JP4131801B2 - 燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば固体高分子膜型燃料電池は、固体高分子電解質膜を燃料極と酸素極とで両側から挟み込んで形成されたセルに対し、複数のセルを積層して構成されたスタック(以下において燃料電池と呼ぶ)を備えており、燃料極に燃料として水素が供給され、酸素極に酸化剤として空気が供給されて、燃料極で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過して酸素極まで移動して、酸素極で酸素と電気化学反応を起こして発電するようになっている。
【0003】
このような固体高分子膜型燃料電池等の燃料電池において、従来、例えば特開平6−223850号公報に開示された燃料電池の保護装置のように、燃料電池の酸素極側の排出系に水素センサを備え、この水素センサによって、燃料極側の水素が固体高分子電解質膜を通じて酸素極側に漏洩したことを検知したときは、燃料の供給を遮断する保護装置が知られている。
また、水素センサとしては、例えば白金等の触媒からなるガス検出素子と温度補償素子とを一対備え、水素が白金等の触媒に接触した際の燃焼により発生する熱によってガス検出素子が相対的に高温の状態になったときに、例えば雰囲気温度下等の相対的に低温の状態の温度補償素子との間に生じる電気抵抗の差異に応じて、水素ガスの濃度を検出するガス接触燃焼式の水素センサが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したようなガス接触燃焼式の水素センサにおいては、例えば触媒のシリコン被毒や硫黄被毒、水分の吸着等により感度低下等の劣化が生じる場合がある。
この場合、例えば燃料電池システムの異常等によって排出系に含まれる水素ガス量が増大しても、劣化した水素センサではこの増大を検知できない虞があり、燃料電池の作動時における適宜のタイミングで水素センサの劣化状態を検知することが望まれる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、燃料電池の作動時において水素センサの劣化状態を容易に検知することが可能な燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法は、反応ガスとして、水素を燃料極へ供給し、酸素を酸素極へ供給し、電気化学反応によって発電する燃料電池(例えば、実施の形態での燃料電池10)を備える燃料電池システムに具備される水素センサ(例えば、実施の形態での第1の水素センサ15a、第2の水素センサ15b)の劣化検知方法であって、前記水素センサから出力される検出値と、少なくとも前記燃料極または前記酸素極の一方の作動圧力に基づく前記燃料電池の作動状態に応じて設定した所定の判定閾値とを比較し、この比較結果に応じて前記水素センサが劣化しているか否かを判定する判定ステップ(例えば、実施の形態でのステップS04)を含むことを特徴としている。
【0006】
上記の燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法によれば、例えば燃料電池の所定作動状態に対して予め設定された判定閾値や、例えば燃料電池の作動状態に応じて予め設定された判定閾値のマップ等が適宜の記憶手段に記憶されている。判定ステップでは、燃料電池の作動状態に応じて設定された判定閾値を記憶手段から取得し、水素センサから出力される検出値と判定閾値とを比較し、この比較結果に応じて水素センサが劣化しているか否かを判定し、例えば劣化していると判定した場合には、報知手段によって水素センサの交換を促す警報等を出力する。
【0007】
さらに、請求項2に記載の本発明の燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法では、前記燃料電池システムは前記燃料電池の酸素極から排出されるオフガスを流通させるカソードオフガス流通管(例えば、実施の形態での酸素極側の出口側配管14)を備え、前記水素センサは前記カソードオフガス流通管に設けられ、前記オフガス中の水素を検出するものであり、前記判定ステップは、前記判定閾値を、前記燃料極と前記酸素極との前記反応ガスの圧力差に応じて設定することを特徴としている。
【0008】
上記の燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法によれば、判定ステップでは、燃料電池の酸素極から排出されるオフガス中の水素を検知する水素センサに対しては、燃料電池の作動状態として、特に、燃料極と酸素極との反応ガスの圧力差とされる極間差圧に応じて設定された判定閾値に基づいて水素センサが劣化しているか否かを判定する。これにより、例えばオフガス中に含まれる水素量が極間差圧に応じて変化する場合であっても、水素センサの劣化状態を適切に判定することができる。
【0009】
さらに、請求項3に記載の本発明の燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法では、前記燃料電池システムは前記燃料電池を内部に収容する筐体(例えば、実施の形態での筐体10a)を備え、前記水素センサは前記筐体に設けられ、前記筐体内の水素を検出するものであり、前記判定ステップは、前記判定閾値を、前記燃料電池の作動時における前記反応ガスの供給圧力に応じて設定することを特徴としている。
【0010】
上記の燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法によれば、判定ステップは、燃料電池を収容する筐体内の水素を検知する水素センサに対しては、燃料電池の作動状態として、特に、燃料極に供給される水素の圧力、あるいは、酸素極に供給される酸素を含むガスの圧力等の作動圧力に応じて設定された判定閾値に基づいて水素センサが劣化しているか否かを判定する。これにより、例えば筐体内に含まれる水素量が作動圧力に応じて変化する場合であっても、水素センサの劣化状態を適切に判定することができる。
【0011】
さらに、請求項4に記載の本発明の燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法では、前記判定ステップは、前記燃料電池の所定安定作動時において、前記水素センサから出力される検出値と、前記燃料電池の前記所定安定作動時に対して設定した前記判定閾値とを比較し、この比較結果に応じて前記水素センサが劣化しているか否かを判定することを特徴としている。
【0012】
上記の燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法によれば、判定ステップは、例えば燃料電池システムが燃料電池車両等の車両に電源として搭載されている場合には、車両のアイドル運転時や燃料電池の発電電流が所定の安定状態である場合等の所定安定作動時に劣化判定を行う。これにより、水素センサの劣化状態を精度良く判定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法について添付図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知装置(以下、単に、劣化検知装置と呼ぶ)1は、例えば、制御装置2と、記憶装置3と、警報装置4と、燃料電池10と、燃料電池10に接続された各配管11,…,14のうち、酸素極側の出口側配管14に設けられた第1の水素センサ15aと、燃料電池10を内部に収容する筐体10aに設けられた第2の水素センサ15bとを備えて構成されている。
【0014】
燃料電池10は、例えば電気自動車等の動力源として車両に搭載されており、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜を燃料極と酸素極で挟持した電解質電極構造体を、更に一対のセパレータで挟持してなる燃料電池セル(図示略)を多数組積層して構成されている。
燃料極に入口側配管11から供給された水素などの燃料ガスは、触媒電極上で水素がイオン化され、適度に加湿された固体高分子電解質膜を介して酸素極へと移動する、その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。酸素極には、例えば、酸素などの酸化剤ガスあるいは空気が入口側配管12を介して供給されているために、この酸素極において、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。そして、燃料極側、酸素極側共に出口側配管13、14から反応済みのいわゆるオフガスが系外に排出される。
【0015】
ここで、燃料電池10の燃料極側の入口側配管11には、燃料極側に供給される燃料ガスの圧力を検出する圧力検出器11aが備えられ、燃料電池10の酸素極側の入口側配管12には、酸素極側に供給される酸素などの酸化剤ガスあるいは空気の圧力を検出する圧力検出器12aが備えられ、各圧力検出器11a,12aから出力される検出信号は制御装置2に入力されている。
また、燃料電池10から取り出される発電電流は、例えばDC−DCチョッパ等を備えて構成される電流制御器5に入力されており、この電流制御器5には、例えば電気二重層コンデンサや電解コンデンサ等からなる蓄電装置6が接続されている。
電流制御器5は、制御装置2から出力される電流指令値、つまり燃料電池10に対する発電指令に基づいて、燃料電池10から取り出される発電電流の電流値を制御すると共に、実際に燃料電池10から取り出される発電電流を検出し、この検出値を制御装置2へと入力している。
【0016】
ここで、酸素極側の出口側配管14には、その鉛直方向上側にガス接触燃焼式の第1の水素センサ15aが取り付けられ、この第1の水素センサ15aにより酸素極側の出口側配管14内の水素ガスを検知できるようになっている。
また、燃料電池10を内部に収容する筐体10aには、その鉛直方向上側にガス接触燃焼式の第2の水素センサ15bが取り付けられ、この第2の水素センサ15bにより筐体10a内の水素ガスを検知できるようになっている。
【0017】
例えば図2に示すように、各水素センサ15a,15bは出口側配管14の長手方向等に沿って長い直方形状のケース19を備えている。ケース19は、例えばポリフェニレンサルファイド製であって、長手方向両端部にフランジ部20を備えている。フランジ部20にはカラー17を取り付けてあり、例えば図3に示すように、このカラー17内にボルト21を挿入して、前記出口側配管14および筐体10aの各取付座16に締め付け固定されるようになっている。
【0018】
例えば図3に示すように、ケース19の下面には、出口側配管14および筐体10aの各貫通孔に外側から挿通される筒状部22が形成されている。ケース19内には図示しない回路基板が設けられ、この回路基板に後述する検出素子29と温度補償素子30が接続されている。筒状部22の内部はガス検出室24として形成され、筒状部22の端部がガス導入部25として開口形成されている。
【0019】
また、筒状部22の外周面にはシール材26が取り付けられ、出口側配管14および筐体10aの各貫通孔の内周壁に密接して気密性を確保している。そして、この筒状部22の内部に検出素子29と温度補償素子30とが装着されている。
検出素子29と温度補償素子30は回路基板に接続されガス検出室24内で同一高さで所定間隔を隔てて一対設けられたものである。
検出素子29は周知の素子であって、例えば図4に示すように、電気抵抗に対する温度係数が高い白金等を含む金属線のコイル29aの表面を、被検出ガスとされる水素に対して活性な貴金属等からなる触媒29bを坦持するアルミナ等の坦体で被覆されて形成されている。
温度補償素子30は、被検出ガスに対して不活性とされ、例えば検出素子29と同等のコイル30aを備えて構成されている。
そして、被検出ガスである水素が検出素子29の触媒29bに接触した際に生じる燃焼反応の発熱により高温となった検出素子29と、被検出ガスによる燃焼反応が発生せず雰囲気温度下の温度補償素子30との間に電気抵抗値の差が生ずることを利用し、雰囲気温度による電気抵抗値の変化分を相殺して水素濃度を検出することができるようになっている。
【0020】
例えば図4に示すように、検出素子29(抵抗値R4)及び温度補償素子30(抵抗値R3)が直列接続されてなる枝辺と、固定抵抗41(抵抗値R1)及び固定抵抗42(抵抗値R2)が直列接続されてなる枝辺とが、電源43に対して並列に接続されてなるブリッジ回路において、検出素子29と温度補償素子30同志の接続点PSと、固定抵抗41,42同志の接続点PRとの間に電圧計44が接続されている。
ここで、被検出ガスである水素が存在しないときにはブリッジ回路はバランスしてR1×R4=R2×R3の状態にあり、電圧計44の出力がゼロとなる。一方、水素が存在すると、検出素子29の触媒29bにおいて水素が燃焼し、コイル29aの温度が上昇し、抵抗値R4が増大する。これに対して温度補償素子30においては水素は燃焼せず、抵抗値R3は変化しない。これにより、ブリッジ回路の平衡が破れて電圧計44に、水素濃度の増大変化に応じて増大傾向に変化する適宜の電圧が印加される。この電圧計44から出力される電圧の検出値は、例えば後述する制御装置2へ入力され、この電圧の検出値の変化に応じて予め設定された水素濃度のマップ等に基づいて、水素濃度が算出される。
【0021】
また、例えば図2に示すように、上記ガス検出室24内には検出素子29と温度補償素子30との間に、両者を遮るようにして被検出ガスの流入方向に沿って立てられた状態で四角形で板状のヒータ27が配置されている。このヒータ27はガス検出室24内を加熱するもので、放熱面27Cを検出素子29と温度補償素子30とに指向した状態で配置されている。つまりヒータ27は各面が放熱面27Cとして構成されている。このヒータ27により流入する被検出ガスが検出素子29と温度補償素子30とに振り分けられるようにして均等に分配される。また、ガス検出室24にはガス検出室24内の温度を検出する温度センサ28が取り付けられている。
【0022】
制御装置2は、酸素極側の出口側配管14に取り付けられた第1の水素センサ15aと、筐体10aに取り付けられた第2の水素センサ15bとに接続され、後述するように、各センサ15a,15b毎に出力される検出値と、記憶装置3に格納されている判定閾値との比較結果に応じて、各センサ15a,15bが劣化しているか否かを判定し、劣化していると判定した際には、警報装置4によって各センサ15a,15bの交換を促す警報等を出力する。
ここで、記憶装置3は、燃料電池10の作動状態、例えば極間差圧や作動圧力や発電電流等に応じた、各センサ15a,15bの検出値に対する所定の判定閾値のマップ等を記憶しており、制御装置2は、各圧力検出器11a,12aから入力される検出信号に基づいて算出した極間差圧や作動圧力、電流制御器5から入力される発電電流の検出信号に応じて、記憶装置3に格納されている判定閾値を検索する。
【0023】
本実施の形態による劣化検知装置1は上記構成を備えており、次に、この劣化検知装置1の動作について添付図面を参照しながら説明する。
先ず、図5に示すステップS01においては、燃料電池10の作動時において、燃料電池10の作動状態として、各圧力検出器11a,12aから入力される検出信号を取得し、例えば極間差圧や作動圧力等を算出したり、電流制御器5から入力される発電電流の検出信号を取得する。
そして、ステップS02においては、第1および第2の水素センサ15a,15b毎に出力される電圧の検出値を取得する。
そして、ステップS03においては、燃料電池10の作動状態に応じた各判定閾値を記憶装置3から取得する。
【0024】
そして、ステップS04においては、各水素センサ15a,15b毎に出力される電圧の検出値が、燃料電池10の作動状態に応じて記憶装置3から取得した各判定閾値未満であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS05に進み、警報装置4によって各センサ15a,15bの交換を促す警報等を出力し、一連の処理を終了する。
【0025】
上述したように、本実施の形態による劣化検知方法によれば、各センサ15a,15bの検出値が燃料電池10の作動状態に応じて設定された各判定閾値未満である場合に、各センサ15a,15bが劣化していると判定することにより、燃料電池10の作動時であっても各センサ15a,15bに発生する感度低下等を確実に検知することができる。
特に、酸素極側の出口側配管14に設けられた第1の水素センサ15aに対しては、極間差圧に応じた判定閾値を設定し、筐体10aに設けられた第2の水素センサ15bに対しては、作動圧力に応じた判定閾値を設定し、各センサ15a,15bの配置位置に応じた適切な作動状態量に基づいて劣化判定を行うことにより、判定精度を向上させることができる。
【0026】
なお、上述した本実施の形態において、制御装置2は、燃料電池10の作動状態に対する検出値に応じて記憶装置3の判定閾値をマップ検索することにより、燃料電池10の作動時における適宜のタイミングで劣化判定の処理を行うとしたが、これに限定されず、例えば上述した燃料電池システムが燃料電池車両等の車両に電源として搭載されている場合には、車両始動時のアイドル運転時等の所定安定作動時に劣化判定を行うように設定し、記憶装置3には、この所定安定作動状態に対する所定の判定閾値のみを記憶してもよい。なお、この場合には、例えば電流制御器5から制御装置2へ入力される発電電流の検出信号に基づいて燃料電池10が所定安定作動状態か否かを判定することができる。
また、上述した本実施の形態において、ステップS04の判定処理では、記憶装置3から取得した判定閾値に対して、例えば各センサ15a,15bの検出誤差や判定閾値に対する許容範囲等からなる補正値を適宜に設定可能とし、この補正値によって補正して得た判定閾値と、各センサ15a,15bの検出値とを比較してもよい。
【0027】
なお、上述した本実施の形態において、燃料電池10の作動状態として、極間差圧や作動圧力の検出値を取得するとしたが、これに限定されず、他の作動状態量、例えば燃料電池10の燃料極や酸素極に供給される反応ガスの流量や、固体高分子電解質膜の温度等の検出値を取得し、これらの検出値に応じた判定閾値を記憶装置3から取得するように設定してもよい。
また、上述した本実施の形態においては、各水素センサ15a,15bから出力される電圧の検出値を所定の判定閾値と比較するとしたが、これに限定されず、各水素センサ15a,15bから出力される電圧の検出値に基づいて算出した水素濃度値と所定の判定閾値とを比較し、算出された水素濃度値が判定閾値未満の時に、各水素センサ15a,15bが劣化していると判定してもよい。この場合には、記憶装置3に燃料電池10の作動状態、例えば極間差圧や作動圧力等に応じた水素濃度値を所定の判定閾値として記憶していればよい。
【0028】
また、上述した本実施の形態において、各水素センサ15a,15bは、各素子29,30及び固定抵抗41,42からなるブリッジ回路における所定接点間の電圧の検出値を出力するとしたが、これに限定されず、少なくとも検出素子29を備えるその他の回路にて検出した電圧や電流の検出値を出力してもよい。要するに、検出素子29の抵抗値R4に関連した状態量を検出し、出力することにより、例えば検出素子29の表面に水分が付着する等によって、例えば触媒29bを坦持する坦体の損傷や破損等が生じ、水素濃度の増大に応じた抵抗値R4の増大が生じなくなったり、例えば感度低下等の劣化により水素濃度の増大に応じた抵抗値R4の増大量が低減することを検出できるものであればよい。
例えば、検出素子29と、水素濃度の増大に応じて抵抗値が増大する適宜の素子とを具備する直列回路に所定電圧を印加した状態で、検出素子29の端子間電圧を検出する場合には、検出素子29が劣化すると、この直列回路において検出素子29での電圧降下が相対的に低下するため、この端子間電圧の検出値が所定の判定閾値未満の時に、各水素センサ15a,15bが劣化していると判定することができる。
また、例えば、検出素子29と、水素濃度の増大に応じて抵抗値が増大する適宜の素子とが並列に接続されてなる並列回路に定電流バイアス回路等によって所定の電流を供給する状態で、検出素子29に通電される電流を検出する場合には、検出素子29が劣化すると、この並列回路において検出素子29に通電される電流が相対的に増大するため、この電流の検出値が所定の判定閾値よりも大きい時に、各水素センサ15a,15bが劣化していると判定することができる。
【0029】
また、上述した本実施の形態において、各センサ15a,15bは、ガス接触燃焼式のガスセンサをなすとしたが、これに限定されず、その他のセンサ、例えば被検出ガスの熱伝導率の差異を利用して水素ガスを検知する気体熱伝導式水素センサや、例えば超音波式ガスセンサ等であってもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明の燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法によれば、少なくとも燃料極または酸素極の一方の作動圧力に基づく燃料電池の作動状態に応じて設定された判定閾値により、燃料電池の作動時の適宜のタイミングで、水素センサの劣化状態を容易に検知することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明の燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法によれば、オフガス中に含まれる水素量が極間差圧に応じて変化する場合であっても、水素センサの劣化状態を適切に判定することができる。
【0031】
さらに、請求項3に記載の本発明の燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法によれば、筐体内に含まれる水素量が作動圧力に応じて変化する場合であっても、水素センサの劣化状態を適切に判定することができる。
さらに、請求項4に記載の本発明の燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法によれば、水素センサの劣化状態の判定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知装置の構成図である。
【図2】 図1に示す水素センサの平面図である。
【図3】 図2に示すA−A線に沿う概略断面図である。
【図4】 検出素子および温度補償素子が接続されてなるブリッジ回路を示す図である。
【図5】 図1に示す燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知装置
10 燃料電池
10a 筐体
14 酸素極側の出口側配管(カソードオフガス流通管)
15a 第1の水素センサ
15b 第2の水素センサ
Claims (4)
- 反応ガスとして、水素を燃料極へ供給し、酸素を酸素極へ供給し、電気化学反応によって発電する燃料電池を備える燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法であって、
前記水素センサから出力される検出値と、少なくとも前記燃料極または前記酸素極の一方の作動圧力に基づく前記燃料電池の作動状態に応じて設定した所定の判定閾値とを比較し、この比較結果に応じて前記水素センサが劣化しているか否かを判定する判定ステップを含むことを特徴とする燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法。 - 前記燃料電池システムは前記燃料電池の酸素極から排出されるオフガスを流通させるカソードオフガス流通管を備え、前記水素センサは前記カソードオフガス流通管に設けられ、前記オフガス中の水素を検出するものであり、
前記判定ステップは、前記判定閾値を、前記燃料極と前記酸素極との前記反応ガスの圧力差に応じて設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法。 - 前記燃料電池システムは前記燃料電池を内部に収容する筐体を備え、前記水素センサは前記筐体に設けられ、前記筐体内の水素を検出するものであり、
前記判定ステップは、前記判定閾値を、前記燃料電池の作動時における前記反応ガスの供給圧力に応じて設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法。 - 前記判定ステップは、前記燃料電池の所定安定作動時において、前記水素センサから出力される検出値と、前記燃料電池の前記所定安定作動時に対して設定した前記判定閾値とを比較し、この比較結果に応じて前記水素センサが劣化しているか否かを判定することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の燃料電池システムに具備される水素センサの劣化検知方法。
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