JP4132551B2 - 木質成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は軽量な木質成形体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、木粉等の木質材料と熱可塑性樹脂チップとの混合物をホットプレスして木質成形体を得ることが提案されている。このような木質成形体は建築板や家具素材として有用である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記木質成形体では熱可塑性樹脂チップを使用するために、木質材料と均一に混合しにくゝ、また混合した後に分離し易く、更に熱可塑性樹脂チップは木質材料間に充填されにくいので均一な物性の木質成形体が得られにくゝ、また強度的物性を維持するためには密度を高くする操作をとらざるをえず、合板、OBSと言った熱硬化性樹脂を用いた強度特性に優れた既存構造材に変わるような軽量木質成形体が得られにくいと云う問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、幅1〜5mm、長さ5〜15mm、厚み0.5〜2mmの木片Wと綿塊状熱可塑性樹脂(1) とを混合した原料混合物を加熱成形した木質成形体の製造方法を提供するものである。
本発明の木質成形体を製造するには、例えば下記の2つの方法がある。1つ目は、幅1〜5mm、長さ5〜15mm、厚み0.5〜2mmの木片Wと綿塊状熱可塑性樹脂(1) とを含有する原料混合物を型板上に散布してマットMをフォーミングし、該マットMを該綿塊状熱可塑性樹脂(1) の軟化点以上の温度で加熱プレスして成形し、得られた成形マットを冷間ロールプレスに通して冷却するかまたは冷間プレスによって冷却する木質成形体の製造方法、そして2つ目は、幅1〜5mm、長さ5〜15mm、厚み0.5〜2mmの木片Wと綿塊状熱可塑性樹脂(1)とを含有する原料混合物を型板上に散布してマットMをフォーミングし、該マットMを圧締した状態で該綿塊状熱可塑性樹脂(1) の軟化点以上の温度に加熱して成形し、その後成形マットを圧締状態のままで冷却し、冷却した後圧締状態を解除する木質成形体の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明を以下に詳細に説明する。
〔木質材料〕
本発明において使用される木質材料としては、木片がある。該木片Wは、例えば木造建築物を構築あるいは解体する場合に発生する端切れや廃材等から得られるものであってもよい。特に、幅1〜5mm、長さ5〜15mm、厚み0.5〜2mmの木片が使用される。
また、木片に水分があると加熱の際木片から水蒸気が発生し、木片と熱可塑性樹脂との間に水蒸気膜を作ってしまい、木片と熱可塑性樹脂との密着がうまくいかないため、通常木片化した後にドライヤーにて木片の含水率は5%未満に乾燥される。
【0006】
〔綿塊状熱可塑性樹脂〕
本発明において使用される綿塊状熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレンターポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリアミド、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂の綿塊状のものである。
このような綿塊状の熱可塑性樹脂は、例えば上記熱可塑性樹脂の繊維を紡糸したり、編織したり、あるいは該繊維を使用して不織布としたり、また上記繊維の不織布や編織物等のスクラップを解繊して再生繊維としたりする際に発生する塊状の繊維屑である。このような繊維屑は例えば繊維を取扱う作業場から除塵機によって捕集されたり、フェルト製造の際に梳毛機によって除去されたり、溶融紡糸の際に夾雑物として除去される。
【0007】
更に本発明では上記繊維屑以外、熱可塑性樹脂特に熱可塑性樹脂のスクラップを溶融してノズルから噴出させる溶融紡糸あるいは熱可塑性樹脂製品粉砕物をリファイナーで磨砕することによって得られる熱可塑性微細繊維をそのまゝあるいは絡合機等で絡合させて綿塊を製造してもよい。
上記綿塊は2種類以上の繊維が混合したものであってもよいし、また熱可塑性樹脂を溶融紡糸する場合には2種類以上の熱可塑性樹脂を混合溶融してもよい。
【0008】
熱可塑性樹脂を本発明のように綿塊状にして木片Wのバインダーとして使用すれば、2種類以上混合したものも使用出来るから選別の手間も省くことが出来る。
また本発明の木質成形体の廃品は切削、粉砕、あるいは解繊して木片Wとし、再び木質成形体の原料や木質セメント板の原料としてリサイクルが出来る。
このような木質成形体のリサイクルにおいては熱等の劣化要因は及ぼされず、リサイクル性は非常に高いものであり、間接的には熱可塑性樹脂のリサイクル性が大巾に向上する。
しかもこのような木質成形体は建築板、家具素材、コンクリート型枠等に大量使用されるからリサイクル熱可塑性樹脂も大量に消費出来る。
【0009】
〔第三成分〕
上記木片Wと、綿塊状熱可塑性樹脂以外に、本発明の木質成形体には例えば、撥水剤、防水剤、老化防止剤、着色材等が添加されてもよいし、特に2種類以上の熱可塑性樹脂を混合して溶融紡糸する場合には相溶化剤を添加してもよい。
【0010】
〔木質成形体の製造〕
本発明の木質成形体を製造するには、まず木片Wと綿塊状熱可塑性樹脂(1) とを強制攪拌型ミキサー等で混合する。混合比は通常木片W:綿塊状熱可塑性樹脂(1) の重量比率で30:70〜90:10程度になるようにする。
上記混合過程において綿塊状の熱可塑性樹脂(1) は塊の外周の微細繊維同士がお互いに絡みつきながら固まってフロック状になり、このフロックとフロックともお互いに絡みつきながらその中に木片Wがささったような状態で絡みつくので、混合物は分離しにくい。また原料混合物中の木片Wのすべてにフロックとなって絡みつくので均一に混合出来る。
【0011】
板状の成形物を製造するには、強制攪拌型ミキサー等で混合された原料混合物をコンベア上に散布し、レイカーと呼ばれる串状ロールで厚みをある程度均一に揃え、更にスプレッタロールと呼ばれる引っ掻きロールにてある程度均一にマット状となった原料混合物を掻きほぐして再度粉砕して型板上や熱間ロールコンベアにつながる圧延ロールコンベア上に掻き飛ばして散布し、マットをフォーミングする。
このフォーマー(レイカー、スプレッタロール)を通して一度マット状にすることで混合物の比重むらをなくすことが出来る。
【0012】
もしこの際、木片の含水率が高いと水分がバインダーとしての効果を果たすので、例えば微粉化された熱可塑性樹脂を使用しても木片に均一に付着するため、掻き飛ばす時に木片と熱可塑性樹脂とが分離しにくいが、本発明のように後から熱プレスをかける場合には、加熱時に木片から発生する水蒸気発生の問題があるので木片の含水率は低くする必要があり、熱可塑性樹脂が粉体やチップ状だと混合物の木片と熱可塑性樹脂とがバインダーである水分がないために分離して掻き飛ばされ、マット化しても熱可塑性樹脂が均一に行き渡ったマットとはならず成形後の強度発現が望めない。
したがって、熱可塑性樹脂は綿塊状である必要があり、木片と絡まり合うので、木片と熱可塑性樹脂とが分離して掻き飛ばされることはない。
そして、その後該マットを圧締装置、熱プレス装置、熱間ロールプレス等により熱圧成形し、その後得られたマットを冷却する。
【0013】
上記型板上にマットMをフォーミングする場合には、該マットMをプレス装置によって熱圧成形し、得られた成形マットを冷間ロールプレスを通して冷却してもよいが、該型板の多数個をロールコンベア上に並べて移動させつゝ逐次該型板上に原料混合物を散布してマットMをフォーミングして行けば生産性が良くなる。この場合には型板上にフォーミングされたマットはふかふかの状態であるからマット崩れを防ぐためと、熱成形時に熱をマットに伝え易くするために熱圧成形前にロールプレスで若干厚みを圧縮しておくことが望ましい。
上記型板上にマットMをフォーミングし圧締装置によって熱圧成形する方法にあっては、冷却は圧締状態のまゝで行うことが望ましく、またマットMと型板(2)とからなるユニットを多段に積重ねて圧締装置によって圧締すれば生産性が良くなる。この場合には通常台車上にユニットを多段に積重ねて圧締し、台車ごと加熱室に搬入する方法をとれば生産性は更に向上する。
【0014】
マットMを型板上にフォーミングする場合には型板面に凹凸柄を付しておき、また成形マットを冷間ロールプレスによって冷却する場合には該冷間ロールプレスの後段において、該成形マットの一側または両側に表面に凹凸柄を付したエンボスロールを配置しておけば、一方の面または両方の面に凹凸柄を有する板状木質成形体を得ることが出来る。
【0015】
更に型板面を弧状または波状の弯曲面にしたり、熱間ロールを三対以上弧状または波状に配置し、その中に成形マットを通せば弧状または波状に弯曲した板状木質成形体を得ることが出来る。
【0016】
更にマットは二層、三層等多層構造にしてもよい。三層の場合には表裏層に微細木質材料(例えば木片と木粉との混合物)を使用し、芯層に粗木質材料(例えば木片)を使用すると、表面が緻密構造を有し平滑で、芯層が粗構造を有しクッション性があり軽量な板状木質成形体を得ることが出来る。
【0017】
板状以外の木質成形体を得るには、内面が所望形状の型面である箱型に上記混合物を充填し、その上から所望形状の型面を有する上型を押圧して加熱成形するのが一般的である。
いづれの成形方法においても加熱は電熱加熱、高周波加熱、電磁波加熱、蒸気加熱等が適用される。
【0018】
上記綿塊は内部に多量の空気を含み、熱圧成形によっても綿塊中の空気は大部分排除されることなく留まっており、該綿塊が溶融した場合に多数の空隙が成形物内に形成され、軽量な成形物が得られる。
【0019】
〔参考例1〕
繊維紡糸時に発生した繊維屑の塊のポリプロピレン綿塊を使用する。該綿塊(1) は図1に示すように単繊維Tの集合体である。
上記綿塊(1) 50重量%と木片W(幅1〜5mm、長さ5〜15mm、厚み0.5〜2mm)50重量%とをアイリッヒミキサーで2分間回転攪拌して混合物Aを調製した。混合物は図2のようなフロックF状態となった。
【0020】
この混合物Aを図3のようなフォーマー(12)により、レイカー(12A) で厚みを揃えながらスプレッタロール(12B) にて再度混合物Aを掻き飛ばして、該混合物Aを図4のようなロールコンベア上を移動する型板(2) 上にマットMをフォーミングし、図5に示す上下一対のロールプレス(13,14) の前端圧縮ロールプレス(13A,14A) 間に供給し、該圧縮ロールプレス(13A,14A) で厚み方向に圧縮して整形した後、上下一対の加熱室(15)内の熱風または熱媒によって加熱されている熱間ロールプレス(13B,14B) 間で180〜220℃に加熱プレスして成形し(プレス圧60 kgf/cm2 )、図6に示すように成形マットM’をウォータージャケット(155) 等により冷却されている該ロールプレス(13,14) の後端冷間ロールプレス(13C,14C) で整形しつゝ(プレス圧5 kgf/cm2 )冷却し、板状試料1を製造した。
【0021】
該マットMにあっては図7に示すように木片Wと綿塊(1) とは均一に混合され、該綿塊(1) は木片Wに絡まりながら木片W間に充填されている。
そして上記熱間ロールプレス(13B,14B) によって成形された成形マットM’においては、図8に示すように綿塊(1')によって木片Wの周りがシールされ、そして木片W相互が結着され、綿塊に含まれる空気によって木片W間には空隙Sが形成されているので軽量である。
【0022】
〔参考例2〕
ポリプロピレンシート廃品を加熱溶融し、小口径のノズルを有する回転紡糸機によって綿塊(1) とした。該綿塊(1) 50重量%、木片W(実施例1と同じ)25重量%、木粉(目開き1mm以下) 25重量%の混合物Bを参考例1と同様に調製し、該混合物Bを使用して参考例1と同様にマットMをフォーミングし、熱圧し、冷却し板状試料2を製造した。
【0023】
〔参考例3〕
ポリエチレンシート廃品をシュレッダーにかけてリボン状に細分し、更にシングルディスクリファイナーで磨砕して綿塊状にした。
該綿塊(1) 50重量%、木片W25重量%、木粉(目開き1mm以下)25重量%の混合物Cを参考例1と同様に調製し、参考例1と同様のフォーマーにより、混合物Cを図9に示す上下一対のロールプレス(13,14) の前端圧縮ロールプレス(13A,14A)
のコンベア上に直接供給し、該圧縮ロールプレス(13A,14A)
で厚み方向に圧縮して整形した後、上下一対の加熱室(15)内の熱風または熱媒によって加熱されている熱間ロールプレス(13B,14B) 間で120〜170℃に加熱プレスして成形し(プレス圧60 kgf/cm2 )、図10に示すように成形マットM’をウォータージャケット(155) 等により冷却されている該ロールプレス(13,14) の後端冷間ロールプレス(13C,14C)
で整形しつゝ(プレス圧5 kgf/cm2 )冷却し、その後上下一対のエンボスロール(16A,16B) で該成形マットM’の上下面をエンボスしてから搬送コンベア(18)に移し、カッター(17)で所定寸法にカットして板状試料3を製造した。
【0024】
〔実施例1〕
参考例1の混合物Aを型板(2) 上に散布してマットMをフォーミングし、型板(2) とマットMとからなるユニットを図11に示すようにスペーサー(3) (厚み12.1mm設定) を介して多段(10段〜15段)に積み上げ、所定段数積載した後圧締装置(4) 内に搬入し、圧締装置(4) の下基盤(5) と上基盤(6) との間に積み上げたユニットを圧締し、図12に示すように該上基盤(6) の固定腕(7) を該下基盤(5) の固定フランジ(8) にクランプ杆(9) によってクランプする。この場合の圧締圧は60 kgf/cm2 とする。
上記圧締装置(4) によって圧締された多段マットは台車(10)上に載置され、台車(10)ごと加熱室に導入して180〜250℃で約60〜90分加熱する。
加熱後加熱室から台車(10)ごと取出され、圧締状態のまゝ2〜3時間室温に放置し、板温を100℃程度まで冷却し、冷却後圧締を解除して成形マットM’を取出し、板状試料4を製造した。
【0025】
〔実施例2〕
参考例1の混合物Aを型板(2) 上に散布してマットMをフォーミングし、マットM上部に更に型板(2) を載せ、型板(2) とマットMとからなるユニットをスペーサー(3) (厚み12.1mm設定) を介して多段に積み上げ、図13に示すように加熱プレス装置(20)に挿入し、温度180〜250℃、圧力60 kgf/cm2 で加熱しながらプレスした。その後解圧し、成形された成形マットM’を上下の型板(2) ごと図14に示すような冷間プレス(21)に挿入し、5 kgf/cm2 にて整形しながら冷却し、板状試料5を製造した。
【0026】
〔参考例4〕
フェルト生産工程で梳毛機によって分離されたポリエステル綿塊(1) を使用して下記の組成の混合物D、Eを調製した。
表裏層用混合物D
綿塊 50重量%
木片(参考例1) 25重量%
木粉(参考例2) 25重量%
芯層用混合物E
綿塊 30重量%
木片 70重量%
ロールコンベア上を移動する型板上に2ヘッドのフォーマーを用いて上記混合物Dを散布し、その上に上記混合物Eを散布し、更にその上に上記混合物Dを散布して三層構造のマットMをフォーミングした。
上記三層構造のマットMを参考例1と同様に温度260〜300℃で熱圧し、冷却して三層構造の板状試料6を製造した。
【0027】
〔参考例5〕
参考例1の綿塊(1) を使用して下記の組成の混合物F、Gを調製した。
表裏層用混合物F
綿塊 30重量%
木片(参考例1) 70重量%
芯層用混合物G
綿塊 70重量%
木片(参考例1) 30重量%
参考例4と同様のフォーマーで型板上に上記混合物Fを散布し、その上に上記混合物Gを散布し、更にその上に上記混合物Fを散布して三層構造のマットMをフォーミングした。
上記三層構造のマットMを参考例1と同様に熱圧し、冷却して三層構造の板状試料7を製造した。
【0028】
〔参考例6〕
参考例1の綿塊(1) 70重量%、木片(参考例1)30重量%を混合して混合物Hを調製した。
参考例4と同様のフォーマーで木粉(参考例2)を型板上に散布し,その上に上記混合物Hを散布し、更にその上に木粉を散布して三層構造のマットMをフォーミングした。
上記三層構造のマットMを参考例1と同様に熱圧し、冷却して三層構造の板状試料8を製造した。
【0029】
〔参考例7〕
参考例1の綿塊(1) 30重量%、木片(参考例1)70重量%を混合して混合物Iを調製した。
参考例4と同様のフォーマーで上記綿塊(1) を型板上に散布し、その上に上記混合物Iを散布し、更にその上に木粉を散布して三層構造のマットMをフォーミングした。
上記三層構造のマットMを参考例1と同様に熱圧し、冷却して三層構造の板状試料9を製造した。
【0030】
上記板状試料1〜9について物性を測定し、従来のOSBおよび合板と比較した結果を表1に示す。
【表1】
【0031】
表1に示されるように実施例1〜2、参考例1〜7の板状試料1〜9はOSBや合板と同等の強度、撓み、比重を有するが釘保持力においてはOSBや合板より優れ、更にOSBと比較すると吸水性が格段に小さくしたがって吸水による厚み膨潤率も小さい。
【0032】
そして木片のような大形な木質材料を使用した試料1、試料4、試料5は所々に空隙が形成され軽量になり、木片に微細木質材料である木粉を混合した試料2、試料3、試料6では木片間の空隙が木粉によって充填されるので、強度や釘保持力が向上が向上する。
また三層構造にすることによって(試料6、試料7)、木質材料リッチ層で軽量性を改良し、熱可塑性樹脂リッチ層で釘保持力や吸水性を改良することが出来る。
【0033】
更に表裏層を木質材料のみで構成することによって(試料8)、壁板や床板とする場合表面に接着剤で壁化粧シートや床材を貼着する場合に接着性が合板なみに改良され、また表裏層を熱可塑性樹脂のみで構成することによって(試料9)、吸水性が改良される。
【0034】
〔参考例8〕
参考例1のマットMを図15に示すような波形弯曲面を有する型板(2A,2B) 間で加熱プレスしかつ型板(2A,2B)
に突設されているトムソン(22A,22B) でカットすると、図16に示すような波形板状木質成形材料M’が得られる。
【0035】
〔参考例9〕
参考例1における成形マットM’を図17に示すように複数対の曲線状に配置される冷間ロール(23A,24A,23B,24B,23C,24C,23D,24D,23E,24E,23F,24F) に通し、カッター(25)で所定寸法に切削すると、図18に示すような弯曲板状木質成形体M’が得られる。
【0036】
【発明の効果】
本発明では木片の結着剤として木片と絡合し易い綿塊状の熱可塑性樹脂を用いるので、木片と該熱可塑性樹脂綿塊とを分離することなく均一に混合、フォーミングすることが出来る。
また該綿塊が木片と絡合し溶融して結着する結果、高強度な成形体が得られる。
そして綿塊は内部に多量の空気を含み熱圧整形によっても綿塊中の空気は大部分排除されることなく留まっており、該綿塊が溶融した場合に多数の空隙が成形物内に形成される結果、非常に軽量な成形体が得られる。
本発明の木質成形体は壁板、床板、野地板、椅子座板、椅子背板、テーブル板等の建築板や家具素材、あるいは自動車ドアトリム、トノボード等の内装材に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱可塑性樹脂綿塊の説明図
【図2】ミキシング後の混合物の状態説明図
【図3】フォーマーの説明図
【図4】マットフォーミング状態説明図
【図5】型板と熱間ロールと冷間ロールを使用する木質成形体製造工程説明図
【図6】冷間ロールによる冷却工程説明図
【図7】加熱前のマット構造説明図
【図8】加熱後の成形マット構造説明図
【図9】熱間ロールと冷間ロールを使用する木質成形体製造工程説明図
【図10】冷間ロールによる冷却工程説明図
【図11】圧締前の説明正面図
【図12】圧締状態の説明側面図
【図13】加熱プレス装置説明図
【図14】冷間プレス装置説明図
【図15】波形板状木質成形体のプレス状態説明図
【図16】波形板状木質成形体の斜視図
【図17】弯曲板状木質成形体のプレス状態説明図
【図18】弯曲板状木質成形体の斜視図
【符号の説明】
1 熱可塑性樹脂綿塊
W 木片(木質材料)
M マット
2 型板
4 圧締装置
13A,14A 圧縮ロールプレス
13B,14B 熱間ロールプレス
13C,14C 冷間ロールプレス
Claims (5)
- 幅1〜5mm、長さ5〜15mm、厚み0.5〜2mmの木片と綿塊状熱可塑性樹脂とを含有する原料混合物を型板上に散布してマットをフォーミングし、該マットを該綿塊状熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度で加熱プレスして成形し、得られた成形マットを冷間ロールプレスに通して冷却するかまたは冷間プレスによって冷却することを特徴とする木質成形体の製造方法。
- 該マットと型板とからなるユニットは多段に積重ねられている請求項1に記載の木質成形体の製造方法。
- 幅1〜5mm、長さ5〜15mm、厚み0.5〜2mmの木片と綿塊状熱可塑性樹脂とを含有する原料混合物を型板上に散布してマットをフォーミングし、該マットを圧締した状態で該綿塊状熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱して成形し、その後成形マットを圧締状態のままで冷却し、冷却した後圧締状態を解除することを特徴とする木質成形体の製造方法。
- 該マットと型板とからなるユニットは多段に積重ねて圧締される請求項3に記載の木質成形体の製造方法。
- 該綿塊状熱可塑性樹脂は熱可塑性樹脂廃材から製造される請求項1〜4のいずれかに記載の木質成形体の製造方法。
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