JP4079285B2 - 加圧流動層ボイラ用燃料製造用混練機とその運転方法および加圧流動層ボイラとその運転方法 - Google Patents
加圧流動層ボイラ用燃料製造用混練機とその運転方法および加圧流動層ボイラとその運転方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧流動層ボイラ複合発電プラントにおける石炭・水混合燃料の製造設備に係り、低水分の石炭・水混合燃料を製造する方法と、高いプラント効率を維持するのに好適な粉砕炭と水あるいは粉砕炭と水と脱硫剤の混練機とその運転方法、加圧流動層ボイラとその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
加圧流動層ボイラ複合発電プラントでは、火炉への石炭の供給方法として湿式供給方式が主に採用されている。例えば、特開昭62−155433号公報に示されているように、破砕された石炭に水と脱硫剤を加え、混練機により混合してぺースト状の流体(以下、Coal−Water Pastes;CWPと略す)とした後、ポンプを用いて加圧状態にある流動層ボイラに供給する方法である。したがって、CWPの性状に関しては、まず第一にポンプ輸送可能な程度に流動性を有すること、第二に、高いプラント効率を維持させるためにCWP中の水分量が少ないことが重要となる。
【0003】
上記CWPの性状に影響を与える主要な因子として、▲1▼添加水分量、▲2▼粒度分布、▲3▼混練度及び▲4▼石炭性状がある。特開昭62−155433号公報、特開平4−57890号公報には、添加水分量の調節機能を有したCWP製造法が開示されている。また、特開平6−108069号公報には、本発明者らが提案した粒度分布の調整によるCWP製造法が示されている。より少ない水分で流動化するCWPは構成粒子の重量平均径が1〜2mmである。公知の文献(S.J.Wrightet al.:Proceedings of 10th Internationl Conference on FBC,p381−388,San Francisco,1989)に記載されたCWPの重量平均径が0.1〜0.5mmであることと比較して、かなり粗めの粒度構成である。より低水分のCWPを製造するため、重量平均径が1〜2mmの範囲を満足するように粒度分布を調整する必要がある。
【0004】
さらには、特開平6−108070号公報には、石炭性状の違いに対応したCWP製造法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、より少ない水分量で流動性を有するCWPを得るために、CWP製造時の混練度を制御する点について配慮がなされていなかった。添加水分量や粒度分布の調整が目標通りになされていても、混練の度合いが適正でなければ、低水分で流動性のあるCWPは製造できない。すなわち、混練が不足した場合には、製造されるCWP中で石炭粒子と水が不均質な状態となり、著しく流動性に乏しい部分と、水分が多く分離しやすい部分ができる。また、必要以上に混練した場合には、比較的粗い粒子を含有することを特徴とするCWP中の粒子が粉砕され、構成粒子の重量平均径が細かくなって流動性がなくなる。その結果、ポンプで輸送できるようにするには、水分を多くする必要があった。
【0006】
また、ボイラの負荷変化運転では、各負荷での燃料消費量に応じたCWPが製造される。すなわち、混練機へ供給される粉砕炭、水等の原料の供給量が負荷に応じて変化することになる。この場合、原料の配合比率が設定通りであっても、混練機内での平均滞留時間が変化するため、前述の混練の度合いを一定に維持できなかった。例えば、負荷を下げた場合には、混練機内で必要以上に混練されて製造CWPの粘度が上昇するという問題があった。
【0007】
本発明の課題は、CWP製造時の粉砕炭と水あるいは粉砕炭と水と脱硫剤の混練度を制御して、より少ない水分量で流動性を有するようにCWPを製造し、高いプラント効率を維持することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはCWP製造時の混練方法について鋭意研究を重ねた結果、上記本発明の課題が、粉砕炭と水あるいは粉砕炭と水と脱硫剤を混練してCWPとする際に、CWPを構成する粒子のうち混練後における粒径0.02mm以下の粒子の重量割合が全石炭重量の10〜14重量%の範囲にあり、かつ、単位石炭・水混合燃料量当たりの混練エネルギーが、1〜5kWh/トン−燃料となる混練条件下で、0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の増加分が、混練前後で1〜5重量%の範囲となるように混練機を運転することによって達成されることを知見した。
【0009】
また、上記本発明の課題は、CWPを製造する装置において、混練機での消費動力を測定する手段と、その測定値とCWPの製造量から求まるCWP量当たりの混練エネルギー(kWh/トン−燃料)を演算し、この演算値に基づいて混練機の回転数、混練機出口ゲート弁の開度の少なくともいずれか一方を調節する制御手段を有する混練装置によって達成される。この場合、演算して得られる上記混練エネルギーが1〜5(kWh/トン−燃料)の範囲となるようにすることが望ましい。
【0010】
混練機での消費動力を測定して上記混練機の制御を行う手段の代わりに、製造するCWPの流動性を測定し、その測定値と設定値との偏差を演算して制御する手段、あるいは、ボイラ負荷変化指令を受信し、負荷変化信号に基づいて混練エネルギーを演算して上記混練機の制御を行う手段を備えた混練装置によっても、本発明の上記課題を達成することができる。
【0011】
また、ボイラ負荷変化指令に基づいて、混練して得られた石炭・水混合燃料を加圧流動層ボイラに供給する燃料供給量を制御し、該燃料供給量に基づき燃料を構成する粒子中の混練後における粒径0.02mm以下の粒子の重量割合が全石炭重量の10〜14重量%の範囲にあり、かつ、単位石炭・水混合燃料量当たりの混練エネルギーが、1〜5kWh/トン−燃料となる混練条件下で、0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の増加分が、混練前後で1〜5重量%の範囲となるように加圧流動層ボイラを運転することもできる。
【0012】
本発明には上記したような加圧流動層ボイラ用燃料製造方法と混練機とその運転方法および加圧流動層ボイラとその運転方法が含まれる。
【0013】
本発明は、CWPを製造するための粉砕炭と水あるいは粉砕炭と水と脱硫剤の混練時に、原料の大部分を占める石炭粒子を砕かないことに着目している。本発明者らは、製造されるCWP中で石炭粒子と水が均質な状態となり、なおかつ、製造されたCWPの粒度分布を著しく変化させない適正な混練条件を実験的に明らかにした。CWPの混練の度合いを、CWPの単位重量当たりに与える混練エネルギーE(kWh/トン−CWP)で定義すると、E=1〜5kWh/トン−CWPの範囲が上述の適正な混練条件である。
【0014】
上記の適正範囲でCWP原料を混練する場合、混練前後の0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の増加分は1〜5重量%の範囲である。
【0015】
一方、混練エネルギーEが1kWh/トン−CWP以下では、製造したCWPに流動性に乏しい部分と、水分が多く分離しやすい部分ができた。また、混練エネルギーEが5kWh/トン−CWP以上で混練した場合では、混練前後の0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の増加分は5重量%を超え、CWPを構成する粒子の重量平均径が細かくなって流動性がなくなった。
【0016】
上記したCWPの単位重量当たりに与える混練エネルギーEは、混練時の消費動力P(kW)をCWP製造量、すなわち混練機に供給される原料量の総和Q(トン/h)で除した値として、(1)式で表わせる。
E(kWh/トン−CWP)=P(kW)/Q(トン/h) (1)
つまり、混練エネルギーEが適正範囲を満足するように混練機を制御する具体的な方法として、プラントの運転条件として設定された原料量の総和Qに応じて混練エネルギーEが適正範囲を満足するように消費動力Pを操作すればよい。消費動力Pを変化させるには、混練機回転数もしくは混練機内に滞留するCWP量を調節すればよい。例えば、消費動力Pを増加させるには、混練機回転数を上昇させるか、または混練機内に滞留するCWP量を増加させることによって上記本発明の課題を達成できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に本発明を実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明を実施するのに好適なCWP製造装置、供給装置及び燃焼装置の系統図である。原炭バンカ1内の原炭Aはフィーダ21より粗粉砕機2へ供給され、ここで粉砕された後、粉砕炭ホッパー3に送られる。この粉砕炭Bの一部は、フィーダ22により導管31を通って微粉砕機5に供給され、残りはモータ42で駆動するフィーダ23により導管34を通って混練機6に供給される。粉砕炭Bは、微粉砕機5で導管32より供給される所定量の水Dとともに湿式粉砕され微粉炭スラリとなる。
【0018】
この微粉炭スラリは、ポンプ9により導管33を通って混練機6へ供給される。石灰石バンカー4内の石灰石Cはモータ41で駆動するフィーダ24により導管35を通って、また、水Dはコントロ−ル弁10で注水量が調節された後、導管36を通って混練機6へ供給される。
【0019】
上記の粉砕炭B、微粉炭スラリ、石灰石C及び水Dの各原料は、混練機6において混練機モータ11で駆動する回転翼14によって撹拌、混合された後、所定の水分及び粒度分布を有するCWPが製造される。混練機6の出口部16には、ゲート弁開閉用モータ19で駆動する混練機出口ゲート弁15が設けられ、混練条件によってその開度が調節される。以上のようにして製造されたCWPは、CWPタンク7に投入される。
【0020】
一方、加圧流動層燃焼炉(以下、火炉と略す)101は圧力容器104内に収納されている。火炉101の底部に空気分散板105が設けられ、その上に流動媒体粒子102が充填されている。加圧空気106は圧力容器104内に供給された後、燃焼用空気107として空気分散板105を通って火炉101内に供給され、流動媒体粒子102を流動化して流動層109を形成する。
【0021】
火炉101にはCWPが供給導管37を通してCWPポンプ8によって圧送され、噴霧ノズル17から流動層109内に供給されて燃焼される。燃焼ガスは流動層109上部の空間部(フリーボード)110を経て排出され、サイクロン103でダストを除去後、導管108を通って図示されていないガスタービンに導入される。
【0022】
粗粉砕機2は最大径が約50mmの原炭を重量平均径約2mmの粒度まで粉砕できるように条件設定される。原炭Aの粉砕には、所定の粒度まで粉砕できる粉砕機であればどのような種類のものを用いても良い。粗粉砕機2の後流には分級機(図示せず)を設置して粉砕炭の最大粒子径を調節することもできる。
【0023】
粉砕炭ホッパー3内の粉砕炭Bはフィーダ22、23の回転数の調節によって、微粉砕機5と混練機6へ所定の割合で分配される。分配の比率は石炭性状に応じて設定される。通常、粉砕炭Bの内20〜30重量%程度が微粉砕機5へ供給、湿式粉砕され、微粉炭スラリとして混練機6内で粉砕炭Bと混合され、CWPとして最適な粒度分布に調整される。
【0024】
一方、CWP中の水分量は、微粉砕機5及び混練機6に供給される水Dの供給量で調整される。このように、炭種に応じて設定される各原料の配合割合を維持しながらCWPが製造される。
【0025】
ここで、CWPが製造される混練機6周辺の相互関係を詳細に説明する。
混練機6内の回転翼14を駆動する混練機モータ11に動力測定装置12が設けられる。動力測定装置12での動力測定は電力計を用いても、あるいは回転軸が受けるトルクと軸回転数から算出する方法でもよい。測定されたCWP混練時の消費動力は制御装置13に出力される。さらに、フィーダ23を駆動するモータ42、フィーダ24を駆動するモータ41、CWPポンプ9及び注水コントロール弁10より、各原料の供給量に相当する信号が原料総和演算器40に出力される。原料総和演算器40で演算された各原料の供給量の総和Q(CWP製造量と等量)は制御装置13に出力される。
【0026】
制御装置13では、(1)式で定義される単位CWP量当たりの混練エネルギーEが計算される。この計算値Eが適正範囲を満足するように、混練機モータ11へ制御信号が出力されて混練機6の回転数を変化させる。
【0027】
上記の装置において、脱硫剤としては最大径3mm程度のドロマイトあるいは石灰石Cの粒子が用いられる。図1の混練機6及び回転翼14は模式的に示したもので本発明は図示のものに限定されない。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1
図1に示した設備を用いて豪州炭(恒湿水分=3%、燃料比=1.5)のCWPを製造した。図2はこのときの混練機の運転トレンドチャートである。トレンドbに示すように、混練機6に供給する原料の総量Q(トン/時間)はー定で、ほぼ設定値通りに制御した。ところが、この場合はCWPの単位重量当たりの混練エネルギーE(kWh/トン−CWP)は、トレンドaに示すように目標値に対して高めに推移した。そこで、時刻tl、t2の時点で混練機6の回転数(rpm)を段階的に制御し(トレンドd)、それにともない混練動力(kW)を低下させた(トレンドc)。
【0029】
その結果、トレンドaで示す混練エネルギーEが目標値を満足した。本実施例での運転では、トレンドeに示すように混練機出口ゲート弁15の開度(%)を一定とした。
【0030】
ここで、目標値として設定した混練度の指標、CWPの単位重量当たりに与える混練エネルギーEは実験的に明らかにしたものである。実験データに基づいて混練エネルギーEの適正範囲を知見するに至った内容を説明する。
【0031】
図3に混練時の回転翼14の翼回転数を変化させて製造した各種CWPの粒度分布を示す。混練エネルギーEが大きくなるほど微粒子分が増加して累積重量割合が50重量%に相当する粒子径(重量平均径)が小さくなることが分かる。
【0032】
表1に、このときの混練エネルギーEの変化にともなうCWPの粒度分布の変化をまとめた。
【表1】
【0033】
CWPの微粒子分を0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合で表し、混練前後の0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の増加分(wt%)及び重量平均径(mm)を併記した。また、製造したCWPの粘度(Pa・s)も示した。
【0034】
混練前の初期状態(E=0)に対して、混練エネルギーE=0.5kWh/トンでは0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合及び重量平均径はほとんど変化しないが、CWP粘度が異常に高い。これは、混練が不足しているためである。一方、混練エネルギーEを5kWh/トンを超えて10kWh/トンまで増大させると、0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の初期値に対する増加分は12重量%に達し、重量平均径は0.6mmまで小さくなる。その結果、CWP粘度は著しく増加する。
【0035】
図4は、CWP水分とCWP粘度の関係を示した説明図である。CWP水分が減少すれば、CWP粘度は増加する。ポンプ輸送ができない粘度領域(20Pa・s以上)に入らないように、通常の運転では7〜l0Pa・sの範囲を目標粘度に設定する。また、CWPを構成する粒子の重量平均径が小さくなると、CWP水分が一定の条件でCWP粘度が増加する。この場合、上述した目標粘度範囲を満足させるためには、CWP水分を増加させる必要が生じる。
【0036】
図5は、図4、表1で示した実験データを混練エネルギーE(kWh/トン−CWP)とCWP水分の関係として整理したものである。ここで、CWP粘度は一定の条件で比較した。CWP水分が増加しない混練エネルギーE=1〜5kWh/トン−CWPの範囲が、加圧流動層ボイラ用燃料を製造するのに適正な混練条件であることがわかる。表1から、この範囲では混練前後での0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の増加分が1〜5重量%の範囲にあることがわかる。
【0037】
以上の検討から、CWPを構成する粒子の0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の増加分が、混練前後で1〜5重量%の範囲となるように混練機6を運転することによって、より少ない水分量で流動性を有するCWPを得ることが可能となる。
【0038】
実施例2
図6に本実施例の系統図を示す。なお、図6において図1と同一機能を奏する部材には同一番号を付して、その説明は省略する。
図6はCWP混練度の制御を混練機6の回転数でなく、混練機出口ゲート弁15の開度とした場合の構成である。また、本実施例ではボイラの負荷指令を直接制御装置13に出力してCWP製造量を演算し、測定している混練機6の動力値から混練エネルギーEを計算させた。
【0039】
制御装置13から混練機出口ゲート弁15を駆動するゲート弁開閉用モータ19へ制御信号が出力され、計算された混練エネルギーEが一定範囲となるように混練機出口ゲート弁15の開度を変化させる。その結果、より少ない水分量で流動性を確保する混練機6の運転が可能となる。
【0040】
実施例3
図7に本実施例の系統図を示す。なお、図7において図1と同一機能を奏する部材には同一番号を付して、その説明は省略する。
図7は混練機6で製造されるCWPの粘度を、混練機出口部16に設置した粘度計測装置18で測定し、その値に基づいて混練機モータ11の回転数、もしくは混練機出口ゲート弁15を操作する場合の構成である。図7に示した設備を用いて豪州炭(恒湿水分=3%、燃料比=1.5)のCWPを製造した。
【0041】
図8は、このときの混練機6の運転トレンドチャートである。ここでは示していないが、混練機6に供給する原料の総量Qはほぼ設定値通りに制御されている。ところが、トレンドfに示すように、製造CWPの粘度が目標値よりも高い値で推移した。そこで、時刻t3、t4及びt5の時点で混練機6の回転数を段階的に制御し(トレンドg)、それにともない混練動力を低下させた。その結果、トレンドfで示すCWP粘度の計測値が目標値を満足した。
【0042】
実施例4
図7に示した設備を用いて豪州炭(恒湿水分=3%、燃料比=1.5)のCWPを製造した。図9は、このときの混練機6の運転トレンドチャートであり、混練機出口ゲート弁15の開度を調節してCWP粘度を制御する場合である。混練機6に供給する原料の総量Qは一定で、ほぼ設定値通りに制御されている。ところが、トレンドhに示すように、製造CWPの粘度が目標値よりも高い値で推移した。そこで,時刻t6及びt7の時点で混練機出口ゲート弁15の開度を段階的に調節し(トレンドj)、それにともない混練機6内でのCWP滞留時間を低下させた(トレンドi)。その結果、トレンドhで示すように時刻t7以降ではCWP粘度の計測値が目標値を満足した。
【0043】
実施例5
図10は、ボイラ負荷の変化に対応して混練機6の運転条件を変化させた場合の運転トレンドチャートである。時刻t8でボイラ負荷100%から70%に、時刻t9に70%から50%に負荷低下指令が出力される(卜レンドk)。これに対応して、CWP製造設備では火炉101ヘのCWP供給量(トレンドl)、CWP製造量(トレンドm)、混練機6へ供給する原料の総量(トレンドo)を順次低下させる。
【0044】
混練機6の回転数を低下させずに混練機6の運転を継続していた(トレンドg)従来の方法に対して、本発明法ではトレンドqに示されるようにボイラ負荷に応じて混練機6の回転数を変化させたので、必要かつ十分な混練がおこなわれた。
【0045】
実施例6
図11に本実施例の系統図を示す。なお、図11において図1と同一機能を奏する部材には同一番号を付して、その説明は省略する。
図11は、ボイラの負荷指令に対応して、制御装置13に直接負荷指令を出力するか、あるいはCWPポンプ制御器20に一旦負荷指令を出力し、CWPポンプ8から導管37を通して輸送されるCWPの供給量を制御した後に、CWPポンプ8の制御値をCWPポンプ制御器20から制御装置13へ出力するか少なくともいずれか一方の方法で混練機6を運転した例である。
混練装置13では、混練エネルギーEが演算され、その値が1〜5kWh/トンーCWPに入るように混練機6の回転数を制御する。
【0046】
以上説明したごとく本発明によればCWPをより少ない水分量で安定して供給でき、高いプラント効率を維持できる。特に、プラントの負荷変化時において極めて性状の安定したCWPを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の系統図である。
【図2】 本発明の一実施例における混練機運転のトレンドチャートである。
【図3】 本発明の各種混練機の回転数(混練エネルギー)におけるCWPの粒径と累積重量割合の関係を示すグラフである。
【図4】 本発明のCWP水分とCWP粘度の関係を示す図である。
【図5】 本発明の混練エネルギーとCWP水分の関係を示す図である。
【図6】 本発明の一実施例の系統図である。
【図7】 本発明の一実施例の系統図である。
【図8】 本発明の一実施例における混練機運転のトレンドチャートである。
【図9】 本発明の一実施例における混練機運転のトレンドチャートである。
【図10】 本発明の一実施例における混練機運転のトレンドチャートである。
【図11】 本発明の一実施例の系統図である。
【符号の説明】
1 原炭バンカ 2 粗粉砕機
3 粉砕炭ホッパー 4 石灰石バンカ
5 微粉砕機 6 混練機
7 CWPタンク 8 CWPポンプ
9 微粉炭スラリポンプ 10 コントロール弁
12 動力測定装置 13 制御装置
14 回転翼 15 混練機出口ゲート弁
17 噴霧ノズル 18 粘度計測装置
19 ゲート弁開閉用モータ 40 原料総和演算器
101 加圧流動層燃焼炉 102 流動媒体粒子
104 圧力容器 105 空気分散板
A 原炭 B 粉砕炭
C 石灰石 D 水
Claims (12)
- 粉砕炭と水あるいは粉砕炭と水と脱硫剤を混練して石炭・水混合燃料とした後に、該燃料を加圧流動層ボイラに供給する加圧流動層ボイラ燃料製造時の混練機運転方法において、
該燃料を構成する粒子中の混練後における粒径0.02mm以下の粒子の重量割合が全石炭重量の10〜14重量%の範囲にあり、かつ、単位石炭・水混合燃料量当たりの混練エネルギーが、1〜5kWh/トン−燃料となる混練条件下で、0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の増加分が、混練前後で1〜5重量%の範囲となるように混練機を運転することを特徴とする混練機運転方法。 - 混練機において粉砕炭と水あるいは粉砕炭と水と脱硫剤を混練機で混練して石炭・水混合燃料とした後、該燃料を加圧流動層ボイラに供給する際の混練機運転方法において、
該燃料を構成する粒子中の混練後における粒径0.02mm以下の粒子の重量割合が全石炭重量の10〜14重量%の範囲にあり、かつ、単位石炭・水混合燃料量当たりの混練エネルギーが、1〜5kWh/トン−燃料となる混練条件下で、0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の増加分が、混練前後で1〜5重量%の範囲となるように混練機を運転することを特徴とする混練機運転方法。 - 混練機の撹拌翼の回転数、混練機出口に設けられたゲート弁の開度の少なくともいずれか一方を調節して、燃料を構成する粒子中の0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の増加分が、混練前後で1〜5重量%の範囲となるようにすることを特徴とする請求項2記載の混練機運転方法。
- 石炭・水混合燃料の流動性の測定値と設定値との偏差に基づいて、燃料を構成する粒子中の0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の増加分が、混練前後で1〜5重量%の範囲となるようにすることを特徴とする請求項3記載の混練機運転方法。
- ボイラ負荷変化指令に基づいて、燃料を構成する粒子中の0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の増加分が、混練前後で1〜5重量%の範囲となるようにすることを特徴とする請求項3記載の混練機運転方法。
- 粉砕炭と水あるいは粉砕炭と水と脱硫剤を混練して石炭・水混合燃料とした後に、該燃料を加圧流動層ボイラに供給する加圧流動層ボイラの運転方法において、
ボイラ負荷変化指令に基づいて、混練して得られた石炭・水混合燃料を加圧流動層ボイラに供給する燃料供給量を制御し、該燃料供給量に基づき燃料を構成する粒子中の混練後における粒径0.02mm以下の粒子の重量割合が全石炭重量の10〜14重量%の範囲にあり、かつ、単位石炭・水混合燃料量当たりの混練エネルギーが、1〜5kWh/トン−燃料となる混練条件下で、0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の増加分が、混練前後で1〜5重量%の範囲となるようにすることを特徴とする加圧流動層ボイラの運転方法。 - 粉砕炭と水あるいは粉砕炭と水と脱硫剤を混練して石炭・水混合燃料とする際に用いる加圧流動層ボイラ用燃料製造用混練機において、混練機内部に設けられた前記粉砕炭と水あるいは粉砕炭と水と脱硫剤を混練するための撹拌翼の回転数、混練機出口に設けられたゲート弁の開度の少なくともいずれか一方を調節して、燃料を構成する粒子中の混練後における粒径0.02mm以下の粒子の重量割合が全石炭重量の10〜14重量%の範囲にあり、かつ、単位石炭・水混合燃料量当たりの混練エネルギーが、1〜5kWh/トン−燃料となる混練条件下で、0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の増加分が、混練前後で1〜5重量%の範囲となるようにする混練機の混練度を制御する制御手段を有することを特徴とする加圧流動層ボイラ用燃料製造用混練機。
- 混練機での消費動力を測定する手段と、該手段で測定される消費動力測定値を石炭・水混合燃料の製造量で除した値である該単位燃料量当たりの混練エネルギー(kWh/トン−燃料)を演算する手段を設け、該演算手段の演算値に基づいて混練機の混練度を制御する制御手段は混練機の運転を制御することを特徴とする請求項7記載の加圧流動層ボイラ用燃料製造用混練機。
- 混練機の混練度を制御する制御手段は前記演算手段で演算される単位石炭・水混合燃料量当たりの混練エネルギーが、1〜5kWh/トン−燃料となるように制御することを特徴とする請求項8記載の加圧流動層ボイラ用燃料製造用混練機。
- 石炭・水混合燃料の流動性を測定する手段と、該測定値と設定値との偏差を演算する演算手段を設け、該演算手段の演算値に基づいて混練機の混練度を制御する制御手段は混練機の運転を制御することを特徴とする請求項7記載の加圧流動層ボイラ用燃料製造用混練機。
- 混練機の混練度を制御する制御手段はボイラ負荷変化指令を受信し、該負荷変化信号に基づいて混練機の運転を制御することを特徴とする請求項7記載の加圧流動層ボイラ用燃料製造用混練機。
- 粉砕炭と水あるいは粉砕炭と水と脱硫剤を混練して石炭・水混合燃料とする混練機と、該混練機で得られた石炭・水混合燃料を加圧流動層ボイラに供給する燃料ポンプなどからなる石炭・水混合燃料供給部を備えた加圧流動層ボイラにおいて、混練機内部に設けられた前記粉砕炭と水あるいは粉砕炭と水と脱硫剤を混練するための撹拌翼の回転数、混練機出口に設けられたゲート弁の開度の少なくともいずれか一方を調節して、燃料を構成する粒子中の混練後における粒径0.02mm以下の粒子の重量割合が全石炭重量の10〜14重量%の範囲にあり、かつ、単位石炭・水混合燃料量当たりの混練エネルギーが、1〜5kWh/トン−燃料となる混練条件下で、0.02mm以下の粒径を有する粒子の累積重量割合の増加分が、混練前後で1〜5重量%の範囲となるようにする混練機の混練度を制御する制御手段と混練機で得られた石炭・水混合燃料の加圧流動層ボイラへの燃料供給量を制御する燃料ポンプ制御手段を設け、該燃料ポンプ制御手段はボイラ負荷変化指令を受信し、燃料ポンプ制御量を演算して出力し、混練機の混練度を制御する制御手段は前記燃料ポンプ制御量に基づいて混練機の混練度を制御することを特徴とする加圧流動層ボイラ。
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