JP4088720B2 - コーティング組成物及び光学部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、眼鏡レンズ、カメラ用レンズ、自動車用窓ガラス、液晶ディスプレイや、プラズマディスプレイ等に付設する光学フィルター等の光学部材に耐擦傷性、表面硬度、耐摩耗性、透明性、耐熱性、耐光性、耐候性、耐水性に優れたコーティング膜を得るためのコーティング組成物及び、そのコーティング組成物を利用した光学部材に関する。
【0002】
本願発明は、形成された被覆物が耐温水性に優れ、更にこの被覆物上に無機酸化物の蒸着膜(反射防止膜など)を施した場合でも被覆物の耐候性、耐光性が低下しないコーティング組成物及び光学部材に関する。
【0003】
【従来の技術】
プラスチック成形物は、軽量、易加工性、耐衝撃性等の長所を生かして多量に使用されているが、反面、硬度が不十分で傷が付きやすい、溶媒に侵されやすい、帯電してほこりを吸着する、耐熱性が不十分等の欠点があり、眼鏡レンズ、窓材等として使用するには、無機ガラス成形体に比べ実用上不十分であった。
【0004】
そこでプラスチック成形体に保護コートを施すことが提案されている。コートに使用されるコーティング組成物は、実に多数の種類が提案されており、例えば有機ケイ素化合物又はその加水分解物を主成分(樹脂成分又は塗膜形成成分)とするコーティング組成物が眼鏡レンズのハードコートに使用されている。しかし、このコーティング剤は、耐擦傷性が十分ではない。更に特開昭53−111336号公報には、シリカゾルを添加してコロイド状シリカ粒子を含有したコーティング剤を眼鏡レンズ用ハードコートに使用することが開示されている。
【0005】
従来、プラスチック製眼鏡レンズは、大半がジエチレングリコールビスアリルカーボネートをモノマーの状態で注型重合することによって製造されていた。この様に製造されたレンズは屈折率が約1.50であり、ガラスレンズの屈折率の1.52に比べて低いことから、近視用レンズの場合は縁の厚みが増すという問題がある。そのために近年、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートより屈折率の高いモノマーの開発が進められている。それらの高屈折率樹脂材料は例えば、特開昭55−13747号公報、特開昭56−166214号公報、特開昭57−23611号公報、特開昭57−54901号公報、特開昭59−133211号公報、特開昭60−199016号公報、特開昭64−54021号公報に開示されている。
【0006】
上記の高屈折率樹脂材料を用いた高屈折率レンズに対して、特開昭62−151801号公報や特開昭63−275682号公報では、SbやTiの金属酸化物微粒子のコロイド分散体を含有したコーティング剤が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
シリカゾルを添加することによってコロイド状シリカを含有したコーティング剤は、そのコーティング剤の塗布と硬化によって得られる膜が干渉縞を発生し、レンズの外観が好ましくないという問題がある。また、レンズでは、塗膜の上に反射防止膜(光学干渉理論に基づく無機酸化物薄膜の多層構造膜からなる)を形成することが多い。この場合、反射防止膜が例えば、極薄い緑色の反射色を呈するが、この反射色がレンズ表面の位置に応じて変わり、むらがあるという問題点もあった。
【0008】
酸化スズゾルを添加することによってコロイド状酸化スズを含有したコーティング剤は、酸化スズゾルがシランカップリング剤等の有機ケイ素化合物やその加水分解物等のケイ素含有物質との相溶性が低く安定性が低下するために、そのコーティング剤の塗布と硬化によって得られる膜は耐水性が十分ではない。
酸化チタンゾルを添加することによってコロイド状酸化チタンを含有したコーティング剤は、やはり、酸化チタンゾルがシランカップリング剤等の有機ケイ素化合物やその加水分解物等のケイ素含有物質との相溶性が低く安定性が低下するために、そのコーティング剤の塗布と硬化によって得られる膜は耐水性が十分ではない。また、紫外線照射により青色に変色するという問題があった。
【0009】
酸化アンチモンゾルを添加することによってコロイド状酸化アンチモンを含有したコーティング剤は、酸化アンチモンゾルとシランカップリング剤等の有機ケイ素化合物やその加水分解物等のケイ素含有物質との相溶性は高く安定性は向上するが、そのコーティング剤の塗布と硬化によって得られる膜は屈折率が十分に高くないという問題がある。
【0010】
本願発明は、nd=1.54〜1.70の高い屈折率を有する高屈折率樹脂材料を用いた高屈折率光学部材に対して、コーティング剤の塗布と硬化によって得られる膜に干渉縞が見えず、且つ反射色に斑のない膜を与えるコーティング組成物及びそのコーティング組成物を利用した光学部材を提供することにある。
また、本願発明は、耐擦傷性、表面硬度、耐摩耗性、可とう性、透明性、帯電防止性、染色性、耐熱性、耐水性、耐薬品性等に優れたプラスチック用コーティング組成物及びそのコーティング組成物を利用した光学部材を提供することにある。特に、本願発明は、耐擦傷性、密着性、耐水性、透明性、耐光性に優れ、干渉縞の発生がない膜を与えるコーティング剤を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、下記(A)成分及び(B)成分;
(A)成分:一般式(I)
(R1)a(R3)bSi(OR2)4-(a+b) (I)
(但し、R1及びR3は、それぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R2は炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基、又はアシル基であり、a及びbはそれぞれ0、1、又は2の整数であり、a+bは0、1、又は2の整数である。)及び、一般式(II)
〔(R4)cSi(OX)3-c〕2Y (II)
(但し、R4は炭素数1〜5のアルキル基を示し、Xは炭素数1〜4のアルキル基又はアシル基を示し、Yはメチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは0又は1の整数である。)で表される有機ケイ素化合物、並びにその加水分解物からなる群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質、
(B)成分:2〜20nmの一次粒子径を有する酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子、を含有するコーティング組成物である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本願発明のコーティング組成物に使用される(A)成分中の一般式(I)、
(R1)a(R3)bSi(OR2)4-(a+b) (I)
においては、R1とR3が同一の有機基又は異なる有機基である場合や、aとbが同一の整数又は異なる整数である場合の有機ケイ素化合物を含む。上記(A)成分中の一般式(I)で示される有機ケイ素化合物は、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアセチキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、αーグリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3、3、3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することが出来る。
【0013】
また、本願発明のコーティング組成物に使用される(A)成分中の一般式(I)の有機ケイ素化合物の加水分解物は、上記一般式(I)の有機ケイ素化合物が加水分解される事により、上記R2の一部又は全部が水素原子に置換された化合物となる。これらの一般式(I)の有機ケイ素化合物の加水分解物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用する事が出来る。加水分解は、上記の有機ケイ素化合物中に、塩酸水溶液、硫酸水溶液、酢酸水溶液等の酸性水溶液を添加し撹拌することにより行われる。
【0014】
本願発明のコーティング組成物に使用される(A)成分中の一般式(II)、〔(R4)cSi(OX)3-c〕2Y (II)
表される有機ケイ素化合物は、例えば、メチレンビスメチルジメトキシシラン、エチレンビスエチルジメトキシシラン、プロピレンビスエチルジエトキシシラン、ブチレンビスメチルジエトキシシラン等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することが出来る。
【0015】
また、本願発明のコーティング組成物に使用される(A)成分中の一般式(II)の有機ケイ素化合物の加水分解物は、上記一般式(II)の有機ケイ素化合物が加水分解される事により、上記Xの一部又は全部が水素原子に置換された化合物となる。これらの一般式(II)の有機ケイ素化合物の加水分解物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することが出来る。加水分解は、上記の有機ケイ素化合物中に、塩酸水溶液、硫酸水溶液、酢酸水溶液等の酸性水溶液を添加し撹拌することにより行われる。
【0016】
本願発明のコーティング組成物に使用される(A)成分は、一般式(I)及び一般式(II)で表される有機ケイ素化合物、並びにその加水分解物から成る群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質である。
本願発明のコーティング組成物に使用される(A)成分は、好ましくは一般式(I)で表される有機ケイ素化合物、及びその加水分解物から成る群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質である。特に、R1及びR3のいずれか一方がエポキシ基を有する有機基であり、R2がアルキル基であり、且つa及びbがそれぞれ0又は1であり、a+bが1又は2の条件を満たす一般式(I)の有機ケイ素化合物及びその加水分解物が好ましく、その好ましい有機ケイ素化合物の例としては、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、αーグリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシランである。
【0017】
更に、好ましくはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン及びこれらの加水分解物であり、これらを単独で又は混合物として使用する事が出来る。また、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン又はこれらの加水分解物は、更に、一般式(I)においてa+b=0に相当する4官能の化合物を併用する事が出来る。4官能に相当する化合物の例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラtert-ブトキシシラン、テトラsec-ブトキシシラン等が挙げられる。
【0018】
本願発明のコーティング組成物に使用される(B)成分は、2〜20nmの一次粒子径を有する酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子である。
上記の酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子は、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子を液状媒体に分散させたゾルとして利用することが好ましい。上記の酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子を分散させる液状媒体としては、水性媒体や、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の親水性有機溶媒が好ましい。酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子は、一次粒子径が2〜20nm(ナノメートル)である。ここで、一次粒子径とは凝集形態にある酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子の直径ではなく、個々に分離した時の1個の酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子の直径であり、電子顕微鏡によって測定する事が出来る。
【0019】
本願発明に用いる酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子を含有するゾルは、如何なる方法で製造されたものを使用することが出来る。この酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子を含有するゾルは、特に以下の方法によって製造されたものが好ましい。
即ち、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合ゾルは、チタン塩、セリウム塩及び金属スズを、過酸化水素の存在下に水性媒体中で反応させる方法により製造する事が出来る。
【0020】
更に詳しくは、下記(a)工程、(b)工程及び(c)工程;
(a):過酸化水素水及び金属スズを、2〜3のH2O2/Snモル比に保持しつつ同時に又は交互にチタン塩及びセリウム塩の混合物水溶液に添加して、チタン成分、セリウム成分及びスズ成分がTiO2、CeO2及びSnO2に換算して0.01〜0.5のCeO2/TiO2モル比、0.25〜10のTiO2/(CeO2+SnO2)モル比と、TiO2、CeO2及びSnO2に換算した総濃度が5〜50重量%となるチタン−セリウム−スズの塩基性塩水溶液を生成する工程、
(b):(a)工程で得られたチタン−セリウム−スズの塩基性塩水溶液を0.1〜100時間かけて50〜100℃の温度で保持して酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイドの凝集体を生成させる工程、及び
(c):(b)工程で生成した酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリー中の電解質を除去する工程、より成る酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性ゾルの製造方法が挙げられる。
【0021】
上記の(a)工程で使用されるチタン塩としては四塩化チタン、硫酸チタン、硝酸チタン等が挙げられる。これらのチタン塩は水溶液で用いる事が好ましい。上記の(a)工程で使用されるセリウム塩としては、塩化セリウム、硫酸セリウム、硝酸セリウム、若しくは炭酸セリウム等の無機酸セリウム、又は酢酸セリウム等の有機セリウムが挙げられる。
【0022】
上記の(a)工程で使用される金属スズは粉末状又は粒状で用いることが出来る。例えばインゴットを溶融し噴霧凝固させて得られるアトマイゼーション法による金属スズ粉末や、インゴットを旋盤やヤスリ等により切削し製造されたフレーク状金属スズ粉末を用いる事が出来る。
過酸化水素は、市販の35重量%濃度の水溶液を所望の濃度で用いる事が出来る。
【0023】
(a)工程ではチタン塩とセリウム塩の混合水溶液に、過酸化水素水と金属スズを同時に又は交互に添加して、チタン−セリウム−スズの塩基性塩水溶液を生成する工程である。撹拌機を備えた反応容器にチタン塩とセリウム塩の混合物水溶液を入れ、撹拌下に過酸化水素水と金属スズを各々、別々の添加口から同時に又は交互に添加する。上記の混合物水溶液は、純水中にチタン塩とセリウム塩を溶解する方法、チタン塩水溶液とセリウム塩水溶液を混合する方法、チタン塩水溶液にセリウム塩を添加する方法、又はセリウム塩水溶液にチタン塩を添加する方法で得られる。(a)工程の塩基性塩水溶液、及び以下に続く(b)工程の酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイドの凝集体を含むスラリーは酸性であるため、それら工程で使用される反応装置はガラス製反応装置やグラスライニング(ホウロウ)製反応装置を用いる事が好ましい。
【0024】
過酸化水素水と金属スズのH2O2/Snモル比は2〜3に保持しつつチタン塩とセリウム塩の混合物水溶液中に添加する。より詳しくは、過酸化水素水及び金属スズの添加すべき全重量部に対して1/3〜1/30重量部をそれぞれ分収して、チタン塩とセリウム塩の混合物水溶液への過酸化水素水の添加と、それに続く金属スズの添加そして2〜20分間反応を行う一連の工程を、3〜30回繰り返す分割添加の方法が挙げられる。また、過酸化水素水及び金属スズの添加すべき全重量部に対して1/3〜1/30重量部をそれぞれ分収して、チタン塩とセリウム塩の混合物水溶液への金属スズの添加と、それに続く過酸化水素水の添加そして2〜20分間反応を行う一連の工程を、3〜30回繰り返す分割添加の方法も挙げられる。
【0025】
この時に、初めに全量の過酸化水素を酸性のチタン塩とセリウム塩の混合物水溶液に加え、これに金属スズを加えると過酸化水素の大部分が反応の初期に分解してしまい過酸化水素の量が不足し、また過酸化水素の分解反応は発熱反応のため危険であり好ましくない。H2O2/Snモル比が3を少し越えても反応は可能であるが、大幅に越えることは上記理由から好ましくない。H2O2/Snモル比が2未満では酸化不充分となるため好ましくない。過酸化水素水と金属スズの添加時間は、例えばチタン塩とセリウム塩の合計モル数で1モルが溶存する混合物水溶液を用いた場合に、0.4〜10時間、好ましくは0.4〜5時間をかけて添加することが出来る。この添加時間が0.4時間以下では発熱反応が激しくコントロールが出来なくなり、また未反応の金属スズが残存し易くなるため好ましくない。また、10時間以上でも良いが経済的でないため好ましくない。
【0026】
(a)工程において生成するチタン−セリウム−スズの塩基性塩は、チタン成分、セリウム成分及びスズ成分を酸化チタン(TiO2)、酸化セリウム(CeO2)及び酸化スズ(SnO2)に換算したCeO2/TiO2モル比が0.01〜0.5、好ましくは0.05〜0.5である。また、TiO2/(CeO2+SnO2)モル比が0.25〜10、好ましくは0.4〜4.0である。
【0027】
TiO2/(CeO2+SnO2)モル比が0.25未満でもチタン−セリウム−スズの塩基性塩水溶液を作成できるが、カウンターアニオンのモル比が低下しコロイドが生成しやすく、また屈折率も低下するために好ましくない。またモル比が10を越えてもチタン−セリウム−スズの塩基性塩水溶液を作成できるが、これを用いて製造した酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合ゾルの紫外線による変色の抑制効果が低下するために好ましくない。(a)工程のチタン−セリウム−スズの塩基性塩水溶液中の(TiO2+CeO2+SnO2)に換算した総濃度は5〜50重量%が好ましい。5重量%未満でも可能であるが、効率が悪く経済的でない。また50重量%を越える事も可能であるが、粘度が高く、撹拌しにくくなり、反応が不均一になるために好ましくない。
【0028】
(a)工程において、水性媒体中でのチタン塩、セリウム塩、金属スズ及び過酸化水素水の反応は、30〜95℃、好ましくは40〜85℃で行われる。過酸化水素と金属スズとの反応は酸化反応であるため発熱反応となり、また過酸化水素の分解反応も同時に起こり、この反応も発熱反応であるため反応時の温度コントロールには注意が必要であり、必要に応じて冷却する事が出来る。反応温度は30℃未満でもよいが、発熱反応であるために過剰の冷却が必要となり、反応に時間が懸かり過ぎ、経済的でない。反応温度が95℃以上の沸騰状態では(a)工程で粗大なコロイド粒子が生成してしまうため好ましくない。
【0029】
(b)工程では、(a)工程で得られたチタン−セリウム−スズの塩基性塩を加水分解する事によって、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイドの凝集体を得る工程である。(b)工程においてチタン−セリウム−スズの塩基性塩水溶液は、酸化チタン(TiO2)、酸化セリウム(CeO2)、及び酸化スズ(SnO2)に換算した総濃度(TiO2+CeO2+SnO2)が2〜15重量%に調製する事が好ましい。2重量%未満でも可能であるが、効率が悪く経済的でない。また15重量%を越える事も可能であるが、粘度が高く、撹拌しにくくなり、加水分解反応が不均一になるために好ましくない。また粒子径をコントロールするために予め塩基性物質を添加しpH調整してから加水分解を行うことが出来る。上記の塩基性物質は例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニウム、及びエチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン等のアルキルアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、及び第4級アンモニウム水酸化物等が挙げられる。そしてpHは1〜2に調製する事が好ましい。
【0030】
(b)工程において加水分解の温度は50〜100℃の温度が好ましい。50℃未満でもよいが加水分解に時間が懸かりすぎるために好ましくない。100℃を越えて行ってもよいが、オートクレーブなどの特殊な水熱処理装置が必要となり、また水熱処理により生成したコロイドの二次凝集体が強固になり、得られる酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合ゾルの透明性が低下するために好ましくない。
【0031】
(b)工程において加水分解に要する時間は0.1〜100時間が好ましい。0.1時間未満では加水分解が不充分となり好ましくない。また100時間を越えた場合は、一次粒子径が大きくなりまた強固な二次凝集体が形成されるために好ましくない。この(b)工程により得られる酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子の一次粒子径は2〜20nm(ナノメートル)である。
【0032】
(c)工程は、(b)工程で得られた酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリー中から過剰な電解質(主にアニオン)を除去して、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子を解膠させてゾルを得る工程である。過剰な電解質を除去することにより酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子が一次粒子に近い状態で分散したゾルを得ることが出来る。この洗浄は凝集沈降させ、上澄みをデカンテーションする方法、限外濾過法、イオン交換法などにより行うことができるが、多量の電解質を含む場合は限外濾過→注水→限外濾過の繰り返しによる洗浄方法が特に好ましい。
【0033】
(c)工程を経て酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性ゾルが得られる。この(c)工程で得られるゾル中の酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子の一次粒子径は2〜20nmである。この一次粒子径が2nm未満であると、これを用いて製造した酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合ゾルの粘度が高くなり、耐水性も低下するので好ましくない。また一次粒子径が20nm以上の場合は、これを用いて製造した酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合ゾルの透明性が低下するために好ましくない。
【0034】
(d)工程として、(c)工程で得られた酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性ゾルを陰イオン交換する工程を付加する事が出来る。この陰イオン交換処理により高濃度でも安定なゾルを得ることが出来る。
(d)工程における陰イオン交換は市販の陰イオン交換樹脂を用いることができ、陰イオン交換樹脂は水酸基型に調整後に使用する。陰イオン交換樹脂を充填したカラムに酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性ゾルを通液することにより容易に陰イオン交換できる。通液温度は0〜60℃、通液速度は空間速度SV1〜10時間が好ましい。(d)工程では陰イオン交換処理の前及び/又は後に、塩基性物質を酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性ゾルに添加して安定性を増大させることが出来る。(d)工程において用いられる塩基性物質としては有機塩基が好ましく例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミンなどのアルキルアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、及び第4級アンモニウム水酸化物等が用いられる。
【0035】
(d)工程で得たアルカリ性の酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合ゾルはそのままでも安定であるが、必要に応じて限外濾過法や蒸発法により濃縮し、高濃度で安定なゾルを得ることが出来る。
(e)工程として、(c)工程又は(d)工程で得られた酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性ゾルの水性媒体を有機溶媒に置換する工程を付加する事が出来る。
【0036】
(e)工程の溶媒置換の際、安定化剤として少量の有機塩基及び/又は有機酸等が添加される事により溶媒置換を安定に行うことができる。この有機塩基としてはエチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソブチルアミン等のアルキルアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、及び第4級アンモニウム水酸化物等が挙げられ、有機酸としてはグリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸等のオキシカルボン酸やフェニルフォスフォン酸等が挙げられる。この溶媒置換は蒸留法、限外濾過法などの通常に用いられる方法により行うことができる。この有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の直鎖アミド類;N−メチル−2−ピロリドン等の環状アミド類;エチルセロソルブ等のグリコールエーテル類;エチレングリコール等が挙げられる。
【0037】
(d)工程及び(e)工程を経て得られるゾル中の酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子の一次粒子径は、やはり2〜20nmである。
酸化チタン(TiO2)は、紫外線吸収能を有しているため耐紫外線顔料やフィラーとして各種プラスチックス、繊維などに0.1〜10μm程度の粒子径のパウダーが添加され、使用されている。また、光学関連用途、例えば光学部材や透明性フィルムなどに塗布されるコ−ティング組成物にマイクロフィラーとして使用される酸化チタンは、一次粒子径が100nm以下、好ましくは20nm以下のゾルとして用いられている。一次粒子径が小さな酸化チタンは紫外線に対して非常に敏感になるため紫外線吸収効果が向上する反面、酸化チタンが紫外線により部分的にTiO2→TiOへの還元反応が起こり、濃青色に呈するという欠点を持っている。酸化第二スズ(SnO2)も一次粒子径が100nm以下、特に30nm以下のゾルになると紫外線により部分的にSnO2→SnOへの還元反応が起こるため褐色あるいは青緑色を呈するという欠点を持っている。
【0038】
本願発明に用いられる酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合ゾルは、予めチタン塩とセリウム塩の混合物水溶液に、過酸化水素と金属スズをH2O2/Snモル比が2〜3の範囲に保持しつつ添加、反応させてチタン−セリウム−スズの塩基性塩水溶液を作成し、これを加水分解することより酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド水溶液が形成される。従って、
【0039】
【化1】
【0040】
という結合が生成すると考えられるために、紫外線照射によってもそれぞれ単独の酸化物の時、又はそれぞれの酸化物が混合された時に比べてTiOやSnOへの還元が著しく抑制され、ほとんど変色しなくなる。
また、本願発明に用いられるゾルは、(c)工程、(d)工程及び(e)工程で電解質の除去、イオン交換、溶媒置換等の操作を行った後でもTiO2粒子、CeO2粒子、及びSnO2粒子に分離する様な事はないので、原子レベルで
【0041】
【化2】
【0042】
の結合が生成しているものと考えられる。
また本願発明に用いられる酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合ゾルは原子レベルで均一に複合(固溶)されているため、各種セラミックス用材料として用いた場合、焼結温度の低減や、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ系のより均一な材料特性を供与することができる。
【0043】
本願発明のコーティング組成物は、(C)成分として金属塩、金属アルコキシド及び金属キレートから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属化合物を硬化触媒として含有する事が出来る。上記の(C)成分を添加することにより、本願発明のコーティング組成物を光学基材表面に塗布して硬化させる時に、硬化反応を促進させ、短時間に十分に硬化させた膜を得ることが出来る。
【0044】
上記の(C)成分は、有機カルボン酸、クロム酸、次亜塩素酸、ほう酸、過塩素酸、臭素酸、亜セレン酸、チオ硫酸、オルトケイ酸、チオシアン酸、亜硝酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び多価金属塩、更にアルミニウム、ジルコニウム、チタニウムを有する金属アルコキシド及びこれらの金属キレート化合物があげられる。特に上記の(C)成分は金属キレート化合物が好ましい。この金属キレート化合物としては、アセチルアセトナト錯体が挙げられ、例えば、アルミニウムアセチルアセトネートが挙げられる。アセチルアセトンCH3COCH2COCH3のCH2基からプロトンが1個解離した陰イオンはアセチルアセトナト配位子(略号acac)であって、アルミニウムアセチルアセトネートは、Al(acac)3の構造を有する。
【0045】
また、上記(C)成分は、アリルアミン、エチルアミン等のアミン類、またルイス酸やルイス塩基を含む各種酸や塩基を使用することも出来る。
本願発明のコーティング組成物は、種々の光学部材、例えばレンズとの屈折率に合わせるために微粒子状金属酸化物を含有することが出来る。これらの微粒子状金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化セリウム等が挙げられる。
【0046】
また、本願発明のコーティング組成物は、光学部材の表面に塗布する時の濡れ性向上と、硬化して得られる膜の平滑性を向上させるために各種の界面活性剤を含有する事が出来る。更に、紫外線吸収剤、酸化防止剤等も得られる膜の物性に影響を与えない限り添加することが出来る。
本願発明のコーティング組成物は、(A)成分のケイ素含有物質100重量部に対して、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子を1〜500重量部、好ましくは100〜300重量部の割合で含有することが出来る。酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子が、1重量部未満では得られる膜の屈折率が低くなり、基材への応用範囲が著しく限定される。また、500重量部を越えると硬化膜と基板との間にクラック等が生じやすくなり、さらに透明性の低下を起こす可能性が大きくなるために好ましくない。
【0047】
本願発明では、上記のコーティング組成物から成る硬化膜を表面に有する光学部材が得られる。本願発明のコーティング組成物よりなる硬化膜を光学部材上に形成する方法としては、上述したコーティング組成物を光学部材に塗布し、その後硬化する方法があげられる。塗布手段としてはディッピング法、スピン法、スプレー法等の通常行われる方法が適用できるが、得られる膜の表面平滑性の点からディッピング法、スピン法が特に好ましい。
【0048】
さらに上述したコーティング組成物を光学部材に塗布する前に、酸、アルカリ、各種有機溶媒による化学処理、プラズマ、紫外線等による物理的処理、各種洗剤を用いる洗剤処理、さらには、各種樹脂を用いたプライマー処理を用いることによって光学部材と硬化膜との密着性を向上させることができる。
本願発明のコーティング組成物は、光学部材上に塗布し、その後に硬化する事によって硬化膜とすることができる。本願発明のコーティング組成物の硬化は、熱風乾燥または活性エネルギー線照射によって行うことが出来る。熱風乾燥を用いる場合は、70〜200℃の熱風中で行うことがよく、特に好ましくは90〜150℃が好ましい。また、活性エネルギー線としては、遠赤外線を用いる事ができ、熱による損傷を低く抑えることができる。
【0049】
本願発明では、上記のコーティング組成物から成る硬化膜と反射防止膜とを積層した膜を表面に有する光学部材を得ることが出来る。
この反射防止膜は、本願発明のコーティング組成物から成る硬化膜の上に設けることが出来る。この反射防止膜は、多層膜とすることが好ましく、低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層して得られる。この反射防止膜に用いる高屈折率膜としては、酸化ジルコニウム蒸着膜、又は酸化ジルコニウムに酸化タンタル及び酸化イットリウムを含む金属酸化物の混合蒸着膜があり、また、この反射防止膜に用いる低屈折率膜としてはシリカの蒸着膜が挙げられる。上記の酸化ジルコニウム蒸着膜、又は酸化ジルコニウムに酸化タンタル及び酸化イットリウムを含む金属酸化物の混合蒸着膜は、酸化ジルコニウム粉末を単独で、又は酸化ジルコニウム粉末に酸化タンタル粉末、酸化イットリウム粉末を混合し、加圧プレス、焼結等によりペレット状にしたものを電子ビーム加熱法により、本願発明のコーティング組成物から成る膜上に蒸着させることにより反射防止膜を設けることが出来る。
【0050】
また、本願発明のコーティング組成物よりなる硬化膜は、高い屈折率を有する為にそれ自体で反射防止膜として使用する事ができ、更に、防曇、フォトクロミック、防汚等の機能成分を加えることにより、多機能膜として使用することもできる。
本願発明に用いられる光学部材は、透明性プラスチック成形体が好ましく、その透明性プラスチックとしては、例えば眼鏡レンズのほか、カメラ用レンズ、自動車の窓ガラス、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどに付設する光学フィルターなどが挙げられる。
【0051】
本願発明のコーティング組成物は、(A)成分として一般式(I)及び一般式(II)で表される有機ケイ素化合物、並びにその加水分解物から成る群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質と、(B)成分として酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子を含有する。本願発明のコーティング組成物は、(A)成分の有機ケイ素化合物を酸性水溶液で加水分解し、(B)成分を含有する酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子を含有するオルガノゾルと混合する事によって製造することが出来る。この酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子を含有するオルガノゾルは、メタノール溶媒に酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子を分散したゾルを好ましく用いることが出来る。
【0052】
上記のコーティング組成物は、光学部材に塗布し硬化させることにより、耐擦傷性、表面硬度、耐摩耗性、透明性、耐熱性、耐光性、耐候性、耐水性に優れ、しかも屈折率が1.54以上の高屈折率の部材に塗工しても干渉縞の見られない高透明性で外観良好の光学部材が得られる。
以下の実施例に具体例を詳述する。しかし、本願発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0053】
【実施例】
参考例1(酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合ゾルの調製)
(a)工程:四塩化チタン(TiO2に換算して27.2重量%、Cl32.0重量%、住友シチックス(株)製)587.5g(TiO2に換算して159.8g)と炭酸セリウム(Ce2(CO3)3・8H2Oとして99.99重量%、関東化学(株)製)60.5g(CeO2に換算して17.2g)と水687.7gを、3リットルのジャケット付きガラス製セパラブルフラスコにとり塩化チタンと塩化セリウムの混合物水溶液1331.7g(TiO2に換算して12.0重量%、CeO2に換算して2.58重量%)を作成した。この水溶液をガラス製撹拌棒で撹拌しながら60℃まで加温した後、冷却しながら35重量%濃度の過酸化水素水(工業用)947.6gと金属スズ粉末(山石金属(株)製、商品名AT−Sn、No.200)462.9gを添加した。
【0054】
過酸化水素水と金属スズの添加は、はじめに金属スズ25.5g(0.21モル)を次いで過酸化水素水52.2g(0.54モル)を徐々に加えた。この反応が終了するのを待って(5〜10分)、金属スズ25.5g(0.21モル)を次いで過酸化水素水52.2g(0.54モル)を徐々に加えた。この様に金属スズの添加に続く過酸化水素水の添加を、5〜10分の間隔を置いて合計17回繰り返す事により、(金属スズ25.5gと過酸化水素水52.2g)×17回の分割添加を行った後、最後に金属スズ29.4gを次いで過酸化水素水60.2gを添加し、トータル18回の分割添加を行った。
【0055】
反応は発熱反応のため金属スズの添加により80〜85℃になり反応が終了すると冷却のために60〜70℃に低下した。従って反応温度は60〜85℃であった。添加時の過酸化水素水と金属スズの割合はH2O2/Snモル比で2.57であった。過酸化水素水と金属スズの添加に要した時間は2.5時間であった。なお、反応により水が蒸発するので適量の補充を行った。反応終了後、淡黄色透明な塩基性塩化チタン−セリウム−スズ複合塩水溶液2635gを得た。得られた塩基性塩化チタン−セリウム−スズ複合塩水溶液中では、チタン成分は酸化チタン(TiO2)に換算した濃度として6.06重量%、セリウム成分は酸化セリウム(CeO2)に換算した濃度として0.65重量%、スズ成分は酸化スズ(SnO2)に換算した濃度として22.30重量%、CeO2/TiO2モル比は0.05で、TiO2/(CeO2+SnO2)モル比0.5であった。また(Ti+Ce+Sn)/Clモル比は1.13であった。
【0056】
(b)工程:(a)工程で得られた塩基性塩化チタン−セリウム−スズ複合塩水溶液1726.3gに28重量%濃度のアンモニア水151.5g、水8142.4gを添加し、TiO2+CeO2+SnO2に換算して5重量%まで希釈した。この水溶液を95〜98℃で12時間加水分解を行い、一次粒子径4〜8nmの酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリーを得た。
【0057】
(c)工程:(b)工程で得た酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリーを限外濾過装置にて水約20リットルを用いて濃縮→注水→濃縮の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去、解膠させ、酸性の酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性ゾル7400gを得た。電子顕微鏡の測定による酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子の一次粒子径は、4〜8nmであった。
【0058】
(d)工程:(c)工程で得た酸性の酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性ゾル7400gにイソプロピルアミン10.0gを添加した後、陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410、オルガノ(株)製)500ミリリットルを詰めたカラムに通液し、アルカリ性の酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性ゾル10277gを得た。このゾルを限外濾過装置にて、濃縮を行ない、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性濃縮ゾル3055.6gを得た。得られたゾルは比重1.158、粘度12.8mPa・s、pH9.56、電導度1100μs/cm、TiO2に換算した濃度は3.43重量%、CeO2に換算した濃度は0.37重量%、SnO2に換算した濃度は12.6重量%であった。
(e)工程:(d)工程で得られたアルカリ性酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性濃縮ゾル1097.6gに撹拌下、酒石酸7.2g、ジイソプロピルアミン10.8gを添加した後、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、メタノール30Lを徐々に添加しながら水を留去する方法で水媒体をメタノールに置換させ、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合メタノールゾル585gを作成した。得られたメタノールゾルは比重1.104、粘度3.0mPa・s、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子の一次粒子径4〜8nm、pH(1+1)7.34、電導度(1+1)1355μs/cm、TiO2に換算した濃度は6.38重量%、CeO2に換算した濃度は0.69重量%、SnO2に換算した濃度は23.43重量%、水分0.43重量%であった。
【0059】
参考例2(酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合ゾルの調製)
(a)工程:四塩化チタン(TiO2に換算して27.2重量%、Cl32.0重量%、住友シチックス(株)製)587.5g(TiO2に換算して159.8g)と炭酸セリウム(Ce2(CO3)3・8H2Oとして99.99重量%、関東化学(株)製)121.0g(CeO2に換算して34.4g)と水623.2gを、3リットルのジャケット付きガラス製セパラブルフラスコにとり塩化チタンと塩化セリウムの混合物水溶液1331.7g(TiO2に換算して12.0重量%、CeO2に換算して2.58重量%)を作成した。この水溶液をガラス製撹拌棒で撹拌しながら60℃まで加温した後、冷却しながら35重量%濃度の過酸化水素水(工業用)358.0gと金属スズ粉末(山石金属(株)製、商品名AT−Sn、No.200)190.0gを添加した。
【0060】
過酸化水素水と金属スズの添加は、はじめに過酸化水素水35.8g(0.37モル)を次いで金属スズ19.0g(0.16モル)を徐々に加えた。反応が終了するのを待って(5〜10分)、過酸化水素水35.8g(0.37モル)を次いで金属スズ19.0g(0.16モル)を徐々に加えた。この様に過酸化水素水の添加に続く金属スズの添加を、5〜10分の間隔を置いて合計10回繰り返す事により、(過酸化水素水35.8gと金属スズ19.0g)×10回の分割添加を行った。
【0061】
反応は発熱反応のため金属スズの添加により80〜85℃になり反応が終了すると冷却のために60〜70℃に低下した。従って反応温度は60〜85℃であった。添加時の過酸化水素水と金属スズの割合はH2O2/Snモル比で2.31であった。過酸化水素水と金属スズの添加に要した時間は2.5時間であった。尚、反応により水が蒸発するので適量の補充を行った。反応終了後、淡黄色透明な塩基性塩化チタン−セリウム−スズ複合塩水溶液1780gを得た。得られた塩基性塩化チタン−セリウム−スズ複合塩水溶液中の酸化チタン濃度は8.98重量%、酸化セリウム濃度は1.93重量%、酸化スズ濃度は13.55重量%、CeO2/TiO2モル比は0.1で、TiO2/(CeO2+SnO2)モル比1.0であった。また(Ti+Ce+Sn)/Clモル比は0.76であった。
【0062】
(b)工程:(a)工程で得られた塩基性塩化チタン−セリウム−スズ複合塩水溶液1780gに28重量%濃度のアンモニア水259g、水6661gを添加し、TiO2+CeO2+SnO2に換算して5重量%まで希釈した。この水溶液を95〜98℃で12時間加水分解を行い、一次粒子径4〜8nmの酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリーを得た。
【0063】
(c)工程:(b)工程で得た酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイドの凝集体スラリーを限外濾過装置にて水約20リットルを用いて濃縮→注水→濃縮の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去、解膠させ、酸性の酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性ゾル8400gを得た。電子顕微鏡の測定による酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子の一次粒子径は4〜8nmであった。
【0064】
(d)工程:(c)工程で得た酸性の酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性ゾル8400gにイソプロピルアミン27.0gを添加し、アルカリ性にした後、更に限外濾過装置にて水約20リットルを用いて濃縮→注水→濃縮の操作を繰り返し、過剰な電解質を洗浄除去し、アルカリ性の酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性ゾル7000gを得た。このゾルを陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410、オルガノ(株)製)500ミリリットルを詰めたカラムに通液し、電解質(アニオン)の非常に少ないアルカリ性の酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性ゾル8050gを得た。このゾルを限外濾過装置にて、濃縮を行ない、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性濃縮ゾル3307gを得た。得られたゾルは比重1.128、粘度10.5mPa・s、pH9.35、電導度790μs/cm、TiO2に換算した濃度は4.74重量%、CeO2に換算した濃度は1.02重量%、SnO2に換算した濃度は7.14重量%であった。
【0065】
(e)工程:(d)工程で得られたアルカリ性酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合水性濃縮ゾル1327.5gに撹拌下、酒石酸6.85g、ジイソプロピルアミン10.3gを添加した後、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、メタノール20リットルを徐々に添加しながら水を留去する方法で水媒体をメタノールに置換させ、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合メタノールゾル550gを作成した。得られたメタノールゾルは比重1.102、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子の一次粒子径は4〜8nm、粘度2.7mPa・s、pH(1+1)7.22、電導度(1+1)1415μs/cm、TiO2に換算した濃度は11.21重量%、CeO2に換算した濃度は2.41重量%、SnO2に換算した濃度は16.88重量%、水分0.48重量%であった。
【0066】
参考例3(酸化チタンメタノールゾルの調製)
四塩化チタン(TiO2に換算して27.2重量%、Cl32.0重量%、住友シチックス(株)製)587.5g(TiO2に換算して159.8g)と水2608.5gを、3リットルのジャケット付きガラス製セパラブルフラスコにとり塩化チタン水溶液3196g(TiO2に換算して5.0重量%)を作成した。この水溶液に28重量%濃度のアンモニア水50gをガラス製撹拌棒で撹拌しながら添加した後、この水溶液を95℃で10時間加水分解を行い、一次粒子径4〜8nmの酸化チタンコロイドの凝集体スラリーを得た。
【0067】
この酸化チタンコロイドの凝集体スラリーを5B濾紙を用いて吸引濾過を行い、次いで水約40リットルを用いて注水洗浄し、過剰な電解質を除去し、酸化チタンのウェットケーキ620gを得た。得られたウェットケーキを水2576gに分散させた後、イソプロピルアミン8.0gを添加し、アルカリ性とした後、陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410、オルガノ(株)製)200ミリリットルを詰めたカラムに通液し、アルカリ性の酸化チタン水性ゾル3890gを得た。このゾルをロータリーエバポレーターにて減圧下、濃縮を行ない、アルカリ性酸化チタン水性濃縮ゾル1070gを得た。得られたゾルに撹拌下、酒石酸12.1g、ジイソプロピルアミン26.1gを添加した後、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下、メタノール25リットルを徐々に添加しながら水を留去する方法で水媒体をメタノールに置換させ、酸化チタンメタノールゾル775.2gを作成した。得られたメタノールゾルは比重0.970、酸化チタン粒子の一次粒子径は4〜8nm、粘度4.5mPa・s、pH(1+1)8.98、電導度1600μs/cm、TiO220.2重量%、水分3.4重量%であった。
【0068】
(コーティング液の作製)
実施例1
マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前述したA成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン105.3重量部を加え、液温を5〜10℃に保ち、攪拌しながら0.01規定の塩酸36.8重量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間攪拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物を得た。つぎに前述の参考例1で得た酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合メタノールゾル(TiO2+CeO2+SnO2に換算して30.5重量%)397.8重量部、ブチルセロソルブ65重量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート4.2重量部を前述したγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物142.1重量部に加え、十分に攪拌した後、ろ過を行ってコーティング液を作製した。
【0069】
実施例2
マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前述したA成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン105.3重量部を加え、液温を5〜10℃に保ち、攪拌しながら0.01規定の塩酸36.8重量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間攪拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物を得た。つぎに前述の参考例2で得た酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合メタノールゾル(TiO2+CeO2+SnO2に換算して30.5重量%)397.8重量部、ブチルセロソルブ65重量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート4.2重量部を前述したγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物142.1重量部に加え、十分に攪拌した後、ろ過を行ってコーティング液を作製した。
【0070】
実施例3
マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前述したA成分に該当するテトラエトキシシラン22.3重量部及びγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン77.9重量部を加え、液温を5〜10℃に保ち、攪拌しながら0.01規定の塩酸36.8重量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間攪拌を行い、テトラエトキシシラン及びγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの部分加水分解物を得た。つぎに前述の参考例1で得た酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合メタノールゾル(TiO2+CeO2+SnO2に換算して30.5重量%)397.8重量部、ブチルセロソルブ65重量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート2.6重量部、過塩素酸アンモニウム0.5重量部を前述したテトラエトキシシラン及びγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランの部分加水分解物137.0重量部に加え、十分に攪拌した後、ろ過を行ってコーティング液を作製した。
【0071】
実施例4
マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前述したA成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン74.2重量部及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン31.1重量部を加え、液温を5〜10℃に保ち、攪拌しながら0.01規定の塩酸36.8重量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間攪拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの部分加水分解物を得た。つぎに前述の参考例2で得た酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合メタノールゾル(TiO2+CeO2+SnO2に換算して30.5重量%)397.8重量部、ブチルセロソルブ65重量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート4.2重量部を前述したγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランの部分加水分解物142.1重量部に加え、十分に攪拌した後、ろ過を行ってコーティング液を作製した。
【0072】
実施例5
マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前述したA成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン37.1重量部、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン37.1重量部及びテトラエトキシシラン23.7重量部を加え、液温を5〜10℃に保ち、攪拌しながら0.01規定の塩酸36.8重量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間攪拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン及びテトラエトキシシランの部分加水分解物を得た。つぎに前述の参考例2で得た酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合メタノールゾル(TiO2+CeO2+SnO2に換算して30.5重量%)397.8重量部、ブチルセロソルブ65重量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート4.2重量部を前述したγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン及びテトラエトキシシランの部分加水分解物134.7重量部に加え、十分に攪拌した後、ろ過を行ってコーティング液を作製した。
【0073】
比較例1
マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前述したA成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン105.3重量部を加え、液温を5〜10℃に保ち、攪拌しながら0.01規定の塩酸36.8重量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間攪拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物を得た。つぎに前述の参考例3で得た酸化チタンメタノールゾル(TiO2濃度は20.2重量%)643.6重量部、ブチルセロソルブ65重量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート4.2重量部を前述したγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物142.1重量部に加え、十分に攪拌した後、ろ過を行ってコーティング液を作製した。
【0074】
比較例2
マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前述したA成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン105.3重量部を加え、液温を5〜10℃に保ち、攪拌しながら0.01規定の塩酸36.8重量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間攪拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物を得た。つぎに7.2nmの粒子径を有する酸化スズのコロイド粒子を核として、その表面がWO3/SnO2重量比5.12であって粒子径5nmである酸化タングステン−酸化スズ複合体のコロイド粒子で被覆されることによって形成された粒子径約18nmの変性酸化スズメタノールゾル〔(WO3+SnO2)/SnO2の重量比0.46、WO3+SnO2に換算した全金属酸化物を30.0重量%含有する〕433.3重量部、ブチルセロソルブ65重量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート4.2重量部を前述したγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物142.1重量部に加え、十分に攪拌した後、ろ過を行ってコーティング液を作製した。
【0075】
比較例3
マグネチックスターラーを備えたガラス製の容器に、前述したA成分に該当するγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン105.3重量部を加え、液温を5〜10℃に保ち、攪拌しながら0.01規定の塩酸36.8重量部を3時間で滴下した。滴下終了後、0.5時間攪拌を行い、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物を得た。つぎにコロイダルシリカ(メタノールゾル、固形分20%、平均粒子径15nm)650.0重量部、ブチルセロソルブ65重量部、更に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネート4.2重量部を前述したγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解物142.1重量部に加え、十分に攪拌した後、ろ過を行ってコーティング液を作製した。
【0076】
(硬化膜の形成)
市販の屈折率nD=1.59のポリカーボネートの板を用意し、これにスピンコート法で上記の実施例1〜5及び比較例1〜3で得られたコーティング組成物を塗布して、120℃で2時間の加熱処理をして塗膜を硬化させ試験サンプル(光学部材)を作成した。
【0077】
実施例1〜5及び比較例1〜3で得られたコーティング組成物から成るポリカーボネート上の膜を、それぞれ実施例膜1〜5及び比較例膜1〜3として以下の試験を行い、その結果を表1及び表2に示した。
(耐擦傷性試験)
スチールウール#0000で上記光学部材の試験サンプルを擦って傷の付きにくさを目視で判断した。判断基準は次のようにした。
【0078】
A・・・強く擦ってもほとんど傷が付かない
B・・・強く擦るとかなり傷がつく
C・・・光学基材と同等の傷が付く
(干渉縞の有無の試験)
蛍光灯下で上記光学部材の試験サンプルを目視で判断した。判断基準は次の通りである。
【0079】
A・・・干渉縞がほとんど見えない
B・・・少し見える
C・・・かなり見える
(密着性試験)
上記光学部材の試験サンプルに1mm間隔で、100目クロスカットし、このクロスカットした所に粘着テープ(商品名セロテープ、ニチバン(株)製)を強く貼り付けた後、粘着テープを急速に剥がし、粘着テープを剥がした後の硬化膜の剥離の有無を調べた。硬化膜に剥離が起こらなければ良好として、剥離の発生するものは不良とした。
【0080】
(耐温水性試験)
80℃の温水に上記光学部材の試験サンプルを2時間浸漬し、前述した同様の密着性試験を行った。
(透明性試験)
暗室内、蛍光灯下で上記光学部材の試験サンプルにくもりがあるかどうか目視で調べた。判断基準は次の通りである。
【0081】
A・・・くもりがほとんど見えない。
B・・・少し見える。
C・・・かなり見える。
(耐候性試験)
上記光学部材の試験サンプルの硬化膜上に、更に無機酸化物の蒸着膜から成る反射防止膜を設けた試験サンプル(光学部材)を1ヶ月間屋外暴露を行い、暴露後の試験サンプル(光学部材)の外観の変化を黙視で判断した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
本願発明のコーティング組成物から成る硬化膜を有する光学部材は、上記の試験で良好な結果が得られた。
【0084】
一方、(B)成分を酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子に代えて、酸化チタン粒子を使用した場合は、耐温水性に劣り、太陽光線により硬化膜が青変する現象があり耐候性に劣る。
(B)成分を酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子に代えて、酸化スズのコロイド粒子を核としてその表面を酸化タングステン−酸化スズ複合体のコロイド粒子で被覆した変性酸化スズコロイド粒子を使用した場合は、耐温水性に劣り、太陽光線により硬化膜が黄変する現象があり耐候性に劣る。
【0085】
(B)成分を酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子に代えて、シリカコロイド粒子を使用した場合は、硬化膜の屈折率が低くプラスチックス基材との間に屈折率の差を生じた為に、光学部材の表面に干渉縞が発生して好ましくない。
【0086】
【発明の効果】
本願発明のコーティング組成物によって得られる硬化膜は、耐擦傷性、表面硬度、耐摩耗性、透明性、耐熱性、耐光性、耐候性や、特に耐水性の向上したコーティング層となる。さらにこのコーティング層の上に形成される反射防止膜(無機酸化物やフッ化物など)、金属蒸着膜などとの接着性も良好である。
【0087】
本願発明の光学部材は、耐擦傷性、表面硬度、耐摩耗性、透明性、耐熱性、耐光性、耐候性や、特に耐水性に優れたものであり、しかも屈折率が1.54以上の高屈折率の部材に塗工しても干渉縞の見られない高透明性で外観良好の光学部材となる。
本願発明のコーティング組成物よりなる硬化膜を有する光学部材は、眼鏡レンズのほか、カメラ用レンズ、自動車の窓ガラス、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどに付設する光学フィルターなどに使用することができる。
Claims (5)
- 下記(A)成分及び(B)成分;
(A)成分:一般式(I)
(R1)a(R3)bSi(OR2)4-(a+b) (I)
(但し、R1及びR3は、それぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R2は炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシアルキル基、又はアシル基であり、a及びbはそれぞれ0、1、又は2の整数であり、a+bは0、1、又は2の整数である。)及び、一般式(II)
〔(R4)cSi(OX)3-c〕2Y (II)
(但し、R4は炭素数1〜5のアルキル基を示し、Xは炭素数1〜4のアルキル基又はアシル基を示し、Yはメチレン基又は炭素数2〜20のアルキレン基を示し、cは0又は1の整数である。)で表される有機ケイ素化合物、並びにその加水分解物からなる群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質、
(B)成分:2〜20nmの一次粒子径を有する酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズ複合コロイド粒子、を含有するコーティング組成物。 - (A)成分が、一般式(I)で表される有機ケイ素化合物、及びその加水分解物からなる群より選ばれた少なくとも1種のケイ素含有物質である請求項1に記載のコーティング組成物。
- (C)成分として、金属塩、金属アルコキシド及び金属キレートからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属化合物を硬化触媒として含有する請求項1又は請求項2に記載のコーティング組成物。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコーティング組成物から成る硬化膜を表面に有する光学部材。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコーティング組成物から成る硬化膜と反射防止膜とを積層した膜を表面に有する光学部材。
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