JP4167524B2 - 直噴エンジンの吸気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気通路を有するボディと、前記吸気通路を横切って前記ボディに回動可能に支承されるスロットルシャフトと、前記吸気通路の開口面積を調節するようにして前記スロットルシャフトに固定されるスロットルバルブと、前記ボディの外方で前記スロットルシャフトの一端部に固定されるとともにスロットルケーブルが巻回、連結されるスロットルドラムとを備えるスロットルボディ装置が、燃料を前記スロットルバルブの回動量に応じた量で燃焼室に直接噴射するインジェクタが配設されるシリンダヘッドの吸気ポートに、吸気管を介して接続される直噴エンジンの吸気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に搭載される直噴エンジンにあっては、車両運転者のアクセルペダルまたはスロットルグリップの操作量に応じた量の燃料が、シリンダヘッドに配設されるインジェクタから燃焼室に直接噴射されるのであるが、エンジンの低負荷、低回転域において希薄燃焼を行うことで燃費の低減を図るようなエンジン出力制御を行う場合には、アクセルペダルまたはスロットルグリップの操作量すなわちスロットルバルブの回動量と、エンジンの吸気量とはリニアに対応しない。
【0003】
このようにスロットルバルブの回動量と、吸気量とをリニアには対応させないようにするために、直噴エンジンではないものの特許文献1で開示されたエンジン吸気装置では、スロットルバルブとは別の制御弁が吸気系に配設されており、その制御弁の開度をECUで制御するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−107788号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1で開示された技術を直噴エンジンに適用することで、スロットルバルブの回動量と、吸気量とをリニアには対応させないようにして、エンジンの低負荷、低回転域において希薄燃焼を行うことで燃費の低減を図ることは可能であるが、スロットルバルブに加えて、ECUで制御される制御弁が必要となり、部品点数が多くなるとともに構成が複雑となる。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、スロットルバルブの回動量および吸気量との関係を簡単な構成で非線形とし得るようにして、エンジンの低負荷、低回転域における燃費の低減を図ることを可能とした直噴エンジンの吸気装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、吸気通路を有するボディと、前記吸気通路を横切って前記ボディに回動可能に支承されるスロットルシャフトと、前記吸気通路の開口面積を調節するようにして前記スロットルシャフトに固定されるスロットルバルブと、前記ボディの外方で前記スロットルシャフトの一端部に固定されるとともにスロットルケーブルが巻回、連結されるスロットルドラムとを備えるスロットルボディ装置が、燃料を前記スロットルバルブの回動量に応じた量で燃焼室に直接噴射するインジェクタが配設されるシリンダヘッドの吸気ポートに、吸気管を介して接続される直噴エンジンの吸気装置において、前記吸気ポートが、エンジンの最大出力発生に必要な空気量を吸入するのに必要かつ充分な開口面積を有するように形成され、前記スロットルボディ装置の吸気通路は、全閉位置から全開位置まで回動し得る板状の前記スロットルバルブが前記全閉位置および全開位置間の中央位置より全閉位置側に寄った所定中間位置に在る状態で前記エンジンの最大出力発生に必要な空気量を吸入するのに必要な開口面積となるように形成され、前記スロットルバルブを全閉位置から全開位置側に回動操作して、その回動量に応じ前記インジェクタからの燃料噴射量を増やしていくことでエンジンの出力を増強しようとしたときに、前記スロットルボディ装置の吸気通路を流通する吸気量が、該スロットルバルブが前記全閉位置および全開位置間の中央位置より全閉位置側に寄った前記所定中間位置に達すると、エンジンの最大出力発生に必要な最大吸気量となり、且つそれ以降は該スロットルバルブを全開位置側に操作しても吸気量が増加することがないようにしたことを特徴とする。
【0008】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、スロットルバルブを開き側に最大限に回動する前、特にスロットルバルブが全閉位置および全開位置間の中央位置より全閉位置側に寄った所定中間位置に達したときにスロットルボディ装置における吸気通路の開口面積は、エンジン出力を最大とするのに必要な空気を流通させ得るのに充分な大きさとなっており、インジェクタから噴射される燃料量がスロットルバルブの回動量に応じて変化するのに対し、スロットルバルブの回動量と、スロットルボディ装置における吸気通路の開口面積との関係を非線形とすることが可能であり、安価なスロットルケーブルの操作でスロットルバルブを回動させるスロットルボディ装置を用いた簡単な構成で、スロットルバルブの回動量および吸気量との関係を非線形として、エンジンの低負荷、低回転域における燃費の低減を図ることが可能となる。
【0009】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記吸気管の内面形状が、前記スロットルボディ装置の吸気通路および前記吸気ポートを滑らかに結ぶようにテーパ状に形成されることを特徴とし、かかる構成によれば、スロットルボディ装置の吸気通路から吸気ポートまでの吸気流速変化が滑らかとなり、より安定したエンジン出力制御が可能となる。
【0010】
さらに請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明の構成に加えて、前記インジェクタが、燃料および空気から成る混合気を前記スロットルバルブの回動量に応じた量で燃焼室に直接噴射するようにして、前記シリンダヘッドに配設されることを特徴とし、かかる構成によれば、空気によって燃料が霧化された混合気がインジェクタから燃焼室に噴射されるので、微少流量での燃料の霧化を良好とし、構造の簡素化を図りつつ、低負荷、低回転での燃費をより一層低減することができる。
【0011】
さらに請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明の構成に加えて、前記インジェクタが、前記燃焼室に各々開口する吸気弁口及び排気弁口、並びに同燃焼室に先端が臨む点火プラグで囲まれるようにして前記シリンダヘッドに配設され、前記点火プラグは、そのプラグ先端が前記インジェクタの先部に向くようにシリンダ軸線に対し傾斜して配置されることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図9は本発明の一実施例を示すものであり、図1はエンジンの一部縦断側面図、図2はヘッドカバーを取り外した状態での図1の2−2線矢視図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図3の4−4線断面図、図5は図2の5−5線断面図、図6は図5の6−6線断面図、図7は図5の7−7線断面図、図8は図2の8−8線断面図、図9はスロットルバルブの回動量および吸気量の関係を示す図である。
【0014】
先ず図1において、頭上弁式の4サイクル水冷式である単気筒直噴エンジンのエンジン本体11は、クランクケース12と、該クランクケース12に結合されるシリンダブロック13と、前記クランクケース12とは反対側でシリンダブロック13に結合されるシリンダヘッド14と、シリンダブロック13とは反対側でシリンダヘッド14に結合されるヘッドカバー15とを備え、シリンダヘッド14側をわずかに前上がりとした姿勢で自動二輪車等の車両に搭載される。
【0015】
図2〜図4を併せて参照して、シリンダブロック13に設けられたシリンダボア16に摺動可能に嵌合されるピストン17は、クランクケース12で回転自在に支承されるクランクシャフト10(図1参照)にコンロッド18およびクランクピン(図示せず)を介して連結されており、このピストン17の頂部を臨ませる燃焼室19がシリンダブロック13およびシリンダヘッド14間に形成される。
【0016】
シリンダヘッド14には、燃焼室19の天井壁19aに個別に開口する第1および第2の吸気弁口20,21と、前記天井壁19aに開口する排気弁口22と、第1および第2の吸気弁口20,21を共通に連ならせてシリンダヘッド14の上部側面に開口する吸気ポート23と、前記排気弁口22に連なって前記シリンダヘッド14の下部側面に開口する排気ポート24とが設けられる。
【0017】
第1および第2の吸気弁口20,21の燃焼室19への開口端は第1および第2の吸気弁27,28でそれぞれ開閉され、排気弁口22の燃焼室19への開口端は排気弁29で開閉される。第1および第2の吸気弁27,28はシリンダヘッド14に固着されたガイド筒30…にそれぞれ摺動可能に嵌合され、ガイド筒30…から突出した両吸気弁27,28の上端部にそれぞれ固定されるリテーナ31…およびシリンダヘッド14間に弁ばね32…がそれぞれ設けられ、それらの弁ばね32…が発揮するばね力により両吸気弁27,28は閉弁方向に付勢される。また排気弁29はシリンダヘッド14に固着されたガイド筒33に摺動可能に嵌合され、ガイド筒33から突出した排気弁29の上端部に固定されるリテーナ34およびシリンダヘッド14間に弁ばね35が設けられ、その弁ばね35が発揮するばね力により排気弁29は閉弁方向に付勢される。
【0018】
両吸気弁口20,21の並列方向に沿う一端側の第1の吸気弁口20に対応するとともに燃焼室19の中心からずれた位置であって排気弁29と並ぶ位置でシリンダヘッド14には、燃焼室19に臨む点火プラグ26が取付けられる。
【0019】
燃焼室19には、シリンダボア16の軸線すなわちシリンダ軸線Cと平行な軸線を有して前記両吸気弁27,28および排気弁29間でシリンダヘッド14に配設されるインジェクタ25により、燃料および空気の混合気が直接噴射されるものであり、この実施例では、シリンダ軸線Cと同軸にしてインジェクタ25がシリンダヘッド14に配設される。
【0020】
すなわちインジェクタ25と、一対の吸気弁口20,21と、第2の吸気弁口21に対応した排気弁口22と、点火プラグ26とが、インジェクタ25を両吸気弁口20,21、排気弁口22および点火プラグ26で囲むようにしてシリンダヘッド14に配設される。しかもその点火プラグ26は、そのプラグ先端がインジェクタ25の先部に向くようにシリンダ軸線に対し傾斜して配置される。
【0021】
図5〜図7をさらに併せて参照して、第1および第2の吸気弁27,28ならびに排気弁29は、動弁装置38により開閉駆動されるものであり、この動弁装置38は、吸気側および排気側カム39,40を有して回転するカムシャフト41と、前記吸気側カム39に従動して揺動する吸気側第1ロッカアーム42と、前記排気側カム40に従動して揺動する排気側第1ロッカアーム43と、第1および第2の吸気弁27,28に接触する一対の押圧腕部44a,44bを一端側に有する吸気側第2ロッカアーム44と、排気弁29に接触する押圧腕部45aを一端側に有する排気側第2ロッカアーム45と、吸気側第1ロッカアーム42の揺動運動を吸気側第2ロッカアーム44に伝達するようにして吸気側第1および第2ロッカアーム42,44間に設けられる吸気側駆動ロッド46と、排気側第1ロッカアーム43の揺動運動を排気側第2ロッカアーム45に伝達するようにして排気側第1および第2ロッカアーム43,45間に設けられる排気側駆動ロッド47とを備える。
【0022】
シリンダヘッド14およびヘッドカバー15間には、前記動弁装置38のうち吸気側および排気側第2ロッカアーム44,45、吸気側および排気側第2ロッカアーム44,45を揺動枢支する吸気側および排気側第2ロッカシャフト58,59、ならびに吸気側および排気側駆動ロッド46,47の上部を収容、配置する第1動弁室48が形成されており、クランクケース12、シリンダブロック13およびシリンダヘッド14には、動弁装置38の残余の部分を収容する第2動弁室49が、シリンダ軸線Cに関して前記点火プラグ26が配置される側とは反対側でシリンダ軸線Cと平行に延びるように形成される。
【0023】
前記動弁装置38のうち第1動弁室48内に収容された部分を潤滑するために、ヘッドカバー15には、オイル噴出孔36が設けられ、第1動弁室48内に収容された部分を潤滑したオイルは、クランクケース12の下部に形成されるオイルパン12a(図1参照)に第2動弁室49を経て戻される。
【0024】
吸気側および排気側第1ロッカアーム42,43は、吸気側および排気側カム39,40にシリンダヘッド14側から転がり接触するローラ54,55をそれぞれ有するものであり、前記カムシャフト41と平行な軸線を有してシリンダブロック13およびカバー50間に設けられる吸気側および排気側第1ロッカシャフト56,57で揺動可能に支承される。これらの吸気側および排気側第1ロッカアーム42,43には、前記ローラ54,55と反対側に位置する椀状の押圧部42a,43aがシリンダヘッド14側に開くようにしてそれぞれ一体に設けられる。
【0025】
動弁装置38のうちカムシャフト41は、第2動弁室49に収容されるようにしてシリンダブロック13に配置されるものであり、シリンダブロック13と、第2動弁室49の外側面を形成するようにしてシリンダブロック13に締結されるカバー50とに、クランクシャフト10と平行な軸線を有するカムシャフト41の両端部がボールベアリング51,51を介して回転自在に支承される。
【0026】
しかもカムシャフト41には、吸気側および排気側カム39,40と、吸気側第1ロッカアーム42および排気側第1ロッカアーム43との摺接部に潤滑用のオイルを供給するためのオイル供給路37が設けられる。
【0027】
第2動弁室49には、クランクシャフト10からの動力を1/2に減速して伝達するために、第1被動スプロケット52、第1駆動スプロケット60(図1参照)および無端状のカムチェーン53が収容されており、第1被動スプロケット52はカムシャフト41に相対回転不能に結合され、第1駆動スプロケット60はクランクシャフト10に相対回転不能に結合され、カムチェーン53は第1駆動スプロケット60および第1被動スプロケット52に巻き掛けられる。
【0028】
吸気側および排気側駆動ロッド46,47は、第1動弁室48から第2動弁室49内の一部間にわたって延びるものであり、シリンダヘッド14側の相互間隔が狭くなるように配置される。吸気側および排気側駆動ロッド46,47の一端側の球状端部は吸気側および排気側第1ロッカアーム42,43の押圧部42a,43aに首振り可能に嵌合され、吸気側および排気側駆動ロッド46,47の他端側の球状端部は吸気側および排気側第2ロッカアーム44,45の受圧部44c,45bに首振り可能に嵌合される。
【0029】
第1動弁室48内でシリンダヘッド14には、カムシャフト41と平行な軸線を有する吸気側および排気側第2ロッカシャフト58,59が、前記インジェクタ25の両側に配置されるようにして支持、固定されており、第1および第2の吸気弁28,29の上端に当接することで両吸気弁28,29に連動、連結されるようにして二股状に分岐した一対の押圧腕部42a,42bを一端側に有する吸気側第2ロッカアーム44が吸気側第2ロッカシャフト58で揺動自在に支承され、排気弁29の上端に当接することで該排気弁29に連動、連結される押圧腕部45aを一端側に有する排気側第2ロッカアーム45が排気側第2ロッカシャフト59で揺動自在に支承される。
【0030】
しかも吸気側第2ロッカシャフト58に関して両押圧腕部44a,44bとは反対側で吸気側第2ロッカアーム44の他端部にはシリンダブロック13側に開いた椀状の受圧部44cが一体に設けられ、排気側第2ロッカシャフト59に関して押圧腕部45aとは反対側で排気側第2ロッカアーム45にはシリンダブロック13側に開いた椀状の受圧部45bが一体に設けられる。
【0031】
前記吸気側および排気側第2ロッカアーム44,45の他端部すなわち受圧部44c,45bは吸気側および排気側第2ロッカシャフト58,59の一端部間に配置されており、吸気側および排気側駆動ロッド46,47は吸気側および排気側第2ロッカシャフト58,59の一端部間で吸気側および排気側第2ロッカアーム44,45の他端部に連動、連結されることになる。
【0032】
このような動弁装置38では、クランクシャフトから1/2の減速比で回転動力が伝達されるカムシャフト41の回転に応じて、吸気側カム39により吸気側第1ロッカアーム42が揺動することによって吸気側駆動ロッド46がその軸方向に作動し、それに応じて吸気側第2ロッカアーム44が揺動することで第1および第2の吸気弁27,28が開閉駆動され、また排気側カム40により排気側第1ロッカアーム43が揺動することによって排気側駆動ロッド47がその軸方向に作動し、それに応じて排気側第2ロッカアーム45が揺動することで排気弁29が開閉駆動されることになる。
【0033】
ところで、インジェクタ25には、シリンダ軸線Cと平行な方向にピストン66を往復動させるレシプロ式の空気ポンプ61からの圧縮空気が供給されるものであり、この空気ポンプ61は、シリンダヘッド14に設けられた排気ポート24に対応する側でシリンダブロック13の下部に配設される。しかもシリンダブロック13には、シリンダ軸線Cに直交する平面内では前記第2動弁室49に略L字状に連なるようにしてシリンダボア16の下方に配置される作動室62が形成されており、前記空気ポンプ61は、第2動弁室49よりも下方において第2動弁室49および作動室62の連設部に配置される。
【0034】
図8を併せて参照して、空気ポンプ61のポンプケース63は、シリンダ軸線Cと平行な軸線を有するとともにシリンダヘッド14側を開放した有底円筒状にしてシリンダブロック13に一体に形成されるものであり、このポンプケース63の前記シリンダヘッド14側開口部を気密に閉じる蓋部材64がシリンダブロック13に締結される。
【0035】
ピストン66はポンプケース63に摺動可能に嵌合されており、ピストン66の一端および蓋部材64間には、容積収縮に応じた圧縮空気を生成するようにしてシリンダヘッド14側に配置されるポンプ室65が形成され、ピストン66の他端およびポンプケース63の閉塞端間には、オイルパン12a側に配置される大気圧室88が形成される。
【0036】
一方、作動室62には、カムシャフト41の軸線と平行であって前記ピストン66の軸線を通る軸線を有する円筒状の軸受部材69が配置されており、該軸受部材69は、シリンダブロック13に突設された複数本たとえば4本の締結ボス70…にボルト71…でそれぞれ締結される。しかも作動室62の外部側面を形成するカバー72がシリンダブロック13に締結され、カバー72の開放時に前記ボルト71…の締めつけおよび緩め作業が可能となる。
【0037】
前記軸受部材69にはポンプ駆動軸73が同軸に挿通されており、軸受部材69の一端部およびポンプ駆動軸73間にはローラベアリング74が介装され、軸受部材69の他端部およびポンプ駆動軸73間にはボールベアリング75が介装される。すなわちポンプ駆動軸73はシリンダブロック13に締結される軸受部材69で回転自在に支承される。
【0038】
前記軸受部材69の一端部から突出した部分でポンプ駆動軸73には、カムシャフト41からの動力が動力伝達手段89を介して伝達されるものであり、該動力伝達手段89は、ポンプ駆動軸73に固定された第2被動スプロケット78と、カムシャフト41に結合される第1被動スプロケット52と一体である第2駆動スプロケット79と、第2被動および駆動スプロケット78,79に巻き掛けられる無端状のチェーン80とから成る。
【0039】
ポンプ駆動軸73は、スコッチ・ヨーク式クランク84を介して空気ポンプ61のピストン66に連結されており、スコッチ・ヨーク式クランク84は、ピストン66に摺動可能に嵌合される摺動駒68に、ポンプ駆動軸73の一端の偏心位置から突出する偏心軸73aの先端が連結されて成るものである。而してポンプ駆動軸73がカムシャフト41から伝達される動力で回転するのに応じて偏心軸73aがポンプ駆動軸73の軸線まわりに回転し、空気ポンプ61のピストン66がポンプ室65の容積を増減するようにポンプケース63内で軸方向に往復駆動される。
【0040】
ピストン66には、その一直径線に沿うとともに前記カムシャフト41の軸線と直交する平面に軸線を配置した摺動孔67が設けられ、該摺動孔67に前記摺動駒68が摺動可能に嵌合される。また偏心軸73aはポンプ駆動軸73の一端に一体に突設される。
【0041】
而してポンプケース63には、ポンプ駆動軸73の一端部を挿入させる開口部76が設けられ、ピストン66には、ポンプ駆動軸73の回転に応じて偏心軸73aが摺動孔67の軸線に沿う方向で移動することを許容するようにして偏心軸73aを挿入せしめる挿入孔77が、摺動孔67の長手方向中央部に通じるようにして設けられる。
【0042】
ボールベアリング75およびローラベアリング74間の中央部で軸受部材69の両側部には透孔81,82がそれぞれ設けられており、一方の透孔81に対応する位置で軸受部材69には、作動室62内に落下してくるオイルの一部を軸受部材69およびポンプ駆動軸73間に導くためのオイルガイド83が一体に設けられる。すなわち第1動弁室48内の下部に溜まったオイルの一部を導くようにしてシリンダヘッド14に設けられた通路134がシリンダヘッド14に設けられ、その通路134に通じて作動室62に開口する通路135がシリンダブロック13に設けられるのであるが、通路135から落下してくるオイルを透孔81に導くようにしてオイルガイド83が軸受部材69に一体に設けられる。また軸受部材69およびポンプ駆動軸73間に導入されたオイルの一部はローラベアリング74およびボールベアリング75の潤滑に用いられ、残部は透孔82から作動室62内の下部に落下することになり、作動室62の下部に溜まったオイルは、作動室62の下部に通じるようにしてシリンダブロック13に設けられる戻り通路136からオイルパン12a側に戻される。
【0043】
前記軸受部材69に関して空気ポンプ61とは反対側でシリンダブロック13には、ポンプ駆動軸73と同軸の回転軸線を有するウォータポンプ90が取付けられており、シリンダ軸線Cを含んでポンプ駆動軸73と直交する平面PLに関して面対称となる位置に空気ポンプ61およびウォータポンプ90が配置される。
【0044】
ウォータポンプ90のポンプハウジング91は、ポンプ駆動軸73側を閉じた有底円筒部92aの開放端に皿状部92bが一体に連設されて成るハウジング主体92と、ハウジング主体92の開放端を閉じるポンプカバー93とで構成され、ポンプカバー93は、ハウジング主体92の開放端外周部をシリンダブロック13との間に挟持するようにしてシリンダブロック13に締結される。
【0045】
有底円筒部92aの閉塞端中央部およびポンプカバー93の中央部にはポンプ駆動軸73と同軸であるポンプ軸94の両端部が回転自在に支承されており、このポンプ軸94と一体に回転するようにして有底円筒部92a内に挿入されているロータ95にインナーマグネット96が固着される。一方、軸受部材69の他端から突出したポンプ駆動軸73の他端部には、前記ハウジング主体92の有底円筒部92aを同軸に囲繞する円筒部97aを有する回転部材97が固定されており、前記円筒部97aの内面にアウターマグネット98が固着される。これにより回転部材97がポンプ駆動軸73とともに回転するのに応じてロータ95がポンプ軸94とともに回転することになる。
【0046】
ところでハウジング主体92およびポンプカバー93間には渦室99が形成されており、この渦室99に収納されるインペラ100がロータ95に設けられる。
【0047】
ポンプカバー93には渦室97の中央部に開口する複数の吸入口101…が設けられ、この吸入口101…から渦室99に吸入された冷却水はインペラ100の回転によって加圧される。而してウォータポンプ90から吐出される冷却水は、シリンダブロック13に設けられたブロック側水ジャケット102、ならびに該ブロック側水ジャケット102に通じてシリンダヘッド14に設けられたヘッド側水ジャケット103に供給されるものであり、ヘッド側水ジャケット103から排出される冷却水を図示しないラジエータ等に導く状態と、ラジエータ等を迂回して吸入口101…に戻す状態とが冷却水の温度に応じてサーモスタット104によって切換えられ、このサーモスタット104のサーモスタットハウジング105は前記ウォータポンプ90のポンプカバー93に一体に形成される。
【0048】
空気ポンプ61におけるポンプケース63の上部側壁には、第2動弁室49を流通するオイルの一部を潤滑用としてポンプケース63内に導くためのオイル導入孔85が第2動弁室49に通じるようにして設けられる。ところで第2動弁室49内での回転によってカムシャフト41の吸気側カム39および排気側カム40は、第2動弁室49内を流通するオイルの一部をかき揚げるとともに遠心力の作用によって分離、飛散させ、またオイル供給路37から供給されるオイルの一部を遠心力の作用によって分離、飛散させるが、分離したオイル飛沫がオイル導入孔85に導かれるように、カムシャフト41およびオイル導入孔85の相対位置が設定されている。
【0049】
ところで、第2動弁室49のうち動弁装置38に対応する部分の幅は、それ以外の部分よりも大きく形成されるものであり、カムシャフト41のうち吸気側カム39および排気側カム40に対応する部分を略半円状に囲む突壁86が、第2動弁室49内でのオイル流通方向137と対向するようにしてシリンダブロック13に一体に突設されており、前記空気ポンプ61のオイル戻し孔85は、オイル流通方向137に沿って前記突壁86の直上流位置に配置される。すなわち突壁86は、第2動弁室49内を流通してきたオイルをオイル導入孔85に導く働きをする。
【0050】
しかもオイル戻し孔85は、ピストン66の外周に装着されてポンプケース63の内周に摺接するピストンリング138よりも大気圧室88側でポンプケース63の内周に開口するようにしてポンプケース63に設けられており、ピストン66の軸方向移動にかかわらずオイル戻し孔85は、ピストン66に設けられた摺動孔67の一端に常時連通する。またピストン66の外周には、ピストン66の大気圧室88側の端部および摺動孔67の両端間を結ぶ一対の溝139…が設けられており、オイル戻し孔85からポンプケース63に導入されるオイルの一部はピストン66およびポンプケース63間の潤滑に用いられ、残部は前記溝139…を経て大気圧室88側に流れる。しかも前記溝139…は、摺動孔67内のオイルを逃がすことで、スコッチ・ヨーク式クランク84における摺動駒68のポンピング作用が生じることを防止する働きをも果たす。
【0051】
而して大気圧室88に流れたオイルは、開口部76から作動室62側に流れ、さらに戻り通路136からオイルパン12a側に流れることになる。
【0052】
図7および図8に特に注目して、インジェクタ25は、燃料を噴射するようにしてヘッドカバー15に取付けられる第1の噴射弁107と、圧縮空気とともに燃料を燃焼室19に直接噴射するようにしてシリンダヘッド14に取付けられる第2の噴射弁108とが、同軸に接続されて成るものであり、第2の噴射弁108は、燃焼室19に突入するノズル108aを有する。
【0053】
シリンダヘッド14には、前記ノズル108aを気密に嵌合せしめる嵌合孔109と、該嵌合孔109よりも大径の内径を有して嵌合孔109に同軸に連なる挿入筒110とが、シリンダ軸線Cと同軸にして設けられており、第2の噴射弁108はそのノズル108aを嵌合孔109に気密に嵌合するとともに嵌合孔109および挿入筒110間に形成されている環状の段部111にウェーブスプリングワッシャ123を介して当接するまで、ヘッドカバー15側から挿入筒110に挿入される。
【0054】
第2の噴射弁108がその後部に備える導線接続部108bは、挿入筒110の後端に設けられた切欠き110aに配置されており、挿入筒110外で導線接続部108bから導出される一対の導線112…が、シリンダヘッド14およびヘッドカバー15の合わせ面間に挟まれるグロメット113を貫通して外部に引き出される。
【0055】
一方、ヘッドカバー15には、第1の噴射弁107を嵌合、保持するとともに前記第2の噴射弁108をシリンダヘッド14との間に位置決め挟持する位置決め部としても機能する円筒状のインジェクタハウジング114が一体に形成されており、ヘッドカバー15のシリンダヘッド14への結合時に、インジェクタハウジング114の先端が第2の噴射弁108の後端に当接する。またインジェクタハウジング114の後端には、第1の噴射弁107の後端部をインジェクタハウジング114との間に挟む挟持板115が締結される。
【0056】
第1の噴射弁107は、その後部に配線用コネクタ107aを備えており、第1の噴射弁107の後端部をインジェクタハウジング114および挟持板115で挟んで第1の噴射弁107がヘッドカバー15に取付けられた時に、前記配線用コネクタ107aはヘッドカバー15の外方に臨むように配置される。
【0057】
ところで、インジェクタハウジング114および第1の噴射弁107間には、第1の噴射弁107内に通じる環状の燃料室116が形成されており、この燃料室116を両側から挟む一対のシール部材117,118が第1の噴射弁107およびインジェクタハウジング114間に介装される。
【0058】
しかもヘッドカバー15には前記燃料室116に通じる燃料供給通路119が直接設けられており、図示しない燃料供給源から燃料を導くホース120が継ぎ手121を介して燃料供給通路119に接続される。
【0059】
また第1の噴射弁107の先端部および第2の噴射弁108の後端部との間で、インジェクタハウジング114内には、第2の噴射弁108内に通じる環状の空気室122が形成されており、この空気室122に、前記空気ポンプ61からの圧縮空気が供給される。
【0060】
空気ポンプ61における蓋部材64には、図示しないエアクリーナから空気を導くホースが接続される吸入管124(図2参照)が設けられており、この吸入管124は蓋部材64に内蔵されるリード弁(図示せず)を介してポンプ室65に接続される。
【0061】
また前記蓋部材64には、ポンプ室65の圧力増大に応じて開弁するポペット弁125が内蔵されており、空気ポンプ61から吐出される圧縮空気は前記ポペット弁125および圧縮空気供給路126を介して空気室122に供給される。
【0062】
圧縮空気供給路126は、前記ポペット弁125に連なるようにして蓋部材64に一端が接続されるとともに他端がシリンダヘッド14に接続される管部材127と、管部材127に通じるようにしてシリンダヘッド14に直接設けられる通路128と、該通路128に通じるとともに空気室122に通じるようにしてヘッドカバー15に直接設けられる通路129とで構成される。
【0063】
またシリンダヘッド14およびヘッドカバー15の合わせ面を跨ぐ円筒状のノックピン130の両端部がシリンダヘッド14およびヘッドカバー15に挿入されており、圧縮空気通路126の一部を構成してシリンダヘッド14およびヘッドカバー15に直接設けられた通路128,129は、前記ノックピン130を介して連通される。しかもノックピン130を囲繞するOリング133がシリンダヘッド14およびヘッドカバー15の合わせ面間に挟まれる。
【0064】
またノックピン130内にはオリフィス131が形成されており、このオリフィス131よりも上流側の前記通路128に接続されるリリーフ弁132(図2参照)がシリンダヘッド14に取付けられる。
【0065】
図1および図3に注目して、シリンダヘッド14の吸気ポート23には吸気管141を介してスロットルボディ装置140が接続される。このスロットルボディ装置140は、吸気通路142を有するボディ143と、吸気通路142を横切ってボディ143に回動可能に支承されるスロットルシャフト144と、全閉位置から全開位置まで回動して吸気通路142の開口面積を調節するようにしてスロットルシャフト144に固定される板状バタフライ形のスロットルバルブ145と、ボディ143の外方でスロットルシャフト144の一端部に固定されるとともにスロットルドラム146とを備え、スロットルドラム146には、スロットルグリップ等の操作部材で操作されるスロットルケーブル147が巻回、連結される。
【0066】
ボディ143は、吸気通路142を吸気管141内に通じさせるようにして該吸気管141に連結バンド149を介して接続されるものであり、このボディ143には、前記スロットルシャフト144およびスロットルバルブ145の回動量すなわちスロットルケーブル147の操作量を検出するセンサを含む制御ユニット148が取付けられており、前記インジェクタ25による燃料および空気の混合気噴射量は、前記スロットルバルブ145の回動量に対応するようにして制御ユニット148によって制御される。
【0067】
ところで、シリンダヘッド14の吸気ポート23が、エンジンの最大出力発生に必要な空気量を吸入するのに必要かつ充分な開口面積を有するように形成される。これに対し、スロットルボディ装置140の吸気通路142は、全閉位置から全開位置まで回動し得るスロットルバルブ145が前記全閉位置および全開位置間の中間位置に在る状態で前記エンジンの最大出力発生に必要な空気量を吸入するのに必要な開口面積となるように形成される。
【0068】
すなわち、図9で示すように、スロットルバルブ145を全閉位置から全開位置側に回動操作したときに、吸気通路142を流通する吸気量は、吸気通路142よりも開口面積が小さく設定されている吸気ポート23を含む吸気系全体の流通抵抗で定まる最大吸気量となり、最大吸気量に達してからはスロットルバルブ145を全開位置側に操作しても吸気量が増加することはない。
【0069】
また吸気管141の内面形状は、スロットルボディ装置140の吸気通路142および吸気ポート23を滑らかに結ぶようにテーパ状に形成されている。
【0070】
次にこの実施例の作用について説明すると、シリンダ軸線Cと平行な軸線を有するインジェクタ25が、燃料および空気から成る混合気を燃焼室19に直接噴射するようにしてシリンダヘッド14に配設されており、前記混合気を燃焼室19の中心付近に集めることができ、希薄燃焼を可能として燃費を低減することができる。しかもインジェクタ25は、圧縮空気によって燃料を微粒化して燃焼室19に直接噴射するものであるので、微少流量での燃料の霧化を良好とし、構造の簡素化を図りつつ、燃焼性を高めて低負荷、低回転での燃費をより一層低減することができる。
【0071】
ところで、インジェクタ25から噴射される混合気量は、シリンダヘッド14の吸気ポート23に吸気管141を介して接続されるスロットルボディ装置140が備えるスロットルバルブ145の回動量に応じて制御されるのであるが、スロットルボディ装置140および吸気管141を介して吸気ポート23に導入される吸気量と、スロットルバルブ145の回動量とは図9で示したような非線形の関係にある。
【0072】
すなわちシリンダヘッド14の吸気ポート23が、エンジンの最大出力発生に必要な空気量を吸入するのに必要かつ充分な開口面積を有するように形成されるのに対し、スロットルボディ装置140の吸気通路142は、スロットルバルブ145が全閉位置および全開位置間の中間位置に在る状態で前記エンジンの最大出力発生に必要な空気量を吸入するのに必要な開口面積となるように形成されているので、スロットルバルブ145を開き側に最大限に回動する前に、スロットルボディ装置140における吸気通路142の開口面積は、エンジン出力を最大とするのに必要な空気を流通させ得るのに充分な大きさとなっており、スロットルバルブ145の回動量と、スロットルボディ装置140における吸気通路142の開口面積との関係を非線形とすることが可能である。したがって安価なスロットルケーブル147の操作でスロットルバルブ145を回動させるスロットルボディ装置140を用いた簡単な構成で、スロットルバルブ145の回動量および吸気量との関係を非線形として、エンジンの低負荷、低回転域における燃費の低減を図ることが可能となる。
【0073】
しかも吸気管141の内面形状が、スロットルボディ装置140の吸気通路142および吸気ポート23を滑らかに結ぶようにテーパ状に形成されることにより、スロットルボディ装置140の吸気通路142から吸気ポート23までの吸気流速変化が滑らかとなり、より安定したエンジン出力制御が可能となる。
【0074】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0075】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、燃料をスロットルバルブ回動量に応じた量で燃焼室に直接噴射するインジェクタがシリンダヘッドに配設され、スロットルケーブルが巻回、連結されるスロットルドラムを備えるスロットルボディ装置がシリンダヘッドの吸気ポートに、吸気管を介して接続される直噴エンジンの吸気装置において、吸気ポートが、エンジンの最大出力発生に必要な空気量を吸入するのに必要かつ充分な開口面積を有するように形成され、スロットルボディ装置の吸気通路は、全閉位置から全開位置まで回動し得る板状のスロットルバルブが全閉位置および全開位置間の中央位置より全閉位置側に寄った所定中間位置に在る状態でエンジンの最大出力発生に必要な空気量を吸入するのに必要な開口面積となるように形成され、スロットルバルブを全閉位置から全開位置側に回動操作して、その回動量に応じインジェクタからの燃料噴射量を増やしていくことでエンジンの出力を増強しようとしたときに、スロットルボディ装置の吸気通路を流通する吸気量が、該スロットルバルブが全閉位置および全開位置間の中央位置より全閉位置側に寄った前記所定中間位置に達すると、エンジンの最大出力発生に必要な最大吸気量となり、且つそれ以降は該スロットルバルブを全開位置側に操作しても吸気量が増加することがないようにしたので、スロットルバルブを開き側に最大限に回動する前、特にスロットルバルブが全閉位置および全開位置間の中央位置より全閉位置側に寄った所定中間位置に達したときにスロットルボディ装置における吸気通路の開口面積は、エンジン出力を最大とするのに必要な空気を流通させ得るのに充分な大きさとなっており、インジェクタから噴射される燃料量がスロットルバルブの回動量に応じて変化するのに対し、スロットルバルブの回動量と、スロットルボディ装置における吸気通路の開口面積との関係を非線形とすることが可能であり、これにより、安価なスロットルケーブルの操作でスロットルバルブを回動させるスロットルボディ装置を用いた簡単な構成で、スロットルバルブの回動量および吸気量との関係を非線形として、エンジンの低負荷、低回転域における燃費の低減を図ることが可能となる。
【0076】
また請求項2記載の発明によれば、スロットルボディ装置の吸気通路から吸気ポートまでの吸気流速変化が滑らかとし、より安定したエンジン出力制御が可能となる。
【0077】
さらに請求項3記載の発明によれば、微少流量での燃料の霧化を良好とし、構造の簡素化を図りつつ、低負荷、低回転での燃費をより一層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンの一部縦断側面図である。
【図2】 ヘッドカバーを取り外した状態での図1の2−2線矢視図である。
【図3】 図2の3−3線断面図である。
【図4】 図3の4−4線断面図である。
【図5】 図2の5−5線断面図である。
【図6】 図5の6−6線断面図である。
【図7】 図5の7−7線断面図である。
【図8】 図2の8−8線断面図である。
【図9】 スロットルバルブの回動量および吸気量の関係を示す図である。
【符号の説明】
14・・・シリンダヘッド
19・・・燃焼室
23・・・吸気ポート
25・・・インジェクタ
140・・スロットルボディ装置
141・・吸気管
142・・吸気通路
143・・ボディ
144・・スロットルシャフト
145・・スロットルバルブ
146・・スロットルドラム
147・・スロットルケーブル
Claims (4)
- 吸気通路(142)を有するボディ(143)と、前記吸気通路(142)を横切って前記ボディ(143)に回動可能に支承されるスロットルシャフト(144)と、前記吸気通路(142)の開口面積を調節するようにして前記スロットルシャフト(144)に固定されるスロットルバルブ(145)と、前記ボディ(143)の外方で前記スロットルシャフト(144)の一端部に固定されるとともにスロットルケーブル(147)が巻回、連結されるスロットルドラム(146)とを備えるスロットルボディ装置(140)が、燃料を前記スロットルバルブ(145)の回動量に応じた量で燃焼室(19)に直接噴射するインジェクタ(25)が配設されるシリンダヘッド(14)の吸気ポート(23)に、吸気管(141)を介して接続される直噴エンジンの吸気装置において、
前記吸気ポート(23)が、エンジンの最大出力発生に必要な空気量を吸入するのに必要かつ充分な開口面積を有するように形成され、
前記スロットルボディ装置(140)の吸気通路(142)は、全閉位置から全開位置まで回動し得る板状の前記スロットルバルブ(145)が前記全閉位置および全開位置間の中央位置より全閉位置側に寄った所定中間位置に在る状態で前記エンジンの最大出力発生に必要な空気量を吸入するのに必要な開口面積となるように形成され、
前記スロットルバルブ(145)を全閉位置から全開位置側に回動操作して、その回動量に応じ前記インジェクタ(25)からの燃料噴射量を増やしていくことでエンジンの出力を増強しようとしたときに、前記スロットルボディ装置(140)の吸気通路(142)を流通する吸気量が、該スロットルバルブ(145)が前記全閉位置および全開位置間の中央位置より全閉位置側に寄った前記所定中間位置に達すると、エンジンの最大出力発生に必要な最大吸気量となり、且つそれ以降は該スロットルバルブ(145)を全開位置側に操作しても吸気量が増加することがないようにしたことを特徴とする直噴エンジンの吸気装置。 - 前記吸気管(141)の内面形状が、前記スロットルボディ装置(140)の吸気通路(142)および前記吸気ポート(23)を滑らかに結ぶようにテーパ状に形成されることを特徴とする、請求項1記載の直噴エンジンの吸気装置。
- 前記インジェクタ(25)が、燃料および空気から成る混合気を前記スロットルバルブ(145)の回動量に応じた量で燃焼室(19)に直接噴射するようにして、前記シリンダヘッド(14)に配設されることを特徴とする、請求項1または2記載の直噴エンジンの吸気装置。
- 前記インジェクタ(25)が、前記燃焼室(19)に各々開口する吸気弁口(20,21)及び排気弁口(22)、並びに同燃焼室(19)に先端が臨む点火プラグ(26)で囲まれるようにして前記シリンダヘッド(14)に配設され、
前記点火プラグ(26)は、そのプラグ先端が前記インジェクタ(25)の先部に向くようにシリンダ軸線に対し傾斜して配置されることを特徴とする、請求項3記載の直噴エンジンの吸気装置。
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