JP4047615B2 - 磁気記憶装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気記憶装置に関し、磁気トンネル抵抗素子を個々のメモリセルに使用する不揮発性メモリアレイを有した磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁体を2つの強磁性体で挟んだ構造を磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction:MTJ)と呼称する。
【0003】
図39に、MTJの概略図を示す。図39において、強磁性体層FM1およびFM2の間に絶縁層TBが挟まれている。強磁性体層FM1およびFM2には、それぞれ端子T1およびT2を介して端子電圧が印加される構成となっており、端子T1とT2との間の抵抗を、磁気トンネル抵抗素子の抵抗と呼称する。
【0004】
この構造において、絶縁層TBをトンネルする電流を測定すると、2つの強磁性体層の磁化の向きによって電流値が異なる現象、すなわち磁気トンネル抵抗素子の抵抗が異なる現象が観測される。なお、絶縁層TBの代わりに非磁性体層を用いても良い。
【0005】
この現象はトンネル磁気抵抗(Tunnel Magnetic Resistance:TMR)効果と呼称される。
【0006】
<トンネル磁気抵抗効果>
図40および図41を用いて、トンネル磁気抵抗効果の概念を説明する。
図40は、強磁性体層FM1およびFM2において、磁化ベクトルの方向が一致する状態(平行状態:Parallel)を示しており、この場合には端子T1およびT2間の抵抗は最小となる。
【0007】
図41は、強磁性体層FM1とFM2とで磁化ベクトルの方向が180°異なる状態(反平行状態:Antiparallel)を示しており、この場合には端子T1およびT2間の抵抗は最大となる。
【0008】
従って、強磁性体層FM1およびFM2のうち、一方の磁化ベクトルの方向を固定し、他方の磁化ベクトルの方向を、一方と同じか、正反対の方向に任意に変更可能な構成とすることで、2つの強磁性体層の磁化方向を、ビット0あるいはビット1に対応させて、情報を記憶する装置がMRAM(Magnetic Random Access Memory)である。
【0009】
すなわち、2つの強磁性体層の磁化方向の2つの組み合わせのうち、抵抗が高い方の組み合わせをビット1、抵抗が低い方の組み合わせをビット0、あるいはこれらの逆に設定することで、情報の記憶が可能となる。
【0010】
図42に、トンネル磁気抵抗効果を利用したスピンバルブ型磁気トンネル接合素子の基本構成を示す。
【0011】
図42において、強磁性体層FM1およびFM2の間に絶縁層(非磁性体層でも可)TBが挟まれ、強磁性体層FM2の下部には反強磁性体層AFMが配設されている。
【0012】
ここで、強磁性体層FM2を保磁力が大きなCoFeを用いて構成し、強磁性体層FM1を保磁力が比較的小さなパーマロイを用いて構成し、反強磁性体層AFMをIrMnで構成することで、反強磁性体層AFMによって強磁性体層FM2の磁化の方向が固定され、また強磁性体層FM2は保磁力が大きいので、外部磁場に対して磁化の方向が反転しにくくなっている。一方、強磁性体層FM1は、外部磁場により磁化の方向を変えやすいので、外部磁場によって強磁性体層FM1の磁化の方向を変えることで、磁気トンネル抵抗素子の抵抗を変えることができる。
【0013】
MRAM技術は汎用性があり、また低コストでもあるので、フラッシュメモリ、SRAM(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)等のメモリ技術に代えて使用することが検討されている。
【0014】
<MRAMの構成例>
MRAMにおいて、メモリセルを構成する磁気トンネル抵抗素子に記憶された情報は、セルに所定の電流を流して、磁気トンネル抵抗素子の両端電圧をセンスすることにより読み出すことができる。従って、トンネル磁気抵抗(TMR)の変化率(TMRR)が大きいほどセンスしやすいので、スピン分極率(トンネル確率に影響を及ぼす)が大きな強磁性体材料がMRAMに有利である。
【0015】
また、MRAMの磁気トンネル抵抗素子への情報の書き込みは、配線(ワード線およびビット線)に所定の電流を流して発生する磁場により、2つの強磁性体層のうち、一方の磁化ベクトルの方向を決定することで行う。
【0016】
以下、MRAMの一例として、米国特許USP5,793,697およびUSP5,640,343に開示のMRAMの構造および動作について、図43〜図46を用いて説明する。
【0017】
図43はMRAMセルアレイとセルを示す斜視図である。図43において、互いに平行に配設されたワード線1、2および3の上部において交差するように、ビット線4、5および6が互いに平行に配設されている。
【0018】
そして、ワード線およびビット線で挟まれる各交点にMRAMセル(以後、単にセルと呼称する場合もあり)9が形成されている。図43において拡大図として示すように、MRAMセル9はワード線の上にシリコンpn接合ダイオード7と磁気トンネル接合素子(MTJ)8が積層された構造である。
【0019】
図44はMRAMセル9の断面構造を示す模式図である。なお、図44においてはワード線3上のMRAMセル9を例示しており、シリコン基板80の上にワード線3が配設され、その上にn+シリコン層10とp+シリコン層11が積層され、pn接合ダイオード7が形成されている。pn接合ダイオード7はシリコン酸化膜13等の絶縁膜で被覆される。
【0020】
そして、pn接合ダイオード7の上部にはタングステンスタッド12が配設され、pn接合ダイオード7はタングステンスタッド12を介してMTJ8に電気的に接続されている。なお、シリコン酸化膜13はタングステンスタッド12も覆うように配設され、タングステンスタッド12とシリコン酸化膜13の表面はCMP(Chemical Mechanical Polishing)で平坦化されている。
【0021】
MTJ8は積層構造であり、下から順に、白金(Pt)で構成されるテンプレート層15(膜厚10nm)、Ni81Fe19のパーマロイで構成される初期強磁性体層16(膜厚4nm)、Mn54Fe46で構成される反磁性体層18(膜厚10nm)、CoFeあるいはNi81Fe19のパーマロイで構成され、磁化方向が固定された強磁性体層(FMF層)20(膜厚8nm)、Al2O3で構成されるトンネルバリア層22、膜厚2nmのCoFeと膜厚20nmのNi81Fe19の多層膜で構成されるソフト強磁性体層(FMS層)24、Ptで構成されるコンタクト層25を備えている。
【0022】
なお、トンネルバリア層22は、膜厚1〜2nmのAlを堆積後、プラズマ酸化法により100mTorrの酸素圧力下で25W/cm2のパワー密度で60〜240秒間処理して形成される。
【0023】
また、図44には示さないが、実際には基板80上のシリコン酸化膜13の全面に1つの大きなMTJを形成し、これをフォトレジストマスクを用いてアルゴンイオンミリングでパターニングして、図44に示す小さなMTJ8を複数形成する。個々のMTJ8はシリコン酸化膜26で被覆されている。また、図44には示されていないが、コンタクト層25はビット線に接続する。
【0024】
MTJ8の磁気トンネル抵抗は、先に説明したようにソフト強磁性体層24の磁化の方向が、強磁性体層20の磁化の方向と同じである場合と、反対方向を向いている場合とで異なる。ソフト強磁性体層24の磁化の方向は、ビット線とワード線を流れる電流により生成された磁場で変化させることができる。
【0025】
また、MTJ8の磁気トンネル抵抗は、トンネルバリア層22の膜厚、および、そのバリアハイトと、接合の下の界面のラフネス等の膜の材質特性にも大きく依存する。
【0026】
ソフト強磁性体層24は、イージーアクシス(easy axis)と呼称される磁化の容易な方向を持つように形成される。このイージーアクシスに沿う磁化の方向は2方向となり、それぞれメモリセルの0および1の2つのデータに対応させることができる。
【0027】
一方、強磁性体層20は、磁化の方向がソフト強磁性体層24のイージーアクシスと同じで、かつ、MRAMの動作状態によらず方向を変えないように形成される。
【0028】
この磁化の方向を固定磁化の方向(unidirectional anisotropy directionの便宜的な訳語)と言う。ソフト強磁性体層24のイージーアクシスは、MTJ8の真性異方性(intrinsic anisotropy)、応力誘起異方性(stress induced anisotropy)、形状に起因する異方性を組み合わせて定められる。
【0029】
ここで、真性異方性とは、強磁性体が有する物性本来の磁化の異方性を意味し、応力誘起異方性とは、強磁性体に応力を加えた場合に生じる磁化の異方性を意味する。
【0030】
また、図43に示すように、MTJ8は平面視形状が、長辺長さL、短辺長さWの長方形状をしている。これは、MTJ8の形状に起因する異方性を利用して、ソフト強磁性体層24のイージーアクシスを定めているためである。
【0031】
次に、強磁性体層20の固定磁化の方向の設定方法を説明する。テンプレート層15上に堆積形成される初期強磁性体層16は、結晶方位が{111}方位となる面({111}面)を上にして成長する。また、MnFeで構成される反磁性体層18は、初期強磁性体層16の上に堆積される。
【0032】
これらの磁性体層は、後に堆積されるソフト強磁性体層24のイージーアクシスの方向と同じ方向に向いた磁場の下で堆積され、これにより、強磁性体層20の固定磁化の方向が定められる。
【0033】
また、強磁性体層20と反磁性体層18との間で磁束が閉じるために、強磁性体層20の磁化の方向は、ソフト強磁性体層24のそれよりも、外部磁場によって方向を変えにくくなり、ワード線とビット線を流れる電流により発生する磁場の大きさの範囲では、強磁性体層20の磁化の方向は固定される。さらに、MTJ8の平面視形状を長方形にしているため、強磁性体層20の形状に起因する磁化異方性が発生し、このことも強磁性体層20の磁化の方向の安定に貢献している。
【0034】
<MRAMの書き込み/読み出し動作の概要>
図43および図44に示すMRAMの書き込みおよび読み出し動作について説明する。
【0035】
アドレス選択を行うためのワード線およびビット線(選択ワード線および選択ビット線と呼称)に所定の電流を流すと、各線の周りに磁場が発生し、両線の交差部(選択アドレス)では各磁場が結合した結合磁場が発生する。この磁場が印加されると両線の交差部に設置されているMTJ8のソフト強磁性体層24の磁化の方向が層の面内で回転し、データの書き込みが行われる。
【0036】
この磁場の大きさはソフト強磁性体層24のスイッチング磁場(磁化の方向が反転し始める磁場)よりも大きくなるように設計され、主にソフト強磁性体層24の保磁力と磁化異方性で決まる。
【0037】
また、選択ワード線および選択ビット線の周囲に発生する磁場は、強磁性体層20の固定磁化の方向を回転させないように、十分小さく設計しなければならない。なぜならば、半選択(Half select)セルの磁化の方向を変えないためである。なお、半選択セルとは、その上下に位置するワード線およびビット線の一方にしか電流が流れていないセルである。
【0038】
このように、メモリセルアレイのアーキテクチャは、書き込み時の消費電力を低減するため、書き込み電流がMTJ8に直接に流れないように設計される。
【0039】
また、MRAMセル9に書き込まれたデータは、pn接合ダイオード7とMTJ8とを垂直に流れる電流をセンスすることにより読み出される。なお、動作時にはMRAMセル9中をトンネル電流が縦に流れるので、MRAMセル9の占有面積を小さくすることができる。
【0040】
MTJ8のAl2O3で構成されるトンネルバリア層22の抵抗は、膜厚に対してほぼ指数関数的に変化する。すなわち、トンネルバリアを流れる電流は膜厚が厚くなると低減し、接合をトンネルする電流だけが接合に対して垂直に流れる。
【0041】
そして、MRAMセル9のデータは、書き込み電流よりもはるかに小さいセンス電流がMTJ8を垂直に流れるときに発生するMRAMセル9の電圧をモニタすることで読み出される。
【0042】
先に説明したように、MTJ8のトンネル確率は、始状態におけるソフト強磁性体層24中のスピンの極性と同じ極性のスピンの状態密度が、終状態における強磁性体層20中において多く存在するほど増加する。
【0043】
従って、MTJ8の磁気トンネル抵抗は、ソフト強磁性体層24と強磁性体層20のスピンの状態が同じである場合、すなわち、磁化の方向が両層で同じである場合には低く、磁化の方向が反対である場合には高くなる。それゆえ、MTJ8の抵抗を微小電流でモニタすればMRAMセル9のデータを読み出すことができる。
【0044】
なお、センス電流が発生する磁場は無視でき、MRAMセル9の磁化の状態に影響を与えない。また、MRAMセル9の読み出し/書き込みに必要な配線は、図43に示したビット線とワード線のアレイのみであるので、効率の良いメモリセルアレイを構成することができる。
【0045】
<書き込み動作>
以下、MRAMの書き込み動作について図45および図46を用いてさらに説明する。
【0046】
図45は、図43に示すメモリセルアレイの等価回路図であり、ワード線1〜3の両端は、それぞれワード線制御回路33接続され、ビット線4〜6の両端は、それぞれビット線制御回路31に接続されている。なお、図46の説明の便宜を図るため、ワード線1〜3をワード線WL1〜WL3、ビット線4〜6をビット線BL4〜BL6として示す場合もある。
【0047】
そして、ワード線1〜3およびビット線4〜6の交点には、抵抗記号で表されるMTJ8およびダイオード記号で表されるpn接合ダイオード7が配設されている。
【0048】
ここで、ワード線1およびビット線4を選択する場合を想定すると、両者の交点に位置するMRAMセル9aが選択される。
【0049】
選択されたMRAMセル9aは、ビット線4を流れる電流IBと、ワード線1を流れる電流IWにより発生した結合磁場で書き込まれる。
【0050】
電流IBおよびIWのどちらか一方がセル領域内で単独に発生する磁場は、MTJ8のソフト強磁性体層24の磁化の方向を変えるのに必要な磁場よりも小さい。
【0051】
それゆえ、半選択セルであるMRAMセル9b〜9e(ワード線およびビット線に、電流IBかIWのどちらか一方しか流れないセル)には書き込みは行われない。
【0052】
しかしながら、電流IBおよびIWによる磁場が結合されると、選択されたメモリセル9aのソフト強磁性体層24の磁化の方向を変えるのに十分な大きさとなる。
【0053】
なお、セル9aのソフト強磁性体層24の磁化方向を、相反する2つの異なる磁化方向にできるように、電流IBおよびIWの少なくとも一方は、双方向に流れるように設計される。なお、図45においては、ビット線制御回路31もワード線制御回路33も2つペアで構成されているので、電流IBおよびIWは両方とも、電流の向きを変えることができる。
【0054】
図46はビット線4〜6(ビット線BL4〜BL6)およびワード線1〜3(ワード線WL1〜WL3)の電圧および電流のタイミングチャートを示している。
【0055】
図46に示すように、書き込み時のビット線BL4〜BL6の電圧は、電流を双方向に流すのに都合が良い電圧Vbに設定される。また、ワード線WL1〜WL3の電圧は電圧Vbより大きく、かつ、正の電圧Vwに設定される。
【0056】
スタンバイ時には、これらの電圧は全てのセル9のpn接合ダイオード7に逆バイアスがかかるように設定される。従って、スタンバイ時に電流IBおよびIWがメモリセル内を流れることはない。
【0057】
<読み出し動作>
次に、MRAMの読み出し動作について図45および図46を用いてさらに説明する。図46に示すようにワード線WL1の電圧をVwからVbに下げ、ビット線BL4の電圧をVbからVwに上げて、選択されたセル9aのpn接合ダイオード7に順バイアスを印加する。
【0058】
読み出し中は、非選択ビット線5および6はスタンバイ電圧Vbのままであり、非選択ワード線WL2および3はスタンバイ電圧Vwのままである。
【0059】
なお、半選択セル9b〜9eにおいてはワード線からビット線への電圧降下がない(すなわち、pn接合ダイオード7に0Vが印加される)ので、セル内を電流が流れることはない。
【0060】
選択セル9aの磁気トンネル抵抗により、ビット線BL4からセル9aを通ってワード線WL1へ流れるセンス電流30(図45参照)の大きさが決定される。ビット線制御回路31の一部を構成するセンス回路において、セルの2つの状態に対応して予測される2つの電流値の平均値を参照電流とし、センス電流と比較する。そして、両電流の差を増幅して、選択セル9aに蓄えられているデータを読み出す。
【0061】
なお、図45のセンス電流30の波形に示すように、センス電流30は、MTJ8の2つの磁化状態に相当する2種類の電流波形を呈する。
【0062】
データ読み出し後、ビット線BL4とワード線WL1の電圧は、それぞれのスタンバイ値に戻されるが、メモリセル9aの磁化状態は、読み出し動作後も維持される。
【0063】
<MRAMメモリセルアレイの構成例>
図47に、米国特許USP6,272,040“System and Method for programming a magnetoresistive memory device ”に開示されているMRAMメモリセルアレイの構成を模式的に示す。
【0064】
図47は、MRAMメモリセルアレイの一部の構成を示し、磁気トンネル抵抗素子MR91、MR92、MR93およびMR94のそれぞれを有する、4つのメモリセルを示している。
【0065】
磁気トンネル抵抗素子MR91およびMR92は、それぞれのビット線端子が列メモリ線(column memory line)C1に共通に接続され、列メモリ線C1は、Nチャネル型のMOSトランジスタQ91を介して参照電源VR91に電気的に接続される構成となっている。
【0066】
さらに、磁気トンネル抵抗素子MR91およびMR92のセレクト線端子は、それぞれ、Nチャネル型のMOSトランジスタQ93およびQ94を介して出力線D1に共通に接続され、出力線D1は出力バッファB91に接続されている。
【0067】
そして、磁気トンネル抵抗素子MR91およびMR92のそれぞれのディジット線端子は、メモリ線R91に共通に接続され、メモリ線R91は電流源S93に接続されている。
【0068】
また、磁気トンネル抵抗素子MR93およびMR94は、それぞれのビット線端子が列メモリ線C2に共通に接続され、列メモリ線C2は、Nチャネル型のMOSトランジスタQ92を介して参照電源VR91に電気的に接続される構成となっている。
【0069】
さらに、磁気トンネル抵抗素子MR93およびMR94のセレクト線端子は、それぞれ、Nチャネル型のMOSトランジスタQ95およびQ96を介して出力線D2に共通に接続され、出力線D2は出力バッファB91に接続されている。出力線D1とD2との接続ノードをノードN1とする。
【0070】
そして、磁気トンネル抵抗素子MR93およびMR94のそれぞれのディジット線端子は、メモリ線R92に共通に接続され、メモリ線R92は電流源S94に接続されている。
【0071】
ここで、列メモリ線C1およびC2は、それぞれ双方向電流源(bidirectional current source)S91およびS92に接続されている。
【0072】
双方向電流源S91およびS92は、それぞれグランド(GND)と列メモリ線C1およびC2との間に配設され、3パターンの動作が可能な電源である。すなわち、双方向電流源S91を例に採れば、制御信号C91が+の場合には、例えば、列メモリ線C1に図面に向かって右方向へ電流を流し、制御信号C91が−の場合では、左方向へ電流を流す。また、制御信号C91が+でも−でもない状態では、双方向電流源S91は動作せず、スタンバイの状態を保つ。
【0073】
次に、図47を参照して、MRAMメモリセルアレイの動作について説明する。
【0074】
電流源S93は、信号RR1に従って、中間レベル(medium level)としきい値レベル(threshold level)の電流をメモリ線R91に流す。なお、メモリ線R91には一方向しか電流が流れない。
【0075】
ここで、しきい値レベルの電流とは、強磁性体の磁化の方向を反転するのに必要な磁場を発生する電流の大きさを指し、中間レベル(medium level)の電流とは、強磁性体の磁化の方向を反転させない程度の電流の大きさを指す。
【0076】
MOSトランジスタQ91およびQ92は、何れも書き込み/読み出し制御信号R/Wを受信し、制御信号R/Wに応じて、列ビット線C1およびC2に参照電圧Vrefを印加するスイッチの働きをする。
【0077】
磁気トンネル抵抗素子MR91の情報を読み出す場合、まず、MOSトランジスタQ1に読み出し制御信号が与えられ、MOSトランジスタQ91がオンし、列ビット線C1に参照電圧Vrefが印加される。
【0078】
続いて、MOSトランジスタQ93がオンし、磁気トンネル抵抗素子に電流が流れる。その他のMOSトランジスタはオフ状態にあるので、ノードN1には、磁気トンネル抵抗素子MR1を流れた電流が流れる。ここで、磁気トンネル抵抗素子MR1の電流値は、磁気トンネル抵抗素子MR1に保持された情報、すなわちトンネル磁気抵抗値で決定される。
【0079】
そして、ノードN1へ流れた電流がバッファB91で増幅されて出力電流Ioutとして出力され、図示しないセンスアンプにより、電流あるいは電圧でセンスされて、磁気トンネル抵抗素子MR1に保持された情報が、0であるか1であるかが判定されることになる。
【0080】
磁気トンネル抵抗素子MR91にデータを書き込む場合には、制御信号C91と信号RR1とがオンになり、列ビット線C1およびメモリ線R91に電流が流れる。
【0081】
磁気トンネル抵抗素子MR91に書き込む情報(0または1)は、列ビット線C1を流れる電流Ic1の向きによって決まる。そして、電流Ic1の向きを制御するのが、双方向電流源S91に与えられる制御信号C91である。
【0082】
そして、双方向電流源S91から供給される電流Ic1と、電流源S93から供給される電流IR1が、磁気トンネル抵抗素子MR91の近傍で交番磁場を発生させ、抵抗素子MR91を構成する、強磁性体の磁化ベクトルの方向を決定する。
【0083】
このような、読み出し、書き込みの動作は磁気トンネル抵抗素子MR92〜MR94においても同じである。
【0084】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した従来のMRAMにおいては、同じビット線に接続されている異なるアドレスのメモリセルの情報を同時に読み出すことができなかった。
【0085】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、同じビット線に接続されている、異なるアドレスのメモリセルの情報を任意のタイミングで読み出すことが可能なMRAMを提供することを目的とする。
【0086】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1記載の磁気記憶装置は、複数のビット線と、複数のワード線と、磁気トンネル接合素子とを少なくとも有するメモリセルを複数、マトリックス状に配列して構成されるメモリセルアレイを備えた磁気記憶装置であって、前記メモリセルは、対をなす第1および第2のビット線に電気的に接続され、前記磁気トンネル接合素子に対する情報の読み出しのための電流経路として少なくとも機能する第1の電流経路を有し、前記第1の電流経路は、前記第1の電流経路内に配設された第1および第2のスイッチ素子を有し、前記第1のスイッチ素子は、前記第1のビット線と前記磁気トンネル接合素子との電気的な接続、非接続を制御し、前記第2のスイッチ素子は、前記第2のビット線と前記磁気トンネル接合素子との電気的な接続、非接続を制御するように配設され、前記第1の電流経路は、前記磁気トンネル接合素子に対する情報の書き込みのための電流経路としても機能し、前記メモリセルは、前記磁気トンネル接合素子に対する情報の書き込みおよび読み出しのための電流経路として機能する第2の電流経路をさらに有し、前記第1および第2の電流経路は非接触で平面視的に直交して配設され、前記磁気トンネル接合素子は、前記第1と第2の電流経路との間に電気的に接続され、前記メモリセルアレイは同時に2つ以上のアクセスを許容する。
【0088】
本発明に係る請求項2記載の磁気記憶装置は、前記メモリセルが、対をなす第3および第4のビット線に電気的に接続され、前記磁気トンネル接合素子に対する情報の書き込みおよび読み出しのための電流経路として機能する第3の電流経路をさらに有し、前記第3の電流経路は、前記第3の電流経路内に配設された第3および第4のスイッチ素子を有し、前記第3のスイッチ素子は、前記第3のビット線と前記磁気トンネル接合素子との電気的な接続および非接続を制御し、前記第4のスイッチ素子は、前記第4のビット線と前記磁気トンネル接合素子との電気的な接続および非接続を制御するように配設される。
【0089】
本発明に係る請求項3記載の磁気記憶装置は、マトリックス状に配列された複数の前記メモリセルのうち、ビット列が異なり隣り合って配置された前記メモリセルどうしは、その間に配設された前記第1および第2のビット線の少なくとも一方を共有する。
【0090】
本発明に係る請求項4記載の磁気記憶装置は、前記第1および第2のスイッチ素子は、それぞれ第1および第2のワード線から与えられる制御信号に基づいて開閉動作する。
【0091】
本発明に係る請求項5記載の磁気記憶装置は、前記第1および第2のスイッチ素子が、それぞれ第1および第2のワード線から与えられる制御信号に基づいて開閉動作し、前記第3および第4のスイッチ素子は、それぞれ第3および第4のワード線から与えられる制御信号に基づいて開閉動作する。
【0092】
本発明に係る請求項6記載の磁気記憶装置は、前記第1および第2のスイッチ素子が、第1のワード線から与えられる制御信号に基づいて開閉動作し、前記第3および第4のスイッチ素子は、それぞれ第2および第3のワード線から与えられる制御信号に基づいて開閉動作する。
【0093】
本発明に係る請求項7記載の磁気記憶装置は、前記第2の電流経路に接続される、電圧源および電流源をさらに備え、前記第2の電流経路に対する、前記電圧源からの電圧供給および前記電流源からの電流供給は、選択的に行われる。
【0094】
本発明に係る請求項8記載の磁気記憶装置は、前記メモリセルが、第3のビット線に電気的に接続され、前記磁気トンネル接合素子に対する情報の読み出しのための電流経路として機能する第3の電流経路をさらに有し、前記第3の電流経路は、前記第3の電流経路内に配設された第3のスイッチ素子を有し、前記第3のスイッチ素子は、前記第3のビット線と前記磁気トンネル接合素子との電気的な接続および非接続を制御するように配設される。
【0095】
本発明に係る請求項9記載の磁気記憶装置は、前記第1および第2のスイッチ素子は、第1のワード線から与えられる制御信号に基づいて開閉動作し、前記第3のスイッチ素子は、第2のワード線から与えられる制御信号に基づいて開閉動作する。
【0096】
本発明に係る請求項10記載の磁気記憶装置は、複数のビット線と、複数のワード線と、磁気トンネル接合素子とを少なくとも有するメモリセルを複数、マトリックス状に配列して構成されるメモリセルアレイを備えた磁気記憶装置であって、前記メモリセルは、対をなす第1および第2のビット線に電気的に接続され、前記磁気トンネル接合素子に対する情報の読み出しのための電流経路として少なくとも機能する第1の電流経路を有し、前記第1の電流経路は、前記第1の電流経路内に配設された第1および第2のスイッチ素子を有し、前記第1のスイッチ素子は、前記第1のビット線と前記磁気トンネル接合素子との電気的な接続、非接続を制御し、前記第2のスイッチ素子は、前記第2のビット線と前記磁気トンネル接合素子との電気的な接続、非接続を制御するように配設され、前記メモリセルが、前記磁気トンネル接合素子に対する情報の書き込みのための電流経路として機能する第2の電流経路と、前記磁気トンネル接合素子に対する情報の書き込みに際して、前記磁気トンネル接合素子を構成する磁性体の磁化の方向を制御するための電流経路として機能する第3の電流経路とをさらに有し、前記磁気トンネル接合素子は、前記第1と第2の電流経路との間に電気的に接続され、前記メモリセルアレイは同時に2つ以上のアクセスを許容する。
【0097】
本発明に係る請求項11記載の磁気記憶装置は、前記磁気トンネル接合素子が、少なくとも1つの磁気トンネル接合を構成するように積層された、磁性体の多層膜を備え、前記第1の電流経路は、前記多層膜の最上層および最下層の一方に、前記第2の電流経路は前記多層膜の最上層および最下層の他方に電気的に接続され、前記第3の電流経路は、前記第2の電流経路とは電気的に絶縁されて、前記第2の電流経路の近傍に配設され、前記第1の電流経路に対して平面視的に直交するように配設される。
【0098】
本発明に係る請求項12記載の磁気記憶装置は、前記第2の電流経路に接続される、電流源および電圧源をさらに備え、前記電流源は、前記第2の電流経路に流す電流の方向を選択可能な双方向電流源であって、前記第2の電流経路に対する、前記電圧源からの電圧供給および前記電流源からの電流供給は、選択的に行われる。
【0099】
本発明に係る請求項13記載の磁気記憶装置は、前記複数のビット線および前記複数のワード線は、階層ビット線構造および階層ワード線構造を構成する枝線である。
【0100】
本発明に係る請求項14記載の磁気記憶装置は、前記第1および第2のビット線は、それぞれセンス増幅器に接続される。
【0101】
本発明に係る請求項15記載の磁気記憶装置は、前記センス増幅器に接続される電源供給線は、階層パワーライン構造を構成する枝線である。
【0102】
本発明に係る請求項16記載の磁気記憶装置は、前記磁気トンネル接合素子が、前記第1および第2のスイッチ素子の配設層と同じ層中に配設される。
【0103】
本発明に係る請求項17記載の磁気記憶装置は、前記磁気トンネル接合素子が、前記第1および第2のビット線の配設層よりも上層に配設される。
【0104】
【発明の実施の形態】
<磁気トンネル抵抗素子>
本発明に係る実施の形態の説明に先立って、一般的な磁気トンネル抵抗素子の構造および動作について、図1〜図3を用いてさらに詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明においては、磁気トンネル抵抗素子という呼称を用いるが、少なくとも1つの磁気トンネル接合を有しているという意味で、磁気トンネル接合素子と呼称することもある。
【0105】
図1は、米国特許USP5,940,319“Magnetic Random Access Memory and Fabricating Method Thereof ”および米国特許USP5,732,016“ Memory Cell Structure in a Magnetic Random Access Memory and a Method For Fabricating Thereof ”に開示された磁気トンネル抵抗素子の断面構造を模式的に示す図である。
【0106】
図1に示す磁気トンネル抵抗素子MRは、絶縁体層3の上部に強磁性体層2および1を順に積層し、絶縁体層3の下部に強磁性体層4を配設して磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction:MTJ)を構成している。
【0107】
なお、強磁性体層4の下部には反強磁性体層5が配設されている。反強磁性体層5は、強磁性体層4の磁化の方向を固定するためのもので、この構造をスピンバルブ型磁気トンネル接合と呼ぶ。
【0108】
そして、強磁性体層1および2のうち、強磁性体層1の方が保磁力が小さい材料で構成することで、外部磁場によって、強磁性体層1の磁化の方向が反転しやすくなっている。その結果、強磁性体層2の磁化の方向は強磁性体層1の磁化の方向に伴って反転する。
【0109】
磁気トンネル抵抗素子MRは、層間絶縁膜SZ内に埋め込まれており、強磁性体層1上には配線プラグPG1が配設され、配線プラグPG1の上端面が層間絶縁膜SZの主面において露出している。この配線プラグPG1の上端面に接するように、層間絶縁膜SZ上に配線WR1が配設されている。
【0110】
また、反強磁性体層5の下部には金属層6が配設され、金属層6は、金属層7に接続されている。金属層7の下部には、配線WR2が配設され、その延在方向は配線WR1の延在方向と平面視的に直交する方向である。なお、配線WR2と金属層7とは電気的に絶縁されている。
【0111】
配線WR2の下方には配線WR3が配設され、金属層7は、層間絶縁膜SZ中を垂直方向に延在する配線プラグPG2を介して、配線WR3と電気的に接続されている。また、配線WR3は、NチャネルMOSトランジスタTRに電気的に接続されている。
【0112】
なお、図1においては、配線WR1と配線プラグPG1との接続ノードをノードND1、配線WR2と金属層7との接続ノードをノードND2、配線WR3と配線プラグPG2との接続ノードをノードND3としている。
【0113】
このような構成において、配線WR1から配線WR3に向けて電流を流すと、強磁性体層1および2の磁化の方向と強磁性体層3の磁化の方向とが同一な場合と、同一でない場合とで、絶縁体層3をトンネルする電流が異なる。
【0114】
すなわち、磁化の方向が同一であれば、抵抗は低く、異なれば、抵抗は高くなり、磁気トンネル接合は、強磁性体層の磁化の方向の向きに応じて、2つのトンネル磁気抵抗(TMR)を持つことになる(トンネル磁気抵抗効果)。
【0115】
トンネル磁気抵抗の変化率(TMRR)は約30%〜50%程度である。トンネル磁気抵抗の値は、強磁性体の磁場の方向の他に、強磁性体層の間に挟む絶縁体層の物性や膜厚等により変化する。なお、強磁性体層1から反強磁性体層5までの積層構造の上下を逆にしても、同様の効果を得ることができる。
【0116】
トンネル磁気抵抗を変えるには、具体的には強磁性体層1、2の磁化の方向を変えれば良い。これには、配線WR2に電流を流し、その周りに発生する磁場が、磁化の方向を変えるのに必要な臨界磁場よりも大きければ良い。このとき、強磁性体層4も同じ磁場の影響を受けるが、反磁性体層5の存在により、強磁性体層4から放出される磁束は反強磁性体層5内に入り、強磁性体層4の磁化の方向は変化しない。なお、図1においては配線WR2に流れる電流Iの方向を双方向として矢印で示しているが、これはどちらかの方向に電流を流せば良いことを示している。
【0117】
ここで、反強磁性体層5には、例えばIr(イリジウム)を20〜30atom.%含むIrMnが用いられ、強磁性体層4および2は保磁力が大きなCoFeが用いられ、トンネルバリア層となる絶縁体層3としては、Al2O3を用い、強磁性体層1には保磁力とスピン分極率が小さなNi80Fe20(パーマロイ)を使用する。
【0118】
図2に、トンネル磁気抵抗素子MRを表す記号を示す。ここで、MRとはMagnetic Resistivityの略である。
【0119】
図2の記号は、配線WR2に電流を流して発生する磁場により、ノードND1と、ノードND3との間の抵抗が変化する抵抗素子であることを意味している。従って、この特徴を備えているトンネル磁気抵抗素子の全てを図2の記号が包括しているのであり、図1の構造のみに限定されるものではない。
【0120】
図3に、強磁性体の磁化の方向が変化するのに必要な磁場の大きさとその方向を示す。図3においては、磁化の方向を反転させるのに必要な磁場(臨界磁場)Hkを、磁場HxとHyとの結合磁場で形成する場合の上記3磁場の関係を示している。
【0121】
ここで、強磁性体の磁化の容易な方向をイージーアクシス(easy axis)、磁化が困難な方向をハードアクシス(hard axis)と呼称し、図3においては、横軸にイージーアクシスを、縦軸にハードアクシス示し、また、x軸方向の磁場の成分をHx、y軸方向の磁場の成分をHyとして示している。
【0122】
図3に示すように、Hx+Hy<Hkの範囲では、磁化の方向は変化しない。一方、Hx+Hy>Hkの範囲では、磁化の方向は変化することになる。なお、これらの磁場は、電気伝導性を有する配線に電流を流すことによって得ている。
【0123】
以下の説明においては、強磁性体の磁化の方向を反転するのに必要な磁場を発生する電流の大きさを、「しきい値レベル(threshold level)の電流」と呼称し、強磁性体の磁化の方向を反転させない程度の電流の大きさを、「中間レベル(medium level)の電流」と呼称する。
【0124】
<デュアルポートMRAMの概念>
これまでに説明したように、MRAMは、バイナリ情報を磁気トンネル抵抗素子で構成されるメモリセルに蓄えているが、図45を用いて説明したMRAMおよび図47を用いて説明したMRAMは、メモリセルのバイナリ情報の読み出しおよび書き込みをするパスが1つであり、シングルポートMRAMと呼称されている。
【0125】
これに対して、デュアルポートMRAM代表されるマルチポートMRAMは、各メモリセルに複数の読み出し、あるいは、書き込みのパスを有し、バイナリ情報の読み出し、あるいは、書き込みを独立に、かつ、非同期に行うことができる。
【0126】
図4は、独立した読み出しおよび書き込み制御回路を有するデュアルポートMRAMの概念構成を示すブロック図である。
【0127】
図4において、MRAM101は、2つのポートP1およびP2を有し、ポートP1には読み出し/書き込み制御回路102が接続され、ポートP2には読み出し/書き込み制御回路103が接続されている。そして読み出し/書き込み制御回路102および103には、それぞれマイクロプロセッサ104および105が接続され、読み出し/書き込み制御回路102および103を介してMRAM101にアクセス可能となっている。
【0128】
読み出し/書き込み制御回路102および103は、独立に、かつ、非同期に動作し、MRAM101を構成する何れのメモリセルにもバイナリ情報の書き込み、読み出しを行うことができる。
【0129】
以下に説明する実施の形態においては、デュアルポートMRAMを前提として説明する。
【0130】
<A.実施の形態1>
<A−1.装置構成>
<A−1−1.平面構成>
図5に、本発明に係る実施の形態1のMRAM100のメモリセルアレイ部分の平面レイアウトを模式的に示す。
【0131】
図5においては、メモリセルアレイのうち、4つのMRAMメモリセルが示されており、それぞれを単位セル(unit cell)UC00、UC10、UC01およびUC11として、破線で示している。
【0132】
図5に示すように、ビット線BL0a、BL0b、BL1a、BL1bおよびダミービット線DBLが平行に配設され、これらのビット線と平面視的に直交するように、ワード線WL0a、WL0b、WL1aおよびWL1bが平行に配設されている。
【0133】
そして、ビット線BL0aとBL0bとで挟まれる領域の中央(単位セルの中央)にメモリ線ML0がビット線に平行に配設され、ビット線BL1aとBL1bとで挟まれる領域の中央(単位セルの中央)にメモリ線ML1がビット線に平行に配設されている。
【0134】
また、単位セルUC00およびUC01の活性領域AA上には、MOSトランジスタQ1およびQ2のゲート電極が、ビット線に平行に配設され、単位セルUC10およびUC11の活性領域AA上には、MOSトランジスタQ10およびQ11のゲート電極が、ビット線に平行に配設されている。
【0135】
そして、ビット線BL0a、BL0b、BL1aおよびBL1bは、各単位セルにおいて、コンタクトプラグPG1を介して、活性領域AAに電気的に接続される構成となっている。
【0136】
なお、各MOSトランジスタQ1のゲート電極は、コンタクトプラグPG2を介してワード線WL0aに電気的に接続されるので、ワード線WL0aと呼称し、各MOSトランジスタQ2のゲート電極は、コンタクトプラグPG2を介してワード線WL0bに電気的に接続されるので、ワード線WL0bと呼称する場合もある。
【0137】
また、各MOSトランジスタQ10のゲート電極は、コンタクトプラグPG2を介してワード線WL1aに電気的に接続されるので、ワード線WL1aと呼称し、各MOSトランジスタQ11のゲート電極は、コンタクトプラグPG2を介してワード線WL1bに電気的に接続されるので、ワード線WL1bと呼称する場合もある。
【0138】
ここで、図5の左端部には、ダミー領域DAが設けられている。ダミー領域DAにおいては、ダミービット線DBL、ダミーワード線(ダミーゲート電極)DWLおよびダミーメモリ線DML(その下部にはダミー磁気トンネル抵抗素子DMR)が、メモリセル領域と同様の配列で設けられ、ダミービット線DBLはコンタクトプラグPG1を介して活性領域AAに電気的に接続されている。
【0139】
ワード線やビット線は同じピッチで繰り返し配設されるパターンを有し、当該繰り返しパターンのレジスト転写工程においては、繰り返しパターンのピッチに沿った光の定在波が発生する。しかし、繰り返しが終わるレイアウト端部では、繰り返しパターンの周期性が崩れ、異なるピッチの定在波が発生し、レイアウト端部では最終的に得られるレジストパターンのサイズが、設計値からずれる可能性がある。
【0140】
また、転写工程によりレジストをパターニングした後、当該レジストを用いて、異方性エッチングによりワード線やビット線を埋め込むためのトレンチを層間絶縁膜に形成する場合プラズマを生成するが、プラズマの密度は上述した繰り返しパターンのピッチに沿った周期性を有する。従って、レイアウト端部で繰り返しパターンの周期性が崩れると。プラズマの密度も端部と以外の部分で異なることになり、エッチングで形成されるトレンチの幅や深さが異なる可能性がある。
【0141】
ダミー領域DAは、このような問題を解消するために設けられており、レイアウト端部においてもワード線(すなわちメモリ線)やビット線、磁気トンネル抵抗素子の繰り返しパターンを維持し、仕上がりサイズが設計値からずれることを抑制することができる。
【0142】
<A−1−2.断面構成>
図5におけるA−A線での矢視方向断面の構成を図6に示す。
図6に示すように、MRAM100はシリコン基板SB上に配設され、シリコン基板SBの表面内に設けた素子分離絶縁膜STIによって活性領域AAが規定されている。素子分離絶縁膜STIは、シリコン基板SBの表面内に設けた浅いトレンチに酸化シリコン膜等の絶縁膜を埋め込んで形成されており、Shallow Trench Isolationと呼称されている。
【0143】
図6に示すように、単位セルUC10は、2つのMOSトランジスタQ10およびQ11と、1つの磁気トンネル抵抗素子MR10(磁気トンネル接合素子)とを備えている。この構造は他の単位セルについても同じである。
【0144】
MOSトランジスタQ10およびQ11は同じ構造を有し、シリコン基板SB上に選択的に配設されたゲート絶縁膜G1上に、不純物を含んで低抵抗となったドープトポリシリコン層G2、バリアメタル層G3、金属層G4の3層で構成されるポリメタルゲート電極が配設され、金属層G4上には窒化シリコン膜G5が配設されている。
【0145】
ドープトポリシリコン層G2は、表面チャネル型のNチャネルMOSトランジスタの場合には、リンがドープされ、表面チャネル型のPチャネルMOSトランジスタの場合には、ホウ素がドープされる。
【0146】
そして、これらの多層膜の側面にはオフセット絶縁膜G6が配設されている。オフセット絶縁膜G6には、その外側に配設されるサイドウォール絶縁膜G7よりも誘電率が低い絶縁膜が用いられる。
【0147】
例えば、サイドウォール絶縁膜G7に窒化シリコン膜を用いる場合、その比誘電率は7.4〜9であるのに対して、オフセット絶縁膜G6には、比誘電率が3.9の酸化シリコン膜や2.8〜2.9のSiOC膜等が用いられる。
【0148】
なお、サイドウォール絶縁膜G7に、SiC(比誘電率4.8)やSiOCを用いても良い。誘電率は、比誘電率に真空中の誘電率を掛けることで得られる。
【0149】
なお、上述したポリメタルゲート電極の代わりに、ドープトポリシリコン層G2を備えないメタルゲート電極を使用しても良い。すなわち、ゲート絶縁膜G1上に直接にバリアメタル層G3を配設した構成としても良い。メタルゲート電極はポリメタルゲート電極よりも低い抵抗を得ることができるので、回路動作を速くすることができる。
【0150】
オフセット絶縁膜G6は、ゲート電極と、ゲート電極に接触するコンタクトプラグPG1と間の寄生容量を低減することと、ゲート電極と、活性領域AAの表面内に配設されるソース・ドレインエクステンション層EXとのオーバーラップ容量を低減することを目的として配設される。
【0151】
なお、ソース・ドレインエクステンション層EXは、ソース・ドレイン層SDよりも浅い接合となるように形成される不純物層であり、ソース・ドレイン層SDと同一導電型であり、ソース・ドレイン層として機能する。
【0152】
ソース・ドレインエクステンション層EXは、オフセット絶縁膜形成後にイオン注入等により形成されるので、オフセット絶縁膜の厚さ分だけ、ソース・ドレインエクステンション層EXとゲート電極とがオーバーラップする面積OVが低減し、オーバーラップ容量が低減することになる。
【0153】
ゲート電極とコンタクトプラグPG1との間の寄生容量、およびゲート電極とソース・ドレインエクステンション層EXとの間のオーバーラップ容量が低減すると、回路動作が高速になる。図6の構造においては、特にビット線への情報の読み出しやビット線からの情報の書き込み動作が高速になる。
【0154】
MOSトランジスタQ10とQ11との間には、金属シリサイド層MS1が配設されている。金属シリサイド層MS1は活性領域AA上だけでなく素子分離絶縁膜STI上も覆うように配設され、素子分離絶縁膜STI上に対応する金属シリサイド層MS1上には、磁気トンネル抵抗素子MR10が配設されている。
【0155】
なお、磁気トンネル抵抗素子MR10は、金属シリサイド層MS1上に設けられた層間絶縁膜IZ9に囲まれている。そして、その最上部の端面だけが層間絶縁膜IZ9の表面において露出し、そこを覆うようにバリアメタル層BM2が配設され、バリアメタル層BM2上に金属配線のメモリ線ML0が配設されている。
【0156】
磁気トンネル抵抗素子MR10は、金属シリサイド層MS1上に配設されたバリアメタル層BM1を間に介して配設されており、バリアメタル層BM1上に、反強磁性体層AFM、強磁性体層FM2、絶縁体層BT1および強磁性体層FM1を順に積層して構成されている。そして、強磁性体層FM1の上部がバリアメタルBM2に覆われ、メモリ線ML0と接続する構成となっている。
【0157】
なお、強磁性体層FM1およびFM2のイージーアクシスの方向は、メモリ線ML1とほぼ平行の方向であっても良いし、メモリ線とほぼ垂直の方向であっても良い。反強磁性体層AFMと強磁性体層FM2とを積層することで、強磁性体膜FM2の磁化ベクトルを固定することができる。
【0158】
ここで、金属シリサイドMS1は、CoSi2、NiSi2、TiSi2、WSi2、PtSi2およびZrSi2等の何れで構成しても良く、反強磁性体層AFMと、活性領域AAの表面内に設けたソース・ドレイン層SDとを電気的に接続する機能を有している。
【0159】
なお、金属シリサイド層MS1は、ポリシリコン層あるいはアモルファスシリコン層を該当領域に形成した後、その上に金属層を堆積し、RTA(Rapid Thermal Anneal)等の熱処理を加えることにより、金属とポリシリコン(あるいは、アモルファスシリコン)とをシリサイド反応させることで形成することができる。
【0160】
例えば、CoSi2を形成する場合、1回目のRTAとして、450〜600℃の熱処理を行い、2回目のRTAとして、700〜850℃の熱処理を行うことで、コバルトとポリシリコン(あるいは、アモルファスシリコン)をシリサイド反応させて形成すれば良い。
【0161】
なお、強磁性体層が磁化を失う温度をキュリー温度と呼ぶが、多くの強磁性体層のキュリー温度は、これらのRTAの温度よりも低いので、磁気トンネル抵抗素子は、トランジスタのソース・ドレイン層上に金属シリサイド層を形成した後に形成することが望ましい。
【0162】
また、MOSトランジスタQ10およびQ11の、金属シリサイド層MS1で覆われない方のソース・ドレイン層は、電気伝導性を有する材料で構成されるコンタクトプラグPG1を介して、ビット線BL0aおよびBL0bに電気的に接続されている。
【0163】
コンタクトプラグPG1は、層間絶縁膜IZ1を貫通するように設けられたコンタクトホール内に、例えば、ドープトポリシリコンやタングステン等を充填して構成されている。
【0164】
なお、以上の説明においては単位セルUC10の構成について説明したが、他の単位セルについても同様の構成を有している。
【0165】
ビット線BL0a、BL0b、BL1aおよびBL1b(第1層の金属層)は、層間絶縁膜IZ1上に配設された層間絶縁膜IZ2中に配設され、層間絶縁膜IZ2上には層間絶縁膜IZ3およびIZ4が順に配設されている。なお、層間絶縁膜IZ4より上層の構成は、図6においては省略している。
【0166】
次に、図5におけるB−B線での矢視方向断面の構成を図7に示す。
図7は、単位セルUC10とUC00とに跨るメモリ線ML0と、その下の磁気トンネル抵抗素子MR10およびMR00の長手方向の断面を示しており、金属シリサイド層MS1上に配設されたバリアメタル層BM1上に、反強磁性体層AFM、強磁性体層FM2、絶縁体層BT1および強磁性体層FM1が順に積層されて磁気トンネル抵抗素子MR10およびMR00を構成している。
【0167】
そして、磁気トンネル抵抗素子MR10およびMR00上にはバリアメタル層BM2が配設され、バリアメタル層BM2上にメモリ線ML0が配設されている。メモリ線ML0と磁気トンネル抵抗素子MR10およびMR00との間にバリアメタル層BM2を挟むのは、メモリ線ML0および磁気トンネル抵抗素子MR10およびMR00を構成する原子どうしが相互に拡散するのを防止するためである。
【0168】
なお、磁気トンネル抵抗素子MR10およびMR00は、単位セルUC10とUC00とで電気的に分離されており、単位セルUC10の磁気トンネル抵抗素子MR10と、単位セルUC00の磁気トンネル抵抗素子MR00との間には、層間絶縁膜IZ8が配設されている。
【0169】
ここで、図8には、磁気トンネル抵抗素子の変形例として、反強磁性体層AFMを有さない、磁気トンネル抵抗素子MRXの断面構成を示す。
【0170】
図8に示すように、金属シリサイド層MS1上に配設されたバリアメタル層BM1上に、強磁性体層FM2、絶縁体層BT1および強磁性体層FM1が順に積層されて磁気トンネル抵抗素子MRXを構成している。反強磁性体層を省略することで製造コストを削減できる。
【0171】
次に、図5におけるC−C線での矢視方向断面の構成を図9に示す。
図9は、単位セルUC10およびUC00におけるMOSトランジスタQ11およびQ2のゲート電極(ワード線WL1bおよびワード線WL0bと呼び換える場合あ)の長手方向の断面構成を示している。
【0172】
図9に示すように、各ゲート電極は単位セルごとに電気的に独立しており、隣り合うゲート電極間には層間絶縁膜IZ9が配設されている。
【0173】
そして、各ゲート電極は、素子分離絶縁膜STI上でコンタクトプラグPG21およびPG2を介してワード線WL0bおよびWL1bに接されている。より具体的には、コンタクトプラグPG21の一方端は、層間絶縁膜IZ1および窒化シリコン膜G5を貫通して、各ゲート電極の金属層G4に到達するように設けられ、コンタクトプラグPG21の他方端は、層間絶縁膜IZ2中に配設されたパッド層PD1に接続されている。なお、パッド層PD1は各ビット線と同様の第1層の金属層であり、コンタクトプラグPG2とPG21とのアライメントマージンを確保する目的で配設されている。
【0174】
そして、コンタクトプラグPG2の一方端は、層間絶縁膜IZ5およびIZ4を貫通して、各パッド層PD1に到達するように設けられ、コンタクトプラグPG2の他方端は、層間絶縁膜IZ5中に配設されたワード線WL0bおよびWL1bに接続されている。なお、層間絶縁膜IZ5上には、層間絶縁膜IZ6およびIZ7が順に配設されている。
【0175】
ここで、コンタクトプラグPG2およびPG21、各パッド層PD1、ワード線WL0bおよびWL1bはその表面がバリアメタルで覆われており、それぞれを構成する金属原子が周囲の絶縁膜に熱拡散することを防止する目的で配設されている。
【0176】
なお、各層間絶縁膜IZ1〜IZ9の材質の一例を以下に示す。すなわち、層間絶縁膜IZ1、IZ2、IZ5、IZ7は、低誘電率(low-k)材であるSiOCで構成し、層間絶縁膜IZ3、IZ4、IZ6はSiCで構成し、層間絶縁膜IZ8およびIZ9は、NSG(Non-doped Silicate Glass)やTEOS(tetraethyl orthosilicate)等で構成すれば良い。なお、層間絶縁膜IZ8およびIZ9は、low-k材であるSiOC、SiOF等で構成しても良い。
【0177】
ここで、層間絶縁膜IZ3およびIZ6のように金属層の上部の層間絶縁膜をSiCで構成するのは、金属層の酸化を防止するためであるが、金属層の酸化を防止できる絶縁材であれば何でも良い。ただし、金属配線の寄生容量を考慮すれば、誘電率のなるべく小さな絶縁材が望ましい。
【0178】
また、金属配線層、パッド層、コンタクトプラグの材質としては、銅、アルミニウム、アルミニウムシリコン、アルミニウムとシリコンと銅の合金、銀、金、モリブデン、タングステン等を用いることができる。
【0179】
なお、以上の説明においては、MRAM100をバルクシリコン基板SB上に形成する構成を示したが、バルクシリコン基板SBの代わりに、SOI(Silicon On Insulator)基板やSON(Silicon On Nothing)基板を用いても良い。これは、以下に説明する他の実施の形態のMRAMにおいても同様である。
【0180】
ここで、SON基板とは、半導体素子の形成領域下のシリコン層中に空洞を設けた基板であり、空洞内に水素、空気、アルゴンや窒素が封入されている構成もある。
【0181】
<A−2.動作>
図10および図11を用いてMRAM100の動作について説明する。
図10にMRAM100の回路図を示す。なお、図10においては、図5に示した単位セルUC00、UC10、UC01およびUC11に対応する部分の構成を示しており、他のメモリセルについて省略している。
【0182】
また、以下の説明では、単位セルUC00、UC10、UC01およびUC11に対応する構成を、アドレスAD00、AD10、AD01およびAD11のメモリセルとして示す。なお、図10においては、磁気抵抗素子を可変抵抗の記号を用いて記載する。
【0183】
図10に示すように、アドレスAD00のメモリセルは、ビット線BL0aとBL0bとの間に、直列に接続されたMOSトランジスタQ1およびQ2と、磁気トンネル抵抗素子MR00とを備え、MOSトランジスタQ1およびQ2のゲート電極が、ワード線WL0aおよびWL0bに接続されている。
【0184】
そして、磁気トンネル抵抗素子MR00は、MOSトランジスタQ1とQ2との接続ノードとメモリ線ML0との間に接続され、磁気トンネル抵抗素子MR00とメモリ線ML0との接続ノードをノードN1、MOSトランジスタQ1とQ2との接続ノードをノードN2、MOSトランジスタQ1とビット線BL0aとの接続ノードをノードN3、MOSトランジスタQ2とビット線BL0bとの接続ノードをノードN4と呼称する。
【0185】
アドレスAD01のメモリセルは、ビット線BL1aとBL1bとの間に、直列に接続されたMOSトランジスタQ1およびQ2と、磁気トンネル抵抗素子MR01とを備え、MOSトランジスタQ1およびQ2のゲート電極が、ワード線WL0aおよびWL0bに接続されている。
【0186】
そして、磁気トンネル抵抗素子MR01は、MOSトランジスタQ1とQ2との接続ノードとメモリ線ML1との間に接続され、磁気トンネル抵抗素子MR01とメモリ線ML1との接続ノードをノードN1、MOSトランジスタQ1とQ2との接続ノードをノードN2、MOSトランジスタQ1とビット線BL1aとの接続ノードをノードN3、MOSトランジスタQ2とビット線BL1bとの接続ノードをノードN4と呼称する。
【0187】
また、アドレスAD10のメモリセルは、ビット線BL0aとBL0bとの間に、直列に接続されたMOSトランジスタQ10およびQ11と、磁気トンネル抵抗素子MR10とを備え、MOSトランジスタQ10およびQ11のゲート電極が、ワード線WL1aおよびWL1bに接続されている。
【0188】
そして、磁気トンネル抵抗素子MR10は、MOSトランジスタQ10とQ11との接続ノードとメモリ線ML0との間に接続され、磁気トンネル抵抗素子MR10とメモリ線ML0との接続ノードをノードN5、MOSトランジスタQ10とQ11との接続ノードをノードN6、MOSトランジスタQ10とビット線BL0aとの接続ノードをノードN7、MOSトランジスタQ11とビット線BL0bとの接続ノードをノードN8と呼称する。
【0189】
アドレスAD11のメモリセルは、ビット線BL1aとBL1bとの間に、直列に接続されたMOSトランジスタQ10およびQ11と、磁気トンネル抵抗素子MR11とを備え、MOSトランジスタQ10およびQ11のゲート電極が、ワード線WL1aおよびWL1bに接続されている。
【0190】
そして、磁気トンネル抵抗素子MR11は、MOSトランジスタQ10とQ11との接続ノードとメモリ線ML1との間に接続され、磁気トンネル抵抗素子MR11とメモリ線ML1との接続ノードをノードN5、MOSトランジスタQ10とQ11との接続ノードをノードN6、MOSトランジスタQ10とビット線BL1aとの接続ノードをノードN7、MOSトランジスタQ11とビット線BL1bとの接続ノードをノードN8と呼称する。
【0191】
なお、以上説明したMOSトランジスタQ1、Q2、Q10およびQ11は、スイッチ素子であればMOSトランジスタに限定されるものではない。
【0192】
メモリ線ML0およびML1は、それぞれNチャネル型のMOSトランジスタQ3およびQ31を介して参照電圧源VR1に共通に接続されるとともに、それぞれスイッチ付き電流源S1およびS2に接続される構成となっている。
【0193】
ビット線BL0a、BL0b、BL1aおよびBL1bは、それぞれ、スイッチ付きバッファB1、B2、B3およびB4の入力に接続され、電流I0a、I0b、I1aおよびI1bがスイッチ付きバッファB1〜B4に与えられ、スイッチ付きバッファB1〜B4で電流増幅された出力が、それぞれセンスアンプSA1に与えられる構成となっている。
【0194】
センスアンプSA1は、Pチャネル型のMOSトランジスタQ4およびQ5を有し、MOSトランジスタQ4およびQ5のゲート電極とソース電極とが、互いに交差接続された電流センス回路(第1段の回路)と、電流センス回路の出力を受ける、第1および第2の電圧増幅器(第2段の回路)とを備えている。
【0195】
第1の電圧増幅器は、直列に接続されインバータ回路を構成するPチャネル型のMOSトランジスタQ6とNチャネル型のMOSトランジスタQ7とを有し、MOSトランジスタQ6およびQ7のゲート電極が、共通してMOSトランジスタQ4のゲート電極に接続され、MOSトランジスタQ6とQ7との接続ノードが出力ノードとなっている。
【0196】
第2の電圧増幅器は、直列に接続されインバータ回路を構成するPチャネル型のMOSトランジスタQ8とNチャネル型のMOSトランジスタQ9とを有し、MOSトランジスタQ8およびQ9のゲート電極が、共通してMOSトランジスタQ5のゲート電極に接続され、MOSトランジスタQ8とQ9との接続ノードが出力ノードとなっている。
【0197】
電流センス回路において、MOSトランジスタQ4およびQ5のソース電極は、それぞれ抵抗R10およびR20を介して電位Vss(接地電位)に接続されている。
【0198】
なお、以下の説明では、スイッチ付きバッファB1に接続されるセンスアンプSA1を例に採って説明する。
【0199】
バッファB1の出力は、MOSトランジスタQ4およびQ6のドレイン電極に与えられ、電流センス回路は、バッファB1で電流増幅された出力電流を受け、電流−電圧変換した後、その出力電圧(ゲート電圧)を第1の電圧増幅器でに与えて、電圧増幅して出力電圧V0aとして出力する。
【0200】
また、MOSトランジスタQ5およびQ8のドレイン電極には、スイッチ付き電流源S3から参照電流Irefが与えられ、電流センス回路において、参照電流Irefを電流−電圧変換した後、その出力電圧(ゲート電圧)を第2の電圧増幅器に与えて、電圧増幅して出力電圧バーV0aとして出力する。
【0201】
バッファB1から出力される電流により生じた信号電圧は、ダイナミックにMOSトランジスタQ6およびQ7の論理しきい値電圧を変えるので、ゲートポテンシャルの変動と逆の方向にしきい値電圧が変化する。すなわち、ゲートポテンシャルが上がると、インバータ回路の論理しきい値電圧は下がる。その結果、電流センス回路と第1の電圧増幅器との動作点のミスマッチに対して、大きな動作マージンが得られる。これは、電流センス回路と第2の電圧増幅器との関係においても同じである。
【0202】
このように、センスアンプSA1は、電流センス回路の出力を、第1および第2の電圧増幅器で増幅する構成となっているが、必ずしも2段構成である必要はなく、電流センス回路だけでも良い。
【0203】
また、図10に示す構成以外の電流センス回路でも、また電圧センス回路でも良いが、動作速度が速い点と低電圧でも動作する点で、電流センス回路の方がより望ましい。
【0204】
また、センスアンプの増幅利得が十分であれば、バッファB1〜B4は設けずとも良い。
【0205】
また、バッファB1〜B4の代わりに、スイッチBB1〜BB4をゲート電極とするMOSトランジスタを用いても良い。
【0206】
なお、スイッチ付きバッファB2〜B4の出力を受けるセンスアンプSA1も、上記と同様であるが、スイッチ付き電流源S3の代わりに、それぞれ、スイッチ付き電流源S4、S5およびS6から参照電流Irefが与えられ、それぞれ、出力電圧V0bおよびバーV0b、出力電圧V1aおよびバーV1a、出力電圧V1bおよびバーV1bを対で出力する。
【0207】
次に、図10を参照しつつ、図11に示すタイミングチャートを用いて、MRAM100の動作を説明する。なお、以下の説明においては、アドレスAD00へのデータの書き込み動作および読み出し動作を例に採って説明する。
【0208】
<A−2−1.書き込み動作>
図11は、MRAM100におけるアドレスAD00へのデータの書き込み動作および読み出し動作に際しての、各種電圧および電流のタイミングチャートである。
【0209】
アドレスAD00へのデータの書き込みに際しては、スイッチ付き電流源S1のスイッチW1をオンするようにスイッチW1に所定の電圧を与え、メモリ線ML0に電流I1を流す。電流が流れるため、図11に示すようにメモリ線ML0の電位が、電圧Vssよりも高くなる方向に変化する。そして、書き込みに要する所定期間、ビット線BL0aに電圧Vddを与え、その間はビット線BL0bに電圧Vssを与える。なお、ビット線BL1aおよびBL1b、ワード線WL1aおよびW1bはアドレスAD00へのデータの書き込み動作および読み出し動作には無関係なので、電圧Vssの状態を保つ。
【0210】
また、ワード線WL0aおよびWL0b共に、所定期間、電圧Vddを与え、Nチャネル型のMOSトランジスタQ1およびQ2をオン状態にする。これにより電流I2が、ノードN3からノードN4に向けて流れる。
【0211】
この結果、電流I1およびI2が生成する交番磁場により、磁気トンネル抵抗素子MR00の強磁性体層FM1の磁化ベクトルが決定され、書き込みが行われる。なお、強磁性体層FM2の磁化ベクトルは固定されており、変化しない。
【0212】
上述した一連の動作により、磁気トンネル抵抗素子MR00(すなわちアドレスAD00)に情報が書き込まれる。この時に書き込まれる情報を、論理0とする。
【0213】
続いて、スイッチ付き電流源S1のスイッチW1をオフすることで、メモリ線ML0に電流I1が流れなくなる。この後、メモリ線ML0の電位を、電圧Vssにプリチャージする。
【0214】
また、ワード線WL0aおよびWL0bの電圧を、共に電圧Vssに設定して、MOSトランジスタQ1およびQ2をオフ状態にする。また、ビット線BL0aおよびBL0bに電圧Vssを与える。この期間を、スタンバイ期間と呼称する。
【0215】
なお、磁気トンネル抵抗素子MR00に、上述した論理とは反対の論理1を書き込む場合には、書き込みに要する所定期間、ビット線BL0bに電圧Vddを与え、その間はビット線BL0aに電圧Vssを与える。
【0216】
また、スイッチ付き電流源S1のスイッチW1をオンするようにスイッチW1に所定の電圧を与え、メモリ線ML0に電流I1を流す。電流が流れるため、図11に示すようにメモリ線ML0の電位が、電圧Vssよりも高くなる方向に変化する。そして、ワード線WL0aおよびWL0bに共に、所定期間、電圧Vddを与え、Nチャネル型のMOSトランジスタQ1およびQ2をオン状態にする。これにより電流I2が、ノードN4からノードN3に向けて流れる。
【0217】
この結果、電流I1およびI2が生成する交番磁場(結合磁場)により、磁気トンネル抵抗素子MR00の強磁性体層FM1の磁化ベクトルが決定され、書き込みが行われるが、電流I2がノードN4からN3へ流れるため、磁化ベクトルの方向は、論理0の書き込みの場合とは異なり、論理0とは反対の論理1が書き込まれる。このとき、強磁性体層FM2の磁化ベクトルは変化しない。
【0218】
<A−2−2.読み出し動作>
アドレスAD00からのデータの読み出しに際しては、まず、参照電圧源VR1の出力スイッチであるMOSトランジスタQ3がオン状態となるように、ゲート制御信号RR1として、所定電圧を与える。なお、所定電圧を与える期間は、読み出しに要する所定期間以上となるように設定する。
【0219】
この動作により、メモリ線ML0には参照電圧Vrefが与えられる。ここで、参照電圧Vrefは、電圧Vddと同じでも、異なっていても構わないが、参照電圧Vrefは、トンネル磁気抵抗の変化率(TMRR)が十分大きくなるように設定されている。
【0220】
すなわち、TMRRとメモリ線に与える電圧(ここでは参照電圧Vref)との関係は、一般的には、参照電圧Vrefが大きくなれば、TMRRが小さくなる関係にある。そこで、参照電圧Vrefの値は、一定値以上のTMRRを得られる値に設定する。
【0221】
ここで、MOSトランジスタQ1がオンする前には、磁気トンネル抵抗素子MR00にはほとんど電流が流れないので、磁気トンネル抵抗素子MR00による電圧降下は発生しない。従って、ノードN1およびN2共に、電圧Vrefに設定される。
【0222】
ビット線BL0aに情報を読み出す場合は、ワード線WL0aに電圧Vddを、ワード線WL0bに電圧Vssを与えることで、MOSトランジスタQ1はオン状態となり、MOSトランジスタQ2がオフ状態を保つようにする。
【0223】
MOSトランジスタQ1がオン状態になると、磁気トンネル抵抗素子MR00に電流が流れ、磁気トンネル抵抗素子MR00の抵抗値(強磁性体の磁化の方向によって決まる)に応じた電圧降下(降下電圧Vmr)が発生し、ノードN2には、参照電圧Vref−降下電圧Vmrの電圧が印加されることになる。
【0224】
ここで、降下電圧Vmrは、MOSトランジスタQ1を流れる電流と磁気トンネル抵抗素子MR00を流れる電流I0aとがほぼ一致するように決まる。
【0225】
そして、MOSトランジスタQ2はオフ状態にあるので、磁気トンネル抵抗素子MR00を流れた電流は、ほとんど全てMOSトランジスタQ1を介してビット線BL0aに電流I0aとして流れる。
【0226】
スイッチ付きバッファB1のスイッチBB1に所定電圧が与えられ、バッファB1がオンすると、電流I0aが増幅されてセンスアンプSA1に与えられる。センスアンプSA1においては、増幅された電流I0aと、電流源S3から出力される参照電流Irefとの大小を検知して、情報が読み出される。
【0227】
ビット線BL0aに情報を読み出した後は、スイッチ付きバッファB1のスイッチBB1に所定電圧が与えられ、バッファB1がオフ状態となる。
【0228】
また、ワード線WL0aおよびWL0bに、共に電圧Vssが与えられ、MOSトランジスタQ1およびQ2が、共にオフ状態になる。
【0229】
やがて、参照電圧源VR1の出力スイッチであるMOSトランジスタQ3のゲート制御信号RR1に電圧Vssが与えられ、MOSトランジスタQ3がオフ状態になる。また、メモリ線ML0の電位を、電圧Vssにプリチャージする。
【0230】
これにより、ワード線WL0aおよびWL0b、ビット線BL0aおよびBL0bに電圧Vssが与えられ、メモリ線ML0の電位が電圧Vssにプリチャージされてスタンバイ期間が始まる。
【0231】
なお、スイッチ付き電流源S2および参照電圧源VRの出力スイッチであるMOSトランジスタQ31は、アドレスAD00へのデータの書き込み動作および読み出し動作には無関係なので、スイッチ付き電流源S2のスイッチW2に与えられる電圧および、MOSトランジスタQ31のゲート制御信号RR2は、電圧Vssの状態を保つ。また、メモリ線ML1は電圧Vssの状態を保つ。
【0232】
また、ビット線BL0bに情報を読み出すには、ワード線WL0aに電圧Vssを、ワード線WL0bに電圧Vddを与えることで、MOSトランジスタQ2はオン状態となり、MOSトランジスタQ1がオフ状態を保つようにすれば良い。
【0233】
以上説明したように、MOSトランジスタQ1およびQ2のように、ビット線間に直列に接続されたMOSトランジスタは、磁気トンネル抵抗素子に流れる電流をビット線に流したり、磁気トンネル抵抗素子への情報の書き込みのための電流の経路を構成するので、パストランジスタあるいはポートと呼称する場合もある。また、MOSトランジスタQ1およびQ2を接続する配線を、磁気トンネル接合素子に対する情報の書き込みおよび読み出しのための電流の経路となる配線と総称する場合もある。
【0234】
<A−2−3.非同期読み出し>
次に、ビット線を共用する異なるアドレスのメモリセルから、それぞれ独立したタイミングで(非同期に)情報を読み出す動作について説明する。なお、以下の説明では、磁気トンネル抵抗素子MR00およびMR10の情報を読み出す動作を説明する。
【0235】
まず、参照電圧源VR1の出力スイッチであるMOSトランジスタQ3がオン状態となるように、ゲート制御信号RR1として、所定電圧を与える。この動作により、メモリ線ML0には参照電圧Vrefが与えられる。
【0236】
そして、ワード線WL0aおよびWL1bに電圧Vddを、ワード線WL0bおよびWL1aに電圧Vssを与えることで、MOSトランジスタQ1およびQ11がオン状態となり、MOSトランジスタQ2およびQ10がオフ状態を保つようにする。
【0237】
MOSトランジスタQ1およびQ11がオン状態になると、磁気トンネル抵抗素子MR00およびMR10に電流が流れ、磁気トンネル抵抗素子MR00およびMR10の抵抗値(強磁性体の磁化の方向によって決まる)に応じた電圧降下(降下電圧Vmr)が発生し、ノードN2およびN6には、参照電圧Vref−降下電圧Vmrの電圧が印加されることになる。
【0238】
ここで、降下電圧Vmrは、MOSトランジスタQ1およびQ11を流れる電流と、磁気トンネル抵抗素子MR00およびMR10を流れる電流I0aおよび電流I0bとがほぼ一致するように決まる。
【0239】
そして、MOSトランジスタQ2はオフ状態にあるので、磁気トンネル抵抗素子MR00を流れた電流は、ほとんど全てMOSトランジスタQ1を介してビット線BL0aに電流I0aとして流れる。
【0240】
また、MOSトランジスタQ10はオフ状態にあるので、磁気トンネル抵抗素子MR10を流れた電流は、ほとんど全てMOSトランジスタQ11を介してビット線BL0bに電流I0bとして流れる。
【0241】
スイッチ付きバッファB1およびB2のスイッチBB1およびBB2に所定電圧が与えられ、バッファB1およびB2がオンすると、電流I0aおよびI0bが増幅されて、それぞれセンスアンプSA1に与えられ、それぞれのセンスアンプSA1において、センス増幅されて情報が読み出される。以後は、次の書き込みあるいは読み出し動作まで、スタンバイ状態となる。
【0242】
<A−3.作用効果>
以上説明したように、MRAM100においては、1つのメモリセルに対して1対のビット線を配設し、2本のビット線と磁気トンネル抵抗素子の間にそれぞれスイッチ素子を介挿しているので、磁気トンネル抵抗素子の情報を読み出す際には、スイッチ素子を選択的にオンするように制御することで、ビット線を共用する異なるアドレスのメモリセルから、それぞれ独立したタイミングで(非同期に)情報を読み出すことができる。
【0243】
なお、ビット線を共用する異なるアドレスのメモリセルのうち、2つのアドレスを対象とするのであれば、2つのアドレスの情報を同時に読み出すことができることは言うまでもない。その場合には、2つのアドレスのメモリセルに、それぞれ接続されるワード線対に所定の電圧を与えるタイミング、および各ビット線に接続されるバッファをオンするタイミングを同期させるようにすれば良い。
【0244】
<A−4.変形例1>
以上説明したMRAM100においては、図6を用いて説明したように、磁気トンネル抵抗素子MR00、MR10、MR01およびMR11をMOSトランジスタのゲート電極と同じ層に配設する構成を示したが、図12に示すMRAM100Aのような構成としても良い。
【0245】
図12は、図6に対応する図であり、図6の構成と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0246】
図12に示すように、MRAM100Aにおいては、磁気トンネル抵抗素子MR00、MR10、MR01およびMR11(図12においてはMR10およびMR11のみ例示)を、ビット線BL0a、BL0b、BL1aおよびBL1bが形成される層の上部に配設している。
【0247】
すなわち、MOSトランジスタQ10およびQ11のそれぞれのソース・ドレイン層SDは、何れも電気伝導性を有する材料で構成されるコンタクトプラグPG1に接続されている。そのうち、同一単位セル内のMOSトランジスタQ10およびQ11の、素子分離絶縁膜STIを間に挟んで隣り合うソース・ドレイン層SDに接続される2つのコンタクトプラグPG1は、共通配線CLに接続されている。
【0248】
共通配線CLは、各ビット線と同じ層に、同じ材質で配設され、上記2つのコンタクトプラグPG1どうしを電気的に接続するように構成されている。
【0249】
なお、共通配線CLに接続されないコンタクトプラグPG1は、単位セルUC10においてはビット線BL0aおよびBL0bに、単位セルUC11においてはビット線BL1aおよびBL1bに接続されている。
【0250】
そして、共通配線CL上には、バリアメタル層BM1を間に介して磁気トンネル抵抗素子MR10およびMR11が配設されている。磁気トンネル抵抗素子MR10およびMR11は、反強磁性体層AFM、強磁性体層FM2、絶縁体層BT1および強磁性体層FM1を順に積層して構成されている。
【0251】
そして、磁気トンネル抵抗素子MR10およびMR11のそれぞれの強磁性体層FM1がメモリ線ML0およびML1と接続する構成となっている。
【0252】
磁気トンネル抵抗素子MR10およびMR11は、層間絶縁膜IZ3およびIZ4中に配設され、メモリ線ML0およびML1は層間絶縁膜IZ5中に配設され、層間絶縁膜IZ5上には、層間絶縁膜IZ6およびIZ7が順に配設されている。
【0253】
なお、以上の説明においては単位セルUC10およびUC11の構成について説明したが、他の単位セルについても同様の構成を有しており、ダミー領域についても同様である。なお、MRAM100Aの動作は、MRAM100と同様である。
【0254】
このように、MRAM100Aにおいては、磁気トンネル抵抗素子をビット線の形成層よりも上層に形成したので、製造工程においては、ビット線よりも後に形成されることになる。
【0255】
キュリー温度よりも高い温度が磁気トンネル抵抗素子に加わると、磁性体が磁性を失うが、キュリー温度に達しないまでも、熱処理を行う時間や回数が多いと、磁性体の磁化の強度が徐々に弱くなり、磁気トンネル抵抗素子の特性が劣化する可能性がある。従って、MRAMの製造工程においては、磁気トンネル抵抗素子は、できるだけ後の工程で形成することが望ましく、MRAM100Aはこの点において有効な構成である。
【0256】
<B.実施の形態2>
本発明に係る実施の形態1で説明したMRAM100においては、磁気トンネル抵抗素子をメモリ線とビット線電流が流れる配線との間に配設した構成を示したが、磁気トンネル抵抗素子を、図1を用いて説明した磁気トンネル抵抗素子MRのように、強磁性体層の磁化の方向を変化させるための専用の配線を有する構成としても良い。
【0257】
以下、本発明に係る実施の形態2として、図1を用いて説明した磁気トンネル抵抗素子MRを用いるMRAM200の構成および動作について説明する。
【0258】
<B−1.装置構成>
図13に示すように、MRAM200は、アドレスAD21、AD22、AD23およびAD24のメモリセルにおいて、それぞれ磁気トンネル抵抗素子MR21、MR22、MR23およびMR24を有している。
【0259】
ここで、磁気トンネル抵抗素子MR21、MR22、MR23およびMR24は、それぞれ、強磁性体層の磁化の方向を制御するための制御配線WR21、WR22、WR23およびWR24を有し、制御配線WR21、WR22、WR23およびWR24に電流を流して発生する磁場により、抵抗値が変化する抵抗素子である。
【0260】
アドレスAD21のメモリセルは、磁気トンネル抵抗素子MR21の一方端が、Nチャネル型のMOSトランジスタQ11を介して参照電圧源VR11に電気的に接続され、磁気トンネル抵抗素子MR21の他方端は、Nチャネル型のMOSトランジスタQ12およびQ13を介して、ビット線BL1bおよびBL1aに電気的に接続されている。なお、ビット線BL1bおよびBL1aは、それぞれ、スイッチ付きバッファB11およびB12に接続されている。バッファB11およびB12は、それぞれ電流Iout1およびIout2を出力する。
【0261】
また、MOSトランジスタQ12およびQ13のゲート電極は、それぞれワード線WL1bおよびWL1aに接続されている。
【0262】
なお、磁気トンネル抵抗素子MR21の一方端は、双方向電流源S11にも接続され、磁気トンネル抵抗素子MR21の制御配線WR21は、スイッチ付き電流源S13から電流を供給される配線R1に接続されている。
【0263】
アドレスAD22のメモリセルは、磁気トンネル抵抗素子MR22の一方端が、Nチャネル型のMOSトランジスタQ11を介して参照電圧源VR11に電気的に接続され、磁気トンネル抵抗素子MR22の他方端は、Nチャネル型のMOSトランジスタQ16およびQ17を介して、ビット線BL1bおよびBL1aに電気的に接続されている。
【0264】
また、MOSトランジスタQ16およびQ17のゲート電極は、それぞれワード線WL2bおよびWL2aに接続されている。
【0265】
なお、磁気トンネル抵抗素子MR22の一方端は、双方向電流源S11にも接続され、磁気トンネル抵抗素子MR22の制御配線WR22は、スイッチ付き電流源S14から電流を供給される配線R2に接続されている。
【0266】
アドレスAD23のメモリセルは、磁気トンネル抵抗素子MR23の一方端が、Nチャネル型のMOSトランジスタQ14を介して参照電圧源VR11に電気的に接続され、磁気トンネル抵抗素子MR23の他方端は、Nチャネル型のMOSトランジスタQ14およびQ15を介して、ビット線BL2bおよびBL2aに電気的に接続されている。なお、ビット線BL2bおよびBL2aは、それぞれ、スイッチ付きバッファB13およびB14に接続されている。バッファB13およびB14は、電流Iout3およびIout4を出力する。
【0267】
また、MOSトランジスタQ14およびQ15のゲート電極は、それぞれワード線WL1bおよびWL1aに接続されている。
【0268】
なお、磁気トンネル抵抗素子MR23の一方端は、双方向電流源S12にも接続され、磁気トンネル抵抗素子MR23の制御配線WR23は、スイッチ付き電流源S13から電流を供給される配線R1に接続されている。
【0269】
アドレスAD24のメモリセルは、磁気トンネル抵抗素子MR24の一方端が、Nチャネル型のMOSトランジスタQ14を介して参照電圧源VR11に電気的に接続され、磁気トンネル抵抗素子MR24の他方端は、Nチャネル型のMOSトランジスタQ18およびQ19を介して、ビット線BL2bおよびBL2aに電気的に接続されている。
【0270】
また、MOSトランジスタQ18およびQ19のゲート電極は、それぞれワード線WL2bおよびWL2aに接続されている。
【0271】
なお、磁気トンネル抵抗素子MR24の一方端は、双方向電流源S12にも接続され、磁気トンネル抵抗素子MR24の制御配線WR24は、スイッチ付き電流源S14から電流を供給される配線R2に接続されている。
【0272】
なお双方向電流源S11およびS12は、3パターンの動作が可能な電源である。すなわち、双方向電流源S11を例に採れば、制御信号C1が+の場合には、例えば、配線WC1に図面に向かって右方向へ電流を流し、制御信号C1が−の場合では、左方向へ電流を流す。また、制御信号C1が+でも−でもない状態では、双方向電流源S11は動作せず、スタンバイの状態を保つ。これは双方向電流源S12においても同様である。
【0273】
次に、図13を参照しつつ、図14に示すタイミングチャートを用いて、MRAM100の動作を説明する。なお、以下の説明においては、アドレスAD21へのデータの書き込み動作および読み出し動作を例に採って説明する。
【0274】
<B−2.動作>
図14は、MRAM200におけるアドレスAD21へのデータの書き込み動作および読み出し動作に際しての、各種電圧および電流のタイミングチャートである。
【0275】
<B−2−1.書き込み動作>
アドレスAD21へのデータの書き込みに際しては、書き込みに要する所定期間、双方向電流源S11の制御信号C1として+の信号を与え、配線WC1に図面に向かって右方向の電流Ic1(+Ic1)を流す。
【0276】
また、スイッチ付き電流源S13がオン状態となるように、スイッチW13にオン信号を与え、電流源S13から配線R1に電流IR1を流す。
【0277】
電流Ic1(この場合は+Ic1)と電流IR1とにより発生する交番磁場により、磁気トンネル抵抗素子MR21の強磁性体層の磁化ベクトルが決定され、書き込みが行われる。以後は、次の、書き込みあるいは読み出し動作まで、スタンバイ状態となる。
【0278】
上述した一連の動作により、磁気トンネル抵抗素子MR21(すなわちアドレスAD21)に情報が書き込まれる。この時に書き込まれる情報を、論理0とする。
【0279】
なお、磁気トンネル抵抗素子MR21に、上述した論理とは反対の論理1を書き込む場合には、書き込みに要する所定期間、双方向電流源S11の制御信号C1として−の信号を与え、配線WC1に図面に向かって左方向の電流Ic1(−Ic1)を流す。
【0280】
また、スイッチ付き電流源S13がオン状態となるように、スイッチW13にオン信号を与え、電流源S13から配線R1に電流IR1を流す。
【0281】
電流Ic1(この場合は−Ic1)と電流IR1とにより発生する交番磁場により、磁気トンネル抵抗素子MR21の強磁性体層の磁化ベクトルが決定され、書き込みが行われる。
【0282】
上述した一連の動作により、磁気トンネル抵抗素子MR21に論理1の情報が書き込まれる。以後は、次の書き込みあるいは読み出し動作まで、スタンバイ状態となる。
【0283】
なお、ビット線BL2aおよびBL2b、ワード線WL2aおよびW2bはアドレスAD21へのデータの書き込み動作および読み出し動作には無関係なので、電圧Vssの状態を保つ。
【0284】
ここで、アドレスAD22の磁気トンネル抵抗素子MR22には、配線WC1を流れる電流Ic1による磁場が作用するが、配線R2には電流が流れていないので、磁気トンネル抵抗素子MR22に情報が書き込まれることはない。
【0285】
また、配線R1には電流Ic1が流れるが、配線WC2には電流が流れないので、アドレスAD23の磁気トンネル抵抗素子MR23にも情報が書き込まれることはない。なお、磁気トンネル抵抗素子MR22およびMR23のように、磁化方向を制御するための2種類の電流のうち、一方しか供給されていない状態の磁気トンネル抵抗素子を、半選択(half-select)の磁気トンネル抵抗素子と呼称する。
【0286】
<B−2−2.読み出し動作>
アドレスAD21からのデータの読み出しに際しては、参照電圧源VR11の出力スイッチであるMOSトランジスタQ11がオン状態となるように、ゲート制御信号RR11として、電圧Vddを与える。
【0287】
この動作により、磁気トンネル抵抗素子MR21の一方端に参照電圧Vrefが与えられる。ここで、参照電圧Vrefは、電圧Vddと同じでも、異なっていても構わないが、参照電圧Vrefは、トンネル磁気抵抗の変化率(TMRR)が十分大きくなるように設定されている。
【0288】
ビット線BL1aに情報を読み出す場合は、ワード線WL1aに電圧Vddを、ワード線WL1bに電圧Vssを与えることで、MOSトランジスタQ13はオン状態となり、MOSトランジスタQ12がオフ状態を保つようにする。
【0289】
パストランジスタであるMOSトランジスタQ13がオン状態になると、磁気トンネル抵抗素子MR21を介して、磁気トンネル抵抗素子MR21の抵抗値(強磁性体の磁化の方向によって決まる)に応じた電流が流れるが、MOSトランジスタQ12はオフ状態にあるので、磁気トンネル抵抗素子MR21を流れた電流は、ほとんど全てMOSトランジスタQ13を介してビット線BL1aに流れる。
【0290】
また、スイッチ付きバッファB12のスイッチBB12に電圧Vddが与えられ、バッファB12がオンすると、ビット線BL1aに流れる電流が増幅されて電流Iout2として出力される。
【0291】
なお、電流Iout2は、図示しないセンスアンプ、例えば、図10に示すセンスアンプSA1に与えられ、センス増幅して情報が読み出される。以後は、次の、書き込みあるいは読み出し動作まで、スタンバイ状態となる。
【0292】
また、ビット線BL1bに情報を読み出す場合は、ワード線WL1bに電圧Vddを、ワード線WL1aに電圧Vssを与えることで、MOSトランジスタQ12はオン状態となり、MOSトランジスタQ13がオフ状態を保つようにする。
【0293】
パストランジスタであるMOSトランジスタQ12がオン状態になると、磁気トンネル抵抗素子MR21の抵抗値(強磁性体の磁化の方向によって決まる)に応じた電流が流れるが、MOSトランジスタQ13はオフ状態にあるので、磁気トンネル抵抗素子MR21を流れた電流は、ほとんど全てMOSトランジスタQ12を介してビット線BL1bに流れる。
【0294】
また、スイッチ付きバッファB11のスイッチBB11に電圧Vddが与えられ、バッファB11がオンすると、ビット線BL1bに流れる電流が増幅されて電流Iout1として出力される。
【0295】
なお、電流Iout1は、図示しないセンスアンプ、例えば、図10に示すセンスアンプSA1に与えられ、センス増幅して情報が読み出される。以後は、次の、書き込みあるいは読み出し動作まで、スタンバイ状態となる。
【0296】
ここで、MOSトランジスタQ12およびQ13のように、ビット線間に直列に接続されたMOSトランジスタは、磁気トンネル抵抗素子に流れる電流をビット線に流したり、磁気トンネル抵抗素子への情報の書き込みのための電流の経路を構成するので、ポートと呼称する場合もある。また、MOSトランジスタQ12およびQ13を接続する配線を、磁気トンネル接合素子に対する情報の書き込みおよび読み出しのための電流の経路となる配線と総称する場合もある。
【0297】
<B−2−3.非同期読み出し>
次に、ビット線を共用する異なるアドレスのメモリセルから、それぞれ独立したタイミングで(非同期に)情報を読み出す動作について説明する。なお、以下の説明では、磁気トンネル抵抗素子MR21およびMR22の情報を読み出す動作を説明する。
【0298】
まず、参照電圧源VR11の出力スイッチであるMOSトランジスタQ11がオン状態となるように、ゲート制御信号RR11として、電圧Vddを与える。
【0299】
この動作により、磁気トンネル抵抗素子MR21およびMR22の一方端に参照電圧Vrefが与えられる。
【0300】
そして、ワード線WL1aおよびWL2bに電圧Vddを、ワード線WL1bおよびWL2aに電圧Vssを与えることで、MOSトランジスタQ13およびQ16がオン状態となり、MOSトランジスタQ12およびQ17がオフ状態を保つようにする。
【0301】
MOSトランジスタQ13がオン状態になると、磁気トンネル抵抗素子MR21の抵抗値(強磁性体の磁化の方向によって決まる)に応じた電流が流れるが、MOSトランジスタQ12はオフ状態にあるので、磁気トンネル抵抗素子MR21を流れた電流は、ほとんど全てMOSトランジスタQ13を介してビット線BL1aに流れる。
【0302】
また、MOSトランジスタQ16がオン状態になると、磁気トンネル抵抗素子MR22の抵抗値(強磁性体の磁化の方向によって決まる)に応じた電流が流れるが、MOSトランジスタQ17はオフ状態にあるので、磁気トンネル抵抗素子MR22を流れた電流は、それぞれ、ほとんど全てMOSトランジスタQ16を介してビット線BL1bに流れる。
【0303】
スイッチ付きバッファB11およびB12のスイッチBB11およびBB12に電圧Vddが与えられ、バッファB11およびB12がオンすると、ビット線BL1bおよびBL1aに流れる電流が増幅されて電流Iout1およびIout2として出力される。
【0304】
<B−3.作用効果>
以上説明したように、MRAM200においては、1つのメモリセルに対して1対のビット線を配設し、2本のビット線と磁気トンネル抵抗素子の間にそれぞれスイッチ素子を介挿しているので、磁気トンネル抵抗素子の情報を読み出す際には、スイッチ素子を選択的にオンするように制御することで、ビット線を共用する異なるアドレスのメモリセルから、それぞれ独立したタイミングで(非同期に)情報を読み出すことができる。
【0305】
なお、ビット線を共用する異なるアドレスのメモリセルのうち、2つのアドレスを対象とするのであれば、2つのアドレスの情報を同時に読み出すことができることは言うまでもない。その場合には、2つのアドレスのメモリセルに、それぞれ接続されるワード線対に所定の電圧を与えるタイミング、および各ビット線に接続されるバッファをオンするタイミングを同期させるようにすれば良い。
【0306】
<C.実施の形態3>
<C−1.装置構成>
<C−1−1.回路構成>
図15に、本発明に係る実施の形態3のMRAM300の回路図を示す。
図15においては、アドレスAD00、AD10、AD01、AD11、AD0n、およびAD1nのメモリセルを示しており、アドレスAD01とアドレスAD0nとの間のメモリセル、アドレスAD11とアドレスAD1nとの間のメモリセルについて記載を省略している。なお、図15においては、磁気トンネル抵抗素子を、実施の形態1で説明したMRAM100と同様にメモリ線とビット線との間に配設した構成とし、可変抵抗の記号を用いて記載する。
【0307】
図15に示すように、アドレスAD00のメモリセルは、ビット線BL0とBL1との間に、直列に接続されたMOSトランジスタQ1およびQ2と、磁気トンネル抵抗素子MR00とを備え、MOSトランジスタQ1およびQ2のゲート電極が、ワード線WL0aおよびWL0bに接続されている。
【0308】
そして、磁気トンネル抵抗素子MR00は、MOSトランジスタQ1とQ2との接続ノードとメモリ線ML0との間に接続され、磁気トンネル抵抗素子MR00とメモリ線ML0との接続ノードをノードN1、MOSトランジスタQ1とQ2との接続ノードをノードN2、MOSトランジスタQ1とビット線BL0との接続ノードをノードN3、MOSトランジスタQ2とビット線BL1との接続ノードをノードN4と呼称する。
【0309】
アドレスAD01のメモリセルは、ビット線BL1とBL2との間に、直列に接続されたMOSトランジスタQ1およびQ2と、磁気トンネル抵抗素子MR01とを備え、MOSトランジスタQ1およびQ2のゲート電極が、ワード線WL0aおよびWL0bに接続されている。そして、磁気トンネル抵抗素子MR01は、MOSトランジスタQ1とQ2との接続ノードとメモリ線ML1との間に接続されている。
【0310】
なお、アドレスAD01においては、後の動作説明の便宜上、磁気トンネル抵抗素子MR01とメモリ線ML1との接続ノードをノードN10、MOSトランジスタQ1とQ2との接続ノードをノードN9、MOSトランジスタQ1とビット線BL1との接続ノードをノードN4と呼称する。
【0311】
また、アドレスAD10のメモリセルは、ビット線BL0とBL1との間に、直列に接続されたMOSトランジスタQ10およびQ11と、磁気トンネル抵抗素子MR10とを備え、MOSトランジスタQ10およびQ11のゲート電極が、ワード線WL1aおよびWL1bに接続されている。
【0312】
そして、磁気トンネル抵抗素子MR10は、MOSトランジスタQ10とQ11との接続ノードとメモリ線ML0との間に接続され、磁気トンネル抵抗素子MR10とメモリ線ML0との接続ノードをノードN5、MOSトランジスタQ10とQ11との接続ノードをノードN6、MOSトランジスタQ10とビット線BL0との接続ノードをノードN7、MOSトランジスタQ11とビット線BL1との接続ノードをノードN8と呼称する。
【0313】
アドレスAD11のメモリセルは、ビット線BL11とBL2との間に、直列に接続されたMOSトランジスタQ10およびQ11と、磁気トンネル抵抗素子MR11とを備え、MOSトランジスタQ10およびQ11のゲート電極が、ワード線WL1aおよびWL1bに接続されている。
【0314】
そして、磁気トンネル抵抗素子MR11は、MOSトランジスタQ10とQ11との接続ノードとメモリ線ML1との間に接続されている。
【0315】
アドレスAD11のMOSトランジスタQ10と、アドレスAD10のMOSトランジスタQ11とは共通してビット線BL1に接続され、その接続ノードをノードN8と呼称する。
【0316】
このように、隣り合うメモリセルどうしは、その間に配設されたビット線を共有しており、この構成がアドレスAD0nおよびアドレスAD1nまで続いている。
【0317】
メモリ線ML0、ML1およびMLnは、それぞれNチャネル型のMOSトランジスタQ3、Q31およびQ3nを介して参照電圧源VR1に共通に接続されるとともに、それぞれスイッチ付き電流源S0、S1およびSnに接続される構成となっている。
【0318】
ビット線BL0、BL1、BL2、BLnおよびBLn+1は、それぞれ、スイッチ付きバッファB0、B1、B2、BnおよびBn+1の入力に接続され、電流I00、I01、I02、I0nおよびI0n+1がスイッチ付きバッファB0〜Bn+1で電流増幅されて、それぞれセンスアンプSA1に与えられる構成となっている。
【0319】
なお、センスアンプSA1の構成は、図10において説明しているので説明は省略する。
【0320】
ここで、センスアンプSA1の動作時には電圧Vss(接地電圧)が必要であるが、MRAM300では、センスアンプSA1に電圧Vssを供給するラインが配線SNLに共通に接続され、配線SNLは、Nチャネル型のMOSトランジスタQdを介して、サブパワー線SVssに電気的に接続される構成となっている。
【0321】
なお、MRAM300では、ビット線やワード線、電圧Vssの供給ライン等のパワーラインが階層構造(それぞれ、階層ビット線構造、階層ワード線構造、階層パワーライン構造と呼称する場合あ)になっており、サブパワー線SVssはメインとなるパワーラインVss1およびVss2に接続されている。
【0322】
ここで、階層構造とは、メインとなる配線から、枝線が分岐している構造であり、メイン配線と分岐線との間には、当該分岐線への電流あるいは電圧の供給および停止を制御する供給制御手段が設けられている。
【0323】
従って、メモリセルアレイの規模が大きくなった場合に、メモリ領域を複数のブロックに分け、各ブロックには枝線から電流あるいは電圧の供給を行うようにすることで、使用しないブロックには電流あるいは電圧の供給を停止でき、また、メイン配線の負荷容量を低減することができる。
【0324】
また、ビット線BL0〜BLnおよびワード線WL0a、WL0b、WL1a、WL1bも図示しないメインビット線およびメインワード線に接続されており、メモリセルアレイの規模が大きくなっても、信号伝達の遅延を防止する構成となっている。
【0325】
センスアンプSA1の動作の説明に戻ると、センスアンプSA1の動作時にのみ、MOSトランジスタQdのゲート電極に接続された制御信号線SDLに、MOSトランジスタQdの制御信号φとしてオン信号が与えられ、MOSトランジスタQdを介して配線SNLに電圧Vssが供給されることになる。
【0326】
センスアンプSA1が動作しないときには、制御信号φとしてオフ信号が与えられ、配線SNLはフローティング状態になる。従って、センスアンプSA1の非動作時には消費電力を低減することができる。
【0327】
なお、センスアンプSA1のセンス速度は、配線SNLにより電圧Vssを各センスアンプSA1 に供給する速度で決まる。従って、センスアンプSA1が一斉に動作して、配線SNLへの電流供給が不十分になると、サブパワー線SVssや配線SNLの電位が変動し、センスアンプSA1の動作速度が低減して、情報の読み出し時間が長くなる可能性があるが、例えば、8〜16ビットごとに、パワーラインVss1およびVss2により電圧Vssを供給して、電位固定することで、センスアンプSA1の動作速度を確保することができる。
【0328】
なお、図10を用いて説明した実施の形態1のMRAM100においても、ビット線、ワード線およびパワーラインが階層構造となった構成にしても良いことは言うまでもない。
【0329】
<C−1−2.平面構成>
図16に、MRAM300のメモリセルアレイ部分の平面レイアウトを模式的に示す。
【0330】
図16においては、メモリセルアレイのうち、4つのアドレスAD00、AD10、AD01、AD11に対応するMRAMメモリセルが示されており、それぞれを単位セルUC00、UC10、UC01およびUC11として、破線で示している。
【0331】
図16に示すように、ビット線BL0、BL1およびBL2が平行に配設され、これらのビット線と平面視的に直交するように、ワード線WL0a、WL0b、WL1aおよびWL1bが平行に配設されている。
【0332】
そして、ビット線BL0とBL1とで挟まれる領域の中央(単位セルの中央)にメモリ線ML0がビット線に平行に配設され、ビット線BL1とBL2とで挟まれる領域の中央(単位セルの中央)にメモリ線ML1がビット線に平行に配設されている。
【0333】
また、単位セルUC00およびUC01の活性領域AA上には、MOSトランジスタQ1およびQ2のゲート電極が、ビット線に平行に配設され、単位セルUC10およびUC11の活性領域AA上には、MOSトランジスタQ10およびQ11のゲート電極が、ビット線に平行に配設されている。
【0334】
そして、ビット線BL0、BL1およびBL2は、各単位セルにおいて、コンタクトプラグPG12(図示されないPG11との2段構造)を介して、活性領域AAに電気的に接続される構成となっている。
【0335】
なお、各MOSトランジスタQ1のゲート電極は、コンタクトプラグPG2を介してワード線WL0aに電気的に接続されるので、ワード線WL0aと呼称し、各MOSトランジスタQ2のゲート電極は、コンタクトプラグPG2を介してワード線WL0bに電気的に接続されるので、ワード線WL0bと呼称する場合もある。
【0336】
また、各MOSトランジスタQ10のゲート電極は、コンタクトプラグPG2を介してワード線WL1aに電気的に接続されるので、ワード線WL1aと呼称し、各MOSトランジスタQ11のゲート電極は、コンタクトプラグPG2を介してワード線WL1bに電気的に接続されるので、ワード線WL1bと呼称する場合もある。
【0337】
ここで、図16の左端部には、ダミー領域DAが設けられている。ダミー領域DAにおいては、ダミーワード線(ダミーゲート電極)DWLおよびダミーメモリ線DMLが、メモリセル領域と同様の配列で設けられている。
【0338】
<C−1−3.断面構成>
図16におけるA−A線での矢視方向断面の構成を図17に示す。なお、図6を用いて説明したMRAM100と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0339】
図17に示すように、MRAM300はシリコン基板SB上に配設され、シリコン基板SBの表面内に設けた素子分離絶縁膜STIによって活性領域AAが規定されている。
【0340】
図17に示すように、単位セルUC10は、2つのMOSトランジスタQ10およびQ11と、1つの磁気トンネル抵抗素子MR10とを備えている。この構造は他の単位セルについても同じである。
【0341】
MOSトランジスタQ10とQ11との間には、金属シリサイド層MS11が配設されている。金属シリサイド層MS11は活性領域AA上だけでなく素子分離絶縁膜STI上も覆うように配設され、素子分離絶縁膜STI上に対応する金属シリサイド層MS11上には、磁気トンネル抵抗素子MR10が配設されている。
【0342】
なお、磁気トンネル抵抗素子MR10は、金属シリサイド層MS11上に設けられた層間絶縁膜IZ9に囲まれている。そして、その最上部の端面だけが層間絶縁膜IZ9の表面において露出し、そこを覆うようにバリアメタル層BM2が配設され、バリアメタル層BM2上に金属配線のメモリ線ML0が配設されている。
【0343】
また、MOSトランジスタQ10およびQ11の、金属シリサイド層MS11で覆われない方のソース・ドレイン層SDは、電気伝導性を有する材料で構成されるコンタクトプラグPG11およびPG12を介して、ビット線BL0およびBL1に電気的に接続されている。
【0344】
コンタクトプラグPG11は、層間絶縁膜IZ1を貫通するように設けられたコンタクトホール内に、例えば、ドープトポリシリコンやタングステン等を充填して構成されている。また、コンタクトプラグPG12は、層間絶縁膜IZ2を貫通するように設けられたコンタクトホール内に、例えば、ドープトポリシリコンやタングステン等を充填して構成されている。そして、コンタクトプラグPG11の上端部には金属シリサイド層MS12が配設され、コンタクトプラグPG11とPG12とは金属シリサイド層MS12を間に介して電気的に接続されている。
【0345】
なお、単位セルUC10のMOSトランジスタQ11と、単位セルUC11のMOSトランジスタQ10とは、共通の活性領域AA上に配設され、共通のソース・ドレイン層を有する構成となっている。そして、コンタクトプラグPG11はこの共通のソース・ドレイン層SDに接続されている。
【0346】
なお、以上の説明においては単位セルUC10の構成について説明したが、他の単位セルについても同様の構成を有している。
【0347】
ビット線BL0、BL1およびBL2(第1層の金属層)は、層間絶縁膜IZ1上に配設された層間絶縁膜IZ3中に配設され、コンタクトプラグPG12の上端部が、それぞれビット線BL0、BL1およびBL2に接続されている。
【0348】
なお、層間絶縁膜IZ3上には層間絶縁膜IZ4が配設されており、層間絶縁膜IZ4より上層の構成は、図17においては省略している。
【0349】
また、図16におけるB−B線およびC−C線での矢視方向断面の構成は、図7および図8を用いて説明した構成と同様である。
【0350】
<C−2.動作>
次に、図15を参照しつつ、図18および図19に示すタイミングチャートを用いて、MRAM300の動作を説明する。なお、以下の説明においては、アドレスAD00へのデータの書き込み動作および読み出し動作を例に採って説明する。
【0351】
<C−2−1.書き込み動作>
図18および図19は、MRAM300におけるアドレスAD00へのデータの書き込み動作および読み出し動作に際しての、各種電圧および電流のタイミングチャートである。
【0352】
アドレスAD00へのデータの書き込みに際しては、スイッチ付き電流源S0のスイッチW0をオンするようにスイッチW0に所定の電圧を与え、メモリ線ML0に電流I1を流す。そして、書き込みに要する所定期間、ビット線BL0に電圧Vddを与え、その間はビット線BL1に電圧Vssを与える。
【0353】
また、ワード線WL0aおよびWL0b共に、所定期間、電圧Vddを与え、Nチャネル型のMOSトランジスタQ1およびQ2をオン状態にする。これにより電流I2が、ノードN3からノードN4に向けて流れる。この電流I2の方向を+方向とし、電流+I2と呼称する。
【0354】
図19には、MOSトランジスタQ1およびQ2に流れる電流のタイミングチャートを示しており、上記のタイミングでは電流+I2が流れることを示している。なお、図19においてMOSトランジスタQ1に流れる電流は、ノードN3からN2に向けて流れる場合を正(+)、反対方向を負(−)とし、MOSトランジスタQ2に流れる電流は、ノードN2からN4に向けて流れる場合を正(+)、反対方向を負(−)として表す。
【0355】
この結果、電流I1およびI2が生成する交番磁場により、磁気トンネル抵抗素子MR00の強磁性体層FM1の磁化ベクトルが決定され、書き込みが行われる。なお、強磁性体層FM2の磁化ベクトルは固定されており、変化しない。
【0356】
上述した一連の動作により、磁気トンネル抵抗素子MR00(すなわちアドレスAD00)に情報が書き込まれる。この時に書き込まれる情報を、論理0とする。
【0357】
続いて、スイッチ付き電流源S0のスイッチW0をオフすることで、メモリ線ML0に電流I1が流れなくなる。この後、メモリ線ML0の電位を、電圧Vssにプリチャージする。
【0358】
また、ワード線WL0aおよびWL0bの電圧を、共に電圧Vssに設定して、MOSトランジスタQ1およびQ2をオフ状態にする。また、ビット線BL0aおよびBL0bに電圧Vssを与える。この期間を、スタンバイ期間と呼称する。
【0359】
なお、磁気トンネル抵抗素子MR00に、上述した論理とは反対の論理1を書き込む場合には、スイッチ付き電流源S0のスイッチW0をオンするようにスイッチW0に所定の電圧を与え、メモリ線ML0に電流I1を流す。電流が流れるため、図18に示すようにメモリ線ML0の電位が、電圧Vssよりも高くなる方向に変化する。そして、書き込みに要する所定期間、ビット線BL1に電圧Vddを与え、その間はビット線BL0に電圧Vssを与える。
【0360】
また、ワード線WL0aおよびWL0b共に、所定期間、電圧Vddを与え、Nチャネル型のMOSトランジスタQ1およびQ2をオン状態にする。これにより電流I2が、ノードN4からノードN3に向けて流れる。この電流I2の方向を−方向とし、電流−I2と呼称する。
【0361】
図19の、MOSトランジスタQ1およびQ2に流れる電流のタイミングチャートにおいては、上記のタイミングでは電流−I2が流れることを示している。
【0362】
この結果、電流I1およびI2が生成する交番磁場により、磁気トンネル抵抗素子MR00の強磁性体層FM1の磁化ベクトルが決定され、書き込みが行われるが、電流I2がノードN4からN3へ流れるため、磁化ベクトルの方向は、論理0の書き込みの場合とは異なり、論理0とは反対の論理1が書き込まれる。このとき、強磁性体層FM2の磁化ベクトルは変化しない。
【0363】
<C−2−2.読み出し動作>
アドレスAD00からのデータの読み出しに際しては、まず、参照電圧源VR1の出力スイッチであるMOSトランジスタQ3がオン状態となるように、ゲート制御信号RR0として、所定電圧を与える。なお、図19に示すように、所定電圧を与える期間は読み出しに要する所定期間以上となるように設定する。
【0364】
この動作により、メモリ線ML0には参照電圧Vrefが与えられる。
【0365】
ここで、MOSトランジスタQ1がオンする前には、磁気トンネル抵抗素子MR00にはほとんど電流が流れないので、磁気トンネル抵抗素子MR00による電圧降下は発生しない。従って、ノードN1およびN2共に、電圧Vrefに設定される。
【0366】
ビット線BL0に情報を読み出す場合は、ワード線WL0aに電圧Vddを、ワード線WL0bに電圧Vssを与えることで、MOSトランジスタQ1はオン状態となり、MOSトランジスタQ2がオフ状態を保つようにする。
【0367】
MOSトランジスタQ1がオン状態になると、磁気トンネル抵抗素子MR00に電流が流れ、ノードN1からノードN2を介してノードN3に電流が流れる。このとき流れる電流は、磁気トンネル抵抗素子MR00抵抗値(強磁性体の磁化の方向によって決まる)に応じて決まる。
【0368】
図19において、この読み出しによりMOSトランジスタQ1に流れる電流は−の電流として示している。
【0369】
なお、MOSトランジスタQ2はオフ状態にあるので、磁気トンネル抵抗素子MR00を流れた電流は、ほとんど全てMOSトランジスタQ1を介してビット線BL0に電流I00として流れる。
【0370】
スイッチ付きバッファB0のスイッチBB0に電圧Vddが与えられ、バッファB0がオンすると、電流I00が増幅されてセンスアンプSA1に与えられる。センスアンプSA1においては、増幅された電流I00がセンス増幅され、情報が読み出される。
【0371】
ビット線BL0に情報を読み出した後は、スイッチ付きバッファB0のスイッチBB0に電圧Vssが与えられ、バッファB0がオフ状態となる。
【0372】
また、ワード線WL0aおよびWL0bに、共に電圧Vssが与えられ、MOSトランジスタQ1およびQ2が、共にオフ状態になる。
【0373】
やがて、参照電圧源VR1の出力スイッチであるMOSトランジスタQ3のゲート制御信号RR1に電圧Vssが与えられ、MOSトランジスタQ3がオフ状態になる。また、メモリ線ML0の電位を、電圧Vssにプリチャージする。
【0374】
これにより、ワード線WL0aおよびWL0b、ビット線BL0およびBL1に電圧Vssが与えられ、メモリ線ML0の電位が電圧Vssにプリチャージされてスタンバイ期間が始まる。
【0375】
なお、スイッチ付き電流源S1および参照電圧源VRの出力スイッチであるMOSトランジスタQ31は、アドレスAD00へのデータの書き込み動作および読み出し動作には無関係なので、スイッチ付き電流源S1のスイッチW1に与えられる電圧および、MOSトランジスタQ31のゲート制御信号RR1は、電圧Vssの状態を保つ。また、メモリ線ML1は電圧Vssの状態を保つ。
【0376】
また、ビット線BL1に情報を読み出すには、ワード線WL0aに電圧Vssを、ワード線WL0bに電圧Vddを与えることで、MOSトランジスタQ2はオン状態となり、磁気トンネル抵抗素子MR00に電流が流れ、ノードN1からノードN2を介してノードN4に電流が流れる。このとき流れる電流は、磁気トンネル抵抗素子MR00抵抗値(強磁性体の磁化の方向によって決まる)に応じて決まる。
【0377】
図19において、この読み出しによりMOSトランジスタQ2に流れる電流は+の電流として示している。
【0378】
<C−2−3.非同期読み出し>
次に、ビット線を共用する異なるアドレスのメモリセルから、それぞれ独立したタイミングで(非同期に)情報を読み出す動作について説明する。なお、以下の説明では、磁気トンネル抵抗素子MR00およびMR01の情報を読み出す動作を説明する。
【0379】
まず、参照電圧源VR1の出力スイッチであるMOSトランジスタQ3およびQ31がオン状態となるように、ゲート制御信号RR0およびRR1として、所定電圧を与える。この動作により、メモリ線ML0およびML1には参照電圧Vrefが与えられる。
【0380】
そして、ワード線WL0aに電圧Vddを、ワード線WL0bに電圧Vssを与えることで、アドレスAD00およびAD01のMOSトランジスタQ1がオン状態となり、アドレスAD00およびAD01のMOSトランジスタQ2はオフ状態を保つようにする。
【0381】
MOSトランジスタQ1がオン状態になると、磁気トンネル抵抗素子MR00およびMR01に電流が流れ、アドレスAD00においては、ノードN1からノードN2を介してノードN3に電流が流れ、アドレスAD01においては、ノードN10からノードN9を介してノードN4に電流が流れる。ここで、アドレスAD01においては、ノードN4からノードN9に向けて流れる電流の方向を+方向とする。
【0382】
また、図19においてアドレスAD01のMOSトランジスタQ1に流れる電流は、ノードN4からN9に向けて流れる場合を正(+)、反対方向を負(−)として表す。
【0383】
この結果、ビット線BL0には、磁気トンネル抵抗素子MR00の情報が読み出され、ビット線BL1には、磁気トンネル抵抗素子MR01の情報が読み出されることになる。
【0384】
なお、図19において、この読み出しによりアドレスAD00およびAD01のMOSトランジスタQ1に流れる電流は−の電流として示している。
【0385】
そして、スイッチ付きバッファB0およびB1のスイッチBB0およびBB1に電圧Vddが与えられ、バッファB0およびB1がオンすると、電流I00およびI01が増幅されて、それぞれセンスアンプSA1に与えられ、それぞれのセンスアンプSA1において、センス増幅されて情報が読み出される。以後は、次の、書き込みあるいは読み出し動作まで、スタンバイ状態となる。
【0386】
なお、以上の説明では、磁気トンネル抵抗素子MR00およびMR01の情報を非同期に読み出す動作を説明したが、実施の形態1において説明したように、磁気トンネル抵抗素子MR00およびMR10の情報を非同期に読み出すことも可能であることは言うまでもなく、その際の動作は、図11を用いて説明した動作と同様である。
【0387】
<C−3.作用効果>
以上説明したように、MRAM300においては、1つのメモリセルに対して1対のビット線を配設し、2本のビット線と磁気トンネル抵抗素子の間にそれぞれスイッチ素子を介挿しているので、磁気トンネル抵抗素子の情報を読み出す際には、スイッチ素子を選択的にオンするように制御することで、ビット線を共用する異なるアドレスのメモリセルから、それぞれ独立したタイミングで(非同期に)情報を読み出すことができる。
【0388】
また、ビット列が異なり隣り合って配置されたメモリセルどうしは、その間に配設されたビット線を共有しており、ビット線の本数を削減できるので、メモリ領域の占有面積を低減することができる。さらに、ビット列が異なり隣り合って配置されたメモリセルにおいても、それぞれ独立したタイミングで(非同期に)情報を読み出すことができる。
【0389】
<C−4.変形例>
以上説明したMRAM300においては、図17を用いて説明したように、磁気トンネル抵抗素子MR00、MR10、MR01およびMR11をMOSトランジスタのゲート電極と同じ層に配設する構成を示したが、図20に示すMRAM300Aのような構成としても良い。
【0390】
図20は、図17に対応する図であり、図17の構成と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0391】
図20に示すように、MRAM300Aにおいては、磁気トンネル抵抗素子MR00、MR10、MR01およびMR11(図17においてはMR10およびMR11のみ例示)を、ビット線BL0、BL1およびBL2が形成される層の上部に配設している。
【0392】
すなわち、MOSトランジスタQ10およびQ11のそれぞれのソース・ドレイン層SDは、何れも電気伝導性を有する材料で構成されるコンタクトプラグPG1に接続されている。そのうち、同一単位セル内のMOSトランジスタQ10およびQ11の、素子分離絶縁膜STIを間に挟んで隣り合うソース・ドレイン層SDに接続される2つのコンタクトプラグPG1は、共通配線CLに接続されている。
【0393】
共通配線CLは、各ビット線と同じ層に、同じ材質で配設され、上記2つのコンタクトプラグPG1どうしを電気的に接続するように構成されている。
【0394】
なお、共通配線CLに接続されないコンタクトプラグPG1は、単位セルUC10においてはビット線BL0およびBL1に、単位セルUC11においてはビット線BL1およびBL2に接続されている。
【0395】
そして、共通配線CL上には、バリアメタル層BM1を間に介して磁気トンネル抵抗素子MR10およびMR11が配設されている。磁気トンネル抵抗素子MR10およびMR11は、反強磁性体層AFM、強磁性体層FM2、絶縁体層BT1および強磁性体層FM1を順に積層して構成されている。
【0396】
そして、磁気トンネル抵抗素子MR10およびMR11のそれぞれの強磁性体層FM1がメモリ線ML0およびML1と接続する構成となっている。
【0397】
磁気トンネル抵抗素子MR10およびMR11は、層間絶縁膜IZ3およびIZ4中に配設され、メモリ線ML0およびML1は層間絶縁膜IZ5中に配設され、層間絶縁膜IZ5上には、層間絶縁膜IZ6およびIZ7が順に配設されている。
【0398】
なお、以上の説明においては単位セルUC10およびUC11の構成について説明したが、他の単位セルについても同様の構成を有しており、ダミー領域についても同様である。なお、MRAM300Aの動作は、MRAM300と同様である。
【0399】
このように、MRAM300Aにおいては、磁気トンネル抵抗素子をビット線の形成層よりも上層に形成したので、製造工程においては、ビット線よりも後に形成されることになる。
【0400】
キュリー温度よりも高い温度が磁気トンネル抵抗素子に加わると、磁性体が磁性を失うが、キュリー温度に達しないまでも、熱処理を行う時間や回数が多いと、磁性体の磁化の強度が徐々に弱くなり、磁気トンネル抵抗素子の特性が劣化する可能性がある。従って、MRAMの製造工程においては、磁気トンネル抵抗素子は、できるだけ後の工程で形成することが望ましく、MRAM300Aはこの点において有効な構成である。
【0401】
<D.実施の形態4>
<D−1.装置構成>
図21に、本発明に係る実施の形態4のMRAM400の回路図を示す。
図21においては、アドレスAD00、AD10、AD01、AD11の4つのメモリセルを示している。図21においては、磁気抵抗素子を、実施の形態1で説明したMRAM100と同様にメモリ線とビット線との間に配設した構成とし、可変抵抗の記号を用いて記載する。なお、磁気抵抗素子の構成は図6を用いて説明したMRAM100と同じである。
【0402】
図21に示すように、アドレスAD00のメモリセルは、ビット線WBL0aとWBL0bとの間に、直列に接続されたNチャネル型のMOSトランジスタQ21およびQ22と、ビット線RBL0aとRBL0bとの間に、直列に接続されたNチャネル型のMOSトランジスタQ23およびQ24と、磁気トンネル抵抗素子MR00とを備えている。そして、MOSトランジスタQ21およびQ22のゲート電極が、ワード線WWL0aおよびWWL0bに接続され、MOSトランジスタQ23およびQ24のゲート電極が、ワード線RWL0aおよびRWL0bに接続されている。
【0403】
磁気トンネル抵抗素子MR00は、MOSトランジスタQ21とQ22との接続ノードとメモリ線ML0との間に接続され、磁気トンネル抵抗素子MR00とメモリ線ML0との接続ノードをノードN1、MOSトランジスタQ21とQ22との接続ノードをノードN2、MOSトランジスタQ21とビット線WBL0aとの接続ノードをノードN3、MOSトランジスタQ22とビット線WBL0bとの接続ノードをノードN4、MOSトランジスタQ23とQ24との接続ノードをノードN5、MOSトランジスタQ23とビット線RBL0aとの接続ノードをノードN6、MOSトランジスタQ24とビット線RBL0bとの接続ノードをノードN7と呼称する。なお、ノードN2とN5とは電気的に接続されている。
【0404】
アドレスAD01のメモリセルは、ビット線WBL1aとWBL1bとの間に、直列に接続されたNチャネル型のMOSトランジスタQ21およびQ22と、ビット線RBL1aとRBL1bとの間に、直列に接続されたNチャネル型のMOSトランジスタQ23およびQ24と、磁気トンネル抵抗素子MR01とを備え、MOSトランジスタQ21およびQ22のゲート電極が、ワード線WWL0aおよびWWL0bに接続され、MOSトランジスタQ23およびQ24のゲート電極が、ワード線RWL0aおよびRWL0bに接続されている。
【0405】
そして、磁気トンネル抵抗素子MR01は、MOSトランジスタQ21とQ22との接続ノードとメモリ線ML1との間に接続され、磁気トンネル抵抗素子MR01とメモリ線ML1との接続ノードをノードN1、MOSトランジスタQ21とQ22との接続ノードをノードN2、MOSトランジスタQ21とビット線WBL1aとの接続ノードをノードN3、MOSトランジスタQ22とビット線WBL1bとの接続ノードをノードN4、MOSトランジスタQ23とQ24との接続ノードをノードN5、MOSトランジスタQ23とビット線RBL1aとの接続ノードをノードN6、MOSトランジスタQ24とビット線RBL1bとの接続ノードをノードN7と呼称する。なお、ノードN2とN5とは電気的に接続されている。
【0406】
また、アドレスAD10のメモリセルは、ビット線WBL0aとWBL0bとの間に、直列に接続されたNチャネル型のMOSトランジスタQ25およびQ26と、ビット線RBL0aとRBL0bとの間に、直列に接続されたNチャネル型のMOSトランジスタQ27およびQ28と、磁気トンネル抵抗素子MR10とを備えている。そして、MOSトランジスタQ25およびQ26のゲート電極が、ワード線WWL1aおよびWWL1bに接続され、MOSトランジスタQ27およびQ28のゲート電極が、ワード線RWL1aおよびRWL1bに接続されている。
【0407】
そして、磁気トンネル抵抗素子MR10は、MOSトランジスタQ25とQ26との接続ノードとメモリ線ML0との間に接続され、磁気トンネル抵抗素子MR10とメモリ線ML0との接続ノードをノードN8、MOSトランジスタQ25とQ26との接続ノードをノードN9、MOSトランジスタQ25とビット線WBL0aとの接続ノードをノードN10、MOSトランジスタQ26とビット線WBL0bとの接続ノードをノードN11、MOSトランジスタQ27とQ28との接続ノードをノードN12、MOSトランジスタQ27とビット線RBL0aとの接続ノードをノードN13、MOSトランジスタQ28とビット線RBL0bとの接続ノードをノードN14と呼称する。なお、ノードN9とN12とは電気的に接続されている。
【0408】
アドレスAD11のメモリセルは、ビット線WBL1aとWBL1bとの間に、直列に接続されたNチャネル型のMOSトランジスタQ25およびQ26と、ビット線RBL1aとRBL1bとの間に、直列に接続されたNチャネル型のMOSトランジスタQ27およびQ28と、磁気トンネル抵抗素子MR11とを備え、MOSトランジスタQ25およびQ26のゲート電極が、ワード線WWL1aおよびWWL1bに接続され、MOSトランジスタQ27およびQ28のゲート電極が、ワード線RWL1aおよびRWL1bに接続されている。
【0409】
そして、磁気トンネル抵抗素子MR11は、MOSトランジスタQ25とQ26との接続ノードとメモリ線ML1との間に接続され、磁気トンネル抵抗素子MR11とメモリ線ML0との接続ノードをノードN8、MOSトランジスタQ25とQ26との接続ノードをノードN9、MOSトランジスタQ25とビット線WBL1aとの接続ノードをノードN10、MOSトランジスタQ26とビット線WBL1bとの接続ノードをノードN11、MOSトランジスタQ27とQ28との接続ノードをノードN12、MOSトランジスタQ27とビット線RBL1aとの接続ノードをノードN13、MOSトランジスタQ28とビット線RBL1bとの接続ノードをノードN14と呼称する。なお、ノードN9とN12とは電気的に接続されている。
【0410】
メモリ線ML0およびML1は、それぞれNチャネル型のMOSトランジスタQ3およびQ31を介して参照電圧源VR1に共通に接続されるとともに、それぞれスイッチ付き電流源S1およびS2に接続される構成となっている。
【0411】
ビット線RBL0a、RBL0b、RBL1aおよびRBL1bは情報の読み出しのためのビット線であり、それぞれ、スイッチ付きバッファB1、B2、B3およびB4の入力に接続され、電流I0a、I0b、I1aおよびI1bがスイッチ付きバッファB1〜B4に与えられ、スイッチ付きバッファB1〜B4で電流増幅された出力が、それぞれセンスアンプSA1に与えられる構成となっている。
【0412】
なお、ビット線WBL0a、WBL0b、WBL1aおよびWBL1bは情報の書き込みのためのビット線である。
【0413】
また、ワード線RWL0a、RWL0b、RWL1aおよびRWL1bは、情報の読み出しのためのワード線であり、ワード線WWL0a、WWL0b、WWL1aおよびWWL1bは、情報の書き込みのためのワード線である。
【0414】
<D−2.動作>
次に、図21を参照しつつ、図22および図23に示すタイミングチャートを用いて、MRAM400の動作を説明する。なお、以下の説明においては、アドレスAD00へのデータの書き込み動作および読み出し動作を例に採って説明する。
【0415】
<D−2−1.書き込み動作>
図22および図23は、MRAM400におけるアドレスAD00へのデータの書き込み動作および読み出し動作に際しての、各種電圧および電流のタイミングチャートである。
【0416】
アドレスAD00へのデータの書き込みに際しては、スイッチ付き電流源S1のスイッチW1をオンするようにスイッチW1に所定の電圧を与え、メモリ線ML0に電流I1を流す。電流が流れるため、図22に示すようにメモリ線ML0の電位が、電圧Vssよりも高くなる方向に変化する。そして、書き込みに要する所定期間、ビット線WBL0aに電圧Vddを与え、その間はビット線WBL0bに電圧Vssを与える。
【0417】
次に、ワード線WWL0aおよびWWL0b共に、所定期間、電圧Vddを与え、MOSトランジスタQ21およびQ22をオン状態にする。これにより電流I3が、ノードN3からノードN4に向けて流れる。この電流I3の方向を+方向とし、電流+I3と呼称する。
【0418】
図23には、MOSトランジスタQ21およびQ22に流れる電流のタイミングチャートを示しており、上記のタイミングでは電流+I3が流れることを示している。なお、図23においてMOSトランジスタQ21に流れる電流は、ノードN3からN2に向けて流れる場合を正(+)、反対方向を負(−)とし、MOSトランジスタQ22に流れる電流は、ノードN2からN4に向けて流れる場合を正(+)、反対方向を負(−)として表す。
【0419】
この結果、電流I1およびI3が生成する交番磁場により、磁気トンネル抵抗素子MR00の強磁性体層FM1の磁化ベクトルが決定され、書き込みが行われる。なお、強磁性体層FM2の磁化ベクトルは固定されており、変化しない。
【0420】
上述した一連の動作により、磁気トンネル抵抗素子MR00(すなわちアドレスAD00)に情報が書き込まれる。この時に書き込まれる情報を、論理0とする。
【0421】
続いて、スイッチ付き電流源S1のスイッチW1をオフすることで、メモリ線ML0に電流I1が流れなくなる。この後、メモリ線ML0の電位を、電圧Vssにプリチャージする。
【0422】
また、ワード線WWL0aおよびWWL0bの電圧を、共に電圧Vssに設定して、MOSトランジスタQ21およびQ22をオフ状態にする。また、ビット線WBL0aおよびWBL0bに電圧Vssを与える。この期間を、スタンバイ期間と呼称する。
【0423】
なお、磁気トンネル抵抗素子MR00に、上述した論理とは反対の論理1を書き込む場合には、スイッチ付き電流源S1のスイッチW1をオンするようにスイッチW1に所定の電圧を与え、メモリ線ML0に電流I1を流す。電流が流れるため、図22に示すようにメモリ線ML0の電位が、電圧Vssよりも高くなる方向に変化する。そして、書き込みに要する所定期間、ビット線WBL0bに電圧Vddを与え、その間はビット線WBL0aに電圧Vssを与える。
【0424】
次に、ワード線WWL0aおよびWWL0b共に、所定期間、電圧Vddを与え、MOSトランジスタQ21およびQ22をオン状態にする。これにより電流I3が、ノードN4からノードN3に向けて流れる。この電流I3の方向を−方向とし、電流−I3と呼称する。
【0425】
図23の、MOSトランジスタQ21およびQ22に流れる電流のタイミングチャートにおいては、上記のタイミングでは電流−I3が流れることを示している。
【0426】
この結果、電流I1およびI3が生成する交番磁場により、磁気トンネル抵抗素子MR00の強磁性体層FM1の磁化ベクトルが決定され、書き込みが行われるが、電流I3がノードN4からN3へ流れるため、磁化ベクトルの方向は、論理0の書き込みの場合とは異なり、論理0とは反対の論理1が書き込まれる。このとき、強磁性体層FM2の磁化ベクトルは変化しない。
【0427】
<D−2−2.読み出し動作>
アドレスAD00からのデータの読み出しに際しては、まず、参照電圧源VR1の出力スイッチであるMOSトランジスタQ3がオン状態となるように、ゲート制御信号RR1として、所定電圧を与える。なお、図23に示すように、所定電圧を与える期間は読み出しに要する所定期間以上となるように設定する。
【0428】
この動作により、メモリ線ML0には参照電圧Vrefが与えられる。
【0429】
ビット線RBL0aに情報を読み出す場合は、ワード線RWL0aに電圧Vddを、ワード線RWL0bに電圧Vssを与えることで、MOSトランジスタQ23はオン状態となり、MOSトランジスタQ24がオフ状態を保つようにする。
【0430】
MOSトランジスタQ23がオン状態になると、磁気トンネル抵抗素子MR00に電流が流れ、ノードN1からノードN2、N5を介してノードN6に電流が流れる。このとき流れる電流は、磁気トンネル抵抗素子MR00抵抗値(強磁性体の磁化の方向によって決まる)に応じて決まる。
【0431】
図23において、この読み出しによりMOSトランジスタQ23に流れる電流は−の電流として示している。
【0432】
なお、MOSトランジスタQ24はオフ状態にあるので、磁気トンネル抵抗素子MR00を流れた電流は、ほとんど全てMOSトランジスタQ23を介してビット線RBL0aに電流I0aとして流れる。
【0433】
スイッチ付きバッファB1のスイッチBB1に電圧Vddが与えられ、バッファB1がオンすると、電流I0aが増幅されてセンスアンプSA1に与えられる。センスアンプSA1においては、増幅された電流I0aがセンス増幅され、情報が読み出される。
【0434】
ビット線RBL0aに情報を読み出した後は、スイッチ付きバッファB1のスイッチBB1に電圧Vssが与えられ、バッファB1がオフ状態となる。
【0435】
また、ワード線RWL0aおよびRWL0bに、共に電圧Vssが与えられ、MOSトランジスタQ23およびQ24が、共にオフ状態になる。
【0436】
やがて、参照電圧源VR1の出力スイッチであるMOSトランジスタQ3のゲート制御信号RR1に電圧Vssが与えられ、MOSトランジスタQ3がオフ状態になる。また、メモリ線ML0の電位を、電圧Vssにプリチャージする。
【0437】
これにより、ワード線RWL0aおよびRWL0b、ビット線RBL0aおよびRBL0bに電圧Vssが与えられ、メモリ線ML0の電位が電圧Vssにプリチャージされてスタンバイ期間が始まる。
【0438】
また、ビット線RB0bに情報を読み出すには、ワード線RWL0aに電圧Vssを、ワード線RWL0bに電圧Vddを与えることで、MOSトランジスタQ24はオン状態となり、磁気トンネル抵抗素子MR00に電流が流れ、ノードN1からノードN2およびN5を介してノードN7に電流が流れる。このとき流れる電流は、磁気トンネル抵抗素子MR00抵抗値(強磁性体の磁化の方向によって決まる)に応じて決まる。
【0439】
図23において、この読み出しによりMOSトランジスタQ24に流れる電流は+の電流として示している。
【0440】
また、MRAM400においては、1つの磁気トンネル抵抗素子に対して、情報の書き込みのための1対のビット線、情報の読み出しのための1対のビット線、情報の書き込みのための1対のワード線、情報の読み出しのための1対のワード線を備えているので、例えば、磁気トンネル抵抗素子MR00およびMR10に同時に異なる情報を書き込むことが可能である。
【0441】
すなわち、メモリ線ML0に電流源S1から電流I1を流した状態で、ビット線WBL0aおよびRBL0bに電圧Vddを与え、ビット線WBL0bおよびRBL0aに電圧Vssを与え、ワード線RWL1aおよびRWL1bに電圧Vddを与え、また、ワード線WWL0aおよびWWL0bにも電圧Vddを与えると、アドレスAD10のMOSトランジスタQ27およびQ28がオン状態となり、アドレスAD00のMOSトランジスタQ21およびQ22がオン状態となる。
【0442】
このとき、MOSトランジスタQ27およびQ28に流れる電流I5の方向と、MOSトランジスタQ21およびQ22に流れる電流I3の方向とは左右逆であるので、磁気トンネル抵抗素子MR00とMR10とで、同時に異なる情報を書き込むことができる。
【0443】
なお、この場合には、情報の読み出しのためのビット線RBL0a、RBL0b、RBL1aおよびRBL1bも、情報の書き込みのためのビット線として機能する。
【0444】
また、MRAM400においては、1つの磁気トンネル抵抗素子に対して4つのパストランジスタ(アドレスAD00ではMOSトランジスタQ21〜Q24)を有するので、情報を読み出す際に、同じビット列について、複数のパストランジスタから同時に情報を読み出すことも可能である。
【0445】
この場合には、情報の書き込みのためのビット線WBL0a、WBL0b、WBL1aおよびWBL1bも、情報の読み出しのためのビット線として機能する。
【0446】
なお、同じビット列についてアドレスの異なるメモリセルから、非同期に情報を読み出すことができることは言うまでもない。
【0447】
<D−3.平面構成>
図24に、MRAM400を構成する1つのメモリセルの平面レイアウトを模式的に示す。
【0448】
図24はアドレスAD00のメモリセルの各層の平面レイアウトを重ね合わせた状態を示しており、MOSトランジスタQ21〜Q24のそれぞれゲート電極GAが、磁気トンネル抵抗素子MR00を中心に、2行2列に並列して配設されている。
【0449】
すなわち、MOSトランジスタQ21およびQ23のゲート電極GAが、短手方向に並列して配設され、MOSトランジスタQ22およびQ24のゲート電極GAが、短手方向に並列して配設され、また、MOSトランジスタQ21およびQ22のゲート電極GAは、長手方向に一列に配設され、MOSトランジスタQ23およびQ24のゲート電極GAは、長手方向に一列に配設されている。
【0450】
そして、各ゲート電極GAはコンタクト部CH0を介して上層の第1金属層M1に接続され、第1金属層M1はコンタクト部CH2を介して上層の第2金属層M2に接続され、第2金属層M2はコンタクト部CH3を介して上層の第3金属層M3に接続されている。
【0451】
また、磁気トンネル抵抗素子MR00は第1金属層M1と第2金属層M2との間に配設され、第1金属層M1は、コンタクト部CH1を介して活性領域AAに電気的に接続されている。
【0452】
図25は、第1金属層M1以下の構成を示す平面レイアウトであり、各第1金属層M1がコンタクト部CH1を介して活性領域AAに接続されている。
【0453】
図26は、第2金属層M2を主として示す平面レイアウトであり、磁気トンネル抵抗素子MR00上にメモリ線ML0に対応する第2金属層M2が配設され、2つの活性領域AA上には、図に向かって左側から順に、ビット線RBL0a、WBL0a、RBL0bおよびWBL0bに対応する複数の第2金属層M2が配設されている。
【0454】
なお、複数の第2金属層M2は、各ゲート電極GAの長手方向に対して平面視的に直交するように並列に配設されている。
【0455】
図27は、第3金属層M3を主として示す平面レイアウトであり、2つの活性領域AA上に跨るように、図に向かって上側から順に、ワード線WWL0a、WWL0b、RWL0aおよびRWL0bに対応する複数の第3金属層M3が配設されている。なお、複数の第3金属層M3は、各ゲート電極GAの長手方向に対して平面視的に平行するように複数並列に配設されている。
【0456】
このように、MRAM400の平面レイアウトは、1つのメモリセル内のMOSトランジスタの全てのゲート電極が、磁気トンネル抵抗素子を中心として、2行2列に並列して配設されているので、製造工程におけるゲート電極のパターニング(転写工程およびエッチング工程を含む)を行う際に、CD(Critical Dimension)シフトを低減することができる。
【0457】
ここで、設計値に比べて仕上がり寸法が小さくなることがCDロスであり、設計値に比べて仕上がり寸法が大きくなることがCDゲインであり、CDロスおよびCDゲインを総称して、CDシフトと呼称している。
【0458】
上述したようなレイアウト構成を採ることでCDシフトが低減するのは、メモリセルアレイ全体として見たときに、ゲート電極の配列パターンが一定になり、レジスト転写工程における光の定在波の乱れや、エッチング工程におけるプラズマの密度の偏りを防止することができるからである。これらのメカニズムについては、ダミー領域を設ける理由として、実施の形態1において説明している。
【0459】
<D−4.作用効果>
以上説明したように、MRAM400においては、1つの磁気トンネル抵抗素子に対して2対のビット線を配設し、4本のビット線と磁気トンネル抵抗素子の間にそれぞれスイッチ素子を介挿しているので、磁気トンネル抵抗素子の情報を読み出す際には、スイッチ素子を選択的にオンするように制御することで、ビット線を共用する異なるアドレスのメモリセルから、それぞれ独立したタイミングで(非同期に)情報を読み出すことができる。
【0460】
また、1つの磁気トンネル抵抗素子に対して、2対のワード線を配設しているので同じビット列のアドレスの異なる2つのメモリセルに、同時に異なる情報を書き込むことができる。
【0461】
また、1つのメモリセル内のMOSトランジスタの全てのゲート電極が、磁気トンネル抵抗素子を中心として、2行2列に並列して配設されるように平面レイアウトを構成するので、製造工程におけるゲート電極のパターニングを行う際に、CDシフトを低減することができる。
【0462】
<D−5.変形例1>
図21に示したMRAM400においては、情報の読み出しのためのワード線として、ワード線RWL0a、RWL0b、RWL10aおよびRWL1bを、情報の書き込みのためのワード線としてワード線WWL0a、WWL0b、WWL10aおよびWWL1bを備えた構成を示したが、図28に示すMRAM400Aのように、情報の書き込みのためのワード線は、メモリセルに対して1本だけ設けるようにしても良い。
【0463】
すなわち、図28に示すように、アドレスAD00およびアドレスAD01メモリセルにおいては、MOSトランジスタQ21およびQ22のゲート電極を、ワード線WWL0に接続し、アドレスAD10およびアドレスAD11メモリセルにおいては、MOSトランジスタQ25およびQ26のゲート電極をワード線WWL1に接続するように構成しても良い。その他の構成は図21に示すMRAM400と同じである。
【0464】
このような構成を採ることで、同じビット列にある異なるアドレスのメモリセルに対して、同時に情報を書き込むことはできなくなるが、同じビット列にある異なるアドレスのメモリセルから、同時に情報を読み出すことはでき、ワード線の本数が減った分だけ、メモリ領域の占有面積を低減することができる。
【0465】
図29に、MRAM400Aを構成する1つのメモリセルの平面レイアウトを模式的に示す。
【0466】
図29はアドレスAD00のメモリセルの各層の平面レイアウトを重ね合わせた状態を示しており、MOSトランジスタQ21およびQ22の共通化されたゲート電極GA1の短手方向に並列して、MOSトランジスタQ23およびQ24のそれぞれのゲート電極GAが配設されている。なお、MOSトランジスタQ23およびQ24のそれぞれのゲート電極GAは、長手方向に一列に配設されている。そして、ゲート電極GA1と、ゲート電極GAの配列に挟まれる位置の中央に、磁気トンネル抵抗素子MR00が配設されている。従って、ゲート電極GA1およびゲート電極GAは、左右対称に配設されていると言うことができる。
【0467】
そして、ゲート電極GA1および各ゲート電極GAはコンタクト部CH0を介して上層の第1金属層M1に接続され、第1金属層M1はコンタクト部CH2を介して上層の第2金属層M2に接続され、第2金属層M2はコンタクト部CH3を介して上層の第3金属層M3に接続されている。
【0468】
また、磁気トンネル抵抗素子MR00は第1金属層M1と第2金属層M2との間に配設され、第1金属層M1は、コンタクト部CH1を介して活性領域AAに電気的に接続されている。
【0469】
図30は、第1金属層M1以下の構成を示す平面レイアウトであり、各第1金属層M1がコンタクト部CH1を介して活性領域AAに接続されている。
【0470】
図31は、第2金属層M2を主として示す平面レイアウトであり、磁気トンネル抵抗素子MR00上にメモリ線ML0に対応する第2金属層M2が配設され、2つの活性領域AA上には、図に向かって左側から順に、ビット線RBL0a、WBL0a、RBL0bおよびWBL0bに対応する複数の第2金属層M2が配設されている。なお、複数の第2金属層M2は、ゲート電極GA1および各ゲート電極GAの長手方向に対して平面視的に直交するように並列に配設されている。
【0471】
図32は、第3金属層M3を主として示す平面レイアウトであり、2つの活性領域AA上に跨るように、図に向かって上側から順に、ワード線WWL0、RWL0aおよびRWL0bに対応する複数の第3金属層M3が配設されている。なお、複数の第3金属層M3は、各ゲート電極GAの長手方向に対して平面視的に平行するように複数並列に配設されている。
【0472】
このように、MRAM400Aの平面レイアウトは、1つのメモリセル内のMOSトランジスタの全てのゲート電極が、磁気トンネル抵抗素子を中心として、左右対称に配設されているので、製造工程におけるゲート電極のパターニングを行う際に、CDシフトを低減することができる。
【0473】
<D−6.変形例2>
<D−6−1.装置構成>
図21に示したMRAM400においては、情報の読み出しのためのワード線として、ワード線RWL0a、RWL0b、RWL1aおよびRWL1bを、情報の書き込みのためのワード線としてワード線WWL0a、WWL0b、WWL1aおよびWWL1bを備え、情報の読み出しのためのビット線としてビット線RBL0a、RBL0b、RBL1aおよびRBL1bを、情報の書き込みのためのビット線としてビット線WBL0a、WBL0b、WBL1aおよびWBL1bを備えた構成を示したが、図33に示すMRAM400Bのように、情報の書き込みのためのワード線および情報の読み出しのためのワード線を、メモリセルに対して1本ずつ、また、情報の読み出しのためのビット線をメモリセルに対して1本だけ設けるようにしても良い。
【0474】
すなわち、図33において、アドレスAD00のメモリセルは、書き込みのためのMOSトランジスタとしては、MOSトランジスタQ23だけを備え、MOSトランジスタQ23は、ビット線RBL0とノードN9との間に電気的に接続されている。
【0475】
また、アドレスAD01のメモリセルは、書き込みのためのMOSトランジスタとしては、MOSトランジスタQ23だけを備え、MOSトランジスタQ23は、ビット線RBL1とノードN9との間に電気的に接続されている。
【0476】
アドレスAD10のメモリセルは、書き込みのためのMOSトランジスタとしては、MOSトランジスタQ27だけを備え、MOSトランジスタQ27は、ビット線RBL0とノードN9との間に電気的に接続されている。
【0477】
また、アドレスAD11のメモリセルは、書き込みのためのMOSトランジスタとしては、MOSトランジスタQ27だけを備え、MOSトランジスタQ27は、ビット線RBL1とノードN9との間に電気的に接続されている。
【0478】
そして、アドレスAD00およびアドレスAD01のメモリセルにおいては、MOSトランジスタQ21およびQ22のゲート電極が、ワード線WWL0に接続され、MOSトランジスタQ23のゲート電極が、ワード線RWL0に接続されている。
【0479】
また、アドレスAD10およびアドレスAD11のメモリセルにおいては、MOSトランジスタQ25およびQ26のゲート電極が、ワード線WWL1に接続され、MOSトランジスタQ27のゲート電極が、ワード線RWL1に接続されている。その他の構成は図21に示すMRAM400と同じである。
【0480】
<D−6−2.動作>
次に、図34および図35に示すタイミングチャートを用いて、MRAM400Bの動作について説明する。
【0481】
図34および図35は、MRAM400BにおけるアドレスAD00へのデータの書き込み動作および読み出し動作に際しての、各種電圧および電流のタイミングチャートである。
【0482】
<D−6−2−1.書き込み動作>
アドレスAD00へのデータの書き込みに際しては、スイッチ付き電流源S1のスイッチW1をオンするようにスイッチW1に所定の電圧を与え、メモリ線ML0に電流I1を流す。
【0483】
そして、書き込みに要する所定期間、ビット線WBL0aに電圧Vddを与え、その間はビット線WBL0bに電圧Vssを与える。
【0484】
次に、ワード線WWL0に、所定期間、電圧Vddを与え、MOSトランジスタQ21およびQ22をオン状態にする。これにより電流I3が、ノードN3からノードN4に向けて流れる。この電流I3の方向を+方向とし、電流+I3と呼称する。
【0485】
図34には、MOSトランジスタQ21およびQ22に流れる電流のタイミングチャートを示しており、上記のタイミングでは電流+I3が流れることを示している。なお、図35においてMOSトランジスタQ21に流れる電流は、ノードN3からN2に向けて流れる場合を正(+)、反対方向を負(−)とし、MOSトランジスタQ22に流れる電流は、ノードN2からN4に向けて流れる場合を正(+)、反対方向を負(−)として表す。
【0486】
この結果、電流I1およびI3が生成する交番磁場により、磁気トンネル抵抗素子MR00の強磁性体層FM1の磁化ベクトルが決定され、書き込みが行われる。なお、強磁性体層FM2の磁化ベクトルは固定されており、変化しない。
【0487】
上述した一連の動作により、磁気トンネル抵抗素子MR00(すなわちアドレスAD00)に情報が書き込まれる。この時に書き込まれる情報を、論理0とする。
【0488】
続いて、スイッチ付き電流源S1のスイッチW1をオフすることで、メモリ線ML0に電流I1が流れなくなる。この後、メモリ線ML0の電位を、電圧Vssにプリチャージする。
【0489】
また、ワード線WWL0の電圧をVssに設定して、MOSトランジスタQ21およびQ22をオフ状態にする。また、ビット線WBL0aおよびWBL0bに電圧Vssを与える。この期間を、スタンバイ期間と呼称する。
【0490】
なお、磁気トンネル抵抗素子MR00に、上述した論理とは反対の論理1を書き込む場合には、スイッチ付き電流源S1のスイッチW1をオンするようにスイッチW1に所定の電圧を与え、メモリ線ML0に電流I1を流す。
【0491】
そして、書き込みに要する所定期間、ビット線WBL0bに電圧Vddを与え、その間はビット線WBL0aに電圧Vssを与える。
【0492】
次に、ワード線WWL0に、所定期間、電圧Vddを与え、MOSトランジスタQ21およびQ22をオン状態にする。これにより電流I3が、ノードN4からノードN3に向けて流れる。この電流I3の方向を−方向とし、電流−I3と呼称する。
【0493】
図35の、MOSトランジスタQ21およびQ22に流れる電流のタイミングチャートにおいては、上記のタイミングでは電流−I3が流れることを示している。
【0494】
この結果、電流I1およびI3が生成する交番磁場により、磁気トンネル抵抗素子MR00の強磁性体層FM1の磁化ベクトルが決定され、書き込みが行われるが、電流I3がノードN4からN3へ流れるため、磁化ベクトルの方向は、論理0の書き込みの場合とは異なり、論理0とは反対の論理1が書き込まれる。このとき、強磁性体層FM2の磁化ベクトルは変化しない。
【0495】
<D−6−2−2.読み出し動作>
アドレスAD00からのデータの読み出しに際しては、まず、参照電圧源VR1の出力スイッチであるMOSトランジスタQ3がオン状態となるように、ゲート制御信号RR1として、所定電圧を与える。なお、図35に示すように、所定電圧を与える期間は読み出しに要する所定期間以上となるように設定する。
【0496】
この動作により、メモリ線ML0には参照電圧Vrefが与えられる。
【0497】
ビット線RBL0に情報を読み出す場合は、ワード線RWL0に電圧Vddを与えることで、MOSトランジスタQ23をオン状態とする。
【0498】
MOSトランジスタQ23がオン状態になると、磁気トンネル抵抗素子MR00に電流が流れ、ノードN1からノードN2を介してノードN6に電流が流れる。このとき流れる電流は、磁気トンネル抵抗素子MR00抵抗値(強磁性体の磁化の方向によって決まる)に応じて決まる。
【0499】
図35において、この読み出しによりMOSトランジスタQ23に流れる電流は−の電流として示している。
【0500】
なお、磁気トンネル抵抗素子MR00を流れた電流は、ほとんど全てMOSトランジスタQ23を介してビット線RBL0に電流I00として流れる。
【0501】
スイッチ付きバッファB1のスイッチBB1に電圧Vddが与えられ、バッファB1がオンすると、電流I00が増幅されてセンスアンプSA1に与えられる。センスアンプSA1においては、増幅された電流I00がセンス増幅され、情報が読み出される。
【0502】
ビット線RBL0に情報を読み出した後は、スイッチ付きバッファB1のスイッチBB1に電圧Vssが与えられ、バッファB1がオフ状態となる。
【0503】
また、ワード線RWL0に電圧Vssが与えられ、MOSトランジスタQ23がオフ状態になる。
【0504】
やがて、参照電圧源VR1の出力スイッチであるMOSトランジスタQ3のゲート制御信号RR1に電圧Vssが与えられ、MOSトランジスタQ3がオフ状態になる。また、メモリ線ML0の電位を、電圧Vssにプリチャージする。
【0505】
これにより、ワード線RWL0、ビット線RBL0aおよびRBL0bに電圧Vssが与えられ、メモリ線ML0の電位が電圧Vssにプリチャージされてスタンバイ期間が始まる。
【0506】
このように、MRAM400Bにおいては、メモリセルへの情報の書き込みラインと、メモリセルからの情報の読み出しラインとを別個に備える構成において、最小の構成を得ることができる。
【0507】
<D−6−3.平面構成>
図36に、MRAM400Bを構成する1つのメモリセルの平面レイアウトを模式的に示す。
【0508】
図36はアドレスAD00のメモリセルの各層の平面レイアウトを重ね合わせた状態を示しており、MOSトランジスタQ21およびQ22の共通化されたゲート電極GA1の短手方向に並列して、MOSトランジスタQ23のゲート電極GAおよびダミーゲート電極DGAが配設されている。なお、ゲート電極GAおよびダミーゲート電極DGAは、長手方向に一列に配設されている。そして、ゲート電極GA1と、ゲート電極GAおよびダミーゲート電極DGAの配列に挟まれる位置の中央に、磁気トンネル抵抗素子MR00が配設されている。
【0509】
そして、ゲート電極GA1およびGAはコンタクト部CH0を介して上層の第1金属層M1に接続され、第1金属層M1はコンタクト部CH2を介して上層の第2金属層M2に接続され、第2金属層M2はコンタクト部CH3を介して上層の第3金属層M3に接続されている。
【0510】
また、磁気トンネル抵抗素子MR00は第1金属層M1と第2金属層M2との間に配設され、第1金属層M1は、コンタクト部CH1を介して活性領域AAに電気的に接続されている。
【0511】
図37は、第1金属層M1以下の構成を示す平面レイアウトであり、各第1金属層M1がコンタクト部CH1を介して活性領域AAに接続されている。
【0512】
図38は、第2金属層M2を主として示す平面レイアウトであり、磁気トンネル抵抗素子MR00上にメモリ線ML0に対応する第2金属層M2が配設され、2つの活性領域AA上には、図に向かって左側から順に、ビット線WBL0a、RBL0およびWBL0bに対応する複数の第2金属層M2が配設されている。なお、複数の第2金属層M2は、ダミーゲート電極DGA、ゲート電極GA1およびGAの長手方向に対して平面視的に直交するように複数並列に配設されている。
【0513】
このように、MRAM400Bの平面レイアウトは、1つのメモリセル内のMOSトランジスタの個数が3個になって、ゲート電極の配列パターンが不規則になることを防止するため、ダミーゲート電極DGAを備えているので、製造工程におけるゲート電極のパターニングを行う際に、CDシフトを低減することができる。
【0514】
【発明の効果】
本発明に係る請求項1記載の磁気記憶装置によれば、第1および第2のビット線に電気的に接続され、磁気トンネル接合素子に対する情報の読み出しのための電流経路として少なくとも機能する第1の電流経路内に第1および第2のスイッチ素子を配設しているので、磁気トンネル接合素子の情報を読み出す際には、第1および第2のスイッチ素子を選択的にオンするように制御することで、ビット線を共用する異なるアドレスのメモリセルから、それぞれ独立したタイミングで情報を読み出すことができる。また、第2の電流経路と第1の電流経路との間に磁気トンネル接合素子が電気的に接続され、第1および第2の電流経路が非接触で平面視的に直交して配設されているので、第1および第2の電流経路に流れる電流によって発生する磁場により磁気トンネル接合素子への情報の書き込みが行われ、磁気トンネル接合素子の情報を読み出す際には、第1および第2のスイッチ素子を選択的にオンするように制御することで、第2の電流経路から磁気トンネル接合素子を介して、第1あるいは第2のビット線に情報を読み出すことができ、同時に2つ以上のアクセスを許容して、マルチポートの磁気記憶装置を実現できる。
【0516】
本発明に係る請求項2記載の磁気記憶装置によれば、磁気トンネル接合素子に対する情報の書き込みおよび読み出しのための電流経路として機能する第3の電流経路内に第3および第4のスイッチ素子を配設しているので、第1の電流経路を磁気トンネル接合素子への情報の書き込み経路とし、第3の電流経路を磁気トンネル接合素子への情報の読み出し経路として使用することが可能となり、同じビット列のアドレスの異なる2つのメモリセルに、同時に異なる情報を書き込むことが可能となる。
【0517】
本発明に係る請求項3記載の磁気記憶装置によれば、ビット列が異なり隣り合って配置されたメモリセルどうしは、その間に配設された第1および第2のビット線の少なくとも一方を共有するので、ビット線の本数を削減できるので、メモリ領域の占有面積を低減することができる。さらに、ビット列が異なり隣り合って配置されたメモリセルにおいても、それぞれ独立したタイミングで情報を読み出すことができる。
【0518】
本発明に係る請求項4記載の磁気記憶装置によれば、第1および第2のスイッチ素子を選択的に制御することができる。
【0519】
本発明に係る請求項5記載の磁気記憶装置によれば、第1および第2のスイッチ素子、第3および第4のスイッチ素子を選択的に制御することができる。
【0520】
本発明に係る請求項6記載の磁気記憶装置によれば、ワード線の本数を削減できる。
【0521】
本発明に係る請求項7記載の磁気記憶装置によれば、第2の電流経路に対する、電圧源からの電圧供給および電流源からの電流供給を選択的に行うことで、磁気トンネル接合素子に対する情報の書き込みおよび読み出しを実現できる。
【0522】
本発明に係る請求項8記載の磁気記憶装置によれば、メモリセルへの情報の書き込みラインと、メモリセルからの情報の読み出しラインとを別個に備える構成において、最小の構成を得ることができる。
【0523】
本発明に係る請求項9記載の磁気記憶装置によれば、ワード線の本数を削減できる。
【0524】
本発明に係る請求項10記載の磁気記憶装置によれば、第1および第3の電流経路に流れる電流によって発生する磁場により磁気トンネル接合素子への情報の書き込みが行われ、磁気トンネル接合素子の情報を読み出す際には、第1および第2のスイッチ素子を選択的にオンするように制御することで、第2の電流経路から磁気トンネル接合素子を介して、第1あるいは第2のビット線に情報を読み出すことができ、同時に2つ以上のアクセスを許容して、マルチポートの磁気記憶装置を実現できる。
【0525】
本発明に係る請求項11記載の磁気記憶装置によれば、第1および第3の電流経路に流れる電流によって発生する磁場により磁気トンネル接合素子への情報の書き込みを実現するための、磁気トンネル接合素子と、第1〜第3の電流経路の具体的配置を得ることができる。
【0526】
本発明に係る請求項12記載の磁気記憶装置によれば、第2の電流経路に対する、電圧源からの電圧供給および電流源からの電流供給を選択的に行うことで、磁気トンネル接合素子に対する情報の書き込みおよび読み出しを実現できる。また、電流源として双方向電流源を用いることで、2種類の書き込み情報を選択することができる。
【0527】
本発明に係る請求項13記載の磁気記憶装置によれば、階層ビット線構造および階層ワード線構造を採用することで、メモリセルアレイの規模が大きくなっても、信号伝達の遅延を防止することができる。
【0528】
本発明に係る請求項14記載の磁気記憶装置によれば、第1および第2のビット線に読み出された情報を、センス増幅できる。
【0529】
本発明に係る請求項15記載の磁気記憶装置によれば、センス増幅器の電源供給線に階層パワーライン構造を採用することで、センス増幅器の非動作時には消費電力を低減することができる。
【0530】
本発明に係る請求項16記載の磁気記憶装置によれば、第1および第2のスイッチ素子と磁気トンネル接合素子との電気的接続が容易にできる。
【0531】
本発明に係る請求項17記載の磁気記憶装置によれば、製造工程においては、磁気トンネル接合素子がビット線よりも後に形成されることになり、ビット線形成に際しての熱処理の影響を受けず、性能低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的な磁気トンネル抵抗素子の断面構造を模式的に示す図である。
【図2】 磁気トンネル抵抗素子の記号表記を説明する図である。
【図3】 強磁性体の磁化の方向が変化するのに必要な磁場の大きさとその方向を示す図である。
【図4】 デュアルポートMRAMの概念構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明に係る実施の形態1のMRAMの平面レイアウトを示す図である。
【図6】 本発明に係る実施の形態1のMRAMの構成を示す断面図である。
【図7】 本発明に係る実施の形態1のMRAMの磁気トンネル抵抗素子の構成を示す断面図である。
【図8】 本発明に係る実施の形態1のMRAMの磁気トンネル抵抗素子の変形例の構成を示す断面図である。
【図9】 本発明に係る実施の形態1のMRAMの構成を示す断面図である。
【図10】 本発明に係る実施の形態1のMRAMの回路構成を示す図である。
【図11】 本発明に係る実施の形態1のMRAMの動作を説明するタイミングチャートである。
【図12】 本発明に係る実施の形態1のMRAMの変形例の構成を示す断面図である。
【図13】 本発明に係る実施の形態2のMRAMの回路構成を示す図である。
【図14】 本発明に係る実施の形態2のMRAMの動作を説明するタイミングチャートである。
【図15】 本発明に係る実施の形態3のMRAMの回路構成を示す図である。
【図16】 本発明に係る実施の形態3のMRAMの平面レイアウトを示す図である。
【図17】 本発明に係る実施の形態3のMRAMの構成を示す断面図である。
【図18】 本発明に係る実施の形態3のMRAMの動作を説明するタイミングチャートである。
【図19】 本発明に係る実施の形態3のMRAMの動作を説明するタイミングチャートである。
【図20】 本発明に係る実施の形態3のMRAMの変形例の構成を示す断面図である。
【図21】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの回路構成を示す図である。
【図22】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの動作を説明するタイミングチャートである。
【図23】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの動作を説明するタイミングチャートである。
【図24】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの1つのメモリセルの平面レイアウトを示す図である。
【図25】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの1つのメモリセルの最下層の平面レイアウトを示す図である。
【図26】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの1つのメモリセルのビット線以下の平面レイアウトを示す図である。
【図27】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの1つのメモリセルのワード線以下の平面レイアウトを示す図である。
【図28】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの変形例1の回路構成を示す図である。
【図29】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの変形例1の1つのメモリセルの平面レイアウトを示す図である。
【図30】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの変形例1の1つのメモリセルの最下層の平面レイアウトを示す図である。
【図31】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの変形例1の1つのメモリセルのビット線以下の平面レイアウトを示す図である。
【図32】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの変形例1の1つのメモリセルのワード線以下の平面レイアウトを示す図である。
【図33】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの変形例2の回路構成を示す図である。
【図34】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの変形例2の動作を説明するタイミングチャートである。
【図35】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの変形例2の動作を説明するタイミングチャートである。
【図36】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの変形例2の1つのメモリセルの平面レイアウトを示す図である。
【図37】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの変形例2の1つのメモリセルの最下層の平面レイアウトを示す図である。
【図38】 本発明に係る実施の形態4のMRAMの変形例2の1つのメモリセルのビット線以下の平面レイアウトを示す図である。
【図39】 磁気トンネル接合を示す概略図である。
【図40】 トンネル磁気抵抗効果を説明する概念図である。
【図41】 トンネル磁気抵抗効果を説明する概念図である。
【図42】 スピンバルブ型磁気トンネル接合素子の基本構成を示す図である。
【図43】 従来のMRAMセルアレイの構成を示す斜視図である。
【図44】 従来のMRAMセルアレイの構成を示す断面図である。
【図45】 従来のMRAMセルアレイの等価回路図である。
【図46】 従来のMRAMセルアレイの動作を説明するタイミングチャートである。
【図47】 従来のMRAMセルアレイの構成を示す回路図である。
【符号の説明】
MR00,MR01,MR10,MR11 磁気トンネル抵抗素子、ML01,ML02 メモリライン。
Claims (17)
- 複数のビット線と、複数のワード線と、磁気トンネル接合素子とを少なくとも有するメモリセルを複数、マトリックス状に配列して構成されるメモリセルアレイを備えた磁気記憶装置であって、
前記メモリセルは、
対をなす第1および第2のビット線に電気的に接続され、前記磁気トンネル接合素子に対する情報の読み出しのための電流経路として少なくとも機能する第1の電流経路を有し、
前記第1の電流経路は、
前記第1の電流経路内に配設された第1および第2のスイッチ素子を有し、
前記第1のスイッチ素子は、前記第1のビット線と前記磁気トンネル接合素子との電気的な接続、非接続を制御し、
前記第2のスイッチ素子は、前記第2のビット線と前記磁気トンネル接合素子との電気的な接続、非接続を制御するように配設され、
前記第1の電流経路は、前記磁気トンネル接合素子に対する情報の書き込みのための電流経路としても機能し、
前記メモリセルは、
前記磁気トンネル接合素子に対する情報の書き込みおよび読み出しのための電流経路として機能する第2の電流経路をさらに有し、
前記第1および第2の電流経路は非接触で平面視的に直交して配設され、
前記磁気トンネル接合素子は、前記第1と第2の電流経路との間に電気的に接続され、
前記メモリセルアレイは同時に2つ以上のアクセスを許容する、磁気記憶装置。 - 前記メモリセルは、
対をなす第3および第4のビット線に電気的に接続され、前記磁気トンネル接合素子に対する情報の書き込みおよび読み出しのための電流経路として機能する第3の電流経路をさらに有し、
前記第3の電流経路は、
前記第3の電流経路内に配設された第3および第4のスイッチ素子を有し、
前記第3のスイッチ素子は、前記第3のビット線と前記磁気トンネル接合素子との電気的な接続および非接続を制御し、
前記第4のスイッチ素子は、前記第4のビット線と前記磁気トンネル接合素子との電気的な接続および非接続を制御するように配設される、請求項1記載の磁気記憶装置。 - マトリックス状に配列された複数の前記メモリセルのうち、ビット列が異なり隣り合って配置された前記メモリセルどうしは、その間に配設された前記第1および第2のビット線の少なくとも一方を共有する、請求項1記載の磁気記憶装置。
- 前記第1および第2のスイッチ素子は、それぞれ第1および第2のワード線から与えられる制御信号に基づいて開閉動作する、請求項1記載の磁気記憶装置。
- 前記第1および第2のスイッチ素子は、それぞれ第1および第2のワード線から与えられる制御信号に基づいて開閉動作し、
前記第3および第4のスイッチ素子は、それぞれ第3および第4のワード線から与えられる制御信号に基づいて開閉動作する、請求項2記載の磁気記憶装置。 - 前記第1および第2のスイッチ素子は、第1のワード線から与えられる制御信号に基づいて開閉動作し、
前記第3および第4のスイッチ素子は、それぞれ第2および第3のワード線から与えられる制御信号に基づいて開閉動作する、請求項2記載の磁気記憶装置。 - 前記第2の電流経路に接続される、電圧源および電流源をさらに備え、
前記第2の電流経路に対する、前記電圧源からの電圧供給および前記電流源からの電流供給は、選択的に行われる、請求項1記載の磁気記憶装置。 - 前記メモリセルは、
第3のビット線に電気的に接続され、前記磁気トンネル接合素子に対する情報の読み出しのための電流経路として機能する第3の電流経路をさらに有し、
前記第3の電流経路は、
前記第3の電流経路内に配設された第3のスイッチ素子を有し、
前記第3のスイッチ素子は、前記第3のビット線と前記磁気トンネル接合素子との電気的な接続および非接続を制御するように配設される、請求項1記載の磁気記憶装置。 - 前記第1および第2のスイッチ素子は、第1のワード線から与えられる制御信号に基づいて開閉動作し、
前記第3のスイッチ素子は、第2のワード線から与えられる制御信号に基づいて開閉動作する、請求項8記載の磁気記憶装置。 - 複数のビット線と、複数のワード線と、磁気トンネル接合素子とを少なくとも有するメモリセルを複数、マトリックス状に配列して構成されるメモリセルアレイを備えた磁気記憶装置であって、
前記メモリセルは、
対をなす第1および第2のビット線に電気的に接続され、前記磁気トンネル接合素子に対する情報の読み出しのための電流経路として少なくとも機能する第1の電流経路を有し、
前記第1の電流経路は、
前記第1の電流経路内に配設された第1および第2のスイッチ素子を有し、
前記第1のスイッチ素子は、前記第1のビット線と前記磁気トンネル接合素子との電気的な接続、非接続を制御し、
前記第2のスイッチ素子は、前記第2のビット線と前記磁気トンネル接合素子との電気的な接続、非接続を制御するように配設され、
前記メモリセルは、
前記磁気トンネル接合素子に対する情報の書き込みのための電流経路として機能する第2の電流経路と、
前記磁気トンネル接合素子に対する情報の書き込みに際して、前記磁気トンネル接合素子を構成する磁性体の磁化の方向を制御するための電流経路として機能する第3の電流経路とをさらに有し、
前記磁気トンネル接合素子は、前記第1と第2の電流経路との間に電気的に接続され、
前記メモリセルアレイは同時に2つ以上のアクセスを許容する、磁気記憶装置。 - 前記磁気トンネル接合素子は、
少なくとも1つの磁気トンネル接合を構成するように積層された、磁性体の多層膜を備え、
前記第1の電流経路は、前記多層膜の最上層および最下層の一方に、前記第2の電流経路は前記多層膜の最上層および最下層の他方に電気的に接続され、
前記第3の電流経路は、前記第2の電流経路とは電気的に絶縁されて、前記第2の電流経路の近傍に配設され、前記第1の電流経路に対して平面視的に直交するように配設される、請求項2記載の磁気記憶装置。 - 前記第2の電流経路に接続される、電流源および電圧源をさらに備え、
前記電流源は、前記第2の電流経路に流す電流の方向を選択可能な双方向電流源であって、
前記第2の電流経路に対する、前記電圧源からの電圧供給および前記電流源からの電流供給は、選択的に行われる、請求項11記載の磁気記憶装置。 - 前記複数のビット線および前記複数のワード線は、階層ビット線構造および階層ワード線構造を構成する枝線である、請求項1記載の磁気記憶装置。
- 前記第1および第2のビット線は、それぞれセンス増幅器に接続される、請求項1記載の磁気記憶装置。
- 前記センス増幅器に接続される電源供給線は、階層パワーライン構 造を構成する枝線である、請求項14記載の磁気記憶装置。
- 前記磁気トンネル接合素子は、前記第1および第2のスイッチ素子の配設層と同じ層中に配設される、請求項1記載の磁気記憶装置。
- 前記磁気トンネル接合素子は、前記第1および第2のビット線の配設層よりも上層に配設される、請求項1記載の磁気記憶装置。
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