JP4135871B2 - 排熱を熱源として灯油または軽油を改質する装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、灯油または軽油を改質する装置及び方法に関するもので、改質ガス又はメタンリッチガスを燃料または原料として利用するエネルギー変換装置、化学プラント等の分野で主として利用される。
【従来の技術】
従来は灯油または軽油を改質したり、直接メタンリッチガスを生成する実用的プロセスは一般に知られていない。従って、類似の技術として図4に従来型のナフサの改質装置を示す。また、図5に従来型のナフサ蒸発器を示す。更に図6に石炭ガス化によるメタンリッチガス生成プロセスを示す。これらとの比較によって、本発明のポイントを明確にする。
先ず、ナフサ改質装置では、ナフサAをナフサ蒸発器1で気化した後、水素を含む改質ガスと混合し、脱硫器2で脱硫する。脱硫器内では、先ず、触媒の存在下でナフサ中の有機硫黄と改質ガス中の水素が反応して硫化水素(H2S)となり、次いで、脱硫器内に充填されている酸化亜鉛(ZnO)と反応して脱硫される。
脱硫されたナフサは、排熱ボイラ3で発生した水蒸気と混合されて改質器4に送られる。改質器では燃焼ガス等の加熱源によって加熱されながら、触媒のもとで、ナフサと水蒸気が反応し、メタン(CH4),水素(H2),一酸化炭素(CO),二酸化炭素(CO2),水蒸気(H2O)を含む改質ガスに変換される。水素を含む改質ガスの一部は圧縮機5により昇圧された後、ナフサの脱硫に必要な水素源として、脱硫器の手前でナフサと混合される。
この場合、図5に示すようなナフサ蒸発器が使用されていた。即ち、ナフサの気体と液体を分離する気液分離ドラム6に液体のナフサAを供給し、液体のナフサは気液分離ドラムを介してナフサ蒸発器1の底部に供給される。液体ナフサは蒸発器の管内を上昇していく過程で周囲から高温ガスによって加熱され、蒸発する。
また、図6は石炭からメタンリッチガスを作るプロセスを簡易的に示したものである。石炭はガス化炉7の中で、水蒸気および酸素と反応してガス化される。生成されるガスの組成は使用するプロセスによって異なるが、一般にH2,CO,CO2,H2Oを主成分とし、CH4等の炭化水素ガスも多少含んでいる。その石炭ガス化ガスはメタネーション反応器8によって、ニッケル触媒の存在下で、メタンリッチガスに変換される。この場合、メタネーション反応は発熱反応であるため、冷却が必要となる。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
(1)ナフサも同様であるが、灯油または軽油は沸点の異なる多成分系からなっているため、液体を下部から上方に向かって流すと、状態によって高沸点留分が液体中に濃縮され、全成分を均一に蒸発させることが難しくなる。また、管内における液面をどの位置にするかによって、液体の受熱面積即ち蒸発のための受熱面積が決まるため、沸点の変動と相俟って、蒸発量のコントロールが難しくなる。常に一定の量を取り扱う化学プラントにおいては、1点の最適運転条件を探索することで、上記を解決することも可能と思われるが、発電設備のように、常に負荷即ち液体の供給量が異なる条件下において、安定な蒸発を得ることは難しい。更に、高沸点留分の濃縮はより高い熱源温度を必要とすることから、熱分解、炭素析出に繋がる可能性があり、大変危険である。特に、灯油または軽油を取り扱う場合は、ナフサより分子量が大きいので、重質成分の濃縮は炭素析出に繋がる。
(2)灯油または軽油の中にある有機硫黄分を除去するためには、コバルトモリブデン(CoMo)またはニッケルモリブデン(NiMo)系の触媒を使って、水素と反応させ、有機硫黄をH2Sに変換させた後、ZnOによって硫化亜鉛(ZnS)の形で除去する必要がる。このために、脱硫装置には水素を供給する必要がある。この水素の供給方法として、従来のナフサ改質プロセスでは、改質されたガスが水素を含んでいることから、生成ガスの一部を再循環して使用していた。しかし、生成ガスの圧力は必ず、供給するナフサの圧力より低いため、水素を上流側に供給するためには圧縮機が必要であった。しかし、水素は大変漏れ易いガスである上、水素を高圧で供給する必要があることから、その圧縮機はシールが大変で、高価であり、且つ、危険性も高いものであった。この外にも、水の電気分解によって水素を供給する方法等があるが、大変高価で、消費電力が大きく、実用的には問題があった。
(3)また、従来の石炭から合成天然ガスを作るプロセスでは、ガス化によって生成されたガスをメタネーション反応器でNi系触媒によってメタン化させていた。このメタネーション反応は大きな発熱反応で、適切な冷却をしないと、反応が暴走したり、温度が上がり過ぎて触媒を劣化させたりする心配があり、反応器の設計が大変難しいものであった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するため、本発明は、排熱源によって、原料ガス加熱器と、灯油又は軽油の蒸発器と、排熱回収ボイラとを加熱し、灯油又は軽油を改質する方法であって、生成された灯油又は軽油の気化ガスと水蒸気を混合した後、この混合ガスを原料ガス加熱器に導入、加熱し、次いで、ニッケル触媒が充填された反応器に加熱された前記混合ガスを導入し、断熱下で灯油又は軽油の改質反応とメタネーション反応を同時平行的に行わせる、ことを特徴とする。
また、本発明の灯油又は軽油の改質装置は、熱源によって灯油又は軽油を蒸発させる蒸発器と、排熱源によって加熱される排熱回収ボイラと、前記蒸発器によって気化された灯油又は軽油の気化ガスと、前記排熱回収ボイラからの水蒸気とを混合する手段と、この混合ガスが導入され、この混合ガスを加熱する原料ガス加熱器と、ニッケル触媒が充填され、前記原料ガス加熱器で加熱された混合ガスが導入され、断熱下で灯油又は軽油の改質反応とメタネーション反応を同時平行的に行わせる反応器と、を備えることを特徴とする。
(1)灯油または軽油のような多成分系の液体を、各成分を常に均一に蒸発させるため、液体を上から下に向かって流すことによって、沸点の低い成分が先に気化しても、残された高沸点留分は管内を下降していく間に更に加熱され、順次蒸発していくため、高沸点留分が液体として濃縮されていくことがない。この間、高沸点留分が加熱される時間が必要であることから、液体の管内通過時間を充分取れる構造とすることが必要で、そのために伝熱管を屈曲させている。また、その供給量が非常に少ない時でも、各伝熱管に均一に液体が配分されるよう、ヘッダーから各伝熱管への液体の供給はオーバーフローによることが好ましい。更に、炭素析出を防止するために、熱源温度を蒸発及び多少の過熱に必要な最小限に抑える必要があることから、熱源側の温度制御が必要である。
(2)脱硫器のための水素の供給は、水素の漏洩の危険、即ち、漏洩し易いシール部をなくすこと、エネルギー消費が少なく、かつ、設備費の安い水素ガス供給設備であることが要求される。そのため、ポンプで昇圧され、気化器に供給されるその灯油または軽油の一部を分岐し、それを高圧の状態で、同じ熱源を利用して改質し、その高圧改質ガスを気化した灯油または軽油と混合することで、圧縮機も使わず、余計な電力も使わずに、水素を供給することができる。
(3)H2,CO,CO2,H2O等のガスからメタンを生成させるメタネーション反応は著しい発熱反応であるが、灯油または軽油を水蒸気と反応させる改質反応は吸熱反応である。従って、改質反応だけの時は反応器は外部からの加熱が必要であり、メタネーション反応だけの時は反応器は冷却が必要となる。しかし、気化した灯油または軽油と水蒸気の混合ガスを1つの反応器に供給し、そこで、改質反応とメタネーション反応を同時に起こさせれば、反応器内の温度変化は相殺されて、著しい温度上昇は起こらない。しかし、この反応を支配する1つの要因であるS/C(水蒸気、炭素比)は、大きくすれば改質反応は起こりやすくなるが、メタネーション反応が進み難く、小さくすれば改質反応が起こりにくくなり、炭素析出も起こりやすくなる。また、運転温度も反応を支配する重要な因子であると同時に逆に反応によって温度が支配される。従って、反応条件を上手くコントロールすることが、1つの反応器で2つの反応を同時に起こさせるために絶対的に重要な事柄である。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照しながら説明する。なお、本発明は灯油または軽油を改質したり、メタンリッチガスを生成することを目的としているが、以下の説明においては、説明を簡略化するため、総て原料を灯油として説明する。従って、図1及び図2のタイトルも灯油としている。図1は、灯油の改質ガス又はメタンリッチガスを生成するシステムフロー図を示す。改質ガスとメタンリッチガスは共にH2,CO,CO2,H2O,CH4から構成されるガスで、メタン濃度が高い場合にメタンリッチガスと呼ばれるが、このプロセスで生成されるガスを以下メタンリッチガスと呼ぶ。図1は生成したメタンリッチガスを内部改質型の溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)のアノードに供給し、カソードの排気を原料ガス加熱器、灯油蒸発器、排熱回収ボイラの熱源として利用する場合で、本発明の一応用例を示しているが、MCFC以外の部分は他の目的にも使用できること、カソード排気は燃焼ガスであり、特殊性のあるものではないことから、MCFCの部分の説明は基本的に省略し、灯油の改質及びメタンリッチガスを生成する方法及び装置について、以下記述する。灯油タンク10に貯蔵されている灯油Gは灯油ポンプ11によって昇圧され、流量調節弁12によって流量を制御された後、リストリクションオリフィス15を通って灯油蒸発器16に供給される。また、ポンプ吐出側から別の流量調節弁13によって流量を制御された少量の別の灯油が水素ガス発生装置17に送られる。ポンプの吐出量は12及び13の流量調節弁を流れる流量の合計より常に多く、余剰の灯油は圧力調節弁14を介して灯油タンク10に戻される。灯油蒸発器では、MCFCのカソード排気を熱源として灯油が気化される。水素ガス供給装置では、少量の灯油がカソード排気を熱源として改質され、気化した灯油と混合される。この灯油の改質による水素供給装置の詳細は別途後述する。気化した灯油と改質ガスの混合ガスは脱硫器18に供給される。脱硫器内では、先ず、CoMo系の触媒によって、灯油の中の有機硫黄と水素を反応させ、有機硫黄をH2Sとしてから、脱硫器内に充填されているZnOによってZnSとして硫黄分を除去する。脱硫された灯油ガスはフィルター19によって、ダストを除去し、次いで、圧力調節弁20で減圧してから、水蒸気と混合する。水蒸気はカソード排気を熱源として排熱回収ボイラ25によって発生したもので、流量調節弁29によって予め設定されたS/Cとなるよう供給される。灯油ガスと水蒸気の混合ガスは、カソード排気を熱源として、原料ガス加熱器30によって、反応温度まで加熱され、反応器31に供給される。ここで、供給されたガスはニッケル系触媒によって、反応器内で改質反応とメタネーション反応を同時に起こし、メタンリッチガスが生成される。反応器31に供給されるガスの温度を制御するため、カソード排気のバイパスコントロールシステム55a及び55bを設置しており、これによって、同時に、灯油蒸発器の過熱防止を行っている。生成されたメタンリッチガスは、フィルター32でダストを除去した後、圧力調節弁33で減圧して、MCFC34のアノードに供給する。なお、アノードでは約75%の燃料が発電反応に利用され、残りは触媒燃焼器36に送られ、そこで、空気ブロワ35によって供給された空気によって燃焼され、MCFC34のカソードに供給される。カソードでは一部のCO2及び酸素が消費され、残りはカソード排気として約650℃で燃料加熱器(原料ガス加熱器)30に送られ、引き続き灯油蒸発器、排熱回収ボイラの熱源として使用される。図2に灯油蒸発器の詳細構造を示す。カソード排気は下部N2から、入り、上部N1から出て行く。一方、灯油は供給ヘッダー(上部ヘッダー)N3に供給され、ヘッダー上部に接続された伝熱管にオーバーフローによって供給される構造となっている。灯油は屈曲する伝熱管の中を下方に向かって流れ、その途中で、順次各成分が気化し、蒸発器出口(下部ヘッダー)N4から出て行く。また、図3に水素供給装置のフロー図を示す。流量調節弁13によって、必要な水素を供給するに必要な灯油が供給され、チェックバルブ37、ブロックバルブ38を介して灯油気化器39に送られる。そこで、カソード排気を熱源として、灯油は気化される。一方、水素ボンベ40から水素ガスKは、減圧弁41、流量調節弁42、チェックバルブ43を介して、気化した灯油G’と水素が混合される。このガスはブロック弁44を介して、脱硫器45に供給される。脱硫器45では、先ず、灯油の中の有機硫黄と水素がCoMo系触媒によって反応して、H2Sに変換され、充填されているZnOによってZnSの形で除去されブロック弁46を通って、水蒸気B”と混合される。水蒸気は専用の高圧蒸気発生器52からの水蒸気で、流量調節弁47、チェックバルブ48を介して、灯油ガスG’/Kと混合され、ブロック弁49a及び49bを介して、改質器50a及び50bに送られる。改質器ではNi系触媒によって、改質され、ブロック弁51a及び51bを通して、灯油蒸発器16からの気化した灯油G’と混合される。また、図7に灯油からメタンリッチガスを生成するシステムの好ましい運転条件を示す。脱硫器は運転圧力1〜2MPa(第1の圧力)、運転温度を300〜400℃とする。圧力を高くすることで、炭化水素の水素化分解を抑え、水素と有機硫黄の反応の選択性を高めて、反応を安定させると同時に、水素の消費量を削減する。それに対し、反応器の運転条件は、圧力が300〜600kPa(第2の圧力)、温度を400〜550℃、水蒸気/炭素比を2〜2.5とする。この条件は、1つの反応器内で、改質反応とメタネーション反応を同時に起こさせるための条件である。一方、排熱回収ボイラの運転条件は、運転圧力を0.5〜1MPaとし、200〜350℃の過熱蒸気を発生させる。
【0005】
【発明の効果】
上述した本発明の灯油または軽油からメタンリッチガスを生成するシステムは以下の特徴を有している。
(1)従来、灯油または軽油から改質ガス又はメタンリッチガスを生成する実用的なシステムは知られていなかった。一方、燃料電池発電設備のようにクリーンな分散電源の場合、多くのものが天然ガスを燃料として設計されていた。しかし、天然ガスの供給が得られない地域も多く、普及の障害となっていた。本発明によって、天然ガスの供給が得られない地域であっても、クリーンな分散電源の設置が可能となった。更に、灯油、軽油は入手が容易で、一般に天然ガスより安価であり、貯蔵ができることから、災害時等、緊急時においても対応が可能となる。これによって、クリーンな分散電源が普及すれば、環境改善効果も大きい。
(2)従来、ナフサ以上の重質成分においては、改質反応とメタネーション反応をそれぞれ別々に行わせていた。この方が、より確実に目的を達成できるが、反応器が2つになること、改質反応は吸熱反応であり、外部からの加熱が必要となる。一方、メタネーションは発熱反応で、冷却が必要となることから、全体として反応器が大変高価になる。本発明では、改質反応とメタネーション反応を1つの反応器で同時に行わせることから、反応器が1つとなり、かつ、加熱、冷却設備が不要となるため、設備が安価になるばかりでなく、吸熱と発熱が相殺し合うことで、大量のメタネーションが起こっているにも拘わらず、温度の異常な上昇が起こらず、装置を安全に運転することができる。この実施のためには、2つの反応条件を同時に満足させる必要があることから、限られた運転条件のもとで反応させる必要がある。
(3)また、本発明では、脱硫器と反応器の間に大きな圧力差を設けている。即ち、脱硫器は高い圧力で運転し、反応器は低い圧力で運転する。これによって、反応器が目的を達成できる中で、脱硫器では、水素の消費量を削減すると同時に、炭化水素の水素化分解反応を抑えて、安定な脱硫反応ができるように配慮されている。
(4)また、従来のこの種のシステムでは、脱硫に必要な水素の供給方法として、生成ガスを圧縮機で供給する方法が最も一般的であった。この方法は、圧縮機からのガスのリーク、電力の消費、設備費等の観点から好ましくなかった。また、水の電気分解で水素を供給する方法もあるが、これも消費電力、設備費の点から好ましくない。本発明は、灯油または軽油が液体であることを利用して、消費動力の少ないポンプで昇圧し、水素供給のための改質装置をより高い圧力で運転し、脱硫器側をそれより低い圧力で運転することで、圧縮機を使わずに、安価に脱硫器に水素を供給できるようにしたものである。
(5)更に、従来は多成分からなる灯油または軽油を重質成分の濃縮を伴うことなく、安定に気化させる蒸発器は知られていない。重質成分の濃縮が起これば、加熱温度も高くなり、熱分解による炭素析出が起こりやすくなる。本発明の灯油蒸発器は、重質成分の濃縮を起こさないように上から下に向かって液体を流し、かつ、管内滞留時間を充分に取れるように伝熱管を屈曲させている。また、低負荷時の流量が少ない時でも各伝熱管に均一に液体が分配されるように、オーバーフローによって液体を供給する方式をとっている。これによって、上記の問題を起こすことなく、灯油を気化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の、灯油から改質ガス又はメタンリッチガスを生成するシステムのフロー図
【図2】 本発明の、灯油の蒸発器の構造図
【図3】 本発明の、水素供給装置のシステムフロー図
【図4】 従来型のナフサ改質装置のシステムフロー図
【図5】 従来型のナフサ蒸発器の構造図
【図6】 従来型のメタネーション反応器の概念図
【図7】 本発明の、灯油からメタンリッチガスを生成するシステムの好ましい運転条件を示す図
【符号の説明】
1 ナフサ蒸発器
2 ナフサ脱硫器
3 排熱回収ボイラ
4 改質器
5 改質ガス圧縮機
6 気液分離ドラム
7 石炭ガス化炉
8 メタネーション反応器
10 灯油タンク
11 灯油ポンプ
12 流量調節弁
13 流量調節弁
14 圧力調節弁
15 リストリクションオリフィス
16 灯油蒸発器
17 水素ガス供給装置
18 灯油脱硫器
19 フィルター
20 圧力調節弁
21 水処理装置
22 処理水タンク
23 給水ポンプ
24 リストリクションオリフィス
25 排熱回収ボイラ
26 気水分離ドラム
27 水位調節弁
28 圧力調節弁
29 流量調節弁
30 燃料加熱器
31 反応器
32 フィルター
33 圧力調節弁
34 溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)
35 空気ブロワ
36 触媒燃焼器
37 逆止弁
38 ブロック弁
39 灯油気化器
40 水素ボンベ
41 自力式圧力調節弁
42 流量調節弁
43 逆止弁
44 ブロック弁
45 脱硫器
46 ブロック弁
47 流量調節弁
48 逆止弁
49a ブロック弁
49b ブロック弁
50a 改質器
50b 改質器
51a ブロック弁
51b ブロック弁
52 高圧蒸気発生器
55a 温度調節弁
55b 温度調節弁
A ナフサ(液体)
A’ ナフサ(気体)
B 給水
B’ 処理水
B” 水蒸気
C 改質ガス
D 石炭ガス化炉原料
E 石炭ガス化ガス
F メタンリッチガス
G 灯油(液体)
G’ 灯油(気体)
H 空気
I カソード入口ガス
J カソード出口ガス
N1 カソード排気出口
N2 カソード排気入口
N3 灯油入口
N4 灯油出口
TW1 熱電対挿入口
TW2 熱電対挿入口
Ni ニッケル触媒
CoMo コバルトモリブデン触媒
ZnO 酸化亜鉛脱硫剤
CW 冷却水
MCFC 溶融炭酸塩型燃料電池
Claims (6)
- 排熱源によって、原料ガス加熱器と、灯油又は軽油の蒸発器と、排熱回収ボイラとを加熱し、灯油又は軽油を改質する方法であって、
生成された灯油又は軽油の気化ガスと水蒸気を混合した後、この混合ガスを原料ガス加熱器に導入、加熱し、次いで、ニッケル触媒が充填された反応器に加熱された前記混合ガスを導入し、断熱下で灯油又は軽油の改質反応とメタネーション反応を同時平行的に行わせる、ことを特徴とする灯油又は軽油の改質方法。 - 蒸発器に供給される灯油または軽油の一部を分岐し、それを水素を含むガスに改質した後、気化した灯油又は軽油と混合し、それを脱硫器に導き、脱硫した後、原料ガス加熱器に導入することを特徴とする、請求項1の灯油又は軽油の改質方法。
- 反応器の運転条件を、圧力を300〜600kPa、温度を400〜550℃、水蒸気/炭素比をモル比で2〜2.5とし、断熱下で灯油又は軽油の改質反応とメタネーション反応を同時平行的に行わせることにより、灯油または軽油から直接メタンリッチガスを生成する、請求項1の灯油又は軽油の改質方法。
- 第1の圧力下で灯油又は軽油を気化、脱硫した後減圧し、水蒸気との混合、原料ガスの加熱を行わせ、その後第2の圧力下で原料ガスの反応を行わせることを特徴とする請求項1の灯油又は軽油の改質方法。
- 排熱源によって灯油又は軽油を蒸発させる蒸発器と、
排熱源によって加熱される排熱回収ボイラと、
前記蒸発器によって気化された灯油又は軽油の気化ガスと、前記排熱回収ボイラからの水蒸気とを混合する手段と、
この混合ガスが導入され、この混合ガスを加熱する原料ガス加熱器と、
ニッケル触媒が充填され、前記原料ガス加熱器で加熱された混合ガスが導入され、断熱下で灯油又は軽油の改質反応とメタネーション反応を同時平行的に行わせる反応器と、を備えることを特徴とする灯油又は軽油の改質装置。 - 前記蒸発器に供給される灯油または軽油の一部を分岐して水素ガス供給装置に供給する手段と、
前記分岐して供給された灯油又は軽油を、水素を含むガスに改質する水素ガス供給装置と、
該水素ガス供給装置からのガスと灯油又は軽油の気化ガスとを混合する手段と、
この混合ガスを脱硫する脱硫器と、を備え、
脱硫器で脱硫された灯油又は軽油の気化ガスが前記排熱回収ボイラからの水蒸気と混合されて前記原料ガス加熱器に導入される、請求項5に記載の灯油又は軽油の改質装置。
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