JP4160136B2 - 縮合環状エーテル類、その製造法および剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れたナトリウムチャンネル調節作用を有する新規縮合環状エーテル類、その製造法および剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
電位依存性のナトリウムチャンネルを調節する薬剤は、局所麻酔薬、 抗不整脈薬または抗痙攣薬として知られている。 最近の研究ではナトリウムチャンネル調節薬が、 中枢神経系の疾患または障害、 たとえば虚血性の中枢神経障害、頭部外傷、脊髄損傷等の治療薬としても有効であることが明らかとなってきた(トレンズ イン ファーマコロジカル サイエンス、 16巻、 309-316頁、 1995年)。虚血性または外傷性の神経損傷により、 損傷部位の神経細胞体または神経線維内にナトリウムイオンの貯留が認められる(ストローク、 20巻、 1377-1382頁、 1989年)が、 このナトリウムの貯留は、浮腫の生成、 ドーパミンおよびグルタメート等の多くの神経伝達物質の異常遊離(トレンズ イン ニューロサイエンス、 16巻、 415-419頁、 1993年)、 Na+/Ca2+交換器によるカルシウムイオンの流入促進(ニューロン、 12巻、 295-300頁、 1994年)等を惹起し細胞障害を引き起こす。
ナトリウムチャンネル調節剤としては、BW619C89、 リファリジン(Lifarizine)、 リルゾール(Riluzole)等の化合物が知られている(トレンズ イン ファーマコロジカル サイエンス、 16巻、 309-316頁、 1995年)が、 縮合環上にアミノ基を有する環状エーテル類は知られていない。
【0003】
縮合環上にアミノ基を有する環状エーテル類としては、例えば下記の化合物が知られている。
1)過酸化脂質生成抑制作用を有する式
【化17】
〔式中、R1およびR2は、水素原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、それぞれ置換基を有していてもよい脂肪族基または芳香環基を、R3、R4およびR5は、アシル化されていてもよい水酸基、それぞれ置換基を有していてもよいアミノ基、アルコキシ基または脂肪族基であるか、またはR3、R4およびR5のうち二つが炭素同素環を形成していてもよく、R6およびR7は、置換基を有していてもよい脂肪族基であり、しかも、R6およびR7のうち少なくとも一つはα位がメチレン基であり、R8およびR9は、水素原子またはそれぞれ置換基を有していてもよい脂肪族基または芳香環基を示す〕で表されるアミノクマラン類(特開平5−140142号、EP−A−483772)。
2)過酸化脂質生成抑制作用を有する式
【化18】
〔式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なって低級アルキル基を、A環は低級アルキル基、低級アルコキシ基またはハロゲン原子の少なくとも1つで置換されたベンゼン環を示す。〕で表されるアミノクマラン類(特開平6−41123号)。
3)過酸化脂質生成抑制作用を有する2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンの結晶性塩(USP 5,552,552)。
しかしながら、これらの化合物とナトリウムチャンネル調節作用との関係については全く報告されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ナトリウムチャンネル調節作用に優れ、脳内移行性、代謝安定性にも優れたナトリウムチャンネル調節剤は、中枢神経系の疾患や障害、例えば虚血性の中枢神経障害、中枢損傷(例、頭部外傷、脊髄損傷、むちうち症等)、てんかん、神経変性疾患(例、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、糖尿病性神経症等)、血管性痴呆(例、多発梗塞性痴呆、ビンスワンガー病等)、躁鬱病、鬱病、精神分裂病、慢性疼痛、三叉神経痛、偏頭痛、脳浮腫等に優れた効果を期待することができる。しかしながら、現状では十分満足できるものが見いだされていないため、優れたナトリウムチャンネル調節活性を有し、医薬品として十分満足できる化合物の開発が切望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ナトリウムチャンネル調節作用を有する化合物に関して種々検討した結果、縮合環状エーテルの2位の炭素原子が、低級アルキル基と式:
【化19】
〔式中、各記号は下記と同意義を示す〕で表される基とで同時に置換されていることに化学構造上の特徴を有する、式:
【化20】
〔式中、R1およびR2はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキルまたはアシル、
R3、R4およびR5はそれぞれ置換基を有していてもよい低級アルキルまたは置換基を有していてもよい低級アルコキシ、あるいはR4およびR5は一緒になって5または6員同素環を形成していてもよく、
R6は低級アルキル、
Arは置換基を有していてもよい芳香族基、
A環は置換基を有していてもよい5ないし8員含窒素複素環、
Xは置換基を有していてもよい低級アルキレン、
Yは炭素原子または窒素原子、
【化21】
(式中、R7は水素原子または置換基を有していてもよい芳香族基、R10は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基またはアシルを示す)で表される基、
Zbは結合手または置換基を有していてもよく、かつ、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を介していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、および
mは1ないし3の整数を示す〕で表される化合物またはその塩(以下、化合物(I)と略記)の創製に初めて成功し、さらにこの化合物(I)を含む式
【化22】
〔式中、Qは水素原子、置換基を有していてもよい芳香族基または式 −Zc−Ar(式中、Zcは置換基を有していてもよく、かつ、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を介していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、Arは前記と同意義を示す)で表される基、Aa環は置換基を有していてもよい5ないし8員含窒素複素環またはそのベンゾローグ縮合環、およびその他の各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物またはその塩(以下、化合物(Ia)と略記)が予想外にもナトリウムチャンネルに対する親和性や安定性などナトリウムチャンネル調節剤として優れた性質を有しており、医薬として十分満足できるものであることを見出し、これらの知見に基づいて、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1)化合物(I)、
(2)R1およびR2がそれぞれ
(i)水素原子、
(ii)ハロゲン原子、C3-6シクロアルキル、C2-6アルキニル、C2-6アルケニル、C6-10アリール、C7-11アラルキル、C1-6アルコキシ、C6-10アリールオキシ、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、アミジノ、イミノ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、3ないし6員の環状アミノ、C1-3アルキレンジオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メルカプト、スルホ、スルフィノ、ホスホノ、スルファモイル、モノ−C1-6アルキルスルファモイル、ジ−C1-6アルキルスルファモイル、C1-6アルキルチオ、C6-10アリールチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C6-10アリールスルフィニル、C1-6アルキルスルホニルおよびC6-10アリールスルホニルから選ばれる置換基を1ないし5個有していてもよいC1-6アルキル、または
(iii)ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリール−C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−C1-6アルコキシ−カルボニル、C1-6アルキルスルホニル、C1-6アルキルを1ないし3個有していてもよいC6-10アリールスルホニルおよびC6-10アリール−C1-6アルキルスルホニルから選ばれるアシル;
R3、R4およびR5がそれぞれ
(i)ハロゲン原子、C3-6シクロアルキル、C2-6アルキニル、C2-6アルケニル、C6-10アリール、C7-11アラルキル、C1-6アルコキシ、C6-10アリールオキシ、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、アミジノ、イミノ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、3ないし6員の環状アミノ、C1-3アルキレンジオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メルカプト、スルホ、スルフィノ、ホスホノ、スルファモイル、モノ−C1-6アルキルスルファモイル、ジ−C1-6アルキルスルファモイル、C1-6アルキルチオ、C6-10アリールチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C6-10アリールスルフィニル、C1-6アルキルスルホニルおよびC6-10アリールスルホニルから選ばれる置換基を1ないし5個有していてもよいC1-6アルキル、または
(ii)ハロゲン原子、C3-6シクロアルキル、C2-6アルキニル、C2-6アルケニル、C6-10アリール、C7-11アラルキル、C1-6アルコキシ、C6-10アリールオキシ、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、アミジノ、イミノ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、3ないし6員の環状アミノ、C1-3アルキレンジオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メルカプト、スルホ、スルフィノ、ホスホノ、スルファモイル、モノ−C1-6アルキルスルファモイル、ジ−C1-6アルキルスルファモイル、C1-6アルキルチオ、C6-10アリールチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C6-10アリールスルフィニル、C1-6アルキルスルホニルおよびC6-10アリールスルホニルから選ばれる置換基を1ないし5個有していてもよいC1-6アルコキシ、
あるいはR4およびR5が隣接する2個の炭素原子と一緒になって、6員芳香族炭化水素環および5または6員シクロアルケンから選ばれる5または6員同素環を形成;
R6がC1-6アルキル;
Arがハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、C1- 6アルキル−カルボニル、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、スルホ、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよい(i)C6-14アリールまたは(ii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基;
A環がハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル−カルボニル、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、スルホ、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、炭素原子および窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含んでいてもよい5ないし8員含窒素複素環;
Xがハロゲン原子、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-14アリール、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリールオキシおよびオキソから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1-6アルキレン;
Yが(i)窒素原子または(ii)式: >C(R8)−
(式中、R8は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル−カルボニル、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、スルホ、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールまたはC6-10アリールオキシを示す)で表される基;
R7が▲1▼水素原子または
▲2▼ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル−カルボニル、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、スルホ、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよい(i)C6-14アリールまたは(ii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基;
R10が(i)水素原子、
(ii)ハロゲン原子、C3-6シクロアルキル、C2-6アルキニル、C2-6アルケニル、C6-10アリール、C7-11アラルキル、C1-6アルコキシ、C6-10アリールオキシ、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、アミジノ、イミノ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、3ないし6員の環状アミノ、C1-3アルキレンジオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メルカプト、スルホ、スルフィノ、ホスホノ、スルファモイル、モノ−C1-6アルキルスルファモイル、ジ−C1-6アルキルスルファモイル、C1-6アルキルチオ、C6-10アリールチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C6-10アリールスルフィニル、C1-6アルキルスルホニルおよびC6-10アリールスルホニルから選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C6-14アリールまたはC7-16アラルキル、または
(iii)ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリール−C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C1-10アリール−C1-6アルコキシ−カルボニル、C1-6アルキルスルホニル、C1-6アルキルを1ないし3個有していてもよいC6-10アリールスルホニルおよびC6-10アリール−C1-6アルキルスルホニルから選ばれるアシル;および
Zbがハロゲン原子、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、C6-14アリール、C7-11アラルキル、C6-10アリールオキシ、オキソ、ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリール−C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−C1-6アルコキシ−カルボニル、C1-6アルキルスルホニル、C1-6アルキルを1ないし3個有していてもよいC6-10アリールスルホニルおよびC6-10アリール−C1-6アルキルスルホニルから選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよい(i)C1-8アルキレン、(ii)C2-8アルケニレン、(iii)C2-8アルキニレンまたは(iv)式: −(CH2)p−M−(CH2)q− 〔式中、pおよびqはそれぞれ0ないし8の整数、かつp+qは1ないし8の整数、MはO、S、SO、SO2またはNR9(R9は水素原子、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-14アリール、C7-11アラルキル、ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリール−C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C1-6アルキルスルホニル、C1-6アルキルを1ないし3個有していてもよいC6-10アリールスルホニルまたはC6-10アリール−C1-6アルキルスルホニルを示す)を示す〕で表される基である前記(1)記載の化合物、
(3)Zaが式:
【化23】
(式中、R7は前記と同意義を示す)で表される基である前記(1)記載の化合物、
(4)R1およびR2がそれぞれ水素原子である前記(1)記載の化合物、
(5)R3、R4およびR5がそれぞれC1-6アルキルである前記(1)記載の化合物、
(6)R6がC1-6アルキルである前記(1)記載の化合物、
(7)Arがハロゲン原子、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC6-14アリールである前記(1)記載の化合物、
(8)A環が置換基を有していてもよい6員含窒素複素環である前記(1)記載の化合物、
(9)Xがメチレンである前記(1)記載の化合物、
(10)YがCHである前記(1)記載の化合物、
(11)Zaが式:
【化24】
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基である前記(1)記載の化合物、
(12)R7が置換基を有していてもよいC6-10アリールである前記(1)記載の化合物、
(13)R10が水素原子である前記(1)記載の化合物、
(14)Zbが結合手である前記(1)記載の化合物、
(15)mが1である前記(1)記載の化合物、
(16)R1およびR2がそれぞれ水素原子;R3、R4、R5およびR6がそれぞれC1-6アルキル;Arがハロゲン原子、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいフェニル;A環が6員含窒素複素環;Xがメチレン;YがCHまたはN;Zaが式:
【化25】
(式中、R7'はハロゲン原子、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいフェニル、およびR10'は水素原子を示す)で表される基;Zbが結合手またはC6-10アリールで置換されていてもよいC1-6アルキレン;およびmが1または2である前記(1)記載の化合物、
(17)R1およびR2がそれぞれ水素原子;R3、R4、R5およびR6がそれぞれC1-6アルキル;Arがメチレンジオキシで置換されていてもよいC6-10アリール;A環が6員含窒素複素環;Xがメチレン;YがCHまたはN;
【化26】
(式中、R7aは水素原子またはC6-10アリールを示す)で表される基;Zbが結合手またはC6-10アリールでそれぞれ置換されていてもよい(i)C1-6アルキレンまたは(ii)C2-6アルケニレン;およびmが1である前記(1)記載の化合物、
(18)R1およびR2がそれぞれ水素原子;R3、R4、R5およびR6がそれぞれC1-6アルキル;Arがハロゲン原子、メチレンジオキシ、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよいC6-10アリール;A環が6員含窒素複素環;Xがメチレン;YがCHまたはN;
【化27】
(式中、R7bは水素原子またはハロゲン原子で置換されていてもよいC6-10アリール、およびR10aは水素原子またはC7-11アラルキルを示す)で表される基;Zbが結合手またはC6-10アリールでそれぞれ置換されていてもよい(i)C1-6アルキレン、(ii)C2-6アルケニレンまたは(iii)式:
−(CH2)p'−M'−(CH2)q'− (式中、p'および q'はそれぞれ0ないし5の整数、かつp'+ q'は1ないし6の整数、M'はOまたはNHを示す)で表される基;およびmが1または2である前記(1)記載の化合物、
(19)1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(−)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(+)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(−)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(+)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミンまたはそれらの塩である前記(1)記載の化合物、
(20)(i)式:
【化28】
〔式中、Lは脱離基、その他の各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物またはその塩と式:
【化29】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物またはその塩とを反応させる、
(ii)式:
【化30】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物またはその塩を(a)アルキル化反応に付す、(b)アシル化反応に付す、または(c)アシル化反応に付し、次いで還元反応に付す、
(iii)式:
【化31】
〔式中、nは1ないし4の整数、その他の各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物またはその塩と式:
【化32】
〔式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基、Zdは置換基を有していてもよく、かつ、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を介していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、Arは前記と同意義を示す〕で表される化合物またはその塩とを反応させる、
(iv)式:
【化33】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物またはその塩と式:
【化34】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物またはその塩とを反応させ、所望により、得られる化合物を還元反応に付す、または
(v)式:
【化35】
〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表される化合物またはその塩を(a)ニトロ化反応に付し、次いで還元反応に付す、または(b)ジアゾカップリング反応に付し、次いで還元反応に付すことを特徴とする前記(1)記載の化合物の製造法、
(21)化合物(I)を含有してなる医薬組成物、
(22)医薬組成物がナトリウムチャンネル調節剤である前記(21)記載の組成物、
(23)虚血性中枢神経障害、中枢損傷、神経変性疾患または脳浮腫の予防治療剤である前記(22)記載の組成物、
(24)化合物(Ia)を含有してなるナトリウムチャンネル調節剤、および
(25)(S)−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン、
2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン、
(−)−2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン、
(+)−2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン、
7−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6−トリメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン、
(−)−7−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6−トリメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン、
(+)−7−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6−トリメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンまたはそれらの塩を含有してなる前記(24)記載の調節剤などに関する。
【0007】
上記式中、R1、R2、R3、R4またはR5で示される「置換基を有していてもよい低級アルキル」の「低級アルキル」としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどのC1-6アルキル基などが挙げられる。
【0008】
該「低級アルキル」が有していてもよい「置換基」としては、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキルなど)、低級アルキニル(例えば、エチニル、1-プロピニル、プロパルギル等のC2-6アルキニルなど)、低級アルケニル(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニルなどのC2-6アルケニルなど)、アリール(例えば、フェニル、ナフチルなどのC6-10アリール等)、アラルキル(例えばベンジル、α-メチルベンジル、フェネチル等のC7-11アラルキルなど)、低級アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等のC1-6アルコキシなど)、アリールオキシ(例えば、フェノキシ等のC6-10アリールオキシなど)、低級アルカノイル(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等のC1-6アルキル−カルボニルなど)、アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル、ナフトイル等のC6-10アリール−カルボニル)、低級アルカノイルオキシ(例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ等のC1-6アルキル−カルボニルオキシなど)、アリールカルボニルオキシ(例えば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等のC6-10アリール−カルボニルオキシなど)、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニルなど)、カルバモイル、アミジノ、イミノ、アミノ、モノ−低級アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ等のモノ−C1-6アルキルアミノなど)、ジ−低級アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ等のジ−C1-6アルキルアミノなど)、炭素原子と1個の窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし3個含んでいてもよい3ないし6員の環状アミノ(例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリル、ビラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、ジヒドロピリジル、ピリジル、N−メチルピペラジニル、N−エチルピペラジニル等の3ないし6員の環状アミノなど)、アルキレンジオキシ(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1-3アルキレンジオキシなど)、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メルカプト、スルホ、スルフィノ、ホスホノ、スルファモイル、モノアルキルスルファモイル(例えば、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、プロピルスルファモイル、イソプロピルスルファモイル、ブチルスルファモイル等のモノ−C1-6アルキルスルファモイルなど)、ジアルキルスルファモイル(例えば、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、ジプロピルスルファモイル、ジブチルスルファモイル等のジ−C1-6アルキルスルファモイルなど)、低級アルキルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等のC1-6アルキルチオなど)、アリールチオ(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等のC6-10アリールチオなど)、低級アルキルスルフィニル(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル等のC1-6アルキルスルフィニルなど)、アリールスルフィニル(例えば、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル等のC6-10アリールスルフィニルなど)、低級アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニルなど)、アリールスルホニル(例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等のC6-10アリールスルホニルなど)などが挙げられる。
該「置換基を有していてもよい低級アルキル」の「低級アルキル」は、前記の置換基を、アルキル基の置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一または異なっていてもよい。
【0009】
R1またはR2で示される「アシル」としては、例えばカルボン酸またはスルホン酸から誘導されるアシルなどが挙げられる。好ましくは、ホルミル、低級アルキルカルボニル(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリルなどのC1-6アルキル−カルボニル)、アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル、ナフトイルなどのC6-10アリール−カルボニル)、アラルキルカルボニル(例えば、ベンジルカルボニル、フェネチルカルボニル、ナフチルメチルカルボニルなどのC6-10アリール−C1-6アルキル−カルボニル)、低級アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニルなど)、アラルキルオキシカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニル等のC6-10アリール−C1-6アルコキシ−カルボニル)、低級アルキルスルホニル(例えば、メシル、エチルスルホニル、プロピルスルホニルなどのC1-6アルキルスルホニル)、C1-6アルキルを有していてもよいC6-10アリールスルホニル(例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、トシルなど)、アラルキルスルホニル(例えば、ベンジルスルホニル、フェネチルスルホニル、ナフチルメチルスルホニルなどのC6-10アリール−C1-6アルキルスルホニル)などが挙げられる。
R1およびR2は、好ましくは水素原子、C1-6アルキル、C1-6アルキル−カルボニルである。さらに好ましくは、水素原子、C1-6アルキルである。特に好ましくは水素原子である。
【0010】
R3、R4またはR5で示される「置換基を有していてもよい低級アルコキシ」の「低級アルコキシ」としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどのC1-6アルコキシなどが挙げられる。該「低級アルコキシ」が有していてもよい置換基としては、例えば前記「低級アルキル」が有していてもよい置換基と同様のものが同様の個数用いられる。
R4およびR5が隣接する2個の炭素原子と一緒になって形成する「5または6員同素環」としては、例えば6員芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環など)、5または6員シクロアルケン(例えば、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセンなど)などが挙げられる。
R3、R4およびR5は、好ましくはC1-6アルキルである。R3およびR4はさらに好ましくはメチルである。
【0011】
R6で示される「低級アルキル」としては、前記R1、R2、R3、R4またはR5で示される「置換基を有していてもよい低級アルキル」の「低級アルキル」と同様のものが挙げられる。
R6は、好ましくはC1-6アルキルである。さらに好ましくはメチルである。
Arで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」の「芳香族基」としては、例えば芳香族炭化水素基、芳香族複素環基などが挙げられる。
該「芳香族炭化水素基」としては、例えば炭素数6ないし14個の単環式あるいは縮合多環式芳香族炭化水素基などが挙げられる。その具体例としてはフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アンスリルなどのC6-14アリールなどが挙げられる。このうちフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどのC6-10アリールが好ましい。特に好ましくは、フェニルである。
該「芳香族複素環基」としては、例えば炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば1〜4個)を含む5ないし10員の単環またはその縮合芳香族複素環基などが挙げられる。具体的には、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト〔2,3−b〕チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、イソキノリン、キノリン、カルバゾール、イソチアゾール、イソオキサゾールなどの芳香族複素環、あるいはこれらの環(好ましくは5または6員の単環)が1個あるいは複数個(好ましくは1または2個、さらに好ましくは1個)の芳香環(例、ベンゼン環、ピリジン環等)と縮合して形成された環から任意の水素原子を除いてできる1価基などが挙げられる。「芳香族複素環基」の好ましい例としては、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、8−キノリル、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、2−チエニル、3−チエニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンズイミダゾリル、2−ピリドチアゾリルなどが挙げられる。さらに好ましくは、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、2−インドリル、3−インドリルなどである。
【0012】
Arで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1-6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノなど)、C1-6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニルなど)、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニルなど)、カルバモイル、モノ−C1-6アルキルカルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイルなど)、ジ−C1-6アルキルカルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイルなど)、C6-10アリール−カルバモイル(例、フェニルカルバモイル、ナフチルカルバモイルなど)、スルホ、C1-6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニルなど)、C6-10アリール(例、フェニル、ナフチルなど)、C6-10アリールオキシ(例、フェニルオキシ、ナフチルオキシなど)などが挙げられる。置換基がC1-3アルキレンジオキシである場合は、隣接する2個の炭素原子とともに環を形成することが望ましい。
【0013】
上記「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル」としては、例えば1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)などが挙げられ、具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシルなどが挙げられる。
上記「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ」としては、例えば1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1-6アルコキシなどが挙げられ、具体例としては、例えばメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが挙げられる。
【0014】
上記「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ」としては、例えば1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1-6アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオなど)などがあげられ、具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオなどが挙げられる。
該「置換基を有していてもよい芳香族基」の「芳香族基」は、例えば上記の置換基をその環上の置換可能な位置に、1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合は同一または異なっていてもよい。Arは、好ましくは、置換基をそれぞれ有していてもよいC6-14アリール(好ましくはフェニル)、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−インドリルまたは3−インドリル、さらに好ましくは置換基を有していてもよいC6-10アリールである。該「置換基」として、好ましくは、ハロゲン原子、C1-6アルコキシおよびC1-6アルキルである。Arは、さらに好ましくは、ハロゲン原子、C1-6アルコキシおよびC1-6アルキルから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよいC6-14アリール(好ましくはフェニル)である。
【0015】
A環で示される「置換基を有していてもよい5ないし8員含窒素複素環」の「5ないし8員含窒素複素環」としては、例えば炭素原子以外に少なくとも1個の窒素原子を含む5ないし8員の飽和または不飽和の複素環などが挙げられる。具体例としては、ピペリジン、ピペラジン、1,2,5,6−テトラヒドロピリジン、ピロリジン、1H−アゼピン、1H−2,3−ジヒドロアゼピン、1H−2,3,4,5−テトラヒドロアゼピン、1H−2,3,6,7−テトラヒドロアゼピン、1H−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロアゼピン、1H−1,4−ジアゼピン、1H−2,3−ジヒドロ−1,4−ジアゼピン、1H−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ジアゼピン、1H−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,4−ジアゼピン、1H−2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,4−ジアゼピン、1,2−ジヒドロアゾシン、2,3,4,5−テトラヒドロアゾシン、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロアゾシン、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロアゾシン、1,2−ジヒドロ−1,5−ジアゾシン、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−1,5−ジアゾシン、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,5−ジアゾシンなどが挙げられる。このうち好ましくは6員含窒素複素環である。さらに好ましくはピペリジン、ピペラジンなどである。
該「5ないし8員含窒素複素環」が有していてもよい「置換基」としては、前記Arで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」が有していてもよい置換基と同様のものが1〜3個用いられる。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
A環は、好ましくは置換基を有していてもよい6員含窒素複素環、さらに好ましくはピペリジンまたはピペラジンである。
【0016】
Xで示される「置換基を有していてもよい低級アルキレン」の「低級アルキレン」としては、例えば炭素数1ないし6のアルカンから水素原子を2個除いた2価の基等を示す。該「低級アルキレン」としては、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ブチレン、ペンチレンなどの直鎖状C1-6アルキレンなどがあげられる。好ましくはメチレンまたはエチレンである。さらに好ましくはメチレンである。
該「置換基を有していてもよい低級アルキレン」の「低級アルキレン」が有していてもよい「置換基」としては、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシルなど)、C3-6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルなど)、C2-6アルケニル(例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−ブテニルなど)、C2-6アルキニル(例えば、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニルなど)、C6-14アリール(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリルなど)、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなど)、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノなど)、ジ−C1-6アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノなど)、C1-6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルなど)、C6-10アリールオキシ(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシなど)、オキソなどが挙げられる。
該「置換基を有していてもよい低級アルキレン」の「低級アルキレン」は、前記の置換基を、低級アルキレンの置換可能な位置に1ないし3個、好ましくは1ないし2個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合は各置換基は同一または異なっていてもよい。
Xは好ましくはメチレンである。
【0017】
Yが炭素原子を示す場合、例えば式: >C(R8)− で表される基が挙げられる。該式中、R8としては、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1-6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノなど)、C1-6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニルなど)、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニルなど)、カルバモイル、モノ−C1-6アルキルカルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイルなど)、ジ−C1-6アルキルカルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイルなど)、C6-10アリール−カルバモイル(例、フェニルカルバモイル、ナフチルカルバモイルなど)、スルホ、C1-6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニルなど)、C6-10アリール(例、フェニル、ナフチルなど)、C6-10アリールオキシ(例、フェニルオキシ、ナフチルオキシなど)などが挙げられる。
R8は、好ましくは、水素原子、シアノ、C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシルなど)、C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなど)、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル−カルボニルなどである。
【化36】
Yは、好ましくは CH または N である。さらに好ましくは CH である。R7で示される「置換基を有していてもよい芳香族基」としては、前記Arで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」と同様のものが挙げられる。
R7は好ましくは、水素原子または置換基を有していてもよいC6-10アリールである。さらに好ましくは、ハロゲン原子で置換されていてもよいC6-10アリール(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなど、好ましくはフェニル)である。
【0018】
R10で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」は、炭化水素化合物から水素原子を1個取り除いた基を示し、例えば、鎖状または環状炭化水素基(例、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキルなど)などが挙げられる。このうち、以下のような炭素数1ないし16個の鎖状または環状炭化水素基などが好ましい。
(i)C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、 sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)、
(ii)C2-6アルケニル(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、sec-ブテニルなど)、
(iii)C2-6アルキニル(例えば、エチニル、プロパルギル、ブチニル、1−ヘキシニルなど)、
(iv)C3-6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、
(v)C6-14アリール(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、2−アンスリルなど)、好ましくはフェニル、
(vi)C7-16アラルキル(例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチルなど)、好ましくはベンジル。
該「置換基を有していてもよい炭化水素基」が有していてもよい「置換基」としては、前記R1、R2、R3、R4またはR5で示される「置換基を有していてもよい低級アルキル」が有していてもよい置換基と同様のものが1ないし5個、好ましくは、1ないし3個用いられる。
R10で示される「アシル」としては、前記R1またはR2で示される「アシル」と同様のものが挙げられる。
R10は好ましくは、水素原子またはC7-11アラルキルである。さらに好ましくは水素原子である。
Zaは好ましくは、式:
【化37】
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される基である。さらに好ましくは、式:
【化38】
(式中、R7は前記と同意義を示す)で表される基である。
【0019】
Zbで示される「置換基を有していてもよく、かつ、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を介していてもよい2価の脂肪族炭化水素基」の「酸素原子、窒素原子または硫黄原子を介していてもよい2価の脂肪族炭化水素基」としては、例えば,(i)メチレンまたは(ii)飽和または不飽和の脂肪族炭化水素の異なった2個の炭素原子に結合する水素原子を1個ずつ取り除いてでき、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を炭素原子間または末端のいずれの位置に1ないし2個、好ましくは1個含んでいてもよい2価の基を示す。このうち炭素数が1ないし8個のものが好ましい。
具体的な例としては、
(i)C1-8アルキレン(例、−CH2−,−(CH2)2−,−(CH2)3−,−(CH2)4−,
−(CH2)5−,−(CH2)6−,−(CH2)7−,−(CH2)8− など)
(ii)C2-8アルケニレン(例、−CH=CH−,−CH2−CH=CH−,
−CH2−CH=CH−CH2−,−CH2−CH2−CH=CH−,
−CH=CH−CH2−CH2−CH2−,−CH2−CH2−CH2−CH2−CH=CH− など)
【化39】
(iv)式: −(CH2)p−M−(CH2)q− (式中、pおよびqはそれぞれ0ないし8の整数、かつp+qは1ないし8の整数、MはO、NR9、S、SOまたはSO2を示す)で表される基などが挙げられる。式中のR9は、水素原子、C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシルなど)、C3-6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルなど)、C6-14アリール(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリルなど)、C7-11アラルキル(例えば、ベンジル、フェネチルなど)またはアシルを示す。該「アシル」としては、前記R1またはR2で示される「アシル」と同様のものが挙げられる。
Mは、好ましくはO、NR9である。このうちR9は水素原子が好ましい。
pおよびqは、それぞれ0ないし5の整数が好ましい。さらに好ましくは0ないし4の整数である。
【0020】
該「酸素原子、窒素原子または硫黄原子を介していてもよい2価の脂肪族炭化水素基」が有していてもよい「置換基」としては、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1-6アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノなど)、C6-14アリール(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリルなど)、C7-11アラルキル(例えば、ベンジル、フェネチルなど)、C6-10アリールオキシ(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシなど)、オキソ、アシルなどが挙げられる。上記「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル」、「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ」および「ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ」としては、前記Arで示される芳香族基の置換基について詳述したものと同様のものが挙げられる。上記「アシル」としては、前記R1またはR2で示される「アシル」と同様のものが挙げられる。
該置換基は置換可能な位置に1〜5個置換されていてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
Zbは好ましくは、結合手またはC1-8アルキレンである。さらに好ましくは結合手である。
【0021】
Qで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」としては、前記Arで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」と同様のものが挙げられる。
Zcで示される「置換基を有していてもよく、かつ、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を介していてもよい2価の脂肪族炭化水素基」としては、前記Zbで示される「置換基を有していてもよく、かつ、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を介していてもよい2価の脂肪族炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
Qは好ましくは、置換基を有していてもよい芳香族基である。
Aa環で示される「置換基を有していてもよい5ないし8員含窒素複素環またはそのベンゾローグ縮合環」の「置換基を有していてもよい5ないし8員含窒素複素環」としては、前記A環で示される「置換基を有していてもよい5ないし8員含窒素複素環」が挙げられ、「置換基を有していてもよい5ないし8員含窒素複素環のベンゾローグ縮合環」としては、前記A環で示される「置換基を有していてもよい5ないし8員含窒素複素環」が、置換基を有していてもよいベンゼン環1個と縮合可能な位置で縮合した縮合環が挙げられる。該「置換基を有していてもよいベンゼン環」の「置換基」としては、前記Arで示される「置換基を有していてもよい芳香族基」が有していてもよい置換基と同様のものが、1ないし4個用いられる。
Aa環は好ましくは、6員含窒素複素環である。さらに好ましくはピペリジンである。
【0022】
式(I)中、好ましくは、R1およびR2がそれぞれ水素原子;
R3、R4、R5およびR6がそれぞれC1-6アルキル;
Arがハロゲン原子、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいフェニル;
A環が6員含窒素複素環;
Xがメチレン;
YがCHまたはN;
Zaが式:
【化40】
(式中、R7'はハロゲン原子、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいフェニル、およびR10'は水素原子を示す)で表される基;
Zbが結合手またはC6-10アリールで置換されていてもよいC1-6アルキレン;およびmが1または2である化合物である。
また、式(I)中、R1およびR2がそれぞれ水素原子;
R3、R4、R5およびR6がそれぞれC1-6アルキル;
Arが、ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル−カルボニル、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、スルホ、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよい(i)C6-10アリール、(ii)2−ピリジル、(iii)3−ピリジル、(iv)4−ピリジル、(v)2−インドリルまたは(vi)3−インドリル;
【0023】
A環が6員含窒素複素環基;
Xがメチレン;
YがCHまたはN;
【化41】
R7bが水素原子またはハロゲン原子で置換されていてもよいC6-10アリール;
R10aは水素原子またはC7-11アラルキル;
Zbが結合手またはC6-10アリールでそれぞれ置換されていてもよい(i)C1-6アルキレン、(ii)C2-6アルケニレンまたは(iii)式:
−(CH2)p'−M'−(CH2)q'− (式中、p'および q'はそれぞれ0ないし5の整数、かつp'+ q'は1ないし6の整数、M'はOまたはNHを示す)で表される基;およびmが1または2である化合物またはその塩が好ましい。中でも、R10aは水素原子、Zbが結合手およびmが1である化合物またはその塩が好ましい。
また、 式(I)中、R1およびR2がそれぞれ水素原子;R3、R4、R5およびR6がそれぞれC1-6アルキル;Arがメチレンジオキシで置換されていてもよいC6-10アリール;A環が6員含窒素複素環基;Xがメチレン;YがCHまたはN;
【化42】
R7aが水素原子またはC6-10アリール;Zbが(i)結合手または(ii)それぞれC6-10アリールで置換されていてもよいC1-6アルキレンまたはC2-6アルケニレン;およびmが1である化合物またはその塩が好ましい。
あるいは、R1およびR2がそれぞれ水素原子;R3、R4、R5およびR6がそれぞれC1-6アルキル;Arがハロゲン原子、メチレンジオキシ、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよいC6-10アリール;A環が6員含窒素複素環;Xがメチレン;YがCHまたはN;
【化43】
で表される基;R7bが水素原子またはハロゲン原子で置換されていてもよいC6-10アリール;R10aは水素原子またはC7-11アラルキル;Zbが結合手またはC6-10アリールでそれぞれ置換されていてもよい(i)C1-6アルキレン、(ii)C2-6アルケニレンまたは(iii)式: −(CH2)p'−M'−(CH2)q'− (式中、p'および q'はそれぞれ0ないし5の整数、かつp'+ q'は1ないし6の整数、M'はOまたはNHを示す)で表される基;およびmが1または2である化合物またはその塩も好ましい。
【0024】
本発明の化合物(I)の好ましい具体例として、2−[(4−ベンジル−1−ピペリジニル)メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン、
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(−)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(+)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(−)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(+)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
1−[(5−アミノ−7−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(−)−1−[(5−アミノ−7−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(+)−1−[(5−アミノ−7−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン2−[[4−(ジフェニルメトキシ)−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン、
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(3,3−ジフェニルプロピル)−4−ピペリジンエチルアミン
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(2−フェニルエチル)−1−ピペラジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミンおよびそれらの塩が挙げられる。
【0025】
このうちさらに好ましくは、1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(−)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(+)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(−)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(+)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミンまたはそれらの塩である。
式(Ia)中、R1およびR2がそれぞれ水素原子、C1-6アルキルまたはC1-6アルキル−カルボニル;R3、R4、R5およびR6がそれぞれC1-6アルキル;Aa環がベンゼン環と縮合していてもよい6または7員含窒素複素環基;Xがメチレン;Yが(i)式: >C(R8a)− (式中、R8aは水素原子またはヒドロキシを示す)で表される基または(ii)N;Qが(i)水素原子、(ii)それぞれハロゲンまたはC1-6アルコキシで置換されていてもよいC6-10アリールまたは6員含窒素芳香族基または(iii)式 −Zc'−Ar' (式中、Zc'はそれぞれC6-10アリールまたはオキソで置換されていてもよく、かつ、酸素原子を介していてもよいC1-6アルキレンまたはC2-6アルケニレン、およびAr'はC6-10アリールを示す)で表される基;およびmが1である化合物またはその塩が好ましい。
【0026】
化合物(Ia)の好ましい具体例として、(S)−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン、
2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン、
(−)−2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン、
(+)−2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン、
7−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6−トリメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン、
(−)−7−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6−トリメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン、
(+)−7−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6−トリメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンおよびそれらの塩が挙げられる。
このうちさらに好ましくは、(S)−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンおよびその塩が挙げられる。
化合物(I)および化合物(Ia)は、立体異性体が存在するが、この異性体が単独の場合およびそれらの混合物の場合も本発明に含まれる。
【0027】
本発明の化合物(I)または化合物(Ia)の塩としては、例えば薬理学的に許容される塩などが用いられる。例えば、無機塩基との塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、またはアルミニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩があげられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
中でも薬学的に許容可能な塩が好ましく、その例としては、化合物(I)または化合物(Ia)内に塩基性官能基を有する場合には、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など無機酸との塩、例えば酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、 酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸との塩があげられ、酸性官能基を有する場合には、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
【0028】
本発明の化合物(I)の製造法について以下に述べる。
本発明の化合物(I)は、自体公知の方法またはこれに準じた方法、あるいは例えば以下の反応式で示される方法等により得られる。化合物(Ia)は、自体公知の方法(特開平5−140142号、EP−A−483772、特開平6−41123号、USP 5,552,552に記載の方法等)またはこれに準じた方法、あるいは例えば以下の反応式で示される方法等により得られる。
以下にその反応式の略図を示すが、略図中の化合物の各記号は前記と同意義を示す。反応式中の化合物(II)ないし(XXVIII)は塩を形成している場合も含み、この様な塩としては、例えば化合物(I)の塩と同様のものなどが用いられる。
【化44】
【0029】
化合物(II)は自体公知の方法、例えば特開平5−140142号またはジャーナル オブ ジ アメリカン オイル ケミスツ ソサイエティー(J. Am. Oil Chem. Soc.)、 51巻、 200-203、 1974 などに記載の方法、またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
化合物(V)は自体公知の方法、例えば特開平5−140142号などに記載の方法、またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
化合物(VII)は市販されている場合には市販品をそのまま用いることもでき、また自体公知の方法、例えばユーロピアン ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(Eur. J. Med. Chem.)、 15巻、 363-370頁、 1980年、特開昭62−87585号、特開平2−49726号などに記載の方法、またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
化合物(III)(式中、Lは脱離基を示す)は化合物(II)のカルボキシル基をそのまま還元あるいはエステル化の後還元することによりアルコール体とし、 続いてスルホン酸エステル化あるいはハロゲン化することにより製造される。
Lで示される「脱離基」としては、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ハロゲン化されていてもよいC1-5アルキルスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリクロロメタンスルホニルオキシなど)、アリールスルホニルオキシ(例えば、p−トルエンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシなどの置換されていてもよいベンゼンスルホニルオキシなど)などが挙げられる。
【0030】
カルボキシル基の還元に使用される還元剤としては、例えば水素化アルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムなどの金属水素化物類、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムなどの金属水素錯化合物類、 ボランテトラヒドロフラン錯体、ボランジメチルスルフィド錯体などのボラン錯体類、テキシルボラン、ジシアミルボランなどのアルキルボラン類、ジボランなどが用いられる。 還元剤の使用量は、例えば金属水素化物類の場合、化合物(II)1モルに対して約0.5ないし10モル、好ましくは約0.5ないし3.0モル、金属水素錯化合物類の場合、化合物(II)1モルに対して約0.5ないし10モル、好ましくは約0.5ないし5.0モル、ボラン錯体類、アルキルボラン類またはジボランの場合、化合物(II)1モルに対して約1.0ないし10.0モル、好ましくは1.0ないし5.0モルである。本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ギ酸、酢酸などの有機酸類などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。反応時間は通常1時間ないし100時間、好ましくは1時間ないし50時間である。反応温度は通常0ないし120℃、好ましくは20ないし80℃である。生成物は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
【0031】
化合物(II)を有機化学で用いられる常法に従ってエステル化し、得られた化合物を還元に付す場合に使用される還元剤としては、例えば水素化アルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムなどの金属水素化物類、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムなどの金属水素錯化合物類、 ボランテトラヒドロフラン錯体、ボランジメチルスルフィド錯体などのボラン錯体類、テキシルボラン、ジシアミルボランなどのアルキルボラン類、ジボラン、または例えばラネーニッケル、ラネーコバルト等の水素添加触媒等が用いられる。還元剤の使用量は、例えば金属水素化物類の場合、化合物(II)のエステル体1モルに対して約1.0ないし10モル、好ましくは約1.0ないし3.0モル、金属水素錯化合物類の場合、化合物(II)のエステル体1モルに対して約1.0ないし10モル、好ましくは約1.0ないし3.0モル、ボラン錯体類、アルキルボラン類またはジボランの場合、化合物(II)のエステル体1モルに対して約1.0ないし5.0モル、水素添加の場合、水素添加触媒を化合物(II)のエステル体に対して約10ないし1000重量%、好ましくは約80ないし300重量%である。本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ギ酸、酢酸などの有機酸類などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。反応時間は用いる触媒の活性および量によって異なるが、通常1時間ないし100時間、好ましくは1時間ないし50時間である。反応温度は通常0ないし120℃、好ましくは20ないし80℃である。水素添加触媒を用いた場合、水素の圧力は通常1ないし100気圧である。生成物は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
【0032】
得られたアルコール体をスルホン酸エステルに変換するためには、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリドなどのスルホン化剤が、必要に応じて塩基と共に用いられる。アルコール体1モルに対しスルホン化剤を約1.0ないし5.0モル、好ましくは約1.0ないし2.0モル用いる。本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン、ルチジン、キノリンなどの含窒素芳香族炭化水素類などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。所望により用いられる塩基としては、例えばトリエチルアミン、ピリジンなどが挙げられる。反応温度は約−20ないし150℃、好ましくは0ないし100℃である。反応時間は通常5分ないし24時間、好ましくは10分ないし5時間である。
ハロゲン化剤としては、例えば塩化チオニル、臭化チオニルなどのハロゲン化チオニル類、塩化ホスホリル、臭化ホスホリルなどのハロゲン化ホスホリル類、五塩化リン、三塩化リン、五臭化リン、三臭化リンなどのハロゲン化リン類、オキサリルクロリドなどのオキサリルハライド類、ホスゲンなどが挙げられる。アルコール体1モルに対してハロゲン化剤を約1.0ないし30モル、好ましくは約1.0ないし10モル用いる。本反応は無溶媒で行うか、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては反応が進行する限り特に限定されないが、例えばベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、ヘキサンなどの飽和炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。反応時間は通常10分ないし12時間、好ましくは10分ないし5時間である。反応温度は通常−10ないし200℃、好ましくは−10ないし120℃である。生成物(III)は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
【0033】
化合物(IV)は化合物(III)をニトロ化することにより製造される。ニトロ化剤としては、 例えば混酸、 硝酸アセチル、 発煙硝酸、 ニトロニウムテトラフルオロボレート(NO2 +BF4 -)、 ニトロニウムトリフルオロメタンスルホナート(NO2 +CF3SO3 -)などが挙げられる。 化合物(III)1モルに対してニトロ化剤を約1.0ないし50モル、好ましくは約1.0ないし10モル用いる。本反応は無溶媒で行うか、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては反応が進行する限り特に限定されないが、例えば酢酸などの有機酸、無水酢酸などの酸無水物、硫酸、硝酸などの鉱酸類、シクロヘキサン、ヘキサンなどの飽和炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。反応時間は通常10分ないし12時間、好ましくは10分ないし5時間である。反応温度は通常−10ないし200℃、好ましくは−10ないし120℃である。生成物(IV)は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
【0034】
化合物(VI)は化合物(IV)を還元し、 所望によりアルキル化、 アシル化を行うことにより製造される。還元に使用される還元剤としては、例えば水素化アルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムなどの金属水素化物類、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムなどの金属水素錯化合物類、 ボランテトラヒドロフラン錯体、ボランジメチルスルフィド錯体などのボラン錯体類、テキシルボラン、ジシアミルボランなどのアルキルボラン類、ジボラン、または亜鉛、アルミニウム、錫、鉄などの金属類、ナトリウム、リチウムなどのアルカリ金属/液体アンモニア(バーチ還元)などが挙げられる。 また水素添加触媒として例えばパラジウム炭素、酸化白金、ラネーニッケル、ラネーコバルト等の触媒等が用いられる。還元剤の使用量は、例えば金属水素化物類の場合、化合物(IV)1モルに対して約1.0ないし10モル、好ましくは約1.0ないし3.0モル、金属水素錯化合物類の場合、化合物(IV)1モルに対して約1.0ないし10モル、好ましくは約1.0ないし3.0モル、ボラン錯体類、アルキルボラン類またはジボランの場合、化合物(IV)1モルに対して約1.0ないし5.0モル、金属類の場合約1.0ないし20当量、好ましくは約1ないし5当量、アルカリ金属を用いる場合約1ないし20当量、好ましくは約1ないし5当量、水素添加の場合、パラジウム炭素、酸化白金、ラネーニッケル、ラネーコバルト等の触媒を化合物(IV)に対して約5ないし1000重量%、好ましくは約10ないし300重量%である。本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ギ酸、酢酸などの有機酸類などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。ラネーニッケルやラネーコバルト触媒を用いる際には副反応を抑えるために、さらにアンモニア等のアミン類を添加してもよい。反応時間は用いる還元剤の種類や量あるいは触媒の活性および量によって異なるが、通常1時間ないし100時間、好ましくは1時間ないし50時間である。反応温度は通常0ないし120℃、好ましくは20ないし80℃である。水素添加触媒を用いた場合、水素の圧力は通常1ないし100気圧である。生成物は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
【0035】
得られたアミン体は、必要に応じアルキル化反応に付す。
化合物(VI)(式中、R1およびR2の少なくとも一方が水素原子を示す)と対応するアルキル化剤(例えば、対応するアルキルハライド、アルコールのスルホン酸エステルなど)とを、所望により塩基の存在下で反応させる。化合物(VI)1モルに対しアルキル化剤を約1.0ないし5.0モル、好ましくは約1.0ないし2.0モル用いる。塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基類、ピリジン、ルチジンなどの芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリンなどの第3級アミン類、水素化ナトリウム,、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドなどの金属アミド類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三ブトキシドなどの金属アルコキシド類などが挙げられる。化合物(VI)1モルに対し塩基を約1.0ないし5.0モル、好ましくは約1.0ないし2.0モル用いる。本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。反応時間は通常30分ないし48時間、好ましくは1時間ないし24時間である。反応温度は通常−20ないし200℃、好ましくは0ないし150℃である。
【0036】
また、得られたアミン体は、必要に応じアシル化反応に付す。
化合物(VI)(式中、R1およびR2の少なくとも一方が水素原子を示す)とアシル化剤とを、所望により塩基または酸の存在下反応させる。アシル化剤としては、例えば、対応するカルボン酸またはその反応性誘導体(例えば、酸ハライド、酸無水物、エステルなど)などが挙げられる。化合物(VI)1モルに対しアシル化剤を約1.0ないし5.0モル、好ましくは約1.0ないし2.0モル用いる。本反応は無溶媒または反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン、ルチジン、キノリンなどの含窒素芳香族炭化水素類などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。所望により用いられる塩基としては、例えばトリエチルアミン、ピリジンなどが挙げられる。所望により用いられる酸としては、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等が挙げられる。反応温度は約−20ないし150℃、好ましくは0ないし100℃である。反応時間は通常5分ないし24時間、好ましくは10分ないし5時間である。生成物(VI)は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
上記のアルキル化反応およびアシル化反応は、所望により、それぞれを組み合わせ、あるいは繰り返し行ってもよい。
【0037】
また化合物(VI)は、化合物(V)とハロゲン化剤とを反応させる事によっても製造できる。該反応は所望により、塩基もしくは塩基性塩、またはラジカル開始剤などの存在下、あるいは光照射下に行う。ハロゲン化剤として、臭素、塩素、ヨウ素、一塩化ヨウ素などのハロゲン類、N−ブロモコハク酸イミドなどのイミド類、ジクロロヨウ素酸ベンジルトリメチルアンモニウム、三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム臭素付加体、過臭化臭化ピリジニウム、ジオキサンジブロミドなどのハロゲン付加物などが挙げられる。化合物(V)1モルに対しハロゲン化剤を約1.0ないし5.0モル、好ましくは約1.0ないし2.0モル用いる。本反応は無溶媒または反応に不活性な溶媒を用いて行なうのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、酢酸、プロピオン酸などの有機酸類、ニトロメタンなどのニトロアルカン類、ピリジン、ルチジン、キノリンなどの含窒素芳香族炭化水素類、水などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。所望により用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基類、ピリジン、ルチジンなどの芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリンなどの第3級アミン類などが挙げられる。所望により用いられる塩基性塩としては、例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの塩類などが挙げられる。所望により用いられるラジカル開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどが用いられる。また、光照射を行う場合、ハロゲンランプなどが通常用いられる。反応温度は通常−50ないし150℃、好ましくは−20ないし100℃である。反応時間は通常5分ないし24時間、好ましくは10分ないし15時間である。
【0038】
化合物(VI)は、化合物(V)を、所望により塩基の存在下有機過酸で処理して環化させ、 生成したアルコール体をスルホン酸エステル化することによっても製造することができる。 有機過酸として、 m-クロロ過安息香酸、 過酢酸などが挙げられる。 化合物(V)1モルに対し有機過酸を約1.0ないし5.0モル、好ましくは約1.0ないし2.0モル用いる。本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えば水、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、酢酸、 プロピオン酸などの有機酸類、 ピリジン、ルチジン、キノリンなどの含窒素芳香族炭化水素類などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。所望により用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基類、ピリジン、ルチジンなどの芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリンなどの第3級アミン類などが挙げられる。反応温度は約−20ないし150℃、好ましくは0ないし100℃である。反応時間は通常5分ないし24時間、好ましくは10分ないし5時間である。次工程のスルホン酸エステル化は、化合物(II)から化合物(III)を製造するときと同様の条件が用いられる。 生成物(VI)は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
【0039】
化合物(I)は化合物(VI)と化合物(VII)とを縮合させることにより製造される。
化合物(VI)と化合物(VII)との縮合は、所望により塩基の存在下で行うことができる。塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基類、ピリジン、ルチジンなどの芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリンなどの第3級アミン類、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドなどの金属アミド類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三ブトキシドなどの金属アルコキシド類などが挙げられる。化合物(VI)1モルに対し塩基を約1.0ないし30モル、好ましくは約1.0ないし10モル用いる。本反応は、無溶媒または反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、メタノール、エタノール等のアルコール類、またはこれらの混合物等が用いられる。溶媒の使用量は、化合物(VI)1グラムに対して通常0.2ないし50ミリリットル、好ましくは2ないし20ミリリットルである。反応は、通常−5ないし200℃、好ましくは5ないし180℃で行われる。反応時間は通常約5分ないし72時間、好ましくは約0.5ないし30時間である。反応温度が高い場合には封管(オートクレーブ)などが汎用される。
【化45】
【0040】
化合物(IX)(式中、Lは前記と同意義、rは1または2を示す)のうちr=1である化合物は、化合物(VI)のうちm=1である化合物、すなわち化合物(VIII)(式中、rは前記と同意義を示す)のうちr=1である化合物と、シアノ化合物とを反応させることにより得られる。シアノ化合物としては、例えばシアン化ナトリウム、シアン化カリウムおよびこれらの混合物が挙げられる。また反応系中でシアン化水素と、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩類との反応により調製して用いることもできる。シアノ化合物は、化合物(VIII)1モルに対し約0.8ないし10モル、好ましくは約1.0ないし5.0モル用いる。本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、水などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。また相間移動触媒の存在下、水と水に不溶、または難溶の上記溶媒を用いることもできる。相間移動触媒としては、例えば臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩類、4級ホスホニウム塩類が挙げられる。相間移動触媒は、化合物(VIII)1モルに対し約0.001ないし10モル、好ましくは約0.005ないし0.5モル用いる。反応時間は通常10分ないし50時間、好ましくは30分ないし20時間である。反応温度は通常0ないし200℃、好ましくは20ないし150℃である。生成物(IX)は反応液のままか粗生成物として次の反応に用いることができるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
【0041】
化合物(X)(式中、rは前記と同意義を示す)のうちr=1である化合物は、化合物(IX)のうちr=1である化合物を酸または塩基を用いて加水分解することにより製造することができる。酸加水分解には、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸などの鉱酸類、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素などのルイス酸類、ルイス酸とチオール類またはスルフィド類との併用、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸類などが用いられる。アルカリ加水分解には、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムなどの金属水酸化物類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの金属炭酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三ブトキシドなどの金属アルコキシド類、トリエチルアミン、イミダゾール、ホルムアミジンなどの有機塩基類などが用いられる。これら酸および塩基は、化合物(IX)1モルに対してそれぞれ約0.1ないし20モル、好ましくは約0.5ないし12モル用いる。本反応は無溶媒で行うか、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサンなどの炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、水などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。反応時間は通常10分ないし50時間、好ましくは30分ないし40時間である。反応温度は通常0ないし200℃、好ましくは20ないし150℃である。生成物(X)は反応液のままか粗生成物として次の反応に用いることができるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
【0042】
化合物(VIII)のうちr=2である化合物は、前記の化合物(II)から化合物(III)を製造する方法と同様にして、化合物(X)のうちr=1である化合物より製造することができる。
化合物(IX)のうちr=2である化合物は、前記の化合物(VIII)のうちr=1である化合物から化合物(IX)のうちr=1である化合物を製造する方法と同様にして、化合物(VIII)のうちr=2である化合物より製造することができる。
化合物(X)のうちr=2である化合物は、前記の化合物(IX)のうちr=1である化合物から化合物(X)のうちr=1である化合物を製造する方法と同様にして、化合物(IX)のうちr=2である化合物より製造することができる。
化合物(XI)(式中、rは前記と同意義を示す)は、化合物(VII)と化合物(X)、化合物(X)の反応性誘導体または化合物(X)の塩とを縮合させることにより得られる。化合物(X)の反応性誘導体としては、酸ハロゲン化物(例えば、酸塩化物、酸臭化物など)、酸アミド(例えば、ピラゾール、イミダゾール、ベンゾトリアゾールなどとの酸アミドなど)、混合酸無水物(例えば、モノメチル炭酸、モノエチル炭酸、モノイソプロピル炭酸、モノtert-ブチル炭酸などのモノC1-4アルキル−炭酸との混合酸無水物;モノベンジル炭酸、モノ(p−ニトロベンジル)炭酸などのモノC7-10アラルキル−炭酸との混合酸無水物;酢酸、シアノ酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、アセト酢酸などのC1-6脂肪族カルボン酸との混合酸無水物;安息香酸、p−トルイル酸、p−クロロ安息香酸などのC7-11芳香族カルボン酸との混合酸無水物;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸との混合酸無水物;モノアリル炭酸との混合酸無水物など)、酸アジド、活性エステル(例えば、ジエトキシリン酸エステル、ジフェノキシリン酸エステル、p−ニトロフェニルエステル、2,4−ジニトロフェニルエステル、シアノメチルエステル、ペンタクロロフェニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドとのエステル、N−ヒドロキシフタルイミドとのエステル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとのエステル、6−クロロ−1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとのエステル、1−ヒドロキシ−1H−2−ピリドンとのエステルなど)、活性チオエステル(例えば、2−ピリジルチオエステル、2−ベンゾチアゾリルチオエステルなど)などが用いられる。
【0043】
また上記化合物(X)の反応性誘導体を用いる代わりに、化合物(X)または化合物(X)の塩を適当な縮合剤の存在下、直接化合物(VII)と反応させても良い。縮合剤としては、例えばN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)塩酸塩などのN,N'−二置換カルボジイミド類、N,N'−カルボニルジイミダゾールなどのアゾライド類、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、オキシ塩化リン、アルコキシアセチレンなどの脱水剤、2−クロロメチルピリジニウムヨージド、2−フルオロ−1−メチルピリジニウムヨージドなどの2−ハロゲノピリジニウム塩などが用いられる。化合物(VII)の使用量は、化合物(X)、化合物(X)の反応性誘導体または化合物(X)の塩1モルに対し、通常約1.0〜5.0モル、好ましくは約1.0〜2.0モルである。本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、 ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、水などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。化合物(X)の反応性誘導体として酸ハロゲン化物、混合酸無水物、活性エステルなどを用いる場合は、放出される酸性物質を反応系内から除去する目的で、脱酸剤の存在下に反応を行うことができる。このような脱酸剤としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基類、ピリジン、ルチジンなどの芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリンなどの第3級アミン類などを加えておくのが望ましい。反応時間は用いる試薬や溶媒により異なるが通常30分ないし48時間、好ましくは30分ないし24時間である。反応温度は通常0ないし100℃、好ましくは0ないし70℃である。
【0044】
生成物(XI)は反応液のままか粗生成物として次の反応に用いることができるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
化合物(I)は、化合物(XI)を還元することによっても製造することができる。還元に使用される還元剤としては、例えば水素化アルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムなどの金属水素化物類、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムなどの金属水素錯化合物類、 ボランテトラヒドロフラン錯体、ボランジメチルスルフィド錯体などのボラン錯体類、テキシルボラン、ジシアミルボランなどのアルキルボラン類、ジボランなどが用いられる。 還元剤の使用量は、例えば金属水素化物類の場合、化合物(XI)1モルに対して約1.0ないし10モル、好ましくは約1.0ないし3.0モル、金属水素錯化合物類の場合、化合物(XI)1モルに対して約1.0ないし10モル、好ましくは約1.0ないし5.0モル、ボラン錯体類、アルキルボラン類またはジボランの場合、化合物(XI)1モルに対して約1.0ないし10.0モル、好ましくは1.0ないし7.0モルである。本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素類などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。反応時間は通常15分ないし100時間、好ましくは20分ないし50時間である。反応温度は通常0ないし120℃、好ましくは10ないし80℃である。生成物は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
【0045】
化合物(XII)は、化合物(I)のうちY=Nである化合物の式:−Za−Zb−Ar (式中の各記号は前記と同意義)で表される基を脱保護することにより製造することができる。保護基の除去方法としては、例えば酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウムなどで処理する方法、または還元反応などが用いられる。これらの反応は、自体公知の方法、例えば「プロテクティブ グループス イン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第2版、John Wiley & Sons,Inc.、1991年発行」などに記載された方法に準じて行えばよい。生成物(XII)は反応液のままか粗生成物として次の反応に用いることができるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
化合物(I)のうちY=Nである化合物は、化合物(XII)のうちY=Nである化合物を、(i)アルキル化反応に付す、(ii)アシル化反応に付すまたは(iii)アシル化反応に付し、次いで得られるアミド体を還元反応に付すことにより製造することもできる。
該アルキル化反応は、前記の化合物(VI)から化合物(I)を得る方法と同様にして行われる。
該アシル化反応は、前記の化合物(X)から化合物(XI)を製造する方法と同様にして行われる。
該アシル化反応に次いで得られるアミド体を還元反応に付す工程は、前記の化合物(XI)から化合物(I)を製造する方法と同様にして行われる。
【化46】
化合物(XIV)(式中、nは1ないし4の整数を示す)は、化合物(VI)と化合物(XIII)(式中、nは前記と同意義を示す)とを、前記の化合物(VI)と化合物(VII)との縮合反応と同様に縮合反応に付し製造することができる。
化合物(XIII)は市販されている場合には市販品をそのまま用いることもでき、また、自体公知の方法、例えばジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(J.Med.Chem.)、1991年、34巻、1073頁に記載された方法などに準じて製造することもできる。
【0046】
化合物(XV)(式中、nは前記と同意義を示す)は、化合物(XIV)を自体公知の酸化反応に付すことにより製造することができる。本反応に用いられる酸化剤としては、無水クロム酸、重クロム酸ナトリウム、重クロム酸カリウムなどのクロム酸類、パラ過ヨウ素酸、メタ過ヨウ素酸、メタ過ヨウ素酸ナトリウムなどの過ヨウ素酸類、二酸化マンガン、酸化銀、酸化鉛などの金属酸化物、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類と塩化オキサリル、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの脱水剤との併用などが用いられる。酸化剤の使用量は、化合物(XIV)1モルに対して約1ないし30モル、好ましくは約1ないし10モルである。本反応に用いられる溶媒としては反応が進行する限り特に限定されないが、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、 ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、水などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。反応時間は通常5分ないし48時間、好ましくは5分ないし16時間である。反応温度は通常−90ないし200℃、好ましくは−80ないし150℃である。生成物は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
【0047】
化合物(I)は、化合物(XV)と化合物(XVI)(式中、R11は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基、Zd は置換基を有していてもよく、かつ、酸素原子、窒素原子、または硫黄原子を介していてもよい2価の脂肪族炭化水素基を示す)とを還元的に縮合させることによっても製造できる。
R11で示される「置換基を有していてもよい炭化水素」としては、前記R10で示される「置換基を有していてもよい炭化水素」と同様のものが挙げられる。
Zd で示される「置換基を有していてもよく、かつ、酸素原子、窒素原子、または硫黄原子を介していてもよい2価の脂肪族炭化水素基」としては、前記Zb で示される「置換基を有していてもよく、かつ、酸素原子、窒素原子、または硫黄原子を介していてもよい2価の脂肪族炭化水素基」と同様のものが挙げられる。該脂肪族炭化水素基が酸素原子または硫黄原子を介する場合、炭素原子間に含むのが好ましい。
化合物(XVI)は市販されている場合には市販品をそのまま用いることもでき、また、自体公知の方法に従って製造することもできる。
化合物(XVI)の使用量は、化合物(XV)1モルに対して約0.5ないし2モル、好ましくは0.8ないし1.5モルである。還元剤としては、例えば水素化アルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムなどの金属水素化物類、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの金属水素錯化合物類、ボランテトラヒドロフラン錯体、ボランジメチルスルフィド錯体などのボラン錯体類、テキシルボラン、ジシアミルボランなどのアルキルボラン類、ジボランなどが用いられる。 この反応に際して、所望により、酸(例えば、塩化水素、塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸など)を用いてもよい。還元剤の使用量は、例えば金属水素化物類の場合、化合物(XV)1モルに対して約0.3ないし10モル、好ましくは約0.3ないし3.0モル、金属水素錯化合物類の場合、化合物(XV)1モルに対して約0.3ないし10モル、好ましくは約0.5ないし5.0モル、ボラン錯体類、アルキルボラン類またはジボランの場合、化合物(XV)1モルに対して約1.0ないし10.0モル、好ましくは1.0ないし3.0モルである。本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、水などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。反応時間は通常10分ないし10時間、好ましくは10分ないし2時間である。反応温度は通常−20ないし120℃、好ましくは−10ないし80℃である。生成物は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
【0048】
また、例えば酸化白金、パラジウム炭素、ラネーニッケル、ラネーコバルトなどの水素添加触媒と水素を用いて化合物(XV)と化合物(XVI)とを還元的に縮合させることにより化合物(I)を製造することもできる。水素添加触媒の使用量は、化合物(XV)に対して約0.1ないし1000重量%、好ましくは約1ないし300重量%である。本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ギ酸、酢酸などの有機酸類などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。反応時間は用いる触媒の活性および量によって異なるが、通常10分ないし100時間、好ましくは10分ないし10時間である。反応温度は通常0ないし120℃、好ましくは20ないし80℃である。水素添加触媒を用いた場合、水素の圧力は通常1ないし100気圧である。生成物は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
【化47】
化合物(XVIII)(式中、R12は水素原子または炭化水素基を、nは前記と同意義を示す)は、前記の化合物(VI)から化合物(I)を製造する方法と同様の方法を用いて、化合物(VI)と化合物(XVII)(式中の各記号は前記と同意義を示す)とを縮合させることにより製造することができる。
【0049】
R12で示される「炭化水素基」としては、R10で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
化合物(XVII)は市販されている場合には市販品をそのまま用いることもでき、また、自体公知の方法、例えばジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカルソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)、1953年、75巻、6249頁などに記載された方法に準じて製造することもできる。
化合物(XIX)(式中、nは前記と同意義を示す)は、化合物(XVIII)を酸またはアルカリ加水分解反応に付すことにより製造される。酸加水分解には、 例えば塩酸、 硫酸などの鉱酸類、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素などのルイス酸類、ルイス酸とチオールまたはスルフィドの併用、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸類が用いられる。アルカリ加水分解には、 例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、 水酸化バリウムなどの金属水酸化物類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの金属炭酸塩類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三ブトキシドなどの金属アルコキシド類、 トリエチルアミン、イミダゾール、ホルムアミジンなどの有機塩基類などが用いられる。これら酸および塩基は、化合物(XVIII)1モルに対して約0.5ないし20モル、好ましくは約0.5ないし10モル用いる。本反応は無溶媒で行うか、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては反応が進行する限り特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、ヘキサンなどの飽和炭化水素類、ギ酸、酢酸などの有機酸類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、水などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。反応時間は通常10分ないし60時間、好ましくは10分ないし12時間である。反応温度は通常−10ないし200℃、好ましくは0ないし120℃である。生成物(XIX)は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
【0050】
化合物(XX)(式中、nおよびZd は前記と同意義を示す)は、前記の化合物(X)から化合物(XI)を得る方法と同様にして、化合物(XVI)と化合物(XIX)、化合物(XIX)の反応性誘導体または化合物(XIX)の塩とを縮合させることにより得られる。
化合物(I)は、前記の化合物(XI)から化合物(I)を得る方法と同様にして、化合物(XX)を還元反応に付すことにより製造することもできる。
【化48】
化合物(XXI)(式中、Mは金属を、R13は置換基を有していてもよい炭化水素基またはシリル基を示す)は自体公知の方法、例えば特開平5−140142号などに記載の方法、またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
Mで示される「金属」としては、例えばリチウム、ナトリウムなどのアルカリ金属、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、銅、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、セリウム、チタンなどが挙げられる。
R13で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」としては、前記R10で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
R13で示される「シリル基」としては、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリルなどのトリC1-6アルキルシリル基などが挙げられる。
【0051】
化合物(XXII)(式中の各記号は前記と同意義を示す)は自体公知の方法、例えばジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサイエティー(J. Am. Chem. Soc.)、 109巻、 5765-5780頁、1987年などに記載の方法、またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
化合物(XXV)は自体公知の方法、例えば特開平5−140142号などに記載の方法、またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
化合物(XXIII)(式中の各記号は前記と同意義を示す)のうちm=1およびXがメチレンである化合物は、化合物(XXI)と化合物(XXII)のうちm=1およびXがメチレンである化合物とを縮合させることにより得られる。化合物(XXI)は、化合物(XXII)1モルに対して約0.8ないし10モル、好ましくは約1.0ないし5.0モル用いる。本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素類などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。反応時間は通常10分間ないし100時間、好ましくは10分間ないし10時間である。反応温度は通常−100ないし30℃、好ましくは−80ないし20℃である。本反応は、所望により添加剤を加えてもよい。該添加剤としては、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ジメチルスルフィド錯体などの三フッ化ホウ素錯体類、ヨウ化銅(I)などの銅塩類などが用いられる。添加剤は、化合物(XXII)1モルに対して約0.1ないし3.0モル、好ましくは約0.5ないし1.5モル用いる。生成物は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することもできる。
【0052】
化合物(XXIV)(式中の各記号は前記と同意義を示す)のうちm=1およびXがメチレンである化合物は、化合物(XXIII)のうちm=1およびXがメチレンである化合物を塩基を用いて閉環することにより製造される。該塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウムなどの塩基性塩類、ピリジン、ルチジンなどの芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリンなどの第3級アミン類、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドなどの金属アミド類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三ブトキシドなどの金属アルコキシド類などが挙げられる。化合物(XXIII)1モルに対し塩基を約1.0ないし5.0モル、好ましくは約1.0ないし2.0モル用いる。本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、水などの溶媒またはこれらの混合溶媒などが好ましい。反応時間は通常5分間ないし3時間、好ましくは5分間ないし2時間である。反応温度は通常−20ないし200℃、好ましくは−10ないし120℃である。
【0053】
化合物(III)(式中の各記号は前記と同意義を示す)のうちm=1およびXがメチレンである化合物は、化合物(XXIV)のうちm=1およびXがメチレンである化合物のR13を酸または塩基触媒により脱保護し、同時に閉環することによっても製造できる。該酸触媒としては、塩酸、硫酸、臭化水素酸などの鉱酸類、酢酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸類、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、塩化亜鉛、塩化スズなどのルイス酸類、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などのスルホン酸類が挙げられる。該塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウムなどの塩基性塩類、ピリジン、ルチジンなどの芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリンなどの第3級アミン類、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドなどの金属アミド類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三ブトキシドなどの金属アルコキシド類が挙げられる。化合物(XXIV)1モルに対し、酸または塩基触媒を約0.1ないし30モル、好ましくは約0.5ないし10モル用いる。本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、水などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。反応時間は通常5分間ないし100時間、好ましくは5分間ないし3時間である。反応温度は通常−20ないし120℃、好ましくは0ないし80℃である。生成物は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することもできる。
【0054】
化合物(III)(式中の各記号は前記と同意義を示す)のうちm=1およびXがメチレンである化合物は、化合物(V)から化合物(VI)を製造する方法と同様にして、化合物(XXV)のうちXがメチレンである化合物から製造することもできる。
化合物(XXVI)は、化合物(VI)から化合物(I)を製造する方法と同様にして、化合物(III)と化合物(VII)とを縮合させることにより製造することができる。
化合物(I)は、化合物(III)から化合物(IV)を得る方法と同様にして化合物(XXVI)をニトロ化した後に、化合物(IV)から化合物(VI)を得る方法と同様にしてニトロ基を還元することにより製造することもできる。また、化合物(VI)に対して所望により行われるアルキル化反応、アシル化反応を、化合物(I)に対して所望によりそれぞれを組み合わせ、あるいは繰り返し行ってもよい。生成物は、反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することもできる。
【0055】
また化合物(I)は化合物(XXVI)をジアゾカップリング反応に付し、 得られるアゾ化合物を還元することによっても製造することができる。ジアゾニウム塩としては、例えばベンゼンジアゾニウムクロリド、4−ニトロベンゼンジアゾニウムクロリド、2,4−ジニトロベンゼンジアゾニウムクロリド、4−スルホベンゼンジアゾニウムクロリドなどのアリールジアゾニウム塩などが用いられる。該ジアゾニウム塩は自体公知の方法、例えば特開平5−140142号などに記載の方法、またはそれに準じた方法に従って製造することができる。化合物(XXIV)1モルに対しジアゾニウム塩を約0.8ないし3モル用いる。該ジアゾカップリング反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸、プロピオン酸などの有機酸類、水などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。反応時間は通常10分間ないし100時間、好ましくは20分ないし30時間である。反応温度は通常−20ないし80℃、好ましくは0ないし50℃である。生成物は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することもできる。次工程のアゾ化合物の還元は、化合物(IV)から化合物(VI)を製造する方法と同様の条件が用いられる。また、化合物(VI)に対して所望により行われるアルキル化反応、アシル化反応を、化合物(I)に対して所望によりそれぞれを組み合わせ、あるいは繰り返し行ってもよい。生成物は、反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することもできる。
また、光学活性な化合物(XXII)を原料として用いることにより、光学活性な化合物(I)を容易に合成することができる。
【0056】
【化49】
化合物(XXVII)は自体公知の方法、例えば、特開平5−140142号などに記載の方法、またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。化合物(XXVIII)(式中、Lは前記と同意義、mは1を示す)は化合物(XXVII)とハロゲン化剤とを反応させることにより製造することができる。該反応は所望により、塩基もしくは塩基性塩、またはラジカル開始剤などの存在下、あるいは光照射下に行う。ハロゲン化剤として、臭素、塩素、ヨウ素、一塩化ヨウ素などのハロゲン類、N−ブロモコハク酸イミドなどのイミド類、ジクロロヨウ素酸ベンジルトリメチルアンモニウム、三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム臭素付加体、過臭化臭化ピリジニウム、ジオキサンジブロミド、などのハロゲン付加などが挙げられる。化合物(XXVII)1モルに対しハロゲン化剤を約1.0ないし5.0モル、好ましくは約1.0ないし2.0モル用いる。本反応は無溶媒または反応に不活性な溶媒を用いて行なうのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、酢酸、プロピオン酸などの有機酸類、ニトロメタンなどのニトロ化炭化水素類、ピリジン、ルチジン、キノリンなどの含窒素芳香族炭化水素類、水などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。所望により用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基類、ピリジン、ルチジンなどの芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリンなどの第3級アミン類などが挙げられる。所望により用いられる塩基性塩としては、例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの塩類などが挙げられる。所望により用いられるラジカル開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどが用いられる。光照射を行う場合、通常ハロゲンランプを用いる。反応温度は通常−50ないし150℃、好ましくは−20ないし100℃である。反応時間は通常5分ないし24時間、好ましくは10分ないし15時間である。
【0057】
化合物(XXVIII)は化合物(XXVII)を、所望により塩基の存在下、有機過酸で処理して環化させ、生成したアルコール体をスルホン酸エステル化することによっても製造することができる。有機過酸として、m-クロロ過安息香酸、過酢酸などが挙げられる。化合物(XXVII)1モルに対し、有機過酸を約1.0ないし5.0モル、好ましくは約1.0ないし2.0モル用いる。本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行なうのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限る特に限定されないが、例えば水、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、酢酸、プロピオン酸などの有機酸類、ピリジン、ルチジン、キノリンなどの含窒素芳香族炭化水素類などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。所望により用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基類、ピリジン、ルチジンなどの芳香族アミン類、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリンなどの第3級アミン類などが挙げられる。反応温度は通常−20ないし150℃、好ましくは0ないし100℃である。反応時間は通常5分ないし24時間、好ましくは10分ないし5時間である。次工程のスルホン酸エステル化は化合物(II)から化合物(III)を製造するときと同様の条件が用いられる。生成物(XXVIII)は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
【0058】
化合物(VI)は化合物(XXVIII)をプロトン酸またはルイス酸存在下、アルキル化反応に付すことにより製造することもできる。アルキル化剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert-ブチルアルコールなどのアルコール類、イソプロピルクロリド、tert-ブチルクロリドなどのハロゲン化炭化水素類、イソブテンなどのアルケン類、酢酸イソプロピル、酢酸tert-ブチル、ジイソプロピル硫酸、p-トルエンスルホン酸イソプロピル、亜リン酸イソプロピルなどのエステル類、tert-ブチルメチルエーテルなどのエーテル類などが挙げられる。化合物(XXVIII)1モルに対し、アルキル化剤を約1.0ないし30モル、好ましくは約1.0ないし15モル用いる。プロトン酸としては、濃硫酸、トリフルオロ酢酸などが用いられる。ルイス酸としては塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化鉄(III)、塩化スズ(IV)、四塩化チタン、塩化亜鉛などが用いられる。通常、プロトン酸またはルイス酸はそれぞれ単独で用いられるが、所望により両者を組み合わせてもよい。プロトン酸を用いる場合は、化合物(XXVIII)1モルに対し約1.0ないし200モル、好ましくは約1.0ないし100モル用いる。ルイス酸を用いる場合は、化合物(XXVIII)1モルに対し約1.0ないし5.0モル、好ましくは約1.0ないし3.0モル用いる。本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行なうのが有利である。このような溶媒として反応が進行する限り特に限定されないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサンなどの炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ニトロメタンなどのニトロアルカン類、二硫化炭素などの溶媒もしくはそれらの混合溶媒などが好ましい。反応温度は通常−20ないし200℃、好ましくは0ないし150℃である。反応時間は通常5分ないし24時間、好ましくは10分ないし5時間である。生成物(VI)は反応液ままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
また、前記各反応において、原料化合物が置換基としてアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基を有する場合、これらの基にペプチド化学などで一般的に用いられるような保護基が導入されたものであってもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
【0059】
アミノ基の保護基としては、例えばホルミルまたはそれぞれ置換基を有していてもよいC1-6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルなど)、フェニルカルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、フェニルオキシカルボニル、C7-10アラルキルオキシ−カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、トリチル、フタロイルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニル、バレリルなど)、ニトロなどが用いられ、置換基の数は1ないし3個である。
カルボキシル基の保護基としては、例えばそれぞれ置換基を有していてもよいC1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、トリチル、シリルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチルカルボニルなど)、ニトロ、C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、tert−ブチルなど)、C6-10アリール(例えば、フェニル、ナフチルなど)などが用いられ、置換基の数は1ないし3個である。
ヒドロキシの保護基としては、例えばそれぞれ置換基を有していてもよいC1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、C7-11アラルキル(例えば、ベンジルなど)、ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルなど)、フェニルオキシカルボニル、C7-11アラルキルオキシ−カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、シリルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、tert−ブチルなど)、C7-11アラルキル(例えば、ベンジルなど)、C6-10アリール(例えば、フェニル、ナフチルなど)、ニトロなどが用いられ、置換基の数は1ないし4個である。
【0060】
また、保護基の除去方法としては、自体公知またはそれに準じる方法が用いられるが、例えば酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウムなどで処理する方法または還元反応が用いられる。
いずれの場合にも、さらに所望により、公知の脱保護反応、アシル化反応、アルキル化反応、水素添加反応、酸化反応、還元反応、炭素鎖延長反応、置換基交換反応を各々、単独あるいはその二つ以上を組み合わせて行うことにより化合物(I)を合成することができる。これらの反応は、例えば、新実験化学講座 14、15巻、1977年(丸善出版)などに記載の方法が採用される。
上記反応によって、目的物が遊離の状態で得られる場合には、常法に従って塩に変換してもよく、また塩として得られる場合には、常法に従って遊離体または他の塩に変換することもできる。かくして得られる化合物(I)は、公知の手段例えば転溶、濃縮、溶媒抽出、分溜、結晶化、再結晶、クロマトグラフィーなどにより反応溶液から単離、精製することができる。
なお、化合物(I)が、コンフィギュレーショナル アイソマー(配置異性体)、ジアステレオマー、コンフォーマーなどとして存在する場合には、所望により、前記分離、精製手段によりそれぞれを単離することができる。また、化合物(I)がラセミ体である場合には、通常の光学分割手段によりS体およびR体に分離することができる。また、化合物(I)は、水和物または非水和物であってもよい。
【0061】
本発明の化合物(I)および化合物(Ia)は、ナトリウムチャンネル、 特にサイト2(site 2)に対し高い親和性を示し、また毒性が低く、かつ、副作用も少ないため、安全な医薬品として有用である。
化合物(I)および化合物(Ia)は、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒトなど)に対して、ナトリウムチャンネル調節剤として作用し、中枢神経系の疾患や障害、 例えば虚血性の中枢神経障害、中枢損傷(例、頭部外傷、脊髄損傷、むちうち症等)、てんかん、神経変性疾患(例、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、糖尿病性神経症等)、血管性痴呆(例、多発梗塞性痴呆、ビンスワンガー病等)、躁鬱病、鬱病、精神分裂病、慢性疼痛、三叉神経痛、偏頭痛、脳浮腫などの予防、治療剤等として用いられる。さらに化合物(I)および化合物(Ia)は優れた抗酸化作用およびドーパミントランスポーター調節作用も有しており、上記疾患に加え、虚血性の循環器疾患(例、心筋梗塞、狭心症等)、動脈硬化等の予防、治療剤等として用いられる。このうち、好ましくは、虚血性の中枢神経障害、中枢損傷、神経変性疾患、脳浮腫などの予防、治療剤である。
【0062】
化合物(I)および化合物(Ia)は、毒性が低く、そのままあるいは自体公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体を混合した医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤、(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤などとして、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。化合物(I)または化合物(Ia)の本発明の医薬組成物または製剤中の含有量は、組成物または製剤全体の約0.01ないし100重量%である。該投与量は、投与対象、投与ルート、疾患などによっても異なるが、例えば頭部外傷治療剤として、成人に対し、注射剤として投与する場合、有効成分(化合物(I)または(Ia))として約0.05ないし30mg/kg体重、好ましくは約0.1ないし20mg/kg体重、さらに好ましくは約0.1ないし5mg/kg体重、特に好ましくは約0.1ないし2mg/kg体重を、1日1ないし数回に分けて投与すればよい。さらに他の活性成分(例えば、アルガトロバン等の抗血栓剤、ウロキナーゼ、ティッシュプラスミノーゲンアクティベータ等の血栓溶解剤、オザグレル等の血小板凝集抑制剤、ヘパリン等の抗凝血薬、シメチジン、ファモチジン等のヒスタミン受容体遮断薬、ドーパミン、レボドパ等の抗パーキンソン薬、フェニトイン、メフェニトイン、エトトイン等のヒダントイン系抗痙攣薬、フェノバルビタール、メホバルビタール、メタルビタール等のバルビタール系抗痙攣薬あるいは麻酔薬、ジルチアゼム等のカルシウム拮抗薬、イミペネム・シラスタチンナトリウム、グリセロールなど)と併用してもよい。該その他の活性成分と化合物(I)または(Ia)とを自体公知の方法にしたがって混合し、医薬組成物(例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤など)として併用すればよい。
【0063】
本発明の医薬組成物または製剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質があげられ、例えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤および崩壊剤、あるいは液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤および無痛化剤などがあげられる。さらに必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤などの添加物を用いることもできる。
賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。
結合剤としては、例えば結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが挙げられる。
崩壊剤としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
【0064】
溶剤としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油などが挙げられる。
溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。等張化剤としては、例えばブドウ糖、 D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなどが挙げられる。
緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロールなどが挙げられる。
【0065】
【発明の実施の形態】
本発明は、さらに以下の参考例、実施例、製剤例および実験例によって詳しく説明されるが、これらの例は単なる実施であって、本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
以下の参考例、実施例中の「室温」は通常約10℃ないし35℃を示す。%は特記しない限り重量パーセントを示す。ただし収率はmol/mol%を示す。また塩基性シリカゲルは、富士シリシア化学株式会社製 NH−DM1020を用いた。
その他の本文中で用いられている略号は下記の意味を示す。
s : シングレット(singlet)
d : ダブレット(doublet)
t : トリプレット(triplet)
q : クァルテット(quartet)
m : マルチプレット(multiplet)
dd : ダブルダブレット(double doublet)
dt : ダブルトリプレット(double triplet)
br : ブロード(broad)
J : カップリング定数(coupling constant)
Hz : ヘルツ(Herz)
CDCl3 : 重クロロホルム
DMSO−d6: 重ジメチルスルホキシド
CD3OD : 重メタノール
1H−NMR : プロトン核磁気共鳴
【0066】
【実施例】
参考例1
2,3−ジヒドロ−2−[[4−(4−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン1.5g、1−(4−メトキシフェニル)ピペラジン2.0gおよびトリエチルアミン1.6gの混合物を、アルゴン雰囲気下、封管中、180℃で15時間撹拌した。反応液を冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=9:1)で精製した後、4規定塩化水素エタノール溶液で塩酸塩にした。これをエタノールから再結晶して、表題化合物0.53gを得た。収率20%。
融点194−196℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.62(3H,s),2.08(3H,s),2.25(6H,s),3.05(1H,d,J=16.2Hz),3.34−3.63(11H,m),3.71(3H,s),6.88(2H,d,J=9.0Hz),7.05(2H,d,J=9.0Hz),9.92(2H,br s)。
【0067】
参考例2
2−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン二塩酸塩2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン1.4g、1−(2−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩1.4gおよび炭酸カリウム2.1gのN,N−ジメチルホルムアミド15mL懸濁液を窒素雰囲気下、145℃で20時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸ナトリウムとシリカゲルを通して乾燥(酢酸エチルで溶出)、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、2−[[4−(2−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]メチル)]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンを得た。これをメタノールに溶解し、過剰量の10%塩化水素−メタノール溶液を加えた。得られた溶液を減圧濃縮し、エタノール/ジエチルエーテルから結晶化させて表題化合物1.0gを得た。収率44%。
融点167−171℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.61(3H,s),2.07(3H,s),2.23(3H,s),2.25(3H,s),3.06(1H,d,J=16.6Hz),3.1−3.9(11H,m),7.0−7.25(2H,m),7.3−7.5(2H,m)。
【0068】
参考例3
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(4−ピリジル)−1−ピペリジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン
2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン0.85g、4−(4−ピペリジニル)ピリジン0.97gおよびトリエチルアミン1.3mLの混合物を、窒素雰囲気下、封管中、180℃で15時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加えた後有機層を分離、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)に供し、酢酸エチル/ヘキサンから結晶化させて表題化合物0.77gを得た。収率70%。
融点126−128℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.45(3H,s),1.5−1.9(4H,m),2.0−2.5(3H,m),2.08(6H,s),2.11(3H,s),2.52(1H,d,J=13.9Hz),2.61(1H,d,J=13.9Hz),2.83(1H,d,J=15.4Hz),2.95−3.3(2H,m),3.13(1H,d,J=15.4Hz),7.1−7.2(2H,m),8.45−8.55(2H,m)。
【0069】
参考例4
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−フェニル−4−ピペリジンアミン
参考例3と同様の方法により、N−フェニル−4−ピペリジンアミンを用いて表題化合物を得た。収率69%。
融点116−118℃(酢酸エチル/ヘキサンから結晶化)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.2−1.6(2H,m),1.43(3H,s),1.9−2.2(2H,m),2.07(6H,s),2.09(3H,s),2.2−2.45(2H,m),2.50(1H,d,J=13.8Hz),2.58(1H,d,J=13.8Hz),2.8−2.95(1H,m),2.81(1H,d,J=15.0Hz),3.0−3.35(2H,m),3.11(1H,d,J=15.0Hz),6.5−6.7(3H,m),7.1−7.2(2H,m)。
【0070】
参考例5
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−4−(4−クロロフェニル)−4−ピペリジノール
2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン1.4gおよび4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン1.3gのキシレン10mL懸濁液を窒素雰囲気下、120℃で1.5時間撹拌後、16時間加熱還流した。さらに4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン0.85gを追加して24時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、固体をろ過、ジエチルエーテルで洗浄した。ろ液を1規定塩酸で抽出し、水層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて弱酸性にした。この水層をジエチルエーテルで洗浄した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で弱塩基性にした。これを酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をジエチルエーテル/ヘキサンから結晶化させて表題化合物0.58gを得た。収率28%。
融点118−120℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.45(3H,s),1.5−1.8(2H,m),1.9−2.2(2H,m),2.07(6H,s),2.10(3H,s),2.5−2.7(4H,m),2.7−2.9(1H,m),2.83(1H,d,J=15.4Hz),2.9−3.05(1H,m),3.13(1H,d,J=15.4Hz),7.29(2H,d,J=8.8Hz),7.42(2H,d,J=8.8Hz)。
【0071】
参考例6
N−[2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]ベンゾフラン−5−イル]アセトアミド
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン二塩酸塩1.3gのテトラヒドロフラン10mL懸濁液に氷冷下、炭酸ナトリウム0.95gの水5mL溶液を加え、5分間撹拌した。これにアセチルクロリド0.26mLを滴下し、得られた混合物を室温で15分撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて表題化合物1.1gを得た。収率90%。
融点94−96℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.4−1.5(3H,m),1.6−1.9(4H,m),2.0−2.7(17H,m),2.81(1H,d,J=15.4Hz),2.9−3.3(3H,m),6.5−6.7(1H,m),7.1−7.4(5H,m)。
【0072】
参考例7
N−[2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペラジニル)メチル]ベンゾフラン−5−イル]アセトアミド塩酸塩
参考例6と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンを用いてN−[2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペラジニル)メチル]ベンゾフラン−5−イル]アセトアミドを得た。収率94%。これをテトラヒドロフランに溶解し、メタノールで希釈、過剰量の10%塩化水素−メタノール溶液を加えた。得られた溶液を減圧濃縮し、エタノール/ジエチルエーテルから結晶化させて表題化合物を得た。融点195−199℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.62(3H,s),1.97(3H,s),1.99(3H,s),2.02(3H,s),2.05(3H,s),3.01(1H,d,J=15.8Hz),3.1−4.2(11H,m),6.85(1H,t,J=7.1Hz),6.99(2H,d,J=8.2Hz),7.26(2H,t,J=7.7Hz),9.11(0.5H,s),10.5−10.9(0.5H,br)。
【0073】
参考例8
N−エチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン
N−[2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]ベンゾフラン−5−イル]アセトアミド0.56gのテトラヒドロフラン8mL溶液に氷冷下、水素化リチウムアルミニウム0.11gを少しずつ加えた。得られた混合物を30時間加熱還流した。反応混合物を氷浴上で冷却し、ハイフロスーパーセル(商品名)0.42gと酢酸エチルを加えた。さらに水0.2mLを加えて激しく撹拌した後ろ過、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)に供し、表題化合物0.35gを得た。収率63%。
融点84−86℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.20(3H,t,J=7.1Hz),1.46(3H,s),1.6−1.9(4H,m),2.08(3H,s),2.15(3H,s),2.18(3H,s),2.2−2.6(3H,m),2.52(1H,d,J=14.0Hz),2.61(1H,d,J=14.0Hz),2.75−3.1(4H,m),3.09(1H,d,J=15.4Hz),3.15−3.3(1H,m),7.1−7.4(5H,m)。
【0074】
参考例9
N−エチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
参考例8と同様の方法により、N−[2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペラジニル)メチル]ベンゾフラン−5−イル]アセトアミドを用いて、N−エチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンを得た。これをメタノールに溶解し、過剰量の10%塩化水素−メタノール溶液を加えた。得られた溶液を減圧濃縮し、エタノール/ジエチルエーテルから結晶化させて表題化合物を得た。収率64%。
融点210−216℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.33(3H,t,J=7.1Hz),1.64(3H,s),2.08(3H,s),2.32(3H,s),2.35(3H,s),3.0−3.9(13H,m),3.07(1H,d,J=16.0Hz),6.86(1H,t,J=7.2Hz),7.00(2H,d,J=8.0Hz),7.26(2H,t,J=7.7Hz)。
【0075】
参考例10
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−3−イル)メチル]−5−ベンゾフランアミン二塩酸塩
参考例3と同様の方法により、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンを用いて2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(3H−1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンズアゼピン−3−イル)メチル]−5−ベンゾフランアミンを得た。これをメタノールに溶解し、過剰量の10%塩化水素−メタノール溶液を加えた。得られた溶液を減圧濃縮し、メタノール/ジエチルエーテルから結晶化させて表題化合物を得た。収率71%。
融点180−183℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.64(3H,s),2.09(3H,s),2.24(6H,s),3.0−3.9(11H,m),3.08(1H,d,J=16.6Hz),7.19(4H,s)。
【0076】
参考例11
4−ベンジルオキシピペリジン塩酸塩
4−ヒドロキシ−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル5.0gのテトラヒドロフラン50mL溶液に水素化ナトリウム(66%流動パラフィン分散物)1.0gを加え、室温で10分間撹拌した。この混合物にベンジルブロミド3.6mLを加え、1時間加熱還流した。反応混合物を塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル20mLに溶解し、4規定塩化水素−酢酸エチル溶液15mLを加え、室温で2時間撹拌した。析出した固体を集めて表題化合物4.4gを得た。収率77%。
融点134−139℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.9−2.3(4H,m),3.1−3.5(4H,m),3.7−3.8(1H,m),4.52(2H,s),7.2−7.45(5H,m),9.2−9.7(2H,br)。
【0077】
参考例12
4−[(3−フェニル−2−プロぺニル)オキシ]ピペリジン塩酸塩
参考例11と同様の方法により、3−ブロモ−1−フェニル−1−プロペンを用いて表題化合物を得た。収率42%。
融点211−213℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.9−2.3(4H,m),3.1−3.5(4H,m),3.7−3.8(1H,m),4.15(2H,dd,J=5.8,1.3Hz),6.24(1H,dt,J=16.2,5.8Hz),6.60(1H,d,J=16.2Hz),7.2−7.5(5H,m),9.2−9.8(2H,br)。
【0078】
参考例13
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−ベンジル−1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン12g、10%パラジウム炭素1g(50%含水品)およびエタノ−ル150mLの混合物を5気圧の水素雰囲気下、50℃で15時間撹拌した。反応液を冷却した後、触媒をろ過しろ液を濃縮した。残渣を酢酸エチル/イソプロピルエ−テルから再結晶して、表題化合物の遊離塩基を7.1g得た。収率80%。この遊離塩基を4.8規定塩化水素エタノ−ル溶液で塩酸塩にし、これをメタノ−ル/酢酸エチルより再結晶して表題化合物を得た。
融点228−231℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.53(3H,s),2.05(3H,s),2.24(6H,s),2.8−4.5(12H,m),9.2−10.0(3H,br s)。
【0079】
参考例14
1−[2−(ジフェニルメトキシ)エチル]ピペラジン
ベンズヒドロール5.0g、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン3.5g、カンファー−10−スルホン酸14gおよびトルエン80mLの混合物を、水分除去装置を装着して6時間加熱還流した。反応液に1規定塩酸を加えて、二層に分けた。水層を5規定水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にした後食塩を飽和させ、クロロホルム抽出した。抽出液を少量の飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥した。減圧下で濃縮して、表題化合物1.9gを得た。収率24%。本化合物はこれ以上精製せずに、次の反応に用いた。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 2.42−2.54(4H,m),2.60(2H,t,J=6.0Hz),2.89(4H,t,J=5.0Hz),3.60(2H,t,J=6.0Hz),5.37(1H,s),7.20−7.38(10H,m)。
【0080】
参考例15
3−(ジフェニルメトキシ)プロピルブロミド
ベンズヒドロール5.0g、3−ブロモ−1−プロパノール3.8g、カンファー−10−スルホン酸1.0gおよびトルエン80mLの混合物を、水分除去装置を装着して2時間加熱還流した。反応液を濃縮して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5)で精製して、表題化合物7.0gを得た。収率85%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 2.16(2H,quintet,J=6.0Hz),3.58(4H,t,J=6.0Hz),5.36(1H,s),7.20−7.38(10H,m)。
【0081】
参考例16
1−[3−(ジフェニルメトキシ)プロピル]ピペラジン
ピペラジン20gをエタノール20mLに加熱して溶かし、これに3−(ジフェニルメトキシ)プロピルブロミド7.0gのエタノール20mL溶液を滴下して、70℃で1時間攪拌した。反応液に飽和食塩水を加えて、クロロホルム抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄して原料のピペラジンを除いた後、無水硫酸マグネシウム乾燥した。これを減圧下で濃縮して、表題化合物7.1gを得た。収率99%。本化合物はこれ以上精製せずに、次の反応に用いた。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.75−1.92(2H,m),2.38−2.50(6H,m),2.88(4H,t,J=5.0Hz),3.50(2H,t,J=6.2Hz),5.33(1H,s),7.18−7.41(10H,m)。
【0082】
参考例17
4−(ジフェニルメトキシ)ブチルクロリド
参考例15と同様の方法により、ベンズヒドロールと4−クロロ−1−ブタノールから表題化合物を得た。収率90%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.52−1.84(4H,m),3.45(2H,t,J=6.0Hz),3.53(2H,t,J=6.6Hz),5.32(1H,s),7.15−7.44(10H,m)。
【0083】
参考例18
1−[4−(ジフェニルメトキシ)ブチル]ピペラジン
参考例16と同様の方法により、4−(ジフェニルメトキシ)ブチルクロリドとピペラジンから表題化合物を得た。収率54%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.36−1.52(2H,m),1.60−1.73(2H,m),2.28−2.42(6H,m),2.88(4H,t,J=4.8Hz),3.45(2H,t,J=6.6Hz),5.33(1H,s),7.20−7.40(10H,m)。
【0084】
参考例19
5−(ジフェニルメトキシ)ペンチルクロリド
参考例15と同様の方法により、ベンズヒドロールと5−クロロ−1−ブタノールから表題化合物を得た。収率96%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.45−1.85(6H,m),3.46(2H,t,J=6.2Hz),3.53(2H,t,J=6.6Hz),5.33(1H,s),7.18−7.42(10H,m)。
【0085】
参考例20
1−[5−(ジフェニルメトキシ)ペンチル]ピペラジン
参考例16と同様の方法により、5−(ジフェニルメトキシ)ペンチルクロリドとピペラジンから表題化合物を得た。収率93%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.34−1.55(4H,m),1.58−1.74(2H,m),2.26−2.42(6H,m),2.89(4H,t,J=5.0Hz),3.44(2H,t,J=6.4Hz),5.32(1H,s),7.18−7.42(10H,m)。
【0086】
参考例21
6−(ジフェニルメトキシ)ヘキシルクロリド
参考例15と同様の方法により、ベンズヒドロールと6−クロロ−1−ヘキサノールから表題化合物を得た。収率88%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.40−1.51(4H,m),1.60−1.85(4H,m),3.45(2H,t,J=6.4Hz),3.52(2H,t,J=6.8Hz),5.33(1H,s),7.20−7.36(10H,m)。
【0087】
参考例22
1−[6−(ジフェニルメトキシ)ヘキシル]ピペラジン
参考例16と同様の方法により、6−(ジフェニルメトキシ)ヘキシルクロリドとピペラジンから表題化合物を得た。収率94%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.22−1.54(6H,m),1.58−1.71(2H,m),2.25−2.42(6H,m),2.89(4H,t,J=4.8Hz),3.41−3.49(2H,m),5.32(1H,s),7.19−7.39(10H,m)。
【0088】
参考例23
4−[(ジフェニルメトキシ)メチル]ピペリジン
ベンズヒドロール3.7g、4−ピペリジンメタノール2.3g、カンファー−10−スルホン酸7.0gおよびトルエン30mLの混合物を、水分除去装置を装着して2時間加熱還流した。反応液を冷却した後、1規定水酸化ナトリウム水溶液35mLを加えて、酢酸エチル抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥した。減圧下で濃縮して、表題化合物5.3gを得た。収率94%。本化合物はこれ以上精製せずに、次の反応に用いた。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.08−1.32(2H,m),1.72−1.88(3H,m),2.61(2H,dt,J=2.2Hz,12.0Hz),3.04−3.15(2H,m),3.29(2H,d,J=6.0Hz),5.31(1H,s),7.15−7.40(10H,m)。
【0089】
参考例24
4−[2−(ジフェニルメトキシ)エチル]ピペリジン
参考例23と同様の方法により、ベンズヒドロールと4−ピペリジンエタノールから表題化合物を得た。収率94%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.06−1.28(2H,m),1.54−1.71(3H,m),2.52−2.63(4H,m),3.02−3.14(2H,m),3.48(2H,t,J=6.2Hz),5.31(1H,s),7.20−7.40(10H,s)。
【0090】
参考例25
4−[3−(ジフェニルメトキシ)プロピル]ピペリジン
参考例23と同様の方法により、ベンズヒドロールと1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジンプロパノールから表題化合物を得た。収率90%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 0.99−1.19(2H,m),1.21−1.38(2H,m),1.60−1.75(3H,m),1.97(2H,s),2.55(2H,dt,J=2.0Hz,12.0Hz),3.03−3.10(2H,m),3.43(2H,t,J=6.4Hz),5.33(1H,s),7.17−7.37(10H,m)。
【0091】
参考例26
1−(2−フェニルエチル)ピペラジン
参考例16と同様の方法により、β−フェネチルブロミドとピペラジンから表題化合物を得た。収率92%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 2.47−2.63(6H,m),2.76−2.91(2H,m),2.93(4H,t,J=4.8Hz),7.18−7.35(5H,m)。
【0092】
参考例27
4−[ビス(4−フルオロフェニル)メトキシ]−ピペリジン
4−ヒドロキシピペリジン3.0g、4、4’−ジフルオロベンズヒドロール6.2g、およびp−トルエンスルホン酸一水和物6.3gのトルエン30mL懸濁液を、水分除去装置を用いて1時間加熱還流した。反応混合物を1規定水酸化ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮して表題化合物を含む混合物9.8gを油状物として得た。このものはこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
【0093】
参考例28
2,3−ジヒドロ−2−[[4−(4−メトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン
後述の実施例10と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンとp−アニス酸を用いて表題化合物を得た。収率67%。
融点120−123℃(酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.43(3H,s),2.06(9H,s),2.30−2.70(6H,m),2.82(1H,d,J=15.6Hz),3.11(1H,d,J=15.6Hz),3.20−3.80(6H,m),3.83(3H,s),6.90(2H,d,J=8.8Hz),7.36(2H,d,J=8.8Hz)。
【0094】
参考例29
2,3−ジヒドロ−2−[[4−(3−メトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン
後述の実施例10と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンとm−アニス酸を用いて表題化合物を得た。収率73%。
融点95−98℃(酢酸エチル/ヘキサンから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.43(3H,s),2.06(9H,s),2.30−2.70(6H,m),2.82(1H,d,J=15.0Hz),3.11(1H,d,J=15.0Hz),3.20−3.80(6H,m),3.82(3H,s),6.91−6.97(3H,m),7.28−7.40(1H,m)。
【0095】
参考例30
2,3−ジヒドロ−2−[[4−(2−メトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン
後述の実施例10と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンとo−アニス酸を用いて表題化合物を得た。収率42%。
融点128−131℃(酢酸エチル/ヘキサンから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.43(3H,s),2.06(9H,s),2.30−2.70(5H,m),2.82(1H,d,J=15.0Hz),3.00−3.80(8H,m),3.81(3H,s),6.85−7.01(2H,m),7.20−7.40(2H,m)。
【0096】
参考例31
2−[[4−(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン
後述の実施例10と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンと3,4−ジメトキシ安息香酸を用いて表題化合物を得た。収率74%。
融点113−116℃(酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.43(3H,s),2.07(9H,s),2.40−2.80(6H,m),2.83(1H,d,J=14.8Hz),3.11(1H,d,J=14.8Hz),3.20−3.80(6H,m),3.89(3H,s),3.90(3H,s),6.84(1H,d,J=9.2Hz),6.90−7.00(2H,m)。
【0097】
参考例32
2−[[4−(4−クロロベンゾイル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン
後述の実施例10と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンと4−クロロ安息香酸を用いて表題化合物を得た。収率64%。
融点136−138℃(酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.43(3H,s),2.06(9H,s),2.30−2.70(6H,m),2.86(1H,d,J=14.3Hz),3.11(1H,d,J=14.3Hz),3.30−3.80(6H,m),7.30−7.40(4H,m)。
【0098】
参考例33
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(4−メチルベンゾイル)−1−ピペラジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン
後述の実施例10と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンと4−メチル安息香酸を用いて表題化合物を得た。収率53%。
融点131−133℃(酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.43(3H,s),2.07(9H,s),2.38(3H,s),2.40−2.80(6H,m),2.84(1H,d,J=14.6Hz),3.12(1H,d,J=14.6Hz),3.20−3.90(6H,m),7.10−7.40(4H,m)。
【0099】
参考例34
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(4−ニトロベンゾイル)−1−ピペラジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン
後述の実施例10と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンと4−ニトロ安息香酸を用いて表題化合物を得た。収率51%。
融点154−158℃(酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.43(3H,s),2.06(9H,s),2.40−2.80(6H,m),2.84(1H,d,J=15.2Hz),3.12(1H,d,J=15.2Hz),3.20−3.85(6H,m),7.55(2H,d,J=8.8Hz),8.27(2H,d,J=8.8Hz)。
【0100】
参考例35
4,4−ジフェニル−1−ブタノール
水素化リチウムアルミニウム1.9gを氷冷したジエチルエーテル70mLに懸濁させ、さらに4,4−ジフェニル酪酸6.0gのジエチルエーテル50mL溶液を滴下した。滴下終了後、反応液を2時間加熱還流し、次いで放冷した。反応液に水1.9mL、15%水酸化ナトリウム水溶液1.9mL、水5.7mLを順次加え、室温で30分間撹拌した。析出物をろ過し、ろ液を濃縮することで表題化合物5.6gを得た。収率99%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.20(1H,br s),1.40−1.70(2H,m),2.10−2.19(2H,m),3.65(2H,t,J=6.6Hz),3.91(1H,t,J=7.8Hz),7.10−7.40(10H,m)。
【0101】
参考例36
メタンスルホン酸4,4−ジフェニルブチル
氷冷した4,4−ジフェニル−1−ブタノール5.6gのジクロロエタン100mL溶液に、トリエチルアミン11mL,塩化メタンスルホニル2.9mLを順次滴下した。30分撹拌後、反応液を水にあけ酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮することで表題化合物7.5gを得た。収率99%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.73(2H,m),2.18(2H,dt,J=7.9,7.8Hz),2.95(3H,s),3.91(1H,t,J=7.9Hz),4.22(2H,t,J=6.3Hz),7.10−7.40(10H,m)。
【0102】
参考例37
5,5−ジフェニルバレロニトリル
メタンスルホン酸4,4−ジフェニルブチル7.5gおよびシアン化ナトリウム2.5gのジメチルスルホキシド70mL溶液を、60℃で15時間撹拌した。放冷後反応液を水にあけ、ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮することで定量的に表題化合物5.8gを得た。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.50−1.72(2H,m),2.19(2H,dt,J=7.9,7.8Hz),2.34(2H,t,J=7.1Hz),3.91(1H,t,J=7.9Hz),7.10−7.40(10H,m)。
【0103】
参考例38
5,5−ジフェニル吉草酸
5,5−ジフェニルバレロニトリル6.5gのメタノール30mL溶液に水80mL、水酸化ナトリウム10gを加え72時間加熱還流した。放冷後、反応液をジエチルエーテルで洗浄し、さらに濃塩酸でpH=1に調整した。この酸性溶液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残渣を再結晶することで表題化合物5.5gを得た。収率86%。
融点87−90℃(ジエチルエーテル/ヘキサンから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.30−1.50(2H,m),1.95−2.09(2H,m),2.23(2H,t,J=7.6Hz),3.92(1H,t,J=7.6Hz),7.12−7.35(10H,m)。
【0104】
参考例39
4−[(ジフェニルメチル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸エチル
1,1−ジフェニルメチルアミン5.0gおよび1−エトキシカルボニル−4−ピペリドン4.7gのトルエン70mL溶液を、水分除去装置を装着して4時間加熱還流した。反応液を減圧下で濃縮して、残渣をエタノール50mLに溶解した。これを氷冷した後シアノ水素化ホウ素ナトリウム2.1gおよび少量のブロムクレゾールグリーンを加えた。反応液が黄色を呈するまで4規定塩化水素エタノール溶液を滴下して、滴下終了後さらに20分間攪拌した。この反応液を過剰の炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1から65:35)で精製して、表題化合物8.4gを得た。収率91%。
非晶。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.20−1.38(2H,m),1.24(3H,t,J=7.0Hz),1.87−1.96(2H,m),2.54−2.66(1H,m),2.70−2.84(2H,m),3.99−4.17(2H,m),4.10(2H,q,J=7.0Hz),5.02(1H,s),7.19−7.41(10H,m)。
【0105】
参考例40
N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン二塩酸塩
4−[(ジフェニルメチル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸エチル42gおよび水酸化ナトリウム50gのメタノール300mL溶液を、24時間加熱還流した。反応液に水を加えて、クロロホルム抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム乾燥した。これを減圧下で濃縮して、N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミンを得た。これを4規定塩化水素エタノール溶液で塩酸塩にした後析出した結晶をろ取、乾燥し、表題化合物31gを得た。収率73%。
融点228−234℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.91−2.08(2H,m),2.40−2.50(2H,m),2.78−2.90(2H,m),3.07−3.41(3H,m),5.75(1H,br s),7.34−7.47(6H,m),7.87(4H,d,J=6.6Hz),9.16(2H,br s),10.44(2H,br s)。
【0106】
参考例41
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−4−ピペリジンエタノール
後述の実施例1と同様の方法により、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンと4−ピペリジンエタノールから表題化合物を得た。収率88%。
融点94−95℃(酢酸エチル/ヘキサンから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.20−1.63(7H,m),1.42(3H,s),1.98−2.18(2H,m),2.07(6H,s),2.09(3H,s),2.46(1H,d,J=13.8Hz),2.54(1H,d,J=13.8Hz),2.76−2.88(2H,m),2.06−3.14(2H,m),3.67(2H,t,J=6.6Hz)。
【0107】
参考例42
[2,3−ジヒドロ−2−[[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジニル]メチル]−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチル
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−4−ピペリジンエタノール3.1gおよび二炭酸ジtert−ブチル2.1gのテトラヒドロフラン20mL溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液10mLを加え、室温で2時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウム乾燥した後減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=95:5)で精製して、表題化合物3.9gを得た。収率98%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.20−1.65(7H,m),1.41(3H,s),1.50(9H,s),2.05−2.21(2H,m),2.06(3H,s),2.10(3H,s),2.12(3H,s),2.43−2.58(2H,m),2.73−2.90(2H,m),3.01−3.13(2H,m),3.68(2H,t,J=6.6Hz),5.78(1H,br s)。
【0108】
参考例43
[2−[[4−(ホルミルメチル)−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチル
アルゴン雰囲気下、−78℃でジメチルスルホキシド2.6mLのジクロロメタン40mL溶液に塩化オキサリル2.4mLを滴下して、20分間攪拌した。これに[2,3−ジヒドロ−2−[[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジニル]メチル]−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチル3.6gのジクロロメタン10mL溶液を滴下して、さらに1時間攪拌した。反応液にトリエチルアミン8.0mLを加えた後室温に戻して、炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性にした後ジクロロメタンで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後無水硫酸マグネシウム乾燥して、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1から酢酸エチル)で精製して、表題化合物3.0gを得た。収率85%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.20−2.25(7H,m),1.41(3H,s),1.50(9H,s),2.05(3H,s),2.09(3H,s),2.12(3H,s),2.30−2.36(2H,m),2.51(2H,s),2.72−2.88(2H,m),3.02−3.13(2H,m),5.77(1H,br s),9.76(1H,s)。
【0109】
参考例44
[2−[[4−[2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エチル]−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチル
[2−[[4−(ホルミルメチル)−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチル1.5gおよび1,1−ジフェニルメチルアミン0.60mLのエタノール20mL溶液を、氷冷下で30分間攪拌した。これにシアノ水素化ホウ素ナトリウム0.26gおよび少量のブロムクレゾールグリーンを加えた後、4規定塩化水素エタノール溶液を反応液が黄色を呈するまで加えた。1時間攪拌を続けた後反応液を過剰の炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。これを酢酸エチルで抽出して、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=4:1から酢酸エチル)で精製して、表題化合物1.6gを得た。収率77%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.20−1.78(7H,m),1.40(3H,s),1.50(9H,s),2.00−2.21(2H,m),2.04(3H,s),2.09(3H,s),2.12(3H,s),2.41−2.60(4H,m),2.72−2.84(2H,m),2.98−3.12(2H,m),4.79(1H,s),5.77(1H,br s),7.18−7.40(10H,m)。
【0110】
参考例45
[2−[[4−[2−[(3,3−ジフェニルプロピル)アミノ]エチル]−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチル
参考例44と同様の方法により、[2−[[4−(ホルミルメチル)−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチルと(3,3−ジフェニルプロピル)アミンから表題化合物を得た。収率97%。
非晶。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.20−1.60(9H,m),1.40(3H,s),1.50(9H,s),2.04(3H,s),2.08(3H,s),2.11(3H,s),2.23−2.70(8H,m),2.72−2.86(2H,m),2.98−3.11(2H,m),3.97(1H,t,J=7.8Hz),5.79(1H,br s),7.13−7.30(10H,m)。
【0111】
参考例46
1−[(5−アミノ−2,4,6,7−テトラメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−イル)メチル]−4−ピペリジンカルボン酸エチル
2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン8.4g、イソニペコチン酸エチル14g、およびキシレン20mLの混合物を窒素雰囲気下、封管中、180℃で15時間撹拌した。反応混合物の上澄みをとり、この溶液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、活性炭処理、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1の後2:1)に供し、ヘキサンから結晶化させて表題化合物2.9gを得た。収率27%。
融点74−76℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.24(3H,t,J=7.1Hz),1.41(3H,s),1.6−1.9(4H,m),1.9−2.3(3H,m),2.07(6H,s),2.09(3H,s),2.46(1H,d,J=13.7Hz),2.54(1H,d,J=13.7Hz),2.79(1H,d,J=15.4Hz),2.8−2.95(1H,m),3.0−3.2(1H,m),3.10(1H,d,J=15.4Hz),4.12(2H,q,J=7.1Hz)。
【0112】
参考例47
1−[(5−アミノ−2,4,6,7−テトラメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−イル)メチル]−4−ピペリジンカルボン酸ナトリウム
1−[(5−アミノ−2,4,6,7−テトラメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−イル)メチル]−4−ピペリジンカルボン酸エチル10gのエタノール40mL溶液に5規定水酸化ナトリウム水溶液5.7mLを加え、窒素雰囲気下室温で2時間撹拌した。析出した固体をろ取し、ジエチルエーテルで洗浄して表題化合物7.5gを得た。収率75%。ろ液を減圧濃縮し、固体をジエチルエーテルで十分に洗浄してさらに1.4gを得た。収率14%。これらのものはこれ以上精製することなく次の反応に用いた。
融点237−241℃。
1H−NMR(CD3OD)δ 1.35(3H,s),1.5−1.9(4H,m),1.9−2.2(3H,m),2.02(3H,s),2.05(6H,s),2.49(2H,s),2.76(1H,d,J=15.3Hz),2.8−3.0(1H,m),3.0−3.2(1H,m),3.12(1H,d,J=15.3Hz)。
【0113】
参考例48
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンカルボキサミド
1−[(5−アミノ−2,4,6,7−テトラメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−イル)メチル]−4−ピペリジンカルボン酸ナトリウム0.89gのN,N−ジメチルホルムアミド10mL懸濁液にトリエチルアミン塩酸塩0.35gを加え、室温で5分間撹拌した。得られた混合物に1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.34gおよび1,1−ジフェニルメチルアミン0.46gを加えた後、氷冷下で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.48gを加えた。この混合物を窒素雰囲気下室温で23時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をメタノール/ジイソプロピルエーテルから再結晶して表題化合物0.71gを得た。収率57%。
融点175−177℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.40(3H,s),1.4−2.3(7H,m),2.06(6H,s),2.08(3H,s),2.46(1H,d,J=13.9Hz),2.55(1H,d,J=13.9Hz),2.79(1H,d,J=14.8Hz),2.9−3.4(4H,m),3.10(1H,d,J=14.8Hz),6.01(1H,d,J=7.9Hz),6.24(1H,d,J=7.9Hz),7.1−7.4(10H,m)。
【0114】
参考例49
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(2,2−ジフェニルエチル)−4−ピペリジンカルボキサミド
参考例48と同様の方法により2,2−ジフェニルエチルアミンを用いて表題化合物を得た。収率62%。
融点168−170℃(テトラヒドロフラン/メタノールから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.39(3H,s),1.4−2.2(7H,m),2.06(3H,s),2.07(3H,s),2.08(3H,s),2.43(1H,d,J=14.1Hz),2.52(1H,d,J=14.1Hz),2.78(1H,d,J=15.0Hz),2.8−3.5(4H,m),3.08(1H,d,J=15.0Hz),3.88(2H,dd,J=8.0,5.5Hz),4.18(1H,t,J=8.0Hz),5.38(1H,br t,J=5.5Hz),7.1−7.4(10H,m)。
【0115】
参考例50
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(3,3−ジフェニルプロピル)−4−ピペリジンカルボキサミド二塩酸塩
参考例48と同様の方法により3,3−ジフェニルプロピルアミンを用いて1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(3,3−ジフェニルプロピル)−4−ピペリジンカルボキサミドを得た。これをメタノールに溶解し、過剰量の10%塩化水素−メタノール溶液を滴下、減圧濃縮した。残渣をエタノール/ジエチルエーテルから結晶化させて表題化合物を得た。収率52%。
融点166−171℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.57(3H,s),1.7−2.6(7H,m),2.05(3H,s),2.23(6H,s),2.8−3.8(10H,s),3.98(1H,t,J=7.7Hz),7.1−7.4(10H,m),8.05(1H,br s),9.4−10.6(4H,m)。
【0116】
参考例51
4−[N−ベンジル−N−(3,3−ジフェニルプロピル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸エチル
(3,3−ジフェニルプロピル)アミン4.9gおよび1−エトキシカルボニル−4−ピペリドン4.0gのトルエン100mL溶液を、水分除去装置を装着して2時間加熱還流した。反応液を減圧下で濃縮して、残渣をエタノール80mLに溶解した。これを氷冷した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム1.8gおよび少量のブロムクレゾールグリーンを加えた。反応液が黄色を呈するまで4規定塩化水素エタノール溶液を滴下して、滴下終了後さらに30分間攪拌した。この反応液を過剰の炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム乾燥した。減圧下で濃縮して、4−[(3,3−ジフェニルプロピル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸エチルを得た。これをN,N−ジメチルホルムアミド80mLに溶解して、ベンジルブロミド2.8mLおよび炭酸カリウム3.2gを加え、室温で2時間攪拌した。反応液に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウム乾燥した後濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1から7:3)で精製して、表題化合物7.8gを得た。(3,3−ジフェニルプロピル)アミンからの収率73%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.18−1.40(5H,m),1.59−1.68(2H,m),2.10−2.20(2H,m),2.40−2.62(5H,m),3.60(2H,s),3.90−4.17(5H,m),7.10−7.35(15H,m)。
【0117】
参考例52
N−ベンジル−N−(3,3−ジフェニルプロピル)−4−ピペリジンアミン
参考例40と同様の方法により、4−[N−ベンジル−N−(3,3−ジフェニルプロピル)アミノ]−1−ピペリジンカルボン酸エチルから表題化合物を得た。収率99%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.22−1.43(2H,m),1.63−1.75(2H,m),2.08−2.19(2H,m),2.40−2.61(5H,m),3.02−3.08(2H,m),3.62(2H,s),3.97(1H,t,J=7.4Hz),7.10−7.36(15H,m)。
【0118】
参考例53
N−(2−シアノメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル)ホルムアミド
N−(2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル)ホルムアミド20gおよびシアン化ナトリウム17gのジメチルスルホキシド100mL溶液を、アルゴン雰囲気下、100℃で13時間攪拌した。反応液に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後無水硫酸マグネシウム乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから再結晶し、表題化合物14gを得た。収率86%。
融点183−185℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.66(3H,s),2.08−2.17(9H,m),2.73−2.75(2H,m),3.03−3.22(2H,m),6.65−6.76(1H,m),7.96(0.4H,d,J=12.2Hz),8.41(0.6H,d,J=1.4Hz)。
【0119】
参考例54
5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−ベンゾフラン酢酸
N−(2−シアノメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル)ホルムアミド14gのメタノール50mL溶液に4.6規定水酸化ナトリウム水溶液120mLを加え、アルゴン雰囲気下、40時間加熱還流した。反応液を濃塩酸で中和して、クロロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウム乾燥した後減圧下で濃縮した。残渣をクロロホルム/ジイソプロピルエーテルから結晶化し、表題化合物11gを得た。収率82%。
融点186−188℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.43(3H,s),1.95(9H,s),2.60(2H,s),2.84(1H,d,J=15.6Hz),3.18(1H,d,J=15.6Hz)。
【0120】
参考例55
5−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−ベンゾフラン酢酸
5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−ベンゾフラン酢酸8.3gのテトラヒドロフラン50mL懸濁液に、二炭酸ジtert−ブチル7.6gのテトラヒドロフラン5mL溶液および1規定水酸化ナトリウム水溶液34mLを加え、室温で30分間攪拌した。反応液を氷冷した後0.5Mクエン酸水溶液で酸性にして、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後無水硫酸マグネシウム乾燥して、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:3)で精製して、表題化合物11gを得た。収率92%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.50−1.53(9H,m),1.58(3H,s),2.08−2.09(6H,m),2.13(3H,s),2.78(2H,br s),2.98(1H,d,J=15.4Hz),3.25(1H,d,J=15.4Hz),5.80(1H,s)。
【0121】
参考例56
[2,3−ジヒドロ−2−(2−ヒドロキシエチル)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチル
氷冷下、5−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−ベンゾフラン酢酸のテトラヒドロフラン50mL溶液に1Mボランテトラヒドロフラン錯体テトラヒドロフラン溶液64mLを滴下して、混合物を室温で12時間攪拌した。反応液を水に注いで、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウム乾燥した後減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製して、表題化合物7.8gを得た。収率76%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.47(3H,s),1.50(9H,s),1.89−2.16(2H,m),2.07(3H,s),2.10(3H,s),2.13(3H,s),2.35(1H,br s),2.91(1H,d,J=15.4Hz),3.06(1H,d,J=15.6Hz),3.71−3.97(2H,m),5.79(1H,br s)。
【0122】
参考例57
[2−(2−ブロモエチル)−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチル
[2,3−ジヒドロ−2−(2−ヒドロキシエチル)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチル7.7gおよび四臭化炭素8.0gのテトラヒドロフラン80mL溶液に、氷冷下、トリフェニルホスフィン6.3gを加え、30分間攪拌した。反応液をろ過した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=97:3から4:1)で精製して、表題化合物7.5gを得た。収率82%。
非晶。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.44(3H,s),1.50(9H,s),2.07(3H,s),2.08(3H,s),2.13(3H,s),2.26−2.35(2H,m),2.88(1H,d,J=15.8Hz),3.01(1H,d,J=15.8Hz),3.40−3.49(2H,m),5.77(1H,br s)。
【0123】
参考例58
[2−[2−[4−(ジフェニルメトキシ)−1−ピペリジニル]エチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチル
[2−(2−ブロモエチル)−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチル1.2g、4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン0.85gおよび炭酸カリウム0.44gのN,N−ジメチルホルムアミド20mL懸濁液を、60℃で15時間攪拌した。反応液に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウム乾燥した後減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=98:2から95:5)で精製して、表題化合物1.6gを得た。収率92%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.39(3H,s),1.50(9H,s),1.66−1.96(6H,m),2.03−2.20(2H,m),2.06(3H,s),2.07(3H,s),2.12(3H,s),2.40−2.48(2H,m),2.70−2.80(2H,m),2.82(1H,d,J=15.4Hz),3.01(1H,d,J=15.4Hz),3.35−3.50(1H,m),5.51(1H,s),5.76(1H,br s),7.20−7.36(10H,m)。
【0124】
参考例59
[2−[2−[4−[(ジフェニルメトキシ)メチル]−1−ピペリジニル]エチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチル
参考例58と同様の方法により、[2−(2−ブロモエチル)−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチルと4−[(ジフェニルメトキシ)メチル]ピペリジンから表題化合物を得た。収率82%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.18−1.50(2H,m),1.40(3H,s),1.50(9H,s),1.60−1.97(7H,m),2.07(6H,s),2.12(3H,s),2.41−2.50(2H,m),2.78−3.04(4H,m),3.29(2H,d,J=6.4Hz),5.30(1H,s),5.76(1H,br s),7.20−7.37(10H,m)。
【0125】
参考例60
[2−[2−[4−[2−(ジフェニルメトキシ)エチル]−1−ピペリジニル]エチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチル
参考例58と同様の方法により、[2−(2−ブロモエチル)−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチルと4−[2−(ジフェニルメトキシ)エチル]ピペリジンから表題化合物を得た。収率83%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.18−1.70(4H,m),1.39(3H,s),1.49(9H,s),1.80−2.00(7H,m),2.07(6H,s),2.11(3H,s),2.35−2.50(2H,m),2.78−3.05(4H,m),3.40−3.52(2H,m),5.30(1H,s),5.77(1H,br s),7.19−7.38(10H,m)。
【0126】
参考例61
2−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−2H−イソインドール−1,3−ジオン
2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン2.0gとフタルイミドカリウム2.2gのN,N−ジメチルアセトアミド20mLの懸濁液を、窒素雰囲気下、3時間加熱還流した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて表題化合物1.4gを得た。収率56%。
融点147−150℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.52(3H,s),1.98(3H,s),2.03(3H,s),2.08(3H,s),2.93(1H,d,J=15.8Hz),3.0−3.4(2H,br),3.26(1H,d,J=15.8Hz),3.86(1H,d,J=13.9Hz),3.95(1H,d,J=13.9Hz),7.6−7.9(4H,m)。
【0127】
参考例62
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル)メチル]−5−ベンゾフランアミンシュウ酸塩
2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン1.4g、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン1.3gおよび炭酸カリウム1.4gのN,N−ジメチルアセトアミド10mLの懸濁液を、窒素雰囲気下、15時間加熱還流した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)に供し、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イル)メチル]−5−ベンゾフランアミンを得た。これをエタノールに溶解し1当量のシュウ酸−エタノール溶液を加えた。この混合物を加熱溶解させた後減圧濃縮し、析出した結晶を集めて表題化合物1.5gを得た。収率68%。
融点153−156℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.41(3H,s),1.99(6H,s),2.02(3H,s),2.7−3.2(6H,m),2.84(1H,d,J=15.8Hz),3.11(1H,d,J=15.8Hz),3.89(1H,d,J=15.4Hz),4.00(1H,d,J=15.4Hz),6.95−7.2(4H,m)。
【0128】
参考例63
2−[[4−(2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン二塩酸塩
2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン1.4gおよび4−(2−ケト−1−ベンズイミダゾリニル)ピペリジン2.3gのキシレン20mL懸濁液を、窒素雰囲気下、封管中、180℃で15時間撹拌した。反応混合物を冷却し、固体をろ過、ジエチルエーテルで洗浄した。ろ液を水で洗浄した後1規定塩酸で抽出した。水層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸ナトリウムとシリカゲルを通して乾燥(酢酸エチルで溶出)、減圧濃縮した。残渣をエタノールから結晶化させて2−[[4−(2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン1.2gを得た。収率55%。これをテトラヒドロフランに加熱溶解し、メタノールで希釈、過剰量の10%塩化水素−メタノール溶液を加えた。得られた溶液を減圧濃縮し、メタノール/ジエチルエーテルから結晶化させて表題化合物を得た。
融点202−208℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.5−2.3(3H,m),1.65(3H,m),2.07(3H,s),2.22(3H,s),2.25(3H,s),2.8−3.2(3H,m),3.07(1H,d,J=16.4Hz),3.2−3.7(4H,m),3.8−4.0(1H,m),4.4−4.7(1H,m),6.9−7.1(3H,m),7.6−7.8(1H,m),9.5−10.1(2H,br),10.7−11.0(1H,m)。
【0129】
参考例64
2−[[4−[(9−フルオレニル)オキシ]−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンシュウ酸塩
後述の実施例1と同様の方法により、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンと4−[(9−フルオレニル)オキシ]ピペリジンから2−[[4−[(9−フルオレニル)オキシ]−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンを得た。収率63%。一部をシュウ酸塩にした後エタノールから再結晶して、表題化合物を得た。
融点121−123℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.36(3H,s),1.63(2H,br s),1.86−2.06(2H,m),1.96(9H,s),2.50−3.12(8H,m),3.72(1H,br s),5.62(1H,s),7.27−7.45(4H,m),7.59(2H,d,J=6.8Hz),7.79(2H,d,J=7.4Hz)。
【0130】
参考例65
4−[(9−フルオレニル)オキシ]ピペリジン
参考例23と同様の方法により、9−フルオレンオールと4−ピペリジンオールから表題化合物を得た。収率38%。
非晶。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.45−1.68(2H,m),1.75−1.90(2H,m),2.50−2.62(2H,m),3.04−3.18(2H,m),3.45−3.58(1H,m),5.62(1H,s),7.22−7.40(4H,m),7.56−7.67(4H,m)。
【0131】
参考例66
2−ブロモ−3−(メトキシメトキシ)−1,4,5−トリメチルベンゼン
60%水素化ナトリウム2.1gのN,N−ジメチルホルムアミド20mL懸濁液に、氷冷下で窒素気流下、2−ブロモ−3,5,6−トリメチルフェノール10gのN,N−ジメチルホルムアミド50mL溶液を滴下し、混合物を10分間撹拌した。これにクロロメチルメチルエーテル3.9mLのN,N−ジメチルホルムアミド5mL溶液を滴下し、混合物をさらに30分間撹拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=97:3)で精製して、表題化合物12gを得た。収率99%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 2.20(3H,s),2.24(3H,s),2.34(3H,s),3.66(3H,s),5.04(2H,s),6.85(1H,s)。
【0132】
参考例67
(R)−1−[[2−(メトキシメトキシ)−3,4,6−トリメチルフェニル]メチル]−1−メチルオキシラン
2−ブロモ−3−(メトキシメトキシ)−1,4,5−トリメチルベンゼン3.0gのテトラヒドロフラン30mL溶液に−78℃で1.6Mn−ブチルリチウムヘキサン溶液7.0mLを滴下し、混合物を15分間撹拌した。これに(R)−メチルグリシジルトシレート2.8gおよび三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体1.5mLを加え、混合物をさらに15分間撹拌した。反応液を室温に戻した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)に付し、4−メチルベンゼンスルホン酸(R)−2−ヒドロキシ−3−[2−(メトキシメトキシ)−3,4,6−トリメチルフェニル]−2−メチルプロピルを得た。これをメタノール20mLに溶解し、氷冷下で炭酸カリウム1.6gを加え、30分間撹拌した。反応液に酢酸エチルおよび水を加え、2層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出した。抽出液と先の有機層を合わせた。これを飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製して、表題化合物0.73gを得た。2−ブロモ−3−(メトキシメトキシ)−1,4,5−トリメチルベンゼンからの収率25%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.35(3H,s),2.15(3H,s),2.20(3H,s),2.26(3H,s),2.44(1H,d,J=5.2Hz),2.50(1H,d,J=5.2Hz),3.00−3.15(2H,m),3.61(3H,s),4.88−4.95(2H,m),6.78(1H,s)。
【0133】
参考例68
(S)−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−ベンゾフランメタノール
(R)−1−[[2−(メトキシメトキシ)−3,4,6−トリメチルフェニル]メチル]−1−メチルオキシラン0.60gのテトラヒドロフラン5mL溶液に、氷冷下、トリフルオロ酢酸1mLおよび水1mLの混合物を滴下し、30分間撹拌した。反応液に水を加えて、酢酸エチル抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)で精製して、表題化合物0.41gを固形物として得た。収率83%。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.44(3H,s),2.08(3H,s),2.15(3H,s),2.20(3H,s),2.80(1H,d,J=15.4Hz),3.13(1H,d,J=15.4Hz),3.55−3.73(2H,m),6.51(1H,s)。本化合物はこれ以上精製せずに、次の反応に用いた。
【0134】
参考例69
メタンスルホン酸(S)−(2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル
(S)−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−ベンゾフランメタノール0.40gおよびトリエチルアミン0.41mLのテトラヒドロフラン5mL溶液に、氷冷下、塩化メタンスルホニル0.17mLを滴下し、混合物を10分間撹拌した。反応液に水を加えて、酢酸エチル抽出した。抽出液を1規定塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して、表題化合物0.43gを得た。収率78%。
[α]D +1.4°(c 0.41,エタノール)。
融点70−71℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.52(3H,s),2.05(3H,s),2.15(3H,s),2.19(3H,s),2.88(1H,d,J=15.6Hz),3.02(3H,s),3.13(1H,d,J=15.6Hz),4.26(2H,s),6.52(1H,s)。
【0135】
参考例70
(S)−1−[(2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミンメタンスルホン酸(S)−(2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル0.34g、N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン0.73gおよび炭酸カリウム0.38gのN,N−ジメチルアセトアミド2mL懸濁液を、アルゴン雰囲気下、177℃で6時間撹拌した。反応液に水を加えて、ジイソプロピルエーテルで抽出した。この有機層を水洗した後、1規定塩酸で抽出した。水層を2規定水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にした後、ジイソプロピルエーテルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製して、表題化合物0.49gを得た。収率79%。
[α]D +3.0°(c0.20,エタノール)。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.25−1.52(2H,m),1.41(3H,s),1.80−1.96(2H,m),2.00−2.23(2H,m),2.03(3H,s),2.13(3H,s),2.18(3H,s),2.31−2.56(3H,m),2.71−2.87(2H,m),2.95−3.08(2H,m),5.00(1H,s),6.46(1H,s),7.16−7.39(10H,m)。
【0136】
参考例71
1−[(2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン
2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン1.0g、N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン1.5gおよび炭酸カリウム0.77gのN,N−ジメチルアセトアミド4mL懸濁液を、アルゴン雰囲気下、177℃で4時間撹拌した。反応液に水を加えて、酢酸エチル抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製して、表題化合物1.5gを得た。収率97%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.25−1.50(2H,m),1.41(3H,s),1.78−1.96(2H,m),2.01−2.22(2H,m),2.03(3H,s),2.13(3H,s),2.18(3H,s),2.31−2.57(3H,m),2.71−2.86(2H,m),2.96−3.07(2H,m),5.01(1H,s),6.46(1H,s),7.16−7.39(10H,m)。
【0137】
参考例72
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[1,2,3,6−テトラヒドロ−4−(3−インドリル)−1−ピリジル]メチル]−5−ベンゾフランアミン
2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン0.85g、3−(1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジル)−1H−インドール1.1g、および炭酸カリウム0.83gのN,N−ジメチルアセトアミド6mL懸濁液を窒素雰囲気下7.5時間加熱還流した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に供し、アセトン/ジイソプロピルエーテルから再結晶させて表題化合物0.99gを得た。収率82%。
融点169−173℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.49(3H,s),2.08(3H,s),2.09(3H,s),2.14(3H,s),2.50−2.65(2H,m),2.66(1H,d,J=13.9Hz),2.75(1H,d,J=13.9Hz),2.75−3.06(3H,m),3.21(1H,d,J=15.4Hz),3.23−3.51(2H,m),6.15−6.24(1H,m),7.06−7.29(3H,m),7.35−7.40(1H,m),7.86−7.94(1H,m),8.08(1H,br s)。
【0138】
参考例73
1−フェニル−1H−インドール
インドール8.2g、炭酸カリウム12g、およびヨウ化銅(I)2.7gのブロモベンゼン70mL懸濁液を窒素雰囲気下3時間加熱還流した。これにヨウ化銅(I)11gを追加し、さらに6時間加熱還流した。不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1から20:1)に供して表題化合物8.4gを得た。収率62%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 6.68(1H,dd,J=3.2,0.8Hz),7.11−7.27(2H,m),7.29−7.43(2H,m),7.44−7.63(5H,m),7.65−7.72(1H,m)。
【0139】
参考例74
1−フェニル−3−(1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジル)−1H−インドール
4−ピペリドン一水和物塩酸塩8.2gの酢酸15mLおよびトリフルオロ酢酸30mL溶液を110℃に加熱し、窒素雰囲気下、1−フェニル−1H−インドール3.1gの酢酸15mL溶液を25分間かけて滴下した。この混合物を120℃で30分間攪拌し、冷却後氷に注いだ。これを冷却しながら濃アンモニア水を加えて中和、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮して表題化合物2.8gを得た。このものはこれ以上精製することなく次の反応に用いられた。収率63%。
非晶。
1H−NMR(CDCl3)δ 2.48−2.66(2H,m),3.21(2H,t,J=5.7Hz),3.53−3.94(3H,m),6.23−6.34(1H,m),7.00−7.70(9H,m),7.80−8.04(1H,m)。
【0140】
参考例75
ビス[2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[1,2,3,6−テトラヒドロ−4−(1−フェニル−3−インドリル)−1−ピリジル]メチル]−5−ベンゾフランアミン]三シュウ酸塩
参考例72と同様の方法により、1−フェニル−3−(1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジル)−1H−インドールを用いて2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[1,2,3,6−テトラヒドロ−4−(1−フェニル−3−インドリル)−1−ピリジル]メチル]−5−ベンゾフランアミンを得た収率61%。この一部をシュウ酸塩にして表題化合物を得た。
非晶。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.48(3H,s),1.99(6H,s),2.05(3H,s),2.64−2.90(2H,m),2.89(1H,d,J=15.4Hz),3.05−3.48(5H,m),3.62−3.95(2H,m),6.27(1H,br s),7.14−7.30(2H,m),7.37−7.67(6H,m),7.79(1H,s),7.93−8.02(1H,m)。
【0141】
参考例76
2,3−ジヒドロ−2−[[4−(3−インドリル)−1−ピペリジニル]メチル]−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン塩酸塩
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[1,2,3,6−テトラヒドロ−4−(3−インドリル)−1−ピリジル]メチル]−5−ベンゾフランアミン0.40gおよび酸化白金80mgのテトラヒドロフラン2mLおよびメタノール4mL混合物を水素雰囲気下60℃で2時間攪拌した。冷却後触媒をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をメタノールに溶解し、過剰量の10%塩化水素−メタノール溶液を加えた。溶媒の一部を減圧濃縮し析出した結晶をろ取して表題化合物0.20gを得た。収率44%。
融点236−242℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.54(3H,br s),1.86−2.40(5H,m),1.99(3H,s),2.01(6H,s),2.70−3.90(7H,m),2.94(1H,d,J=16.0Hz),4.50−5.50(2H,br),6.92−7.19(3H,m),7.35(1H,d,J=8.0Hz),7.50−7.76(1H,m),9.40−10.20(1H,br),10.89(1H,br s)。
【0142】
参考例77
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(1−フェニル−3−インドリル)−1−ピペリジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミンシュウ酸塩
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[1,2,3,6−テトラヒドロ−4−(1−フェニル−3−インドリル)−1−ピリジル]メチル]−5−ベンゾフランアミン0.36gおよび酸化白金72mgのテトラヒドロフラン2mLおよびメタノール4mL混合物を水素雰囲気下60℃で3.5時間攪拌した。冷却後触媒をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)に供して2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(1−フェニル−3−インドリル)−1−ピペリジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミンを得た。これをメタノールに溶解し、一当量のシュウ酸のメタノール溶液を加えた後減圧濃縮した。残渣にエタノールとジエチルエーテルを加え、析出した粉末をろ取して表題化合物0.10gを得た。収率24%。
非晶。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.49(3H,s),1.84−2.36(5H,m),1.97(3H,s),1.99(3H,s),2.01(3H,s),2.90−3.70(6H,m),2.91(1H,d,J=16.0Hz),3.12(1H,d,J=16.0Hz),7.08−7.26(2H,m),7.32−7.69(6H,m),7.48(1H,s),7.76(1H,d,J=7.8Hz)。
【0143】
参考例78
N−[2,3−ジヒドロ−2−(ヨードメチル)−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−5−イル]ホルムアミド
N−[4−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル]ホルムアミド16gおよび炭酸カルシウム9.3gのテトラヒドロフラン60mLおよびメタノール60mL懸濁液にジクロロヨウ素酸ベンジルトリメチルアンモニウム27gを少しずつ加え、室温で10分間撹拌した。不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルと水に溶解し、有機層を分離、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて表題化合物23gを得た。収率93%。
融点135−138℃。
1H−NMR(CDCl3 )δ1.66,1.67(3H,s),2.13,2.17(3H,s),2.21,2.24(3H,s),2.97(1H,d,J=15.7Hz),3.24(1H,d,J=15.7Hz),3.43,3.44(2H,s),6.53,6.54(1H,s),6.58−6.87(1H,m),8.00(0.45H,d,J=12.2Hz),8.41(0.55H,J=1.4Hz)。
【0144】
参考例79
N−[2,3−ジヒドロ−2−(ヨードメチル)−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−5−イル]ホルムアミド
N−[2,3−ジヒドロ−2−(ヨードメチル)−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−5−イル]ホルムアミド6.9gおよび2−プロパノール10mLの混合物に水浴上で濃硫酸20mLを少しずつ滴下し、室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を氷に注ぎ、テトラヒドロフラン/ジイソプロピルエーテル(1:2)混合溶媒で2回抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に供して表題化合物7.3gを得た。収率94%。
非晶。
1H−NMR(CDCl3 )δ1.27,1.28(3H,d,J=6.6Hz),1.30,1.32(3H,d,J=6.8Hz),1.64,1.67(3H,s),2.09,2.13(3H,s),2.19,2.23(3H,s),2.93(1H,d,J=15.8Hz),3.04−3.27(2H,m),3.44,3.45(2H,s),6.72(0.5H,br s),6.81(0.5H,br d,J=12.2Hz),7.97(0.5H,d,J=12.2Hz),8.41(0.5H,d,J=1.6Hz)。
【0145】
参考例80
2,3−ジヒドロ−2−(ヨードメチル)−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチル−5−ベンゾフランアミン
N−[2,3−ジヒドロ−2−(ヨードメチル)−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−5−イル]ホルムアミド7.3gのメタノール40mL溶液に濃塩酸10mLを加え、窒素雰囲気下1.5時間加熱還流した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム20gの水/酢酸エチル懸濁液に加えて中和し、有機層を分離、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、活性炭処理、ろ過、減圧濃縮した。残渣をヘキサンから結晶化させて表題化合物5.7gを得た。収率84%。
融点84−86℃。
1H−NMR(CDCl3 )δ1.29(3H,d,J=7.0Hz),1.31(3H,d,J=7.0Hz),1.62(3H,s),2.06(3H,s),2.13(3H,s),2.92(1H,d,J=15.8Hz),3.11−3.27(2H,m),3.42(2H,s)。
【0146】
参考例81
2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン
2,3−ジヒドロ−2−(ヨードメチル)−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチル−5−ベンゾフランアミン1.1g、4−フェニルピペリジン0.87gおよび炭酸カリウム0.83gのN,N−ジメチルアセトアミド6mL懸濁液を4.5時間加熱還流した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1の後10:1)に供し、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して表題化合物0.55gを得た。収率47%。
融点128−131℃。
1H−NMR(CDCl3 )δ1.27(3H,d,J=6.8Hz),1.28(3H,d,J=6.8Hz),1.39(3H,s),1.66−1.87(4H,m),2.07(3H,s),2.10−2.55(3H,m),2.13(3H,s),2.60(2H,s),2.72(1H,d,J=15.0Hz),3.00−3.28(4H,m),7.12−7.37(5H,m)。
【0147】
参考例82
N−[2,3−ジヒドロ−2−(ヨードメチル)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]ホルムアミド
N−[4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチル−5−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル]ホルムアミド187gおよび炭酸カルシウム104gのテトラヒドロフラン600mLおよびメタノール600mL懸濁液にジクロロヨウ素酸ベンジルトリメチルアンモニウム307gを少しずつ加え、室温で10分間撹拌した。不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル800mLと水400mLに溶解し、有機層を分離、水層を酢酸エチル400mLで抽出した。合わせた有機層を10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液400g、水300mL、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液300mL、および飽和塩化ナトリウム水溶液300mLで洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、活性炭処理、ろ過、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから再結晶して表題化合物271gを得た。収率94%。
融点145−147℃。
1H−NMR(CDCl3 )δ1.66,1.67(3H,s),2.05−2.20(9H,m),2.98(1H,d,J=15.9Hz),3.24(1H,d,J=15.9Hz),3.42,3.43(2H,s),6.63−8.82(1H,m),7.96(0.45H,d,J=12.0Hz),8.41(0.55H,d,J=1.2Hz)。
【0148】
参考例83
2,3−ジヒドロ−2−(ヨードメチル)−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン
N−[2,3−ジヒドロ−2−(ヨードメチル)−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]ホルムアミド6.5gのメタノール40mL懸濁液に濃塩酸10mLを加え、窒素雰囲気下、1.5時間加熱還流した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム12gの水/酢酸エチル懸濁液に加えて中和し、有機層を分離、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテル/ヘキサンから結晶化させ、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して表題化合物5.5gを得た。収率91%。
融点105−107℃。
1H−NMR(CDCl3 )δ1.64(3H,s),2.07(6H,s),2.12(3H,s),2.98(1H,d,J=15.6Hz),3.25(1H,d,J=15.6Hz),3.41(2H,s)。
【0149】
実施例1
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(2−フェニルエチル)−1−ピペリジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン
2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン1.5g、4−(2−フェニルエチル)ピペリジン2.0gおよびトリエチルアミン5.3gの混合物を、アルゴン雰囲気下、封管中、180℃で15時間撹拌した。反応液を冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製した後、ジイソプロピルエーテルから再結晶して、表題化合物0.88gを得た。収率42%。
融点91−92℃。
1 H−NMR(CDCl3 )δ 1.17−1.35(3H,m),1.42(3H,s),1.48−1.70(4H,m),1.99−2.17(2H,m),2.07(6H,s),2.10(3H,s),2.45(1H,d,J=13.8Hz),2.53(1H,d,J=13.8Hz),2.55−2.65(2H,m),2.79(1H,d,J=15.2Hz),2.82−2.92(1H,m),3.06−3.14(1H,m),3.10(1H,d,J=15.2Hz),7.13−7.20(3H,m),7.22−7.31(2H,m)。
【0150】
実施例2
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(3−フェニルプロピル)−1−ピペリジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン
実施例1と同様の方法により、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンと4−(3−フェニルプロピル)ピペリジンから表題化合物を得た。収率42%。
融点79−80℃(ジイソプロピルエーテル/ヘキサンから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.15−1.30(5H,m),1.41(3H,s),1.52−1.67(4H,m),1.98−2.17(2H,m),2.06(3H,s),2.07(3H,s),2.09(3H,s),2.44(1H,d,J=13.6Hz),2.53(1H,d,J=13.6Hz),2.57(2H,t,J=7.6Hz),2.78(1H,d,J=15.0Hz),2.81−2.88(1H,m),3.00−3.10(1H,m),3.09(1H,d,J=15.0Hz),7.13−7.21(3H,m),7.22−7,30(2H,m)。
【0151】
実施例3
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(4−フェニルブチル)−1−ピペリジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン
実施例1と同様の方法により、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンと4−(4−フェニルブチル)ピペリジンから表題化合物を得た。収率62%。
融点70−71℃(ペンタンから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.10−1.39(7H,m),1.41(3H,s),1.51−1.65(4H,m),1.98−2.18(2H,m),2.06(3H,s),2.07(3H,s),2.09(3H,s),2.44(1H,d,J=13.8Hz),2.52(1H,d,J=13.8Hz),2.59(2H,t,J=7.4Hz),2.79(1H,d,J=15.2Hz),2.83−2.88(1H,m),3.00−3.10(1H,m),3.10(1H,d,J=15.2Hz),7.12−7.20(3H,m),7.23−7.30(2H,m)。
【0152】
実施例4
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−[(3,4−メチレンジオキシフェニル)メチル]−1−ピペラジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン1.5g、1−[(3,4−メチレンジオキシフェニル)メチル]ピペラジン2.5gおよびトリエチルアミン1.6gの混合物を、アルゴン雰囲気下、封管中、180℃で15時間撹拌した。反応液を冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチルから酢酸エチル:メタノール=95:5)で精製した後、4規定塩化水素エタノール溶液で塩酸塩にした。これをエタノールから再結晶して、表題化合物1.2gを得た。収率41%。
融点216−218℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.51(3H,s),2.03(3H,s),2.22(3H,s),2.23(3H,s),2.96(1H,d,J=16.8Hz),3.25(1H,d,J=16.8Hz),3.40(10H,br s),4.25(2H,s),6.06(2H,s),6.97(1H,d,J=8.0Hz),7.08(1H,d,J=8.0Hz),7.29(1H,s),9.85(2H,br s)。
【0153】
実施例5
2−[(4−ベンジル−1−ピペリジニル)メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン
2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン0.85g、4−ベンジルピペリジン1.1gおよびトリエチルアミン1.3mLの混合物を、窒素雰囲気下、封管中、180℃で15時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エタノール=10:1)に供し、ヘキサンから結晶化させて表題化合物0.86gを得た。収率78%。
融点71−73℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.1−1.7(5H,m),1.41(3H,s),1.9−2.2(2H,m),2.06(9H,s),2.3−2.6(4H,m),2.7−2.9(1H,m),2.79(1H,d,J=15.4Hz),3.0−3.2(1H,m),3.10(1H,d,J=15.4Hz),7.1−7.3(5H,m)。
【0154】
実施例6
2−[(4−ベンジル−1−ピペラジニル)メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例5と同様の方法により、1−ベンジルピペラジンを用いて2−[(4−ベンジル−1−ピペラジニル)メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンを得た。これをメタノールに溶解し、過剰量の10%塩化水素−メタノール溶液を加えて混合した後、析出した結晶をろ取して表題化合物を得た。収率78%。
融点210−215℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.50(3H,s),2.02(3H,s),2.22(3H,s),2.23(3H,s),2.97(1H,d,J=16.1Hz),3.0−4.2(10H,m),3.25(1H,d,J=16.1Hz),4.35(2H,s),7.4−7.5(3H,m),7.55−7.7(2H,m),9.6−10.2(2H,br)。
【0155】
実施例7
2−[(4−ベンジルオキシ−1−ピペリジニル)メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン
4−ベンジルオキシピペリジン塩酸塩2.0gを酢酸エチルに懸濁し、1規定水酸化ナトリウム水溶液で中和後有機層を分離、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。得られた4−ベンジルオキシピペリジンのトルエン0.5mL溶液に2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン1.1gおよびトリエチルアミン2.8mLを加え、この混合物を窒素雰囲気下、封管中、180℃で15時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に供し、酢酸エチル/ヘキサンから結晶化させて表題化合物1.1gを得た。収率67%。
融点85−86℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.42(3H,s),1.5−2.1(4H,m),2.07(6H,s),2.09(3H,s),2.1−2.45(2H,m),2.47(1H,d,J=13.8Hz),2.56(1H,d,J=13.8Hz),2.7−3.1(2H,m),2.80(1H,d,J=15.4Hz),3.10(1H,d,J=15.4Hz),3.3−3.45(1H,m),4.53(2H,s),7.2−7.4(5H,m)。
【0156】
実施例8
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−[(3−フェニル−2−プロペニル)オキシ]−1−ピペリジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン
実施例7と同様の方法により、4−[(3−フェニル−2−プロぺニル)オキシ]ピペリジン塩酸塩を用いて表題化合物を得た。収率71%。
融点77−79℃(ジエチルエーテル/ヘキサンから結晶化)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.4−2.0(4H,m),1.42(3H,s),2.07(6H,s),2.10(3H,s),2.1−2.4(2H,m),2.48(1H,d,J=13.8Hz),2.56(1H,d,J=13.8Hz),2.7−3.1(2H,m),2.80(1H,d,J=15.4Hz),3.10(1H,d,J=15.4Hz),3.25−3.45(1H,m),4.16(2H,dd,J=5.9,1.1Hz),6.29(1H,dt,J=15.8,5.9Hz),6.60(1H,d,J=15.8Hz),7.15−7.45(5H,m)。
【0157】
実施例9
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−[(3−フェニルプロピル)オキシ]−1−ピペリジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−[(3−フェニル−2−プロペニル)オキシ]−1−ピペリジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン1.2gおよび5%パラジウム炭素(50%含水品)0.23gのテトラヒドロフラン10mL懸濁液を水素雰囲気下室温で1時間撹拌した。触媒をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をヘキサンから結晶化させ表題化合物0.36gを得た。収率31%。
融点53−54℃(ヘキサンから結晶化)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.4−1.7(2H,m),1.42(3H,s),1.7−2.0(4H,m),2.07(6H,s),2.10(3H,s),2.1−2.4(2H,m),2.47(1H,d,J=14.0Hz),2.56(1H,d,J=14.0Hz),2.69(2H,t,J=7.5Hz),2.7−3.1(2H,m),2.80(1H,d,J=15.4Hz),3.10(1H,d,J=15.4Hz),3.1−3.3(1H,m),3.42(2H,t,J=6.4Hz),7.1−7.35(5H,m)。
【0158】
実施例10
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(4−フェニルブチリル)−1−ピペラジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.22gおよび1−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル0.13gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(5mL)に4−フェニル酪酸0.12gを0℃で加え、5分間撹拌後さらに室温で2時間撹拌した。これを2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン0.20gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(2mL)に0℃で加え、さらに30分撹拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン/酢酸エチル=1:2)で精製し、表題化合物0.22gを得た。収率74%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.42(3H,s),1.97(2H,m),2.05(3H,s),2.07(6H,s),2.30(2H,t,J=8.0Hz),2.4−2.8(10H,m),2.80(1H,d,J=15.1Hz),3.10(1H,d,J=15.1Hz),3.32(2H,t,J=4.8Hz),3.57(2H,t,J=5.0Hz),7.1−7.3(5H,m)。
【0159】
実施例11
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(4−フェニルブチル)−1−ピペラジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(4−フェニルブチリル)−1−ピペラジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン0.47g,水素化リチウムアルミニウム83mg、およびテトラヒドロフラン7mLの混合物をアルゴン雰囲気下1時間加熱還流した。冷却後、反応液を砕氷にあけ酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(酢酸エチル)で精製後、ヘキサン/ジイソプロピルエ−テルから再結晶し表題化合物の遊離塩基0.35gを得た。収率76%。この遊離塩基をさらに4.8規定塩化水素エタノ−ル溶液で塩酸塩にし、メタノ−ル/ジイソプロピルエ−テルより再結晶して表題化合物0.12gを得た。収率21%。
融点190−193℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.49(3H,s),1.5−1.8(4H,m),2.05(3H,s),2.22(6H,s),2.59(2H,m),2.8−3.7(14H,m),7.1−7.3(5H,m),9.7−9.9(2H,br s)。
【0160】
実施例12
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(3−フェニルプロピオニル)−1−ピペラジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン
実施例10と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンと3−フェニルプロピオン酸から表題化合物を得た。収率73%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.41(3H,s),2.07(9H,s),2.4−3.1(12H,m),3.33(2H,t,J=5.1Hz),3.58(2H,t,J=5.1Hz),7.1−7.3(5H,m)。
【0161】
実施例13
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(3−フェニルプロピル)−1−ピペラジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例11と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(3−フェニルプロピオニル)−1−ピペラジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミンより表題化合物を得た。収率19%。
融点200−202℃(メタノール/ジエチルエーテルから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.49(3H,s),2.03(5H,m),2.22(6H,s),2.64(2H,t,J=7.7Hz),2.8−3.7(14H,m),7.1−7.4(5H,m),9.7−9.9(2H,br s)。
【0162】
実施例14
2−[[4−(2,2−ジフェニルエチル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン
実施例11と同様の方法により、2−[[4−(2,2−ジフェニルアセチル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンより表題化合物を得た。収率79%。
融点130−132℃(酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.39(3H,s),2.06(3H,s),2.07(6H,s),2.10−2.70(10H,m),2.78(1H,d,J=15.4Hz),2.96(2H,d,J=7.4Hz),3.10(1H,d,J=15.4Hz),4.20(1H,t,J=7.4Hz),7.00−7.40(10H,m)。
【0163】
実施例15
2−[[4−(3,3−ジフェニルプロピオニル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン
実施例10と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンと3,3−ジフェニルプロピオン酸から表題化合物を得た。収率72%。
融点77−78℃(酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.40(3H,s),2.07(3H,s),2.09(6H,s),2.00−2.60(6H,m),2.81(1H,d,J=15.0Hz),3.03(2H,d,J=7.4Hz),3.06(1H,d,J=15.0Hz),3.31(2H,t,J=4.6Hz),3.52(2H,t,J=4.6Hz),4.66(1H,t,J=7.4Hz),7.10−7.40(10H,m)。
【0164】
実施例16
2−[[4−(3,3−ジフェニルプロピル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例11と同様の方法により、2−[[4−(3,3−ジフェニルプロピオニル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンより表題化合物の遊離塩基を得た。収率78%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.41(3H,s),2.07(6H,s),2.09(3H,s),2.30−2.80(14H,m),2.79(1H,d,J=15.4Hz),3.11(1H,d,J=15.4Hz),3.97(1H,m),7.10−7.40(10H,m)。
この遊離塩基をさらに4.8規定塩化水素エタノ−ル溶液で塩酸塩にし,メタノ−ル/ジイソプロピルエ−テルより再結晶して表題化合物を得た。
融点200−203℃。
【0165】
実施例17
2−[[4−(ジフェニルメトキシ)−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンシュウ酸塩
参考例3と同様の方法により、4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジンを用いて2−[(4−ジフェニルメトキシ−1−ピペリジニル)メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンを得た。これをエタノールに溶解し1当量のシュウ酸/エタノール溶液を加えた。この混合物を加熱溶解後冷却、ジエチルエーテルを加えて結晶化させて表題化合物を得た。収率26%。
融点173−175℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.41(3H,s),1.6−2.1(4H,m),1.96(9H,s),2.7−3.4(8H,m),3.4−3.6(1H,m),5.64(1H,s),7.15−7.3(10H,m)。
【0166】
実施例18
2−[[4−(2,2−ジフェニルアセチル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン実施例10と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンと2,2−ジフェニル酢酸から表題化合物を得た。収率67%。
融点113−115℃(酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.38(3H,s),2.05(3H,s),2.06(6H,s),2.10−2.70(6H,m),2.79(1H,d,J=15.4Hz),3.08(1H,d,J=15.4Hz),3.00−3.80(2H,br s),3.39(2H,t,J=4.8Hz),3.65(2H,t,J=4.8Hz),5.19(1H,s),7.10−7.40(10H,m)。
【0167】
実施例19
2−[[4−[2−(ジフェニルメトキシ)エチル]−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例4と同様の方法により、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンと1−[2−(ジフェニルメトキシ)エチル]ピペラジンから表題化合物を得た。収率33%。
融点173−176℃(エタノール/ジエチルエーテルから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.54(3H,s),2.03(3H,s),2.24(6H,s),2.95−3.78(16H,m),5.57(1H,s),7.25−7.44(10H,m)。
【0168】
実施例20
2−[[4−[3−(ジフェニルメトキシ)プロピル]−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例4と同様の方法により、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンと1−[3−(ジフェニルメトキシ)プロピル]ピペラジンから表題化合物を得た。収率54%。
融点193−196℃(エタノールから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.54(3H,s),2.05(5H,br s),2.24(6H,s),2.95−3.63(16H,m),5.48(1H,s),7.34−7.36(10H,m)。
【0169】
実施例21
2−[[4−[4−(ジフェニルメトキシ)ブチル]−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例4と同様の方法により、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンと1−[4−(ジフェニルメトキシ)ブチル]ピペラジンから表題化合物を得た。収率43%。
融点203−205℃(エタノールから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.54(3H,s),1.62(2H,br s),1.80(2H,br s),2.05(3H,s),2.23(3H,s),2.24(3H,s),2.94−3.58(16H,m),5.44(1H,s),7.20−7.38(10H,m)。
【0170】
実施例22
2−[[4−[5−(ジフェニルメトキシ)ペンチル]−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例4と同様の方法により、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンと1−[5−(ジフェニルメトキシ)ペンチル]ピペラジンから表題化合物を得た。収率45%。
融点186−189℃(分解、エタノールから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.31−1.70(6H,m),1.53(3H,s),2.05(3H,s),2.24(6H,s),2.94−3.58(16H,m),5.42(1H,s),7.20−7.39(10H,m)。
【0171】
実施例23
2−[[4−[6−(ジフェニルメトキシ)ヘキシル]−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例4と同様の方法により、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンおよび1−[6−(ジフェニルメトキシ)ヘキシル]ピペラジンから表題化合物を得た。収率60%。
融点183−186℃(分解、エタノールから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.35−1.71(8H,m),1.53(3H,s),2.05(3H,s),2.23(6H,s),2.96−3.60(16H,m),5.41(1H,s),7.20−7.39(10H,m)。
【0172】
実施例24
2−[[4−[(ジフェニルメトキシ)メチル]−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンシュウ酸塩
2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン1.5g、4−[(ジフェニルメトキシ)メチル]ピペリジン3.0gおよびトリエチルアミン7.4mLの混合物を、アルゴン雰囲気下、封管中、180℃で15時間攪拌した。反応液に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウム乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して、2−[[4−[(ジフェニルメトキシ)メチル]−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン2.4gを得た。収率95%。これにシュウ酸0.45gを加えた後エタノールから再結晶して、表題化合物1.8gを得た。収率58%。
融点125−127℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.36−1.79(5H,m),1.39(3H,s),1.96(9H,s),2.60−3.34(10H,m),5.40(1H,s),7.21−7.34(10H,m)。
【0173】
実施例25
2−[[4−[2−(ジフェニルメトキシ)エチル]−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンシュウ酸塩
実施例24と同様の方法により、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンおよび4−[2−(ジフェニルメトキシ)エチル]ピペリジンから表題化合物を得た。収率32%。
融点107−110℃(エタノールから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.36−1.72(7H,m),1.43(3H,s),1.96(9H,s),2.70−2.88(3H,m),3.00−3.25(4H,m),3.38−3.45(3H,m),5.40(1H,s),7.20−7.39(10H,m)。
【0174】
実施例26
2−[[4−[3−(ジフェニルメトキシ)プロピル]−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンシュウ酸塩
実施例24と同様の方法により、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンおよび4−[3−(ジフェニルメトキシ)プロピル]ピペリジンから表題化合物を得た。収率40%。
融点109−111℃(エタノールから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.22−1.80(9H,m),1.40(3H,s),1.98(9H,s),2.65−3.40(10H,m),5.40(1H,s),7.20−7.38(10H,m)。
【0175】
実施例27
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(2−フェニルエチル)−1−ピペラジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン
実施例1と同様の方法により、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンおよび1−(2−フェニルエチル)ピペラジンから表題化合物を得た。収率50%。
融点99−100℃(ジイソプロピルエーテル/ペンタンから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.33(3H,s),1.98(6H,s),2.00(3H,s),2.38−2.75(15H,m),3.04(1H,d,J=15.0Hz),7.08−7.19(5H,m)。
【0176】
実施例28
2−[[4−[ビス(4−フルオロフェニル)メトキシ]−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンシュウ酸塩
参考例27で得られた4−[ビス(4−フルオロフェニル)メトキシ]−ピペリジン3.8g、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン1.4g、および炭酸カリウム1.4gのN,N−ジメチルアセトアミド10mL懸濁液を窒素雰囲気下、15時間加熱還流した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1の後1:1)に供し、2−[[4−[ビス(4−フルオロフェニル)メトキシ]−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンを得た。これをエタノールに溶解し、1当量のシュウ酸−エタノール溶液を加えた。この混合物を加熱溶解させた後減圧濃縮、メタノールから再結晶して表題化合物1.5gを得た。収率52%。
融点181−185℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.40(3H,s),1.6−2.1(4H,m),1.96(9H,s),2.6−3.3(8H,m),3.3−3.6(1H,m),5.68(1H,s),7.15(4H,t,J=9.0Hz),7.39(4H,dd,J=8.6,5.6Hz)。
【0177】
実施例29
2,3−ジヒドロ−2−[[4−(4−メトキシベンジル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例11と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2−[[4−(4−メトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンから表題化合物を得た。収率85%。
融点197−202℃(水/エタノールから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.48(3H,s),2.03(3H,s),2.23(6H,s),2.70−4.40(17H,m),6.99(2H,d,J=8.8Hz),7.53(2H,d,J=8.8Hz),9.80(2H,br s)。
【0178】
実施例30
2,3−ジヒドロ−2−[[4−(3−メトキシベンジル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例11と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2−[[4−(3−メトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンから表題化合物を得た。収率74%。
融点196−199℃(水/エタノールから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.54(3H,s),2.04(3H,s),2.24(6H,s),2.97(1H,d,J=16.2Hz),3.20−4.50(16H,m),7.01(1H,d,J=8.0Hz),7.18(1H,d,J=7.0Hz),7.30−7.46(2H,m),9.90(2H,br s)。
【0179】
実施例31
2,3−ジヒドロ−2−[[4−(2−メトキシベンジル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例11と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2−[[4−(2−メトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンから表題化合物を得た。収率67%。
融点202−204℃(メタノール/エタノールから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.54(3H,s),2.03(3H,s),2.24(6H,s),2.70−3.80(10H,m),3.86(3H,s),4.10−4.70(4H,m),7.00−7.20(2H,m),7.40−7.70(2H,m),9.83(2H,br s)。
【0180】
実施例32
2−[[4−(3,4−ジメトキシベンジル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例11と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2−[[4−(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンから表題化合物を得た。収率77%。
融点176−179℃(水/エタノールから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.49(3H,s),2.03(3H,s),2.22(6H,s),2.70−4.40(20H,m),6.98(1H,d,J=7.6Hz),7.08(1H,d,J=7.6Hz),7.39(1H,s),9.80(2H,br s)。
【0181】
実施例33
2−[[4−(4−クロロベンジル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例11と同様の方法により、2−[[4−(4−クロロベンゾイル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンから表題化合物を得た。収率91%。
融点198−200℃(水/エタノールから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.43(3H,s),2.02(3H,s),2.20(3H,s),2.22(3H,s),2.70−4.40(14H,m),7.54(2H,d,J=7.6Hz),7.63(2H,d,J=7.6Hz),9.75(2H,br s)。
【0182】
実施例34
2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(4−メチルベンジル)−1−ピペラジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例11と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[[4−(4−メチルベンゾイル)−1−ピペラジニル]メチル]−5−ベンゾフランアミンから表題化合物を得た。収率36%。
融点183−186℃(水/エタノールから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.50(3H,s),2.00(3H,s),2.20(6H,s),2.34(3H,s),2.80−4.20(12H,m),4.28(2H,s),7.25(2H,d,J=7.6Hz),7.49(2H,d,J=7.6Hz),9.78(2H,br s)。
【0183】
実施例35
2−[[4−(4,4−ジフェニルブチリル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン
実施例10と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンおよび4,4−ジフェニル酪酸を用いて表題化合物を得た。収率29%。
融点135−138℃(酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.41(3H,s),2.07(9H,s),2.10−2.70(10H,m),2.80(1H,d,J=14.7Hz),3.09(1H,d,J=14.7Hz),3.10−3.40(4H,m),3.55(2H,t,J=5.2Hz),3.95(1H,t,J=7.7Hz),7.10−7.70(10H,m)。
【0184】
実施例36
2−[[4−(4,4−ジフェニルブチル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例11と同様の方法により、2−[[4−(4,4−ジフェニルブチリル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンから表題化合物を得た。収率54%。
融点190−192℃(メタノール/ジエチルエーテルから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.50(3H,s),1.55−1.65(2H,m),2.03(5H,br s),2.23(6H,s),2.60−4.30(15H,m),7.10−7.40(10H,m),9.70−10.00(2H,br s)。
【0185】
実施例37
2−[[4−(5,5−ジフェニルバレリル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン
実施例10と同様の方法により、2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(1−ピペラジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンおよび5,5−ジフェニル吉草酸を用いて表題化合物を得た。収率86%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.41(3H,s),1.50−1.70(2H,m),2.20−2,70(21H,m),2.81(1H,d,J=15.4Hz),3.09(1H,d,J=15.4Hz),3.28(2H,t,J=4.8Hz),3.53(2H,t,J=4.8Hz),3.90(1H,t,J=8.2Hz),7.20−7.40(10H,m)
【0186】
実施例38
2−[[4−(5,5−ジフェニルペンチル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
実施例11と同様の方法により、2−[[4−(5,5−ジフェニルバレリル)−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンから表題化合物を得た。収率86%。
融点177−181℃(メタノール/ジエチルエーテルから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.05−1.25(2H,m),1.44(3H,s),1.60−1.80(2H,m),1.90−2.10(5H,m),2.21(6H,s),2.40−4.00(15H,m),7.10−7.40(10H,m),9.75(2H,br s)。
【0187】
実施例39
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン
実施例1と同様の方法により、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンおよびN−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミンを用いて表題化合物を得た。収率38%。
融点128−129℃(酢酸エチル/ヘキサンから再結晶)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.25−1.49(2H,m),1.39(3H,s),1.79−1.92(2H,m),2.00−2.19(2H,m),2.05(3H,s),2.06(3H,s),2.08(3H,s),2.30−2.54(3H,m),2.73−2.84(2H,m),2.96−3.11(2H,m),5.00(1H,s),7.17−7.39(10H,m)。
【0188】
実施例40
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン三塩酸塩
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン2.2gを4規定塩化水素エタノール溶液で塩酸塩にした後、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶して、表題化合物2.5gを得た。収率87%。
融点200−203℃(分解)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.57(3H,s),2.04(3H,s),2.18−2.59(4H,m),2.23(6H,s),2.98−3.76(9H,m),5.74(1H,s),7.30−7.44(6H,m),7.86−7.90(4H,m)。
【0189】
実施例41
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンエチルアミン三塩酸塩
[2−[[4−[2−[(ジフェニルメチル)アミノ]エチル]−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチル1.6gのエタノール3mL溶液に4規定塩化水素エタノール溶液10mLを加えて、室温で15時間攪拌した。反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性にして、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去して、1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンエチルアミン1.3gを得た。収率97%。これを塩化水素エタノール溶液で塩酸塩にした後、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶して、表題化合物1.3gを得た。収率76%。
融点197−199℃(分解)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.50−1.80(7H,m),1.57(3H,s),2.04(3H,s),2.24(6H,s),2.80−3.75(10H,m),5.60(1H,br s),7.38−7.58(6H,m),7.78(4H,d,J=7.8Hz)。
【0190】
実施例42
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(3,3−ジフェニルプロピル)−4−ピペリジンエチルアミン三塩酸塩
実施例41と同様の方法により、[2−[[4−[2−[(3,3−ジフェニルプロピル)アミノ]エチル]−1−ピペリジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチルから表題化合物を得た。収率23%。
融点180−181℃(エタノール/ジエチルエーテルから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.58(3H,s),1.77(9H,br s),2.05(3H,s),2.23(6H,s),2.73−3.69(12H,m),4.10−4.14(1H,m),7.18−7.32(10H,m)。
【0191】
実施例43
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンメチルアミン二塩酸塩
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンカルボキサミド1.3gのテトラヒドロフラン20mL溶液に氷冷下1Mボランテトラヒドロフラン錯体テトラヒドロフラン溶液17mLを加え、窒素雰囲気下23時間加熱還流した。反応混合物を氷冷し、5規定塩酸12mLを滴下した後減圧濃縮、残渣に炭酸水素ナトリウムを加えて中和、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エタノール=10:1)に供し、1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンメチルアミン0.89gを得た。収率68%。これをメタノールに溶解し、過剰量の10%塩化水素−メタノール溶液を滴下、減圧濃縮して表題化合物を得た。
非晶。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.3−2.2(5H,m),1.48(3H,s),1.98(3H,s),2.00(6H,s),2.3−3.7(10H,m),4.0−4.3(1H,br),5.48(1H,br s),7.2−7.6(6H,m),7.6−7.9(4H,m)。
【0192】
実施例44
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(2,2−ジフェニルエチル)−4−ピペリジンメチルアミン三塩酸塩
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(2,2−ジフェニルエチル)−4−ピペリジンカルボキサミド1.0gのテトラヒドロフラン20mL溶液に氷冷下1Mボランテトラヒドロフラン錯体テトラヒドロフラン溶液12mLを滴下し、窒素雰囲気下6時間加熱還流した。反応混合物を氷冷し、5規定塩酸8mLを滴下し撹拌、得られた混合物を炭酸水素ナトリウム4gの水/ジイソプロピルエーテル懸濁液に滴下して中和、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をメタノールに溶解し、5規定塩酸10mLを加え1時間加熱還流した。反応混合物を氷冷して5規定水酸化ナトリウム水溶液20mLを加え、ジエチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル:トリエチルアミン=30:10:1の後20:10:1)に供し、1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(2,2−ジフェニルエチル)−4−ピペリジンメチルアミンを得た。これをメタノールに溶解し、過剰量の10%塩化水素−メタノール溶液を滴下、得られた混合物を減圧濃縮して表題化合物0.74gを得た。収率61%。
非晶。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.4−2.3(5H,m),1.57(3H,s),2.04(3H,s),2.23(6H,s),2.6−3.8(12H,m),4.6−4.8(1H,m),7.1−7.5(10H,m),8.9−9.2(2H,br),9.5−10.1(3H,br),10.3−10.6(1H,br)。
【0193】
実施例45
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(3,3−ジフェニルプロピル)−4−ピペリジンメチルアミン二塩酸塩
実施例44と同様の方法により1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(3,3−ジフェニルプロピル)−4−ピペリジンカルボキサミド(参考例50の遊離塩基)から表題化合物を得た。収率46%。
融点168−172℃(メタノール/ジエチルエーテルから結晶化)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.3−2.2(5H,m),1.46(3H,br s),1.98(9H,s),2.3−3.5(14H,m),4.09(1H,t,J=7.5Hz),7.1−7.4(10H,m)。
【0194】
実施例46
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−ベンジル−N−(3,3−ジフェニルプロピル)−4−ピペリジンアミン三塩酸塩
実施例1と同様の方法により、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンとN−ベンジル−N−(3,3−ジフェニルプロピル)−4−ピペリジンアミンから1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−ベンジル−N−(3,3−ジフェニルプロピル)−4−ピペリジンアミンを得た。収率60%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.39(3H,s),1.45−1.61(4H,m),1.97−2.18(4H,m),2.05(3H,s),2.07(3H,s),2.08(3H,s),2.37−2.54(5H,m),2.72−2.89(2H,m),3.02−3.10(2H,m),3.58(2H,s),3.94(1H,t,J=7.6Hz),7.11−7.30(15H,m)。
得られた1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−ベンジル−N−(3,3−ジフェニルプロピル)−4−ピペリジンアミン1.0gを4規定塩化水素エタノール溶液で塩酸塩にした後、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶して、表題化合物0.65gを得た。収率53%。
融点185−187℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.59(3H,s),1.93−2.55(6H,m),2.06(3H,s),2.24(6H,s),2.76−3.60(9H,m),3.79−3.94(3H,m),4.23−4.49(2H,m),7.16−7.23(10H,m),7.38−7.42(3H,m),7.66−7.71(2H,m)。
【0195】
実施例47
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(3,3−ジフェニルプロピル)−4−ピペリジンアミン三塩酸塩
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−ベンジル−N−(3,3−ジフェニルプロピル)−4−ピペリジンアミン1.5gのエタノール50mL溶液に5%パラジウム炭素(50%含水品)0.30gを加えて、水素5気圧下、40℃で6時間攪拌した。反応液をろ過した後、ろ液を減圧下で濃縮して、1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(3,3−ジフェニルプロピル)−4−ピペリジンアミン1.2gを得た。収率94%。これを4規定塩化水素エタノール溶液で塩酸塩にした後、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶して、表題化合物1.3gを得た。収率82%。
融点187−189℃(分解)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.58(3H,s),2.02−2.26(4H,m),2.05(3H,s),2.23(6H,s),2.78(2H,br s),3.00−3.55(10H,m),3.77−3.91(1H,m),4.14(1H,t,J=7.6Hz),7.20−7.33(10H,m)。
【0196】
実施例48
2−[2−[4−(ジフェニルメトキシ)−1−ピペリジニル]エチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンシュウ酸塩
実施例41と同様の方法により、[2−[2−[4−(ジフェニルメトキシ)−1−ピペリジニル]エチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチルから2−[2−[4−(ジフェニルメトキシ)−1−ピペリジニル]エチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンを得た。収率84%。得られた化合物をシュウ酸塩とした後、エタノールから再結晶して、表題化合物を得た。収率45%。
融点137−139℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.31(3H,s),1.62−2.01(6H,m),1.94(6H,s),1.96(3H,s),2.77−3.20(8H,m),3.53(1H,br s),5.65(1H,s),7.20−7.38(10H,m)。
【0197】
実施例49
2−[2−[4−[(ジフェニルメトキシ)メチル]−1−ピペリジニル]エチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン二シュウ酸塩
実施例48と同様の方法により、[2−[2−[4−[(ジフェニルメトキシ)メチル]−1−ピペリジニル]エチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチルから表題化合物を得た。収率20%。
融点160−162℃(エタノールから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.28−1.66(2H,m),1.36(3H,s),1.84−2.10(5H,m),1.99(9H,s),2.81−3.16(6H,m),3.25−3.30(2H,m),3.41−3.56(2H,m),5.43(1H,s),7.20−7.37(10H,m)。
【0198】
実施例50
2−[2−[4−[2−(ジフェニルメトキシ)エチル]−1−ピペリジニル]エチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンシュウ酸塩
実施例48と同様の方法により、[2−[2−[4−[2−(ジフェニルメトキシ)エチル]−1−ピペリジニル]エチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]カルバミン酸tert−ブチルから表題化合物を得た。収率54%。
融点119−121℃(エタノールから再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.24−2.10(9H,m),1.34(3H,s),1.96(6H,s),1.98(3H,s),2.79−3.14(6H,m),3.36−3.43(4H,m),5.41(1H,s),7.20−7.38(10H,m)。
【0199】
実施例51
N−[2−[[4−[4−(ジフェニルメトキシ)ブチル]−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]アセトアミド
2−[[4−[4−(ジフェニルメトキシ)ブチル]−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩0.60gのテトラヒドロフラン10mL懸濁液に、氷冷下、1規定水酸化ナトリウム水溶液8mLおよび無水酢酸0.10mLを加えて、1時間攪拌した。反応液に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=9:1)で精製して、表題化合物0.48gを得た。収率93%。
油状。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.42(3H,s),1.62(4H,br s),2.05−2.82(25H,m),3.08−3.17(1H,m),3.41−3.47(2H,m),5.32(1H,s),6.58−6.62(1H,m),7.20−7.33(10H,m)。
【0200】
実施例52
2−[[4−[4−(ジフェニルメトキシ)ブチル]−1−ピペラジニル]メチル]−N−エチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン三塩酸塩
N−[2−[[4−[4−(ジフェニルメトキシ)ブチル]−1−ピペラジニル]メチル]−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−5−イル]アセトアミド0.48gのテトラヒドロフラン20mL溶液に水素化リチウムアルミニウム64mgを加えて、アルゴン雰囲気下で15時間加熱還流した。反応液に少量の水を加えた後、酢酸エチル、無水硫酸マグネシウムおよびハイフロスーパーセル(商品名)を加え、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=95:5)で精製して、2−[[4−[4−(ジフェニルメトキシ)ブチル]−1−ピペラジニル]メチル]−N−エチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン0.32gを得た。収率68%。得られた化合物を4規定塩化水素エタノール溶液で塩酸塩にした後、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶して、表題化合物0.32gを得た。収率55%。
融点156−158℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.33(3H,t,J=7.2Hz),1.57−1.63(5H,m),1.73−1.85(2H,m),2.05(3H,s),2.30(3H,s),2.33(3H,s),2.98−3.60(18H,m),5.44(1H,s),7.22−7.40(10H,m)。
【0201】
実施例53
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−[ビス(4−フルオロフェニル)メチル]−4−ピペリジンアミン
アルゴン雰囲気下、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミン1.4g、N−[ビス(4−フルオロフェニル)メチル]−4−ピペリジンアミン4.5gおよび炭酸カリウム1.4gのN,N−ジメチルアセトアミド20mL懸濁液を、172℃で4.5時間撹拌した。反応液に水を加えて、酢酸エチル抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチル、および塩基性シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=9:1から85:15)で精製した後、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して、表題化合物0.97gを得た。収率39%。
融点133−134℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.24−1.47(2H,m),1.40(3H,s),1.78−1.91(2H,m),1.96−2.18(2H,m),2.05(3H,s),2.07(3H,s),2.08(3H,s),2.23−2.55(3H,m),2.74−2.96(2H,m),2.95−3.12(2H,m),4.97(1H,s),6.97(4H,t,J=8.8Hz),7.20−7.40(4H,m)。
【0202】
実施例54
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−[ビス(4−メトキシフェニル)メチル]−4−ピペリジンアミン
実施例53と同様の方法により、2−ブロモメチル−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−ベンゾフランアミンとN−[ビス(4−メトキシフェニル)メチル]−4−ピペリジンアミンから表題化合物を得た。収率43%。
融点109−111℃。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.25−1.46(2H,m),1.40(3H,s),1.76−2.55(9H,m),2.05(3H,s),2.07(3H,s),2.08(3H,s),2.72−2.86(2H,m),2.96−3.12(2H,m),3.77(6H,s),4.92(1H,s),6.82(4H,d,J=8.8Hz),7.26(4H,d,J=8.8Hz)。
【0203】
実施例55
(R)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミンを高速液体クロマトグラフィー(カラム;CHIRALCEL OD(20×250mm)(商品名;ダイセル(製))、移動相;ヘキサン:2−プロパノール=95:5、流速;8.0mL/min、カラム温度;30℃)を用いて分取し、表題化合物を得た。
[α]D −21.4°(c 0.496,エタノール)。
【0204】
実施例56
(S)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミンを高速液体クロマトグラフィー(カラム;CHIRALCEL OD(20×250mm)(商品名;ダイセル(製))、移動相;ヘキサン:2−プロパノール=95:5、流速;8.0mL/min、カラム温度;30℃)を用いて分取し、表題化合物を得た。
[α]D +21.5°(c 0.549,エタノール)。
【0205】
実施例57
(R)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン硫酸塩
(R)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン3.5gのメタノール15mLおよび酢酸エチル5mL溶液に2規定硫酸水溶液7.5mLを加えた後、減圧下で混合物を濃縮した。残渣にメタノール15mLを加え、18時間放置した。析出結晶をろ取、乾燥した後、メタノール/水から再結晶し、表題化合物3.5gを得た。収率76%。
[α]D −8.0°(c 0.51,エタノール)。
融点154−156℃。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.33(3H,s),1.52−2.20(4H,m),1.95(9H,s),2.15−2.30(1H,s),2.58−2.82(4H,m),2.97−3.25(4H,m),5.52(1H,br s),7.28−7.42(6H,m),7.52−7.58(4H,m)。
【0206】
実施例58
(S)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン硫酸塩
実施例57と同様にして、(S)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミンおよび2規定硫酸水溶液から表題化合物を得た。収率68%。
[α]D +8.5°(c 0.52,エタノール)。
融点155−157℃(メタノール/水から再結晶)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 1.34(3H,s),1.53−2.07(4H,m),1.95(9H,s),2.23(1H,br s),2.59−2.81(4H,m),2.99−3.28(4H,m),5.52(1H,br s),7.28−7.43(6H,m),7.52−7.57(4H,m)。
【0207】
実施例59
(S)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン
4−ニトロアニリン0.14gを2規定塩酸3mLに加熱溶解した後、氷冷した。これに亜硝酸ナトリウム72mg水0.5mL溶液を滴下して、15分間撹拌した。得られた4−ニトロベンゼンジアゾニウムクロリド水溶液を(S)−1−[(2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン0.43gの酢酸3mL溶液に冷却しながら加え、混合物を室温で12時間撹拌した。反応液を飽和炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチル抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥した後、減圧下で濃縮した。得られた(S)−1−[[2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−5−(4−ニトロフェニルアゾ)ベンゾフラン−2−イル]メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミンにエタノール30mLおよびラネーニッケル(川研ファインケミカル株式会社製NDHT−90)0.6gを加え、水素5気圧下、混合物を室温で1時間撹拌した。反応液をろ過した後、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して、表題化合物0.32gを得た。収率71%。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.25−1.52(2H,m),1.40(3H,s),1.78−2.20(4H,m),2.05(3H,s),2.06(3H,s),2.08(3H,s),2.30−2.54(3H,m),2.72−2.83(2H,m),2.95−3.11(2H,m),5.01(1H,s),7.15−7.40(10H,m)。
【0208】
実施例60
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン
2,3−ジヒドロ−2−(ヨードメチル)−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチル−5−ベンゾフランアミン1.1g、N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン1.4gおよび炭酸カリウム0.83gのN,N−ジメチルアセトアミド6mL懸濁液を4.5時間加熱還流した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過、減圧濃縮した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1の後5:1)に供して表題化合物1.4gを得た。収率91%。
非晶。
1H−NMR(CDCl3 )δ 1.20−1.50(2H,m),1.25(3H,d,J=7.4Hz),1.26(3H,d,J=6.8Hz),1.33(3H,s),1.70−2.55(5H,m),2.04(3H,s),2.12(3H,s),2.51(2H,s),2.67(1H,d,J=15.0Hz),2.78−3.29(3H,m),3.12(1H,d,J=15.0Hz),5.01(1H,s),7.12−7.47(10H,m)。
【0209】
実施例1〜60で得られた化合物の構造式を〔表1〕〜〔表5〕に示す。
【表1】
【0210】
【表2】
【0211】
【表3】
【0212】
【表4】
【0213】
【表5】
【0214】
製剤例1
実施例5で得られた化合物を30%(w/v)ポリエチレングリコール400を含む生理食塩水に溶解し、該化合物の0.01%溶液を調製し、滅菌ろ過後、バイアルに10mLずつ分注した。バイアル1個当たり1mgの化合物を含有する静注剤を製造した。
【0215】
製剤例2
(S)−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミン二塩酸塩を30%(w/v)ポリエチレングリコール400を含む生理食塩水に溶解し、該化合物の0.01%溶液を調製し、滅菌ろ過後、バイアルに10mLずつ分注した。バイアル1個当たり1mgの化合物を含有する静注剤を製造した。
【0216】
製剤例3
(1)実施例5で得られた化合物 1.0g
(2)乳糖 60.0g
(3)コーンスターチ 35.0g
(4)ゼラチン 3.0g
(5)ステアリン酸マグネシウム 2.0g
実施例5で得られた化合物1.0g、乳糖60.0gおよびコーンスターチ35.0gの混合物を10重量%ゼラチン水溶液30mL(ゼラチンとして3.0g)を用い、1mmメッシュの篩を通して顆粒化した後、40℃で乾燥し再び篩過した。得られた顆粒をステアリン酸マグネシウム2.0gと混合し、圧縮した。得られた中心錠を、蔗糖、二酸化チタン、タルクおよびアラビアゴムの水懸濁液による糖衣でコーティングした。コーティングが施された錠剤をミツロウで艶出して1000錠のコート錠を得た。
製剤例4
実施例40で得られた化合物を30%(w/v)ポリエチレングリコール400を含む生理食塩水に溶解し、該化合物の0.01%溶液を調製し、滅菌ろ過後、バイアルに10mLずつ分注した。バイアル1個当たり1mgの化合物を含有する静注剤を製造した。
【0217】
実験例1
ラット大脳皮質標本を用いたナトリウムチャンネルに対する結合実験
実験にはウィスター(Wistar)系ラット(10−15週令)を用いた。ラットを断頭後、直ちに大脳皮質を摘出し、約10倍量の氷冷した0.32M蔗糖、5mM リン酸水素カリウム(pH7.4、4℃)溶液中でホモジナイザーを用いてホモジネートした。次いで、1,000×gで10分間遠心分離し、上清を20,000×gで15分間遠心分離し沈殿物を得た。この沈殿物を0.32M蔗糖緩衝液で懸濁洗浄し、20,000×gで再び15分間遠心分離し、残渣を回収した。得られた膜標品をナトリウム無添加のアッセイ用緩衝液(50mM HEPES、5.4mM KCl、0.8mM MgSO4、5.5mM グルコース、130mM 塩化コリン(pH7.4))に懸濁した。結合反応は、被検化合物、1μM テトロドトキシン(tetrodotoxin)、100μg/mL スコーピオントキシン(scorpion toxin)および 5nM [3H]バトラコトキシニン A20−α−ベンゾエート(batracotoxinin A20-α-benzoate)(34.0 Ci/mmol)を加えたアッセイ用緩衝液 0.2mLに、前記の膜標本懸濁液0.2mLを添加し、最終容量を0.4mLとし、37℃の恒温層中で1時間反応させた。反応液を直ちにCF/Bフィルター上へ吸引濾過し、洗浄液(5mM HEPES、1.8mM CaCl2、0.8mM MgSO4、130mM 塩化コリンおよび0.01%BSA(pH7.4,4℃))2mLで3回洗浄した。このフィルターにシンチレーターを4mL添加し、液体シンチレーションカウンターで計測した。非特異的結合を見るためには、0.3mMベラトリジン(veratridine)を添加した。
なお被検化合物は最終濃度が、0.03、0.1、0.3、1、3、10および30μMになるように加え、その阻害率からIC50値を求めた。
結果を以下に示す。
化合物 IC 50 (μM)
実施例1 0.22
実施例2 0.28
実施例3 0.26
実施例4 0.28
実施例5 0.52
実施例6 0.79
実施例17 0.32
実施例24 0.41
実施例25 0.34
実施例26 0.22
実施例27 0.20
実施例28 0.22
実施例29 0.21
実施例30 0.39
実施例31 0.49
実施例32 0.25
実施例33 0.31
実施例34 0.42
実施例40 0.16
実施例41 0.14
実施例42 0.16
参考例8 0.64
参考例10 0 . 47
これより、化合物(I)および(Ia)は、ナトリウムチャンネルに親和性を有することがわかる。
【0218】
【発明の効果】
本発明の化合物(I)および化合物(Ia)はナトリウムチャンネル、 特にサイト2(site 2)に対し高い親和性を示し、また毒性が低く、かつ、副作用も少ないため、ナトリウムチャンネル調節剤として作用し、中枢神経系の疾患や障害、 例えば虚血性の中枢神経障害、中枢損傷(例、頭部外傷、脊髄損傷、むちうち症等)、てんかん、神経変性疾患(例、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、糖尿病性神経症等)、血管性痴呆(例、多発梗塞性痴呆、ビンスワンガー病等)、躁鬱病、鬱病、精神分裂病、慢性疼痛、三叉神経痛、偏頭痛、脳浮腫などの予防、治療剤等として用いられる。さらに化合物(I)および化合物(Ia)は優れた抗酸化作用およびドーパミントランスポーター調節作用も有するため、上記疾患の他、虚血性の循環器疾患(例、心筋梗塞、狭心症等)、動脈硬化等の予防、治療剤としても有用である。
Claims (23)
- 式:
R3、R4およびR5はそれぞれ置換基を有していてもよい低級アルキルまたは置換基を有していてもよい低級アルコキシ、あるいはR4およびR5は一緒になって5または6員同素環を形成していてもよく、
R6は低級アルキル、
Arは置換基を有していてもよい芳香族基、
A環は置換基を有していてもよい5ないし8員含窒素複素環、
Xは置換基を有していてもよい低級アルキレン、
YはCH、
Zbは結合手または置換基を有していてもよく、かつ、酸素原子、窒素原子または硫黄原子を介していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、および
mは1ないし3の整数を示す〕で表される化合物またはその塩。 - R1およびR2がそれぞれ
(i)水素原子、
(ii)ハロゲン原子、C3-6シクロアルキル、C2-6アルキニル、C2-6アルケニル、C6-10アリール、C7-11アラルキル、C1-6アルコキシ、C6-10アリールオキシ、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、アミジノ、イミノ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、3ないし6員の環状アミノ、C1-3アルキレンジオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メルカプト、スルホ、スルフィノ、ホスホノ、スルファモイル、モノ−C1-6アルキルスルファモイル、ジ−C1-6アルキルスルファモイル、C1-6アルキルチオ、C6-10アリールチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C6-10アリールスルフィニル、C1-6アルキルスルホニルおよびC6-10アリールスルホニルから選ばれる置換基を1ないし5個有していてもよいC1-6アルキル、または
(iii)ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリール−C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−C1-6アルコキシ−カルボニル、C1-6アルキルスルホニル、C1-6アルキルを1ないし3個有していてもよいC6-10アリールスルホニルおよびC6-10アリール−C1-6アルキルスルホニルから選ばれるアシル;
R3、R4およびR5がそれぞれ
(i)ハロゲン原子、C3-6シクロアルキル、C2-6アルキニル、C2-6アルケニル、C6-10アリール、C7-11アラルキル、C1-6アルコキシ、C6-10アリールオキシ、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、アミジノ、イミノ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、3ないし6員の環状アミノ、C1-3アルキレンジオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メルカプト、スルホ、スルフィノ、ホスホノ、スルファモイル、モノ−C1-6アルキルスルファモイル、ジ−C1-6アルキルスルファモイル、C1-6アルキルチオ、C6-10アリールチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C6-10アリールスルフィニル、C1-6アルキルスルホニルおよびC6-10アリールスルホニルから選ばれる置換基を1ないし5個有していてもよいC1-6アルキル、または
(ii)ハロゲン原子、C3-6シクロアルキル、C2-6アルキニル、C2-6アルケニル、C6-10アリール、C7-11アラルキル、C1-6アルコキシ、C6-10アリールオキシ、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、アミジノ、イミノ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、3ないし6員の環状アミノ、C1-3アルキレンジオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メルカプト、スルホ、スルフィノ、ホスホノ、スルファモイル、モノ−C1-6アルキルスルファモイル、ジ−C1-6アルキルスルファモイル、C1-6アルキルチオ、C6-10アリールチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C6-10アリールスルフィニル、C1-6アルキルスルホニルおよびC6-10アリールスルホニルから選ばれる置換基を1ないし5個有していてもよいC1-6アルコキシ、
あるいはR4およびR5が隣接する2個の炭素原子と一緒になって、6員芳香族炭化水素環および5または6員シクロアルケンから選ばれる5または6員同素環を形成;
R6がC1-6アルキル;
Arがハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル−カルボニル、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、スルホ、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよい(i)C6-14アリールまたは(ii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基;
A環がハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル−カルボニル、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、スルホ、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、炭素原子および窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含んでいてもよい5ないし8員含窒素複素環;
Xがハロゲン原子、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-14アリール、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリールオキシおよびオキソから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1-6アルキレン;
R 7 が(1)水素原子または
(2)ハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、C1-6アルキル−カルボニル、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、モノ−C1-6アルキル−カルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、C6-10アリール−カルバモイル、スルホ、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールおよびC6-10アリールオキシから選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよい(i)C6-14アリールまたは(ii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし10員芳香族複素環基;
R10が(i)水素原子、
(ii)ハロゲン原子、C3-6シクロアルキル、C2-6アルキニル、C2-6アルケニル、C6-10アリール、C7-11アラルキル、C1-6アルコキシ、C6-10アリールオキシ、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C1-6アルキル−カルボニルオキシ、C6-10アリール−カルボニルオキシ、カルボキシル、C1-6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、アミジノ、イミノ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、3ないし6員の環状アミノ、C1-3アルキレンジオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メルカプト、スルホ、スルフィノ、ホスホノ、スルファモイル、モノ−C1-6アルキルスルファモイル、ジ−C1-6アルキルスルファモイル、C1-6アルキルチオ、C6-10アリールチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C6-10アリールスルフィニル、C1-6アルキルスルホニルおよびC6-10アリールスルホニルから選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C6-14アリールまたはC7-16アラルキル、または
(iii)ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリール−C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−C1-6アルコキシ−カルボニル、C1-6アルキルスルホニル、C1-6アルキルを1ないし3個有していてもよいC6-10アリールスルホニルおよびC6-10アリール−C1-6アルキルスルホニルから選ばれるアシル;および
Zbがハロゲン原子、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキルアミノ、C6-14アリール、C7-11アラルキル、C6-10アリールオキシ、オキソ、ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリール−C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C6-10アリール−C1-6アルコキシ−カルボニル、C1-6アルキルスルホニル、C1-6アルキルを1ないし3個有していてもよいC6-10アリールスルホニルおよびC6-10アリール−C1-6アルキルスルホニルから選ばれる置換基を1ないし5個それぞれ有していてもよい(i)C1-8アルキレン、(ii)C2-8アルケニレン、(iii)C2-8アルキニレンまたは(iv)式:−(CH2)p−M−(CH2)q− 〔式中、pおよびqはそれぞれ0ないし8の整数、かつp+qは1ないし8の整数、MはO、S、SO、SO2またはNR9(R9は水素原子、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-14アリール、C7-11アラルキル、ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル、C6-10アリール−カルボニル、C6-10アリール−C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、C1-10アリール−C1-6アルコキシ−カルボニル、C1-6アルキルスルホニル、C1-6アルキルを1ないし3個有していてもよいC6-10アリールスルホニルまたはC6-10アリール−C1-6アルキルスルホニルを示す)を示す〕で表される基である請求項1記載の化合物。 - R1およびR2がそれぞれ水素原子である請求項1記載の化合物。
- R3、R4およびR5がそれぞれC1-6アルキルである請求項1記載の化合物。
- R6がC1-6アルキルである請求項1記載の化合物。
- Arがハロゲン原子、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC6-14アリールである請求項1記載の化合物。
- A環が置換基を有していてもよい6員含窒素複素環である請求項1記載の化合物。
- Xがメチレンである請求項1記載の化合物。
- R7が置換基を有していてもよいC6-10アリールである請求項1記載の化合物。
- R10が水素原子である請求項1記載の化合物。
- Zbが結合手である請求項1記載の化合物。
- mが1である請求項1記載の化合物。
- R1およびR2がそれぞれ水素原子;R3、R4、R5およびR6がそれぞれC1-6アルキル;Arがハロゲン原子、メチレンジオキシ、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから選ばれる置換基1ないし3個を有していてもよいC6-10アリール;A環が6員含窒素複素環;Xがメチレン;
- 1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(−)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
(+)−1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−2,4,6,7−テトラメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミン、
1−[(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチルベンゾフラン−2−イル)メチル]−N−(ジフェニルメチル)−4−ピペリジンアミンまたはそれらの塩である請求項1記載の化合物。 - (i)式:
(ii)式:
(iii)式:
(iv)式:
- 請求項1記載の化合物を含有してなるナトリウムチャンネル調節剤。
- 2,3−ジヒドロ−7−イソプロピル−2,4,6−トリメチル−2−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)メチル]−5−ベンゾフランアミンまたはその塩を含有してなる請求項21記載の調節剤。
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