本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、製品コストの低減等を図ることが可能なR、G、B及びW(透明)の各色を用いたマルチギャップ構造を有する半透過反射型の液晶装置及びその製造方法並びに電子機器を提供することを課題とする。
本発明の他の観点では、Wの色に対応する表示画素及び前記Wの色とは異なる1色に対応する表示画素を有し、前記1色に対応する前記表示画素は透過領域及び反射領域を備えると共に、前記Wの前記表示画素は透過領域のみ備える液晶装置において、基板と、前記基板に対向して配置されてなる対向基板と、前記基板又は前記対向基板の前記1色に対応する前記表示画素に備えられてなる着色層と、前記基板又は前記対向基板に設けられてなり、前記1色に対応する前記表示画素の前記反射領域及び前記Wの前記透過領域に備えられてなるセル厚調整層と、前記基板と前記対向基板に挟持されてなり、前記1色に対応する前記表示画素の前記透過領域に対応する厚さが、前記セル厚調整層の厚さに応じて、前記1色に対応する前記表示画素の前記反射領域に対応する厚さより厚い液晶層と、を備えることを特徴とする。
上記の液晶装置の他の態様では、少なくともWの色に対応する表示画素及び前記Wの色とは異なる1色に対応する表示画素を有し、前記1色に対応する前記表示画素及び前記Wの前記表示画素は、各々透過領域及び反射領域を備える液晶装置において、基板と、前記基板に対向して配置されてなる対向基板と、前記基板又は前記対向基板の前記1色に対応する前記表示画素に備えられてなる着色層と、前記基板又は前記対向基板に設けられてなると共に、前記1色に対応する前記表示画素の少なくとも前記反射領域、前記Wの前記表示画素の前記透過領域及び前記Wの前記表示画素の前記反射領域に備えられ、前記Wの前記表示画素の前記反射領域における厚さが前記Wの前記表示画素の前記透過領域における厚さよりも厚いセル厚調整層と、前記基板と前記対向基板に挟持されてなり、前記1色に対応する前記表示画素及び前記Wの前記表示画素の前記透過領域に対応する厚さが、前記セル厚調整層の厚さに応じて、前記1色に対応する前記表示画素及び前記Wの前記表示画素の前記反射領域に対応する厚さよりも厚い液晶層と、を備えることを特徴とする。
上記の液晶装置の他の態様では、前記1色に対応する前記表示画素及び前記Wの前記表示画素には、各々同一の材料からなる前記セル厚調整層が設けられていることを特徴とする。
上記の液晶装置の他の態様では、前記1色に対応する前記表示画素の前記反射領域に設けられた前記セル厚調整層の厚さは、前記Wの前記表示画素の前記透過領域に設けられた前記セル厚調整層の厚さと同一の厚さに設定されていることを特徴とする。
上記の液晶装置の他の態様では、前記1色に対応する前記表示画素の前記透過領域に対応する前記液晶層の厚さは、前記Wの前記透過領域に対応する前記液晶層の厚さと同一の厚さに設定されていることを特徴とする。
上記の液晶装置の他の態様では、前記透過領域に対応する前記着色層の厚さは、前記反射領域に対応する前記着色層の厚さより厚いことを特徴とする。
上記の液晶装置の他の態様では、前記基板及び前記対向基板のいずれか一方の前記反射領域に対応する位置には、光を反射する機能を有する反射層が設けられていることを特徴とする。
本発明の1つの観点では、R、G、B及びWの各色に対応する複数の表示画素を有する液晶装置は、基板と、前記基板に液晶層を介して対向配置された対向基板と、を備え、前記R、G、Bの前記表示画素は各々透過領域及び反射領域を有すると共に、前記Wの前記表示画素は透過領域のみ有し、前記R、G、Bの前記透過領域に対応する前記液晶層の厚さは、前記R、G、Bの前記反射領域に対応する前記液晶層の厚さより大きく設定されており、前記R、G、Bの前記反射領域及び前記Wの前記透過領域には、セル厚調整層が設けられている。
上記の液晶装置は、R、G、B及びWの各色に対応する複数の表示画素を有し、さらに、基板と、その基板に液晶層を介して対向配置された対向基板と、を備えて構成される。
そして、R、G、Bの表示画素は各々透過型表示を行う透過領域、及び反射型表示を行う反射領域を有する一方、Wの表示画素は透過型表示を行う透過領域のみ有する。このため、R、G、B及びWの各色に対応する表示画素を有する半透過反射型の液晶装置を構成している。
また、この液晶装置では、R、G、Bの各透過領域に対応する液晶層の厚さは、R、G、Bの各反射領域に対応する液晶層の厚さより大きく設定されており、透過領域と反射領域とで最適な光学特性に設定された構造、いわゆるマルチギャップ構造を有する。
ここで、一般的に、R、G、B及びWの各色に対応する表示画素を有する液晶装置では、R、G、Bの各表示画素に、Wの表示画素を付加することで、高輝度及び高コントラストを実現している。ところで、Wの表示画素には色材がないため、R、G、Bの透過領域に対応する液晶層の厚さ(セル厚)と、Wの表示画素の透過領域に対応する液晶層の厚さ(セル厚)とを同一に設定するためには、Wの表示画素に対応する位置にセル厚調整用の透明樹脂層を設ける必要がある。また、マルチギャップ構造を有する半透過反射型の電気光学装置では、通常、透過領域と反射領域とで光学特性を均一にするために、反射領域にマルチギャップ用の樹脂層が形成されており、透過領域に対応する液晶層の厚さが、反射領域に対応する液晶層の厚さよりも大きく設定されている。
このようなマルチギャップ構造を有する半透過反射型の液晶装置において、R、G、B及びWの各色に対応する表示画素を有するように構成した場合(以下、比較例と呼ぶ)には、Wの表示画素に対応する位置にセル厚調整用の透明樹脂層と、その透明樹脂層と異なる材料からなるマルチギャップ用の樹脂層をR、G、Bの各表示画素の各反射領域に別々に設ける必要があり、その分だけ工程が増加し、これに起因して液晶装置の製品コストが増加してしまう。
この点、上記の液晶装置では、特に、R、G、Bの反射領域、及び、Wの透過領域には、例えば、透明性を有する樹脂材料などよりなるセル厚調整層が設けられている。ここで、Wに対応する表示画素は、赤み、青み、黄色味がかっていても良く、また、いわゆるCIE色度図において、(x,y)=(0.3〜0.4、0.3〜0.4)の範囲に入っているのが好ましい。
好適な例では、前記R、G、Bの前記反射領域及び前記Wの前記透過領域には、各々同一の材料からなるセル厚調整層が設けられているのが好ましい。つまり、この液晶装置の製造過程において、R、G、Bの反射領域に設けられるセル厚調整層と、Wの透過領域に設けられるセル厚調整層とは、同一の工程により同一の材料により同時に形成されている。これにより、R、G、Bの各表示画素に対応する位置にマルチギャップ構造を、また、Wの表示画素にセル厚調整用のセル厚調整層を夫々同時に形成することができる。その結果、比較例と比較して工程の削減を図ることができ、これにより液晶装置の製品コストを低減できる。
本発明の他の観点では、R、G、B及びWの各色に対応する複数の表示画素を有する液晶装置は、基板と、前記基板に液晶層を介して対向配置された対向基板と、を備え、前記R、G、B及びWの前記表示画素は各々透過領域及び反射領域を有し、前記R、G、Bの少なくとも前記反射領域、前記Wの前記透過領域及び前記Wの反射領域には、セル厚調整層が設けられるとともに、前記Wの前記反射領域における前記セル厚調整層の厚さは、前記Wの前記透過領域における前記セル厚調整層の厚さよりも厚く、前記R、G、B及びWの前記透過領域に対応する前記液晶層の厚さは、前記セル厚調整層の厚さに応じて、前記R、G、Bの前記反射領域に対応する前記液晶層の厚さより厚く設定されている。
上記の液晶装置は、R、G、B及びWの各色に対応する表示画素を有し、さらに、その基板に液晶層を介して対向配置された対向基板と、を備えて構成される。そして、R、G、B及びWの表示画素は各々透過領域及び反射領域を有している。このため、R、G、B及びWの各色に対応する表示画素を有する半透過反射型の電気光学装置を構成している。
また、この液晶装置では、特に、R、G、Bの少なくとも反射領域、Wの透過領域及びWの反射領域にはセル厚調整層が設けられており、さらに、Wの反射領域におけるセル厚調整層の厚さは、Wの透過領域におけるセル厚調整層の厚さよりも厚く、R、G、B及びWの透過領域に対応する液晶層の厚さは、セル厚調整層の厚さに応じて、R、G、Bの反射領域に対応する液晶層の厚さより厚く設定されている。ここで、Wに対応する表示画素は、赤み、青み、黄色味がかっていても良く、また、いわゆるCIE色度図において、(x,y)=(0.3〜0.4、0.3〜0.4)の範囲に入っているのが好ましい。
好適な例では、前記R、G、B及びWの前記反射領域及び前記透過領域には、各々同一の材料からなるセル厚調整層が設けられているのが好ましい。つまり、この液晶装置の製造過程において、R、G、Bの少なくとも反射領域(又は反射領域及び透過領域の両方)に設けられるセル厚調整層と、Wの透過領域及び反射領域に設けられるセル厚調整層とは、同一の工程により同一の材料により同時に形成されている。これにより、この液晶装置の製造過程において、R、G、B及びWの各表示画素に対応する位置にマルチギャップ構造を夫々同時に形成することができる。その結果、上記の比較例と比較して工程の削減を図ることができ、これにより液晶装置の製品コストを低減できる。
上記の液晶装置の一つの態様では、前記R、G、Bの前記反射領域に設けられた前記セル厚調整層の厚さは、前記透明の前記透過領域に設けられた前記セル厚調整層の厚さと同一の大きさに設定されているのが好ましい。
上記の液晶装置の他の態様では、前記R、G、Bの前記透過領域に対応する前記液晶層の厚さは、前記Wの前記透過領域に対応する前記液晶層の厚さと同一の大きさに設定されている。これにより、R、G、Bの各透過領域と、Wの透過領域とで適切な光学特性に設定することができる。
上記の液晶装置の他の態様では、前記R、G、Bの前記表示画素に対応する位置には、R、G、Bに対応する着色層が各々設けられており、前記透過領域に対応する前記R、G、Bの前記着色層の厚さは、前記R、G、Bの前記反射領域に設けられた前記着色層の厚さより厚い。
この態様では、R、G、Bの各表示画素に対応する位置には、R、G、Bに対応する着色層が各々設けられている。そして、透過領域に対応するR、G、Bの着色層の厚さは、R、G、Bの反射領域に設けられた着色層の厚さより厚い。これにより、R、G、Bの各反射領域と、R、G、Bの各透過領域とで適切な光学特性に設定することができる。好適な例では、透過領域に対応するR、G、Bの各着色層の厚さは、R、G、Bの各反射領域に設けられた着色層の厚さの約2倍程度とすることができる。
上記の液晶装置の他の態様では、前記基板及び前記対向基板のいずれか一方の前記反射領域に対応する位置には、光を反射する機能を有する反射層が設けられている。これにより、反射領域において反射型表示を行うことができる。
本発明の他の観点では、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素及びWの色に対応する表示画素を有する液晶装置は、基板と、前記基板に液晶層を介して対向配置された対向基板と、を備え、前記1色に対応する前記表示画素又は前記複数色に対応する前記複数の表示画素は各々透過領域及び反射領域を有すると共に、前記Wの前記表示画素は透過領域のみ有し、前記1色に対応する前記表示画素又は前記複数色に対応する前記複数の表示画素の前記透過領域に対応する前記液晶層の厚さは、前記1色に対応する前記表示画素又は前記複数色に対応する前記複数の表示画素の前記反射領域に対応する前記液晶層の厚さより大きく設定されており、前記1色に対応する前記表示画素又は前記複数色に対応する前記複数の表示画素の前記反射領域及び前記Wの前記透過領域には、セル厚調整層が設けられている。
上記の液晶装置は、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素、及びWの色に対応する複数の表示画素を有し、さらに、基板と、その基板に液晶層を介して対向配置された対向基板と、を備えて構成される。
そして、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素は、各々透過型表示を行う透過領域、及び反射型表示を行う反射領域を有する一方、Wの表示画素は透過型表示を行う透過領域のみ有する。このため、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素及びWの色に対応する表示画素を有する半透過反射型の液晶装置を構成している。
また、この液晶装置では、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素の各透過領域に対応する液晶層の厚さは、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素の各反射領域に対応する液晶層の厚さより大きく設定されており、透過領域と反射領域とで最適な光学特性に設定された構造、いわゆるマルチギャップ構造を有する。
特に、この液晶装置では、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素の反射領域、及び、Wの透過領域には、例えば、透明性を有する樹脂材料などよりなるセル厚調整層が設けられている。ここで、Wに対応する表示画素は、赤み、青み、黄色味がかっていても良く、また、いわゆるCIE色度図において、(x,y)=(0.3〜0.4、0.3〜0.4)の範囲に入っているのが好ましい。
つまり、この液晶装置の製造過程において、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素の各反射領域に設けられるセル厚調整層と、Wの透過領域に設けられるセル厚調整層とは、同一の工程により同一の材料により同時に形成されている。これにより、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素に対応する位置にマルチギャップ構造を、また、Wの表示画素にセル厚調整用のセル厚調整層を夫々同時に形成することができる。その結果、上記の比較例と比較して工程の削減を図ることができ、これにより液晶装置の製品コストを低減できる。
本発明の他の観点では、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素及びWの色に対応する表示画素を有する液晶装置は、基板と、前記基板に液晶層を介して対向配置された対向基板と、を備え、前記1色に対応する前記表示画素又は前記複数色に対応する前記複数の表示画素及びWの前記表示画素は各々透過領域及び反射領域を有し、前記1色に対応する前記表示画素又は前記複数色に対応する前記複数の表示画素の少なくとも前記反射領域、前記Wの前記透過領域及び前記Wの反射領域には、セル厚調整層が設けられるとともに、前記Wの前記反射領域における前記セル厚調整層の厚さは、前記Wの前記透過領域における前記セル厚調整層の厚さよりも厚く、前記1色に対応する前記表示画素又は前記複数色に対応する前記複数の表示画素の前記透過領域及びWの前記透過領域の各々に対応する前記液晶層の厚さは、前記セル厚調整層の厚さに応じて、前記1色に対応する前記表示画素又は前記複数色に対応する前記複数の表示画素の前記反射領域の各々に対応する前記液晶層の厚さより厚く設定されている。
上記の液晶装置は、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素、及びWの色に対応する表示画素を有し、さらに、その基板に液晶層を介して対向配置された対向基板と、を備えて構成される。そして、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素及びWの表示画素は各々透過領域及び反射領域を有している。このため、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素及びWの色に対応する表示画素を有する半透過反射型の電気光学装置を構成している。
また、この液晶装置では、特に、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素の少なくとも反射領域、Wの透過領域及びWの反射領域にはセル厚調整層が設けられており、さらに、Wの反射領域におけるセル厚調整層の厚さは、Wの透過領域におけるセル厚調整層の厚さよりも厚く、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素の各透過領域及びWの透過領域の各々に対応する液晶層の厚さは、セル厚調整層の厚さに応じて、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素の反射領域の各々に対応する液晶層の厚さより厚く設定されている。ここで、Wに対応する表示画素は、赤み、青み、黄色味がかっていても良く、また、いわゆるCIE色度図において、(x,y)=(0.3〜0.4、0.3〜0.4)の範囲に入っているのが好ましい。
つまり、この液晶装置の製造過程において、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素の少なくとも反射領域(又は反射領域及び透過領域の両方)に設けられるセル厚調整層と、Wの透過領域及び反射領域に設けられるセル厚調整層とは、同一の工程により同一の材料により同時に形成されている。これにより、この液晶装置の製造過程において、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素及びWの表示画素に対応する位置にマルチギャップ構造を夫々同時に形成することができる。その結果、上記の比較例と比較して工程の削減を図ることができ、これにより液晶装置の製品コストを低減できる。
また、上記の液晶装置を表示部として備える電子機器を構成することができる。
本発明の他の観点では、少なくともWに対応する表示画素及び前記Wの色とは異なる1色に対応する表示画素を有し、前記1色に対応する前記表示画素は透過領域及び反射領域を備えると共に、前記Wの前記表示画素は少なくとも透過領域を備え、前記1色に対応する前記表示画素の前記透過領域に対応する液晶層の厚さが、前記1色に対応する前記表示画素の前記反射領域に対応する液晶層の厚さより厚く設定された液晶装置の製造方法であって、基材上において、前記1色に対応する前記表示画素に、着色層を形成する着色層形成工程と、前記基材上において、前記1色に対応する前記表示画素の前記反射領域及び前記Wの前記表示画素の前記透過領域に、透明材料からなるセル厚調整層を同時に形成するセル厚調整層形成工程と、を備えることを特徴とする。
上記の液晶装置の製造方法の一つの態様では、前記Wの前記表示画素は、前記反射領域を備えていないことを特徴とする。
上記の液晶装置の製造方法の一つの態様では、前記Wの前記表示画素は、反射領域を備え、前記Wの前記表示画素の前記透過領域に対応する液晶層の厚さは、前記Wの前記表示画素の前記反射領域に対応する液晶層の厚さより厚く、前記セル厚調整層形成工程は、前記基材上において、前記1色に対応する前記表示画素の前記反射領域、前記Wの前記表示画素の前記透過領域及び前記反射領域に、前記セル厚調整層を同時に形成することを特徴とする。
上記の液晶装置の製造方法の一つの態様では、前記着色層形成工程は、前記反射領域に位置する前記着色層に開口を形成することを特徴とする。
前記セル厚調整層形成工程は、前記セル厚調整層を前記着色層と同一の厚さに形成することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載の液晶装置の製造方法。
上記の液晶装置の製造方法の一つの態様では、前記セル厚調整層形成工程は、前記Wの前記表示画素及び前記1色に対応する前記表示画素の前記着色層上にレジストを塗布するレジスト塗布工程と、光を完全に透過する完全露光領域及び前記光を完全に遮光する完全遮光領域を含む第1マスクを通じて前記レジストに対して1回露光した後、現像及びエッチング処理を施す第1露光工程と、前記レジスト塗布工程を再び実施した後に、前記完全露光領域及び前記完全遮光領域を含み、前記第1マスクと構成の異なる第2マスクを通じて前記レジストに対して1回露光した後、現像及びエッチング処理を施す第2露光工程と、を含む層厚調整工程を有し、前記層厚調整工程は、少なくとも前記Wの前記透過領域に設けられた前記セル厚調整層と、前記1色に対応する前記表示画素の前記透過領域における前記着色層の厚さと、を同一に設定することを特徴とする。
上記の液晶装置の製造方法の一つの態様では、前記セル厚調整層形成工程は、前記Wの前記表示画素及び前記1色に対応する前記表示画素の前記着色層上にレジストを塗布するレジスト塗布工程と、光を完全に透過する完全露光領域、前記光を完全に遮光する完全遮光領域及び半透過膜よりなるハーフトーン露光領域を含むマスクを通じて前記レジストに対して少なくとも1回露光した後に、現像及びエッチング処理を施すハーフトーン露光工程と、を含む層厚調整工程を有し、前記層厚調整工程は、少なくとも前記Wの前記透過領域に設けられた前記セル厚調整層と、前記1色に対応する前記表示画素の前記透過領域における前記着色層の厚さと、を同一に設定することを特徴とする。
上記の液晶装置の製造方法の一つの態様では、前記着色層形成工程と、前記セル厚調整層形成工程と、の間に、前記1色に対応する前記表示画素の前記着色層上に保護膜を形成する保護膜形成工程を有し、前記セル厚調整層形成工程は、前記Wの前記表示画素及び前記1色に対応する前記表示画素の前記反射表示領域における前記保護膜上に前記セル厚調整層を形成し、前記層厚調整工程は、少なくとも前記Wの前記透過領域に設けられた前記セル厚調整層と、前記1色に対応する前記表示画素の前記透過領域における前記着色層の厚さと、を同一に設定することを特徴とする。
上記の液晶装置の製造方法の一つの態様では、前記着色層形成工程の前工程として、前記基材上において、前記反射領域に反射層を形成する反射層形成工程を有することを特徴とする。
本発明の他の観点では、R、G、Bの各色にそれぞれ対応する複数の表示画素内に透過領域及び反射領域を有すると共に、Wに対応する表示画素内に透過領域のみ有し、且つ、前記R、G、Bの前記透過領域に対応する液晶層の厚さが、前記R、G、Bの前記反射領域に対応する液晶層の厚さより大きく設定された液晶装置の製造方法は、基材上において、前記R、G、Bの前記各色に対応する前記表示画素が形成されるべき領域に、前記R、G、Bの前記各色を有する着色層を形成する着色層形成工程と、前記基材上において、前記R、G、Bの前記反射領域及び前記Wの前記透過領域が形成されるべき領域に、透明材料からなるセル厚調整層を同時に形成するセル厚調整層形成工程と、を備える。
上記の液晶装置の製造方法は、R、G、Bの各色にそれぞれ対応する表示画素内に透過領域及び反射領域を有すると共に、Wに対応する表示画素内に透過領域のみ有し、且つ、R、G、Bの透過領域に対応する液晶層の厚さが、R、G、Bの前記反射領域に対応する液晶層の厚さより大きく設定されたマルチギャップ構造を有する液晶装置の製造方法である。
この液晶装置の製造方法は、まず、着色層形成工程により、ガラスや石英などの材料よりなる基材上において、R、G、Bの各色にそれぞれ対応する複数の表示画素が形成されるべき領域に、R、G、Bの各色を有する着色層が形成される。次に、セル厚調整層形成工程により、基材上において、R、G、Bの反射領域、及び、Wの透過領域が形成されるべき領域に、透明材料(例えば、透明性を有する樹脂材料など)からなるセル厚調整層が同時に形成される。
これにより、R、G、Bの各表示画素に対応する位置にマルチギャップ構造を、また、Wの表示画素にセル厚調整用のセル厚調整層を夫々同時に形成することができる。よって、上記の比較例に係る液晶装置の製造方法と比較して、工程の削減を図ることができ、液晶装置の製品コストを低減できる。
本発明の他の観点では、R、G、B及びWの各色にそれぞれ対応する複数の表示画素内に透過領域及び反射領域を有し、且つ、前記R、G、B及びWの前記透過領域に対応する液晶層の厚さが、前記R、G、B及びWの前記反射領域に対応する液晶層の厚さより大きく設定された液晶装置の製造方法は、基材上において、前記R、G、Bの前記各色に対応する前記表示画素が形成されるべき領域に、前記R、G、Bの前記各色を有する着色層を形成する着色層形成工程と、前記基材上において、前記R、G、Bの前記反射領域並びに前記Wの前記透過領域及び前記反射領域が形成されるべき領域に、透明材料からなるセル厚調整層を同時に形成するセル厚調整層形成工程と、を備える。
上記の液晶装置の製造方法は、R、G、B及びWの各色にそれぞれ対応する複数の表示画素内に透過領域及び反射領域を有し、且つ、R、G、B及びWの各透過領域に対応する液晶層の厚さが、R、G、B及びWの各反射領域に対応する液晶層の厚さより大きく設定されたマルチギャップ構造を有する液晶装置の製造方法である。
この液晶装置の製造方法は、まず、着色層形成工程により、ガラスや石英などの材料よりなる基材上において、R、G、Bの各色に対応する表示画素が形成されるべき領域に、R、G、Bの各色を有する着色層が形成される。次に、セル厚調整層形成工程により、基材上において、R、G、Bの各反射領域、並びに、透明の透過領域及び反射領域が形成されるべき領域に、透明材料(例えば、透明性を有する樹脂材料など)からなるセル厚調整層が同時に形成される。
これにより、R、G、B及びWの各表示画素に対応する位置にマルチギャップ構造を夫々同時に形成することができる。よって、上記の比較例に係る液晶装置の製造方法と比較して、工程の削減を図ることができ、液晶装置の製品コストを低減できる。
上記の液晶装置の製造方法の一つの態様では、前記着色層形成工程は、前記反射領域に位置する前記R、G、Bの前記着色層の各々に開口を形成する。これにより、R、G、Bの各反射領域と、R、G、Bの各透過領域とで適切な光学特性に設定することができる。
上記の液晶装置の製造方法の他の態様では、前記セル厚調整層形成工程は、前記セル厚調整層を前記R、G、Bの前記着色層と同一の厚さに形成することができる。
上記の液晶装置の製造方法の他の態様では、前記セル厚調整層形成工程は、前記セル厚調整層の厚さが前記R、G、Bの前記着色層の厚さより厚い場合に、少なくとも前記R、G、Bの前記反射領域、並びに前記Wの前記透過領域及び/又は前記反射領域の各々に形成された前記セル厚調整層の上、並びに、前記R、G、Bの前記透過領域に形成された前記R、G、Bの前記着色層の上にレジストを塗布するレジスト塗布工程と、光を完全に透過する完全露光領域及び前記光を完全に遮光する完全遮光領域を含む第1マスクを通じて前記レジストに対して1回露光した後、現像及びエッチング処理を施す第1露光工程と、前記レジスト塗布工程を再び実施した後に、前記完全露光領域及び前記完全遮光領域を含み、前記第1マスクと構成の異なる第2マスクを通じて前記レジストに対して1回露光した後、現像及びエッチング処理を施す第2露光工程と、を含む層厚調整工程を有し、前記層厚調整工程は、少なくとも前記Wの前記透過領域に設けられた前記セル厚調整層と、前記R、G、Bの前記透過領域の前記着色層の厚さとを同一に設定する。
この態様では、セル厚調整層形成工程は、層厚調整工程を有する。そして、層厚調整工程は、レジスト塗布工程と、第1露光工程と、第2露光工程とを含んでいる。まず、レジスト塗布工程は、前記セル厚調整層の厚さが前記R、G、Bの前記着色層の厚さより厚い場合に、少なくともR、G、Bの各反射領域、並びに、Wの透過領域及び/又は反射領域の各々に形成されたセル厚調整層の上、並びに、R、G、Bの各透過領域に形成されたR、G、Bの各着色層の上にレジスト(感光性樹脂)を塗布する。
次に、第1露光工程は、光(紫外線やi線などの光、以下同じ)を完全に透過する完全露光領域、及び光を完全に遮光する完全遮光領域を含む第1マスクを通じて、レジストに対して1回露光した後、現像、及びエッチング処理を施す。
次に、第2露光工程は、レジスト塗布工程を再び実施した後に、完全露光領域及び完全遮光領域を含み、第1マスクと構成の異なる第2マスクを通じて、レジスト(感光性樹脂)に対して1回露光した後、現像及びエッチング処理を施す。これら一連の工程(2重露光方法)により、層厚調整工程は、少なくともWの透過領域に設けられたセル厚調整層と、R、G、Bの各透過領域の着色層の厚さとを同一に設定する。これにより、R、G、Bの各透過領域と、Wの透過領域とで適切な光学特性に設定することができる。
上記の液晶装置の製造方法の他の態様では、前記セル厚調整層形成工程は、前記セル厚調整層の厚さが前記R、G、Bの前記着色層の厚さより大きい場合に、少なくとも前記R、G、Bの前記反射領域、並びに前記Wの前記透過領域及び/又は前記反射領域の各々に形成された前記セル厚調整層の上、並びに、前記R、G、Bの前記透過領域に形成された前記R、G、Bの前記着色層の上にレジストを塗布するレジスト塗布工程と、光を完全に透過する完全露光領域、前記光を完全に遮光する完全遮光領域及び半透過膜よりなるハーフトーン露光領域を含むマスクを通じて前記レジストに対して少なくとも1回露光した後に、現像及びエッチング処理を施すハーフトーン露光工程と、を含む層厚調整工程を有し、前記層厚調整工程は、少なくとも前記Wの前記透過領域に設けられた前記セル厚調整層と、前記R、G、Bの前記透過領域の前記着色層の厚さとを同一に設定する。
この態様では、セル厚調整層形成工程は、層厚調整工程を有する。そして、層厚調整工程は、レジスト塗布工程と、ハーフトーン露光工程とを含んでいる。
まず、レジスト塗布工程は、前記セル厚調整層の厚さが前記R、G、Bの前記着色層の厚さより大きい場合に、少なくともR、G、Bの各反射領域、並びに、Wの透過領域及び/又は反射領域の各々に形成されたセル厚調整層の上、並びに、R、G、Bの各透過領域に形成されたR、G、Bの各着色層の上にレジスト(感光性樹脂)を塗布する。
次に、ハーフトーン露光工程は、光を完全に透過する完全露光領域、光を完全に遮光する完全遮光領域及び半透過膜よりなるハーフトーン露光領域を含むマスクを通じて、レジストに対して少なくとも1回露光した後に、現像及びエッチング処理を施す。これら一連の工程(ハーフトーン露光方法)により、層厚調整工程は、少なくともWの透過領域に設けられたセル厚調整層と、R、G、Bの各透過領域の各着色層の厚さとを同一に設定する。これにより、R、G、Bの各透過領域と、Wの透過領域とで適切な光学特性に設定することができる。
上記の液晶装置の製造方法の他の態様では、前記着色層形成工程の前工程として、前記基材上において、前記R、G、Bの前記反射領域に反射層を形成する反射層形成工程を有する。これにより、R、G、Bの反射領域において各色に対応した反射型表示を行うことができる。
上記の液晶装置の製造方法の他の態様では、前記着色層形成工程の前工程として、前記基材上において、前記R、G、Bの前記反射領域並びに前記Wの前記反射領域に反射層を形成する反射層形成工程を有する。これにより、R、G、B及びWの各反射領域において各色に対応した反射型表示を行うことができる。
本発明の他の観点では、1色に対応する表示画素内又は複数色に対応する複数の表示画素内に各々透過領域及び反射領域を有すると共に、Wに対応する表示画素内に透過領域のみ有し、且つ、前記1色に対応する前記表示画素又は前記複数色に対応する前記複数の表示画素の前記透過領域の各々に対応する液晶層の厚さが、前記1色に対応する前記表示画素又は前記複数色に対応する前記複数の表示画素の前記反射領域の各々に対応する液晶層の厚さより大きく設定された液晶装置の製造方法は、基材上において、前記1色又は前記複数色に対応する前記表示画素が形成されるべき領域に、前記1色又は前記複数色を有する着色層を形成する着色層形成工程と、前記基材上において、前記1色に対応する前記表示画素又は前記複数色に対応する前記複数の表示画素の前記反射領域の各々及び前記Wの前記透過領域が形成されるべき領域に、透明材料からなるセル厚調整層を同時に形成するセル厚調整層形成工程と、を備える。
上記の液晶装置の製造方法は、1色に対応する表示画素内又は複数色に対応する複数の表示画素内に各々透過領域及び反射領域を有すると共に、Wに対応する表示画素内に透過領域のみ有し、且つ、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素の透過領域の各々に対応する液晶層の厚さが、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素の反射領域の各々に対応する液晶層の厚さより大きく設定されたマルチギャップ構造を有する液晶装置の製造方法である。
この液晶装置の製造方法は、まず、着色層形成工程により、ガラスや石英などの材料よりなる基材上において、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素が形成されるべき領域に、1色又は複数色を有する着色層が形成される。次に、セル厚調整層形成工程により、基材上において、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素の反射領域の各々、及び、Wの透過領域が形成されるべき領域に、透明材料(例えば、透明性を有する樹脂材料など)からなるセル厚調整層が同時に形成される。
これにより、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素のそれぞれに対応する位置にマルチギャップ構造を、また、Wの表示画素にセル厚調整用のセル厚調整層を夫々同時に形成することができる。よって、上記の比較例に係る液晶装置の製造方法と比較して、工程の削減を図ることができ、液晶装置の製品コストを低減できる。
本発明の他の観点では、1色に対応する表示画素内又は複数色に対応する複数の表示画素内及びWの色に対応する表示画素内に各々透過領域及び反射領域を有し、且つ、前記1色に対応する前記表示画素又は前記複数色に対応する前記複数の表示画素及びWの前記表示画素の前記透過領域の各々に対応する液晶層の厚さが、前記1色に対応する前記表示画素又は前記複数色に対応する前記複数の表示画素及びWの前記表示画素の前記反射領域の各々に対応する液晶層の厚さより大きく設定された液晶装置の製造方法は、基材上において、前記1色に対応する前記表示画素又は前記複数色に対応する前記複数の表示画素が形成されるべき領域に、前記1色又は前記複数色を有する着色層を形成する着色層形成工程と、前記基材上において、前記1色に対応する前記表示画素又は前記複数色に対応する前記複数の表示画素の前記反射領域の各々並びに前記Wの前記透過領域及び前記反射領域が形成されるべき領域に、透明材料からなるセル厚調整層を同時に形成するセル厚調整層形成工程と、を備える。
上記の液晶装置の製造方法は、1色に対応する表示画素内又は複数色に対応する複数の表示画素内及びWの色に対応する表示画素内に各々透過領域及び反射領域を有し、且つ、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素及びWの表示画素の透過領域の各々に対応する液晶層の厚さが、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素及びWの表示画素の反射領域の各々に対応する液晶層の厚さより大きく設定されたマルチギャップ構造を有する液晶装置の製造方法である。
この液晶装置の製造方法は、まず、着色層形成工程により、ガラスや石英などの材料よりなる基材上において、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素が形成されるべき領域に、1色又は複数色を有する着色層が形成される。次に、セル厚調整層形成工程により、基材上において、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素の反射領域の各々、並びに、Wの透過領域及び反射領域が形成されるべき領域に、透明材料(例えば、透明性を有する樹脂材料など)からなるセル厚調整層が同時に形成される。
これにより、1色に対応する表示画素又は複数色に対応する複数の表示画素、及び、Wの表示画素に対応する位置にマルチギャップ構造を夫々同時に形成することができる。よって、上記の比較例に係る液晶装置の製造方法と比較して、工程の削減を図ることができ、液晶装置の製品コストを低減できる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。尚、以下の各種実施形態は、本発明を電気光学装置の一例としての液晶装置に適用したものである。
[第1実施形態]
第1実施形態は、本発明を、三端子素子の一例としてのa−Si型TFT(Thin Film Transistor)素子を用いたアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置に適用する。
(液晶装置の構成)
まず、図1乃至図5を参照して、本発明の第1実施形態に係る液晶装置100の構成等について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶装置100の概略構成を模式的に示す平面図である。図1では、紙面手前側(観察側)にカラーフィルタ基板92が、また、紙面奥側に素子基板91が夫々配置されている。なお、図1では、紙面縦方向(列方向)をY方向と、また、紙面横方向(行方向)をX方向と規定する。また、図1において、R(赤)、G(緑)、B(青)、W(透明)に対応する各領域は1つのサブ画素領域SGを示していると共に、R、G、B、Wに対応する2行2列のサブ画素領域SGは、1つの画素領域AGを示している。
本発明において、画素領域AGは、R、G、B、Wで構成されており、従来よく用いられているR、G、Bで1つの画素領域を構成するものとは異なっている。そのため、本発明では、従来とは異なる描画操作技術(レンダリング)を用いて表示を行なっている。レンダリングは、任意の1つの画素領域AGにおいてRGB各色の色層をそれぞれ備えたサブ画素領域SGに印加される階調信号を、自画素領域AG内のサブ画素領域SGのみならず、自画素領域AGの周辺の同一色相のサブ画素領域SGにも重畳させて印加するという画像処理技術を用いるものである。つまり、1つの画素領域AG(表示画素)におけるRGBの各色のサブ画素領域SG(サブ画素)は、1つの表示画素の周辺の表示画素における同一色相のサブ画素にも、1つの表示画素内のサブ画素の表示に寄与する階調信号を重畳して印加することにより表示を行なうものである。
これにより、実際の画素数よりも高い解像度感を視認でき、例えば、QVGA(Quarter Video Graphics Array)規格に対応する画面表示解像度を有する液晶装置を用いた場合に、VGA(Video Graphics Array)規格に対応する画面表示解像度を実現できる。
液晶装置100は、素子基板91と、その素子基板91に対向して配置されるカラーフィルタ基板92とが枠状のシール材5を介して貼り合わされ、そのシール材5の内側に液晶が封入されて液晶層4が形成されてなる。
ここに、液晶装置100は、R、G、B、Wの4色を用いて構成されるカラー表示用の液晶装置であると共に、スイッチング素子としてa−Si型TFT素子を用いたアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置である。また、液晶装置100は、R、G、Bの各サブ画素領域SG内に透過領域及び反射領域を有する半透過反射型の液晶装置であると共に、当該透過領域と当該反射領域とで液晶層4の厚さが異なるマルチギャップ構造を有する液晶装置でもある。
まず、素子基板91の平面構成について説明する。素子基板91の内面上には、主として、複数のソース線32、複数のゲート線33、複数のa−Si型TFT素子21、複数の画素電極10、ドライバIC40、外部接続用配線35及びFPC(Flexible Printed Circuit)41などが形成若しくは実装されている。
図1に示すように、素子基板91は、カラーフィルタ基板92の一辺側から外側へ張り出してなる張り出し領域31を有しており、その張り出し領域31上には、ドライバIC40が実装されている。ドライバIC40の入力側の端子(図示略)は、複数の外部接続用配線35の一端側と電気的に接続されていると共に、複数の外部接続用配線35の他端側はFPCと電気的に接続されている。各ソース線32は、Y方向に延在するように且つX方向に適宜の間隔をおいて形成されており、各ソース線32の一端側は、ドライバIC40の出力側の端子(図示略)に電気的に接続されている。
各ゲート線33は、Y方向に延在するように形成された第1配線33aと、その第1配線33aの終端部からX方向に延在するように形成された第2配線33bとを備えている。各ゲート線33の第2配線33bは、各ソース線32と交差する方向、即ちX方向に延在するように且つY方向に適宜の間隔をおいて形成されており、各ゲート線33の第1配線33aの一端側は、ドライバIC40の出力側の端子(図示略)に電気的に接続されている。各ソース線32と各ゲート線33の第2配線33bの交差に対応する位置にはTFT素子21が設けられており、各TFT素子21は各ソース線32、各ゲート線33及び各画素電極10等に電気的に接続されている。各TFT素子21及び各画素電極10は、各サブ画素領域SGに対応する位置に設けられている。各画素電極10は、例えばITO(Indium-Tin Oxide)などの透明導電材料により形成されている。
1つの画素領域AGがX方向及びY方向に複数個、マトリクス状に並べられた領域が有効表示領域V(2点鎖線により囲まれる領域)である。この有効表示領域Vに、文字、数字、図形等の画像が表示される。なお、有効表示領域Vの外側の領域は表示に寄与しない額縁領域38となっている。また、各ソース線32、各ゲート線33、各TFT素子21、及び各画素電極10等の内面上には、図示しない配向膜が形成されている。
次に、カラーフィルタ基板92の平面構成について説明する。カラーフィルタ基板92は、遮光層(一般に「ブラックマトリクス」と呼ばれ、以下では、単に「BM」と略記する)、R、G、Bの3色の着色層6R、6G、6B、及び共通電極8などを有する。なお、以下の説明において、色を問わずに着色層を指す場合は単に「着色層6」と記し、色を区別して着色層を指す場合は「着色層6R」などと記す。BMは、各サブ画素領域SGを区画する位置に形成されている。図1においてWに対応する各サブ画素領域SGには、着色層は特に設けられていない。共通電極8は、画素電極と同様にITOなどの透明導電材料からなり、カラーフィルタ基板92の略一面に亘って形成されている。共通電極8は、シール材5の隅の領域E1において配線15の一端側と電気的に接続されていると共に、当該配線15の他端側は、ドライバIC40のCOMに対応する出力端子と電気的に接続されている。
以上の構成を有する液晶装置100では、電子機器等と接続されたFPC41側からの信号及び電力等に基づき、ドライバIC40によって、G1、G2、・・・、Gm−1、Gm(mは自然数)の順にゲート線33が順次排他的に1本ずつ選択されるとともに、選択されたゲート線33には、選択電圧のゲート信号が供給される一方、他の非選択のゲート線33には、非選択電圧のゲート信号が供給される。そして、ドライバIC40は、選択されたゲート線33に対応する位置にある画素電極10に対し、表示内容に応じたソース信号を、それぞれ対応するS1、S2、・・・、Sn−1、Sn(nは自然数)のソース線32及びTFT素子21を介して供給する。その結果、液晶層4の表示状態が、非表示状態または中間表示状態に切り替えられ、液晶層4の配向状態が制御されることとなる。
(画素構成)
次に、図2等を参照して、1つの画素領域AGの構成について説明する。図2は、図1における1つの画素領域AG(破線にて囲まれた部分)に対応する部分拡大平面図である。
図2に示すように、1つの画素領域AGは、R、G、B、Wに対応する、2行2列のサブ画素領域SGを備えて構成される。さらに、R、G、Bに対応する各サブ画素領域SGは、透過型表示が行われる透過領域E10と、反射型表示が行われる反射領域E11とを備えて構成される。これに対し、Wに対応するサブ画素領域SGは、透過領域E10のみを備えて構成され、反射領域E11は有しない。
次に、図3を参照して、図2におけるR、G、Bに対応する各サブ画素領域SGの構成を、反射領域E11の構成と透過領域E10の構成とに分けて説明する。
図3(a)は、R、G、Bの各サブ画素領域SGに対応する素子基板91の構成を示す部分拡大平面図である。一方、図3(b)は、図3(a)の素子基板91と対向配置される、R、G、Bの各サブ画素領域SGに対応するカラーフィルタ基板92の構成を示す部分拡大平面図である。図4(a)は、図3(a)及び(b)における切断線A−A’に沿った部分断面図であり、R、G、Bの各反射領域E11に対応する液晶装置100の断面構成を示す。一方、図4(b)は、図3(a)及び(b)における切断線B−B’に沿った部分断面図であり、R、G、Bの各サブ画素領域SGに対応する液晶装置100の断面構成を示す。
まず、R、G、Bの1つのサブ画素領域SG内における反射領域E11の構成について説明する。
ガラスや石英などの材料により形成された下側基板1上には、ゲート線33が形成されている。図3(a)において、ゲート線33の要素である第2配線33bは、X方向に延在する本線部分33baと、その本線部分33baからY方向に折れ曲がるように分岐する支線部分33bbとを有する。下側基板1及びゲート線33上には、絶縁性を有するゲート絶縁層50が形成されている。ゲート絶縁層50上であって、且つ、ゲート線33の支線部分33bbと平面的に重なるに位置には、TFT素子21の要素であるa−Si層52が設けられている。ソース線32は、ゲート絶縁層50上において、ゲート線33と交差する方向に延在するように形成されている。
ソース線32は、図3(a)に示すように、Y方向に延在する本線部分32aと、その本線部分32aからX方向に折れ曲がるように分岐する支線部分32bとを有する。ソース線32の支線部分32bの一部分は、a−Si層52の一端側の一部分上に形成されている。a−Si層52の他端側の一部分上、及び、ゲート絶縁層50上には、金属などよりなる保持容量電極16が形成されている。このため、a−Si層52は、ソース線32及び保持容量電極16に夫々電気的に接続されている。そして、a−Si層52に対応する位置には、その層を要素として含むTFT素子21が形成されている。
ソース線32、保持容量電極16及びゲート絶縁層50等の上には、絶縁性を有するパシベーション層(反応防止層)51が形成されている。パシベーション層51は、保持容量電極16と平面的に重なる位置にコンタクトホール(開口)51aを有する。パシベーション層51上には、樹脂材料などよりなる樹脂層17が形成されている。樹脂層17の表面上には、光を散乱させる機能を有する微小な凹凸が複数形成されている。樹脂層17は、パシベーション層51のコンタクトホール51aに対応する位置にコンタクトホール17aを有する。樹脂層17上には、Al(アルミニウム)などにより形成され反射機能を有する反射電極5が形成されている。反射電極5は、微小な凹凸を複数有する樹脂層17上に形成されているため、当該反射電極5は、その微小な複数の凹凸を反映した形状に形成されている。コンタクトホール51a及び17aに対応する反射電極5の位置には、光を透過させる透過開口領域80が形成されている。反射電極5上には、画素電極10が形成されている。
また、下側基板1の外面上には、位相差板13(1/4波長板)が配置されていると共に、位相差板13の外面上には偏光板14が配置されている。また、偏光板14の外面上には、照明装置としてのバックライト15が配置されている。バックライト15は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等といった点状光源や、冷陰極蛍光管等といった線状光源と導光板を組み合わせたものなどが好適である。
一方、R、G、Bの1つのサブ画素領域SG内における反射領域E11に対応するカラーフィルタ基板92の構成は次の通りである。
下側基板1と同一の材料によりなる上側基板2上であって、且つ、反射領域E11に対応する位置には、R、G、Bの着色層6が形成されている。各着色層6の厚さはd3に設定されている。着色層6は、透過領域E10と反射領域E11とで均一な色を表示させる機能を有する開口6aを有する。相隣接する着色層6を区画する位置には、BMが形成されている。着色層6上には、樹脂材料などよりなるセル厚調整用絶縁層18が形成されている。セル厚調整用絶縁層18は、後述するように、R、G、Bの各透過領域E10に対応する液晶層4の厚さ(セルの厚さ)と、R、G、Bの各反射領域E11に対応する液晶層4の厚さとを最適な値に設定し、その両者の領域において光学特性を均一に設定する機能、いわゆるマルチギャップ構造を有する機能と、R、G、Bの各透過領域E10に対応する液晶層4の厚さと、Wのサブ画素領域SG(透過領域E10)に対応する液晶層4の厚さとを同一に設定し、その両者の領域において光学特性を同一に設定する機能とを兼ねている。セル厚調整用絶縁層18の厚さは、各着色層6の厚さd3と同一の値に設定されている。セル厚調整用絶縁層18等の上には、共通電極8が形成されている。
また、上側基板2の外面上には、位相差板11(1/4波長板)が配置されていると共に、位相差板11の外面上には偏光板12が配置されている。
以上に述べた反射領域E11に対応する素子基板91と、当該反射領域E11に対応するカラーフィルタ基板92とは液晶層4を介して対向している。そして、反射領域E11に対応する液晶層4の厚さはd2に設定されている。
さて、以上の構成を有する反射領域E11において反射型表示がなされる場合、液晶装置100に入射した外光は、図4(a)及び(b)に示す経路Rに沿って進行する。つまり、液晶装置100に入射した外光は、反射電極5によって反射され観察者に至る。この場合、その外光は、R、G、Bの各着色層6、共通電極8、及び画素電極10等が形成されている領域を通過して、その画素電極10の下側に位置する反射電極5により反射され、再度、画素電極10、共通電極8、及び着色層6等を通過することによって所定の色相及び明るさを呈する。こうして、所望のカラー表示画像が観察者により視認される。
次に、R、G、Bの1つのサブ画素領域SG内における透過領域E10の構成について説明する。
下側基板1上には、図4(b)に示すように、ゲート絶縁層50が形成されている。ゲート絶縁層50上には、パシベーション層51が形成されている。パシベーション層51上には、樹脂層17が形成されている。上記したように、反射領域E11に形成された樹脂層17は、その表面上に微小な凹凸が形成されているのに対し、透過領域E10に形成された樹脂層15は、その表面上に微小な凹凸は形成されていない。即ち、透過領域E10に形成された樹脂層17の表面は略平坦性を有するように形成されている。樹脂層17上には、画素電極10が形成されている。また、下側基板1の外面上には位相差板13が配置されていると共に、位相差板13の外面上には偏光板14が配置されている。また、偏光板14の外面上にはバックライト15が配置されている。
一方、R、G、Bの1つのサブ画素領域SG内における透過領域E10に対応するカラーフィルタ基板92の構成は次の通りである。上側基板2上には、R、G、Bの着色層6が形成されている。その各着色層6上には、共通電極8が形成されている。また、上側基板2の外面上には位相差板11が配置されていると共に、位相差板11の外面上には偏光板12が配置されている。
以上に述べた透過領域E10に対応する素子基板91と、当該透過領域E10に対応するカラーフィルタ基板92とは液晶層4を介して対向している。また、透過領域E10に対応する液晶層4の厚さd1は、反射領域E11に対応する液晶層4の厚さd2より大きく設定されており、いわゆるマルチギャップ構造をなしている。
さて、以上の構成を有する透過領域E10において透過型表示がなされる場合、バックライト15から出射した照明光は、図4(b)に示す経路Tに沿って進行し、ゲート絶縁層50、パシベーション層51、画素電極10及び着色層6等を通過して観察者に至る。この場合、その照明光は、R、G、Bの着色層6を透過することにより所定の色相及び明るさを呈する。こうして、所望のカラー表示画像が観察者により視認される。
次に、図5を参照して、Wに対応するサブ画素領域SGの構成について説明する。
図5は、図2における切断線C−C’に沿った部分断面図であり、Wに対応するサブ画素領域SGを含む断面構成を示す。なお、図5では、Wに対応するサブ画素領域SGの断面構成と、R、G、Bに対応するサブ画素領域SGの断面構成との相違する部分の理解を容易とするため、その3色のうち、Gに対応するサブ画素領域SGの断面構成も示す。また、図5において、Wに対応するサブ画素領域SGをSG(W)と、また、Gに対応するサブ画素領域SGをSG(G)と夫々略記する。さらに、以下では、上記で説明した要素については同一の符号を付し、その説明は簡略化又は省略する。
まず、Wのサブ画素領域SGに対応する素子基板91の構成について、Gのサブ画素領域SGに対応する素子基板91の構成と対比して説明する。
その両者の構成を対比して理解されるように、Wに対応するサブ画素領域SGでは、樹脂層17と画素電極10の間には反射電極5は設けられていない。また、その他の構成については、両者は略同様である。このため、Wのサブ画素領域SGは、透過領域E10のみ有する構成となっている。一方、Wのサブ画素領域SGに対応するカラーフィルタ基板92の構成は次の通りである。上側基板2上には、セル厚調整用絶縁層18が所定の厚さd3にて形成されていると共に、そのセル厚調整用絶縁層18上には、共通電極8が形成されている。なお、Wに対応するサブ画素領域SGには、上記したように白色の色材を用いた着色層は設けられていない。
以上に述べたWのサブ画素領域SGに対応する素子基板91と、当該透過領域E10に対応するカラーフィルタ基板92は液晶層4を介して対向している。そして、Wのサブ画素領域SGに対応する液晶層4の厚さは、R、G、Bの各透過領域E10に対応する液晶層4の厚さd1(≒d2+d3)と同一の値に設定されている。
なお、Wのサブ画素領域SGにおける透過型表示が行われる原理は、上記と略同様である。即ち、Wのサブ画素領域SGにおいて透過型表示がなされる場合、バックライト15から出射した照明光は、図5に示す経路Tに沿って進行し、ゲート絶縁層50、パシベーション層51、画素電極10、共通電極8及びセル厚調整用絶縁層18等を通過して観察者に至る。この場合、その照明光は、上記の要素を透過することにより所定の明るさを呈する。これにより、高輝度及び高コントラストの向上が図られている。
次に、本発明の第1実施形態に係る液晶装置100の作用効果について説明する。
一般的に、R、G、B及びW(透明)の各色に対応する表示画素を有する液晶装置では、R、G、Bの各表示画素に、Wの表示画素を付加することで、高輝度及び高コントラストを実現している。ところで、Wの表示画素には色材がないため、R、G、Bの透過領域に対応する液晶層の厚さ(セル厚)と、Wの表示画素の透過領域に対応する液晶層の厚さ(セル厚)とを同一に設定するためには、Wの表示画素に対応する位置にセル厚調整用の透明樹脂層を設ける必要がある。また、マルチギャップ構造を有する半透過反射型の液晶装置では、通常、透過領域と反射領域とで光学特性を均一にするために、反射領域にマルチギャップ用の樹脂層が形成されており、透過領域に対応する液晶層の厚さが、反射領域に対応する液晶層の厚さよりも大きく設定されている。
このようなマルチギャップ構造を有する半透過反射型の液晶装置において、R、G、B及びW(透明)の各色に対応する表示画素を有するように構成した場合(以下、比較例と呼ぶ)には、Wの表示画素に対応する位置にセル厚調整用の透明樹脂層と、その透明樹脂層と異なる材料からなるマルチギャップ用の樹脂層をR、G、Bの各表示画素の各反射領域に別々に設ける必要があり、その分だけ工程が増加し、これに起因して液晶装置の製品コストが増加してしまう。
この点、第1実施形態に係る液晶装置100では、特に、R、G、Bの反射領域E11、及び、W(透明)の透過領域E10には、同一の透明材料(例えば、透明樹脂材料)よりなるセル厚調整用絶縁層18が設けられている。つまり、この液晶装置100の製造過程において、R、G、Bの各反射領域E11における各着色層6上に設けられるセル厚調整用絶縁層18と、W(透明)の透過領域E10に設けられるセル厚調整用絶縁層18とは、同一の工程により同一の透明材料により同時に形成されている。これにより、R、G、Bの各サブ画素領域SGに対応する位置にマルチギャップ構造を、また、Wのサブ画素領域SG(透過領域E10)にセル厚調整用のセル厚調整用絶縁層18を夫々同時に形成することができる。その結果、上記の比較例と比較して工程の削減を図ることができ、これにより液晶装置100の製品コストを低減できる。
上記のように、R、G、B及びWの各透過領域E10に対応する液晶層4の厚さd1と、R、G、Bの各反射領域E11に対応する液晶層4の厚さd2と、R、G、Bの各反射領域E11に対応するセル厚調整用絶縁層18の厚さd3と、Wの各透過領域E10に対応するセル厚調整用絶縁層18の厚さd3と、各着色層6の厚さd3との関係は、d1≒d2+d3となるように設定されているのが好ましい。また、厚さd1を4μmに設定し、また、厚さd2を2μmに設定した場合には、厚さd3は約2μmに設定されているのが好ましい。
[第2実施形態]
第2実施形態は、本発明を、二端子素子の一例としてのTFD(Thin Film Diode)素子を用いたアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置に適用する。
(液晶装置の構成)
次に、本発明の第2実施形態に係る液晶装置200の構成について説明する。なお、以下において、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、その説明は簡略化又は省略する。
図6は、第2実施形態に係る液晶装置200の概略構成を模式的に示す平面図である。図6に示すように、液晶装置200は、素子基板93と、その素子基板93に対向して配置されるカラーフィルタ基板94とが、複数の金属粒子などの導通部材7が混入された枠状のシール材5を介して貼り合わされ、そのシール材5の内側に液晶が封入されて液晶層4が形成されてなる。図6では、紙面手前側(観察側)に素子基板93が、また、紙面奥側にカラーフィルタ基板94が夫々配置されており、その両基板の配置は第1実施形態と逆になっている。
ここに、液晶装置200は、R、G、B、Wの4色を用いて構成されるカラー表示用の液晶装置であると共に、スイッチング素子としてTFD素子を用いたアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置である。また、液晶装置200は、R、G、Bの各サブ画素領域SG内に透過領域及び反射領域を有する半透過反射型の液晶装置であると共に、当該透過領域と当該反射領域とで液晶層4の厚さが異なるマルチギャップ構造を有する液晶装置である。
まず、素子基板93の平面構成について説明する。素子基板93は、主として、複数のデータ線62、複数のTFD素子63、複数の画素電極10、複数の引き回し配線61、YドライバIC67、複数のXドライバIC66、複数の外部接続用配線35、及びFPC41を備えている。
複数のデータ線62は、Y方向に延在する直線状の配線であり、張り出し領域31から有効表示領域Vにかけて形成されている。各データ線62はX方向に一定の間隔をおいて形成されている。また、各データ線62は、対応する各TFD素子63に接続されており、各TFD素子63は、対応する各画素電極10に接続されている。このため、各データ線62と各画素電極10は、各TFD素子63を介して電気的に接続されている。
複数の引き回し配線61は、Y方向に延在する本線部分61aと、その本線部分61aに対してX方向に略直角に折れ曲がる屈曲部分61bとにより構成されている。各本線部分61aは、額縁領域38内を張り出し領域31からY方向に延在するように形成されている。また、各本線部分61aは、各データ線62に対して略平行で、且つ、一定の間隔をおいて形成されている。各屈曲部分61bは、額縁領域38内において、左右に位置するシール材5内までX方向に延在している。そして、その屈曲部分61bの終端部は、シール材5内において導通部材7に電気的に接続されている。
素子基板93の張り出し領域31上には、YドライバIC67、及び複数のXドライバIC66が実装されている。また、張り出し領域31上には、複数の外部接続用配線35が形成されている。
各XドライバIC66の入力側は、外部接続用配線35の一端側に電気的に接続されている一方、各XドライバIC66の出力側は、各引き回し配線61の一端側に電気的に接続されている。これにより、各XドライバIC66は、各引き回し配線61に走査信号を出力することが可能となっている。
YドライバIC67の入力側は、外部接続用配線35の一端側に電気的に接続されている一方、YドライバIC67の出力側は、各データ線62の一端側に電気的に接続されている。これにより、YドライバIC67は各データ線62にデータ信号を出力することが可能となっている。
FPC41は、後述の電子機器、及び複数の外部接続用配線35の他端側に電気的に接続されている。
以上の構成を有する素子基板93では、例えば携帯電話や情報端末などの電子機器からFPC41、YドライバIC67及び各XドライバIC66等を介して、各データ線62にデータ信号を、また、各引き回し配線61に走査信号を夫々出力する。
次に、カラーフィルタ基板94の平面構成について説明する。図6に示すように、カラーフィルタ基板94は、主として、R、G、Bの各着色層6、ストライプ状の形状を有する走査電極64等を備えて構成される。
各着色層6は、画素電極10に対応する位置に形成されている。Y方向に相隣接する着色層6の間には、R、G、Bの各着色層6のうち、任意の2色を重ねて形成された遮光層67(図9(a)等を参照)が形成されている一方、X方向に相隣接する着色層6の間には、R、G、Bの各着色層6のうち、任意の3色を重ねて形成された遮光層68(図9(b)等を参照)が形成されている。各走査電極64は、X方向に延在するように且つY方向に一定の間隔をおいて形成されている。各走査電極64の左端部或いは右端部は、図6に示すように、シール材5内まで延在しており、且つ、そのシール材5内に混入された複数の導通部材7と電気的に接続されている。
以上に述べた、カラーフィルタ基板94と素子基板93とがシール材5を介して貼り合わせられた状態が図6に示されている。図示のように、カラーフィルタ基板94の各走査電極64は、素子基板93の各データ線62に対して交差しており、且つ、X方向に列をなす複数の画素電極10と平面的に重なり合っている。このように、走査電極64と各画素電極10とが重なり合う領域が1つのサブ画素領域SGを構成している。
また、カラーフィルタ基板94の各走査電極64と、素子基板93の各引き回し配線61とは、図示のように左辺200a側と右辺200b側との間で交互に重なり合っており、各走査電極64と各引き回し配線61とは、シール材5内の導通部材7を介して上下導通している。つまり、カラーフィルタ基板94の各走査電極64と、素子基板93の各引き回し配線61との導通は、図示のように左辺200a側と右辺200b側との間で交互に実現されている。このため、カラーフィルタ基板94の各走査電極64は、素子基板93の各引き回し配線61を介して、紙面左右に夫々位置する各XドライバIC66に電気的に接続されている。
以上の構成を有する液晶装置200では、電子機器と接続されたFPC41側からの信号及び電力等に基づき、各XドライバIC66によって、各引き回し配線61を介して各走査電極64が順次排他的に1本ずつ選択されるとともに、選択された走査電極64には、選択電圧の走査信号が供給される一方、他の非選択の走査電極64には、非選択電圧の走査信号が供給される。そして、YドライバIC67は、選択された走査電極64に対応する位置にある画素電極10に対し、表示内容に応じたデータ信号を、それぞれ対応するデータ線62及びTFD素子63を介して供給する。その結果、液晶層4の表示状態が、非表示状態または中間表示状態に切り替えられ、液晶層4の配向状態が制御されることとなる。
(画素構成)
次に、図7等を参照して、1つの画素領域AGの構成について説明する。図7は、図6における1つの画素領域AG(破線にて囲まれた部分)に対応する部分拡大平面図である。
図7に示すように、1つの画素領域AGは、R、G、B、Wに対応する、2行2列のサブ画素領域SGを備えて構成される。さらに、R、G、Bに対応する各サブ画素領域SGは、透過型表示が行われる透過領域E10と、反射型表示が行われる反射領域E11とを備えて構成される。これに対し、Wに対応するサブ画素領域SGは、透過領域E10のみを備えて構成され、反射領域E11は有しない。
次に、図8を参照して、図7におけるR、G、Bに対応する各サブ画素領域SGの構成について説明する。
図8(a)は、R、G、Bのサブ画素領域SGに対応する素子基板93の構成を示す部分拡大平面図である。一方、図8(b)は、R、G、Bのサブ画素領域SGに対応するカラーフィルタ基板94の構成を示す部分拡大平面図である。図9(a)は、図8(a)における切断線D−D’に沿った部分断面図であり、R、G、Bの各反射領域E11に対応する液晶装置200の断面構成を示す。図9(b)は、図8(a)における切断線E−E’に沿った部分断面図であり、R、G、Bの各サブ画素領域SGに対応する液晶装置200の断面構成を示す。
まず、R、G、Bの1つのサブ画素領域SG内に対応する素子基板93の構成について説明する。ガラスなどよりなる下側基板81上には、データ線62、TFD素子63及び画素電極10等が形成されている。データ線62は、図8に示すように、サブ画素領域SGの右端付近において、Y方向に延在するように形成されている。TFD素子63は、サブ画素領域SGの隅の位置付近に設けられている。画素電極10は、サブ画素領域SG内に設けられており、TFD素子63と電気的に接続されている。このため、データ線62は、TFD素子63を介して画素電極10に電気的に接続されている。なお、画素電極10等の上には、図示しない配向膜が形成されている。
次に、1つのサブ画素領域SGに対応するカラーフィルタ基板94の構成について、透過領域E10と反射領域E11とに分けて説明する。
まず、R、G、Bの1つのサブ画素領域SG内における反射領域E11の構成について説明する。
ガラスなどよりなる上側基板82上には、樹脂層17が形成されている。樹脂層17の表面上には、光を散乱させる機能を有する複数の微小な凹凸が形成されている。樹脂層17上には、Alなどからなる反射層65が形成されている。このため、反射層65は、樹脂層17の複数の微小な凹凸を反映した形状に形成されている。反射層65上には、R、G、Bの各着色層6が形成されている。R、G、Bの各着色層6は、透過領域E10と反射領域E11とで均一な色を表示する機能を有する開口6aを有する。また、図8(b)において、サブ画素領域SGと破線領域E30とにより区画された領域は、R、G、Bの着色層6うち、任意の2色の着色層6が相互に重ね合わされた遮光層67が形成された領域と、任意の3色の着色層6が相互に重ね合わされた遮光層68が形成された領域とを含んでいる。開口6a内に位置する反射層65上、及び着色層6上には、絶縁性を有する保護層19が形成されている。この保護層19は、カラーフィルタ基板94の製造工程中に使用される薬剤等による腐食や汚染から、着色層6を保護する機能を有する。樹脂層17上から保護層19上までの距離はd7に設定されている。保護層19上には、セル厚調整用絶縁層18が形成されている。セル厚調整用絶縁層18の厚さはd7に設定されている。セル厚調整用絶縁層18上には、走査電極64が形成されている。なお、走査電極64上には、図示しない配向膜が形成されている。
また、下側基板81の外面上には、位相差板13が配置されていると共に、位相差板13の外面上には偏光板14が配置されている。また、偏光板14の外面上にはバックライト15が配置されている。
以上に述べた反射領域E11に対応する素子基板93と、当該反射領域E11に対応するカラーフィルタ基板94は液晶層4を介して対向している。そして、反射領域E11に対応する液晶層4の厚さはd6に設定されている。
さて、以上の構成を有する反射領域E11において反射型表示がなされる場合、液晶装置200に入射した外光は、図9(a)及び(b)に示す経路Rに沿って進行する。つまり、液晶装置200に入射した外光は、反射層65によって反射され観察者に至る。この場合、その外光は、画素電極10、セル厚調整用絶縁層18、及び、R、G、Bの各着色層6等が形成されている領域を通過して、その各着色層6の下側に位置する反射層65及び各開口6a内に位置する反射層65により反射され、再度、各着色層6、セル厚調整用絶縁層18、及び画素電極10等を通過することによって所定の色相及び明るさを呈する。こうして、所望のカラー表示画像が観察者により視認される。
次に、R、G、Bの1つのサブ画素領域SG内における透過領域E10の構成について説明する。
図9(b)に示すように、下側基板81上には、樹脂層17が形成されていると共に、その樹脂層17上には、光を透過させる透過開口領域85等が形成されている。そして、透過開口領域85内に位置する樹脂層17上には、R、G、Bの着色層6等が形成されている。R、G、Bの着色層6上には、保護層19が形成されている。また、保護層19上には、走査電極64が形成されている。なお、走査電極64の上には、図示しない配向膜が形成されている。
また、下側基板81の外面上には、位相差板13が配置されていると共に、位相差板13の外面上には偏光板14が配置されている。また、偏光板14の外面上にはバックライト15が配置されている。一方、上側基板82上には、画素電極10が形成されている。なお、画素電極10の上には、図示しない配向膜が形成されている。
以上に述べた透過領域E10に対応する素子基板93と、当該透過領域E10に対応するカラーフィルタ基板94は液晶層4を介して対向している。また、透過領域E10に対応する液晶層4の厚さd5(≒d6+d7)は、反射領域E11に対応する液晶層4の厚さd6より大きく設定されており、いわゆるマルチギャップ構造をなしている。
さて、以上の構成を有する透過領域E10において透過型表示がなされる場合、バックライト15から出射した照明光は、図9(b)に示す経路Tに沿って進行し、樹脂層17、着色層6、保護層19、走査電極64及び画素電極10等を通過して観察者に至る。この場合、その照明光は、R、G、Bの着色層6を透過することにより所定の色相及び明るさを呈する。こうして、所望のカラー表示画像が観察者により視認される。
次に、図10を参照して、Wに対応するサブ画素領域SGの構成について説明する。
図10は、図7における切断線F−F’に沿った部分断面図であり、Wに対応するサブ画素領域SGを含む断面構成を示す。なお、図10では、Wに対応するサブ画素領域SGの断面構成と、R、G、Bに対応するサブ画素領域SGの断面構成との相違する部分の理解を容易とするため、その3色のうち、Gに対応するサブ画素領域SGの断面構成も示す。また、図10において、Wに対応するサブ画素領域SGをSG(W)と、また、Gに対応するサブ画素領域SGをSG(G)と夫々略記する。さらに、以下では、上記で説明した要素については同一の符号を付し、その説明は簡略化又は省略する。
まず、Wのサブ画素領域SGに対応するカラーフィルタ基板94の構成について説明する。下側基板81上には樹脂層17等が形成されている。透過領域E10に形成された樹脂層17の表面は略平坦性を有するように形成されている。樹脂層17上にはセル厚調整用絶縁層18等が形成されている。セル厚調整用絶縁層18上には走査電極64が形成されている。なお、走査電極64の上には、図示しない配向膜が形成されている。このため、Wに対応するサブ画素領域SGは、透過領域E10のみ有する構成となっている。なお、Wに対応するサブ画素領域SGには、白色の色材を用いた着色層は設けられていない。一方、Wに対応するサブ画素領域SGに対応する素子基板93の構成は、R、G、Bのサブ画素領域SGに対応する素子基板93の構成と同様である。
以上に述べたWのサブ画素領域SGに対応する素子基板93と、当該透過領域E10に対応するカラーフィルタ基板94は液晶層4を介して対向している。そして、Wのサブ画素領域SGに対応する液晶層4の厚さは、R、G、Bの各透過領域E10に対応する液晶層4の厚さd5と同一の値に設定されている。
なお、Wのサブ画素領域SGにおける透過型表示が行われる原理は、上記と略同様である。即ち、Wのサブ画素領域SGにおいて透過型表示がなされる場合、バックライト15から出射した照明光は、図10に示す経路Tに沿って進行し、樹脂層17、セル厚調整用絶縁層18、走査電極64及び画素電極10等を通過して観察者に至る。この場合、その照明光は、上記の要素を透過することにより所定の明るさを呈する。これにより、高輝度及び高コントラストの向上が図られている。
次に、本発明の第2実施形態に係る液晶装置200の作用効果について説明すると、第2実施形態に係る液晶装置200は、上記した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
即ち、この液晶装置200では、特に、R、G、Bの反射領域E11、及び、W(透明)の透過領域E10には、同一の透明材料(例えば、透明樹脂材料)よりなるセル厚調整用絶縁層18が設けられている。つまり、この液晶装置200の製造過程において、R、G、Bの各反射領域E11における各保護層19上に設けられるセル厚調整用絶縁層18と、W(透明)の透過領域E10に設けられるセル厚調整用絶縁層18とは、同一の工程により同一の透明材料により同時に形成されている。これにより、R、G、Bの各サブ画素領域SGに対応する位置にマルチギャップ構造を、また、Wのサブ画素領域SG(透過領域E10)にセル厚調整用のセル厚調整用絶縁層18を夫々同時に形成することができる。その結果、上記の比較例と比較して工程の削減を図ることができ、これにより液晶装置100の製品コストを低減できる。
上記のように、R、G、B及びWの各透過領域E10に対応する液晶層4の厚さd5と、R、G、Bの各反射領域E11に対応する液晶層4の厚さd6と、R、G、Bの各反射領域E11に対応するセル厚調整用絶縁層18及びWの各透過領域E10に対応するセル厚調整用絶縁層18の厚さd7との関係は、d5≒d6+d7となるように設定されているのが好ましい。また、厚さd5を4μmに設定し、また、厚さd6を2μmに設定した場合には、厚さd7は約2μmに設定されているのが好ましい。
[変形例]
上記の第1実施形態では、カラーフィルタ基板92側のR、G、Bの各サブ画素領域SGにおいて、透過領域E10と反射領域E11とで均一な色を表示するために、反射領域E11に形成される着色層6に開口6aを設けるように構成した。これに限らず、本発明では、着色層6に開口6aを設けるのではなく、透過領域E10に形成される着色層6の厚さを、反射領域E11に形成される着色層6の厚さより大きくすることにより、上記同様の作用効果を得るようにしても構わない。
かかる構成について、図11を参照して簡単に説明する。図11は、図5に対応する断面図であるが、Gのサブ画素領域SGを着目してわかるように、透過領域E10に形成された着色層6の厚さと、反射領域E11に形成された着色層6の厚さとが夫々異なっている。
即ち、図11に示すように、着色層6Gに対応するサブ画素領域SGに着目した場合、その透過領域E10及び反射領域E11の構成は次の通りとなっている。まず、透過領域E10では、上側基板2上に着色層6Gが形成されていると共に、その着色層6G上に共通電極8が形成されている。一方、反射領域E11では、上側基板2上に樹脂材料よりなる樹脂層20が形成されていると共に、その樹脂層20上には着色層6Gが形成されており、さらに、その着色層6G上にはセル厚調整用絶縁層18が形成されている。また、セル厚調整用絶縁層18上には共通電極8が形成されている。そして、透過領域E10に形成された着色層6Gの厚さはd8に、また、反射領域E11に形成された着色層6Gの厚さはd9(<d8)に設定されている。好適な例では、透過領域E10に形成された着色層6Gの厚さd8は、反射領域E11に形成された着色層6Gの厚さd9の約2倍に設定されているのが好ましい。
かかる構成において透過型表示を行う場合、バックライト15から出射された照明光は経路Tに沿って透過領域E10の着色層6Gを1回通過するのに対し、反射型表示を行う場合、外光は経路Rに沿って反射領域E11の着色層6Gをまず1回通過し、続いて、その通過した外光は着色層6Gの下側に配置された反射電極5により反射されて再び経路Rに沿って着色層6Gをもう1回通過するため、その光は合計で着色層6Gを2回通過することになる。つまり、反射型表示を行う場合には、透過型表示を行う場合と比較して、光が着色層6Gを1回だけ余計に通過する。
このため、透過領域E10に形成された着色層6Gの厚さd8が、反射領域E11に形成された着色層6Gの厚さd9に対して約2倍に設定されている場合には、透過領域E10と反射領域E11とで同一の長さだけ光が通過することになるので、その両者の領域では均一な色を表示することが可能となる。なお、ここでは、特に説明を省略するが、勿論、R及びBの各サブ画素領域SGの構成も上記した変形例と同様の構成とすることができる。
また、第2実施形態も第1実施形態と同様に、R、G、Bの各サブ画素領域SGにおいて、透過領域E10と反射領域E11とで均一な色を表示するために、反射領域E11に形成される着色層6に開口6aを設けるように構成していた。
この構成に限らず、本発明では、第2実施形態も、上記した変形例と同様の構成を採用することができる。この点について、図12を参照して簡単に説明する。図12は、図10に対応する断面図であるが、Gのサブ画素領域SGを着目してわかるように、透過領域E10に形成される着色層6の厚さと、反射領域E11に形成される着色層6の厚さとが夫々異なっている。
即ち、図12に示すように、着色層6Gに対応するサブ画素領域SGに着目した場合、その透過領域E10及び反射領域E11の構成は次の通りとなっている。まず、透過領域E10では、下側基板81上に着色層6Gが形成されていると共に、その着色層6G上には保護層19が形成されており、さらに、その保護層19上には走査電極64が形成されている。一方、反射領域E11では、下側基板81上に樹脂層17が形成されていると共に、その樹脂層17上には反射層65が形成されている。また、その反射層65上には着色層6Gが形成されていると共に、その着色層6G上には保護層19が形成されている。さらに、その保護層19上には、セル厚調整用絶縁層18が形成されていると共に、そのセル厚調整用絶縁層18上には走査電極64が形成されている。
そして、透過領域E10に形成された着色層6Gの厚さはd10に、一方、反射領域E11に形成された着色層6Gの厚さはd11(<d10)に設定されている。好適な例では、透過領域E10に形成された着色層6Gの厚さd10は、反射領域E11に形成された着色層6Gの厚さd11の約2倍に設定されているのが好ましい。これにより、上記した原理と同様の方法で、透過領域E10及び反射領域E11を夫々光が通過することにより、透過領域E10と反射領域E11とで均一な色を表示することが可能となる。なお、R及びBの各サブ画素領域SGの構成も、勿論、上記した変形例と同様の構成とすることができる。
また、上記の第1及び第2実施形態(上記した各変形例も含む)では、R、G、Bの各サブ画素領域SGには透過領域E10及び反射領域E11を夫々設ける一方、Wのサブ画素領域SGには透過領域E10のみ設けるように構成した。これに限らず、本発明では、第1及び第2実施形態において、Wのサブ画素領域SGの構成も、R、G、Bの各サブ画素領域SGの構成と同様に、透過領域E10及び反射領域E11を夫々設けるようにしても構わない。かかる構成を採用した1つの画素領域AGの平面的な構成を図13(a)及び(b)に夫々示す。ここで、図13(a)は、第1実施形態に係る、図2に対応する部分平面図であり、Wのサブ画素領域SG内に透過領域E10と反射領域E11を設けた構成図を示している。一方、図13(b)は、第2実施形態に係る、図7に対応する部分平面図であり、Wのサブ画素領域SG内に透過領域E10と反射領域E11を設けた構成図を示している。
なお、この場合、第1実施形態(上記の変形例を含む)では、素子基板91側において、Wの反射領域E11に対応する、樹脂層17と画素電極10の間に反射電極5を設ける必要がある。一方、第2実施形態(上記の変形例を含む)では、カラーフィルタ基板94において、Wの反射領域E11の樹脂層17とセル厚調整用絶縁層18の間に反射層65を設ける必要がある。
また、第1及び第2実施形態では、R、G、B、Wの着色層6を含む2行2列のサブ画素領域SGによって1つの画素領域AGを構成したが、これに限らず、本発明では、図14(a)に示すように、R、G、B、Wの着色層6を含む1行4列のサブ画素領域SG(全て同一の面積)によって1つの画素領域AGを構成するようにしても構わない。なお、このとき、R、G、B、Wの配列順序は図14(a)の構成に限定されず、必要に応じてその配列順序は適宜変更可能である。また、上記のようにWを1つの画素領域AG内に設ければ、輝度が向上する反面、高輝度での色濃度が低下することがある。したがって、輝度を向上させつつ色濃度の低下を防止するためには、図14(b)に示すように、Wのサブ画素領域SGの面積を、R、G、Bの各サブ画素領域SGの面積と比べて、相対的に小さくなるよう設定することが有効である。また、本発明では、R、G、B、Wの着色層6を含む1つの画素領域SGの構成は、上記の構成に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
また、本発明では、上記の第1及び第2実施形態において、セル厚調整用絶縁層18は、R、G、Bの各着色層6の保護膜を兼ねる場合があるので、R、G、Bの各透過領域の着色層6上には、そのセル厚調整用絶縁層18を薄肉部として残しても構わない。
また、本発明では、上記の第1及び第2実施形態において、セル厚調整用絶縁層18と着色層を同一の基板に配置したが、これに限らず、本発明では、セル厚調整用絶縁層18と着色層6を別の基板に配置しても構わない。具体的には、スイッチング素子が設けられてなる基板にセル厚調整用絶縁層18を配置し、その基板と対向する基板に着色層6を配置しても良い。この時、セル厚調整用絶縁層18上に反射電極5又は反射層65を配置しても良い。要は、セル厚調整用絶縁層18によって、R、G、Bの各着色層6を備える表示画素における透過領域と、着色層を備えないWの表示画素における透過領域と、の間で液晶層厚の厚さが大きく異なるのを防ぐことができれば良いのである。
[液晶装置の製造方法]
次に、上記した本発明の第1及び第2実施形態に係る液晶装置100及び200の製造方法等について説明する。
(第1実施形態に係る液晶装置の製造方法)
まず、図15乃至図21を参照して、第1実施形態に係る液晶装置100の製造方法について説明する。図15は、第1及び第2実施形態に係る液晶装置100及び200の製造方法を示すフローチャートである。図16は、第1実施形態に係るカラーフィルタ基板92の製造方法を示すフローチャートである。図17乃至図21は、図15における工程S1に対応する各工程図を示す。図17乃至図21において、SG(W)はW(透明)に対応するサブ画素領域SGを、また、SG(G)はG(緑)に対応するサブ画素領域SGを夫々示している。また、E10は透過領域となるべき領域を、また、E11は反射領域となるべき領域を夫々示している。なお、以下では、図5に示されるカラーフィルタ基板92の断面構成を一例にとり説明する。
まず、上記したカラーフィルタ基板92を作製する(工程S1)。このカラーフィルタ基板92は、工程P1乃至工程P6を経ることにより作製される。
具体的には、まず、ガラスや石英などの材料よりなる上側基板2を用意し、次いで、フォトリソグラフィー技術を用いて、その上側基板2上に、例えば黒色樹脂材料よりなるBMを成膜し、その後エッチング処理を施す。これにより、図17(a)に示すように、サブ画素領域SGの周囲に額縁状の形状を有するようにBMを形成する(工程P1)。
次に、R、G、Bの各着色層6を形成する(工程P2)。具体的には、図17(b)に示すように、R、G、Bの各着色層6を、上記した図1等の配列パターンとなるように各サブ画素領域SG内にフォトリソグラフィー技術を用いて形成する。このとき、各着色層6の厚さはd3に設定される。好適な例では、各着色層6の厚さd3は約2μmに設定されるのが好ましい。また、このとき、反射領域E11に対応する各着色層6R、6G、6Bには透過領域E10と反射領域E11とで均一な色を表示する機能を有する開口6aが設けられる。また、このとき、Wのサブ画素領域SGに形成された着色層6は全てエッチング処理により除去される。
次に、セル厚調整用絶縁層を形成する(工程P3)。具体的には、上側基板2の一部、BM及び着色層6の上に一面に亘って透明樹脂材料などよりなるセル厚調整用絶縁層18を成膜し、その後エッチング処理を施す。このとき、セル厚調整用絶縁層18の厚さは、着色層6と同一の厚さd3に設定される。これにより、本製造方法により液晶装置100が製造されたときに、Wの透過領域E10の液晶層4の厚さと、R、G、Bの各透過領域E10の液晶層4の厚さを同一に設定できると共に、R、G、Bの各透過領域E10の液晶層4の厚さと、R、G、Bの各反射領域E11の液晶層4の厚さとを最適な厚さに設定することができる。
特に、この工程では、Wのサブ画素領域SG、及び、R、G、Bの各反射領域E11に、夫々同一の透明樹脂材料よりなるセル厚調整用絶縁層18を同時に形成するようにしている。よって、Wのサブ画素領域SGと、R、G、Bの各反射領域E11とに対して、それぞれ、セル厚調整用絶縁層18を独立に形成するような工程を有する製造方法(比較例)と比較した場合、その分だけ工程の削減を図ることができる。その結果、本製造方法により製造される液晶装置100の製品コストの低減を図ることができる。
しかしながら、プロセス上の理由等により、セル厚調整用絶縁層18の厚さが、上記の各着色層6の厚さより大きく形成されてしまう場合がある。
このような場合、W(透明)のサブ画素領域SG(透過領域E10)に対応する液晶層4の厚さは、R、G、Bの各透過領域E10に対応する液晶層4の厚さと非同一となってしまい、その両者の領域では光学特性にバラツキが生じてしまう。
そこで、このような場合には、次工程としての工程P4を実行することにより、Wのサブ画素領域SG(透過領域E10)に対応するセル厚調整用絶縁層18の厚さと、R、G、Bの各透過領域E10に対応する各着色層6の厚さとを同一にする。なお、セル厚調整用絶縁層18の厚さと、各着色層6の厚さとが同一の厚さに設定されている場合には、勿論、工程P4を実行する必要はない。また、工程P4は、工程P3の次工程としてではなく、工程P3に含まれるようにしても構わない。
ここで、図19及び図20を参照して、工程P4について説明する。上記のように、セル厚調整用絶縁層18の厚さが各着色層6の厚さより大きい場合には、上記の不具合を解消するため、工程P4において、レジスト塗布工程、予備乾燥(プリベーク)工程、露光工程、現像工程及びエッチング工程を含むフォトリソグラフィー技術により、セル厚調整用絶縁層18の厚さと、各着色層6の厚さとを一致させる。このとき露光方法としては、例えば2重露光方法、或いは、ハーフトーン露光方法を用いるのが好ましい。ここで、「2重露光方法」とは、構成の異なる2種類のマスク70及び75を用いて、上記の工程で作製された基板に対して1回づつ露光(合計2回の露光)を実施する方法をいう。一方、「ハーフトーン露光方法」とは、透明膜と比べて光透過率の低い半透過膜を一部に含むマスク76を用いて、上記の工程で作製された基板に対して1回だけ露光を実施する方法をいう。
まず、図19を参照して、2重露光方法により、Wのサブ画素領域SG(透過領域E10)に対応するセル厚調整用絶縁層18の厚さと、各着色層6の厚さとを同一に設定する方法について説明する。なお、以下では、フォトリソグラフィー技術において、露光工程以外の各工程についての説明は省略又は簡略化する。
上記したように、マスク70とマスク75の構成は各々異なっている。マスク70は、上記の基板に対して1回目に露光するときに用いられる一方、マスク75は、上記の基板に対して2回目に露光するときに用いられる。なお、図19(a)及び(b)に示される複数の矢印はUV(紫外線)又はi線などの光の進行方向を示している。
まず、図19(a)において、上記の工程P3にて作製された基板上に、セル厚調整用絶縁層18となるべき感光性樹脂(レジスト)18xを塗布する。このとき、例えば、R、G、Bの各着色層6の厚さをd20とした場合、レジスト18は所定の厚さd21(=2×d20)だけ塗布される。次いで、上記の基板上の所定位置に配置されたマスク70を通じて1回目の露光を実施し、その後、現像、エッチング処理を施して、所定の領域の不要なレジスト18xを除去する。なお、このとき用いるレジスト18xは、マスクにより遮光された領域のレジストが硬化される一方、マスクにより露光された領域のレジスト等が除去されるポジ型レジストを用いるのが好ましい。
ここで、マスク70は、図19(a)に示すように、左から順に、光を完全に通過させる開口が形成された完全露光の領域(SG(W)の領域に対応する位置に配置される)と、光を完全に遮光する材料よりなる完全遮光の領域(SG(G)、SG(R)、SG(B)の各反射領域E11に対応する位置に配置される)と、完全露光の領域(SG(G)、SG(R)、SG(B)の各透過領域E10に対応する位置に配置される)とを備えて構成される。
これにより、マスク70により完全露光された、R、G、Bの各透過領域E10の各着色層6上に形成された領域E50に対応するレジスト18x(厚さd20に相当)、及び、Wのサブ画素領域SGの領域E51に対応するレジスト18x(厚さd20に相当)が夫々除去される一方、マスク70により完全遮光された、R、G、Bの各反射領域E11に対応するレジスト18xは除去されることなく残存する。
続いて、マスク75を用いて2回目の露光を実施する。まず、図19(b)に示すように、上記の基板上の所定位置にマスク75を配置して、そのマスク75を通じて2回目の露光を実施し、その後、現像、エッチング処理を施して不要なレジスト等を除去する。
ここで、マスク75は、図19(b)に示すように、左から順に、完全遮光の領域(SG(W)の領域に対応する位置に配置される)と、同じく完全遮光の領域(SG(G)、SG(R)、SG(B)の各反射領域E11に対応する位置に配置される)と、完全露光の領域(SG(G)、SG(R)、SG(B)の各透過領域E10に対応する位置に配置される)とを備えて構成される。
これにより、マスク75により完全露光された、R、G、Bの各透過領域E10の領域E52に対応するレジスト18x(厚さd21に相当)は完全に除去される一方、マスク75により完全遮光された、Wのサブ画素領域SGに対応するレジスト18x、及び、R、G、Bの各反射領域E11に対応するレジスト18xは除去されることなく残存する。
以上に述べた2重露光方法を採用することにより、図18に示される基板と略同様の状態、即ち、Wのサブ画素領域SG(透過領域E10)に対応するセル厚調整用絶縁層18の厚さと、R、G、Bの各透過領域E10に対応する各着色層6の厚さとを同一に設定することができる。これにより、W(透明)のサブ画素領域SG(透過領域E10)に対応する液晶層4の厚さと、R、G、Bの各透過領域E10に対応する液晶層4の厚さとを同一に設定でき、その両者の領域において光学特性を同一に設定することが可能となる。
次に、図20を参照して、2重露光方法に代えて、ハーフトーン露光方法により、Wのサブ画素領域SG(透過領域E10)に対応するセル厚調整用絶縁層18の厚さと、R、G、Bの各透過領域E10に対応する各着色層6の厚さとを同一の厚さに設定する方法について説明する。
まず、図20に示すように、上記の工程P3にて作製された基板に、レジスト18xを塗布する。このとき、例えば、R、G、Bの各着色層6の厚さをd20とした場合、レジスト18は所定の厚さd21(=2×d20)だけ塗布される。次いで、上記の基板上の所定位置に配置されたマスク76を通じて露光を1回だけ実施し、その後、その基板に対して現像、エッチング処理を施して不要なレジスト等を除去する。
ここで、マスク76は、図20に示すように、左から順に、透明膜と比べて光透過率の低い半透過膜によりなるハーフトーン露光の領域(SG(W)の領域に対応する位置に配置される)と、完全遮光の領域(SG(G)、SG(R)、SG(B)の各反射領域E11に対応する位置に配置される)と、完全露光の領域(SG(G)、SG(R)、SG(B)の各透過領域E10に対応する位置に配置される)とを備えて構成される。
これにより、マスク76によりハーフトーン露光されたWのサブ画素領域SG(透過領域E10)の領域E54に対応するレジスト18xは所定厚さd20分だけエッチングにより除去されて、その厚さが薄くなるように形成され、また、マスク76により完全遮光されたR、G、Bの各反射領域E11に対応するレジスト18xは除去されることなく残存し、また、マスク76により完全露光された、R、G、Bの各透過領域E10の領域E53に対応するレジスト18x(厚さd21に相当)は完全に除去される。
以上に述べたハーフトーン露光方法を採用することにより、上記した2重露光方法と同様に、W(透明)のサブ画素領域SG(透過領域E10)に対応する液晶層4の厚さと、R、G、Bの各透過領域E10に対応する液晶層4の厚さとを同一に設定でき、その両者の領域において光学特性を同様にすることができる。
次に、図21に示すように、セル厚調整用絶縁層18及び各着色層6等の上に、ITOなどよりなる共通電極8を形成すると共に、その共通電極8上に図示しない配向膜を形成し(工程P5)、続いて、その他の構成要素、例えば、上側基板2の外面側に位相差板11及び偏光板12等を取り付ける(工程P6)。こうして、図5等に示される、第1実施形態のカラーフィルタ基板92が作製される。
次に、図15に戻り、図5等に示される第1実施形態の素子基板91を周知の方法によって作製する(工程S2)。続いて、カラーフィルタ基板92と素子基板91とを図示しない枠状のシール材5を介して貼り合わせ、そのシール材5に設けられた開口を通じて、その両基板の内部に液晶を封入し、さらに、樹脂材料等を用いてその開口を封止処理する(工程S3)。その他、必要な要素を取り付けることにより(工程S4)、図1及び図5等に示される、第1実施形態の液晶装置100が作製される。
(第2実施形態に係る液晶装置の製造方法)
次に、図15、図22乃至図25等を参照して、第2実施形態に係る液晶装置200の製造方法について説明する。図22は、第2実施形態に係るカラーフィルタ基板94の製造方法を示すフローチャートである。図23乃至図25は、図15における工程S1に対応する各工程図を示す。図23乃至図25において、SG(W)はWに対応するサブ画素領域SGを、また、SG(G)はGに対応するサブ画素領域SGを夫々示している。また、E10は透過領域となるべき領域を、また、E11は反射領域となるべき領域を夫々示している。なお、以下では、図10に示されるカラーフィルタ基板94の断面構成を一例にとり説明する。
まず、上記したカラーフィルタ基板94を作製する(工程S1)。このカラーフィルタ基板94は、工程R1乃至工程R8を経ることにより作製される。
具体的には、まず、ガラスや石英などの材料よりなる下側基板81を用意し、次いで、フォトリソグラフィー技術を用いて、その下側基板81上に、樹脂材料などよりなる樹脂層17を成膜し、続いて、R、G、Bの各サブ画素領域SGに対応する樹脂層17の表面をエッチング処理等することにより、その表面上に微小な複数の凹凸を形成する(工程R1)。
次に、反射層65を形成する(工程R2)。具体的には、R、G、Bの各反射領域E11等に対応する樹脂層17上に、Alなどを成膜し、続いて、R、G、Bの各透過領域E10等に対応する樹脂層17上に成膜された反射層65の一部分をエッチングにより除去する。これにより、R、G、Bの各透過領域E10に光を透過させる機能を有する透過開口領域85が形成されると共に、少なくともR、G、Bの各反射領域E11に反射層65が形成される。
次に、周知の方法にて、R、G、Bの各着色層6を形成する(工程R3)。このとき、例えば、着色層6B、着色層6R、着色層6Gの順に、それらが形成されるべきサブ画素領域SGに、当該各着色層6R、6G、6Bを形成する。なお、各着色層6R、6G、6Bの形成する順番に特に限定はない。このとき、同時に、R、G、Bの各反射領域E11に対応する着色層6には透過領域E10と反射領域E11とで均一な色を表示する機能を有する開口6aが形成されると共に、各着色層6を区画する領域には、着色層6R、6G、6Bのうち、任意の2色が重ね合わされた遮光層67、及び3色の着色層6R、6G、6Bが重ね合わされた遮光層68が形成される(図8(b)を参照)。
次に、周知の方法にて、アクリル樹脂などよりなる保護膜19を、R、G、Bの各サブ画素領域SGに対応する位置に形成する(工程R4)。このとき、樹脂層17上から保護層19上までの距離はd7に設定される。
次に、セル厚調整用絶縁層18を形成する(工程R5)。具体的には、第1実施形態のカラーフィルタ基板92と同様の方法により、Wのサブ画素領域SGに対応する樹脂層17、及び、R、G、Bの各サブ画素領域SGに対応する保護層19上に透明樹脂材料よりなるセル厚調整用絶縁層18を成膜し、その後、その基板に対してエッチング処理を施す。このとき、セル厚調整用絶縁層18の厚さはd7に設定される。これにより、本製造方法により液晶装置100が製造されたときに、Wの透過領域E10の液晶層4の厚さと、R、G、Bの各透過領域E10の液晶層4の厚さを同一に設定できると共に、R、G、Bの各透過領域E10の液晶層4の厚さと、R、G、Bの各反射領域E11の液晶層4の厚さとを最適な厚さに設定することができる。
特に、この工程では、Wのサブ画素領域SG、及び、R、G、Bの各反射領域E11に、夫々同一の透明樹脂材料よりなるセル厚調整用絶縁層18を同時に形成するようにしている。よって、Wのサブ画素領域SGと、R、G、Bの各反射領域E11とに対して、セル厚調整用絶縁層18を独立に形成するような工程を有する製造方法(比較例)と比較した場合、その分だけ工程の削減を図ることができる。その結果、本製造方法により製造される液晶装置の製品コストの削減を図ることができる。また、必要に応じて、上記した第1実施形態に係るカラーフィルタ基板92の作製方法と同様の趣旨で、セル厚調整用絶縁層18の層厚を調整する工程を実行することができる(工程R6)。なお、工程R6は、工程R5の次工程としてではなく、工程R5に含まれるようにしても構わない。
次に、樹脂層17及びセル厚調整用絶縁層18等の上に、ITOなどよりなるストライプ状の走査電極64を形成し、続いて、その走査電極64等の上に図示しない配向膜を形成する(工程R7)。続いて、その他の構成要素、例えば、下側基板81の外面側に位相差板13、偏光板14及びバックライト15等を取り付ける(工程R8)。こうして、図10等に示される、第2実施形態のカラーフィルタ基板94が作製される。
次に、図15に戻り、図10等に示される第2実施形態の素子基板93を周知の方法によって作製する(工程S2)。続いて、カラーフィルタ基板94と素子基板93とを、図示しない複数の導通部材7が混入された、額縁状のシール材5を介して貼り合わせ、そのシール材5に設けられた開口を通じて、その両基板の内部に液晶を封入し、さらに、その開口を樹脂材料等を用いて封止処理する(工程S3)。その他、必要な要素を取り付けることにより(工程S4)、図6及び図10等に示される、第2実施形態の液晶装置200が作製される。
[カラーフィルタ基板の製造方法(変形例)]
次に、図12に示す変形例の構成に類似した構成を有するカラーフィルタ基板96の製造方法について説明する。
カラーフィルタ基板96は、図12に示す構成と略同様であるが、さらに、図12の構成において、Wのサブ画素領域SGに透過領域E10及び反射領域E11を有して構成される(即ち、図13(b)に対応する構成を含む)。図26(a)は、そのカラーフィルタ基板96の構成を示す部分断面図である。
まず、図26(a)を参照して、カラーフィルタ基板96の構成について簡単に説明する。なお、以下では、上記で説明した要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明は省略又は簡略化する。
図示のように、カラーフィルタ基板96は、R、G、B、Wの各サブ画素領域SGは、それぞれ、透過領域E10及び反射領域E11を有して構成される。Wの反射領域E11に対応する下側基板81上、及び、R、G、Bの各反射領域E11に対応する下側基板81上には、それぞれAlなどからなる反射層71が形成されている。そして、R、G、Bの各透過領域E10に対応する下側基板81上、及び、R、G、Bの各反射領域E11に対応する各反射層71上には、それぞれ、着色層6R、6G、6Bが形成されている。このため、図示のように、R、G、Bの各透過領域E10に対応する各着色層6の厚さは、各反射層71上に形成された着色層6の厚さより大きく設定されている。また、R、G、Bの各反射領域E11に対応する各着色層6上、及び、Wの透過領域E10に対応する下側基板81上、及び、Wの反射領域E11に対応する反射層71上には、それぞれ、同一の材料よりなるセル厚調整用絶縁層18が形成されている。図示を省略するが、かかる構成を有するカラーフィルタ基板96では、R、G、Bの各透過領域E10に対応する液晶層4の厚さは、Wの透過領域E10に対応する液晶層4の厚さと同一に設定されていると共に、R、G、Bの各反射領域E11に対応する液晶層4の厚さは、Wの反射領域E11に対応する液晶層4の厚さと同一に設定されている。
続いて、図26(b)及び(c)を参照して、かかる構成を有するカラーフィルタ基板96の製造方法について簡略化して説明する。なお、ここでは、図16の工程P3及びP4、若しくは、図22の工程R5及びR6に相当する工程についてのみ説明する。
カラーフィルタ基板96は、工程T1と、その次工程としての工程T2等を経て製造される。まず、図26(b)においてセル厚調整用絶縁層18を除去した構成を有する基板を周知の方法により製造し、続いて、その基板上にセル厚調整用絶縁層18を一定の厚さに成膜する(工程T1)。
次に、図26(c)に示すように、フォトリソグラフィー技術においてハーフトーン露光方法等を実施して、不要なセル厚調整用絶縁層18を除去する。このとき用いられるマスク79は、左から順に、完全露光(R、G、Bの各透過領域E10に対応する位置に配置される)と、ハーフトーン露光(R、G、Bの各反射領域E11に対応する位置に配置される)と、同じくハーフトーン露光(Wの透過領域E10に対応する位置に配置される)と、完全遮光(Wの反射領域E11に対応する位置に配置される)とを備えて構成される。
これにより、R、G、Bの各サブ画素領域SGにおいて、領域E50(鉤状の領域)に対応するセル厚調整用絶縁層18は除去されると共に、領域E51(破線部分で囲まれた領域)に対応するセル厚調整用絶縁層18は残存し、また、Wの透過領域E10において、領域E52(破線部分で囲まれた領域)に対応するセル厚調整用絶縁層18は除去されると共に、Wのサブ画素領域SGにおいて、領域E53に対応するセル厚調整用絶縁層18は残存する。こうして、上記の構成を有するカラーフィルタ基板96が製造される。
この製造方法では、R、G、Bの各透過領域E10に対応する着色層6の厚さと、Wの各透過領域E10に対応するセル厚調整用絶縁層18の厚さは同一に設定されるのが好ましく、また、R、G、Bの各反射領域E11に対応する、着色層6及びセル厚調整用絶縁層18を含む厚さと、Wの各反射領域E11に対応するセル厚調整用絶縁層18の厚さは同一に設定されるのが好ましい。
これにより、上記した第1及び第2実施形態の液晶装置における本発明の作用効果を得ることができる。なお、この例では、ハーフトーン露光方法を用いてカラーフィルタ基板96を作製するようにしたが、これに限らず、本発明では、2重露光方法を用いてカラーフィルタ基板96を作製するようにしても勿論構わない。
[電子機器]
次に、本発明に係る第1及び第2実施形態(上記の各種変形例を含む、以下同様)の液晶装置100又は200を電子機器の表示装置として用いる場合の実施形態について説明する。
図27は、本実施形態の全体構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、上記の液晶装置100又は200等と、これを制御する制御手段410とを有する。ここでは、液晶装置100又は200等を、パネル構造体403と、半導体ICなどで構成される駆動回路402とに概念的に分けて描いてある。また、制御手段410は、表示情報出力源411と、表示情報処理回路412と、電源回路413と、タイミングジェネレータ414と、を有する。
表示情報出力源411は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などからなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスクなどからなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ414によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの形で表示情報を表示情報処理回路412に供給するように構成されている。
表示情報処理回路412は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路などの周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKとともに駆動回路402へ供給する。駆動回路402は、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路413は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
次に、本発明の第1及び第2実施形態(上記の各種変形例を含む)の液晶装置100又は200を適用可能な電子機器の具体例について図28を参照して説明する。
まず、本発明の第1及び第2実施形態(上記の各種変形例を含む、以下同様)の液晶装置100又は200等を、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)の表示部に適用した例について説明する。図28(a)は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ710は、キーボード711を備えた本体部712と、本発明に係る液晶装置をパネルとして適用した表示部713とを備えている。
続いて、本発明の第1及び第2実施形態(上記の各種変形例を含む)の液晶装置100又は200等を、携帯電話機の表示部に適用した例について説明する。図28(b)は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機720は、複数の操作ボタン721のほか、受話口722、送話口723とともに、本発明の第1乃至第3実施形態に係る液晶装置を適用した表示部724を備える。
なお、本発明の第1及び第2実施形態(上記の各種変形例を含む)の液晶装置100又は200等を適用可能な電子機器としては、図28(a)に示したパーソナルコンピュータや、図28(b)に示した携帯電話機の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラなどが挙げられる。
4 液晶層、 5 反射電極、 6 着色層、 8 共通電極、 10 画素電極、 18 セル厚調整用絶縁層、 21 TFT素子、32 ソース線、 33 ゲート線、
62 データ線、 63 TFD素子、 64 走査電極、 65 反射層、 70、75、76、79 マスク、 40 ドライバIC、 41 FPC、 91、93 素子基板、 92、94、96 カラーフィルタ基板、 100、200 液晶装置。