JP4047051B2 - プリフォーム口部結晶化方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブロー成形用のプリフォームの口部を結晶化するための方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
PET(ポリエチレンテレフタレート)等の合成樹脂で作られるボトルは、内容物を充填し打栓した後における密封性を高め維持するため、また、加温時の口部等の変形による密封性の低下を防止するため、その口部の耐熱性及び機械的特性を高める必要がある。そこで、従来ボトル成形前のプリフォームに対しその口部を結晶化する処理が行われている。
【0003】
一般に、プリフォーム口部の結晶化は、口部を結晶化温度まで加熱し、結晶化を完了した時点で冷却することにより行うが、特許第3066227号公報、特開2001−158040号公報はこのプリフォーム口部の結晶化方法及び装置について例示する。これらの結晶化方法及び装置は、プリフォームの搬送手段の搬送路を平坦な床面上に長円状又は複数箇所にわたり屈曲した無端状に設け、この搬送路に沿って、プリフォームを供給する供給部、プリフォームの口部を結晶化温度まで加熱する加熱部、加熱された口部を冷却する冷却部、口部が冷却されたプリフォームを取り出す取出部等を配置し、搬送手段によりプリフォームを搬送しつつ口部の結晶化処理を行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許第3066227号公報、特開2001−158040号公報に記載されたプリフォーム口部の結晶化方法及び装置は、プリフォームの搬送手段の搬送路を平坦な床面上に長円状又は複数箇所にわたり屈曲した無端状に設けるので、設置面積を多く必要とする。ことに、プリフォーム口部の結晶化のため口部を加熱すると口部の寸法や形状が不安定になり、また、冷却は材料のガラス転移点以下まで口部の温度を下げる必要があるがそのような温度まで急速に冷却すると口部が不均一に収縮し寸法精度が低下しやすいことから、この結晶化工程で口部の形状寸法精度を落さないようにしようとすると、加熱ゾーン、冷却ゾーンを長く取る必要が生じ、搬送路の設置面積は更に増大する。
【0005】
本発明は、従来の結晶化プロセスに要したスペースを低減し効率よく加熱、冷却を行うことができる結晶化方法及び装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、ブロー成形用プリフォーム(1)をパレット(6)上に縦向きで複数の行及び列に並べ、このパレット(6)を一方向に搬送しながらプリフォーム(1)の口部(2)を結晶化温度まで加熱し、次に、パレット(6)を上昇又は下降させ、しかる後、パレット(6)を逆方向に搬送しながら口部(2)を冷却し、上記搬送方向を変更する際にはパレット(6)の前後の向きを入れ換えるプリフォーム口部結晶化方法を採用する。
【0007】
この請求項1に係る発明によれば、プリフォーム(1)を載せたパレット(6)の搬送路を床面の上下方向に配置することができる。それゆえ、搬送路の床面上の設置面積が略半減し、効率よくプリフォーム口部(2)の結晶化を行うことができる。また、プリフォーム(1)はパレット(6)上に複数の行及び列で並べ、しかもパレット(6)の搬送方向を変更する際にパレット(6)の前後の向きを入れ換えるので、パレット(6)上における先に加熱部(III)から出たプリフォーム(1)の方から先に冷却部(VI)に入る。従って、同じパレット(6)のプリフォーム(1)間において結晶化にムラが生ぜず、多量のプリフォーム(1)を効率よく結晶化処理することができる。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のプリフォーム口部結晶化方法において、加熱前にプリフォーム(1)の口部(2)にマンドレル(5)を挿入し、冷却後にマンドレル(5)を除去するプリフォーム口部結晶化方法を採用する。
【0009】
この請求項2に係る発明によれば、マンドレル(5)がプリフォーム(1)の口部(2)内に嵌り込んでいるので、加熱直後から冷却に至るまでプリフォーム(1)の口部(2)の不均一な変形、寸法変化等が防止される。また、マンドレル(5)によりそのような変形が阻止されるので、速やかな加熱及び冷却が可能になり、結晶化処理の迅速化が達成される。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のプリフォーム口部結晶化方法において、加熱時にプリフォーム(1)を自転させるプリフォーム口部結晶化方法を採用する。
【0011】
この請求項3に係る発明によれば、プリフォーム(1)を自転させつつその口部(2)を加熱するので、口部(2)が均一にムラなく結晶化され、口部(2)に歪みを生じ難い。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプリフォーム口部結晶化方法において、冷却時にプリフォーム(1)を自転させるプリフォーム口部結晶化方法を採用する。
【0013】
この請求項4に係る発明によれば、プリフォーム(1)を自転させつつその口部(2)を冷却するので、口部(2)が均一にムラなく冷却され、口部(2)に歪みを生じ難い。
【0014】
また、請求項5に係る発明は、ブロー成形用プリフォーム(1)の搬送手段の搬送路に沿って、プリフォーム(1)を供給する供給部(I)と、プリフォーム(1)の口部(2)を結晶化温度まで加熱する加熱部(III)と、加熱された口部(2)を冷却する冷却部(VI)と、口部(2)が冷却されたプリフォーム(1)を取り出す取出部(VIII)とが配置されたプリフォーム口部結晶化装置において、上記搬送路が床面に対し垂直面上を通るように設定され、搬送路の上側の経路に加熱部(III)又は冷却部(VI)が配置され、搬送路の下側の経路に冷却部(VI)又は加熱部(III)が配置され、上記搬送手段は、プリフォームが縦向きで複数の行及び列に並べられる上記搬送路に沿って走行可能なパレットと、パレットが上記加熱部から上記冷却部に移る前にパレットの前後の向きを入れ換えるパレット旋回機構とを備えたプリフォーム口部結晶化装置を採用する。
【0015】
この請求項5に係る発明によれば、プリフォーム(1)を載せたパレット(6)の搬送路が床面に対し垂直面上を通るように設定されるので、搬送路の設置に必要な床面積が略半減し、効率よくプリフォーム(1)の口部(2)の結晶化を行うことができる。また、加熱部(III)と冷却部(VI)を比較的長く設定しても装置の床面積がさほど増加しないので、加熱と冷却を穏やかに行いプリフォーム口部(2)の結晶化を安定的に行うことができる。また、プリフォーム(1)がパレット(6)上に縦向きで複数の行及び列で並べられるようにしたので、多量のプリフォーム(1)を効率よく結晶化処理することができる。また、プリフォーム(1)はパレット(6)上に複数の行及び列で並べ、しかもパレット(6)の搬送方向を変更する際にパレット旋回機構(41)によりパレット(6)の前後の向きを入れ換えるので、パレット(6)上における先に加熱部(III)から出たプリフォーム(1)の方から先に冷却部(VI)に入ることとなり、同じパレット(6)のプリフォーム(1)間において結晶化にムラが生ぜず、多量のプリフォーム(1)を効率よく結晶化処理することができる。
【0016】
また、請求項6に係る発明は、請求項5に記載のプリフォーム口部結晶化装置において、搬送手段が搬送路の上下間に昇降機(39)を備えたプリフォーム口部結晶化装置を採用する。
【0017】
この請求項6に係る発明によれば、搬送路の上下間が昇降機(39)により連結されるので、搬送路の経路が短縮され、それだけ結晶化装置の小型化が図られる。
【0020】
また、請求項7に係る発明は、請求項5又は請求項6に記載のプリフォーム口部結晶化装置において、搬送手段が加熱部(III)においてプリフォーム(1)を自転させる自転機構(26)を備えたことを特徴とするプリフォーム口部結晶化装置を採用する。
【0021】
この請求項7に係る発明によれば、プリフォーム(1)を自転させつつその口部(2)を加熱するので、口部(2)が均一にムラなく結晶化される。
【0022】
また、請求項8に係る発明は、請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のプリフォーム口部結晶化装置において、搬送手段が冷却部(VI)においてプリフォーム(1)を自転させる自転機構(26)を備えたことを特徴とするプリフォーム口部結晶化装置を採用する。
【0023】
この請求項8に係る発明によれば、プリフォーム(1)を自転させつつその口部(2)を冷却するので、口部(2)が均一に冷却され、歪みを生じない。
【0024】
また、請求項9に係る発明は、請求項5乃至請求項8に記載のプリフォーム口部結晶化装置において、マンドレル挿脱機(32,58,66)が搬送路の上下間に設けられ、冷却部(VI)を出たプリフォーム(1)の口部(2)から抜き取ったマンドレル(5)を加熱部(III)に入る前のプリフォーム(1)の口部(2)に挿入するようにしたプリフォーム口部結晶化装置を採用する。
【0025】
この請求項9に係る発明によれば、プリフォーム(1)の結晶化を終了した箇所から結晶化を開始しようとする箇所へとマンドレル(5)を速やかに供給することができる。
【0026】
また、請求項10に係る発明は、請求項5乃至請求項9のいずれかに記載のプリフォーム口部結晶化装置において、加熱部(III)と冷却部(VI)との間に、空気の流動を阻止する構造物(56)が配置されたプリフォーム(1)口部結晶化装置を採用する。
【0027】
この請求項10に係る発明によれば、空気の流動を阻止する構造物(56)が、冷却部(VI)の空気の流れによる加熱部(III)の雰囲気温度の変動を抑えると共に、冷却部(VI)へ加熱部(III)の熱が伝わることによる冷却効率の低下を防止する。これにより、結晶化の変動が低減し、ガラス転移点以下までの冷却が促進され、品質のバラツキが低減する。
【0028】
また、請求項11に係る発明は、請求項5乃至請求項10のいずれかに記載のプリフォーム口部結晶化装置において、冷却部(VI)がプリフォーム(1)の搬送方向に伸びるスリット状の冷却風吹出口(48)を備えたプリフォーム口部結晶化装置を採用する。
【0029】
この請求項11に係る発明によれば、プリフォーム(1)の搬送方向に細長く連続するスリットからプリフォーム口部(2)に向かって大きい風量と風速で冷却風を吹き掛けることができる。それゆえ、プリフォーム口部(2)をムラなく効率よく冷却することができ、口部(2)の寸法誤差も低減する。
【0032】
また、請求項12に係る発明は、請求項6に記載のプリフォーム口部結晶化装置において、異常発生時に昇降機(39)がプリフォーム(1)のアキュムレータとして機能するようにしたプリフォーム口部結晶化装置を採用する。
【0033】
この請求項12に係る発明によれば、加熱部(III)、冷却部(VI)等に異常が発生した場合、プリフォーム(1)を昇降機(39)内にアキュームすることができる。従って、プリフォーム(1)が加熱部(III)等において停止した場合、温度設定等に不具合が生じた場合に、プリフォーム(1)を昇降機(39)内に避難させ、プリフォーム(1)を損傷から保護することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0035】
このプリフォーム口部結晶化方法及び装置により結晶化処理するプリフォーム1は、図3に示すように、雄ネジ2aを有する口部2と、口部2に続く有底筒状の胴部3と、口部2の下端に形成されたフランジ部4とを備える。同図(B)中、符号5で示すものは結晶化処理中に口部2に挿入されるマンドレルを示す。このプリフォーム1は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)を射出成形することにより形成される。射出成形されたプリフォーム1はこのプリフォーム口部結晶化方法及び装置により口部2を結晶化処理された後、有底筒状の胴部3がブロー成形され、より大きな容積を有するボトルとされる。その後、ボトルには内容物が充填され、図示しないキャップ等で打栓される。キャップの雌ネジが口部2の雄ネジ2aと螺合し、キャップの天部がボトルの口部2の口縁2bに密着し、これによりボトルが密封される。このボトルはその口部2が結晶化処理され耐熱性及び機械的特性が高められていることから、加熱による殺菌処理、店頭での加温等によっても口部2が変形せず、従ってボトルの密封性、無菌性等が維持される。
【0036】
プリフォーム1の口部2を結晶化する装置は、図1及び図2に示すように、プリフォーム1の搬送手段として多数のパレット6を備える。パレット6には、プリフォーム1が口部2を上にした縦向きで複数の行及び列に並べられる。
【0037】
パレット6は、床面に対し垂直な面内で閉ループ状に伸びる搬送路を一方向に循環するようになっている。搬送路は、矢印A,B,C,Dでそれぞれ示す往路、上昇路、復路、下降路で構成される。パレットは下側の経路である往路、上昇路、上側の経路である復路、下降路を順次一列になって走行する。もちろん、複数列で走行させるようにしてもよい。
【0038】
往路上には、プリフォーム1をパレット6に供給するプリフォーム供給部(I)と、マンドレル5をプリフォーム1の口部2に挿入するマンドレル供給部(II)と、プリフォーム1の口部2を結晶化温度まで加熱する加熱部(III)とが設けられ、復路上には、パレット6を前後で反転する反転部(V)と、加熱されたプリフォーム1の口部2を冷却する冷却部(VI)と、プリフォーム1の口部2からマンドレル5を抜き取るマンドレル抜取部(VII)と、口部2が冷却されたプリフォーム1をパレット6から取り出すプリフォーム取出部(VIII)とが設けられる。プリフォーム1は搬送路上をパレット6と共に一方向に搬送されつつ、口部2を結晶化温度まで加熱され、しかる後、パレット6を逆方向に搬送されつつ冷却される。
【0039】
なお、搬送方向を上記とは逆向きにして往路を上段に設定し、復路を下段に設定し、上段に加熱部(III)を設け、下段に冷却部(VI)を設けるようにしてもよい。また、反転部(V)は、パレット6が往路上の加熱部(III)を出た後から復路の冷却部(VI)に入る前の間における所望の箇所に設けることが可能である。
【0040】
このように、搬送路が床面に対し垂直面上を通るように設定され、搬送路の上段に加熱部(III)又は冷却部(VI)が配置され、下段に冷却部(VI)又は加熱部(III)が配置されることから、床面上に長円形等の閉ループ状に設置される場合に比べ、搬送路の設置に必要な床面積が略半減し、効率よくプリフォーム口部の結晶化を行うことができる。また、装置の設置面積の増大を来たすことなく加熱部(III)と冷却部(VI)を比較的長く設定することができるので、加熱と冷却が適正に行われ、従ってプリフォーム口部の結晶化が安定的に行われる。
【0041】
パレット6は上記搬送路上を循環し、この循環と共にプリフォーム1の供給(I)、マンドレル5の供給(II)、プリフォーム口部の加熱(III)、上昇(IV)、旋回(V)、プリフォーム口部の冷却(VI)、マンドレル取出(VII)、プリフォーム1の取出(VIII)、下降(IX)のステップからなるサイクルが繰り返される。
【0042】
以下、各ステップごとに処理内容及び処理装置について説明する。
【0043】
(I)プリフォームの供給
プリフォーム1は図示しない射出成形機で射出成形され、図1及び図2に示すプリフォーム供給部(I)に送られる。
【0044】
プリフォーム供給部(I)は、図5乃至図7に示すプリフォーム供給機7を備える。このプリフォーム供給機7は、図1中矢印a方向に往復動可能な水平に延びるフレーム板8を有する。フレーム板8は、往復機構の往復台9に連結され、図1中実線位置と搬送路上で一時停止したパレット6との間を矢印a方向に往復移動可能である。フレーム板8には、シリンダ装置10のピストンロッド10aとガイド棒11が垂直に取り付けられ、シリンダ装置10のシリンダ10bが上記往復台9に固定され、ガイド棒11が往復台9にスライド可能に挿通される。
【0045】
フレーム板8の下側には、矢印aと直角方向に伸びる板部材12が複数本平行に連結され、これらの板部材12に、プリフォーム1の口部2に挿入することによりプリフォーム1の上下動を規制する栓形の挿入部材13がマトリックス状に配置され固定される。例えば、挿入部材13は、6行×16列の配列で設けられる。また、フレーム板8の下側には、挿入部材13が挿入されるプリフォーム1を行ごとに挟むように配置される把持部材14が複数行すなわち6行設けられる。把持部材14は、プリフォーム1のフランジ部4の直下を挟むための切欠15を備える。各把持部材14は対になった把持片を有し、一方の把持片はフレーム板8の下側を矢印a方向に伸びるロッド16に固定され、他方の把持片は同様に配置される他のロッド17に固定される。この二種類のロッド16,17は、フレーム板8にスライド自在に支持され、それぞれの一端はフレーム板の両側に配置される支持板18に固定される。フレーム板8上にはシリンダ装置19のシリンダが横置きで固定され、ピストンロッドが各支持板18に連結される。このシリンダ装置19が作動しピストンロッドが往復動すると、支持板18及びロッド16,17を介して把持部材14が開閉動作を行い、その切欠15でプリフォーム1を把持し又は開放する。
【0046】
このプリフォーム供給機7のフレーム板8が図1中実線位置Iaに来ると、シリンダ装置10の作動でフレーム板8が降下する。フレーム板8の下方には、射出成形機から送られたプリフォーム1が予め上記マトリックスと同様な配列で、かつ口部2を上にした縦向きの姿勢で配置されている。フレーム板8が降下すると、挿入部材13がプリフォーム1の口部2内に入り込み、同時に把持部材14の把持片がプリフォーム1のフランジ部4の直下に対向する。そこでシリンダ装置19が作動すると、把持部材14が閉じ方向にスライドし切欠15の箇所でプリフォーム1のフランジ部4の直下を挟み込む。これにより、6×16個のプリフォーム1がプリフォーム供給機7に保持される。その後、フレーム板8は上昇し、往復台9により搬送路の往路上で停止したパレット6の真上まで運搬される。そこで、フレーム板8が下降し、把持部材の把持片が開き、プリフォーム1をパレット6上に落下させる。
【0047】
図2に示すように、このプリフォーム供給部(I)から加熱部(III)の入口に至るまでの搬送路上には、プリフォーム1が装填されたパレット6を加熱部(III)の入口へと送るための第一の無端チェーン20が配置される。この第一の無端チェーン20は間欠駆動され、その図示しない爪片でパレット6を引っ掛けてプリフォーム供給部(I)、マンドレル供給部(II)、加熱部(III)入口へと間欠的に走行させる。
【0048】
パレット6は、図8乃至図11に示すように、四角形の板材からなる基台21を備える。パレット6は搬送路上を走行しうるよう、搬送方向に沿った基台21の左右両側に夫々二種類のローラ22,23を備える。一方のローラ22はパレット6の上下位置を規制するための車輪であり、この結晶化装置のフレームに固定される図示しない下レールに乗せられる。他方のローラ23はパレット6の左右位置を規制するための車輪であり、この結晶化装置のフレームの側面に固定される横レール24に接触する。下レールと横レール24はパレット6の搬送路に沿って配置される。パレット6は、下レールと横レール24に案内されつつ搬送路上を走行する。
【0049】
パレット6の基台21上には、上記マトリックスと同じ配列でプリフォーム1を収納する収納筒25が縦向きに支持される。上記プリフォーム供給機7により運搬されたプリフォーム1は、その胴部3が収納筒25内に入り込んだところで把持部材14による拘束から解かれる。これにより、図11に示すように、プリフォーム1はフランジ部4と口部2とが収納筒25上に露出した状態で収納筒25内に保持される。収納筒25は、基台21を上下に貫通しベアリングを介して基台21に支持される自転機構としての回転軸26の上部に固定される。回転軸26の基台21下に突出した下端には歯車27が固定され、これらの歯車同士は各種中間歯車27aを介して互いに噛み合う。基台21の上記搬送方向A,Cに沿った中心線上には原動歯車27bが配置され、各原動歯車27bにスプロケットホイール28が取り付けられている。図2中、加熱部(III)と冷却部(VI)にはこのスプロケットホイール28と噛み合う図示しない駆動チェーンがラック状に配置される。加熱部(III)又は冷却部(VI)にパレット6が入り込むと、スプロケットホイール28がこのチェーンに噛み合って回転し、全歯車27,27a及び収納筒25が同時に回転する。望ましくは全収納筒25は同じ向きに一定角速度で回転する。
【0050】
基台21上において収納筒25等は行間では密に並べられるが、列間では疎に並べられる。すなわち、収納筒25の列間には隙間が設けられ、この隙間内を加熱部(III)のヒータ31が通る。また、基台21上には収納筒25が基台21上に突出する箇所を覆う断熱カバー29が固定される。ヒータ31の熱はこの断熱カバー29と収納筒25とによりプリフォーム1の胴部3への伝達を遮断される。
【0051】
その他、パレット6の基台21下には、パレット6の旋回時に使用される係止片30が固定される。
【0052】
(II)マンドレルの供給
多数のプリフォーム1が複数の行及び列で並べられたパレット6が搬送路上をマンドレル供給部(II)へ到達すると、マンドレル供給部(II)はパレット6上のプリフォーム1の口部2にマンドレル5を嵌め込む。
【0053】
マンドレル5は、温度変化に対して変形しにくい材料で作られた治具であり、図4に示すような栓形に形成され図3に示すようにプリフォーム1の口部2に嵌め込まれる。このマンドレル5は、プリフォーム1の口部2に挿入される筒部5aと、筒部5aがプリフォーム1の口部2から突出する箇所に形成される鍔部5bとを備える。
【0054】
このマンドレル供給部(II)は、パレット6の搬送路の上下経路間に配置されるマンドレル挿脱機を備える。このマンドレル挿脱機は、冷却部(VI)を出たプリフォーム1の口部2から抜き取ったマンドレル5を加熱部(III)に入る前のプリフォーム1の口部2に挿入するためのもので、マンドレル挿入機構とマンドレル搬送機構とを備える。
【0055】
図12及び図13に示すように、マンドレル挿入機構32は上記プリフォーム供給機7と略同様な構成を有するが、フレーム板の下側に配置される板部材33には、マンドレル5の中心穴に挿入することによりマンドレル5の位置決めを行う挿入棒34がマトリックス状に配置され固定される。挿入棒34は、パレット6の収納筒25に合致するように配置される。また、プリフォーム1の把持部材14と同様にしてマンドレル5の把持部材35が設けられ、この把持部材35にマンドレル5の筒部5aに対応した形状の切欠が形成される。フレーム板は、マンドレル供給部(II)の上方でシリンダ装置により上下動し、マンドレル供給部(II)でパレット6が一時停止するとパレット6の真上まで降下し、マンドレル5をパレット6上の各プリフォーム1の口部2に押し込む。次いで、把持部材35の把持片が開いてマンドレル5を開放すると、フレーム板が上昇し、挿入棒34をマンドレル5から引き抜く。これにより、パレット6上のプリフォーム1の口部2はマンドレル5で塞がれることとなる。
【0056】
なお、マンドレル搬送機構については後述する。
【0057】
(III)プリフォーム口部の加熱
パレット6上に配列され、口部2にマンドレル5を挿入されたプリフォーム1は、図2に示すように、加熱部(III)内を搬送されつつ、口部2を加熱される。この加熱によりプリフォーム1の口部2は結晶化し、透明から白色に変色する。
【0058】
加熱部(III)には、図14に示すように、棒状の赤外線ヒータ31が、パレット6の収納筒25に収められたプリフォーム1の列間をパレット6の搬送方向に伸びるように配置される。各赤外線ヒータ31の列は反射板36で覆われ、ヒータ31からの熱線はプリフォーム1の口部2に照射される。プリフォーム1の胴部3は、パレット6上に取り付けられた断熱カバー29によりヒータ31による加熱が阻止され、結晶化が防止される。そのためブロー成形の際に胴部3は円滑に膨張する。
【0059】
加熱部(III)内において搬送路は図2に示す第二の無端チェーン37、図9に示す横レール24等で形成され、この第二の無端チェーン37によりパレット6は牽引されつつ加熱部(III)内を矢印A方向に一定速度で走行する。また、図示しないが第二の無端チェーン37に平行にチェーンがラック状に張設され、このチェーンに既述したパレット6のスプロケットホイール28が噛み合う。このため、パレット6が矢印A方向に走行するとパレット6上で収納筒25がプリフォーム1と共に一定速度で回転する。パレット6上のプリフォーム1は加熱部(III)内を一定速度で走行しかつ一定速度で自転しながらその口部2をヒータ31により両サイドから加熱される。従って、全プリフォーム1の口部2は加熱ムラ、歪み等を生じることなく均一に結晶化する。
【0060】
図2に示すように、パレット6が加熱部(III)を出た箇所には温度センサ38が設置されている。この温度センサ38によりヒータ31の温度が手動操作又は自動制御によりコントロールされ、プリフォーム口部の結晶化温度が適正に維持される。
【0061】
(IV)上昇
加熱部(III)を通過したパレット6は、図2に示すように、搬送路の矢印Bで示す上昇路の下端に到達する。
【0062】
この上昇路は昇降機で構成される。昇降機によりパレット6を垂直方向に搬送するので、搬送路が短縮化され、結晶化装置の全体の長さが低減される。
【0063】
図15に示すように、昇降機39は床面に対し垂直方向に昇降するパレット6を乗せるための棚板40を備え、この棚板40が垂直方向に一定間隔で多段に取り付けられている。各棚板40は搬送路の左右両側に配置される溝材の対により構成され、対になった溝材の一方が図示しない無端チェーンに一定間隔で連結され、他方が図示しない他の無端チェーンに一定間隔で連結される。全棚板40は図示しないモータにより無端チェーンが走行することにより昇降し、図示しない制御部により次のように制御される。
【0064】
すなわち、昇降機39の下端で図示しないプッシャーの作用により一基のパレット6が棚板40内に侵入すると、この棚板40は加熱部(III)から次のパレット6が来るまでに速やかに上端まで上昇しパレット6を送り出す。次のパレット6は前回のパレット6を乗せた棚板40から何段か後の棚板40に乗せられ前回と同様に昇降機の上端まで上昇する。加熱部(III)や冷却部(VI)に異常が発生した場合は、制御部の作用により無端チェーンは小刻みの間欠駆動に切り換えられ、棚板40は棚板40のピッチごとに上昇しつつ各棚板40上にパレット6を収容する。これにより、加熱部(III)からパレット6が速やかに取り出されて昇降機39のスペース内にアキュームされ、また昇降機39から冷却部(VI)への移動が阻止され、プリフォーム1の過熱、冷却不足等による不良品化が防止される。
【0065】
(V)旋回
図2に示すように、上昇路の上端から出たパレット6は旋回部(V)内に入る。すなわち、図15に示すように、昇降機39の上端から図示しないプッシャーにより押し出されたパレット6は、昇降機39の棚板40に接続される復路の図示しないレール上を旋回機41の真上へと移動する。
【0066】
旋回機41は、水平に延びる旋回板42と、旋回板42の中央に連結された旋回軸43と、旋回軸43を回転かつスライド可能に支持する筒軸44とを具備する。旋回板42の上面にはパレット6下の係止片30に係合する係合片45が設けられる。旋回軸43はモータ46により回転可能であり、図示しないシリンダ装置により昇降可能である。
【0067】
旋回機41の旋回板42上にパレット6が到達すると、シリンダ装置の作動により旋回軸43が上昇し、旋回板42がその上面でパレット6を支え、旋回板42上の係合片45がパレット6の係止片30に係合する。次いで、モータ46の駆動により旋回軸43が180度回転し、旋回板42とその上のパレット6が前後間で反転する。このように、昇降機39から出たパレット6は前後の向きを入れ換えたうえで冷却部(VI)に向かうことになるので、パレット6上における先に加熱部(III)から出たプリフォーム1の方から先に冷却部(VI)に入ることとなり、同じパレット6のプリフォーム1間における結晶化のムラが防止される。
【0068】
(VI)プリフォーム口部の冷却
図2に示すように、旋回機41により180度向きを換えたパレット6は冷却部(VI)に入る。パレット6上に配列されたプリフォーム1は、冷却部(VI)内を搬送されつつ、口部2を冷却される。この冷却によりプリフォーム1の口部2の温度はガラス転移点以下まで降下する。
【0069】
冷却部(VI)には、図16乃至図18に示すように、細長い筒状のダクト47が、パレット6の収納筒25に収められたプリフォーム1の列間をパレット6の搬送方向に伸びるように配置される。各ダクト47の始端側からは図示しない冷却ユニットより送られる冷却風が流入するようになっている。各ダクト47にはパレット6上のプリフォーム1の口部2に向かって開口しかつパレット6の搬送路に沿って細長く伸びるスリット状の冷却風吹出口48が形成される。冷却風吹出口48のスリット幅は0.1mm〜1.0mm、好ましくは0.4mm〜0.8mmの範囲とされる。スリット幅が大きすぎる場合は、風速が低下し、冷却効率が低下する。また、スリット幅が小さすぎる場合は、風量の低下又は冷却風の極所化を招き、冷却効率の低下や不均一な冷却を招く。
【0070】
この冷却風吹出口48から冷却風が大きい風量と風速でプリフォーム1の口部2に向かって連続的に吹き出す。これにより、プリフォーム1の口部2に対し冷却風は強くあたる方向、弱くあたる方向の差を生じることなく均一に接触し、プリフォーム1の口部2はムラなく効率よく冷却され、口部2の寸法誤差が低減する。
【0071】
各ダクト47は結晶化装置側のフレーム49に調整ネジ50及び固定ネジ51によって固定されている。このため、固定ネジ51を緩め調整ネジ50を回すことにより、吹出口48をプリフォーム1の口部2に適正に位置合わせすることができる。また、吹出口48はダクト47に調整板52が止めネジ53及び図示しない長穴により固定されることにより、ダクト47の底板と調整板52との間に形成される。このため、止めネジ53を緩めることにより、吹出口48の開口面積を加減することができる。
【0072】
冷却部(VI)内において搬送路は図2に示すように第三の無端チェーン54で形成され、この無端チェーン54によりパレット6は冷却部(VI)内を矢印C方向に一定速度で走行する。また、図示しないが第三の無端チェーンに平行にチェーンがラック状に張設され、このチェーンに既述したパレット6のスプロケットホイール28が噛み合う。このため、パレット6が矢印C方向に走行するとパレット6上で収納筒25がプリフォーム1と共に一定角速度で回転する。パレット6上のプリフォーム1は冷却部(VI)内を一定速度で走行しかつ一定角速度で自転しながらその口部2を冷却風により冷却される。従って、全プリフォーム1の口部2は冷却ムラ、歪み等を生じることなく均一に冷却され、ガラス転移点以下の温度まで降下する。
【0073】
図2に示すように、パレット6が冷却部(VI)を出た箇所には温度センサ55が設置されている。この温度センサ55により図示しない冷却ユニットが手動操作又は自動制御によりコントロールされ、プリフォーム口部の冷却温度が適正に保持される。
【0074】
また、図2に示すように、冷却部(VI)と加熱部(III)との間には、空気の流動を阻止する構造物が配置される。
【0075】
この構造物は、冷却部(VI)と加熱部(III)との間に設けられる断熱パーテーション(図示せず)と排熱ダクト56とで構成される。これにより下層の加熱部(III)から上層の冷却部(VI)への伝熱が遮断され、冷却部(VI)の冷却効率の低下が防止される。また、冷却部(VI)の空気の流れによる加熱部(III)の雰囲気温度の変動が抑止され、加熱部(III)の加熱効率の低下も防止される。結晶化装置の両サイドの上下にも空気の流動を阻止する構造物を設けることで、加熱部(III)を覆うようにして余分な熱のみを直接室外に逃す様にしてもよい。
【0076】
(VII)マンドレル取出
図2に示すように、口部2を冷却されたプリフォーム1はパレット6と共にマンドレル取出部(VII)に到達する。このマンドレル取出部(VII)からプリフォーム取出部(VIII)へと至る搬送路は間欠駆動される第四の無端チェーン57により構成される。
【0077】
マンドレル取出部(VII)は上記マンドレル供給部(II)の略真上に配置され、その内部にはマンドレル挿脱機のマンドレル取出機構が設けられる。また、マンドレル取出部(VII)と上記マンドレル供給部(II)との間には、マンドレル取出部(VII)でプリフォーム1から取り外されたマンドレル5をマンドレル供給部(II)へと搬送するマンドレル搬送機構が設けられる。このようにマンドレルの取出部(VII)と供給部(II)とが搬送路の上下間で近接することから、プリフォーム1の結晶化を終了した箇所から結晶化を開始しようとする箇所へとマンドレル5が速やかに供給される。
【0078】
図19に示すマンドレル取出機構58は、マンドレル取出部(VII)内で一時停止したパレット6上において図示しないシリンダ装置等により全体が垂直方向に往復運動可能に配置される。
【0079】
図19に示すように、図示しないシリンダ装置のピストンロッドの下端にはベース板59が固定され、このベース板59からシリンダ装置60とガイド棒61とが垂下する。シリンダ装置60のピストンロッドの下端には保持板62が水平に固定され、この保持板62にガイド棒61がスライド自在に支持される。また、保持板62の下部には図示しない一対のシリンダ装置が水平に対向配置されると共に、水平フレーム63が固定される。水平フレーム63には、上記マンドレル挿入機構32と同様にマンドレル5の把持部材64が水平方向に開閉可能に設けられ、この把持部材64にマンドレル5の筒部5aに対応した形状の切欠が形成される。マンドレル5の把持部材64の開閉動作は上記水平に対向配置されたシリンダ装置により行われる。上記ガイド棒61の下端にはパレット6上のプリフォーム1に差し込まれる差込棒65が取り付けられ、この差込棒65が水平フレーム63及び把持部材64を下方に貫通する。
【0080】
このマンドレル取出機構58は次のように作動する。マンドレル取出部(VII)でパレット6が一時停止すると、図示しないシリンダ装置により、マンドレル取出機構58の全体がパレット6上まで降下し、差込棒65がパレット6上の各マンドレル5及びプリフォーム1の中に入り込む。次に、シリンダ装置の作動により把持部材64の把持片が閉じてマンドレル5をそのフランジ部5bの直下で把持する。そして、差込棒65によりプリフォーム1の上昇を防止しつつ把持部材64が上昇し、マンドレル5をプリフォーム1から分離する。その後、図示しないシリンダ装置によりマンドレル取出機構58の全体が上昇し、マンドレル5がパレット6上のプリフォーム1の口部2から抜き取られる。
【0081】
プリフォーム1から抜き取られたマンドレル5は、図20乃至図23に示すマンドレル搬送機構66により受け取られ上記マンドレル供給機32へと搬送される。マンドレル搬送機構66は、マンドレル取出機構58とマンドレル供給機32との間に配置される。
【0082】
マンドレル搬送機構66は、図20及び図21に示すように、搬送路に沿って床面に垂直に起立する略長方形のフレーム67内に設けられ、フレーム67の内側に垂直方向に張設された第一のモータ68により駆動される第一の無端ベルト69と、この無端ベルト69の背後に張設された第二のモータ70a,70bにより駆動される第二の無端ベルト71a,71bとを具備する。また、フレーム67には垂直方向に伸びる二対のガイドバー72a,72bが固定される。ガイドバー72a,72bの各対には第一と第二のスライダ73a,73bがそれぞれスライド可能に嵌め込まれ、第一のスライダ73aに第一の無端ベルト69の片側の走行部が連結され、第二のスライダ73bに第一の無端ベルト69の他の片側の走行部が連結される。第一の無端ベルト69がモータ68により駆動されると、第一と第二のスライダ73a,73bが垂直方向に互いに逆向きに移動する。
【0083】
第一と第二のスライダ73a,73bにはそれぞれブラケット74a,74bが固定され、図22に示すように、各ブラケット74a,74b上にはスライド板75a,75bを介してトレー76a,76bが乗せられる。トレー76a,76bは第一の無端チェーン69の駆動により、最上昇位置と最下降位置との間をブラケット74a,74b等と共に往復動可能であり、最上昇位置が搬送路の上側経路に対応し、最下降位置が搬送路の下側経路に対応する。
【0084】
図22及び図23に示すように、トレー76a,76bは上記パレット6上のプリフォーム1と同じ行及び列の配列でマンドレル5の受け穴77を備える。また、パレット6の搬送方向に見てトレー76a,76bの前後には起立壁78が設けられ、各起立壁78には縦向きローラ79と横向きローラ80とが軸支されると共に垂直方向に係止穴81が設けられる。
【0085】
スライド板75a,75bは、図22に示すように、パレット6の搬送方向に平行に伸びるスライドレール82及びシリンダ装置83を介してブラケット74a,74b上に支持される。シリンダ装置83の作動により、スライド板75a,75bはブラケット74a,74b上をパレット6の搬送方向に沿ってスライドする。第一と第二のスライダ73a,73bが擦れ違う際にこのシリンダ装置83が作動し、トレー76a,76b同士が衝突しないようにトレー76a,76bを互いに外側へとブラケット74a,74b上でスライドさせた後、元の位置に復帰させる。
【0086】
トレー76a,76bの最上昇位置と最下降位置には、図21及び図23に示すように、パレット6の搬送方向に直交する向きにそれぞれトレー76a,76bの送りネジ棒84が配置される。送りネジ棒84はトレー76a,76bを挟むようにフレーム67上に回転可能に支持され、その後端に上記第二の無端ベルト71a,71bがベルト車及びモータ70a,70bを介して動力的に連結される。送りネジ棒84にはナット85が螺合し、このナット85にトレー76a,76bの上記係止穴81に係合する突起86が設けられる。また、送りネジ棒84の延長線上には、図20に示すように、パレット6の搬送路における上下の経路に交差するようにトレー76a,76bのガイドレール87が配置される。
【0087】
第一のモータ68の回転により各トレー76a,76bが上昇又は下降すると、各トレー76a,76bはその突起86が係止穴81に嵌まり込んだ状態で停止する。そこで、第二のモータ70a,70bにより第二の無端ベルト71a,71bが駆動されると、送りネジ棒84が回転し、ナット85が各トレー76a,76bを搬送路側へと送り出す。両トレー76a,76bは搬送路上のパレット6を覆う位置に到達したところで停止し、一方のトレー76a又は76bはマンドレル取出機構58が把持部材64を開くことにより落下するマンドレル5を受け穴77内に受け止め、他方のトレー76b又は76aはマンドレル供給機32の把持部材35がマンドレル5を把持することにより受け穴77からマンドレル5を除去される。その後、各トレー76a,76bは送りネジ棒84の逆回転により、ブラケット74a,74b上に復帰し、次の制御指令を待つ。
【0088】
以上の説明から明らかなように、プリフォーム口部の結晶化の際加熱前にプリフォーム1の口部2にマンドレル5を挿入し、冷却後にマンドレル5を除去するので、加熱から冷却に至るまでプリフォーム1の口部2の不均一な変形、寸法変化等が防止される。また、マンドレル5の存在によりそのような変形が阻止されるので、速やかに加熱及び冷却が行われる。また、マンドレル5は搬送路の上下間で移動させるだけで済むため、結晶化装置自体の構造が簡素化され、用意すべきマンドレル5の個数も低減する。
【0089】
(VIII)プリフォームの取出
マンドレル5が除去されたパレット6上のプリフォーム1は、搬送路上を図1及び図2に示すプリフォーム取出部(VIII)へと第四の無端チェーン57により搬送される。プリフォーム取出部(VIII)は図示しないがプリフォーム供給機7と同様な構成のプリフォーム取出機を備える。口部2が結晶化したプリフォーム1はパレット6と共に第四の無端チェーン57によりプリフォーム取出部(VIII)へと搬送されると一時停止し、プリフォーム取出機によりパレット6から抜き取られ回収される。
【0090】
パレット6から抜き取られたプリフォーム1は図示しない回収部上でプリフォーム取出機の把持部材より拘束を解かれ回収部内に落下し、所定の回収位置へと向かう。
【0091】
(IX)下降
結晶化処理されたプリフォーム1が除去されたパレット6は、図2に示すように、搬送路の降下路上を降下し、往路の始端へと向かいプリフォーム1の搬送に繰り返し使用される。この降下路は昇降機により構成され、この昇降機は上記上昇路の昇降機39と同様に構成される。パレット6は搬送路上に多数個載せられ、搬送路上を繰り返し循環しつつプリフォームを1搬送することから、多量のプリフォームが速やかに結晶化処理される。
【0092】
次に、上記プリフォーム口部結晶化装置の一連の動作について説明する。
【0093】
まず、プリフォーム1が図示しない射出成形機から、図1及び図2に示すプリフォーム供給部(I)に送られ、口部2を上にした縦向きの姿勢で6行×16列に配置される。
【0094】
プリフォーム供給機7のフレーム板8がプリフォーム1の上へと降下し、挿入部材13がプリフォーム1の口部2内に入り込み、同時に把持部材14がプリフォーム1のフランジ部4の直下に対向する。シリンダ装置19の作動により把持部材14が閉じ方向にスライドし、切欠15の箇所でプリフォーム1のフランジ部4の直下を挟み込む。これにより、6×16個のプリフォーム1がプリフォーム供給機7に保持される。次に、フレーム板8が上昇し、搬送路の往路上で停止したパレット6上までプリフォーム6を運搬する。
【0095】
フレーム板8がパレット6の真上へと下降し、図11に示すように、プリフォーム1の胴部3が収納筒25内に入り込んだところで把持部材14が開動作する。これにより、プリフォーム1はフランジ部4と口部2とが収納筒25外に露出した状態で収納筒25に保持される。
【0096】
第一の無端チェーン20が駆動して、パレット6をプリフォーム供給部(I)からマンドレル供給部(II)へと搬送し、パレット6をマンドレル供給部(I)で一時停止させる。
【0097】
マンドレル供給部(II)のマンドレル挿入機構32が作動し、そのフレーム板33がパレット6の真上まで降下し、マンドレル5をパレット6上の各プリフォーム1の口部2に押し込む。次いで、把持部材35が開いてマンドレル5を開放すると、フレーム板33が上昇し、挿入棒34をマンドレル5から引き抜く。これにより、パレット6上のプリフォーム1の口部2はマンドレル5で塞がれる。
【0098】
第一の無端チェーン20は、口部2にマンドレル5が挿入されたプリフォーム1をパレット6ごと第二の無端チェーン37に受け渡す。第二の無端チェーン37は、パレット6を加熱部(III)内で一定速度で連続走行させる。これにより、プリフォーム1の口部2の列間をヒータ31が相対移動し、プリフォーム1の口部2はヒータ31の加熱により結晶化し白色化する。また、パレット6下のスプロケットホイール28を介して収納筒25が一定速度で自転する。このため、パレット6上のプリフォーム1は加熱部(III)内を一定速度で走行しかつ一定角速度で自転しながらその口部2をヒータ31により両サイドから加熱され、全プリフォーム1の口部2は加熱ムラ、歪み等を生じることなく均一に結晶化する。
【0099】
加熱部(III)を通過したパレット6は、図2に示すように、昇降機39の下に到達する。昇降機39の下端で図示しないプッシャーにより一基のパレット6が棚板40内に侵入すると、この棚板40が速やかに上端まで上昇する。
【0100】
加熱部(III)や冷却部(VI)に異常が発生したりすると、全棚板40は小刻みに上昇しつつ各棚板40上にパレット6を収容する。パレット6は、加熱部(III)から速やかに昇降機39のスペース内にアキュームされ、また昇降機39から冷却部(VI)への移動が阻止される。これにより、プリフォーム1の過熱、冷却不足等による不良品化が防止される。
【0101】
パレット6は、昇降機39の上端から図示しないプッシャーにより押し出され旋回機41の真上へと移動する。パレット6が旋回機41の旋回板42上に到達すると、旋回軸43が上昇し、旋回板42がその上面でパレット6を支えると共に、旋回板42上の係合片45がパレット6の係止片30に係合する。次いで、旋回軸43が180度回転し、旋回板42とその上のパレット6が前後間で反転する。これにより、昇降機39から出たパレット6は前後の向きを入れ換えたうえで冷却部(VI)に向かうこととなり、パレット6上における先に加熱部(III)から出たプリフォーム1の方から先に冷却部(VI)に入る。従って、同じパレット6のプリフォーム1間における結晶化のムラが防止される。
【0102】
旋回機41により180度向きを換えたパレット6は、図2に示すように、冷却部(VI)に入る。パレット6上に配列されたプリフォーム1は、冷却部(VI)内を第三の無端チェーン54により一定速度で連続走行する。プリフォーム1の口部2の列間にはダクト47が通り、各ダクト47のスリット状冷却風吹出口48から冷却風がパレット6上のプリフォーム1の口部2に向かって吹き出す。また、パレット6が一定速度で走行すると同時にパレット6上で収納筒25がプリフォーム1と共に一定速度で回転する。これにより、全プリフォーム1の口部2は冷却ムラ、歪み等を生じることなく均一に冷却され、ガラス転移点以下の温度まで降下する。
【0103】
図2に示すように、口部2を冷却されたプリフォーム1はパレット6ごとマンドレル取出部(VII)に到達する。パレット6は間欠駆動する第四の無端チェーン57により受け取られマンドレル取出部(VII)内で一時停止する。マンドレル取出部(VII)でパレット6が一時停止すると、マンドレル取出機構58の全体がパレット6上まで降下し、差込棒65がパレット6上の各マンドレル5及びプリフォーム1の中に入り込む。次に、把持部材64が閉じてマンドレル5をそのフランジ部5bの直下で把持した後、差込棒65によりプリフォーム1の上昇を防止しつつ把持部材64が上昇し、マンドレル5をプリフォーム1から分離し、マンドレル取出機構58の全体が上昇し、マンドレル5をパレット6上のプリフォーム1の口部2から抜き取る。
【0104】
マンドレル取出機構58は、プリフォーム1から抜き取ったマンドレル5をマンドレル搬送機構66に受け渡す。マンドレル搬送機構66の第一のモータ68の回転により一方のトレー76a又は76bが上昇すると、トレー76a又は76bは係止穴81に突起86が嵌まり込んだ状態で停止する。そこで、第二のモータ70a又は70bにより送りネジ棒84が回転し、ナット85がトレー76a又は76bを搬送路側へと送り出す。この一方のトレー76a又は76bは搬送路上のパレット6を覆う位置に到達したところで停止し、マンドレル取出機構58が把持部材64を開くことにより落下するマンドレル5を受け穴77内に受け止める。その後、トレー76a又は76bは送りネジ棒84の逆回転により、搬送路から離脱した後、マンドレル供給部(II)へと下降する。
【0105】
また、マンドレル搬送機構66において、他方のトレー76b又は76aは一方のトレー76a又は76bの上昇及び搬送路側への進行と同時に下降及び搬送路側への進行を行い、マンドレル供給機32下に到達する。双方のトレー76b又は76aは昇降時に交差するが、その際スライド板75a,75bが互いに外側にスライドしトレー76a,76b同士の衝突を回避する。マンドレル供給機32の把持部材35はこの降下したトレー76b又は76a上のマンドレル5を把持してトレー76b又は76aの受け穴77からマンドレル5を抜き取る。このトレー76b又は76aは送りネジ棒84の逆回転により、搬送路から離脱した後、マンドレル取出機構58の方へと上昇する。
【0106】
第四の無端チェーン57は、マンドレル5が除去されたパレット6上のプリフォーム1をパレット6ごとプリフォーム取出部(VIII)へと搬送する。第四の無端チェーン57がプリフォーム取出部(VIII)内でパレット6を一時停止させると、図示しないプリフォーム取出機がパレット6上の口部2が結晶化したプリフォーム1をパレット6から抜き取り回収する。プリフォーム取出機は、回収部上で把持部材を開き、プリフォーム1を回収部内に落下させる。
【0107】
第四の無端チェーン57は、結晶化処理されたプリフォーム1が除去されたパレット6を昇降機へと搬送し、昇降機はこの空いたパレット6を元の位置へと降下させる。
【0108】
第一の無端チェーン20は、この空いたパレット6を再びプリフォーム供給部(I)へと供給する。
【0109】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、ブロー成形用プリフォームをパレット上に縦向きで複数の行及び列に並べ、このパレットを一方向に搬送しながらプリフォームの口部を結晶化温度まで加熱し、次に、パレットを上昇又は下降させ、しかる後、パレットを逆方向に搬送しながら口部を冷却し、上記搬送方向を変更する際にはパレットの前後の向きを入れ換えるプリフォーム口部結晶化方法であるから、プリフォームを載せたパレットの搬送路を床面の上下方向に配置することができる。それゆえ、搬送路の床上の設置面積が略半減し、効率よくプリフォーム口部の結晶化を行うことができる。また、プリフォームはパレット上に複数の行及び列で並べ、しかもパレットの搬送方向を変更する際にパレットの前後の向きを入れ換えるので、パレット上における先に加熱部から出たプリフォームの方から先に冷却部に入り、同じパレットのプリフォーム間において結晶化にムラが生ぜず、多量のプリフォームを効率よく結晶化処理することができる。
【0110】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載のプリフォーム口部結晶化方法において、加熱前にプリフォームの口部にマンドレルを挿入し、冷却後にマンドレルを除去するので、マンドレルがプリフォームの口部内に嵌り込み、加熱直後から冷却に至るまでプリフォームの口部の不均一な変形、寸法変化等が防止される。また、マンドレルによりそのような変形が阻止されるので、速やかな加熱及び冷却が可能になり、結晶化処理の迅速化が達成される。
【0111】
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は請求項2に記載のプリフォーム口部結晶化方法において、加熱時にプリフォームを自転させるので、口部が均一にムラなく結晶化され、口部に歪みを生じ難い。
【0112】
請求項4に係る発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプリフォーム口部結晶化方法において、冷却時にプリフォームを自転させるので、口部が均一にムラなく冷却され、口部に歪みを生じ難い。
【0113】
請求項5に係る発明によれば、ブロー成形用プリフォームの搬送手段の搬送路に沿って、プリフォームを供給する供給部と、プリフォームの口部を結晶化温度まで加熱する加熱部と、加熱された口部を冷却する冷却部と、口部が冷却されたプリフォームを取り出す取出部とが配置されたプリフォーム口部結晶化装置において、上記搬送路が床面に対し垂直面上を通るように設定され、搬送路の上側の経路に加熱部又は冷却部が配置され、搬送路の下側の経路に冷却部又は加熱部が配置され、上記搬送手段は、プリフォームが縦向きで複数の行及び列に並べられる上記搬送路に沿って走行可能なパレットと、パレットが上記加熱部から上記冷却部に移る前にパレットの前後の向きを入れ換えるパレット旋回機構とを備えたプリフォーム口部結晶化装置であり、プリフォームを載せたパレットの搬送路が床面に対し垂直面上を通るように配置されるので、搬送路の設置に必要な床面積が略半減し、効率よくプリフォーム口部の結晶化を行うことができる。また、加熱部と冷却部を比較的長く設定しても装置の床面積がさほど増加しないので、加熱と冷却を穏やかに行いプリフォーム口部の結晶化を安定的に行うことができる。また、搬送手段が搬送路に沿って走行するパレットを備え、パレット上にプリフォームが縦向きに複数の行及び列で並べられるようにしたので、多量のプリフォームを効率よく結晶化処理することができる。また、パレットが加熱部から冷却部に移る前にパレットの前後の向きを入れ換えるパレット旋回機構を備えたので、プリフォームはパレット上に複数の行及び列で並べ、しかもパレットの搬送方向を変更する際にパレット旋回機構によりパレットの前後の向きを入れ換えることができ、パレット上における先に加熱部から出たプリフォームの方から先に冷却部に入るので同じパレットのプリフォーム間において結晶化にムラが生ぜず、多量のプリフォームを効率よく結晶化処理することができる。
【0114】
請求項6に係る発明によれば、請求項5に記載のプリフォーム口部結晶化装置において、搬送手段が搬送路の上下間に昇降機を備えたので、上下の搬送路の経路が短縮され、それだけ結晶化装置の小型化が図られる。
【0116】
請求項7に係る発明によれば、請求項5又は請求項6に記載のプリフォーム口部結晶化装置において、搬送手段が加熱部においてプリフォームを自転させる自転機構を備えたので、プリフォームを自転させつつその口部を加熱することができ、口部が均一にムラなく結晶化される。
【0117】
請求項8に係る発明によれば、請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のプリフォーム口部結晶化装置において、搬送手段が冷却部においてプリフォームを自転させる自転機構を備えたので、プリフォームを自転させつつその口部を冷却することができ、口部が均一に冷却され、歪みを生じない。
【0118】
請求項9に係る発明によれば、請求項5乃至請求項8のいずれかに記載のプリフォーム口部結晶化装置において、マンドレル挿脱機が搬送路の上下間に設けられ、冷却部を出たプリフォームの口部から抜き取ったマンドレルを加熱部に入る前のプリフォームの口部に挿入するようにしたので、プリフォームの結晶化を終了した箇所から結晶化を開始しようとする箇所へとマンドレルを速やかに供給することができる。
【0119】
請求項10に係る発明によれば、請求項5乃至請求項9のいずれかに記載のプリフォーム口部結晶化装置において、加熱部と冷却部との間に、空気の流動を阻止する構造物が配置されたので、空気の流動を阻止する構造物が、冷却部の空気の流れによる加熱部の雰囲気温度の変動を抑えると共に、冷却部へ加熱部の熱が伝わることによる冷却効率の低下を防止する。これにより、結晶化の変動が低減し、ガラス転移点以下までの冷却が促進され、品質のバラツキが低減する。
【0120】
請求項11に係る発明によれば、請求項5乃至請求項10のいずれかに記載のプリフォーム口部結晶化装置において、冷却部がプリフォームの搬送方向に伸びるスリット状の冷却風吹出口を備えたので、プリフォームの搬送方向に細長く連続するスリットからプリフォーム口部に向かって大きい送風量でしかも早い風速で冷却風を吹き掛けることができる。それゆえ、プリフォーム口部をムラなく効率よく冷却することができ、口部の寸法誤差も低減する。
【0122】
請求項12に係る発明によれば、請求項6に記載のプリフォーム口部結晶化装置において、異常発生時に昇降機がプリフォームのアキュムレータとして機能するようにしたので、加熱部、冷却部等に異常が発生した場合、プリフォームを昇降機内にアキュームすることができる。従って、プリフォームが加熱部等において停止した場合、温度設定等に不具合が生じた場合に、プリフォームを昇降機内に避難させ、プリフォームを損傷から保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリフォーム口部結晶化装置の構成を示す平面図である。
【図2】図1に示すプリフォーム口部結晶化装置の平面図である。
【図3】プリフォームの垂直断面図であり、(A)はプリフォーム単体、(B)はマンドレルが嵌め込まれたプリフォームを示す。
【図4】(A)はマンドレルの立面図、(B)は垂直断面図である。
【図5】プリフォーム供給機の平面図である。
【図6】プリフォーム供給機をプリフォーム搬送方向に見た正面図である。
【図7】図6に示すプリフォーム供給機の左側面図である。
【図8】パレットの平面図である。
【図9】図8に示すパレットをプリフォーム搬送方向に見た正面図である。
【図10】図8に示すパレットの右側面図である。
【図11】パレットの部分拡大図である。
【図12】マンドレル挿脱機のマンドレル挿入機構をパレット搬送方向に見た部分切欠図である。
【図13】図12に示すマンドレル挿入機構の部分側面図である。
【図14】加熱部をパレット搬送方向に垂直に切って示す断面図である。
【図15】昇降機と旋回機を示す立面図である。
【図16】冷却部を示す平面図である。
【図17】冷却部をパレットと共に示す側面図である。
【図18】冷却部をパレット搬送方向に垂直に切って示す縦断面図である。
【図19】マンドレル挿脱機のマンドレル取出機構を示す立面図である。
【図20】マンドレル挿脱機のマンドレル搬送機構をパレット搬送方向に見た正面図である。
【図21】図20に示すマンドレル搬送機構をパレット搬送方向に直交する向きに見た側面図である。
【図22】(A)(B)はそれぞれ図20中、XXIIA部分、XXIIB部分の拡大図である。
【図23】(A)(B)はそれぞれ図21中、XXIIIA部分、XXIIIB部分の拡大図である。
【符号の説明】
1…プリフォーム
2…プリフォーム口部
5…マンドレル
6…パレット
26…回転軸
32…マンドレル挿入機構
39…昇降機
41…パレット旋回機構
48…冷却風吹出口
56…排熱ダクト
58…マンドレル取出機構
66…マンドレル搬送機構
I…プリフォーム供給部
III…加熱部
VI…冷却部
VIII…プリフォーム取出部
Claims (12)
- ブロー成形用プリフォームをパレット上に縦向きで複数の行及び列に並べ、このパレットを一方向に搬送しながらプリフォームの口部を結晶化温度まで加熱し、次に、パレットを垂直方向に上昇又は下降させ、しかる後、パレットを逆方向に搬送しながら口部を冷却し、上記搬送方向を変更する際にはパレットの前後の向きを入れ換えることを特徴とするプリフォーム口部結晶化方法。
- 請求項1に記載のプリフォーム口部結晶化方法において、加熱前にプリフォームの口部にマンドレルを挿入し、冷却後にマンドレルを除去することを特徴とするプリフォーム口部結晶化方法。
- 請求項1又は請求項2に記載のプリフォーム口部結晶化方法において、加熱時にプリフォームを自転させることを特徴とするプリフォーム口部結晶化方法。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプリフォーム口部結晶化方法において、冷却時にプリフォームを自転させることを特徴とするプリフォーム口部結晶化方法。
- ブロー成形用プリフォームの搬送手段の搬送路に沿って、プリフォームを供給する供給部と、プリフォームの口部を結晶化温度まで加熱する加熱部と、加熱された口部を冷却する冷却部と、口部が冷却されたプリフォームを取り出す取出部とが配置されたプリフォーム口部結晶化装置において、上記搬送路が床面に対し垂直面上を通るように設定され、搬送路の上側の経路に加熱部又は冷却部が配置され、搬送路の下側の経路に冷却部又は加熱部が配置され、上記搬送手段は、プリフォームが縦向きで複数の行及び列に並べられる上記搬送路に沿って走行可能なパレットと、パレットが上記加熱部から上記冷却部に移る前にパレットの前後の向きを入れ換えるパレット旋回機構とを備えたことを特徴とするプリフォーム口部結晶化装置。
- 請求項5に記載のプリフォーム口部結晶化装置において、搬送手段が搬送路の上下間に昇降機を備えたことを特徴とするプリフォーム口部結晶化装置。
- 請求項5又は請求項6に記載のプリフォーム口部結晶化装置において、搬送手段が加熱部においてプリフォームを自転させる自転機構を備えたことを特徴とするプリフォーム口部結晶化装置。
- 請求項5乃至請求項7のいずれかに記載のプリフォーム口部結晶化装置において、搬送手段が冷却部においてプリフォームを自転させる自転機構を備えたことを特徴とするプリフォーム口部結晶化装置。
- 請求項5乃至請求項8のいずれかに記載のプリフォーム口部結晶化装置において、マンドレル挿脱機が搬送路の上下間に設けられ、冷却部を出たプリフォームの口部から抜き取ったマンドレルを加熱部に入る前のプリフォームの口部に挿入するようにしたことを特徴とするプリフォーム口部結晶化装置。
- 請求項5乃至請求項9のいずれかに記載のプリフォーム口部結晶化装置において、加熱部と冷却部との間に、空気の流動を阻止する構造物が配置されたことを特徴とするプリフォーム口部結晶化装置。
- 請求項5乃至請求項10のいずれかに記載のプリフォーム口部結晶化装置において、冷却部がプリフォームの搬送方向に伸びるスリット状の冷却風吹出口を備えたことを特徴とするプリフォーム口部結晶化装置。
- 請求項6に記載のプリフォーム口部結晶化装置において、異常発生時に昇降機がプリフォームのアキュムレータとして機能するようにしたことを特徴とするプリフォーム口部結晶化装置。
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