まれた筒状空間に筒型布状部材５７の前側から挿入する。このとき、包皮を剥いて露出させた亀頭のカリ首部分が下側の長方形布状部材の後側端部を超える位置まで、すなわち、筒型布状部材５７の後側開口から亀頭全体が露出するまで陰茎を挿入する必要がある。

上記第２実施形態と同様に陰茎保持具５３を人体に装着すると、陰茎は後側に引っ張られた状態で筒型布状部材５７の内側下面によって股間に押しつけられ、しっかりと固定される。陰茎が前側に戻ろうとすると、亀頭の表側カリ首が筒型布状部材５７の後側の下側側縁部に引っ掛かるので、戻ることができない。

よって、本変形例８によれば、上記第２実施形態と同様の作用効果を奏すると共に、簡単な構成で低コストの陰茎保持具を提供することができる。

次に、第２実施形態の変形例９について、図面を参照しながら説明する。図１６は、変形例９に係る陰茎保持具の斜視図である。変形例９に係る陰茎保持具６５は、筒型布状部材６６のサイズと素材が上記第２実施形態の筒型布状部材５５と異なる点と、接続部材として、上記第２実施形態の接続用紐５８及びクリップ５９の代わりに接続用帯体６８ａ，６８ｂを採用している点で上記第２実施形態と構成が異なるが、その他の構成は同様であるため、同じ構成については同じ番号を付し、説明を省略する。

本変形例９に係る筒型布状部材６６の構造は、上記第２実施形態の筒型布状部材５５と同様であるが、素材として、パンティストッキングに用いられるストッキング素材であるポリウレタンやナイロン等の合成繊維から形成された縦横に伸縮性の高い布状部材を用い、そのサイズも筒の直径をほぼ半分の大きさに構成している。

ストッキング素材のように伸縮性の高い素材であれば、陰茎を全周囲から包み込むように保持することができるので、筒型布状部材６６によって陰茎が上方の股間に押しつけられる際にも、陰茎に加えられる力が分散するため、着用者が感じる陰茎が押される感触自体を大きく低減でき、着用者に自然な装着感を与えることができる。

なお、筒型布状部材６６の素材としては、縦横に伸縮性の高い2wayストレッチ素材であれば種々の素材を用いることができる。また、本変形例９では、筒型布状部材６６を人体に装着するための接続部材として、接続用帯体６８を用いているが、前側接続用帯体６８ａは、筒型布状部材６６の下面を構成する伸縮性素材を一体に延長して形成され、後側接続用帯体６８ｂは、筒型布状部材６６の上面を構成する伸縮性素材を一体に延長して形成されたものである。

また、本変形例９では、接続用帯体６８を腰紐５１に縫い付けて固定しているが、ボタンや面ファスナー等によって着脱可能に固定するように構成しても良い。このように、本変形例９によれば、上記第２実施形態と同様の作用効果を奏すると共に、着用者にさらなる快適性を提供することができる。

図１は、第１実施形態に係る男性用下着の斜視図である。 図２は、第１実施形態に係る男性用下着の保持具本体を展開して示す図である。 図３は、第１実施形態に係る男性用下着を装着した状態を示す断面図である。 図４は、第１実施形態の変形例１に係る男性用下着の斜視図である。 図５は、第１実施形態の変形例２に係る男性用下着の斜視図である。 図６は、第１実施形態の変形例２に係る男性用下着の保持具本体を展開して示す図である。 図７は、第１実施形態の変形例３に係る男性用下着の斜視図である。 図８は、第１実施形態の変形例３に係る男性用下着のカバーを除いて正面からみた図である。 図９は、第１実施形態の変形例４に係る男性用下着の斜視図である。 図１０は、第１実施形態の変形例５に係る男性用下着の斜視図である。 図１１は、第１実施形態の変形例６に係る男性用下着の斜視図である。 図１２は、第１実施形態の変形例７に係る男性用下着の斜視図である。 図１３は、第２実施形態に係る陰茎保持具の斜視図である。 図１４は、第２実施形態に係る陰茎保持具の側縁部の縫い合わせ状態をイメージ的に示す概略図である。 図１５は、第２実施形態の変形例８に係る陰茎保持具の斜視図である。 図１６は、第２実施形態の変形例９に係る陰茎保持具の斜視図である。

符号の説明

１０ 男性用下着（陰茎保持具）
２０ 腰紐
２２ 第１帯型布状部材
２２ａ 挿通穴
２５ 第２帯型布状部材
５０ 陰茎保持具
５１ 腰紐
５５ 筒型布状部材
５６ 長方形布状部材
５８ 接続紐
５９ クリップ

Claims (4)

1. 陰茎を股間に押しつけて固定するための陰茎保持具において、
   人体への装着時に股間の下方に設置されて前側開口から陰茎が内部空間に挿入される筒型布状部材と、
   前記筒型布状部材の前側に一端が取り付けられた前側接続用紐と、前記筒型布状部材の後側に一端が取り付けられた後側接続用紐と、を有する、前記筒型布状部材を人体に装着するための接続部材と、を備え、
   人体への装着時に、前記前側接続用紐及び前記後側接続用紐の他端を人体又は人体に装着された部材に固定することで、股間の下方に設置された前記筒型布状部材の前側部分及び後側部分を上方に引っ張りながら前記筒型布状部材を装着するように構成されていることを特徴とする陰茎保持具。
2. 前記筒型布状部材の後端にも開口が形成されていることを特徴とする請求項１記載の陰茎保持具。
3. 請求項１に記載された陰茎保持具を用いて、陰茎を股間に押しつけて固定する陰茎固定方法において、
   陰茎を下方から後方に引っ張ると共に包皮を剥いて亀頭を完全に露出させ、この後方に引っ張った状態の前記陰茎の根元付近から亀頭のカリ首までの表側を、前記筒型布状部材の内側下面によって面で上方に押しつけることで、前記陰茎を股間に対して押さえつけて固定することを特徴とする陰茎固定方法。
4. 請求項２に記載された陰茎保持具を用いて、陰茎を股間に押しつけて固定する陰茎固定方法において、
   陰茎を下方から後方に引っ張ると共に包皮を剥いて亀頭を完全に露出させ、この後方に引っ張った状態の前記陰茎の根元付近から亀頭のカリ首までの表側を、前記筒型布状部材の内側下面によって面で上方に押しつけることで、前記陰茎を股間に対して押さえつけると共に、前記陰茎が前方に戻らないように前記筒型布状部材の後端縁部を表側の前記カリ首に引っ掛けて陰茎を固定することを特徴とする陰茎固定方法。

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