JP4135873B2 - 洗濯乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾燥工程最終でマイナスイオンを洗濯槽へ供給する手段を備えた洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
乾燥工程最終でマイナスイオンを供給する装置として、特開平2002−35491号に記載されている衣類乾燥機がある。これは、ドラムを内装する乾燥室に接続された吸気路内にイオン発生用の電極を配設し、高電圧を印加して、コロナ放電を生じさせて高温の空気をイオン化するので、ドラム内の洗濯物の帯電を防止することによって、洗濯物への糸くず等の付着を防止するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなコロナ放電式のマイナスイオン発生器は、発生器自体が水に濡れると漏電してコロナ放電が起こらなくなったり、壊れたりするため、洗濯工程のある洗濯乾燥機には、設置できない。
本発明の目的は、洗濯乾燥機に最適なマイナスイオン発生手段を備え、除電、しっとり仕上げ、シワ防止など、乾燥仕上がりを向上させる洗濯乾燥機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明における洗濯乾燥機の特徴とするところは、外槽内に回転可能に設置した洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽内に回転可能に設置した攪拌翼と、前記洗濯兼脱水槽および攪拌翼を回転または静止する駆動装置と、給水および排水手段と、温風循環乾燥手段と、前記駆動装置と給水および排水手段と温風循環乾燥手段を制御する制御装置とを備える洗濯乾燥機において、一連の洗濯乾燥工程の途中でマイナスイオンを発生する手段を備えることにある。
【0005】
具体的には、本発明は次にあげる洗濯乾燥機を提供する。
マイナスイオンを発生する手段が、洗濯機に供給される水を利用してレナード式(水粉砕方式)によりマイナスイオン発生動作を行うことであり、好ましくは、レナード式によりマイナスイオンを発生する手段が、前記洗濯兼脱水槽と外槽の間に水を溜め、洗濯兼脱水槽を回転させることである。
【0006】
更に好ましくは、前記洗濯兼脱水槽の回転数が300〜800rpmであり、かつ、前記洗濯兼脱水槽と外槽の間に溜める水の水量が、底部における洗濯兼脱水槽と外槽との間の容積に対して0.4〜1.0倍であり、また、前記洗濯兼脱水槽の回転動作が間欠的に行われると良い。前記洗濯兼脱水槽に、水抜きを目的とした穴が設けられており、前記攪拌翼の裏面に垂直リブが設けられていると更に望ましい。
【0007】
また、前記レナード式によりマイナスイオンを発生する手段が、ノズルより水を壁面に噴射する動作をすることであってもよい。
【0008】
加えて、前記レナード式(水粉砕式)によりマイナスイオンを発生する手段で使用する水が、金属イオン除去水であるとより好ましい。
【0009】
また、前記マイナスイオンを発生する手段が、マイナスイオン発生部材であり、例えば、マイナスイオン塗料コーティング部材もしくはマイナスイオン粉体練り込み樹脂成形体から成るものである。
【0010】
更に、前記洗濯兼脱水槽と外槽の間に水を溜め、洗濯兼脱水槽を回転させることでマイナスイオンを発生させるが、その際、該洗濯兼脱水槽と外槽の間の溜まる水に熱を与える熱源を備えるようにしてもよい。
【0011】
以上の手段により、洗濯槽内の衣類に供給することによって、除電・衣類をふんわりさせるなど乾燥仕上がりを向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態例に係る洗濯乾燥機を、図面を用いて説明する。
以下に説明する実施の形態における洗濯乾燥機は、洗濯(洗いと濯ぎ)と脱水と乾燥を実行することができる洗濯乾燥方式の電気洗濯機であって、具体的には後述するが、外槽内に回転可能に設置した洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽内に回転可能に設置した攪拌翼と、前記洗濯兼脱水槽および攪拌翼を回転または静止する駆動装置と、給水および排水手段と、温風循環乾燥手段と、前記駆動装置と給水および排水手段と温風循環乾燥手段を制御する制御装置とを備える。
【0013】
(実施例1)
図1は、本発明の一実施の形態である洗濯乾燥機の全体構成を示す模式図である。
【0014】
1は、外郭を構成する枠体である。2は、洗濯兼脱水槽であり、その周壁に通水穴2aを有し、その上縁部に流体バランサー3を備え、底部の内側には回転自在に攪拌翼4を設置する。攪拌翼4は、大径(洗濯兼脱水槽2の内径寸法の90%以上が望ましい)で周縁部を迫り上げるように上向きにわん曲させた皿状形態で、低位領域に通水穴4aを設ける。5は、前記洗濯兼脱水槽2を内包する外槽であり、その底部の外側には駆動装置6を鋼板製の取り付けベース7によって取り付け、外枠1の上端部の四隅から防振支持装置8によって懸垂するように支持する。
【0015】
衣類投入開口9aを形成した上面カバー9は、枠体1の上部開口を覆うように該開口端縁に嵌め込み、フロントパネル10およびバックパネル11と共に取り付けねじによって枠体1に取り付ける。
【0016】
上面カバー9とフロントパネル10の間に形成されるフロントパネルボックス12には、電源スイッチ13と入力スイッチ群および表示素子群を備えた操作パネル14と、外槽5内の水位に応じた水位信号を発生する水位センサ15と、コントロールユニット16を内蔵する。これらは制御装置を構成する。
【0017】
上面カバー9とバックパネル11の間に形成されるバックパネルボックス17には、洗濯水給水手段を設置するように内蔵する。
【0018】
洗濯水給水手段は、入水側を水栓接続口18に接続し、出水側を注水口19に接続した主給水電磁弁20によって構成する。
【0019】
温風循環乾燥手段は、外槽5の底部近くの側壁に形成した吸い出し口5aから該外槽5の後側の外壁面に沿って垂直状態で上向きに伸びるように形成して前記吸い出し口5aから浸入した洗濯水を堰き止める水冷除湿ダクト23と、この水冷除湿ダクト23内の上部に位置して該ダクト内に冷却水を供給する冷却散水部24と、洗濯運転における外槽5の水位よりも高い位置で折り返して該外槽5の外壁面に沿って該外槽5の下側に向かって垂直に伸びる下降風路ダクト25と、外槽5の下側の空間に配置されて前記下降風路ダクト25から空気を吸い込んで循環空気を生成する循環ファン26と、この循環ファン26の吐出口から外槽5の外壁面に沿って上方向に垂直状態に伸びる上昇風路ダクト27と、外槽上カバー28上に設置されて前記上昇風路ダクト27から送り込まれる循環空気を加熱するヒータ(PTCヒータ)29と、ヒータ29によって加熱された循環空気を洗濯兼脱水槽2内に向けて吹き込む吹き出し口30を備える。
【0020】
下降風路ダクト25内には湿度検知手段である湿度センサ40と第1温度センサ41を設置し、ヒータ29の下流側の風路内には第2温度センサ42を設置する。また、水冷除湿ダクト23の上部から下降風路ダクト25への折り返し部に糸屑捕集フィルタ(図示省略)を設置する。
【0021】
前記水冷除湿ダクト23,下降風路ダクト25および上昇風路ダクト27は、外槽5の後側の外壁面に該外槽5の周方向に並べて実装する。
【0022】
そして、この温風循環乾燥手段は、洗濯後に外槽5内の洗濯水を排水し、洗濯兼脱水槽2を高速回転させて脱水した後に低速回転させながら、循環ファン26を運転することによって、外槽5および洗濯兼脱水槽3内の湿潤空気を吸い出し口5aから吸い出し、水冷除湿ダクト23内を上昇させる過程において冷却散水部24から該水冷除湿ダクト23内に供給される冷却水によって冷却して除湿する。その後、冷却除湿した空気は、下降風路ダクト25を下降させて循環ファン26に吸い込み、この循環ファン26から上昇風路ダクト27とヒータ29を通して吹き出し口30に送り込み、ヒータ29によって加熱して洗濯兼脱水槽2内の内壁面付近に向けて該洗濯兼脱水槽2の回転方向に対して逆向きに吹き込む。このように洗濯兼脱水槽2に吹き込まれた循環空気は、洗濯兼脱水槽2内の洗濯物に触れて該洗濯物を乾燥する。
【0023】
上面カバー9に形成した衣類投入開口9aは、外蓋31によって開閉自在に覆い、外槽上カバー28に形成した開口28aは、内蓋32によって開閉自在に覆うように構成する。
【0024】
外槽5の底に形成した排水口5bは、排水電磁弁33を介して排水ホース34に接続する。エアートラップ5cは、エアーチューブ35を介して前記水位センサ15に接続する。枠体1の下端縁には、四隅に脚36を取り付けた合成樹脂で成形されたベース37を装着する。
なお、参照符号38は、洗濯兼脱水槽2内に投入された洗濯物である。
【0025】
次に、洗濯・脱水および乾燥運転について説明する。
図2は、各工程の運転制御のフローチャートである。
【0026】
〔ステップ201:初期化〕
電源が投入されると、制御処理系の初期化処理を行う。
【0027】
〔ステップ202:初期設定・洗濯開始〕
洗濯兼脱水槽2に洗濯衣類38を投入し、操作パネル14の入力スイッチを操作して初期設定を行い、スタートボタンスイッチが押されると、各運転の自動制御処理をスタートする。
【0028】
前記初期設定では、前記コースとモードを選択して設定する。ここでは、洗濯・乾燥コースが設定されたときの運転制御を例示する。
【0029】
〔ステップ203:布量検出〕
洗濯物38の布量の検出制御処理を行う。この洗濯物の布量の検出結果に基づいて洗い水量および好ましい洗剤濃度の洗い水を生成するための洗剤量を演算して決定し、この洗剤量を操作パネル14の表示素子によって表示する。
【0030】
〔ステップ208:給水〕
主給水電磁弁20および補助給水電磁弁22を開いて水道水(洗い水)の給水を開始する。この洗い水の給水は、ステップ203において決定した水量まで行うが、給水の途中で洗濯物38の布量(湿布値),布質を検出するために中断する。この中断水位は、コントロールユニット16内のマイクロコンピュータに予め設定された湿布量検出および布質検出(推定)に適した水位である。
【0031】
〔ステップ209:布質検知〕
湿布量と布質を検出して洗い水給水量の補正や洗い,濯ぎ,脱水,乾燥運転における制御定数の決定等を行う。この布質検出制御は、初期設定により不要になったときには、省略する。そして、布量および布質に応じて、洗いおよび濯ぎ運転における水流(機械的攪拌の強さ=オン−オフ時限)と運転時間や乾燥運転における制御定数を決定する。
【0032】
〔ステップ210:洗い給水〕
ステップ203で決定した水量まで水道水を給水する。これにより、洗濯物38は、洗濯兼脱水槽2内で所定の洗剤濃度の洗い水に浸した状態となり、洗濯兼脱水槽2や攪拌翼4を回転させて洗濯物38に機械的な洗浄力(攪拌)を作用させるのに好適な状態となる。
【0033】
〔ステップ211:洗い〕
ステップ209において設定した洗い水流と洗い時間の洗い工程を行うように駆動装置6を制御する。
【0034】
〔ステップ212:排水〕
排水電磁弁33を開いて洗い水を機外に排水する。この排水運転では、排水終了後または終盤に、洗濯物38に含まれている洗い水を遠心脱水するように駆動装置6を制御する。この遠心脱水において、洗濯物38の片寄りによって外槽5が大きく振れてアンバランス検出センサ43が動作したときには、高速回転駆動を中断して洗濯物38の均し運転制御を実行する。
【0035】
〔ステップ213:濯ぎ給水〕
主給水電磁弁20と補助給水電磁弁22を開いて濯ぎ水(水道水)を設定水量まで給水する。必要に応じて、補助給水電磁弁22aを開いて仕上剤を混入させる。
【0036】
〔ステップ214:濯ぎ〕
駆動装置6を制御して濯ぎ運転を実行する。この濯ぎ運転において、洗濯物38の量に応じて攪拌翼4を反転駆動(濯ぎ攪拌駆動)する。
【0037】
〔ステップ215:排水〕
排水電磁弁33を開いて濯ぎ水を機外に排水する。そして、排水終了後または終盤に、攪拌翼4と洗濯兼脱水槽2を一体的に一方向に高速回転させることによって洗濯物38に含まれている濯ぎ水を遠心脱水するように駆動装置6を制御する。この遠心脱水においても、洗濯物38の片寄りによって外槽5が大きく振れてアンバランス検出センサ43が動作したときには、高速回転駆動を中断して洗濯物38の均し運転制御を実行する。
【0038】
この濯ぎにおける給水,攪拌と排水および遠心脱水は、必要に応じて複数回繰り返す。最終濯ぎにおける遠心脱水は、次の脱水運転となる。
【0039】
〔ステップ216:遠心力脱水〕
排水電磁弁33を開いたままにして、洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4を一体的に高速度で回転させることにより洗濯物38に含まれている水分を遠心脱水する。この遠心脱水においても、洗濯物38の片寄りによって外槽5が大きく振れてアンバランス検出センサ43が動作したときには、高速回転駆動を中断して洗濯物38の均し運転制御を実行する。この最終遠心脱水が終了した状態では、洗濯物38は、洗濯兼脱水槽2の側壁に押し付けられて側壁面に付着した状態にある。
【0040】
〔ステップ217:温風脱水〕
この温風乾燥運転は、基本的には、予め設定した所定のタイムスケジュールに従って、洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4を回転させながら、循環ファン26を運転して洗濯兼脱水槽2(外槽5)内の空気をダクト23,25,27を通して循環させ、冷却散水部24から散水して循環空気を水冷除湿し、水冷除湿した循環空気をヒータ29によって加熱することにより実行するが、設定されているモードや洗濯物38の量や循環空気の湿度(湿度センサ40の検出信号)や温度(温度センサ41,42の検出信号)やアンバランス(アンバランス検出センサ43の検出信号)の検出結果に応じて、洗濯兼脱水槽2および攪拌翼4の回転制御や循環ファン26の運転制御やヒータ29の発熱制御や冷却散水部24の散水制御を実行する。
ここで、温風乾燥工程を詳細に分けると、次の4ステップに分けられる。
【0041】
〔ステップ217−1:高速回転乾燥〕
ヒータ29に給電(オン)しながら、洗濯兼脱水槽2内の空気を循環させながら加熱するように循環ファン26を運転し、更に、洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4を高速回転速度(約700rpm)で回転させる。
【0042】
湿度センサ40の検出信号を監視し、洗濯物38が所定の基準乾燥度α1になったら、次ステップへ進む。ただし、洗濯物38が基準乾燥度α1まで進んでいない時には乾燥運転が所定の時間(洗濯兼脱水槽2を回転させて洗濯物38の加熱乾燥を促進させるのに好適な時間)を経過するまで現状を維持する。
【0043】
〔ステップ217−2:間欠攪拌乾燥〕
基準乾燥度α1まで到達するか、乾燥運転が所定の時間まで経過すると、冷却散水部24から水冷除湿ダクト23内に冷却水を供給することにより、循環空気の水冷除湿を開始するように冷却散水電磁弁24aを開放制御(オン)する。この雰囲気下で、攪拌翼4の正および逆方向に繰り返し回転させることにより、洗濯物38を攪拌して入れ替えおよびほぐしを行うように駆動装置6を制御する。この攪拌翼4の攪拌動作を所定の周期で間欠的に行う。湿度センサ40の検出信号を監視し、洗濯物38が所定の基準乾燥度α2になったら、次ステップへ進む。
【0044】
〔ステップ217−3:連続攪拌乾燥〕
洗濯物38のシワつきを防ぐため、洗濯物38が絶えず変形し新しい表面が温風にあたるように、攪拌翼4の攪拌動作を所定の周期で連続的に行う。湿度センサ40の検出信号を監視し、基準乾燥度α3になったら、次ステップへ進む。
【0045】
〔ステップ217−4:仕上げ〕
本発明のマイナスイオン発生動作はこのステップで行う。まず、ヒータ29の発熱を停止させ、続いて、排水電磁弁33を閉じ冷却散水部24からの水を、洗濯兼脱水槽2と外槽5との間に所定時間溜める。その溜める水量は、後述するように、洗濯兼脱水槽2と外槽5との間の容積に対して0.4〜1.0倍(以下、容積比0.4〜1.0倍と表現する)になるようにする。特に、ステップ203で検知した布量や、ステップ209で検知した布質に応じて、発生させるマイナスイオン量を調整するため、溜める水の量を容積比0.4〜1.0倍のうち適正量V1になるように、制御することが好ましい。
【0046】
適正量V1まで水を溜めたら、駆動装置6を運転して洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4を一体として所定時間回転させる。この回転数は、後述するように300〜800rpmが好ましい。この回転動作によって、洗濯兼脱水槽2と外槽5との間に溜めた水がレナード現象(水粉砕現象)を起こし、マイナスイオンを発生する。後述するが、この回転動作は間欠的に行うことが望ましい。
【0047】
発生したマイナスイオンは、攪拌翼4の通水穴4aや洗濯兼脱水槽2の周壁の通水穴2aを通過して、洗濯物38に供給される。
【0048】
前記マイナスイオン発生のため洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4の回転動作が終了したら、排水電磁弁33を開いて排水する。その後、駆動装置6、循環ファン26、冷却散水電磁弁24aを停止、排水電磁弁33を閉じて、全工程を終了する。
【0049】
続いて、ステップ217−4で作動させたマイナスイオン発生に関わる詳細について、説明する。
【0050】
以下、洗濯機内で発生したマイナスイオンの測定は、内蓋32にあけた測定用の穴から1cmの距離に、マイナスイオン測定器を設置して行った。
【0051】
まず表1は、洗濯兼脱水槽2と外槽5との間に溜める水量(洗濯兼脱水槽2と外槽5との間容積比)と、洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4を一体として回転させる回転数を変化させた時の、マイナスイオン発生量を測定したものである。
【0052】
これによると、容積比0.4〜1.0倍では、マイナスイオンを充分発生させる(1000個/cc以上)ことができるが、容積比0.3倍ではマイナスイオン発生量が少なく、また容積比1.2倍ではマイナスイオンの発生だけでなく洗濯物38が顕著に濡れるという不具合を起こしてしまう。
【0053】
また、回転数に関しては、200rpmでは溜め水の量を変化させても約500個/ccしか発生せず、不十分であった。そこで300〜800rpm変化させたところ充分な量のマイナスイオンが発生し、回転数が高くなるに従いマイナスイオンの発生量は増えることわかった。ただし、900rpmともなると、回転体による騒音の問題が顕著になり、好ましくない。
【0054】
従って、マイナスイオンを最適に発生させる(1000個/cc以上)には、溜め水の量は容積比0.4〜1.0倍かつ回転数は300〜800rpmが好ましいと言える。
【0055】
【表1】
【0056】
次に、洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4を一体として回転させる動作を、連続的に行った場合と間欠的に行う場合を比較した。
【0057】
ここで、マイナスイオンが衣類に供給された時の効果として、後述するように、除電、仕上がり向上、シワ防止が挙げられるが、いずれも洗濯物38への微小水粒子の付着がマイナスイオンによって促進されるため得られる効果であることが分かっている。
【0058】
従って、回転動作の連続運転と間欠運転における洗濯物38の吸湿率を調べた結果を表2に示す。なお、この時の溜め水量は容積比0.5倍、回転数600rpmである。
【0059】
【表2】
【0060】
表2によると、連続運転した場合は、2分までは特に不具合が起こらないが、4分以降は洗濯物38が濡れてしまう。一方、間欠運転は、2分間の運転を4サイクル行った累計8分運転でも、不具合が発生しない。従って、間欠的にマイナスイオンを発生させる方が好適であると言える。
【0061】
加えて、間欠運転する洗濯兼脱水槽2と攪拌翼4を一体として回転させる動作と動作の間に、攪拌翼4を正および逆方向に繰り返し回転させて、洗濯物38を攪拌して入れ替えおよびほぐしを行うことによって、発生したマイナスイオンを洗濯物38の表面に万遍なく供給できるように動作制御すると良い。また、発生したマイナスイオンを洗濯物38の表面に万遍なく供給させるためには、マイナスイオン発生動作中に送風ファン26を作動させ、洗濯兼脱水槽の底部で発生したマイナスイオンを循環し、上部の吹き出し口30からも供給するようにしても好ましい。
【0062】
ここで、マイナスイオンが洗濯物38に与える3つの効果について述べる。
まず、洗濯物38はステップ217−4の仕上げ工程においては、乾燥中の摩擦によってかなり帯電する。帯電量は布の種類によっても異なるが特に化繊は帯電しやすく、綿で+2〜3kVのところ、ナイロンだと+8〜10kVほど帯電し、洗濯物を取り出す時に人間の手に向けて放電(リーク)するという不快な現象を引き起こす。このプラスに帯電した洗濯物に対して、マイナスイオンは微小水粒子と共に、その電気的引力で引き寄せられる。従って、マイナスイオンによって、洗濯物表面に微小水粒子がどんどん付着し、この水分がアースの役目を果たして、洗濯物を除電する効果がある。付着する水分量は、吸湿率で1〜2wt%あれば除電作用を表し始める。
【0063】
次に、上記のようにマイナスイオンによって洗濯物表面への水分付着が促進されることから、ふんわり手触りよく乾燥できる効果がある。即ち、繊維は適度な水分を吸収すると、体積が膨潤するため、繊維の1本1本が起毛され、ふわっと手触りが良くなる。
【0064】
3つ目として、上記のようにマイナスイオンによって洗濯物表面への水分付着が促進されることから、繊維が折れ曲がったまま洗濯物を乾かす時にできたシワを防ぐこともできるようになる。すなわち、湿った洗濯物の繊維が折れ曲がった状態というのは、繊維間に水素結合ができており、乾燥させていくと、その折れ曲がった繊維同士の結合が強く残留しそのままシワとなり、外力を与えても消えなくなる。しかし、繊維表面に再度水分が与えられると、シワの元となっていた水素結合がきれるので、繊維の弾性力でまっすぐ元に戻ろうとする。従って、マイナスイオンによってシワの発生を抑えることができると言える。
【0065】
ところで、水滴の飛散を抑えて洗濯物38の濡れを防ぐ構造として、図3に示すように、洗濯兼脱水槽2に水抜きを目的とした穴2c、2d、2eが設けてあると良い。詳細に説明すると、乾燥の温風を洗濯物38に効率よく当てるために洗濯兼脱水槽2の底部に空いている穴2bから、回転動作中に水滴が入り込み、遠心力により表面を伝って外周方向へと移動する。この経路の途中に、水抜き穴2c、2d、2eが設けてあると、攪拌翼4と洗濯兼脱水槽2の隙間から水滴が洗濯兼脱水槽内部へ飛び出し、洗濯物38を濡らすのを防ぐ。また、攪拌翼4の裏面に垂直リブ4bが設けられていると、攪拌翼4の通水穴4aから洗濯兼脱水槽内部への水滴の飛散を防ぐのに好適である。
【0066】
また、マイナスイオンの発生量を増やすために、溜め水に使用する水の水硬度を変化させた結果を表3に示す。この時、水硬度を減らすために金属イオン除去手段として、イオン交換樹脂を用いた。なお、溜め水は容積比0.5倍、回転数600rpmである。
【0067】
【表3】
【0068】
表3によると、水硬度は硬度が下がるほどマイナスイオンの発生量が多くなるので、例えば図1において、イオン交換ユニット21を設け、冷却散水電磁弁24aを通じて供給すると好適である。
【0069】
以上であるが、更に、ステップ203で検知した布量や、ステップ209で検知した布質に応じて、溜める水量、回転数を制御すれば、発生させるマイナスイオン量を適正化できる。例えば、布質が化繊系だと検知した場合、乾燥中の摩擦帯電が大きいので除電効果を高めるため、マイナスイオン発生量が多くなるような溜め水容積比と回転数の組み合わせを選ぶことができる。
【0070】
また、溜め水に熱を与え水温を上昇させると、より一層効果的である。表4には、溜め水の水温を変化させた時のマイナスイオンの発生量を示す。すると、水温が上がるにつれて、マイナスイオン発生量が増えることがわかる。なお、溜め水の水温を上昇させる熱源としては、ヒータ29を作動させても良いが、消費電力等を考慮するとヒータ29の余熱を利用するのが望ましい。
【0071】
【表4】
【0072】
(実施例2)
本実施例では、実施例1の基本構造に加えて、図4に示すマイナスイオン発生装置を取り付ける。この装置は、実施例1同様、乾燥の仕上げ工程(ステップ217−4)で作動させる。仕上げ工程に入ったら、ノズル401から吹き出し口30の壁面へ適量の水を、適切な噴射圧で噴射することによって、レナード現象が起こりマイナスイオン充分を発生させることができる。
【0073】
(実施例3)
本実施例では、実施例1の基本構造に加えて、洗濯槽内にマイナスイオン発生部材を設置する構造とする。具体的には、図1の内蓋32、洗濯兼脱水槽2に、マイナス発生塗料を塗布し、また回転翼4をマイナスイオン粉体練り込み樹脂で成形した。
【0074】
その結果、マイナスイオン発生量は、前記部材を設置する前に比べて、約1000個/cc増加した。マイナスイオン発生に使われる材料としては、トルマリン、ガーネット、ウラニウムやラジウムやアクチウムやトリウムなどの放射線物質を含むものが代表的に挙げられるが、マイナスイオンを発生させるそれ以外の材料であってもよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明は、乾燥最終工程において、洗濯兼脱水槽と外槽の間に水を、洗濯兼脱水槽と外槽との間の容積に対して0.4〜1.0倍の水量を溜め、更に、洗濯兼脱水槽を300〜800rpm回転させることで、レナード式(水粉砕方式)によりマイナスイオンを発生させ、洗濯槽内の衣類に供給することによって、除電・衣類をふんわりさせるなど乾燥仕上がりを向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である洗濯乾燥機の全体構成を示す模式図である。
【図2】一連の洗濯から乾燥工程までの動作を表すフローチャートである。
【図3】実施例1の洗濯兼脱水槽と攪拌翼の具体的な構造を示す縦断側面図である。
【図4】実施例2に示したマイナスイオン発生手段の具体的な構成を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1…枠体、2…洗濯兼脱水槽、3…流体バランサー、4…攪拌翼、5…外槽、6…駆動装置、7…取り付けベース、8…防振支持装置、9…上面カバー、10…フロントパネル、11…バックパネル、12…フロントパネルボックス、13…電源スイッチ、14…操作パネル、15…水位センサ、16…コントロールユニット、17…バックパネルボックス、18…水栓接続口、19…注水口、20…主給水電磁弁、23…水冷除湿ダクト、24…冷却散水部、25…下降風路ダクト、26…循環ファン、27…上昇風路ダクト、28…外槽上カバー、29…ヒータ(PTCヒータ)、30…吹き出し口、32…内蓋、33…排水電磁弁、34…排水ホース、35…エアーチューブ、36…脚、37…ベース、40…湿度センサ、41…第1温度センサ、42…第2温度センサ。
Claims (5)
- 外槽内に回転可能に設置した洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽内に回転可能に設置した攪拌翼と、前記洗濯兼脱水槽および攪拌翼を回転または静止する駆動装置と、給水および排水手段と、温風循環乾燥手段と、前記駆動装置と給水および排水手段と温風循環乾燥手段を制御する制御装置とを備える洗濯乾燥機において、
一連の洗濯乾燥工程の途中でマイナスイオンを発生する手段を備え、
前記マイナスイオンを発生する手段は、洗濯機に供給される水を利用してレナード式(水粉砕方式)によりマイナスイオン発生動作を行う構成であり、前記洗濯兼脱水槽と外槽の間に水を溜め、洗濯兼脱水槽を回転させることを特徴とする洗濯乾燥機。 - 請求項1において、前記洗濯兼脱水槽の回転動作が間欠的に行われることを特徴とする洗濯乾燥機。
- 請求項1において、前記洗濯兼脱水槽に、水抜きを目的とした穴が設けられていることを特徴とする洗濯乾燥機。
- 請求項3において、前記攪拌翼の裏面に垂直リブが設けられていることを特徴とする洗濯乾燥機。
- 請求項1〜4の1項において、前記レナード式(水粉砕式)によりマイナスイオンを発生する手段で使用する水が、金属イオン除去水であることを特徴とする洗濯乾燥機。
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