JP4110835B2 - 車両組立工程における車体移載装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両組立工程において車体搬送用のフロア型コンベヤと近接配置されることになる車体移載装置に関し、例えばフロア型コンベヤからオーバーヘッドコンベヤに車体を移し替えるのに先立って、先ず両者の間に介在することになるドロップリフタにフロア型コンベヤ側の車体を移載するにあたり、車体の車幅方向での位置決めであるセンタリング作業を自律的に行えるようにした車体移載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車両組立ラインでは、塗装後の車体(ボディ)に内装部品や外装部品のほかシャシー部品を順次組み付けた後に冷却水やガソリン等の給液を行って初めてオフラインとなる。これらのうち内装部品を組み付ける工程を一般にトリムラインと称し、ボディはフロア部のうち比較的強度の高い部位を支持部としてトリムフィクスチャで支えられた上でフロア型コンベヤにて順次搬送され、その過程で例えばハーネス(電線束)類の配索や内装艤装部品の取り付け等が行われることになる。この場合、作業者が車室内に入って作業を行うことも珍しくない。
【0003】
トリムラインでの作業を終えたボディはアンダーフロアラインに移行することになるが、ここではボディ下面側での作業が主となるためにフロア型コンベヤにボディを載せた状態では作業を行うことができない。そこで、トリムラインの終端部において一般的にシャシーハンガーと称されるオーバーヘッドコンベヤタイプのハンガーにボディが移載され、少なくともボディの下側に作業者が入ることができる程度の高さ位置までボディが引き上げられる。
【0004】
このトリムラインのフロア型コンベヤからシャシーハンガーへボディが移載されるとき、シャシーハンガーに対してボディの左右方向でのずれ量が大きすぎると搬送中においてボディの姿勢が変化するおそれがあるため、その移載の際にシャシーハンガーとボディとの相対位置精度出しとしてボディのセンタリングを行っている。
【0005】
ボディの位置がずれる要因としては、塗装後のボディがトリムラインのフロア型コンベヤに移載される際に既にずれている場合のほか、トリムラインにて作業者がボディ内に入って作業を行う際に動いてしまうこともあり、いずれにしてもトリムラインのフロア型コンベヤからシャシーハンガーの正しい位置にボディを移載するためには、移載設備でのボディのセンタリング機能は必須となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このセンタリングのための機構は、フロア型コンベヤからボディをリフトアップさせるためのテーブルリフタに、ボディのサイドシルフランジ部を左右方向から押圧するためのエアシリンダ駆動のプッシャーを付加したものが一般的であり、単純な作業の割りには配管や電磁弁等が必須となって構造的に複雑となるばかりでなく、センタリング作業が完了するまで次のステップの動作に移行しないようないわゆるインターロック等の制御を行う必要があるため、移載設備全体のサイクルタイムの上でも不利となる。
【0007】
本発明は以上のような課題に着目してなされたものであり、とりわけ外部駆動のアクチュエータ等を必要としない簡単な構成のもとで、しかもインターロック回路等を必要とせずに移載動作の過程で自律的にボディのセンタリングを行えるようにした車体移載装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、組立対象となる車体(B)を位置決め支持した上でこれを搬送するフロア型コンベヤ(1)に近接配置されて、他の搬送手段に移し替えるべき車体(B)をフロア型コンベヤ(1)からリフトアップさせる機能もしくは他の搬送手段から受け取るべき車体(B)をフロア型コンベヤ(1)に先行してリフトアップ位置にて一旦受け取った上でそのリフトダウンによりフロア型コンベヤ(1)に移し替える機能を備えた車体移載装置であることを前提としている。
【0009】
その上で、車体(B)をリフトアップもしくはリフトダウンさせる少なくとも左右一対のテーブルリフタ(6)を設けるとともに、各テーブルリフタ(6)には、そのテーブルリフタ(6)の可動部であるスライドプレート(18)に加わる車体重量に応じて車体(B)を車幅方向に自律的に変位させてその車幅方向の位置決めを行うセルフセンタリング機構(20)を設けてなり、各セルフセンタリング機構(20)は、テーブルリフタ(6)上にて車体(B)を直接支持することになるスライドプレート(18)をそのスライドプレート(18)ごと車幅方向にスライド変位させるようになっているとともに、スライドプレート(18)を昇降可能に支持している液圧シリンダ(14)と、スライドプレート(18)に車体重量が作用した際にその液圧シリンダ(14)が発生する液圧によって車体(B)もしくはスライドプレート(18)を押圧操作する液圧式のプッシュシリンダ(16または26)と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
上記の他の搬送手段は、例えばドロップリフタである場合のほか、テーブルリフタとの間で直接車体の授受が可能であれば他の搬送手段はオーバーヘッドコンベヤであってもよい。
【0011】
この場合、左右方向で車体重量のアンバランスの影響を受けないようにし、且つ車体の変位動作をスムーズに行うためには、請求項2に記載のように、左右のセルフセンタリング機構(20)のプッシュシリンダ(16または26)は、車体(B)を車幅方向に変位させるべく左右方向で互いに拮抗する外力を車体(B)もしくはスライドプレート(18)に付与するようになっている一方、左右のテーブルリフタ(6)のスライドプレート(18)に加わる車体重量が相互に異なる場合でも、プッシュシリンダ(16または26)が車体(B)もしくはスライドプレート(18)に及ぼす外力は左右ともに等しい大きさとなるように設定されていることが望ましい。
【0014】
さらに、請求項3に記載のように、左右のセルフセンタリング機構(20)におけるスライドプレート(18)に車体重量が作用した際に、左右の液圧シリンダ(14)が発生する液圧を一旦合流させた上で左右均等な液圧としてそれぞれのプッシュシリンダ(16または26)に導入するようになっていることが望ましい。
【0015】
したがって、例えばフロア型コンベヤ上の車体(B)をドロップリフタを介してオーバーヘッドコンベヤに移し替える際に、それに先立ってそれまでフロア型コンベヤに支持されていた車体(B)をテーブルリフタ(6)にてリフトアップさせると、車体(B)の自重がそのままテーブルリフタ(6)の可動部であるスライドプレート(18)に作用するようになる。そして、その段階で各セルフセンタリング機構(20)が車体(B)の重量に応じた分だけ車体(B)を車幅方向に変位させて、相手側となるドロップリフタの幅方向中心と車体の幅方向中心を一致させるべく、その車幅方向の位置決めとして車体(B)のセンタリングを行うことになる。
【0016】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、車体(B)をリフトアップもしくはリフトダウンさせるためのテーブルリフタ(6)に、そのテーブルリフタ(6)の可動部であるスライドプレート(18)に加わる車体重量に応じて車体(B)を車幅方向に自律的に変位させてその車幅方向の位置決めを行うセルフセンタリング機構(20)を設けたことから、従来では必須とされた外部駆動方式のアクチュエータや電磁弁等が不要となって、構造の簡素化と設備費の低減を図ることができるとともに、インターロック回路等によって他の設備機器との間で同期をとる必要もなくなることから、移載装置のサイクルタイムの短縮化も併せて達成できるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1以下の図面は本発明の好ましい実施の形態を示す図であり、特に図1は先に述べた車両組立ラインのうち一般的なトリムラインの概略構成を、図2はトリムラインの終端部とアンダーフロアラインにおけるシャシーハンガーとの相互関係をそれぞれ示している。
【0018】
図1に示すように、トリムラインT・Lはフロア型コンベヤとしてのスラットコンベヤ1を中心として構成してあり、スラット2上に適宜間隔で設定した例えば合計4個のトリムフィクスチャ3,3‥にて塗装済みのボディ(車体)Bを位置決め支持した上で、そのボディBがスラット2とともに所定速度で連続的に走行移動する過程でボディBに対して内外装部品等が順次取り付けられる。これにより、トリムラインT・Lは被搬送物が所定速度で連続走行するいわゆるコンティニアスラインとして機能することになる。
【0019】
一方、図2に示すようにアンダーフロアラインU・Lはオーバーヘッドコンベヤを中心として構成してあり、図示しないトロリとともに走行移動するシャシーハンガー4のキャリア5にてボディBのフロア部下面を支持部として吊り下げ支持した上で、そのボディBがシャシーハンガー4とともに所定速度で連続的に走行移動する過程でボディBのフロア部下面に対して足周り部品等が順次取り付けられる。これにより、アンダーフロアラインU・Lもまた被搬送物が所定速度で連続走行するいわゆるコンティニアスラインとして機能することになる。
【0020】
そして、トリムラインT・LおよびアンダーフロアラインU・LともにボディBが連続走行しているが故に、そのトリムラインT・LからアンダーフロアラインU・LへのボディBの移し替え(移載)に際して両者間で直接ボディBを移載することができず、そのために図2に示すようにトリムラインT・Lであるスラットコンベヤ1の終端部(トリムアウト位置)には移載装置としての左右のテーブルリフタ6のほかドロップリフタ7がそれぞれスラットコンベヤ1に近接するように配置されている。
【0021】
このトリムアウト位置では、左右のテーブルリフタ6が前後左右で独立した合計4つの受け部材8を備えていることから、テーブルリフタ6が一次的にスラットコンベヤ1と同期移動する過程で、図3の(A),(B)に示すようにそのスラットコンベヤ1上のボディBをテーブルリフタ6の受け部材8がリフトアップしてスラットコンベヤ1から切り離す一方、次いで同図(C)に示すようにドロップリフタ7のフォーク9がボディBの下側に入り込んだ上で、そのテーブルリフタ6上のボディBをリフトアップして図4の(A)に示すようにテーブルリフタ6から切り離す。そして、同図(B)に示すようにドロップリフタ7のフォーク9の上昇限位置にてシャシーハンガー4のキャリア5がボディBの下側に入り込むのを待ってドロップリフタ7のフォーク9が下降し、同図(C)に示すようにこれをもって初めてボディBがオーバーヘッドコンベヤ側すなわちシャシーハンガー4の先端のキャリア5に移載されることになる。
【0022】
ここで、オーバーヘッドコンベヤにより塗装工程から搬送されてきたボディBをトリムラインT・Lに投入するために、トリムラインT・Lであるスラットコンベヤ1の始端部(トリムイン位置)にも全く同様の移載装置が設けられる。すなわち、オーバーヘッドコンベヤのハンガーに支えられているボディBをドロップリフタ7のフォーク9でわずかにリフトアップした状態でハンガーを退避させ、そのままドロップリフタ7のフォーク9を下降させることでボディBがその下方のテーブルリフタ6の受け部材8に移載される。そして、テーブルリフタ6が一次的にトリムラインT・Lであるスラットコンベヤ1と同期移動する過程でその受け部材8が下降することによりボディBがスラットコンベヤ1側のトリムフィクスチャ3に移載されることになる。
【0023】
図2に示したように、トリムラインT・Lであるスラットコンベヤ1からアンダーフロアラインU・Lであるオーバーヘッドコンベヤのシャシーハンガー4にボディBを移載するにあたり、特にボディBが車幅方向にずれたままで移載してしまうとシャシーハンガー4による搬送過程でボディBの姿勢が大きく変動してしまうおそれがあり、実用上好ましくない。
【0024】
そこで、スラットコンベヤ1からシャシーハンガー4にボディBを移載する過程でボディB自体の自重をエネルギーとして有効活用しつつセルフセンタリング作業を行って、実質的にボディBの車幅方向の位置決めをあらためて行った上でシャシーハンガー4に移載しようとするのが本実施の形態の主たる目的であり、その詳細を図5以下に示す。
【0025】
図2のほか図5に示すように、トリムラインT・Lにおけるスラットコンベヤ1の終端部の両側にはスラットコンベヤ1のトリムフィクスチャ3と干渉しない位置にテーブルリフタ6を配置してある。テーブルリフタ6はそれ全体としてスラットコンベヤ1の動きに同期してスラットコンベヤ1と同方向に同期走行可能となっているとともに、テーブルリフタ6のリフタプレート10はガイドポスト11とともに図示しない昇降駆動源にて昇降駆動されるようになっている。また、リフタプレート10の上には先の受け部材8に相当する前後独立したスライドプレート18を載置してある。
【0026】
リフタプレート10の上にはこれと平行な中間プレート12を所定距離隔てて配置してあり、この中間プレート12はガイドロッド13に案内されながら昇降可能となっていて、それらリフタプレート10と中間プレート12との間には液圧シリンダとしてピストン14aを有する油圧シリンダ14を介在させてある。中間プレート12の上にはボディBを直接支持することになる上記のスライドプレート18を配置してあり、このスライドプレート18はリニアガイド15を介して車幅方向にスライド可能となっている。
【0027】
また、スライドプレート18の外側にはこれに隣接するように液圧シリンダとして単動型のプッシュシリンダ(油圧シリンダ)16を配置してある。このプッシュシリンダ16は軸心を車幅方向に指向させてあるとともに、後述するようにスライドプレート18上にボディBが載せられた状態ではピストンロッド16aがボディBのサイドシルフランジ部Fと対向するように、ブラケット17を介して中間プレート12に支持させてある。そして、プッシュシリンダ16の油室と油圧シリンダ14の油室14bとを配管19をもって相互に接続し、それぞれの油室と配管19には所定の油を封入して密閉状態としてある。これにより、スライドプレート18にボディBの自重が加わった場合に油圧シリンダ14が発生する油圧でプッシュシリンダ16のピストンロッド16aを伸長動作させるように設定してあり、油圧シリンダ14、プッシュシリンダ16、中間プレート12およびスライドプレート18等をもってセルフセンタリング機構20を構成してある。
【0028】
このような構造によれば、トリムラインT・Lにてスラットコンベヤ1に載せられて搬送されているボディBをそのスラットコンベヤ1からオーバーヘッドコンベヤのシャシーハンガー4に移し替える際には次のような手順による。
【0029】
トリムラインT・Lにおいては、先に述べたようにボディBはサイドメンバー等の強度部材を支持部としてスラットコンベヤ1の複数のトリムフィクスチャ3に位置決め支持された状態で所定速度で連続的に搬送されており、図2に示すようにボディBがスラットコンベヤ1の終端部(トリムアウト位置)近くまで搬送されてくると、ラインサイドで待機していた各テーブルリフタ6が一斉にスラットコンベヤ1との同期走行を開始する。
【0030】
この同期走行の過程において各テーブルリフタ6がリフトアップ動作すなわちリフタテーブル10が所定ストロークだけ上昇動作すると、図5に示すようにスライドプレート18がサイドシルフランジ部Fに当接してボディB全体を持ち上げ、ボディBをスラットコンベヤ1から切り離す。
【0031】
ボディBがスラットコンベヤ1側のトリムフィクスチャ3から離れると、代わってその瞬間にボディBの自重が各テーブルリフタ6のスライドプレート18に加わるようになり、それに応じて中間プレート12の下側にある油圧シリンダ14のピストン14aが押し込まれて所定の油圧を発生するようになる。この油圧シリンダ14で発生した油圧は直ちにプッシュシリンダ16に導入されてピストンロッド16aを押し出し、プッシュシリンダ16のピストンロッド16aはボディBのサイドシルフランジ部Fに当接してボディBを押圧する。
【0032】
このようなプッシュシリンダ16によるボディBの押圧操作は合計四つのスライドプレート18についてほぼ同時に行われることから、車幅方向で相互に対向しているプッシュシリンダ16,16同士の押圧力は相互に拮抗するようになり、その結果としてボディBは自律的にセンタリングされて車幅方向の中心位置に割り出されて位置決めされることになる。つまり、スラットコンベヤ1に載せられている段階ではボディBが車幅方向のずれを生じていたとしても、上記のようにシャシーハンガー4に移載されるのに先立って各テーブルリフタ6にてリフトアップした段階でボディBの車幅方向でのずれ量が修正される。なお、このときのボディBのスライド変位はスライドプレート18の下側のリニアガイド15にて許容される。
【0033】
こうして各テーブルリフタ6上にてボディBのセンタリングが行われると、以降は図3,4に示した手順と同様にして、先ずドロップリフタ7がリフトアップ動作することでボディBは各スライドテーブル18からドロップリフタ7のフォーク9に移し替えられる一方、ドロップリフタ7の上昇限位置にてシャシーハンガー4のキャリア5がボディBの下側の入り込むのを待ってドロップリフタ7がリフトダウン動作することでボディBが初めてシャシーハンガー4に移載される。この時、ボディBは予めセンタリングが施されていることから、シャシーハンガー4に移載された段階ではシャシーハンガー4の車幅方向の中心とボディBそのものの車幅方向の中心とが互いに一致するようになり、両者の間にずれ量が生じることはない。
【0034】
このように本実施の形態によれば、テーブルリフタ6にボディBの重量が作用した瞬間から直ちにボディBのセンタリング動作が自律的に行われることから、電磁弁等が不要になることはもちろんのこと、インターロック回路等による特別な制御も一切不要となることから、設備の簡素化と設備費の低減を図れるとともに、移載装置のサイクルタイムの短縮化の上でも有利となる。
【0035】
なお、テーブルリフタ6とシャシーハンガー4との間でボディBの直接的な受け渡しが可能であれば、ドロップリフタを省略してもよい。
【0036】
図6は本発明の第2の実施の形態を示す図であり、図5に示した第1の実施の形態と共通する部分には同一号を付してある。
【0037】
図6の第2の実施の形態では、左右のセルフセンタリング機構20そのものの構造は図5に示したものと同様であるが、左右で対をなすセルフセンタリング機構20,20同士について各油圧シリンダ14,14で発生した油圧を配管21にて一旦共通のリザーバタンク22に導入した上でこのリザーバタンク22および配管23を経由して左右の各プッシュシリンダ16に油圧を供給するようにしている点で第1の実施の形態のものと異なっている。
【0038】
先に述べたように、ボディBの車幅方向でのセンタリングに際して左右のテーブルリフタ6,6にてボディBを支えることを前提とした場合、ボディ形状の違いや取り付けられる部品の種別等に応じてボディBの重心位置すなわち車幅方向での重量配分が車種によって異なる場合が多い。そのため、図5の構造では、例えばボディBの重心位置が左右いずれかの方向にずれている場合に、左右のテーブルリフタ6,6に加わる荷重が必ずしも左右均等にならずに正確にセンタリングできない可能性がある。
【0039】
このようなボディ左右方向での重量配分のアンバランスを考慮したものが図6の構造であって、ボディBの荷重負荷に伴い左右の油圧シリンダ14,14で発生した油圧を共にリザーバタンク22に一旦導入して合流させ、このリザーバタンク22から左右の各プッシュシリンダ16,16に対して油圧を振り分けることで、各プッシュシリンダ16,16がボディBに及ぼす押圧力を互いに均等なものにすることができる。
【0040】
より詳しくは、図7の(A)に示すように、スラットコンベヤ1にボディBが搭載されている状態で例えば車幅方向でずれ量Gを有している場合に、同図(B)に示すようにテーブルリフタ6にてボディBをリフトアップすることによりそのボディ重量がスライドプレート18に加わるようになると、図8の(A)に示すように左右のプッシュシリンダ16のピストンロッドが伸長動作して、ずれ量Gが小さくなる方向にボディBを押圧操作する。そして、同図(B)に示すようにやがては双方のプッシュシリンダ16,16同士の押圧力が拮抗するようになり、これをもって上記のずれ量Gが解消されてボディBの車幅方向でのセンタリングが完了する。
【0041】
したがって、この第2の実施の形態では、第1の実施の形態のものと比べた場合に、ボディBの重量配分が左右均等でない場合であってもそのボディBの自重を有効利用しながら正確にセンタリングすることができる。
【0042】
図9,10は本発明の第3の実施の形態を示す図であり、図5に示した第1の実施の形態と共通する部分には同一号を付してある。
【0043】
図9,10の第3の実施の形態では、テーブルリフタ6の受け部材として機能することになるスライドプレートの中央部を実質的に切除して左右のスライドプレート28,28を互いに独立させる一方、中間プレート12にはプッシュシリンダとして単動型のロッドレスシリンダ26を配置するとともに、ロッドレスリンダ26の可動部24にプッシュブロック25を固定して、そのプッシュブロック25をスライドプレート28,28同士の間から上方に突出させてある。なお、各スライドプレート28はリニアガイド15を介して車幅方向にスライド可能である。そして、油圧シリンダ14が発生する油圧は配管29を介してロッドレスシリンダ26に導入するようになっている。
【0044】
この実施の形態によれば、ボディBのサイドシルフランジ部Fはスライドプレート28,28によって直接支持される一方で、油圧シリンダ14の油圧を受けてロッドレスシリンダ26が作動するとプッシュブロック25がサイドシルフランジ部Fに当接してその内側から押圧することになる。このプッシュブロック25の押圧力を受けてボディBが各スライドプレート28,28とともに車幅方向にスライド変位してセンタリングされる。
【0045】
この第3の実施の形態によれば、特に平面視にてロッドレスシリンダ26がスライドプレート28,28(中間プレート12)の領域内に納められていて、図5,6のようにシリンダが大きく突出することがないので、テーブルリフタ6の小型化の上で一段と有利となる。
【0046】
図11は本発明の第4の実施の形態を示す図であり、図6に示した第2の実施の形態の構造を基本とした上で、図9と同様のスライドプレート28やロッドレスシリンダ26およびプッシュブロック25を採用したものである。
【0047】
この第4の実施の形態によれば、図5,6のようにシリンダが大きく突出することがないので、第2の実施の形態と同様の効果に加えて、テーブルリフタ6の小型化を図る上でも有利となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両組立ラインのうちスラットコンベヤを主体としたトリムラインの概略説明図。
【図2】図1に示したスラットコンベヤの終端部とアンダーフロアラインとなるオーバーヘッドコンベヤ側のシャシーハンガーのほか、テーブルリフタおよびドロップリフタとの相互関係を示す要部斜視図。
【図3】図2の構造でのボディ移載過程を示す説明図。
【図4】図3に続くボディ移載過程の説明図。
【図5】本発明の第1の実施の形態としてテーブルリフタの構成を示す説明図。
【図6】本発明の第2の実施の形態としてテーブルリフタの構成を示す説明図。
【図7】図6に示すテーブルリフタの作動説明図。
【図8】同じく図6に示すテーブルリフタの作動説明図。
【図9】本発明の第3の実施の形態としてテーブルリフタの構成を示す説明図。
【図10】図9の要部拡大斜視図。
【図11】本発明の第4の実施の形態としてテーブルリフタの構成を示す説明図。
【符号の説明】
1…スラットコンベヤ(フロア型コンベヤ)
6…テーブルリフタ
7…ドロップリフタ
14…油圧シリンダ(液圧シリンダ)
16…プッシュシリンダ
18…スライドプレート(可動部)
20…セルフセンタリング機構
22…リザーバタンク
26…ロッドレスシリンダ(プッシュシリンダ)
28…スライドプレート
B…ボディ(車体)
Claims (3)
- 組立対象となる車体(B)を位置決め支持した上でこれを搬送するフロア型コンベヤ(1)に近接配置されて、他の搬送手段に移し替えるべき車体(B)をフロア型コンベヤ(1)からリフトアップさせる機能もしくは他の搬送手段から受け取るべき車体(B)をフロア型コンベヤ(1)に先行してリフトアップ位置にて一旦受け取った上でそのリフトダウンによりフロア型コンベヤ(1)に移し替える機能を備えた車体移載装置であって、
車体(B)をリフトアップもしくはリフトダウンさせる少なくとも左右一対のテーブルリフタ(6)を設けるとともに、
各テーブルリフタ(6)には、そのテーブルリフタ(6)の可動部であるスライドプレート(18)に加わる車体重量に応じて車体(B)を車幅方向に自律的に変位させてその車幅方向の位置決めを行うセルフセンタリング機構(20)を設けてなり、
各セルフセンタリング機構(20)は、
テーブルリフタ(6)上にて車体(B)を直接支持することになるスライドプレート(18)をそのスライドプレート(18)ごと車幅方向にスライド変位させるようになっているとともに、
スライドプレート(18)を昇降可能に支持している液圧シリンダ(14)と、スライドプレート(18)に車体重量が作用した際にその液圧シリンダ(14)が発生する液圧によって車体(B)もしくはスライドプレート(18)を押圧操作する液圧式のプッシュシリンダ(16または26)と、を備えていることを特徴とする車両組立工程における車体移載装置。 - 左右のセルフセンタリング機構(20)のプッシュシリンダ(16または26)は、
車体(B)を車幅方向に変位させるべく左右方向で互いに拮抗する外力を車体(B)もしくはスライドプレート(18)に付与するようになっている一方、
左右のテーブルリフタ(6)のスライドプレート(18)に加わる車体重量が相互に異なる場合でも、プッシュシリンダ(16または26)が車体(B)もしくはスライドプレート(18)に及ぼす外力は左右ともに等しい大きさとなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両組立工程における車体移載装置。 - 左右のセルフセンタリング機構(20)におけるスライドプレート(18)に車体重量が作用した際に、左右の液圧シリンダ(14)が発生する液圧を一旦合流させた上で左右均等な液圧としてそれぞれのプッシュシリンダ(16または26)に導入するようになっていることを特徴とする請求項2に記載の車両組立工程における車体移載装置。
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