JP4030655B2 - 階調変換方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の階調をたてる場合の階調変換方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
異なる色空間、例えばYCC色空間とRGB色空間との間で画像信号を変換する際には、画像信号の階調曲線の傾きをたてる処理が必要となる場合がある。即ち、色空間の定義が実際のシーンに対して、例えば8ビットの0-255 までの信号をどのようなダイナミックレンジで割り当てるかが各色空間によって異なるため、各々の色空間間で変換をするとき、シーンに対する階調曲線の傾きを小さいものから大きいものへ変換する必要が生じることがある。整数値で表されている画素値についてこのような階調曲線の傾きを大きくする階調変換処理を行った場合、ノイズの少ないグラデーションのシーン、即ちオリジナルの画素値が連続的に変化している部分において階調変換後の画素値に不連続な部分が生じることがある。この画素値の不連続部分は可視画像において等高線状のアーチファクトとして視認される。
【0003】
階調変換後の画素値の不連続は具体的には、以下のようにして生じる。例えば、8ビットの0-255 の値で表される画素値について階調曲線の傾きを1.2 倍にする場合、オリジナルの信号0,1,2,3,4,5,6,7,8 を1.2 倍すると、それぞれ0,1.2,2.4,3.6,4.8,6.0,7.2,8.4,9.6 となり、整数値とするために小数点以下が四捨五入されて0,1,2,4,5,6,7,8,10という値になる。この変換後の信号においては3,9 の値がない。即ち、画像中の本来連続的に画素値が変化するべき部分で、階調変換により3,9 等の値が現れなくなるため画素値に不連続な部分が生じるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、画像中のグラデーション部における2,2,2,2,3,3,3,3,4,4,4,4 のように画素値が変化する信号に対して、上述のように1.2 倍した後に整数化する階調変換を行うと、階調変換後の信号は2,2,2,2,4,4,4,4,5,5,5,5 となり、本来の画像においてはノイズの少ないグラデーションであったシーンにアーチファクトが生じる。そのため、変換後に得られる画像において本来の画像と同様にノイズの少ないグラデーションとするためには、前記信号は変換後に2,2,2,3,3,4,4,4,5,5,5,5 のように画素値が連続的になることが望ましい。
【0005】
本発明の階調変換方法および装置は上記事情に鑑みてなされたものであって、画像信号を画像の階調の傾きをたてる、即ち、階調の傾きをn倍(n>1、かつ、nは整数以外の実数)する階調変換を行う場合、整数で表されている原画素値をn倍した変換後の画像信号によって表される画像にアーチファクトが発生しないように処理を行う階調変換方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の階調変換方法は、画像を構成する各画素の整数で表されている原画素値をそれぞれn倍(n>1、かつ、nは整数以外の実数)とした上で整数化して、その整数化した値を前記画像を構成する各画素の整数で表されている新たな画素値とする画像の階調変換方法であって、
前記画像を構成する各画素の原画素値からなる画像信号に対して空間領域処理を施して、各画素毎の実数で表される空間領域信号値を求め、
各空間領域信号値をn倍してn倍信号値を生成し、
各n倍信号値を整数化して前記新たな画素値を得ることを特徴とするものである。
【0007】
なお、前記空間領域処理としてはフィルタ処理であることが好ましい。
【0008】
前記フィルタ処理は、所定サイズのフィルタを用い該フィルタの所定位置を注目画素上に位置させたときに該フィルタが覆う領域内の全画素の原画素値と該フィルタの全画素に対応するフィルタ係数とを用いた所定の演算に基づいて求められた値を、前記注目画素における前記空間領域信号値とする処理であってもよいし、所定サイズのフィルタを用い該フィルタの所定位置を注目画素上に位置させたときに該フィルタが覆う領域内の全画素の原画素値と該フィルタの全画素に対応するフィルタ係数とを用いた所定の演算に基づいて求められた値と、前記注目画素における原画素値との差が所定値より小さいとき前記求められた値を前記注目画素の空間領域信号値とし、前記差が所定値以上であるとき前記原画素値を前記注目画素の空間領域信号値とする処理であってもよい。
【0009】
なお、前記全画素に対応するフィルタ係数が全て同じ値であり、該フィルタが覆う領域内の全画素の原画素値の平均値を前記注目画素の前記空間領域信号値としてもよいし、前記全画素に対応するフィルタ係数が前記注目画素の原画素値に重み付けをするように定められたものであってもよい。
【0010】
また、前記フィルタ処理は、各画素について、安定度の高い所定の補間関数に従う補間演算によって該画素の近傍の複数画素の原画素値を用いて求められた補間値を前記空間領域信号値とする処理であってもよい。
【0011】
安定度の高い所定の補間関数とは、一般に滑らかな補間関数といわれるものであり、例えばキュービックスプライン補間関数とビースプライン補間関数を用いて各画素毎に得られたそれぞれの補間係数を所定の比率で線形結合して得られる補間係数を有する補間関数である。なお、ビースプライン補間関数のみを利用することも可能であるが、前述のキュービックスプライン補間関数と組み合わせた補間演算の方が画像の鮮鋭度を維持するためには好都合である。
【0012】
本発明の階調変換装置は、画像を構成する各画素の整数で表されている原画素値をそれぞれn倍(n>1、かつ、nは整数以外の実数)とした上で整数化して、その整数化した値を前記画像を構成する各画素の整数で表されている新たな画素値とする画像の階調変換装置であって、
前記画像を構成する各画素の原画素値からなる画像信号に対して空間領域処理を施して、各画素毎の実数で表される空間領域信号値を求める空間領域処理手段と、
各空間領域信号値をn倍してn倍信号値を生成する倍率処理手段と、
各n倍信号値を整数化して前記新たな画素値を得る整数化処理手段とを備えてなることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の効果】
本発明の階調変換方法および装置は、画像を構成する各画素の原画素値からなる画像信号に対してフィルタ処理等の空間領域処理を施して各画素毎の実数で表される空間領域信号値を求めた上で各空間領域信号値をn倍(n>1、かつ、nは整数以外の実数)してn倍信号値を生成し、各n倍信号値を整数化して前記新たな画素値を得るものであり、空間領域処理により注目画素についての空間領域信号値がその近傍の画素の原画素値と滑らかに結ばれるように求められることから、原画素値のままn倍して整数化した場合には取り得なかった値を取ることができ、特にグラデーションのように連続する画素の画素値が徐々に変化する部分において、階調変換後の新たな画素値も連続的に変化するものとすることができる。その結果、階調変換後の画像信号によって再生する画像においてアーチファクトの発生を抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の階調変換方法および装置についての具体的な実施形態について説明する。
【0015】
図1は本発明の第1の実施形態による階調変換装置の概略を示すブロック図である。本発明の階調変換装置10は、入力された原画像信号Sorg(ai,j)に対してフィルタ処理を施し、実数で表されるフィルタ信号値Fai,jを求める空間領域処理手段11と、空間領域処理手段11により求められたフィルタ信号値Faijを所望の階調を得るために階調変換情報入力手段15からの情報に従ってn倍してn倍信号値nFai,j とする倍率処理手段12と、該倍率処理手段12により得られたn倍信号値nFai,j を整数化する整数化処理手段13とを備える構成である。なお、nは1より大きく、かつ整数でない実数とする。
【0016】
図示しない画像入力装置から画像の各画素Ai,j における原画素値ai,j が整数で表されている原画像信号Sorg が入力され、階調変換装置10においては、まず空間領域処理手段11により原画像信号Sorg に対して所定のフィルタ処理が行われ、画像の各画素Ai,j におけるフィルタ信号値Fai,j が各画素Ai,j の近傍の複数画素の原画素値を用いて求められる。ここで、原画像信号Sorg における原画素値ai,j は整数であり、一方フィルタ信号値Fai,j は実数となる。
【0017】
次に、倍率処理手段12において階調変換情報入力手段15から入力された指示に従ってフィルタ信号値Fai,j がn倍される。階調変換情報入力手段15から入力される情報は、画像入力装置と画像再生装置との装置情報であり、この装置間の特性に応じて倍率処理手段12において階調変換倍率nが定められる。なお、階調変換情報入力手段15から入力される情報は、装置情報に限るものではなく、変換倍率nを直接入力するようにしてもよい。さらに、色空間情報、例えばYCC空間からRGB空間への変換であるという情報を入力することにより、倍率処理手段12において適切な階調変換倍率が選択されるようにしてもよい。
【0018】
倍率処理手段12において生成されたn倍信号値nFai,j は整数化処理手段13において四捨五入されて整数化される。ここで得られた各画素Ai,j についての値が階調変換後の該各画素の画素値ai,j′ である。このようにして階調変換装置10において階調変換が行われて階調変換後の画素値ai,j′ からなる画像信号S′が得られ、図示しない画像再生装置に出力される。
【0019】
第1の実施形態において、空間領域処理手段11は平均値フィルタを用いて原画像信号Sorg に対してフィルタ処理を行うものである。平均値フィルタは、その所定位置を注目画素上に位置させたときにそのサイズ内の全画素に対応するフィルタ係数が全て同じ値のフィルタである。フィルタの値の総和は1であるので、サイズ内の画素数の逆数がフィルタの値となる。図2は、原画像上の各画素点と該各画素点を表した図である。ここで注目画素Ai,j のフィルタ信号値Fai,j は
【0020】
【数1】
【0021】
の演算により求められ、この演算を各画素について行うことにより画像全体のフィルタ信号が求められる。なお、m、nは、原画像信号Sorg を得る際のサンプリング間隔(画素間隔)や原画像の性質、所望とする画像処理の種類等により適宜選択される値であり、フィルタサイズを定めるものである。なお、画像の端部の画素についてはその端部の画素の画素値が連続しているとして計算される。
【0022】
以下、第1の実施形態における階調変換について、簡単のため、サイズ3の1次元平均化フィルタを用い、階調変換倍率n=1.2 とした場合について説明する。画素Ai のフィルタ信号値Fai は、画素Ai の原画素値ai および両隣の画素Ai-1 ,Ai+1 のそれぞれの画素値ai-1,ai+1 の平均値で表される。
【0023】
Fai =(ai-1 +ai+ai+1)/3 (フィルタの値は 1/3,1/3,1/3)
原画素値が2,2,2,2,3,3,3,3,4,4,4,4 と連続する原画像信号Sorg について空間領域処理手段11において上式に従ってフィルタ処理を行うと各画素についてフィルタ信号値2.0,2.0,2.0,2.33,2.67,3.0,3.0,3.33,3.67,4.0,4.0,4.0 が得られる。これを倍率処理手段12において1.2 倍すると、2.4,2.4,2.4,2.8,3.20,3.6,3.6,4.00,4.40,4.8,4.8,4.8となり、さらに整数化処理手段13において整数化するとそれぞれ新たな画素値2,2,2,3,3,4,4,4,4,5,5,5 となり、階調変換後の画像信号S′が得られる。このようにして得られた画像信号S′においては原画像においてグラデーションであった部分、即ち、連続する画素の画素値が徐々に変化する部分については変換後にも連続的に変化する画素値が得られ、結果としてグラデーション部分にアーチファクトのない再生画像を得ることができる。
【0024】
上記第1の実施形態においては、簡単のため1次元フィルタを例に挙げて説明したが、一般には、例えば各画素の近傍9画素、もしくは5画素についての画素値平均をとる2次元的な平均値フィルタを用いればよい。画素Ai,j におけるフィルタ信号値Fai,j を近傍9画素を用いて求めるためには、図2に示すように実線で囲む3×3サイズのフィルタを用い、
【0025】
【数2】
【0026】
として求める。
【0027】
また、近傍5画素を用いてFai,j を求める場合には、十字に点線で囲まれた画素から
Fai,j =(ai-1,j +ai,j-1 +aij+ai,j+1 +ai+1,j)/5
として求める。
【0028】
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0029】
第2の実施形態の階調変換装置10は、図3に示すように上記第1の実施形態における空間領域処理手段11が、仮フィルタ信号演算部21とフィルタ信号値決定部22とから構成されるものである。仮フィルタ信号演算部21において、一旦上記第1の実施形態と同様のフィルタ処理により仮フィルタ信号値Pai,j を求めるが、この仮フィルタ信号値Pai,j による再生画像はエッジ部がぼけるので、フィルタ信号値決定部22によりエッジ部以外の画素値が連続的変化をしている部分のみ仮フィルタ信号値Pai,j をフィルタ信号値Fai,j とし、画像のエッジ部については原画素値ai,j をフィルタ信号値Fai,j とする。
【0030】
第1の実施形態の場合と同様に、簡単のため、サイズ3の1次元フィルタを用い、階調変換倍率n=1.2 とした場合について説明する。画素Ai の仮フィルタ信号値Pai は、画素Ai の原画素値ai および両隣の画素Ai-1 ,Ai+1 のそれぞれの原画素値の平均値で表される。
【0031】
Pai =(ai-1 +ai+ai+1)/3
このとき、ai +α<Pai 、あるいはai −α>Pai であるときはAi がエッジ部であるとして原画素値ai をフィルタ信号値Fai とし、一方、ai −α≦Pai ≦ai +αのときはPai をフィルタ信号値Fai とする。なおここで、αは例えば1をとるものとする。
【0032】
原画素値が2,2,2,2,3,3,3,3,4,4,4,4,10,10,10,10 の4-10間のように隣接する画素の画素値に不連続な部分がある原画像信号Sorg について、仮フィルタ信号演算部21において上式に従って仮フィルタ処理を行うと各画素について仮フィルタ信号値2.0,2.0,2.0,2.33,2.67,3.0,3.0,3.33,3.67,4.0,4.0,6.0,8.0,10.0,10.0,10.0が得られるが、フィルタ信号値決定部22において上述のようにして各画素について原画素値ai,j と仮フィルタ信号値Fai,j との差が1より小さいときには仮フィルタ信号値Pai,j をフィルタ信号値Fai,j とし、原画素値ai,j と仮フィルタ信号値Pai,j との差が1以上であるときには原画素値ai,j をフィルタ信号値Fai,として、2.0,2.0,2.0,2.33,2.67,3.0,3.0,3.33,3.67,4.0,4.0,4.0,10.0,10.0,10.0を得る。これを倍率処理手段12において1.2 倍すると、2.4,2.4,2.4,2.80,3.20,3.6,3.6,4.00,4.40,4.8,4.8,4.8,12.0,12.0,12.0となり、さらに整数化処理手段13において整数化するとそれぞれ新たな画素値2,2,2,3,3,4,4,4,4,5,5,5,12,12,12となり、階調変換後の画像信号S′が得られる。このようにして得られた画像信号S′においては原画像においてグラデーションであった、連続する画素の画素値が徐々に変化する部分については変換後にも連続した画素値が得られ、一方、原画像においてエッジ部であった、画素値が不連続な部分についてはその不連続性を維持した画素値が得られる。従って、グラデーション部分にアーチファクトのない、しかも画像全体として鮮鋭度を維持した再生画像を得ることができる。
【0033】
第2の実施形態についても前記第1の実施形態と同様に、近傍9画素もしくは5画素についての画素値平均をとる2次元的な平均値フィルタを用いればよい。
【0034】
なお、上記第1および第2の実施形態については平均値フィルタを用いるフィルタ処理について説明したが、注目画素の原画素値に重み付けをしたフィルタ係数を有するフィルタを用いてもよい。例えば、3×3サイズのフィルタの場合、注目画素に対応するフィルタ係数を1/5とし、フィルタサイズ内にあるその他の画素に対応するフィルタ係数を1/10とする。また、フィルタの係数がガウス関数になるようなガウシアンフィルタとしてもよい。このような重み付けフィルタを用いると、前述の第1の実施形態のように平均値フィルタを用いる場合と比較して、特にエッジ部においてぼけの少ないフィルタ信号値を得ることができる。従って、グラデーション部分でアーチファクトを抑え、かつエッジ部の鮮鋭度も比較的維持された再生画像を得ることができる。
【0035】
さらに、空間領域処理手段11は、補間演算を用いて各注目画素に対して近傍の画素の画素値を用いて補間値を求めこれをフィルタ信号値とするものであってもよい。このとき、補間演算としては、注目画素の補間値と近傍画素の画素値とがアンダーシュートやオーバーシュートの生じない滑らかな曲線で結ばれる安定度の高い補間演算を用いる。具体的には、例えばビースプライン補間関数とキュービックスプライン補間関数とを組み合わせた補間演算を用いればよい。一般にビースプライン補間関数は元の画素値を通ることは必要とされない代わりに第1階微分係数および第2階微分係数が各区間間で連続することが必要とされる比較的鮮鋭度が低く、安定性の高い補間関数であり、キュービックスプライン補間関数は元の画素値を通ることと、その第1階微分係数が各区間間で連続することが必要とされる比較的鮮鋭度の高い補間関数である。キュービックスプラインの補間係数式をf、ビースプライン補間係数式をbとすると、両者の線形結合補間の補間係数式はα・f+(1−α)・bで表される。この比率αを調整することにより、再生画像における画像の鮮鋭度を調整することができる。ただし、その比率は安定度をより重視したものとする必要がある。α≧1の場合は強調度が強すぎ、α<0の場合はボケが強すぎるので、0<α<1の範囲で設定するのが望ましい。
【0036】
また、上記第1および第2の実施形態においては、空間領域処理として、実空間において注目画素近傍の複数画素の画素値を用いてフィルタ演算する例について説明したが、これに限定されるものではなく、画像を構成する各画素の原画素値を用いて演算を行う空間領域処理であればいかなる処理を行ってもよいものである。以下、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0037】
第3の実施形態の階調変換装置10は、図4に示すように上記第1の実施形態における空間領域処理手段11が、周波数空間変換手段31と、高周波帯域減衰手段32と、周波数空間逆変換手段33とから構成される。第3の実施形態は、周波数空間変換手段31において、ウェーブレット変換、ラプラシアンピラミッド変換、サブバンド変換などにより整数の画素値の画素からなる原画像信号Sorg を多重解像度空間に変換して多重解像度信号値を得、高周波帯域減衰手段32においてノイズ除去のために多重解像度信号値における高周波数帯域を減衰させた後、周波数空間逆変換手段33において、多重解像度信号値を実数のまま実空間に変換して、空間領域処理信号値Mai,j を得るものである。そして、空間領域信号値Mai,j は上記第1の実施形態と同様に倍率処理手段12において所望とする倍率のn倍信号値nMai,j とされ、整数化処理手段13において整数化されて階調変換後の画像信号S′が得られる。
【0038】
このようにして得られた画像信号S′においては、第1の実施形態と同様に、原画像においてグラデーションであった、連続する画素の画素値が徐々に変化する部分については変換後にも連続した画素値が得られ、一方、原画像においてエッジ部であった、画素値が不連続な部分についてはその不連続性を維持した画素値が得られる。従って、グラデーション部分にアーチファクトのない、しかも画像全体として鮮鋭度を維持した再生画像を得ることができる。
【0039】
なお、上記第3の実施形態においては、高周波帯域減衰手段32を用いて、空間周波数信号のノイズ成分を除去しているが、必ずしも高周波帯域減衰手段32を設ける必要はなく、周波数空間変換手段31において原画像信号Sorg を多重解像度信号値に変換し、何ら処理を行うことなく周波数空間逆変換手段33において多重解像度信号値を実数のまま実空間に変換して、空間領域処理信号値Mai,j を得るもようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る階調変換方法を実施するための階調変換装置の構成を示す概略ブロック図
【図2】原画像上の各画素点とこの各画素点におけるフィルタ信号値を求めるためのフィルタ処理についての説明図
【図3】本発明の第2の実施形態に係る階調変換方法を実施するための階調変換装置の構成を示す概略ブロック図
【図4】本発明の第3の実施形態に係る階調変換方法を実施するための階調変換装置の構成を示す概略ブロック図
【符号の説明】
10 階調変換装置
11 空間領域処理手段
12 倍率処理手段
13 整数化処理手段
15 階調変換情報入力手段
Claims (4)
- 画像を構成する各画素の整数で表されている原画素値をそれぞれn倍(n>1、かつ、nは整数以外の実数)とした上で整数化して、その整数化した値を前記画像を構成する各画素の整数で表されている新たな画素値とする画像の階調変換方法であって、
前記画像を構成する各画素の原画素値からなる画像信号に対して、所定サイズのフィルタを用い該フィルタの所定位置を注目画素上に位置させたときに該フィルタが覆う領域内の全画素の原画素値および該フィルタの全画素に対応するフィルタ係数を用いた所定の演算に基づいて求められた値と、前記注目画素における原画素値との差が所定値より小さいときに、前記求められた値を前記注目画素の空間領域信号値とし、前記差が所定値以上であるときに、前記原画素値を前記注目画素の空間領域信号値とする空間領域処理を施して、各画素毎の実数で表される空間領域信号値を求め、
各空間領域信号値をn倍してn倍信号値を生成し、
各n倍信号値を整数化して前記新たな画素値を得ることを特徴とする階調変換方法。 - 前記全画素に対応するフィルタ係数が全て同じ値であり、該フィルタが覆う領域内の全画素の原画素値の平均値を前記注目画素の前記空間領域信号値とする処理であることを特徴とする請求項1記載の階調変換方法。
- 前記全画素に対応するフィルタ係数が前記注目画素の原画素値に重み付けをするように定められたものであることを特徴とする請求項1記載の階調変換方法。
- 画像を構成する各画素の整数で表されている原画素値をそれぞれn倍(n>1、かつ、nは整数以外の実数)とした上で整数化して、その整数化した値を前記画像を構成する各画素の整数で表されている新たな画素値とする画像の階調変換装置であって、
前記画像を構成する各画素の原画素値からなる画像信号に対して、所定サイズのフィルタを用い該フィルタの所定位置を注目画素上に位置させたときに該フィルタが覆う領域内の全画素の原画素値および該フィルタの全画素に対応するフィルタ係数を用いた所定の演算に基づいて求められた値と、前記注目画素における原画素値との差が所定値より小さいときに、前記求められた値を前記注目画素の空間領域信号値とし、前記差が所定値以上であるときに、前記原画素値を前記注目画素の空間領域信号値とする空間領域処理を施して、各画素毎の実数で表される空間領域信号値を求める空間領域処理手段と、
各空間領域信号値をn倍してn倍信号値を生成する倍率処理手段と、
各n倍信号値を整数化して前記新たな画素値を得る整数化処理手段とを備えてなることを特徴とする階調変換装置。
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