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JP4139454B2 - アルカリ電池用セパレータ及びその製法 - Google Patents

アルカリ電池用セパレータ及びその製法 Download PDF

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JP4139454B2 JP27983397A JP27983397A JP4139454B2 JP 4139454 B2 JP4139454 B2 JP 4139454B2 JP 27983397 A JP27983397 A JP 27983397A JP 27983397 A JP27983397 A JP 27983397A JP 4139454 B2 JP4139454 B2 JP 4139454B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ電池用セパレータ及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
分割性複合繊維を分割することにより得られる極細繊維を含む水流絡合不織布からなるアルカリ電池用セパレータは、極細繊維が微細な繊維間空隙を形成することができるので、電解液の保液性に優れている。
例えば、特開平7−147154号公報には、ポリオレフィン系分割性複合繊維が分割した極細繊維を主体とする、ポリオレフィン系繊維からなる水流絡合不織布が、親水化処理されているアルカリ電池用セパレータ、及び前記水流絡合不織布が、低融点のポリオレフィン系接着繊維で接着されているアルカリ電池用セパレータが開示されている。これらのアルカリ電池用セパレータは、分割性複合繊維が分割した極細繊維を主体としているので、電解液の保液性に優れており、更に、低融点のポリオレフィン系接着繊維で接着されているアルカリ電池用セパレータは、引張強度の点でも優れている。
しかしながら、前記公報に開示されているアルカリ電池用セパレータは、切断強度が不充分であり、例えば、アルカリ電池の製造工程において前記セパレータと極板とを巻き込む際に、極板のエッジによってセパレータが切断されやすく、歩留まり上、又は電池性能のばらつきの要因になるという点で問題があった。
【0003】
また、特開平7−29561号公報には、(1)ポリオレフィン系重合体とエチレンビニルアルコール重合体とからなる長さ5〜15mmの分割型複合繊維20〜45重量%、(2)熱接着性複合繊維45〜60重量%、並びに(3)前記分割型複合繊維を分割して発生した極細繊維及び前記熱接着性複合繊維よりもデニールの大きい長さ5〜15mmの合成繊維10〜20重量%からなる湿式繊維ウェブを、水流絡合して得られる湿式水流絡合不織布からなるアルカリ電池用セパレータが開示されている。このアルカリ電池用セパレータも、電解液の保液性、及び引張強度の点では優れている。しかしながら、このアルカリ電池用セパレータは、分割型複合繊維によってのみ親水性を付与しているため、この分割型複合繊維の比率が高くならざるを得ず、その結果、極細繊維及び熱接着性複合繊維よりもデニールの大きい合成繊維の比率が低くなるため、切断強度に問題のある場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、前記の従来技術の欠点を解消し、切断強度が優れているアルカリ電池用セパレータであって、しかも引張強度及び保液性の点で、実用的に充分な特性を有するアルカリ電池用セパレータを提供することにある。更に、本発明の課題は、前記アルカリ電池用セパレータの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、本発明による、(1)平均繊維長が20mm〜60mmであるポリオレフィン系分割性複合繊維と、(2)平均繊維長が30mm〜60mmであって、繊維強度が5g/デニール以上である高強度繊維と、(3)前記ポリオレフィン系分割性複合繊維及び前記高強度繊維の融点よりも低い融点を有するポリオレフィン系接着成分を含み、平均繊維長が30mm〜60mmであるポリオレフィン系熱接着性繊維とを、熱融着処理及び水流絡合処理して得られる熱融着化水流絡合乾式不織布を、更に親水化処理して得られる親水化乾式不織布からなるアルカリ電池用セパレータであって、前記ポリオレフィン系分割性複合繊維、前記高強度繊維、及び前記ポリオレフィン系熱接着性繊維の合計質量に対する前記高強度繊維の質量比が25〜45mass%であることを特徴とする前記アルカリ電池用セパレータによって達成することができる。
【0006】
また、本発明は、(1)平均繊維長が20mm〜60mmであるポリオレフィン系分割性複合繊維と、(2)平均繊維長が30mm〜60mmであって、繊維強度が5g/デニール以上である高強度繊維と、(3)前記ポリオレフィン系分割性複合繊維及び前記高強度繊維の融点よりも低い融点を有するポリオレフィン系接着成分を含み、平均繊維長が30mm〜60mmであるポリオレフィン系熱接着性繊維(前記ポリオレフィン系分割性複合繊維、前記高強度繊維、及び前記ポリオレフィン系熱接着性繊維の合計質量に対する前記高強度繊維の質量比が25〜45mass%であるものとする)とを、実質的に均一に混合して乾式繊維ウェブを形成し、得られた乾式繊維ウェブに、熱融着処理及び水流絡合処理を任意の順序で実施することによって熱融着化水流絡合乾式不織布を形成し、こうして得られた熱融着化水流絡合乾式不織布を更に親水化処理することを含む、アルカリ電池用セパレータの製造方法にも関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のアルカリ電池用セパレータに用いることのできるポリオレフィン系分割性複合繊維とは、2種類以上のポリオレフィン系樹脂成分からなり、各樹脂成分が複合繊維の長さ方向と略平行に配置されていると共に、異なる種類の樹脂成分が相互に接触するように配置している複合繊維であって、前記複合繊維を水流などで処理することによって、個々の樹脂成分からなる極細繊維に分割することができる複合繊維である。
【0008】
本発明のアルカリ電池用セパレータに使用することのできるポリオレフィン系分割性複合繊維における樹脂成分の配置状態は、特に限定されるものではなく、例えば、2種類の樹脂成分からなる場合には、図1又は図2に示すように、或るポリオレフィン系樹脂成分11、及びそれとは異なるポリオレフィン系樹脂成分12からなり、横断面の中心部から放射状にのびる直線(図1)又は曲線(図2)で分割されている横断面を有するポリオレフィン系分割性複合繊維1;図3又は図4に示すように、或るポリオレフィン系樹脂成分11、及びそれと異なるポリオレフィン系樹脂成分12からなり、横断面の中心部付近から放射状にのびる直線(図3)又は曲線(図4)で分割される横断面であって、かつ横断面の中心部にポリオレフィン系樹脂成分11若しくはポリオレフィン系樹脂成分12のいずれかの樹脂成分を有する横断面を有するポリオレフィン系分割性複合繊維1;又は図5に示すように、或るポリオレフィン系樹脂成分11、及びそれとは異なるポリオレフィン系樹脂成分12が層状に積層されている横断面を有するポリオレフィン系分割性複合繊維1などを用いることができる。分割して発生する極細繊維の直径の均一性に優れている点で、図1〜図4に示す横断面を有するポリオレフィン系分割性複合繊維を用いることが好ましい。
【0009】
ポリオレフィン系分割性複合繊維を構成することのできるポリオレフィン系樹脂成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテン−プロピレンコポリマー、又はエチレン−ビニルアルコールコポリマーなどを挙げることができ、2種類以上のポリオレフィン系樹脂成分、特には2種類以上のポリオレフィン系樹脂成分のみを適宜組み合わせて、ポリオレフィン系分割性複合繊維を構成することができる。ポリオレフィン系樹脂成分の組合せは、特に限定されるものではないが、耐アルカリ性及び耐酸化性に優れている点で、ポリエチレンとポリプロピレンとの組合せが好ましく、高密度ポリエチレンとポリプロピレンとの組合せがより好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂成分としてエチレン−ビニルアルコールコポリマーを含んでいる分割性複合繊維を用いることによって、得られるセパレータ内部における電解液の保持性が向上し、過充電時における酸素吸収性が向上するため、内圧特性を改善することができる。内圧特性に優れるエチレン−ビニルアルコールコポリマーは、耐アルカリ性に優れるポリプロピレンと組み合わせるのが好適である。
【0010】
本発明のアルカリ電池用セパレータに使用することのできるポリオレフィン系分割性複合繊維の平均繊維長(分割前)は、20mm〜60mm、好ましくは25〜45mmである。20mm未満であると、繊維ウェブを形成する際に破断する場合があったり、絡合する際に繊維同士が充分に絡みあうことができずに、充分な引張強度を得ることができないことがあり、60mmを超えると、均一な繊維ウェブを形成することが困難であったり、繊維ウェブを形成すること自体が困難な場合がある。本明細書において、各種繊維(例えば、ポリオレフィン系分割性複合繊維)の平均繊維長とは、任意に選んだ100本の繊維(例えば、ポリオレフィン系分割性複合繊維)の繊維長の平均値を意味する。なお、ポリオレフィン系分割性複合繊維の繊維長は、分割の前後で変化しない(従って、平均繊維長も分割の前後で変化しない)。
【0011】
本発明のアルカリ電池用セパレータに使用することのできるポリオレフィン系分割性複合繊維の平均繊維直径は、特に限定されるものではなく、その分割性複合繊維を分割することにより得られる極細繊維に求められる平均繊維直径に応じて、適宜決定することができる。本明細書において、各種繊維(例えば、極細繊維)の平均繊維直径とは、任意に選んだ100本の繊維(例えば、極細繊維)の繊維直径の平均値を意味する。なお、繊維(例えば、極細繊維)の断面が円形断面以外の異形断面である場合には、その異形断面積と同じ面積をもつ円形断面の直径を、その繊維(例えば、極細繊維)の繊維直径とする。
前記極細繊維の平均繊維直径は、特に限定されるものではないが、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜7μmである。1μm未満であると、分割が不充分になることがあり、10μmを超えると、充分な保液性が得られないことがあるからである。
【0012】
本発明のアルカリ電池用セパレータにおけるポリオレフィン系分割性複合繊維の含有率は、特に限定されるものではないが、ポリオレフィン系分割性複合繊維、ポリオレフィン系熱接着性繊維、及び高強度繊維の合計質量に対して、30〜60mass%、好ましくは35〜55mass%、より好ましくは40〜50mass%のポリオレフィン系分割性複合繊維を用いることができる。30mass%未満であると、保液性が不充分になることがあり、60mass%を超えると、他の繊維の比率が低くなり、引張強度が低くなったり、切断強度が低くなることがあるからである。ポリオレフィン系分割性複合繊維として、前記のエチレン−ビニルアルコールコポリマーを含む分割性複合繊維を用いる場合には、ポリオレフィン系分割性複合繊維、ポリオレフィン系熱接着性繊維、及び高強度繊維の合計質量に対して、5〜40mass%(より好ましくは5〜35mass%、最も好ましくは10〜30mass%)の量でエチレン−ビニルアルコールコポリマーを含む分割性複合繊維を含有するのが好ましい。40mass%を越えると、やや耐アルカリ性に劣ることがあるからである。
【0013】
本発明のアルカリ電池用セパレータに使用することのできる高強度繊維としては、平均繊維長が30mm〜60mm(好ましくは35〜45mm)であって、繊維強度(引張強さ)が5g/デニール以上(好ましくは7g/デニール以上、より好ましくは9g/デニール以上)である繊維であれば特に限定されず、汎用の合成繊維、例えば、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、又はポリアミド繊維などを用いることができ、長期的な耐アルカリ性、耐酸化性、表面改質性、又は繊維物性などの点から、ポリプロピレンを用いることが好ましい。なお、前記繊維強度は、JIS L1015(化学繊維ステープル試験法)によって測定した値である。
【0014】
前記高強度繊維の平均繊維長が30mm未満であると、繊維同士が充分に絡みあうことができずに、充分な切断強度を得ることができないことがあり、60mmを超えると、繊維ウェブ形成能が劣ることがある。
また、高強度繊維の繊維強度が5g/デニール未満であると、充分な切断強度を得ることができないことがある。
【0015】
高強度繊維の平均繊維直径は、特に限定されるものではないが、好ましくは8〜30μm、より好ましくは12〜25μmである。8μm未満であると、繊維ウェブ形成能が劣ることがあり、30μmを超えると、高強度繊維の本数の減少により切断強度が低下したり、厚みの調整が難しくなることがあるからである。高強度繊維として、特に、25g/デニール以上(より好ましくは30g/デニール以上)の繊維強度を有する高強力ポリエチレン繊維を用いると、弾性にも優れており、電池を製造する際の張力によって破断したり、極板のバリがセパレータを突き抜けて極板同士でショートしたり、あるいは極板等のエッジによりセパレータが引き裂かれにくくなるので好適である。
【0016】
本発明のアルカリ電池用セパレータにおいては、ポリオレフィン系分割性複合繊維、ポリオレフィン系熱接着性繊維、及び高強度繊維の合計質量に対して、20〜45mass%、好ましくは25〜40mass%、より好ましくは30〜40mass%の量の高強度繊維を用いる。本発明のアルカリ電池用セパレータの引張強度は、ポリオレフィン系分割性複合繊維の分割により得られる極細繊維の絡合状態、及びポリオレフィン系熱接着性繊維の融着状態によって主に左右されるので、高強度繊維の量が45mass%を越えると、充分な引張強度を得ることができないことがある。また、高強度繊維の量が20mass%未満では、充分な切断強度を得ることができないことがある。
【0017】
高強度繊維として、25g/デニール以上(より好ましくは30g/デニール以上)の繊維強度を有する前記の高強力ポリエチレン繊維を用いる場合には、ポリオレフィン系分割性複合繊維、ポリオレフィン系熱接着性繊維、及び高強度繊維の合計質量に対して、前記の高強力ポリエチレン繊維を好ましくは1〜45mass%、より好ましくは5〜40mass%の量で含んでいることができる。
【0018】
本発明のアルカリ電池用セパレータに使用することのできるポリオレフィン系熱接着性繊維は、前記ポリオレフィン系分割性複合繊維の各構成樹脂成分の各融点、及び前記の高強度繊維の融点よりも低い融点を有するポリオレフィン系接着成分を含むポリオレフィン系繊維である。
【0019】
前記ポリオレフィン系接着成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、又はエチレン−ブテン−プロピレンコポリマーなどを挙げることができ、融点が低く、他の繊維に影響を与えない点で、低密度ポリエチレンが好ましい。
前記ポリオレフィン系熱接着性繊維としては、例えば、ポリオレフィン系接着成分のみからなる全融型繊維、又は2種類以上の樹脂成分を含み、ポリオレフィン系接着成分を繊維表面に含む一部溶融型繊維を挙げることができる。前記全融型繊維としては、例えば、ポリエチレン繊維、又はポリプロピレン繊維などを挙げることができる。前記一部溶融型繊維としては、例えば、芯鞘型複合繊維、サイドバイサイド型複合繊維、又は偏芯型複合繊維などを挙げることができる。
【0020】
本発明のアルカリ電池用セパレータに使用することのできるポリオレフィン系熱接着性繊維の平均繊維長は、30mm〜60mm、好ましくは35〜50mmである。平均繊維長が30mm未満であるか、あるいは60mmを超えると、繊維ウェブ形成能に劣ることがあるからである。
本発明のアルカリ電池用セパレータに使用することのできるポリオレフィン系熱接着性繊維の平均繊維直径は、特に限定されるものではないが、好ましくは12〜25μm、より好ましくは15〜21μmである。12μm未満であると、繊維ウェブ形成能に劣ることがあり、25μmを超えると、ポリオレフィン系熱接着性繊維の本数が少なくなり、融着箇所が減少するために、引張強度が低下することがあるからである。
【0021】
本発明のアルカリ電池用セパレータにおいては、ポリオレフィン系熱接着性繊維の含有率は、特に限定されるものではないが、ポリオレフィン系分割性複合繊維、ポリオレフィン系熱接着性繊維、及び高強度繊維の合計質量に対して、10〜40mass%、好ましくは15〜35mass%、より好ましくは20〜30mass%のポリオレフィン系熱接着性繊維を用いることができる。10mass%未満であると、引張強度が低下することがあり、40mass%を超えると、他の繊維の比率が低くなり、保液性が低下したり、切断強度が低下することがある。
【0022】
本発明のアルカリ電池用セパレータは、例えば、以下の方法によって得ることができる親水化不織布からなる。すなわち、前記ポリオレフィン系分割性複合繊維、前記ポリオレフィン系熱接着性繊維、及び前記高強度繊維を、実質的に均一に混合した繊維ウェブを形成した後、熱融着処理及び水流絡合処理を任意の順序で実施することによって熱融着化水流絡合不織布を得ることができる。得られる熱融着化水流絡合不織布を、更に親水化処理することによって、前記親水化不織布を得ることができる。
【0023】
繊維ウェブを形成する方法としては、乾式法を用いるのが好ましく、乾式法としては、通常の方法、例えば、カード法、又はエアレイ法などを使用することができる。乾式法により、前記の各構成繊維を実質的に均一に混合することができる。また、乾式法では、各構成繊維として繊維長が長いものを使用することができるので、水流絡合処理による絡合性に優れ、引張強度が高くなるので好ましい。
【0024】
なお、前記の繊維ウェブを形成する段階では、前記ポリオレフィン系分割性複合繊維の分割が実質的に起こらず、しかも前記ポリオレフィン系熱接着性繊維による融着も実質的に起こらないのが好ましい。しかしながら、本発明において用いる前記ポリオレフィン系分割性複合繊維、前記ポリオレフィン系熱接着性繊維、及び前記高強度繊維を、乾式法により均一に開繊することは一般的に非常に困難である。例えば、ポリオレフィン系分割性複合繊維(特に1〜10μmの極細繊維を発生可能なポリオレフィン系分割性複合繊維)を乾式法により単純に開繊すると、分割性複合繊維が分割されて絡んでしまい、地合の悪い繊維ウエブしか形成することができないことがある。また、熱接着性繊維を乾式法により単純に開繊すると、摩擦熱及び圧力によって熱接着性繊維が融着してしまい、地合の悪い繊維ウエブしか形成することができないことがある。更に、高強度繊維を乾式法により単純に開繊すると、高強度で剛性が高いために開繊されにくく、繊維塊が発生しやすいので、地合の悪い繊維ウエブしか形成することができないことがある。
【0025】
したがって、本発明の好ましい態様においては、これら繊維混合物に追油を行った後に開繊することによって、地合いの優れる繊維ウエブを乾式法によって形成することができる。この追油量は、繊維総質量の好ましくは0.5〜3mass%(より好ましくは0.6〜2mass%)である。0.5mass%未満では開繊性向上の効果がなく、3mass%を越えると繊維ウエブを形成するのが困難となることがあるからである。また、追油に用いる油剤は、前記の目的に適合するものであれば特に限定されないが、アニオン系油剤(例えば、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸エステル系油剤)が好ましい。
【0026】
このようにして得られる繊維ウェブ、又は前記融着処理の一部として若しくは前記熱融着処理とは別に、予め熱融着した(いわゆる仮融着した)繊維ウェブに水流絡合処理を実施すると、繊維ウェブ中に含まれるポリオレフィン系分割性複合繊維が、各樹脂成分からなる極細繊維にまで分割され、それとほぼ同時に、ポリオレフィン系分割性複合繊維及び/又はそれから生じる極細繊維と、ポリオレフィン系熱接着性繊維と、高強度繊維とが、互いに交絡し、水流絡合不織布、又は仮融着化水流絡合不織布を得ることができる。繊維ウェブを熱融着して仮処理しておくと、繊維ウェブを構成する繊維同士が仮融着され、繊維の動きが或る程度制約されるので、ポリオレフィン系分割性複合繊維の分割を容易に実施することができる。
【0027】
前記水流絡合処理の条件は、特に限定されるものではなく、通常用いられている条件で実施することができる。例えば、ノズル径が0.05〜0.3mmで、ピッチが0.2〜3mmで1列又は2列以上に配列したノズルプレートを使用し、水圧1〜30MPaの水流で処理することができる。また、水流絡合処理は、1回である必要はなく、必要であれば、2回以上実施することができる。また、水流処理面は、繊維ウェブの片面のみである必要はなく、両面を処理することもできる。また、水流絡合処理を実施する際に、繊維ウェブを置く支持体、例えば、ネット又は多孔板などが大きな孔を有していると、得られる水流絡合不織布も大きな孔を有する不織布となり、アルカリ電池用セパレータとして使用した場合に短絡が生じやすくなるので、例えば、目の細かい(例えば、50メッシュ以上)平織ネット、又は孔間距離が0.4mm以下の多孔板などを使用することが好ましい。
【0028】
前記熱融着処理は、ポリオレフィン系熱接着性繊維を構成するポリオレフィン系接着成分の融点よりも高く、しかも、ポリオレフィン系分割性複合繊維の各構成樹脂成分及び高強度繊維の融点よりも低い温度で、前記繊維ウェブ又は水流絡合不織布を熱処理することにより実施することができる。熱融着処理は、1回である必要はなく、必要に応じて2回以上実施することもできる。2回以上実施する場合には、それぞれの処理を同じ条件で実施することもできるし、一部又はすべて異なる条件で実施することもできる。複数回実施する場合には、最初の処理工程、あるいは最初の処理工程を含み最後の処理工程を除く2回の処理工程又はそれ以上の処理工程が、それぞれ仮融着処理となる。高強度繊維として前記高強力ポリエチレン繊維を含んでいる場合には、高強力ポリエチレンの強度を低下させないように、高強力ポリエチレンの軟化温度(例えば、125℃)以下の温度で融着処理を実施するのが好ましい。
【0029】
熱融着処理及び水流絡合処理を実施する順序は、特に限定されず、一方の処理を実施した後にもう一方の処理を実施することによって、あるいは、一方の処理を実施した後にもう一方の処理を実施し、更に、再び最初に実施した処理を、同じ条件、又は一部若しくはすべて異なる条件で実施することによって、熱融着化水流絡合不織布を得ることができる。例えば、仮融着処理を実施し、次に、水流絡合処理を実施し、更に、再び融着処理を実施すると、仮融着処理によってポリオレフィン系分割性複合繊維の分割を容易に実施することができ、しかも、2度目の熱融着処理によって引張強度や張りをより向上させることができるので、好ましい。
このようにして得られる熱融着化水流絡合不織布は、ポリオレフィン系熱接着性繊維により融着されており、引張強度が高く、更に、張り(硬さ)が付与されている。
【0030】
本発明のアルカリ電池用セパレータを構成することのできる親水化不織布は、前記熱融着化水流絡合不織布を親水化処理することにより得ることができる。前記親水化処理としては、例えば、スルホン化処理、フッ素ガス処理、ビニルモノマーのグラフト重合処理、界面活性剤処理、親水性樹脂付与、又は放電処理などを挙げることができる。
スルホン化処理としては、特に限定するものではなく、例えば、発煙硫酸、硫酸、三酸化イオウ、クロロ硫酸、又は塩化スルフリルなどによる処理を挙げることができる。これらの中でも、発煙硫酸によるスルホン化処理は、反応性が高く、比較的容易にスルホン化することができるため、好適に使用することができる。
【0031】
フッ素ガス処理についても、特に限定するものではなく、例えば、不活性ガス(例えば、窒素ガス、又はアルゴンガスなど)で希釈したフッ素ガスと、酸素ガス、二酸化炭素ガス、及び二酸化硫黄ガス等から選んだ少なくとも1種類のガスとを混合したガスなどによる処理を挙げることができる。なお、熱融着化水流絡合不織布に二酸化硫黄ガスを予め付着させた後に、フッ素ガスを接触させると、より効率的で、恒久的な親水化処理を実施することができる。
【0032】
ビニルモノマーのグラフト重合処理においては、ビニルモノマーとして、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、又はスチレンなどを使用することができる。なお、スチレンをグラフト重合した場合には、電解液との親和性を付与するために、スルホン化するのが好ましい。これらの中でも、アクリル酸は電解液との親和性に優れているため、好適に使用することができる。
【0033】
これらのビニルモノマーの重合方法としては、例えば、ビニルモノマーと重合開始剤とを含む溶液中に熱融着化水流絡合不織布を浸漬し、加熱する方法、熱融着化水流絡合不織布にビニルモノマーを塗布した後、放射線を照射する方法、熱融着化水流絡合不織布に放射線を照射した後にビニルモノマーと接触させる方法、増感剤を含むビニルモノマー溶液を熱融着化水流絡合不織布に含浸した後、紫外線を照射する方法などがある。なお、ビニルモノマー溶液と熱融着化水流絡合不織布とを接触させる前に、紫外線照射、コロナ放電、又はプラズマ放電などにより、熱融着化水流絡合不織布表面を処理すると、ビニルモノマー溶液との親和性が向上し、しかも、その前処理により生成した極性親水基によりラジカルの生成が容易となるため効率的にグラフト重合することができる。このようにビニルモノマーをグラフト重合した熱融着化水流絡合不織布は、スルホン化処理などに比べて、温和な条件下で処理することができるため、グラフト重合処理自体による繊維強度の劣化が少なく、強度的に優れている。
【0034】
界面活性剤処理としては、例えば、アニオン系界面活性剤(例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸塩、若しくはスルホコハク酸エステル塩など)、又はノニオン系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、若しくはポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルなど)の溶液中に熱融着化水流絡合不織布を浸漬したり、この溶液を散布したり、コーティングして、付着させる方法を挙げることができる。
【0035】
親水性樹脂付与処理としては、親水性樹脂、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、又はポリアクリル酸などを付着させる方法を挙げることができる。これらの親水性樹脂は、適当な溶媒に溶解又は分散させた後、この溶液又は分散液中に熱融着化水流絡合不織布を浸漬したり、あるいはこの溶液又は分散液を散布したり、コーティングした後、乾燥して、前記不織布に付着させることができる。
【0036】
また、親水性樹脂付与処理として、架橋化ポリビニルアルコールを付着させることもできる。前記架橋化ポリビニルアルコールは、例えば、水酸基の一部を、一般式:
【化1】
Figure 0004139454
(式中、R1 は四級化された芳香族性含窒素複素環残基であり、R2 は水素原子又はアルコキシ基であり、mは0又は1であり、そして、nは1〜6の整数である)で表される感光性基で置換した感光性ポリビニルアルコールを架橋することにより、あるいは、前記感光性ポリビニルアルコールの水酸基の一部がアシル化されているアシル化感光性ポリビニルアルコールを架橋することにより形成することができる。
【0037】
感光性ポリビニルアルコールの具体例として、感光性基で置換した感光性ポリビニルアルコールの部分構造式を示せば、以下の通りである:
(1)スチリルピリジニウム系の感光性基を有する感光性ポリビニルアルコール:
【化2】
Figure 0004139454
【化3】
Figure 0004139454
【0038】
【化4】
Figure 0004139454
【化5】
Figure 0004139454
【化6】
Figure 0004139454
【0039】
【化7】
Figure 0004139454
【化8】
Figure 0004139454
【化9】
Figure 0004139454
【0040】
【化10】
Figure 0004139454
【化11】
Figure 0004139454
【0041】
(2)スチリルキノリニウム系の感光性基を有する感光性ポリビニルアルコール:
【化12】
Figure 0004139454
【化13】
Figure 0004139454
【0042】
【化14】
Figure 0004139454
【化15】
Figure 0004139454
【0043】
(3)スチリルベンゾチアゾリウム系の感光性基を有する感光性ポリビニルアルコール:
【化16】
Figure 0004139454
【化17】
Figure 0004139454
【0044】
また、アシル化感光性ポリビニルアルコールとしては、例えば、その部分構造式が式:
【化18】
Figure 0004139454
で表されるスチリルピリジニム系の感光性基を有するアシル化感光性ポリビニルアルコールを挙げることができる。
【0045】
架橋化ポリビニルアルコールの付着手段としては、例えば、架橋する前の感光性ポリビニルアルコール又はアシル化感光性ポリビニルアルコールを適当な溶媒に溶解又は分散させた後、得られた溶液又は分散液中に熱融着化水流絡合不織布を浸漬したり、この溶液又は分散液を散布したり、コーティングし、乾燥した後、光照射によって架橋することにより、前記の熱融着化水流絡合不織布に付着させることができる。感光性ポリビニルアルコールの架橋反応の例を、以下に示す。
【化19】
Figure 0004139454
【0046】
これらの親水性樹脂の中でも、スチリルピリジニム系、スチリルキノリニウム系、又はスチリルベンゾチアゾリウム系の感光性基を有する感光性ポリビニルアルコール又はアシル化感光性ポリビニルアルコールを架橋することにより形成した架橋化ポリビニルアルコールは、耐アルカリ性に優れ、しかもイオンとキレートを形成することができる官能基、すなわち、水酸基を多く有しており、放電時及び/又は充電時に、極板上に樹枝状に金属が析出する前のイオンとキレートを形成し、電極間の短絡を生じにくいので、好適に使用することができる。このような親水性樹脂の付着量は、通気性を損なわないように、セパレータ全体の0.3〜1mass%であることが好ましい。
【0047】
放電処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理、沿面放電処理、又は電子線処理などがある。
このようにして得られる本発明のアルカリ電池用セパレータの面密度は、好ましくは30〜100g/m2 、より好ましくは40〜80g/m2 である。30g/m2 未満では、引張強度が充分でなく、100g/m2 を越えると、高容量の電池を得ることが困難になることがあるからである。
【0048】
本発明のアルカリ電池用セパレータは、電池群を構成するために充分な引張強度、保液性、及び切断強度を有するため、アルカリ一次電池用及びアルカリ二次電池用のセパレータとして使用することができる。前記アルカリ一次電池としては、例えば、アルカリマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、又は空気電池などを挙げることができ、前記アルカリ二次電池としては、例えば、ニッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、又はニッケル−水素電池などを挙げることができる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
比較例a
図3に示す型の断面構造を有し、繊維直径4.3μmの極細繊維を発生することが可能なポリプロピレンと、繊維直径4.2μmの極細繊維を発生することが可能な高密度ポリエチレンとが、横断面の中心部付近から放射状にのびて、互いに8分割し、しかも繊維直径2.5μmの極細繊維を発生することが可能な円形状のポリプロピレンを中心部に有する横断面を有する分割性複合繊維(線密度=0.14mg/m,繊維長=38mm)、ポリプロピレンを芯成分とし、低密度ポリエチレンを鞘成分とする偏芯型熱接着性繊維(線密度=0.22mg/m,繊維長=45mm,繊維直径=17.6μm)、及び繊維強度5g/デニールのポリプロピレン高強度繊維(線密度=0.17mg/m,繊維長=45mm,繊維直径=15.3μm)を、質量比で60:20:20になるように混合し、ポリエチレングリコール高級脂肪酸エステル系油剤を1.5mass%(前記混綿繊維に対して)の量で追油した後、カード機により開繊し、一方向性繊維ウェブを形成した。得られた繊維ウェブを128℃で熱処理することにより、偏芯型熱接着性繊維の低密度ポリエチレンのみを仮融着した。次に、80メッシュの平織ネット上に載置し、ノズル径が0.13mmであり、ピッチが0.6mmであるノズルプレートを用いて、水圧9.8MPaの水流で、両面から2回ずつ水流絡合し、続いて、130℃で熱処理することにより、偏芯型熱接着性繊維の低密度ポリエチレンのみを融着し、熱融着化水流絡合不織布を得た。得られた熱融着化水流絡合不織布を線圧9.8N/cmでカレンダー処理した後、フッ素ガス、酸素ガス、及び二酸化硫黄ガスの混合ガスによりフッ素ガス処理を実施し、本発明のアルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m,厚さ=0.15mm)を得た。
【0050】
【実施例2】
分割性複合繊維、偏芯型熱接着性繊維、及びポリプロピレン高強度繊維の質量比を50:20:30となるように混合すること以外は、比較例aと同様の操作を実施することによって、本発明のアルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m,厚さ=0.15mm)を得た。
【0051】
【実施例3】
分割性複合繊維、偏芯型熱接着性繊維、及びポリプロピレン高強度繊維の質量比を40:20:40となるように混合すること以外は、比較例aと同様の操作を実施することによって、本発明のアルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m,厚さ=0.15mm)を得た。
【0052】
【実施例4】
分割性複合繊維、偏芯型熱接着性繊維、及びポリプロピレン高強度繊維の質量比を40:25:35となるように混合すること以外は、比較例aと同様の操作を実施することによって、本発明のアルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m,厚さ=0.15mm)を得た。
【0053】
【実施例5】
高強度繊維として、繊維強度が9g/デニール、線密度が0.22mg/m、繊維長が45mm、繊維直径が17.7μmのポリプロピレン高強度繊維を用いたこと以外は、実施例4と同様の操作を実施することによって、本発明のアルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m2,厚さ=0.15mm)を得た。
【0054】
比較例b
高強度繊維として、繊維強度が9g/デニール、線密度が0.22mg/m、繊維長が45mm、繊維直径が17.7μmのポリプロピレン繊維を用いたこと以外は、比較例aと同様の操作を実施することによって、本発明のアルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m,厚さ=0.15mm)を得た。
【0055】
【実施例7】
高強度繊維として、繊維強度が9g/デニール、線密度が0.22mg/m、繊維長が45mm、繊維直径が17.7μmのポリプロピレン繊維を用いたこと以外は、実施例2と同様の操作を実施することによって、本発明のアルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m2 ,厚さ=0.15mm)を得た。
【0056】
【実施例8】
高強度繊維として、繊維強度が9g/デニール、線密度が0.22mg/m、繊維長が45mm、繊維直径が17.7μmのポリプロピレン繊維を用いたこと以外は、実施例3と同様の操作を実施することによって、本発明のアルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m2 ,厚さ=0.15mm)を得た。
【0057】
【実施例9】
図1に示す型の断面構造を有し、繊維直径4.8μmの極細繊維を発生することが可能なエチレン−ビニルアルコールと、繊維直径5.4μmの極細繊維を発生することが可能なポリプロピレンとが、中心部から放射状にのびて、互いに8分割した横断面を有する分割性複合繊維(線密度=0.33mg/m,繊維長=38mm)20mass%と、繊維長が25mmであること以外は比較例aと同じ分割性複合繊維20mass%と、繊維長が38mmであること以外は比較例aと同じ偏芯型熱接着性繊維25mass%と、繊維強度9g/デニール、線密度0.22mg/m、繊維長45mm及び繊維直径17.7μmのポリプロピレン高強度繊維35mass%とを混合し、この混綿した繊維に対して、ポリエチレングリコール高級脂肪酸エステル系油剤を1.5mass%(前記混綿繊維に対して)の量で追油した。次いで、この混綿した繊維をカード機により開繊し、一方向性繊維ウエブを形成した。
次いで、この一方向性繊維ウエブを125℃で熱処理することにより、偏芯型熱接着性繊維の低密度ポリエチレンのみを仮接着した。
次に、圧力が12.7MPaの水流を両面交互に2回ずつ噴出したこと以外は比較例aと全く同様の操作により、水流絡合不織布を形成した。
その後、水流絡合不織布を125℃で熱処理して、偏芯型熱接着性繊維の低密度ポリエチレン成分のみを再度接着して熱融着化水流絡合不織布を得た。得られた熱融着化水流絡合不織布を線圧9.8N/cmでカレンダー処理した後、フッ素ガス、酸素ガス、及び二酸化硫黄ガスの混合ガスによりフッ素ガス処理を実施し、本発明のアルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m,厚さ=0.15mm)を得た。
【0058】
【実施例10】
繊維長が25mmであること以外は比較例aと同じ分割性複合繊維40mass%と、繊維長が38mmであること以外は比較例aと同じ偏芯型熱接着性繊維25mass%と、繊維強度9g/デニール、線密度0.22mg/m、繊維長45mm及び繊維直径17.7μmのポリプロピレン高強度繊維25mass%と、繊維強度33g/d、線密度0.11mg/m、繊維長38mm、繊維直径12.1μmの高強力ポリエチレン繊維10mass%とを混合し、この混綿した繊維に対して、ポリエチレングリコール高級脂肪酸エステル系油剤を1.5mass%(前記混綿繊維に対して)の量で追油した。次いで、この混綿した繊維をカード機により開繊し、一方向性繊維ウエブを形成した。
次いで、この一方向性繊維ウエブを115℃で熱処理することにより、偏芯型熱接着性繊維の低密度ポリエチレンのみを仮接着した。
次に、圧力が12.7MPaの水流を両面交互に2回ずつ噴出したこと以外は比較例aと全く同様の操作により、水流絡合不織布を形成した。
その後、水流絡合不織布を115℃で熱処理して、偏芯型熱接着性繊維の低密度ポリエチレン成分のみを再度接着して熱融着化水流絡合不織布を得た。得られた熱融着化水流絡合不織布を線圧9.8N/cmでカレンダー処理した後、フッ素ガス、酸素ガス、及び二酸化硫黄ガスの混合ガスによりフッ素ガス処理を実施し、本発明のアルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m,厚さ=0.15mm)を得た。
【0059】
【比較例1】
分割性複合繊維、偏芯型熱接着性繊維、及びポリプロピレン高強度繊維を混合する代わりに、比較例aで用いた分割性複合繊維及び偏芯型熱接着性繊維を、質量比で80:20になるように混合したこと以外は、比較例aと同様の操作を実施することによって、アルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m,厚さ=0.15mm)を得た。
【0060】
【比較例2】
分割性複合繊維、偏芯型熱接着性繊維、及びポリプロピレン高強度繊維の質量比を70:20:10となるように混合したこと以外は、比較例aと同様の操作を実施することによって、アルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m,厚さ=0.15mm)を得た。
【0061】
【比較例3】
分割性複合繊維、偏芯型熱接着性繊維、及びポリプロピレン高強度繊維の質量比を30:20:50となるように混合したこと以外は、比較例aと同様の操作を実施することによって、アルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m,厚さ=0.15mm)を得た。
【0062】
【比較例4】
繊維強度5g/デニールのポリプロピレン高強度繊維の代わりに、繊維強度4g/デニールのポリプロピレン高強度繊維を30mass%使用したこと以外は、実施例2と同様の操作を実施することによって、アルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m2 ,厚さ=0.15mm)を得た。
【0063】
【比較例5】
繊維強度5g/デニールのポリプロピレン高強度繊維の代わりに、繊維強度が4g/デニール、線密度が0.22mg/m、繊維長が45mm、繊維直径が17.7μmのポリプロピレン繊維を用いたこと以外は、実施例4と同様の操作を実施することによって、アルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m2 ,厚さ=0.15mm)を得た。
【0064】
【比較例6】
繊維長が6mmであること以外は実施例9と同じエチレン−ビニルアルコール共重合極細繊維を発生可能な分割繊維45mass%、繊維長が10mmであること以外は実施例5と同じ高強度繊維30mass%、及び繊維長が10mmであること以外は比較例aと同じ偏芯型熱接着性繊維25mass%を混合分散させたスラリーから、常法の湿式抄造法により、繊維ウエブを形成した。次いで、実施例9と全く同様の操作により、熱処理、分割・絡合処理、熱処理、カレンダー処理、及びフッ素ガス処理を行い、アルカリ電池用セパレータ(面密度=60g/m,厚さ=0.15mm)を得た。
【0065】
【物性評価】
(1)加圧保液率
前記実施例2〜5、7〜10及び前記比較例a、b、1〜6で製造した各アルカリ電池用セパレータを、直径30cmの円板状に裁断し、温度20℃かつ相対湿度65%の条件下で水分平衡に至らせた後、質量(m)を測定した。次に、各アルカリ電池用セパレータを、比重1.3(20℃において)の水酸化カリウム溶液中に1時間浸漬することにより、アルカリ電池用セパレータ中の空気を水酸化カリウム溶液で置換した。水酸化カリウム溶液を保持させた状態のまま、各アルカリ電池用セパレータを上下各3枚ずつの直径30cmの濾紙で挟み、加圧ポンプにより、5.7MPaの圧力を30秒間作用させた後、各アルカリ電池用セパレータの質量(m)を測定した。加圧保液率X(%)は、式:
X={(m−m)/m}×100
により計算した。なお、測定は、1つのアルカリ電池用セパレータに対して4回ずつ行ない、その平均値を加圧保液率として表1に示す。
【0066】
(2)引張強度
前記実施例2〜5、7〜10及び前記比較例a、b、1〜6で製造した各アルカリ電池用セパレータを、それぞれ幅50mmの長尺状に裁断した後、引張強度試験機(オリエンテック製,テンシロンUCT−500)により、チャック間の長さが100mmで、引張速度が300mm/分である条件で引張強度(単位=N/50mm幅)を測定した。結果を表1に示す。
【0067】
(3)耐貫通指数
耐貫通指数は、ハンディー圧縮試験機(カトーテック製,KES−G5)を使用して測定した。前記実施例2〜5、7〜10及び前記比較例a、b、1〜6で製造した各アルカリ電池用セパレータを重ねて合計約2mmの厚さとし、その一番上のセパレータに対して、ハンディー圧縮試験機に取り付けられたステンレス製ジグ(厚さ=0.5mm,先端の刃先角度=60°)を、0.01cm/秒の速度で垂直に突き刺し、一番上のセパレータを切断するのに要する力を測定した。比較例5のセパレータを切断するのに要した力を基準(100)とした場合の、各セパレータを切断するのに要する力の比率を、そのセパレータの耐貫通指数(単位=%)とした。
【0068】
【表1】
各構成繊維の質量百分率 セパレータの物性評価
(A) (B) (C) (1) (2) (3)
比較例a 60 20 20 18 294 111
実施例2 50 20 30 15 274 120
実施例3 40 20 40 13 245 129
実施例4 40 25 35 13 240 125
実施例5 40 25 35 13 248 154
比較例b 60 20 20 18 298 135
実施例7 50 20 30 15 280 150
実施例8 40 20 40 13 246 168
実施例9 40 25 35 15 256 155
実施例10 40 25 35(注) 17 260 210
比較例1 80 20 0 20 314 93
比較例2 70 20 10 19 304 98
比較例3 30 20 50 12 176 136
比較例4 50 20 30 15 167 98
比較例5 40 25 35 13 172 100(基準)
比較例6 45 25 30 18 105 158
(注:25+10)
表1において、(A)は、構成繊維全体に対する分割性複合繊維の質量百分率であり、(B)は、構成繊維全体に対する偏芯型熱接着性繊維の質量百分率であり、(C)は、構成繊維全体に対するポリプロピレン繊維の質量百分率(実施例10では、ポリプロピレン高強度繊維25mass%と高強力ポリエチレン繊維10mass%との和)であり、そして、(1)は加圧保液率であり、(2)は引張強度であり、更に(3)は耐貫通指数である。
前記実施例2〜5、7〜10のアルカリ電池用セパレータは、実用的な加圧保液率、引張強度を有する上に、耐貫通性、すなわち、切断強度に優れているため、長寿命で、不良率が少なく、電池性能のばらつきのないものである。
【0069】
(4)内圧特性試験
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式ニッケル正極(幅=33mm,長さ=182mm)と、ペースト式水素吸蔵合金負極(メッシュメタル系合金;幅=33mm,長さ=247mm)とを作成した。次いで、幅35mmで長さ410mmに裁断した実施例4及び実施例9のアルカリ電池用セパレータを、それぞれ正極と負極との間に挟み込み、渦巻き状に巻回して、SC型対応の電極群を作成した。この電極群を外装缶に収納し、電解液として5N−水酸化カリウム及び1N−水酸化リチウムを外装缶に注液し、封缶して円筒型ニッケル−水素電池を作成した。
次いで、0.5C(クーロン)、20℃で放電を行い、容量の150%での電池内圧を測定した。実施例4のアルカリ電池用セパレータを用いて作成した電池の内圧を100とした時に、実施例9のアルカリ電池用セパレータを用いて作成した電池の内圧は70であった。そのため、実施例9のセパレータを用いた電池は過充電時にも液もれしにくいより良好なものである。
【0070】
【発明の効果】
本発明のアルカリ電池用セパレータは、切断強度が高いので、例えば、アルカリ電池の製造工程において前記セパレータと極板とを巻き込む際に、極板のエッジによってセパレータが切断されにくい。また、引張強度及び保液性の点でも、実用的に充分な特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルカリ電池用セパレータに用いることができるポリオレフィン系分割性複合繊維の断面を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明のアルカリ電池用セパレータに用いることができる別のポリオレフィン系分割性複合繊維の断面を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明のアルカリ電池用セパレータに用いることができる更に別のポリオレフィン系分割性複合繊維の断面を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明のアルカリ電池用セパレータに用いることができる更に別のポリオレフィン系分割性複合繊維の断面を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明のアルカリ電池用セパレータに用いることができる更に別のポリオレフィン系分割性複合繊維の断面を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1・・ポリオレフィン系分割性複合繊維;
11,12・・ポリオレフィン系樹脂成分。

Claims (7)

  1. (1)平均繊維長が20mm〜60mmであるポリオレフィン系分割性複合繊維と、(2)平均繊維長が30mm〜60mmであって、繊維強度が5g/デニール以上である高強度繊維と、(3)前記ポリオレフィン系分割性複合繊維及び前記高強度繊維の融点よりも低い融点を有するポリオレフィン系接着成分を含み、平均繊維長が30mm〜60mmであるポリオレフィン系熱接着性繊維とを、熱融着処理及び水流絡合処理して得られる熱融着化水流絡合乾式不織布を、更に親水化処理して得られる親水化乾式不織布からなるアルカリ電池用セパレータであって、前記ポリオレフィン系分割性複合繊維、前記高強度繊維、及び前記ポリオレフィン系熱接着性繊維の合計質量に対する前記高強度繊維の質量比が25〜45mass%であることを特徴とする前記アルカリ電池用セパレータ。
  2. 前記のポリオレフィン系分割性複合繊維の含有率が、ポリオレフィン系分割性複合繊維、ポリオレフィン系熱接着性繊維、及び高強度繊維の合計質量に対して、30〜60mass%である請求項1に記載のアルカリ電池用セパレータ。
  3. 前記の高強度繊維が、ポリプロピレン繊維又はポリエチレン繊維である請求項1又は2に記載のアルカリ電池用セパレータ。
  4. 前記のポリオレフィン系熱接着性繊維の含有率が、ポリオレフィン系分割性複合繊維、ポリオレフィン系熱接着性繊維、及び高強度繊維の合計質量に対して、10〜40mass%である請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルカリ電池用セパレータ。
  5. (1)平均繊維長が20mm〜60mmであるポリオレフィン系分割性複合繊維と、(2)平均繊維長が30mm〜60mmであって、繊維強度が5g/デニール以上である高強度繊維と、(3)前記ポリオレフィン系分割性複合繊維及び前記高強度繊維の融点よりも低い融点を有するポリオレフィン系接着成分を含み、平均繊維長が30mm〜60mmであるポリオレフィン系熱接着性繊維とを、実質的に均一に混合した乾式繊維ウェブであって、且つ、前記ポリオレフィン系分割性複合繊維、前記高強度繊維、及び前記ポリオレフィン系熱接着性繊維の合計質量に対する前記高強度繊維の質量比が25〜45mass%である乾式繊維ウェブを形成し、得られた乾式繊維ウェブに、熱融着処理及び水流絡合処理を任意の順序で実施することによって熱融着化水流絡合乾式不織布を形成し、こうして得られた熱融着化水流絡合乾式不織布を更に親水化処理することを含む、アルカリ電池用セパレータの製造方法。
  6. 前記のポリオレフィン系分割性複合繊維と、前記の高強度繊維と、前記のポリオレフィン系熱接着性繊維とを混合し、油剤を追油してから乾式法によって繊維ウェブを形成する請求項5に記載のアルカリ電池用セパレータの製造方法。
  7. 繊維総質量の0.5〜3mass%の量で油剤を追油する請求項6に記載のアルカリ電池用セパレータの製造方法。
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