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JP4070111B2 - 光ファイバのファイバヒューズ現象防止部 - Google Patents

光ファイバのファイバヒューズ現象防止部 Download PDF

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JP4070111B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光装置に関し、更に詳しくは、高出力の光パワー伝送に対して耐久性を備えたファイバのファイバヒューズ現象防止部およびそれが組み込まれている光コネクタプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光通信システムの分野においては、使用する光パワーは比較的微弱であった。そのため、光伝送路である光ファイバや各種の光部品に関しては、光パワーを高出力化した場合の問題はあまり考慮されてこなかった。
しかしながら、近年、大容量伝送を可能にするWDM通信システムの普及により、使用する光パワーの高出力化が進んでいる。
【0003】
例えば、信号光のような微弱パワーの光であっても、それをAWGなどで多波長合波すると、光パワーは数百mWにまで達する。また、EDFAと組み合わせて使用されているレーザ素子の場合、その出力は素子単体で数百mWにまで高出力化されている。
また、ラマン増幅器を使用する場合には、当該ラマン増幅器における広帯域利得を取得するために、複数波長のレーザ光を合波した励起光を使用している。そのため、ラマン増幅器に入力する励起光の光パワーは数Wにまで達する場合もある。
【0004】
このように、大容量伝送が進めば進むほど、そのシステムに用いる励起光発振装置内や、その励起光発振装置から励起光を信号光伝送路に導入するために使用される光伝送路である光ファイバ、その接続部などを伝送する光パワーは高出力化していく。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光パワーの高出力化が進むにつれて、従来は考慮しなくてもよかった問題が新たに浮上している。
すなわち、光パワーが光ファイバに入力して光ファイバにおける光エネルギー密度があるしきい値より高い状態、すなわち高光エネルギー密度になり、かつコア溶融などを誘発する様々な要因が加わると、当該光ファイバは数百〜数千℃に発熱し、構成材料である石英が溶融し、その溶融現象は光源に向かって自己伝達する、いわゆるファイバヒューズ現象が発生する。
【0006】
その場合、光ファイバの溶融現象は、例えばSMFの場合には、コア部と同等の直径(略10μm程度)の断面領域で発生することが知られている。
このファイバヒューズ現象は、1m/s程度の速度で進行し、光源からの光伝送を停止するか、または光ファイバにおける光エネルギー密度があるしきい値より低い状態、すなわち低光エネルギー密度にならない限り、継続する。そして最終的には、光源や光部品などを破壊することになる。
【0007】
このファイバヒューズ現象は、現在の光パワーが高出力化していることを考慮すると、例えば、光伝送路に組み込まれているコネクタの接続端面に付着する塵埃などのコンタミネーションによる光吸収、光ファイバや誘導多層膜フィルタなどにおける組織欠陥に基づく光吸収、また光ファイバの曲げや折れに基づく多重反射などによる当該部位での光エネルギー密度の濃縮化を原因として容易に発生し得る状況になっている。
【0008】
したがって、光パワーの更に進む高出力化を想定した場合、上記したファイバヒューズ現象の発生と光源へ向かう進行を防止し、高価な光源や光部品などの光装置の損壊を防止する対策を立てることが是非とも必要になる。
本発明は上記した課題に応えることができ、しかも非常に簡略な方法で応えることができるので、高出力の光伝送システムの構築に用いて有用な破壊伝達防止構造を備えた光装置及び光コネクタの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、光の伝送方向における少なくとも1箇所の部分が他の部分に比べて光エネルギー密度が低い領域になっている光ファイバから成る光伝送路を有することを特徴とする光装置が提供される。
【0010】
具体的には、前記少なくとも1箇所の部分のモードフィールド径(MFD)を、前記他の部分のMFDよりも大きくして前記光エネルギー密度が低い領域が形成されている光装置や、前記光エネルギー密度が低い領域が空間結合部で形成されている光装置が提供される。
【0011】
また、特にシングルモードファイバのMFDを大きくしようとすると、コア層とクラッド層の屈折率差を小さくする必要があり、曲げ損失が大きくなる。そこで、MFDが大きい部分をフェルールの内部に限定することにより、曲げ損失を受けずに、従来の光コネクタと同等の使用が可能で、かつファイバフューズの停止が可能な光コネクタを提供することもできる。
【発明の実施の形態】
まず、本発明の技術思想を説明する。
ファイバヒューズ現象は、何らかの理由で光伝送路(光ファイバ)のある箇所に光エネルギーが蓄積することにより当該箇所が発熱し、石英が溶融する現象である。そして、光伝送路においては、光源側ほど光エネルギー密度は高くなっているので、ある箇所で一旦始まったファイバヒューズ現象は、その箇所よりも光エネルギー密度が高い上流側(光源側)に向かって遡行していく。
【0012】
したがって、仮に光ファイバのある箇所でファイバヒューズ現象が発生したとしても、その箇所よりも上流側のある箇所が低光エネルギー密度の状態になっていれば、遡行するファイバヒューズ現象はその箇所で停止することになる。
このことは、ある箇所でファイバヒューズ現象が生起した時点で、光源からの光パワーを弱めることと等価効果であるといってよい。
【0013】
そして、光ファイバが例えばSMFである場合、光エネルギー密度が高い部分はそのファイバ断面におけるコア部と略同径の大きさであり、その部分でファイバヒューズ現象が発現している。
したがって、光伝送路を構成する光ファイバのコア部や各光部品との接続部などに、光エネルギー密度が閾値よりも低くなるような箇所を形成しておけば、仮に下流側でファイバヒューズ現象が発生したとしても、そして上流側の光源は定格駆動状態にあったとしても、ファイバヒューズ現象の遡行は、その低光エネルギー密度領域で自主的に停止することになる。
【0014】
本発明の光装置の1例を概念図として図1に示す。
この光装置は、光ファイバの光伝送路Lに光信号を伝送し、その光伝送路Lに箇所L0で例えばポンプレーザ素子からの励起光を入力し、光信号を増幅する装置を示している。
この装置の場合、箇所L0における光エネルギー密度のみが、光伝送路Lの全体における光エネルギー密度に比べて低くなっていて、かつある閾値よりも低くなっている。すなわち、この箇所L0が本発明でいう光エネルギー密度が低い領域(低光エネルギー密度領域という)になっている。
【0015】
この光装置において、図1で示したように、光伝送路Lのある箇所でファイバヒューズ現象が発生した場合、そのファイバヒューズ現象は高出力で発振するポンプレーザ素子に向かって光伝送路Lを遡行する。しかしながら、箇所L0はあるしきい値よりも充分に低い光エネルギー密度の領域になっているため、箇所L0に到達するとそこで消滅する。すなわち、ポンプレーザ素子が破壊されることはない。
【0016】
次に、上記した技術思想に基づいて開発された本発明の光装置に組み込まれる光伝送路(光ファイバ)における低光エネルギー密度領域について説明する。
本発明における低光エネルギー密度領域としては、モードフィールド径(Mode Field Diameter:MFD)の差を有効に利用するタイプのものと、空間結合部タイプのものが提案される。
【0017】
まず、前者のタイプ(タイプA)について説明する。
図2にタイプAの1例A1を示す。このタイプA1においては、そのMFD(2)が光伝送路LのMFD(1)よりも大きくなっている。したがって、領域A1における光エネルギー密度は、光伝送路Lの他の部分における光エネルギー密度よりも低密度になっている。
【0018】
このような領域A1は次のようにして形成することができる。
例えば、図3で示したように、光ファイバにおいて、領域A1を形成したい箇所を集中的に加熱する。コア内のドーパントがクラッド側へ熱拡散するので加熱箇所のコア部が拡大し、当該加熱箇所のMFD(2)は、加熱しない他の部分のMFD(1)に比べて大きくなる。
【0019】
また、図4で示したように、端面のコア部が拡大している2本の光ファイバの当該端面を融着しても領域A1を形成することができる。
図5に、タイプAの別の例A2を示す。
この領域タイプA2は、MFD(2)が大きい領域が領域タイプA1に比べて長くなっている。したがって、領域タイプA1に比べて、より一層の低光エネルギー密度領域になっていて、ファイバヒューズ現象の遡行を停止する機能は優れている。
【0020】
この領域タイプA2は次のようにして形成することができる。
例えば図6で示したように、光ファイバの加熱箇所を長くすることにより、拡大するコア部の長さを長くして形成することができる。また、図7で示したように、グレーテッドインデックスファイバ(GIF)の両端面に、SMFを端面融着しても領域タイプA2を形成することができる。
【0021】
図8に、タイプAの更に別の例A3を示す。
この領域タイプA3は、光ファイバの加熱しながら引っ張ることによって形成される。コアは全体として細径化するがドーパントのクラッド側への熱拡散により、領域タイプA3におけるMFD(2)は、非加熱箇所のMFD(1)に比べて大きくなる。この領域タイプA3は、例えばタップカプラの融着部に採用することにより、ファイバヒューズ現象の遡行を防止できるカプラ(光分配器)を製造することができる。
【0022】
以上例示した各種のタイプAの領域は、光部品間を接続するコネクタへも適用可能である。
例えば、図9で示したように、領域タイプA1を有する光ファイバをフェルールに収容したコネクタや、図10で示したように、領域タイプA1を端面に有する複合型のコネクタを構成することができる。これらは、いずれも、ファイバヒューズ現象の遡行を停止させる機能を備えているだけではなく、例えば後者のコネクタの場合は、その端面自体が低光エネルギー密度領域になっているので、端面の熱破壊が起こりにくく、そのため、コネクタ単体としてダメージを受けないコネクタになっている。
【0023】
次に、低光エネルギー密度領域を空間結合部で形成する例を図11、図12に示す。
図11は、MFD(1)の光ファイバの間にコリメータレンズを配置した領域タイプB1のものを示している。この場合には、レンズ間で光束径は拡大されるので、この領域は低光エネルギー密度領域になる。また、図12は、コリメータレンズに代えてグレーテッドインデックスレンズ(GIレンズ)を配置したタイプのものを示しており、この場合も、GIレンズ間に低光エネルギー密度領域B2が形成される。
【0024】
以上説明した低光エネルギー密度領域が組み込まれている光装置の1例を図13に示す。
図13は、WDM励起用のラマン光源の概略構成例を示している。
この光源では、レーザ素子で生産された波長λ1〜λ5のレーザ光を合波器で合波してWDM光にし、このWDM光と信号光をWDMカプラで合成したのち、コネクタを介して外部の光伝送路に伝送する。
【0025】
そして、合波器から出力したWDM光の光エネルギーは1W程度になっていて、外部の光伝送路へ出力していく光も、1W程度の光エネルギーを有しているものと考えられる。
この装置においては、合波器とWDMカプラを結ぶ光線路の適宜な箇所C1には、例えば図2で示した低光エネルギー密度領域A1を形成してレーザ素子(光源)がファイバヒューズ現象から防御されている。
【0026】
また、WDMカプラとコネクタを結ぶ光線路の適宜な箇所C2には、例えば図5で示した低光エネルギー密度領域A2を形成してWDMカプラが防御されている。
更に、外部の光伝送路と接続されるコネクタC3としては、例えば図10で示した複合型コネクタを使用することにより、このラマン光源全体を、外部の光伝送路で発生したファイバヒューズ現象から防御している。
【0027】
かくして、図13で示したラマン光源は、ファイバヒューズ現象に対して3重の防御対策が施されていて、高出力耐久性が優れた構造になっている。
例えばラマン増幅で用いられる波長1400nm帯域の励起光によるファイバヒューズ現象の場合、典型的なSMFにおけるファイバヒューズ現象が伝達し得る最小の光パワー(光エネルギー密度の閾値)は1.9MW/cm2である。
【0028】
すなわち、SMFのMFDを直径10μmとすると、1.5W以上の入力パワーでファイバヒューズ現象は伝達する。このとき、SMFとして、前記したような方法でMFDを直径15μmに拡大しておけば、そのMFDの拡大領域におけるファイバヒューズ現象の伝達のためには、3.3W以上の入力パワーが必要となるが、当面の通信においては、入力パワーとして最大でも3W程度を考えておけば充分であるため、ファイバヒューズ現象の遡行は停止し、当該SMFの耐久性を向上させることができる。
【0029】
なお、上記した光エネルギー密度の閾値は、使用波長や光ファイバの種類によって変化する。
【0030】
次に、本発明を光コネクタのフェルールに適用した実施例を示す。図14に従来型のフェルールの構造を示す。装着される光ファイバのMFDは、フェルールの外側と内側で変わらず一定である。
一方、図15に、単芯系コネクタ(FC,SC,ST,MU,LC等)に内装されるジルコニアフェルールに適応した実施例を示す。本発明のフェルールに内装される光ファイバは、通常のMFD(直径約10μm)を有するSMFと、MFDが通常よりも大きいSMFを融着接続することによって形成される。
【0031】
ただし、このMFDの大きいSMFは、コア層とクラッド層の屈折率の差を小さくする必要があるため、少しでもSMFを曲げると損失が大きく変動する。従って、このMFDが大きいSMF部分が、フェルールの内部に完全に収まるように、フェルールよりも短い長さである必要がある。
【0032】
また、MFDが大きく異なる光ファイバ同士の接続の場合、融着によって調芯を行いながら接続したとしても、挿入損失は大きくなる。異なるMFDを有する光ファイバを接続する場合には、挿入損失は、以下の式のようになる。
【式1】
Figure 0004070111
【式2】
Figure 0004070111
1:モールドフィールド径1
2:モールドフィールド径2
d :軸ずれ量
【0033】
もし通常のSMFのMFDであるw1=10μmとし、軸ずれ量d=0とすれば、上式から明らかなとおり、w2が大きいほど挿入損失も大きくなる。
ただし、この理論値は、図16(a)に示されるような完全な段付きになって接続された場合である。しかし、実際に融着接続された場合は、図16(b)に示されるように、光ファイバは溶融されるので、完全な段付きよりは、なめらかな形状で接続される。従って、理論値よりはよい値になることが、一般に知られている。
【0034】
実際に、本発明のフェルールに適用する、MFD=10μmのSMFと、MFDがそれぞれ15,20,25,30μmであるMFDを融着接続した場合の挿入損失を比較してみる。ここで、挿入損失を、波長1550nmで測定した結果を図17の表に示す。各MFDついて5回づつ、試作を行って測定した。
【0035】
損失は熱エネルギに返還されるため、ハイパワーを負荷した場合においては、0.5dB以下にすることが望ましい。0.5dB以上であると、発熱が数10度以上となり、接着剤の劣化や光ファイバの窪み現象によるPC(Physical Contact)外れが発生する確率が増加する。
図17の表から、挿入損失を0.5dB程度に抑えるためには、MFDは30μm以下であることを要する。
【0036】
また、SMFにおけるファイバフューズは、光ファイバ中の光パワー密度が、ある一定値以下になると伝達しなくなることが分かっており、概略的には伝達パワー関数(P)とMFD(w)の関係は次式で与えられる。
【式3】
P=Aw2
ここでAは、光ファイバの種類と波長によって決定される定数である。今回実施した通常のMFDを有するSMFに、中心波長1480mnのラマンレーザを適用した場合においては、A=1.5x106(W/cm2)で与えられる。
【0037】
ファイバフューズの伝達パワー閾値を測定した結果を図18に示す。この図から明らかなとおり、現状のMFD=10μmのSMFと比較して、MFDを1.2倍に広げるだけでも、伝達パワー閾値は2W以上となり十分な効果が得られることがわかる。
また、コア層内にパワー密度分布があるため、単純に上述の式3の関係にはならないが、MFD=10〜20μmの間でほぼ一致していることが図18からわかる。
【0038】
以上より、挿入損失が低く、かつ、ファイバヒューズを停止させることができるためには、MFDが30μm以下であることが適切である。その範囲において、例えば、伝送路のパワーによって2Wなら12μm以上、3Wなら15μm以上のMFDとなるように、適切なSMFを選択して、フェルール内に装着すれば実現することができる。
【0039】
現在、光通信分野で使用されている光パワーは、最大でも1〜2W程度である。従って、今後のハイパワー化を見込んでも、SMFにおいてはMFDを20μm程度まですることができるので、十分ファイバフューズを停止させることができる。
なお、本実施例ではSMFを採り上げたが、DSF(Dispersion Shifted Fiber:分散シフトファイバ)やDCF(Dispersion Compensating Fiber:分散補償ファイバ)等の他の様々な光ファイバでも同様な結果を得られる。
【0040】
本発明では、使用する光ファイバの製造方法として、バーナで光ファイバを加熱等して、熱拡散によってMFDを拡大する方法を採ることができる。しかし、この場合には、光ファイバの外径が加熱によって細径化する。従って、コア軸ずれを小さくして低ロス化するためには、この光ファイバが挿入されるフェルールの微細穴を本ファイバ専用に、120μm以下に細径化する必要がある。
【0041】
次に、段階的にMFDを変えることによって、挿入損失を極力小さくして、MFDを拡大する工夫のなされたフェルールの実施例を下記に説明する。
その実施例の形態を、図19に示す。図19では、中間ファイバを間に入れて、2段階にMFDを拡大させている。ここで、図15に示すような1段階でMFDを拡大させた場合と、図18に示すような中間ファイバを利用して2段階でMFDを拡大させた場合を比較してみる。
【0042】
図15に示す実施例のようなMFD=10μmのSMFとMFD=35μmのSMFを接続した場合と、図19に示すようなMFD=10μmのSMFとMFD=20μmのSMFをまず接続し、更にこのMFD=20μmのSMFとMFD=35μmのSMFを接続した場合の挿入損失を比較した結果を図20に示す。
【0043】
上述の実施例の場合と同様に、図15と図19の各々のタイプについて5回づつ、試作を行い挿入損失の測定を行った。結果は、5回の平均値で、1.20dB対0.54dBと、中間ファイバを利用した場合には、しない場合に比べて、半分以下の挿入損失となることが判明した。
以上の結果より、必要性に応じて、実用的な挿入損失の範囲において、更にMFDを拡大することができることが判明した。
また、本実施例では、2段のMFDの拡大を行ったが、更に他段の拡大を行うことも可能である。
【0044】
次に、本発明のフェルールをAPC(Angled Physical Contact)コネクタに適用した場合を説明する。MFD=15μm程度であれば、通常の8度でもPC研磨することができる。しかし、単芯コネクタのAPC研磨は球面研磨であるため、MFD=20μm以上の場合には、図21に示すように、光ファイバ同士がPC(Physical Contact)していない部分が生じることになる。
【0045】
ハイパワーを負荷した場合においては、この光ファイバ同士がPC(Physical Contact)していないコア層外周部における多重反射によって、接続損失が劣化し、更に、発熱によってコネクタ破壊が生じる恐れがある。
そこで、MFD=20μm以上の場合には、8度よりも小さい角度で研磨する必要があり、特に、MFD=30μmの際には、4度研磨が最適である。このときの反射減衰量は、図22に示される。上述の測定と同様に、5回、試作と測定を行った。結果は、反射減衰量の平均値は58.0dBであり、実用上問題のないレベルになることが判明した。
【0046】
次に、本発明のフェルールの別の実施例を図23に示す。この実施例では、通常のMFD=10μmの光ファイバと、MFD=35μmの光ファイバを接続し、次にMFD=35μmの光ファイバの先端に、再びMFD=10μmの光ファイバを接続したフェルールである。このフェルールは、まず、図15に示すフェルールと同様に、通常のMFD=10μmの光ファイバの先端に、MFD=35μmの光ファイバを融着接続する。その後、MFD=35μmの光ファイバをフェルール長未満に切断する。そして、MFD=35μmの光ファイバの端末に、再び通常のMFD=10μmの光ファイバを融着接続することによって得られる。
【0047】
本実施例のフェルールでは、両端が通常のMFD=10μmの光ファイバなので、一般に広く使用されているSMコネクタとの接続が可能であり、様々な場合に幅広く利用できる利点がある。
もちろん適用するMFDは、上述の値に限定されず、様々なMFDで提供できる。また、多段でMFDを拡大する方法と併用することも考えられる。適用する光ファイバは、SMFを始めとして、DSFやDCF等の他の様々な光ファイバが適用できる。
【0048】
本発明は、上述の実施例に示した態様に限らず、更に様々な態様での実施が可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の光装置は、低光エネルギー密度領域になっている光伝送路を備えているので、高出力駆動時に発生しやすいファイバヒューズ現象に対する耐久性が優れている。
また、本発明をフェ−ルールの中に収めることによって光コネクタプラグ等に適用し、曲げ損失の恐れもなく光システムの様々な場面で適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光装置の概略を示す概念図である。
【図2】本発明の低光エネルギー密度領域の1例A1を示す概略図である。
【図3】領域A1の形成方法の1例を示す概略図である。
【図4】領域A1の形成方法の他の例を示す概略図である。
【図5】本発明の低光エネルギー密度領域の他の例A2を示す概略図である。
【図6】領域A2の形成方法の1例を示す概略図である。
【図7】領域A2の形成方法の他の例を示す概略図である。
【図8】本発明の低光エネルギー密度領域の他の例A3を示す概略図である。
【図9】本発明のコネクタの1例を示す概略図である。
【図10】本発明のコネクタの他の例を示す概略図である。
【図11】本発明の低光エネルギー密度領域の別の例B1を示す概略図である。
【図12】本発明の低光エネルギー密度領域の更に別の例B2を示す概略図である。
【図13】本発明の光装置(ラマン光源)の構成例を示す概略図である。
【図14】従来型の光コネクタフェルールの構造を表す図である。
【図15】通常のMFDの光ファイバに、拡大されたMFDの光ファイバを接続した本発明の光コネクタフェルールの構造を表す図である。
【図16】MFDの異なる光ファイバ融着接続したフェルールにおいて、理論計算上の接続形状と、実際に融着した接続形状とを示す図である。
【図17】通常のMFDの光ファイバとMFDの異なる光ファイバを接続した場合の融着損失を比較した表である。
【図18】光ファイバのMFDによるファイバフューズ伝達パワー閾値を示すグラフである。
【図19】中間ファイバを利用して2段階でMFDを拡大させた本発明の光コネクタフェルールの構造を表す図である。
【図20】図15に示すフェルールと図19に示すフェルールの挿入損失を比較した表である。
【図21】MFD=20μ以上の場合のAPC(8度)の形状を示す図である。
【図22】MFD=30μで研磨角度8度のAPCの場合の反射減衰量を示す表である。
【図23】両端が通常のMFDの光ファイバであって、その中間に拡大されたMFDの光ファイバが接続された本発明のフェルールである。
【符号の説明】
A1,A2,A3,B1,B2 低光エネルギー密度領域

Claims (3)


  1. 光ファイバの光の伝送方向における少なくとも1箇所の部分のMFD(モードフィールド径)を、他の部分のMFDよりも大きくして、光エネルギー密度のしきい値よりも低い光エネルギー密度領域を形成し、ファイバヒューズ現象を防止する、光ファイバのファイバヒューズ現象防止部であって、
    前記防止部の光ファイバが、シングルモードファイバ(SMF)とシングルモードファイバ(SMF)のMFDよりも大きいMFDを有する光ファイバとを、前記シングルモードファイバ(SMF)のMFDより順次拡大されたMFDを有するように多段に融着接続して形成され、
    前記光ファイバの光の伝送方向における少なくとも1箇所の部分が、光ファイバフェルール微細穴に固定された光ファイバで構成され、
    前記フェルール微細穴に固定された先端の光ファイバのMFDと、前記光ファイバフェルールよりも後方に延伸する光ファイバのMFDとが一致していることを特徴とする光ファイバのファイバヒューズ現象防止部。

  2. 前記フェルール微細穴に固定された光ファイバの先端面が、4度に斜めに研磨されていることを特徴とする請求項1に記載された光ファイバのファイバヒューズ現象防止部。

  3. 請求項1または2に記載された光ファイバのファイバヒューズ現象防止部を用いた光コネクタプラグ。
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