以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るCMOSデバイスの平面図である。図2は、図1に示したCMOSデバイスのII−II線に沿った断面図である。
基板1の上には、埋め込み絶縁層2が設けられている。基板1は、例えばSiにより構成される。埋め込み絶縁層2は、例えばSiO2により構成される。埋め込み絶縁層2の上には、素子が形成される活性層3(例えば、Si層)が設けられている。このようにして、SOI(Silicon On Insulator)基板が構成されている。このSOI基板は、例えばSIMOX(Separation by Implanted OXygen)により形成される。
SOI基板のSi層3には、埋め込み絶縁層2に達するようにトレンチが形成され、このトレンチ内に絶縁体材料として例えばSiO2を埋め込んで素子分離領域5が設けられている。これにより、素子分離領域5の内側に素子領域4が形成されている。
素子領域4の中央部には、NMOSトランジスタが形成される領域であるP型半導体領域6が設けられている。P型半導体領域6は、低濃度のP型不純物を拡散して形成される。P型半導体領域6の上には、複数のゲート絶縁膜9が設けられている。ゲート絶縁膜9は、例えばSiO2により構成される。各ゲート絶縁膜9の上には、夫々ゲート電極10が設けられている。ゲート電極10は、例えばポリシリコンにより構成される。
素子領域4内においてL方向(上記ゲート電極10を有するトランジスタが形成された場合のチャネル長(L)方向)に沿ったP型半導体領域6両側には、PMOSトランジスタが形成される領域であるN型半導体領域7及びN型半導体領域8が夫々設けられている。N型半導体領域7及びN型半導体領域8は、低濃度のN型不純物を拡散して形成される。N型半導体領域7の上には、ゲート絶縁膜9を介して複数のゲート電極11が設けられている。N型半導体領域7上のゲート電極11は、P型半導体領域6上のゲート電極10と並行に配設される。具体的には、ゲート電極11は、ゲート電極10とチャネル長方向が同一になるように配設される。N型半導体領域8の上には、ゲート絶縁膜9を介して複数のゲート電極12が設けられている。N型半導体領域8上のゲート電極12は、P型半導体領域6上のゲート電極10と並行に配設される。
上記各ゲート電極10の両側には、夫々ソース及びドレインが形成される。これにより、P型半導体領域6には、複数のNMOSトランジスタが形成される。また、上記各ゲート電極11の両側には、夫々ソース及びドレインが形成される。これにより、N型半導体領域7には、複数のPMOSトランジスタが形成される。同様に、N型半導体領域8には、複数のPMOSトランジスタが形成される。これらのゲート電極は、どのように接続するかは任意である。つまり、ゲート電極は、任意にショートすることもできるし、別々の入力を接続することもできる。また、ソース/ドレインについても同様である。各半導体領域上のゲート電極の本数は、複数本の場合が示されているが、1本でもよい。
図1において、P型半導体領域6と、P型半導体領域6に形成されたNMOSトランジスタとを含むブロックをNブロックと称す。また、N型半導体領域7と、N型半導体領域7に形成されたPMOSトランジスタとを含むブロックをP1ブロックと称す。また、N型半導体領域8と、N型半導体領域8に形成されたPMOSトランジスタとを含むブロックをP2ブロックと称す。図1に示したCMOSデバイスは、中央部にNブロックが配設され、Nブロックに対してL方向両端に夫々P1ブロック及びP2ブロックが配設されている。このようにNブロックを挟んでP1ブロック及びP2ブロックが配設されたP1ブロック−Nブロック−P2ブロックのサンドイッチ構造になっているCMOSデバイスを、ベーシックセルと称す。
図3は、P型半導体領域6に1つのNMOSトランジスタ、N型半導体領域7及びP2ブロックに夫々1つのPMOSトランジスタが形成された場合のCMOSデバイスの平面図である。図4は、図3に示したCMOSデバイスのIV−IV線に沿った断面図である。
ゲート電極10両側のP型半導体領域6内のゲート電極10両側には、夫々N型不純物の濃度が高いn+拡散層(すなわち、ソース及びドレイン)が設けられている。このようにして、P型半導体領域6には、NMOSトランジスタが形成される。また、ゲート電極11両側のN型半導体領域7内には、夫々P型不純物濃度が高いp+拡散層(すなわち、ソース及びドレイン)が設けられている。同様に、ゲート電極12両側のN型半導体領域8内には、p+拡散層(すなわち、ソース及びドレイン)が設けられている。このようにして、N型半導体領域7及びN型半導体領域8には、夫々PMOSトランジスタが形成される。
図4に示すように、隣接するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタとのソース/ドレインは、素子分離領域等を用いて電気的に絶縁されていない。また隣接するNMOSトランジスタとPMOSトランジスタとのソース/ドレインは、PNジャンクションが形成され、接合している拡散層は同電位となっている。
このように構成されたCMOSデバイスは、NMOSトランジスタを素子領域4中央部に備えている。また、PMOSトランジスタを素子領域4の端近辺に備えている。すなわち、素子分離領域に基づく圧縮ストレスが生じていない素子領域にNMOSトランジスタを形成し、素子分離領域に基づく圧縮ストレスが生じている素子領域にPMOSトランジスタを形成することができる。
したがって本実施形態によれば、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのキャリア移動度を向上させることができる。この結果、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの性能を向上させることができるため、より性能の良いCMOSデバイスを構成することができる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係るインバータ回路の平面図である。図6は、図5に示したインバータ回路のVI−VI線に沿った断面図である。図7は、図5に示したインバータ回路の等価回路図である。なお、図5において、各配線は簡略化して示している。
P型半導体領域6の上には、ゲート絶縁膜9を介してゲート電極GN1,GN2が設けられている。N型半導体領域7の上には、ゲート絶縁膜9を介してゲート電極GP1が設けられている。N型半導体領域8には、ゲート絶縁膜9を介してゲート電極GP2が設けられている。
P型半導体領域6には、ゲート電極GN1を有するNMOSトランジスタNM1と、ゲート電極GN2を有するNMOSトランジスタNM2とが設けられている。またN型半導体領域7には、ゲート電極GP1を有するPMOSトランジスタPM1が設けられている。N型半導体領域8には、ゲート電極GP2を有するPMOSトランジスタPM2が設けられている。
具体的には、ゲート電極GN1両側のP型半導体領域6内には、n+拡散層DN1(ドレイン)とn+拡散層DN2(ソース)とが設けられている。ゲート電極GN2両側のP型半導体領域6内には、上記n+拡散層DN2(ソース)とn+拡散層DN3(ドレイン)とが設けられている。すなわち、NM1のソースと、NM2のソースとは、共通の拡散層により構成されている。ゲート電極GP1両側のN型半導体領域7内には、p+拡散層DP1(ソース)とp+拡散層DP2(ドレイン)とが設けられている。ゲート電極GP2両側のN型半導体領域8内には、p+拡散層DP3(ドレイン)とp+拡散層DP4(ソース)とが設けられている。
ゲート電極GN1,GN2,GP1,GP2は、入力部INに接続されている。p+拡散層DP1は、配線M1を介して電源電圧Vddに接続されている。p+拡散層DP2とn+拡散層DN1とは、配線M2を介して出力部OUTに接続されている。n+拡散層DN2は、配線M3を介して接地電圧gndに接続されている。n+拡散層DN3とp+拡散層DP3とは、配線M4を介して出力部OUTに接続されている。p+拡散層DP4は、配線M5を介して電源電圧Vddに接続されている。
このように構成されたCMOSデバイスでは、NM1とNM2とで1つのNMOSトランジスタNMT1を構成している。また、PM1とPM2とで1つのPMOSトランジスタPMT1を構成している。結果として、図7に示すように、NMT1とPMT1とでインバータ回路が構成されている。
以上詳述したように本実施形態では、NMOSトランジスタNMT1とPMOSトランジスタPMT1とでインバータ回路を構成する際に、NMOSトランジスタNMT1のゲート電極を2本に分割してP型半導体領域6に配置する。さらに、PMOSトランジスタPMT1のゲート電極を2本に分割し、夫々N型半導体領域7とN型半導体領域8に配置するようにしている。
したがって本実施形態によれば、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのキャリア移動度を向上させることができる。この結果、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの性能を向上させることができるため、より性能の良いインバータ回路を構成することができる。
また、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタを中央の線に対して対称に配置することができるので、性能ばらつきの少ないCMOSデバイスを形成することができる。
なお、P型半導体領域6に配置されるNMOSトランジスタNMT1のゲート電極の本数は、隣接する2本以上の偶数であればよい。
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態に係る2入力NAND回路の平面図である。図9は、図8に示した2入力NAND回路のIX−IX線に沿った断面図である。図10は、図8に示した2入力NAND回路の等価回路図である。なお、図8において、各配線は簡略化して示している。
P型半導体領域6の上には、ゲート絶縁膜9を介してゲート電極GN1,GN2,GN3,GN4が設けられている。N型半導体領域7の上には、ゲート絶縁膜9を介してゲート電極GP1が設けられている。N型半導体領域8には、ゲート絶縁膜9を介してゲート電極GP2が設けられている。
P型半導体領域6には、ゲート電極GN1を有するNMOSトランジスタNM1と、ゲート電極GN2を有するNMOSトランジスタNM2と、ゲート電極GN3を有するNMOSトランジスタNM3と、ゲート電極GN4を有するNMOSトランジスタNM4とが設けられている。またN型半導体領域7には、ゲート電極GP1を有するPMOSトランジスタPM1が設けられている。N型半導体領域8には、ゲート電極GP2を有するPMOSトランジスタPM2が設けられている。
具体的には、ゲート電極GN1両側のP型半導体領域6内には、n+拡散層DN1(ドレイン)とn+拡散層DN2(ソース)とが設けられている。ゲート電極GN2両側のP型半導体領域6内には、上記n+拡散層DN2(ドレイン)とn+拡散層DN3(ソース)とが設けられている。すなわち、NM1のソースと、NM2のドレインとは、共通の拡散層により構成されている。ゲート電極GN3両側のP型半導体領域6内には、上記n+拡散層DN3(ソース)とn+拡散層DN4(ドレイン)とが設けられている。すなわち、NM2のソースと、NM3のソースとは、共通の拡散層により構成されている。ゲート電極GN4両側のP型半導体領域6内には、上記n+拡散層DN4(ソース)とn+拡散層DN5(ドレイン)とが設けられている。すなわち、NM3のドレインと、NM4のソースとは、共通の拡散層により構成されている。
ゲート電極GP1両側のN型半導体領域7内には、p+拡散層DP1(ソース)とp+拡散層DP2(ドレイン)とが設けられている。ゲート電極GP2両側のN型半導体領域8内には、p+拡散層DP3(ドレイン)とp+拡散層DP4(ソース)とが設けられている。
ゲート電極GN1,GN4,GP1は、入力部Aに接続されている。ゲート電極GN2,GN3,GP2は、入力部Bに接続されている。
p+拡散層DP1は、配線M1を介して電源電圧Vddに接続されている。p+拡散層DP2とn+拡散層DN1とは、配線M2を介して出力部OUTに接続されている。n+拡散層DN2は、配線M3を介してノードN1に接続されている。n+拡散層DN3は、配線M4を介して接地電圧gndに接続されている。n+拡散層DN4は、配線M5を介してノードN1に接続されている。n+拡散層DN5とp+拡散層DP3とは、配線M6を介して出力部OUTに接続されている。p+拡散層DP4は、配線M7を介して電源電圧Vddに接続されている。
このように構成されたCMOSデバイスでは、NM1とNM4とで1つのNMOSトランジスタNMT1を構成し、NM2とNM3とで1つのNMOSトランジスタNMT2を構成している。結果として、図10に示すように、NMT1、NMT2、PM1及びPM2で2入力NAND回路が構成されている。
以上詳述したように本実施形態では、NMT1、NMT2、PM1及びPM2で2入力NAND回路を構成する際に、NMT1のゲート電極を2本に分割してP型半導体領域6上のL方向両側に配置する。また、NMT2のゲート電極を2本に分割し、2本のNMT1のゲート電極の間に配置する。さらに、PM1とPM2とを、夫々N型半導体領域7とN型半導体領域8とに配置するようにしている。
したがって本実施形態によれば、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのキャリア移動度を向上させることができる。この結果、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの性能を向上させることができるため、より性能の良い2入力NAND回路を構成することができる。
なお、P型半導体領域6に配置されるNMOSトランジスタのゲート電極の本数は、隣接する4本以上の偶数であればよい。
次に、他の2入力NAND回路の構成について説明する。図11は、他の2入力NAND回路の平面図である。図12は、図11に示した2入力NAND回路の等価回路図である。なお、図11に示した2入力NAND回路の断面図は、図9において配線が異なるだけで、構造は同じであるため図面は省略する。
図11に示した2入力NAND回路は、2つの入力部A,Bに対して形状依存によるばらつきがおきないように、NMOSトランジスタをL方向の素子領域4端から対称に配置したものである。
等価回路図に示すように、直列に接続されたNM1及びNM2と、直列に接続されたNM3及びNM4とを並列に接続することにより、入力部A及びBに対して対称となるようにゲート電極を配置している。つまり、入力部Aに接続されるNMOSトランジスタは、図11の左端から数えて2本目と右端から数えて3本目のゲート電極を有しており、一方入力部Bに接続されるNMOSトランジスタは、図11の左端から数えて3本目と右端から数えて2本目のゲート電極を有している。このため、NMOSトランジスタの素子領域4両端からの位置を入力部AとBとに対して対称にすることができる。
よって、図8に示した2入力NAND回路の効果に加え、入力信号によるばらつきのない2入力NAND回路を実現できる。
(第4の実施形態)
図13は、本発明の第4の実施形態に係る2入力NOR回路の平面図である。図14は、図13に示した2入力NOR回路のXIV−XIV線に沿った断面図である。図15は、図13に示した2入力NOR回路の等価回路図である。なお、図13において、各配線は簡略化して示している。
P型半導体領域6の上には、ゲート絶縁膜9を介してゲート電極GN1,GN2が設けられている。N型半導体領域7の上には、ゲート絶縁膜9を介してゲート電極GP1,GP2が設けられている。N型半導体領域8には、ゲート絶縁膜9を介してゲート電極GP3,GP4が設けられている。
P型半導体領域6には、ゲート電極GN1を有するNMOSトランジスタNM1と、ゲート電極GN2を有するNMOSトランジスタNM2とが設けられている。またN型半導体領域7には、ゲート電極GP1を有するPMOSトランジスタPM1と、ゲート電極GP2を有するPMOSトランジスタPM2とが設けられている。N型半導体領域8には、ゲート電極GP3を有するPMOSトランジスタPM3と、ゲート電極GP4を有するPMOSトランジスタPM4とが設けられている。
具体的には、ゲート電極GN1両側のP型半導体領域6内には、n+拡散層DN1(ドレイン)とn+拡散層DN2(ソース)とが設けられている。ゲート電極GN2両側のP型半導体領域6内には、上記n+拡散層DN2(ソース)とn+拡散層DN3(ドレイン)とが設けられている。すなわち、NM1のソースと、NM2のソースとは、共通の拡散層により構成されている。
ゲート電極GP1両側のN型半導体領域7内には、p+拡散層DP1(ソース)とp+拡散層DP2(ドレイン)とが設けられている。ゲート電極GP2両側のN型半導体領域8内には、上記p+拡散層DP2(ソース)とp+拡散層DP3(ドレイン)とが設けられている。すなわち、PM1のドレインと、PM2のソースとは、共通の拡散層により構成されている。ゲート電極GP3両側のN型半導体領域8内には、p+拡散層DP4(ドレイン)とp+拡散層DP5(ソース)とが設けられている。ゲート電極GP4両側のN型半導体領域8内には、上記p+拡散層DP5(ドレイン)とp+拡散層DP6(ソース)とが設けられている。すなわち、PM3のソースと、PM4のドレインとは、共通の拡散層により構成されている
ゲート電極GN2,GP1,GP4は、入力部Aに接続されている。ゲート電極GN1,GP2,GP3は、入力部Bに接続されている。
p+拡散層DP1は、配線M1を介して電源電圧Vddに接続されている。p+拡散層DP2は、配線M2を介してノードN1に接続されている。p+拡散層DP3とn+拡散層DN1とは、配線M3を介して出力部OUTに接続されている。n+拡散層DN2は、配線M4を介して接地電圧gndに接続されている。n+拡散層DN3とp+拡散層DP4とは、配線M5を介して出力部OUTに接続されている。p+拡散層DP5は、配線M6を介してノードN1に接続されている。p+拡散層DP6は、配線M7を介して電源電圧Vddに接続されている。
このように構成されたCMOSデバイスでは、PM1とPM4とで1つのPMOSトランジスタPMT1を構成し、PM2とPM3とで1つのPMOSトランジスタPMT2を構成している。結果として、図15に示すように、NM1、NM2、PMT1及びPMT2で2入力NOR回路が構成されている。
以上詳述したように本実施形態では、NM1、NM2、PMT1及びPMT2で2入力NOR回路を構成する際に、PMT1のゲート電極を2本に分割し、素子領域4端の夫々N型半導体領域7とN型半導体領域8とに配置する。また、PMT2のゲート電極を2本に分割し、夫々N型半導体領域7とN型半導体領域8とのP型半導体領域6側に配置する。さらに、NM1とNM2とをP型半導体領域6に配置するようにしている。
したがって本実施形態によれば、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのキャリア移動度を向上させることができる。この結果、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの性能を向上させることができるため、より性能の良い2入力NOR回路を構成することができる。
なお、P型半導体領域6に形成されるNMOSトランジスタは、2個以上の偶数(すなわち、ゲート電極が、隣接する2本以上の偶数)であればよい。またN型半導体領域7とN型半導体領域8とのうち少なくともいずれか一方に形成されるPMOSトランジスタは、2個以上(すなわち、ゲート電極が、隣接する2本以上)であればよい。
次に、他の2入力NOR回路の構成について説明する。図16は、他の2入力NOR回路の平面図である。図17は、図16に示した2入力NOR回路の等価回路図である。なお、図16に示した2入力NOR回路の断面図は、図14において配線が異なるだけで、構造は同じであるため図面は省略する。
図16に示した2入力NOR回路は、2つの入力部A,Bに対して形状依存によるばらつきがおきないように、PMOSトランジスタをL方向の素子領域4端から対称に配置したものである。
等価回路図に示すように、直列に接続されたPM1及びPM2と、直列に接続されたPM3及びPM4とを並列に接続することにより、入力部A及びBに対して対称となるようにゲート電極を配置している。つまり、入力部Aに接続されるPMOSトランジスタは、図16の左端から数えて1本目と右端から数えて2本目のゲート電極を有しており、一方入力部Bに接続されるPMOSトランジスタは、図16の左端から数えて2本目と右端から数えて1本目のゲート電極を有している。このため、PMOSトランジスタの素子領域4両端からの位置を入力部AとBとに対して対称にすることができる。
よって、図13に示した2入力NOR回路の効果に加え、入力信号によるばらつきのない2入力NOR回路を実現できる。
次に、さらに他の2入力NOR回路の構成について説明する。図18は、他の2入力NOR回路の平面図である。図19は、図18に示した2入力NOR回路のXIX−XIX線に沿った断面図である。
図18に示した2入力NOR回路は、図13に示した2入力NOR回路に比べてPMOSトランジスタが1つ少ない。すなわち、入力部Aに接続されるPMOSトランジスタをPM1により構成し、入力部Bに接続されるPMOSトランジスタをPM2とPM3とにより構成している。
図18に示した2入力NOR回路においても、図15に示した等価回路図と同じ回路を構成することができる。また、NMOSトランジスタを素子領域4中央に形成し、PMOSトランジスタを素子領域4端に形成することができる。よって、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの性能を向上させることができるため、より性能の良い2入力NOR回路を構成することができる。
また、図13に示した2入力NOR回路に比べてN型半導体領域8に形成するゲート電極を少なくすることができる。よって、2入力NOR回路をより簡単に構成することができる。
(第5の実施形態)
図20は、本発明の第5の実施形態に係る3入力NAND回路の平面図である。図21は、図20に示した3入力NAND回路のXXI−XXI線に沿った断面図である。図22は、図20に示した3入力NAND回路の等価回路図である。
P型半導体領域6の上には、ゲート絶縁膜9を介してゲート電極GN1,GN2,GN3,GN4,GN5,GN6が設けられている。N型半導体領域7の上には、ゲート絶縁膜9を介してゲート電極GP1,GP2,GP3が設けられている。N型半導体領域8には、ゲート絶縁膜9を介してゲート電極GP4,GP5,GP6が設けられている。
P型半導体領域6には、NMOSトランジスタNM1,NM2,NM3,NM4,NM5,NM6が設けられている。またN型半導体領域7には、PMOSトランジスタPM1,PM2,PM3が設けられている。N型半導体領域8には、PMOSトランジスタPM4,PM5,PM6が設けられている。
具体的には、ゲート電極GN1両側のP型半導体領域6内には、n+拡散層DN1(ドレイン)とn+拡散層DN2(ソース)とが設けられている。ゲート電極GN2両側のP型半導体領域6内には、上記n+拡散層DN2(ドレイン)とn+拡散層DN3(ソース)とが設けられている。すなわち、NM1のソースと、NM2のドレインとは、共通の拡散層により構成されている。ゲート電極GN3両側のP型半導体領域6内には、上記n+拡散層DN3(ドレイン)とn+拡散層DN4(ソース)とが設けられている。すなわち、NM2のソースと、NM3のドレインとは、共通の拡散層により構成されている。ゲート電極GN4両側のP型半導体領域6内には、上記n+拡散層DN4(ソース)とn+拡散層DN5(ドレイン)とが設けられている。すなわち、NM3のソースと、NM4のソースとは、共通の拡散層により構成されている。
ゲート電極GN5両側のP型半導体領域6内には、上記n+拡散層DN5(ソース)とn+拡散層DN6(ドレイン)とが設けられている。すなわち、NM4のドレインと、NM5のソースとは、共通の拡散層により構成されている。ゲート電極GN6両側のP型半導体領域6内には、上記n+拡散層DN6(ソース)とn+拡散層DN7(ドレイン)とが設けられている。すなわち、NM5のドレインと、NM6のソースとは、共通の拡散層により構成されている。
ゲート電極GP1両側のN型半導体領域7内には、p+拡散層DP1(ソース)とp+拡散層DP2(ドレイン)とが設けられている。ゲート電極GP2両側のN型半導体領域7内には、上記p+拡散層DP2(ドレイン)とp+拡散層DP3(ソース)とが設けられている。すなわち、PM1のドレインと、PM2のソースとは、共通の拡散層により構成されている。ゲート電極GP3両側のN型半導体領域7内には、上記p+拡散層DP3(ソース)とp+拡散層DP4(ドレイン)とが設けられている。すなわち、PM2のソースと、PM3のソースとは、共通の拡散層により構成されている。
ゲート電極GP4両側のN型半導体領域8内には、p+拡散層DP5(ドレイン)とp+拡散層DP6(ソース)とが設けられている。ゲート電極GP5両側のN型半導体領域8内には、上記p+拡散層DP6(ソース)とp+拡散層DP7(ドレイン)とが設けられている。すなわち、PM4のソースと、PM5のソースとは、共通の拡散層により構成されている。ゲート電極GP6両側のN型半導体領域8内には、上記p+拡散層DP7(ドレイン)とp+拡散層DP8(ソース)とが設けられている。すなわち、PM5のドレインと、PM6のドレインとは、共通の拡散層により構成されている。
ゲート電極GN1,GN6,GP3,GP4は、入力部Aに接続されている。ゲート電極GN2,GN5,GP2,GP5は、入力部Bに接続されている。ゲート電極GN3,GN4,GP1,GP6は、入力部Cに接続されている。
p+拡散層DP1は、配線M1を介して電源電圧Vddに接続されている。p+拡散層DP2は、配線M2を介して出力部OUTに接続されている。p+拡散層DP3は、配線M3を介して電源電圧Vddに接続されている。p+拡散層DP4とn+拡散層DN1とは、配線M4を介して出力部OUTに接続されている。n+拡散層DN2は、配線M5を介してノードN1に接続されている。n+拡散層DN3は、配線M6を介してノードN2に接続されている。n+拡散層DN4は、配線M7を介して接地電圧gndに接続されている。n+拡散層DN5は、配線M8を介してノードN2に接続されている。n+拡散層DN6は、配線M9を介してノードN1に接続されている。n+拡散層DN7とp+拡散層DP5とは、配線M10を介して出力部OUTに接続されている。p+拡散層DP6は、配線M11を介して電源電圧Vddに接続されている。p+拡散層DP7は、配線M12を介して出力部OUTに接続されている。p+拡散層DP8は、配線M13を介して電源電圧Vddに接続されている。
このように構成されたCMOSデバイスでは、NM1とNM6とで1つのNMOSトランジスタNMT1を構成し、NM2とNM5とで1つのNMOSトランジスタNMT2を構成し、NM3とNM4とで1つのNMOSトランジスタNMT3を構成している。また、PM3とPM4とで1つのPMOSトランジスタPMT1を構成し、PM2とPM5とで1つのPMOSトランジスタPMT2を構成し、PM1とPM6とで1つのPMOSトランジスタPMT3を構成している。結果として、図22に示すように、NMT1〜3及びPMT1〜3で3入力NAND回路が構成されている。
以上詳述したように本実施形態では、NMT1〜3及びPMT1〜3で3入力NAND回路を構成する際に、夫々のトランジスタのゲート電極を2本に分割して素子領域4に配置するようにしている。さらに、NMOSトランジスタを素子領域4中央部に配置し、PMOSトランジスタを素子領域4端に配置するようにしている。
したがって本実施形態によれば、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのキャリア移動度を向上させることができる。この結果、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの性能を向上させることができるため、より性能の良い3入力NAND回路を構成することができる。
なお、P型半導体領域6に形成されるNMOSトランジスタは、6個以上の偶数(すなわち、ゲート電極が、隣接する6本以上の偶数)であればよい。またN型半導体領域7とN型半導体領域8とのうち少なくともいずれか一方に形成されるPMOSトランジスタは、2個以上(すなわち、ゲート電極が、隣接する2本以上)であればよい。
次に、他の3入力NAND回路の構成について説明する。図23は、他の3入力NAND回路の平面図である。
図23に示した3入力NAND回路において、N型半導体領域7にはPMOSトランジスタPM1が設けられている。N型半導体領域8にはPMOSトランジスタPM2,PM3が設けられている。このようにして、図22の等価回路図に示す3入力NAND回路が構成されている。すなわち、図23に示した3入力NAND回路は、図20に示した3入力NAND回路と比較して、PMT1〜3のゲート電極を分割しないで3入力NAND回路を構成したものである。
このようにして3入力NAND回路を構成しても、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの性能を向上させることができる。また、ゲート電極の本数を少なくすることができる。
次に、さらに他の3入力NAND回路の構成について説明する。図24は、他の3入力NAND回路の平面図である。
図24において、N型半導体領域7にはPMOSトランジスタPM1が設けられている。N型半導体領域8にはPMOSトランジスタPM2が設けられている。さらに、SOI基板のSi層3には、素子領域13が形成されている。この素子領域13の周囲には、素子領域4と同様に素子分離領域5が形成されている。素子領域13には、低濃度のN型不純物が拡散されてN型半導体領域14が形成されている。
素子領域13上には、素子領域4上のゲート電極と並行にゲート電極GP3が設けられている。ゲート電極GP3両側のN型半導体領域14内には、夫々P型拡散層が形成され、ソース及びドレインが形成されている。このようにして、PMOSトランジスタPM3が形成されている。PMOSトランジスタPM3のゲート電極GP3は、入力部Cに接続されている。PMOSトランジスタPM3のソースは電源電圧Vddに接続されている。PMOSトランジスタPM3のドレインは出力部OUTに接続されている。
このようにして3入力NAND回路を構成してもNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの性能を向上させることができる。また、PMOSトランジスタを全て素子領域端に配置することができるため、PMOSトランジスタの性能をより向上させることができる。
(第6の実施形態)
図25は、本発明の第6の実施形態に係る3入力NOR回路の平面図である。図26は、図25に示した3入力NORの等価回路図である。なお、図25に示した3入力NORの断面図は、配線の接続以外は図21と同じであるため省略する。
P型半導体領域6には、NMOSトランジスタNM1,NM2,NM3,NM4,NM5,NM6が設けられている。またN型半導体領域7には、PMOSトランジスタPM1,PM2,PM3が設けられている。N型半導体領域8には、PMOSトランジスタPM4,PM5,PM6が設けられている。
ゲート電極GN3,GN4,GP1,GP6は、入力部Aに接続されている。ゲート電極GN2,GN5,GP2,GP5は、入力部Bに接続されている。ゲート電極GN1,GN6,GP3,GP4は、入力部Cに接続されている。
PM1のソースは、電源電圧Vddに接続されている。PM1のドレインとPM2のソースとは、ノードN1に接続されている。PM2のドレインとPM3のソースとは、ノードN2に接続されている。PM3のドレインとNM1のドレインとは、出力部OUTに接続されている。NM1のソースとNM2のソースとは、接地電圧gndに接続されている。NM2のドレインとNM3のドレインとは、出力部OUTに接続されている。NM3のソースとNM4のソースとは、接地電圧gndに接続されている。NM4のドレインとNM5のドレインとは、出力部OUTに接続されている。NM5のソースとNM6のソースとは、接地電圧gndに接続されている。NM6のドレインとPM4のドレインとは、出力部OUTに接続されている。PM4のソースとPM5のドレインとは、ノードN2に接続されている。PM5のソースとPM6のドレインとは、ノードN1に接続されている。PM6のソースは、電源電圧Vddに接続されている。
図26の等価回路において、PMT1は、PM1とPM6とにより構成されている。PMT2は、PM2とPM5とにより構成されている。PMT3は、PM3とPM4とにより構成されている。NMT1は、NM3とNM4とにより構成されている。NMT2は、NM2とNM5とにより構成されている。NMT3は、NM1とNM6とにより構成されている。このようにして、3入力NOR回路が構成されている。
以上詳述したように本実施形態では、NMT1〜3及びPMT1〜3で3入力NOR回路を構成する際に、夫々のトランジスタのゲート電極を2本に分割して素子領域4に配置するようにしている。さらに、NMOSトランジスタを素子領域4中央部に配置し、PMOSトランジスタを素子領域4端に配置するようにしている。
したがって本実施形態によれば、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのキャリア移動度を向上させることができる。この結果、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの性能を向上させることができるため、より性能の良い3入力NOR回路を構成することができる。
なお、P型半導体領域6に形成されるNMOSトランジスタは、6個以上の偶数(すなわち、ゲート電極が、隣接する6本以上の偶数)であればよい。またN型半導体領域7とN型半導体領域8とのうち少なくともいずれか一方に形成されるPMOSトランジスタは、3個以上(すなわち、ゲート電極が、隣接する3本以上)であればよい。
次に、他の3入力NOR回路の構成について説明する。図27は、他の3入力NOR回路の平面図である。
図27に示した3入力NOR回路は、図26の等価回路図において、PMT1のゲート電極を分割しないでPM1として3入力NOR回路を構成している。その他の構成は図25と同じである。
このようにして3入力NOR回路を構成しても、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの性能を向上させることができる。また、ゲート電極の本数を少なくすることができる。
また、N型半導体領域8に配設するゲート電極を1本にして3入力NOR回路を構成することも可能である。図28は、このように構成された3入力NOR回路の平面図である。
図28に示した3入力NOR回路は、図26の等価回路において、PMT1とPMT2とのゲート電極を分割しないで、夫々PM1とPM2として3入力NOR回路を構成している。その他の構成は図28と同じである。
このようにして3入力NOR回路を構成することで、さらにゲート電極の本数を少なくすることができる。またN型半導体領域8に形成されるPMOSトランジスタを素子領域4端のみに形成することができるため、PMOSトランジスタの性能をより向上することができる。
また、PM1を素子領域13に形成するようにしてもよい。図29は、このように構成された3入力NOR回路の平面図である。
このようにして3入力NOR回路を構成することで、素子領域の最も端に形成できるPMOSトランジスタを3つにすることができる。これにより、図28に示した3入力NOR回路に比べて、PMOSトランジスタの性能をより向上させることができる。
さらに、PM2を素子領域13に形成するようにしてもよい。図30は、このように構成された3入力NOR回路の平面図である。
このようにして3入力NOR回路を構成することで、全てのPMOSトランジスタを素子領域の最も端に形成することができる。これにより、図29に示した3入力NOR回路に比べて、PMOSトランジスタの性能をより向上させることができる。
(第7の実施形態)
図31は、本発明の第7の実施形態に係る2入力排他的論理和回路(以後、XOR回路と称す)の平面図である。図32は、図31に示した2入力XOR回路のXXXII−XXXII線に沿った断面図である。図33は、図31に示した2入力XOR回路の等価回路図である。
SOI基板のSi層3には、素子領域4と素子領域15とが設けられている。素子領域15は、素子領域4と同じように、P1ブロック−Nブロック−P2ブロックのサンドイッチ構造になっている。また、素子領域15には、P型半導体領域16と、N型半導体領域17,18が設けられている。
P型半導体領域6には、NMOSトランジスタNM1,NM2が設けられている。またN型半導体領域7には、PMOSトランジスタPM1,PM2が設けられている。N型半導体領域8には、PMOSトランジスタPM3,PM4が設けられている。
P型半導体領域16には、NMOSトランジスタNM3,NM4,NM5が設けられている。またN型半導体領域17には、PMOSトランジスタPM5,PM6が設けられている。N型半導体領域8には、PMOSトランジスタPM7,PM8が設けられている。
ゲート電極GN2,GN3,GP1,GP4,GP7は、入力部Aに接続されている。ゲート電極GN1,GN4,GP2,GP3,GP6は、入力部Bに接続されている。ゲート電極GN4,GP5,GP8は、接続部Cに接続されている。
PM1のソースは、電源電圧Vddに接続されている。PM1のドレインとPM2のソースとは、ノードN1に接続されている。PM2のドレインとNM1のドレインとは、接続部Cに接続されている。NM1のソースとNM2のソースとは、接地電圧gndに接続されている。NM2のドレインとPM3のドレインとは、接続部Cに接続されている。PM3のソースとPM4のドレインとは、ノードN1に接続されている。PM4のソースは、電源電圧Vddに接続されている。
PM5のソースは、電源電圧Vddに接続されている。PM5のドレインとPM6のソースとは、ノードN2に接続されている。PM6のドレインとNM3のドレインとは、出力部OUTに接続されている。NM3のソースとNM4のドレインとは、ノードN3に接続されている。NM4のソースとNM5のソースとは、接地電圧gndに接続されている。NM5のドレインとPM7のドレインとは、出力部OUTに接続されている。PM7のソースとPM8のドレインとは、ノードN2に接続されている。PM8のソースは、電源電圧Vddに接続されている。
図33の等価回路図において、PMT1は、PM1とPM4とにより構成されている。PMT2は、PM2とPM3とにより構成されている。PMT3は、PM5とPM8とにより構成されている。このようにして、2入力XOR回路が構成されている。
以上詳述したように本実施形態では、2入力XOR回路を構成する際に、PMT1〜3のゲート電極を夫々2本分割する。そして、NMOSトランジスタを素子領域の中央部に配置し、PMOSトランジスタを素子領域端に配置するようにしている。
したがって本実施形態によれば、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのキャリア移動度を向上させることができる。この結果、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの性能を向上させることができるため、より性能の良い2入力XOR回路を構成することができる。
また、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタを素子領域に対称性よく配置することができるため、性能ばらつきの少ないCMOSデバイスを形成することができる。
次に、他の2入力XOR回路の構成について説明する。図34は、他の2入力XOR回路の平面図である。
図34に示した2入力XOR回路は、図33の等価回路図で示したPMT3を、PM5のみで構成したものである。その他の構成は、図31と同じである。
このようにして2入力XOR回路を構成しても、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの性能を向上させることができる。また、ゲート電極の本数を少なくすることができる。上記説明した2つの2入力XOR回路は、基板面積や必要な性能等により、使い分けて用いることが可能である。
(第8の実施形態)
第8の実施形態は、上記説明した各回路を用いてAND−NOR回路を構成したものである。図35は、本発明の第8の実施形態に係るAND−NOR回路の回路図である。
2つのAND回路には、夫々入力部A,Bと入力部D,Eとが接続されている。各AND回路の出力は、NOR回路に入力されている。このようにして、4入力のAND−NOR回路が構成されている。
図36は、AND回路をNAND回路とインバータ回路とで置き換えたAND−NOR回路の回路図である。図36に示すように、AND回路をNAND回路とインバータ回路とで置き換えることで、図35に示したAND−NOR回路を構成することができる。また、ノード/N1及び/N2は、夫々ノードN1及びN2の反転のデータが入力されるノードを表している。
図37は、図36に示したAND−NOR回路のレイアウト図である。図37に示したNAND回路、インバータ回路及びNOR回路は、上記実施形態で示した回路を表している。電源電圧Vddの供給ライン及び接地電圧gndの供給ラインは、レイアウトを説明するために示しており、各回路への配線は省略している。
図37に示すように、上記実施形態で示したNAND回路、インバータ回路及びNOR回路を組み合わせることで、AND−NOR回路を構成することができる。また、NAND回路、インバータ回路及びNOR回路は、上記実施形態で説明したようにNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの性能を向上させるよう配置して構成されている。したがって、これらを用いたAND−NOR回路においても、性能がよく、且つ性能バラツキの少ない回路を構成することができる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態は、上記実施形態で説明したベーシックセルを複数個備えて半導体集積回路を構成したものである。図38は、この半導体集積回路のレイアウト図である。
半導体集積回路は、機能ブロックと、外部回路との接続を行うパッドと、複数のスタンダードセルとを備えている。機能ブロック、パッド及びスタンダードセルとの間には、配線(図示せず)が設けられている。スタンダードセルは、複数のベーシックセルBCを備えている。このベーシックセルBCは、上記実施形態で示したインバータ回路、NAND回路、NOR回路及びXOR回路から任意に選択して搭載することができる。各スタンダードセルは同一の回路を備えている必要はなく、各スタンダードセルで異なる回路からなるベーシックセルBCを備えていてもよい。また、1つのスタンダードセルが備えるベーシックセルBCの個数は、任意に設定可能である。なお、各ベーシックセルBCは、素子分離領域(図示せず)により電気的に分離されている。
このように、各ベーシックセルを用いて簡単に半導体集積回路を構成することができる。これにより、性能が良く、且つ性能バラツキの少ない大規模な集積回路を構成することができる。また、セルベースASIC(Application Specific Integrated Circuit)に適用することも可能である。
(第10の実施形態)
第10の実施形態は、素子領域をドーナツ形状にし、ゲート電極を素子領域の中心から放射状に配置してCMOSデバイスを構成したものである。図39は、本発明の第10の実施形態に係るCMOSデバイスの平面図である。
SOI基板のSi層3には、ドーナツ形状を有する素子領域19が設けられている。素子領域19の中央部と素子領域19の外周の外側とには素子分離領域5が設けられている。素子領域19の上には、素子領域19の中心から放射状にゲート絶縁膜9を介して複数のゲート電極20が配設されている。このゲート電極20は、素子領域19の中心で接続されている。
図40は、図39に示したCMOSデバイスを用いて構成したNMOSトランジスタの平面図である。図41は、図40に示したNMOSトランジスタの等価回路図である。素子領域19には、低濃度のP型不純物が拡散されてP型半導体領域21が形成されている。各ゲート電極20の間のP型半導体領域21には、夫々n+拡散層が形成されている。複数のn+拡散層には、交互にノードN1とN2とが接続されている。ゲート電極20には、入力部INが接続されている。このようにして、図41に示したNMOSトランジスタが形成されている。なお、不純物の導電型を変えることでPMOSトランジスタについても同様に形成することができる。
また、図39に示したCMOSデバイスを用いてインバータ回路を構成することも可能である。図42は、図39に示したCMOSデバイスを用いて構成したインバータ回路の平面図である。インバータ回路の等価回路図は、図7と同じである。
素子領域19の中心線から半分の領域には、低濃度のN型不純物が拡散されてN型半導体領域22が形成されている。素子領域19の他の半分の領域には、低濃度のP型不純物が拡散されてP型半導体領域23が形成されている。N型半導体領域22には、PMOSトランジスタPM1〜PM4が形成されている。また、PMOSトランジスタPM1〜PM4の隣接するソース/ドレインは、同一のp+拡散層に形成されている。P型半導体領域23には、NMOSトランジスタNM1〜NM4が形成されている。また、NMOSトランジスタNM1〜NM4の隣接するソース/ドレインは、同一のn+拡散層に形成されている。
このように、ドーナツ形状の素子領域19に、放射状のゲート電極20を配設しているため、チャネル幅方向と平行な素子領域端が存在しない。ゆえに、各ゲート電極を素子領域端から等距離にすることができる。よって、素子領域19にトランジスタ或いはインバータ回路を形成することで、PMOSトランジスタ同志及びNMOSトランジスタ同志の性能ばらつきを低減することができる。これにより、性能が安定したトランジスタ及びインバータ回路を形成することができる。
また、素子領域の形状は、四角形であってもよい。図43は、四角形の素子領域24を有するCMOSデバイスの平面図である。素子領域24にトランジスタ或いはインバータ回路を形成しても同様の効果を得ることができる。
また、ゲート電極20は、中央部で接続されていなくてもよい。図44は、図39に示したCMOSデバイスにおいてゲート電極が中央部で接続されていない場合のCMOSデバイスを示す平面図である。素子領域19の上には、素子領域19の中心から放射状にゲート絶縁膜9を介して複数のゲート電極25が配設されている。このゲート電極25は、素子領域19の中心で接続されていない。このように構成されたCMOSデバイスにおいても、各ゲート電極を素子領域端から等距離にすることができる。
図45は、図44に示したCMOSデバイスを用いて構成した2入力NAND回路の平面図である。2入力NAND回路の等価回路図は、図10と同じである。
素子領域19の中心線から半分の領域には、低濃度のN型不純物が拡散されてN型半導体領域22が形成されている。素子領域19の他の半分の領域には、低濃度のP型不純物が拡散されてP型半導体領域23が形成されている。N型半導体領域22には、PMOSトランジスタPM1〜PM4が形成されている。また、PMOSトランジスタPM1〜PM4の隣接するソース/ドレインは、同一のp+拡散層に形成されている。P型半導体領域23には、NMOSトランジスタNM1〜NM4が形成されている。また、NMOSトランジスタNM1〜NM4の隣接するソース/ドレインは、同一のn+拡散層に形成されている。
このようにして2入力NAND回路を形成することで、PMOSトランジスタ同志及びNMOSトランジスタ同志の性能ばらつきを低減することができる。これにより、性能が安定した2入力NAND回路を形成することができる。
また、素子領域の形状は、四角形であってもよい。図46は、四角形の素子領域24を有するCMOSデバイスの平面図である。素子領域24に2入力NAND回路を形成しても同様の効果を得ることができる。
(第11の実施形態)
第11の実施形態は、素子領域を円にしてCMOSデバイスを構成したものである。図47は、四角形の素子領域24を有するCMOSデバイスの平面図である。
SOI基板のSi層3には、円形状を有する素子領域26が設けられている。素子領域26の周囲には素子分離領域5が設けられている。素子領域26の上の中央部には、ゲート電極27が配設されている。このゲート電極27は、NMOSトランジスタに用いられる。素子領域26の上の端付近には、ゲート電極28が配設されている。このゲート電極28は、PMOSトランジスタに用いられる。
このように、円形状を有する素子領域26の端にPMOSトランジスタを形成し、素子領域26の中央部にNMOSトランジスタを形成することで、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのキャリア移動度を向上させることができる。この結果、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの性能を向上させることができる
図48は、図47に示したCMOSデバイスを用いて構成したインバータ回路を示す平面図である。インバータ回路の等価回路図は、図7と同じである。
素子領域26の中央部には、低濃度のP型不純物が拡散されてP型半導体領域29が形成されている。素子領域26のP型半導体領域29外側には、低濃度のN型不純物が拡散されてN型半導体領域30が形成されている。
P型半導体領域29の上には、ゲート絶縁膜9を介して円形のゲート電極27が設けられている。ゲート電極28両側のP型半導体領域29には、夫々n+拡散層が形成されてソース及びドレインが形成されている。N型半導体領域30の上には、ゲート絶縁膜9を介して円形のゲート電極28が設けられている。ゲート電極28両側のP型半導体領域29には、夫々p+拡散層が形成されてソース及びドレインが形成されている。
このように構成されたインバータ回路において、インバータ回路を構成するNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのキャリア移動度を向上させることができる。この結果、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタの性能を向上させることができるため、より性能の良いインバータ回路を構成することができる。
また、素子領域の形状は、四角形であってもよい。図49は、四角形の素子領域31を有するCMOSデバイスの平面図である。素子領域31の上には、四角形のゲート電極32,33が配設されている。素子領域31にインバータ回路を形成しても同様の効果を得ることができる。
また、ゲート電極は完全な円である必要は無く、一部が切断されていてもよい。
また上記各実施形態において、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのゲート幅Wは等しい大きさで描かれているが、必ずしも等しい大きさである必要はない。また、素子領域の大きさや形状を部分的に変えることで、トランジスタ毎にゲート幅Wを変えても本発明の効果は全く変わらない。
この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形して実施可能である。なお、課題を解決するための手段に記載される第1の視点の半導体装置は、下記のように構成することができる。
(1)第1の視点の半導体装置において、
前記第1N型MOSトランジスタは、4つ以上の偶数からなり、
前記第1N型MOSトランジスタ、第1P型MOSトランジスタ及び第2P型MOSトランジスタは、2入力NAND回路を構成する。
(2)第1の視点の半導体装置において、
前記第1N型MOSトランジスタは、2つからなり、
前記第1P型MOSトランジスタは、2つからなり、
前記第2P型MOSトランジスタは、2つからなり、
前記第1N型MOSトランジスタ、第1P型MOSトランジスタ及び第2P型MOSトランジスタは、2入力NOR回路を構成する。
(3)第1の視点の半導体装置において、
前記第1N型MOSトランジスタは、2つ以上の偶数からなり、
前記第1P型MOSトランジスタと第2P型MOSトランジスタのうち少なくとも一方は、2つ以上からなり、
前記第1N型MOSトランジスタ、第1P型MOSトランジスタ及び第2P型MOSトランジスタは、2入力NOR回路を構成する。
NM1〜6…NMOSトランジスタ、PM1〜8…PMOSトランジスタ、NMT1〜3…NMOSトランジスタ、PMT1〜3…PMOSトランジスタ、IN,A,B,D,E…入力部、C…接続部、OUT…出力部、Vdd…電源電圧、gnd…接地電圧、M1〜M15…配線、N1,N2,N3…ノード、BC…ベーシックセル、GN1〜6,GP1〜8…ゲート電極、DN1〜7…n+拡散層、DP1〜8…p+拡散層、1…基板、2…埋め込み絶縁層、3…活性層、4,13,15,19,24,26,31,34,35…素子領域、5,36…素子分離領域、6,16,21,23,29…P型半導体領域、7,8,14,17,18,22,30…N型半導体領域、9…ゲート絶縁膜、10,11,12,20,25,27,28,32,33,37,38…ゲート電極。