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JP4053221B2 - 生化学分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液、尿等の検体が点着された複数種類の乾式分析素子を用いて、検体中の所定の生化学物質の物質濃度、イオン活量等を求める生化学分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、検体の小滴を点着供給するだけでこの検体中に含まれている特定の化学成分または有形成分を呈色反応から定量分析することのできる比色タイプの乾式分析素子が実用化されている。また、このような乾式分析素子を用いて検体中の化学成分等の定量的な分析を行うには、検体を乾式分析素子に点着させた後、これをインキュベータ(恒温器)内で所定時間恒温保持(インキュベーション)して呈色反応(色素生成反応)させ、次いで検体中の所定の生化学物質と乾式分析素子に含まれる試薬との組み合わせによりあらかじめ選定された波長を含む測定用照射光をこの乾式分析素子に照射してその光学濃度を測定し、この光学濃度から、あらかじめ求めておいた光学濃度と所定の生化学物質の物質濃度との対応を表わす検量線を用いて検体中の所定の生化学物質の物質濃度を求めるように構成された生化学分析装置が用いられる。
【0003】
一方、検体に含まれる特定イオンのイオン活量を測定することができる電解質タイプの乾式分析素子も実用化されている。このようなイオン活量測定用の乾式分析素子としては、特定イオンのイオン活量に対応する電位を発生するイオン選択電極からなる少なくとも1対のイオン選択電極対と、このイオン選択電極対の両電極間を連絡するように配された多孔性ブリッジとを有するもので、特定イオンのイオン活量が既知である参照液およびイオン活量が未知である検体をイオン選択電極対の一方および他方の電極にそれぞれ点着供給し、多孔性ブリッジの作用により両液の界面を接触(液絡)させて電気的導通を成立させると両電極間には参照液と検体との間に存在するイオンのイオン活量の差に対応して電位差が生じるため、この電位差を測定すれば予め求めておいた検量線(原理はネルンストの式による)に基づいて検体中の特定イオンのイオン活量が求まるようになっている。
【0004】
このような乾式分析素子を用いてイオン活量を測定する生化学分析装置としては、参照液および検体の点着供給と、電位差の測定とを行う機能を備える必要がある。そして、参照液および検体の点着後、乾式分析素子を電位差測定部へ送り、そこで電位測定用プローブを電極対の両電極にそれぞれ接触させて、電極間の電位差を測定するような構成になっている。
【0005】
上記のような種類の異なる測定を別々の生化学分析装置で測定することの不便さを解消することから、1つの生化学分析装置に複数の測定手段を備えたものが提案されている。
【0006】
一例としては、特開平2−44034号に開示されている。この生化学分析装置では、それぞれ異なった乾式分析素子の入ったカートリッジから各乾式分析素子を取り出し、1つのインキュベータに挿入し、その後電解質タイプの乾式分析素子はインキュベータから取り出されて電位測定ユニットに送られて測定され、また、比色タイプの乾式分析素子はインキュベータに挿入された状態で測光ユニットにより測定される。
【0007】
また、他の例としては、特開平11−211730号に開示されている。この生化学分析装置では、1つのカートリッジに異なったタイプの乾式分析素子が収納され、1枚ずつ取り出された後に、1つのインキュベータに挿入され、比色タイプの乾式分析素子と同様に電解質タイプの乾式分析素子についてもインキュベータ内に設けられた電位差測定部で測定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の生化学分析装置では、電解質タイプの乾式分析素子がインキュべートされている間は、比色測定ができるインキュベータの部分が専有されるので、比色測定の処理能力が落ちる。また、電解質タイプの乾式分析素子のインキュベーション温度が比色タイプの乾式分析素子の温度と異なるときは混在使用できない。さらにインキュベータには電解質タイプの乾式分析素子を電位測定ユニットに取り出すための取出機構を内蔵することから、インキュベータの小型化が困難で装置が大型化、複雑化する問題を有する。
【0009】
一方、後者の生化学分析装置では、電解質タイプの乾式分析素子をインキュベータから取り出す必要がないのでインキュベータを小さくできる。また電位差測定部で電解質タイプの乾式分析素子のインキュベーションを行うので、異なる温度でも使用可能となる。しかし、電解質タイプの乾式分析素子の電位測定中はインキュベータの回転は中止するので、比色タイプの乾式分析素子の比色測定の処理能力が落ちる問題を有する。
【0010】
本発明は上記事情に鑑み、装置特にインキュベータを大型化することなくかつ異なるタイプの乾式分析素子の測定処理能力を落とさず、しかもインキュベーション温度が異なる種類の乾式分析素子の測定も効率よく行うことができる生化学分析装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による生化学分析装置は、測定方式が異なる第1の乾式分析素子と第2の乾式分析素子に検体を点着し、所定インキュベーション温度に保持しそれぞれの測定手段によって対応する測定項目の測定を行う生化学分析装置において、未使用の前記第1および第2の乾式分析素子を収容する素子待機部と、前記第1および第2の乾式分析素子に検体を点着する点着部と、検体が点着された第1の乾式分析素子を収納し所定インキュベーション温度に恒温保持する複数の素子室を円周上に有する第1のインキュベータと、該第1のインキュベータに付設された第1の測定手段と、検体が点着された第2の乾式分析素子を収納し所定インキュベーション温度に恒温保持する第2のインキュベータと、該第2のインキュベータに付設された第2の測定手段とが配設され、前記素子待機部から前記点着部を経て第1のインキュベータへの直線搬送路の途中に分岐部が設置され、点着後の第1の乾式分析素子および第2の乾式分析素子をその種類に応じた搬送経路を通ってそれぞれ第1のインキュベータおよび第2のインキュベータに搬送する搬送手段を備え、前記搬送手段は、点着後の第1の乾式分析素子および第2の乾式分析素子を前記分岐部に搬送すると共に該分岐部から第1の乾式分析素子を第1のインキュベータに搬送する第1の搬送部材と、前記分岐部から第2の乾式分析素子を第2のインキュベータに搬送する第2の搬送部材とを備え、前記分岐部には、第1のインキュベータへの搬送方向と平行に設けられ搬送面に出没して第1の乾式分析素子を第1のインキュベータへの搬送方向に案内する第1のガイドと、第2のインキュベータへの搬送方向と平行に設けられ搬送面に出没して第2の乾式分析素子を第2のインキュベータへの搬送方向に案内する第2のガイドを備え、該分岐部に搬送される乾式分析素子の種類に応じて前記第1のガイドまたは第2のガイドが選択的に突出作動されることを特徴とするものである。
【0014】
測定後の第1の乾式分析素子および第2の乾式分析素子は、それぞれ第1のインキュベータおよび第2のインキュベータへの搬入方向の延長上に搬送して廃棄するのが望ましい。
【0015】
前記第1の乾式分析素子および第2の乾式分析素子にはその種類が記録されたバーコードが付設され、検体の点着前に該バーコードが読み取られ、その種類に応じた点着、搬送、恒温保持、測定を行うのが好ましい。
【0016】
具体的には、前記第1の乾式分析素子が、呈色反応により検体に含まれる所定の生化学物質の物質濃度を測定するための比色タイプの乾式分析素子であり、第2の乾式分析素子が検体のイオン活量を測定するための電解質タイプの乾式分析素子であり、第1の測定手段が検体に含まれる所定の生化学物質と試薬との呈色反応による光学濃度変化を測定する呈色反応測定部であり、第2の測定手段がイオン活量に対応する検体と参照液の電位差を測定するプローブを備えた電位差測定部であり、前記第1のインキュベータは複数の素子室を有し順に第1の測定手段で測定を行い、第2のインキュベータは1つの素子室を有し第2の測定手段で測定を行うものが好ましい。
【0017】
【発明の効果】
本発明の生化学分析装置によれば、測定方式の異なる第1の乾式分析素子と第2の乾式分析素子とに対し別々の第1のインキュベータおよび第2のインキュベータを備え、それぞれのインキュベータに配設された第1および第2の測定手段で別個に測定することにより、異なる方式の測定を同時に行うことが可能であると共に、それぞれ所定インキュベーション温度に保持可能であり、一方の測定処理が終了するまで待機するような必要がなく、処理能力を高めて効率よく測定することができる。
【0018】
また、点着後の第1および第2の乾式分析素子をその種類に応じた搬送経路を通ってそれぞれ第1および第2のインキュベータに搬送する搬送手段を備えたことにより、各インキュベータは小型化でき、一部の搬送手段の共用化で全体として小さな装置に組み込むことができるものである。
【0019】
また、搬送手段を、第1の搬送部材によって点着後の第1および第2の乾式分析素子を分岐部に搬送すると共に該分岐部から第1の乾式分析素子を第1のインキュベータに搬送し、第2の搬送部材によって分岐部から第2の乾式分析素子を第2のインキュベータに搬送するように設けると、レイアウトが簡素化でき装置の構成をさらに簡易なものとすることができる。
【0020】
搬送手段の分岐部に、第1および第2の乾式分析素子を第1および第2のインキュベータへの搬送方向にそれぞれ案内する第1のガイドおよび第2のガイドを設けると、各乾式分析素子の搬送方向の切替えが確実に行え、信頼性が高まる。
【0021】
測定後の第1および第2の乾式分析素子を、それぞれ第1および第2のインキュベータへの搬入方向の延長上に搬送して廃棄するようにすると、廃棄のための機構が不要で搬送機構の簡素化が図れる。
【0022】
また、乾式分析素子にバーコードを設け、このバーコードの読み取りを行うと、乾式分析素子の種類に応じた点着、搬送、恒温保持、測定制御が容易に行え、誤作動なく一連の動作が確保でき効率のよい測定が行える。
【0023】
特に、第1の乾式分析素子が物質濃度測定用の比色タイプの乾式分析素子で第2の乾式分析素子がイオン活量測定用の電解質タイプの乾式分析素子であり、第1の測定手段が呈色反応測定部で第2の測定手段が電位差測定部であり、第1のインキュベータは複数の素子室を有し、第2のインキュベータは1つの素子室を有するように設けると、実際の測定に対応して効率の良い測定と装置のコンパクト化の両方が実現できるものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一つの実施形態による生化学分析装置の概略平面構成を示す図である。
【0025】
生化学分析装置1は、未使用の第1の乾式分析素子2(比色タイプの乾式分析素子)および第2の乾式分析素子3(電解質タイプの乾式分析素子)を混在状態で順に収容する素子待機部4(素子収容部)と、これに続いて乾式分析素子2,3に血漿(全血、血清、尿なども可能であるが、本実施形態では血漿についてのみ説明する)の検体を点着する点着部5と、この点着部5に続いて第2の乾式分析素子3を分岐搬送する分岐部6と、分岐部6の延長位置に配置され第1の乾式分析素子2を収容して所定時間恒温保持する第1のインキュベータ7と、分岐部6の側方における隣接位置に配設され第2の乾式分析素子3を収容して所定時間恒温保持する第2のインキュベータ8と、第1のインキュベータ7に設置され第1の乾式分析素子2の測定を行う第1の測定手段11と、第2のインキュベータ8に設置され第2の乾式分析素子3の測定を行う第2の測定手段12とを備えている。
【0026】
また、第1の乾式分析素子2および第2の乾式分析素子3を素子待機部4からそれぞれ第1のインキュベータ7および第2のインキュベータ8に搬送する搬送手段13を備え、この搬送手段13は点着部5と第1のインキュベータ7との間に配置された前記分岐部6を有し、素子待機部4から第1のインキュベータ7に直線的に搬送可能な第1の搬送部材41と、分岐部6から第2のインキュベータ8に直交方向に搬送可能な第2の搬送部材42を備えている。
【0027】
そして、搬送手段13の第1の搬送部材41によって素子待機部4から順次第1および第2の乾式分析素子2,3を点着部5に搬送し、この点着部5で点着手段14(サンプラ)によって第1の乾式分析素子2には検体を、第2の乾式分析素子3には検体と参照液を点着した後、点着された第1の乾式分析素子2は第1の搬送部材41によって分岐部6を経て直線的に第1のインキュベータ7に、第2の乾式分析素子3は分岐部6から第2の搬送部材42によって搬送方向を90゜変更して第2のインキュベータ8にそれぞれ挿入する。
【0028】
第1のインキュベータ7で恒温保持した第1の乾式分析素子2の呈色度合(反射光学濃度)を第1の測定手段11で測定し、第2のインキュベータ8で恒温保持した第2の乾式分析素子3の電位差を第2の測定手段12で測定する。測定後の第1の乾式分析素子2は第1の搬送部材41によってさらに搬送して第1のインキュベータ7の中心部に落下廃棄し、第2の乾式分析素子3は第2の搬送部材42によってさらに搬送して第2のインキュベータ8の背部側に廃棄する。
【0029】
なお、点着手段14は、点着用ノズル101aまたは101bの先端に後述のノズルチップ21を装着してから該ノズルチップ21内にサンプル収容部16から検体(血漿)、参照液等を吸引して乾式分析素子2,3に所定量の点着を行うもので、ノズルチップ21による検体の吸引吐出を行うシリンジ手段15が付設され、使用後のノズルチップ21はチップ抜取り部20で外されて下方に落下廃却される。また、サンプル収容部16の近傍には、血液から血漿を分離する血液濾過ユニット17が設置されている。
【0030】
ここで、血漿の呈色度合を測定するために使用される比色タイプの第1の乾式分析素子2および血漿のイオン活性を測定するために使用される電解質タイプの第2の乾式分析素子3の構成を図11に示す。左側の第1の乾式分析素子2は矩形状のマウント内に試薬層が配設されてなり、マウントの表面に点着孔2aが形成されている。点着孔2aには後述するように検体が点着される。一方、右側の第2の乾式分析素子3は第1の乾式分析素子2と略同一形状をなし、2箇所の液供給孔3a,3bが形成されている。一方の液供給孔3aには検体が点着され、他方の液供給孔3bにはイオン活量が既知である参照液が点着される。また、第2の乾式分析素子3には、イオン活量を測定するために第2の測定手段12の電位測定用プローブと電気的に接続される3対のイオン選択電極3c,3d,3eが形成されている。各イオン選択電極対3c,3d,3eはそれぞれCl-,K+,Na+用のイオン選択層を有するものとする。また、第1および第2の乾式分析素子2,3の裏面には検査項目などを特定するための情報が記録されたバーコード(図示せず)が付設されている。
【0031】
生化学分析装置1の各部の構造を説明する。まず図2に素子待機部4、点着部5、分岐部6および搬送手段13の一部の断面正面構造を示す。搬送手段13は、第1のインキュベータ7の中心に向けて直線状に延びる搬送台30を備え、この搬送台30は平板状の基台31に設置されている。搬送台30には略中央部に素子待機部4が、それより第1のインキュベータ7側に点着部5と分岐部6とが配設されている。
【0032】
素子待機部4には素子ガイド32が設けられ、この素子ガイド32に未使用の第1および第2の乾式分析素子2,3が混在状態で通常複数枚重ねられて保持される。素子ガイド32は、搬送台30の搬送面と同一高さに最下端部の乾式分析素子2,3が位置し、最下端部の前面側には1枚の乾式分析素子2,3のみが通過し得る開口が形成され、後面側には第1の搬送部材41が挿通可能な開口が形成されている。なお、この素子ガイド32には、予め乾式分析素子2,3を複数枚重ねて収納したカートリッジをセットするようにしてもよい。
【0033】
点着部5には、3つの点着用開口33aが形成された素子押え33が設置され、この素子押え33が搬送台30の上方に固着されたカバー34内に収容されている。点着部5の前段部分には乾式分析素子2,3に設けられたバーコードを読み取るためのバーコードリーダー35が設置されている。このバーコードリーダー35は、検査項目などを特定し、後の点着、搬送、測定を制御するため、および乾式分析素子2,3の搬送方向(前後、表裏)を検出するために設けられている。
【0034】
分岐部6は、図3に素子押えを外した平面図および図4に断面正面図を示すように、前記搬送台30の素子停止部分の上方に素子押え36が配置される。また、素子停止部分の、前後左右には搬送面に出没して第1の乾式分析素子2を第1のインキュベータ7への搬送方向に案内する第1のガイド37と、搬送面に出没して第2の乾式分析素子3を第2のインキュベータ8への搬送方向に案内する第2のガイド38とを備える。
【0035】
第1のガイド37は第1のインキュベータ7への搬送方向と平行に両側に1対設けられ、第2のガイド38は第1のガイド37と直交して第2のインキュベータ8への搬送方向と平行に両側に1対設けられ、これらの第1および第2のガイド37,38は自重またはスプリングによって下方に付勢され、下端面がカム面37a,38aに設けられ、下方に配設されたローラー39との接触によって上昇作動される。ローラー39は、水平軸部40の両端部に第1および第2のガイド37,38のカム面37a,38aに当接可能に取り付けられ、水平軸部40が不図示の回動手段により90゜回動するように設けられている。この回動によりローラー39が下端面に当接した第1または第2のガイド37,38が選択的に上昇移動し、その上端部が搬送台30の搬送面より上方に突出するようになっている。図4の状態では、ローラー39が第1のガイド37を押し上げて突出し、第2のガイド38は下降した没入状態にある。
【0036】
また、搬送手段13は、乾式分析素子2,3の種類に応じて、第1の搬送部材41により点着後の第1の乾式分析素子2および第2の乾式分析素子3を分岐部6に搬送すると共に該分岐部6から第1の乾式分析素子2を第1のインキュベータ7に搬送する一方、第2の搬送部材42により前記分岐部6に停止した第2の乾式分析素子3を第2のインキュベータ8に搬送する。第1の搬送部材41は、搬送台30上に長手方向にスライド可能に載置されたプレートで構成され、その前進移動によって乾式分析素子2,3を搬送する。この第1の搬送部材41には、搬送台30の中央に縦方向に長く形成された溝30aを通して下方からスライダ43が固定され、素子待機部4より後方の位置における第1の搬送部材41の上にはガイド板44およびカバー45が配設されている。
【0037】
上記スライダ43は搬送台30に沿って配設されたガイドロッド46によって前後方向に摺動自在に支持されると共に、搬送台30の前後に配設されたプーリー47,47に巻き掛けられたベルト48の一部が固着されている。そして、後方のプーリー47は搬送モータ49によって回転駆動され、スライダ43の移動に伴って第1の搬送部材41が前後方向に移動操作され、その先端部によって乾式分析素子2,3の後端を押して搬送する。搬送モータ49の駆動によって素子ガイド32の下端の乾式分析素子2,3を点着部5に搬送し、検体が点着された乾式分析素子2,3を分岐部6に、さらに第1の乾式分析素子2については分岐部6から第1のインキュベータ7に挿入し、さらに測定後の乾式分析素子2を第1のインキュベータ7の中心部に廃棄搬送するように、この搬送モータ49の駆動制御が行われる。この第1の搬送部材41によって乾式分析素子2,3を点着部5から分岐部6へおよび分岐部6から第1のインキュベータ7に搬送する場合には、前記第1のガイド37が突出作動(第2のガイド38は没入作動)されて乾式分析素子2,3を案内する。
【0038】
一方、第2の搬送部材42(図1参照)は、分岐部6に対して第2のインキュベータ8と反対側に配設され、第1の搬送部材41の搬送方向とは直交する方向に移動可能であり、詳細は図示しないが、第1の搬送部材41と同様の駆動機構によって前進移動して分岐部6に停止した第2の乾式分析素子3の側辺を押して第2のインキュベータ8の方向に搬送して挿入し、さらに測定後の第2の乾式分析素子3を第2のインキュベータ8の背部に廃棄するように駆動制御が行われる。この第2の搬送部材42によって第2の乾式分析素子3を分岐部6から第2のインキュベータ8に搬送する場合には、前記第2のガイド38が突出作動(第1のガイド37は没入作動)して乾式分析素子3を案内する。なお、第2の搬送部材42は移動量が第1の搬送部材41より短いことで、他の駆動機構で移動するように設けてもよい。
【0039】
次に、比色測定を行う第1のインキュベータ7は、その断面正面構造を図5に示すように、円盤状の回転部材50が下部中心の回転筒51によってベアリング52を介して軸受部53に対して回転自在に支持され、この回転部材50の上に上位部材54が配設されている。上位部材54の底面は平坦であり、回転部材50の上面には円周上に所定間隔で複数(図1の場合6個)の凹部が形成されて両部材51,54間にスリット状空間による素子室55が形成され、この素子室55の底面の高さは分岐部6の搬送台30の搬送面の高さと同一に設けられている。また、回転筒51の内孔は測定後の乾式分析素子2の廃却孔56に形成され、この廃却孔56の径は乾式分析素子2が通過可能な寸法に設定され、また、回転部材50の中心部分には廃却孔56に連通する開口50aが形成されている。そして、素子室55の中心側部分は上記開口50aに連通し、素子室55の乾式分析素子2がそのまま中心側に移動されると廃却孔56に落下する。
【0040】
上位部材54には図示しない加熱手段が配設され、その温度調整によって素子室55内の第1の乾式分析素子2を37±0.2℃に恒温保持する一方、上位部材54には素子室55に対応して第1の乾式分析素子2のマウントを上から押えて検体の蒸発防止を行う押え部材57が配設されている。上位部材54の上面にはカバー58が配設される一方、この第1のインキュベータ7は上方および側方が上部カバー59によって覆われ、底部が下部カバー60で覆われて遮光が行われる。
【0041】
さらに、回転部材50の乾式分析素子2を収納する各素子室55の底面中央には測光用の開口55aが形成され、この開口55aを通して図1に示す位置に配設された第1の測定手段11の測光ヘッド61による乾式分析素子2の反射光学濃度の測定が行われる。なお、回転部材50の一部には、白黒色の濃度基準板62が設置されている。
【0042】
第1のインキュベータ7の回転駆動は、回転部材50を支持する回転筒51の外周部分に不図示のタイミングベルトが巻き掛けられ、このタイミングベルトが駆動モータの駆動プーリー(共に不図示)に対しても巻き掛けられ、駆動モータの正逆回転駆動によって回転部材50の往復回転駆動を行うように構成されている。そして、第1のインキュベータ7の回転操作は、所定回転位置の下方に配設された測光ヘッド61に対して、まず、白黒色の濃度基準板62の濃度を検出して校正を行った後に、順次素子室55に挿入されている第1の乾式分析素子2の呈色反応の光学濃度の測定を行い、この一連の測定の後、逆回転して基準位置に復帰し、次の測定を行うように、所定角度範囲内で往復回転駆動を行うように制御するものである。
【0043】
さらに、第1のインキュベータ7の下方には測定後の乾式分析素子2を回収する回収箱70が配設されている。この回収箱70は、回転筒51の中心の廃却孔56の下方に臨んで収容室71が形成され、また、収容室71の角部には、後述の点着手段14における検体毎に交換するノズルチップ21が落下される傾斜部72が形成されている。収容室71の底部には廃却孔56から落下してくる乾式分析素子2に接触してその落下方向を変更して分散させる突起73が立設されている。
【0044】
また、イオン活量を測定するための第2のインキュベータ8および第2の測定手段12は、その構成を図6の断面側面図に示す。第2のインキュベータ8は、分岐部6から分岐搬送された第2の乾式分析素子3の下面を保持する支持部材75が搬送台30と同じ高さに設けられ、この支持部材75の上に上位部材76が配設されている。支持部材75と上位部材76との間にスリット状空間による1つの素子室77が形成され、この素子室77の背部は開放形成され、第2の乾式分析素子3がそのまま背部に移動されると廃却落下される。この第2のインキュベータ8には、図示しない加熱手段が配設され、その温度調整によって素子室77内の第2の乾式分析素子3のイオン活量を測定する部分を30±1℃に恒温加熱する。さらに、支持部材75の素子室77の側辺部に、イオン活量測定のための3対の開口75aが形成され、後述の電位測定用プローブ78が第2の乾式分析素子3のイオン選択電極3c〜3eに接触可能に設けられる。
【0045】
第2の測定手段12は、3対の電位測定用プローブ78(1対のみ図示している)を上下方向に移動可能に備えている。この電位測定用プローブ78は、基部79に立設された固定部材80に昇降自在に案内される案内部材81に固定され、案内部材81には乾式分析素子3の底面中央を保持するための保持部材82が設けられている。上位部材76は乾式分析素子3との接触を少なくするため、また参照液および検体の盛り上がりと接触しないようにするために、対応部分が凹とされている。また、案内部材81は不図示のバネにより下方に付勢されている。案内部材81の側方には駆動モータ83が設けられており、駆動モータ83の回転軸にはカム部材84が取り付けられている。このカム部材84は案内部材81の側部に設けられた当接部85と対向するように設けられる。そして、駆動モータ83が回転するとカム部材84が図6の実線で示す位置から仮想線で示す位置に移動し、これによりカム部材84が当接部85に当接して案内部材81すなわちプローブ78および保持部材82が上方へ移動する。カム部材84が当接部85に当接していないときには、電位測定用プローブ78の先端は第2の乾式分析素子3とは非接触であるが、カム部材84が当接部85に当接すると、電位測定用プローブ78の先端は、支持部材75の表面から突出して乾式分析素子3のイオン選択電極対3c〜3eと電気的に接続する。
【0046】
そして、一方の液供給孔3aに検体が、他方の液供給孔3bに参照液が点着された第2の乾式分析素子3を素子室77に収納して、下方から3対の電位測定用プローブ78および保持部材82を上昇させ、第2の乾式分析素子3は保持部材82と上位部材76との間に保持される。この際、乾式分析素子3のイオン選択電極対3c〜3eの間にそれぞれ参照液と検体との間のCl-,K+,Na+の各イオン活量の差に対応する電位差が発生するため、電位測定用プローブ78により各イオン選択電極対3c〜3eから生ずる電位差を測定すれば血漿中の各イオン活量が測定できる。このようにして測定されたイオン活量は、液晶パネルなどの表示部において表示されたり、記録紙に記録されたりする。
【0047】
次に、サンプル収容部16は、その断面正面構造を図7に示すように、参照液用のノズルチップ21を保持する参照液用チップ保持部16a、電解質検体用のノズルチップ21を保持する電解質検体用チップ保持部16b、希釈液用のノズルチップ21を保持する希釈液用チップ保持部16d、および検体用のノズルチップ21を保持する検体用チップ保持部16gがそれぞれ配設されると共に、希釈液収容管22の保持部16c、参照液カップ23および混合カップ24の保持部16e、採血管25の保持部16fが形成されている。各保持部16a〜16gは、図1に示すように後述する点着手段14の点着アーム96の旋回に伴う点着用ノズル101a,101bの旋回軌跡上に位置するように設定されている。なお、サンプル収容部16は全体として消耗品であり、サンプル収容部16の全体が本実施形態による生化学分析装置1に対して交換可能とされている。
【0048】
次に、血漿濾過ユニット17は、図8に示すように、サンプル収容部16に収容された採血管25の内部に挿入され上端開口部に取り付けられたガラス繊維からなるフィルター27を有するホルダ26を介して血液から血漿を分離吸引し、ホルダ26上端のカップ部26aに濾過された血漿を保持するようになっている。負圧を作用させる吸引アーム87は、基端が支軸88により回転自在に支持され先端下方側にはホルダ26と吸着する吸盤部89が設けられ、この吸盤部89は不図示のポンプと接続される。吸引アーム87は支軸88に掛けられた不図示のタイミングベルトが駆動モータの正逆回転駆動されることで回動操作されると共に、不図示の昇降機構により昇降操作されるようになっている。
【0049】
そして、血液からの血漿の分離は、サンプル収容部16の採血管25にホルダ26をセットし、吸引アーム87を回転して吸盤部89をホルダ26と対向させ、さらに吸引アーム87を下降して密着させる。次いで、不図示のポンプを駆動して、採血管25内の全血を吸い上げフィルター27により濾過し通路26bを通してカップ部26aに血漿が供給される。その後、吸引アーム87を上昇して元の位置に移動して濾過を終了する。
【0050】
次に、点着手段14は、その断面正面構造を図9に示すように、固定ベース90に対して不図示のベアリングを介してフランジ部材91が回転自在に取り付けられている。フランジ部材91の外周側の両側にはそれぞれガイドロッド92が立設され、この両側のガイドロッド92の上端部分は連結部材93に固着されて、両ガイドロッド92が上下方向に平行に配設されている。また、連結部材93の回転中心部分には上下方向に送りネジ94が配設され、送りネジ94の上端は連結部材93に回転自在に支承され、下端部はフランジ部材91の中心部分に回転自在に支承され、さらに先端部分はフランジ部材91から突出してプーリー95が固着されている。さらに、両側のガイドロッド92によって昇降移動自在に点着アーム96の基端部が支持され、その支持部分の点着アーム96にはガイドロッド92が嵌挿されるスリーブ97が介装されている。また、送りネジ94は点着アーム96を貫通し、その貫通部分には送りネジ94に螺合するナット部材98が設けられ、送りネジ94の回転に応じて点着アーム96が昇降作動するように構成されている。
【0051】
そして、図10にも示すように、点着アーム96の先端部分には、上下方向に貫通して検体の吸引吐出を行う2つの点着用ノズル101a,101bが配設されている。この点着用ノズル101a,101bは軸部分が点着アーム96に摺動自在に嵌挿され、スプリング103a,103bによって下方に付勢されている。なお一方の点着用ノズル101aは検体用および電解質検体用であり、他方の点着用ノズル101bは希釈液用および参照液用のものである。また、点着用ノズル101a,101bの先端には上述したようなピペット状のノズルチップ21が着脱自在に装着されるものであって、未使用のノズルチップ21はサンプル収容部16にセットされており、これを点着アーム96の下降移動によって点着用ノズル101a,101bの先端に嵌合保持し、使用後は、チップ抜取り部20の係合溝にノズルチップ21の上端を係合した状態での点着アーム96の上動で嵌合を外し、チップ抜取り部20から下方に落下させて廃却するものである。
【0052】
点着アーム96の旋回動作は、フランジ部材91の外周部分にタイミングベルト99が係合され、このタイミングベルト99が旋回用モータの駆動プーリーに巻き掛けられ(不図示)、この旋回用モータの正逆回転の駆動制御によって所定位置に旋回移動される。また、点着アーム96の昇降移動すなわち送りネジ94の回転駆動は、下端部のプーリー95と昇降用モータの駆動プーリー(不図示)との間にタイミングベルト100が巻き掛けられ、この昇降用モータの正逆回転の駆動制御により所定高さに移動される。
【0053】
次に、ノズルチップ21内への検体の吸引と吐出を行う機構は、点着用ノズル101a,101bの中心部には先端部に開口するエア通路102a,102bが形成され、このエア通路102a,102bの上端部分にはエアパイプ110a,110bが接続される。このエアパイプ110a,110bの他端は、シリンジ手段15のシリンジ105の右端部分(図1参照)に接続される。シリンジ105は注射器状のエアポンプであり、シリンジ105の操作によって吸引吐出を行うように構成されている。なお、点着用ノズル101a,101bの吸引流路の切換は、シリンジ手段15に設けられた不図示の電磁弁を切り換えることにより行う。
【0054】
次いで、本実施形態の動作について説明する。まず、図1に示すように、分析を行う前に、素子待機部4に乾式分析素子2,3をセットするとともに、消耗品であるサンプル収容部16をセットし、その後分析処理をスタートする。この際、サンプル収容部16の参照液用チップ保持部16a、電解質検体用チップ保持部16b、希釈液収容管保持部16c、希釈液用チップ保持部16d、採血管保持部16fおよび検体用チップ保持部16gには、それぞれノズルチップ21、希釈液収容管22、分析するための血液を有する採血管25が保持される。
【0055】
まず、血液濾過ユニット17により、採血管25内の全血を濾過して血漿成分を得る。その動作は、吸引アーム87の吸盤部89をホルダ26と対向する位置に回転し、さらに吸引アーム87を下降してホルダ1の上端と吸引アーム87の吸盤部89とを互いに当接させる。不図示のポンプを駆動して負圧を作用させ、フィルタ3により血液が濾過されてカップ部26aに血漿が供給される。この際、ポンプの圧力をチェックして、リークや血液のヘマト量を検出するようにしてもよい。カップ部26aに所定量の血漿が供給されると、吸引アーム87を上昇して元の位置に戻して処理を終了する。
【0056】
次に、搬送手段13により素子待機部4から乾式分析素子2,3を点着部5に搬送する。その搬送途中にバーコードリーダー35により乾式分析素子2,3に設けられたバーコードが読み取られ、乾式分析素子2,3の検査項目などを検出する。読み取られた検査項目がイオン活量測定の場合、希釈依頼項目の場合等に応じて異なる処理を行う。
【0057】
読み取られた検査項目が呈色度合の測定の場合は、点着アーム96をサンプル収容部16に移動して検体用チップ21を点着用ノズル101aに装着する。カップ部26aに供給された検体(血漿)の液面検出が行われ、液面位置および必要な血漿がカップ部26aに供給されているか否かを確認する。そして、点着アーム96を下降してカップ部26aから検体用チップ21に検体を吸引し、検体を吸引した検体用チップ21を点着部5に移動して、第1の乾式分析素子2の点着孔2aに検体を点着する。
【0058】
そして、検体が点着された第1の乾式分析素子2が第1のインキュベータ7に挿入される。第1のインキュベータ7は呈色度合の測定のために、内部温度が37±0.2℃に設定されている。この際、乾式分析素子2が第1のインキュベータ7に確実に挿入されたか否かを検出してもよい。連続して処理する場合は、別な乾式分析素子2,3を点着部5に搬送し、さらにバーコードを読み取って同様の処理を行う。この際、読み取られた検査項目がイオン活量測定の場合、および希釈依頼項目の場合は後述する。
【0059】
第1の乾式分析素子2が第1のインキュベータ7に挿入されると、第1のインキュベータ7の素子室55を回転して、挿入された乾式分析素子2を順次測光ヘッド61と対向する位置に移動する。そして、測光ヘッド61による乾式分析素子2の反射光学濃度の測定が行われる。測定終了後、素子室55を挿入時の位置に戻し、乾式分析素子2を第1のインキュベータ7に挿入する第1の搬送部材41によって測定後の乾式分析素子2を中心側に押し出して廃却する。測定結果を出力し、使用済みの検体用チップ21をチップ抜取り部20で点着用ノズル101aから外して下方に落下廃却し、処理を終了する。
【0060】
次いで、検査項目が希釈依頼項目の場合、例えば血液の濃度が濃すぎて正確な検査を行うことができないような場合には、点着アーム96をサンプル収容部16に移動して検体用チップ21を点着用ノズル101aに装着する。カップ部26aに供給された検体(血漿)の液面検出が行われ、液面位置および必要な血漿がカップ部26aに供給されているか否かを確認する。そして、点着アーム96を下降してカップ部26aから検体用チップ21に検体を吸引する。
【0061】
次に、吸引した検体を検体用チップ21から混合カップ24に分注する。検体の分注後、使用済みの検体用チップ21をチップ抜取り部20で点着用ノズル101aから外して下方に落下廃却する。次いで、点着アーム96をサンプル収容部16に移動して希釈液用チップ21を点着用ノズル101bに装着する。希釈液収容管22に供給された希釈液の液面検出が行われ、液面位置および必要な希釈液が希釈液収容管22に供給されているか否かを確認する。そして、点着アーム96を下降して希釈液収容管22から希釈液用チップ21に希釈液を吸引する。
【0062】
吸引した希釈液を希釈液用チップ21から混合カップ24に吐出する。そして、希釈液用チップ21を混合カップ24内に挿入して吸引と吐出とを繰り返して撹拌を行う。撹拌を行った後、希釈した検体を検体用チップ21に吸引し、希釈した検体を吸引した点着アーム96を点着部5に移動して、乾式分析素子2の点着孔2aに検体を点着する。また、連続して処理する場合は、素子搬送およびバーコードの読取りを行って同様の処理を行う。以下同様に、測光、素子廃却、結果出力およびチップ廃却を行って処理を終了する。
【0063】
次いで、検査項目がイオン活量の測定の場合について説明する。なお、イオン活量の測定の場合は、イオン活量測定用の第2の乾式分析素子3が搬送される。まず、点着アーム96をサンプル収容部16に移動して電解質検体用チップ21を点着用ノズル101aに装着する。カップ部26aに供給された検体(血漿)の液面検出が行われ、液面位置および必要な血漿がカップ部26aに供給されているか否かを確認する。そして、点着アーム96を下降してカップ部26aから電解質検体用チップ21に検体を吸引する。
【0064】
次に、シリンジ手段15の電磁弁を切り換えて、点着用ノズル101b側に圧力の流路を切り換える。そして、点着アーム96をサンプル収容部16に移動して参照液用チップ21を点着用ノズル101bに装着する。参照液カップ23に供給された参照液の液面検出を行ってから、点着アーム96を下降して参照液カップ23から参照液用チップ21に参照液を吸引する。
【0065】
次いで、シリンジ手段15の電磁弁により点着用ノズル101a側に圧力の流路を切り換え、電解質検体用チップ21に吸引した検体を第2の乾式分析素子3の一方の液供給孔3aに点着する。さらに、シリンジ手段15の電磁弁により点着用ノズル101b側に圧力の流路を切り換え、参照液用チップ21に吸引した参照液を乾式分析素子3の他方の液供給孔3bに点着する。
【0066】
そして、検体および参照液が点着された第2の乾式分析素子3が、第1の搬送部材41により点着部5から分岐部6に移動され、その後、ローラー39の水平軸部40を90゜回転駆動して第1のガイド37を没入させると共に第2のガイド38を突出させ、続いて第2の搬送部材42を前進作動させて、第2の乾式分析素子3が第2のインキュベータ8の素子室77に挿入される。第2のインキュベータ8の素子室77は、内部温度が30±1℃に設定されている。この際、乾式分析素子3が第2のインキュベータ8の素子室77に確実に挿入されたか否かを検出してもよい。乾式分析素子3が第2のインキュベータ8に挿入されると、第2の測定手段12によるイオン活量の測定が行われる。測定終了後、第2の搬送部材42によって測定後の乾式分析素子3を外側に押し出して第2のインキュベータ8から廃却する。そして測定結果を出力し、使用済みの参照液用チップ21および電解質検体用チップ21をチップ抜取り部20で点着用ノズル101a,101bから外して下方に落下廃却し、処理を終了する。
【0067】
このように、本実施形態では、乾式分析素子2,3のバーコードを読み取って、その種類を判別し、これに応じて点着を行うと共に、搬送手段13による搬送を切り換えて第1の乾式分析素子2については第1の搬送部材41によって第1のインキュベータ7に挿入し、第2の乾式分析素子3については分岐部6から第2の搬送部材42によって第2のインキュベータ8に挿入し、それぞれの温度でインキュベーションすると共に第1の測定手段11および第2の測定手段12によって比色測定および電位差測定を行い、物質濃度およびイオン活量を求める。また、分岐部6での搬送経路の変更時には、第1のガイド37および第2のガイド38を所定のタイミングで切り換え、乾式分析素子2,3の搬送を確実に行うことができる。そして、第1の測定手段11による測定と第2の測定手段12による測定とが同時に行え、効率の良い測定処理がコンパクトな装置構成を確保しつつ行える。
【0068】
なお、上記実施形態における第1のインキュベータ7および第2のインキュベータ8の乾式分析素子2,3の素子収容数は任意であり、実際の測定比率に照らすと第1のインキュベータで6つ、第2のインキュベータで1つが好適である。
【0069】
また、上記実施形態においては、第2のインキュベータ8への搬送は第1の搬送部材41の搬送方向と直交方向とされているが、分岐部6での方向の決め方により限定されるものではなく、所定角度にすることが可能である。
【0070】
さらに、上記実施形態においては、第1のインキュベータ7と第2のインキュベータ8との恒温保持温度が異なっているが、これに限定されるものでなく、両方の恒温保持温度が同じでも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の生化学分析装置の要部機構の概略平面図
【図2】搬送手段の部分の断面正面図
【図3】分岐部の素子押えを除去した状態の概略平面図
【図4】分岐部の概略断面正面図
【図5】第1のインキュベータの部分の断面正面図
【図6】第2のインキュベータおよび第2の測定手段の構成を示す断面側面図
【図7】サンプル収容部の構成を示す図
【図8】血漿濾過ユニットの構成を示す図
【図9】点着手段の部分の断面正面図
【図10】点着ノズル部分の断面図
【図11】乾式分析素子の構成を示す斜視図
【符号の説明】
1 生化学分析装置
2 第1の乾式分析素子
3 第2の乾式分析素子
4 素子待機部
5 点着部
6 分岐部
7 第1のインキュベータ
8 第2のインキュベータ
11 第1の測定手段
12 第2の測定手段
13 搬送手段
14 点着手段
35 バーコードリーダー
37,38 ガイド
41 第1の搬送部材
42 第2の搬送部材

Claims (4)

  1. 測定方式が異なる第1の乾式分析素子と第2の乾式分析素子に検体を点着し、所定インキュベーション温度に保持しそれぞれの測定手段によって対応する測定項目の測定を行う生化学分析装置において、
    未使用の前記第1および第2の乾式分析素子を収容する素子待機部と、前記第1および第2の乾式分析素子に検体を点着する点着部と、検体が点着された第1の乾式分析素子を収納し所定インキュベーション温度に恒温保持する複数の素子室を円周上に有する第1のインキュベータと、該第1のインキュベータに付設された第1の測定手段と、検体が点着された第2の乾式分析素子を収納し所定インキュベーション温度に恒温保持する第2のインキュベータと、該第2のインキュベータに付設された第2の測定手段とが配設され、
    前記素子待機部から前記点着部を経て第1のインキュベータへの直線搬送路の途中に分岐部が設置され、点着後の第1の乾式分析素子および第2の乾式分析素子をその種類に応じた搬送経路を通ってそれぞれ第1のインキュベータおよび第2のインキュベータに搬送する搬送手段を備え
    前記搬送手段は、点着後の第1の乾式分析素子および第2の乾式分析素子を前記分岐部に搬送すると共に該分岐部から第1の乾式分析素子を第1のインキュベータに搬送する第1の搬送部材と、前記分岐部から第2の乾式分析素子を第2のインキュベータに搬送する第2の搬送部材とを備え、
    前記分岐部には、第1のインキュベータへの搬送方向と平行に設けられ搬送面に出没して第1の乾式分析素子を第1のインキュベータへの搬送方向に案内する第1のガイドと、第2のインキュベータへの搬送方向と平行に設けられ搬送面に出没して第2の乾式分析素子を第2のインキュベータへの搬送方向に案内する第2のガイドを備え、該分岐部に搬送される乾式分析素子の種類に応じて前記第1のガイドまたは第2のガイドが選択的に突出作動されることを特徴とする生化学分析装置。
  2. 測定後の第1の乾式分析素子および第2の乾式分析素子は、それぞれ第1のインキュベータおよび第2のインキュベータへの搬入方向の延長上に搬送されて廃棄されることを特徴とする請求項に記載の生化学分析装置。
  3. 前記第1の乾式分析素子および第2の乾式分析素子にはその種類が記録されたバーコードが付設され、検体の点着前に該バーコードが読み取られ、その種類に応じた点着、搬送、恒温保持、測定が行われることを特徴とする請求項1または2に記載の生化学分析装置。
  4. 前記第1の乾式分析素子が、呈色反応により検体に含まれる所定の生化学物質の物質濃度を測定するための比色タイプの乾式分析素子であり、第2の乾式分析素子が検体のイオン活量を測定するための電解質タイプの乾式分析素子であり、
    第1の測定手段が検体に含まれる所定の生化学物質と試薬との呈色反応による光学濃度変化を測定する呈色反応測定部であり、第2の測定手段がイオン活量に対応する検体と参照液の電位差を測定するプローブを備えた電位差測定部であり、
    前記第1のインキュベータは複数の素子室を有し順に第1の測定手段で測定を行い、第2のインキュベータは1つの素子室を有し第2の測定手段で測定を行うことを特徴とする請求項1に記載の生化学分析装置。
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