JP4095144B2 - 電池用電極の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池用電極の製造方法に関し、特に、非水電解質電池用電極の製造方法であって、電極活物質層を電極集電体の両面に強固に設けることができる電池用電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
リチウムイオン二次電池の電極は、電極集電体の両面に電極活物質を含む塗料をそれぞれ塗布し、乾燥することによって形成されている。特に、負極形成のための塗料は、負極活物質及びバインダーを含有し、この負極活物質は、破壊されない範囲で適度に分散されている。負極形成のための塗料は、最初に金属箔の電極集電体の片面に塗布され、乾燥された後、裏面(もう一方の面)に同様に塗布され、乾燥される。これによって、電極集電体の両面に電極活物質層が形成される。このように電極集電体の両面に電極活物質層が形成された電池用電極は、その後、必要に応じてプレス加工を施され、所定の寸法に切断されて使用される。
【0003】
従来より、このようにして電極集電体としての金属箔の上に、負極形成のための塗膜を形成した場合、金属箔と電極活物質層との接着性が悪く、電極活物質層が剥離することがあるという問題が生じていた。
【0004】
このような問題を解決するために、電極塗料中の樹脂分を多くする方法や、酸を添加するなどの方法が提案されている。また、特開平2−68855号公報には、塗料中に酸を添加することにより、電極集電体と塗設された電極活物質層との密着性が向上する旨が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、予め塗料中に酸を添加して用いた場合、適度な乾燥条件を与えて塗膜を乾燥させないと、密着性の向上が図れない場合ある。
【0006】
また、最初に電極活物質層を形成した電極集電体の片面(以下、「A面」と記す)に比べて、後から電極活物質層を形成する電極集電体の裏面(以下、「B面」と記す)では、電極活物質層の電極集電体に対する接着性が著しく低下してしまうことがある。従って、このようにして製造した電極では、電極活物質層の剥離、特に、電極集電体の裏面(B面)からの剥離が起こりやすいという問題があった。電極活物質層の剥離が起こると、これを使用する電池の容量が低下したり、剥離した電極活物質層がセパレータと、例えば、負極電極との間に挟まり、セパレータを破って負極電極が正極電極と短絡するおそれがある。
【0007】
さらに、予め塗料中に酸を添加して用いた場合、電極活物質層に酸が残りすぎると特性面に悪影響を及ぼすことがあり、乾燥処理条件にも適切な配慮をすることが要望されていた。
【0008】
このような実状のもとに本発明は創案されたものであって、その目的は、電極活物質と、バインダーと、溶剤と、酸とを含有する電極塗料を平板状の電極集電体の一方の面および他方の面に順次塗布して、前記電極集電体の両面に電極活物質層をそれぞれ形成する電池用電極の製造方法において、生産性が良いことはもちろんのこと、得られた電極活物質層と電極集電体との接着性が極めて優れ、電極集電体の両面における電極活物質層の剥離が起こらない電池用電極の製造方法を提供することにある。また、電極活物質層に残存する酸の量にも配慮し、特性の劣化の極めて少ない電池用電極の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本出願に係る発明者らが、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、塗膜層の乾燥工程を2段階に分け、それらの乾燥温度条件を適宜設定することにより、表面側および裏面側を問わず得られた電極活物質層と電極集電体との接着性が改善でき、しかも、特性の劣化の極めて少ない電池用電極が製造できることを見出し、本発明に到達したものである。
【0010】
すなわち、本発明は、電極活物質と、バインダーと、溶剤と、酸とを含有する電極塗料を平板状の電極集電体の一方の面および他方の面に順次塗布して、前記電極集電体の両面に電極活物質層をそれぞれ形成する電池用電極の製造方法において、当該製造方法が、前記電極集電体の一方の面に前記電極塗料を塗布して塗膜層を形成し、この塗膜層を乾燥する表面層乾燥工程と、前記電極集電体の他方の面に前記電極塗料を塗布して塗膜層を形成し、この塗膜層を乾燥する裏面層乾燥工程とを有し、前記表面層乾燥工程および裏面層乾燥工程は、いずれも、第1の乾燥工程および次いで行われる第2の乾燥工程を含み、前記第1の乾燥工程が70〜90℃の温度範囲で行われ、前記第2の乾燥工程が120〜200℃の温度範囲で行われ、かつ前記第2の乾燥工程における乾燥温度T2と前記第1の乾燥工程における乾燥温度T1の温度差(T2−T1)の値が、40〜110℃であるように構成される。
【0011】
また、本発明における前記第1の乾燥工程は、塗布後の塗膜層を、指触乾燥に至るまで乾燥処理させるように構成される。
【0012】
本発明における電池用電極の製造方法によれば、塗膜層の乾燥工程を2段階に分け、それらの乾燥温度条件を適宜設定することにより、表面側および裏面側を問わず得られた電極活物質層と電極集電体との接着性が改善でき、しかも、特性の劣化の極めて少ない電極が製造できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1(a)および(b)は、電極塗料を電極集電体2の両面2a,2bに順次塗設・乾燥し、電極活物質層51,55を順次形成する状態を経時的に示した図面である。
【0014】
本発明の電池用電極の製造方法は、電極活物質と、バインダーと、溶剤と、酸とを含有する電極塗料を平板状の電極集電体2の一方の面2aに塗布して塗膜層を形成した後、この塗膜層を乾燥させて(表面層乾燥工程)、電極活物質層51を形成させる(図1(a))。
【0015】
次いで、同様な手法で電極塗料を平板状の電極集電体2の他方の面2bに塗布して塗膜層を形成した後、この塗膜層を乾燥させて(裏面層乾燥工程)、電極活物質層55を形成させる(図1(b))。このような基本となる製造工程において、本発明の要部は、各塗膜層の乾燥工程(表面層乾燥工程および裏面層乾燥工程)をいずれの場合も、2段階に分け、それらの乾燥温度条件を設定していることにある。
【0016】
まず、最初に、本発明で使用される電極塗料の準備工程について説明する。
【0017】
本発明で使用される電極塗料は、電極活物質と、バインダーと、溶剤と、酸とを含有している。
【0018】
電極活物質としては、従来より、電極活物質として使用されるものであれば、特に制限なく、種々の材料を使用することができる。電極活物質は、負極として使用するか、正極として使用するかによって材料が異なる。
【0019】
負極形成のための電極活物質としては、通常、炭素質材料が使用される。炭素質材料としては、従来より使用されている炭素質材料であれば、特に制限なく使用することができ、例えば、無定形炭素、アセチレンブラック、石油コークス、人造黒鉛、天然黒鉛、グラファイト系炭素繊維、難黒鉛化炭素等を用いることができる。
【0020】
一方、正極形成のための電極活物質としては従来より使用されているものであれば、特に制限なく、各種の正極活物質が使用できる。例えば、コバルト酸リチウムや、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウムなどの各種の正極活物質が使用することができる。
【0021】
バインダーとしては従来より使用されているバインダーであれば、特に制限なく、各種のバインダーを使用することができる。例えば、バインダーとして、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニルなどを用いることができる。
【0022】
バインダーは、電極活物質100重量部に対して、通常、1〜40重量部、好ましくは、2〜25重量部の割合で使用される。
【0023】
溶剤としては、電極塗料を調製する場合に従来より使用されている溶剤であれば、特に制限なく、各種の溶剤を使用することができる。このような溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、ピロリドン、N−メチルチオピロリドン、ジメチルフォルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホアミド等を単独あるいは混合して用いることができる。
【0024】
溶剤は、通常、電極塗料中の固形分(不揮発分)が、10〜60重量%、好ましくは30〜50重量%の割合となるように使用される。
【0025】
電極塗料中に含有される酸としては、有機酸でも無機酸でも良い。これらの酸の中では、弱酸が好ましく、特に有機酸の弱酸が好ましい。このような有機酸の弱酸としては、例えば、シュウ酸や、蟻酸、マレイン酸、これらの酸の水和物を好ましいものとして挙げることができる。
【0026】
酸は、電極活物質と、バインダーと、導電剤等の全固形物に対して、通常、0.01〜3重量部、好ましくは0.1〜1.0重量部の割合で使用される。
【0027】
なお、電極活物質の電気伝導度が悪い場合には、必要に応じて、導電剤を加えても良い。このような導電剤としては、前述した炭素質材料や、各種の金属微粉末を使用することができる。導電剤を加える場合、導電剤の含有量は、活物質100重要部に対して、通常、1〜25重量部、好ましくは3〜15重量部の割合で使用される。
【0028】
本発明で使用される電極集電体としては、平板状のもの、特に金属箔が好適に使用される。電極集電体の金属材料としては、従来より電極集電体に使用されているものであれば、特に制限なく、各種の金属材料を使用することができる。このような金属材料としては、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、鉄等が挙げられる。
【0029】
本発明で使用される電極塗料は、上記各成分を混合することにより調整され、スラリー状の混合物である。電極塗料中では、電極活物質が破壊されない範囲で適度に分散されている必要があり、プラネタリーミキサーや、ボールミル等を用いて混合分散される。
【0030】
このようにして準備された電極塗料は、電極集電体の一方の面に塗布され塗膜層が形成される。電極塗料の塗布は、従来公知の方法によって実施することができる。例えば、エクストルージョンコート、グラビアコート、リバースロールコート、ディップコート、キスコート、ドクターコート、ナイフコート、カーテンコート、スクリーン印刷等の塗布法によって電極集電体に塗布することができる。
【0031】
このようにして電極集電体2の一方の面2aに塗布された塗膜層は、次工程の乾燥工程(表面層乾燥工程)により乾燥される。次いで、同様な手法で、電極集電体2の他方の面2bに塗布され塗膜層は、次工程の乾燥工程(表面層乾燥工程)により乾燥される。
【0032】
本発明においてはこれらの乾燥工程における特定の操作に特徴がある。すなわち、本発明においては、乾燥工程(表面層乾燥工程および裏面層乾燥工程)をいずれの場合も、2段階に分け、それらの乾燥温度条件を設定している。つまり、前記表面層乾燥工程および前記裏面層乾燥工程は、いずれも、第1の乾燥工程および次いで行われる第2の乾燥工程を有している。
【0033】
最初に行われる第1の乾燥工程では、乾燥温度T1が、70〜90℃、より好ましくは、80〜90℃の温度範囲で操作される。この温度T1が、70℃未満となると、電極集電体に塗布された電極塗料を乾燥させる時間が非常にかかり、乾燥炉の長さも非常に長くなるため、生産性の観点から好ましくない。この温度T1が、90℃を超えると、塗膜層の最初の乾燥時間が短くなり、電極塗料中に含有される酸が電極集電体である金属箔表面の酸化層を十分にエッチングできなくなり塗膜層の接着強度が十分とならない場合が生じる。また、塗布後、最初に行われる表面層乾燥工程において、エッチングに使われず蒸発する余った酸が多くなり、この酸が電極集電体の裏面側に付着し、他方の面2b(裏面)側の塗膜層の接着強度を低下させる傾向にある。
【0034】
第1の乾燥工程では、塗布後の塗膜層が、指触乾燥に至るまで乾燥処理される。乾燥時間は、指触乾燥の状態を目標にして適宜設定すればよい。ここで、指触乾燥の状態とは、第1の乾燥工程中において、乾燥炉内で塗膜表面の一部を指で触り、指の表面に塗膜または、溶剤等が着かない乾燥状態をいう。
【0035】
次いで行われる第2の乾燥工程では、乾燥温度T2が、120〜200℃の温度範囲で操作される。この温度T2が、120℃未満となると、塗膜の乾燥が不十分となり、電極塗料が乾燥した後、すなわち、電極活物質層が形成された後、電極集電体の表面のエッチングに使用されなかった余った酸が蒸発できずに、電極活物質層中に残存してしまい残留酸の量が多くなる。残留酸の量が多くなると、電池の電気特性が劣化する。塗膜層の接着強度も良くない。乾燥温度T2が、200℃を超えると、電極集電体である金属箔両端の未塗布部分の酸化が発生し、さらに、電極活物質層と電極集電体との間でも電極集電体の酸化が発生する恐れがあるために、塗膜層の接着強度が低下する。このため、乾燥温度T2が120〜200℃の温度範囲で、電極活物質層の乾燥を行う必要がある。
【0036】
さらに、本発明においては、第2の乾燥工程における乾燥温度T2と第1の乾燥工程における乾燥温度T1の温度差(T2−T1)の値が、40℃以上、特に、40〜110℃に設定される。この温度差(T2−T1)の値が、40℃未満となると、電極活物質層中の残留酸が多くなる傾向が生じてしまう。
【0037】
本発明における所定の乾燥操作により、最初に行われる電極集電体の一方の面2a(表面)に塗設される電極活物質層の接着性を良好にできることはもとより、次ぎに行われる電極集電体の他方の面2b(裏面)に塗設される電極活物質層の接着性を従来に比べて大幅に改善することができる。従来の方法では他方の面2b(裏面)における接着性の劣化が、最初に塗布される一方の面2aに比べて、なぜ顕著に生じるのかは明瞭に分からない。いくつかの理由は推測されるが、その中でもっとも可能性の高い理由として、乾燥中に蒸発もしくは昇華した塗料中の酸が、他方の面2b(裏面)側の電極集電体に付着し、付着した酸と電極集電体の金属との間で接着性を阻害する何らかの化合物が形成されるためと考えられる。
【0038】
このようにして本発明の製造方法により得られた電極集電体の両面に電極活物質層を有する電極は、必要に応じてローラープレス等により、厚みを調節してもよい。
【0039】
次いで、得られた電極材料は、所定の幅、長さに切断される。なお、電極集電体と、外部との電気的な接触を得るために電極集電体の一部に電極活物質層を形成しない部分を設けることが好ましい。例えば、このような部分に電極活物質層を形成させない方法としては、予め塗布作業の時に未塗布部分を形成する方法や、電極活物質層を形成させた後、部分的に除去する方法等が挙げられる。
【0040】
【実施例】
以下、具体的実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0041】
(実施例1)
負極用塗料の作製
負極用塗料の組成を下記のように設定し、負極用塗料を下記の要領で作製した。
【0042】
メソカーボンマイクロビーズ(負極活物質) … 87重量部
アセチレンブラック(導電剤) … 3重量部
ポリフッ化ビニリデン(バインダー) … 10重量部
N−メチルピロリドン(溶剤) … 136重量部
シュウ酸二水和物(酸) … 0.5重量部
負極用塗料は、具体的に以下のようにして調整した。
【0043】
バインダー10重量部を溶剤115重量部に溶解させ、ラッカーを作製した。負極活物質87重量部と導電剤3重量部を混合した。この混合物を上記ラッカーに加えて混合し、さらにシュウ酸二水和物を溶剤21重量部に溶解させたものを加え充分に混合し、負極用塗料とした。
【0044】
負極の作製
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=90℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=130℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0045】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上にノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=90℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=130℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0046】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して本実施例1の負極サンプルを作製した。
【0047】
(実施例2)
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記実施例1で用いた負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=90℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=160℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0048】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上にノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=90℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=160℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0049】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して本実施例2の負極サンプルを作製した。
【0050】
(実施例3)
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記実施例1で用いた負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=90℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=190℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0051】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上にノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=90℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=190℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0052】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して本実施例3の負極サンプルを作製した。
【0053】
(実施例4)
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記実施例1で用いた負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=70℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=160℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0054】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上にノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=70℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=160℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0055】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して本実施例4の負極サンプルを作製した。
【0056】
(実施例5)
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記実施例1で用いた負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=80〜90℃の範囲の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=120〜130℃の範囲の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0057】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上にノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=80〜90℃の範囲の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=120〜130℃の範囲の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0058】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して本実施例5の負極サンプルを作製した。
【0059】
(実施例6)
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記実施例1で用いた負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=90℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=200℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0060】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上にノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=90℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=200℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0061】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して本実施例6の負極サンプルを作製した。
【0062】
(比較例1)
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記実施例1で用いた負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=130℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=170℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0063】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上に、ノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=130℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=170℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0064】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して比較例1の負極サンプルを作製した。
【0065】
(比較例2)
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記実施例1で用いた負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=100℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=170℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0066】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上に、ノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=100℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=170℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0067】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して比較例2の負極サンプルを作製した。
【0068】
(比較例3)
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記実施例1で用いた負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=60℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=120℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0069】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上にノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=60℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=120℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0070】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して比較例3の負極サンプルを作製した。
【0071】
(比較例4)
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記実施例1で用いた負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=70℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=110℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0072】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上にノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=70℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=110℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0073】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して比較例4の負極サンプルを作製した。
【0074】
(比較例5)
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記実施例1で用いた負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=90℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=210〜250℃の範囲の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0075】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上にノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=90℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=210〜250℃の範囲の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0076】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して比較例5の負極サンプルを作製した。
【0077】
(比較例6)
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記実施例1で用いた負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=90℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=120℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0078】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上にノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=90℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=120℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0079】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して比較例6の負極サンプルを作製した。
【0080】
(比較例7)
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記実施例1で用いた負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=110℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=130℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0081】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上にノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=110℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=130℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0082】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して比較例7の負極サンプルを作製した。
【0083】
(比較例8)
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記実施例1で用いた負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=90℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=100℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0084】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上にノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=90℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=110℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0085】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して比較例8の負極サンプルを作製した。
【0086】
(比較例9)
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記実施例1で用いた負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=80℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=80℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0087】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上にノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=80℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=80℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0088】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して比較例9の負極サンプルを作製した。
【0089】
(比較例10)
厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)の一方の面2aの上にノズル塗布方式にて上記実施例1で用いた負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(一方の面2a側塗布)、乾燥温度T1=150℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=150℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0090】
同様な手順で、圧延銅箔(電極集電体)の他方の面2bの上にノズル塗布方式にて上記負極用塗料を塗布して塗膜層を形成した後(他方の面2b側塗布)、乾燥温度T1=150℃の第1の乾燥工程で塗膜層を指触乾燥に至るまで乾燥処理した。次いで、乾燥温度T2=150℃の第2の乾燥工程で指触乾燥の塗膜層を完全な乾燥状態とした。
【0091】
このようにして得られた電極活物質層を両面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮成型し、しかる後、所定の大きさに切断して比較例10の負極サンプルを作製した。
【0092】
(実施例7)
上記実施例1において、電極塗料中の酸の濃度を0.1重量%に変えた。それ以外は上記実施例1と同様にして本実施例7の負極サンプルを作製した。
【0093】
(実施例8)
上記実施例1において、電極塗料中の酸の濃度を1.0重量%に変えた。それ以外は上記実施例1と同様にして本実施例8の負極サンプルを作製した。
【0094】
(実施例9)
上記実施例2において、電極塗料中の酸の濃度を0.1重量%に変えた。それ以外は上記実施例2と同様にして本実施例9の負極サンプルを作製した。
【0095】
(実施例10)
上記実施例2において、電極塗料中の酸の濃度を1.0重量%に変えた。それ以外は上記実施例2と同様にして本実施例10の負極サンプルを作製した。
【0096】
これらのサンプルについて、以下の要領で、残留酸、および接着性の評価を行った。
【0097】
残留酸の測定
電極の表面側および裏面側から電極活物質層の塗膜をそれぞれ、1.3gづつ剥し、合計2.6gの塗膜測定サンプルを取り出す。
【0098】
剥した塗膜をスペック用スチレン容器(Ф1インチ×3インチ:#6134)に入れ、スペック用メタクリルボール(Ф(3/8)インチ:#3112)を2個加え、10分間スペックスミキサー(#8000)で粉砕する。
【0099】
粉砕した塗膜2.5gを取り、50ccビーカーに入れる。ホールピペットで5mlの純粋を加え、ガラス棒で激しくかき混ぜる。黒い均一なペーストになったところで30分間静置し、濾紙で濾過し、サンプル溶液を作成する。このサンプル溶液を、Dionex QICイオンクロマトグラフ分析装置によって酸の量を測定して、その測定値に応じて以下のようなランクに区分した。
【0100】
○:電気特性への影響なし(40ppm未満)
△:電気特性への影響小(40ppm以上100ppm未満)
×:電気特性への影響大(100ppm以上)
接着性
電極サンプルを水平な台の上に載せ、引っ掻き試験機(ERICHSEN MODE 295,1mm間隔11枚刃)の刃を電極に対して90度の角度で当て、左右均等に引き、電極表面にスジを付ける。このスジの深さは電極活物質層の厚さ程度とする。次に、最初のスジに対して90度のスジを付け、碁盤目状にして剥離試験を行った(JIS K 5400;8.5付着性での碁盤目法)。銅箔の露出の程度を以下の基準に従って評価した。
【0101】
なお、接着性は、最初に塗設した電極活物質層51(便宜上、A面と称す)および次いで裏面側に塗設した電極活物質層55(便宜上、B面と称す)の双方についてそれぞれ測定した。
【0102】
◎:電極活物質層の剥離が見られない
○:電極活物質層の剥離面積が全正方形面積の20%未満である
△:電極活物質層の剥離面積が全正方形面積の20%以上50%以下である
×:電極活物質層の剥離面積が全正方形面積の50%を超える
結果を、下記表1に示す。
【0103】
【表1】
【0104】
【発明の効果】
上記の結果より本発明の効果は明らかである。すなわち、本発明は、電極活物質と、バインダーと、溶剤と、酸とを含有する電極塗料を平板状の電極集電体の一方の面および他方の面に順次塗布して、前記電極集電体の両面に電極活物質層をそれぞれ形成する電池用電極の製造方法において、塗膜層の乾燥工程を2段階に分け、それらの乾燥温度条件を適宜設定するように構成しているので、最初に塗設される一方の面における塗膜の接着性が良いことはもちろんのこと、後から塗設される他方の面(いわゆる裏面)における塗膜の接着性も悪化することなく極めて良好な接着性を保証できる。しかも、電池用電極の特性の劣化が極めて少ない。
【0105】
これにより、電池容量の低下を防ぐことができ、また、電極活物質層の剥離に起因する正負極の短絡を防ぎ、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、電極塗料を電極集電体2の両面2a,2bに順次塗設・乾燥し、電極活物質層51,55を順次形成する状態を経時的に示す図面である。
【符号の説明】
2…電極集電体
2a…電極集電体の一方の面(最初に塗膜層が形成される側)
2b…電極集電体他方の面(裏面)
51,55…電極活物質層
Claims (3)
- 電極活物質と、バインダーと、溶剤と、酸とを含有する電極塗料を平板状の電極集電体の一方の面および他方の面に順次塗布して、前記電極集電体の両面に電極活物質層をそれぞれ形成する電池用電極の製造方法において、
当該製造方法が、前記電極集電体の一方の面に前記電極塗料を塗布して塗膜層を形成し、この塗膜層を乾燥する表面層乾燥工程と、
前記電極集電体の他方の面に前記電極塗料を塗布して塗膜層を形成し、この塗膜層を乾燥する裏面層乾燥工程とを有し、
前記表面層乾燥工程および裏面層乾燥工程は、いずれも、第1の乾燥工程および次いで行われる第2の乾燥工程を含み、
前記第1の乾燥工程が70〜90℃の温度範囲で行われ、前記第2の乾燥工程が120〜200℃の温度範囲で行われ、かつ前記第2の乾燥工程における乾燥温度T2と前記第1の乾燥工程における乾燥温度T1の温度差(T2−T1)の値が、40〜110℃であることを特徴とする電池用電極の製造方法。 - 前記第1の乾燥工程は、塗布後の塗膜層を、指触乾燥に至るまで乾燥処理させる請求項1に記載の電池用電極の製造方法。
- 前記酸は、全固形物に対して0.1〜1.0重量部の割合で含有される請求項1または請求項2に記載の電池用電極の製造方法。
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