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JP4049990B2 - プロジェクタ及び偏光変換器 - Google Patents

プロジェクタ及び偏光変換器 Download PDF

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JP4049990B2
JP4049990B2 JP2000366101A JP2000366101A JP4049990B2 JP 4049990 B2 JP4049990 B2 JP 4049990B2 JP 2000366101 A JP2000366101 A JP 2000366101A JP 2000366101 A JP2000366101 A JP 2000366101A JP 4049990 B2 JP4049990 B2 JP 4049990B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型液晶パネルのような画像形成部材を用いた液晶プロジェクタ等のプロジェクタ及びこのプロジェクタ等への適用に適した偏光変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プロジェクタとしては各種方式のものがあるが、例えば、透過型液晶パネルを用いる方式よりも反射型液晶パネルを用いる方が、高解像度化、高輝度化を図りやすい上に、色分離素子と色合成素子とを1つの光学素子で兼用させ得ることから、小型化を図る上でも有利とされており、注目されている。
【0003】
このような反射型液晶パネルを用いたプロジェクタの基本的な考えとしては、例えば、特開平3−249639号公報や特開2000−131664号公報に示されており、入出射光路上に配設させた偏光ビームスプリッタと色分離・色合成素子としてのダイクロイックミラーとを用いて、光源からの光の色分離と各色用の反射型液晶パネルで反射された変調光の色合成とを行い、投射レンズ系に入射させることにより投射カラー映像を得るようにしている。
【0004】
ここに、このような反射型液晶パネルを用いた液晶プロジェクタの偏光分離、RGB分離・合成に関する光学素子の基本的な考えの提案例を図21に示す。この光学素子は、PBS(偏光ビームスプリッタ)100及び色分離・色合成素子としてのダイクロイックプリズム101により構成され、3枚の反射型LCD102R,102G,102Bと組合せられている。
【0005】
PBS100は、重複する入出射光路上に配設されて、照明光学系から照明光として照射されるS偏光成分光を色分離・色合成素子102側に向けて90°反射させる偏光ビームスプリッタ膜100aを有するものである。ダイクロイックプリズム101は、赤色R帯域分の長波長帯域と緑色G帯域分よりも短波長域とを分離するよう赤色光Rの長波長域を反射させるR反射ハイパスフィルタ特性を持たせた赤用ダイクロイック膜101rと、青色光Bの短波長帯域と緑色光Gよりも長波長帯域とを分離するよう青色光Bの短波長帯域を反射させるB反射ローパスフィルタ特性を持たせた青用ダイクロイック膜101bとを直交配置させてなる立方体状ないしは直方体状の光学素子として構成されている。従って、ダイクロイックプリズム101には、PBS100のPBS膜100aと平行な赤用ダイクロイック膜101rとこの赤用ダイクロイック膜101rに直交する青用ダイクロイック膜101bとが形成されている。これらのダイクロイック膜101r,101bは誘電体の多層膜として形成されている。
【0006】
3枚の反射型LCD102R,102G,102Bは、ダイクロイックプリズム101の赤用ダイクロイック膜101r及び青用ダイクロイック膜101bに対応させて配置されている。即ち、赤用ダイクロイック膜101rで反射される赤色光R以上の長波長の反射方向には反射型LCD102Rが配置され、青用ダイクロイック膜101bで反射される青色光B以下の短波長の反射方向には反射型LCD102Bが配置され、赤用ダイクロイック膜101r及び青用ダイクロイック膜101bの透過方向には反射型LCD102Gが配置されている。これらの反射型LCD102R,102G,102Bは特に図示しないが情報表示システムにより投射すべき各色毎の画像が各液晶素子のオン・オフ制御により形成されるものである。
【0007】
さらに、PBS100とスクリーン(図示せず)との間の映像変調光の出射光路上には投射レンズを備えた投射レンズ系(図示せず)が設けられている。
【0008】
このような構成において、照明系からのS偏光成分のみに揃えられた照明光は、PBS100で反射されてダイクロイックプリズム101に入射する。ここで、その波長に応じて赤色光R、緑色光G、青色光Bに分光されて、各々対応する反射型LCD102R,102G,102Bに入射する。ここで、各反射型LCD102R,102G,102Bは情報表示システムにより液晶プロジェクタに入力された画像信号に応じてオン・オフし、オフ時にはS偏光成分をS偏光成分のまま反射し、オン時にはS偏光成分をP偏光成分に変換(変調)して反射する。そして、これらのS偏光成分又はP偏光成分からなる各反射型LCD102R,102G,102Bからの反射光は、ダイクロイックプリズム101において各々集合合成されてPBS100に再帰する。この際、各反射型LCD102R,102G,102Bにおいてオンしている液晶素子対応部分から反射されたP偏光成分のみがPBS100を透過するため、この透過光が映像変調光として投射レンズ系によりスクリーン上に拡大投影される。これにより、液晶プロジェクタに入力された画像信号に応じた画像がスクリーンにカラー画像として映し出される。
【0009】
このように色分離と色合成とを1つのダイクロイックプリズム101に兼用させることにより、全体の構成を小型化し得る。
【0010】
また、3板式LCOSプロジェクタ向けの光学技術(b)カラーシャッター方式:「液晶リア・プロジェクション・テレビを安く作る」日経マイクロデバイス2000年8月号pp184によれば、カラーシャッタとPBSとを組合せた小型の液晶プロジェクタが提供されている。ここに、“カラーシャッタ”はColorLink社の商品名“カラーセレクト”なる色偏光フィルタ素子を意味しており、その技術内容は次の技術論文
SID99.pdf - Publication date: 04/1999 Retarder Stack Technology for Color Manipulation A technology for manipulating color is presented which utilizes polarization, rather than thin-film interference or absorption effects. Retarder stack technology produces high performance filtering, color separation/combining, and chromatic polarization control operations. These structures are light efficient and provide saturated colors when used in sequential and subtractive (stacked-panel) display modes. (和訳)「カラー操作のための遅延膜積層技術」
このカラー操作技術は薄いフィルムの干渉或いは吸収効果の利用というよりはむしろ偏光を利用した技術である。遅延膜積層技術は高効率フィルタリング、色分離と合成、色偏光制御操作をもたらす。このようなの構成はシーケンシャルで減衰する(積層パネル)表示モードで使う場合に、光の効果を
引き出し、色に溢れた状態を提供するものである。
として報告されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来技術による場合、照明光にS偏光を用いたとしても偏光純度が100%でなかったり、ダイクロイックプリズム101を通過するときに偏光解消が起きたりして、PBS膜100aに到達する光は純粋の偏光ではないのが実態である。一方、PBS100のP偏光とS偏光のスプリット能力が100%でないために単一の偏光だけがダイクロイックプリズム101へ入射されるわけではない。
【0012】
また、ダイクロイックプリズム101は前述のように青色光Bの帯域を反射させ、それ未満の帯域(緑色光Gと赤色光Rの帯域)を透過するダイクロイック膜101bと赤色光Rの帯域を反射させ、それを超える帯域(緑色光Gと青色光Bの帯域)を透過させるダイクロイック膜101rの2つの特性の異なるダイクロイック膜をクロスしたプリズム構成になっている。これにより、R,G,B各々の信号により制御されているLCD102R,102G,102B各々の帯域の光を照射している。しかしながら、各ダイクロイック膜101b,101rも完全に狙った帯域の光に分離することは不可能で、例えばダイクロイック膜101bでは透過するべき赤色光Rをもわずかではあるが反射してしまう。同様に、ダイクロイック膜101rでも透過するべき青色光Bをもわずかではあるが反射してしまう。
【0013】
このようなことから、図21中の光線L1はPBS100で反射したS偏光に混じったP偏光を表現している。その光線L1がダイクロイック膜101bに到達したとき、青色光Bの帯域未満はほとんど全部が透過してしまうが、わずかの赤色光Rの帯域分の光が反射されてダイクロイック膜101rに到達し、その赤色光Rの帯域分の光はそこでほとんど全部が反射されてPBS膜100aの方向に進む。この光はP偏光なのでPBS膜100aをほとんど全部透過して投射レンズを介してスクリーンまで到達してしまう。この現象は光線L2の場合も同様である。これらの光は本来のLCD102R,102G,102Bで変調された光と混じってしまっているが、LCD102R,102G,102Bで変調されてはおらず、照明光のある一定の光量を持っているため、完全にフレア光となり、スクリーン上の画像のコントラストを低下させてしまうことになる。
【0014】
また、後者の“カラーセレクト”なるカラーシャッタを利用した液晶プロジェクタによれば、このような問題点は無いものの、前者の構成に比べてプリズムを2倍使用することなり、装置を重くする要因となる。
【0015】
そこで、本発明は、装置が重くなるような複雑な構成を必要とせず、フレア光を無くすことができ、スクリーン上の画像コントラストを向上させ得るプロジェクタ及び偏光変換器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のプロジェクタは、照明光を発する光源を含む照明光学系と、P偏光成分光とS偏光成分光とを分離する偏光ビームスプリッタ膜と、前記偏光ビームスプリッタ膜を備える一対の偏光ビームスプリッタプリズムと、前記偏光ビームスプリッタプリズムの反射光出射面に設けられ、前記偏光ビームスプリッタ膜により分離されたS偏光成分光に関する赤色帯域、緑色帯域及び青色帯域の3帯域分の光のうちの何れか1帯域分をP偏光成分光に変換する特性を有する第一の偏光特性フィルタと、前記第一の偏光特性フィルタ出射側に設けられて、全反射面を有するプリズムと、全反射面で全反射された光が出射するプリズムの出射面に設けられ、前記第一の偏光特性フィルタを通過する3帯域分の光の偏光方向を変換する半波長板と、前記偏光ビームスプリッタプリズムの透過光が出射する出射面に設けられ、前記偏光ビームスプリッタ膜により分離されたP偏光成分光に関する赤色帯域、緑色帯域及び青色帯域の3帯域分の光のうちの前記1帯域分をS偏光成分光に変換する特性を有する第二の偏光特性フィルタ(以下、第一および第二の偏光特性フィルタを総称して単に偏光特性フィルタと呼ぶ)とを備えた偏光変換器と、を有する照明光学系と、
前記偏光変換器を通過したP偏光成分光とS偏光成分光とを分離する偏光分離素子と、
この偏光分離素子により分離された偏光成分光のうちで2帯域分を含む偏光成分光について各々の帯域成分光に分離するダイクロイック膜を有するダイクロイック素子と、
これらの偏光分離素子とダイクロイック膜とにより3帯域分に分離された赤色帯域、緑色帯域及び青色帯域の3帯域の光毎に偏光状態を変調させることにより投射すべき映像を形成する3枚の反射型の画像形成部材と、
これらの画像形成部材により形成された映像をスクリーン上に投射する投射レンズ系と、
を備える。
【0017】
従って、液晶プロジェクタ等のプロジェクタの照明光学系中に偏光変換器を介在させることにより、赤色帯域、緑色帯域及び青色帯域の3帯域の光を2帯域と1帯域とで異なった偏光状態の光とし、その偏光状態の違いにより偏光分離素子で偏光分離し、偏光分離素子で分離された2帯域分を含む偏光成分光についてはダイクロイック膜により帯域分離しているので、3帯域分を同時に分離するようなダイクロイック膜がクロスした複雑な構成を採る必要がなく、単一の偏光分離膜やダイクロイック膜を利用する簡単な構成にして赤色帯域、緑色帯域及び青色帯域の3帯域の光を分離でき、フレア光の問題も解消して、コントラストの高い投射画像を得ることができる。
請求項2記載の発明は、照明光を発する光源と、P偏光成分光とS偏光成分光とを分離する偏光ビームスプリッタ膜を備える一対の偏光ビームスプリッタプリズムと、該偏光ビームスプリッタプリズムの反射光出射面に設けられ、前記偏光ビームスプリッタ膜により分離されたS偏光成分光P偏光成分光に変換する半波長板と、該半波長板の透過側に設けられて、全反射面を有するプリズムと、該全反射面で全反射された光が出射するプリズムの出射面と、前記偏光ビームスプリッタ膜を透過したP偏光成分光が出射する出射面とに共通に設けられ、前記それぞれの出射面から出射するP偏光成分光に関する赤色帯域、緑色帯域及び青色帯域の3帯域分の光のうちの何れか1帯域分をS偏光成分光に変換する特性を有する偏光特性フィルタを備えた偏光変換器と、を有する照明光学系と
前記偏光変換器を通過したP偏光成分光とS偏光成分光とを分離する偏光分離素子と、
この偏光分離素子により分離された偏光成分光のうちで2帯域分を含む偏光成分光について各々の帯域成分光に分離するダイクロイック膜を有するダイクロイック素子と、
これらの偏光分離素子とダイクロイック膜とにより3帯域分に分離された赤色帯域、緑色帯域及び青色帯域の3帯域の光毎に偏光状態を変調させることにより投射すべき映像を形成する3枚の反射型の画像形成部材と、
これらの画像形成部材により形成された映像をスクリーン上に投射する投射レンズ系と、
を備える。
したがって請求項1と同様、コントラストの高い投射画像を得ることができる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のプロジェクタにおいて、前記偏光特性フィルタと前記偏光分離素子と前記ダイクロイック素子とが一体に設けられている。
【0019】
従って、既存のプロジェクタにおいて、各色成分光の分離部分をこの一体化構成の光学デバイスで置き換えることにより、所期の目的を簡単に達成できる。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のプロジェクタにおいて、前記偏光変換器を出射したS偏光成分光は、緑色帯域分とし前記ダイクロイック膜は同一偏光成分光の青色帯域分と赤色帯域分とを帯域分離する特性を有する。
【0023】
従って、請求項3記載の発明を実現する具体例の一例を呈示するが、特に、その帯域特性からして、照明光と変調後の映像光との間の光の利用効率を低下させることのないプロジェクタを提供できる。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項3記載のプロジェクタにおいて、前記偏光変換器を出射したS偏光成分光は、赤色帯域分とし、前記ダイクロイック膜は同一偏光成分光の青色帯域分と緑色帯域分とを帯域分離する特性を有する。
【0025】
従って、請求項3記載の発明を実現する具体例の一例が呈示される。
【0026】
請求項6記載の発明は、請求項3記載のプロジェクタにおいて、前記偏光変換器を出射したS偏光成分光は、青色帯域分とし、前記ダイクロイック膜は同一偏光成分光の緑色帯域分と赤色帯域分とを帯域分離する特性を有する。
【0027】
従って、請求項3記載の発明を実現する具体例の一例が呈示される。
【0036】
請求項7記載の発明は、請求項4記載のプロジェクタにおいて、前記光源がキセノンランプである。
【0037】
従って、請求項4記載の発明を実現する上で、光源としてキセノンランプを用いれば、可視光全域がほぼフラットなスペクトル分布特性を有するため、好適となる。
【0038】
請求項8記載の発明は、請求項5記載のプロジェクタにおいて、前記光源が高圧水銀ランプである。
【0039】
従って、請求項5記載の発明を実現する上で、光源として高圧水銀ランプを用いれば、青色B帯域の光量が多く、緑色G帯域付近にピークがあるが赤色R帯域の光量が少ない発光特性を有するため、好適となる。
【0040】
請求項9記載の発明は、請求項6記載のプロジェクタにおいて、前記光源がLED又はハロゲンランプである。
【0041】
従って、請求項6記載の発明を実現する上で、光源としてLED又はハロゲンランプを用いれば、赤色R、緑色G、青色Bと段々に発光効率が低下する発光特性を有するため、好適となる。
【0042】
請求項10記載の発明は、請求項4,5,又は6記載のプロジェクタにおいて、前記光源がメタルハライドランプである。
【0043】
従って、請求項4,5,又は6記載の発明を実現する上で、光源としてメタルハライドランプを用いれば、封入する分子によりスペクトル分布を或る程度コントロールできるので、何れのタイプにも好適となる。
【0044】
請求項11記載の発明は、請求項1ないし10の何れか一記載のプロジェクタにおいて、前記ダイクロイック膜が、前記照明光の主光軸の直交面に対して45°以下に形成されている。
【0045】
従って、照明光の主光軸の直交面に対するダイクロイック膜の角度を極力小さくすることにより、ダイクロイック膜での2帯域分の分離特性をより向上させることができる。
【0046】
請求項12記載の発明は、請求項11記載のプロジェクタにおいて、前記偏光分離素子と前記ダイクロイック素子との間に前記ダイクロイック膜で反射された光成分を全反射させるエアギャップが設けられている。
【0047】
従って、エアギャップによる全反射を利用することにより請求項11記載の発明を容易に実現できる。
【0048】
請求項13記載の発明は、請求項11記載のプロジェクタにおいて、前記偏光分離素子と前記ダイクロイック素子との間が前記偏光分離素子の材料とほぼ同等の光学的密度を有する接着剤により接着されている。
【0049】
従って、偏光分離素子とダイクロイック素子との間を前記偏光分離素子の材料とほぼ同等の光学的密度を有する接着剤により接着した構成とすることにより請求項11記載の発明を容易に実現できる。
【0050】
請求項14記載の発明は、請求項1ないし13の何れか一に記載のプロジェクタにおいて、投射レンズ系に対する出射光路上に、前記偏光特性フィルタと同一特性を有する出射側偏光特性フィルタを備える。
【0051】
従って、出射側偏光特性フィルタを利用することで変調映像光の偏光方向を揃えることができ、偏光特性を利用したスクリーンに投射する場合に好適となる。
【0052】
請求項15記載の発明は、請求項14記載のプロジェクタにおいて、出射側偏光特性フィルタの出力側に偏光板を備える。
【0053】
従って、偏光板を利用することにより、光路の途中で偏光の乱れを生じた場合にもカットできるため、スクリーン上のコントラストを一層向上させることができる。
【0058】
【発明の実施の形態】
本発明を適用する投射装置の主要部の第一の構成例を図1ないし図3に基づいて説明する。本説明は、液晶プロジェクタへの適用例であり、図1はその要部の光学デバイスの構成例を示す平面図である。
【0059】
この光学デバイス1は、概略的には、光源等からのS偏光状態の照明光の入射光路上に配設された矩形板状の偏光特性フィルタ2と、この偏光特性フィルタ2が入射面に一体化された偏光分離素子としての立方体状のPBSプリズム3と、このPBSプリズム3に対してそのPBS膜3aによる反射方向に接着剤により一体化されたダイクロイック素子としての立方体状のダイクロイックプリズム4と、PBSプリズム3の出射面に一体化された出射側偏光特性フィルタ5とにより構成されている。ダイクロイックプリズム4はPBS膜3aに平行なダイクロイック膜4aを有する。ここに、偏光特性フィルタ2、PBSプリズム3及びダイクロイックプリズム4の光学的特性については後述するが、その特性に合わせて、PBSプリズム3の透過光を受ける位置には緑色帯域用の画像形成部材である反射型LCD6Gが配設されて、ダイクロイック膜4aの透過光を受ける位置には赤色帯域用の画像形成部材である反射型LCD6Rが配設され、ダイクロイック膜4aの反射光を受ける位置には青色帯域用の画像形成部材である反射型LCD6Bが配設されている。なお、反射型LCD6R,6G,6Bの前面には、ばらつきの多いPBSプリズム3やダイクロイックプリズム4の特性の変化によってばらつく色特性をほぼ一定にし、所定の色バランスを得るためのカラーフィルタ7が介在されている。なお、投射レンズから各反射型LCD6R,6G,6Bに対する光路長が等しくなるよう、PBSプリズム3の透過位置に位置する反射型LCD6GはこのPBSプリズム3から離れて配設されている。
【0060】
この他、図1では特に図示しないが、偏光特性フィルタ2に対する入射側には光源を含む照明光学系が配設され、出射側偏光特性フィルタ5からの出射側には映像変調光をスクリーン上に投射する投射レンズ系が配設されている。
【0061】
ここで、本発明で用いるる偏光特性フィルタ2について説明する。この偏光特性フィルタ2は前述したようにColorLink社が商品名:カラーセレクトとして販売している光学部品であり、図2に示すようなカーブの偏光変換機能を有している。図中に示す特性1の曲線で説明すると、全可視光をS偏光で入射させた場合、約490nm以上の短い波長と、約605nm以下の長い波長はそのままS偏光で透過させ、約510〜565nmの波長はP偏光に変換させて透過する。そして、490〜510nm、565〜605nmの波長は図のような比率でP偏光に変換する。即ち、緑色帯域分の偏光成分光のみをP偏光成分光に変換し青色帯域分及び赤色帯域分の偏光成分光はそのままと偏光成分光として出射させる特性を有する。
【0062】
もっとも、ここでは、S偏光入射の例で説明したが、もし全可視光をP偏光で入射するとS偏光入射とは全て逆の特性で透過することになる。特性2の曲線は参考のために特性1と逆の見方で示したものである。
【0063】
ちなみに、図2に示す特性1、特性2が共に変換率の飽和部分が1.0となっておらず、0.87〜0.95程度になっているが、これはARコート(界面反射防止)をしてない部材の測定結果だからである。即ち、この特性は変換効率+透過効率となっている。ARコートを行うことにより、全帯域で0.99以上の特性を得られることは自明である。
【0064】
出射側偏光特性フィルタ5も偏光特性フィルタ2と同一の特性を有するものが用いられている。
【0065】
PBSプリズム3のPBS膜3aの特性は広帯域(約430〜670nm)でS偏光は反射し、P偏光は透過する特性のものが用いられている。ただし、S偏光は99%程度の反射率であるがP偏光は90%程度の透過率である。
【0066】
ダイクロイックプリズム4のダイクロイック膜4aの特性は、図3に示すようにS偏光では約520nm、P偏光では約560nm以上の短波長は反射し、それ以下では透過する特性のものが用いられている。即ち、ダイクロイック膜4aは透過・反射により青色帯域分と赤色帯域分とを帯域分離し得る特性を有している。
【0067】
このような構成において、図1を参照してR,G,Bなる各帯域の光を変調するまでの過程を個別に説明する。
【0068】
まず、緑色G帯域分の光成分を変調する過程について説明する。光源からの照明光は可視光全帯域に亘ってS偏光であるとする。このS偏光なる照明光は偏光特性フィルタ2により緑色G帯域分はP偏光に変換され、青色B帯域分と赤色R帯域分はS偏光のままで透過する。次に、PBS膜3aまで到達したこれらの光束は、緑色G帯域分は透過し、青色B帯域分と赤色R帯域分は反射されるので、ここで緑色G帯域分と青色B,赤色R帯域分とが偏光分離される。緑色G帯域分はそのまま直進し、緑色G帯域分の変調を受け持つLCD6Gに到達し、OFF信号のピクセルではP偏光のままで反射し、ON信号のピクセルではS偏光に変換して反射する。これらの変調された光束は再度、PBS膜3aまで戻される。ここで、P偏光は透過して光源の方向へ戻されるが、S偏光は反射され映像変調光としてスクリーンの方向へ向かう。
【0069】
途中、PBSプリズム3の出射面側に出射側偏光特性フィルタ5が設けられており、S偏光がP偏光に変換されてから、投射レンズ系を経てスクリーンに向かう。この出射側偏光特性フィルタ5は偏光特性フィルタ2と全く同じものを用いているので緑色G帯域分のみの偏光を変換し、後述する青色B帯域分及び赤色R帯域分の変調済みのP偏光はそのままP偏光で透過させる。その結果、可視光全帯域がP偏光でスクリーン上に向かう。この出射側偏光特性フィルタ5を挿入することにより、偏光特性を利用したスクリーンに投射しても良好な映像を得ることができる。もっとも、単純に拡散性を持たせたスクリーンを使用する場合には、必ずしも出射側偏光特性フィルタ5を入れる必要はない。その場合、緑色G帯域分はS偏光で、青色B帯域分、赤色R帯域分はP偏光でスクリーンへ投射される。
【0070】
次に、青色B帯域分の光束を変調する過程について説明する。前述のような照明光がPBS膜3aに到達し、そのうちでS偏光のままでPBS膜3aにより反射された青色B,赤色R帯域分の光はダイクロイックプリズム4のダイクロイック膜3aで約560nm以上の帯域の短波長(ただし、概略500〜590nmの帯域の光は来ていないので実質的には青色B帯域分の波長)は反射されて、青色B帯域分の光の変調を受け持つLCD6Bに到達し、OFF信号のピクセルではS偏光のままで反射し、ON信号のピクセルではP偏光に変換して反射する。これらの変調された光束は再度、ダイクロイック膜4aまで戻されるが、520nm以上の短波長はPBS膜3aへ向かう。この際、ON信号のP偏光は透過し、OFF信号のS偏光は反射されて光源の方向へ戻される。PBS膜3aを透過した光は出射側偏光特性フィルタ5を透過するが、この帯域は偏光変換されないまま投射レンズを通過し、スクリーンへ投射される。
【0071】
また、赤色R帯域分の光束を変調する過程について説明する。前述のようにS偏光なる照明光がPBS膜3aに到達し、そのうちでS偏光のままでPBS膜3aにより反射された青色B、赤色R帯域分の光はダイクロイックプリズム4のダイクロイック膜4aで約560nm以下の帯域の長波長(ただし、概略500〜590nmの帯域の光は来ていないので実質的には赤色R帯域分の波長)は透過し、赤色R帯域分の光の変調を受け持つLCD6Rに到達し、OFF信号のピクセルではS偏光のままで反射し、ON信号のピクセルではP偏光に変換して反射する。これらの変調された光束は再度、ダイクロイック膜4aまで戻されるが、520nm以下の長波長はPBS膜3aへ向かう。この際、ON信号のP偏光は透過し、OFF信号のS偏光は反射されて光源の方向へ戻される。PBS膜3aを透過した光は出射側偏光特性フィルタ5を透過するが、この帯域は偏光変換されないまま投射レンズを通過し、スクリーンへ投射される。
【0072】
よって、本光学デバイスによれば、簡単な構成にも拘らず、クロスで2種類のダイクロイック膜を用いることなく、単一のPBS膜3aとダイクロイック膜4aとの組合わせでR,G,Bの各色の帯域を分離することができる上に、フレア光を抑えることができ、コントラストの高い画像を得ることができる。
【0073】
なお、ダイクロイックプリズム4のダイクロイック膜4aの特性としては、図3に示した特性とは逆の特性を持たせることもできる。即ち、S偏光では約520nm、P偏光では約560nm以上の短波長は透過し、それ以下では反射する特性も設計次第で作ることが可能である。このようなダイクロイックプリズムを用いる場合は、青色B帯域分を変調するLCD6Bと赤色R帯域分を変調するLCD6Rとの位置を入れ替えればよい。
【0074】
更には、後述する図6や図9に示すような青色B帯域分側、或いは、赤色R帯域分側にシフトした特性のダイクロイック膜を有するダイクロイックプリズムを使用しても同様の特性が得られることは自明である。
【0075】
本発明を適用する光学デバイスの第二の構成例を図4ないし図6に基づいて説明する。前述の第1の構成例で示した部分と同一又は相当する部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の図の説明でも順次同様とする)。
【0076】
構成例は、構成的には図1に示したものと同様であるが、偏光特性フィルタ2及びダイクロイック膜4aの光学特性が図1の場合と異なっており、それに対応して反射型LCD6R,6G,6Bの配置が変更されている。
【0077】
まず、本構成例における偏光特性フィルタ2の偏光変換特性は図5に示すように、約580nm以上の短波長はそのままの偏光で透過し約605nm以下の長波長は偏光を反転させるように設定してある。偏光を反転させる帯域が異なるだけで、その他の特性、特徴は図2と同じである。即ち、赤色R帯域分の偏光成分光のみをP偏光成分光に変換し、青色B帯域分及び緑色G帯域分の偏光成分光はそのままと偏光成分光として出射させる特性を有する。
【0078】
また、本構成例のダイクロイックプリズム4のダイクロイック膜4aの特性は図6に示すように、S偏光では約520nm以上、P偏光では約490nm以上の短波長が反射し、それ以下の波長は透過させる特性に設定されている。即ち、ダイクロイック膜4aは透過・反射により青色帯域分と緑色帯域分とを帯域分離し得る特性を有している。
【0079】
このような構成での動作の大筋を説明する。本構成例でも、照明光にS偏光を用いるものであり、この照明光は偏光特性フィルタ2を透過した後、PBS膜3aで赤色R帯域分の光は直進し、赤色R帯域分変調用の反射型LCD6Rで変調を受けて再度PBS膜3aに戻され、信号分はそこで反射し、投射レンズを介してスクリーンに赤色R帯域分の映像を投射する。また、照明光はPBS膜3aで緑色G,青色B帯域分が反射され、ダイクロイックプリズム4のダイクロイック膜4aで青色B帯域分の光が反射され、青色B帯域分変調用の反射型LCD6Bで変調を受けて再度ダイクロイック膜4aに戻されて反射する。信号分はP偏光となっているのでPBS膜3aを透過し、投射レンズを介しスクリーン上に青色B帯域分の映像を投射する。さらに、ダイクロイック膜4aまできた照明光のうち緑色G帯域分以下の長波長は透過し(実質、赤色R帯域分はPBS膜3aを通過する時点で除かれているので、緑色G帯域分のみが透過する)、緑色G帯域分変調用の反射型LCD6Gで変調を受けて再度ダイクロイック膜4aに戻されて透過する。信号分はP偏光となっているのでPBS膜3aを透過し、投射レンズを介しスクリーン上に緑色G帯域分の映像を投射する。
【0080】
この場合、投射される光は赤色R帯域分がS偏光で、青色B帯域分、緑色G帯域分はP偏光でスクリーンへ投射されるが、全部を同一の偏光に揃えたい場合は図1の場合と同様に出射側偏光特性フィルタを設ければよい。
【0081】
本発明の第三の構成例を図7ないし図9に基づいて説明する。本構成例も、構成的には図1に示したものと同様であるが、偏光特性フィルタ2及びダイクロイック膜4aの光学特性が図1、図4の場合と異なっており、それに対応して反射型LCD6R,6G,6Bの配置が変更されている。
【0082】
まず、本構成例における偏光特性フィルタ2の偏光変換特性は図8に示すように、約540nm以下の長波長はそのままの偏光で透過し約500nm以上の短波長は偏光を反転させるように設定してある。偏光を反転させる帯域が異なるだけで、その他の特性、特徴は図2と同じである。即ち、青色B帯域分の偏光成分光のみをP偏光成分光に変換し、赤色R帯域分及び緑色G帯域分の偏光成分光はそのままと偏光成分光として出射させる特性を有する。
【0083】
また、ダイクロイックプリズム4のダイクロイック膜4aの特性は図9に示すようにS偏光では約575nm以下、P偏光では約600nm以下の長波長が反射し、それ以上の波長は透過させる特性に設定されている。即ち、ダイクロイック膜4aは透過・反射により赤色帯域分と緑色帯域分とを帯域分離し得る特性を有している。
【0084】
このような構成での動作の大筋を説明する。やはり、照明光にはS偏光が用いられるが、この照明光は偏光特性フィルタ2を通過した後、PBS膜3aで青色B帯域分の光は直進し、青色B帯域分変調用の反射型LCD6Bで変調を受けて再度PBS膜3aに戻され、信号分はそこで反射し、投射レンズを介してスクリーンに青色B帯域分の映像を投射する。また、照明光はPBS膜3aで緑色G,赤色R帯域分が反射され、ダイクロイック膜4aで赤色R帯域分の光は反射され、赤色R帯域分変調用の反射型LCD6Rで変調を受けて再度ダイクロイック膜4aに戻されてやはり反射される。信号分はP偏光となっているのでPBS膜を透過し、投射レンズを介してスクリーン上に赤色R帯域分の映像を投射する。さらに、ダイクロイック膜4aまできた照明光のうち緑色G帯域分以上の短波長は透過し(実質、青色B帯域分はPBS膜3aを通過する時点で除かれているので、緑色G帯域分のみが透過する)、緑色G帯域分変調用の反射型LCD6Gで変調を受けて再度ダイクロイック膜4aに戻されて透過する。信号分はP偏光となっているのでPBS膜3aを透過し、投射レンズを介してクリーン上に緑色G帯域分の映像を投射する。
【0085】
この場合、投射される光は青色B帯域分がS偏光で、赤色R帯域分、緑色G帯域分はP偏光でスクリーンへ投射されるが、全部を同一の偏光に揃えたい場合は図1の場合と同様に出射側偏光特性フィルタを設ければよい。
【0086】
なお、これらの第二、第三の構成例では、細かな偏光の振る舞いの説明は省略したが、基本は全て第一の実施の形態で説明したのと同様である。ただ、ダイクロイックプリズム4のダイクロイック膜4aの特性で、S偏光とP偏光とは反射、透過特性が全く一致するのが理想であるが、現実には30nmほどのギャップのあるものしか手に入れることができない現実を考慮すると、第二、第三の構成例の方式は照明光と変調された後の光の利用効率が異なり、若干、光利用効率が落ちる。反面、第一の構成例のような構成によれば、そのギャップが生ずる帯域はダイクロイックプリズム4へは到来せず、光の利用効率を落とすことが少ないので、その点ではこの構成の方が良いといえる。
【0087】
また、これらの実施の形態では、特に図示していないが、出射側偏光特性フィルタ5の出射側に偏光板を配設すれば、光路の途中で偏光の乱れを生じた分をカットでき、スクリーン上のコントラストを向上させることができる。
【0088】
また、これらの各構成例は、各々各種あるランプの特性と組合せることにより、より最適な構成となる。即ち、第一の構成例の構成は、キセノンランプのように可視光全域がほぼフラットなスペクトル分布を持つ光源を使用する場合に適している。第二の構成例の構成は、高圧水銀ランプのように青色B帯域分の光量が多く、緑色G付近にピークがあるが赤色R帯域分は光量が少ないような特性の光源を使用した場合に適している。第三の構成例の構成は、LEDやハロゲンランプのように赤色R,緑色G,青色Bと段々発光効率が落ちるような光源を使用した場合に適している。なお、メタルハライドランプを光源に使用する場合はスペクトル分布を封入する分子により或る程度コントロールできるので、上述の何れの構成例の場合も、各構成の特性と合うように組合せることが可能である。
【0089】
さらに、上述した各構成例の説明では、説明しやすいようにPBS膜3aとダイクロイック膜4aとが平行になる形で図示して示したが、ダイクロイック膜4aを光軸上でどのように回転させても本発明の本質を損なうものではない。実際の装置として実現するのには0°,90°,180°或いは270°の何れかの位置が機械的な配置として安定しており、作りやすい。
【0090】
本発明の第四の構成例を図10に基づいて説明する。前述した各構成例では、ダイクロイック膜4aが照明光の主光軸の鉛直面に対して45°の角度を持たせた構成例で説明したが、2帯域分の帯域分離特性を良好にするにはその角度をより小さくしたほうがよいことから、本構成例ではその角度を30°に設定した例を示す。本構成例は、例えば第一の構成例に対する変形例として適用されている。ダイクロイックプリズム4側の形状的な違いを除くと、第一の構成例の場合と同様である。
【0091】
PBSプリズム3とダイクロイックプリズム4との間にエアギャップ8を設け、照明光の主光軸の直交面に対して30°に設定されたダイクロイック膜4aで反射した光をエアギャップ8を設けた面4bで全反射させて変調用の反射型LCD6Bに導く構成である。
【0092】
よって、本構成例によれば、ダイクロイック膜4aが照明光の主光軸の鉛直面に対して30°の角度に小さく設定されているので、青色B帯域と赤色R帯域との2帯域分の帯域分離特性をより一層良好にすることができる
【0093】
本発明の第五の構成例を図11に基づいて説明する。本構成例も、第四の構成例の場合と同様に、ダイクロイック膜4aが照明光の主光軸の直交面に対して30°の角度となるようにした構成例を示すが、その具体的な構成として、PBSプリズム3とダイクロイックプリズム4との間をプリズム材料とほぼ同等の光学的密度を持つ接着剤9で接着したものである。
【0094】
構成例の場合も、第四の構成例の場合と同様な効果が得られる。
【0095】
なお、第四の構成例及び本構成例の構成は、第一の構成例の構成よりも投射レンズと変調用の反射型LCD6R,6G,6Bとの距離が長くなってしまう欠点はあるが、本発明の目的にかなった構成となる。また、ダイクロイック膜4aの照明光の主光軸の直交面に対する角を30°より更に小さくすることは可能であるが、図10に示した構成ではダイクロイック膜4aで反射された光の一部は全反射の領域から外れてしまうようになるので限界がある。また、投射レンズと変調用の反射型LCD6R,6G,6Bとの距離が更に大きくなる方向となるので、投射レンズの口径を大きくする方向となり、装置を大きくしてしまう。
【0096】
また、これらの第四及び第五の構成例のように、30°のダイクロイック膜4aを用いた構成でも、やはり、説明しやすいように図面上ではPBS膜3aとダイクロイック膜4aとの断面が同時に見えるタイプで示したが、ダイクロイック膜4aを光軸上でどのように回転させても本発明の本質を損なうものではない。実際の装置として実現するのには0°,90°,180°或いは270°の何れかの位置が機械的な配置として安定しており、作りやすい。
【0097】
本発明の第六の構成例を図12に基づいて説明する。本構成例は、前述の角度をより小さくし、主光軸の直交面に対して15°のダイクロイック膜4aを用いた構成例を示すものである。25は後述するような偏光板である。
【0098】
この場合、PBSプリズム3は方形ではなく、ダイクロイックプリズム4に相対する面3bはダイクロイックプリズム4の入射面と平行面をなすように形成し、ダイクロイックプリズム4との間にはエアギャップ10が設けられている。ダイクロイック膜4bの主光軸の直交面に対する角度は15°とし、エアギャップ10を設けた面4cの角度は主光軸の直交面に対して−22.5°とされている。
【0099】
このような構成にすることにより、ダイクロイック膜4bで反射された光束はエアギャップ10を設けた面4cで全反射される。このダイクロイック膜4aが赤色R帯域分以下の長波長を反射させるような特性に形成してあれば、図のように赤色R帯域分の電気信号で変調する反射型LCD6Rで受けてON、OFF信号をP偏光、S偏光として返す。青色B帯域分の光束はダイクロイック膜4aを透過し、青色B帯域分の電気信号で変調する反射型LCD6Bで受けてON、OFF信号をP偏光、S偏光として返す。緑色G帯域分とPBS膜3aとの関係は図1の場合と同様で、その他も基本的な考え方は図1の場合と同様である。
【0100】
なお、図13に示す変形例のように、ダイクロイックプリズム4の大きさを小さくするためにダイクロイック膜4aを透過した後のプリズム側も全反射面4dを構成し、光束をそこで折り返して青色B帯域分変調用の反射型LCD6Bに向かわせるようにしてもよい。これによれば、ダイクロイックプリズム4を極力小さくすることができ、装置を一層軽くすることができる。
【0101】
また、図13では青色B帯域分を赤色R帯域分と同じ面になるように構成したが、反射型LCDの信号線の這い回し等の都合で図のように配置できない場合は、図14に示す変形例のように、反対側に反射させて赤色R帯域分と青色B帯域分の反射型LCD6R,6Bを離すようにしてもよい。
【0102】
本発明を適用する光学デバイスの第七の構成例を図15に基づいて説明する。本構成例は、例えば第一の構成例のような構成で、入射側と出射側とを入れ替え、P偏光を照明光とする場合への適用例を示す。P偏光を用いても全く同様の効果が得られる。
【0103】
詳細は省略するが、基本的にはS偏光とP偏光の役割が入れ替わるだけで、図1の構成で説明した内容と同様になる。
【0104】
勿論、今まで説明してきた他の全ての構成例や変形例についても照明光と映像変調光との関係を逆にするだけで同様の目的を果たすことができることは言うまでもない。
【0105】
つづいて、本発明を適用する前のプロジェクタの構成例を図16に基づいて説明する。本構成例は、前述したような構成の光学デバイス1を含む液晶プロジェクタ全体の構成に関する。
【0106】
この液晶プロジェクタは、例えば図15に示したタイプの光学デバイス1及び反射型LCD6R,6G,6Bとともに、光源21を含む照明光学系22と、スクリーン23に対する投射レンズ系24とを含んで構成され、出射側偏光特性フィルタ5と投射レンズ系24との間には偏光板25が介在されている。
【0107】
P偏光による照明光を生成する照明光学系22は、一例として、光源21と回転放物面鏡26と窓27a付きミラー27、偏光変換器28、インテグレータ光学系29(フライアイレンズ板30,31,32〜コンデンサレンズ33)とにより構成されている。この照明光から映像変調光を得る構成として図15に示した構成にPBSプリズム3の出力側にもう一つ出射側偏光特性フィルタ5を挿入した構成をとっている。こうすることにより、R,G,B全部の帯域分がS偏光となるが、各プリズムを通過するうちにP偏光成分も混じってきているのでそれを除去するための偏光板25が付加されている。その出力側に複数の投射レンズ34による投射レンズ系24が配置され、スクリーン23に映像を投射するように構成されている。
【0108】
なお、偏光変換器28は、図16(b)に示すように、PBS膜35と、全反射鏡36と半波長板37との組合わせ構造とされている。
【0109】
このような構成において、まず、光源21は回転放物面鏡26の焦点付近に置いてあるので、光源21で発生した光は回転放物面鏡26でほぼ平行光になり偏光変換器28へ向かう。その間には偏光変換器28の入射窓(変換器中の併設された2個のPBSプリズムの入射端面)とほぼ同形の窓27aを持つ平面鏡27(窓付きミラー)が回転放物面鏡26の主光軸と直交するように配置されており、偏光変換器28に直接入らない前述の平行光は回転放物面鏡26へ戻される。この戻された光は再度、焦点付近を通り、回転放物面鏡26で偏光変換器28へ入射する光として加えられる。偏光変換器28ではPBS膜35と半波長板37との組合せで偏光がランダムな光を(変換効率を考えなければ)全部P偏光に変換する。図16(b)に示すような構成では入射された光束は偏光変換器28の入射側の面積の2倍の面積で出射される。このP偏光に揃えられた光束はフライアイレンズ板30で反射型LCD6R,6G,6Bのアスペクト比(この場合は4:3)で切り出された要素レンズを2次元アレイ状に並べたもので、外形は偏光変換器28の出射側の外形と一致させてある。このフライアイレンズ板30の要素レンズの焦点位置付近にシリンドリカルレンズをフライアイレンズ板30の横アレイの数と一致させた数だけ配置させることで、シリンドリカルレンズアレイ31としている。各シリンドリカルレンズはコンデンサレンズ33と関係させ反射型LCD6R,6G,6Bの横幅全体を照射するような強度で構成してある。その直後にもう一つのシリンドリカルレンズアレイ32を置くが、これはフライアイレンズ板30の縦アレイの数と一致させた数のシリンドリカルレンズを並べてあり、その強度はコンデンサレンズ33と関係させ反射型LCD6R,6G,6Bの縦幅全体を照射するように設定してある。
【0110】
このようにして作られたP偏光による照明光は、図2に示したような特性を持つ偏光特性フィルタ2で緑色G帯域分のみをS偏光に変換されPBSプリズム3に導かれ、PBS膜3aで青色B,赤色Rの帯域の光は透過、緑色G帯域分の光は反射される。反射した緑色G帯域分のS偏光は緑色Gの変調を受け持つ反射型LCD6Gで変調を受け、OFF信号のピクセルではS偏光のままで反射し、ON信号のピクセルではP偏光に変換して反射される。これらの変調された光束は再度、PBS膜3aまで戻される。ここで、S偏光は反射されて光源21の方向へ戻されるが、P偏光は透過してスクリーン23の方向へ向かう。途中、PBSプリズム3の出射側に出射側偏光特性フィルタ5が配設されてており、P偏光がS偏光に変換され、かつ、偏光板25でP偏光成分を取り除いてから投射レンズ系24を経てスクリーン23に向かう。この出射側偏光特性フィルタ5は偏光特性フィルタ2と全く同じものを用いているので緑色G帯域分のみ偏光を変換し、後述する青色B帯域分及び赤色R帯域分の変調済みのS偏光はそのままS偏光で透過させる。その結果、可視光全帯域がS偏光でスクリーン23上に向かう。
【0111】
前述の照明光がPBS膜3aに到達し、透過した青色B,赤色R帯域分の光はダイクロイックプリズム4のダイクロイック膜4aで青色Bの帯域の光は反射されて、青色B帯域分の光の変調を受け持つ反射型LCD6Bに到達し、OFF信号のピクセルではP偏光のままで反射し、ON信号のピクセルではS偏光に変換して反射する。これらの変調された光束は再度、ダイクロイック膜4aまで戻されるが青色B帯域分の光は反射され、PBS膜3aへ向かう。この際、PBS膜3aではON信号のS偏光は反射され、OFF信号のP偏光は透過して光源21の方向へ戻される。PBS膜3aで反射した光は出射側偏光特性フィルタ5及び偏光板25を透過するが、この帯域は偏光変換されないまま投射レンズ系24を通過し、スクリーン23へ投射される。
【0112】
さらに、前述の照明光がPBS膜3aに到達し、透過した青色B,赤色R帯域分の光はダイクロイックプリズム4のダイクロイック膜4aで赤色R帯域分の光は透過し、赤色R帯域分の光の変調を受け持つ反射型LCD6Rに到達し、OFF信号のピクセルではP偏光のままで反射し、ON信号のピクセルではS偏光に変換して反射する。これらの変調された光束は再度、ダイクロイック膜4aまで戻されるが赤色R帯域分の光は透過し、PBS膜3aへ向かう。この際、PBS膜3aではON信号のS偏光は反射され、OFF信号のP偏光は透過して光源21の方向へ戻される。PBS膜3aを透過した光は出射側偏光特性フィルタ5及び偏光板25を透過するが、この帯域は偏光変換されないまま投射レンズ系24を通過し、スクリーン23へ投射される。
【0113】
このようにして、R,G,B各々の帯域の光がスクリーン23上に重畳され所望のカラー画像を形成することができる。
【0114】
本発明の第一の実施の形態を図17に基づいて説明する。本実施の形態は、前述の構成例のように、光学デバイス1を含む液晶プロジェクタ全体の構成に関する。本実施の形態では、偏光特性フィルタ2を光学デバイス1から独立させて照明光学系22中の偏光変換器28とフライアイレンズ板30との間に配設させたものである。これにより、偏光特性フィルタ2によって緑色G帯域の光をS偏光成分光、青色B、赤色す帯域の光をP偏光成分光としてPBSプリズム3に入射させる照明光学系22として構成されている。この際、インテグレータ光学系29での振る舞いは偏光を考慮する必要はないので図16の場合と同様に動作する。コンデンサレンズ33を出た後は偏光特性フィルタ2がないので、PBSプリズム3に入射した後の振る舞いは図16の場合と全く同じである。
【0115】
この照明光自体を帯域毎に偏光を選択的に制御する構成としては、この他、種々の構成を採り得るが、図18に示す変形例のように構成してもよい。図18では、光源21からインテグレータ光学系29までに相当する部分のみを描いている。図17との違いは偏光変換器38の構造と偏光変換器38及び偏光特性フィルタ2の挿入位置である。偏光変換器38は、偏光整列プリズムアレイ39と半波長板37とを用いて構成されている。この変形例では、インテグレータ光学系29中でシリンドリカルレンズアレイ31の後に偏光変換器38を挿入し、その後に偏光特性フィルタ2を挿入している。このような構成にしても、インテグレータ光学系29からの出射光は図17の場合と同じ特性のものを得ることができる。
【0116】
本発明の第二の実施の形態を図19に基づいて説明する。本実施の形態は、図17や図18で説明した場合と同様に、偏光特性フィルタ2を含んで照明光学系22中に介在させるのに適した偏光変換器41に関する。この偏光変換器41は、偏光方向がランダムな入射光中のS偏光成分を外方向に反射させるPBS膜(偏光ビームスプリッタ膜)42aを各々有する一対のPBSプリズム42と、これらのPBS膜42aに対向するPBSプリズム42の反射光出射面に各々設けられた偏光特性フィルタ2と、その出射側に設けられて全反射面43aを有するプリズム43と、全反射面43aで全反射された光が出射するプリズム43の出射面に設けられた半波長板44と、PBSプリズム42において透過光が出射する出射面に設けられた偏光特性フィルタ2とにより構成されている。
【0117】
このような構成において、PBSプリズム42に入射してそのPBS膜42aで反射分離されたS偏光成分中、赤色R,緑色G,青色Bの何れか1つの帯域成分(例えば、緑色G)の偏光のみの偏光方向を偏光特性フィルタ2でP偏光に変換し、全反射面43aで全反射させてから半波長板44で全帯域の偏光を変換している。半波長板44から出射される光は、1つの帯域分(例えば、緑色G)がS偏光成分となり、2つの帯域分がP偏光成分となる。一方、PBSプリズム42に入射してそのPBS膜42aで透過分離されたP偏光成分は単純に偏光特性フィルタ2を通すだけである。よって、P偏光成分中、赤色R,緑色G,青色Bの何れか1つの帯域成分(例えば、緑色G)の偏光のみの偏光方向を偏光特性フィルタ2でS偏光に変換して出射させる。このような構成でも偏光変換器41全体として出射光の特性は一様の特性を持つ。
【0118】
なお、変形例を示す図20のように、半波長板44と偏光特性フィルタ2とを入れ替えた構成としてもよい。この場合、偏光変換器41の出射側に位置する偏光特性フィルタ2は、P偏光成分中、赤色R,緑色G,青色Bの何れか1つの帯域成分の偏光のみの偏光方向をS偏光に変換する偏光変換機能を有していればよい。これにより、1帯域分がS偏光で2帯域分がP偏光の状態で出射される。
なお、この構成は図17に示した「偏光変換器28と偏光特性フィルタ2」の組み合わせと実質的に同じ構成であり、同じ作用をしている。
【0119】
なお、上述した各実施の形態では、PBS膜及びダイクロイック膜の全てをプリズムで保持した構成で説明したが、板状の透明材(いわゆるミラー)で形成しても何ら本発明の本質を損なうものではない。
【0120】
【発明の効果】
請求項1または2記載の発明のプロジェクタによれば、偏光特性フィルタを用いて赤色帯域、緑色帯域及び青色帯域の3帯域の光を2帯域と1帯域とで異なった偏光状態の光とし、その偏光状態の違いにより偏光分離素子で偏光分離し、偏光分離素子で分離された2帯域分を含む偏光成分光についてはダイクロイック膜により帯域分離するようにしたので、3帯域分を同時に分離するようなダイクロイック膜がクロスした複雑な構成を採る必要がなく、単一の偏光分離膜やダイクロイック膜を利用する簡単な構成にして赤色帯域、緑色帯域及び青色帯域の3帯域の光を分離でき、フレア光の問題も解消して、コントラストの高い投射画像を得ることができる。
【0121】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載のプロジェクタにおいて、偏光特性フィルタと偏光分離素子とダイクロイック素子とが一体に設けられているので、既存のプロジェクタにおいて、各色成分光の分離部分をこの一体化構成の光学デバイスで置き換えることにより、所期の目的を簡単に達成することができる。
【0123】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明を実現する具体例の一例を呈示するものてあるが、特に、その帯域特性からして、照明光と変調後の映像光との間の光の利用効率を低下させることのないプロジェクタを提供することができる。
【0124】
請求項5記載の発明によれば、請求項3記載の発明を実現する具体例の一例が呈示される。
【0125】
請求項6記載の発明によれば、請求項3記載の発明を実現する具体例の一例が呈示される。
【0130】
請求項7記載の発明によれば、請求項4記載の発明を実現する上で、光源としてキセノンランプを用いることにより、可視光全域がほぼフラットなスペクトル分布特性を有するため、好適となる。
【0131】
請求項8記載の発明によれば、請求項5記載の発明を実現する上で、光源として高圧水銀ランプを用いることにより、青色B帯域の光量が多く、緑色G帯域付近にピークがあるが赤色R帯域の光量が少ない発光特性を有するため、好適となる。
【0132】
請求項9記載の発明によれば、請求項6記載の発明を実現する上で、光源としてLED又はハロゲンランプを用いることにより、赤色R、緑色G、青色Bと段々に発光効率が低下する発光特性を有するため、好適となる。
【0133】
請求項10記載の発明によれば、、請求項4,5,又は6記載の発明を実現する上で、光源としてメタルハライドランプを用いることにより、封入する分子によりスペクトル分布を或る程度コントロールできるので、何れのタイプにも好適となる。
【0134】
請求項11記載の発明によれば、請求項1ないし10の何れか一記載のプロジェクタにおいて、照明光の主光軸の直交面に対するダイクロイック膜の角度を極力小さくしたので、ダイクロイック膜での2帯域分の分離特性をより向上させることができる。
【0135】
請求項12記載の発明によれば、エアギャップによる全反射を利用することにより請求項11記載の発明を容易に実現できる。
【0136】
請求項13記載の発明によれば、偏光分離素子とダイクロイック素子との間を前記偏光分離素子の材料とほぼ同等の光学的密度を有する接着剤により接着した構成とすることにより請求項11記載の発明を容易に実現できる。
【0137】
請求項14記載の発明によれば、請求項1ないし13の何れか一に記載のプロジェクタにおいて、出射側偏光特性フィルタを利用することで変調映像光の偏光方向を揃えることができ、偏光特性を利用したスクリーンに投射する場合に好適となる。
【0138】
請求項15記載の発明によれば、請求項14記載のプロジェクタにおいて、出射側偏光特性フィルタの出力側に偏光板を備えることにより、光路の途中で偏光の乱れを生じた場合にもカットできるため、スクリーン上のコントラストを一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の構成例における要部の光学デバイスの構成例を示す平面図である。
【図2】その偏光特性フィルタの光学的特性を示す特性図である。
【図3】そのダイクロイック膜の光学的特性を示す特性図である。
【図4】本発明の第二の構成例における要部の光学デバイスの構成例を示す平面図である。
【図5】その偏光特性フィルタの光学的特性を示す特性図である。
【図6】そのダイクロイック膜の光学的特性を示す特性図である。
【図7】本発明の第三の構成例における要部の光学デバイスの構成例を示す平面図である。
【図8】その偏光特性フィルタの光学的特性を示す特性図である。
【図9】そのダイクロイック膜の光学的特性を示す特性図である。
【図10】本発明の第四の構成例における要部の光学デバイスの構成例を示す平面図である。
【図11】本発明の第五の構成例における要部の光学デバイスの構成例を示す平面図である。
【図12】本発明の第六の構成例における要部の光学デバイスの構成例を示す平面図である。
【図13】その変形例における要部の光学デバイスの構成例を示す平面図である。
【図14】その異なる変形例における要部の光学デバイスの構成例を示す平面図である。
【図15】本発明の第七の構成例における要部の光学デバイスの構成例を示す平面図である。
【図16】本発明を適用する前の液晶プロジェクタの構成例を示す平面図である。
【図17】本発明の第一の実施の形態における液晶プロジェクタの構成例を示す平面図である。
【図18】その変形例を示す要部の平面図である。
【図19】本発明の第二の実施の形態における偏光変換器の構成例を示す平面図である。
【図20】本発明の実施の形態の変形例における偏光変換器の構成例を示す平面図である。
【図21】従来例を示す平面図である。
【符号の説明】
2 偏光特性フィルタ
3 偏光分離素子
4 ダイクロイック素子
4a ダイクロイック膜
5 出射側偏光特性フィルタ
6R,6G,6B 画像形成部材
8 エアギャップ
9 接着剤
10 接着剤
21 光源
22 照明光学系
23 スクリーン
24 投射レンズ系
25 偏光板
41 偏光変換器
42a 偏光ビームスプリッタ膜
44 半波長板
51 偏光変換器

Claims (15)

  1. 照明光を発する光源と、P偏光成分光とS偏光成分光とを分離する偏光ビームスプリッタ膜を備える一対の偏光ビームスプリッタプリズムと、該偏光ビームスプリッタプリズムの反射光出射面に設けられ、前記偏光ビームスプリッタ膜により分離されたS偏光成分光に関する赤色帯域、緑色帯域及び青色帯域の3帯域分の光のうちの何れか1帯域分をP偏光成分光に変換する特性を有する第一の偏光特性フィルタと、該第一の偏光特性フィルタ出射側に設けられて、全反射面を有するプリズムと、該全反射面で全反射された光が出射するプリズムの出射面に設けられ、前記第一の偏光特性フィルタを通過する3帯域分の光の偏光方向を変換する半波長板と、前記偏光ビームスプリッタプリズムの透過光が出射する出射面に設けられ、前記偏光ビームスプリッタ膜により分離されたP偏光成分光に関する赤色帯域、緑色帯域及び青色帯域の3帯域分の光のうちの前記1帯域分をS偏光成分光に変換する特性を有する第二の偏光特性フィルタ(以下、第一および第二の偏光特性フィルタを総称して単に偏光特性フィルタと呼ぶ)とを備えた偏光変換器と、
    を有する照明光学系と、
    前記偏光変換器を通過したP偏光成分光とS偏光成分光とを分離する偏光分離素子と、
    この偏光分離素子により分離された偏光成分光のうちで2帯域分を含む偏光成分光について各々の帯域成分光に分離するダイクロイック膜を有するダイクロイック素子と、
    これらの偏光分離素子とダイクロイック膜とにより3帯域分に分離された赤色帯域、緑色帯域及び青色帯域の3帯域の光毎に偏光状態を変調させることにより投射すべき映像を形成する3枚の反射型の画像形成部材と、
    これらの画像形成部材により形成された映像をスクリーン上に投射する投射レンズ系と、
    を備えるプロジェクタ。
  2. 照明光を発する光源と、P偏光成分光とS偏光成分光とを分離する偏光ビームスプリッタ膜を備える一対の偏光ビームスプリッタプリズムと、該偏光ビームスプリッタプリズムの反射光出射面に設けられ、前記偏光ビームスプリッタ膜により分離されたS偏光成分光P偏光成分光に変換する半波長板と、該半波長板の透過側に設けられて、全反射面を有するプリズムと、該全反射面で全反射された光が出射するプリズムの出射面と、前記偏光ビームスプリッタ膜を透過したP偏光成分光が出射する出射面とに共通に設けられ、前記それぞれの出射面から出射するP偏光成分光に関する赤色帯域、緑色帯域及び青色帯域の3帯域分の光のうちの何れか1帯域分をS偏光成分光に変換する特性を有する偏光特性フィルタを備えた偏光変換器と、を有する照明光学系と
    前記偏光変換器を通過したP偏光成分光とS偏光成分光とを分離する偏光分離素子と、
    この偏光分離素子により分離された偏光成分光のうちで2帯域分を含む偏光成分光について各々の帯域成分光に分離するダイクロイック膜を有するダイクロイック素子と、
    これらの偏光分離素子とダイクロイック膜とにより3帯域分に分離された赤色帯域、緑色帯域及び青色帯域の3帯域の光毎に偏光状態を変調させることにより投射すべき映像を形成する3枚の反射型の画像形成部材と、
    これらの画像形成部材により形成された映像をスクリーン上に投射する投射レンズ系と、
    を備えるプロジェクタ。
  3. 前記偏光分離素子と前記ダイクロイック素子とが一体に設けられている請求項1又は2記載のプロジェクタ。
  4. 前記偏光変換器を出射したS偏光成分光は、緑色帯域分とし、前記ダイクロイック膜は同一偏光成分光の青色帯域分と赤色帯域分とを帯域分離する特性を有する請求項3記載のプロジェクタ。
  5. 前記偏光変換器を出射したS偏光成分光は、赤色帯域分とし、前記ダイクロイック膜は同一偏光成分光の青色帯域分と緑色帯域分とを帯域分離する特性を有する請求項3記載のプロジェクタ。
  6. 前記偏光変換器を出射したS偏光成分光は、青色帯域分とし、前記ダイクロイック膜は同一偏光成分光の緑色帯域分と赤色帯域分とを帯域分離する特性を有する請求項3記載のプロジェクタ。
  7. 前記光源がキセノンランプである請求項4記載のプロジェクタ。
  8. 前記光源が高圧水銀ランプである請求項5記載のプロジェクタ。
  9. 前記光源がLED又はハロゲンランプである請求項6記載のプロジェクタ。
  10. 前記光源がメタルハライドランプである請求項4,5,又は6記載のプロジェクタ。
  11. 前記ダイクロイック膜が、前記照明光の主光軸の直交面に対して45°以下に形成されている請求項1ないし10の何れか一記載のプロジェクタ。
  12. 前記偏光分離素子と前記ダイクロイック素子との間に前記ダイクロイック膜で反射された光成分を全反射させるエアギャップが設けられている請求項11記載のプロジェクタ。
  13. 前記偏光分離素子と前記ダイクロイック素子との間が前記偏光分離素子の材料とほぼ同等の光学的密度を有する接着剤により接着されている請求項11記載のプロジェクタ。
  14. 投射レンズ系に対する出射光路上に、前記偏光特性フィルタと同一特性を有する出射側偏光特性フィルタを備える請求項1ないし13の何れか一に記載のプロジェクタ。
  15. 前記出射側偏光特性フィルタの出力側に偏光板を備える請求項14記載のプロジェクタ。
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