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JP4172888B2 - モノフィラメントおよびその製造方法 - Google Patents

モノフィラメントおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高い強度・弾性率および優れた耐湿潤特性、耐熱性を有し、産業用資材用途、特に漁網やロープ、釣り糸、ネット、タイヤやセメント等の補強材料などに適したポリケトンモノフィラメントおよび該モノフィラメントの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、単糸繊度の太く、強度・弾性率等の力学物性を兼ね備えたモノフィラメントは産業用資材用途、特に漁網、釣り糸、ネット、ロープ、天然芝、ケーブル、タイヤやセメント、プラスチックの補強材等に使用されており、一般にナイロン6・6、ナイロン6等のポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類等の汎用素材が用いられてきた。しかし、これらのポリマーから製造されるモノフィラメントは安価ではあるものの強度・弾性率等の力学物性が十分には高くないため、より高強度・高弾性率の優れた力学特性を有する高性能のモノフィラメントが要求されている。
【0003】
近年、アラミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリベンザゾール繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等のいわゆる高強度繊維のモノフィラメントについても検討されてきた(例えば、特開平3−807号公報、特開平8−27622号公報、特開昭60−153741号公報)。しかしながら、アラミド繊維は液晶紡糸法により紡糸することから単糸繊度が10dtex以上の太物繊維が得られない問題、また超高分子量ポリエチレン繊維においては融点が低く耐熱性が劣る問題、ポリビニルアルコール繊維においては温水や湿熱によって寸法変化、強度低下が起こる問題、ポリベンザゾール繊維は曲げ剛性が高く可撓性が低くまた著しく高コストである問題、等の問題があった。このように、これまで高強度・高弾性率で、優れた耐久性を有し、かつ可撓性に優れ実用的なコストのモノフィラメントは知られていない。
【0004】
このような高強度・高弾性率と優れた耐久性、耐熱性を有し、可撓性を具備した繊維として、近年、一酸化炭素とエチレン、プロペンのようなオレフィンとを交互共重合せしめたポリケトンポリマーからなるポリケトン繊維が注目されている。
ポリケトン繊維においては、高融点のエチレンと一酸化炭素の完全交互共重合ポリマー(以後「ECOポリマー」と略することがある)と、数%のプロピレンを共重合した低融点のエチレン/プロピレン/一酸化炭素ターポリマー(以後「EPCOポリマー」と略することがある)の2種類のポリマーが知られている。ECOポリマーは融点が高く、耐熱性のよい繊維を得ることが出来るが、融点が三次元架橋反応が起こる温度よりも高く、溶融紡糸法を適用することは不可能であるため、これまでその繊維化は湿式紡糸法により検討されてきた。
【0005】
例えば、特開平2−112413号公報、特開平4−228613号公報、特表平4−505344号公報、特開平2−112413号公報、特開平4−228613号公報、特表平7−508317号公報、特表平8−507328号公報には、ヘキサフルオロイソプロパノール、m−クレゾール、レゾルシン/水、フェノール/アセトン、ヒドロキノン/プロピレンカーボネート、レゾルシン/プロピレンカーボネート等の溶剤を用いて紡糸した繊維が開示されている。これらの技術では、ポリケトンポリマーを溶剤に溶解した後に、凝固浴に吐出して凝固せしめて紡糸し、さらに溶剤を一部または全部除去してから数倍〜数十倍の熱延伸を行うことで高強度のポリケトン繊維が得られることが開示されている。しかしながらこれらの公報では、単糸繊度が0.5〜数dtex程度の繊度の小さいECOポリマー繊維に関する技術しか開示されておらず、単糸繊度が10dtex以上の太物のECOポリマー繊維およびその製造法に関する技術は一切知られていない。
【0006】
一方、EPCOポリマーの繊維化に関しては、特開平1−124617号公報、特開平2−112413号公報、Polym.Prepr.(Am.Chem.Soc.,Div.Polym.Chem.),36,1,291−292、Prog.Polym.Sci.,Vol.22,8,1547−1605(1997)、WO9918143号公開パンフレット等で、溶融紡糸法や上述の乾式紡糸、湿式紡糸、あるいはアルカリ金属やアルカリ土類金属、塩化亜鉛などの金属塩を含む溶液にポリケトンポリマーを溶解し繊維を製造する湿式紡糸技術が開示されている。また、米国RD399004号公開パンフレットには繊維径の太いポリケトンモノフィラメントがトリマー用途に適しているという情報が開示されている。しかしながら、このパンフレットではポリケトンモノフィラメントに実用上必要な構造や特性については一切開示されていない。また、その製造法についても従来公知の溶融紡糸法(欧州特許310171号)が引用されているのみであるが、この引用特許に開示されている溶融紡糸方法には繊度の大きいポリケトン繊維を紡糸する方法については一切触れられていない。また、通常の溶融紡糸法では延伸後の単糸繊度が10dtexを超える高強度・高弾性率のモノフィラメントを紡糸することは極めて困難であり、高性能のEPCOポリマーモノフィラメントに関する詳細な構造およびその実用的な製造方法については全く開示されていない。
以上のように、ポリケトン繊維においても単糸繊度が10dtex以上の太繊度のモノフィラメントにておいて、高強度・高弾性率の実用上十分な力学物性を有する繊維およびその製造法については全く知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高強度・高弾性率であり、優れた耐湿潤特性、耐熱性を具備する繊度の大きいポリケトンモノフィラメントおよびその製造法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、オレフィンと一酸化炭素の共重合体からなるポリケトンポリマーにより構成されるポリケトンモノフィラメントにおいて、単糸繊度が10dtex以上であり、かつ、該モノフィラメントの結晶化度が50%以上、結晶配向度が90%以上であることを特徴とするポリケトンモノフィラメントおよびその製造方法である。
本発明のモノフィラメントに用いるポリマーはオレフィンと一酸化炭素の共重合ポリマーである。強度、寸法安定性、耐湿潤特性、高温繊維物性等の観点からエチレンと一酸化炭素が結合した1−オキソトリメチレンを主たる繰り返し単位とするポリマーが好ましい。繰り返し単位中の1−オキソトリメチレンの割合は、多ければ多いほど高融点、高力学物性の繊維が得られるため90重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは97重量%以上である。
【0009】
このオレフィンと一酸化炭素が結合した繰り返し単位同士は、部分的にケトン基同士、エチレン同士が結合していてもよいが、90重量%以上がオレフィンと一酸化炭素が交互に配列したポリケトンポリマーであることが望ましい。耐光性、耐熱性、高温時の物性の低下の観点からオレフィンと一酸化炭素が交互に配列した部分の含有率は多ければ多いほどよく、好ましくは97重量%以上、最も好ましくは100重量%である。
また必要に応じて、プロペン、ブテン、ヘキセン、シクロヘキセン、ペンテン、シクロペンテン、オクテン、ノネン等のエチレン以外のオレフィンやメチルメタクリレート、酢酸ビニル、アクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、スチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルピロリドン、塩化ビニル等の不飽和炭化水素を有する化合物を共重合してもよい。
【0010】
本発明のモノフィラメントの単糸繊度は10dtex以上である。単糸繊度の範囲は10dtex以上であれば特に制限はないが、繊度が細すぎるとモノフィラメントとしての使い勝手が低下し、また、繊度が太すぎると工業的な装置・速度で製造することが出来なくなるため、10〜100000dtexの範囲が好ましく、より好ましくは20〜10000dtexが望ましい。
また、本発明のモノフィラメントは高い繊維物性、耐熱性、耐久性を有する必要があり、これらの性能を発現するためには、モノフィラメントの高次構造が重要であり、具体的には結晶化度が50%以上、結晶配向度が90%以上であることが必要である。
【0011】
強度、弾性率、寸法安定性、耐熱性の観点から結晶化度は高いほど好ましく、好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上の結晶化度が望ましい。また、結晶配向度は高いほど高弾性率のモノフィラメントが得られることから、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上であることが望ましい。
また、望まれる物性としては、強度は好ましくは5cN/dtex以上、より好ましくは10cN/dtex以上であることが望ましい。また、引っ張り弾性率は好ましくは50cN/dtex以上、より好ましくは100cN/dtex以上、特に好ましくは200cN/dtex以上であることが望ましい。
【0012】
さらに、耐熱性としては乾熱収縮率および湿熱処理後の繊維強度に代表される耐乾熱・湿熱特性に優れることが望まれる。乾熱収縮率としては、無緊張下で180℃、30分の乾熱処理後の乾熱収縮率が好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下であることが望ましい。湿熱処理後の強度としては、120℃、100%湿度下で30分の湿熱処理後の繊維の強度としては、好ましくは5cN/dtex以上、さらに好ましくは10cN/dtex以上の強度であることが望ましい。
以上のような特性を具備するポリケトンモノフィラメントは補強材等の産業用途資材や漁網、ロープ、ネット、釣り糸、縫い糸等の用途に幅広く使用することが可能となる。
【0013】
本発明のモノフィラメントの製造方法は特に限定されないが、使用するポリケトンポリマーの組成によって適宜選定することが望ましい。すなわち、融点が230℃以上のポリケトンポリマーの場合は主に湿式紡糸法を、また融点が230℃以下のポリマーについては主に溶融紡糸法を取ることが望ましい。
以下、濃厚金属塩を溶剤とする湿式紡糸法と溶融紡糸法を例に本発明のモノフィラメントの製造法を説明する。
ポリケトンポリマーの溶解に用いられる濃厚金属塩としてはハロゲン化亜鉛化合物が挙げられ、具体的には例えば、塩化亜鉛、臭化亜鉛、よう化亜鉛等の亜鉛塩である。ポリケトンポリマーの溶解性、溶媒のコスト、水溶液の安定性の点で塩化亜鉛、よう化亜鉛が好ましく、塩化亜鉛が最も好ましい。
【0014】
ハロゲン化亜鉛の濃度は、特に制限はないが、ポリケトンポリマーの溶解性の点からは高い方が好ましい。ハロゲン化亜鉛の水溶液中の濃度は、ポリケトンポリマーの組成、亜鉛塩の種類や水溶液の温度により適正範囲が異なる。例えば、ポリマーの溶解においての塩化亜鉛水溶液の好ましい濃度としては、50〜80℃では10〜80重量%であり、ドープの安定性、紡糸性、回収コスト等の観点から80℃において20〜70重量%であることが特に好ましい。
亜鉛塩の水溶液は、溶解性向上、コストダウンやドープの熱安定性等を目的として、ハロゲン化亜鉛を複数混合したものであってもよい。また、必要に応じては塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属のハロゲン化物を60重量%以下で含んでいてもよい。また、溶解性を阻害しない範囲で他の無機物、有機物を10重量%以下で含んでいてもよい。
【0015】
亜鉛塩水溶液ドープ中のポリマー濃度は0.005〜70重量%であることが好ましい。尚、ドープとは、ポリマーを溶剤に溶解させた溶液を指す言葉であり、ここではポリケトンポリマーを亜鉛塩水溶液に溶解させた溶液を指すものである。ポリマー濃度が0.005重量%未満では濃度が低すぎて、凝固時に繊維状になりにくい欠点を有する他、製造コストが高くなりすぎる欠点を有する。また、70重量%を越えるともはやポリマーが溶剤に溶解しなくなる。溶解性、紡糸のしやすさ、製造コストの観点から、好ましくは0.5〜40重量%、更に好ましくは1〜30重量%である。
【0016】
このポリケトンハロゲン化亜鉛ドープを紡糸口金から押し出す。紡糸口金の径については特に制限はなく、紡糸速度や繊度に応じて適宜選定される。10〜100000dtexの実用的な性能を有するポリケトンモノフィラメントの場合には、0.1〜100mmφの径が好ましい。紡糸口金の形状についても特に制限はなく、丸形、三角型、四角、星形、矩形等の従来公知の紡口形状から適宜選定される。凝固性、断面方向の物性の均一性の観点から丸型紡口が推奨される。また、モノフィラメントの繊度が1000dtex以上の場合、それに合わせて紡口径を大きくすると吐出が不安定となり、安定した紡糸が困難となることがある。このため、複数の紡口からドープを吐出し、凝固浴に入る前の気体中、あるいは凝固浴に入って繊維状に固化する前に吐出したドープ同士を接触、溶着せしめて一体化して繊維化する方法をとってもよい。この場合、フィラメント内部に気体を巻き込まないように、エアーギャップ部を減圧状態にすることが望ましい。
【0017】
紡糸口金から吐出されたドープは凝固浴に入る前に一旦気体中を通過するエアーギャップ紡糸法をとることが好ましい。気体の組成には特に制限はないが空気、窒素が好ましく、空気が特に好ましい。紡糸口金が凝固浴と接触している場合には、紡口周辺でポリマーが析出して紡口詰まりや糸に欠陥が出来やすくなる。また、紡糸口金内のドープ温度と凝固浴の温度差が大きい場合には紡糸口金付近の温度が不均一になり紡糸が不安定になって高性能の繊維が得られなくなる。エアーギャップの長さについては特に制限はないが紡糸の安定性の観点から0.1〜1000mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5〜100mmであることが望ましい。
【0018】
凝固浴の組成は、メタノール、アセトン等の有機溶剤、水、有機物水溶液、無機物水溶液等どのようなものであってもよいが、有機溶剤単独組成の凝固浴の場合には、凝固速度が著しく遅くなり工業的なスピード・設備で紡糸することが困難となってしまうため、少なくとも1重量%の水を含有する溶液であることが好ましい。
凝固浴の温度としては、凝固浴の組成によって変化するが通常−100℃〜100℃の範囲である。しかし、凝固浴温度が高くなりすぎると凝固速度が速くなりフィブリルの直径が大きくなってしまうため、好ましくは80℃以下、さらに好ましくは50℃以下、特に好ましくは30℃以下にすることが望ましい。一方、凝固浴温度が低すぎると凝固速度が遅くなり生産性が低下するため、好ましくは−50℃以上、さらに好ましくは−30℃以上、特に好ましくは−10℃以上とすることが望ましい。
【0019】
凝固浴の主組成が水の場合、凝固浴温度が高いとモノフィラメントの表層部と内層部の凝固速度が著しく異なり繊維構造の内外差が出来て不均一な未延伸糸構造となる。このような未延伸糸ではその後の熱延伸工程で延伸倍率を高くとれず、結果として高強度・高弾性率のポリケトンモノフィラメントが得られなくなる。このため、モノフィラメントの断面方向の凝固速度差を緩和するように凝固条件を選定することが重要なことである。
本発明者らはハロゲン化亜鉛溶剤系の場合、凝固浴に0.1〜30重量%のハロゲン化亜鉛を含有する水溶液を用いた場合に、繊維表面と中心部との繊維構造の差が小さくなり、高強度・高弾性率のモノフィラメントが得られるようになることを見いだした。凝固浴中のハロゲン化亜鉛濃度が低すぎると、表層部の凝固速度が速くなりいわゆるスキン−コア構造に近い構造になり、また濃度が高すぎると凝固が遅くなりすぎて工業的な速度での紡糸が困難となるため、好ましい濃度としては0.1〜30重量%、さらに好ましくは0.5〜15重量%、特に好ましくは1〜10重量%の範囲であることが望ましい。
【0020】
また凝固浴は、凝固性を大きく変えない範囲であればハロゲン化亜鉛以外の化合物を含有していてもよく、回収効率の観点からは溶剤に含まれる化合物と同一組成の化合物を使用することが推奨される。また、必要に応じては析出した亜鉛塩の溶解助剤として凝固浴に硫酸、塩酸等の酸を添加してもよい。
繊維状物を凝固浴に通す場合は、一定速度で引き取りながら通すことが好ましい。巻き取り速度としては0.001〜100m/min、紡糸ドラフトとしては0.01〜100である。ここで紡糸ドラフトとは、巻き取り速度を吐出線速度で除した値である。
【0021】
単糸繊度や紡糸速度、凝固温度によっては、凝固浴中で凝固糸中の亜鉛塩を十分に除去出来ない場合もあるので、必要に応じては凝固浴を出た凝固糸をさらに洗浄することが推奨される。洗浄には亜鉛塩を溶解する能力を有する液体であればどのようなものを用いてもよいが、安全性、溶液のコスト、回収のコスト等を考慮すると、水系の溶液が好ましく、亜鉛塩の溶解性の観点からは水もしくは硫酸、塩酸、リン酸等の酸性水溶液が特に好ましい。洗浄方法は従来公知の方法、装置をそのまま適用することが出来る。好ましい洗浄方法としては、洗浄効率の点から洗浄浴中をフィラメントを通す方法、または、フィラメントを洗浄液で満たされたロール表面上を走行させる方法が挙げられる。洗浄温度は高いほど亜鉛塩の溶解能力に優れるため、好ましくは20〜100℃、より好ましくは40〜90℃の範囲で洗浄することが望ましい。亜鉛塩が糸中に残存した場合、延伸性が低下し高強度・高弾性率のモノフィラメントが得られなくなるばかりか、モノフィラメントの耐熱性が低下したり、フィラメントが変・着色する等の問題が起こりやすくなる。このため、洗浄工程では最終的に糸に含まれる亜鉛金属の残量が好ましくは10000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下、特に好ましくは100ppm以下になるまで繰り返し洗浄することが望ましい。
【0022】
こうして凝固された実質的に当該亜鉛塩を含まない繊維は、乾燥後延伸あるいは乾燥させながら延伸を行って延伸糸を得ることが出来る。乾燥方法としては、いったん凝固糸を巻き取ったもの(チーズ、あるいはケークやパーン)を乾燥機中で乾燥するバッチ乾燥法であっても、また、凝固糸を紡糸後そのまま連続して、あるいはいったん巻き取った後に、加熱したロールやプレート上あるいは加熱気体中を走行させて乾燥する連続乾燥法であってもよい。糸の均一性や製造コストの観点からは連続乾燥法が好ましい。乾燥温度は特に制約はないが、乾燥温度が高すぎると、乾燥時にモノフィラメントの表層部と内層部とで乾燥速度に差が生じて断面構造が不均一となる。一方、乾燥温度が低すぎると工業的な速度で乾燥が完了しないため、好ましくは100℃〜260℃、より好ましくは120〜240℃の範囲が好ましい。また、乾燥工程を数段に分けてあるいは連続的に乾燥温度を徐々に上げていくと効率的に内外構造差の小さい未延伸糸を得ることができるため、乾燥温度が昇温していくような乾燥工程を通すことが望ましい。この場合の乾燥温度は、乾燥効率、未延伸糸構造の観点から乾燥初期100℃〜乾燥終了時240℃の範囲内であることが望ましい。乾燥温度が高すぎると糸が劣化する恐れがあるため、糸の周囲に不活性気体を流すことが好ましい。また、必要に応じては乾燥しながら同時に緩和や延伸などの処理をしてもよい。
【0023】
このようにして得られた未延伸糸を引き続き加熱し、特定の倍率以上に延伸することによって高強度・高弾性率のポリケトンモノフィラメントを得ることが出来る。
加熱延伸方法としては、加熱したロール上やプレート上、あるいは加熱気体中を走行させる方法や、走行糸にレーザーやマイクロ波、遠赤外線を照射する方法等従来公知の装置、方法をそのままあるいは改良して適用することが出来る。伝熱効率、糸温度の均一性の観点から加熱ロール、加熱プレート上での延伸が好ましく、ロールとプレートを併用した延伸法であってもよい。また、ロールやプレートの周囲を密閉し、密閉空間内に加熱気体を充填するとより温度が均一な延伸が可能となり好ましい。
【0024】
延伸段数は何段であってもよく、必要に応じて多段延伸を行ってもよい。多段延伸を行う場合には延伸温度を徐々に高くしていく方法が好ましい。延伸温度は糸を有効に延伸可能な範囲であればどのような温度でもよく、好ましい範囲としては80℃〜300℃、さらに好ましくは融点−50℃〜融点の範囲である。モノフィラメントの強度、弾性率、耐熱性の観点から、延伸倍率は好ましくはトータルで5倍以上、より好ましくは10倍以上、特に好ましくは15倍以上の倍率で延伸することが望ましい。
【0025】
引き続き、溶融紡糸法によるポリケトンモノフィラメントの製造法について説明する。溶融紡糸に供するポリケトンポリマーは融点が230℃以下のポリマーであることが好ましい。融点が230℃以上のポリマーの場合、溶融温度を235℃以上にする必要があり、この場合には安定剤を添加しても長期間連続して安定した紡糸を行うことが困難となる。融点が230℃以下のポリケトンポリマーとしては、一酸化炭素/エチレンの共重合ポリマーに第3成分としてプロペンやその他不飽和炭化水素を含有する化合物を共重合したポリマーが挙げられ、プロペンを共重合したEPCOポリマーが好適に用いられる。ポリケトンポリマーには三次元架橋反応を抑制する熱安定剤を添加することが望ましい。安定剤は、カルシウムヒドロキシアパタイト等の従来公知の安定剤をそのまま、あるいは複数種配合して用いてもよい。
【0026】
ポリケトンポリマーを240℃以下で溶融混練し、溶融ポリマーを紡糸口金から気体中に吐出した後に冷却浴に通して固化せしめる。紡糸口金の径、形状は目的に応じて適宜選定されるが、好ましい径としては0.05〜50mmφである。モノフィラメントの繊度が1000dtexを超える場合には、湿式紡糸の場合と同様に、複数の紡口から溶融ポリマーを吐出し、冷却浴に入る前に溶融ポリマー同士を接触・融着せしめる方法を採用してもよい。冷却浴の組成は特に制限はないが、伝熱効率、コスト、安全性の点から水性溶液が好ましく、特に水が望ましい。冷却浴の温度はポリケトンポリマーが固化する温度であれば特に制限はないが、冷却効率、生産性の観点から好ましくは0〜90℃、より好ましくは10〜60℃、特に好ましくは20〜50℃である。この際、急激に冷却するとフィラメントの外周のみが先に固化して内部に空洞が出来る場合があるので、必要に応じては冷却初期の水温は高めにして、徐々に冷却浴温度が下がるような連続冷却法または多段冷却法とすることが好ましい。
【0027】
このようにして冷却固化したポリケトン未延伸糸を、表面に付着した水を脱水した後に上述した延伸工程にて延伸することで本発明のポリケトンモノフィラメントが得られる。 本発明のポリケトンモノフィラメントは、従来の汎用モノフィラメントや高強度繊維では得ることのできなかった、また従来公知のポリケトン繊維の製造方法では到底得ることの出来なかった太繊度でありながら高強度・高弾性率、高耐熱性、高耐湿物性、可撓性を具備しており、そのまま、あるいは必要に応じて織物あるいは編み物や不織布に加工して幅広い分野(例えば釣り糸、漁網等の漁獲用品、ラケット用ストリング、ネット等のスポーツ用品、ロープ、ケーブル等の土木・工業用資材、リボン、衣料用品・生活用品の芯材、タイヤ用補強材、セメント補強材、プラスチック強化繊維等の補強材料等)へ展開することが期待される。
また、必要に応じては本発明の太繊度のモノフィラメントを製造時あるいは製造後に複数本縦列せしめて、マルチフィラメントとして上述の土木用・産業用資材用途、あるいは衣料用用途等へ活用してもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明を、下記の実施例などにより更に詳しく説明するがそれらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例などの説明中に用いられる各測定値ほ測定方法は次の通りである。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は次の定義式に基づいて求められる値である。
[η]=lim(T−t)/(t・C) [dl/g
C→0
定義式中のt及びTは、ヘキサフルオロイソプロパノール溶媒及び該溶媒に溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。またCは、上記希釈溶液の100ml中のグラム単位による溶質重量値である。
【0029】
(2)強伸度、弾性率
JIS−L−1013に準じて測定した。
(3)乾熱収縮率
JIS−L−1013に準じて180℃処理前後の値を計測して求めた。
(4)湿熱処理後強度
湿度100%、温度120℃のオートクレーブ中に繊維を投入し30分間処理した。処理後の繊維の強度を上記(2)の方法に準じて測定した。
(5)結晶化度
パーキンエルマー社製示差熱測定装置Pyris1を用いて下記条件で測定を行った。
測定温度 : 30℃→300℃
昇温速度 : 20℃/分
雰囲気 : 窒素、流量=200ml/分
得られる吸発熱曲線において200℃〜300℃の範囲に観測される最大の吸熱ピークの面積から計算される熱量ΔH(J/g)より下記式により算出した。
結晶化度 = ΔH/225 × 100 (%)
【0030】
(6)結晶配向度
株式会社リガク製イメージングプレートX線回折装置RINT2000を用いて下記の条件で繊維の回折像を取り込んだ。
X線源 : CuKα線
出力 : 40KV、152mA
カメラ長 : 94.5mm
測定時間 : 3分
得られた画像の2θ=21°付近に観察される(110)面を円周方向にスキャンして得られる強度分布の半値幅Hから下記式により算出した。
結晶配向度=(180−H)/180 × 100 (%)
(7)繊維中の亜鉛含有量
高周波プラズマ発光分光分析により、公知の方法を用いて測定した。
【0031】
【実施例1】
常法により調製したエチレンと一酸化炭素が完全交互共重合した極限粘度5.9のポリケトンポリマーを、塩化亜鉛65重量%/塩化ナトリウム10重量%含有する水溶液に添加し、80℃で2時間攪拌溶解しポリマー濃度8重量%のドープを得た。得られたドープを80℃に加温し、20μmのフィルターでろ過した後に、紡口径1mmφ、L/D=1のモノホール紡口より10mmのエアーギャップを通した後に、5重量%の塩化亜鉛と0.1重量%の塩酸を含有する32℃の水中に吐出量2.5cc/分の速度で押し出し、浸漬長4mの凝固浴中を通してポリケトン凝固糸を得た。引き続き凝固糸を濃度2重量%、温度40℃の硫酸水溶液の流れる径300mmの2組のロール上を30ラップ通して洗浄し、さらに60℃の水が流れる径300mmの2組のロール上を30ラップ通して仕上げ洗浄を行った後、巻き取り速度3.2m/分で巻き取った。
【0032】
得られた糸状物を簡易脱水した後に、120℃で1分間、引き続き180℃で1分間、さらに240℃で1分間定長乾燥して繊度1132.1dtexの未延伸糸を得た。
この未延伸糸を220℃に加熱したロールを通した後に、周囲に240℃の加熱空気を流した長さ1mのホットプレート上で240℃で1段目の延伸を行った後に、引き続き255℃で2段目、さらに270℃で3段目の延伸を行いトータルで15倍の延伸を行い、繊度78.2dtexのモノフィラメントを得た。このモノフィラメントは、高い強度・弾性率の力学物性、耐熱性、耐湿熱性を有していた。
得られたモノフィラメントの性質および性能を下記の実施例2〜5、比較例1〜8と合わせて表1にまとめて示す。
【0033】
【実施例2】
実施例1と同じドープを使用し、紡口径0.5mmφ、L/D=1、モノホール紡口を用い吐出量を0.5cc/分とする以外は実施例1と同様の処方で紡糸を行った。乾燥は簡易脱水した後に120℃で1分間、引き続き180℃で1分間、さらに240℃で30秒間の定長乾燥して、繊度228.6dtexの未延伸糸を得た。この未延伸糸を実施例1と同じ処方でトータル19倍の延伸を行い繊度13.1dtexのモノフィラメントを得た。
【0034】
【実施例3】
実施例1と同じドープを使用し、紡口径0.2mmφ、L/D=1、50H紡口を用い、吐出量5cc/分で吐出した。エアーギャップ長を30mmとし、吐出したマルチフィラメントを紡口直下25mm付近で溶着せしめた後に、5重量%の塩化亜鉛と0.1重量%の塩酸を含有する25℃の水を含有する凝固浴中に吐出した。浸漬長4mの凝固浴を通した後に、さらに2重量%の塩化亜鉛と0.1重量%の塩酸を含有する25℃の水を含有する浸漬長4mの浴を通し、引き続き実施例1と同様の処方で硫酸洗浄、水洗を行った後、巻き取り速度3.2m/分で引き取った。
得られた糸状物を簡易脱水した後に、120℃で2分間、引き続き180℃で2分間、さらに240℃で1分間定長乾燥して繊度2238.2dtexの未延伸糸を得た。
この未延伸糸を実施例1と同じ処方でトータルで15倍の延伸を行い、繊度152.1dtexのモノフィラメントを得た。
【0035】
参考例1
常法により1−オキソ−3−メチルトリメチレンユニットを6重量%含有する極限粘度1.6のエチレン/プロペン/一酸化炭素ターポリマーを調製した。該ポリマーを用い、ドープ濃度を22重量%とする以外は実施例2と同様の処方で紡糸、乾燥を行い繊度609.0dtexの未延伸糸を得た。
この未延伸糸を180℃に加熱したロールを通した後に、周囲に200℃の加熱空気を流した長さ1mのホットプレート上で200℃で1段目の延伸を行った後に、引き続き215℃で2段目、さらに225℃で3段目の延伸を行いトータルで11倍の延伸を行い繊度57.1dtexのEPCOモノフィラメントを得た。
【0036】
実施例4
参考例1で調製したEPCOターポリマーにカルシウムヒドロキシアパタイトを0.3重量%添加し、235℃で溶融した後に、紡口径1mmφ、L/D=2、モノホール紡口から吐出量17.1g/分で押し出した。吐出した線状ポリマーは空気中を20mm走行した後に、温度55℃、浴長2mの温水中を通し、幅20cmの綿布上を通して予備脱水した後に、温度85℃の加熱空気で満たされた長さ10mの筒中を通して速度100m/分で巻き取り繊度1713.9dtexの未延伸糸を得た。
この未延伸糸を参考例1と同じ処方でトータル12倍の延伸を行い、繊度142.2dtexの延伸糸を得た。
【0037】
【比較例1】
実施例1で得た未延伸糸は繊度は1132.1dtexであったが、繊維物性は全く不十分で実用不可能なものあった。
【比較例2】
実施例1において、凝固浴を60℃の温水とする以外は同様の処方で紡糸、乾燥を行い、繊度1145.9dtexの未延伸糸を得た。該未延伸糸を実施例1と同様の処方で延伸を行ったが延伸性が不良でトータル5.5倍の延伸しか出来ず、繊度205.2dtexの延伸糸を得た。未延伸糸の断面を電子顕微鏡で観察したところ、繊維表面部が密で中心部が疎なスキン−コア構造になっていた。
【0038】
【比較例3】
実施例1において、2%硫酸洗浄および温水洗浄を行わない以外は同様の処方で紡糸、乾燥を行い繊度1122.0dtexの未延伸糸を得た。この未延伸糸は乾燥時に黄褐色に着色していた。この糸を実施例1と同様の処方で延伸を行ったが延伸性が不良でトータル6倍の延伸しか出来ず、得られた延伸糸は繊度186.5dtexで茶褐色に変色していた。この延伸糸中には35000ppmのZn分が残存していた。
【比較例4】
実施例1において、エアーギャップをとらず紡口面を凝固浴と直接接触させて紡糸した。紡糸性は不良で開始直後より断糸が多発し巻き取ることが出来なかった。
【0039】
【比較例5】
常法により調製した極限粘度2.2のエチレン/一酸化炭素完全交互共重合ポリマーにカルシウムヒドロキシアパタイトを0.3重量%添加したポリマー粉を、270℃の単筒内に充填し、プランジャー押し出し機を用いて0.5mmφ、L/D=1のモノホール紡口から押し出そうとした。充填後2分後から押し出しを試みたが押し出し圧力を100MPaとしても吐出不能であった。バレル内部から取り出したポリマーは完全に硬化していた。
【比較例6】
実施例5において紡糸温度235℃で紡口から吐出した糸状物を冷却浴に通す替わりに温度20℃、風速2m/分の冷却風を当てて高さ10mのチャンバー内を通し、引き続き速度100m/分で引き取ろうとしたが、糸が軟かく巻き取り不能であった。巻き取り速度を上げていったところ速度2500m/分で引き取り可能となり繊度67.4dtexの未延伸糸を得た。
この未延伸糸を用い単糸繊度が10.0dtexとなるよう実施例5と同様の処方でトータル7倍の延伸を行ったが、このモノフィラメントの繊維物性は不十分であった。
【0040】
【比較例7】
常法により調製した重合度7000のポリビニルアルコールを濃度7重量%となるようDMSOに溶解し、紡口径0.5mmφ、L/D=1、モノホール紡口を用い吐出量を1cc/分で10mmのエアーギャップを通した後に浴長4mの冷メタノール中に吐出し、実施例1の洗浄液を硫酸および温水からメタノールに変えて洗浄し、紡糸速度2.5m/分で紡糸した。巻き取ったボビンを60℃下で24時間乾燥し、繊度420dtexの未延伸糸を得た。この未延伸糸を1段目延伸温度190℃、2段目延伸温度220℃、3段目延伸温度を230℃としてトータル17倍の熱延伸を行った。得られたPVAモノフィラメントは繊度25.2dtexで高強度・高弾性率であったが、湿熱処理によって大きく物性が低下した。
【比較例8】
市販の繊度100dtexのナイロン6・6モノフィラメント(商品名SO−100ビス:旭化成工業(株)製)は強度・弾性率、寸法安定性、耐湿熱性のいずれもポリケトンモノフィラメントに対して大きく劣るものであった。
【0041】
【表1】
Figure 0004172888
【0042】
【発明の効果】
本発明により、従来の汎用モノフィラメントや高強度繊維では得ることのできなかった、また従来公知のポリケトン繊維の製造方法では到底得ることのできなかった太繊度でありながら高強度・高弾性率、高耐熱性、高耐湿物性、可撓性を具備したポリケトンモノフィラメントおよびその製造方法を提供することができた。本発明のポリケトンモノフィラメントは、そのまま、あるいは織物あるいは編み物や不織布に加工して幅広い分野(例えば、釣り糸、漁網等の漁獲用品、ラケット用ストリング、ネット等のスポーツ用品、ロープ、ケーブル等の土木・工業用資材、リボン、衣料用品・生活用品の芯材、タイヤ用補強材、セメント補強材、プラスチック強化繊維等の補強材料等)へ展開することが期待される。

Claims (7)

  1. オレフィンと一酸化炭素の共重合体からなるポリケトンポリマーにより構成されていることを特徴とするポリケトンモノフィラメントにおいて、下記(1)または(2)のいずれかのポリケトンモノフィラメントであることを特徴とするポリケトンモノフィラメント。
    (1)単糸繊度が10dtex以上であり、かつ、該モノフィラメントの結晶化度が50%以上、結晶配向度が90%以上、引っ張り弾性率が200cN/dtex以上の湿式紡糸によるモノフィラメント。
    (2)単糸繊度が10dtex以上であり、かつ、該モノフィラメントの結晶化度が50%以上、結晶配向度が90%以上、引っ張り弾性率が100cN/dtex以上の溶融紡糸によるモノフィラメント。
  2. ポリケトンポリマーをハロゲン化亜鉛を10〜80重量%含有する水溶液に溶解し、紡糸口金を通した後にハロゲン化亜鉛を0.1〜30重量%含有する凝固浴に吐出せしめて繊維状とした後に、酸性水溶液と40〜100℃の水を通して実質的に溶剤を除去し、100〜260℃下で乾燥を行い、さらに全延伸倍率が5倍以上の熱延伸を行う工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のポリケトンモノフィラメントの製造方法。
  3. ポリケトンポリマーを溶融し、紡糸口金から吐出後気体中を通過せしめ、引き続き温度が0〜90℃の水性浴にて冷却固化し、さらに全延伸倍率が5倍以上の熱延伸を行う工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のポリケトンモノフィラメントの製造方法。
  4. 請求項記載のポリケトンモノフィラメントを含有することを特徴とする繊維製品。
  5. 繊維製品が釣り糸であることを特徴とする請求項記載の繊維製品。
  6. 繊維製品が漁網であることを特徴とする請求項記載の繊維製品。
  7. 繊維製品がタイヤ補強材であることを特徴とする請求項記載の繊維製品。
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