JP4077290B2 - 光ディスク・カッティング装置、及び光ディスクの製造方法 - Google Patents
光ディスク・カッティング装置、及び光ディスクの製造方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
本発明は、高密度な光ディスク基板を作成するための光ディスク・カッティング装置、及び光ディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスクのAV(オーディオ・ビジュアル)への応用が活発である。例えば、主に映画コンテンツ向けのDVD(Digital Versatile Disc)では、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RWといった追記型や書換型のフォーマットが開発され、VTRの次世代録画機として普及しつつある。
【0003】
今後BSデジタル放送やブロードバンド通信の普及で、より高画質の圧縮映像を記録できる大容量の光ディスク・フォーマットや、同じ容量でもより小型でポータブルでネットワーク親和性の高い光ディスク・フォーマットの登場が期待される。
【0004】
上記のような高密度の光ディスクを実現するためには、高密度記録できる材料やフォーマットの開発と共に、高精細・高精度で高密度に適した光ディスク基板の開発が不可欠であり、その源流工程であるカッティング方法は高密度化の鍵を握る。具体的には、狭ピッチのトラックと微細なプリピットをいかに原盤上に精度良く作るかが重要である。
【0005】
そのポイントは、光スポットの微小化と光スポットの高精度位置合わせであり、前者はレーザ光源の短波長化と対物レンズの高NA化で実現され、後者は主に対物レンズの送り機構高精度化、カッティング装置の低振動化およびウォブルが必要な光ディスクについては偏向の高精度化などで実現される。
【0006】
また、音響光学光偏向器によりレーザ光を偏向して、原盤のトラックピッチの高精度化を実現する技術が提案されている(例えば下記特許文献1参照。)。さらに、電子ビームを用いたカッティング装置において、基準値と原盤からの検出値との差異量に応じて、電子ビームを偏向動作させ、高精度かつ高密度のピットパターン等をカッティングする技術も提案されている(例えば下記特許文献2参照。)。
【0007】
なお、以下の説明においては光ディスクのカッティング方法は、それを具体的に実現する光ディスク・カッティング装置の形態で説明する。図9は、従来の光ディスク・カッティング装置の一例で、基本的な構成要素のみを示した。1はレーザ光源で、所定光量の平行な光ビームLcが出射される。通常はArガス・レーザが使われ、使用波長は従来500nm台の可視光領域の光源が使われていたが、高密度化ニーズに対応して短波長化が進み、最近では200nm〜300nm台の紫外線領域スペクトルの光源が使われている。
【0008】
2はEO変調器(EOM:Electro-Optic Modulator)で、印加電圧によって光量をアナログ的に変化させることができる。通常は印加電圧を光のオン、オフの2値レベルで選び、デジタル的に変調して光ディスクのプリピット作成や、オンし続けてグルーブを作成する。3はEO偏向器(EOD:Electro-Optic Deflector)で、印加電圧によって光ビーム進行角度を偏向し後述の対物レンズ5によって原盤100上に形成するカッティング用の光スポットを変位させる。
【0009】
EO変調器2やEO偏向器3の材料には、高電圧印加で屈折率異方性が変化するいわゆるポッケルス効果のある結晶材料が使われる。カッティングに有効な偏向量や変調量を得るには、EO素子に設けられた2電極の間に例えば±200Vと高電圧をかける必要がある。また、EOの代わりにAO(Acoustic-Optic)と呼ばれる音響光学素子系の素子が使われることもある。
【0010】
EO変調器2とEO偏向器3を通過した光ビームLcは、ミラー4で反射され、高NAの対物レンズ5で集光され、モータ6で回転制御された光ディスクの原盤100上に光スポットScを形成する。ミラー4と対物レンズ5は不図示の機構で保持されたカッティング用光ヘッドで構成し、前記光ヘッドは不図示の移送系によりモータ6の回転に合わせてトラック・ピッチに対応して連続的に精密に送られる。カッティングには回転数一定のCAV方式や線速一定のCLV方式が一般に用いられる。
【0011】
原盤1回転に1トラック・ピッチ分を精密に連続的に移送することによってスパイラル状のトラックが形成された原盤を作成する。CAV方式の場合、レーザ光源1の光量は、カッティング半径によって適切な値に制御される。図9に示す移送方向で作成される光ディスクは、リードインを内周としてCAV方式でカッティングするものとする。
【0012】
101は光ディスクのフォーマッタで、レーザ光源1の光量とモータ6の回転数を制御しながら、EO変調器2とEO偏向器3を制御してプリピットやグルーブを原盤上に作成し、所望の光ディスク・フォーマットを作成する。フォーマッタ101の出力信号VemはEOMドライバ102に送られる。EOMドライバ102では、Vemを直接増幅するか高電圧電源をスイッチングして、EOM駆動信号VemdとしてEO変調器2に送られ、光ビームLcの光量を変調する。ここではVemを“H”、“L”制御して光ビームLcをオン・オフする。
【0013】
また、フォーマッタ101の偏向信号Vedは原盤上の光スポットの位置をラジアル方向に変位させる。即ち、偏向信号Vedの極性「正、ゼロ、負」によってそれぞれ「内周変位、中立、外周変位」として制御する。EODドライバ103は偏向信号Vedを受けて、それを直接増幅する(以下、アナログ偏向方式と呼ぶ)か、高電圧電源をスイッチングする(以下、デジタル偏向方式と呼ぶ)かしてEOD駆動信号VeddとしてEO偏向器3に送られて、光ビームLcの偏向量を制御する。
【0014】
実用的には、グルーブをウォブルして、グルーブにクロックやアドレスを重畳する時には、ウォブルには光ディスクの原盤上で数十nmと小さい変位で連続性が求められる、印加電圧は数十V程度と小さいので増幅器を使ったアナログ偏向方式が採られ、サンプル・サーボ方式などのように、ステップ的で数百nmと大きな変位量を実現するには、デジタル偏向方式が採られる。後者の場合回路構成を簡単にするため、偏向信号Vedは内周偏向か外周偏向を示す2本の制御信号で構成し、例えば+200V程度の電源の正極と負極をタスキがけするようにスイッチングしてEO偏向器3に印加することにより、等価的に±200VのEOD駆動信号Veddを得ている。
【0015】
図9の破線で示す光ビームLiは、偏向信号Vedを正としてEO偏向器3で光ビームLcを偏向した時の様子である。その結果、光スポットはScの位置から内周側に変位しSiに変位される。以上のような光ディスク・カッティング装置で作成できる光ディスクの具体例2例を図10に示し、そのうちの1例の動作を図11で説明する。図10の(a)は、グルーブ付きサンプル・サーボ方式の光ディスク基板の例、(b)はランド・グルーブ連続溝方式の光ディスク基板の例である。共に、図の上側を内周、下側を外周とし、録再光スポットは左から右に走査されるものとする。
【0016】
図10(a)の光ディスク基板は、光磁気ディスクの超解像方式の一種であるDWDD(Domain Wall Displacement Detection)方式(磁壁移動検出方式)に好適な基板である。DWDD方式の光ディスクでは、隣接する記録トラック間で磁気的な結合を弱める必要がある(磁気異方性の低減)。このため、DWDD方式の光ディスクを製造する場合には、情報信号の記録を行う前に、隣接する記録トラック間の磁気的な結合を弱める初期化(以下アニールと呼ぶ)を行う必要がある。グルーブはアニールする時に使う。
【0017】
この光ディスクの構成単位は図示するようなセグメントである。セグメントはサーボ領域とデータ領域で構成される。1トラックは1000個以上の複数のセグメントから構成される。サーボ領域には、サンプル・サーボ用の第1ウォブルピット11と第2ウォブルピット12とアドレスピット13が配置される。サンプル・サーボ方式のトラッキングは、第1ウォブルピット11と第2ウォブルピット12の中間を録再光スポットが走査するよう制御される。
【0018】
アドレスピット13は、複数のセグメントに分散して配置されており、セグメント毎のピット有無を集めて誤り訂正などを施されてトラックアドレスとして再生される。データ領域の情報トラックはグルーブ14で構成される、情報トラック間はランド15となる。この場合のトラックピッチは0.6μm以下と小さいので、各トラック独立にウォブルピットを構成するのは難しくウォブルピットは隣接するトラックで共用する。即ち、トラックは基本的に図示するTaとTbの2種類となる。
【0019】
トラックTaを偶数トラック2mとすると、録再光スポット16は第1ウォブルピット11を左に見、第2ウォブルピット12を右に見るように走査される。トラックTbは奇数トラック2m+1であり、録再光スポットはトラックTaとは逆に、第1ウォブルピット11を右に見、第2ウォブルピット12を左に見るように走査される。トラック・アドレスは、トラックTaとトラックTbで独立に再生できるようにセグメント内に工夫して配置してある(本発明の主旨と異なるので詳細説明は省略する)。
【0020】
前述したアニールは、ランド15の部分を、録再光スポット16よりスポット直径の小さいアニール用光スポットを使い、高パワーで走査することで磁気的な結合を弱める。アニール用光スポットを小さくするのは、狭トラック・ピッチでもアニール幅を狭くして、グルーブ14内に残されるDWDD動作可能なトラック幅を広くして録再性能を確保するためである。そのため、アニール用光スポットの光源には例えば、波長405nmのレーザとNA0.75〜0.85の対物レンズを使い、録再光スポットの波長650nm、NA0.6に比べて約半分の直径の光スポットに絞る。
【0021】
アニール時のトラッキングは、ランド15からプッシュプル信号を使った連続サーボ方式を使う。録再用のウォブルピットを使っても、グルーブにしかトラッキングできず、ランド上にトラッキングできない。アニール専用のウォブルピットを配置したのでは、サーボ領域の冗長度が増し高密度化を阻害するので、前述のようにランド15でトラッキングするのが好ましい。ランド15は、連続溝なのでトラッキング精度が上げられる上、グルーブ間の幾何的、熱的に分離するのにも効果的なので、サンプル・サーボ方式であっても、グルーブ14は光ディスクに有効である。
【0022】
図10(b)の光ディスク基板は、ランド・グルーブ連続溝方式の光ディスク基板の例であり、書換型の相変化光ディスクであるDVD−RAMフォーマットに相当する例である。この光ディスクの構成単位はセクタであり、複数のセクタでトラックが構成される。セクタは、アドレス領域とデータ領域で構成される。
【0023】
まず、データ領域はグルーブ23もしくはランド24からなるトラックで構成され、光ディスク1回転毎に、グルーブ23からなるグルーブトラックTg(2n:偶数トラックとする)と、ランド24からなるランドトラックTl(2n+1:奇数トラックとする)が交互に走査されるようなスパイラル構成となっている。
【0024】
また、アドレス領域は、CAPA(Complementary Allocated Pit Address)と呼ばれるアドレスがトラックピッチの半分ずつオフセットされて配置される。21は特定のグルーブトラックTgから見て内周側のランドトラックTlと共通に使うLG共通アドレス部、22は特定のグルーブトラックTgから見て外周側のランドトラックTlと共通に使うGL共通アドレス部であり、それぞれがアドレス情報を示すプリピット群で構成される。
【0025】
図示していないが、グルーブ23はトラック・ピッチより一桁以上小さい振幅のウォブルによるクロックが重畳されている。これを実現するには、図9の光ビームLc中にEO偏向器3とは異なる偏向器を挿入して、それをフォーマッタ101から別途出力したクロック重畳信号を用いて前述のアナログ偏向方式で偏向する。
【0026】
図11は、図10(a)の光ディスクをカッティングする時の動作を示す図である。この光ディスクをカッティングする時は、EO偏向器3の偏向には前述のようなデジタル偏向方式が採用される(EODドライバ103はスイッチング型)。図11(a)はカッティング装置の制御信号のタイミング図を示す。タイミング図は、上から順に(a1)内周偏向信号Vedi、(a2)外周偏向信号Vedo、(a3)EOD駆動信号Vedd、(a4)EOM駆動信号Vemdを示す。
【0027】
図11(b)は作成目標の光ディスク原盤とカッティング用光スポットの軌跡を示す。上から順に、すでに作成された(b1)トラックTa、(b2)トラックTb、(b3)Taトラックである。図の軌跡のように偏向はTaトラックで実施されるので、トラックTbでは第1ウォブルピット11および第2ウォブルピット12は作成されず、アドレスピット13のみが必要に応じて作成される。(b3)は、たった今カッティング用光スポット31で作成されたトラックTaを示しプリピットとグルーブをハッチングして示す。
【0028】
(b3)に示すトラックTaの作成において、グルーブ14作成時の時刻t6から次のt1に至るまでは、EO変調器2でカッティング用光スポット31を発光(光量を上げる)させ、かつEO偏向器3は偏向しないで連続的にカッティングする。サーボ領域は時刻t1から時刻t6の間で形成する。EOM駆動信号Vemdは、その区間に第1ウォブルピット11、第2ウォブルピット12およびアドレスピット13を形成する時に発光させる。
【0029】
また、EOD駆動信号Veddは、t2〜t3の区間に内周偏向信号Vediを“H”にすることで第1ウォブルピット11を内周側に変位させる方向に偏向電圧が出力され、t4〜t5の区間に外周偏向信号Vedoを“H”にすることで第2ウォブルピット12を外周側に変位させる方向に偏向電圧が出力され、それ以外の時刻は変位が0となるように偏向電圧が0として出力される。
【0030】
その結果、カッティング用光スポット31は、矢印のような軌跡で原盤100上を走査され、発光タイミングとの組合せでハッチングされているような、プリピットとグルーブが形成される。なお、実際のEO駆動信号Vemdのオン・オフのタイミングは原盤100で図11(b)の位置に正確に配置されるようにタイミング調整される。
【0031】
【特許文献1】
特開平10−261245号公報
【特許文献2】
特開平11−288531号公報
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上のような光ディスク・カッティング装置では、以下のような問題点を有していた。即ち、
【0033】
(課題1)前記EO偏向器をデジタル偏向方式でステップ的に変化させると(以下、ステップ偏向と呼ぶ)、EO結晶材料の緩和振動と見られる不要な偏向(揺らぎ)が発生する。まずこの現象は、図10の(a)、(b)に示したような光ディスクのトラッキング誤差信号の測定や、グルーブの電子顕微鏡観測などで分かった。次に、前記光ディスク・カッティング装置の光路に偏向量を観測できる偏向量検出手段を用意して観測した。その結果、この不要偏向は例えば、500kHzから700KHzの固定パターン的なノイズであり、ステップ偏向後から約10μsで減衰して無くなるような信号であることが分かった。図11の時刻t7で示すセグメントの先頭の部分で不要偏向が発生する。
【0034】
偏向量は、原盤上で10〜20nmppと比較的大きい。仮にトラックピッチを0.50μm(500nm)とし、比較的幅の広い350nm(底幅とする)、グルーブ深さ30nmのグルーブを形成することを考える。グルーブの側壁の傾斜角を30度とすると傾斜部の占有幅は30nm×√3×2=104nmである。その結果、グルーブ間に形成ランドの上辺の幅は、高々46nm(=500−350−104)となり、偏向量20nmppは無視できない値となる。この上辺の幅がある程度維持されないと、前述のアニールが正常に実施できないので大きな問題になる。
【0035】
カッティングに関しては、この他に、カッティング用光ヘッドの移送ムラ、カッティングパワー変動、フォトレジストの感度ムラならびに現像ムラなどが前記上辺の変動要因と考えられ、それらに割り当てるマージンを大幅に低下させることになる。当然以降の成形工程でのランド幅確保も重要になるので、前記ランド上辺の変動幅は極力抑える必要があり、ここで観測された不要偏向は抑圧がぜひとも必要である。
【0036】
このほか、実際に不要偏向があると、本来まっすぐに形成されるべきグルーブが揺らぐため、本来の信号検出の外乱(例えばエンベロープ変動)や、トラッキング誤差信号(TE)の外乱となり信号処理やサーボの性能を低下させる。また、溝そのものが揺らいでいるので、記録膜に与える応力を変化させたり、録再時の熱分布に影響を与え、いわゆる録再時のオフトラックマージンを低下させる恐れがある。
【0037】
特にセグメントやセクタ先頭は、同期信号入れる大事なところなので、その部分の録再信頼性を高く保つ必要がある。この意味でも、不要偏向の抑圧は必須と言える。
【0038】
(課題2)また、前記の偏向量検出手段で観測すると、(課題1)で説明した以外の不要な2種の偏向も観測された。一つはカッティング装置の光ビームの経路に存在する空気の揺らぎに起因するとみられる1Hz以下のゆっくりした揺らぎの不要な偏向成分である。もう一つは、カッティング装置の各光学部品の機械振動に起因するとみられる100Hz〜1kHz程度の揺らぎの偏向成分である。
【0039】
前者は何もしない原盤上での変位で100nmを越える程度の大きな変位を発生させるが、カッティング装置全体をカバーで覆い空気の流れを抑えることで1/10程度とかなり低減できるが、カッティング装置内のレーザ光源の発熱等などが残り、空気流を完全には0にできない。
【0040】
また、対策としてカッテング装置を小型化して光路そのものを短縮するなども考えられるが、カッティング装置を構成する各光学素子の物理的な寸法制限から、これも揺らぎ全体を完全に抑える対策にはならない。この1Hz以下の揺らぎは、原盤の回転数との関係から直接トラック・ピッチのムラにはならないが、トラックの絶対位置を揺がせる原因となる。後者の100Hz〜1kHzの揺らぎ量は、(課題1)で説明したレベルで、これは原盤1回転内に揺らぎを発生させる帯域なので、トラック・ピッチのムラの原因となる。
【0041】
これらの2種の揺らぎは、原盤のラジアル方向のほかにタンジャンシャル方向にも同じように観測される。タンジェンシャル方向の揺らぎは、プリピットやグルーブ始終端のジッタの原因となる。以上の揺らぎは、高精度の光ディスクの原盤を得るために十分に抑圧することが必要である。
【0042】
(課題3)上記(課題1)、(課題2)では、カッティングに使う光ビームが不要な偏向を受けて問題になっていることを説明した。このほかに、(課題1)、(課題2)の偏向とほぼ同期した光ビームの不要な光量変化(光量変動)も観測されることも分かった。
【0043】
レーザ光源そのものは適切な光パワー・サーボが施されているが、その後のEO変調器、EO偏向器や光学部品特性や光路による光ビームの偏光成分の揺らぎが起因しているものと見られる。カッティング中の光量の変化は、プリピットの大きさやグルーブ幅を直接変化させるので、このような光量変化も抑圧されることが必要である。
【0044】
以上説明した課題を解決するため、本発明は、光ディスク・カッティング装置で発生する不要な偏向成分と不要な光量変化成分を抑圧して高精細で高精度な光ディスクの原盤を作成できる光ディスク・カッティング装置及び光ディスクの製造方法を提供することを目的とする。
【0045】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の第1の光ディスク・カッティング装置は、レーザ光源から出射した光ビームの光量を制御する光変調手段、及び前記光ビームの偏向量を光ディスク原盤上のラジアル方向に制御する光偏向手段のうち少なくともいずれかを含む光ビーム制御手段と、
【0046】
前記光ビーム制御手段で制御された光ビームに含まれる前記ラジアル方向の偏向誤差を検出する偏向誤差検出手段と、
前記光ビーム制御手段と前記偏向誤差検出手段との間に置かれ、光ビームを前記ラジアル方向に偏向する第2の光偏向手段と、
前記ラジアル方向の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記第2の光偏向手段にフィードバックするフィードバック手段とを備えたことを特徴とする。
【0047】
本発明の2の光ディスク・カッティング装置は、レーザ光源から出射した光ビームの光量を制御する光変調手段、及び前記光ビームの偏向量を光ディスク原盤上のラジアル方向に制御する光偏向手段のうち少なくともいずれかを含む光ビーム制御手段と、
前記光ビーム制御手段で制御された光ビームに含まれる前記ラジアル方向の偏向誤差を検出する偏向誤差検出手段と、
前記ラジアル方向の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記光偏向手段にフィードバックし、前記フィードバック量を前記光偏向手段の制御量に重畳するフィードバック手段とを備えたことを特徴とする。
【0048】
本発明の第3の光ディスク・カッティング装置は、レーザ光源から出射した光ビームの偏向量を光ディスク原盤上のラジアル方向に制御する光偏向手段を含む光ビーム制御手段と、
前記光偏向手段で前記光ビームを偏向したときの、あらかじめ測定した前記ラジアル方向の偏向誤差を記憶した記憶手段と、
前記光偏向手段からの光ビームの偏向量を制御する第2の光偏向手段と、
前記光ディスク原盤のカッティングの際に、前記光ビーム制御手段の偏向タイミングに合わせて、前記記憶手段に記憶した前記ラジアル方向の偏向誤差を用いたフィードフォワワード信号を前記第2の光偏向手段に入力するフィードフォワワード手段とを備えたことを特徴とする。
【0049】
本発明の第4の光ディスク・カッティング装置は、レーザ光源から出射した光ビームの偏向量を光ディスク原盤上のラジアル方向に制御する光偏向手段を含む光ビーム制御手段と、
前記光偏向手段で前記光ビームを偏向したときの、あらかじめ測定した前記ラジアル方向の偏向誤差を記憶した記憶手段と、
前記光ディスク原盤のカッティングの際に、前記光ビーム制御手段の偏向タイミングに合わせて、前記記憶手段に記憶した前記ラジアル方向の偏向誤差を用いたフィードフォワワード信号を前記光偏向手段に入力するフィードフォワワード手段とを備えたことを特徴とする。
【0050】
次に、本発明の第1の光ディスクの製造方法は、光ディスク原盤のカッティング工程において、レーザ光源から出射した光ビームの光量を制御する光変調手段、及び前記光ビームの偏向量を光ディスク原盤上のラジアル方向に制御する光偏向手段のうち少なくともいずれかを含む光ビーム制御手段で、前記光ビームを制御する光ディスクの製造方法であって、
偏向誤差検出手段で、前記光ビーム制御手段で制御された光ビームに含まれる前記ラジアル方向の偏向誤差を検出する工程と、
前記光ビーム制御手段と前記偏向誤差検出手段との間に置かれた第2の光偏向手段で、光ビームを前記ラジアル方向に偏向する工程と、
フィードバック手段で、前記ラジアル方向の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記第2の光偏向手段にフィードバックする工程とを備えたことを特徴とする。
【0051】
本発明の第2の光ディスクの製造方法は、光ディスク原盤のカッティング工程において、レーザ光源から出射した光ビームの光量を制御する光変調手段、及び前記光ビームの偏向量を光ディスク原盤上のラジアル方向に制御する光偏向手段のうち少なくともいずれかを含む光ビーム制御手段で、前記光ビームを制御する光ディスクの製造方法であって、
偏向誤差検出手段で、前記光ビーム制御手段で制御された光ビームに含まれる前記ラジアル方向の偏向誤差を検出する工程と、
フィードバック手段で、前記ラジアル方向の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記光偏向手段にフィードバックし、前記フィードバック量を前記光偏向手段の制御量に重畳する工程とを備えたことを特徴とする。
【0052】
本発明の第3の光ディスクの製造方法は、光ディスク原盤のカッティング工程において、レーザ光源から出射した光ビームを、光偏向手段で光ディスク原盤上のラジアル方向に偏向させる制御をする光ディスクの製造方法であって、
前記光ディスク原盤のカッティング工程の前に、前記ラジアル方向に偏向させる制御による偏向誤差を予め測定して、これを記憶手段に記憶させる工程を備え、
前記光ディスク原盤のカッティング工程において、
前記光偏向手段からの光ビームの偏向量を制御する第2の光偏向手段に、前記光ビームの偏向タイミングに合わせて、前記記憶手段に記憶した前記偏向誤差を用いたフィードフォワワード信号を入力する工程を含むことを特徴とする。
【0053】
本発明の第4の光ディスクの製造方法は、光ディスク原盤のカッティング工程において、レーザ光源から出射した光ビームを、光偏向手段で光ディスク原盤上のラジアル方向に偏向させる制御をする光ディスクの製造方法であって
前記光ディスク原盤のカッティング工程の前に、前記ラジアル方向に偏向させる制御による偏向誤差を予め測定して、これを記憶手段に記憶させる工程を備え、
前記光ディスク原盤のカッティング工程において、
前記光偏向手段に、前記光ビームの偏向タイミングに合わせて、前記偏向誤差を用いたフィードフォワワード信号を入力する工程を含むことを特徴とする。
【0054】
【発明の実施の形態】
本発明の第1、2の光ディスク・カッティング装置によれば、光ディスク・カッティング装置の光路内における不要な偏向量を検出して抑圧できるので、光ディスクの原盤上の光スポットが所望の位置にポジショニングされ、揺らぎやトラック・ピッチ・ムラの少ないプリピットやグルーブを持つ光ディスクを作成できる。第2の光ディスク・カッティング装置によれば、光偏向量の抑圧のために追加すべき光偏向手段の増加を最小限に抑えられる。
【0055】
本発明の第3、4の光ディスク・カッティング装置によれば、光偏向手段で光ビームを偏向したときのラジアル方向の偏向誤差を、あらかじめ測定して記憶しているので、サーボ手段では抑圧しにくい光偏向時に発生する光偏向手段に固有の光偏向量の外乱を容易に抑圧できる。第4の光ディスク・カッティング装置によれば、光偏向量の抑圧のために追加すべき光偏向手段の増加を最小限に抑えられる。
【0056】
本発明の第1、2の光ディスクの製造方法によれば、光ディスク・カッティング工程における不要な偏向量を検出して抑圧できるので、光ディスクの原盤上の光スポットが所望の位置にポジショニングされ、揺らぎやトラック・ピッチ・ムラの少ないプリピットやグルーブを持つ光ディスクを作成できる。第2の光ディスクの製造方法によれば、光偏向量の抑圧のために追加すべき光偏向手段の増加を最小限に抑えられる。
【0057】
本発明の第3、4の光ディスクの製造方法によれば、光ディスク原盤のカッティング工程の前に、ラジアル方向に偏向させる制御による偏向誤差を予め測定して、これを記憶手段に記憶させる工程を備えているので、サーボ手段では抑圧しにくい光偏向時に発生する光偏向手段に固有の光偏向量の外乱を容易に抑圧できる。第4の光ディスクの製造方法によれば、光偏向量の抑圧のために追加すべき光偏向手段の増加を最小限に抑えられる。
【0058】
本発明の第1の光ディスク・カッティング装置においては、前記光ビーム制御手段と前記偏向誤差検出手段との間に置かれ、前記光ビームを前記光ディスク原盤上のタンジャンシャル方向に偏向する第3の光偏向手段をさらに備え、
前記偏向誤差検出手段はさらに、前記光ビーム制御手段で制御された光ビームの前記タンジャンシャル方向の偏向誤差を、前記ラジアル方向の偏向誤差と独立に検出し、
前記フィードバック手段はさらに、前記タンジャンシャル方向の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記第3の光偏向手段にフィードバックすることが好ましい。この構成によれば、ラジアル方向に加えてタンジャンシャル方向の揺らぎを抑えることができ、不要な光偏向量が2次元的に抑圧できる。
【0059】
また、前記光ビーム制御手段は、前記光変調手段を含んでおり、
前記偏向誤差検出手段はさらに、前記光ビーム制御手段で制御された光ビームの光量の強度誤差を検出でき、
前記フィードバック手段はさらに、前記強度誤差を用いたフィードバック信号を前記光変調手段にフィードバックすることが好ましい。この構成によれば、不要な光偏向量を抑えられるうえに、カッティング時の光スポットの強度を所望の値に抑えられるので、ピット寸法やトラックピッチの変動の少ない良好な光ディスクを提供することができる。
【0060】
また、前記光ビーム制御手段は、前記光ビーム制御手段で制御された光ビームの光量を制御する光変調補正手段をさらに備えており、
前記偏向誤差検出手段はさらに、前記光ビーム制御手段で制御された光ビームの光量の強度誤差を検出でき、
前記フィードバック手段はさらに、前記強度誤差を用いたフィードバック信号を前記光変調補正手段にフィードバックすることが好ましい。この構成においても、カッティング時の光スポットの強度を所望の値に抑えられるので、ピット寸法やトラックピッチの変動の少ない良好な光ディスクを提供することができる。
【0061】
前記第3の光ディスク・カッティング装置においては、前記第2の光偏向手段は、前記光偏向手段と偏向方向を一致させており、前記フィードフォワワード信号は、前記ラジアル方向の偏向誤差の極性を逆転させた信号であることが好ましい。
【0062】
また、前記第2の光偏向手段からの光ビームに含まれる前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を検出する偏向誤差検出手段と、
前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記第2の光偏向手段にフィードバックするフィードバック手段とをさらに備えたことが好ましい。この構成によれば不要な偏向量の抑圧がより確実になる。
【0063】
また、前記光ビーム制御手段と前記偏向誤差検出手段との間に置かれ、前記光ビームを前記光ディスク原盤上のタンジャンシャル方向に偏向する第3の光偏向手段をさらに備え、
前記偏向誤差検出手段はさらに、前記光ビーム制御手段で制御された光ビームの前記タンジャンシャル方向の偏向誤差を、前記ラジアル方向の偏向誤差と独立に検出し、
前記フィードバック手段はさらに、前記タンジャンシャル方向の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記第3の光偏向手段にフィードバックすることが好ましい。この構成によれば、ラジアル方向に加えてタンジャンシャル方向の揺らぎを抑えることができ、不要な光偏向量が2次元的に抑圧できる。
【0064】
また、前記光ビーム制御手段で制御された光ビームの光量を制御する光変調手段をさらに備えており、
前記偏向誤差検出手段はさらに、前記光ビーム制御手段で制御された光ビームの光量の強度誤差を検出でき、
前記フィードバック手段はさらに、前記強度誤差を用いたフィードバック信号を前記光変調手段にフィードバックすることが好ましい。この構成によれば、不要な光偏向量を抑えられるうえに、カッティング時の光スポットの強度を所望の値に抑えられるので、ピット寸法やトラックピッチの変動の少ない良好な光ディスクを提供することができる。
【0065】
前記第4の光ディスク・カッティング装置においては、前記光偏向手段からの光ビームに含まれる前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を検出する偏向誤差検出手段と、
前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記光偏向手段にフィードバックし、前記フィードバック量を前記光偏向手段の制御量に重畳するフィードバック手段とをさらに備えたことが好ましい。この構成によれば不要な偏向量の抑圧がより確実になる。
【0066】
また、前記第1の光ディスクの製造方法においては、前記光ビーム制御手段と前記偏向誤差検出手段との間に置かれ、前記光ビームを前記光ディスク原盤上のタンジャンシャル方向に偏向する第3の光偏向手段をさらに備え、
前記偏向誤差を検出する工程において、前記偏向誤差検出手段はさらに、前記光ビーム制御手段で制御された光ビームの前記タンジャンシャル方向の偏向誤差を、前記ラジアル方向の偏向誤差と独立に検出し、
前記フィードバックする工程において、前記フィードバック手段はさらに、前記タンジャンシャル方向の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記第3の光偏向手段にフィードバックすることが好ましい。この構成によれば、ラジアル方向に加えてタンジャンシャル方向の揺らぎを抑えることができ、不要な光偏向量が2次元的に抑圧できる。
【0067】
また、前記光ビーム制御手段は、前記光変調手段を含んでおり、
前記偏向誤差を検出する工程において、前記偏向誤差検出手段はさらに、前記光ビーム制御手段で制御された光ビームの光量の強度誤差を検出し、
前記フィードバックする工程において、前記フィードバック手段はさらに、前記強度誤差を用いたフィードバック信号を前記光変調手段にフィードバックすることが好ましい。この構成によれば、不要な光偏向量を抑えられるうえに、カッティング時の光スポットの強度を所望の値に抑えられるので、ピット寸法やトラックピッチの変動の少ない良好な光ディスクを提供することができる。
【0068】
また、前記光ビーム制御手段は、前記光ビーム制御手段で制御された光ビームの光量を制御する光変調補正手段をさらに備えており、
前記偏向誤差を検出する工程において、前記偏向誤差検出手段はさらに、前記光ビーム制御手段で制御された光ビームの光量の強度誤差を検出し、
前記フィードバックする工程において、前記フィードバック手段はさらに、前記強度誤差を用いたフィードバック信号を前記光変調補正手段にフィードバックすることが好ましい。この構成においても、カッティング時の光スポットの強度を所望の値に抑えられるので、ピット寸法やトラックピッチの変動の少ない良好な光ディスクを提供することができる。
【0069】
また、前記第3の光ディスクの製造方法においては、偏向誤差検出手段で、前記第2の光偏向手段からの光ビームに含まれる前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を検出する工程と、
フィードバック手段で前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記第2の光偏向手段にフィードバックする工程とをさらに備えたことが好ましい。この構成によれば不要な偏向量の抑圧がより確実になる。
【0070】
また、前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を検出する工程において、さらに前記光偏向手段で制御された光ビームの前記タンジャンシャル方向の偏向誤差を、前記ラジアル方向の第2の偏向誤差と独立に検出し、
前記フィードバックする工程において、さらに前記タンジャンシャル方向の偏向誤差を用いたフィードバック信号を、光ビームを光ディスク原盤上のタンジャンシャル方向に偏向する第3の光偏向手段にフィードバックすることが好ましい。この構成によれば、ラジアル方向に加えてタンジャンシャル方向の揺らぎを抑えることができ、不要な光偏向量が2次元的に抑圧できる。
【0071】
また、光変調手段で、前記光偏向手段で制御された光ビームの光量を制御する工程をさらに備えており、
前記第2の偏向誤差を検出する工程において、前記偏向誤差検出手段はさらに、前記光偏向手段で制御された光ビームの光量の強度誤差を検出し、
前記フィードバックする工程において、前記強度誤差を用いたフィードバック信号を前記光変調手段にフィードバックすることが好ましい。この構成によれば、不要な光偏向量を抑えられるうえに、カッティング時の光スポットの強度を所望の値に抑えられるので、ピット寸法やトラックピッチの変動の少ない良好な光ディスクを提供することができる。
【0072】
また、前記第4の光ディスクの製造方法においては、偏向誤差検出手段で、前記光偏向手段からの光ビームに含まれる前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を検出する工程と、
フィードバック手段で、前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記光偏向手段にフィードバックし、前記フィードバック量を前記光偏向手段の制御量に重畳する工程とをさらに備えたことが好ましい。この構成によれば不要な偏向量の抑圧がより確実になる。
【0073】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、光ディスク原盤を実際にカッティングする光ディスク・カッティング装置を使って光ディスク・カッティング方法を説明する。
【0074】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光ディスク・カッティング装置のブロック図である。本図に示したブロック図は、光ディスク・カッティング装置の構成及び工程を示しており、光ディスクの製造工程のうち、光ディスクの原盤作成工程のブロック図でもある。このことは、以下の図4、6、7についても同様である。図9で説明した、従来の光ディスク・カッティング装置と同じものには同じ番号を付け、その説明は省略する。EO偏向器3は、ここではデジタル偏向方式で駆動されるものとする。
【0075】
カッティングしようとする光ディスクのフォーマットは、図10(a)に示す、グルーブ付きのサンプル・サーボ方式のものとする。この光ディスク・カッティング装置は、原盤のラジアル方向の不要偏向量を抑えるために、破線200で囲んだサーボ手段である不要偏向抑圧部を追加している。この目的は主に、前記発明が解決しようとする課題で説明した(課題1)のEO偏向器でのステップ偏向後の不要偏向と、(課題2)に示した揺らぎをサーボ手段で抑圧することにある。
【0076】
図1において、201はビームスプリッタ、202は集光レンズ、203は2分割ディテクタである。2分割ディテクタ203は、図1の紙面に垂直に配置され、左右にすなわち光ディスクの原盤のラジアル方向に対応する方向に分割されている。ビームスプリッタ201は、光ビームLcを対物レンズ5と集光レンズ202に所定の割合で分割する。分割の割合は、レーザ光源1のパワーが十分なら50%ずつにするのが検出信号のSNR確保等の観点から望ましい。それぞれに向かう光ビームのビーム形状はビームスプリッタ201に入射する時と同じ形状に保存される必要がある。
【0077】
集光レンズは、Dcに焦点を結ぼうとするが、その前に2分割ディテクタ203を配置する。2分割ディテクタ203は調整が容易なようにXYZステージに搭載する。集光される光ビームLcは、ケラレによる検出誤差が発生しないよう、全て2分割ディテクタ203の有効領域に導く。
【0078】
2分割ディテクタ203の出力は差動アンプ204に接続され、偏向量に相当する偏向検出信号Vdetとして検出される。この差動アンプ204もSNR確保の観点から、前記XYZステージに載せるのが望ましい。基本的に、2分割ディテクタ203は偏向量が0の時に、偏向検出信号Vdetが0になるよう位置合わせする。
【0079】
ここで、図2(a)に実際のカッティング時の偏向検出信号Vdetを示す。図2(a)の波形において、(a1)は第1ウォブル11を内周側に偏向している時、(a2)は第2ウォブル12を外周に偏向した時、(a3)はグルーブをカッティングし始めた時を示す。特に偏向直後に(a4)で示すような不要偏向による揺らぎが観測される。このセグメントにはアドレスピット13は形成されていない。不要偏向による揺らぎは、内周偏向から15μs(グルーブ始端から約10μs)経過したところでかなり減衰しているのが分かる。偏向量は原盤100上の変位で10〜20nmpp程度である。
【0080】
このスケールで換算するとウォブル変位は、60nm弱しか変位していないように見えるが、実際には約200nm変位させた時の波形である。これは図2(b)に示す偏向検出の非線型性に基づく。つまり、前述のような偏向量検出方法で、検出感度を上げるように検出レンズ(集光レンズ)202の焦点近傍に2分割ディテクタを配置すると、偏向検出電圧Vdetが飽和気味になるためである。線形な制御には図2(b1)で示す線形な領域のみを使うか、それより幅広い範囲で使うには(b2)で示す非線型な部分補正する必要がある。
【0081】
線形領域を増やすには、検出感度を犠牲にして、2分割ディテクタ203を光ビームがケラレない程度に集光レンズの焦点位置から離せばよい。但し、検出感度は落ちる。線形性の確認は、EO偏向器3への偏向量に比例する印加電圧を変化させ、偏向検出電圧Vdetとの関係をプロットすることで判定できる。
【0082】
図1に戻って説明を続ける。偏向検出電圧Vdetは、205のサンプルホールド(S/H)回路に送られる。S/H回路205はRCによる20dB/decの1次のローパスフィルタを構成する。サンプル区間は、グルーブ14をカッティングする区間となるように、フォーマッタ101aからのS/H信号で制御される。実際には図3の(a5)に示すように、グルーブ14の区間より若干狭めの区間をサンプル区間とする。その他の区間、つまり偏向中と光量を0としている区間は、ホールド区間とする。
【0083】
なお、フォーマッタ101aと図9のフォーマッタ101との違いは、前者がS/H信号を出力する点である。また、図3は図11に前記S/H信号を追加したもので、その他の部分の説明は従来例で説明した通りである。
【0084】
S/H回路205の出力は、目標値設定部207の出力(ここでは0に設定)との誤差を0に近づけるため誤差アンプ206に接続する。誤差アンプ206の出力は、本サーボ手段の利得と必要に応じて位相を補償するためのフィードバック手段である利得設定・位相補償回路208に送る。
【0085】
その出力FBはフィードバック信号として、アナログ偏向方式の第2のEODドライバ209で直流増幅される。第2のEODドライバ209には、高速・高圧のバイポーラ電源が好適であり、前段の利得設定・位相補償回路208の出力を一定の増幅率で忠実に増幅する。第2のEODドライバ209の出力は、EO偏向器3とビームスプリッタ201との間に置かれた第2のEO偏向器210に接続される。
【0086】
以上のように構成された本実施の形態によって、原盤のラジアル方向の不要偏向量は、利得設定・位相補償回路208で適切なゲイン設定をすることにより、(課題2)で説明した1Hz以下と100Hz〜1kHzの揺らぎ成分は、S/H回路205の1次ローパスフィルタ特性により十分に抑圧される。
【0087】
しかし、(課題1)で説明したステップ的な偏向後の揺らぎは、基本波が700kHzと高域なので、第2のEODドライバ209やその他の回路要素の群遅延などの影響で、揺らぎ量は数分の1にしか抑圧できなかった。それでも、実際の揺らぎ量は、数nm以下の抑えられる上、低域の揺らぎは十分に抑圧できるので、高密度な光ディスク・カッティング装置としての実用効果は大きいと言える。
【0088】
なお、本実施の形態では、ビームスプリッタ201通過後の光ビームは独立の光路を進み、それぞれの光路で別々の空気の揺らぎの影響を受ける可能性があるので、ビームスプリッタ201はできるだけ対物レンズ5の近くに配置し、集光レンズ202もビームスプリッタ201に近接させるの望ましい。
【0089】
また、このような影響を避けるために、原盤100からの反射光から偏向量を検出することも有効である。即ち、ビームスプリッタ201と対物レンズ5周辺の光学系を変更し、光ビームLcを1度通過させ、対物レンズ5を通して一旦原盤100に光スポットとして焦点を結ばせ、その反射光を2分割ディテクタ203に導いて、その光ビームから偏向量を検出してもよい。但し、この場合対物レンズ5によるケラレや対物レンズのフォーカシング用の光源からの外乱光の影響を取り除く必要がある。
【0090】
また、カッティング時のパワー設定変更によるサーボゲイン変動を抑えるために、差動アンプ204に、2分割ディテクタ203の両方の出力を加算して、両方の差を割り算するAGC回路を備えるのが好ましい。または、レーザ光源1のパワー制御信号を利得設定・位相補償回路208に送り、ゲインを一定にするAGCを構築するのが望ましい。
【0091】
また、レーザ光源1の波長が300nmを切る場合は、通常の樹脂封止のSi系ディテクタでは樹脂で光が吸収されて検出感度が得られないため、石英ガラスのキャン封止のSi系などディテクタを選ぶ必要がある。また、本実施の形態で、グルーブ14をウォブルするフォーマットを作成する時は、フォーマッタ101からウォブル量に相当する値を出力して目標値設定部207に入力し、目標設定部207の目標値とすることによって実現できる。
【0092】
また、本実施の形態においては、光変調手段であるEO変調器2、光偏向手段であるEO偏向器3の双方を備えた装置の例で説明したが、光ディスクのフォーマットに応じてEO変調器2及びEO偏向器3のうちいずれか一方を含む装置であっても、前記のように原盤のラジアル方向の不要偏向量を抑圧できる。
【0093】
また、本実施の形態では、EO偏向器3とは別に第2のEO偏向器210を設けた例で説明したが、第2のEO偏向器210は設けずに、フィードバック信号をEO偏向器3にフィードバックし、フィードバック量をEO偏向器3の制御量に重畳してもよい。
【0094】
(実施の形態2)
次に実施の形態2について説明する。前記のように実施の形態1でのサーボ手段は実用上十分有効であるものの、前記(課題1)で説明したステップ偏向後の揺らぎ(以下偏向揺らぎ呼ぶ)を事実上無視できるほど抑圧できない。本実施の形態は、この偏向揺らぎをフィード・フォワワードでキャンセルするキャンセル手段を備えた光ディスク・カッティング装置を示す。
【0095】
具体的には、実施の形態1に前記キャンセル手段を追加した例である。もちろん、光ディスクのフォーマットによっては、実施の形態1のサーボ手段を省略して、前記キャンセル手段のみを実装した光ディスク・カッティング装置で十分なこともある。このことは、以下の実施の形態3においても同様である。
【0096】
図4は本実施の形態の光ディスク・カッティング装置のブロック図である。実施の形態1と同じものには同じ番号を付け、その説明は省略する。この光ディスク・カッティング装置は、前述の偏向揺らぎをキャンセルするために、破線300で囲んだ不要偏向キャンセル部を追加している。
【0097】
図4において301〜304は、ステップ偏向後に発生する偏向揺らぎを記憶した波形メモリー(1)〜波形メモリー(4)である。305は、各波形メモリーの出力タイミングを決定するタイミング制御部で、フォーマッタ101aが出力する偏向信号Vedに基づいてタイミングを生成する。306は波形メモリー(1)301〜波形メモリー(4)304から出力されるデジタルデータを加算する加算器であり、波形メモリー全加算出力をデジタルデータとして出力する。
【0098】
307は加算器306のデジタルデータをアナログ信号に変換してフィードフォワワード信号FFとして出力するフィードフォワワード手段であるDA変換器(DAC)、308は実施の形態1で説明したサーボ手段の利得設定・位相補償回路208のフィードバック信号FBに、本実施の形態の不要偏向キャンセル部からのフィードフォワワード信号FFを加算する加算アンプである。加算アンプ308の出力は、第2のEODドライバ209を介して第2のEO偏向器210を駆動する。
【0099】
図5は、波形メモリー(1)301〜波形メモリー(4)304の出力タイミングを示すタイミング図である。図5の(a)は偏向信号Vedで駆動されるEO偏向器3のEOD駆動信号Veddを示す。時刻t1、t2、t3、t4でそれぞれ内周に偏向、中立に復帰、外周に偏向、中立に復帰させるように駆動される。
【0100】
タイミング制御部305は、t1〜t4の順に、それぞれ波形メモリー(1)301〜波形メモリー(4)に記憶した波形を出力させる。図5では、波形メモリー内のデータはデジタルデータだが、分かりやすくするためそれぞれ、(b)、(c)、(e)、(f)のアナログ波形として表示している。各波形メモリーには、EO偏向器3のステップ応答後の偏向揺らぎを記憶させる。このような波形メモリーの記憶は、実際に光ディスクをカッティングする前に、あらかじめ行っておくものである。
【0101】
この説明では揺らぎ波形を、図5(b)に示すように正弦波の減衰振動としてモデル化しているが、実際の偏向揺らぎは高調波成分を含む不規則な値なので計算で算出するのでなく、実際に使うEO偏向器3にステップ電圧を加えて、デジタル・オシロスコープなどでそれを基本波形として取り込む。各時刻での偏向量を同じとすると、その偏向方向と偏向量の調整を加えて前記の基本波形を、各波形メモリーに記憶させる。この場合、偏向方向が同じである時刻t1とt4とにおける偏向による波形を、波形メモリー(1)301と波形メモリー(4)304に記憶させる。
【0102】
また、時刻t2とt3とにおける偏向方向は、時刻t1とt4とにおける偏向方向方向と逆である。このため、時刻t1とt4とにおける偏向による波形に対して逆極性の波形を、波形メモリー(2)302と波形メモリー(3)303に記憶させる。偏向揺らぎを抑えるためのフィードフォワワード信号FFは、以上の波形メモリー4個すべての値を加算した(h)に示す波形メモリー全加算出力とする。
【0103】
なお、フィードフォワワード信号FFは回路系、駆動系の遅延等を補正するように、タイミング制御部305でスタートを調整する。また、波形メモリーの出力は、偏向揺らぎが実用上無視できる時間になったら0にして打ち切り、次の偏向サイクルに備える。
【0104】
参考のため、図5の(d)と(g)にそれぞれ内周と外周に偏向した時のパルス動作をした時の偏向揺らぎを、波形メモリー(1)+(2)、波形メモリー(3)+(4)を示した。この波形を使えば、従来例で示したDVD−RAMのように、偏向が4回も発生する時には波形メモリーが8個と多くなるが、それぞれパルス毎に記憶して波形メモリーを4個に節約できる。
【0105】
また、各波形メモリーに記憶する値は極性の違いはあるが、実質同じなので1個の波形メモリーの読み出し方のタイミング制御することで、波形メモリーを節約することもできる。
【0106】
また、波形メモリーに記憶すべきデータは、(課題2)示したような揺らぎの影響がないように、積分して外乱の影響を無くするか、低域のサーボをかけながら高域の外乱のみ取り出すように採集することが好ましい。
【0107】
以上で説明した本実施の形態によると、実施の形態1のサーボ手段では完全に抑圧できなかった偏向揺らぎを十分に抑圧ができる。また実施の形態1ではグルーブ14の偏向揺らぎしか抑圧対象としなかったが、本実施の形態では偏向中の第1ウォブルピット11と第2ウォブルピット12、ならびにアドレスピット13の偏向揺らぎもキャンセルすることができる。
【0108】
これにより、第1ウォブルピット11および第2ウォブルピット12の偏向揺らぎを共にキャンセルできるので、サンプルサーボのトラッキング精度が上がり、精度よくグルーブ14の中心にトラッキングできる。
【0109】
(実施の形態3)
次に実施の形態3について説明する。本実施の形態は、実施の形態2を改良したものであり、実施の形態2ではEO偏向器を2個使ったが、ここではそれを1個として、高価なEO偏向器の追加を不要とする。図6は本実施の形態の光ディスク・カッティング装置のブロック図である。実施の形態2と同じものには同じ番号を付け、その説明は省略する。異なるのは、フォーマッタ101b、タイミング制御部305a、400に示すEO偏向器共用のための加算アンプ308aと、EODドライバ103aである。共用化のため、第2のEODドライバ209と第2のEO偏向器210は削除した。
【0110】
フォーマッタ101bからEODドライバを制御する制御信号Ved2は、図3(a3)に示したEOD駆動信号Veddの増幅前のアナログ信号である。タイミング制御部305aは制御信号Ved2からタイミング信号を抽出する。もちろん制御信号Ved2の代わりに、実施の形態2と同じデジタル信号である偏向信号Vedをフォーマッタ101bから出力する構成として、タイミング制御部は305と同じでもよい。
【0111】
加算アンプ308aは、フィードバック信号FBとフィードフォワワード信号FFとEOD制御信号を加算して、EOD制御信号Vedd3を生成する。ここでは、EO偏向方式はアナログ偏向方式とする。そのため若干コストアップし複雑になるが、高電圧で高スルーレートの直流型の増幅器をEODドライバ103aとして使う。不要な偏向を抑圧する動作は、基本的に実施の形態2と同じであるので、説明は省略する。
【0112】
以上の構成では、EO偏向器3とミラー4の間に新たなEO偏向器を挿入できない場合にでも、ビーム・スプリッタ201さえ挿入できれば、不要偏向を抑圧できる。また、新たなEO偏向器を挿入するために、光路長を伸ばして不要偏向を増やす悪影響も避けられる。
【0113】
なお、EO偏向器には、1個のユニットにEO偏向器を2個入ったものが実用化されており、それを用いた光ディスク・カッティング装置では、実施の形態2の方が、高電圧で高スルーレートの直流型の増幅器を追加することがなく、経済的に実現できる。
【0114】
また、本実施の形態は以下のような変更で同じ動作をさせることができる。即ち、まずEO変調器2とEO偏向器3の順序を逆に配置し、EO偏向器3直後にビーム・スプリッタ201を配置して常に偏向量を検出できるようにする。次に、S/H回路205は常にサンプル状態とするS/H回路205と誤差アンプ206との間に、図2(b)に示す非線形性を補正できる補正手段を入れる。
【0115】
目標値設定部207には、フォーマッタ101bの偏向信号Ved2を加算アンプ308aから外して入力する。利得設定・位相補償回路208内の位相補償機能は、遅れが生じないよう前記補正手段に移す。
【0116】
以上のように閉ループを形成すると、EODドライバ103aには、偏向信号Ved2を増幅した駆動信号に、誤差アンプで検出された不要な偏向量の抑圧成分が重畳され、さらに波形メモリーによってキャンセルされた信号が入力される。その結果、EO偏向器3は本実施の形態3とほぼ同様の不要な偏向の抑圧が実現できる。
【0117】
(実施の形態4)
次に実施の形態4について説明する。本実施の形態は、実施の形態1〜3がラジアル方向のみの不要偏向を抑圧していたのに対して、タンジャンシャル方向の不要変更の抑圧および不要な光量変動を抑圧する例である。図7は本実施の形態の光ディスク・カッティング装置のブロック図である。実施の形態3と同じものには同じ番号を付け、その説明は省略する。また、図8は、本実施の形態での光量ならびに偏向量の検出部を示す図である。
【0118】
ここでは、まず図8を説明する。図8において、203aは4分割ディテクタでA,B,C,Dの各検出部から成り、実施の形態1〜3の2分割ディテクタ203と同じ位置に置かれる。Lmは4分割ディテクタ203a上に形成される光ビームであり、光ビームLcが偏向されると4分割ディテクタ203a上で、図示するラジアル方向とタンジャンシャル方向に変位する。
【0119】
変位方向の呼び方は原盤上の光スポットの変位と同じである。タンジャンシャル方向の変位(偏向量)は、(A+B)−(C+D)で検出され、ラジアル方向の変位(偏向量)は、(B+D)−(A+C)で検出される。それぞれの偏向量は、複合アンプ600で演算される。各検出部の光電流は、IVアンプ601〜604で電圧に変換される。その後、加算アンプ605〜608で、前記両式の括弧内の値が演算される。
【0120】
さらに、加算アンプ609で、光ビームLmの全光量Vsum=(A+B+C+D)が演算され、後述のAGCのほかに、光ディスク・カッティング装置の不要光量のキャンセルに使われる。差動アンプ610と611は、前記両式の差分を演算して、それぞれタンジャンシャル方向の偏向量とラジアル方向の偏向量とする。
【0121】
さらに、これらの値は、それぞれAGC回路612と613を使い、加算アンプ609の全光量Vsumで割り算され、規格化されたタンジャンシャル偏向信号Vdettとラジアル偏向信号Vdetrが演算され出力される。Vdetrは実施の形態1〜3のVdetと実質的に同じである。
【0122】
図7において、本実施の形態の目的で実施の形態3に追加されたのは、500の破線で囲んだタンジャンシャル方向不要偏向抑圧部と光量変動抑圧部である。203aと600は、それぞれ前述した4分割ディテクタと複合アンプである。従来のラジアル方向偏向抑圧部を構成するS/H回路205にはラジアル偏向信号Vdetrが送られ、タンジャンシャル方向偏向抑圧にはタンジャンシャル偏向信号Vdettが使われる。
【0123】
S/H回路501、誤差アンプ502、目標値設定部503、利得設定・位相補償回路504および第3のEOドライバ505は、それぞれS/H回路205、誤差アンプ206、目標値設定部207、利得設定・位相補償回路208および実施の形態1における第2のEODドライバ209と同じ機能を果たす。506は、EO偏向器3とビーム・スプリッタ201との間に置かれ、光ビームLcの偏向をタンジャンシャル方向に制御できる第3のEO偏向器である。
【0124】
本光ディスク・カッティング装置では、基本的にタンジャンシャル方向への偏向はしていないので、タンジャンシャル偏向信号Vdettはそのまま不要な偏向量と見なせる。4分割ディテクタ203aの分割位置と回路系のオフセット電圧のゼロ調整を済ませて、目標値設定部を0とすることでタンジャンシャル方向の不要な偏向量が抑圧できる。
【0125】
次に、EOMドライバ102aは前記実施の形態とは異なり、光量変動を補正する機能を持たせる。即ち、フォーマッタ101cの出力する光量の目標値Vem2と全光量Vsumとの差を増幅してEO変調器2の駆動信号Vemd2にフィードバックするサーボ手段を備えて、VsumをVem2とほぼ同じになるように制御をして、原盤上での光量をねらい通りのVem2とする。
【0126】
なお、前述のように光ディスクの原盤カッティング時でCAVカッティングする時には、レーザ光源1の出射光量を外周にいくに従って高くするなど、カッティング半径で光量制御する時には、この目標値も適切にEOMドライバ102aに送り適切な値にする。
【0127】
以上説明した、実施の形態4によれば、ラジアル方向の不要な偏向量のほかに、タンジャンシャル方向の不要な偏向量や不要な光量変動も抑圧できる。
なお、図7に示した実施の形態では、タンジャンシャル方向不要偏向抑制部と、光量変動抑制部の双方を備えた例で説明したが、いずれか一方のみを備えた構成でもよい。
【0128】
また、本実施の形態のようなタンジャンシャル方向の不要な偏向量を抑圧する機能や、光量変動を補正する機能を前記実施の形態1の構成に追加してもよい。図1においてEO変調器2を有しない構成に、光量変動を補正する機能を追加する場合は、EO偏向器3の後に光変調補正手段であるEO変調器を追加し、強度誤差に関するフィードバック信号をこの追加したEO変調器にフィードバックすればよい。
【0129】
(光ディスクの作成)
以上説明した実施の形態1ないし4の光ディスク・カッティング装置で作成したガラス原盤はこの後のマスタリング工程でスタンパに仕上げる。即ち、まずグルーブとピット部として露光したフォトレジストを削除する現像プロセスを施す。次に、メッキ準備のためにニッケル蒸着し、ニッケルメッキで厚みを増しスタンパを作り、原盤とスタンパを剥離する。
【0130】
さらに、作成したスタンパを、成形機用の外形や穴加工ならびに裏面研磨等を実施する。そして、光ディスク基板成形機に取り付け、ポリカーボネートの射出成形により,透明な光ディスク基板とする。その後、記録膜や反射膜をスパッタ装置で製膜し、必要に応じて保護コートや貼り合わせを行い、カートリッジケースなどに入れて、所望光ディスクとして完成させる。
【0131】
このようにして、本発明の光ディスク・カッティング装置を用いて作成した光ディスクは、そのプリピットの大きさや位置、ならびにグルーブの幅やピッチが、所望の位置に正確に作成されるため、プリピット再生のSNRが高く、トラッキング誤差信号の精度やバラつきが小さく、グルーブ幅および/またはランド幅が安定してバラつきが小さいので、記録再生の性能やマージンを著しく向上させることができる。
【0132】
このことは逆に、本発明の光ディスク・カッティング装置で光ディスクを作れば、よりトラック・ピッチやピット・サイズを小さくしても、従来のカッティング装置と同じ録再性能やマージンを確保できるので、より高密度な光ディスクを作成できることを意味する。
【0133】
なお、以上説明した各実施の形態の光ディスク・カッティング方法では、1つの光ビームを使ってカッティングする1ビーム・カッティング方式のものを示した。偏向揺らぎを抑えるためには、偏向するプリピット形成と偏向しないグルーブ形成を別の光ビームでカッティングする2ビーム・カッティング方式を採用すれば、原理的にグルーブが偏向の影響を受けることはない。
【0134】
しかしながら、2ビーム・カッティング方式では、2つの光スポットの高精度位置合わせ、即ちタンジャンシャルとラジアルの2次元方向に0.01μm以下に位置合わせすることが新たな課題となる。2ビーム・カッティングするにしても、本発明における不要偏向と不要光量の変化を2ビーム独立に検出して、フィードバックすれば、高精度な光ディスクがカッティングできる。
【0135】
また、実施の形態1〜4が適用可能な光ディスクは、従来例の図10の(a)の作成を例に示したが、光ディスク・フォーマットは図10の(b)に示すDVD−RAMのようなフォーマットを始め、あらゆる光ディスクのフォーマットが可能である。
【0136】
例えば、CDやDVD−ROMのようにプリピットの有無をカッティングするような光ディスクの場合でも、ピット形成中の偏向量をサンプルして、ラジアルならびにタンジャンシャル方向の不要な偏向量の抑圧と光量変化の抑圧が可能となる。
【0137】
こうすると、プリピットの大きさ、位置精度が向上するので、ラジアル方向及びタンジャンシャル方向の揺らぎが抑えられ、SNRやトラッキング精度が向上し、ジッタ低減も実現できる。さらに、用途も光ディスクに限られることはなく、レーザ光源でパターンを形成するシステムの高精度化にも適用可能である。
【0138】
また、EO偏向器をステップ的に変化させた後の偏向揺らぎは、駆動電圧のスルーレートを低くすると小さくなることが測定結果として分かっているので、カッティング速度と光ディスクのフォーマットとの関係で、ゆっくりした偏向が許容できるなら、スルーレート低減する手段を本発明の実施の形態と併せて実施し、原因となる偏向揺らぎを抑えることが好ましい。
【0139】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、光ディスクの原盤から不要な偏向および/または不要な光量の変化に起因するプリピットやグルーブの不要な変動が排除でき、それで形成された高精細で高精度な原盤を用いて大容量・高密度に好適な光ディスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における光ディスク・カッティング装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における光ディスク・カッティング装置で検出した不要偏向ならびに検出部の感度を示す図
【図3】本発明の実施の形態1の動作を説明するタイミング図
【図4】本発明の実施の形態2における光ディスク・カッティング装置のブロック図
【図5】本発明の実施の形態2の動作を説明するタイミング図
【図6】本発明の実施の形態3における光ディスク・カッティング装置のブロック図
【図7】本発明の実施の形態4における光ディスク・カッティング装置のブロック図
【図8】本発明の実施の形態4における光量ならびに偏向量の検出部を示す図
【図9】従来の光ディスク・カッティング装置のブロック図
【図10】高密度化に適した光ディスクのサンプル・サーボ方式ならびに連続サーボ方式の基板構成例を示す図
【図11】サンプル・サーボ方式の光ディスク・カッティング装置の動作を説明するタイミング図
【符号の説明】
1 レーザ光源
2 EO変調器(EOM)
3 EO偏向器(EOD)
4 ミラー
5 対物レンズ
6 モータ
100 光ディスクの原盤
101 フォーマッタ
102 EOMドライバ
103 EODドライバ
Vdet 偏向検出信号
200 不要偏向抑圧部
201 ビーム・スプリッタ
202 集光レンズ
203 2分割ディテクタ
204 差動アンプ
205 サンプルホールド(S/H)回路
206 誤差アンプ
207 目標値設定部
208 利得設定・位相補償回路
209 第2のEODドライバ
210 第2のEO偏向器
300 不要偏向キャンセル部
301 波形メモリー(1)
302 波形メモリー(2)
303 波形メモリー(3)
304 波形メモリー(4)
305 タイミング制御部
306 加算器
307 DAC
308 加算アンプ
203a 4分割ディテクタ
400 EO偏向器の共用部
500 タンジャンシャル方向不要偏向抑圧部と光量変動抑圧部
501 サンプルホールド(S/H)回路
502 誤差アンプ
503 目標値設定部
504 利得設定・位相補償回路
505 第3のEODドライバ
506 第3のEO偏向器
600 複合アンプ
601〜604 IVアンプ
605〜609 加算アンプ
610、611 差動アンプ
612、613 AGCアンプ
Ta トラック2m
Tb トラック2m+1
11 第1ウォブルピット
12 第2ウォブルピット
13 アドレスピット
14 グルーブ
15 ランド
16 録再光スポット
Tg グルーブトラック
Tl ランドトラック
21 LG共通アドレス部
22 GL共通アドレス部
23 グルーブ
24 ランド
25 録再光スポット
31 カッティング用光スポット
Claims (13)
- レーザ光源から出射した光ビームの偏向量を光ディスク原盤上のラジアル方向に制御する光偏向手段を含む光ビーム制御手段と、
前記光偏向手段で前記光ビームを偏向したときの、あらかじめ測定した前記ラジアル方向の偏向誤差を記憶した記憶手段と、
前記光偏向手段からの光ビームの偏向量を制御する第2の光偏向手段と、
前記光ディスク原盤のカッティングの際に、前記光ビーム制御手段の偏向タイミングに合わせて、前記記憶手段に記憶した前記ラジアル方向の偏向誤差を用いたフィードフォワワード信号を前記第2の光偏向手段に入力するフィードフォワワード手段とを備えたことを特徴とする光ディスク・カッティング装置。 - 前記第2の光偏向手段は、前記光偏向手段と偏向方向を一致させており、前記フィードフォワワード信号は、前記ラジアル方向の偏向誤差の極性を逆転させた信号である請求項1に記載の光ディスク・カッティング装置。
- 前記第2の光偏向手段からの光ビームに含まれる前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を検出する偏向誤差検出手段と、
前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記第2の光偏向手段にフィードバックするフィードバック手段とをさらに備えた請求項1に記載の光ディスク・カッティング装置。 - 前記光ビーム制御手段と前記偏向誤差検出手段との間に置かれ、前記光ビームを前記光ディスク原盤上のタンジャンシャル方向に偏向する第3の光偏向手段をさらに備え、
前記偏向誤差検出手段はさらに、前記光ビーム制御手段で制御された光ビームの前記タンジャンシャル方向の偏向誤差を、前記ラジアル方向の偏向誤差と独立に検出し、
前記フィードバック手段はさらに、前記タンジャンシャル方向の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記第3の光偏向手段にフィードバックする請求項3に記載の光ディスク・カッティング装置。 - 前記光ビーム制御手段で制御された光ビームの光量を制御する光変調手段をさらに備えており、
前記偏向誤差検出手段はさらに、前記光ビーム制御手段で制御された光ビームの光量の強度誤差を検出でき、
前記フィードバック手段はさらに、前記強度誤差を用いたフィードバック信号を前記光変調手段にフィードバックする請求項3に記載の光ディスク・カッティング装置。 - レーザ光源から出射した光ビームの偏向量を光ディスク原盤上のラジアル方向に制御する光偏向手段を含む光ビーム制御手段と、
前記光偏向手段で前記光ビームを偏向したときの、あらかじめ測定した前記ラジアル方向の偏向誤差を記憶した記憶手段と、
前記光ディスク原盤のカッティングの際に、前記光ビーム制御手段の偏向タイミングに合わせて、前記記憶手段に記憶した前記ラジアル方向の偏向誤差を用いたフィードフォワワード信号を前記光偏向手段に入力するフィードフォワワード手段とを備えたことを特徴とする光ディスク・カッティング装置。 - 前記光偏向手段からの光ビームに含まれる前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を検出する偏向誤差検出手段と、
前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記光偏向手段にフィードバックし、前記フィードバック量を前記光偏向手段の制御量に重畳するフィードバック手段とをさらに備えた請求項6に記載の光ディスク・カッティング装置。 - 光ディスク原盤のカッティング工程において、レーザ光源から出射した光ビームを、光偏向手段で光ディスク原盤上のラジアル方向に偏向させる制御をする光ディスクの製造方法であって、
前記光ディスク原盤のカッティング工程の前に、前記ラジアル方向に偏向させる制御による偏向誤差を予め測定して、これを記憶手段に記憶させる工程を備え、
前記光ディスク原盤のカッティング工程において、
前記光偏向手段からの光ビームの偏向量を制御する第2の光偏向手段に、前記光ビームの偏向タイミングに合わせて、前記記憶手段に記憶した前記偏向誤差を用いたフィードフォワワード信号を入力する工程を含むことを特徴とする光ディスクの製造方法。 - 偏向誤差検出手段で、前記第2の光偏向手段からの光ビームに含まれる前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を検出する工程と、
フィードバック手段で前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記第2の光偏向手段にフィードバックする工程とをさらに備えた請求項8に記載の光ディスクの製造方法。 - 前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を検出する工程において、さらに前記光偏向手段で制御された光ビームの前記タンジャンシャル方向の偏向誤差を、前記ラジアル方向の第2の偏向誤差と独立に検出し、
前記フィードバックする工程において、さらに前記タンジャンシャル方向の偏向誤差を用いたフィードバック信号を、光ビームを光ディスク原盤上のタンジャンシャル方向に偏向する第3の光偏向手段にフィードバックする請求項9に記載の光ディスクの製造方法。 - 光変調手段で、前記光偏向手段で制御された光ビームの光量を制御する工程をさらに備えており、
前記第2の偏向誤差を検出する工程において、前記偏向誤差検出手段はさらに、前記光偏向手段で制御された光ビームの光量の強度誤差を検出し、
前記フィードバックする工程において、前記強度誤差を用いたフィードバック信号を前記光変調手段にフィードバックする請求項9に記載の光ディスクの製造方法。 - 光ディスク原盤のカッティング工程において、レーザ光源から出射した光ビームを、光偏向手段で光ディスク原盤上のラジアル方向に偏向させる制御をする光ディスクの製造方法であって、
前記光ディスク原盤のカッティング工程の前に、前記ラジアル方向に偏向させる制御による偏向誤差を予め測定して、これを記憶手段に記憶させる工程を備え、
前記光ディスク原盤のカッティング工程において、
前記光偏向手段に、前記光ビームの偏向タイミングに合わせて、前記偏向誤差を用いたフィードフォワワード信号を入力する工程を含むことを特徴とする光ディスクの製造方法。 - 偏向誤差検出手段で、前記光偏向手段からの光ビームに含まれる前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を検出する工程と、
フィードバック手段で、前記ラジアル方向の第2の偏向誤差を用いたフィードバック信号を前記光偏向手段にフィードバックし、前記フィードバック量を前記光偏向手段の制御量に重畳する工程とをさらに備えた請求項12に記載の光ディスクの製造方法。
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