JP4091350B2 - 液体滴下容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、目薬溶液やコンタクトレンズの洗浄液、消毒液等の溶液を収容し、その使用に際して作用液を必要量だけ滴下して取り出すための液体用滴下式容器に係り、特に押圧により容器内部の容積を変化させる構造の液体滴下容器に関する。さらに、このような滴下容器において、開封されたことが外観から明確に判断可能な不正開封防止付きキャップを有する滴下式容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばコンタクトレンズの洗浄や消毒等に用いられる溶液は、その使用目的に応じて、レンズ表面に付着する脂質を除去するもの、蛋白質等の汚れを除去するもの、レンズの消毒をするものなど、溶液によってそれぞれの機能を発揮するように開発されている。このような作用液の中には、その液の機能を充分に発現させるために、その使用量を一定の割合で混合して用いることが望ましいものがある。例えば、レンズに付着した蛋白質を除去するための酵素溶液がそうである。酵素は、溶液状態での安定性に問題があるために溶液として流通させる場合には、有機液体(例えば、グリセリン、プロピレングリコールなど)およびホウ酸化合物と水との混合溶液中に溶解されており、コンタクトレンズ用の洗浄液や消毒液に希釈することによって酵素活性を高めて使用される。この時、希釈率が高すぎると実質的な酵素濃度が低くなって洗浄効果に影響し、また希釈率が低すぎると混合後の溶液の浸透圧が酵素安定化のために用いられる有機液体によって高くなり、コンタクトレンズのサイズやベースカーブ等の規格に影響するといった問題があるので、液体酵素の滴下混合時においては、その比率をほぼ一定にすることが求められるのである。
【0003】
このような酵素溶液は、通常、専用の容器に収容され、用時その容器から必要量を取り出して用いられる。溶液の容器としては、可撓性材料で構成された弾性変形可能な容器に収容して、使用者がこの容器の側面等を押圧変形させることにより、その取り出し口から噴出乃至は滴下されて取り出すものが考えられる。しかし、このような容器からの取り出しは、使用者の押圧力の違いによって取り出される量にバラツキが生じるため、その溶液を使用したときの効果を最大限に発揮するような使用方法を求めるには、使用者側で押圧変形量を加減してもらう必要があり、その操作が困難であるといった問題がある。
【0004】
そこで例えば、(1)本発明者が以前提案した実公平8−9708号に開示される、剛性材料性容器本体の底部を柔軟な弾性材料で塞いで当該弾性材料の変形量を容器側の内向きフランジで規定することにより滴下量を調節するもの、(2)実開昭63−46383号、特開平8−301331号に開示される、容器本体の底部を弾性のダイヤフラム板により塞ぎ、ダイヤフラム板の外側に設けられた押圧片をとおして押圧力を垂直にダイヤフラム板に伝え、内容物の滴下量を調整するもの、(3)特開平10−203574号に開示される、容器本体の底部をプッシュゴムで塞ぎその上からガイドキャップをとおした押しボタンにより押圧することで、ガイドキャップからの突出部分である押しボタンの高さを一定にして、内容物の滴下量を調整するものなどの提案がなされた。
【0005】
前記(1)〜(3)の容器によれば、確かに一定量の滴下を保証して、容器内に収容される液体は供給者の意図通りに使用されることとなる。しかし、(1)については弾性材料と剛性材料をそのまま接着はできないため、弾性材料を覆い容器本体と固定するための別部品として剛性材料が必要となり、容器本体の密閉性や弾性材料を透して溶液の揮発の問題があった。(2)についても、前記同様に部品点数が多いこと、容器本体の密閉性等の他に、押圧片と容器固定部との連結部は撓みやすくするために薄く、細く形成してあり頻繁な使用により変形し易いという問題、(3)については上記(1)、(2)と同様の問題及び、前記各容器に比して遙かに部品点数が多く容器のコスト高に繋がるおそれがあるなど、いずれも改良する余地のあるものであった。
【0006】
一方、上記各公報に比して、(4)部品点数を極力減少させることのできる実開平6−10163号に開示される、容器本体を構成する剛性材の一部を極薄く構成して弾力性をもたせた滴下容器がある。この容器では(1)〜(3)に開示の容器の密閉性および、弾性材料を用いない事による溶液の揮発による濃度変化という問題、部品点数の削減等を解決しうる。しかし、滴下量を一定とするための具体的解決手段が、滴下口の形状と溶液の表面張力によって図られているので、例えば、滴下時の容器を垂直に把持するかまたは斜めに把持するかによって、滴下口と液滴との間の表面張力の関係に差が生じ、使用の度に滴下量が異なる蓋然性がでてくる。また、滴下操作部の押圧による容器内容積の変化量が一定しないので、滴下量に個人差が生じる等の問題があった。
【0007】
また、滴下容器の開封については従来より不正開封防止策が重要な課題であり、それに対する提案として、特開平7−309358、特開2000−344265、特開2001−180708等に開示されるいわゆるピルファープルーフ特性を有するキャップの不正開封防止装置がある。これらの不正開封防止装置はキャップと切り離し可能なリングが切断されているか否かによって、その商品が不正に開封されたことを表示する。その表示自体はそれで充分であるが、切り離されたリングが容器の首部で安定せず、容器全体として美感を損なうものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ここにおいて、本発明は、上述した事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、内部に収容する所定の溶液(例えば、目薬、コンタクトレンズ用溶液など)を一定量滴下することができ、容器を構成する部品点数を減少させるとともに、容器の密閉性を向上させることができる液体滴下容器を提供することを目的とする。
本発明のさらに別の目的は、このような滴下容器において通常問題とされる不正開封防止機構を有する滴下容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にあっては上記課題を解決するために、以下に示す液体滴下容器を提案するものである。すなわち、(a)内部に収容された所定の溶液を滴下せしめるための滴下口を有する容器本体と、(b)該容器本体に着脱可能に装着せしめられて該容器本体の滴下口を開閉するためのキャップ部材と、(c)該容器本体の容器壁の一部を構成する状態で設けられ、押圧操作による変形と構成材料の弾力性に基づく原形状への復元による変形とによって、該容器本体の内容積を可逆的に増減変化させる滴下操作部と、該滴下操作部と一体的に構成され、該操作部に対して押圧操作を垂直方向に可能ならしめる押圧片とを有する滴下操作部材と、を備える液体滴下容器である。
【0010】
前記滴下操作部材の材質は容器本体との接着性を良好とするために同一の素材から形成されていることが好ましい。容器本体の成形後は、内溶液を充填して、滴下操作部材により密閉されるが、当該接着部不良以外には、内溶液の漏れることは考えられない構造であるので、両方の材質が一致している方が接着に関して有利であるからである。
【0011】
また、滴下操作部と一体的に構成される押圧片との間には、滴下操作部の変形による内容積の変化量を規制する容積変化規制手段が設けられており、例えば、これは滴下操作部側もしくは押圧片側の少なくともいずれか一方の側に凸状部として形成されており、それが2個所以上設けられていること、あるいは、環状ストッパを滴下操作部と押圧片の間に設けることもできる。
【0012】
容器本体の滴下口がシールされている場合には、そのシール部に穴を開けることが出来るように、キャップ部材内底部にスパイクが突設されており、容器本体にキャップを螺進することによりシール部が開放され、滴下口が形成される。この場合、キャップ部材と容器本体との間には、流通段階での不用意なシール開封を防止するために円筒ストッパを有していることが好ましい。キャップ部材開口端に薄肉に連設された円筒ストッパは、容器本体のキャップとの螺合ネジ部終端部に周設される環状の突条部によって、前記円筒ストッパの一端面が突条部に係止されることにより、開封前のキャップの螺進を制御する。また、開封時における強制的な螺進により前記円筒ストッパが突条部を越えて前進し、前記円筒ストッパの他端面が容器本体の前記突条部と係合すると共に、キャップ部材内底部のスパイクにより容器本体の滴下口を開封するように構成される。続いてキャップ部材を螺退してキャップを取り外すに際して、円筒ストッパとの薄肉連設部が破断され円筒ストッパが容器本体に残るように構成される。
【0013】
従来の一般的な滴下操作部は軟質材料(例えばシリコンゴムなど)で構成されているので、容器本体(例えばポリプロピレンなど)と滴下操作部をある程度の接着強度をもって直接接着することは困難である。通常これらの固定方法は容器本体と同種の材質からなる固定用部材と、容器本体との間に前記軟質材料よりなる滴下操作部を挟んで、固定用部材を容器本体側に抑えつけながら超音波等により溶着する。従って、従来の滴下操作部の固定には固定用部材がどうしても必要であり部品点数の増加による容器のコスト高および、両者の接着圧力不足による滴下操作部の分離、容器内部に収容する水等が前記軟質材料ないし挟圧部を透過して揮発し内容成分の濃度が変化するなどの問題があった。本発明では滴下操作部の材料を本体と接着性の良い材料、好ましくは同種の材料から構成し、前記固定用部材の使用を削除したので部品点数を削減することができる。たとえば、容器本体の材質が、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリアクリル、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレンビニルアセテート、ナイロンなどの硬質樹脂から選択されるのであれば、滴下操作部の樹脂も前記と同様の材質で構成することが好ましい。同種の材料であれば容器本体との超音波接着が用意になり、両者を接着するために別部品である固定用部材を必要としないので部品点数の削減が可能である。また、これら硬質樹脂材料は軟質材料に比して水分の透過性が少ないために、収容溶液の濃度変化が生じない容器にできる。
【0014】
ここで、従来の滴下操作部が軟質材料であったのは、当該部位を反復継続的に押圧変形しやすくすることが目的のためであり、本発明においては、滴下操作部を薄くかつドーム状に形成する事によって軟質材料でなくても、容器の容積変化が可能になる。しかし、それだけでは液体滴下容器として重要な機能である、一定量の滴下を可能にすることが充分に果たせないため、本発明では滴下操作部に連結して一体の構造を有する押圧片を有している。一体的構造としては滴下操作部のドーム形状の頂点部分と、円板状の押圧片の中心部とが連結したような構造で、使用者は直接滴下操作部に手指等を触れることは出来ないが、押圧片を押圧することによりドーム状の頂点部から滴下操作部全体を均一に押圧できる。直接押圧する場合に比して、従来使用者の指の太さなどに応じて押圧面積が大きくなったりあるいは小さかったりして、統一した滴下量の確保が出来なかったことを改善した。また、滴下操作部は薄肉の硬質樹脂製であるために過度の変形に対して樹脂疲労によって迅速な復元ができなくなったり、あるいは強く押圧しすぎて薄肉部の付け根あたりで折れ曲がり復元力を失う事態も予測されたが、本発明の押圧片の採用により滴下操作部に必要以上の力が加えられなくなったので、前記問題点を解決できた。
【0015】
押圧片は滴下操作部と同一樹脂を使用することが両者の一体的構造上好ましいのであるが、必ずしも異種の材料を使用して形成してはならないというものではない。両者の連結に使用上の耐久性があれば、滴下操作部はある程度の柔軟性材料を使用する方が良いし、押圧片は剛性材料を使用した方が、滴下操作部に対して均一に変形させることが出来るからである。この押圧片の形状としては円形平板状であることが好ましい。容器本体が円筒状の場合に、円形であれば容器全体としてのまとまりがよく、平板状にすることにより押圧片を底面として容器を立てることができるからである。また、容器本体の形状に合わせて容器本体が三角柱状であれば三角、四角注状であれば四角等の多角形平板状であっても良い。容器本体が多角柱状であれば、机上を転がることを防止する効果を持たせることができる。また、押圧片を底面として容器を倒立状態にはできなくても、デザイン面を考慮して押圧片を半球状、三角錐などの多角錐、立法体などの多角柱、または表面に凹凸の模様をつけたり、あるいは彫刻などの装飾を付してもよい。押圧片の押圧面側のこうした変更は、特に滴下操作部のドーム形状を押圧できるかぎりどのような形状であってもよい。一方、押圧片の滴下操作部側表面は、滴下操作部への押圧作用を均一にするために、平坦な面であることが望ましい。
【0016】
押圧片と滴下操作部とが一体となった滴下操作部材は、射出成形、圧縮成形など従来の成形方法により成形可能であり、これらは初めから一体成形したり、個々に成形したものを接着して一体としてもよい。ただし、両者の結合部は滴下操作部のドーム頂点部と押圧片との接点部分であるために、個別に成形する場合には、その接着が通常の使用に耐久性があることが条件となる。
【0017】
また、滴下量をより確実に制御するために、押圧片と滴下操作部との間に本体容器の容積変化規制手段が設けられていることが好ましい。滴下に際しては、押圧片を押すことにより滴下操作部のドーム形状の頂点部から押し潰されて容器内の体積を減少させ、所定量の収容溶液が滴下口より取り出される。この押圧操作は、前記押圧片の採用により滴下操作部への押圧力が平面的に加えられることにより、指の大きさに関わりなく、一定の体積変化をおこさせることができる。従って、押圧片と滴下操作部との間に適当な凸状部を設けることにより、両者の間に一定の間隔を持たせるように制限すれば、滴下操作部の変形量を規定することができ、内容物に応じて種々の設定が可能になると共に滴下量がより正確に調節されることとなる。勿論、このような規制手段が設けられていなくても、押圧変形には限界がある(例えば、容器本体の外形よりも押圧片が大きい場合には、容器外形で押圧片の動きが制限され、小さい場合には容器内部まで押圧片が押し込まれる可能性があるが、その場合でも、滴下操作部のドーム形状を反転させた位置までが限界である)ので、その限界を滴下量の一定値とすることもできるが、前記凸状部の高さを種々設定することで、押圧片のストロークを調整し、用法に応じて多種の応用ができることになる。さらに容積変化規制手段の別の態様として、滴下操作部と押圧片との間に環状のストッパを設けることも可能である。当該ストッパは中心に貫通孔を有し、貫通孔を通して突出する押圧片を使用時に押圧すると、指がストッパにて動きを制限されるために、滴下量が一定となるようにするものである。
【0018】
容器の滴下口については、それがはじめから開口されている場合と、流通段階では薄肉樹脂等により開封可能にシールしておく場合がある。滴下口がはじめから形成されている場合の利点としては、内溶液の滴下操作時に口部からの液切り効果があるように種々の形状を持たせることができ、そのような形状として例えば、滴下口の先端部内周面に、先端に向かって大きな口径と為すテーパ面が形成されるようにし、さらに液垂れを防止するために、滴下口を構成する滴下菅の菅径よりも大径のカエリ部を形成して、該カエリ部の背後の該滴下菅の周りを空間とすることにより、内溶液が滴下口先端部に、残留することなく優れた液切りが可能になる。勿論、滴下口を開封可能にシールしておいた場合であっても、前記のようなテーパ面やカエリ部の形成された滴下口にすることはできるが、キャップ内面スパイクは、滴下口を貫通する孔を開けることは出来ても、シールしていた薄肉樹脂の完全な除去はできないために、残留する樹脂片の影響により内溶液の滴下操作の際に、貫通孔の付近で内容液の圧力が加わり、溶液の流れに乱れが生じるので、液滴の大きさを一定に調節する効果としては、はじめから滴下口が形成されている場合の方が優れている。しかし、はじめから滴下口を形成した容器にあっては、流通段階における容器の密閉性向上のために、キャップ内面に滴下口と接触してこれを閉塞する弾性パッキン(例えばシリコンゴムなど)を設けることが望ましいのであり、それに比較して、使用時まで開封可能な薄肉樹脂により滴下口がシールされている容器は、キャップがなくても十分な密閉性を保持することが可能である。なお、滴下口貫通後の使用期間内はパッキン等がなくてもスパイク部分が容器の密閉性を維持する役割を果たし、短期間の保存には十分対応可能である。
【0019】
ところで、このような容器にあっては、不正に開封されたかどうかを使用者に認識させるために何らかの機構、構造を持たせることが望まれる。この不正開封認知機構として、簡単なものでは容器全体をシュリンクフィルムで覆ったものや、容器本体とキャップ部材との間に円筒ストッパが形成され、円筒ストッパはキャップに破断可能に連結された樹脂であって、キャップを開ける方向に螺進したときに、キャップに追随しないで容器本体口部に残留して破断される構造のものがあげられる(一般にピルファープルーフ特性という)。本発明では、滴下口が開封可能な薄肉樹脂によりシールされている場合に、以下に述べるような不正開封認知構造とすることが好ましい。滴下口がシールされている場合、それを開封するためにキャップ内スパイクにより貫通孔が形成されるが、その場合にはキャップを容器本体方向にネジ締めることになる。そしてキャップ内スパイクがシール部に達し、さらにこれを進めることによりシール部の薄肉部樹脂が開封される。その際、容器本体と、キャップ部材との間の円筒ストッパは、キャップ部材の螺進によって押し下げられる。容器本体のキャップ取り付けネジ部終端には環状に突条部が設けられており、円筒ストッパの端面が突条部に係止することにより、キャップの締め付け方向への螺進が妨げられているが、キャップを強制的に締めるとそのキャップに押されるようにして円筒ストッパ端面が突条部を乗り越えて前進する。円筒ストッパ内周面には凹溝が形成されており、キャップが進まなくなる位置まで押された円筒ストッパは、その位置において前記突条部と凹溝が嵌合し固定される。従って、容器が開封されたか否かは、円筒ストッパがどの位置にあるかによって使用者に認識できることとなる。また、円筒ストッパによってキャップの不用意な螺進が妨げられるので、流通段階での誤った開封等を阻止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明をより具体的に明らかにするために、本発明に係る滴下容器について、構成図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0021】
図1には、本発明に従う滴下容器の断面図の一例が示されている。かかる図から明らかなように、本発明の滴下容器1は容器本体内容積を可逆的に変化させる滴下操作部3によって円筒状容器本体2の開口端部21を閉塞されており、他端は外周にネジ部22を有する首部23と薄肉シール24された滴下口25が形成されている。そして、該他端のネジ部22に対応するネジ部12を内周壁に有し、内底部中央にスパイク11を有するキャップ10が螺着されている。使用者がこのキャップ10を螺進することで、滴下口のシールを開封し容器内に収容されている所定の液体が滴下可能となる。また、滴下操作部3にはこれと結合して垂直方向に押圧操作し易いように押圧片4が設けられている。
【0022】
円筒状容器本体2と、滴下操作部3は超音波溶着し易いように同一の樹脂材質から形成されており、安価で取り扱い易いように、一般的な射出成形または熱圧縮成形により例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン、アクリル等から適宜選択される熱可塑性プラスチックから構成される。成形後、円筒状容器本体の開口端部21より所定の溶液を充填し、滴下操作部3により覆蓋、両者の接する周辺部を超音波により溶着して密封する。滴下操作部の周辺部は、容器本体と樹脂同士の溶融により結合されるので、従来の軟質材料を間に挟んで固定用部材と本体容器とで圧着していた場合に比べて、格段に密封性が向上し、収納液の漏れを防止できる。また、円筒状容器本体2は、使用途中に使用者が残存液量を視認できる程度の透明性を有する樹脂からなることが望ましいが、無色透明である必要はなく、着色されていたり商品名等の記載や各種デザインが施されていてもよい。
【0023】
滴下作業中の取り扱い時は容器本体を把持されるので、適度に硬質でなければ把持圧により容器本体が変形し、内溶液の滴下量を一定にすることが困難となる。それに対して、滴下操作部は押圧片を通して容器内容積を可逆的に変化させることとなるため、弾性力を有しなければならない。しかも、容器本体と滴下操作部は前記のように超音波溶着するためには、両樹脂を同一にすることが好ましい。従って、滴下操作部の変形部分は薄く、ドーム状に成形して、樹脂自体が硬質であっても、操作部としては柔軟に変形可能となるようにした。滴下操作部のドーム形状は、いわゆる半球状であると操作時の変形が大きすぎて、頻回操作による樹脂疲労によって元の形状への復元力に問題が生じ易くなり、逆にほとんど平坦な状態である場合には、押圧により変形する容積が少なすぎて、内溶液の滴下ができなくなるので、断面図における角度αが5〜45°の範囲内とすることが望ましい。
【0024】
滴下操作部には、ドーム状の周端部より下方に延設された段差のある円筒状壁31を有し、当該部分と容器本体の開口端部21周辺に形成された段付き面に嵌合して前記したように超音波溶着される。この溶着部の各形状はそれぞれの樹脂がより液密になることを想定して種々の形状に成形されるのであって必ずしもこのような段差等をつけなければならないものではない。この樹脂間にゴム弾性を有する軟質材料を圧入嵌合する場合には両者の接着力の向上は必須であったが、本発明例では、滴下操作部材と容器本体との間に挟持しないので密封力にさほど障害となる要素はく、有利に液密が図られるのは前記した通りであり、これにより、両者に優れた一体感が付与されている。また、両者間には圧入嵌合すべきものが無いために、容器本体と滴下操作部材との接着面積を広く設けることができるので、容器本体の厚みを薄くでき、容器全体のコンパクト化、スリム化が有利に図れる。
【0025】
滴下操作部3には押圧片4が結合しているが、その結合様式は図1に示すように滴下操作部の一部を形成するような構成であってもよく、また、ドーム状の頂点と接する様に平坦面が接合しているような構造(例えば図2で示す)であってもよい。従来、滴下操作部を直接押圧していた場合には、指の太さや指先の形状などによって、押圧されたときに変形する滴下操作部の体積が異なり、結果として、供給者の意図した所定量の滴下液量に差が生じていた。本発明では、図1に示すような押圧片を滴下操作部と一体に設けることにより、需要者による個別的差異の生じない滴下量を可能としたのである。滴下操作部は、前記したように滴下時に可逆的に変形できるようになっており、これと一体的に構成される押圧片に押圧力を加えると、押圧片は一枚の板として凸面を押し下げるように働き、従って変形する体積は押圧するときの圧力によって決定され指先の形状等によらないので一定の滴下量が得られることとなる。押圧片の指先の接する側は図に示すように略平坦面(中心に多少のくぼみはあるが全体的には平坦)であり、押圧片を下にして容器を倒立させることが可能で、使用途中でキャップをしなくても、滴下口の汚れ防止、内容液の漏れを防止することができる。
【0026】
さらに、滴下操作部の押圧操作による変形量を規定するために、容器本体の内容積の変形量を制御する容積変化規制手段5が、押圧片と滴下操作部との間に設けられていることが好ましい。図1には押圧片4の周縁部2箇所に凸状に設けられていることを示す。すなわち、使用者が押圧片4を押すと滴下操作部3が下方に押し下げられるが、その際に押圧片4の周縁部と滴下操作部3の間隔は小さくなりやがて、押圧片4に設けられた容積変化規制手段5が滴下操作部3に接触してそれ以上に押し下げることができなくなる。この時の滴下操作部の変化により容器本体の容積が減少し、容器内の溶液が注出される量を、所定の滴下量とすれば、常に一定量の滴下が確保されることとなる。容積変化規制手段5の突出高さを調整すれば一回の押圧操作による注出量の増減が図られる。上述のように、滴下量を一定とする操作は、例えばコンタクトレンズの洗浄剤中にタンパク質除去効果のある液体酵素剤を希釈滴下するが如き処理方法などにおいて溶液量の制御、取り出し操作が極めて簡単となるのである。また、そのような制御を必要としない溶液の取り出しに用いたとしても、必要量だけ正確に滴下できるために、溶液の無駄使いが無くなるという利点があるのである。
【0027】
また、図5には、容積変化規制手段の他の例を示す。(a)図に対してA−A’ラインでの縦方向断面図を図5(c)に示す。本例では、押圧片4と滴下操作部3との間に、円環状の平板40を設けてある。押圧片は円環状の平板40の中心に設けられた貫通孔41より突出しており、使用者が押圧片を押さえることにより滴下操作部が押し下げられるが、平板により指の動きが制限されるために一定の位置までしか、押圧することができないので、滴下量を一定にすることができるというものである。この例では、滴下操作部材の部品点数が、図1記載の例に比較して、1つ多くなるが、各部品の成形の容易さや、滴下量の調整の面でより優れた容器である。本例では、容器のキャップ部材50が容器本体42を覆うような大きさに形成されている。これは、キャップ部材をネジ締めした場合の螺進の限界を容器本体の端面43との当接により使用者に明示することができる様にしたものであって、キャップ部材の締めすぎによる容器本体の滴下口46の形状が変形することがないよう考慮したものである。さらに、容器本体42の薄肉シール45は流通・保管時の容器内の密閉性を維持し、キャップ内底部中央のスパイク44により開封された後の使用中の内溶液の保存については、同スパイクが容器滴下口を閉塞することによりなされる。なお、(b)図はキャップ部材50を外した状態を示したものである。この図において円環状の周壁の一部48が窪んでいるように形成されている。これは、爪の長い使用者が押圧片を押す場合には、爪先をこの部分に持っていくように操作することにより、押圧しやすくしたものである。
【0028】
連続した頻回の形状変化がともなう滴下操作部と押圧片とは、耐久性・形状保持の観点から一体で成形されていることが望ましいが、両者を個別に成形してその接点を各種の接着方法(たとえば、前記した超音波溶着など)により結合させても良い。両者を個別に成形する利点としては、滴下操作部には形状変形し易いように弾性力を有する材質を使用し、押圧片には形状変形し難いように剛性の材質を使用でき、それぞれ目的に合った材料を使用できることであるが、欠点としては両者の連結点が破損しやすいことである。また、本体容器と滴下操作部材との接着のためには両者材質を同一とする方が好ましく、そうすると滴下操作部の材質は剛性の樹脂よりなるために、滴下操作部の形状を例示したような弾性変形可能なように厚みを薄くまたドーム形状に成形する。なお、この滴下操作部及び押圧片については透明性が特に要求されることはなく、また種々の色に着色されあるいは部材ごとにそれぞれ別種の着色をしていても何ら問題はない。
【0029】
容器本体の他端部には内溶液を滴下するための滴下口25が滴下管26の中央部に内孔として形成されている。そして、図3に示されているように滴下管の先端にはカエリ部27が該滴下管26の外周方向に突出するように形成され、これによってカエリ部と滴下管との間に段差が形成されるので、滴下口を通じて外部に注出される内溶液が良好に液切りされるようになる。また、滴下口は一定の内径で貫通する注出路であってもよいが、図3に示すような先端に向かって大きな口径になるようにテーパ面20を形成することが好ましく、滴下口外周からカエリ部終端面に至る外面28は図に示すように湾曲面とされることが望ましい。滴下操作時の容器本体の把持される角度(滴下口を下にして垂直に容器を立てる場合や、容器を斜めに保持する場合等)によって、滴下管先端に形成される液滴と滴下管との接触面積に差が生じ、溶液の表面張力に基づいて滴の大きさが異なることがないようにするためであり、それにより、優れた溶液の液切り効果が得られるようになっている。容器本体から内溶液を注出する操作は、押圧片を押圧するときの滴下操作部の変形によるので、押圧片への加圧を開放すると滴下操作部の復元により滴下口から容器本体内への吸引力が働くことになる。このとき滴下口に残存する液滴も容器内に逆流するために、滴下口からの液切れは一定量の滴下を達成するための重要な要素となる。特に溶液が液体酵素剤である場合には、酵素の安定化のために粘度の高い溶液を使用しており、該溶液は滴下口に滞留しやすいために、前記構造はそのような不具合を有利に回避することができる。
【0030】
滴下口25の内径(図3のa)およびテーパ面の角度等は、内溶液の粘性や表面張力等の物性によって適宜定まるものであり、一概には言えないが、一般的には内径が0.3mm〜1.5mmの範囲、テーパ面の角度が30〜60°とされる。粘性が高いほど内径を広げないと滴下操作時の圧力だけでは容器内圧が高くなるだけで、内溶液が注出されなくなることが考えられ、逆に粘度が低いと滴下時に容器を逆さまにしただけで、押圧片の押圧を待つまでもなく、内溶液の滴下が進行して一定の滴下量を得ることが出来なくなる。また、テーパ面の角度が30°以下であると滴下時の液切れが悪くなる傾向があり、60°以上の場合には、滴下口に残存する液が残りやすくなるので、上記範囲で選択することが好ましい。
【0031】
滴下管26とカエリ部27との直径は、カエリ部の直径が滴下管よりも大きければ良いが、両者にあまり差がなければカエリ部より背後の滴下管に渡って滴ができ、液垂れの原因ともなりうるので、両者の径には0.5mm以上好ましくは1mm以上の差が有ることが望ましい。また、滴下管26の径(図3のb)が大きすぎると滴下口の滴が見難く、液滴を正確に容器に滴下することが困難になるので2mm〜5mmの範囲内であることが望ましい。
【0032】
図1に示す例では、滴下管と容器本体部の間には雄ねじ22が形成されており、滴下口を閉塞するためのキャップ部材10が着脱可能に螺合されている。キャップ部材は通常のキャップが有する機能、即ち、流通過程および使用中に容器本体内部の溶液が揮散、流出しあるいはゴミや埃などの混入による汚染を防止するとともに、滴下管先端部の構造に対する他からの物理的衝撃を防御する役割を有する。キャップ部材は容器本体部と螺合による接続だけでなく、嵌合その他の方法で容器と接続されても良い。またキャップ部材は容器本体と着脱自在に接続するので、上記部材(滴下操作部材、容器本体)と同じ材質である必要はない。
【0033】
容器本体の滴下口が初めから貫通孔を有している場合には、滴下口と接触するキャップ部材の内底部にスパイクの代わりにゴム弾性を有する材料(例えばシリコンゴム製のパッキン)が接着されていることが好ましい。キャップ部材が容器本体に螺合された状態において、かかるパッキンが滴下口に押圧されるように密着し、容器内の密封性を向上させ、流通過程における内溶液の蒸発等を防止するためである。一方、滴下口が破断可能にシールされている場合には、キャップ部材の内底部にシール部に穴を開けるためのスパイクを有するものであることが望ましい。滴下口が破断可能にシールされている場合には、流通過程における容器内部の液密が充分に保証され、前記したパッキン等は特別必要がなくなり、よって部品点数の削減、容器コストの低減が有利に図れる。使用期間中の保存はキャップ部材のスパイクが貫通した滴下口を閉塞することにより達成される。キャップ部材の材質は、当該スパイクを形成する必要があるか否かによって大きく異なる。前記したように滴下口の口径は非常に細くなっているので、これをシールした部分の貫通はかなり細いスパイクであることが条件になる。細いスパイクでもある程度の剛性を有するようにするためには、キャップ部材の材質自体が剛性を有した樹脂を使用しなければ、シール部の貫通ができないことになる。具体的には、ポリカーボネート、ナイロン、アクリル等から選択される。それに対してスパイクを構成要素に必要としないキャップ部材であれば、多少柔軟な(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)のキャップであっても使用に差し障りはないものと考えられる。
【0034】
また、キャップ部材の螺進によるシール開封時の操作と不正開封認知機構とを連動させることにより商品の安全供給をより確実にすることができる。本発明例における不正開封認知機構は図1に示すように、キャップ部材10と容器本体2との間にリング状の円筒ストッパ8を形成することによる。円筒ストッパは、キャップ部材10の開口端に薄肉に連設されており、円筒の一端面は図に示すようにテーパが設けられていることが望ましい。一方、容器本体の雄ネジ終端部には環状突条部29が形成されており、円筒ストッパの一端部周壁とが係止することによって円筒ストッパの前進を妨げるものとなる。円筒ストッパを有するキャップ部材をネジ締めしたときに、通常の力でネジ締めした場合には、前記円筒ストッパの前進が容器本体の環状突条部29によってはばまれるので、キャップ部材の螺進も円筒ストッパと接触した時点で止められる。その位置においてキャップ部材の内底部に設けられたスパイク11は、滴下口のシール24を貫通させるまでには至らない。しかし、更に強制的にキャップを螺進させた場合には円筒ストッパの一端部周壁が容器本体の環状突条部を乗り越えて前進し、最終的に容器本体胴部の段差位置30において円筒ストッパの前進が止められる。ここまでキャップが螺進されると、スパイクによる滴下口の開封が完了し、キャップを開放すれば容器内より溶液を滴下できるようになる。また、円筒ストッパ内側の他端面と容器本体の環状突条部とが係合し、円筒ストッパは容易に位置を変えることはできなくなって固定されるため、使用者は容器が不正に開封されたかどうかについて容易に認知することができる。
【0035】
この円筒ストッパはキャップ部材と破断可能に連結されており、キャップ部材を強制的にネジ締めしない場合であっても、キャップ部材の開放方向への螺退によって破断されて容器本体に残留するいわゆるピルファープルーフキャップのように構成され、キャップの不正開封を完璧に防止しうる。それについては以下に図面を参照して説明する。図4(a)には、円筒ストッパを有するキャップ部材を取り付ける前の容器本体2、およびその開口部を閉塞するように取り付けられた滴下操作部3、押圧片4、容積変化規制手段5からなる滴下操作部材が斜視図として示されている。容器本体には前記したようにキャップを単純に開放する際にも円筒ストッパがそれに追随しないように突条部29の他に第二の環状突条部35を設け、図4(b)に示すようにキャップを容器本体に取り付けた時に円筒ストッパは、第一の環状突条部29と第二の環状突条部35との間に位置するようにされる。第二環状突条部35はネジ山22よりも外方へ突出し、キャップ部材の螺進により円筒ストッパ8は強制的に当該突条部35を乗り越えさせられる。その後、仮にキャップ部材を開放するようにしても、円筒ストッパは再び突条部35を超えることは出来ず、円筒ストッパがキャップ部材と切り離されて容器本体に残留することになる(いわゆるピルファープルーフ機構)。これは円筒ストッパの断面が図1に示されるように一端面がテーパ状、他端面が鋭角となっていることによる。従って、一旦キャップ部材が、容器本体に取り付けられた後はキャップ部材を取り除くに際して必ず円筒ストッパを切り離すことになる。図4(c)にはキャップ部材をさらに螺進させて容器本体の滴下口を開封したのち、キャップ部材を除いた状態を示す。この時、円筒ストッパはさらに前進し、環状突条部29を乗り越えて容器本体に固定される。
【0036】
このように円筒ストッパは容器が開封されたのちは、容器本体と一体化して一種のデザイン的な配置となるので、使用者に好適な印象を与える。そこで、円筒ストッパに各種の着色を施して、不正開封認知機構としてだけでなく容器の装飾的部品としても機能するように構成すると良い。また例えば容器本体が円筒形である場合に横置きした時に容器が転がりやすいので、円筒ストッパの外表面に角を設けて鉛筆のごとく六角柱状等に形成してもよい。ここで、円筒ストッパの幅は、キャップ部材のスパイクが滴下口の非破壊位置から、滴下口開封位置まで螺進できるだけの幅以上であればよく、通常2〜7mm程度とされる。また円筒ストッパ内径は容器本体のネジ山22に対して摺動可能な径であり、かつ環状突条部の外径よりは小さい。ただし、円筒ストッパは前記したように強制的ではあるが突条部を乗り越えられるように、ある程度形状変化の可能性のある材質からなることが望ましい。全く形状変化の可能性がないものである場合でも、容器本体の環状突条部を破壊して円筒ストッパを前進させるようにすることは可能であるが、そうするとキャップの螺進にかなりの力を要することになるので使用者には使い難くなるおそれがある。
【0037】
以上、本発明の具体的な構成について記述してきたが、これはあくまでも例示にすぎないのであって、本発明は上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0038】
例えば、前記の不正開封認知機構はあくまでも任意に付設するものであって、当該機構を付設しなくても容器全体をシュリンクフィルム等により包装すれば不正開封の防止は図れるのであり、さらに、容器全体を紙製の箱等に梱包することでもよい。また、容器本体、キャップ部材、押圧片などはその外形が円筒状である必要はなく多角柱として横置き時の転がり防止や、把持した時に握り易い形状にすることも可能である。これらは本発明の趣旨を逸脱しないかぎりにおいて適宜に変更されるものであることは言うまでもないところである。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に従う滴下容器にあっては、特に液体酵素剤などの取り扱いにおいて、容易に安定した滴下量を保証することができ、容器自体の構造が簡単であるためにそのコストを削減することができる。また、密閉性の高い容器の供給により保存期間の長期化や、適用処方の幅が広がり、他用途への応用が可能となる。さらに他の態様として不正開封防止機構の採用により流通過程での安全性を保証し、同時に容器の美感性を損なわないような構成とすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施態様を示す断面図である。
【図2】図2は本発明の滴下操作部と押圧片との接合形態の他の例を示す。
【図3】図3は滴下口の例を示す拡大断面図である。
【図4】(a)は本発明の容器本体の他の例を示し、(b)は前記容器本体にキャップ部材を取り付けた状態、(c)はキャップ部材を取り外して、円筒ストッパが容器本体と一体化した状態をそれぞれ示す斜視図である。
【図5】(a)は本発明の他の例を示し、(b)は前記キャップ部材を取り外した容器本体の斜視図、(c)は(a)図におけるA−A’断面図。
【符号の説明】
1 滴下容器
2 容器本体
3 滴下操作部
4 押圧片
5、40 容積変化規制手段
8 円筒ストッパ
10、50 キャップ部材
11、44 スパイク
20 テーパ面
22 ネジ
24、45 薄肉シール
25 滴下口
26 滴下菅
27 カエリ部
29、35 環状突条部
30、43 段差
Claims (2)
- 内部に収容された所定の溶液を滴下せしめるための開封可能にシールされた滴下口を有する容器本体と、該容器本体に着脱可能に装着せしめられて該容器本体の滴下口のシール部を開封するためのスパイクが内底部の中央に突設されたキャップ部材と、該キャップ部材開口端に薄肉に連設された円筒ストッパとからなる液体滴下容器において、前記容器本体の(キャップ部材との)螺合ネジ部終端に、環状の突条部が周設され、前記円筒ストッパの一端面が突条部に係止されることにより、開封前のキャップ部材の螺進を制御し、開封時における強制的な螺進に対して、前記円筒ストッパが突条部を越えて前進し、前記円筒ストッパの他端面が容器本体の前記突条部と係合するとともに、キャップ部材内底部のスパイクにより容器本体の滴下口シールを開封するように構成され、キャップ部材を螺退することにより、円筒ストッパとの薄肉連設部が破断されて円筒ストッパが容器本体に残るように構成されたことを特徴とする液体滴下容器。
- 請求項 1 記載の液体滴下容器において、さらに該容器本体の容器壁の一部を構成する状態で設けられ、押圧操作による変形と構成材料の弾力性に基づく原形状への復元による変形とによって、該容器本体の内容積を可逆的に増減変化させる滴下操作部と、該滴下操作部と一体に構成され、該操作部に対して押圧操作を垂直方向に可能ならしめる押圧片とを有する滴下操作部材と、を備えることを特徴とする液体滴下容器。
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