JP4032422B2 - 工作機械及び回転軸を有する装置におけるツールホルダの装着状態異常判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は工作機械及び回転軸を有する装置におけるツールホルダの装着状態異常判定方法に係り、特に、マシニングセンタ(以下、「MC」と略称でいう)等のツールホルダを使用する工作機械において、ツールホルダの主軸への装着状態の異常を自動で検出できる工作機械及び回転軸を有する装置におけるツールホルダの装着状態異常判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
MCは、加工工程に従って各種工具を自動的に選択し、主軸に自動で装着して多種類の加工を行う装置である。このMCにおいて、工具の交換は自動工具交換(ATC:オートツールホルダチェンジ)装置で行われる。このATC装置は、工具が取り付けられたツールホルダを、工具マガジンから自動で取り出し、主軸に自動で装着する装置である。
【0003】
図14は、主軸1へツールホルダ2を装着した状態を示す断面図である。同図に示されるように、ツールホルダ2は、円錐状の嵌合部2Aを有しており、この嵌合部2Aを主軸1に形成された円錐状の被嵌合部1Aに嵌合させて装着される。
【0004】
この手順は、以下のようになる。軸杆3を右方に引張ることにより、これに伴ってボール保持体4及びボール5が移動する。ボール5の移動により、プルスタッド(ドローイングボルト)6が引張られ、これによって、ツールホルダ2の円錐状の嵌合部2Aが主軸1の円錐状の被嵌合部1Aに押し付けられる。この押し付けられた圧力により、嵌合部2Aが被嵌合部1Aと密着して高精度の装着(チャッキング)がなされる。
【0005】
図15は、工具Tを把持するツールホルダ2の装着状態を示す説明図である。通常は、ツールホルダ2の装着が適正になされ、同図(a)に示されるような状態となる。ところが、同図(b)に示されるように、この嵌合部分に切り屑7などが付着すると、軸が曲がって装着される。そして、この状態で加工を行うと、工具Tに振れが発生し、ワークの加工精度が著しく低下するという欠点がある。このようなツールホルダのチャックミスの有無を自動で検出する技術として、本願出願人による提案がなされている(以上、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−200542号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなチャックミス以外にも、ツールホルダの主軸への装着状態に異常を生じる現象が散見される。この現象は、新品のMCが納入されてから2年前後の稼働の後に見られることが多い。そして、その頻度は、月に1回程度である。
【0008】
現象としては、通常は2トン前後のプルスタッド(ドローイングボルト)の引張り力が、何らかの原因により0.8トン前後まで低下し、ツールホルダの装着状態の異常となることが確認されている。この原因としては、ツールホルダ2の主軸1への装着部分における皿ばね(図示せず)のへたり、グリップ力の低下等、装着機構の劣化と推定されているが、詳細のところは不詳であるというのが現状である。
【0009】
すなわち、現状では、ワークの加工精度が低下した際に、この原因がツールホルダのクランプ力低下と断定するのも、その頻度から見て困難である。
【0010】
そのため、このような装着状態の異常に対処する方法としては、主軸1の周辺の部品を新品に交換することしかなかった。また、このような装着状態の異常が発生しないように、事前にトータルの稼働時間、ワークの加工精度の推移等を見て、早めに主軸1の周辺の部品を新品に交換することも行われていた。このような諸不具合より、ツールホルダのクランプ力不良に対する改善が強く求められていた。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、簡単かつ確実にチャックエラーを検出でき、これにより不良品の発生をなくすことができる工作機械を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、工具が取り付けられたツールホルダを主軸に装着し、該主軸を回転駆動してワークを加工する工作機械において、前記主軸に装着したツールホルダのフランジ外周面の変位を測定する測定手段と、前記測定手段で得られた測定データから装着機構の劣化による前記ツールホルダの前記主軸への装着状態の異常を判定する装着状態判定手段とを備え、前記装着状態判定手段は、前記ツールホルダの回転開始直後の1周目の偏心量と数周目の偏心量とを比較し、1周目の偏心量よりも数周目の偏心量の方が所定の閾値以上に小さくなっていることを検出することにより装着状態の異常を判定することを特徴とする工作機械を提供する。本願の発明者は、ツールホルダの装着状態が不良の際には、ツールホルダの回転開始直後は偏心量が大きく、その後、所定時間経過後の偏心量は正常に戻ることを発見した。したがって、このような判定をすることにより、ツールホルダの装着状態の適否を確実に判定できる。
【0025】
また、本発明は、ツールホルダを軸に装着し、該軸を回転駆動する装置におけるツールホルダの装着状態異常判定方法において、前記ツールホルダのフランジ外周面の変位を測定し、これにより前記ツールホルダの偏心量を求め、前記ツールホルダの回転開始直後の1周目の偏心量と数周目の偏心量とを比較し、1周目の偏心量よりも数周目の偏心量の方が所定の閾値以上に小さくなっていることを検出することにより装着機構の劣化による前記ツールホルダの前記軸への装着状態の異常を判定することを特徴とする回転軸を有する装置におけるツールホルダの装着状態異常判定方法を提供する。
【0026】
本発明の上記の各構成を適用すれば、工作機械以外の回転軸を有する各種装置においても、ツールホルダの装着状態の異常判定が行える。
なお、本明細書においては、前記特許文献1に記載の課題を「チャックミス」と称し、本発明における課題を「チャックエラー」(装着状態異常)と称し、区別して使用している。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って、本発明に係る工作機械の好ましい実施の形態について詳説する。
【0028】
図1は、本発明に係る工作機械に組み込まれたチャックエラー検出装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。このチャックエラー検出装置10は、ATC装置で主軸1に装着されたツールホルダ2のチャックエラー(装着状態異常)を自動で検出する装置であり、主として測定手段であるセンサ12と装着状態判定手段であるデータ処理装置14とで構成されている。
【0029】
センサ12は、主軸1が取り付けられたヘッド5にブラケット6を介して取り付けられている。このセンサ12は渦電流センサであり、主軸1に装着されたツールホルダ2のフランジ部2Bの外周面までの距離dを電気信号として検出する。
【0030】
データ処理装置14は、センサ12で測定された測定データに基づき、ツールホルダ2のチャックエラーを検出するもので、A/Dコンバータ16、CPU18、メモリ20、入出力回路22等を備えている。
【0031】
A/Dコンバータ16は、センサ12から出力された距離dを示す電気信号を、ディジタル信号に変換してCPU18に出力する。CPU18は、このディジタル信号に変換されたセンサ12の測定データに基づいて、ツールホルダ2の偏心量を算出する。そして、その算出した偏心量と予めメモリ20に記憶された閾値とを比較する。偏心量の変化が閾値を超えている場合にチャックエラーと判定する。そして、その結果を、入出力回路22を介してMCを制御するMC制御装置24に出力する。この詳細については、後述する。
【0032】
上記のようにCPU18は、センサ12で測定された距離dの測定データに基づき、ツールホルダ2の偏心量を算出するが、この演算処理及びツールホルダ2の装着状態判定は次のように行われる。
【0033】
先ず、CPU18は、入出力回路22を介してMC制御装置24から測定開始の指令を受ける。そして、センサ12から出力される距離dの測定データをツールホルダ2の回転角度θに対応させてメモリ20に記憶する。この測定は、回転開始直後の、ツールホルダ2周分に対して行う。このうち、ツールホルダの最初の1周分の距離dの測定データは、グラフ表示すると、たとえば図2に示されるようになる。
【0034】
次に、CPU18は、メモリ20に記憶された、ツールホルダの最初の1周分の距離dの測定データをFFT解析する。すなわち、ツールホルダ1周分の測定データをフーリエ解析し、各周波数の成分に分解する。
【0035】
なお、FFT解析は、測定と同時に実行してもよい。FFT解析の結果をパワースペクトル表示すると、たとえば図3に示されるようになる。
【0036】
ここで、上記のようにFFT解析された各周波数成分のうち、基本波周波数成分(1山成分)の振幅値がツールホルダ2の偏心量の2倍と見なせるので、CPU18は上記FFT解析の結果から基本波周波数成分を抽出し、その振幅値を算出してツールホルダ2の1周目の偏心量T1 を取得する。
【0037】
以上と同様の測定を、回転開始直後の、ツールホルダの2周目に対しても行う。これにより、ツールホルダ2の2周目の偏心量T2 を取得する。
【0038】
そして、この得られた偏心量T1 及びT2 に基づいてチャックエラーの判定を行う。具体的には、偏心量T1 と偏心量T2 との差が所定の閾値以上であるか否かでチャックエラーの有無を判定する。そして、差が閾値以上である場合はチャックエラーと判定し、差が閾値未満である場合は正常と判定する。この所定の閾値は、MCの仕様等により決定される。この判定は、本願発明者が、以下に述べる現象を発見したことに起因して導入されたものである。
【0039】
すなわち、ツールホルダ2のチャックエラーの有無に拘らず、ツールホルダ2の回転開始直後の最初の1周目の偏心量T1 は大きい。これに対し、チャックエラーのないツールホルダ2の2周目の偏心量T2 は小さな値となる。一方、チャックエラーを生じているツールホルダ2の2周目の偏心量T2 は1周目の偏心量T1 と比べて小さいものの、チャックエラーのない状態の値より充分大きい。
【0040】
この現象を特定のMCを使用して測定した偏心量を示して説明する。図16は、MCの各状態におけるツールホルダの偏心量を示す表である。同表において、「正常」とは、チャックエラーのない状態、「異常」とは、チャックエラーを生じる場合、「NG」とは、主軸周辺のメカニズムが要交換状態にある場合をそれぞれ意味する。また、Tm とは、ワーク加工時の偏心量を示す。なお、同表における偏心量の数字は、およそのオーダーを示すもので、細かい値は丸めて表示してある。
【0041】
正常な状態の場合、偏心量T1 は10μm、T2 は2μm、Tm は1μmのレベルにある。これに対し、異常な状態の場合、偏心量T1 は100μm、T2 は10μmといずれも大きく、Tm は正常な状態と同様に1μmのレベルにある。NG状態の場合、偏心量T1 は100μm、T2 は50μm、Tm は30μmのレベルといずれも大きい。
【0042】
このように、偏心量T1 と偏心量T2 との差がどの程度であるかを見れば、チャックエラーの有無を判定できる。同様に、偏心量T1 と偏心量T2 との比であるT1 /T2 がどの程度であるかを見ても、チャックエラーの有無を判定できる。
【0043】
なお、上記の例では、ツールホルダ2の1周目の偏心量T1 と2周目の偏心量T2 とを比較したが、装置によっては、T2 に代えてツールホルダ2の3周目の偏心量T3 又は4周目の偏心量T4 を使用した方がチャックエラーの有無を容易に判定できる場合もある。したがって、装置特性に合わせて、ツールホルダの回転開始直後の偏心量と所定時間経過後の偏心量とを比較することにより装着状態の適否を判定すればよい。
【0044】
また、ツールホルダ2の数周分の偏心量の標準偏差を算出する等の統計的処理を行ない、この結果より装着状態の適否を判定する手法をも採用できる。
【0045】
次に、前記のごとく構成された、本実施の形態のチャックエラー検出装置10によるツールホルダ2のチャックエラー検出方法を、図4に示されるフローチャートに従って説明する。
【0046】
チャックエラー検出装置10は、MCの運転始動とともに起動される(ステップS1)。ATC装置により工具の交換(ATC)が行われると(ステップS2)、MC制御装置24は、主軸を予め設定済みの回転数で回転させる(ステップS3)。
【0047】
センサ12は、この回転するツールホルダ2のフランジ部2Bの外周面までの距離dを測定する。CPU18は、このセンサ12で測定された距離dの測定データをツールホルダ2の回転角度θに対応させてメモリ20に記憶する。
【0048】
測定はツールホルダ2の回転開始直後の2周分に対して行われ(ステップS4、S7)、この測定データが得られる。
【0049】
CPU18は、メモリ20に記憶された測定データをFFT解析し、1山成分を抽出して、その振幅値を算出する。この1山成分の振幅値は、ツールホルダ2の偏心量Tの2倍と等しいので、これにより、ツールホルダ2の偏心量T1 、T2 が取得される(ステップS6、S8)。CPU18は、得られた偏心量T1 とT2 との差と所定の閾値とを比較し、チャックエラーの有無を判定する(ステップS9)。
【0050】
なお、FFT解析は測定と同時に実行するようにしてもよい。また、所定の閾値は、MCの運転始動に先立ち、オペレータが入力装置(不図示)から入力しておく。入力された所定の閾値はメモリ20に記憶される。また、この所定の閾値は、ユーザーの必要とする加工精度に基づいて適宜最適なものを選択して設定する。
【0051】
判定結果はMC制御装置24に出力され、MC制御装置24は、チャックエラーのない正常な状態であると判定された場合(偏心量T1 とT2 との差<閾値)には(ステップS10)、そのまま加工を開始する(ステップS11)。一方、チャックエラーと判定された場合(偏心量T1 とT2 との差≧閾値)には(ステップS12)、MC制御装置24の図示しない表示部にその旨の表示をする(又は、アラームを鳴らしたり、パトライトを点滅させたりする)ように指令する(ステップS13)。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態のチャックエラー検出装置10によれば、ツールホルダ2の偏心量を測定し、その偏心量に基づいてツールホルダ2のチャックエラーを検出するので、正確にツールホルダ2のチャックエラーを検出することができる。また、装置構成も極めてシンプルであり、複雑な制御を必要としないので簡単に検出を行うことができる。
【0053】
次に、本発明に係る工作機械の第2の実施の形態について説明する。なお、使用する装置は、上述した第1の実施の形態と同じものである。
【0054】
上記第1の実施の形態は、センサ12の測定点であるツールホルダ2のフランジ部2Bが円形の場合であるが、一般的に、ツールホルダ2のフランジ部2Bには、図5に示されるようにチャックのための切欠き2C、2Cが形成されていることが多い。第2の実施の形態のチャックエラー検出方法は、測定点であるツールホルダ2のフランジ部2Bに切欠き2C、2Cが形成されている場合の検出方法である。
【0055】
ツールホルダ2のフランジ部2Bに切欠き2C、2Cが2箇所ある場合、ツールホルダ1周分の測定データは、グラフ表示すると、たとえば図6(a)に示されるようになる。同図に示されるように、測定データは2つの切欠き2C、2Cの部分で急激に変化する。この切欠き2C、2Cの部分の測定データを、たとえば直線補完により補正する。図6(b)は、切欠き2C、2Cの部分を直線補完した後の測定データをグラフ表示したものである。
【0056】
このように、センサ12の測定点であるツールホルダ2のフランジ部2Bに切欠き2C、2Cがある場合には、切欠き2C、2Cの部分の測定データを補完し、この補完された測定データに対してFFT解析を行い(図6(c))、1山成分を抽出して偏心量(振幅値)を算出する。そして、その算出結果に基づき、チャックエラーの判定を行う。これにより、フランジ部に切欠きを有するツールホルダに対しても有効にチャックエラーの検出を行うことができる。
【0057】
次に、本発明に係る工作機械の第3の実施の形態について説明する。なお、使用する装置は、第1の実施の形態の装置と同じものである。
【0058】
センサとして渦電流センサを使用した場合、磁化の影響やツールホルダの測定部分の肉厚(面積)の変化の影響などにより、渦電流センサからの電気信号がツールホルダの形状とならない場合がある。この状態で偏心量を算出すると誤差が含まれてしまい、検出精度を低下させるおそれがある。
【0059】
そこで、より高い精度で検出を行うために、次の方法でチャックエラーを検出する。すなわち、図7に示されるように、チャックエラーがない状態で装着されたツールホルダ2の偏心量を予め測定しておき、これをツールホルダ固有の基本偏心量とみなして記憶しておく。そして、この基本偏心量とATC時に測定した測定偏心量とを比較して真の偏心量を算出し、その算出した真の偏心量に基づいてチャックエラーの判定を行う。
【0060】
以下、この第3の実施の形態のチャックエラー検出方法を図8及び図9に示されるフローチャートに従って説明する。先ず、基本偏心量を検出するためにセットアップを行う(ステップS20)。セットアップは、図8に示されるフローチャートに従ってMCの運転開始前に行われる。
【0061】
先ず、ツールホルダ2を主軸1に装着する。運転開始前であることから切り粉を挟み込むようなことはなく、ツールホルダ2は主軸1に適正に装着される。この状態でツールホルダ2を回転させ、充分に回転が安定した状態で、センサ12によりツールホルダ1周分の距離dの変化を測定する(ステップS21)。切欠きを有するツールホルダ1周分の距離dの測定データはグラフ表示するとたとえば図10(a)のようになる。
【0062】
次に、ツールホルダ2に切欠きがある場合には、図10(b)に示されるように、2つある切欠き2C、2Cのうちいずれか一方の切欠き2Cの中央が0°になるように測定データを位相補正する(ステップS22)。そして、図10(c)に示されるように、2つある切欠き2C、2Cの部分の測定データを補正する(ステップS23)。ここでは、直線補完により測定データを補正する。
【0063】
なお、ツールホルダ2に切欠きがない場合は、上記の位相補正(ステップS22)と切欠き補正(ステップS23)の処理は行わず、次の処理(ステップS24)に移行する。
【0064】
次に、測定データをFFT解析し、1山成分の振幅と位相(角度)を算出する。そして、図12(a)に示されるように、この振幅から算出した偏心量と位相をそれぞれ基本偏心量u、基本偏心方向α(以下『基本偏心ベクトルU』という。)としてメモリ20に記憶する(ステップS24)。
【0065】
次に、図10(d)に示されるように、算出した1山成分の振幅と位相とから正弦波を復元する。そして、図10(c)に示される切欠き補正後の測定データ(元データ)から復元した正弦波データを引いた波形を算出する(図10(e)の波形)。この算出した波形を測定した点列データの磁気的凹凸のパターンとみなし、メモリ20に記憶する(ステップS25)。
【0066】
以上によりセットアップ作業が完了する(ステップS26)。なお、このセットアップ作業は工具マガジンにセットされているツールホルダのうちユーザーが必要とするすべてのツールホルダに対して行い、各ツールホルダの固有のデータとしてメモリ20に記憶する。
【0067】
MCの運転が開始されると、図9に示されるフローチャートに従ってツールホルダのチャックエラーの検出が行われる(ステップS30)。
【0068】
ATC装置により工具の交換が行われると(ステップS31)、主軸1に装着されたツールホルダ2が規定の回転数で回転し始め(ステップS32)、ツールホルダ1周分のデータがセンサ12によって測定される(ステップS33)。そして、ツールホルダ2に切欠きがある場合には、その測定データに対して切欠き補正が行われ(ステップS34)、その後、磁気的凹凸パターンが求められる(ステップS35)。なお、ツールホルダ2に切欠きがない場合は切欠き補正の処理(ステップS34)は不要である。
【0069】
なお、測定データを取得する方法、及び、ツールホルダ2に切欠きがある場合における切欠き補正の方法は、上記第1、第2の実施の形態の場合と同じであり、また、磁気的凹凸パターンを求める方法は上述したセットアップ時と同じである。
【0070】
次に、図11に示されるように、算出した磁気的凹凸パターン(加工時磁気的パターン)と、メモリ20に記憶されたセットアップ時の磁気的凹凸パターン(セットアップ時磁気的パターン)とを比較し、算出した磁気的凹凸パターンのうち、どの位置が0°に位置するかを決定する(ステップS36)。
【0071】
なお、ツールホルダ2に切欠きがある場合は、ここで、2つある切欠き2C、2Cのうち何れが0°に位置するかを決定する。そして、その決定した位置が0°となるように、切欠き補正した測定データの位相補正を行う(ステップS37)。
【0072】
次に、位相補正した測定データをFFT解析し、1山成分の振幅と位相を算出する。そして、図12(b)に示されるように、この振幅から算出した偏心量と位相をそれぞれ測定偏心量v、測定偏心方向β(以下、『測定偏心ベクトルV』という。)としてメモリ20に記憶する(ステップS38)。
【0073】
次に、図12(c)に示されるように、算出した測定偏心ベクトルVと、メモリ20に記憶されている基本偏心ベクトルUとの差をベクトル演算により算出する(ステップS39)。そして、その算出したベクトルを真の偏心ベクトルRとし、真の偏心ベクトルRの大きさrを求め、これを真の偏心量r1 とする(ステップS40)。
【0074】
同様の測定(ステップS33〜S40)をツールホルダ2の2周目(又は3周目、4周目等)に対して行い、2周目(又は3周目、4周目等)の真の偏心量r2 を得る(ステップS41)。CPU18は、得られた真の偏心量r1 とr2 との差と所定の閾値とを比較し、チャックエラーの有無を判定する(ステップS42)。
【0075】
判定結果はMC制御装置24に出力され、MC制御装置24は、チャックエラーのない正常な状態であると判定された場合(真の偏心量r1 とr2 との差<閾値)には(ステップS43)、そのまま加工を開始する(ステップS44)。一方、チャックエラーと判定された場合(真の偏心量r1 とr2 との差≧閾値)には(ステップS45)、MC制御装置24の図示しない表示部にその旨の表示をする(又は、アラームを鳴らしたり、パトライトを点滅させたりする)ように指令する(ステップS46)。
【0076】
このように、本実施の形態のチャックエラー検出方法では、ツールホルダ固有の偏心量を取り除いた真の偏心量rに基づいてチャックエラーの判定を行うようにしているので、より正確なチャックエラーの検出を行うことができる。なお、本実施の形態では、真の偏心ベクトルRから、偏心方向が特定できるので、装置上の異常箇所を特定するのに便宜である。
【0077】
以上、本発明に係る工作機械の実施形態の例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。たとえば、上記一連の実施の形態では、センサ12として渦電流センサを用いているが、ある特定の測定点からツールホルダ2の外周面までの距離を測定できるセンサであれば渦電流センサに限らず、他のセンサを用いてもよい。この場合、渦電流センサのように非接触式のセンサに限らず、接触式のセンサを用いてもよい。
【0078】
また、上記一連の実施の形態では、CPU18がチャックエラーと判定した場合は、MCの表示部へエラー表示を指令しているが、既述の図15(b)に示されるように、この嵌合部分に切り屑7などが付着したことによるツールホルダのチャックミスと区別ができるような形態とすることもできる。
【0079】
すなわち、CPU18は、チャックエラーと判定されるべき場合(偏心量T1 とT2 との差≧閾値)にも、先ず、ATCをしなおして、再度同様の測定を行う。その結果により、装置原因によるチャックエラーであるか、嵌合部分に切り屑7などが付着したことによるチャックミスであるかが判定でき、以降の対処に誤りが生じにくい。
【0080】
また、本実施の形態では、ツールホルダの外周の変位を測定し、その測定データをFFT解析して1山成分を抽出し、その振幅値を求めることにより、偏心量を取得するようにしているが、偏心量を取得する方法は、この方法に限定されるものではない。
【0081】
さらに、本実施の形態では、測定データをFFT解析して1山成分を抽出し、その振幅値を求めることにより、偏心量を取得するようにしているが、測定データの最大値と最小値を求め、その差から偏心量を算出してツールホルダの偏心量を取得するようにしてもよい。
【0082】
同様に、FFT解析して得た1山成分以外の他の山成分の振幅値の異常を検出してチャックエラーの有無を判定することもできる。また、FFT解析して得た複数の山成分の振幅値を総合的に判断してチャックエラーの有無を判定することもできる。
【0083】
また、本実施の形態では、センサ12の測定点としてツールホルダ2のフランジ部2Bを使用しているが、センサ12の測定点は、これに限定されるものではなく、測定状況等に応じて適宜変更してもよい。たとえば、図13に示されるように、工具Tの刃先(被加工物を切削する個所)を測定点とするようにしてもよい。このように、工具Tの刃先を測定点とすることにより、直接加工を行う部分の偏心量を測定できるので、より確実にチャックエラーを検出することができる。
【0084】
また、本実施の形態では、センサ12をヘッド5に取り付けているが、センサ12の設置場所は、これに限定されるものではなく、ヘッド5以外の個所に取り付けてもよい。たとえば、センサ12をヘッド5以外の所定の位置に固定しておき、このセンサ12の測定位置にヘッド5が移動してチャックエラーの検出を実施するようにしてもよい。ヘッド以外のセンサ12の設置位置としては、たとえばMCの第1原点(機械加工時にヘッド5が必ず位置する座標上の基準点(始動点))に設置したり、その他任意の位置に設置することができる。この場合、より安定した高精度な測定を確保するために、センサ12がクーラントの影響を受けない位置(クーラントがかからない位置)に設置することが好ましい。
【0085】
また、本実施の形態では、本発明をMCに適用した例で説明したが、本発明はMCに限らず、ATC装置を用いる工作機械であれば、いかなる工作機械にも適用することができる。
【0086】
なお、上述した一連の実施の形態では、主軸に装着したツールホルダの偏心量を測定し、この偏心量に基づいてチャックエラーを検出するようにしているが、ここでいう「偏心量」は工具の「振れ」と同義であり、ツールホルダの偏心量の測定により、工具の振れが測定される。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、主軸に装着したツールホルダのフランジ外周面の変位を測定し、その測定データから装着状態の異常を判定する。これにより、確実にツールホルダのチャックエラー(装着状態異常)を検出でき、不良品の発生をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】チャックエラー検出装置の第1の実施の形態を示すブロック図
【図2】ツールホルダ1周分の測定データのグラフ
【図3】FFT解析の結果をパワースペクトル表示したグラフ
【図4】第1の実施の形態のチャックエラー検出方法の処理手順を示すフローチャート
【図5】フランジ部に切欠きを有するツールホルダの平面図
【図6】(a)はフランジ部に切欠きを有するツールホルダの測定データのグラフ、(b)は補正した測定データのグラフ、(c)はFFT解析の結果をパワースペクトル表示したグラフ
【図7】第3の実施の形態のチャックエラー検出方法の概念図
【図8】セットアップ時のフローチャート
【図9】検出時のフローチャート
【図10】(a)はチャックエラーがない状態で装着されたツールホルダ1周分の測定データのグラフ、(b)は位相補正した測定データのグラフ、(c)は切欠き補正した測定データのグラフ、(d)は復元した正弦波を表すグラフ、(e)は磁気的凹凸パターンを表すグラフ
【図11】位相補正時の概念図
【図12】ベクトル演算の概念図
【図13】チャックエラー検出装置の他の実施の形態を示すブロック図
【図14】ツールホルダの装着状態を示す断面図
【図15】ツールホルダの装着状態を示す説明図
【図16】MCの各状態におけるツールホルダの偏心量を示す表
【符号の説明】
1…主軸、1A…被嵌合部、2…ツールホルダ、2A…嵌合部、2B…フランジ部、2C…切欠き、7…切り粉、10…チャックエラー検出装置、12…センサ、14…データ処理装置、16…A/Dコンバータ、18…CPU、20…メモリ、22…入出力回路、24…MC制御装置、d…距離、θ…回転角度、U…基本偏心ベクトル、u…基本偏心量、α…基本偏心方向、V…測定偏心ベクトル、v…測定偏心量、β…測定偏心方向β、R…真の偏心ベクトル、r…真の偏心量、T…工具
Claims (2)
- 工具が取り付けられたツールホルダを主軸に装着し、該主軸を回転駆動してワークを加工する工作機械において、
前記主軸に装着したツールホルダのフランジ外周面の変位を測定する測定手段と、
前記測定手段で得られた測定データから装着機構の劣化による前記ツールホルダの前記主軸への装着状態の異常を判定する装着状態判定手段とを備え、
前記装着状態判定手段は、前記ツールホルダの回転開始直後の1周目の偏心量と数周目の偏心量とを比較し、1周目の偏心量よりも数周目の偏心量の方が所定の閾値以上に小さくなっていることを検出することにより装着状態の異常を判定することを特徴とする工作機械。 - ツールホルダを軸に装着し、該軸を回転駆動する装置におけるツールホルダの装着状態異常判定方法において、
前記ツールホルダのフランジ外周面の変位を測定し、これにより前記ツールホルダの偏心量を求め、
前記ツールホルダの回転開始直後の1周目の偏心量と数周目の偏心量とを比較し、1周目の偏心量よりも数周目の偏心量の方が所定の閾値以上に小さくなっていることを検出することにより装着機構の劣化による前記ツールホルダの前記軸への装着状態の異常を判定することを特徴とする回転軸を有する装置におけるツールホルダの装着状態異常判定方法。
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