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JP4106930B2 - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

内燃機関の始動制御装置 Download PDF

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディーゼルエンジンなどの内燃機関を始動するための制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
動力性能の向上や燃費の向上さらには排ガスの浄化を目的として、気筒毎に燃料を供給するように構成した内燃機関が知られている。この種の内燃機関では、各気筒でピストンが圧縮上死点に到達するタイミングや吸気行程のタイミングなどに基づいて燃料を気筒の内部や吸気ポートなどに噴射している。
【0003】
このような燃料の噴射制御は、その内燃機関を始動する場合であっても同様におこなわれ、スタータモータなどによって内燃機関をクランキング(モータリング)した際に圧縮上死点に達する気筒に対して燃料を噴射し、それに基づく燃焼エネルギによって内燃機関を自立回転させている。なお、内燃機関が停止している場合、各気筒での状態を判別することができないので、始動のために内燃機関をモータリングした際の回転に基づいて出力される信号によって気筒の判別すなわち圧縮上死点に達する気筒の判別をおこなっている。
【0004】
例えば四サイクルエンジンでは、クランクシャフトが2回転する間にカムシャフトが1回転する。したがってそれぞれのシャフトが1回転する毎に何らの信号を出力すれば、同時に二つの気筒でピストンが上死点に達する四気筒エンジンであっても、それらのうちのいずれが圧縮上死点になる回転角度位置であるかを判別することができる。しかしながら、始動時の気筒の判別をこのようにしておこなうとすれば、クランクシャフトが2回転する必要があり、完爆状態に至るまでの時間が長くなって始動の遅れ感が生じる可能性がある。
【0005】
このような不都合を解消するために、エンジンの停止位置を制御してモータリングの直後に気筒を判別できるように構成した装置が特開2001−152891号公報に記載されている。この公報に記載された発明は、エンジンのクランク角度から圧縮上死点のシリンダを判別し、イグニッションスイッチを操作することによるエンジンの停止時には、判別された圧縮上死点のシリンダに基づいて所定のシリンダから燃料の停止をおこなうように構成されている。この公報に記載された発明では、燃料の停止を開始するシリンダを特定できることにより、エンジンが停止した際のクランク角度領域を特定でき、その結果、停止クランク角度範囲からエンジンの回転方向に一番近い位置に気筒判別のマーキングを施すことにより、気筒判別を早期化できる、としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公報に記載された発明によれば、気筒の判別を迅速におこなうことができる。しかしながら、判別した気筒に対して燃料を噴射して確実に始動するためには、噴射のタイミングや噴射の量などの燃料の噴射制御のためのパラメータを適正化する必要がある。例えば噴射タイミングがクランク角度で十度程度あるいはそれ以上に相違すれば、始動に失敗する可能性が高くなり、また始動を確実におこなうために燃料噴射量を多くすれば、燃費の悪化を招く。特に、迅速かつ確実な始動の要求は、不必要なアイドリングを避けて燃費を向上させるために内燃機関を自動停止および自動始動するいわゆるエコラン制御で強く、始動性を優先して燃料の噴射量を多くしたのでは、自動停止および自動始動の制御をおこなう本来の目的が達成されなくなる。
【0007】
したがってエンジンの停止位置を上記の公報に記載されているように特定できるとしても、停止後の再始動時には、燃料の噴射のタイミングやそのタイミングを決定するためのエンジンの回転数さらには燃料の噴射量などの制御量を演算して求めることになる。その演算には、データの送信なども伴うので、実際に燃料を噴射するまでには不可避的に時間遅れが生じ、結局は、停止後の始動時に気筒判別を迅速におこなうことができるとしても、気筒の判別後に直ちに燃料の噴射をおこなうことができず、始動が遅れる可能性があった。
【0008】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、気筒の判別および気筒判別の結果に基づく燃料の供給制御を伴う内燃機関の始動を迅速におこなうことのできる始動制御装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、停止状態から回転させた際の回転角度位置から気筒を判別するとともに、その判別結果に基づいて気筒毎の燃料の供給を制御する内燃機関の始動制御装置において、停止条件が成立して前記内燃機関の停止要求が出力されることにより前記内燃機関が停止させられている間に、その内燃機関の停止している回転角度位置から所定の気筒に対して燃料を供給する回転角度位置まで回転させた際の動作状態を予測する予測手段と、その予測手段による予測結果に基づいて前記気筒に対する燃料の供給のための制御量を前記停止条件が成立して前記内燃機関の停止要求が出力されることにより前記内燃機関が停止させられている間に演算する演算手段とを備えていることを特徴とする始動制御装置である。
【0010】
その予測手段は、請求項2に記載されているように、停止している回転角度位置から気筒判別のおこなわれる回転角度位置まで始動のために回転させた際の回転速度を予測する手段とすることができる。
【0011】
したがって請求項1の発明あるいは請求項2の発明では、始動のために内燃機関を回転させ、かつ燃料を供給する場合、その燃料の供給に関連する制御量が、内燃機関の回転速度などの動作状態を予測した結果に基づいて、停止要求により内燃機関が停止させられている間に演算される。その結果、始動後、燃料を供給すべき時点になると、直ちに燃料を供給することができる。言い換えれば、燃料の供給に関連する制御量を得られないことによる実質的な始動の遅延を防止でき、内燃機関を迅速に始動することができる。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、始動のために前記内燃機関を回転させる電動機と、その電動機に電力を供給する電源とを更に備え、前記予測手段は、その電源の電圧もしくは電圧に関連する検出値に基づいて予測をおこなうように構成されていることを特徴とする始動制御装置である。
【0013】
したがって請求項3の発明では、始動のために内燃機関を回転させる電動機のトルクなど、内燃機関の挙動に影響するデータを前記予測に反映させるので、予測の精度が向上する。
【0014】
そして、請求項4の発明は、請求項1ないし3の発明において、前記予測のために使用する検出値には、前記内燃機関の温度もしくはその温度に関連する検出値が含まれていることを特徴とする始動制御装置である。
【0015】
したがって請求項4の発明では、内燃機関の温度が前記予測に反映される。すなわち、内燃機関の温度が低い場合には、そのフリクションが大きく、反対に温度が高ければフリクションが小さくなるので、内燃機関を始動のために回転させた後、気筒判別の時点もしくは燃料供給の時点の回転速度が内燃機関の温度によって異なるので、請求項4の発明では気筒判別もしくは燃料供給の時点における内燃機関の回転速度などの動作状態を正確に予測することができる。
またさらに、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記内燃機関の停止している回転角度位置は、前記停止要求が出力されて前記内燃機関が停止させられる制御によって決められた特定の角度であることを特徴とする内燃機関の始動制御装置である。
したがって、請求項5の発明によれば、上述した各請求項の発明と同様の作用・効果を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする内燃機関について説明すると、この発明における内燃機関は、燃料や空気の供給およびその停止、あるいは点火のオン・オフなどによって自動停止および自動的な再始動の可能な内燃機関であり、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンあるいはガスを燃料としたエンジンなどがその例である。図3には、内燃機関(エンジン)1の例としてディーゼルエンジンを示してあり、ここに示す例は、燃料をシリンダ2,3,4,5の内部に直接噴射するいわゆる直噴式のエンジンであり、排気浄化のための排気再循環機構(EGR)を備えている。なお、仮に図3の左から順に#1シリンダ2、#2シリンダ3、#3シリンダ4、#4シリンダ5とし、圧縮上死点に至る順序は、#1シリンダ2、#3シリンダ4、#4シリンダ5、#2シリンダ3である。
【0017】
すなわち、各シリンダ2,3,4,5のそれぞれに、燃料を高圧で噴射するインジェクタ6,7,8,9が設けられており、これらのインジェクタ6,7,8,9が、高圧に加圧された燃料を一時的に貯留するコモンレール10に接続されている。また、各シリンダ2,3,4,5にはそれぞれグロー11,12,13,14が設けられている。
【0018】
燃料を加圧する燃料ポンプ15は、いわゆるプランジャタイプのポンプであって、図4に示すように、カムシャフト16と一体となって回転する楕円カム17によって押圧され、またリターンスプリング18によって復帰移動するようになっている。したがってカムシャフト16が、クランクシャフト(図示せず)の2回転のうちに1回転し、また楕円カム17は長軸方向の両端部でプランジャを押圧するようになっているので、クランク角(CA)で360°CA毎に燃料の吸入と圧送とをそれぞれ1回おこなうようになっている。
【0019】
各シリンダ2,3,4,5に吸気を分配して供給するインテークマニホールド19が、排気式過給機20におけるコンプレッサー21に接続されている。このコンプレッサー21からインテークマニホールド19に到る吸気管路に、加圧されて温度の上昇した吸気を冷却するインタークーラ22と、吸気量を制御する吸気絞り弁23とが介装されている。その吸気絞り弁23は、モータなどのアクチュエータ(図示せず)によって電気的に制御できるように構成されている。
【0020】
他方、各シリンダ2,3,4,5の排気ポートに接続されたエキゾーストマニホールド24が、前記過給機20における排気タービン25に接続されている。さらにこの排気タービン25が、排気浄化触媒を備えた触媒コンバータ26に連通されている。
【0021】
そして、各シリンダ2,3,4,5で発生した燃焼排ガスの一部をインテークマニホールド19に導く排気再循環管路27が設けられ、その排気再循環管路27には、排ガスを冷却するEGRクーラ28と、排ガスの流量を制御するEGRバルブ29とが、エキゾーストマニホールド24側からここに挙げた順に介装されている。
【0022】
また、上記のエンジン1は通常のエンジンと同様に、始動時には外力によって完爆回転数まで強制的に回転させる必要があり、そのための回転駆動機構としてスタータ30が付設されている。このスタータ30は、適宜の構成のものを採用することができ、例えば起動信号によってピニオンギヤ(図示せず)を前進させて、エンジン1におけるリングギヤ(図示せず)に噛合(すなわち係合)させ、その状態でエンジン1を回転させる構成のものを採用することができる。
【0023】
このスタータ30の電源としてキャパシタ31が設けられている。このキャパシタ31は電荷を蓄えるとともに、必要に応じてスタータ30の電力を供給するものであって、蓄電池と同様の機能を果たす。このキャパシタ31に対して電荷を供給するための装置として、発電機32が設けられている。
【0024】
この発電機32はエンジン1の所定の出力部材あるいは図示しない変速機の出力部材など、上記のエンジン1を搭載した車両が走行している際に回転する部材に常時連結されている。したがってこの発電機32は、エンジン1からトルクを受けて回転するばかりでなく、車両の減速時に車両の有する慣性力で回転させられてエネルギの回生をおこなうようになっている。
【0025】
そして、発電機32は、インバータなどの適宜の制御機器(図示せず)を介して前記キャパシタ31に接続されている。したがって車両の減速時に回生したエネルギをキャパシタ31に蓄えるようになっている。そのため、回生エネルギ量が充分あれば、キャパシタ31の電圧が高くなるが、回生エネルギ量が少ない場合には、キャパシタ31の電圧が相対的に低くなる。
【0026】
上記のエンジン1は、停車中でかつ制動操作されるなどの所定の条件が成立することにより、自動停止させられ、その後に制動操作が解除されるなどの停止条件が成立しなくなることにより、自動的に再始動されるいわゆるエコラン制御が可能なように構成されている。その制御のためのエンジン用電子制御装置(E−ECU)33と、エコラン用電子制御装置(ECO−ECU)34とが設けられている。
【0027】
これら電子制御装置33,34は、マイクロコンピュータを主体として構成されたものであって、エンジン用電子制御装置33は、入力されたデータに基づいて演算をおこない、エンジン1の動作状態を制御するように構成されている。具体的には、始動要求があった場合にスタータ30を駆動してそのギヤをエンジン1側のギヤに噛み合わせるとともにエンジン1をクランキングし、またその始動時の気筒判別をおこなうとともに、燃料の噴射タイミングや噴射量を制御し、さらに走行時には加減速の要求に基づいて燃料の噴射量を制御し、必要に応じてこれと併せて吸気絞り弁23やEGRバルブ29の開度を制御し、さらには加減速要求に基づいて過給機20による過給圧を制御するように構成されている。
【0028】
エコラン用電子制御装置34は、入力されたデータに基づいて演算をおこなって、エンジン1の停止条件や始動条件の成立を判定し、その判定結果に基づいてエンジン用電子制御装置33に対してエンジン1の停止要求や始動要求を出力するようになっている。その停止条件は、例えば車速がゼロと判定され、かつブレーキ操作されていることが判定されることである。また始動条件は、ブレーキ操作が解除されるなど、停止条件の内容のいずれかが成立しなくなることである。エンジン用電子制御装置33は、これら停止要求や始動要求があった場合には、その要求に従ってエンジン1の停止もしくは始動の制御を実行し、またこれらの要求がない場合には、アクセル開度に代表される駆動要求量に応じてエンジン1の出力(より具体的には燃料噴射量)を制御するように構成されている。
【0029】
これらの制御をおこなうために、エンジン用電子制御装置33に前記キャパシタ31の電圧を検出する電圧センサ35からの検出信号が入力され、またクランク角度センサ36からの信号ならびにクランク角度基準位置センサ37からの信号それぞれ入力されている。また、特には図示していないが、いずれかの電子制御装置31,34には、車速信号などの他の適宜の信号が入力されている。
【0030】
そのクランク角度センサ36は、エンジン1におけるクランク軸(図示せず)の回転角度を検出し、またその検出信号を利用してエンジン1の回転速度(回転数)を検出するためのセンサであり、図5に示すように、クランク軸が1回転することにより1回転するタイミングロータ38と、その外周側の所定位置に配置されたピックアップ39とを備えている。そのタイミングロータ38は、外周縁に、所定角度(例えば10度)ごとに突起もしくは歯を形成した円盤状もしくは歯車状の部材であり、その突起もしくは歯が、一部で欠けており、その部分がいわゆる歯欠け部40とされている。また、ピックアップ39は、いわゆる電磁ピックアップであって、タイミングロータ38の突起もしくは歯が接近した後、離れるごとにパルス信号を出力するように構成されている。
【0031】
したがって、クランク角度センサ36は、前記歯欠け部40からの角度としてクランク軸の回転角度を検出できるようになっている。より具体的に説明すると、4気筒の4サイクルエンジンの例では、2つのシリンダ(例えば1番目に燃焼する#1シリンダ2と3番目に燃焼する#4シリンダ5)におけるピストンが同時に上死点に到達し、いずれか一方が圧縮行程での上死点となり、かつ他方が排気行程での上死点となるので、#1シリンダ2の圧縮上死点が前記歯欠け部40から所定の角度(例えば120度)となるように、歯欠け部40とピックアップ39との相対位置が設定されている。
【0032】
また一方、クランク角度基準位置センサ37は、クランク軸が2回転して1サイクルを完了するように構成されていることに伴い、クランク軸が2回転する間の角度の基準位置を与えるためのセンサであり、図6に示すように、クランク軸が2回転する間に1回転する回転部材(例えばカムシャフトタイミングプーリー)41の外周部に1つの突起42が形成され、その突起42に感応してパルス信号を出力するピックアップ43が前記回転部材41の外周側に配置されている。なお、この突起42とピックアップ43との相対位置は、#1シリンダ2の圧縮上死点に対してクランク角度(CA)で25度前の時点で、ピックアップ43が突起42を検出する位置に設定されている。
【0033】
したがってこれらの各センサ36,37によって、2回転する間のクランク軸の角度位置、および各シリンダの行程を検出できるようになっている。上記の例では、各センサ36,37の出力信号がほぼ同時に検出されることにより#1シリンダ2の圧縮上死点に対して90°CA前の状態であることが判別され、またクランク角度センサ36の出力信号のみが検出された場合には、#4シリンダ5の圧縮上死点に対して90°CA前の状態であることが判別される。
【0034】
上述したようにこの発明で対象とするエンジン1は、クランク角度センサ36の信号(Ne 信号)とクランク角度基準位置センサ37の信号(G1 信号)とに基づいて気筒判別をおこなうので、クランクシャフトが停止状態から2回転すれば必ず気筒判別することができるが、クランクシャフトの停止角度位置によっては回転し始めた直後に気筒を判別することができる。具体的には、#1シリンダ2の圧縮上死点を90°CA程度過ぎた状態でエンジン1を停止させれば、その状態からほぼ180°CA回転した時点すなわち#4シリンダ5の圧縮上死点に対して90°CA前の時点で気筒判別でき、あるいは#4シリンダ5の圧縮上死点を90°CA程度過ぎた状態でエンジン1を停止させれば、その状態からほぼ180°CA回転した時点すなわち#1シリンダ2の圧縮上死点に対して90°CA前の時点で気筒判別できる。
【0035】
この発明の制御装置は、上記の特定の停止位置から始動する場合の気筒判別の機能を利用して、以下のように始動制御をおこなうように構成されている。図1はその制御例を説明するためのフローチャートであって、先ず、いわゆるエコラン制御によりエンジン1が停止されているか否かが判断される(ステップS1)。このエコラン制御とは、上述したように、車両が停止している状態で所定の条件が成立することにより、エンジン1を自動的に停止し、またその状態でエンジン1の停止条件が成立しなくなることにより、エンジン1を自動的に始動する制御である。
【0036】
このステップS1で肯定的に判断された場合には、スタータ30に印加される電圧すなわちキャパシタ31の出力電圧が読み込まれ、またエンジン水温が読み込まれる(ステップS2)。これらキャパシタ31の出力電圧やエンジン水温は、気筒判別時あるいは始動後の最初の燃料噴射時におけるエンジン1の動作状態を予測するために使用する検出値である。
【0037】
ついで、エンジン1をスタータ31でクランキングするとした場合にエンジン1が停止している位置から気筒判別がおこなわれるまでの間の時間が計算される(ステップS3)。これは、エンジン1のフリクションに関連するエンジン水温やクランキングするトルクに関連するキャパシタ31の出力電圧(電源電圧)などに基づいて求めることができる。
【0038】
さらに、気筒判別時のエンジン回転数(エンジン回転速度)を予測する(ステップS4)。これは、例えば所定の電圧でスタータ31を駆動した場合のエンジン回転数の上昇状態を予め求めておき、ステップS3で算出された時間後に到達するエンジン回転数を求めることによりおこなうことができる。そして、予測したエンジン回転数に基づいて燃料の噴射量や噴射時期(噴射タイミング)が決定される(ステップS5)。
【0039】
上記のステップS2ないしステップS5の演算および予測が、エンジン1を停止している間に実行され、ステップS5で得られた燃料噴射量や噴射時期が保持(記憶)される。そして、エコラン制御に基づくエンジン1の再始動の要求(ステップS6)があると、エンジン1をスタータ31でクランキングして所定角度回転した際に気筒が判別され、その判別結果に基づいて直ちに燃料が噴射される(ステップS7)。その燃料の噴射に関する制御量、すなわち噴射量や噴射時期などは、エンジン1の始動の前に既に求められているので、気筒の判別がおこなわれると、その直後の所定時期に燃料が噴射される。すなわち燃料の噴射に遅れが生じることがない。
【0040】
これを図に基づいて説明すると、図2において、#1シリンダ2の圧縮上死点を90°CA程度過ぎた状態でエンジン1が停止しており、その状態からクランキングすることにより、#4シリンダ5の圧縮上死点に対して90°CA前の角度位置で気筒が判別される。その直後の90°CA後に#4シリンダ5が圧縮上死点に達するので、この発明の制御装置によれば、その#4シリンダ5に対して燃料の噴射を開始することができる。燃料の噴射に関する制御量を既に求めてあるからである。
【0041】
これに対して気筒の判別後に燃料の噴射に関する制御量を演算する従来の装置では、気筒判別後の90°CAの間の短時間の間に燃料の噴射に関する制御量を演算したり、インジェクタ6,7,8,9を制御したりすることができず、その結果、最も早く燃料を噴射するとしても、更に180°CA回転した後の#2シリンダ3の圧縮上死点まで待たなくてはならない。すなわち燃料噴射の時間的な遅れが生じる。
【0042】
なお、上記のステップS1で否定的に判断された場合には、イグニッションスイッチ(図示せず)がオン操作されることに基づく通常のエンジン始動制御が実行される(ステップS8)。
【0043】
ここで上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図1に示すステップS4の機能的手段が、この発明の予測手段に相当し、またステップS5の機能的手段が、この発明の演算手段に相当する。
【0044】
なお、この発明は上記の具体例に限定されないのであり、内燃機関を始動するスタータは、発電機を兼ねたものであっもよく、また電源は上記のキャパシタに替えて二次電池を用いてもよい。さらに、エンジンの回転角度位置を検出し、また気筒判別をおこなうためのセンサは、上記のクランク角度センサやクランク角度基準位置センサに限られないので、適宜のセンサおよびそのセンサに基づく制御装置によって回転角度位置を検出し、かつ気筒を判別するように構成してもよい。
【0045】
また、上記の具体例では、気筒判別をおこなう時点のエンジンの動作状態を予測する例を挙げたが、この発明は、要は、気筒判別の直後に燃料の供給制御を適正におこなうようにエンジンの動作状態を予測する発明であり、したがって気筒判別直後にいずれかの気筒で圧縮上死点に達する時点の内燃機関の動作状態を予測することとしてもよい。さらに、上記の具体例では、予測のためのデータとして電源電圧およびおよびエンジン水温とを挙げたが、これら以外のデータを採用してもよく、またそれらのデータに関連する値を採用して間接的に電源電圧やエンジン水温を制御に採る込むこととしてもよい。そしてまた、燃料の供給に関連する制御量は、燃料噴射量および燃料噴射時期以外の制御量を含んでいてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明あるいは請求項2の発明もしくは請求項5の発明によれば、始動のために内燃機関を回転させ、かつ燃料を供給する場合、その燃料の供給に関連する制御量が、内燃機関の回転速度などの動作状態を予測した結果に基づいて、停止要求により内燃機関が停止させられている間に演算されるので、始動後、燃料を供給すべき時点になると、直ちに燃料を供給することができる。言い換えれば、燃料の供給に関連する制御量を得られないことによる実質的な始動の遅延を防止でき、内燃機関を迅速に始動することが可能になる。
【0047】
また、請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明で得られる効果に加えて、始動のために内燃機関を回転させる電動機のトルクなど、内燃機関の挙動に影響するデータを前記予測に反映させることになるので、予測の精度を向上させることができ、その結果、内燃機関の始動を迅速かつ確実におこなうことができる。
【0048】
そして、請求項4の発明によれば、内燃機関の温度を前記予測に反映させることになるので、気筒判別時あるいは燃料噴射時の内燃機関の動作状態の予測精度が向上し、内燃機関の始動を迅速かつ確実におこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置で実行される制御例を説明するためのフローチャートである。
【図2】 始動後の燃料の噴射タイミングのこの発明による例と従来例とを示すタイムチャートである。
【図3】 この発明で対象とする内燃機関の制御系統を模式的に示すブロック図である。
【図4】 燃料ポンプの一例を模式的に示す図である。
【図5】 クランク角度センサの一例を示す模式図である。
【図6】 クランク角度基準位置センサの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2,3,4,5…シリンダ、 30…スタータ、 31…キャパシタ、 33…エンジン用電子制御装置(E−ECU)、 34…エコラン用電子制御装置(ECO−ECU)、 36…クランク角度センサ、 37…クランク角度基準位置センサ。

Claims (5)

  1. 停止状態から回転させた際の回転角度位置から気筒を判別するとともに、その判別結果に基づいて気筒毎の燃料の供給を制御する内燃機関の始動制御装置において
    停止条件が成立して前記内燃機関の停止要求が出力されることにより前記内燃機関が停止させられている間に、その内燃機関の停止している回転角度位置から所定の気筒に対して燃料を供給する回転角度位置まで回転させた際の動作状態を予測する予測手段と、
    その予測手段による予測結果に基づいて前記気筒に対する燃料の供給のための制御量を前記停止条件が成立して前記内燃機関の停止要求が出力されることにより前記内燃機関が停止させられている間に演算する演算手段と
    を備えていることを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  2. 前記予測手段は、停止している回転角度位置から気筒判別のおこなわれる回転角度位置まで始動のために回転させた際の回転速度を予測する手段であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の始動制御装置。
  3. 始動のために前記内燃機関を回転させる電動機と、
    その電動機に電力を供給する電源とを更に備え、
    前記予測手段は、その電源の電圧もしくは電圧に関連する検出値に基づいて予測をおこなうように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の始動制御装置。
  4. 前記予測のために使用する検出値には、前記内燃機関の温度もしくはその温度に関連する検出値が含まれていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関の始動制御装置。
  5. 前記内燃機関の停止している回転角度位置は、前記停止要求が出力されて前記内燃機関が停止させられる制御によって決められた特定の角度であることを特徴とする請求項1ないし4のいずかに記載の内燃機関の始動制御装置。
JP2002061024A 2002-03-06 2002-03-06 内燃機関の始動制御装置 Expired - Fee Related JP4106930B2 (ja)

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