JP4130064B2 - 連続加熱式煮沸装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、豆腐や油揚げを製造する際にゴ液を連続的に蒸煮・熟成等するために煮沸する連続加熱式煮沸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、豆腐や油揚げを製造するには、水に浸漬した大豆を加水しながら粉砕し、粉砕により生じる豆乳とオカラとが混合されたゴ液(大豆をすり潰して水を加えたもので、加熱前のものを生ゴ(生伍)と言い、加熱後のものを煮伍というが、いずれもゴ液(伍液)と言われる)を蒸煮し、その後オカラを分離した豆乳に凝固剤を添加して凝固させることにより行われている。このゴ液を蒸煮するには、従来、蒸気噴出管を有する槽(「釜」又は「ケーシング」)を使用する方法もあるが(いわゆるバッチ式)、高温度にでき温度コントロールに優れ、占有面積の点でも有利な加熱部を太い径の管本体とし、これに連結管でゴ液を導入すると共に蒸気を供給する連続加熱式装置が多く採用される傾向にある。この連続加熱式装置では、蒸気により連続的に加圧して行ったり、連続加熱後に蒸煮したゴ液を熟成する方法が採られている。なお、ゴ液の代わりに生伍を絞って得られる豆乳である生豆乳(煮沸不十分の豆乳)が使用される場合がある。
【0003】
この連続加熱式装置としては、特開平2−227039号公報、特開平2−227040号公報や実公平6−4709号公報に開示されるように、連結管により連結される加熱槽と口径の大きい熟成槽とを複数配設したものや、実公平6−91866号公報に開示されるように、連結管の口径よりも大きい直径の複数のホールドタンクを設置したものがある。上記例は、加熱槽、熟成槽やホールドタンク(以下、これらを「管本体」と言う)を垂直に配設したもので垂直型(或いは縦型)と呼ばれるが、水平型(或いは横型)と呼ばれるものもある。例えば、特開平10−28544号公報と特開平4−370073号公報には、ゴ液を蒸気により連続的に加熱する加熱工程と連続加熱後に蒸煮したゴ液を熟成する熟成工程において、これらの工程の加熱装置や熱交換器を水平方向に配置した例が開示されている。
【0004】
これらの連続加熱装置は、加熱・熟成に合わせた配管経路(管本体と連結管により構成される)が連続的に配設され、その連続構成は、所望する豆腐や油揚げの製造目的に応じた蒸煮液を得るために適宜設計される。加熱・熟成が終了した場合は、所定個所の排出バルブを介して管本体や連結管内の残留液を抜き出し、配管経路を循環式に構成して水道水や洗浄液を供給して洗浄している。ゴ液に蒸気を混合する蒸気供給手段としては、実公平7−50948号公報に開示されるように、管本体の底部に蒸気供給手段としての配管が設けられたり、又、管本体の内部に配置させているものが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の垂直型の装置では、管本体の径が太いので、いわゆる先入れによる先出しが行われない問題を有していた。すなわち、管本体は、密閉式であるが、その口径が太いと(いわばバッチ式の釜を縦長にしたような径の太い構成である)、加熱されたゴ液が管本体内で後戻りしたり(管本体内でゴ液が滞留したり)、逆に加熱されていない生煮えのゴ液が蒸煮液排出口の方向に先に送られる問題が生じる。また、口径が太いと、洗浄時に大量の洗浄液を流さないと洗浄できない。また、上記従来の垂直型の装置では、密閉式の管本体の上方に、泡(気泡)が先に浮かぶように運ばれ、その結果、十分な熟成時間が得られず生煮えの煮沸になる問題を有していた。泡が発生する理由としては、水に浸漬した大豆を加水しながら粉砕する粉砕機から送られるゴ液には粉砕による泡が多量に含まれていること、ボイラーから送られてくる蒸気にエアーが含まれていること、連続的にする連結管で垂直落下させること等の様々な理由があるが、最大の発生要因は、粉砕機の粉砕による。この泡が密閉式の管本体に混入した場合、泡が先んじて蒸煮液排出口に運ばれるとともに、泡を噛み込んだままの煮沸になる。このため、実開昭62−13505号公報、同62−13506号公報や特開2000−125797号公報に開示されるように、管本体に熱伝導性の良い充填物(例えば、セラミックス、ステンレス等)を充填するものがあるが、しかし、管本体が大きくなること、ゴ液の流れが充填物で妨げられること、循環洗浄する場合、内部の洗浄が困難になる等の問題を有する。なお、垂直型の利点としては、残留液の排出が容易であることが挙げられるが、洗浄のときは、上方から洗浄液を入れて排出させると内壁を十分に洗浄しないまま通過する問題もある。
【0006】
他方、上記従来の水平型の装置では、いわゆる先入先き出しが保障され、泡の上昇も抑制される利点を有するが、加熱終了後(蒸煮液製造後)にゴ液(残留液)を抜こうとする場合、自重では抜けないことから、ポンプを使用して抜き出そうとするが、水平箇所に残り完全に抜くことは容易ではなく、水で押し出す以外に内部のゴ液を取り出す方法はなかった。しかし、水で押し出す方法は、境界部でかなり水が混ざりゴ液を有効に回収することはできない問題を有していた。
【0007】
また、何れの方式でも、口径の太い管本体に連結パイプを接続する方式であるために、その構造が複雑で製造コストが高価になる問題も有していた。さらに、管本体内に蒸気供給手段が配されるタイプでは、管本体内のゴ液の流れが阻害され均一な加熱が行われない他、蒸気供給手段を内蔵させるためにコストが高価になること、径が太くなること等様々な問題を有していた。
【0008】
そこで、この発明の第1の目的は、ゴ液のいわゆる先入れ先き出しが保障される煮沸が行え、泡の上昇も抑制されるとともに、残留液の排出にも洗浄にもその利便性を発揮し、しかも設置スペースを有効に活用することが可能な連続加熱式煮沸装置を提供することにある。また、この発明の第2の目的は、管本体の径が太くならず、管本体内のゴ液の流れが阻害されず均一な加熱が行われる蒸気供給手段を有する連続加熱式煮沸装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の連続加熱式煮沸装置は、下方側から導入される生豆乳やゴ液に蒸気を供給する蒸気供給手段と、生豆乳やゴ液を蒸気により煮沸して連続的に送る煮沸用配管とを備え、煮沸用配管は、スパイラル状の斜め上方に傾斜する配管経路とされるとともに、この配管経路に排出バルブが設けられていることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、下方側から導入される生豆乳やゴ液に蒸気を混合してスパイラル状の斜め上方に傾斜する配管経路とされている煮沸用配管の上方に向けて送り込む。上方では、次の工程に連続する連結管を設けても、蒸煮液の排出口を設けても良い。このように、スパイラル状の配管経路により、生豆乳やゴ液と蒸気の混合した蒸煮液は徐々に斜め上方に時間をかけて送られ、管内の空気を押し出しながら移送されるとともに、従来の垂直型のように、泡が蒸煮液の排出口に先に送られる事態も抑制されることとなる。一方、煮沸が終了して煮沸用配管内の残留液を排出する場合は、煮沸用配管が傾斜して配設されるために、煮沸用配管内の残留液を容易に排出される(抜き出される)こととなる。
【0011】
本発明の請求項2記載の連続加熱式煮沸装置は、下方側から導入される生豆乳やゴ液に蒸気を供給する蒸気供給手段と、生豆乳やゴ液を蒸気により煮沸して連続的に送る煮沸用配管とを備え、煮沸用配管は、踊り場を有する多重の階段状の斜め上方に傾斜する部分と踊り場に相当する水平部分とを有する配管経路とされるとともに、この配管経路に排出バルブが設けられていることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、請求項1記載の発明と同じように、下方側から導入される生豆乳やゴ液に蒸気を混合して階段状の斜め上方に傾斜する配管経路とされている煮沸用配管の上方に向けて送り込むことにより、連続的にゴ液を煮沸する。また、請求項1記載の発明と同じように、管内の空気を押し出しながら移送されるとともに、泡が先に蒸煮液の排出口に送られる事態も抑制されるが、踊り場を有する多重の階段状の踊り場に相当する水平部でも、従来の水平型の装置と同じように、泡は押し出されるようになり、泡が上昇することがなくなる。一方、煮沸が終了して煮沸用配管内の残留液を排出する場合も、請求項1記載の発明と同じように、煮沸用配管内の残留液を容易に排出されることができる。
【0013】
本発明の請求項3記載の連続加熱式煮沸装置は、一つの加熱工程を構成する所定枠内に、前記スパイラル状又は踊り場を有する多重の階段状の配管経路が複数配設され、この複数の各々の配管経路の下方に排出バルブが設けられていることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、一つの加熱工程ブロックに前記スパイラル状又は踊り場を有する多重の階段状の配管経路が複数配設されることにより、省スペースでの配管経路を採ることができる。一方、煮沸が終了して煮沸用配管内の残留液を排出する場合や洗浄する場合は、各々の配管経路の下方に排出バルブが設けられているために、煮沸用配管内の残留液や洗浄液を容易に排出される(抜き出される)こととなる。
【0015】
本発明の請求項4記載の連続加熱式煮沸装置は、前記煮沸用配管を取り付ける枠状フレームを備え、この枠状フレームに係止穴が複数形成され、前記煮沸用配管の外周を保持する係止具を上記係止穴に着脱自在に係止させて所定の高さ位置に取り付けられることを特徴とする。
【0016】
この請求項4記載の発明によれば、上記複数の係止穴に対する係止具の係止により、前記スパイラル状又は踊り場を有する多重の階段状の配管経路の配管勾配(傾斜)に合わせての取り付けや、配管勾配を変更する場合も、その変更取り付が容易に行われることとなる
【0017】
本発明の請求項5記載の連続加熱式煮沸装置は、前記蒸気供給手段は、煮沸用配管の外周に配置され、煮沸用配管の外周に沿うように設けられる供給穴から煮沸用配管に蒸気を送ることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、煮沸用配管の外周に配置され、煮沸用配管の外周の供給穴から煮沸用配管内に蒸気が供給されるので、生豆乳やゴ液の流れが阻害されることがなく、外周側からゴ液全体に蒸気が行き渡り良好な加熱が行われる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
本実施の形態の連続加熱式煮沸装置1は、図1に示すように、ゴ液を煮沸する加熱工程Rと、ゴ液を製造するゴ液製造工程Sと、残留液の回収のときに使用する回収工程Tから構成されている。これらの工程R,S,Tの装置や機器は、縦フレームと横フレームからなる枠状フレームFに取り付けられている。
【0021】
加熱工程Rは、ゴ液製造工程Sで製造されたゴ液に蒸気を混合して加熱(煮沸)するもので、一つの加熱工程を構成する加熱工程ブロック(第1のブロックR1)のみから構成されるものでも良いが、本実施の形態の加熱工程Rは、第1のブロックR1と第2のブロックR2と第3のブロックR3から構成されている。なお、ゴ液の代わりに生伍を絞って得られる豆乳である生豆乳(煮沸不十分の豆乳)を使用しても良く、以下、この生豆乳を含めゴ液として説明する。
【0022】
各ブロックR1,R2,R3は、例えば、第1を煮沸する加熱工程(煮沸工程)、第2と第3を熟成する熟成工程としたり、又、第1と第2を煮沸する加熱工程、第3を熟成する加熱工程としたりして、所望する豆腐や油揚げの製造目的に応じた蒸煮液(煮伍)を得るために設計配置される。すなわち、図7に示すように、本実施の形態の連続加熱式煮沸装置は、蒸気により連続的に加熱(煮沸)した後に蒸煮したゴ液を熟成する方法が採られ、各ブロックR1,R2,R3に配設される蒸気供給手段G1,G2,G3の蒸気吹き込み圧力に差を設けたり、各ブロックの煮沸用配管1,2,3の傾斜角度や長さに差を設けたりして、これに対応して温度差を設けたり、保持時間の差を設け、微妙な温度コントロールによる品質の高い蒸煮液を製造する。
【0023】
煮沸用配管1,2,3は、図2乃至図4に示すように、一つの加熱工程を構成する所定枠内に、その枠を形作る枠状フレームFの縦フレームに取り付けられている。煮沸用配管1,2,3は、枠状フレームFに踊り場を有する多重の階段状の配管経路として配置されている。すなわち、階段状の斜め上方に傾斜する部分1aと踊り場に相当する水平部分1bとを有する配管経路とされ、ビル等の階段の踊り場に相当する個所と、最下層部分と最上層部分は水平部分1bが形成されている。これらの部分以外は、斜め上方に傾斜する部分1aとして形成されている。そして、本実施の形態の配管経路は、占有面積の有効活用の観点から、その外周経路は、平面から見るとほぼ四角形状となるように構成されている(図4)。本実施の形態の配管経路は、このような踊り場を有する多重の階段状であるが、円形状の徐々に上方に傾斜するスパイラル形状(螺旋状)を呈していても良く、又、平面で見ると四角形以外の多角形状を呈し、多角形の各辺が上方に傾斜する形状としても良い。なお、踊り場に相当する水平部分1bは、ほぼL字状の一方の煮沸用配管(エルボ)1と他方の煮沸用配管1(エルボ)とを中央で連結させているが、その連結角度によって傾斜角度が適度に調整されている。
【0024】
煮沸用配管1,2,3の下方側には、蒸気供給手段G1,G2,G3と排出バルブB1,B2,B3が配設されている。蒸気供給手段G1,G2,G3は、煮沸用配管1,2,3のゴ液を煮沸する蒸気を供給するもので、下方側の水平部分1bに連結されている。なお、蒸気供給手段G1,G2,G3は、階段状の傾斜部分1aに装着させても良く、その装着位置は特に限定されない。
【0025】
一つの蒸気供給手段G1(G2,G3も同じ)は、図6(a)(b)に示すように、煮沸用配管1(煮沸用配管2,3も同じ)の外周に配され、煮沸用配管1の外周に設けられる供給穴6から蒸気を供給する。また、蒸気供給手段G1が外周に配される個所の煮沸用配管1は、その蒸気供給手段G1が配される個所からゴ液の送り方向に向かってその径が徐々に大きく形成されている。したがって、煮沸用配管1,2,3の流れ方向に沿ってゴ液に蒸気が十分に混合すると共に、この位置で蒸気が加えられ流量が多くなることにも対応している。
【0026】
排出バルブB1,B2,B3は、煮沸用配管1,2,3内の残留液を排出する(抜き出す)ためのもので、配管経路の下方側の水平部分1bに設けられている。なお、図1に示すように、排出バルブB1,B2の近傍には、鎖線で示す補助バルブB1aとB2aが設けられ、連結管U1,U2の下方には、補助バルブB1bとB2bが設けられている。これらの補助バルブB1a、B1b、B2a、B2bは、加熱工程Rの流れを所定方向に制御するために設けられている(図8参照)。
【0027】
煮沸用配管1,2,3は、枠状フレームFの縦フレームに取り付けられている。すなわち、図5(A)に示すように、煮沸用配管1(煮沸用配管2,3も同じ)の外周に取り付けられる係止具8を枠状フレームFに複数形成される係止穴9に対して係止させている。複数の任意の位置の係止穴9に着脱自在に装着させて煮沸用配管1の高さ位置を調整している。このような係止具8は、いわゆるパイプハンガーと呼ばれるようなリング状のものでも(図5(A))、J字状或いはL字状のものでも(図5(B))、U字状のものでも(図5(C))良い。また、図5(C)に示すように、枠状フレームFに2系統の段違いの係止穴9を形成して(図5(C)の(c)参照)、上記種々の係止具8を介して取り付けても良い。
【0028】
上記第1ブロックR1の下方側には、ゴ液導入口5が設けられている(図1、図12)。ゴ液導入口5は、ゴ液製造工程Sで得られたゴ液を供給ポンプPを介して第1のブロックR1の配管経路にゴ液が供給される入り口である。ゴ液導入口5とゴ液の製造工程Sとの間には、供給ポンプPが配されている。本実施の形態の供給ポンプPは、後述する煮沸液の回収工程Tにおける煮沸液の回収の観点から逆方向にも流すことが可能な正逆回転が可能なものが使用されている。
【0029】
このような構成の各々ブロックR1,R2,R3は、垂直状態の連結管U1、U2を介して連結される。すなわち、連結管U1は、第1のブロックR1の上方の水平部分1bから第2のブロックR2の下方の水平部分1bに連続する配管であり、連結管U2は、同じように第2のブロックR2の上方から第3のブロックR3の下方に連続する配管である。これら連結管U1,U2は、煮沸用配管1,2,3よりもやや小さな径の配管として、エアーを排出させ易い構成になっている。具体的には、煮沸用配管1,2,3の内径は、59.5mmであり、連結管U1,U2の内径は、35.7mmであり、煮沸用配管1,2,3の傾斜する部分1aの傾斜角度は、約10度である。なお、煮沸用配管1,2,3と連結管U1,U2は、同じ大きさの径として、第1のブロックR1から第3のブロックR3まで一連に連続するような連続した配管とすることは実施に応じて任意である。
【0030】
ゴ液製造工程Sは、豆腐や油揚げの原料である大豆が漬大豆ホッパーS1から粉砕機SGに一定量ずつ送り込まれて、粉砕機SGにより摺り潰されゴ液となる。符号S2は、大豆計量機である。粉砕機SGでは、水SWが加えられると共に消泡剤等も加えられる。ここで、一般的に泡が噛んだ状態になり泡が発生するが、本実施の形態は、この泡の上昇が抑制される構成になっている。ゴ液は種箱S4に送り込まれ、その上方に配される撹拌機S3により撹拌され、供給ポンプPにより加熱工程Rに送り込まれる。
【0031】
次に、本実施の形態の連続加熱式煮沸装置を使用してゴ液を加熱する工程について説明する。図1に示すように、ゴ液製造工程Sで製造されたゴ液(生伍)が供給ポンプPにより加熱工程Rに送り込まれ、まず、第1のブロックR1の配管経路の下方の蒸気供給手段G1により供給される蒸気と混合されて踊り場を有する多重の階段状の煮沸用配管1の上方に向かって行く(図3)。このとき、階段状の踊り場に相当する個所(水平部分)1bでは、従来の水平型の装置と同じように発生した泡が蒸煮液に押し出されるようになる。傾斜した部分1aは、その傾斜角度が緩やかであるために、時間をかけて加熱されて行くが、泡が先走ることはなくなる。第1のブロックR1の上方にも、水平部分1bが設けられているが、この部分でも管内の空気は押し出されることになり、泡の上昇や発生が抑制される。このため、この上方の水平部1bに排出バルブB1を配して、泡の少ない蒸煮液(煮伍)をそのまま次の工程に送ることも可能であるが、本実施の形態では、上方に送られた蒸煮液は、連結管U1を介して第2ブロックR2の下方側の煮沸用配管2に送られる。そして、下方の蒸気供給手段G2により供給される蒸気と混合されて踊り場を有する多重の階段状の煮沸用配管2の上方に向かって時間をかけて加熱されて行く。第2のブロックR2の上方に送られた蒸煮液は、連結管U2を介して第3ブロックR3の下方側の煮沸用配管3に送られ、熟成工程の温度設定により熟成される(図7)。その後は、次の工程に送られ、絞り機に送られ、豆乳とオカラに分離される(図1)。
【0032】
本実施の形態によれば、煮沸用配管1,2,3を適当な径の連続なものとでき(内径が59.5mm)、しかも内部に充填物を詰める必要がないので、配管抵抗も少なくすることができ、圧送能力の高い装置や供給ポンプが多数必要になることもなく、煮沸用配管内を連続して流れるゴ液に対して均一な加熱のかかり方をすることとなる。また、従来のような充填物を詰める構成は採用しておらず、口径も連続的に同じ径であるから、連続的に所定の流れを維持し、流れが阻害されることもない。そして、いわゆる先入れ先き出しが可能になるとともに、泡の上昇や発生も抑制される等種々の利点を有する。
【0033】
本実施の形態の他の使用例としては、図8に示すように、第2のブロックR2を使用せずに、第1の加熱工程R1から直接に第3の熟成工程R3へ移行させることも可能である。すなわち、第2のブロックの補助バルブB2a,B2bとを閉じるとともに(実線で示す)、排出バルブ2Bを開放すると(鎖線で示す)、第2のブロックR2を使用せずに、第1のブロックR1の加熱工程から直接に第3の熟成工程へ移行させることができる。
【0034】
(煮沸液の回収に使用される装置構成)
煮沸液の回収に使用される装置の構成としては、上記構成の他に、供給ポンプPと連続される回収用配管T1が各ブロックRの上方に配管されている(図1)。すなわち、踊り場を有する多重の階段状又はスパイラル状の配管経路の下方に排出バルブB1,B2,B3が設けられているが、更に、各ブロックR1,R2,R3の上方には、各々吸気バルブT2が取り付けられている。また、次工程に続く箇所にもバルブB4が配されているとともに、戻し水を供給する配管も設けられている。
【0035】
(残留液の回収工程T)
まず、各ブロックR1,R2,R3をその単位で残留液を回収する場合は、各ブロックR1,R2,R3の上方の吸気バルブT2,T2,T2を開けてから、各配管経路の下方に設けられる排出バルブB1,B2,B3を各々開くと、煮沸用配管1は斜めに傾斜した構成とされているために、残留液はその自重により徐々に下方に押し流されるので、従来の水平型のように、水平箇所に残るような事態は生じなくなっている。
【0036】
次に、上記全ブロックR1,R2,R3の残留液を循環式にスムーズに回収する場合を説明する。前提として、煮沸の終了に近くになると(種箱S4にはゴ液が残っている)、蒸煮液は次工程の絞り工程には送らずに、次工程に続く箇所のバルブを閉めて、加熱の終了したゴ液(残留液)を加熱の終了したゴ液(蒸煮液)を回収用配管T1を経由して供給ポンプPの入り口側に戻して、この戻りのゴ液(残留液)の先頭が第1のブロックR1の蒸気供給手段G1に到達すると蒸気供給手段G1による蒸気の供給を停止させる。同じように、第2と第3のブロックR2,R3の蒸気供給手段G2,G3に到達すると蒸気供給手段G2,G3による蒸気の供給を停止させる。このように残留液が一周した段階で、未加熱のゴ液はなくなり煮沸は終了する。
【0037】
次に、ゴ液(残留液)の回収工程Tに入るが、まず、第3のブロックR3の吸気バルブT2を開けるとともに第1と第2のブロックR1,R2の排出バルブB1,B2も開け、供給ポンプPを逆回転させて回収用配管T1を経由して、第3のブロックR3へ向けてゴ液を送る。このとき、排出バルブB1,B2は開いているので、供給ポンプPの吸引作用により第1と第2のブロックR1,R2の配管抵抗(吸い込み損失)はかからない。また、第3のブロックR3の配管経路は傾斜しているので、供給ポンプPの吸引作用のみならず蒸煮液が自重で供給ポンプP側に流れ込んでくる。このように第3のブロックR3の残留液の回収が終了したら、排出バルブB2を閉じると、第2のブロックR2の残留液の回収が始まる。このとき、既に第3のブロックR3の配管経路内は空になっているので、配管抵抗(吸い込み損失)はかからない。同じようにして、第2のブロックR2の蒸煮液の回収が終了したら、排出バルブB1を閉じると、第1のブロックR1の残留液の回収が始まる。
【0038】
この点、従来の水平型の場合は、供給ポンプPを逆回転させて蒸煮液を回収しようとしても、配管抵抗(吸い込み損失)が大きく、しかも、沸点に近い温度の残留液を回収しようとするために、内部で沸騰して蒸煮液は容易に回収することができない。このため、通常は水で押し出すことで回収している。しかし、後半は水と混ざり合い蒸煮液を有効に回収することはできない。これに対し、本実施の形態は、煮沸用配管1,2,3と連結管U1,U2の配管経路のみで構成された連続加熱式煮沸装置でありながら、残留液の回収がスムーズに行うことができる。
【0039】
(第2の実施の形態)
本実施の形態の連続加熱式煮沸装置は、図9乃至図12に示すように、一つの加熱工程(例えば第1のブロックR1)に、踊り場を有する多重の階段状又はスパイラル状の煮沸用配管1,1が2経路配設されている(第2と第3のブロックR1,R2も同じ)。すなわち、ゴ液導入口の位置と蒸気供給手段G1,G1を第1のブロックR1の対称位置に設けるとともに(図12)、2つの煮沸用配管1Aと煮沸用配管1Bの水平部分1bを前後に交互となるようにして二重構成の配管経路として設けられている(図10、図11)。この2つの煮沸用配管1Aと煮沸用配管1Bの斜め上方に傾斜する部分1aの傾斜角度は約5度である。そして、煮沸用配管1Aと煮沸用配管1Bの配管経路の下方に、蒸気供給手段G1,G1と排出バルブB1、B1が各々設けられている。本実施の形態は、第1の実施の形態の煮沸用配管1,2,3が各々二重構成で配設されるものであるが(1A,1B,2A,2B,3A,3B)、図13(d)(e)に示すように、三重の煮沸用配管1A,1B,1Cとしたり、四重の煮沸用配管1A,1B,1C,1Dを一つの加熱工程ブロック(例えば第1のブロック)に配設することも可能である。なお、図13(a)(b)は、一重の場合、同(c)は二重の場合を模式的に示す。このように本実施の形態では、二つの煮沸用配管1Aと煮沸用配管1Bが一つの加熱ブロックを構成する所定枠内に交互に踊り場を有する多重の階段状に配設されているために、第1の実施の形態の場合よりも配管経路のピッチ(間隔)が狭くなっている(図10)。三重、四重とする場合は、このピッチ間隔を考慮して枠状フレームFの係止穴9に煮沸用配管1A,1B,2A,2B,3A,3Bの外周を保持する係止具8を係止させることとなる。
【0040】
本実施の形態によれば、第1の加熱工程ブロックR1の踊り場を有する多重の階段状又はスパイラル状の煮沸用配管1Aを経由して煮沸用配管1Bに移り、次の第2と第3のブロックR2,R3でも、同じように、一方の煮沸用配管2A,3Aを経由して煮沸用配管2B,3Bに移るが、各2経路配設されることにより、配管勾配を確保しながら省スペースでの配管経路を採ることができる。例えば、加熱(煮沸)温度や配管経路の傾斜角度や煮沸用配管1A,1Bの径(或いは長さ)の異なる煮沸(加熱)工程や熟成工程等の複数の工程を設ける場合でも、別の枠状フレームに設けるような必要がなく、一つの枠状フレームFに複数の配管経路を設けることができ、省スペースで設置することができる。また、第1の実施の形態で説明した第1と第2のブロックR1,R2の煮沸用配管1,2を一つの加熱工程ブロック(第1のブロックR1)の所定枠内に配設することも可能である。なお、第2の実施の形態の連結用配管U1,U2は、同じブロックに煮沸を繰り返すために使用されるものと、次の第2、第3のブロックR2,R3に連続させるものが使用され、第3のブロックR3では、このブロックで煮沸(熟成)を繰り返すために使用される連結用配管U3が設けられている。
【0041】
一方、煮沸が終了して煮沸用配管1,2,3内の残留液を排出する場合は、各々の配管経路の下方に排出バルブB1が設けられているために、第1の実施の形態の場合と同じようにして、煮沸用配管1,2,3内の残留液が容易に排出される(抜き出される)こととなる。その他の構成は、第1の実施の形態の場合と同じであるので、説明を省略する。
【0042】
以上、上記各実施の形態によれば、3つのブロックR1,R2,R3の場合で説明したが、本発明は、それ以下でのブロック数としても良く、それ以上のブロック数としても良く、ブロック数の数は問われない。また、配管経路の煮沸用配管1,2,3と連結管U1,U2とは、径の大きさの異なるもので説明したが、すべて一連の同じ径の配管経路とすることも可能である。さらに、上記各本実施の形態としては、図14に示すように、上記蒸気供給手段1,2,3の代わりとなる熱源Hを煮沸用配管1,2,3の外周長手方向に配したいわゆる間接加熱構造の配管経路とする構成にすることも可能であり、この例も本発明の技術的範囲に含まれることとなる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の連続加熱式煮沸装置は、下方側から導入される生豆乳やゴ液に蒸気を混合してスパイラル状又は踊り場を有する多重の階段状の傾斜する配管経路とされているので、煮沸用配管を径の細い連続的なものとすることができ、(1)いわゆる先入れ先出しが保障され、(2)煮沸用配管内を連続して流れる生豆乳やゴ液のどの部分に対しても均一な加熱のかかり方をするために、温度コントロールが容易になるとともに、均一な蒸煮液が得られ、(3)圧送能力の高い装置や供給ポンプが多数必要になることもなくなり、設置スペースの有効活用も図られる。(4)また、蒸煮液が泡とともに上昇し、ポンプの供給速度より早く排出口に送られる事態も抑制されることから、ムラ煮えないならない。(5)また、煮沸が終了して煮沸用配管内の残留液を排出する場合は、煮沸用配管が斜めに傾斜して配設されるために、煮沸用配管内の残留液や洗浄液を容易に排出させることが可能になる。(6)さらに、蒸気供給手段が煮沸用配管の外周に配されるために、管本体の径が太くならず、管本体内の生豆乳やゴ液の流れが阻害されず均一な加熱が可能になる等種々の効果を有する。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の連続加熱式煮沸装置をその工程フローとともに示す図である。
【図2】上記第1の実施の形態の連続加熱式煮沸装置の正面図である。
【図3】上記第1の実施の形態の連続加熱式煮沸装置の第1のブロックの側面図である。
【図4】上記第1のブロックの平面図である。
【図5】上記一実施の形態の煮沸用配管の枠状フレームに対する取り付け状態を示す断面図である。
【図6】上記第1の実施の形態の蒸気供給手段の断面図である。
【図7】上記第1の実施の形態の連続加熱式煮沸装置を使用した加熱工程を示す図である。
【図8】上記第1の実施の形態の他の使用例を説明するフロー図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の連続加熱式煮沸装置をその工程フローとともに示す図である。
【図10】上記第2の実施の形態の第1のブロックとゴ液の製造工程を示す側面図である。
【図11】上記第2の実施の形態の正面図である。
【図12】上記第2の実施の形態の配管構成の下方側を部分的に示す平面図である。
【図13】上記第2の実施の形態の配管構成の例を説明する図である。
【図14】上記各実施の形態の他の例をフローとともに示す図である。
【符号の説明】
1,2,3 煮沸用配管、
1A,1B 複数の煮沸用配管(二重構造)、
1a 傾斜する部分、 1b 水平部分
5 ゴ液導入口、
6 蒸気の供給穴、
8 係止具、
9 係止穴、
B1,B2、B3 排出バルブ、
F 枠状フレーム、
G1,G2,G3 蒸気供給手段、
P 供給ポンプ、
R 加熱工程、
R1 第1のブロック(一つの加熱工程)、
R2 第2のブロック(一つの加熱工程)、
R3 第3のブロック(一つの加熱工程又は熟成工程)、
S ゴ液製造工程、
SG 破砕機、
T 回収工程、
T1 回収用配管、
T2 吸気バルブ、
U1,U2 連結管
Claims (5)
- 下方側から導入される生豆乳やゴ液に蒸気を供給する蒸気供給手段と、生豆乳やゴ液を蒸気により煮沸して連続的に送る煮沸用配管とを備え、煮沸用配管は、スパイラル状の斜め上方に傾斜する配管経路とされるとともに、この配管経路に排出バルブが設けられていることを特徴とする連続加熱式煮沸装置。
- 下方側から導入される生豆乳やゴ液に蒸気を供給する蒸気供給手段と、生豆乳やゴ液を蒸気により煮沸して連続的に送る煮沸用配管とを備え、煮沸用配管は、踊り場を有する多重の階段状の斜め上方に傾斜する部分と踊り場に相当する水平部分とを有する配管経路とされるとともに、この配管経路に排出バルブが設けられていることを特徴とする連続加熱式煮沸装置。
- 一つの加熱工程を構成する所定枠内に、前記スパイラル状又は階段状の配管経路が複数配設され、この複数の各々の配管経路の下方に排出バルブが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の連続加熱式煮沸装置。
- 前記煮沸用配管を取り付ける枠状フレームを備え、この枠状フレームに係止穴が複数形成され、前記煮沸用配管の外周を保持する係止具を上記係止穴に着脱自在に係止させていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の連続加熱式煮沸装置。
- 前記蒸気供給手段は、煮沸用配管の外周に配され、煮沸用配管の外周に設けられる供給穴から蒸気を供給することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の連続加熱式煮沸装置。
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