JP4155100B2 - 二次電池の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラミネートフィルムのような薄く軽量な外装用フィルムにより構成される外装体をもつ二次電池について、コンディショニング時に発生するガスを簡便に抜くことができる二次電池の製造方法に関し、詳しくは、ガス抜き時に使用したガス抜き孔から液漏れ等が発生することを防止できる二次電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の小型化に伴い、これらの情報関連機器、通信機器の分野に用いる電源として、リチウム二次電池などのエネルギー密度の高い二次電池が実用化され広く普及している。一方で、自動車の分野においても、環境問題、資源問題から電気自動車の開発が急がれており、この電気自動車用の電源としても種々の二次電池が検討されている。
【0003】
上述の携帯用機器、自動車等の分野において用いられる二次電池は少しでもエネルギー密度が高いことが望ましく、電池反応に本質的に関係のない電池ケース等の軽量化が試行されている。代表的な二次電池としては硬直で質量の大きい電池ケースに代えて、薄くて軽量な可撓性をもつ外装用フィルムを用いる二次電池がある。
【0004】
ところで、リチウム二次電池等の二次電池ではコンディショニングや、時間の経過によって発電要素からガスが発生することがある。発生したガスは可撓性のある外装体を膨張させるので、二次電池内部から除去することが好ましい。
【0005】
従来のガス抜き方法は発電要素を封入する薄くて軽量な外装体の接合部の一部に外装体内部と連通し且つ外部とは連通しない未接合部を設け、初期充電終了後に未接合部にガス抜き孔を設けてガス抜きをした後に、この未接合部を接合する方法が開示されている(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−353497号公報
【特許文献2】
特開2001−325926号公報 (請求項1、図1等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術の方法ではコンディショニング終了後、未接合部を接合するときにしわが発生することがあり、発生したしわをトンネルとしてガス抜き孔から電解液が漏れたり電池内部に水分が混入したりするおそれがあった。
【0008】
また、ガス抜き工程時に外装体の内圧が高くなると、外装体の未接合部から接合部が剥離するおそれがあった。例えば、未接合部が剥離することを利用して二次電池の内圧が高くなった場合のガス排出を目指した電池が開示されている(特許文献2)。
【0009】
上記課題に鑑み本発明では、コンディショニング等に伴うガス抜きを確実に行えるとともにガス抜き後の密閉性を充分に担保できる二次電池の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決する目的で本発明者らは鋭意研究を行い、しわの発生原因を精査した結果、二次電池内に発生したガスによる内圧上昇で未接合部に大きな膨張や変形が生じ、未接合部を接合するときに元通りの形態に戻らないことが一因であることを見出した。また、未接合部の膨張に伴い、未接合部の周辺で応力が集中することによって、接合部の一部が剥離することがわかった。そこで、未接合部の膨張を抑え且つ応力集中を緩和する方法として、外装体の内圧が高い場合に、未接合部の厚みを規制することに想到した。すなわち、本発明の二次電池の製造方法は、外装用フィルムで発電要素を包み、内部と連通し且つ外部から隔離されている未接合部を残し、該外装用フィルムの開口部を接合して外装体の内部に該発電要素を封入する封入工程と、
該発電要素のコンディショニングを行うコンディショニング工程と、
該未接合部の厚みを所定厚み以下に拘束しながら、該未接合部にガス抜き孔を開けて該外装体の内部と外部とを連通させるガス抜き工程と、
該未接合部を接合して該ガス抜き孔を塞いで再び該発電要素を該外装体内に封入する再封止工程とを有することを特徴とする。
【0011】
つまり、ガス抜き孔を形成する未接合部を設け、少なくともガス抜き工程時にその未接合部の厚みを所定厚み以下に拘束することで、しわ発生の大きな原因である未接合部の膨張及び変形を抑えている。また、付随的な効果として未接合部の厚みを規制することにより電池内部のガスを加圧できガス抜き孔からのガス抜き速度を向上できる。未接合部は外装用フィルムの接合とともに簡単に形成できる。
【0012】
更に前記コンディショニング工程は、前記未接合部の厚みを前記所定厚み以下に拘束しながら行う工程であることが望ましい。二次電池内部におけるガス発生は概ね二次電池のコンディショニング工程において発生しているのでガス発生当初から未接合部の厚みを規制することで、しわ発生の大きな原因である未接合部の膨張乃至は変形をより確実に抑制できる。
【0013】
そして更に、前記未接合部とともに前記発電要素を包んでいる部分の厚みについても第2所定厚み以下に拘束することが望ましい。未接合部以外の部分についても外装体の膨張による応力集中によって外装用フィルムの剥離等が起こる可能性があるからである。また、未接合部以外の部分についても厚みを規制することで電池内部のガスを加圧することができ、未接合部に設けるガス抜き孔を大きくしなくてもガス抜き工程時に速やかにガス抜きを行うことが可能となる。
【0014】
好ましい前記所定厚みとしては前記外装用フィルムの厚みの4倍から20倍の間である。また、拘束の方法は厚み方向に狭持することで拘束する拘束治具により行われることが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の二次電池の製造方法が適用できる二次電池は、可撓性をもつ外装用フィルムからなる外装体を備える電池である。可撓性をもつ外装用フィルムとしてはアルミラミネートフィルム等のラミネートフィルム、プラスチック製フィルム等が挙げられる。これら外装用フィルムにより二次電池の発電要素を包むことで外装体を構成する。これら外装用フィルムは熱溶着や超音波溶着により容易に接着できるとともに、気密性、低水分透過性に優れたものであることが望ましい。
【0016】
二次電池の発電要素としてリチウム二次電池を例として詳細に説明する。リチウム電池は正極及び負極をセパレータを介して重畳或いは巻回したものである。セパレータに代えて固体電解質を用いることもできる。リチウム二次電池は非水電池であり製造時に混入した水分が反応することでガスが発生する。また、電解液中に含まれる有機溶媒の蒸発や、電池製造後のコンディショニングにおける電極反応でガスが発生することもある。
【0017】
正極は、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる正極活物質に導電材および結着材を混合し、必要に応じ適当な溶媒を加えて、ペースト状の正極合材としたものを、アルミニウム等の金属箔製の集電体表面に塗布、乾燥し、その後プレスによって活物質密度を高めることによって形成する。
【0018】
正極活物質にはリチウム遷移金属複合酸化物等の公知の正極活物質を用いることができる。リチウム遷移金属複合酸化物は、その電気抵抗が低く、リチウムイオンの拡散性能に優れ、高い充放電効率と良好な充放電サイクル特性とが得られるため、本正極活物質に好ましい材料である。たとえばリチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物や、各々にLi、Al、そしてCr等の遷移金属を添加または置換した材料等である。なお、これらのリチウム−金属複合酸化物を正極活物質として用いる場合には単独で用いるばかりでなくこれらを複数種類混合して用いることもできる。
【0019】
導電材は、正極の電気伝導性を確保するためのものであり、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質粉状体の1種または2種以上を混合したものを用いることができる。結着材は、活物質粒子および導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものでポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。これら活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
【0020】
負極については、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出する負極活物質を用いることができれば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。たとえば、リチウム金属、グラファイト又は非晶質炭素等の炭素材料等である。そのなかでも特に炭素材料を用いることが好ましい。比表面積が比較的大きくでき、リチウムの吸蔵、放出速度が速いため大電流での充放電特性、出力・回生密度に対して良好となる。特に、出力・回生密度のバランスを考慮すると、充放電に伴ない電圧変化の比較的大きい炭素材料を使用することが好ましい。中でも結晶性の高い天然黒鉛や人造黒鉛などからなるものを用いることが好ましい。このような結晶性の高い炭素材を用いることにより、負極のリチウムイオンの受け渡し効率を向上させることができる。
【0021】
このように負極活物質として炭素材料を用いた場合には、これに必要に応じて正極で説明したような導電材および結着材を混合して得られた負極合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
【0022】
電解液は、有機溶媒に電解質を溶解させたものである。電解液に代えてゲル電解質を採用することもできる。ゲル電解質はフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(p(VdF−HFP))等の高分子を後述する電解液に分散させたものが採用できる。p(VdF−HFP)は電解液に分散することでゲル化する。
【0023】
有機溶媒は、通常リチウム二次電池の電解液に用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではない。例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、テトラヒドロフラン等及びそれらの混合溶媒が適当である。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの高誘電率の主溶媒と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの低粘性の副溶媒との混合有機溶媒が好ましい。また、副溶媒として、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン及びブチルラクトンなどを用いてもよい。
【0024】
電解質は、その種類が特に限定されるものではないが、LiPF6、LiBF4、LiClO4およびLiAsF6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF3)2、LiN(SO3CF3)2、LiN(SO2C2F5)2およびLiN(SO2CF3)(SO2C4F9)から選ばれる有機塩、並びにその有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが好ましい。
【0025】
これらの電解質の使用により、電池性能をさらに優れたものとすることができ、かつその電池性能を室温以外の温度域においてもさらに高く維持することができる。電解質の濃度についても特に限定されるものではなく、用途に応じ、電解質および有機溶媒の種類を考慮して適切に選択することが好ましい。
【0026】
セパレータは、正極および負極を電気的に絶縁し、電解液を保持する役割を果たすものである。たとえば、多孔性合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)の多孔膜を用いればよい。なおセパレータは、正極と負極との絶縁を担保するため、正極および負極よりもさらに大きいものとするのが好ましい。
【0027】
〔二次電池の製造方法〕
本実施形態の二次電池の製造方法は封入工程とガス抜き工程と再封止工程と必要に応じてなされるその他の工程とを有する。
【0028】
(封入工程)
封入工程は外装体に発電要素を封入する工程である。発電要素の製造方法は上述したような一般的な方法が採用できる。発電要素は本封入工程前に製造しておく。なお、液体の電解液を採用した場合については本封入工程の途中に外装体の内部に電解液を注入することができる。
【0029】
外装体は発電要素を外装体の外部から隔離する部材である。一般的に発電要素は水分等に弱いので雰囲気中の水分を外装体内に透過させないように外装体は水分透過性の低い材料で構成されることが好ましい。そして外装体には、外装体の内部と連通し且つ外部から隔離されている未接合部をもつ。
【0030】
発電要素を外装体中に封入する方法としては発電要素を外装用フィルムで包んだ後に開口部を超音波溶着や熱溶着することで密閉された外装体を得ることができる。例えば、あらかじめ袋状に形成した外装用フィルム中に発電要素を挿入した後に開口部を接合して塞ぐ方法、折り返した外装用フィルムにて発電要素を挟んだ後に開口する三方の開口部を接合して塞ぐ方法がある。
【0031】
未接合部は開口部を超音波溶着等する際に同時に設けることが好ましい。例えば、超音波を照射するホーンや熱溶着を行う際の型の未接合部に相当する部分について、未接合部に当接しないような形状を形成することで超音波溶接等の操作によって簡単に未接合部を設けることができる。また、発電要素を包み込む前に、あらかじめ外装用フィルムの外周の一部を接合して袋状に加工する際に未接合部を形成する方法がある。
【0032】
未接合部の形状は特に限定しない。例えば、矩形、半円形、L字型等が挙げられる。未接合部の大きさはある程度大きいことがガス抜きの容易さの観点からは好ましい。例えば未接合部の形状が矩形である場合を例に説明すると、長さ(接合部の内縁部からの距離)や幅が小さいとガスが抜けると同時に電解液を巻き込みガス抜き孔から電解液が漏出するおそれがある。小さい幅で未接合部を形成すれば未接合部の膨張を小さくできしわの発生率を低下できるが、ガス抜き効率の低下や、ガス抜き時に電解液がガス抜き孔から漏出するおそれがある。具体的には未接合部の大きさは長さが2〜10mm程度、幅が5〜30mm程度とすることが好ましい。また、外装体における未接合部を設ける部位についても特に限定しない。
【0033】
(コンディショニング工程)
コンディショニングは発電要素に対して充放電を数サイクル繰り返すことで行うことができる。コンディショニングによって二次電池からガスが発生するおそれがある。
【0034】
コンディショニング工程を行う際には後述するガス抜き工程時と同様に未接合部の厚み等を所定厚み以下に拘束することが好ましい。コンディショニング工程ではガスが発生するので、未接合部等の厚みを拘束せずに外装体を膨張させると、接合部の剥がれや再封止工程時のしわの発生等の不都合が生じる可能性があるからである。更に外装体の未接合部以外の部位についても厚みを後述する第2所定厚み以下に拘束することが好ましい。
【0035】
(ガス抜き工程)
ガス抜き工程は外装体の内部に発生したガスを抜く工程である。ガス抜きは未接合部にガス抜き孔を形成し、外装体の内部と外部とを連通させることで行う。なお、適用する二次電池の電解質が液体である場合には、内部の電解液が漏れないように、ガス抜き孔を形成する位置が上方になるように調節しながら本工程を行う。
【0036】
ガス抜き孔は所定の部位に針を通すこと等の方法にて行うことができる。ガス抜き孔を形成する部位は特に限定しないが、発電要素から最遠部が望ましい。ガス抜き孔の形成は未接合部を形成する2枚の外装用フィルムの片方のみであっても両方であってもどちらでもよい。ガス抜き孔の大きさは特に限定しないが、直径0.5mm〜2.0mm程度である。
【0037】
ガス抜き孔の形成は、未接合部の厚みを所定厚み以下に拘束しながら行う。未接合部の厚みを規制することで、後の再封止工程において未接合部の部分へのしわ発生及び未接合部における接合部分の剥がれが抑制できる。所定厚みとしては外装フィルムの厚みの4倍から20倍の間とすることが好ましく、4倍から10倍の間とすることが更に好ましい。
【0038】
更に、未接合部とともに発電要素を包んでいる部分の厚みについても一定の厚み(第2所定厚み)以下に拘束することが好ましい。外装体の発電要素を包んでいる部分についても拘束することで外装用フィルムの剥離を抑制できるとともに、外装体を加圧することにもなってガス抜きが速やかにできる。第2所定厚みとしては外装用フィルムと発電要素との厚みを加えた厚み程度とすることがより好ましい。
【0039】
更に、外装用フィルムの接合部分についても拘束することが好ましい。拘束の程度は外装用フィルムを加圧する程度が好ましく、外装フィルムの1.5〜2.0倍程度の厚みとすることがより好ましい。
【0040】
未接合部等の厚みを規制する方法としては特に限定しない。例えば、未接合部等を厚み方向に狭持することで拘束する拘束治具により行うことができる。拘束治具の一例を図1に示す。発電要素50を厚み方向から拘束治具10及び20により狭持することで未接合部及びそれ以外の外装体の部位について厚みを規制できる。
【0041】
ガスをより速やかに抜くために、ガス抜き孔を形成した後、真空雰囲気とすることが好ましい。外装体の全体を真空雰囲気とすることで外装体の内部に発生乃至は残存したガスを除去することができる。
【0042】
(再封止工程)
再封止工程は未接合部を接合してガス抜き孔を塞いで再び発電要素を外装体内に封入する工程である。ガス抜き孔を塞ぐ方法としては封入工程において外装用フィルムの開口部を接合した方法がそのまま使用可能である。
【0043】
ガス抜き孔を塞ぐ際には未接合部の厚みを規制することは特に必須ではない。外装体内部のガスが抜け内圧が低くなっているので未接合部が膨張することがなく、その後に熱溶着や超音波溶着を行ってもしわが発生しないからである。例えばガス抜き工程を前述の拘束治具を用いて行った場合に、再封止工程は拘束治具から取り出して行うことができる。
【0044】
未接合部を塞いだ後に未接合部が形成された近傍を適正な大きさに切除することもできる。なお、適用する二次電池の電解質が液体である場合には、内部の電解液が漏れないように、ガス抜き孔を形成する位置が上方になるように調節しながら本工程を行う。
【0045】
〔作用効果〕
上述の構成をもつことから本実施形態の二次電池の製造方法は以下の作用効果をもつ。まず、封入工程において発電要素を外装体の内部に封入でき、発電要素への外部雰囲気の影響(水分等による影響)がなくなる。
【0046】
封入工程後に行うコンディショニング工程や、内部に混入した水分の反応によって、発電要素からガスが発生し外装体を膨張させる。ここで、あらかじめ未接合部やそれ以外の外装体の厚みを規制しておくことで接合部の剥がれ等を防止できる。
【0047】
ガス抜き工程では未接合部の厚みを所定厚み以下に拘束しながらガス抜き孔を未接合部に形成することでしわの発生を抑えながら外装体内部のガスを除去できる。同時に、未接合部以外の外装体の厚みを規制したり、雰囲気を真空雰囲気とすることによっても速やか且つ確実に外装体内からガスを除去することができる。ガス抜き孔は小さく且つガス抜き工程時には外装体の内圧が高いので、外装体内が外部から汚染(水分の混入等)されるおそれも少ない。その後、未接合部を接合することで、外装体の内外は完全に隔離できる。
【0048】
【実施例】
以下に、図1及び2に基づきながら本発明の二次電池を製造する方法を詳細に説明する。
【0049】
(封入工程)
平面状の外装用フィルムを折り曲げ、発電要素52を挟み込んだ後に、三方511を熱溶着にて接合した。外装用フィルムの厚みは0.1mmであった。
【0050】
まず、外装用フィルムを折り曲げた方向と垂直方向の両端511を接合し、内部に発電要素52を包んだ外装用フィルム51を形成した後、外装用フィルム51内に電解液を注入した。
【0051】
その後、残った一辺511は未接合部512を残しながら接合した。なお、発電要素52は外装体の外部と電気的に接合された正負の外部端子をもつが図面上では省略してある。
【0052】
(コンディショニング工程)
二次電池50について、拘束治具10、20の間に狭持しながら二次電池50のコンディショニングを行った。未接合部512を狭持する部分の拘束治具10、20間の隙間の厚みtは2mmであり外装用フィルムの厚みの20倍であった。また、拘束治具10、20の未接合部512を狭持する部位には未接合部512の厚み方向に設けられた貫通孔11、21をもつ。形成された貫通孔11、21の大きさは直径0.8mmであった。コンディショニングは、10Aの電流密度で3.0〜4.2V間で5サイクル充放電することによって行った。
【0053】
(ガス抜き工程)
貫通孔11、21に針(直径0.5mm)を貫通させることで未接合部512にガス抜き孔を形成した。電解液がガス抜き孔から漏れないように、針の貫通は、未接合部512を発電要素52より相対的に上方となるようにして行った。以下の再封止工程においても同様に未接合部512が相対的に上方になるようにして行った。
【0054】
未接合部512以外の外装体50の部分(外装体本体513))は発電要素52の厚みに外装用フィルムの厚みを加えた程度の厚みになるまで拘束治具10、20の間に狭持した。外装体内のガスは外装体本体の厚みが規制されているのでガス抜き孔から速やかに排出された。また、接合部511は拘束治具10、20の間に狭持することで加圧した。
【0055】
(再封止工程)
二次電池50を拘束治具10、20の間から取り出した後、未接合部512を熱溶着により接合した。外装体51の内外は完全に隔離できた。その後、外装体51のうち、未接合部512を設けた部分の接合部分が長いので短くするために一部を切断した。
【0056】
(作用効果)
ガス抜き工程時に未接合部512の厚みを規制したために、外装体51内部で発生したガスによる未接合部512の膨張が最小限に抑制できた。その結果、後の再封止工程における未接合部512の接合時のしわ発生が抑制できたとともに、外装体51の接合部511の剥離も抑制できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例における封入工程後の二次電池を示した概略図である。
【図2】本実施例におけるコンディショニング工程及びガス抜き工程を示した概略図である。
【符号の説明】
10、20…拘束治具
11、21…貫通孔
50…二次電池
51…外装体(外装用フィルム) 511…接合部 512…未接合部
52…発電要素
Claims (5)
- 外装用フィルムで発電要素を包み、内部と連通し且つ外部から隔離されている未接合部を残し、該外装用フィルムの開口部を接合して外装体の内部に該発電要素を封入する封入工程と、
該発電要素のコンディショニングを行うコンディショニング工程と、
該未接合部の厚みを所定厚み以下に拘束しながら、該未接合部にガス抜き孔を開けて該外装体の内部と外部とを連通させるガス抜き工程と、
該未接合部を接合して該ガス抜き孔を塞いで再び該発電要素を該外装体内に封入する再封止工程とを有することを特徴とする二次電池の製造方法。 - 前記コンディショニング工程は、前記未接合部の厚みを前記所定厚み以下に拘束しながら行う工程である請求項1に記載の二次電池の製造方法。
- 前記未接合部とともに前記発電要素を包んでいる部分の厚みについても第2所定厚み以下に拘束する請求項1又は2に記載の二次電池の製造方法。
- 前記所定厚みは前記外装用フィルムの厚みの4倍から20倍の間である請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
- 前記拘束は厚み方向に狭持することで拘束する拘束治具により行われる請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
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