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JP4139927B2 - α−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

α−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法 Download PDF

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JP4139927B2 JP34425198A JP34425198A JP4139927B2 JP 4139927 B2 JP4139927 B2 JP 4139927B2 JP 34425198 A JP34425198 A JP 34425198A JP 34425198 A JP34425198 A JP 34425198A JP 4139927 B2 JP4139927 B2 JP 4139927B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はα−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールからα−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造する方法に関する。α−ヒドロキシカルボン酸エステルは、工業的に重要な化合物であり、たとえば乳酸エステルは高沸点溶剤として用いられる他、食品添加物や医農薬、香料の原料に用いられれる。α−ヒドロキシイソ酪酸エステルは脱水によるメタクリル酸エステルの生成、アミノリシスによるアミノ酸の生成等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
α−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造する方法としては、アルコールとニトリルを酸触媒存在下で反応させる方法が古くから知られている。たとえば、乳酸エステルを製造する方法として、特公昭30-8061 号、特公昭40-2333 号には、ラクトニトリルをアルコール及び水に溶解し、硫酸を加えて加水分解並びにエステル化を行い、生成する混合物にアルコール蒸気を導入する方法が開示されている。α−ヒドロキシイソ酪酸エステルについては、酸触媒を用いてアセトンシアンヒドリンとアルコールを反応させて製造する方法が知られており、たとえば米国特許明細第2041820 号、特開平4-230241号に開示されている。これらの反応は発熱反応であって自発的に進むため、製造装置は以下に述べる他の方法に比べて単純で済む。しかしながら、酸触媒を用いるため、耐食性材料を用いる必要があるうえに、廃棄物として大量の塩が生成する欠点がある。
【0003】
α−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造する方法として、α−ヒドロキシカルボン酸アミドとエステルを反応させる方法がある。たとえば、特開平05-178792、特開平06-145106 号には、α−ヒドロキシイソ酪酸アミドとギ酸エステルを反応させて、α−ヒドロキシイソ酪酸エステルを製造する方法が開示されている。この反応はアミドとエステルの交換反応であり、大きな発熱も吸熱もなく、耐食性材料を用いる必要がないことが特徴である。しかしながら、アミドとエステルの平衡組成までしか反応が進まないという欠点がある。
【0004】
さらに、α−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールを直接反応させて、α−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造する方法が知られている。この方法は、廃棄すべき塩が生成せず、原理的には原料アミドの転化率に上限がないという特長を有する。たとえば、特開昭52-3015 号には、ガスを間欠的にパージしながら、金属カルボキシレートの存在下で反応を実施する方法が記載されている。しかし、この方法では収率が低いうえに副生物も多く、実用的ではなかった。
【0005】
また、特開平6-345692号、特開平7-258154号および特開平8-73408 号において、多量の窒素ガスを送り込み、発生するアンモニアを放出しながら、不溶性の固体酸触媒または金属触媒の存在下で反応する方法が提案されている。本発明者が検討したところ、この方法で高収率でα−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造するには、多量の窒素が必要である。このため排出されたガスからアンモニアを回収するには多大なエネルギーが必要である。さらに、使用する触媒量も多く、反応に長時間を要し、副生物も多く工業的には実用的ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようする課題】
本発明者らは先に特願平10-102880号において、液相中のアンモニア濃度を低く保ちながら反応を実施する方法を提案した。本発明はこれを工業的に有利に実施し得る方法を提案するものである。すなわち、α−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールからα−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造するにあたり、留出ガスを経済的な量にとどめると同時に高収率を満たす製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、α−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールを触媒の存在下反応させてα−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造するにあたり、
(A)(a) 複数の反応区域が直列に配置され、隣接した区域間においては、液体と気体が向流に流通できるように連結された反応装置を用い、
(b) 原料のα−ヒドロキシカルボン酸アミド及びアルコールを第1番目以降の反応区域に供給し、
(c) 各反応域を沸騰状態に保ち、アルコールと副生するアンモニアとを含むある特定の反応域からの気体を前の反応区域に供給し、該反応域の原料と生成物とを含む反応液を後ろの反応区域に供給し、
(d) 第1番目の反応区域から気体を取り出し、最後の反応区域から反応液を取り出すことを特徴とするα−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法、
および
(B) 反応装置としてガス放散装置を用い、アルコールと副生するアンモニアとを含む気体を取り出すことを特徴とするα−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
α−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールが触媒の存在下で直接反応して、エステルとアンモニアを生成する本反応は、式(1) で示される。
R1R2C(OH)-CONH2 + R3OH → R1R2C(OH)COOR3 + NH3 (1)
ここで、R1、R2は炭素数が20以下のアルキル基である。たとえば、ラクトアミド、α−ヒドロキシイソ酪酸アミドが挙げられ、それぞれ乳酸エステル、α−ヒドロキシイソ酪酸エステルが得られる。R3は炭素数が20以下であれば、他に置換基が結合していても良く、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、2-N,N-ジメチルアミノエタノール、2-N-メチルアミノエタノール、2-アミノエタノールが挙げられる。
【0009】
触媒は可溶性金属触媒、固体触媒いずれも使用できる。可溶性金属触媒として望ましくはTiまたはSnの可溶性化合物、より具体的には、これらの金属の硝酸塩、スルホン酸塩、塩化物、アルコキシド、カルボン酸塩、アミド錯体などが挙げられる。特に、α−ヒドロキシカルボン酸アミドとの錯体が好ましい。
【0010】
可溶性のランタノイド類を含む可溶性化合物も触媒として用いることができる。すなわち、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群より選ばれた1種以上の金属元素を含む可溶性化合物、より具体的には、これらの金属物の硝酸塩、スルホン酸塩、塩化物、アルコキシド、カルボン酸塩などが挙げられる。特にトリフルオロメタンスルホン酸塩が望ましい。
【0011】
固体触媒としては、金属の酸化物、水和酸化物が望ましい。たとえば、Sb、Sc、Y、La、Ce、Ti、Zr,Hf,V,Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、Re、Fe、Co、Ni、Cu、Al、Si、Sn、Pb、Biからなる群より選ばれた1種以上の金属の酸化物よりなる不溶性の化合物が挙げられる。また、Ti、Zr,Hf,V,Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、In、Bi、Teからなる群より選ばれた1種以上の金属からなる触媒も用いられる。
【0012】
式(1) の反応は吸熱反応であるため、反応熱以外に熱エネルギーを与え、反応系に熱力学的な仕事をさせることにより、反応が十分に進行するようになる。また、アミドの転化率を高くするには、アンモニアおよびアルコールなどの気化を促進させることによって達成される。
【0013】
本発明者らは検討の結果、液相の組成が均一な一つの反応区域において、反応液を沸騰状態にして副生アンモニアを気体とし気体状のアルコールと共に留出する場合、液相中におけるα−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールのモル比(アミド/アルコール)と、留出ガス中のアンモニアのモル分率(気相部のアンモニアのモル分率)が、比例関係にあることを見いだした。なお、留出ガスの成分として、副生アンモニアの他アルコールも含まれているが、窒素などのガスを外部から導入した場合は、これも含まれる。
【0014】
このことを言い換えると、液相中のα−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールの比(アミド/アルコール)が小さい場合、留出ガス中のアンモニアの割合が低く、液相中のα−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールの比(アミド/アルコール)が大きい場合、留出ガス中のアンモニアの割合が大きくなくなることを意味する。
【0015】
本反応においては、アンモニアとエステルは等量生成することから、次のように言い換えることができる。液相中の原料アミドと原料アルコールの比(アミド/アルコール)が小さい場合、生成するエステルに対して留出ガス量が多く、液相中の原料アミドと原料アルコールの比が大きい場合は、生成するエステルに対して留出ガス量が比較的少なくなる。反応系に供給される原料のアミドとアルコールの割合が一定であるのなら、該アミドの転化率が高い場合は、生成するエステルに対して留出ガス量が多く、該アミドの転化率が低い場合は、生成するエステルに対して留出ガス量が少なくなることを意味する。
【0016】
アルコールを気化、留出させるためには、蒸発潜熱を与えるための熱量が必要であるから、液相の組成が均一なただ一つの反応区域で反応を行う場合、該アミドの転化率を高くするには、供給する熱エネルギーを多くしなければならない。反応器に蒸留塔を連結することによって、反応装置から留出するガス中のアンモニアのモル分率を高くすることはできるが、還流を行うことによって熱エネルギーを消費するので、装置全体で消費する熱量は少なくなるわけではない。このことからわかるように、アンモニアのモル分率を規定すべきガスは、反応区域から留出するガスであり、蒸留操作を施したガスではない。
【0017】
先に示した比例関係が成立するので、液相の組成が均一なただ一つの反応区域で反応を行う場合には、(1) 原料のアミドの転化率を高くすることと、(2) 供給する熱エネルギー量の値を低く保つことは両立しない。そこで、留出量を増やさずに原料アミドの転化率を上げる方法として、反応区域内において、アミド、アルコール、アンモニア、エステル、それぞれの成分の濃度勾配が適切につくようにすることが考えられる。これを実現する方法として、(A) 反応区域を複数用い、アンモニアおよびアルコールを含んだ気体と、該アミドを含んだ液体を向流に接触させる方法、(B) ガス放散装置内で原料アミドとアルコールの反応を行い、生成するアンモニアを留出させる方法を発明するに至った。
【0018】
(A) 反応区域を複数用いる方法とは、
(a) 複数の反応区域が直列に配置され、隣接した区域間においては、液体と気体が向流に流通できるように連結された反応装置を用い、
(b) 原料のα−ヒドロキシカルボン酸アミド及びアルコールを第1番目以降の反応区域に供給し、
(c) 各反応域を沸騰状態に保ち、アルコールと副生するアンモニアとを含むある特定の反応域からの気体を前の反応区域に供給し、該反応域の原料と生成物とを含む反応液を後ろの反応区域に供給し、
(d) 第1番目の反応区域から気体を取り出し、最後の反応区域から反応液を取り出すことである。
【0019】
各反応区域において反応液は沸騰状態になっている。ここで沸騰状態とは副生するアンモニアがアルコールと共に反応液中で気化が起きている状態である。各反応区域において原料のアミドは触媒の存在下、原料のアルコールと反応してエステルに変化する。生成したエステルと原料のアミドを含んだ液体は、次の反応区域に流通していく。すなわち、最後の反応区域へと進むにつれて該アミドの転化率は上がり、エステルが増加する。
【0020】
各反応区域で発生したアンモニアの一部は、アルコールとともに気化して一つ前の反応区域に供給されていく。最後の反応区域から1番目の反応区域へ向かって反応区域を進むにつれて、留出するガス中のアンモニアの割合が増加する。すなわち、1番目の反応区域に近いほどアンモニアの割合が高く、最後の反応区域に近いほどアンモニアの割合が低く保たれる。この結果、各反応区域では、液相中における原料アミドとアルコールのモル比と、反応区域からの留出ガスのアンモニアモル分率の間の比例関係が維持される。留出量を変えずにアミドの転化率を上げることができる。
【0021】
少ない熱エネルギーですべての反応区域で沸騰状態を保つため、a)最後の反応区域の反応液を加熱して、アルコールまたはアルコールとアンモニアの混合液の一部を気化し、この蒸気を順次前の反応区域に導入し、1番目の反応区域から抜き出す、または、b)最後の反応区域にアルコールの蒸気またはアルコール蒸気と不活性ガスの混合ガスを導入し、このガスを順次前の反応区域に導入し、1番目の反応区域から抜き出す方法が望ましいと言える。
【0022】
反応区域は直列に連結されていれば良く、一つ一つが独立した反応器となっている必要はない。すなわち、独立した反応器を配管によって連結する方法だけでなく、一つの反応器内を仕切って、複数の反応区域に分けても構わない。反応区域の空間的な配置は問題にならず、水平、垂直いずれの方向に並べて連結しても構わない。段塔式反応装置は、複数の反応区域を垂直に連結した装置の一種である。
【0023】
独立した反応器を配管によって連結する方法の例として、3つの反応器を連結した装置の図を図1に示す。図1では、第1番目の反応器に原料であるアミドを導入し、第3番目の反応器にガスを導入する。各反応器の間はガス導管と液導管で連結され、液は液導管を通って1番目の反応器から2番目の反応器、3番目の反応器へと流れる。ガスは反対に、ガス導管を通って、3番目の反応器から2番目の反応器、1番目の反応器へと流れる。一つの反応器内を仕切って複数の反応区域に分ける場合、各反応区域は仕切り板等によって仕切られており、液とガスは向流に流れるようになっている。
【0024】
(B) ガス放散装置内で、原料アミドとアルコールを反応させ、生成するアンモニアを留出させる方法には、ガス放散装置内に原料アミド、原料アルコールを供給し、アンモニアを留出させながら、ガス放散装置内で反応を行わせる。反応装置内の液及びガスの組成は、連続的あるいは不連続的に変化するため、該アルコールの留出量を相対的に低く保ったままアミドの転化率を上げることができる。ここでガス放散装置とは、混合液から目的とするある成分を気体中に放散分離するために、工業的に用いられる装置である。ガス放散は理論的にはガス吸収の逆操作であるため、使用される装置はガス吸収に用いられるものと同等であることが多い。
【0025】
ガス放散装置は様々なものがあるが、液分散型、ガス分散型いずれも適用可能である。液分散型としては、充填塔、塗れ壁塔、液柱塔、スプレー塔などが挙げられる。ガス分散型としては、気泡塔、ガス吹き込み式攪拌器、棚段塔などが挙げられる。これらの中で充填塔、気泡塔及び棚段塔が好ましい。充填塔に用いる充填物は、不規則充填物、規則充填物、格子充填物のいずれも使用できる。また、固体触媒を成型し、充填物として用いることも可能である。気泡塔としては、ノズル式、多孔質板いずれも使用可能であるし、充填物を充填してあってもかまわない。
【0026】
ガス分散型装置は、スラリー状の原料を流すことが比較的容易であり、不溶性触媒を用いる場合に適している。均一系触媒を用いる場合には、液分散型、ガス分散型のいずれでも構わない。使用するガスは、窒素などの非凝縮性ガスだけでなく、該アルコールの蒸気など凝縮性ガスであっても構わない。また、装置の下部を加熱して、内部の液を気化させ、これを用いても構わない。液体と気体が向流で流れる場合は、並流で流れるよりも効率よくアンモニアを放散させることができるので望ましい。向流とするために、ガス放散装置の下部からガスを導入または発生させ、上部より原料アミドを供給するのが望ましい。
【0027】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明の方法をさらに詳しく説明するが、この実施例に限定されるものではない。
実施例1
強制かくはん装置を装備した内容積が500mL のSUS316製反応器(下部反応器)の上部に、内容積150mL のSUS316製反応器(上部反応器)を液、ガスが向流に流れるように連結して、下部反応器を加熱して内部のアルコールを気化させ、気体を上部反応器を通して抜きだし、上部反応器の液は下部反応器を通って抜き出す装置を用意した(図2)。
【0028】
この反応装置の上部反応器にα−ヒドロキシイソ酪酸アミドとメタノール、触媒としてチタンイソプロポキシドをそれぞれ50g/hr、100g/hr 、10g/hrづつ、送液ポンプを用いて供給した。下部反応器にはメタノールを100g/hr で送液ポンプを用いて供給した。下部反応器を加熱して、アンモニア及びメタノールが気化するようにする一方、上部反応器を十分に保温して、下部反応器からのメタノール蒸気の凝縮を極力抑えた。上部反応器からの留出ガスは凝縮器で液化され、凝縮液受器に蓄えられる。このようにして、上部反応器内の液温および下部反応器内の液を170 ℃に保った。
【0029】
下部反応器の底部より反応液を141g/hr 、上部反応器より留出物を110g/hr で得た。下部反応器より得た反応液をガスクロマトグラフィで分析したところ、α- ヒドロキシイソ酪酸アミドの転化率は83mol%であり、生成物としてα−ヒドロキシイソ酪酸メチルが選択率98mol/% で得られた。また、留出したガスを冷却して液化した後、分析したところ、アンモニアが4.1 重量%、メタノールが95.9重量%を含んでいた。
【0030】
比較例1
強制かくはん装置を装備した内容積が500mL のSUS316製反応器にα−ヒドロキシイソ酪酸アミドとメタノール、触媒としてチタンイソプロポキシドをそれぞれ50g/hr、200g/hr 、10g/hrづつ導入した。反応器を加熱して、アンモニア及びメタノールを留出させた。反応液温度を170 ℃に保ち、反応液を141g/hr 、留出物を110g/hr で得た。
【0031】
反応液下部より得た反応液をガスクロマトグラフィで分析したところ、α- ヒドロキシイソ酪酸アミドの転化率は63mol%であり、生成物としてα−ヒドロキシイソ酪酸メチルが選択率98mol%で得られた。また、留出したガスを冷却して液化した後、分析したところ、アンモニアを3.4 重量%、メタノールを96.6重量%を含んでいた。
【0032】
実施例2
α−ヒドロキシイソ酪酸アミドの代わりにラクトアミドを使った他は、実施例1と同じ操作を行った。
ラクトアミドの転化率は80mol%、乳酸メチルの選択率は98mol%であった。
【0033】
実施例3
チタンイソプロポキシドの代わりにトリブチルスズオキシドを使った他は、実施例1と同じ操作を行った。
α−ヒドロキシイソ酪酸アミドの転化率は70mol%、α−ヒドロキシイソ酪酸メチルの選択率は98mol%であった。
【0034】
実施例4
チタンイソプロポキシドの代わりにランタントリフラートを使った他は、実施例1と同じ操作を行った。α−ヒドロキシイソ酪酸アミドの転化率は83mol%、α−ヒドロキシイソ酪酸メチルの選択率は98mol%であった。
【0035】
実施例5
チタンイソプロポキシドの代わりにビスマス酸化物をスラリー状にして使った他は、実施例1と同じ操作を行った。
α−ヒドロキシイソ酪酸アミドの転化率は50mol%、α−ヒドロキシイソ酪酸メチルの選択率は98mol%であった。
【0036】
実施例6
内容積100mL 耐圧容器の上部に、直径3mmのディクソンパッキングを詰めた内径2cm、塔長2mの液分散型充填塔を連結した装置を用い、塔頂部より50cmの位置に、α−ヒドロキシイソ酪酸アミド30wt% 、メタノール64wt% 、チタンイソプロポキシド6wt%の混合液を57g/hrで供給し、塔底部から50cmの位置にメタノールを85g/hrで供給し、耐圧容器を加熱してメタノールをガス化して、塔頂部よりアンモニアを含むメタノールガスを62g/hrでストリッピングした。この際、反応液温度が170 ℃になるように、圧力を2MPaに維持し、耐圧容器内の液量が50mLになるように、耐圧容器底部より反応液を抜き出した。
【0037】
底部より得た反応液をガスクロマトグラフィで分析したところ、α- ヒドロキシイソ酪酸アミドの転化率は86mol%であり、生成物としてα−ヒドロキシイソ酪酸メチルが選択率97mol/% で得られた。またストリッピングしたガスを冷却して液化した後、分析したところ、アンモニアを 2.7重量% 、メタノールを97.2重量% 含んでいた。
【0038】
実施例7
内径2cm、塔長1mの気泡塔を用い、塔頂部より25cmの位置に、α−ヒドロキシイソ酪酸アミド30wt% 、メタノール64wt% 、チタンイソプロポキシド6wt%の混合液を57g/hrで供給し、塔底部より25cmの位置にメタノールを85g/hrで供給し、塔底部を加熱してメタノールをガス化して、塔頂部よりアンモニアを含むメタノールガスを60g/hrでストリッピングした。この際、反応液温度が170℃になるように、圧力を2MPaに維持し、液面が塔頂部より10cmの高さで一定になるように、塔底部より反応液を抜き出した。
【0039】
塔底部より得た反応液をガスクロマトグラフィで分析したところ、α-ヒドロキシイソ酪酸アミドの転化率は82mol%であり、生成物としてα−ヒドロキシイソ酪酸メチルが選択率97mol/% で得られた。またストリッピングしたガスを冷却して液化した後、分析したところ、アンモニアを 2.6重量% 、メタノールを97.3重量% 含んでいた。
【0040】
実施例8
α−ヒドロキシイソ酪酸アミドの代わりにラクトアミドを使った他は、実施例6と同じ操作を行った。
ラクトアミドの転化率は81mol%、乳酸メチルの選択率は97mol%、であった。
【0041】
実施例9
チタンイソプロポキシドの代わりにトリブチルスズオキシドを使った他は、実施例6と同じ操作を行った。
α−ヒドロキシイソ酪酸アミドの転化率は69mol%、α−ヒドロキシイソ酪酸メチルの選択率は97mol%であった。
【0042】
実施例10
チタンイソプロポキシドの代わりにランタントリフラートを使った他は、実施例6と同じ操作を行った。α−ヒドロキシイソ酪酸アミドの転化率は84%、α−ヒドロキシイソ酪酸メチルの選択率は97mol%であった。
【0043】
実施例11
チタンイソプロポキシドの代わりにビスマス酸化物をスラリー状にして使った他は、実施例7と同じ操作を行った。
α−ヒドロキシイソ酪酸アミドの転化率は50mol%、α−ヒドロキシイソ酪酸メチルの選択率は97mol%であった。
【0044】
実施例12
チタンイソプロポキシドを用いず、ディクソンパッキングの代わりに、固体触媒の充填物として、直径3mm 、長さ5mm に成型したCeO2を用いた他は、実施例6と同じ操作を行った。
α−ヒドロキシイソ酪酸アミドの転化率は50mol%、α−ヒドロキシイソ酪酸メチルの選択率は97mol%であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明により留出ガスを最小限に留めることがことが可能となり、経済的にしかも高収率でα−ヒドロキシカルボン酸エステルのを製造することが可能となった。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】独立した反応器を連結した反応装置
【図2】実施例1の反応装置
【符号の説明】
1 1番目反応器
2 2番目反応器
3 3番目反応器
4 液導管
5 液導管
6 液導管
7 ガス導管
8 ガス導管
9 ガス導管
10 メタノール
11 送液ポンプ
12 下部反応器
13 ガス導管
14 液導管
15 下部反応器の液面の高さを一定にするためのバルブ
16 冷却器
17 缶出液受器
18 ガス導管
19 凝縮器
20 凝縮液受器
21 バルブ
22 送液ポンプ
23 原料液(α−ヒドロキシイソ酪酸アミド、チタンイソプロポキシド、メタノール混合液)
24 上部反応器

Claims (6)

  1. α−ヒドロキシカルボン酸アミドとアルコールを触媒の存在下反応させてα−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造するにあたり、(a) 複数の反応区域が直列に配置され、隣接した区域間においては、液体と気体が向流に流通できるように連結された反応装置を用い、(b) 原料のα−ヒドロキシカルボン酸アミド及びアルコールを第1番目以降の反応区域に供給し、(c) 各反応域を沸騰状態に保ち、アルコールと副生するアンモニアとを含むある特定の反応域からの気体を前の反応区域に供給し、該反応域の原料と生成物とを含む反応液を後ろの反応区域に供給し、(d) 第1番目の反応区域から気体を取り出し、最後の反応区域から反応液を取り出すことを特徴とするα−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法。
  2. α−ヒドロキシカルボン酸アミドが、ラクトアミドまたはα−ヒドロキシイソ酪酸アミドである請求項記載の製造方法。
  3. 触媒が可溶性チタン又は可溶性スズである請求項記載の製造方法。
  4. 触媒が可溶性ランタノイド類から選ばれた1種以上の金属の化合物からなるものである請求項記載の製造方法。
  5. 触媒がSb、Sc、Y、La、Ce、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tc、Re、Fe、Co、Ni、Cu、Al、Si、Sn、Pb、Biからなる群より選ばれた1種以上の金属の酸化物よりなる不溶性の化合物である請求項記載の製造方法。
  6. 触媒がTi、Zr,Hf,V,Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、In、Bi、Teからなる群より選ばれた1種以上の金属からなるものである請求項記載の製造方法。
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