JP4075142B2 - 真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真正商品と偽造商品の判別のための光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
クレジットカードや、銀行のキャッシュカードなどの偽造やその不正な使用の発生を防止する目的でホログラムによる像などをかかるカードに付着させものが実用されている。これらのホログラムは白色光の干渉による単一ホログラム映像を目視により認識するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかるホログラムによる像を商品の真贋判定、すなわち真正商品か、何等オーソライズされていない者による偽造品かを判断するために応用する方法もあるが、この場合、製造者マークなどの単一ホログラム映像しか認識することができない。例えばクレジットカード会社、キャッシュカード会社や銀行特有のパターンのみを商品の識別証として応用できるに過ぎない。また、そのホログラムパターンは占有面積が大きく、その位置が容易に判明してしまう。これらは、識別証の偽造などへの手がかりをも与えるものである。また、肉眼で目視して画像が見えるホログラムは、比較的容易に疑似の像を製造することが可能であり、偽造品の製造を完全に防止することは不可能であった。したがって、本発明は不法なコピー商品であるか、真正商品であるかを容易に判定でき、かつ偽造が極めて困難な真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によれば、単色光が照射されたとき、その透過回折光又は反射回折光が複数の光線に分かれるよう構成された分光手段と、前記分光手段により得られた複数の光線により照射される位置にそれぞれ配され、その透過回折光又は反射回折光により所定画像を投影するよう構成された複数のホログラムパターンとを有し、前記複数のホログラムパターンがそれぞれCGHとして記録されている真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、単色光が照射されたとき、その透過回折光又は反射回折光が複数の光線に分かれるよう構成された分光手段が設けられた第1構造体と、前記分光手段により得られた複数の光線の照射により所定画像を投影するよう構成された複数のホログラムパターンがCGH記録部として設けられた第2構造体と、前記第1構造体と第2構造体が所定の位置関係で配されて、前記複数の光線が前記複数のホログラムパターンを照射するよう位置決めをする手段とを有する真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体が提供される。
【0016】
なお、上記CGHが少なくとも4値のCGHであることは好ましい態様である。また、上記ホログラムパターンに単色光を照射したとき、その透過回折光又は反射回折光により投影される映像パターンは商品の著作権者、製造者、販売者、商品に関する情報の記録内容の少なくとも1つを示す文字及び/又はマークを含むよう、あらかじめ前記ホログラムパターンが構成されていることは好ましい態様である。さらに、上記ホログラムパターンは前記真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体の所定の位置に形成されるとともに、その近傍に肉眼では同様に見える疑似ホログラムが形成され、前記ホログラムパターンの位置を肉眼にて認識困難とすることは好ましい態様である。また、上記真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体を当該商品に取り付けるための取り付け手段をさらに有することは好ましい態様である。
【0017】
また、上記真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体の製造にあたり所定の金型を用いて合成樹脂成形により上記真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体を成形するにあたり、あらかじめ製造されたCGHの原盤を用いて製造される成形用スタンパを、前記金型内に接着剤又はロウ付け(主として金属ロウ)で貼り付けた後、射出成形又は押出し成形することは好ましい態様である。また、前記成形用スタンパが数値演算によって生成されたCGHパターンをICプロセスによって原盤を製造し、その原盤を用いて作成されるものであることは好ましい態様である。
【0019】
本発明は、演算によって生成するCGH作成方法及びその成形方法によってホログラムパターンが成形されている商品識別体に単色光又はコヒーレントな光をホログラムに照射し透過回折光又は反射回折光による再生パターンを生成することを特徴とするものである。CGHによれば、ホログラムパターン面積は1mm四方でも可能であり、またどのような投射パターンがどこの位置に成形されているかを肉眼認識することは困難である。またその再生投射パターンの情報量も飛躍的に多くすることが可能である。また、このCGHの演算生成、ICプロセス、成形原盤製造による製造法は多大な設備等を必要とし、偽造は困難である。
【0020】
本発明では透過又は反射回折光により所定のパターンを投影するよう構成されたホログラムパターンをCGHにより商品識別体の所定の場所に成形しておき、単色光を照射し、その結果、所定の再生映像パターンが投影されるか否かにより真贋を判定するようにしたものである。これによって、商品が真正であるかの判別を店頭等にて行うことが出来る。また偽造品等の税関での通過防止に寄与できる。
【0021】
なお本発明では識別の対象を商品としているが、本明細書における「商品」とは、必ずしも商取引される商品のみならず、購入された後の物品や、必ずしも商取引されない法人又は個人の所有物、絵画、骨董品、遺跡発掘品など真正なものとそうでないものの識別の必要なあらゆる有体物をいうものとする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は本発明に先立ち発明者らが開発した真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体を商品としてのバッグに適用した場合の斜視図である。この真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体(本願では単に識別体ともいう)1、2はネームタグと同様な形状であり、識別の対象である被識別商品であるハンドバッグ3に取り付けられた様子が示されている。識別体1、2にはホログラムパターンとしてのCGH(コンピュータ・ジェネレイテッド・ホログラム)5、6が成形されている。単色光を発光する光線照射器4から単色光線9を識別体1又は2に成形されたCGH5又は6に照射し、再生映像パターン7を得る。8は成形された5又は6のCGHの顕微鏡写真である。識別体1は商品の機能を構成する機能構成体としての例であり、この例の場合はバッグのファスナーのつまみを構成している。一方、識別体2は商品の機能を構成するものではなく、ネームタグなどのタグとしての例である。
【0023】
図2、図3は本発明の2つの実施の形態をそれぞれ示す斜視図である。本発明の1つの態様では、図1に示した識別体1又は2を改良し、ホログラムパターンとしてのCGH13a(図1の5又は6に対応する)の他に、別のホログラムパターンとしてのCGH13bが設けられている。図2、図3において識別体10、10Aに設けられた第1のCGH13aと第2のCGH13bに、それぞれレーザー光発生器12a、12bにて発生した単色光線11a、11bを照射している様子が示されている。成形されたCGH13aに単色光線11aが照射されると、その透過回折光により映像14aが後方の壁などの物体に再生される。また、成形されたCGH13bに単色光線11bが照射されると、その透過回折光により映像14bが後方の壁などの物体に再生される。
【0024】
図3の例では、識別体10Aに目視にて認識できる文字「V」のロゴ15が成形されている。図2はこの文字「V」のロゴ16が印刷で作成されたものを示す斜視図である。原理的には図3も図2と同様である。識別体10にはCGH13aが成形されていて、ここに単色光線が照射されると、透過回折光により映像が後方の壁などの物体に再生される。22は文字「V」のロゴ16の未印刷部分である。図2、図3におけるCGH13bは、複数の部分を有している。これらの複数のCGH13bは複数の行と列を構成している。
【0025】
図4は図2のA−A断面図である。部材26に印刷された文字「V」の印刷膜部27が設けられ、CGH28、30(図2の13a、13bに対応)が成形される。このCGH28の上に部材26とは屈折率の異なる材料29がコーティングされている。CGH28は部材26の反対側に成形してもよい。このときには、コーティングもこのCGH上に施す。この方が印刷膜部27の保護にもなる。図5は図3のB−B断面図である。部材23に成形された文字「V」のロゴ24の凹部の後にある凹部25にCGH25が成形されている。またCGH30(図3の13bに対応)が部材23の露出面に形成されている。
【0026】
部材23は成形可能な合成樹脂で構成されている。具体的には、ポリカーボネート、アクリルなどを好適に用いることができる。部材29は部材23で封着される。図5中、封着部33が波線で示されている。これらの部材29、23は封着性を高める観点から、同一の合成樹脂を用いることが望ましい。封着方法として、熱封着又は溶剤による溶解封着を用いることができる。
【0027】
図6の実施の形態は図5の構造を改良し、CGH30が露出することを防止し、レプリカの製造を困難としたものである。すなわち部材23にCGH30が形成され、この部材23を部材31で封着したものである。
【0028】
図7の実施の形態は識別体36の一部に正規のCGH34と、その近傍に疑似CGH35を形成し、肉眼ではどれが正規のCGH34であることが判明困難としたものである。この例では、正規のCGH34を除くV字の部分すべてに疑似CGH35が形成されている。肉眼では正規のCGH34と疑似CGH35は、いずれもすりガラス状に見えるだけであり、その境界も不明であり、どこに正規のCGH34が存在するのか目視しただけではわからない。したがって、CGHの存在自体が容易には認識できず、不正を試みる者による偽造のチャンスを減少させ、結果としてセキュリティを高めることが可能となる。
【0029】
光源37で発生する単色光線39を正規のCGH34に照射したときには、正規の識別再生映像39が投射される。一方、光源40で発生する単色光線41を疑似CGH35に照射したときには、正規の識別再生映像とは異なる再生映像42が投射される。どこに正規のCGH34を配置するかは自由に選択、変更でき、この位置情報そのものをセキュリティとすることも可能となる。なお、本実施の形態の場合は、真正商品か否かを判断するための検査を行う者、すなわち、流通業者や、販売者などがあらかじめ正規のCGH34の位置を知っているものとする。なお、図7の構成のみを用いることもできるが、図2〜図6の実施の形態におけるCGH13a(図4〜図6では28、25)に代えて用いることができる。
【0030】
ホログラムパターンは干渉縞のパターンであるが、ここで干渉縞について説明する。ホログラムパターンは回折格子の一態様であり、原理説明のために回折格子について検討する。図8はこの回折格子を示す。回折格子のピッチをp(43)、回折格子44の凹凸段差をd(45)とする。使用光の波長をλとすると、回折光角度θの関係は以下のようになる。
【0031】
【数1】
±N sin θ =λ/p (1)
Nは0を含む自然数
【0032】
で表される。N=0のときは0次回折光又はDC光と呼ばれる、非回折光である。一方、±Nのときは通常の光学系(対称な光学系)ではその回折光量は等しい。Nの増加により高次な回折光の光量は減少する。今、照射する光線をコヒーレントなレーザービームとして、N=1のみを考慮とすると回折格子からは3本の光束が発生することになる。この回折光からある距離の所にスクリーンを置けば、3点の明点が見られる。このときの明点及び暗部のコントラストは回折格子の凹凸段差による。今、回折格子部材の屈折率をn1(45)、空気の屈折率をn0(46)とすると、図8における光A(47)と光B(48)の位相差は
dx(n1−n0)に比例する。回折効率は位相差180度が最大となるので、透過型の場合一般的に、この回折格子の深さdは
【0033】
【数2】
d0=λ/{2x(n1−n0)} (2)
【0034】
となる。但し、このd0は厳密なものではない、現実にはコントラストを犠牲にするならd0はこの値の近傍であればよい。
今、光源の波長をλ=600nm、回折格子(44)の素材をポリカーボネートとして、n1=1.6、空気の屈折率n0=1とすると
【0035】
【数3】
d0=500nm (3)
【0036】
となる。
このように、平行な回折格子であれば1次元的な回折光が発生する。本発明では、平行な回折格子を1つでなく、回折格子を含む平面内で回転させた他の回折格子を組み合わせれば容易に2次元的に明点を配置させることが可能となる。この回折光が2次元的に配置されるように、コンピュータを用いて演算を行い、この回折させるパターンであるホログラムを生成している。これをCGH(Computer Generated Hologram)と呼んでいる。本発明で用いるホログラムとしては例えば、月刊誌「OプラスE」(株式会社 新技術コミュニケーションズ発行;No.204;196年11月号)を用いることができる。
【0037】
ここで前述の図8の説明によるCGHは凹凸段差が1つのものである。段差が1つであることから2値のCGHと呼ばれる。前述の説明から、この2値のCGHで再生される映像パターンは0次光(DC光)を中心として対称な2つのパターンを投影する。これを図示したものが図9である。図9において、49は単色光(例としてレーザビーム)を発生する光源から2値のCGH50に照射された光線51はスクリーン52に再生映像パターン53を生成する。再生される映像53は0次光54に対して点対称なパターンを形成する。図9の例では文字”A”のパターンが明点で形成される。
【0038】
図10は4値のCGHにより再生される映像パターンを示す模式図である。図10において、単色光を発生する光源55から識別体58に設けられた4値CGH56に照射された光線57はスクリーン59に再生映像パターン60を生成する。再生された映像パターン60は0次光61に点対称ではないパターンを形成することができる。図10の例では文字”V”のパターンが明点で形成される。
【0039】
図9、図10で示される再生映像は明点の集合であり、この光情報が正規の画像と一致するか否かを目視にて判別して、真正商品か偽造品かの識別を行うことが可能となる。自由度が要求されるロゴ等のデザインなどでは4値であるCGHが望ましいことは明らかである。4値以上のCGHであればこの機能を得ることは可能であるが、あまり大きな数値のCGHはICプロセスが複雑となる欠点がある。
【0040】
この4値CGHの電子顕微鏡写真を図11に示す。(a)は1650倍、(b)は5500倍にそれぞれ拡大したものである。この4値CGHパターンの段差が3つあることがわかる。同様に2値の顕微鏡写真を図12に示す。図12は1300倍に拡大したもので、この2値CGHパターン段差は1つである。
【0041】
図13の(a)は4値CGHの凹凸段差の深さに対する光の位相関係を示したものである。図13の(b)の段差に対する光の位相差は90度毎になる。この関係と式(1)の関連から、光の波長λ=600nm、ポリカーボネートの屈折率n1=1.6、空気のそれをn0=1であり、今、光源の波長をλ=600nm、成形されたCGH(62)の素材をポリカーボネートとして、n1=1.6、空気の屈折率n0=1とすると各段差d1(63)は
d1=250nm
となる。よって、4値CGHの全深さd2(64)は
d2=3xd1=750nm
となる。
【0042】
図14は2値CGH(65)の段差d0(66)と光の位相関係を示したものである。すなわち、前者が(b)に、後者が(a)に示されている。このときの段差の値は前述の通りである。上記実施の形態は、透過回折光により画像を投影する例を示しているが、光を反射させる構造とし、反射回折光により画像を投影するよう構成することも可能である。
【0043】
図15は本発明者らが本発明に先立って開発し、特許出願(特願平8−317053号)したCGHを利用した光記録媒体原盤の製造方法、光記録媒体への情報の記録方法及び光記録媒体の製造装置並びに製造方法を模式的に示すブロック図である。この例は、カード型の光記録媒体としてのプリペイドカード90を製造するものである。このプリペイドカード90には複数の記録部分88が設けられ、配列されている。今、この記録部分88の1つ1つに文字の情報を記録するものとすると、文字情報の信号が入力端子IN1に供給され、画像信号化回路70に入力される。画像信号化回路70は入力されたデジタル信号のコード情報で表された文字を2次元のドットパターンの画像信号に(後述する図16の入力データ)に変換する。
【0044】
この信号はスイッチ72又はマルチプレクサを介して数値演算装置74に供給される。数値演算装置74は所定のアルゴリズムを用いて2次元画像のドットパターンの画像信号から干渉光を照射することなくホログラムの干渉縞パターン(ホログラム干渉図形)を得るための数値を作成する。図16は2次元画像からホログラムの干渉縞パターンを得る手順を示す図である。数値演算装置としては好ましくは高速演算可能なコンピュータを用いる。図11の(a)、(b)及び、図12は、水平、垂直方向又は斜め方向に特定のパターンで配列された格子を作成し、その回折光が2次元的に配列されるように、コンピュータを用いて演算を行いCGHを完成させたものの一例を示す写真である。なお、図11の例は、4値のCGHであり、図11の(b)は図11の(a)の拡大したものである。図12の2値CGHと比較すると製造がより困難であり、偽造や海賊版対策として有効である。
【0045】
なお、数値演算装置74は後述の描画装置である電子ビーム露光装置78の解像度に応じた座標データを出力するように構成されている。また、描画を実際に行う前に、数値演算で得られた座標データフィードバックして入力データと比較して、両者間の誤差を低減すべく複数回の再演算を行う。
【0046】
数値演算装置74の出力信号はエンコーダ76にて所定のフォーマットの信号とされ、電子ビーム露光装置78に入力される。電子ビーム露光装置78は本来ICやLSIを製造するときに回路配置パターンを描画するために用いられるものであり、ここでは図16に示した干渉縞のパターン(出力データ)をレチクルと呼ばれる一次記録媒体80上に描画するために用いられる。なお、この一次記録媒体80は最終製品である光記録媒体90と識別するため一次又は二次記録媒体という。一次記録媒体としてはガラスなどの基板の上に感光性樹脂であるフォトレジストを塗布したものを用いる。この一次記録媒体を用い、ステッパで露光し、シリコン又は水晶ウエハー等の二次元記録原盤を作成する。この工程は一般的なICプロセスと同一である。2値CGH用二次原盤はエッチングプロセスが一回、4値CGH用二次原盤は3回のエッチングプロセスによって作成される。この二次原盤から成形用スタンパを作成し、成形器によって商品識別体が作成される。成形用スタンパによる成形は射出成形、圧縮成形及びシート成形として用いる。
【0047】
なお、所定の金型を用いて合成樹脂により真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体を成形するにあたり、あらかじめ製造されたCGHの原盤を用いて製造される成形用スタンパを、金型内にクランプした後、射出成形、又は圧縮成形又はシート成形することができる。また、他の方法として、所定の金型を用いて合成樹脂成形により真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体を成形するにあたり、あらかじめ製造されたCGHの原盤を用いて製造される成形用スタンパを、金型内に接着剤で貼り付けた後、射出成形、又は圧縮成形又はシート成形することができる。
【0048】
本発明の真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体は上記の構成であり、CGHが所定の位置に形成されているので、有効な偽造品対策となる。海賊版等の不正品を製造使用とするものは、あらかじめ定められたマークなどを投影するよう構成されたCGHをかなり大掛かりな描画装置及び成形装置を用いて製造しなければならず、相当の設備投資を余儀なくされ、不正商品製造による金銭的メリットが無くなる。
【0049】
上記実施の形態では、CGHに照射される光線がCGHの形成される合成樹脂基板を透過する場合について説明したが、CGHの底面あるいは、背面に反射膜を設けることにより、反射型として構成することも可能である。かかる反射型では、照射光は反射膜にて反射して、再生映像は反射光により付近の壁面、机上などに結像する。
【0050】
図17は上記各実施の形態におけるCGH13bから画像を読み出し、そのパターンを所定のパターンと比較照合する真贋判定装置の好ましい実施の形態を示すブロック図である。光記録媒体としては図3の識別体10Aを対象とする場合について示されている。光源12bからの単色光はビームスプリッタ96にて複数(この例では3本)の光線に分割される。ビームスプリッタ96としては、回折格子(ホログラムパターン)を用いることができる。分割された各光線は識別体10Aの複数のCGH13bにそれぞれ照射され、その透過回折光により、受光素子100の複数の受像部に結像する。受光素子の100の出力信号は画像処理部102にて画像処理が行われ、所定の画像とされる。
【0051】
画像処理部102の出力信号は情報処理部104にて商品の情報が解読され、解読された情報は表示装置110にて表示される。また、画像処理部102で得られたパターンは、情報処理部を介して真贋判定部108に与えられ、ROM又は通信データ106などにより供給される正規の画像パターンを供給すると比較照合される。パターンが一致すれば、真正商品であると判定し、一致しなければ偽造品(イミテーション)あるいは海賊版であると判定し、その結果を表示装置110にて表示する。なお、図17は商品の真贋判定装置として示されているがROM又は通信データ106や真贋判定部108を具備しない場合、光記録媒体読取り装置として構成することができる。
【0052】
図18は、上記図17の変形例であり、光記録媒体10AのCGH13bの記録内容を選択的に消去することができる機能を追加したものを示すブロック図である。光記録媒体10Aは2つのローラ120U、120Dに挟み込まれ、ローラ120Dがモータ120により駆動されて回転すると、光記録媒体10Aがその長手方向に搬送可能である。また、先端にヒータを有する消去ヘッド116は光記録媒体10Aの短手方向に移動可能である。記録動作指令部114は、キーボードなどの記録情報入力部112から所定情報が入力されると、複数のCGH13bのうちの消去すべきものを決定し、モータ120と消去ヘッド116を制御する。ここでCGH13bを選択的に消去することは、所定の情報を記録することと同義である。この消去機能は、例えば商品の履歴情報を記録するために用いることができる。一例として、商品の修理毎に所定の位置のCGH13bを消去することにしておけば、次回の修理依頼のあったときに、過去の修理回数を読み取ることができる。また、著作権の関係する商品では、ダビンングの回数などを記録し、所定回数までのダビングを許容するといった使い方ができる。なお、図18の構成に図17中のROM又は通信データ106と真贋判定部108を加えて真贋判定機能を追加することは自由である。
【0053】
図17の実施の形態では、光源12bからの光線をビームスプリッタ96で分割して複数のCGH13bに照射しているが、光記録媒体自体にかかる光線の分割機能を持たせることができる。図19は、光源12からの単一の光線をホログラムパターン122で複数(この例では3本)に分割し、複数のCGH124−1、124−2、124−3に照射し、その透過回折光によりそれぞれ「A」、「B」、「C」の文字を投影している様子を示している。
【0054】
ここで、ホログラムパターンが光軸方向に複数枚設けられた場合の動作原理について説明する。図26のような光学系、すなわち光源12、レンズ133、ホログラムパターン135、結像面137が図のように配列されている場合、レンズ133の焦点面で得られるホログラムパターンでの回折光はブラウンフォーファ回折となる。図27のように光源P0から開口面の点Q(ξ,η,ζ)を、波長λで照明したときの、観測点Pでの光の振幅は、ブラウンフォーファ回折により式(4)で表すことができる。
【0055】
【数4】
【0056】
式(4)において定数項cを省略し、座標系をfx=x/λf、fy=y/λfで置き換えると、式(5)の形に変換できる。
【0057】
【数5】
【0058】
式(5)は2次元フーリエ変換を表している。このことから、図26のような光学系においてホログラムパターンの回折光は、ホログラムパターンの2次元フーリエ変換によって求めることができる。図28のように、ホログラムパターンを組み合わせた場合、出力されるホログラムパターンの回折光について検討する。光源12からの単色光がピンホール130を介して面132−1上のホログラムパターン(A)に照射され、その回折による分光が面132−2上の3つのホログラムパターン(B)、(C)、(D)に照射されるものとする。面132−1上のホログラムパターン(A)は、光軸方向に離れた位置にある面132−2上のホログラムパターン(B)、(C)、(D)に回折光が集光するよう設計されている。式(5)のフーリエ変換をFTという関数で表すと、ホログラムパターン(A)の回折光(A’)の分布は、
(A’) = FT(A)
で得られる。次に回折光(A’)は、面132−2上のホログラムパターン(B)、(C)、(D)を照射する。このとき、各々のホログラムパターン(B)、(C)、(D)から焦点面134に与えられる回折光を(B’)、(C’)、(D’)とすると、(B)、(C)、(D)と(B’)、(C’)、(D’)とは次の式で表される。
【0059】
【数6】
(B’)=FT(B)
(C’)=FT(C)
(D’)=FT(D) (6)
【0060】
以上のことから、最終的に焦点面134上に得られる回折光のパターンをFPとすると、
FP=FT(B)+FT(C)+FT(D)
となる。
【0061】
図20は、図19に示した構成の位置関係を説明するための模式図である。
光源12から分光用のCGH122に入射した光L1は、CGH122の設計に従い、所定の角度θだけ回折した回折光L2、L4と0次光L3となる。CGH124−1、124−2、124−3は同一面内にあり、CGH122とCGH124−2の距離をl、CGH124−2とCGH124−1、CGH124−3との間隔をdとする。この場合の位置関係は幾何学的に求まり、
tanθ=d/l
となる。この例では、CGH122は、ビームスプリッタで、回折光は、一次元方向に回折するものである。いずれにせよ、第一のCGH(CGH122)とその回折光が入射するCGH(CGH124−1、124−2、124−3)の位置関係は、第一のCGHの設計値に従い最適値とする必要がある。しかしながら、上式の位置関係は、ビームサイズ、CGHサイズを考慮していないため実用上は、これらを考慮し若干のずれは許容することができる。
【0062】
上記原理を用いたいくつかの実施の形態について説明する。図21は図19、図20で説明したビームスプリッタ(分光手段)としてのCGH122が部材126に形成され、画像再生用のCGH124−1、124−2、124−3が他の部材128に形成されている光記録媒体を示している。部材126は図22に示すように内部に空間を有する箱状であり、一方部材128は図23に示すように板状である。また、図22に示すように、部材126の開口部の四隅の内2箇所には、突起部130A、130Bが設けられ、他の2箇所は突起部のないコーナ130C、130Dとなっている。さらに図23に示すように、部材128の部材126との接触する側には、2つの突起132C、132Dが、上記コーナ130C、130Dに対応する形で設けられている。この構成により、図24に示すように、部材128を部材126に取り付けると、部材128上のCGH124−1、124−2、124−3は、部材126上のCGH122に対して位置決めがされ、図21の状態となる。
【0063】
図25は、図21の実施の形態の変形例であり、部材128に相当する部材128Aに2次元的に複数(この例では4個)のCGH124−4、124−5、124−6、124−7を配したものである。この部材128Aが図22の部材126に組み合わされて、光記録媒体を構成するが、部材126に設けられているビームスプリッタ(分光手段)としてのCGH122が2次元的に光を回折して、部材128Aの4つのCGH124−4、124−5、124−6、124−7に回折光を照射するようあらかじめ設計される。
【0064】
図29の実施の形態は、図21の実施の形態が2つの部材の組み合わせで構成されているのに対し、単一の部材132の対向する2つの異なる面に分光手段としてのCGH122と画像再生用CGH124−1、124−2、124−3を形成したものである。したがって、光源12からの単色光線はCGH122で分割されて、部材132内を透過し、CGH124−1、124−2、124−3を照射して、その透過回折光により再生画像として「A」、「B」、「C」の文字を得ている。
【0065】
図30の実施の形態では、単一の部材140の1つの面に分光手段としのCGH122と画像再生用CGH124−1、124−3を形成したものであり、この面に対向する面は反射面142として構成されている。したがって、光源12からの単色光線はCGH122で分割されて、部材132内を透過し、反射面142で反射されて再び部材132内を透過して、CGH124−1、124−3を照射して、その透過回折光により再生画像として2つの「A」の文字を得ている。
【0066】
図31は、図29の実施の形態の変形例である。すなわち、図32に示す断面図からわかるように、分光手段としてのCGH122と画像再生用CGH124−1、124−2、124−3を部材144の内部にかつ形成し、かつCGH122と他のCGH124−1、124−2、124−3を異なる面に形成したものである。したがって、光源12からの単色光線はCGH122で分割されて、部材132内を透過し、CGH124−1、124−2、124−3を照射して、その透過回折光により再生画像として「A」、「B」、「C」の文字を得ている。このように、CGHを部材の表面ではなく、内部に形成することはレプリカ製造をより困難とする上で有利であり、さらに異なる面(ここでは、表面ではなく、異なる深さ位置)にCGHを形成することは、さらにレプリカ製造を困難としている。
【0067】
上記図29〜図31の実施の形態では、画像再生用CGHが1列に配列されているが、図25に示したように2次元的に配列することもでき、その場合、分光手段としてのCGH122が2次元的に分光するようなものとして設計される。図21、図29、図31の実施の形態では、再生画像として「A」、「B」、「C」の文字が得られ、図30実施の形態では、再生画像として2つの「A」の文字が得られるよう示されているが、これらの再生画像としては、任意の文字、記号、図形を用いることができる。これら複数の再生画像の内容が互いに関連するものであったり、個々に再生される画像を組み合わせると一定の意味ある内容を示すものとすることは好ましい態様である。例えば、会社名が「ABC」という会社がその製品に付属する識別体としての光記録媒体に再生画像として「A」、「B」、「C」の文字が得られるようあらかじめCGHに記録しておくことができる。また、社名や組織名ではなく、商品名や商標を再生するようにしてもよい。このように複数のCGHに異なるパターンが再生されるようあらかじめ記録しておき、これらが全て再生されて一定の意味ある内容が表示されるよう構成することは、偽造をより困難とする上で有利である。
【0068】
図33の(a)は図21、図29、図30、図31に適用可能な他の実施の形態の原理を説明する模式図である。光源12からの単色光線は分光手段としてのCGH122で分割され、画像再生用のCGH125−1、125−2、125−3を照射して、その透過回折光により再生画像を得ている。図21、図29、図30、図31の実施の形態では、各CGH124−1、124−2、124−3がそれぞれ1つの画像、すなわち文字を再生しているが、図33の(a)の実施の形態では、個々の画像再生用のCGH125−1、125−2、125−3は図34、図35、図36にそれぞれ示すように、3つの文字の一部分のみを再生するようあらかじめ記録媒体がなされている。
【0069】
図34、図35、図36の再生画像が結像面で合成されると、図37に示すように、一定の意味ある複数の画像(文字)を得ることができる。図34〜図37に黒小円が示されているが、これは透過光中の0次光を示している。図33の(a)の実施の形態では、複数の再生用CGH125−1、125−2、125−3から画像が全て再生されて、はじめて完全な意味のある最終的合成画像を得ることができるので、再生用CGH125−1、125−2、125−3からのみ画像を読み出したのでは、不完全な再生画像しか得られない。よって、偽造をより困難としている。
【0070】
図34、図35、図36は再生用CGH125−1、125−2、125−3が4値又はそれ以上のCGHとして構成されている場合の再生画像を示しているが、より単純で安価な2値のCGHを用いた場合は、その画像再生の原理は図33の(b)に模式的に示すようなものとなり、図38、図39、図40に示すような中央の点で示す0次光を点対象に2つの再生画像をそれぞれ得ることとなる。図38、図39、図40の再生画像が結像面で合成されると、図41に示すように、一定の意味ある複数の画像(文字)を得ることができる。
【0071】
図42は光記録媒体読取り装置の他の実施の形態を示す模式図である。画像再生用のCGH124に対して、2つの光源12−1、12−2から単色光線を同時に入射させると、それぞれ、0次光を点対象に+1次回折光と−1次回折光により2つの再生画像を得ることができ、合計4個の画像が得られる。この場合、再生像の共役像(+1次回折光と−1次回折光による対象な2つの再生画像)を重ねるか、あるいは相互に近傍に配置することにより、一定の意味のある画像(文字)を得て、認識率が向上する。
【0072】
図43はさらに他の実施の形態を示す模式図である。画像再生用の2つのCGH124−1、124−2に対して、2つの光源12−1、12−2から単色光線をそれぞれ独立して入射させると、それぞれ、0次光を点対象に+1次回折光と−1次回折光により2つの再生画像を得ることができ、合計4個の画像が得られる。2つの光源12−1、12−2がそれぞれ別のCGH124−1、124−2を照射する構成であるので、これらの要素の配置関係が自由に選定できる。また、2つの異なる再生画像(この例では、文字「A」と「B」)を得ることができ、これらを組み合わせて一定の意味を持たせることができる。なお、図43では2つのCGHで2種類の画像を再生しているが、その数は任意に増加できることは言うまでもない。
【0073】
図44〜図46は、光源と再生用CGHと結像面としてのスクリーンの位置関係について、3つの場合を示したものであり、これらは本発明の実施の形態に組み合わせて用いることができるものである。図44は、光源からの単色光線をハーフミラーで反射させて、CGHの面に垂直に光を入射させ、ハッチングで示すその反射回折光でスクリーン上に再生画像を投影するものである。この構成は、多値CGHなど、0次光周辺に回折する光に対応したものであり、CGHとスクリーン間の距離変動があっても、再生画像の形状に変化がなく、大きさのみが変化する。
【0074】
図45は、光源からCGHへの入射光のCGHの垂線に対する角度、すなわち入射角を回折角と一致させるよう光源を配置した例を示している。入射光と回折光は干渉しないため、ハーフミラーが不要となる。図46は、光源からCGHへの入射角を回折角の1/2と一致させるよう光源とハーフミラーを配置した例を示している。この構成によれば、斜入射の非点歪みの発生を打ち消すことができる。
【0075】
次に光記録媒体読取り装置あるいは商品真贋判定装置の他の実施の形態について説明する。図47はかかる装置の内部構造の主要部を示す部分透視斜視図である。ケーシング146の中には、図1で説明した識別体としての光記録媒体1が所定位置に保持されている。光記録媒体1を保持する機構は図示省略されているが、ケーシング146の上面に設けられたスロット147から光記録媒体1がガイドに沿って垂直に挿入され、所定位置で保持される。このとき、光記録媒体1の所定位置、この例では右下の角が基準点RPとされる。
【0076】
ケーシング146の内部には、光源12と光源12からの単色光線を反射させる第1ミラー154と、第1ミラー154で反射された光線を反射して光記録媒体1のホログラムパターンであるCGH5に照射する第2ミラー156と、これらの保持体148、150、152が設けられている。なお、ケーシング146の図中後部内壁はスクリーンとして機能し、スクリーン上の再生画像7を目視できるよう、ケーシングの上面の後方部には開口部149が設けられている。なお、開口部149は透明の板材で塞ぐことが防塵上、好ましい。また、このスクリーン部に図17で説明した受光素子を配し、図17同様、真贋判定装置とすることもできる。
【0077】
保持体148は図示省略の駆動装置によりY軸方向に移動可能であり、また保持体152は同様にX軸方向に移動可能である。いま、光記録媒体1には基準点RPからX軸方向にXnだけ、Y軸方向にYnだけ離れた位置にCGH5が形成されているとき、保持体152が図示省略の基準点からX軸方向にXnだけ離れ、保持体148が同じく基準点からY軸方向にYnだけ離れた位置に移動して、光源12からの光線を第1ミラー154、第2ミラー156を介してCGH5に照射することができる。
【0078】
図48は、図47の読取り装置にて読み取られる光記録媒体1の例を示す平面図である。すなわち、基準点RPからのX軸とY軸方向の距離の組み合わせがそれぞれ異なる3つの例が示されているが、これらの組み合わせは、CGH5が約1mm角で構成されることから、数百から数千用意することができる。したがって、所定の団体又は組織毎及び/又は同一団体又は組織の商品毎に異なる位置にCGHを記録することができる。この例では、光記録媒体1の基準点RPから水平方向(Y軸)及び垂直方向(X軸)に定められた距離だけ離れた位置、(X1,Y1)、(X2, Y2)、(X3, Y3)が選定されてい様子が示されているが、これらを図48に示すようにA社用、B社用、C社用などとあらかじめ定めておくことができる。
【0079】
このようにCGH5が異なる位置に配された複数の種類の光記録媒体1は次のように用いられる。いま、上記例にあるA社用の光記録媒体1が図47の読取り装置に装填されたものとする。読取り装置の操作者は光記録媒体1にA社の表示があることを確認すると、図示省略の操作ボタンあるいはキーボードにてA社であることを入力し、その結果、ミラー角度制御装置を制御して、A社用に定められた(X1, Y1)の位置を照射して、再生画像を得る。この様に手動でカードの種類の情報を入力する代りに、自動的に会社名(組織名又は商品名)を光記録媒体1から判読して、ミラー角度を制御することもできる。
【0080】
図49はかかる自動的な制御を実行するための回路構成を示すブロック図である。光記録媒体1(カード)の種類は、例えば、光記録媒体1に設けられている図示省略の磁気テープやバーコードを図47内のリーダ160で読み取り、その出力信号からカード種類判別装置162で会社・商品などを判別する。この判別結果を受けて、CGH位置選択装置164はあらかじめ記憶してある複数の水平方向(Y軸)及び垂直方向(X軸)の距離の組み合わせから1つを選択する。選択された位置情報がミラー角度制御装置166に与えられ、所望の制御が行われる。
【0081】
図47の読取り装置あるいは真贋判定装置は、図17の真贋判別装置、図18の記録(消去)装置と組み合わせることができる。すなわち、図1の光記録媒体1に代えて図2〜図6の2ヵ所以上にCGHを有する光記録媒体10、10Aを対象とすることができる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ホログラムパターンを所定の位置に成形し、単色光の所定波長の光線を照射して、その結果所定の映像が投影されるか否かにより容易に商品の真贋の判定を行うことが可能となり、偽造品などの不正商品の発見や製造への抑止効果が期待できる。購入する消費者にとっては真正の商品であることを認識でき、かつ販売店も真正品の販売を保証できる。また、税関においては不正商品輸入持ち込み防止に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に先立ち発明者らが開発した真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体を商品としてのバッグに適用した場合の斜視図である。
【図2】本発明による真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体の4値CGHのホログラム再生映像の投射例を示す斜視図である。
【図3】本発明による真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体の4値CGHのホログラム再生映像の投射例を示す斜視図である。
【図4】図2のA−A線における光記録識別体の断面図である。
【図5】図3のB−B線における光記録識別体の断面図である。
【図6】本発明による真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体の断面図である。
【図7】本発明による真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体の好ましい実施形態のホログラム再生映像の投射例を示す斜視図である。
【図8】回折格子による回折原理を示す模式図である。
【図9】2値CGHのホログラム再生映像の投射例を示す斜視図である。
【図10】4値CGHのホログラム再生映像の投射例を示す斜視図である。
【図11】4値CGHパターンの2つの異なる倍率での電子顕微鏡写真である。
【図12】2値CGHパターンの顕微鏡写真である。
【図13】4値CGHの凹凸段差の深さに対する光の位相関係を示したものである。
【図14】2値CGHの凹凸段差の深さに対する光の位相関係を示したものである。
【図15】CGHを利用した光記録媒体原盤の製造方法、光記録媒体への情報の記録方法及び光記録媒体の製造装置並びに製造方法を模式的に示すブロック図である。
【図16】2次元画像からホログラムの干渉縞パターンを得る手順を示す図である。
【図17】CGH13bから画像を読み出し、そのパターンを所定のパターンと比較照合する真贋判定装置の好ましい実施の形態を示すブロック図である。
【図18】CGH13bから画像を読み出し、その情報により、CGH13bを選択的に消去することのできる光記録媒体記録(消去)装置の好ましい実施の形態を示すブロック図である。
【図19】光源からの単一の光線をホログラムパターンで複数に分割し、複数のCGHに照射し、その透過回折光によりそれぞれの文字を投影している様子を示す模式図である。
【図20】図19に示した構成の位置関係を説明するための模式図である。
【図21】分光手段としてのCGHと画像再生用のCGHが別の部材に形成されている光記録媒体の実施の形態を示す透視的斜視図である。
【図22】図21の光記録媒体の一方の部材を示す斜視図である。
【図23】図21の光記録媒体の他方の部材を示す斜視図である。
【図24】図22、図23の2つの部材を組み合わせる様子を示す斜視図である。
【図25】図21の実施の形態の変形例に用いられる一方の部材の斜視図である。
【図26】本発明の光記録媒体の動作原理を説明するための模式図である。
【図27】本発明の光記録媒体の動作原理を説明するための模式図である。
【図28】本発明の光記録媒体の動作原理を説明するための模式図である。
【図29】分光手段としてのCGHと画像再生用のCGHが同一の部材に形成されている光記録媒体の実施の形態を示す透視的斜視図である。
【図30】分光手段としてのCGHと画像再生用のCGHが同一の部材に形成されている光記録媒体の他の実施の形態を示す透視的斜視図である。
【図31】分光手段としてのCGHと画像再生用のCGHが同一の部材に形成されている光記録媒体の更に他の実施の形態を示す透視的斜視図である。
【図32】図31の断面図である。
【図33】本発明のいくつかの実施の形態に適用可能な他の実施の形態の原理を説明する模式図である。
【図34】図33の構成により1つのCGHで再生される画像例を示す図である。
【図35】図33の構成により他の1つのCGHで再生される画像例を示す図である。
【図36】図33の構成により更に他の1つのCGHで再生される画像例を示す図である。
【図37】図34、図35、図36の画像が合成されて得られる画像を示す図である。
【図38】図33の構成に2値のCGHを用いた場合、1つのCGHで再生される画像例を示す図である。
【図39】図33の構成に2値のCGHを用いた場合、他の1つのCGHで再生される画像例を示す図である。
【図40】図33の構成に2値のCGHを用いた場合、更に他の1つのCGHで再生される画像例を示す図である。
【図41】図38、図39、図40の画像が合成されて得られる画像を示す図である。
【図42】光記録媒体読取り装置の他の実施の形態を示す模式図である。
【図43】光記録媒体読取り装置の更に他の実施の形態を示す模式図である。
【図44】光源と再生用CGHと結像面としてのスクリーンの位置関係の1つの態様であり本発明の実施の形態に組み合わせて用いることができるものを示す模式図である。
【図45】光源と再生用CGHと結像面としてのスクリーンの位置関係の他の態様であり本発明の実施の形態に組み合わせて用いることができるものを示す模式図である。
【図46】光源と再生用CGHと結像面としてのスクリーンの位置関係の更に他の態様であり本発明の実施の形態に組み合わせて用いることができるものを示す模式図である。
【図47】光記録媒体読取り装置あるいは商品真贋判定装置の他の実施の形態の内部構造の主要部を示す部分透視斜視図である。
【図48】図47の読取り装置にて読み取られる光記録媒体の例を示す平面図である。
【図49】図47の装置において自動的な制御を実行するための回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、2、10、10A 識別体(真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体)
3 商品
4、12、12a、12b 光源
5、6、13a、13b、122、124−1、124−2、124−3、125−1、125−2、125−3 CGH
7、14a、14b 再生画像
9、11a、11b 単色光線
Claims (2)
- 単色光が照射されたとき、その透過回折光又は反射回折光が複数の光線に分かれるよう構成された分光手段と、前記分光手段により得られた複数の光線により照射される位置にそれぞれ配され、その透過回折光又は反射回折光により所定画像を投影するよう構成された複数のホログラムパターンとを有し、前記複数のホログラムパターンがそれぞれCGHとして記録されている真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体。
- 単色光が照射されたとき、その透過回折光又は反射回折光が複数の光線に分かれるよう構成された分光手段が設けられた第1構造体と、前記分光手段により得られた複数の光線の照射により所定画像を投影するよう構成された複数のホログラムパターンがCGH記録部として設けられた第2構造体と、前記第1構造体と第2構造体が所定の位置関係で配されて、前記複数の光線が前記複数のホログラムパターンを照射するよう位置決めをする手段とを有する真正商品表示像投影データ記録済光記録媒体。
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