JP4084864B2 - カッティングソー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、石材、コンクリート等の硬脆材料を切断するのに使用されるハンディ(手持ち)型カッティングソーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のカッティングソーは、図12に示す連続リム型と、図13に示すセグメント型に大別される。前者のリム型は、鋼製基板1外周に砥粒層2を連続して取付けたものであり、後者のセグメント型は、その砥粒層2を周囲等間隔に取付けたもの、すなわち、分割チップ2’状としたものである。砥粒層2の砥粒はダイヤモンド、CBNなどの超砥粒からなって、粉末冶金法、電着法、電鋳法などによるメタルボンド、合成樹脂成形法によるレジノイドボンド、焼成法によるビトリファイドボンドなどで基板1に固着保持される。このとき、後者の各チップ2’間の空隙(U溝又は鍵溝)3はその砥粒層2の固着と同時に形成される。
【0003】
上記リム型は、砥粒層2の外周面に突出している砥粒で相手材料(被削材)を削り取る、いわゆる研削を行って切り進む方式であるため、相手材料の切り口(切溝)が綺麗に仕上り、振動や騒音が少ないうえに、砥粒層2の剥離や折損が起こりにくい等の利点がある。しかし、相手材料を削り取る加工であるため、切削性能が低いうえに、砥粒層2が全周に連続してあるため、切り屑(切粉)の逃げる個所がなく、切粉の排出効率が悪い欠点がある。このため、切削性の点では、セグメント型に比べて著しく劣る。
【0004】
これに対し、セグメント型は、隣り合ったチップ2’の間隔が広いために、チップ2’の先端が相手材料に衝撃とともに食い込むため、砥粒の切り込み深さが深くなり、一度に多量の相手材料を削り取る作用と、チップ2’外周面に突出している砥粒で相手材料を削り取る研削作用が同時に進む方式であるから、リム型の場合のように相手を削り取る研削作用のみで切削する場合に比べ切削性能が著しく高いうえに、空隙3に切粉を格納して外部に送り出すため、その切粉の排出効率がよく、切削性の点では優れている。しかし、リム型に比べると、相手材料の切り口の綺麗さは劣り、切り込み時の衝撃による作業中の振動や騒音が大きいうえに、チップ2’の剥離・折損が起こる可能性が高い。
【0005】
このように、両型のカッティングソーは、各型特有の長所及び欠点を有している。
【0006】
この両型の長所を活かし、短所を除くカッティングソーとして、特開昭57−201119号公報などで開示され、図15に示すように、基板1の外周に連続して取付けた砥粒層2の両側面にその外周縁から内側に向う側面溝4を基板1の周方向等間隔に形成した連続リム型の改良形が開発されている。
【0007】
このカッティングソーは、側面溝4を有して砥粒層2が波状となっているため、ウェーブ型とも呼ばれ、基本的にはリム型であるため、砥粒層2の剥離や折損が生じ難く、折損に対する安全性が高く、切削時の振動も少ない。一方、側面溝4がセグメント型の空隙3の役目を果して、擬似的なセグメント型を呈し、セグメント型に匹敵する切削性能(能力)及び切粉の排出効果を発揮する。
【0008】
また、セグメント型カッティングソーにおいて、基板1と砥粒層2の境界部、いわゆる基板1の首下の摩耗を防止する手段として、図14に示すように、砥粒層2を基板1の内側へ延長した部分5を形成したものもある(特開平8−90425号公報等参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記各型のいずれのカッティングソーも、手持ちの汎用のディスクグラインダーで使われるため、回転数は変えられない。このため、新品時の外径における周速(直径×回転数×π)で最高の性能を発揮するようにカッティングソーの仕様が設計されている場合、外径が減ると性能低下を招く。反対に外径が摩耗した状態において最高の性能を発揮する周速に合わせて、カッティングソーの仕様を設定すれば、今度は新品時の性能が低下する。新品の状態で性能が悪いと砥粒層を多く残したままで使われなくなる。従って一般的には新品時の周速に合わせた仕様設計をするので、摩耗が進むほど切削能力が低下することとなる。
【0010】
また、この種のカッティングソーを用いて切削作業を行うと、切削面から発生した切粉が砥粒層2外周に固く付着して砥粒層2表面に露出していた砥粒の頭部が前記付着切粉の内に埋没した状態になることがあり、この様な状態がつづくと、やがて、砥粒は切削能力を失うに至り、目詰まりの現象を起こす。この目詰まりは修正に相当な手間がかかるので、非常に作業能率が低下することになる。これは切粉の排出が十分に行われていれば殆ど回避できる。リム型は、その形状が切粉の排出が十分な作りになっていないので目詰まりが起こりやすい。これに対し、セグメント型とウェーブ型は、空隙3又は側面溝4に切粉を納め(格納し)、その空隙3、側面溝4が切溝(切削面)から離れると、遠心力により切粉を排出する。すなわち、有効な切粉排出作用を行う。
【0011】
しかし、セグメント型、ウェーブ型においても、切削作用を続け、砥粒層2の摩耗が進むにつれて、切粉の排出能力が低下する現象がみられる。これは、セグメント型でいうと、空隙3の容積、ウェーブ型でいうと、側面溝4の容積がそれぞれ切粉を排出する際の切粉の格納容量を示すことになるわけであるが、砥粒層2の摩耗が進むにつれ、この格納容量が減少していくためである。その減少は砥粒層2の径方向の摩耗のみならず、図16の鎖線で示す幅方向の摩耗によっても生じる。このため、初期時に有していた切粉の排出能力は使用していくに連れ低下していき、この排出能力の低下は目詰まりの頻発による作業能率の低下だけではなく、更に種々の弊害を招く。
【0012】
その弊害の一つに切削能力の低下がある。切粉が外へ排出されずに相手材料の切溝に残ると、その切粉がカッティングソーと相手材料の間に入って抵抗として働き、カッティングソーの回転を妨げる作用をなす。これは周速の低下につながり、切削能力を低下させる。また、セグメント型、ウェーブ型に見られるチップ2’外周エッジ(ウェーブ型の場合は側面溝4の外周エッジ)が相手材料に衝撃とともに食い込み、砥粒の切り込み深さが深くなり、一度に多量の相手材料を削り取る場合も、切り溝に残った切粉が砥粒と砥粒の間に詰まり、砥粒が相手材料に食い込むのを妨げる。このため、砥粒層2の摩耗に伴う切粉の排出能力の低下は、目詰まりを誘発し、切削能力の低下と作業能率の低下をもたらす事となる。
【0013】
さらに、カッティングソーは、硬脆材料の切削時、相手材料との接触、摩擦により摩擦熱が発生する。この熱により砥粒層2はわずかながら熱膨張する。このとき、リム型においては、膨張により基板1が椀状にわずかに撓んで変形し、本来保っていた直進性等の切削精度を損なうだけではなく、その変形による手ぶれ、叩き等の切削感覚も問題になる。一方、セグメント型は、空隙3がその熱変形を吸収するため、支障がでる程の基板変形は生じない。
【0014】
そしてさらに、コンクリート材を切断する場合、鳥石や鉄屑等の硬い骨材が不規則に混在しているため、その骨材により予期せぬ衝撃が加わることが稀にある。環状に連続した形状のリム型、ウェーブ型についてはこの衝撃をカッティングソー全体で吸収することとなるため、それが一時的な弾性変形につながり、その弾性変形が抵抗となって回転数を鈍らせるなどの切断能力の低下につながる。因みに、セグメント型は、空隙3の存在により、その衝撃が骨材に当たったチップ2’及びその付近の部位に限られるため、この骨材衝撃に基づく一時的な弾性変形は生じにくい。
【0015】
このように、リム型、セグメント型、ウェーブ型のどのタイプにおいても、作業中における切削能力の低下、及び使い込んでいった時の切削能力の低下などが問題となる。
【0016】
この発明は、上記実情に鑑み、切削能力の低下、特に、使い込んでいったときの切削能力の低下を極力少なくすることを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、まず、上記側面溝4を有するカッティングソーにおいては、切粉の格納場所である側面溝を砥粒層が摩耗してもその格納容積が極力減少しないようにしたのである。すなわち、その側面溝の基板周方向の断面積を、基板内側に向かって大きくしたのである。
【0018】
通常、切粉は側面溝の外周側に格納されてから内側に押され、切溝から出たところで遠心力により外部に飛散して排出されるが、使用当初は、摩耗によって減少していない溝全体が格納場所であり、その容積が十分以上にあるため、全容積で収納する必要がないのに対し、使用による摩耗により、その格納容積は減少し、やがて十分でなくなる。このとき、溝の基板周方向の縦断面積が内側に向かって大きくなっていることは、格納容積が十分でなくなる時点を遅らせることとなる。すなわち、切粉の排出能力の低下を遅らせることとなり、切削能力の低下を少なくする。因みに、溝を幅広及び深くして十分な容積の大きさとすれば、摩耗しても、格納容積が早期に不足することはないが、強度、砥粒層が減少するなどの問題が生じるため、不必要に大きくすることは好ましくない。
【0019】
つぎに、この発明は、上記側面溝4の切粉の収納効率を高めたのである。すなわち、その側面溝の基板回転方向前側側面を後側に向かって傾斜させるとともに、後側側面を垂直面となっている構成としたのである。
【0020】
このようにすれば、前側側面が傾斜していることにより、側面溝に切粉が円滑に入り、垂直な後側側面でその切粉が確実に保持される。
【0021】
また、この発明は、上記砥粒層が摩耗してその外径が小さくなっても、側面溝の切削に参加する外周エッジが長くなるようにしたのである。すなわち、側面溝を基板内側に向かい深くしたのである。
【0022】
側面溝を内側に向かい深くすると、砥粒層が摩耗して外径が小さくなっても、切削に参加する溝の外周エッジは深くなった分、長くなるため、切削に参加するエッジは増加する。このため、カッティングソーの回転数が一定で、砥粒層は摩耗による周速が低下しても、その切削エッジの増加によって、切削性能の低下はない。
【0023】
さらに、この発明は、上記熱及び骨材衝撃による基板の撓みを抑制して上記課題を解決しようとしたものであり、その撓みは、セグメント型では生じていない(生じにくい)点に注目し、上記基板の外周全長に亘り、砥粒層を連続して取付け、この砥粒層の両側面には、その外周縁から内側に向う溝を前記基板の周方向等間隔に形成するとともに、前記砥粒層の周囲等分位に、その外周縁から前記基板内に至る幅1mm以下のスリットを形成して、このスリットにより前記砥粒層を分割して砥粒チップを基板外周に等間隔に取付けたセグメント型としたのである。
【0024】
そのスリットが上記セグメント型の空隙(U溝又は鍵溝)3に相当して、熱及び骨材衝撃による変形を抑制する。このとき、その熱及び衝撃による変形は、スリットが存在すれば、そのスリットの幅が1.0mm前後でも、又はそれ以下でも十分である。一方、スリットの幅が大きければ、上述のセグメント型の騒音、切り口の悪さなどの問題が発生し、このため、1mm以下が好ましい。スリットが1mm以下のように極細であると、砥粒の無い部分(スリット)が極めて狭くなることから、一般のセグメント型に見られるように、切断時の振動の発生が少なくなり、感触が良い上に、切断ラインに沿って精度良く切れる。また、そのスリットの端面が相手材料に衝突しにくくなるため、切断時のチッピングが少なくなり、脆い被削材の切断仕上げ面がきれいに仕上がるうえに、振動が少なくなるため、切断時の騒音が減少し、作業環境が向上する。
【0025】
この1mm以下のスリットは、レーザビーム、電子ビーム、ワイヤー放電、砥粒入りウォータジェットなどの手段による切断溝により得ることができ、このとき、一回(一ウェイ)の切断線とするとよい。スリットの数は任意であるが3個以上が好ましい。
【0026】
また、このスリットで分割された砥粒チップは押圧力などにより、基板を介して撓み易くなる。これは、基板の平面性がなくなって、切断作用の直進性が劣化することとなり、切断性能の低下を招き、切削精度にも影響する。この撓みを防止して直進性を担保するには、基板の全周等分位に、砥粒層から基板内に至る基板屈曲防止部材を介設する。この防止部材はスリット間には必ず一つは配置することが好ましく、さらにスリットと同様に3個以上が好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
上記側面溝の周方向の断面積を大きくして切粉格納容積の減少を抑える形態としては、側面溝を基板内側に向かい深くしたり、内側に向かい幅広とした構成を採用し得る。
【0028】
側面溝を同一幅で内側に向かい深くすると、切粉格納容積の減少抑制効果に加え、上述の砥粒層が摩耗して外径が小さくなっても、切削に参加する外周エッジが増加する作用を発揮する。
【0029】
なお、溝の深さと幅広さを併用し、両者の欠点を補うように、その度合を適宜に設定して、最適な切削性能を得ることが好ましい。
【0030】
上記基板屈曲防止部材の実施形態としては、砥粒層と同時に同一素材で形成された構成を採用し得る。このようにすれば、製作が容易であり、通常、砥粒の結合材は基板より撓みにくいもののため(剛性が高いため)、十分にその屈曲防止機能を発揮し、上記直進性を担保する。砥粒が混在しておれば、前述の公開公報のように首下摩耗防止の作用もなし得る。この作用が不要であれば、この防止部材は砥粒を混在しないものとし得る。
【0031】
【実施例】
図1乃至図4に一実施例を示し、この実施例は、ハンディタイプの外径105mm程度のものであり、鋼製基板11の外周にダイヤモンド、CBNなどの超砥粒からなる砥粒層12が取付けられ、その砥粒層12の周囲4等分位には内側に延びる足(屈曲防止部材)15が一体に形成されている。この砥粒層12及び足15は基板11に結合材をメタルボンドとする焼成法によって固着保持されている。
【0032】
このとき、基板11の外周縁は図4(a)のごとく断面三角状とされて砥粒層12にくさび状に喰い込んだ状態となり、足15の介設個所には同形状の穴が形成されて、この穴に砥粒層が焼結固着されて足15をなしている。足15は図4(b)に示すように、砥粒層12と同じ厚さを有するため、その側面で切溝の側面を研削して基板11の首下摩耗を防止する。この機能を要求しないのであれば、図9に示すように、足15の厚みは基板11の厚みと同じか、それ以下とし得る。
【0033】
基板11外周の砥粒層12はその周囲4等分位にレーザビーム加工による0.2〜0.3mm幅のスリット13が内側に向かって形成されて、分割チップ12’からなるセグメント型となっている。このスリット13は基板11の透孔16に至り、この透孔16により、スリット13に基づく割れが防止される。スリット13は砥粒層12を焼結固着後に形成する。なお、切削時の摩擦による熱歪は周方向に生じるが、スリット13はその直交方向、すなわち中心に向う半径線上にあるため、その熱歪を円滑に吸収する。
【0034】
また、砥粒層12の両側面には一定間隔でウェーブ型の側面溝14が形成されている。その側面溝14の周方向の断面は、図3に示すように、台形をしており、この実施例の回転方向(図1矢印方向)前側側面14aが傾斜し、後側側面14bが垂直面となっている。この傾斜していることにより、切粉が側面溝14内に円滑に入り、垂直面14bでその格納した切粉を確実に保持し、切溝を出たところで、遠心力により外部に円滑に飛散排出する。側面溝14の断面としては、図11(a)乃至(c)に示す形状等を採用し得るが、実施例と同様な切粉格納効果を発揮するのは(c)に示す形状である。
【0035】
側面溝14の底面14cは、図4に示すように、段階的に深くなっており、これによって、側面溝14の周方向の断面積は内側に向かって大きくなっており、上述の切粉の格納効果及び切削エッジの増加効果が発揮される。この側面溝14の径方向断面形状としては、図8(a)、(b)に示すように、その底面14cが直線状(同(a))、又は円弧状に連続的に深くなったり、2段階以上でもって深くなる(図(b))などを採用し得る。側面溝14の深さ及びその変化度合は砥粒層12の強度、切削性などを考慮して適宜に決定する。
【0036】
因みに、側面溝14の切削に参加する外周エッジは後側の垂直面14bの外縁であり、前側側面14aが傾斜しても、切削性には影響はない。
【0037】
この実施例のカッティングソーにより、石材を切削切断したところ、まず、側面溝14の一側面14aが傾斜し、その他面14bが垂直であることにより、側面溝14内に切粉が円滑に入り、確実に保持されて円滑に排出された。また、摩耗していくに従い、ウェーブ型に見られた排出容積の減少による切粉の排出能力の低下も、従来のウェーブ型に比べ減少が少なく、排出能力が著しく向上した。したがって、この側面溝14の前後面14a、14bの形状により、切粉の排出能力を従来のカッティングソーより向上させたことで、従来問題となっていた、(1) 摩耗が進むに従っての目詰まりの誘発、(2) 摩耗が進むに従っての切削能力の低下、が回避された。
【0038】
つぎに、側面溝14が内側に向かい深くなって、切削に参加する外周エッジが長くなるようになっていることにより、摩耗が進むに連れ、セグメント型に見られる「チップ先端が相手材料に衝撃とともに食い込み、砥粒の切り込み深さが深くなり、一度に多量の相手材料を削り取る作用」が増加していくことになり、切削能力が増す。このため、砥粒層2の摩耗の低下に伴う周速の低下による切味の低下が、切刃(エッジ)を増やし切削能力を増すことにより回避された。
【0039】
そして、スリット13が極めて細いことにより、リム型、ウェーブ型の切削時の安全性を保ちつつ、熱膨張による変形をそのスリットで逃がすとともに、足15で抑制し、そのため、撓みが起こりにくく、安定した精度の良い切削が可能となった。また、リム型、ウェーブ型に見られるコンクリート切削時の一次的な弾性変形による切削能力低下も、衝撃を逃がす方向で回避した。一方、リム型、ウェーブ型の特徴である、相手材料の切り口が綺麗で、作業中、振動や騒音を伴わない利点は維持された。
【0040】
この実施例において、図5に示すように足15がないものとすることができ、この図5の実施例でも、熱膨張等による撓みを従来より抑制されたものとなった。また、側面溝14及び足15を回転方向に傾斜させなくても、図6に示すように、中心に向かうようにすることもできる。また、図7に示すように、従来のウェーブ型において、その側面溝14にのみこの発明を採用し得る。さらに、図10に示すように、側面溝14はその幅dを内側に広げることにより、周方向の断面積を内側に向かって大きくすることができる。
【0041】
【発明の効果】
この発明は以上の説明から理解できるように、使用につれて切削能力の大幅な低下を招かず、安定した切削性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のカッティングソーに係る一実施例の正面図
【図2】同実施例の背面図
【図3】(a)は同実施例の一部切断側面図、(b)は同要部拡大側面図
【図4】(a)、(b)ともに同実施例の要部断面図
【図5】他の実施例の正面図
【図6】他の実施例の正面図
【図7】他の実施例の正面図
【図8】(a)、(b)は溝形状の各例図
【図9】足(屈曲防止部材)部分の他例図
【図10】溝形状の他例図
【図11】(a)〜(c)は溝形状の各例図
【図12】従来例の正面図
【図13】従来例の正面図
【図14】従来例の正面図
【図15】従来例の正面図
【図16】砥粒層の摩耗説明図
【符号の説明】
1、11 基板
2、12 砥粒層
2’、12’ 砥粒チップ
3 セグメント型空隙
4 ウェーブ型溝
13 スリット
14 側面溝
14a 溝傾斜面
14b 溝垂直面
14c 溝底面
15 屈曲防止部材(足)
Claims (4)
- 円状基板(11)の外周全長に亘り砥粒層(12)を連続して取付け、その砥粒層(12)の両側面全長に亘り、一定間隔で外縁から内側に向う側面溝(14)を形成したカッティングソーであって、
上記側面溝(14)を基板(11)内側に向かい深くして、上記砥粒層(12)が摩耗してその外径が小さくなっても、前記側面溝(14)の切削に参加する外周エッジが長くなるようにしたことを特徴とするカッティングソー。 - 上記側面溝(14)は、その基板回転方向前側側面(14a)が後側に向かって傾斜し、後側側面(14b)が垂直面となって、その垂直面の外縁が上記外周エッジとなることを特徴とする請求項1に記載のカッティングソー。
- 上記基板(11)の全周等分位に、上記砥粒層(12)から前記基板(11)内に至る基板屈曲防止部材(15)を介設し、この基板屈曲防止部材(15)の両側面は前記基板(11)の側面から突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載のカッティングソー。
- 上記砥粒層(12)の周囲等分位に、その外周縁から上記基板(11)内に至る幅1mm以下のスリット(13)を形成して、このスリット(13)により、前記砥粒層(12)を分割して砥粒チップ(12’)を基板(11)外周に等間隔に取付けたものとするとともに、切断時の振動を少なくしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載のカッティングソー。
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