JP4160423B2 - 移植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、移植機の一形態として、走行部と、同走行部の後部に配設した苗供給部と、同苗供給部の前方位置に配設した苗移植部とを装備し、苗移植部に苗取出機構と植付機構とを設けると共に、同植付機構は、植付伝動ケースに植付ロータケースを連動連結し、同植付ロータケースにクランクアームの基端部を連結し、同クランクアームの先端部にL字状支持体の折れ曲がり部を連結し、同L字状支持体の後端部に植付爪を取り付ける一方、同L字状支持体の上端部にガイドローラを取り付けて、同ガイドローラをスライドガイド体に形成した上下方向に伸延するスライドガイド溝中に摺動自在に嵌合させて、上記植付ロータケースの回動作動に連動して、植付爪が上下縦長の楕円軌道を描いて昇降するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、苗取出機構に設けた苗取出爪により苗供給部に設けた苗トレイ中の移植苗を取り出すと共に、下方へ放出し、この放出された移植苗を植付機構に設けた植付爪が受けて圃場の畦面に植え付けるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−276809号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した移植機では、苗取出爪が移植苗を放出する位置と、植付爪が移植苗を受けるために待機している位置との間隔(受け継ぎの間隔)が未だ広いために、植付爪が移植苗を受け継いだ際に、同移植苗が真っ直ぐに植付爪の中に入っていないことがある。
【0006】
そのため、かかる状態で植付爪により圃場面に移植苗を植え付けた場合には、移植苗が直立状態に植え付けられることがなく、移植苗が傾倒する等の植付不良となる不具合がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、苗移植部に苗取出機構と植付機構とを設けると共に、同植付機構は、植付伝動ケースに植付ロータケースの基端部を連動連結し、同植付ロータケースの先端部にクランクアームの基端部を連結し、同クランクアームの先端部にL字状支持体の折れ曲がり部を連結し、同L字状支持体の後端部に植付爪を取り付ける一方、同L字状支持体の上端部にガイドローラを取り付けて、同ガイドローラをスライドガイド体に形成した上下方向に伸延するスライドガイド溝中に摺動自在に嵌合させて、上記植付ロータケースの回動作動に連動して、植付爪が上下縦長の楕円軌道を描いて昇降するようにした移植機において、スライドガイド溝は、下端部から中途部まで略垂直に伸延させて形成すると共に、同中途部から上端部まで前上方へ向けて傾斜状に伸延させて形成し、同スライドガイド溝の下端部から中途部までの略垂直な部分と植付ロータケースの回転中心である基端部とを前後方向で略同一位置に配置したことを特徴とする移植機を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、スライドガイド溝の上端部と下端部との前後方向の間隔は、苗取出機構に設けた苗取出爪の苗放出時の角度と、最上昇位置での植付爪の苗受け時の角度が略同一となるように設定したことにも特徴を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
すなわち、本発明に係る移植機は、基本的構造として、苗移植部に苗取出機構と植付機構とを設けると共に、同植付機構は、植付伝動ケースに植付ロータケースを連動連結し、同植付ロータケースにクランクアームの基端部を連結し、同クランクアームの先端部にL字状支持体の折れ曲がり部を連結し、同L字状支持体の後端部に植付爪を取り付ける一方、同L字状支持体の上端部にガイドローラを取り付けて、同ガイドローラをスライドガイド体に形成した上下方向に伸延するスライドガイド溝中に摺動自在に嵌合させて、上記植付ロータケースの回動作動に連動して、植付爪が上下縦長の楕円軌道を描いて昇降するようにしている。
【0011】
そして、特徴的構造として、スライドガイド溝は、下端部から中途部まで略垂直に伸延させて形成すると共に、同中途部から上端部まで前上方へ向けて傾斜状に伸延させて形成している。
【0012】
この際、スライドガイド溝の上端部と下端部との前後方向の間隔は、苗取出機構に設けた苗取出爪の苗放出時の角度と、最上昇位置での植付爪の苗受け時の角度が略同一となるように設定している。
【0013】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1に示すAは、本発明に係る移植機であり、同移植機Aは、走行部1と、同走行部1の後部に配設した苗供給部2と、同苗供給部2の前方位置に配設した苗移植部3とを具備して、走行部1を圃場Gにて自走させながら、苗供給部2から供給される移植苗としての根深ねぎ等のポット苗nを、圃場Gに形成された溝部Mの底部mに苗移植部3により移植するようにしている。Kは、前・後車輪6,8の下端部を結ぶ仮想線である。
【0015】
走行部1は、機体フレーム4の前部に前車輪支持体5を介して左右一対の前車輪6,6を取り付けると共に、後部に左右一対の後車輪支持アームとしての後車輪駆動ケース7,7を介して後車輪8,8を取り付けており、後車輪8,8は、昇降機構9に連動連結して、同昇降機構9が昇降センサとしても機能する後述の覆土輪23,23の溝部Mの底部mに沿った昇降動作量に基づいて、後車輪8,8を昇降させることにより、苗移植部3によるポット苗nの植付深さを一定に保持することができるようにしている。
【0016】
そして、機体フレーム4上の前部にエンジン10を搭載し、同エンジン10の後方位置にミッションケース11を配設すると共に、同ミッションケース11をエンジン10に連動連結し、同ミッションケース11に上記後車輪駆動ケース7,7と前記苗供給部2と苗移植部3とを連動連結している。12はボンネット、13は予備苗載台である。
【0017】
また、機体フレーム4の後端部には、図1及び図2に示すように、支持体14を介して左右一対のハンドル支持フレーム15,15を後上方へ向けて延設し、両ハンドル支持フレーム15,15の後端部に平面視U状に形成したハンドル16を取り付けている。17は主変速レバー、18は覆土輪感度調節レバー、19は植付クラッチレバー、20は昇降レバーである。
【0018】
左右一対のハンドル支持フレーム15,15間には覆土圧設定・付与手段21を設け、同覆土圧設定・付与手段21とミッションケース11の側壁に設けた後述の昇降量調整機構33との間に前後方向に伸延する覆土輪支持体22を架設して、同覆土輪支持体22に左右一対の覆土輪23,23を取り付けている。
【0019】
苗供給部2は、図1及び図2に示すように、左右一対のハンドル支持フレーム15,15の中途部間に配設しており、苗トレイTを縦搬送する縦搬送機構24と、同縦搬送機構24を横搬送する横搬送機構25とを装備している。
【0020】
縦搬送機構24は、図1に示すように、縦方向及び横方向に整然と苗ポットPを形成した苗トレイTを、前下方へ向けて苗ポットPの間隔毎に縦搬送して、後述する苗移植部3により苗ポットP中のポット苗nを溝部Mの底部mに移植し、空になった苗トレイTは後上方へ折り返し状に搬送するようにしている。
【0021】
横搬送機構25は、図1に示すように、縦搬送機構24の下方に配置しており、横搬送機構25に左右方向に往復作動する横送り軸26を設け、同横送り軸26に上記縦搬送機構24を連動連結して、同縦搬送機構24を左右方向へ往復移動可能となすと共に、横搬送機構25と縦搬送機構24との間に縦送り連動機構27を介設して、同縦送り連動機構27により左右側移動終端位置にて縦搬送機構24を縦送り作動(苗トレイTを苗ポットPの一段分だけ縦送りする作動)させるようにしている。
【0022】
このようにして、苗トレイTに形成した苗ポットPの横一列分だけ横移動させた後に、苗ポットPの一段分だけ縦送りし、再度、横一列分だけ横移動させた後に、苗ポットPの一段分だけ縦送りするという作動を繰り返すようにしている。
【0023】
苗移植部3は、図1及び図2に示すように、苗供給部2の苗トレイTからポット苗nを取り出す苗取出機構28と、同苗取出機構28により取り出されたポット苗nを受けて溝部Mの底部mにポット苗nを植え付ける苗植付機構29とを具備している。
【0024】
そして、苗取出機構28は、図1に示すように、後述する駆動ケース60に苗取出伝動機構30を介して苗取ロータケース31を連動連結し、同苗取ロータケース31に左右一対の苗取出爪32,32を開閉作動可能に取り付けている。
【0025】
苗植付機構29は、図1及び図2に示すように、フローティング機能を有しており、同苗植付機構29の後方位置に昇降センサとしても機能する前記左右一対の覆土輪23,23を配置し、同覆土輪23,23と苗植付機構29との間に覆土輪23,23の昇降量と苗植付機構29の昇降量とを整合・調整する昇降量調整機構33を介設している。
【0026】
すなわち、昇降量調整機構33は、走行部1に設けたミッションケース11に、植付入力軸34を介して苗植付機構29に設けた植付伝動ケース35の前端部を連動連結すると共に、同植付入力軸34をフローティング支点として植付伝動ケース35を上下揺動自在となし、同植付伝動ケース35の右側方に対応させて揺動支持体(図示せず)を配置すると共に、ミッションケース11にフローティング支点としての揺動支軸(図示せず)を介して揺動支持体の前端部を植付伝動ケース35と同軸的に取り付けて、同植付伝動ケース35と一体的に上下揺動自在となしている。
【0027】
そして、ミッションケース11の後側下部に左右一対の支持体36,36を介して左右一対の上下揺動アーム37,37を同軸的に枢支ピン38,38により枢支して、両上下揺動アーム37,37を枢支ピン38,38を中心に上下揺動自在となしている。
【0028】
左側の上下揺動アーム37は、後端部を植付伝動ケース35にリンク39を介して連動連結している。
【0029】
このようにして、苗植付機構29の後方位置に昇降センサとしても機能する覆土輪23,23を配置して、同覆土輪23,23と苗植付機構29との間に覆土輪23,23の昇降量と苗植付機構29の昇降量とを整合調整する昇降量調整機構33を介設しているため、同昇降量調整機構33により構造簡易にして精度の良い整合調整を行うことができて、覆土輪23,23の微妙な上下動にも精度良く苗植付機構29を昇降させることができる。その結果、苗植付機構29による移植苗の植付深さを一定に保持することができて、植付精度を向上させることができる。
【0030】
また、左側の上下揺動アーム37は、図1に示すように、連動機構40を介して前記昇降機構9を昇降制御する昇降用油圧バルブ41に連動連結しており、同連動機構40は、左側の上下揺動アーム37に後端部を連結した側面視略C字状のレバー体42と、同レバー体42の前端部に下端部を連結し、かつ、上下方向に伸延させて形成した連結ロッド45と、同連結ロッド45の上端部に前端部を連結し、かつ、後端部を昇降用油圧バルブ41にバルブ作動軸46を介して連動連結した作動アーム47とから形成している。
【0031】
このようにして、左右一対の覆土輪23,23が溝部Mの底部mの凹凸に沿って昇降動作すると、それに連動して昇降量調整機構33が昇降動作し、同昇降量調整機構33の左側の上下揺動アーム37→レバー体42→連結ロッド45→作動アーム47→バブル作動軸46→昇降用油圧バルブ41→昇降機構9が連動して、後車輪8,8を適宜昇降させるようにしている。
【0032】
この際、レバー体42と作動アーム47とを連結ロッド45により直接連結しているため、構造が簡易な上に動力の伝達効率を良好に確保することができる。なお、連結ロッド45に代えて連結ワイヤを使用することもできる。
【0033】
また、苗植付機構29では、図1及び図2に示すように、植付伝動ケース35の後端部に植付主軸43を介して植付ロータケース48の基端部を連動連結し、同植付ロータケース48の先端部に連結ピン44を介してクランクアーム49の基端部を連動連結し、同クランクアーム49の先端部に枢支・連結ピン50を介してL字状支持体51の折れ曲がり部52を枢支・連結し、同L字状支持体51の後端部に開孔器としての植付爪53を取り付けると共に、折れ曲がり部52と植付爪53との間に開閉カム機構54を介設する一方、同L字状支持体51の上端部にガイドローラ枢支ピン55を介してガイドローラ56を転動自在に取り付けている。
【0034】
しかも、右側のハンドル支持フレーム15の前端部に、上下方向に伸延するスライドガイド体57を取り付け、同スライドガイド体57に上下方向に伸延するスライドガイド溝58を形成して、同スライドガイド溝58中に上記ガイドローラ56を摺動自在に嵌合させている。
【0035】
さらには、スライドガイド溝58は、図3に示すように、下端部70から中途部71まで略垂直に伸延させて形成すると共に、同中途部71から上端部72まで前上方へ向けて傾斜状に伸延させて形成しており、同スライドガイド溝58の上端部72と中途部71との前後方向の間隔wは、苗取出機構28に設けた苗取出爪32の苗放出時の角度β1と、最上昇位置での植付爪53の苗受け時の角度β2とが略同一となるように設定している。
【0036】
このようにして、植付ロータケース48の回動作動に連動して、植付爪53が上下縦長の楕円軌道を描いて昇降するようにしており、同植付爪53は、前後一対の植付爪形成片53a,53aを開閉自在に形成して、上記開閉カム機構54により閉塞した状態にてポット苗nを受けると共に、溝部Mの底部mを開孔し、開閉カム機構54により開放した状態にて上昇させることにより底部mにポット苗nを残して植付を完了させることができるようにしている。
【0037】
この際、スライドガイド溝58の下端部70から中途部71までは略垂直に伸延させて形成しているため、ポット苗nの植付姿勢に影響の大きい最下点付近では、植付爪53が従来通り鉛直姿勢となり、最上点ではL字状支持体51の上端部のガイドローラ56が前方へ移動される分だけ、同L字状支持体51の後端部が上方へ引き上げられて、同後端部に取り付けている植付爪53を上方に配置している苗取出機構28に近接させることができる。
【0038】
その結果、受け継ぎ時の苗取出爪32と植付爪53との相対角度を略零度となすことができて、苗ポットPから苗取出爪32により取り出されたポット苗nを真っ直ぐに植付爪53中に確実に受け継ぐことができて、同植付爪53により溝部Mの底部mにポット苗nを植え付けた場合には、ポット苗nを直立状態に植え付けることができて、ポット苗nが傾倒する等の植付不良となる不具合を解消することができる。
【0039】
なお、本実施例では、スライドガイド溝58を側面視「く」字状に形成して、同スライドガイド溝58の上端部72が中途部71よりも間隔wだけ前方に位置するようにしているが、同スライドガイド溝58の形状は、「く」字状に限らず、例えば、中途部71から上端部72にかけては後方へ凸状の円弧形状に形成して、上端部72が中途部71よりも間隔wだけ前方に位置するようにしてもよい。
【0040】
また、駆動ケース60は、図1に示すように、ミッションケース11の後上方位置に配設しており、同ミッションケース11の入力兼出力軸61と駆動ケース60の入力軸62との間に変速伝動ベルト機構63を介設している。65は横送り出力軸であり、同横送り出力軸65にドライブシャフト66を介して横搬送機構25の入力軸67を連動連結している。
【0041】
前記したミッションケース11の入力兼出力軸61と、エンジン10の出力軸68との間には、駆動ベルト機構69を介設している。
【0042】
このようにして、エンジン10からミッションケース11に動力を伝達し、同ミッションケース11から苗植付機構29と駆動ケース60とにそれぞれ動力を伝達し、同駆動ケース60から苗取出機構28と横搬送機構25とにそれぞれ動力を伝達するようにしている。
【0043】
また、前記した覆土圧設定・付与手段21は、図1に示すように、左右一対のハンドル支持フレーム15,15の中間位置に配置して、植付初期の試し植えで、株間や植え深さ、覆土圧等が繰り返し容易に調整できるようにして、速やかに本格作業に移行できるようにしている。
【0044】
ここで、覆土圧設定・付与手段21は、図4に示すように、左右一対のハンドル支持フレーム15,15の中途部間に二又状に形成した支持ブラケット75を支持させ、同支持ブラケット75の中途部に揺動支持ピン77を介してリング状のスプリング受体76を揺動自在に取り付け、同スプリング受体76中に上下方向に伸延する筒体78を上下摺動自在に挿通する一方、スプリング受体76の下端面と筒体78の下部に取り付けた覆土圧調節体79との間に、覆土圧付与スプリング80を筒体78の外周面に巻回して介在させている。78aは、筒体78の下降摺動を規制する下降摺動規制ピンである。
【0045】
そして、筒体78中に支持ロッド81を上下摺動自在に挿通して、同支持ロッド81の下端部に覆土輪支持体22の後端部を連結し、同支持ロッド81と筒体78の下端との間に覆土圧調節体79を介設しており、同覆土圧調節体79は、筒体78の下端に側面視コ字状に形成したスライド片83を連設すると共に、同スライド片83を支持ロッド81の下部外周面に上下摺動自在となしている。
【0046】
しかも、スライド片83は、中央部に支持ロッド貫通孔(図示せず)を形成した上・下部片83a,83bと、両上・下部片83a,83bの端部同士を連結する連結片83cとから形成する一方、中央部に支持ロッド貫通孔(図示せず)を形成した固定片84を上・下部片83a,83b間に配置すると共に、同固定片84の一端84aを連結片83cに係止し、同固定片84と下部片83bとの間に押圧スプリング85を支持ロッド81の外周面に巻回して介設している。86は連結ピンである。
【0047】
このようにして、連結片83cに一端84aが係止された固定片84の他端84bを、押圧スプリング85の弾性押圧力に抗して下方へ押圧して、同固定片84を略水平状態となすことにより、スライド片83と一体的に筒体78を支持ロッド81に沿わせて上下スライド自在となすことができる。
【0048】
そして、所望の位置にて固定片84の他端84bへの押圧力を解除すると、連結片83cに一端84aが係止された固定片84を押圧スプリング85が押し上げて、同固定片84を傾斜状態となし、同固定片84を支持ロッド81の外周面に固定させることができる。
【0049】
従って、固定片84を介して筒体78を上下スライド位置調節することができて、同筒体78とスプリング受体76との間に介設した覆土圧付与スプリング80を収縮調節して、同覆土圧付与スプリング80が覆土輪23に付与する覆土圧を任意(無段階)に調節することができる。
【0050】
図5は、他実施例としての移植機Aを示しており、同移植機Aは、基本的構造を前記した移植機Aと同じくしているが、覆土輪23を覆土輪カバー体90により被覆していること、及び、同覆土輪23の後方位置に左右一対の後部ガイド輪91,91を設けた点において異なる。
【0051】
そして、覆土輪カバー体90は、覆土輪23の上方を覆う上方カバー片90aと、覆土輪23の左右側方を覆う左・右側方カバー片90b,90bとから形成すると共に、前端部を左右一対のハンドル支持フレーム15,15の中途部間に設けた枢支ブラケット92,92に左右方向に軸線を向けた枢支ピン93,93を介して枢支して、上下回動自在となしている。
【0052】
このようにして、覆土輪カバー体90により覆土輪23の上方及び左右側方を覆うことにより、上方及び側方からの土による覆土輪23の悪影響を防止することができる。特に、溝部Mにポット苗nを植え付けるねぎ移植機においては有効である。
【0053】
左右一対の後部ガイド輪91,91は、左右一対のハンドル支持フレーム15,15の中途部にそれぞれガイド輪支持体94,94を介して取り付けている。
【0054】
このようにして、溝部Mの底部mに配置する前車輪6,6と後部ガイド輪91,91とにより機体の前部と後部をガイドするため、機体の直進性を向上させることができると共に、圃場Gを走る後車輪8,8が左右方向にずれないため、土崩れが生じない。
【0055】
また、手放し状態で機体を走行させることもできるため、作業者にとって移植作業が楽になる。
【0056】
図6は、他の実施例としての昇降機構9と前車輪支持体5の構造を示しており、同昇降機構9は、機体フレーム4の一部を形成する左右一対の前後伸延フレーム形成片4a,4aの前部に、前後方向に伸延する左右一対のガイド用長孔95,95を形成し、両ガイド用長孔95,95中に左右方向に伸延する摺動ロッド96を鍔付きローラ97,97を介して挿通し、同摺動ロッド96の左・右側端部96a,96aと後車輪駆動ケース7,7の基端部との間に連動ロッド98,98を介設すると共に、摺動ロッド96の中央部と左右一対の前後伸延フレーム形成片4a,4aの前部間に横架した横フレーム形成片4bの中央部との間に、前後方向に伸縮する昇降用油圧シリンダ99を介設して構成している。
【0057】
そして、鍔付きローラ97は、筒状のローラ本片97aと、同ローラ本片97aの外周面の内側部に形成した鍔片97bとから形成して、ローラ本片97aをガイド用長孔95中に配置すると共に、鍔片97bをガイド用長孔95の縁部に内方からに当接させている。
【0058】
また、摺動ロッド96の左右側部にはそれぞれ段付き凹部を形成して、これらの段付き凹部を鍔片受け部96b,96bとなしており、各鍔片受け部96bには鍔片97bの内側面周縁部を係合させている。
【0059】
このようにして、鍔片受け部96bとガイド用長孔95の縁部とにより鍔片97bを狭持させているため、摺動ロッド96に左右方向の外力が作用した場合には、その外力を鍔片97bで受けることができて、同摺動ロッド96が左右方向にガタ付かないようにすることができる。
【0060】
しかも、ローラ本片97aを介して摺動ロッド96をガイド用長孔95中にて前後方向に摺動させることができるため、同摺動ロッド96の転がり抵抗を小さくして、昇降用油圧シリンダ99の伸縮作動に連動した後車輪8,8の昇降作動を円滑に行うことができる。
【0061】
前車輪6,6を支持する前車輪支持体5は、図5に示すように、左右一対の前後伸延フレーム形成片4a,4aの前部間に横架した固定側位置調節片101と、同固定側位置調節片101に形成した位置調節用長孔102,102を介して調節用ボルト103,103によりスライド位置調節自在となした可動側位置調節片104,104とから形成して、各可動側位置調節片104,104に上下方向に伸延する支持アーム105,105の上端部を取り付け、各支持アーム105,105の下端部に前車輪6,6を取り付けている。
【0062】
このようにして、左右側の前車輪6,6は、それぞれ可動側位置調節片104,104を位置調節用長孔102,102を介して調節用ボルト103,103により左右方向にスライド位置調節することにより、左右方向に任意の量だけ位置張設することができるようにしている。
【0063】
図7は、他実施例としての前車輪支持体5の構造を示しており、同前車輪支持体5は、機体フレーム4に垂設した上下方向に伸延する支持アーム110と、同支持アーム110の下端部に左右方向に軸線を向けて取り付けたボス部111と、同ボス部111中にベアリング112を介して挿通すると共に、同軸中心に回動自在に支持した筒状の回転支持片113と、同回転支持片113中に左側方から挿通した筒状軸片114と、回転支持片113中に右側方から挿通すると共に上記筒状軸片114中にも挿通した棒状軸片115とを具備している。
【0064】
そして、回転支持片113の左右側部にそれぞれ位置決め用のピン孔116,117を縦方向に貫通状態に形成し、また、筒状軸片114と棒状軸片115のそれぞれに複数の位置調節用のピン挿通孔118,119を軸線方向に一定の間隔を開けて、かつ、上下方向に貫通させて形成している。
【0065】
このようにして、筒状軸片114に形成した所要のピン挿通孔118と左側のピン孔116とを符合させると共に、両孔118,116中に位置決めピン120を挿通することにより、左側の前車輪6の位置調節を行うことができる一方、棒状軸片115に形成した所要のピン挿通孔119と右側のピン孔117とを符合させると共に、両孔119,117中に位置決めピン120を挿通することにより、右側の前車輪6の位置調節を行うことができるようにしている。
【0066】
図8は、もう一つの他実施例としての前車輪支持体5の構造を示しており、同前車輪支持体5は、機体フレーム4の前部に支持片121を垂設し、同支持片121に上下方向に伸延する支持アーム122,122の上端部を、前後方向に伸延する枢支軸123,123を介して枢支し、各支持アーム122,122の下端部に左右方向に軸線を向けたボス部124,124を取り付け、各ボス部124,124中に筒状の回転支持片125,125を同軸中心に回動自在に支持し、各回転支持片125,125中に調節用支軸126,126を挿通し、各調節用支軸126,126の外側端部に各前車輪6,6を取り付けている。
【0067】
そして、支持片121の左右側部にそれぞれ複数の位置調節孔127,127を形成する一方、各支持アーム122,122の上部に位置決め用のピン孔128,128を形成して、各ピン孔128,128を所要の位置調節孔127,127に符合させると共に、これらの孔128,127中に位置決めピン129,129を挿通することにより、各支持アーム122,122を鉛直に垂下させた位置から外側方へ傾斜させた位置に位置調節することができるようにしている。
【0068】
このようにして、溝部Mの底部mの左右幅に応じて各支持アーム122,122を外側方へ位置調節することにより、各支持アーム122,122の下端部に取り付けた前車輪6,6を溝部Mの角部C,Cに配置することができて、同溝部Mの前車輪6,6による崩れを少なくすることができる。
【0069】
また、各回転支持片125の外側部に位置決め用のピン孔130を形成する一方、調節用支軸126に複数の位置調節孔131を形成して、ピン孔130に所要の位置調節孔131を符合させると共に、これらの孔130,131中に位置決めピン132を挿通することにより、調節用支軸126の外側端部に取り付けた前車輪6を左右幅方向に位置調節することができるようにしている。
【0070】
【発明の効果】
(1)請求項1記載の本発明では、苗移植部に苗取出機構と植付機構とを設けると共に、同植付機構は、植付伝動ケースに植付ロータケースの基端部を連動連結し、同植付ロータケースの先端部にクランクアームの基端部を連結し、同クランクアームの先端部にL字状支持体の折れ曲がり部を連結し、同L字状支持体の後端部に植付爪を取り付ける一方、同L字状支持体の上端部にガイドローラを取り付けて、同ガイドローラをスライドガイド体に形成した上下方向に伸延するスライドガイド溝中に摺動自在に嵌合させて、上記植付ロータケースの回動作動に連動して、植付爪が上下縦長の楕円軌道を描いて昇降するようにした移植機において、スライドガイド溝は、下端部から中途部まで略垂直に伸延させて形成すると共に、同中途部から上端部まで前上方へ向けて傾斜状に伸延させて形成し、同スライドガイド溝の下端部から中途部までの略垂直な部分と植付ロータケースの回転中心である基端部とを前後方向で略同一位置に配置している。
【0071】
このようにして、スライドガイド溝の下端部から中途部までは略垂直に伸延させて形成しているため、移植苗の植付姿勢に影響の大きい最下点付近では、植付爪が従来通り鉛直姿勢となると共に、中途部から上端部までは前上方へ向けて傾斜状に伸延させて形成しているため、最上点ではL字状支持体の上端部が前方へ移動される分だけ、同L字状支持体の後端部が上方へ引き上げられて、同後端部に取り付けている植付爪を上方に配置している苗取出機構に近接させることができる。
【0072】
その結果、移植苗を真っ直ぐに植付爪中に受け継ぐことができて、同植付爪により圃場面に移植苗を植え付けた場合には、移植苗を直立状態に植え付けることができて、移植苗が傾倒する等の植付不良となる不具合を解消することができる。
【0073】
(2)請求項2記載の本発明では、スライドガイド溝の上端部と下端部との前後方向の間隔は、苗取出機構に設けた苗取出爪の苗放出時の角度と、最上昇位置での植付爪の苗受け時の角度が略同一となるように設定している。
【0074】
このようにして、受け継ぎ時の苗取出爪と植付爪の相対角度を略零度となすことができて、確実にかつ安定した移植苗の受け継ぎを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る移植機の側面説明図。
【図2】同移植機の平面説明図。
【図3】移植部の拡大側面説明図。
【図4】覆土圧設定・付与手段の拡大側面図。
【図5】他実施例としての移植機の側面説明図。
【図6】昇降機構の平面説明図。
【図7】他実施例としての前車輪支持体の一部切欠背面説明図。
【図8】もう一つの他実施例としての前車輪支持体の一部切欠正面説明図。
【符号の説明】
A 移植機
G 圃場
M 溝部
m 底部
n ポット苗
1 走行部
2 苗供給部
3 苗移植部
Claims (2)
- 苗移植部に苗取出機構と植付機構とを設けると共に、同植付機構は、植付伝動ケースに植付ロータケースの基端部を連動連結し、同植付ロータケースの先端部にクランクアームの基端部を連結し、同クランクアームの先端部にL字状支持体の折れ曲がり部を連結し、同L字状支持体の後端部に植付爪を取り付ける一方、同L字状支持体の上端部にガイドローラを取り付けて、同ガイドローラをスライドガイド体に形成した上下方向に伸延するスライドガイド溝中に摺動自在に嵌合させて、上記植付ロータケースの回動作動に連動して、植付爪が上下縦長の楕円軌道を描いて昇降するようにした移植機において、
スライドガイド溝は、下端部から中途部まで略垂直に伸延させて形成すると共に、同中途部から上端部まで前上方へ向けて傾斜状に伸延させて形成し、
同スライドガイド溝の下端部から中途部までの略垂直な部分と植付ロータケースの回転中心である基端部とを前後方向で略同一位置に配置したことを特徴とする移植機。 - スライドガイド溝の上端部と中途部との前後方向の間隔は、苗取出機構に設けた苗取出爪の苗放出時の角度と、最上昇位置での植付爪の苗受け時の角度が略同一となるように設定したことを特徴とする請求項1記載の移植機。
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