JP4112692B2 - グリース組成物及び転がり軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は各種産業機械や車両、電気機器等に組み込まれる転がり軸受等に封入されるグリース組成物に関し、特に高温での長寿命化を図ったグリース組成物に関する。また、本発明は前記グリース組成物を封入した転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種産業機械や車両、電気機器等に組み込まれる転がり軸受等には、潤滑性を付与するためにグリース組成物が封入される。使用されるグリース組成物は、供される軸受の種類によって異なり、例えば自動車のホイールハブ用軸受には、リチウム石鹸を増ちょう剤とし、鉱油を基油とするグリースが従来より用いられている。このグリースは、増ちょう剤及び基油ともに安価であり、汎用グリースとして広く使用されている。
一方、近年では、装置や機器の小型軽量化や高速化に伴いグリース組成物にも高温耐久性が要求されている。また、メンテナンスフリー化の要求が大きく、例えば大型長距離トラック等においては10年100万kmのメンテナンスフリーという厳しい要求も出てきている。更に、コストダウンの要求も多大である状況にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような各種の要求は今後も引き続き高まることが予想され、特にコストダウンと高温における長寿命化の要求は年々厳しくなっており、軸受メーカーにとっても最重要課題の一つとなっている。本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、特に安価でありながらも、高温での使用に際して適用箇所の潤滑寿命の長寿命化をもたらすグリース組成物、並びに前記グリース組成物を封入した転がり軸受を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意検討を行った結果、基油の一部に鉱油を使用することでコストダウンの要求に応えるとともに、高温での長寿命化に対してはグリースの基油を酸化劣化の少ないものとすると同時に、グリースの流動性を長期にわたり安定させることが重要であり、そのためには特定の動粘度を有する鉱油と合成炭化水素油とを組み合わせることで基油の蒸発量を抑え、かつ特定の増ちょう剤を使用することが有効であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記の目的は、本発明に係る、分子中に1個以上のヒドロキシル基を有する炭素数12〜24の脂肪酸と炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸のリチウム塩からなる増ちょう剤を、40℃における動粘度が300〜500mm2 /sの鉱油と、40℃における動粘度が20〜75mm2 /sの合成炭化水素油とを必須成分とし、かつその40℃における動粘度が60〜200mm2 /sである基油に配合し、かつ、テルルのジチオカルバミン酸塩とリン酸エステルとを組み合わせ合計でグリース全量の0.5〜10重量%、またはモリブデンのジチオカルバミン酸塩と亜鉛のジチオカルバミン酸塩とを組み合わせ合計でグリース全量の0.5〜10重量%添加したことを特徴とするグリース組成物、並びに前記グリース組成物を封入してなる転がり軸受により達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のグリース組成物に関して詳細に説明する。
本発明においては、基油として、安価な鉱油と、耐熱性能の上で有利な合成炭化水素油とを必須成分とする混合油を用いる。
鉱油は、40℃における動粘度が300〜500mm2 /s、好ましくは400〜450mm2 /sのものを使用する。この動粘度は、グリースに使用される一般的な鉱油の動粘度よりはかなり高く、これにより基油全体としての蒸発を抑える。従って、40℃における動粘度が300mm2 /s未満では、蒸発抑制効果が得られない。一方、40℃における動粘度が500mm2 /sを越える場合は、低温下での始動性が悪くなる。
また、鉱油は、上記の動粘度であれば、その種類は特に限定されるものではなく、グリースの基油として通常使用される鉱油を使用できる。中でも、減圧蒸留、溶剤脱歴、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精錬等により精製した鉱油が好ましい。
【0006】
一方、合成炭化水素油としては、40℃における動粘度が20〜75mm2 /sのものを使用する。40℃における動粘度が20mm2 /s未満では高温下での蒸発減量が多く、早期にグリースが固化してしまう。一方、40℃における動粘度が75mm2 /sを越える場合は、スラッジが発生したり、低温下での始動性が悪くなる。
また、合成炭化水素油は、上記の動粘度であれば、その種類は特に限定されるものではなく、グリースの基油として通常使用される合成炭化水素油を使用できる。好ましい合成炭化水素油としては、例えばノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンとのコオリゴマーなどのポリ−α−オレフィンまたはこれらの水素化物などを例示できる。
【0007】
本発明のグリース組成物においては、基油は上記鉱油と合成炭化水素油とを必須として含むが、更に基油としての40℃における動粘度が60〜200mm2 /s、好ましくは150〜200mm2 /sであることを特徴とする。40℃における動粘度が60mm2 /s未満では、高温下での蒸発減量が多く、早期にグリースが固化してしまう。一方、40℃における動粘度が300mm2 /sを越える場合は、低温下での始動が悪くなる。
従って、上記鉱油と合成炭化水素油との配合割合は、基油とした時に上記動粘度となるように適宜選択される。但し、コストの面では鉱油の割合を多くした方が有利であり、耐熱性の観点からは合成炭化水素油の割合を多くした方が有利である。
【0008】
また、基油には上記鉱油と合成炭化水素油の他にも、必要に応じて、グリースの基油として通常使用されるような潤滑油を配合することもできる。好ましくは、以下に例示するような芳香族系、エステル系またはエーテル系の合成潤滑油である。
前記芳香族系油としては、例えばモノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、ポリアルキルベンゼンなどのアルキルベンゼン、あるいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレンなどのアルキルナフタレンなどが挙げられる。
前記エステル系油としては、例えばジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルリシノレートなどのジエステル、あるいはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテートなどの芳香族エステル油、さらにはトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネートなどのポリオールエステル、さらにまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステルなどが挙げられる。
前記エーテル系油としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテルなどのポリグリコール、あるいはモノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテルなどのフェニルエーテルなどが挙げられる。
中でも、エステル系油、エーテル系油が好ましい。
その他にも、トリクレジルフォスフェート、シリコーン油、パーフルオロアルキルエーテル油などの合成潤滑油も使用することができる。
【0009】
本発明のグリース組成物における増ちょう剤は、分子中に1個以上のヒドロキシル基を有する炭素数12〜24の脂肪酸と炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸のリチウム塩からなる。
上記炭素数12〜24のヒドロキシ脂肪酸としては、最も好ましいものは12−ヒドロキシステアリン酸であるが、その他のものも全て使用し得る。その他の使用し得るものとしては、例えば12−ヒドロキシラウリン酸、16−ヒドロキシパルミチン酸などを挙げることができる。
また、上記炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸としては、アゼライン酸が最も好ましいが、その他のものも全て使用し得る。その他の使用し得るものとしては、例えばセバシン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸などを挙げることができる。
ここで、炭素数12〜24のヒドロキシ脂肪酸と炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸との比率は、炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸が20〜40重量%とすることが好ましい。この比率が20重量%未満または60重量%を越える場合には、熱的に安定な増ちょう剤が得られず、グリース組成物の高温での長寿命化を実現できない。
【0010】
そして、上記炭素数12〜24のヒドロキシ脂肪酸と炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸とを、例えば水酸化リチウムなどのリチウム化合物と反応させることにより本発明で使用する増ちょう剤が得られる。このような増ちょう剤は、一般的にはリチウムコンプレックスと呼ばれており、リチウム石鹸と比べて耐熱性に優れるという特徴を有する。
この増ちょう剤であるリチウムコンプレックスのグリース組成物中の配合量はグリース性状が得られる範囲であれば特に制限されるものではなく、通常5〜35重量%である。
【0011】
本発明のグリース組成物は上記の基油および増ちょう剤を必須成分とするが、供される軸受が円すいころ軸受等のように滑り部分がある場合には、テルルのジチオカルバミン酸塩とリン酸エステル、もしくはモリブデンのジチオカルバミン酸塩と亜鉛のジチオカルバミン酸塩とを組み合わせて添加することが好ましい。これらは極圧剤として知られている添加剤であるが、上記の基油および増ちょう剤との組み合わせにおいて特に高い効果を示す。
テルルのジチオカルバン酸塩としては、例えばジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジブチルジチオカルバミン酸テルル、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等を挙げることができる。
リン酸エステルは酸性リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性亜リン酸エステル等を含み、例えばジフェニルモノデシルフォスファイト、トリオクチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート等を挙げることができる。
モリブデンのジチオカルバミン酸塩としては、例えばジアルキルジチオカルバンミン酸モリブデン、ジアリールジチオカルバミン酸モリブデン等を挙げることができる。
亜鉛のジチオカルバミン酸塩としては、例えばジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛等のジアルキルカルバミン酸亜鉛等を挙げることができる。
【0012】
これらの添加剤の配合量は、グリース全量に対して0.5〜10重量%とする。配合量が0.5重量%未満では、その効果が得られない。一方、配合量が10重量%を越える場合には、増量に見合う効果の向上が得られず不経済であるとともに、基油や増ちょう剤の占める量が相対的に少なくなり、潤滑性能を低下させる。
ところで、極圧剤を添加すると、一般的には基油の蒸発量が多くなる傾向にあるが、本発明のグリース組成物は上述したように基油が蒸発し難く、極圧剤を添加しても蒸発量の増加を抑えることができる。従って、円すいころ軸受等のように滑り部分を有する軸受にも、従来よりも優れた高温耐久性を付与することができる。
【0013】
本発明のグリース組成物には、更に、従来よりグリース組成物に添加される下記添加剤等を配合することができる。
〔極圧剤〕
上記したテルルのジチオカルバミン酸塩とリン酸エステル、もしくはモリブデンのジチオカルバミン酸塩と亜鉛のジチオカルバミン酸塩との組み合わせの他に従来公知の極圧剤を併用することにより、耐荷重性や極圧性を更に向上させることができる。例えば以下の化合物を使用することができる。
有機金属系のものとしては、ジチオリン酸モリブデン等の有機モリブデン化合物、ジチオリン酸亜鉛、亜鉛フェネート等の有機亜鉛化合物、ジチオカルバミン酸アンチモン、ジチオリン酸アンチモン等の有機アンチモン化合物、ジチオカルバミン酸セレン等の有機セレン化合物、ナフテン酸ビスマス、ジチオカルバミン酸ビスマス等の有機ビスマス化合物、ジチオカルバミン酸鉄、オクチル酸鉄等の有機鉄化合物、ジチオカルバミン酸銅、ナフテン酸銅等の有機銅化合物、ナフテン酸鉛、ジチオカルバミン酸鉛等の有機鉛化合物、マレイン酸スズ、ジブチルスズスルファイド等の有機スズ化合物、あるいは、アルカリ金属、アルカリ土類金属の有機スルホネート、フェネート、ホスホネート、金、銀、チタン、カドミウム等の有機金属化合物も必要なら使用できる。硫黄系化合物としては、ジベンジルジスルフィド等のスルフィドあるいはポリスルフィド化合物、硫化油脂類、無灰系カルバミン酸化合物類、チオウレア系化合物、もしくはチオカーボネート類等を使用ことができる。
また、その他、塩素化パラフィン等のハロゲン系の極圧剤、あるいは、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、PTFE、硫化アンチモン、窒化硼素などの硼素化合物等の固体潤滑剤を使用することができる。
【0014】
〔防錆剤・金属不活性化剤〕
防錆剤として、例えば以下の化合物を使用することができる。
即ち、有機スルホン酸のアンモニウム塩、バリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム等アルカリ金属、アルカリ土類金属の有機スルホン酸塩、有機カルボン酸塩、フェネート、ホスホネート、アルキルもしくはアルケニルこはく酸エステル等のアルキル、アルケニルこはく酸誘導体、ソルビタンモノオレエート等の多価アルコールの部分エステル、オレオイルザルコシン等のヒドロキシ脂肪酸類、1−メルカプトステアリン酸等のメルカプト脂肪酸類あるいはその金属塩、ステアリン酸等の高級脂肪酸類、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプトチアジアゾール等のチアゾール類、2−(デシルジチオ)−ベンゾイミダゾール、ベンズイミダゾール等のイミダゾール系化合物、あるいは、2,5−ビス(ドデシルジチオ)ベンズイミダゾール等のジスルフィド系化合物、あるいは、トリスノニルフェニルフォスファイト等のリン酸エステル類、ジラウリルチオプロピオネート等のチオカルボン酸エステル系化合物等を使用することができる。
また、亜硝酸塩等も使用することができる。
金属不活性化剤として、例えばベンゾトリアゾールやトリルトリアゾール等のトリアゾール系化合物を使用することができる。
【0015】
〔油性剤〕
油性剤として、例えば以下の化合物を使用することができる。
即ち、オレイン酸やステアリン酸等の脂肪酸、オレイルアルコール等の脂肪酸アルコール、ポリオキシエチレンステアリン酸エステルやポリグリセリルオレイン酸エステル等の脂肪酸エステル、リン酸、トリクレジルホスフェート、ラウリル酸エステルまたはポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸等のリン酸エステル等を使用することができる。
【0016】
以下の実施例により、本発明のグリース組成物をより明確にすることができる。但し、本発明はこれら実施例により何ら制約されるものではない。
(実施例1〜2、比較例1〜6)
表1および表2に示す如く増ちょう剤、基油および添加剤を配合して試験グリースを作製した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
そして、各試験グリースをSPCC板上に5mmの厚さに塗布し、160℃の恒温槽にて250時間加熱して加熱前後の重量からその蒸発減量を測定した。同時に、加熱前後の混和ちょう度の変化を測定した。また、加熱後の全酸価も測定した。表3に各測定結果を示す。
【0020】
【表3】
【0021】
表3から、基油が特定の動粘度を有する鉱油と合成炭化水素油とを含み、かつリチウムコンプレックス石鹸を増ちょう剤とし、更に、特定の添加剤(極圧剤)を添加した実施例の試験グリースは、比較例の試験グリースに比べて蒸発減量が少なく、ちょう度変化も小さく、また全酸価も小さいことから、高温での耐久性に優れることが判る。
【0022】
更に、上記各試験グリースについて、以下に示す高温高速軸受耐久試験を行った。
即ち、円すいころ軸受(呼び番号:30205)に各試験グリースを2.0g封入し、内輪回転6800rpm、軸受外輪温度120℃、ラジアル荷重10kgf、アキシャル荷重150kgfの条件で連続回転させた。軸受外輪温度が130℃を超えた時、もしくはモータ過電流となった時を焼き付き寿命とした。
試験結果を表4に示す。
【0023】
【表4】
【0024】
表4から、実施例の試験グリースを封入した円すいころ軸受は、高温高速耐久性能に優れることがわかる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のグリース組成物は、基油が特定の動粘度を有する鉱油と合成炭化水素油とを含み、かつリチウムコンプレックス石鹸を増ちょう剤とすることで、安価であるにもかかわらず、高温耐久性を格段に向上させることができ、特に高温、高速回転で使用される転がり軸受等に好適である。更に、テルルのジチオカルバミン酸塩とリン酸エステル、もしくはモリブデンのジチオカルバミン酸塩と亜鉛のジチオカルバミン酸塩とを組み合わせて添加することにより、特に円すいころ軸受等のように滑り部分がある軸受の高温耐久性を従来よりも改善させることができる。また、本発明の転がり軸受は、このようなグリース組成物を封入したことにより、高温耐久性が格段に向上したものとなる。
Claims (3)
- 分子中に1個以上のヒドロキシル基を有する炭素数12〜24の脂肪酸と炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸のリチウム塩からなる増ちょう剤を、40℃における動粘度が300〜500mm2 /sの鉱油と、40℃における動粘度が20〜75mm2 /sの合成炭化水素油とを必須成分とし、かつその40℃における動粘度が60〜200mm2 /sである基油に配合し、かつ、テルルのジチオカルバミン酸塩とリン酸エステルとを組み合わせ合計でグリース全量の0.5〜10重量%、またはモリブデンのジチオカルバミン酸塩と亜鉛のジチオカルバミン酸塩とを組み合わせ合計でグリース全量の0.5〜10重量%添加したことを特徴とするグリース組成物。
- 請求項1記載のグリース組成物を封入してなることを特徴とする転がり軸受。
- 自動車のホイールハブ用であることを特徴とする請求項2記載の転がり軸受。
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