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JP4069879B2 - 液晶表示装置、及び電子機器 - Google Patents

液晶表示装置、及び電子機器 Download PDF

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JP4069879B2
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Description

本発明は、液晶表示装置、及び電子機器に関するものである。
液晶表示装置として、明るい場所では反射型液晶表示装置と同様に外光を利用し、暗い場所では透過型液晶表示装置と同様にバックライトにより表示を視認可能にした半透過反射型液晶表示装置が提案されている。このような半透過反射型液晶表示装置としては、上基板と下基板との間に液晶層が挟持されるとともに、例えばアルミニウム等の金属膜に光透過用の窓部を形成した反射膜を下基板の内面に備え、この反射膜を半透過反射板として機能させる液晶表示装置が知られている。この場合、反射モードでは上基板側から入射した外光が、液晶層を通過した後に下基板の内面の反射膜で反射され、再び液晶層を通過して上基板側から出射されて表示に寄与する。一方、透過モードでは下基板側から入射したバックライトからの光が、反射膜の窓部から液晶層を通過した後、上基板側から外部に出射されて表示に寄与する。したがって、反射膜の形成領域のうち、窓部が形成された領域が透過表示領域、その他の領域が反射表示領域となる。
ところが、従来の半透過反射型液晶表示装置には、透過表示での視角が狭いという課題があった。これは、視差が生じないよう液晶セルの内面に半透過反射板を設けている関係で、観察者側に備えた1枚の偏光板だけで反射表示を行わなければならないという制約があり、光学設計の自由度が小さいためである。そこで、この課題を解決するために、Jisakiらは、下記の非特許文献1および特許文献2において、垂直配向液晶を用いる新しい液晶表示装置を提案した。その特徴は、以下の3つである。
(1)誘電率異方性が負の液晶を基板に垂直に配向させ、電圧印加によってこれを倒す「VA(Vertical Alignment)モード」を採用している点。
(2)透過表示領域と反射表示領域の液晶層厚(セルギャップ)が異なる「マルチギャップ構造」を採用している点(この点については、例えば特許文献1参照)。
(3)透過表示領域を正八角形とし、この領域内で液晶が360度全方向に倒れるように対向基板上の透過表示領域の中央に突起を設けている点。すなわち、「配向分割構造」を採用している点。
特開平11−242226号公報 特開2002−350853号公報 "Development of transflective LCD for high contrast and wide viewing angle by using homeotropic alignment", M.Jisaki et al., Asia Display/IDW'01, p.133-136(2001)
特許文献1に開示されたようなマルチギャップ構造は、透過表示領域と反射表示領域の電気光学特性(透過率−電圧特性、及び反射率−電圧特性)を揃える上で有効な手段である。何故ならば、透過表示領域では光が液晶層を1回のみ通過するのに対し、反射表示領域では光が液晶層を2回通過するからである。
ところでJisakiらが採用した配向分割の方法は、突起とマルチギャップの段差を利用した大変巧妙な方法である。しかしながら、この方法には2つの大きな問題がある。1つは、マルチギャップの段差による配向制御力が弱いことである。なぜならば、マルチギャップの段差部において、液晶分子は段差部の傾斜と垂直に斜め方向に配向するが、これにかかる電界も同じように傾斜に垂直な方向にかかるため、液晶を一方向に倒す力が弱まるからである。従って、透過表示領域中央に設けた突起とマルチギャップの段差部との距離が一定以上離れると、電圧を印加したときに液晶分子が所定の方向に倒れなくなるため、透過表示領域の八角形を十分小さくしなければならず、開口率が低くなるという問題が生じる。もう1つは、反射表示領域の液晶の倒れる方向が十分に制御されていないということである。液晶が無秩序な方向に倒れると、異なる液晶配向領域の境界にディスクリネーションが現れ、残像等の原因となる。また、液晶の各々の配向領域は異なる視角特性を有するため、斜め方向から液晶装置をみたときに、ざらざらとしたしみ状のむらとして見えるという問題が生じる場合もある。更に、マルチギャップの段差部(傾斜部)における電気的な接続において十分な信頼性の確保がなされておらず、断線が生じる恐れもある。また、マルチギャップの段差部(傾斜部)において適切な電極幅や長さが考慮されて設けられていないので、上述する電気的な接続信頼性の課題に加えて、段差部(傾斜部)に本来表示領域に配置されるべき電極(本来反射表示領域や透過表示領域の液晶を駆動するための電極)が割り当てられて配置されてしまい、反射表示領域と透過表示領域の両方に液晶を駆動する電極の大きさ(面積)が各々十分に確保されなくなり、開口率が下がるという課題を有する。また、段差部(傾斜部)では、その傾斜面に沿って液晶分子が配向されるため、この境界段差領域に電極が設けられていても、電圧印加時に斜め電界が生じ、液晶分子の配向を乱すおそれがあり、十分に液晶の配向を制御することができず、表示領域として良好な表示を得ることは困難とされている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、半透過反射型液晶表示装置において、透過表示及び反射表示の双方について残像やしみ状のむら等の表示不良発生を抑え、さらには明るく広視野角の表示を実現可能な液晶表示装置を提供することを目的とするとともに、マルチギャップの段差部(傾斜部)における電気的な接続信頼性を十分に確保するものである。
上記課題を解決するために、本発明の液晶表示装置は、対向する一対の基板間に液晶層が挟持され、前記一対の基板のうち一方の基板には、信号線と、該信号線に接続されたスイッチング素子と、該スイッチング素子に接続されるとともに対向面側に形成された電極と、が備えられ、前記一対の基板のうち他方の基板には、対向面側に電極が備えられており、対向面側にそれぞれ形成された前記電極同士の重なり部から構成されるドット領域を複数有するとともに、1つの前記ドット領域内に、透過表示を行う透過表示領域と、反射表示を行う反射表示領域とが設けられ、前記反射表示領域の前記液晶層の層厚が前記透過表示領域の前記液晶層の層厚よりも小さく設定された液晶表示装置であって、前記一対の基板の少なくとも一方に形成された前記電極は、1つの前記ドット領域内において、複数の島状部と、隣接する前記島状部を互いに電気的に接続する複数の連結部とを有しており、当該1つの前記ドット領域内において、前記複数の島状部は、前記透過表示領域と反射表示領域とに各々整数個ずつ配置され、前記複数の連結部は、少なくとも隣接する前記透過表示領域と反射表示領域との間に生じる段差部又は傾斜部に配置された連結部を有しており、該段差部又は傾斜部に配置された連結部は、当該1つの前記ドット領域内の他の連結部の幅より幅が広く形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明では、前記島状部は、前記ドット領域内において、所定の一方向と該所定の一方向に交差する方向のそれぞれに複数個配置されていることを特徴とする。
すなわち、本発明の液晶表示装置は、マルチギャップ構造を備えた半透過反射型、垂直配向モード液晶表示装置であって、ドット領域内の電極が、複数の島状部と、該複数の島状部を電気的に連結する連結部とを有するものである。
このようにドット領域内の電極が複数の島状部を有する構成とすることで、例えば、液晶層に負の誘電率異方性の液晶を用いた場合は、電圧印加時に島状部の辺端で生じる斜め電界により、垂直配向液晶の傾倒方向が島状部中央側へ規制されるようになり、その結果、各島状部の平面領域内で放射状の配向状態を有する液晶ドメインが形成される。このように平面放射状の配向状態を有する液晶ドメインがドット領域内に複数形成されることで、各液晶ドメインによりあらゆる方向で均一な視角特性が得られ、かつ前記液晶ドメインの境界は、隣接する島状部の境界領域に固定されるため、パネル斜視時にしみ状のムラを生じることもなく、良好な表示を得ることができる。
このような構成において、マルチギャップ構造の反射表示領域と透過表示領域の境界部分には、両領域の液晶層の厚みを異ならせていることから段差部又は傾斜部が存在している。そして、反射表示領域と透過表示領域の両方を液晶駆動するためそれぞれ電極が形成されるのであるが、この段差部又は傾斜部において上記連結部が配置される場合は、島状部を電気的に接続する連結部の幅を他の場所に配置された連結部の太さより太く形成しているので電気的な接続が強化されるので断線、接続不良等に起因した表示不良を防止することができる。
また、一つのドット領域内において、サブピクセルとして上記島状部が所定の一方向と該所定の一方向に交差する方向(例えば、縦方向と横方向)のそれぞれに複数個配置されている場合においては、前記各領域に配置された島状部の形成領域内で、液晶層厚が均一であり、反射表示と透過表示の双方で、液晶の配向状態が適切に制御された高品質の表示を得ることができるようになっており、マルチギャップ構造の段差部又は傾斜部においては適切な連結部の太さが設定されるので、各サブピクセル(島状部)間の接続抵抗を下げることができる。
このように、本発明の液晶表示装置によれば、反射表示、透過表示の双方で広視野角、かつ高コントラストの表示が得られ、かつパネル斜視時にもしみ状のムラ等が生じない高品質の表示を得ることができる。
また、上記構成において、前記島状部は、前記反射表示領域及び透過表示領域のそれぞれの領域内で、平面視略同一形状に形成されている構成とすることができる。この構成によれば、反射表示領域、及び透過表示領域の双方で、ドット領域内に形成される液晶ドメインの形状、及び大きさを揃えることができるので、反射表示と透過表示の視角特性を均一化することができ、表示モードの切替によらず均一な視角特性の表示を得ることができる。
また、前記液晶層は、誘電率異方性が負の液晶であり初期配向状態が垂直配向を呈するものとした場合には、前記島状部の平面領域内に、電界印加時の液晶の配向状態を制御する配向制御手段が設けられていることが好ましい。この構成によれば、島状部の辺端にて生じる斜め電界による配向規制作用とともに、上記配向制御手段による配向規制作用によって、さらに良好に島状部の平面領域内(すなわち表示領域内)の液晶の配向状態を制御することが可能になり、島状部の平面積を比較的大きくした場合にも、配向の乱れが生じ難く、良好な表示を得ることができる。
また、前記配向制御手段は、前記島状部の平面領域の略中央部に設けられていることが好ましい。この構成によれば、上記島状部の形成領域に形成される液晶ドメインにおいて、島状部の中心に対して対称な放射状に液晶を配向させることが可能になり、液晶表示装置の視角特性をパネル正面(基板法線方向)に対して対称なものとすることができる。
本発明の液晶表示装置では、前記配向制御手段は、前記島状部と液晶層を介して対向する電極に設けられた開口部、又は該電極上に設けられた絶縁材料からなる突起部である構成とすることができる。本発明に係る液晶表示装置では、上記配向制御手段として、これらの開口部や突起部を用いることができ、いずれの構成を適用した場合にも、電圧印加時の垂直配向液晶の傾倒方向を良好に制御することが可能である。
本発明の液晶表示装置では、前記島状部は、平面視において概略円形状、又は概略正多角形状であることが好ましい。本発明において、上記島状部は、その辺端にて生じる斜め電界により同平面領域内に放射状の液晶配向を得るために設けられる。そこで、上記各形状を適用すれば、容易に上記放射状の配向状態を有する液晶ドメインが形成できる。視角特性の均一化の点では、島状部は、その面中心に対して回転対称性を有する形状であることが好ましく、円形、ないし正多角形状の平面形状とすることが好ましい。
また、本発明の液晶表示装置では、前記複数の島状部は、反射膜からなる島状部と透明電極からなる島状部によって構成されていることを特徴とする。
また、本発明の液晶表示装置では、前記ドット領域内には、前記反射表示領域を含んで部分的に且つ島状に反射膜が設けられていることを特徴とする。
本発明の液晶表示装置では、前記ドット領域内に、前記反射表示領域を含んで部分的に設けられた反射膜を備え、前記反射膜は、前記透過表示領域を除く前記ドット領域内を覆って形成されている構成とすることができる。このような構成とすることで、反射表示領域以外の領域に設けられた反射膜を遮光膜として機能させることができ、透過表示領域の外側における光漏れを効果的に遮断し、透過表示のコントラストを向上させることができる。
本発明の液晶表示装置では、前記反射膜は、前記透過表示領域に配置された島状部の平面領域を除くドット領域に設けられていることが好ましい。前記島状部を連結している連結部の領域についても、前記反射膜により遮光する構成とすることができ、特に、前記境界段差領域と重なって配置された連結部の領域に前記反射膜を設けておくことで、液晶の配向乱れが生じ易い境界段差領域における漏れ光を遮断し、コントラストの向上を図ることができる。
また、本発明の液晶表示装置では、前記ドット領域内には、前記反射表示領域を含んで部分的に且つ島状に反射膜が設けられていることを特徴とする。
本発明の液晶表示装置において、前記反射表示領域に配置された島状部は、前記透過表示領域に配置された島状部より大きい平面積を有している構成とすることができる。先に記載のように、マルチギャップ構造を有する本発明の液晶表示装置では、反射表示領域における島状部辺端による配向規制作用が、透過表示領域における配向規制作用より大きくなる。従って、反射表示領域の島状部を、透過表示領域の島状部より大きく形成したとしても、同等の配向規制作用を得ることができる。これにより、使用目的に応じて反射表示と、透過表示と輝度バランスを調整する場合に、上記両領域の島状部の平面積による調整が可能になる。
本発明の液晶表示装置では、前記ドット領域の電極に電気信号を供給する信号配線が、前記ドット領域の辺端部(隣接して配置されるドット領域間)に延在しており、前記透過表示領域に配置された島状部は、前記反射表示領域に配置された島状部に比して、前記信号配線から平面的に離間されている構成とすることもできる。
上記信号配線の近傍では、その電位により不要な斜め電界が生じ、液晶の配向に乱れを生じる場合がある。そのため、信号配線と上記島状部とはある程度離して配置しておくことが好ましいが、両者の距離を大きくするとドット領域の開口率が低下するという問題がある。そこで、本構成では、反射表示領域よりも島状部辺端における配向規制力が弱く、上記信号配線による電界の影響を受けやすい透過表示領域において、島状部と信号配線とをより大きく離して配置することとした。これにより、反射表示領域と透過表示領域の双方で、信号配線と島状部との距離を最適化することができ、上記信号配線の近傍で生じる斜め電界による配向の乱れに起因する表示品質の低下を抑制しつつ、反射表示領域、透過表示領域の双方で最適な開口率を得ることができる。
本発明の液晶表示装置では、前記島状部及び連結部を有する電極と電気的に接続されたスイッチング素子を備え、前記反射膜は、前記スイッチング素子の形成領域まで延設されている構成とすることができる。この構成によれば、スイッチング素子の電界により素子近傍で液晶配向に乱れが生じたとしても、前記反射膜が遮光手段として機能し、光漏れを防止することができる。これにより、高コントラストの表示を得ることができる。
次に、本発明の電子機器は、先に記載の本発明の液晶表示装置を備えたことを特徴とする。係る構成によれば、透過モード及び反射モードの双方による表示が可能であって、各表示モードともに広視野角、かつ高コントラストの表示が得られる表示部を備えた電子機器が提供される。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。尚、以下で参照する各図において、積層膜や部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎の縮尺は適宜異ならせて表示している。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である液晶表示装置の回路構成図、図2は、同、1画素領域を示す平面構成図、図3は、同、画素領域を拡大して示す平面構成図(a図)、及び断面構成図(b図)である。これらの図に示す液晶表示装置は、スイッチング素子としてTFD(Thin film diode)素子(二端子型非線形素子)を用いたアクティブマトリクス方式のカラー液晶表示装置である。また、本実施形態に係る液晶表示装置は、初期配向が垂直配向を呈する誘電異方性が負の液晶からなる液晶層を備えている。
本実施形態の液晶表示装置は、図1に示すように、走査信号駆動回路110及びデータ信号駆動回路120を含んでいる。液晶表示装置100には、信号線、すなわち複数の走査線13と、これらの走査線13と交差する複数のデータ線9とが設けられ、走査線13は走査信号駆動回路110により、データ線9はデータ信号駆動回路120により駆動される。そして、各画素領域150において、走査線13とデータ線9との間にTFD素子40と液晶表示要素160(液晶層)とが直列に接続されている。なお、図1では、TFD素子40が走査線13側に接続され、液晶表示要素160がデータ線9側に接続されているが、これとは逆にTFD素子40をデータ線9側に、液晶表示要素160を走査線13側に設ける構成としても良い。
次に、図2に基づいて、本実施の形態の液晶表示装置に具備された電極の平面構造について説明する。図2に示すように、本実施の形態の液晶表示装置では、走査線13にTFD素子40を介して接続された画素電極31がマトリクス状に配列されており、これらの画素電極31と紙面垂直方向に対向して共通電極9が平面視短冊状(ストライプ状)に配列されている。共通電極9は図1に示すデータ線を成し、走査線13と交差する形のストライプ形状を有している。本実施の形態において、各画素電極31が形成された個々の領域が1つのドット領域を成しており、マトリクス状に配置された各ドット領域毎に表示が可能な構造になっている。
ここでTFD素子40は走査線13と画素電極31とを電気的に接続するスイッチング素子である。TFD素子40は、例えば、Taを主成分とする第1導電膜と、第1導電膜の表面に形成され、Taを主成分とする絶縁膜と、絶縁膜の表面に形成され、Crを主成分とする第2導電膜とを含むMIM構造を具備して構成されている。そして、TFD素子40の第1導電膜は走査線13に接続され、第2導電膜は画素電極31に接続される。ここで画素電極31とスイッチング素子であるTFD素子40は絶縁膜26を開口したコンタクトホール60を介して電気的に接続されている。
次に、図3に基づき本実施形態の液晶表示装置100の画素構成について説明する。図3(a)は、液晶表示装置100の1画素領域を示す平面構成図、図3(b)は、図3(a)のA−A’線に沿う断面構成図である。本実施形態の液晶表示装置100は、図2に示したようにデータ線9及び走査線13等にて囲まれた領域の内側に画素電極31を備えてなるドット領域を有している。このドット領域には、図3(a)に示すように1つのドット領域に対応して3原色のうち1色のカラーフィルタが形成され、3つのドット領域(D1,D2,D3)で、3色のカラーフィルタ22R,22G,22Bを含む画素を形成している。
画素電極31は、図3(a)に示す如く3つの島状部31a〜31cと、隣接配置された島状部間を電気的に接続する連結部31d、31eとを有して構成されている。より詳細には、平面視正八角形状を成す島状部31a〜31cが、ドット領域の辺端に沿って延びる走査線13の延在方向に配列されており、島状部31a、31b間、及び島状部31b、31c間に、それぞれ走査線13と略平行に延びる前記連結部31d、31eが設けられている。そして、島状部31aとTFD素子40とが電気的に接続されている。
島状部31aは、各ドット領域内に部分的に設けられた反射膜20の形成領域内に配置されており、残る島状部31b、31cは、反射膜20の非形成領域に配置されている。反射膜20の形成領域内に配置された島状部31a(及び連結部31dの一部)の平面領域が、本液晶表示装置100における反射表示領域Rとされ、島状部31b、31c、連結部31dの一部、及び連結部31eの平面領域が、透過表示領域Tとされている。そして、島状部31aと島状部31bを接続する連結部31dの幅Wの太さは、島状部31cと島状部31bを接続する連結部31eの幅Wの太さより太く形成されている。
一方、図3(b)に示すように、本実施の形態の液晶表示装置100は、上基板(素子基板)25とこれに対向配置された下基板(対向基板)10との間に初期配向状態が垂直配向をとる液晶、すなわち誘電異方性が負の液晶材料からなる液晶層50が挟持されている。下基板10の外側には、透過表示用の光源であるバックライト(照明装置)15が設けられている。
このように本実施の形態の液晶表示装置は、垂直配向型の液晶層50を備える垂直配向型液晶表示装置であって、反射表示及び透過表示を可能にした半透過反射型の液晶表示装置である。
下基板10は、石英、ガラス等の透光性材料からなる基板本体10Aの表面にアルミニウム、銀等の反射率の高い金属膜からなる反射膜20が絶縁膜24を介して部分的に形成されている。この反射膜20の形成領域に反射表示領域Rが設けられている。
基板本体10A上に形成された絶縁膜24は、その表面に凹凸形状を備えており、係る凹凸形状に倣って反射膜20の表面は凹凸部を有する。このような凹凸により反射光が散乱されるため、外部からの映り込みが防止され、良好な視認性を得ることができる。
ドット領域内の反射膜20上、及び基板本体10A上には、反射表示領域R、及び透過表示領域Tに跨って赤色のカラーフィルタ22Rが設けられている。平面的には、図3(a)に示すように、3色のカラーフィルタ22R(赤),22G(緑),22B(青)が配列されており、隣接するカラーフィルタの境界領域と平面的に重なって走査線13が延在している。
上基板25A上には、反射表示領域Rの平面的な位置(領域)に対応して絶縁膜26が選択的に形成されている。このようにドット領域内に部分的に形成された絶縁膜26により、液晶層50の層厚が反射表示領域Rと、透過表示領域Tとで異ならされている。つまり、図3(a)に示された絶縁膜26の形成領域は、反射表示領域Rを含む領域に形成されており、透過表示領域の液晶層50の層厚よりも薄くなるように形成されている。絶縁膜26は、例えば膜厚が0.5〜2.5μm程度のアクリル樹脂等の有機材料膜からなり、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界付近において、自身の膜厚が連続的に変化する傾斜面からなる境界段差領域N(段差部又は傾斜部)を構成している。透過表示領域Tにおける液晶層50の層厚は、2〜7μm程度であり、反射表示領域Rにおける液晶層厚は、透過表示領域Tにおける液晶層厚の半分程度である。図3(b)の構成では、絶縁膜26は透過表示領域Tには形成されていないが、反射表示領域Rと透過表示領域Tのそれぞれの液晶層50の層厚を異ならせるものであれば、反射表示領域Rに対応した膜厚よりも薄い膜厚の絶縁層を透過表示領域Tに形成しても構わないものである。また、図3(a)に示すように絶縁膜26は反射表示領域Rのみならず信号線(走査線31)の上に該信号線(走査線31)に沿って形成されている。これは、信号線(走査線31)から生じる電界の影響、即ち、垂直配向を呈する液晶層50の配向制御に悪影響を及ぼす信号線(走査線31)からの電界を遮蔽する作用も有する。
このように絶縁膜26は、自身の膜厚によって反射表示領域Rと透過表示領域Tとの液晶層50の層厚を異ならせる液晶層厚調整層として機能するものである。また、本実施形態の場合、絶縁膜26の上部の平坦面に画素電極31を構成する島状部31aの縁とが略一致するように配置しており、絶縁膜26により形成される境界段差領域Nは、島状部31a、31b間の連結部31dと平面視で重なる位置に配置されている。そして、境界段差領域N(段差部又は傾斜部)に配置される島状部31aと島状部31bを接続した連結部31dの長さLは、透過表示領域Tにおいて島状部31cと島状部31bを接続する連結部31eの長さLより長く形成されている。
また、下基板10においては、上記のカラーフィルタ22Rの上に平坦化膜が形成され、更にITO等の透明導電材料からなる共通電極9が形成されている。共通電極9は、紙面垂直方向に延びる平面視ストライプ状に形成されており、この紙面垂直方向に並設されている複数のドット領域の共通の電極として機能する。また、共通電極9には、各ドット領域に対応して、その一部を切り欠いて形状の開口部9a〜9cが形成されている。開口部9a〜9cは、図3(a)に示すように、画素電極31の島状部31a〜31cにそれぞれ対応して設けられており、島状部31a〜31cそれぞれの平面領域のほぼ中央部に配置されている。
尚、図示は省略したが、共通電極9を覆って、ポリイミド等からなる垂直配向膜が形成されている。この垂直配向膜は、液晶分子を膜面に対して垂直に配向させる配向膜であり、本実施形態では、ラビング等の配向処理を施していないものを用いることが好ましい。
また、上基板25側においては、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体25Aの液晶層50側に、ITO等の透明導電材料からなり、図3(a)に示す平面形状を有する画素電極31が形成され、この画素電極31に対応して設けられたTFD素子40と、走査線13とが設けられている。また、図示は省略したが、画素電極31を覆ってポリイミド等からなる垂直配向膜が設けられている。
下基板10の外面側には、基板本体10A側から位相差板18と偏光板19とを積層した円偏光板が設けられており、上基板25の外面側には、基板本体25A側から位相差板16と偏光板17とを積層した円偏光板が設けられている。すなわち、本実施の形態の液晶表示装置100では、液晶層50に対して円偏光を入射させて表示を行うようになっている。このような構成とすることで、液晶層50に直線偏光を入射させる場合のように電圧印加時の液晶分子の配向方向に依存してドット領域内の透過率が不均一になることがなくなり、ドット領域の開口率を実質的に向上させ、もって液晶表示装置の表示輝度を向上させることができる。
上記円偏光板の構成としては、偏光板とλ/4位相差板を組み合わせた円偏光板、偏光板とλ/2位相差板とλ/4位相差板とを組み合わせた広帯域円偏光板、あるいは、偏光板とλ/2位相差板とλ/4位相差板と負のCプレート(膜厚方向に負の一軸性を有する光学補償板)と組み合わせ、視角補償機能を備えた円偏光板を採用することができる。尚、「Cプレート」とは、膜厚方向に光軸を有する位相差板である。
上記構成を備えた本実施形態の液晶表示装置では、画素電極31が正八角形状の島状部31a〜31cを、連結部31d、31eにより電気的に連結した構成とされ、かつ島状部31a〜31cのそれぞれに対応して共通電極9に開口部9a〜9cが設けられた構成となっていることで、電界印加時の液晶分子の傾倒方向が適切に制御され、視角特性に優れる表示を行うことができる。この配向制御作用について以下に説明する。
まず、共通電極9と画素電極31との間に電界が印加されていない状態(電圧無印加時)では、液晶層50の液晶分子は基板面に対して垂直に配向されている。そして、電極9,31に電圧を印加すると、島状部31aの平面領域内に配置された液晶分子は、島状部31aの辺端部に生じる斜め電界により、係る辺端と面方向で垂直な方向(島状部31aの面中心方向)に倒れ、その周囲の液晶分子は島状部31a辺端部における配向状態と整合するべく同方向に倒れる。その結果、島状部31aの平面領域に配置された液晶分子は、電界印加時に、正八角形状の島状部31aの中心に向いて配向される。
また、本実施形態の場合、島状部31aの平面領域のほぼ中心に位置して平面円形状の開口部9aが設けられているので、共通電極9側においても、上記島状部31aの辺端部と同様の配向制御作用が生じ、開口部9aを中心として平面視放射状に液晶分子が配向される。
このようにして、本実施形態の液晶表示装置100では、電圧印加時に、島状部31aの周端部及び開口部9aの周端部において生じる斜め電界により、島状部31aの平面領域で平面視放射状に液晶分子が配向された液晶ドメインが形成される。また、島状部31b、31cの平面領域においても、島状部31aと同様の配向制御作用により、平面視放射状の液晶ドメインが生じる。
以上の作用により、本実施形態の液晶表示装置100では、電圧印加時にドット領域D1〜D3に、平面視放射状の配向状態を有する液晶ドメインが配列された構造となり、個々の液晶ドメインにより全方位に対して均一な視角特性が得られるとともに、上記液晶ドメインの中心部に生じるディスクリネーションが島状部31a〜31cの位置に固定されていることで、パネルを斜視した際のざらざらとしたしみ状のムラを生じることもない。従って、本実施形態の液晶表示装置100では、極めて広い視角範囲で高品質の表示を得ることができる。
また、上述したように、島状部31a〜31cの辺端部と、島状部31a〜31cに対応して設けられた共通電極9の開口部9a〜9cとにより、各島状部の形成領域における液晶の配向状態を制御するようになっているので、ドット領域内に形成する島状部31a〜31cの平面積を大きくした場合にも、良好に液晶の配向状態を制御することができるようになっている。具体的には、本実施形態の構成によれば、40〜50μmφ程度の比較的大きい島状部31a〜31cを形成したとしても、配向を安定させることができる。
本実施の形態では、島状部31a〜31cの平面形状を、正八角形状としているが、島状部31a〜31cの平面形状は、係る形状に限定されず、例えば円形や楕円形、多角形状等のいずれも適用が可能である。すなわち、島状部31a〜31cは、その平面領域内で、電圧印加時に略放射状の配向状態をとる液晶ドメインを形成し得る形状であれば問題なく適用することができる。
前記島状部31a〜31cに対して、連結部31d、31eは可能な限り細く形成することが好ましい。島状部31a〜31cは、それらの辺端部に生じる斜め電界により液晶分子の傾倒方向を制御する機能を有するので、係る配向規制力を安定に得るためには、連結部31d、31eを細くして島状部の面中心を包囲する辺端の割合を大きくすることが好ましい。また、係る構成により、液晶の応答速度を向上させる効果も得られる。
本実施形態の液晶表示装置100では、反射表示領域Rに設けられた絶縁膜26によって反射表示領域Rにおける液晶層50の層厚を透過表示領域Tにおける液晶層厚の半分程度とすることができるので、反射表示領域Rにおける液晶層のリタデーションと透過表示領域Tにおける液晶層のリタデーションとをほぼ等しくすることができる。これにより前記両領域における電気光学特性を揃えることができ、表示コントラストを向上させることができる。
さらに、上記マルチギャップ構造を採用することでドット領域内に生じる境界段差領域Nが、反射表示領域Rの島状部31aと、透過表示領域Tの島状部31bとの間の領域に延在している連結部に品質の低下を効果的に抑制できるようになっている。すなわち、境界段差領域Nに電極が形成されていると、液晶分子が基板面に対して傾斜配向されるために、電圧印加時に液晶分子に対して弱い配向規制力が作用する。この弱い配向規制力を無視して画素構造を設計すると、液晶配向に乱れが生じるおそれがある。先に紹介した非特許文献1のJisakiらは、この弱い配向規制力を積極的に利用して配向制御を行っていた。本実施形態の液晶表示装置においては、境界段差領域N上に配置される電極を極力除くようにして、この弱い配向規制力を取り除き、逆に島状部31a、31bの辺縁で生じる斜め電界による強い配向規制力が支配的になるようにすることで、反射表示領域Rと透過表示領域Tの双方で良好な表示を得ることができる。
また、上記実施の形態では、配向制御手段として、略円形状の開口部9a〜9cを共通電極9に設けた構成としたが、係る配向制御手段としては、共通電極9上に誘電体突起を形成した構成も適用できる。この場合にも、開口部9a〜9cとは作用は異なるものの、電界印加時の液晶分子の傾倒方向を制御する効果を得ることができる。あるいは、ドット領域内で、上記開口部と誘電体突起とを混在させてもよい。一般に平面積が同じならば開口部よりも誘電体突起の方が配向規制力が大きいので、例えば液晶層厚が薄い反射表示領域Rには開口部を設け、液晶層厚が厚い透過表示領域Tには誘電体突起を設ける構造が好ましい。さらには、開口部9a〜9cの内側に、誘電体突起を設けても良い。
このように、本実施形態の液晶表示装置は、上基板25側の画素電極31の形状と共通電極9に設けられた開口部9a〜9cとにより、垂直配向モードの液晶層における液晶分子の傾倒方向を適切に制御する構成を備えることともに、マルチギャップ構造により生じる境界段差領域Nによる表示品質の低下を効果的に防止できるようになっていることで、ざらざらとしたしみ状のムラ、焼き付き等の表示品質上の問題が生じず、広視野角、高コントラストの反射表示及び透過表示を得ることができるものとなっている。
また、図4(a)、及び(b)に示すような構成としてもよい。図4(a)は、上基板25における画素領域の平面構造を示す図であって、図4(b)は、下基板10における画素領域の平面構造を示す図である。
また、本実施形態では、境界段差領域Nに配置される連結部31dの平面領域、及び31eの平面領域にも反射膜20を設けている。連結部31dを反射膜20により遮光する構成なので、境界段差領域Nと重なる連結部31dにおける配向乱れに起因する表示不良部を遮光することができ、高コントラストの表示を得ることが可能になるとともに、反射膜20のパターニングの容易性の点でも有利である。
本発明に係る液晶表示装置は、垂直配向モードの液晶表示装置であるため、電圧無印加状態を黒表示とする(ノーマリブラック)場合には、液晶層を挟んで対向する電極が設けられていない領域で、液晶分子は電圧印加状態に依らず基板に対して垂直配向した状態を維持するので、本来ならば、遮光膜として機能する反射膜20は不要である。しかしながら、実際には、境界段差領域Nにおいて液晶分子が傾斜配向されたり、島状部31a〜31c辺端部での斜め電界や、電極が形成されていない領域での電荷の蓄積により液晶配向が乱れ、光漏れを生じる場合がある。そこで、本実施形態の如く、非表示領域に遮光膜として機能する反射膜20を設けておくことで、これらの光漏れを遮断し、高コントラストの透過表示を得ることができるようになる。
このように、本実施形態の液晶表示装置は、半透過反射型液晶表示装置において、透過表示及び反射表示の双方について残像やしみ状のむら等の表示不良発生を抑え、さらには明るく広視野角の表示を実現可能な液晶表示装置を提供することを目的とするとともに、マルチギャップの段差部(傾斜部)における電気的な接続信頼性を十分に確保するものである。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の液晶表示装置について、図面を参照しつつ説明する。図5(a)は、本実施形態の液晶表示装置について、拡大した画素領域の平面構造を示す図であって、図5(b)は断面構造図である。図5(a),(b)において、図3に示した符号と同一の符号が付されたものについては、同様の構成部材として説明を省略する。上記第1の実施形態においては、各ドット領域D1〜D3において、3つの島状部31a〜31cが直線的に配列された構成について説明したが、本実施形態の液晶表示装置は、画素電極31を構成する島状部の数を増やした構成となっている。本発明に係る液晶表示装置では、整数個の島状部によりそれぞれ反射表示領域と透過表示領域を構成し、液晶層厚の異なる領域の境界に形成される境界段差領域Nが、島状部の間に配置されるようにする。ドット領域内に3×3個(9個)の島状部を配列する構成では、3個の島状部を反射表示領域に割り振り、残る6個の島状部を透過表示領域に割り振っている。そして、上記反射表示領域に配置される島状部と、透過表示領域に配置される島状部との間の領域と、前記境界段差領域Nとが平面的に重なるように配置されている。また、反射膜20を画素電極31の一部として島状部31aと兼ねられている。そして、反射表示領域Rと透過表示領域Tのそれぞれにおける液晶層50の厚みを異ならせている絶縁膜26が下基板10上に形成されており、この絶縁膜26の上面に凹凸が付与されており、上記の反射膜20が形成されている。そして、スイッチング素子であるTFT素子(図示なし)と画素電極31(反射膜20である島状部31a)は絶縁膜26を開口したコンタクトホール60を介して電気的に接続されている。ここで、TFT素子と反射表示領域Rに配置された画素電極の島状部との電気的な接続は、反射表示領域Rに配置された複数の画素電極の島状部のうちいずれか一つの島状部と電気的に接続されていれば良いものである。TFT素子は走査線(ゲート線)13、及び画像信号が供給されるソース線(図示なし)に接続されている。
更に、上基板22の液晶層50側の表面には、カラーフィルタ22、共通電極9がこの順で形成されており、前記の下基板10に形成された画素電極31の島状部31a,31b,31cの対向する領域に誘電体材料からなる突起9d,9e,9fが点状に配置形成されている。これらの各突起9d,9e,9fは、平面視した状態で各島状部31a,31b,31cの略中心(中央)に配置されている。
画素電極31は、反射表示領域Rに配置される3つの島状部31a及び3つの連結部31dはアルミニウム或いは銀を主成分とした金属から形成され、透過表示領域Tに配置される6つの島状部31b,31cはITO等の透明導電材料から形成されている。ドット領域内において、これらの島状部は隣接する島状部と互いに連結部を介して縦横に電気的に接続されている。そこで、各島状部を電気的に接続する連結部のうち境界段差領域N(傾斜部又は段差部)に配置された連結部31dの幅Wは、他の連結部31eの幅Wより広く形成されている。また、更に、反射表示領域Rと透過表示領域Tの境界には段差部(又は傾斜部)が生じるので(傾斜部又は段差部)に配置された連結部31dの長さLは、他の連結部31eの長さLより長く形成されている。従って、連結部31dには傾斜部(又は段差部)に相当する長さが補われているので、反射表示領域Rに配置される島状部31aと、透過表示領域Tに配置される島状部であって反射表示領域側に隣接して配置される島状部31bとの電気的な接続が確保されることになる。
また、本発明の実施形態において、反射表示領域Rを成す島状部31aは、透過表示領域Tを成して配列された島状部31b、31cと異なる形状、或いは異なる平面領域(面積)を有して形成してもよい。また、島状部31a〜31cに対応して共通電極9側にそれぞれ設けられた突起部9d〜9fは、同一の平面形状の大きさ、及び高さで形成されている。
また、半透過反射型液晶表示装置では、実装される電子機器の用途等により要求される表示特性が異なることがある。このような場合に、反射表示領域Rの島状部33aを相対的に大きく或いは小さく形成することで、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの表示面積を調整し、反射表示と透過表示の表示特性の調整を行うがことができるようになっている。
反射表示領域Rでは、マルチギャップ構造により液晶層50の層厚が相対的に小さくなっているため、島状部31aの辺端部による配向規制力が、透過表示領域Tの島状部31b、31cに比して大きくなる。従って、島状部31aの平面領域を比較的大きくした場合にも、島状部辺端による配向規制作用により良好に液晶の配向状態を制御でき、また液晶分子の応答が透過表示領域Tに比して遅くなることもないため、ざらざらとしたしみ状のムラや、焼き付きの生じない、高画質の表示を得ることができる。
また、反射表示領域Rに配置する誘電体突起の大きさ及び/又は高さを、透過表示領域Tの誘電体突起の大きさ及び/又は高さに比して小さく形成することが好ましい。
以上、本発明の実施の形態について、本発明の技術範囲はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施の形態では、マルチギャップ構造を実現するための絶縁膜26を下基板10側に設けた構成としたが、上基板25の液晶層50側に絶縁膜26を設けた構成も適用でき、さらには、下基板10と上基板25との対向する位置にそれぞれ絶縁膜を設けて反射表示領域の液晶層厚を調整することもできる。
上記各実施形態の液晶表示装置において、液晶層50にはカイラル剤を添加した垂直配向液晶を用いることができる。この場合、電圧印加時に島状部31a〜31cの平面領域において、それぞれ突起部9d〜9fを中心とする平面視渦巻き状の放射状に液晶分子が配向された液晶ドメインが形成される。このように液晶分子が渦巻き状に配向された液晶ドメインを形成することで、液晶層50に対して直線偏光を入射させて表示を行う場合にも、ドット領域内で輝度の不均一が生じ難くなり、明るい表示を得ることができるようになる。
また、本実施形態では、反射表示領域Rに配置される反射膜20(島状部31a)と、透過表示領域Tに配置される島状部31bとの電気的な接続を境界段差領域N(傾斜部又は段差部)の端部で行っているが、反射表示領域Rに配置される反射膜20(島状部31a)の上にこれと略同形状の透明電極からなる島状部を積層させて電気的な接続を図っても良い。この場合は、第1の実施形態での画素電極と同様に、ドット領域内に形成される全ての島状部と連結部は一体的にパターン形成されることになる。
このように、本実施形態の液晶表示装置は、半透過反射型液晶表示装置において、透過表示及び反射表示の双方について残像やしみ状のむら等の表示不良発生を抑え、さらには明るく広視野角の表示を実現可能な液晶表示装置を提供することを目的とするとともに、マルチギャップの段差部(傾斜部)における電気的な接続信頼性を十分に確保するものである。
(電子機器)
図6は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。この図に示す携帯電話1300は、本発明の表示装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。
上記各実施の形態の表示装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、明るく、高コントラストであり、かつ広視野角の透過/反射表示が可能になっている。
図1は、第1実施形態の液晶表示装置の回路構成図。 図2は、同、電極構成を平面的に示す説明図。 図3は、同、画素領域を拡大して示す平面構成図(a図)、及び断面構成図(b図)。 図4は、上基板25における画素領域を拡大して示す平面構成図(a図)、及下基板における画素領域を拡大してしめす平面構成図(b図)。 図5は、第2実施形態の液晶表示装置の画素領域を示すものであり画素領域を拡大して示す平面構成図(a図)、及び断面構成図(b図)。 図6は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視構成図。
符号の説明
N…境界段差領域N(段差部又は傾斜部)、9…共通電極(データ線)、13…走査線(信号配線)、20…反射膜、24…絶縁膜(光散乱付与手段)、26…絶縁膜(液晶層厚調整層)、31…画素電極、50…液晶層、R…反射表示領域、T…透過表示領域、31a,31b,31c…島状部、31d,31e…連結部、9a,9b,9c…開口部、9d,9e,9f…突起部、22…カラーフィルタ、60…コンタクトホール。

Claims (10)

  1. 対向する一対の基板間に液晶層が挟持され、前記一対の基板のうち一方の基板には、信号線と、該信号線に接続されたスイッチング素子と、該スイッチング素子に接続されるとともに対向面側に形成された電極と、が備えられ、前記一対の基板のうち他方の基板には、対向面側に電極が備えられており、対向面側にそれぞれ形成された前記電極同士の重なり部から構成されるドット領域を複数有するとともに、1つの前記ドット領域内に、透過表示を行う透過表示領域と、反射表示を行う反射表示領域とが設けられ、前記反射表示領域の前記液晶層の層厚が前記透過表示領域の前記液晶層の層厚よりも小さく設定された液晶表示装置であって、
    前記一対の基板の少なくとも一方に形成された前記電極は、1つの前記ドット領域内において、複数の島状部と、隣接する前記島状部を互いに電気的に接続する複数の連結部とを有しており、
    当該1つの前記ドット領域内において、前記複数の島状部は、前記透過表示領域と反射表示領域とに各々整数個ずつ配置され、前記複数の連結部は、少なくとも隣接する前記透過表示領域と反射表示領域との間に生じる段差部又は傾斜部に配置された連結部を有しており、
    該段差部又は傾斜部に配置された連結部は、当該1つの前記ドット領域内の他の連結部の幅より幅が広く形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記島状部は、前記ドット領域内において、所定の一方向と該所定の一方向に交差する方向のそれぞれに複数個配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記複数の島状部は、反射膜からなる島状部と透明電極からなる島状部によって構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記ドット領域内には、前記反射表示領域を含んで部分的に且つ島状に反射膜が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶表示装置。
  5. 前記ドット領域内には、前記反射表示領域を含んで反射膜が設けられ、該反射膜は前記透過表示領域に配置された島状部の平面領域を除くドット領域内を覆って形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶表示装置。
  6. 前記液晶層は、誘電率異方性が負の液晶であり初期配向状態が垂直配向を呈するものであり、前記島状部の平面領域内に、電界印加時の液晶の配向状態を制御する配向制御手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  7. 前記配向制御手段は、前記島状部の平面領域の略中央部に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
  8. 前記配向制御手段は、前記島状部と液晶層を介して対向する電極に設けられた開口部、又は該電極上に設けられた絶縁材料からなる突起部であることを特徴とする請求項6又は7に記載の液晶表示装置。
  9. 前記島状部は、平面視において概略円形状、又は概略正多角形状であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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