JP4110877B2 - 地下構造物の防食方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下構造物の防食方法に関し、特に地下構造物に接する土壌を改質することにより防食効果を向上させる地下構造物の防食方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地下鋼構造物の防食方法としては、電気防食が広く用いられている。電気防食は、外部電源や犠牲陽極から土壌を通して防食電流を流すことにより腐食を防止する方法である。しかし、外部電源による方法では配線の切断や停電による構造物の腐食の恐れがあり、また、犠牲陽極による方法では陽極の消耗による出力低下等により構造物が腐食する恐れがあった。
【0003】
このような問題に対し、特開2001−011668号公報には、鋼構造物の埋め戻し土壌中にアルカリ性の土壌改質剤を混合することにより、土壌中での鋼構造物の腐食を低減させる方法が開示されている。
【0004】
また、特開平10−183386号公報には、土壌と接する鋼材の表面に亜鉛、アルミニウム或いは亜鉛−アルミニウム合金を被覆し、かつ前記鋼材と接する土壌に亜鉛、酸化亜鉛および炭酸亜鉛のうち1種以上を混合することによって鋼材の耐用年数を大幅に延長する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特開2001−011668号公報の鋼構造物の埋め戻し土壌中にアルカリ性の土壌改質剤を混合する方法は、常に土壌をアルカリ性に保つ必要があり、土壌のpHが上昇すると腐食を起こす恐れがある。
【0006】
また、前記特開平10−183386号公報の土壌と接する鋼材の表面に亜鉛、アルミニウム或いは亜鉛−アルミニウム合金を被覆し、かつ前記鋼材と接する土壌に亜鉛、酸化亜鉛および炭酸亜鉛のうち1種以上を混合する方法も予め鋼材表面に亜鉛、アルミニウム或いは亜鉛−アルミニウム合金で被覆を行わなければならないためコスト高となる。
【0007】
本発明は以上の課題を解決するためになされたもので、低コストで、しかも長期間にわたり優れた耐食性を維持できる地下構造物の防食方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
[1]土壌に埋設され、電気防食を施した地下構造物の防食方法において、前記地下構造物と接する周囲の土壌中にマグネシウム成分とカルシウム成分を添加することにより、前記土壌と接する地下構造物の表面にマグネシウムを含む電着物質及びカルシウムを含む電着物質を付着させるに際して、前記マグネシウム成分は、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウムまたは硫酸マグネシウムのいずれかであり、前記カルシウム成分は、塩化カルシウムまたは水酸化カルシウムのいずれかであることを特徴とする地下構造物の防食方法。
[2]上記[1]において、マグネシウム成分とカルシウム成分を添加する方法が、マグネシウム及びカルシウムを含む塩を地下構造物の埋め戻し土壌中に添加するものであることを特徴とする地下構造物の防食方法。
[3]上記[1]において、マグネシウム成分とカルシウム成分を添加する方法が、地下構造物と接する周囲の土壌中にマグネシウムイオン及びカルシウムイオンを含む溶液を注入するものであることを特徴とする地下構造物の防食方法。
[4]上記[1]乃至[3]のいずれかにおいて、地下構造物の土壌に埋設される鋼材部分の表面に防食被覆が施されていることを特徴とする地下構造物の防食方法。
[5]上記[1]乃至[4]のいずれかにおいて、さらに、地下構造物と接する周囲の土壌中に、土壌の電気伝導度を上げる物質を添加することを特徴とする地下構造物の防食方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る地下構造物の防食方法の一実施形態を説明する。
【0010】
本発明に係る地下構造物の防食方法は、土壌に埋設され、電気防食を施した地下構造物の防食方法において、前記地下構造物と接する周囲の土壌中にマグネシウム成分とカルシウム成分を添加することにより、前記土壌と接する地下構造物の表面にマグネシウムを含む電着物質及びカルシウムを含む電着物質を付着させるものである。
【0011】
ここで、前記地下構造物としては、例えば、パイプライン、地中配管、地下埋設タンク、鉄塔柱脚部の地下埋設部、あるいは建造物の地中基礎部等の鋼構造物が対象となる。前記鋼構造物を構成する鋼材の材質については特に制限は無く、一般に用いられている黒皮を有する普通鋼、低合金鋼(耐候性鋼、耐海水鋼、クロム含有鋼、ニッケル含有鋼等)、ステンレス鋼、ニッケル基合金等のいずれの鋼材をも用いることができる。
【0012】
前記電気防食を施す際の防食電流を流す方式としては、外部電源方式、流電陽極方式のいずれの方法をも用いることができる。外部電源方式は電源から直接電流を流す方式であり、流電陽極方式はアルミニウムやマグネシウム、亜鉛等の防食対象となる構造物よりも活性な金属(犠牲陽極材料)と構造物とを接触させ、アルミニウムやマグネシウム、亜鉛等が解けることで発生する電流によって前記構造物を防食する方式である。
【0013】
流電陽極方式で用いられる犠牲陽極材料としては、Zn、Al、Mg或いはこれらの合金を用いることができるが、土壌中においては、最も卑な電位となるマグネシウム或いはマグネシウム合金を用いることが好ましい。流電陽極方式は、施工が容易で比較的短期間での施工が可能である。一方、外部電源方式は施工費用が高価であり、定期的にメンテナンスが必要であるが、広い範囲を防食することが可能である。
【0014】
外部電源方式で用いられる陽極材料としては、珪素鋳鉄や磁性酸化鉄(Fe3O4)、鋳鉄、炭素鋼、鉛、鉛合金、銀、銀合金、白金、白金メッキチタン、黒鉛などを用いることができる。
【0015】
外部電源を用いる場合、照合電極からの電位をフィードバック信号とし、制御装置により陽極から出る電流出力の制御を行うことが好ましい。このような電流制御は、経年的な被覆の劣化による必要防食電流の増加や、定期的な防食被覆の補修に対する犠牲陽極の防食電流の急激な変化にも対応できる。
【0016】
なお、外部電源方式は電位管理が容易に行えるため、構造物の一部を外部電源方式による電気防食、残部を流電陽極方式による電気防食とすることも可能である。
【0017】
土壌埋設部に電気防食が施されている地下構造物と接する周囲の土壌中にマグネシウム成分とカルシウム成分を添加することにより、土壌中にそれぞれの成分から電離したマグネシウムイオンとカルシウムイオンが生成する。このマグネシウムイオンとカルシウムイオンは電気防食が施されている鋼材表面に移動し、そこでそれぞれが電着物質、例えば水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)や炭酸カルシウム(CaCO3)等を生成し鋼材表面に付着することで鋼材表面の防食に寄与する。これにより、地下構造物において長期間にわたり優れた耐食性が維持される。
【0018】
前記地下構造物と接する周囲の土壌中、との記載における周囲の意味するところは、土壌に埋設されている地下構造物の鋼材表面に電着物質を付着させるのに寄与し得る範囲という意味であり、地下構造物の土壌に埋設されている鋼材部分に施されている電気防食の条件(電流、印加電圧、土壌の電気伝導度等)により変動するものであるが、例えば、ガス管や水道管などの地中配管の場合は埋設されている配管の鋼材表面から2m以内程度の部分を意味する。
【0019】
マグネシウムイオン或いはカルシウムイオンの一方のみが土壌中に存在する場合であっても、鋼材表面への電着物質の付着は起こり得るが、マグネシウムイオンとカルシウムの二つのイオンが同時に土壌中に存在することにより、前記それぞれの電着物質の付着量が大幅に増大し、また鋼材表面全体に付着することで、防食効果を著しく向上させる。
【0020】
地下構造物と接する周囲の土壌中にマグネシウム成分とカルシウム成分を添加する方法としては、マグネシウム及びカルシウムを含む塩を地下構造物の埋め戻し土壌中に添加することにより行うことができる。
【0021】
前記マグネシウムを単独で含むマグネシウム塩としては、前記土壌中でマグネシウムイオンを生成するものであればよく、例えば、塩化マグネシウム(MgCl2)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、硫酸マグネシウム(MgSO4)等を用いることができる。また、前記カルシウムを単独で含むカルシウム塩としては、前記土壌中でカルシウムイオンを生成するものであればよく、例えば、塩化カルシウム(CaCl2)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)等を用いることができる。
【0022】
ここで、前記土壌中に添加するマグネシウム塩の量としては、土壌中におけるマグネシウムイオンのトータルの濃度が40ppm以上、より好ましくは400ppm以上となるように添加することが好ましい。また、前記土壌中に添加するカルシウム塩の量としては、土壌中におけるカルシウムイオンのトータルの濃度が10ppm以上、より好ましくは130ppm以上となるように添加することが好ましい。土壌中におけるトータルのマグネシウムイオンの濃度が40ppm未満或いは土壌中におけるカルシウムイオンのトータルの濃度が10ppm未満では、土壌中の鋼材表面全体に電着物質が付着しない場合があるからである。
【0023】
また、地下構造物と接する周囲の土壌中にマグネシウム成分とカルシウム成分を添加する方法としては、地下構造物と接する周囲の土壌中にマグネシウムイオン及びカルシウムイオンを含む溶液を注入することにより行うことができる。
【0024】
前記土壌中にマグネシウムイオン及びカルシウムイオンを含む溶液を注入する方法としては、前記マグネシウムイオン及びカルシウムイオンを含む溶液を地上から撒くことにより前記土壌中に浸透させる方法、或いは地中に差し込んだパイプ等から直接注入する方法等を用いることができる。また、推進工法では、配管と土壌の間の摩擦を小さくするための潤滑剤に前記マグネシウムイオン及びカルシウムイオンを添加することもできる。
【0025】
ここで、前記マグネシウムイオン及びカルシウムイオンを含む溶液は、マグネシウム及びカルシウムを含む塩を溶液中に溶解することにより得ることができる。この溶液を注入したときの土壌中におけるマグネシウムイオン及びカルシウムイオンの濃度は、マグネシウムイオンの濃度が40ppm以上、より好ましくは400ppm以上、カルシウムイオンの濃度が10ppm以上、より好ましくは130ppm以上とすることが好ましい。
【0026】
また、前記地下構造物の土壌に埋設されている鋼材部分の表面には防食被覆が施されていることが好ましい。ここで、前記防食被覆が施されている鋼材とは、一般的な錆止塗装やジンクリッチペイント、タールエポキシ、ウレタン系塗料等が塗布された鋼材、或いはポリエチレン、FRP、ポリウレタン等のライニングが施された鋼材等をいう
鋼材部分の表面に防食被覆を施すことにより、地下構造物の建設時や埋設時等に前記防食被覆に欠陥が生じた場合においても、露出した鋼材表面に速やかにマグネシウムを含む電着物質及びカルシウムを含む電着物質が形成されることにより、防食電流が低減したり、鋼材表面をアルカリ性に保持することにより防食効果を更に向上させることが可能となる。
【0027】
また、地下構造物と接する周囲の土壌中に、土壌の電気伝導度を上げる物質を添加することが好ましい。
【0028】
前記土壌の電気伝導度を上げる物質としては、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム等の溶解度の大きい物質を用いることができる。ここで、土壌の電気伝導度としては、10000Ωcm以下、好ましくは5000Ωcm以下とすることが望ましい。
【0029】
これにより、電流密度が大きくなるため、土壌中のマグネシウムイオンとカルシウムイオンの鋼材表面への移動がより効率的に行なわれ、電着物質の生成及び鋼材表面への付着がより促進される。
【0030】
【実施例】
試験片を用いて電着物質の付着状況を調べた結果を以下に示す。
(実施例1〜14)
日本国内の各地で採取した試験用土壌3種類(関東ローム、黒土、粘度)のそれぞれに、土壌の質量に対して1wt%のマグネシウム塩(塩化マグネシウム、炭酸マグネシウムまたは硫酸マグネシウム)及び1wt%のカルシウム塩(塩化カルシウムまたは水酸化カルシウム)を混合し、埋め戻し用の土壌とした。さらに、前記埋め戻し用の土壌中には土壌の電気伝導度を上げる物質として塩化ナトリウム(NaCl)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、塩化カリウム(KCl)または硫酸カリウム(K2SO4)を添加し、土壌の電気伝導度を約500Ωcmに調整した。なお、塩化ナトリウム(NaCl)及び硫酸ナトリウム(Na2SO4)、塩化カリウム(KCl)、硫酸カリウム(K2SO4)を添加しない土壌も作成した。
【0031】
試験片の材質としては、炭素鋼(SS400)、耐候性鋼、SUS410鋼、SUS304鋼及びインコネル625を用い、また、試験片の形状としては10mmφ長さ25mmの円柱状とした。各試験片は、エメリ紙♯600番まで湿式研磨を行った後、脱イオン水により洗浄してからアセトンによる脱脂処理を施した。
【0032】
上述のようにして作成した土壌1kgを大型のビーカーに入れ、前記円柱状の試験片の上端からの土のかぶりを約50mmとしてそれぞれの試験片を埋設した。電気防食に用いる陽極として直径20mm、長さ150mmのカーボン電極を用い、各試験片に0.1mA/cm2 の電流密度となるように防食電流を流して20日間実験を行った。
(実施例15〜27)
試験片の材質としては炭素鋼を用い、また、試験片の形状としては10mmφ長さ50mmの円柱状とした。ジンクリッチペイント、ポリエチレン塗覆装、タールエポキシ塗料またはウレタン塗料を先端25mmに施工した試験片も作成した。なお、試験用の土壌は上記実施例1〜14と同様に作成した。
(実施例28〜41)
日本国内の各地で採取した試験用土壌3種類(関東ローム、黒土、粘度)のそれぞれに、マグネシウム塩(塩化マグネシウム、炭酸マグネシウムまたは硫酸マグネシウム)0.1wt%及びカルシウム塩(塩化カルシウムまたは水酸化カルシウム)0.1wt%、さらに、土壌の電気伝導度を上げる物質として塩化ナトリウム(NaCl)又は硫酸ナトリウム(Na2SO4)を2.5wt%溶解した溶液を混合し、試験用の土壌を調整した。ここで、前記溶液は、土壌と溶液の比が10:1の割合となるように混合した。なお、塩化ナトリウム(NaCl)及び硫酸ナトリウム(Na2SO4)、塩化カリウム(KCl)、硫酸カリウム(K2SO4)を添加しない溶液を混合した土壌も作成した。
【0033】
このようにして作成した土壌1kgを大型のビーカーに入れ、実施例1〜14と同様に試験片を埋設し防食電流を流しながら20日間実験を行った。
(実施例42、43)
試験用の土壌として、海砂、海性土壌を用いた。海砂、海性土壌を分析した結果、マグネシウムイオンが40ppm以上、カルシウムイオン10ppm以上含んでいた。前記土壌1kgを大型のビーカーに入れ、実施例1〜14と同様に試験片を埋設し防食電流を流しながら20日間実験を行った。
(比較例1〜12)
比較例として、日本国内の各地で採取した試験用土壌3種類(関東ローム、黒土、粘度)のそれぞれに、塩化ストロンチウム、炭酸水素ナトリウム、臭化カリウム、ホウ酸、フッ化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムの内のいずれかを2wt%混合し、埋め戻し用の土壌とした。さらに、前記埋め戻し用の土壌中には土壌の電気伝導度を上げる物質として塩化ナトリウム(NaCl)を添加し、土壌の電気伝導度を約500Ωcmに調整した。
【0034】
このようにして作成した土壌1kgを大型のビーカーに入れ、実施例1〜14と同様に試験片を埋設し防食電流を流しながら20日間実験を行った。
(比較例13〜26)
比較例として、日本国内の各地で採取した試験用土壌3種類(関東ローム、黒土、粘度)のそれぞれに、塩化ストロンチウム、炭酸水素ナトリウム、臭化カリウム、ホウ酸、フッ化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムの内のいずれかを2wt%混合し、埋め戻し用の土壌とした。さらに、前記埋め戻し用の土壌中には土壌の電気伝導度を上げる物質として塩化ナトリウム(NaCl)を添加し、土壌の電気伝導度を約500Ωcmに調整した。
【0035】
このようにして作成した土壌1kgを大型のビーカーに入れ、実施例15〜27と同様に試験片を埋設し防食電流を流しながら20日間実験を行った。
(比較例27〜38)
日本国内の各地で採取した試験用土壌3種類(関東ローム、黒土、粘度)のそれぞれに、塩化ストロンチウム、炭酸水素ナトリウム、臭化カリウム、ホウ酸、フッ化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムの内のいずれかを0.2wt%、さらに、土壌の電気伝導度を上げる物質として塩化ナトリウム(NaCl)を2.5wt%溶解した溶液を混合し、比較例用の土壌を調整した。ここで、前記溶液は、土壌と溶液の比が10:1の割合となるように混合した。
【0036】
このようにして作成した土壌1kgを大型のビーカーに入れ、実施例1〜14と同様に試験片を埋設し防食電流を流しながら20日間実験を行った。
【0037】
上述の実施例1〜14及び比較例1〜12の結果を表1に、実施例15〜27及び比較例13〜26の結果を表2に、実施例28〜41及び比較例27〜38の結果を表3に、実施例42及び43の結果を表4に、それぞれ実施条件と共に示す。表1〜4において、試験片の表面に電着物質が均一に付着し試験片の増加質量が10mg以上のものは○、均一に電着物質が付着するものの増加質量が10mg未満の場合は△、電着物質が均一に付着しない場合は×とした。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
表1〜表4に示すように、本発明に係る実施例においては、試験片の表面に電着物質が均一に、且つ10mg以上付着しており、優れた防食効果が得られることが期待できる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、低コストで、しかも長期間にわたり優れた耐食性を維持できる地下構造物の防食方法が提供される。
Claims (5)
- 土壌に埋設され、電気防食を施した地下構造物の防食方法において、前記地下構造物と接する周囲の土壌中にマグネシウム成分とカルシウム成分を添加することにより、前記土壌と接する地下構造物の表面にマグネシウムを含む電着物質及びカルシウムを含む電着物質を付着させるに際して、前記マグネシウム成分は、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウムまたは硫酸マグネシウムのいずれかであり、前記カルシウム成分は、塩化カルシウムまたは水酸化カルシウムのいずれかであることを特徴とする地下構造物の防食方法。
- マグネシウム成分とカルシウム成分を添加する方法が、マグネシウム及びカルシウムを含む塩を地下構造物の埋め戻し土壌中に添加するものであることを特徴とする請求項1に記載の地下構造物の防食方法。
- マグネシウム成分とカルシウム成分を添加する方法が、地下構造物と接する周囲の土壌中にマグネシウムイオン及びカルシウムイオンを含む溶液を注入するものであることを特徴とする請求項1に記載の地下構造物の防食方法。
- 地下構造物の土壌に埋設される鋼材部分の表面に防食被覆が施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の地下構造物の防食方法。
- さらに、地下構造物と接する周囲の土壌中に、土壌の電気伝導度を上げる物質を添加することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の地下構造物の防食方法。
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