JP4038742B2 - 樹脂製フレキシブルブーツ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防塵および自在軸継手を潤滑するグリースの保持のため自在軸継手に装着されるフレキシブルブーツに関し、特に、熱可塑性ポリエステルエラストマーから成形されたフレキシブルブーツに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の等速ジョイントのような自在軸継手の防塵、グリース保持を目的としたフレキシブルブーツは、おもにクロロプレンゴムが用いられてきた。しかし、自動車の等速ジョイント用フレキシブルブーツとした場合、クロロプレンゴムは、繰り返し屈曲応力に対する耐久性が不足しており、長期間の使用によって亀裂が発生し、破損にいたることが問題となっている。また、耐寒性に劣るため、極寒冷地での使用時に硬化し、破損にいたることがある。さらに、機械的強度が小さいクロロプレンゴム製フレキシブルブーツでは、走行中飛び石などによる破損や、自動車の高速走行時のような高速回転時には、異常に膨張し、変形や他部品との干渉による破損などの問題が発生する。
【0003】
このような問題点に対し、耐屈曲疲労性、耐寒性、機械的強度に優れる材料として、熱可塑性ポリエステルエラストマーによって成形されたフレキシブルブーツが提案されている。例えば、特開平9−194704号公報には、ポリエステルエラストマーに対して有機ポリイソシアネート化合物とシリコーン化合物を配合してなる樹脂組成物をブロー成形した自動車等速ジョイントブーツ成形品が開示されている。また、ポリエステルエラストマーにポリエポキシ化合物を配合した樹脂組成物が、特開昭48−100495号公報および特開昭63−30927号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記、特開平9−194704号公報に開示された自動車等速ジョイントブーツ成形品は、たしかに耐摩耗性、機械的特性、柔軟性に優れるが、増粘剤として有機ポリイソシアネート化合物を使用しているため、ブーツ成形品表面および内部にゲル化した樹脂がフィッシュアイ状に存在する状態に陥りやすい。かかるブーツ成形品は外観が劣るのみならず、そのフィッシュアイ状のゲル部分に応力が集中することにより、ブーツ性能として不可欠な耐屈曲疲労性が低下する。また、有機ポリイソシアネート化合物を配合したポリエステルエラストマー樹脂組成物は、溶融滞留時に有機ポリイソシアネート化合物どうしが反応することによって生成する重合物を含有するため、ブーツを成形する際に、これが揮散して金型に付着する金型汚染を起こしやすい。こうなると金型をしばしば清掃する必要があり生産性の低いブーツとなるし、この揮散物がブーツ成形品に転写されると外観の悪いブーツとなる。さらに、有機ポリイソシアネート化合物を配合したポリエステルエラストマー樹脂組成物は、溶融滞留時に溶融粘度が変化しやすいため、重量や肉厚の不安定なブーツ成形品が得られやすい。このようなブーツ成形品は、薄肉部分からの破損を生じたりする不都合を有する。
【0005】
そこで本発明者らは、フィッシュアイや金型汚染物質の転写がなく、重量や肉厚が安定していて、外観、耐屈曲疲労性、生産性に優れた樹脂製フレキシブルブーツを目的として検討した結果、特定の熱可塑性ポリエステルエラストマーを用いて成形したフレキシブルブーツにおいて、上記の目標が達成されることを見いだし、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、大口径部と小口径部を蛇腹部によって連結した形状を有する樹脂製フレキシブルブーツにおいて、該フレキシブルブーツを形成する樹脂が、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(b)からなるポリエステルブロック共重合体(A)100重量部に対し、2官能以上のグリシジルエステル化合物(B)0.01〜10重量部を配合してなる熱可塑性ポリエステルエラストマーであることを特徴とする樹脂製フレキシブルブーツである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0008】
本発明の樹脂製フレキシブルブーツに用いられる熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)は、高融点結晶性ポリエステル重合体セグメント(a)と低融点重合体セグメント(b)からなるポリエステルブロック共重合体(A)を主体とするものである。
【0009】
本発明の樹脂製フレキシブルブーツに用いられる熱可塑性ポリエステルエラストマーを構成するポリエステルブロック共重合体(A)の高融点結晶性ポリエステル重合体セグメント(a)は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから形成されるポリエステルであり、好ましくはテレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールから誘導されるポリブチレンテレフタレートであるが、この他に、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体などのジカルボン酸成分と、分子量300以下のジオール、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環式ジオール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−p−クオーターフェニルなどの芳香族ジオールなどから誘導されるポリエステル、あるいはこれらのジカルボン酸成分およびジオール成分を2種以上併用した共重合ポリエステルであっても良い。また、アジピン酸やセバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸を共重合しても良い。さらに、3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分などを5モル%以下の範囲で共重合することも可能である。
【0010】
本発明の樹脂製フレキシブルブーツに用いられる熱可塑性ポリエステルエラストマーを構成するポリエステルブロック共重合体(A)の低融点重合体セグメント(b)は、脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルである。脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体などが挙げられる。また、脂肪族ポリエステルとしては、ポリカプロラクトン、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルのなかで、得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性からポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、ポリカプロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが好ましい。また、これらの低融点重合体セグメントの数平均分子量としては共重合された状態において300〜6000程度であることが好ましい。ポリエステルブロック共重合体(A)における低融点重合体セグメント(b)の共重合量は、好ましくは10〜80重量%、更に好ましくは15〜75重量%である。
【0011】
本発明の樹脂製フレキシブルブーツに用いられる熱可塑性ポリエステルエラストマーを構成する化合物は、上記のポリエステルブロック共重合体(A)の他に2官能以上のグリシジルエステル化合物(B)である。このような化合物としてはフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、ビ安息香酸ジグリシジルエステル、メチルテレフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、ドデカンジカルボン酸ジグリシジルエステル、オクタデカンジカルボン酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルなどのジカルボン酸のジグリシジルエステル化合物、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ピロメリット酸テトラグリシジルエステルなどのポリカルボン酸のポリグリシジルエステル化合物などが挙げられる。これらの中でも化合物中に2個のグリシジル基を有するジグリシジルエステル化合物が好ましい。
【0012】
このような2官能以上のグリシジルエステル化合物(B)の配合量は、ポリエステルブロック共重合体(A)100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜8重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。配合量が0.01重量部未満ではフレキシブルブーツを成形するのに十分な高い溶融粘度が得られず、配合量が10重量部を越えると成形時の溶融滞留によりゲル化が起こり成形できなくなる。
【0013】
本発明の樹脂製フレキシブルブーツに用いられる熱可塑性ポリエステルエラストマーの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステルブロック共重合体と、2官能以上のグリシジルエステル化合物をはじめとする添加剤を予め混合してスクリュー型押出機へ供給し、溶融混練する方法、あるいは各原料を別々にスクリュー型押出機へ供給し、溶融混練する方法などが挙げられる。
本発明の樹脂製フレキシブルブーツの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、押出ブロー、射出ブロー、プレスブローなどのブロー成形法や射出成形法などがあげられる。
【0014】
本発明の樹脂製フレキシブルブーツの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、押出ブロー、射出ブロー、プレスブローなどのブロー成形法や射出成形法などがあげられる。
【0015】
本発明の樹脂製フレキシブルブーツは、フィッシュアイや金型汚染物質の転写がなく、重量や肉厚が安定していて、外観、耐屈曲疲労性、生産性に優れている。
【0016】
【実施例】
以下に実施例によって本発明の効果を説明する。なお、実施例中の%および部とは、ことわりのない場合すべて重量基準である。
【0017】
実施例1
ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、分子量1400のポリテトラメチレンオキシドグリコールをソフトセグメントとするポリエステルブロック共重合体(ハードセグメント/ソフトセグメント重量比=45/55)100部に対して、”イルガノックス”1010(チバガイギー製ヒンダードフェノール系酸化防止剤)0.5部、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル0.5部、カーボンブラック1部を配合してヘンシェル・ミキサー中で混合した後、内径40mm、L/D=30の2軸押し出し機に供給し、シリンダーおよびダイスの設定温度240℃、スクリュー回転数130rpmで溶融混練した。ダイスからポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングしてペレット化することによって熱可塑性ポリエステルエラストマー(A−1)を得た。
【0018】
得られた熱可塑性ポリエステルエラストマー(A−1)を80℃で5時間熱風乾燥した後、ASTM D1238に準拠し、測定温度220℃、荷重2160gでメルトフローレートを測定するとともに、射出成形によって試験片を作り下記の評価を行った。
【0019】
表面硬度:JIS K7215に準拠し、デュロメーターDスケールで測定。
【0020】
引張物性:JIS K7113に準拠し、2号試験片について測定。
【0021】
また、プレス成形によって厚さ2mm、幅20mmの試験片を作り、耐屈曲疲労性を評価した。評価は下記条件で行い、100万回の屈曲サイクル後の亀裂長さを測定した。この試験において亀裂の発生が小さい方が耐久性に優れる。結果を表1に示す。
【0022】
試験条件:
試験機 :デマッチャ屈曲疲労試験機
試験温度 :100℃
チャック間距離:25mm←→5.6mm
屈曲サイクル :300回/分
【表1】
次いで80℃で5時間熱風乾燥した熱可塑性ポリエステルエラストマー(A−1)を、プレスブロー成形機(オスバーガー社製SBE50/140型)を用いて、シリンダー温度230℃、ノズル温度230℃、金型温度30℃の成形条件で、大口径部と小口径部を、5つの山と5つの谷を有する肉厚0.5mmの蛇腹部によって連結した形状を有する重量60gの等速ジョイント用フレキシブルブーツに成形した。成形は8時間連続で行い、1時間毎にブーツ5個をサンプリングして、外観を調べるとともに、ブーツ重量を測定した。また小口径部を上にしてブーツを置いた場合に上から3山目である山部と、それに続く谷部について縦に切断したブーツ断面の厚みを測定し、山部と谷部の厚みの差を求めた。結果を表1に示す。表1から明らかなように、本実施例においては、ブーツ用材料の耐屈曲疲労性が優れ、また成形時にサンプリングしたいずれのブーツにもフィッシュアイは観察されなかった。また金型汚染物の転写に起因する外観不良もなかった。ブーツ重量は60±0.5gの範囲にすべて入っており、山部と谷部の厚みの差も0.1mm以下であった。
【0023】
比較例1
実施例で用いたポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリテトラメチレンオキシドグリコールをソフトセグメントとするポリエステルブロック共重合体(ハードセグメント/ソフトセグメント重量比=45/55)100部に対して、”イルガノックス”1010(チバガイギー製ヒンダードフェノール系酸化防止剤)0.5部、ジフェニルメタンジイソシアネート0.5部、カーボンブラック1部を配合してヘンシェル・ミキサー中で混合した後、内径40mm、L/D=30の2軸押し出し機に供給し、シリンダーおよびダイスの設定温度240℃、スクリュー回転数130rpmで溶融混練した。ダイスからポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングしてペレット化し熱可塑性ポリエステルエラストマー(B−1)を得た。
【0024】
得られた熱可塑性ポリエステルエラストマー(B−1)について、実施例と同じ方法で評価を行った。結果を表2に示す。表2から明らかなように、有機イソシアネート化合物を用いた本比較例においては、ブーツ用材料の耐屈曲疲労性が十分でなかった。また成形時にサンプリングしたブーツにフィッシュアイの観察されるものの割合が高く、金型汚染物の転写に起因する外観不良も経時的に進行した。さらにブーツ重量は安定せず重量の範囲は60±1.5gにわたった。ブーツの肉厚も安定せず山部と谷部との厚みの差は最大0.21mmに達した。
【0025】
【表2】
比較例2
実施例で用いたポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリテトラメチレンオキシドグリコールをソフトセグメントとするポリエステルブロック共重合体(ハードセグメント/ソフトセグメント重量比=45/55)100部に対して、”イルガノックス”1010(チバガイギー製ヒンダードフェノール系酸化防止剤)0.5部と、カーボンブラック1部だけを配合し、ヘンシェル・ミキサー中で混合した後、内径40mm、L/D=30の2軸押し出し機に供給し、シリンダーおよびダイスの設定温度240℃、スクリュー回転数130rpmで溶融混練した。ダイスからポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングしてペレット化し熱可塑性ポリエステルエラストマー(B−2)を得た。得られた熱可塑性ポリエステルエラストマー(B−2)について、実施例と同じ方法で評価を行ったが、この熱可塑性ポリエステルエラストマー(B−2)は溶融粘度が低すぎてブロー成形することができなかった。
【0026】
比較例3
ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、分子量1400のポリテトラメチレンオキシドグリコールをソフトセグメントとするポリエステルブロック共重合体(ハードセグメント/ソフトセグメント重量比=45/55)100部に対して、”イルガノックス”1010(チバガイギー製ヒンダードフェノール系酸化防止剤)0.5部、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル15部、カーボンブラック1部を配合し、ヘンシェル・ミキサー中で混合した後、内径40mm、L/D=30の2軸押し出し機に供給し、シリンダーおよびダイス設定温度240℃、スクリュー回転数130rpmで溶融混練をおこなった。ダイスからポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングしてペレット化し熱可塑性ポリエステルエラストマー(B−3)を得た。得られた熱可塑性ポリエステルエラストマー(B−3)について、実施例と同じ方法で評価することを試みたが、この熱可塑性ポリエステルエラストマー(B−3)はゲル化していてブロー成形することができなかった。
【0027】
実施例2
ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリカプロラクトンをソフトセグメントとするポリエステルブロック共重合体(ハードセグメント/ソフトセグメント重量比=45/55)100部に対して、”イルガノックス”1010(チバガイギー製ヒンダードフェノール系酸化防止剤)0.5部、テレフタル酸ジグリシジルエステル0.3部、カーボンブラック1部を配合し、ヘンシェル・ミキサー中で混合した後、内径40mm、L/D=30の2軸押し出し機に供給し、シリンダーおよびダイス設定温度240℃、スクリュー回転数130rpmで溶融混練した。ダイスからポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングしてペレット化し、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A−2)を得た。得られた熱可塑性ポリエステルエラストマー(A−2)について実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。表3から明らかなように、本実施例においても、ブーツ用材料の耐屈曲疲労性が優れ、また成形時にサンプリングしたいずれのブーツにもフィッシュアイは観察されなかった。また金型汚染物の転写に起因する外観不良もなかった。ブーツ重量は60±0.5gの範囲にすべて入っていた。さらに山部と谷部の厚みの差は、いずれも0.1mm以下であった。
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】
本発明の、ポリエステルブロック共重合体に2官能以上のエポキシ化合物を配合した熱可塑性ポリエステルエラストマーを用いたフレキシブルブーツは、フィッシュアイや金型汚染物質の転写による外観不良がなく、耐屈曲疲労性と生産安定性に優れている。
Claims (4)
- 大口径部と小口径部を蛇腹部によって連結した形状を有する樹脂製フレキシブルブーツにおいて、該フレキシブルブーツを形成する樹脂が、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(b)からなるポリエステルブロック共重合体(A)100重量部に対し、2官能以上のグリシジルエステル化合物(B)0.01〜10重量部を配合してなる熱可塑性ポリエステルエラストマーであることを特徴とする樹脂製フレキシブルブーツ。
- ポリエステルブロック共重合体(A)の高融点結晶性重合体セグメント(a)がポリブチレンテレフタレート単位で構成される請求項1記載の樹脂製フレキシブルブーツ。
- ポリエステルブロック共重合体(A)の低融点重合体セグメント(b)がポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール単位、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体単位、ポリカプロラクトン単位、ポリブチレンアジペート単位、ポリエチレンアジペート単位から選ばれたいずれかで構成される請求項1または2記載の樹脂製フレキシブルブーツ。
- ポリエステルブロック共重合体(A)における低融点重合体セグメント(b)の共重合量が10〜80重量%である請求項1〜3いずれか記載の樹脂製フレキシブルブーツ。
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