JP4092594B2 - 微粉状芳香族ジカルボン酸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強力で耐熱性の高い繊維やフィルムに成形することが出来る剛直高分子であるPBZポリマーの製造に適した、微粉化された芳香族ジカルボン酸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ジカルボン酸は、一般にポリエステル、ナイロン等の汎用ポリマーの原料として広く用いられている。芳香族ジカルボン酸は縮合反応によってこれらのポリマー骨格の一部を形成している。
同じ様な縮合反応により、芳香族ジカルボン酸を用いてPBZポリマーの様な高機能ポリマーも重合することが出来る。このPBZポリマーを重合する場合、ポリリン酸が重合溶媒兼縮合剤として用いられることが多い。しかしながら、このPBZポリマーの重合をポリリン酸中で行う場合に、高重合度のポリマーを得ることは困難である。つまり、芳香族ジカルボン酸はポリリン酸に対する溶解度が著しく低いため、重合反応の進行がきわめて遅く、分解反応がおこってしまうため、色調が悪く、低重合度のポリマーしか得られないのである。
【0003】
そこで前記問題を解決するために、95%以上が10μm 以下に粉砕された芳香族ジカルボン酸を用いれば良いことが知られている。(Macromolecules 1981,14,915)このような芳香族ジカルボン酸を使用すれば、確かに高重合度で色調の良いポリマーが得られるが、この場合でも成形時、例えば繊維やフィルムに成形する場合には、フィルターの背圧が短時間で上昇し、成形困難に陥るため、工業的に使用することは出来ないことが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の様に、これまで知られていたPBZポリマーに用いられる芳香族ジカルボン酸は、高重合度で色調の良いポリマーを得るには充分であったが、成形時の操業性は必ずしも良くなく、工業的にPBZポリマーの繊維、フィルム製品等を得るには、不充分であった。従って本発明は高重合度で、色調、成形時の操業性の良いPBZポリマーを工業的に得るために好適な芳香族ジカルボン酸を得ることを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を達成するために鋭意、研究、検討した結果、粗大粒子の混入を極めて少なくした芳香族ジカルボン酸が好適であることを見い出し、遂に本発明を完成するに到った。即ち本発明は、微粉化された芳香族カルボン酸であって、レーザー回折式の粒度分布計で測定したメジアン径が6μm 以下で最大粒子径が20μm 以下である粒度分布を持ち、かつ湿式ふるいで測定した32μm 以上の粗大粒子の混入が0.2重量%以下である粒度分布を持つことを特徴とする微粉状芳香族ジカルボン酸である。
【0006】
本発明における芳香族ジカルボン酸として、具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が挙げられるが、これらに限定されず、その他種々の誘導体も含まれる。
【0007】
本発明の芳香族ジカルボン酸の特徴である粒度分布は、レーザー回折式の他に遠心沈降式、コールターカウンター、画像処理等により測定できるが、一般にレーザー回折式の粒度分布計が最も迅速に、再現性の良いデータを与えてくれる。本発明の芳香族ジカルボン酸の粒度分布は、レーザー回折式粒度分布計を用い、水に界面活性剤を添加して分散し、測定した値を採用している。
なお粒度分布は芳香族ジカルボン酸の表面積に関係しており、例えば芳香族ジカルボン酸をPBZポリマーの原料として用いる場合、芳香族ジカルボン酸は重合溶媒であるポリリン酸に対する溶解度が低いため、出来るだけ表面積を大きくして、溶解速度を速くする必要がある。工業的に許される程度の重合速度を得るためには、レーザー回折式の粒度分布計で測定した場合、少なくともメジアン径が6μm 以下で、最大粒子径が20μm 以下である粒度分布であることが必要であり、さらに好ましくは、メジアン径が3.5μm 以下、最大粒子径が10μm 以下の粒度分布が必要である。これより大きい粒度分布を持つ芳香族ジカルボン酸を使用した場合、反応速度が遅く、工業的な生産には適さない。また反応を速くするために、反応温度をむやみに上げると、分解反応のためにポリマー色調が悪化し、高重合度のポリマーが得られない。
【0008】
上記の粒度分布を持つ芳香族ジカルボン酸を使用すれば、色調の良い高重合度のポリマーが工業的に許される程度の速度で重合できるが、成形時の操業性が悪い場合がある。つまり、繊維、フィルム状に押し出す際、異物除去の目的で設けられたフィルターの背圧が上昇し、生産不能になることがしばしば起こる。
これは、極少量混入した芳香族ジカルボン酸の粗大粒子が未溶解のまま存在し、フィルターを閉塞するために起こる現象である。従って、操業性の良いPBZポリマードープを得るためには、粗大粒子の極めて少ない芳香族ジカルボン酸を使用する必要がある。ところが極めて少量の粗大粒子の混入は、レーザー回折式粒度分布計では検知出来ないため、湿式篩いにより評価する必要がある。本発明では、粗大粒子を評価するのに、目開き32μmの標準篩いを使用し、粗大粒子の混入量としては、湿式篩いにより、篩い上に残った芳香族ジカルボン酸を適当な溶媒に溶解し、紫外光の吸収を測定することにより定量した。
こうして定量した粗大粒子の量は、0.2%以下であることが必要で、好ましくは0.05%以下、さらに好ましくは0.01%以下である。これ以上粗大粒子が混入すると成型時にフィルター背圧が上昇し、操業性が極めて悪化するので好ましくない。
【0009】
本発明微粉状芳香族ジカルボン酸を得る方法としては、種々の方法を採用することができるが、特にジェット気流中で粉砕することが好ましく、ジェット気流を利用した気流式粉砕機にはスパイラル型や、ジェットオーマイザー型、カウンタージェット型等があるが、いずれの装置を使用してもよい。その他の衝撃式粉砕機、ボールミルの様な媒体ミルは、装置磨耗によるコンタミが多く混入するために、使用に適さない場合が多い。
一般に気流式粉砕機はそれ自身に分級機構を備えているものが多いが、さらに気流式の分級機等により分級し、粗大粒子を減らす操作を加えても良い。また粉砕操作を2度、3度と繰り返してもよい。
【0010】
以上かかる構成よりなる本発明微粉状芳香族ジカルボン酸は、特にPBZポリマーの原料として用いることが好ましく、前記PBZポリマーとは下記一般式(1)、(2)で表される構造を主たる構成単位とする複素環含有ホモポリマー及びコポリマーである。
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】
(但し、一般式(1)、(2)において、Xは0、SまたはNHを表し、YはC又はNを表す。Zは二価の芳香族有機残基であり、下記一般式(3)〜(6)で表すことが出来る)
【0013】
【化9】
【0014】
【化10】
【0015】
【化11】
【0016】
【化12】
(但し、一般式(3)〜(6)において、R1 、R2 は水素原子、又はメチル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基を表し、互いに異なっていても同じであってもかまわない)
【0017】
前記PBZポリマーとして、具体的には、シス−又はトランス−パラフェニレンベンゾビスオキサゾール、シス−又はトランス−パラフェニレンベンゾビスチアゾール、シス−又はトランス−パラフェニレンベンゾビスイミダゾール、ポリ(2,5−ジヒドロキシフェニレン)ピリドビスオキサゾール、ポリ(2,5−ジヒドロキシフェニレン)−ピリドビスイミダゾール等が挙げられる。
【0018】
なお前記PBZポリマーの重合溶媒としては、ポリリン酸を用いることが多く、このポリリン酸の濃度は110%以上のものが用いられることが多いが、105〜121%までの濃度範囲で任意に選択できる。また、ポリリン酸の濃度を調整し、溶媒の脱水能力を高めるために五酸化リンを加えたり、メタンスルホン酸を加えたりすることも可能である。本発明微粉状芳香族ジカルボン酸は、前記ポリリン酸を重合溶媒として用いても重合反応は速やかに進行し、色調の良い、高重合度のPBZパリマーを得ることができるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態であるテレフタル酸、及びそれを用いたシスーポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールの製造を例に挙げて本発明を具体的に実施する方法を説明する。
まず、工業的に市販されている高純度テレフタル酸を気流式粉砕機で粉砕し、メジアン径が1.5〜6.0μmの微粉化したテレフタル酸を得る。このテレフタル酸を湿式ふるいで、32μm以上の粗大粒子を評価し、粗大粒子の混入量が0.2%以下であれば、この後シス- ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾールを製造する。粗大粒子が0.2%以上混入している場合には、再度粉砕を行うか、気流式分級機を用いて粗大粒子を除去する。
上記粉砕したテレフタル酸、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩、ポリリン酸、五酸化リンを70〜220℃で加熱混合し、シスーポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを得る。このポリマードープを押し出し機を用いて、ノズル口金から押し出し、水中で凝固させて、糸やフィルム状に成形する。
【0020】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお実施例中の測定値は以下の方法によって測定した値である。
粒度分布:HORIBA LA-910 型レーザー光散乱粒度分布計(堀場製作所製)を用い、分散媒を水とし、分散剤としてノニオン210を使用して、超音波を当てながら測定した。
粗大粒子の量:440メッシュ、目開き32μmの標準篩いを使用した湿式篩い法を採用し、分散媒を200ミリリットルの石鹸水とし、50gの試料を充分に分散させた後、流水中で湿式篩いを行った。篩い上に残った粗大粒子をさらに3分間、流水中で洗い、風乾した後、水酸化ナトリウム水溶液に溶解して、紫外光の吸収を測定することにより粗大粒子の量を定量した。
PBZポリマーの極限粘度:メタンスルホン酸を溶媒として、25℃で測定した。
【0021】
実施例1
市販のテレフタル酸(メジアン径120 μm )100kgをジェットミルで粉砕し、微粉化したテレフタル酸96kgを得た。このテレフタル酸の粒度分布は、メジアン径2.5μm、最大粒径21μmであった。湿式ふるいで、粗粒を評価すると0.25%混入していたので、気流式分級機で分級操作を行い、メジアン径2.3μm、最大粒径15μm、粗粒0.01%のテレフタル酸84kgを得た。
かくして得られたテレフタル酸を用いてシスーポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールを重合した。即ち、116%のポリリン酸43.86kgに窒素気流下、五酸化二リン14.49kgを加えた後、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩9.10kg及び上記微粉化したテレフタル酸7.10kgを加え、70℃で撹拌混合した後、130℃で19時間、さらに200℃で2時間撹拌して重合させ、シスーポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを得た。ポリマードープの色は黄色であり、固有粘度は30dL/gであった。このポリマードープを押し出し機を用いて0.2mm径のノズルから吐出し、延伸しながら水中で凝固させ、ローラーに巻きとった。ノズルの直前に800メッシュのナスロンフィルターをつけていたが、その背圧上昇は皆無であった。
【0022】
比較例1
市販のテレフタル酸(メジアン径120μm)100kgをジェットミルで粉砕し、微粉化したテレフタル酸95kgを得た。このテレフタル酸の粒度分布は、メジアン径2.6μm、最大粒径21μmであった。湿式ふるいで、粗粒を評価すると0.25%混入していた。
この粗粒が混入したテレフタル酸を用いてシスーポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールを重合した。即ち、116%のポリリン酸43.86kgに窒素気流下、五酸化二リン14.49kgを加えた後、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩9.10kg及び上記微粉化したテレフタル酸7.10kgを加え、70℃で撹拌混合した後、130℃で19時間、さらに200℃で2時間撹拌して重合させ、シスーポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを得た。ポリマードープの色は黄色であり、固有粘度は44dL/gであった。このポリマードープを押し出し機を用いて0.2mm径のノズルから吐出し、延伸しながら水中で凝固させ、ローラーに巻きとった。ノズルの直前に800メッシュのナスロンフィルターをつけていたが背圧上昇のため、13kgを吐出した時点で紡糸不能になった。
【0023】
実施例2
市販の2,6−ナフタレンジカルボン酸(メジアン径180μm)100kgをジェットミルで粉砕し、微粉化したナフタレンジカルボン酸97kgを得た。このナフタレンジカルボン酸の粒度分布は、メジアン径5.3μm、最大粒径28μmであった。湿式ふるいで、粗粒を評価すると1.24%混入していたので、再度ジェットミルで粉砕を行い、メジアン径3.1μm、最大粒径14μm、粗粒0.02%のナフタレンジカルボン酸78kgを得た。
かくして得られたナフタレンジカルボン酸を用いてシスーポリ−2,6−ナフタレンベンゾビスオキサゾールを重合した。即ち、116%のポリリン酸43.86kgに窒素気流下、五酸化二リン14.49kgを加えた後、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩9.10kg及び上記微粉化したナフタレンジカルボン酸9.23kgを加え、70℃で撹拌混合した後、130℃で19時間、さらに200℃で2時間撹拌して重合させ、シスーポリパラナフタレンベンゾビスオキサゾールのポリマードープを得た。ポリマードープの色は黄色であり、固有粘度は34dL/gであった。このポリマードープを押し出し機を用いて0.2mm径のノズルから吐出し、延伸しながら水中で凝固させ、ローラーに巻きとった。ノズルの直前に800メッシュのナスロンフィルターをつけていたが、その背圧上昇は皆無であった。
【0024】
実施例3
市販のビフェニルジカルボン酸(メジアン径230μm)100kgをジェットミルで粉砕し、微粉化したビフェニルジカルボン酸98kgを得た。このビフェニルジカルボン酸の粒度分布は、メジアン径4.3μm、最大粒径24μmであった。湿式ふるいで、粗粒を評価すると0.57%混入していたので、気流式分級機で分級操作を行い、メジアン径3.8μm、最大粒径17μm、粗粒0.03%のビフェニルジカルボン酸79kgを得た。
かくして得られたビフェニルジカルボン酸を用いてシスーポリパラビフェニレンベンゾビスチアゾールを重合した。即ち、116%のポリリン酸43.86kgに窒素気流下、五酸化二リン14.49kgを加えた後、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオール二塩酸塩10.47kg及び上記微粉化したビフェニルジカルボン酸10.34kgを加え、70℃で撹拌混合した後、130℃で19時間、200℃で2時間撹拌して重合させ、シスーポリパラビフェニレンベンゾビスチアゾールのポリマードープを得た。ポリマードープの色は黄色であり、固有粘度は45dL/gであった。このポリマードープを押し出し機を用いて0.2mm径のノズルから吐出し、延伸しながら水中で凝固させ、ローラーに巻きとった。ノズルの直前に800メッシュのナスロンフィルターをつけていたが、その背圧上昇は皆無であった。
【0025】
比較例2
市販の2,6−ナフタレンジカルボン酸(メジアン径180μm)100kgをジェットミルで粉砕し、微粉化したナフタレンジカルボン酸97kgを得た。このナフタレンジカルボン酸の粒度分布は、メジアン径11.3μm、最大粒径54.7μmであった。湿式ふるいで、粗粒を評価すると15.7%混入していた。このナフタレンジカルボン酸を用いてシスーポリ−2,6−ナフタレンベンゾビスチアゾールを重合した。即ち、116%のポリリン酸43.86kgに窒素気流下、五酸化二リン14.49kgを加えた後、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンチオール二塩酸塩10.47kg及び上記微粉化したナフタレンジカルボン酸9.23kgを加え、70℃で撹拌混合した後、130℃で19時間、さらに200℃で2時間撹拌して重合させ、シスーポリ−2,6−ナフタレンベンゾビスチアゾールのポリマードープを得た。ポリマードープの色は紫色であり、固有粘度は8.2dL/gであった。このポリマードープを押し出し機を用いて0.2mm径のノズルから吐出し、延伸しながら、水中で凝固させたが糸に成形できなかった。
【0026】
実施例4
テレフタル酸(メジアン径120 μm )100kg をジェットミルで粉砕し、微粉化したテレフタル酸98kgを得た。このテレフタル酸の粒度分布は、メジアン径3.8 μm 、最大粒径24μm であった。湿式ふるいで、粗粒を評価すると0.57% 混入していたので、再度ジェットミルで粉砕し、メジアン径1.8 μm 最大粒径9.2 μm 、粗粒0.01% のテレフタル酸88kgを得た。
かくして得られたテレフタル酸を用いてシスーポリパラフェニレンベンゾビスイミダゾールを重合した。即ち、116%のポリリン酸43.86kg に窒素気流下、五酸化二リン14.49kg を加えた後、1,2,4,6-テトラアミノベンゼン5.90kg及び上記微粉化したテレフタル酸7.10kgを加え、70℃で撹拌混合した後、130 ℃で19時間、さらに200 ℃で2時間撹拌して重合させ、シスーポリパラフェニレンベンゾビスイミダゾールのポリマードープを得た。ポリマードープの色は薄黄色であり、固有粘度は28dl/gであった。このポリマードープを押し出し機を用いて0.2mm 径のノズルから吐出し、延伸しながら水中で凝固させ、ローラーに巻きとった。ノズルの直前に800メッシュのナスロンフィルターをつけていたがその背圧上昇は皆無であった。
【0027】
実施例5
イソフタル酸(メジアン径130 μm )100kg をジェットミルで粉砕し、微粉化したイソフタル酸98kgを得た。このイソフタル酸の粒度分布は、メジアン径3.3 μm 、最大粒径18μm であった。湿式ふるいで、粗粒を評価すると0.43%混入していたので、気流式分級機で分級操作を行い、メジアン径2.3 μm 最大粒径13μm 、粗粒0.11% のビフェニルジカルボン酸92kgを得た。
かくして得られたイソフタル酸を用いてトランスーポリメタフェニレンベンゾビスチアゾールを重合した。即ち、116%のポリリン酸43.86kg に窒素気流下、五酸化二リン14.49kg を加えた後、2,5-ジアミノ-1,4−ベンゼンジチオール二塩酸塩10.47kg 及び上記微粉化したイソフタル酸7.10kgを加え、70℃で撹拌混合した後、130 ℃で19時間、さらに200 ℃で2時間撹拌して重合させ、トランスーポリメタフェニレンベンゾビスチアゾールのポリマードープを得た。ポリマードープの色は薄黄色であり、固有粘度は31dl/gであった。このポリマードープを押し出し機を用いて0.2mm 径のノズルから吐出し、延伸しながら水中で凝固させ、ローラーに巻きとった。ノズルの直前に800メッシュのナスロンフィルターをつけていたがその背圧上昇は皆無であった。
【0028】
実施例6
2,5-ジヒドロキシテレフタル酸(メジアン径260 μm )100kg をジェットミルで粉砕し、微粉化した2,4-ジヒドロキシテレフタル酸94kgを得た。この2,5-ジヒドロキシテレフタル酸の粒度分布は、メジアン径5.2 μm 、最大粒径34μm であった。湿式ふるいで、粗粒を評価すると1.38%混入していたので、気流式分級機で分級操作を行い、メジアン径3.1μm最大粒径16μm、粗粒0.02%の2,5−ジヒドロキシテレフタル酸79kgを得た。
かくして得られた2,4-ジヒドロキシテレフタル酸を用いてポリ- (2, 5- ジヒドロキシフェニレン)- ピリドビスイミダゾールを重合した。即ち、116%のポリリン酸43.86kg に窒素気流下、五酸化二リン14.49kgを加えた後、1,2,4,5-テトラアミノピリジン5.94kg及び上記微粉化した2,5−ジヒドロキシテレフタル酸7.10kgを加え、70℃で撹拌混合した後、130℃で19時間、さらに200 ℃で2時間撹拌して重合させ、ポリ- (2, 5- ジヒドロキシフェニレン)- ピリドビスイミダゾールのポリマードープを得た。ポリマードープの色は薄黄色であり、固有粘度は23dL/gであった。このポリマードープを押し出し機を用いて0.2mm 径のノズルから吐出し、延伸しながら水中で凝固させ、ローラーに巻きとった。ノズルの直前に800メッシュのナスロンフィルターをつけていたがその背圧上昇は皆無であった。
【0029】
実施例7
市販の3-スルホイソフタル酸ナトリウム(メジアン径310 μm )100kg をジェットミルで粉砕し、微粉化した3-スルホイソフタル酸ナトリウム92kgを得た。この3-スルホイソフタル酸ナトリウムの粒度分布は、メジアン径3.2 μm 、最大粒径18μm であった。湿式ふるいで、粗粒を評価すると0.13% 混入していたので、再度ジェットミルで粉砕を行い、メジアン径1.8 μm 最大粒径8.9 μm 、粗粒0.01% の3-スルホイソフタル酸ナトリウム91kgを得た。
かくして得られた3-スルホイソフタル酸ナトリウムを用いてシス- ポリ- (3-スルホン酸ナトリウム- メタフェニレン)- ベンゾビスオキサゾールを重合した。即ち、116%のポリリン酸43.86kg に窒素気流下、五酸化二リン14.49kg を加えた後、4,6-ジアミノレゾルシノール二塩酸塩9.10kg及び上記微粉化した3-スルホイソフタル酸ナトリウム酸10.3kgを加え、70℃で撹拌混合した後、130 ℃で19時間、さらに200 ℃で2時間撹拌して重合させ、スーポリ- (3-スルホン酸ナトリウム- メタフェニレン)- ベンゾビスオキサゾールのポリマードープを得た。ポリマードープの色は赤橙色であり、固有粘度は20dl/gであった。このポリマードープを押し出し機を用いて0.2mm 径のノズルから吐出し、延伸しながら水中で凝固させ、ローラーに巻きとった。ノズルの直前に800メッシュのナスロンフィルターをつけていたが、その背圧上昇は皆無であった。
【0030】
【発明の効果】
本発明の微分状芳香族ジカルボン酸を用いれば、高重合度で色調がよく、しかも操業性の良いPBZポリマーを製造できる。このことは、非常に高性能のポリマーであるPBZポリマーを工業的に生産することを容易ならしめ、産業界に寄与すること大である。
Claims (3)
- 芳香族ジカルボン酸を、ジェット気流中で粉砕することによって得られる請求項1記載の芳香族ジカルボン酸微粉末。
- 芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸である請求項1記載の芳香族ジカルボン酸微粉末。
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