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JP4141037B2 - スチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法 - Google Patents

スチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法 Download PDF

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JP4141037B2
JP4141037B2 JP01222899A JP1222899A JP4141037B2 JP 4141037 B2 JP4141037 B2 JP 4141037B2 JP 01222899 A JP01222899 A JP 01222899A JP 1222899 A JP1222899 A JP 1222899A JP 4141037 B2 JP4141037 B2 JP 4141037B2
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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、スチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法、特に、カチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
スチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、高い凝集力を有し、また、低温下でも高弾性力を示すことから、プラスチック、熱硬化性樹脂および道路舗装用アスファルトやアスファルト乳剤の改質剤、粘接着剤、或いはプラスチック成形体、各種フィルムおよび各種シートのコーティング剤として広く利用されている。
【0003】
このようなスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、通常、スチレン系熱可塑性エラストマーをトルエン等の有機溶剤に溶解した有機相と、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルやロジン酸カリウム等のノニオン性またはアニオン性の乳化剤を溶解させた水相とを混合し、これをホモミキサーや超音波分散機等を用いて乳化した後に有機溶剤を除去して製造されている(例えば、特公昭55−8020号公報、特開平4−161460号公報参照)。
【0004】
これに対し、ノニオン性またはアニオン性の乳化剤に代えてカチオン性の乳化剤を用いて同様のラテックスを製造する試みがなされているが、これにより製造されるラテックスは、粒子径が大きく、また、保存安定性が不十分であり、実用性のあるものとは言い難い。
【0005】
本発明の目的は、粒子径が小さくかつ保存安定性に優れたカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスを製造することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述の目的を達成するために鋭意検討した結果、特定のカチオン性乳化剤を用いた場合、粒子径が小さく、しかも保存安定性に優れたカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明に係るカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法は、有機溶剤に溶解させたスチレン系熱可塑性エラストマーを、第4級ドデシルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステル、第4級オレイルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステル、第4級ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルアミン酢酸塩およびヤシアルキルアミン塩酸塩のうちの少なくとも1つの塩を用いて乳化する工程を含んでいる。
【0008】
ここで、上述の第4級アルキルアンモニウム塩およびアルキルアミン塩のうちの少なくとも1つの塩は、通常、スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部に対して1〜15重量部用いられる。
【0011】
スチレン系熱可塑性エラストマーは、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体のうちの少なくとも1つである。
【0012】
本発明に係るカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、第4級ドデシルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステル、第4級オレイルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステル、第4級ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルアミン酢酸塩およびヤシアルキルアミン塩酸塩のうちの少なくとも1つの塩が溶解した水系の分散媒と、当該分散媒中に乳化分散されたスチレン系熱可塑性エラストマー粒子とを含んでいる。
【0013】
ここで、スチレン系熱可塑性エラストマー粒子の重量平均粒子径は、通常、0.1〜2μmである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係るカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法は、通常、スチレン系熱可塑性エラストマーを有機溶剤に溶解した有機相および乳化剤を溶解した水相をそれぞれ調製する工程と、得られた有機相と水相とを混合して乳化させる工程と、得られた乳化液から有機溶剤を除去する工程とを主に含んでいる。
【0015】
本発明で用いられるスチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレンによる繰り返し単位を含むものであれば特に限定されるものではなく、公知の各種のものである。このようなスチレン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体を挙げることができる。このうち、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体が特に好ましく用いられる。
【0016】
なお、上述のスチレン系熱可塑性エラストマーにおけるスチレン由来の繰り返し単位の割合は、特に限定されるものではないが、通常、重合時のスチレンモノマー換算で10〜50重量%に設定されているのが好ましく、15〜40重量%に設定されているのがより好ましい。
また、上述のスチレン系熱可塑性エラストマーは、2種以上のものが混合して用いられてもよい。
【0017】
上述のスチレン系熱可塑性エラストマーを含む有機相を調製する際に用いられる有機溶剤は、特に限定されるものではないが、通常はヘキサン、ヘプタンおよびシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系有機溶剤または脂環式炭化水素系有機溶剤、並びにベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素系有機溶剤などである。これらの有機溶剤は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上のものが併用されてもよい。
【0018】
有機相を調製する場合、スチレン系熱可塑性エラストマーの溶解割合は、特に限定されるものではないが、通常、有機溶剤中における濃度が5〜40重量%になるよう設定するのが好ましい。
【0019】
一方、本発明で用いられる乳化剤は、第4級アルキルアンモニウム塩およびアルキルアミン塩のうちの少なくとも1つの塩、すなわちカチオン性乳化剤である。
本発明で用いられる第4級アルキルアンモニウム塩は、下記の一般式(1)で示されるものである。
【0020】
【化1】
Figure 0004141037
【0021】
一般式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、いずれもアルキル基であり、それらのうちの少なくとも1つは炭素数が6〜24のアルキル基でありかつ他は炭素数が1〜5のアルキル基である。また、Xは、ハロゲン原子および硫酸アルキルエステルのうちの1つである。
【0022】
ここで、炭素数が6〜24のアルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ベンジル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基、ベヘニル基、ヤシアルキル基、牛脂アルキル基および大豆アルキル基を挙げることができる。これらのうち、ドデシル基、ベンジル基、オレイル基およびヤシアルキル基が好ましい。
【0023】
なお、R1、R2、R3およびR4のうちの2つ以上が炭素数6〜24のアルキル基の場合、これらのアルキル基は、同じものであってもよいし、互いに異なるものであってもよい。
【0024】
また、炭素数が1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘプチル基、iso−ヘプチル基、sec−ヘプチル基およびtert−ヘプチル基などが挙げられる。これらのうち、メチル基およびエチル基が好ましい。
【0025】
なお、R1、R2、R3およびR4のうちの2つ以上が炭素数1〜5のアルキル基の場合、これらのアルキル基は、同じものであってもよいし、互いに異なるものであってもよい。
【0026】
一方、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を挙げることができ、このうち塩素原子が好ましい。
また、硫酸アルキルエステルとしては、例えば、硫酸メチルエステル、硫酸エチルエステル、硫酸プロピルエステルおよび硫酸ブチルエステルなどを挙げることができ、このうち硫酸エチルエステルが好ましい。
【0027】
上述のような一般式(1)で示される第4級アルキルアンモニウム塩の具体例としては、第4級オレイルエチルジメチルアンモニウムクロライド、第4級ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、第4級牛脂アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、第4級ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、第4級ドデシルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステル、第4級オレイルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステルおよび第4級ヤシアルキルエチルジメチルアンモニウム硫酸メチルエステルなどを挙げることができる。
【0028】
これらの中でも、R1、R2、R3およびR4のうちの1つが炭素数6〜24のアルキル基でありかつ他の3つが炭素数1〜5のアルキル基であり、また、Xが硫酸エチルエステルである第4級ドデシルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステルおよび第4級オレイルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステル、並びにR1、R2、R3およびR4のうちの2つが炭素数6〜24のアルキル基でありかつ他の2つが炭素数1〜5のアルキル基であり、また、Xが塩素原子である第4級ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドが特に好ましく用いられる。
なお、本発明においては、上述の第4級アルキルアンモニウム塩の2種以上が併用されてもよい。
【0029】
一方、本発明で用いられるアルキルアミン塩は、下記の一般式(2)で示されるものである。
【0030】
【化2】
Figure 0004141037
【0031】
一般式(2)において、R5は、炭素数が6〜24のアルキル基を示し、また、HAは酸を示している。
ここで、炭素数が6〜24のアルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ベンジル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基、ベヘニル基、ヤシアルキル基、牛脂アルキル基および大豆アルキル基を挙げることができる。これらのうち、デシル基およびヤシアルキル基が好ましい。
【0032】
また、HAで示される酸としては、例えば、塩酸、ホウ酸、蟻酸および酢酸などを挙げることができ、これらのうち塩酸および酢酸が好ましい。
【0033】
上述のような一般式(2)で示されるアルキルアミン塩の具体例としては、オクタデシルアミン塩、テトラデシルアミン塩、オクチルアミン塩、ヤシアルキルアミン塩およびドデシルアミン塩を挙げることができる。これらの中でも、テトラデシルアミン酢酸塩およびヤシアルキルアミン塩酸塩が特に好ましく用いられる。
なお、本発明においては、上述のアルキルアミン塩の2種以上が併用されてもよい。
【0034】
上述のような乳化剤を含む水相を調製する場合は、通常、水中に乳化剤を添加して溶解させる。この際、乳化剤の添加量は、特に限定されるものではないが、通常、水中における濃度が0.1〜50重量%になるよう設定するのが好ましい。
【0035】
スチレン系熱可塑性エラストマーを含む有機相と乳化剤を含む水相とを混合して乳化させる工程において、有機相と水相との混合割合は、通常、スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部に対する乳化剤の割合が1〜15重量部になるよう設定するのが好ましく、2〜7重量部になるよう設定するのがより好ましい。乳化剤の割合が1重量部未満の場合は、安定な乳化液が得られ難い場合がある。逆に、15重量部を超えると、乳化が容易になるものの不経済であり、また、得られるカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの各種物性が損なわれるおそれがある。
【0036】
有機相と水相とを混合して乳化させるための方法は、特に限定されるものではなく、例えば、適当な剪断力を有する乳化機、例えばホモジナイザーやコロイドミルなどを用いて攪拌混合する方法や、超音波分散機等を用いて分散・混合する方法を採用することができるが、通常は攪拌混合する方法を採用するのが好ましい。
また、乳化時の温度は、特に限定されるものではないが、通常、5〜70℃の範囲に設定するのが好ましい。
【0037】
なお、上述のような乳化工程においては、上述の乳化剤、すなわち、第4級アルキルアンモニウム塩およびアルキルアミン塩以外の他の乳化剤または分散安定剤を併せて用いることもできる。
【0038】
この場合に用いられる他の乳化剤としては、例えば、トリエチルメチルアンモニウムクロライド、アルキルジアミン酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体およびポリグリセリンエステルなどを挙げることができる。
【0039】
一方、分散安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、カチオン化ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリジメチルジアリルアンモニウムクロライドなどを挙げることができる。
【0040】
本発明に係るカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、上述の乳化工程により得られた乳化液から有機溶剤を除去すると得られる。有機溶剤の除去は、一般に、減圧下で乳化液を加熱する通常の留去方法に従って実施することができる。
このようにして得られるカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、必要に応じて加熱濃縮、遠心分離または湿式分離等の操作により所望の濃度になるまで濃縮することもできる。
【0041】
以上のような本発明の製造方法に従って得られるカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、水系の分散媒中にスチレン系熱可塑性エラストマー粒子が乳化分散しているものであり、上述の第4級アルキルアンモニウム塩およびアルキルアミン塩のうちの少なくとも1つの塩を含んでいるためにカチオン性が付与されている。
【0042】
ここで、スチレン系熱可塑性エラストマー粒子の重量平均粒子径は、通常、0.1〜2μmが好ましい。重量平均粒子径が0.1μm未満の場合は、ラテックスの静置安定性は高まるが、粘度が高くなるため取扱いが困難になる。逆に、2μmを超えると、ラテックスの静置安定性が低下するおそれがある。なお、この重量平均粒子径は、乳化工程における攪拌混合操作や分散混合操作を適宜調整することにより達成することができる。
【0043】
本発明の製造方法により得られるカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、上述のような特定の乳化剤である第4級アルキルアンモニウム塩およびアルキルアミン塩のうちの少なくとも1つを用いて製造されているために、分散しているスチレン系熱可塑性エラストマーの粒子径が小さく、しかも保存安定性、特に静置安定性が優れている。このカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスは、プラスチック、熱硬化性樹脂および道路舗装用アスファルトやアスファルト乳剤の改質剤、粘接着剤、或いはプラスチック成形体、各種フィルムおよび各種シートのコーティング剤などとして広く利用可能である。例えば、このラテックスを道路舗装用アスファルトやアスファルト乳剤の改質剤として用いた場合、アスファルト中に均一に分散、混合される結果、優れた改質アスファルト舗装を容易に実現することができる。
【0044】
【実施例】
実施例1
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(シェルケミカルズ社の商品名“クレイトンD1101”:スチレン含有量=31重量%)30gとトルエン170gとを加え、攪拌下、室温で溶解した。
【0045】
得られたトルエン溶液に、第4級ドデシルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステル1.5gを100gの水に溶解したものを添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび30℃に設定した。得られた乳化液を100〜500torrの減圧下で40〜70℃に加熱し、トルエンを留去した。この結果、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体のラテックスが得られた。
【0046】
実施例2
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(シェルケミカルズ社の商品名“クレイトンG1650”:スチレン含有量=29重量%)30gとキシレン170gとを加え、攪拌下、50℃に加温しながら溶解した。
【0047】
得られたキシレン溶液に、第4級ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド1.8gを50gの水に溶解したものを添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび30℃に設定した。得られた乳化液を100〜500torrの減圧下で40〜80℃に加熱し、キシレンを留去した。この結果、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体のラテックスが得られた。
【0048】
実施例3
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(シェルケミカルズ社の商品名“クレイトンD1107”:スチレン含有量=15重量%)40gとキシレン160gとを加え、攪拌下、室温で溶解した。
【0049】
得られたキシレン溶液に、第4級オレイルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステル2.0gを50gの水に溶解したものを添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび30℃に設定した。得られた乳化液を100〜500torrの減圧下で40〜80℃に加熱し、キシレンを留去した。この結果、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体のラテックスが得られた。
【0050】
実施例4
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(シェルケミカルズ社の商品名“クレイトンD1101”:スチレン含有量=31重量%)40gとトルエン160gとを加え、攪拌下、室温で溶解した。
【0051】
得られたトルエン溶液に、ヤシアルキルアミン塩酸塩1.0gを100gの水に溶解したものを添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび30℃に設定した。得られた乳化液を100〜500torrの減圧下で40〜70℃に加熱し、トルエンを留去した。この結果、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体のラテックスが得られた。
【0052】
実施例5
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(シェルケミカルズ社の商品名“クレイトンD1107”:スチレン含有量=15重量%)30gとキシレン170gとを加え、攪拌下、50℃に加温しながら溶解した。
【0053】
得られたキシレン溶液に、テトラデシルアミン酢酸塩1.5gを50gの水に溶解したものを添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業株式会社の商品名“TKホモミキサー M型”)を用いて2分間攪拌混合して乳化液を得た。なお、攪拌混合時の回転数および温度は、それぞれ12,000rpmおよび30℃に設定した。得られた乳化液を100〜500torrの減圧下で40〜80℃に加熱し、キシレンを留去した。この結果、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体のラテックスが得られた。
【0054】
比較例1
第4級ドデシルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステルに代えて第4級トリエチルメチルアンモニウムクロライドを用いた以外は実施例1と同様に操作し、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体のラテックスを得た。
【0055】
比較例2
第4級ドデシルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステルに代えて第4級テトラエチルアンモニウムクロライドを用いた以外は実施例1と同様に操作し、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体のラテックスを得た。
【0056】
評価
各実施例および各比較例で得られたラテックスについて、重量平均粒子径および保存安定性を下記の方法に従って調べた。結果を表1に示す。
(重量平均粒子径)
ラテックスをレーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所の商品名“SALD−2000J”)を用いて測定した。
【0057】
(保存安定性)
ラテックス40gを50mlの容器に入れて密封し、25℃の温度環境下で放置した。そして、3ヶ月後にラテックスの状態を目視により評価した。評価の基準は下記の通りである。
○:相分離なし
×:相分離あり
【0058】
【表1】
Figure 0004141037
【0059】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、特定の第4級アルキルアンモニウム塩およびアルキルアミン塩のうちの少なくとも1つの塩を用いてスチレン系熱可塑性エラストマーを乳化しているので、粒子径が小さく、しかも保存安定性が良好なカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスを製造することができる。

Claims (5)

  1. 有機溶剤に溶解させたスチレン系熱可塑性エラストマーを、第4級ドデシルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステル、第4級オレイルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステル、第4級ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルアミン酢酸塩およびヤシアルキルアミン塩酸塩のうちの少なくとも1つの塩を用いて乳化する工程を含む、
    カチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法。
  2. 前記スチレン系熱可塑性エラストマー100重量部に対して前記塩を1〜15重量部用いる、請求項1に記載のカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法。
  3. 前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体のうちの少なくとも1つである、請求項1または2に記載のカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックスの製造方法。
  4. 第4級ドデシルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステル、第4級オレイルエチルジメチルアンモニウム硫酸エチルエステル、第4級ヤシアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルアミン酢酸塩およびヤシアルキルアミン塩酸塩のうちの少なくとも1つの塩が溶解した水系の分散媒と、
    前記分散媒中に乳化分散されたスチレン系熱可塑性エラストマー粒子と、
    を含むカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックス。
  5. 前記スチレン系熱可塑性エラストマー粒子の重量平均粒子径が0.1〜2μmである、請求項4に記載のカチオン性のスチレン系熱可塑性エラストマーラテックス。
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