JP4158378B2 - 駆動力配分制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動力配分制御装置及び方法にかかり、特に、前輪及び後輪のうちいずれか一方を直接駆動輪とすると共に他方を副駆動輪とする四輪駆動車に備えられ、直接駆動輪と副駆動輪との回転速度差に基づいた駆動力を副駆動輪に伝達するよう駆動力配分制御クラッチの締結力を制御する駆動力配分制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両の前後輪のうちいずれか一方(例えば前輪)が直接駆動で、他方(例えば後輪)がトルク配分用クラッチを介して駆動力が伝達されることにより駆動するという副駆動輪である四輪駆動車が知られている。この場合に、トルク配分用クラッチは、電子制御可能なクラッチ等によって構成される駆動力配分器であって、この配分器のクラッチ締結力を駆動力配分制御装置が制御することにより、前輪と後輪との間の動力配分を調整するようになっている。例えば、特開昭61−157437号公報に開示されている。
【0003】
具体的には、上記のようなの駆動力配分制御装置は、前輪と後輪の回転速度差に応じ、エンジンよって直接的に駆動される駆動輪(FFベース車では前輪,FR車ベースでは後輪)と駆動力配分器を介してエンジンに接続された副駆動輪(FFベース車では後輪,FRベース車では前輪)との間の動力配分を調整するものである。そして、当該装置は、一般に、回転速度差が小さい場合にはクラッチの締結力を小さく、回転速度差が大きい場合には大きくとるよう制御することにより、前者の場合には副駆動輪へ少なめに、また、後者の場合には副駆動輪へ多めに駆動力が配分されるようになる。このように、四輪駆動側に駆動力配分を変更することで、直接駆動輪のスリップを防止するよう制御するというものである。
【0004】
しかし、上述した従来における制御装置は、回転速度差に対応してクラッチの締結力を制御するため、前後輪の回転速度差が生じている場合しか副駆動輪に駆動力が伝わらない。その結果、回転速度差が生じていない状況下では副駆動輪に駆動力が伝達されず、四輪駆動車として十分な牽引力を発揮できない。逆に、副駆動輪に駆動力配分されて四輪駆動の状態であるほど回転速度差が多いということになるが、かかる状態では、直接駆動輪側のスリップが大きくなり、その結果駆動力が低下してしまい、牽引力や旋回性能等で四輪駆動の性能を十分に発揮できないという問題が生じていた。
【0005】
そして、旋回性能を改善する方法としては、特開昭63−141831号公報に記載されているような装置がある。この装置は、まず、横加速度により路面状態を間接的に判定し、同時に旋回状態を判定する。そして、横加速度が大きい時はクラッチ締結力の増大割合を小さく、横加速度が小さい時はクラッチ締結力の増大割合を大きくすることにより、後輪が直接駆動輪である車両の旋回性能を向上させている。例えば、横加速度が大きい場含は、高μ路であるので、後輪の駆動力割含を増大させ、パワードリフト走行が行える。横加速度が小さい場含は低μ路の可能性があり、前輪へのトルク配分を増大させ、走行安定性を確保する。
【0006】
しかし、上記のような装置は、横加速度を検出するためのセンサが必要となり製造コストが増大するという不都合が生じる。特に、前輪が直接駆動輪である場含には、二輪駆動でアンダーステアである特性を四輪駆動でニュ一トラルステアに近づける程度の旋回特性の変化に留まり、このような車両ではパワードリフト走行は要求されない。したがって、特に前輪が直接駆動輪である車両においては、上記手法のメリットが少なく、より製造コストの面で不利となるという問題が生じていた。
【0007】
そこで、上述した問題を解決するために、前後輪の一方は直接駆動輪で、他方はトルク配分用クラッチを介して駆動力が伝達される副駆動輪である四輪駆動車において、少なくとも前後輪の回転速度差に基づく制御量(回転差成分)と、駆動トルクに基づく制御量(トルク成分)とを加算してトルク配分用クラッチの伝達トルクを算出し、この値に応じてクラッチの締結力を制御するようにすることが考えられる。このとき、上記前後輪の回転速度差を検出するにはABS用の車輪速センサの信号を用いて、左右の前輪車輪速の平均を前輪車輪速、左右の後輪車輪速の平均を後輪車輪速とし、それら平均値の差を前後輪の回転速度差としている。これにより、既存の装置を用いることにより、製造コストの低減を図ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように前後輪の回転速度差と駆動トルクとに基づく伝達トルクを算出して駆動力を配分制御する場合であっても、前輪あるいは後輪に備えられた車輪速センサのうち、左右いずれか一方に不都合が発生し、車輪速情報が得られない場合には、左右の車輪速の平均値は正常時の約半分となってしまい、実際には前後輪の回転差が無くても回転差が大きい場含の制御を実施してしまう。そして、高μ路では必要以上の伝達トルクとなるため燃費の悪化やクラッチの温度上昇といった問題が生じる。クラッチの伝達トルクを0とすれは上記問題はないが、四輪駆動車としての性能が全く発揮できないため、上記の問題はさらに顕著なものとなる。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、上記従来例の有する不都合を改善し、特に、四輪駆動車において四輪駆動としての性能を維持しつつ、副駆動輪に安定して適切な駆動力を配分することができる駆動力配分制御装置を提供することをその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、各車輪の回転速度を当該各車輪にそれぞれ備えられた回転速度検出手段からそれぞれ検出すると共に左右一対の車輪からなる直接駆動輪及び副駆動輪の各回転速度を算出する駆動輪回転速度算出手段と、各駆動輪の回転速度差を算出する回転速度差算出手段と、算出された回転速度差を参照して副駆動輪に伝達する伝達トルク値を算出する伝達トルク値算出手段と、算出された伝達トルク値に基づいて副駆動輪に所定の駆動力を伝達するようトルク配分制御クラッチの締結力を制御する配分制御手段とを備え、駆動輪回転速度算出手段が、各車輪の回転速度検出手段から検出した信号に基づいて当該回転速度検出手段の異常を検出する異常検出手段を備える駆動力配分制御装置において、
前記伝達トルク値算出手段は、算出された前記回転速度差に基づく回転差成分と駆動トルクに基づくトルク成分とを加算して伝達トルクを算出し、
前記異常検出手段は、いずれか一方の駆動輪の回転速度が他方の駆動輪の回転速度に対して約2分の1である場合に、前記一方の駆動輪を構成する左右一対の車輪のうち回転速度の低い車輪に備えられた前記回転速度検出手段が異常であると検出し、
前記駆動輪回転速度算出手段は、前記異常であると検出されない場合、前記駆動輪回転速度算出手段にて算出される前記直接駆動輪及び副駆動輪の各回転速度を、当該各駆動輪を構成する前記左右一対の各車輪の回転速度の平均値とする一方、前記異常であると検出された場合、その異常であると検出された回転速度検出手段に対応した車輪と対となる車輪の回転速度を、これら車輪から成る前記所定の駆動輪の回転速度とする回転速度補正手段を備えたという構成を採っている。
【0011】
このような構成にすることにより、まず、各車輪の回転速度が回転速度検出手段から検出される。そして、左右一対となる車輪の回転速度から直接駆動輪(例えば前輪)及び副駆動輪(例えば後輪)の回転速度が算出される。このとき、各車輪の回転速度検出手段から信号が検出できないというような場合には、当該車輪の回転速度検出手段自体が異常であると判断される。かかる場合には、異常の回転速度検出手段が備えられた車輪を含む直接駆動輪あるいは副駆動輪の回転速度を正確に算出できないため、その駆動輪の回転速度は、異常である回転速度検出手段に対応する車輪と対となる車輪の回転速度を参照して算出される。続いて、各駆動輪の差が回転速度差として算出される。このとき、回転速度差が所定の大きさを有する場合には、一方の駆動輪がスリップ等おこしていると考えられる。このため、この算出された回転速度差に応じて副駆動輪に加えられる伝達トルク値が算出される。その後、この伝達トルク値に基づいて駆動力の配分制御が行われる。
【0012】
従って、左右一対の車輪の各回転速度に基づいて直接駆動輪あるいは副駆動輪の回転速度を検出するような場合に、回転速度検出手段の故障などにより対となる車輪のうち一方の車輪の回転速度が検出できない場合であっても、他方の車輪の回転速度のみを用いて駆動輪の回転速度が算出されるため、正常に回転速度を検出できない車輪の回転速度の影響を軽減することができる。このため、かかる場合であっても、四輪駆動状態を維持することができ、車両の走行状態に対応した駆動力配分制御が実現できる。
【0013】
具体的には、回転速度補正手段は、異常であると検出された回転速度検出手段に対応した車輪と対となる車輪の回転速度を、これら車輪から成る所定の駆動輪の回転速度とする。また、異常であると検出されない場合にあっては、駆動輪回転速度算出手段にて算出される直接駆動輪及び副駆動輪の各回転速度を、当該各駆動輪を構成する左右一対の各車輪の回転速度の平均値とする。
【0014】
これにより、正常な回転速度が検出できない車輪と対となる車輪の回転速度を、そのまま駆動輪の回転速度とするため、演算が容易となると共に、車両の走行状態に対応した駆動力配分制御を維持することができる。
【0015】
異常検出手段は、いずれか一方の駆動輪の回転速度が他方の駆動輪の回転速度に対して約2分の1である場合に、一方の駆動輪を構成する左右一対の車輪のうち回転速度の低い車輪に備えられた回転速度検出手段が異常であると検出する手段である。
【0016】
これにより、駆動輪の回転速度を左右一対の車輪の回転速度の平均値とするときに、前後輪との回転速度差が約2分の1である場合は、いずれかの駆動輪のうちの一方の車輪から車速が検出できない状態であると思われるため、一対の車輪のうち回転速度の低い方である車輪を異常と判断する。従って、簡易な演算処理で、より確実かつ迅速に異常を検出することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図1乃至図8を参照して説明する。図1は、本発明である駆動力配分制御装置が備えられた四輪駆動車の構成を示すブロック図である。図2は、駆動力配分制御装置の構成を示す機能ブロック図である。図3は、駆動輪回転速度算出手段の一部の構成を示す機能ブロック図である。図4乃至図6は、装置全体の動作を示すフローチャートである。図7乃至図8は、制御装置内に記憶されていて、所定の演算処理に使用されるデータを表す図である。
【0019】
図1に示すように、本発明である駆動力配分制御装置1は、左右一対の車輪TF1,TF2,TR1,TR2からなる前輪TF1,TF2あるいは後輪TR1,TR2のうち、いずれか一方を直接駆動輪とすると共に他方を副駆動輪とする四輪駆動車に備えられている。ちなみに、本実施形態では、説明上前輪を直接駆動輪TF1,TF2とし、後輪を副駆動輪TR1,TR2とする。すなわち、四輪駆動車は、FFベースの車両であるものとする。但し、これに限定されず、上記の逆、すなわち、後輪を直接駆動輪、前輪を副駆動輪とするFRベース車であってもよい。そして、直接駆動輪TF1,TF2と副駆動輪TR1,TR2との回転速度差に応じた駆動力を副駆動輪TR1,TR2に伝達するよう配分制御するというものである。以下、これを詳述する。
【0020】
(四輪駆動車)
四輪駆動車は、一般的な四輪駆動車が有する構成を採っている。例えば、図1に示すように、前輪TF1,TF2側にエンジンEを備えていて、当該前輪TF1,TF2が直接駆動輪となっている。そして、このエンジンEからの駆動力がドライブシャフトを介して後輪TR1,TR2に伝達されるが、ドライブシャフト上には電磁式のトルク配分制御クラッチTCが備えられている。このトルク配分制御クラッチTCの締結力は、上述した駆動力配分制御装置1にて制御され、後輪に伝達されるトルク値を調節することができる。
【0021】
また、各車輪TF1,TF2,TR1,TR2には、当該車輪の回転速度を検出する車輪速センサ(回転速度検出手段)21,22,23,24が備えられている。
【0022】
そして、上述した駆動力配分制御装置1が、上記エンジンEや車輪速センサ21等からの所定の信号を検出したり、トルク配分制御クラッチTCの締結力を制御する信号を出力している。従って、所定の信号を検出したり出力することができるよう、駆動力配分制御装置1には種々の信号線が接続されている。具体的に、制御装置1に入力される信号としては、上記車輪速センサ21等から車輪速信号、エンジンEからはエンジン回転速度信号及びスロットル開度信号である。また、当該制御装置1から出力される信号は、後述するように、これら入力信号やあらかじめ記憶されている所定のデータに基づいて算出されたトルク配分制御クラッチTCの締結力制御値制御値に応じた制御信号である。
【0023】
ここで、車輪速センサ21等はABS用のものと共用であって、エンジン回転信号はエンジン・コントロールユニット(ECU)からメータ一用に出力されており、スロットル開度もオートマチックトランスミッション(AT)用にECUから出力されたものを使用する。従って、新たに追加するセンサ類は無いため、製造コストの低減を図ることができる。
【0024】
(駆動力配分制御装置)
駆動力配分制御装置1は、各車輪TF1,TF2,TR1,TR2の回転速度を当該各車輪にそれぞれ備えられた回転速度検出手段(車輪速センサ)21等からそれぞれ検出すると共に左右一対の車輪からなる直接駆動輪TF1,TF2及び副駆動輪TR1,TR2の各回転速度を算出する駆動輪回転速度算出手段11と、直接駆動輪と副駆動輪との回転速度差を算出する回転速度差算出手段12と、算出された回転速度差を参照して副駆動輪TR1,TR2に伝達する伝達トルク値を算出する伝達トルク値算出手段13と、算出された伝達トルク値に基づいて副駆動輪TR1,TR2に所定の駆動力を伝達するようトルク配分制御クラッチTCの締結力を制御する配分制御手段14とを備えている。
【0025】
ここで、駆動力配分制御装置1は、所定の演算処理能力を有する演算部(CPU)と、所定の記憶容量を有する記憶部(メモリ)とを備えている。そして、上述した各手段は、当該各手段用プログラムがあらかじめメモリに記憶されていて、これらプログラムがCPUに組み込まれることにより、実現することができる。すなわち、当該CPUが各手段として作動するようになる。
【0026】
(駆動輪回転速度算出手段)
駆動輪回転速度算出手段11は、基本動作として、4つの車輪TF1,TF2,TR1,TR2にそれぞれ備えられた車輪速センサ21,22,23,24から、各車輪の回転速度を検出するよう作動する。そして、具体的には、駆動輪回転速度算出手段11は、上記検出した各車輪の回転速度信号を用いて前輪(直接駆動輪)TF1,TF2の回転速度と、後輪(副駆動輪)TR1,TR2の回転速度とを検出する手段をそれぞれ備えている(前輪車速平均値算出手段11A、後輪車速平均値算出手段11B)。すなわち、各手段11A,11Bにて、左右一対の車輪から成る各駆動輪の回転速度が算出される。従って、前輪車速平均値算出手段11Aには、左前輪車輪速信号と右前輪車輪速信号とが入力され、後輪速平均値算出手段11Bには、後輪の左右の車輪速信号が入力される。そして、具体的には、左右の車輪の回転速度の平均値を算出して、この平均値を、各駆動輪の回転速度とする。
【0027】
ここで、駆動輪回転速度算出手段11の前輪に関する部分について図3を参照して説明する。この図に示すように、駆動輪回転速度算出手段11は、各車輪TF1,TF2の車輪速センサ21,22から検出した信号に基づいて当該車輪速センサ21,22の異常を検出する異常検出手段(右前輪用11Aa、左前輪用11Ab)と、異常であると検出された車速センサに対応する車輪と対となる車輪の回転速度を参照してこれらの車輪から成る所定の駆動輪の回転速度を算出する回転速度補正手段(図示せず)とを備えている。ここでは、回転速度補正手段は、各車輪速平均値算出手段11A,11Bに含まれているものとする。ちなみに、後輪用の異常検出手段も図示しないが、前輪用のものと同様に作用する。
【0028】
異常検出手段11Aa,11Abは、車速センサ21,22から右前車輪TF1と左前車輪TF2の車輪速信号を読み取る。このとき、車輪速信号には、車輪の回転速度に関する信号や、当該センサ21,22が正常に作動していることを表す信号、さらには、異常が発生した旨を表す信号などが含まれる。そして、異常検出手段11Aaは、例えば、右前車輪TF1に備えられた車輪速センサ21にて出力された車輪速信号から異常が発生した旨の信号を読み取ったときには、かかる信号を出力した車輪速センサ21を故障と判断する。あるいは、正常である旨の信号が一定時間途絶えたときに当該車速センサ21を故障と判断してもよい。
【0029】
そして、異常検出手段11Aaにて車輪速センサ21の異常を検出する方法は、以下のようであってもよい。まず、左右前輪の車輪速を検出し、前輪の平均回転速度を算出する。続いて、後輪車速平均値算出手段11Bから後述するようにまだ補正していない(フェールセーフしていない)後輪車速平均値を読み取る。そして、これらの比を算出して、いずれか一方の駆動輪(例えば、前輪)の回転速度が他方の駆動輪(例えば、後輪)の回転速度に対して約2分の1である場合には、一方の駆動輪(前輪)を構成する左右一対の車輪TF1,TF2のうち回転速度の低い車輪、あるいは、車輪速センサからの検出値がほぼ零である車輪に備えられている車輪速センサ(回転速度検出手段)を異常であると検出する。このようにすることで、より確実に車輪速センサの異常を検出することができる。ちなみに、上記処理は、車輪の回転速度が所定の速度以上のときにのみ作動してもよい。これにより、車両走行時にのみ上記処理が実行される。そして、上述のようにして検出された車輪速センサ21等の異常は、異常検出手段11Aa,11Abから前輪車輪速平均値算出手段11Aに出力される。
【0030】
前輪車輪速平均値算出手段11Aは、上述したように左右前輪車輪速信号を取り込み、これらの平均値を算出するが、異常検出手段11Aa,11Abから車輪速センサが異常である旨の信号を受け取った場合には、当該前輪車輪速平均値算出手段11Aに形成されている回転速度補正手段(図示せず)が作動する。
【0031】
回転速度補正手段は、異常検出手段11Aaにて車輪速センサ21が異常であると検出された場合に、このセンサ21の測定対象である車輪TF1と対となる車輪TF2の回転速度を、これら車輪TF1,TF2から成る直接駆動輪(前輪)の回転速度とする。これは、上述したように、左右一対の車輪にて構成される駆動輪の回転速度は、各車輪の回転速度の平均値が用いられるが、一方の車輪の車輪速が零となると、その平均値は車輪が正常時のほぼ半分となってしまう。従って、当該手段にて、ある車輪速センサが異常であると判断された場合に、対となる車輪速センサが備えられている車輪の回転速度を、そのまま駆動輪の回転速度とする。これにより、駆動輪の回転速度をほぼ実際の値に設定することができる。
【0032】
(回転速度差算出手段)
上記前輪及び後輪の車輪速平均値算出手段11A,11Bにて算出された前輪及び後輪の各回転速度は、回転速度差算出手段12に入力される。そして、回転速度差算出手段12では、その差分(回転速度差)が算出される。算出された回転速度差は、回転差成分算出手段13Aに出力される。
【0033】
(伝達トルク値算出手段)
また、伝達トルク値算出手段13は、副駆動輪に伝達される伝達トルクのうち、上述したように算出された駆動輪の回転速度差に対応したトルク量(回転差成分)を算出する回転差成分算出手段13Aと、同様に、副駆動輪に伝達される伝達トルクのうち、現在の車両における駆動トルク値に対応したトルク量(トルク成分)を算出するトルク成分算出手段13Bとを備えている。そして、伝達トルク値算出手段13は、上記各手段13A,Bにて算出された各伝達トルク成分を加算して配分制御手段14に渡す。これら各手段13A,13Bにて、回転差成分及びトルク成分を算出する手法は後述する。また、上記駆動トルク値は、車両に備えられたエンジンEからの信号であるスロットル開度や、エンジン回転数等から算出される(駆動トルク演算手段15)。これについても後述する。
【0034】
その後、配分制御手段14が、伝達トルク値に基づいてトルク配分制御クラッチTCに配分制御信号を出力し、当該クラッチTCの締結力を制御する。
【0035】
(動作)
次に、本実施形態における駆動力配分制御装置1の動作について、図4乃至図6を参照して説明する。図4,5は、全体の流れを示すフローチャートである。図6は、前輪の回転速度の算出処理を示すフローチャートである。図7は、駆動力配分制御装置1内に記憶されたトルク成分算出時に用いられるデータである。図7(a)はエンジントルクマップを、図7(b)は駆動トルクテーブルデータを、図7(c)は前輪車速テーブルデータを示す図である。図8は、駆動力配分制御装置1内に記憶された回転差成分算出時に用いられるデータである。図8(a)は基本回転差成分テーブルデータを、図8(b)は回転差成分補正係数テーブルデータを示す図である。
【0036】
まず、駆動力配分制御装置1は、各種センサからの種々の信号の取り込みを行う(ステップS101)。具体的には、エンジンEから検出されたスロットル開度信号が駆動トルク演算手段15内のエンジントルク算出手段15Aに、同様にエンジンEから検出されたエンジン回転速度が、駆動トルク演算手段15内の減速比算出手段15Bとエンジントルク算出手段15Aとに取り込まれる。また、各車輪TF1,TF2,TR1,TR2に備えられた車輪速センサ21,22,23,24からそれぞれの車輪速信号が駆動輪回転速度算出手段11に取り込まれる。そして、これら車輪速信号は、駆動輪回転速度算出手段11内の異常検出手段11Aa,11Ab(前後輪の左右輪用それぞれを含む)、車輪速平均値算出手段11A,11Bにもそれぞれ取り込まれる。
【0037】
続いて、前輪車速平均値算出手段11A及び後輪車速平均値算出手段11Bにて、前輪の回転速度(右前車輪TF1と左前車輪TF2の車輪速の平均)と後輪の回転速度(右後車輪TR1と左後車輪TR2の車輪速の平均)が計算される(ステップS102,S103)。このとき、上述したように、車輪速センサ21等の異常が検出された場合の処理については、図6を参照して後述する。
【0038】
続いて、ステップS104〜S109では、四輪駆動車の現在の走行状態における駆動トルクに基づいた副駆動輪TR1,TR2に配分されるトルク配分量(トルク成分)があらかじめ用意されているデータを参照して算出される。但し、かかる処理は公知の技術であるため、その説明は簡単に行う。ここで、あらかじめ用意されているデータは、駆動力配分制御装置1内に備えられている所定の記憶媒体(メモリ)に記憶されている。そのデータの内容は、図7(a)に示すエンジン回転速度とスロットル開度に対応したエンジントルクとして予め設定しておいたデータ(エンジントルクマップ)、図7(b)に示す駆動トルクに対応したトルク配分クラッチTCの伝達トルクとして予め設定しておいたデータ(駆動トルクテーブルデータ)、図7(c)に示すトルク成分を車速に応じて増量又は減量するための補正係数であって、前輪車速(直接駆動輪が後輪である場合には後輪車速)に応じて予め設定したデータ(前輪車速テーブルデータ)、である。
【0039】
ステップS104では、エンジントルク算出手段15Aにて、エンジントルクマップから、実際に検出されたエンジン回転速度及びスロットル開度がマッチングされることにより、エンジントルクが検索され、現在のエンジントルクが推定される。この推定されたエンジントルク値は制御装置1内の所定のメモリ(RAMなど)に一時的に保持される。ちなみに、各ステップにて使用されるパラメータや、算出された値なども同様に、RAMなどに一時的に保持される。
【0040】
ステップS105では、減速比算出手段15Bにて、エンジン回転速度と前輪車輪速との比からトランスミッションでの減速比が算出される。その後、上記エンジントルク算出手段15Aからはエンジントルク値が、減速比算出手段15Bからは減速比が、それぞれ駆動トルク算出手段15Cに出力される。
【0041】
そして、ステップS106では、駆動トルク算出手段15Cにて、上述したように算出されたエンジントルクと減速比とが乗算されて、駆動トルクが算出される。算出された駆動トルクは、トルク成分算出手段13Bに出力される。
【0042】
ステップS107では、トルク成分算出手段13Bにて、上述した駆動トルクテーブルデータから基本トルク成分が検索される。基本トルク成分マップは、図7(b)に示すように、基本トルク成分が駆動トルクに略比例するように設定し、この値により後輪へのトルク配分を能動的に行うことができる。具体的には、駆動トルクが零付近では一定値をとり、当該駆動トルクが所定の値以上になると、基本トルク成分が増加するというデータである。
【0043】
このとき、トルク成分はエンジントルクと減速比を乗算して算出した駆動トルクに対応した値となるため、変速等によって駆動力が変化してもトルク配分の比は常に略一定とすることができる。すなわち、低速段では駆動トルクが大きくなるが、これに対応して基本トルク成分も大きい値となり、一方、高速段では駆動トルクが小さくなると共に、これに対応して基本トルク成分も小さい値となる(図7(b)の駆動トルクテーブルデータ参照)ため、駆動トルクの増減と共に副駆動輪に伝達される基本トルク成分も増減し、その割合は略一定となる。従って、例えば、高速段では減速比が小さくなるため駆動トルクも小さくなるが、これに伴ってトルク配分クラッチの伝達トルク(基本トルク成分)も小さくなるため、高速走行時に伝達トルクが過剰となることが抑制され、高速走行時の燃費の改善を図ることができる。
【0044】
ステップS108では、上述のようにして算出された基本トルク成分を車速に応じて増量又は減量するための補正係数が、前輪車速テーブルから検索されて求められる。このとき、トルク成分算出手段13Bには、前輪車速平均値算出手段11Aから、前輪の回転速度信号が入力されているため、かかる値を参照してトルク成分補正係数を決定することができる。この補正によって、車速に応じて副駆動輪に伝達されるトルク配分を変えることにより、高速域では後輪へのトルク配分を少なくしステア特性をアンダーステア傾向にして安定性を高めたり、極低速域では後輪へのトルク配分を少なくしてタイトコーナーブレーキ現象を緩和するために用いる。
【0045】
そして、ステップS109では、基本トルク成分に上記トルク成分補正係数が乗算され、この値がトルク配分制御クラッチTCにて副駆動輪(後輪)に伝達される伝達トルクのトルク成分とされる。
【0046】
続いて、ステップS110〜S113では、四輪駆動車の現在の走行状態における前輪と後輪との回転速度差に基づいた副駆動輪TR1,TR2に配分されるトルク配分量(回転差成分)があらかじめ用意されているデータを参照して算出される。ここで、あらかじめ用意されているデータは、駆動力配分制御装置1内に備えられている所定の記憶媒体(メモリ)に記憶されている。そのデータの内容は、図8(a)に示す前輪後輪の回転速度差に対応したトルク配分クラッチの伝達トルクとして予め設定しておいたデータ(基本回転差成分テーブルデータ)、図8(b)に示す回転差成分を車速に応じて増量又は減量するための補正係数を前輪車速に応じて予め設定したデータ(回転差成分補正係数テーブルデータ)、である。
【0047】
ステップS110では、回転速度差算出手段12にて、前輪TF1,TF2の回転速度と後輪TR1,TR2の回転速度との差から、トルク配分クラッチの相対回転速度(回転差)が計算される。具体的には、ディファレンシャルギア等のギア比を考慮した係数kをかけることで、回転差が算出できる。この算出された回転速度差は、回転差成分算出手段13Aに出力される。
【0048】
ステップS111では、回転差成分算出手段13Aにて、上述した基本回転差成分テーブルデータから、基本回転差成分が検索される。この基本回転差成分は、回転差(回転速度差)の絶対値が大きくなるほど伝達トルクが大きくなるようにあらかじめ設定されている。このようにすることで、例えば、前輪のスリップが発生した場合にスリップが過剰とならないように作動し、受動的に動作する。エンジンブレーキ時には、回転差が負になる場含があるので、当該回転差が負の場含の伝達トルクも設定されている。
【0049】
ステップS112では、回転差成分補正係数テーブルデータから、現在の前輪車輪速に対応した回転差成分補正係数が検索されて求められる。このとき、回転差成分補正係数は、前輪車輪速に基づいて検索されるが、当該前輪車輪速信号は前輪車速平均値算出手段11Aから回転差成分算出手段13Aに入力されるため、かかる検索を実行することができる。この係数は、上述のトルク成分補正係数と同様に、高速域で後輪へのトルク配分を少なくしステア特性をアンダーステア傾向にして安定性を高めるために用いる。そして、ステップ113では、基本回転差成分に回転差成分補正係数を乗算し、トルク配分クラッチ伝達トルクの回転差成分とされる。
【0050】
このようにして算出された副駆動輪に伝達されるトルク値であるトルク成分と回転差成分とは、その後、伝達トルク値算出手段13にて加算され、トルク配分クラッチの伝達トルク値として算出される(ステップS114)。そして、算出した伝達トルクがトルク配分制御クラッチにて発生するよう、当該トルク配分制御クラッチの締結力を制御する配分制御信号が、配分制御手段にて当該クラッチに出力される(ステップS115)。トルク成分と回転差成分を加算することにより、四輪ともグリツプして前後輪の回転差が少ない場合でも、駆動トルクで決定されるトルク配分で後輪にトルクを伝達できるので応答性が良くステア特性を任意に設定でき、さらに回転差が生じた場合には回転差成分が加算されるので、過剰な前輪の空転を防止でき車両の安定性が増す。
【0051】
次に、上述した図4に示すステップS102及びステップS103における前輪及び後輪の回転速度を算出する手順を、図6のフローチャートを参照して詳細に説明する。図6は、かかるステップの詳細な動作を示すフローチャートである。
【0052】
まず、ステップS201では、前輪の車速平均値算出手段11Aにて、左前輪の回転速度(VFL)と右前輪の回転速度(VFR)との平均値(VFave)が計算される。また、ステップS202では、後輪の車速平均値算出手段11Bにて左後輪の回転速度(VRL)と右後輪の回転速度(VRR)との平均値(VRave)が計算される。そして、後輪の車輪速度(平均値)が前輪用の異常検出手段11Aa,11Abに入力され、この異常検出手段11Aa,11Abにて前輪の回転速度の平均値(VFave)と、後輪の回転速度の平均値(VRave)の1/2との差の絶対値が、所定の閾値未満かどうかが判断される(ステップS203)。このとき用いられる前輪の回転速度の平均値は、異常検出手段11Aa,11Abに入力された左右前輪の車輪速信号から、異常検出手段11Aa,11Ab当該算出されたものである。また、上記閾値は、例えばほぼ零に近い値である。但し、閾値はほぼ零に限定されない。
【0053】
そして、ステップS203にて、上述のように算出された値が閾値以下であると判断された場合とは、左右一対の車輪から成る前輪(後輪)のうち、左右いずれか一方の車輪に備えられた車輪速検出センサからの出力がほぼ零の場合である。かかる場合には、車輪速検出センサが異常である可能性あると判断され、ステップS204へ進む。逆に、所定の閾値以上の場含には、正常と判断してステップS208へ進む。
【0054】
ステップS204では、右前輪の車輪速(VFR)が0であるかどうかの判断が行われる。このとき、0の場合は右前輪の車輪速(VFR)の値が異常であると判断され、ステップS206へ進む。0でない場含はステップS205へ進む。
【0055】
ステップ205では、左前輪の車輪速(VFL)が0であるかどうかの判断が行われる。0の場合は左前輪の車輪速(VFL)の値が異常であると判断しステップS207へ進む。0でない場含は右前輪も左前輪も正常であると判断してステップ208へ進む。そして、どの車輪速検出センサが異常であるかあるいは全て正常であるかの情報は、各異常検出手段(図示しない後輪用も含む)11Aa,11Baから、前輪(後輪)車輪速平均値算出手段11A,11Bに出力される。
【0056】
そして、ステップS206では、右前輪の車輪速(VFR)の値が異常であると判断されているので、前輪の回転速度である左右一対の車輪速の平均値の代わりに、左前輪の車輪速(VFL)が用いられる。同様に、ステップS207では左前輪の車輪速(VFL)の値が異常であると判断されているので、前輪の回転速度である左右一対の車輪速の平均値の代わりに、右前輪の車輪速(VFR)が用いられる。また、ステップS208では右前輪も左前輪も正常であると判断されているので、計算した平均値(VFave)がそのまま用いられる。これらの処理は、前輪(後輪)車速平均値算出手段11A,11Bにて実行される。ちなみに、説明は省略するが同様の手法により後輪車輪速の平均値も計算される。
【0057】
ここで、上述したように、前輪及び後輪の回転速度の算出後(ステップS201,S202の後)には、図示しないが、いずれか一方の回転速度があらかじめ定められた所定の値以上であるか否かが判断されてもよい。これは、車両が停止していないか否かを判断するためのものである。従って、上述したような処理は、車両走行中にのみ一定の間隔毎に繰り返し実行される。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、左右一対の車輪から成る前輪と後輪との回転速度差に基づいて副駆動輪に加えられる伝達トルク値を算出して駆動力の配分制御を行う場合に、左右のいずれか一方の車輪から回転速度を検出することができない状態であっても、その車輪を含む前輪あるいは後輪の回転速度を、正常に検出することができる他方の車輪の回転速度に置き換えることにより、現在の車両の走行状態に応じた伝達トルク値を算出することができるため、正常に回転速度を検出できない車輪の回転速度の影響を軽減して、四輪駆動状態を維持することができると共に、副駆動輪に安定して適切な駆動力を配分することができるという従来にない優れた効果を有する。
【0059】
特に、前輪及び後輪の回転速度を左右一対の車輪の平均回転速度とする場合には、正常に回転速度を検出することができる一方の車輪の回転速度を前輪あるいは後輪の回転速度とするため、前後輪の回転速度差を、左右の車輪の回転速度が正常に検出できる場合と比較してもほぼ変化なく算出することができ、副駆動輪に安定して駆動力を配分することができると共に、適切な駆動力配分状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である駆動力配分制御装置が備えられた四輪駆動車の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態における構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図2に開示した駆動輪回転速度算出手段の一部の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態における動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態における動作であって、図4に示す動作の続きを示すフローチャートである。
【図6】図5に示す動作の一部であって、その詳細な動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は、駆動力配分制御装置内に記憶されたトルク成分算出時に用いられるデータである。図7(a)はエンジントルクマップを、図7(b)は駆動トルクテーブルデータを、図7(c)は前輪車速テーブルデータを示す図である。
【図8】図8は、駆動力配分制御装置内に記憶された回転差成分算出時に用いられるデータである。図8(a)は基本回転差成分テーブルデータを、図8(b)は回転差成分補正係数テーブルデータを示す図である。
【符号の説明】
1 駆動力配分制御装置
11 駆動輪回転速度算出手段
12 回転速度差算出手段
13 伝達トルク値算出手段
14 配分制御手段
11Aa 異常検出手段(右前輪用)
11Ab 異常検出手段(左前輪用)
Claims (1)
- 左右一対の車輪からなる前輪あるいは後輪のうち、いずれか一方を直接駆動輪とすると共に他方を副駆動輪とする四輪駆動車に備えられ、所定の駆動力を前記副駆動輪に伝達するようトルク配分制御クラッチの締結力を制御する駆動力配分制御装置であって、
前記各車輪の回転速度を当該各車輪にそれぞれ備えられた回転速度検出手段からそれぞれ検出すると共に左右一対の車輪からなる前記直接駆動輪及び副駆動輪の各回転速度を算出する駆動輪回転速度算出手段と、前記各駆動輪の回転速度差を算出する回転速度差算出手段と、算出された前記回転速度差を参照して前記副駆動輪に伝達する伝達トルク値を算出する伝達トルク値算出手段と、算出された前記伝達トルク値に基づいて前記副駆動輪に所定の駆動力を伝達するよう前記トルク配分制御クラッチの締結力を制御する配分制御手段とを備え、
前記駆動輪回転速度算出手段が、前記各車輪の回転速度検出手段から検出した信号に基づいて当該回転速度検出手段の異常を検出する異常検出手段を備える駆動力配分制御装置において、
前記伝達トルク値算出手段は、算出された前記回転速度差に基づく回転差成分と駆動トルクに基づくトルク成分とを加算して伝達トルクを算出し、
前記異常検出手段は、いずれか一方の駆動輪の回転速度が他方の駆動輪の回転速度に対して約2分の1である場合に、前記一方の駆動輪を構成する左右一対の車輪のうち回転速度の低い車輪に備えられた前記回転速度検出手段が異常であると検出し、
前記駆動輪回転速度算出手段は、前記異常であると検出されない場合、前記駆動輪回転速度算出手段にて算出される前記直接駆動輪及び副駆動輪の各回転速度を、当該各駆動輪を構成する前記左右一対の各車輪の回転速度の平均値とする一方、前記異常であると検出された場合、その異常であると検出された回転速度検出手段に対応した車輪と対となる車輪の回転速度を、これら車輪から成る前記所定の駆動輪の回転速度とする回転速度補正手段を備えたことを特徴とする駆動力配分制御装置。
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