JP4023022B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等の移動体無線通信システムの移動局(端末)に用いられるアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体無線通信システムの端末側のアンテナとしては、次の2種類のアンテナが使用されている。1つは、1/2波長系のアンテナであり、例えばダイポールアンテナやスリーブアンテナ等である。他の1つは、1/4波長系のアンテナであり、例えばモノポールアンテナ等である。このうち、1/4波長系のアンテナは、通常、その大きさがアンテナを中心に使用する電波(周波数)の1/4波長以上の電気的長さとなると共に、同軸給電線(同軸ケーブル)の外導体に接続されるグランド板を有する構成となるので、その大きさがかなり大きくなる。このため、上記1/4波長系のアンテナは、アンテナの設置場所の制約によっては、設置が困難になることがあった。
【0003】
また、現行の移動体無線通信システムでは、陸上における基地局と移動局との間の無線通信であるため、所望の到来波は、仰角方向に対してほぼ水平方向(即ち、大地とほぼ平行な方向)であると考えられる。しかし、1/4波長系のアンテナは、半径1/4波長程度のグランド板(尚、このグランド板は電気的に十分大きなグランドとはいえない)を有すると共に、その指向特性が一般的に仰角30度以上の方向の指向性を有する(この方向について高い利得となる)ため、指向性が所望の到来波の方向と一致していないという不具合がある。即ち、1/4波長系のアンテナは、無線回線の設計上、最適な状態となっていないと考えられる。
【0004】
これに対して、1/2波長系のアンテナは、その大きさが使用する電波(周波数)の1/2波長程度の電気的長さとなるが、線状(または帯状)形状の部材で構成可能であるため、アンテナの設置場所の制約に対応するように、かなり小形化することができる。また、1/2波長系のアンテナの指向特性は、ほぼ水平方向に強い指向性を有しているため、無線回線の設計上、最適な状態となっているといえる。
【0005】
一方、1/2波長系のアンテナは、高周波信号の電気的伝送系からみると、平衡系の構成となっている。これに対して、アンテナと無線機との間を接続する給電線としては、例えば50Ω系の同軸ケーブルが使用されることが多く、この同軸ケーブル(同軸給電線)は不平衡系の構成である。このため、平衡系の1/2波長系のアンテナと不平衡系の同軸ケーブルとを接続する電気的結合点において、同軸ケーブルの外導体の外側の表面に漏洩電流が発生する。
【0006】
そして、上記構成のアンテナを受信用として使用する場合には、上記漏洩電流とアンテナエレメント上を流れる受信電流とにより、同軸給電線の外導体の外側への電波の入射がアンテナの指向性パターンに悪影響を与えるという不具合があった。また、アンテナの可逆性の定理により、上記アンテナを送信用として使用する場合も、ほぼ同様な悪影響が発生するという不具合があった。更に、アンテナ設置時の同軸ケーブルの這い回しの相違により、同軸ケーブルとアンテナとの相互結合が変化するため、アンテナの整合状態に影響を与えることがあった。
【0007】
さて、上記漏洩電流とアンテナエレメント上を流れる電流との干渉を低減する構成、または、上記漏洩電流の発生を防止(或いは極力小さく)する構成として、従来より、次の5つの構成が知られている。
【0008】
まず、1番目の構成として、1/2波長系のダイポールアンテナの給電点から、同軸ケーブルをアンテナエレメントと直交する方向に這い出させるようにした構成があり、標準的校正アンテナとして世の中で広く使用されている。この構成では、図11に示すように、電流分布I1、I2の大きいところは、物理的に近接してはいるものの、直交しているため、アンテナエレメント21、22と同軸ケーブル23の外導体24の外側とは基本的に結合がゼロである。また、電圧分布V1、V2の大きいところは、物理的に距離が離れるため、やはり電気的結合が小さくなる。
【0009】
次に、2番目の構成として、スリーブ装荷という構成があり、この構成の一例として、特開平10−126144号公報に開示されたスリーブアンテナがある。この公報のスリーブアンテナによっても、漏洩電流の発生を防止できる。
【0010】
また、3番目の構成として、スリーブ+チョーク装荷という構成があり、この構成の一例として、上記特開平10−126144号公報に開示されたスリーブアンテナがある。この公報のスリーブアンテナによっても、漏洩電流の発生を防止できる。
【0011】
更に、4番目の構成として、ショートスタブ装荷という構成があり、この構成の一例として、特許第2559001号公報に開示されたガンマ型ダイポールアンテナがある。この公報記載のガンマ型ダイポールアンテナによっても、漏洩電流の発生を防止できる。
【0012】
更にまた、5番目の構成として、ブリッジ回路装荷という構成が知られており、この構成の場合、L、C等の集中定数素子からなる集中定数回路をアンテナと同軸給電線との間に設けている。この構成によっても、同軸給電線の外導体の外側への漏洩電流をほぼゼロにすることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来構成のうちの1番目の構成では、アンテナの外形が大きくなってしまうため、アンテナの設置場所の制約がある場合には、設置が困難になるという問題点があった。これに対して、2〜5番目の構成は、その外形を小形化することが十分可能である。しかし、2番目、3番目、5番目の構成は、部品点数が多くなるため、製造コストが高くなると共に、製造工程数が多くなるという不具合があった。
【0014】
また、2番目、3番目の構成では、その周波数特性を広帯域化しようとすると、スリーブアンテナのアンテナエレメントを太くしなければならず、アンテナの外観の美観が悪くなってしまう。更に、4番目、5番目の構成は、狭帯域特性であり、広帯域化できないという不具合があった。更にまた、5番目の構成では、周波数の調整に手間がかかるという欠点もあった。
【0015】
そこで、本発明の目的は、構成を小形化することができ、部品点数の増加を防止でき、漏洩電流の発生を極力防止でき、また、周波数特性も広帯域なままにできるアンテナ装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、同軸給電線を主偏波方向にほぼ沿うように配置すると共に、同軸給電線の中心導体に接続される第1のアンテナエレメントを、主偏波方向にほぼ沿うように配置し、且つ、第1のアンテナエレメントの先端部を折り曲げ、そして、同軸給電線の外導体に接続される第2のアンテナエレメントの先端部を折り曲げ、更に、前記第2のアンテナエレメントにおける前記同軸給電線に近付く部位に、前記同軸給電線との間に距離を設けるための切欠部または凹部を設けた。これにより、1/2波長系のダイポールアンテナの構成を小形化することができ、また、第2のアンテナエレメントと同軸給電線との電気的(静電容量的)結合を小さくすることができて漏洩電流を極力小さくすることができる。
【0019】
請求項2発明においては、第2のアンテナエレメントを同軸給電線に対して斜めとなるように配置すると共に、第2のアンテナエレメントにおける折り曲げられて同軸給電線に近付く先端部に、前記同軸給電線との間に距離を設けるための切欠部を設ける構成とした。この構成によれば、第2のアンテナエレメント上を流れる電流と同軸給電線を流れる漏洩電流との干渉を低減することができる。そして、アンテナを垂直配置したときの、アンテナの主垂直偏波成分の低下を防止することができ、水平方向の指向性を強くし得る。また、漏洩電流を極力小さくすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例について、図1ないし図5を参照しながら説明する。まず、図1は本実施例のアンテナ装置1の全体構成を示す図である。このうち、図1(a)は上記アンテナ装置1の正面図であり、図1(b)は図1(a)中左方からみたアンテナ装置1の側面図であり、図1(c)は図1(a)中下方からみたアンテナ装置1の下面図である。
【0021】
上記アンテナ装置1は、例えば800MHz帯の携帯電話の端末(移動局)の外部接続アンテナとして使用されるものであり、1/2波長系のダイポールアンテナから構成されている。このアンテナ装置1は、正側のアンテナエレメントである第1のアンテナエレメント2と、負側のアンテナエレメントである第2のアンテナエレメント3と、一端部が給電点4に接続された同軸ケーブル5とから構成されている。上記同軸ケーブル5は、同軸給電線を構成するものであり、図2に示すように、中心導体6と、この中心導体6を覆う絶縁体7と、この絶縁体7を覆う外導体8と、この外導体8を覆って保護するシース9とから構成されている。そして、同軸ケーブル5の一端部5aが垂直(即ち、鉛直)方向に沿って延びるように配置されている。即ち、同軸ケーブル5は、主偏波方向にほぼ沿うように配置される構成となっている。
【0022】
第1のアンテナエレメント2は、細長い板状の導体を点Bと点Cとでそれぞれほぼ直角に折り曲げて形成されており、垂直部2aと第1の折曲部2bと第2の折曲部2cとを有している。ここで、垂直部2aは、同軸ケーブル5の一端部5aの軸線方向(この場合、垂直方向)に沿って延びるように配置されている。これにより、第1のアンテナエレメント2は、主偏波方向(垂直方向)にほぼ沿うように配置される構成となっている。そして、図2に示すように、垂直部2aの下端部には、同軸ケーブル5の中心導体6が例えば半田付けにより接続されている。
【0023】
また、第2のアンテナエレメント3は、細長い板状の導体を点Dで鋭角に折り曲げ、更に点Eでほぼ直角に折り曲げて形成されており、傾斜部3aと第1の折曲部3bと第2の折曲部3cとを有している。ここで、傾斜部3aは、同軸ケーブル5の一端部5aの軸線方向(この場合、垂直方向)に対して斜め下方に向けて延びるように配置されている。換言すると、傾斜部3aは同軸ケーブル5の一端部5aから遠ざかるように配置されている。そして、図2に示すように、傾斜部3aの上端部には、同軸ケーブル5の外導体8が例えば半田付けにより接続されている。
【0024】
更に、第1の折曲部3bのうちの同軸ケーブル5に近付く部分、この場合、図1(c)中左半部に、切欠部3dが形成されている。そして、第2の折曲部3cのうちの同軸ケーブル5に近付く部分、この場合、第2の折曲部3cの全体に、図1(b)、(c)に示すように、切欠部3eが形成されている。これら切欠部3d、3eの内部に、同軸ケーブル5の一端部5aが配置される構成となっている。即ち、切欠部3d、3eは、第2のアンテナエレメント3と同軸ケーブル5の一端部5aとの間に最適な距離を設けるためのものである。
【0025】
そして、上記構成の場合、図1(a)に示すように、アンテナ装置1の左右方向の長さ寸法d1、即ち、アンテナエレメント2、3の第1の折曲部2b、3bの各長さ寸法d1は、使用電波(周波数)の波長の約1/10の長さに設定されている。そして、アンテナ装置1の上下方向の長さ寸法d2は、使用電波(周波数)の波長の約1/4の長さに設定されている。更に、図1(b)に示すように、アンテナ装置1の図1(b)中左右方向の長さ寸法d3は、使用電波(周波数)の波長の約1/20の長さに設定されている。
【0026】
また、上記アンテナエレメント2、3と同軸ケーブル5の一端部5aとは、誘電体である例えばプラスチック製のケース(図示しない)内に収容されている。このケースは、矩形容器状のケース主部と、このケース主部の開口部を閉塞する蓋とから構成されている。ケース主部の内部には、アンテナエレメント2、3と同軸ケーブル5の一端部5aとを、図1に示すような配置形態となるように配置して収容することが可能に構成されている。さらに、この配置した状態でケース主部の開口部を蓋で閉塞すると、上記した配置形態で各部品が固定されるように構成されている。そして、同軸ケーブル5は、上記ケースの下側壁を貫通して外へ導出されている。また、同軸ケーブル5の他端部には、携帯電話(移動局)の送受信装置に接続するためのコネクタ(図示しない)が設けられている。
【0027】
次に、上記した構成のアンテナ装置1の動作、即ち、漏洩電流を低減できる動作について、図3ないし図5を参照して説明する。ここで、図3に示すアンテナ装置10は、第1のアンテナエレメント11を同軸給電線5の軸線方向に沿って上方へ延びるように配置すると共に、第2のアンテナエレメント12も同軸給電線5の軸線方向に沿って(平行して)下方へ延びるように配置したものである。尚、このような構成のアンテナ装置10は、1/2波長系ダイポールアンテナに同軸ケーブルを接続して構成されたアンテナ装置としては、全体の構造が最も簡単な装置であるといえる。
【0028】
そして、上記図3において、曲線P1は同軸ケーブル5の外導体8の外側の漏洩電流の電流分布を示し、曲線P2はアンテナ共振電流の電流分布を示し、曲線Q1は同軸ケーブル5の外導体8の外側の漏洩電圧の電圧分布を示し、曲線Q2はアンテナ共振電圧の電圧分布を示している。また、図3において、破線の矢印A1は、同軸ケーブル5の中心導体6を流れる電流の方向と大きさを示し、破線の矢印A2は、同軸ケーブル5の外導体8の内側の表面を流れる電流の方向と大きさを示し、実線の矢印B1は、アンテナエレメント2、3を流れる電流の方向と大きさを示し、実線の太線の矢印B2は、同軸ケーブル5の外導体8の外側の表面を流れる電流の方向と大きさを示しており、この実線太線の矢印B2が漏洩電流を示している。
【0029】
上記構成の場合、アンテナ装置10に電波が到来すると、アンテナエレメント2、3上に誘起された電流は、正側のアンテナエレメント2から同軸ケーブル5の中心導体6を流れ、受信機の負荷13を通り、同軸ケーブル5の外導体8の内側を流れ、そして、負側のアンテナエレメント3と同軸ケーブル5の外導体8の外側とに分岐されるように流れる。このとき、同軸ケーブル5の外導体8の外側に流れる電流が漏洩電流となり、これを経路1の漏洩電流と呼ぶ。
【0030】
この経路1の漏洩電流とは別に、アンテナエレメント12上と物理的に平行となるように配置された同軸ケーブル5の外導体8の外側と、アンテナエレメント12との電気的結合(静電容量的結合もしくは電磁誘導的結合)により、アンテナエレメント12から直接同軸ケーブル5の外導体8の外側の表面に漏洩する電流があり、これを経路2の漏洩電流と呼ぶ。そして、上記経路1の漏洩電流と上記経路2の漏洩電流とが重畳したものが全体の漏洩電流となる。
【0031】
ここで、上記経路2の漏洩電流の発生要因について補足する。アンテナエレメント12上を流れる電流と、同軸ケーブル5の外導体8の外側を流れる電流は、厳密には直流抵抗の違いによりその振幅値が異なるが、位相はほぼ同じである。従って、物理的に平行となる構成部分において、電流値の大きいところ同士で、また、電圧値の大きいところ同士で、電気的結合量が大きくなり、その結果、漏洩電流が大きくなるのである。
【0032】
さて、上記した漏洩電流の影響を低減する構成として、容易に考えられる構成は、従来技術のところで説明した1番目の構成である。この構成では、図11に示すように、1/2波長系のダイポールアンテナのアンテナエレメント21、22に同軸ケーブル23を直交させて給電している。この場合、電流分布I1、I2の大きいところは、物理的に近接してはいるものの、直交しているため、アンテナエレメントと同軸給電線の外導体の外側とは基本的に結合がゼロである。また、電圧分布V1、V2の大きいところは、物理的に距離が離れるため、電気的結合が小さくなる。従って、漏洩電流の影響を十分低減できる。しかし、この構成は、アンテナ装置の外形が大きくなってしまうため、アンテナ装置の設置場所の制約がある場合には、設置が困難になるという問題点がある。
【0033】
そこで、本発明者は、図6に示すような形状のアンテナ装置14を考えた。このアンテナ装置14では、負側の第2のアンテナエレメント15だけを同軸ケーブル5と直交させるように構成した。この構成によれば、アンテナの外形を小さくできると共に、第2のアンテナエレメント15と同軸ケーブル5との電気的結合を小さくすることができ、漏洩電流を小さくできる。しかし、上記構成の場合、アンテナ装置14を垂直配置して使用する場合に、アンテナの主垂直偏波成分が小さくなり、アンテナの送受信性能が低下することが考えられる。尚、このアンテナ装置14の具体的構成については、後述する。
【0034】
これに対して、本発明者は、アンテナエレメントと同軸ケーブル5の外導体8との干渉(電気的結合)を小さくすると共に、アンテナの主垂直偏波成分の低下を最小限に抑えるために、図1に示すような形状の本実施例のアンテナ装置1を発明したのである。
【0035】
このアンテナ装置1の場合、鉛直下方向に延びる同軸ケーブル5に対して、電流分布の大きな部分で、第2のアンテナエレメント3が給電点4(即ち、同軸ケーブル5)から遠ざかる方向に、即ち、斜め下方に延びている。このため、アンテナエレメント3と同軸ケーブル5の外導体8との干渉(電気的結合)が比較的小さくなる。
【0036】
また、上記経路1、2の漏洩電流については、アンテナ装置1の場合、第2のアンテナエレメント3の開放端(先端)側で、即ち、電圧分布の大きな部分で、アンテナエレメント3の折曲部3b、3cが同軸ケーブル5に近付くことから、電圧結合が発生する可能性がある。これに対して、上記アンテナ装置1では、アンテナエレメント3の折曲部3b、3cに切欠部3d、3eを形成し、第2のアンテナエレメント3と同軸ケーブル5の一端部5aとの間に最適な距離を設けるように構成した。これにより、上記電圧結合を小さくすることができるから、漏洩電流を低減することが可能になる。
【0037】
ここで、本実施例のアンテナ装置1について、漏洩電流の大きさと、アンテナの指向性及び利得とを実験により測定した。そして、測定して得られたデータを、図4及び図5に示す。図4において、縦軸は漏洩電流の相対的値(dB値)であり、横軸は同軸ケーブル(給電線)における給電点4からの位置(単位cm)である。また、図5はアンテナ装置の自由空間中での指向性及び利得を示す。尚、図4及び図5のデータの測定に用いた電波の周波数は、アンテナ装置1の共振周波数に相当する数値とした。
【0038】
そして、図4において、曲線R1が本実施例のアンテナ装置1のデータである。この曲線R1から、上記アンテナ装置1では、アンテナエレメント3と同軸ケーブル5との結合が小さくなっていること、即ち、漏洩電流が低減されていることが明確に分かる。また、図5において、曲線S1が本実施例のアンテナ装置1のデータである。この曲線S1から、上記アンテナ装置1では、水平面内の平均利得が高く、且つ、指向性偏差が小さいこと、即ち、アンテナの主垂直偏波成分の低下が最小限に抑えられていることが明確に分かる。尚、図4における曲線R2、R3と、図5における曲線S2、S3については、後述する。
【0039】
次に、図6は本発明の第2の実施例を示すものであり、第1の実施例と異なるところを説明する。尚、第1の実施例と同一部分には、同一符号を付している。上記第2の実施例では、アンテナ装置14の負側の第2のアンテナエレメント15を同軸ケーブル5と直交させるように構成した。
【0040】
具体的には、第2のアンテナエレメント15を、給電点4から図6中右方へ延ばし、点Fと点Gでそれぞれほぼ直角に折り曲げている。この構成によれば、アンテナ装置14の外形を、第1の実施例とほぼ同じ大きさにすること、即ち、小さくすることができる。また、第2のアンテナエレメント15と同軸ケーブル5との電気的結合を小さくすることができ、漏洩電流を低減できる。
【0041】
ただし、上記第2の実施例の場合、アンテナ装置14を垂直配置して使用したときに、アンテナの主垂直偏波成分が小さくなり、アンテナの送受信性能が第1の実施例に比べて低下する。しかし、この送受信性能の低下は、それほど大きくなく、上記アンテナ装置14を実際に使用することが十分可能である。
【0042】
尚、上述した以外の第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第2の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
【0043】
図7は本発明の第3の実施例を示すものであり、第1の実施例と異なるところを説明する。尚、第1の実施例と同一部分には、同一符号を付している。上記第3の実施例では、アンテナ装置16の負側の第2のアンテナエレメント17を、同軸ケーブル5の軸方向(鉛直方向)に沿って下方へ延ばすように配置した。
【0044】
具体的には、第2のアンテナエレメント17を、給電点4から図7中下方へ延ばし、点Hと点Iでそれぞれほぼ直角に折り曲げている。この構成によれば、アンテナ装置16の外形を、第1の実施例とほぼ同じ大きさにすること、即ち、小さくすることができる。また、アンテナ装置16を垂直配置して使用したときに、アンテナの主垂直偏波成分が小さくならず、アンテナの送受信性能が低下することを防止できる。
【0045】
ただし、上記第3の実施例の場合、第2のアンテナエレメント17と同軸ケーブル5との電気的結合が大きくなることから、漏洩電流が大きくなる。しかし、この漏洩電流の増大は、それほど大きくなく、上記アンテナ装置16を実際に使用することが十分可能である。
【0046】
また、第3の実施例のアンテナ装置16について、漏洩電流の大きさと、アンテナの指向性及び利得とを実験により測定した。この測定結果を、図4の曲線R2と、図5の曲線S2で示す。尚、上述した以外の第3の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第2の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
【0047】
図8及び図9は本発明の第4の実施例を示すものであり、第1の実施例と異なるところを説明する。尚、第1の実施例と同一部分には、同一符号を付している。上記第4の実施例では、第2のアンテナエレメント3の折曲部3bに矩形状の切欠部3dを形成する代わりに、比較的小さいほぼ半円状の凹部3fを形成するように構成した。そして、この凹部3fの内部に同軸ケーブル5の一端部5aを配置し、第2のアンテナエレメント3と同軸ケーブル5との間の距離が最適な距離となるように構成したものである。この構成の場合も、第2のアンテナエレメント3と同軸ケーブル5との電圧結合を小さくすることができるから、漏洩電流を低減することができる。
【0048】
また、第4の実施例のアンテナ装置1について、漏洩電流の大きさと、アンテナの指向性及び利得とを実験により測定した。この測定結果を、図4の曲線R3と、図5の曲線S3で示す。尚、上述した以外の第4の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第4の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
【0049】
さて、上記図4によれば、曲線R1、R3、R2の順で、即ち、第1の実施例、第4の実施例、第3の実施例の順で、漏洩電流が小さくなっていることがわかる。そして、図4及び図5によれば、漏洩電流が小さいアンテナ装置ほど、アンテナの指向性及び利得への影響が小さくなっていることがわかる。従って、曲線S1、S3、S2の順で、即ち、第1の実施例、第4の実施例、第3の実施例の順で、水平面内の平均利得が高くなると共に、指向性偏差が小さくなっていることがわかる。
【0050】
尚、図7に示す第3の実施例において、第2のアンテナエレメント17のうちの同軸ケーブル5に沿って延びる部分17aに、同軸ケーブル5の一端部5aを配置するための切欠部を形成すると共に、第2のアンテナエレメント17の第1の折曲部17bに、上記第4の実施例の凹部3fとほぼ同じ形状の凹部(図示しない)を形成し、この凹部と上記切欠部の内部に同軸ケーブル5の一端部5aを配置するように構成しても良い。この構成の場合、上記第4の実施例よりも、漏洩電流を低減することができ、より一層好ましい特性を備えたアンテナ装置となる。
【0051】
図10は本発明の第5の実施例を示すものであり、第1または第3の実施例と異なるところを説明する。尚、第1または第3の実施例と同一部分には、同一符号を付している。上記第5の実施例では、アンテナ装置1の負側の第2のアンテナエレメント17を、鉛直方向に沿って下方へ延ばすように配置した。具体的には、第2のアンテナエレメント17を、給電点4から図10(a)中下方へ延ばし、点Hと点Iでそれぞれほぼ直角に折り曲げている。これにより、第2のアンテナエレメント17は、垂直部17aと第1の折曲部17bと第2の折曲部17cとを有している。
【0052】
そして、同軸ケーブル5の一端部5aを給電点4に接続している。この場合、同軸ケーブル5は、アンテナエレメント2、17にほぼ直交するように接続されている。更に、同軸ケーブル5は、給電点4から図10(a)中右斜め下方に向けて延びるように配置されている。この場合、同軸ケーブル5の配置方向は斜め下方であるが、同軸ケーブル5は主偏波方向(鉛直方向)にほぼ沿うように配置されているといえる。
【0053】
更に、第2のアンテナエレメント17の第1の折曲部17bのうちの同軸ケーブル5に近付く部分、この場合、図1(c)中右半部に、切欠部17dが形成されている。また、第2のアンテナエレメント17の第2の折曲部17cのうちの同軸ケーブル5に近付く部分、この場合、第2の折曲部17cの全体に、図1(b)、(c)に示すように、切欠部17eが形成されている。これら切欠部17d、17eの内部に、同軸ケーブル5が配置される構成となっている。即ち、切欠部17d、17eは、第2のアンテナエレメント17と同軸ケーブル5との間に最適な距離を設けるためのものである。
【0054】
そして、同軸ケーブル5は、アンテナのケース(図示しない)の下側壁の右端部を貫通して外へ導出される構成となっている。この場合、同軸ケーブル5は、アンテナのケースから主偏波方向に沿うように引き出されている。尚、上述した以外の第5の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。
【0055】
上記第5の実施例によれば、アンテナ装置1の外形を、第1の実施例と同じ大きさにすること、即ち、小さくすることができる。また、第5の実施例のアンテナ装置1の性能は、第1の実施例のアンテナ装置1の性能とほぼ同じであり、漏洩電流を極力低減できると共に、アンテナの主垂直偏波成分の低下を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すものであり、(a)はアンテナ装置の正面図、(b)はアンテナ装置の側面図、(c)はアンテナ装置の下面図
【図2】アンテナ装置の給電点周辺の拡大断面図
【図3】アンテナ装置における電流分布と電圧分布を示す図
【図4】漏洩電流と同軸給電線位置との関係を示す特性図
【図5】アンテナ装置の自由空間中での指向性と利得を示す特性図
【図6】本発明の第2の実施例を示す図1(a)相当図
【図7】本発明の第3の実施例を示す図1相当図
【図8】本発明の第4の実施例を示す第2のアンテナエレメントの部分斜視図
【図9】図1(c)相当図
【図10】本発明の第5の実施例を示す図1相当図
【図11】従来構成を示す図3相当図
【符号の説明】
1はアンテナ装置、2は第1のアンテナエレメント、3は第2のアンテナエレメント、4は給電点、5は同軸ケーブル(同軸給電線)、6は中心導体、7は絶縁体、8は外導体、10はアンテナ装置、11は第1のアンテナエレメント、12は第2のアンテナエレメント、14はアンテナ装置、15は第2のアンテナエレメント、16はアンテナ装置、17は第2のアンテナエレメントを示す。
Claims (2)
- 主偏波方向にほぼ沿うように配置される同軸給電線と、
この同軸給電線の中心導体に接続されると共に、主偏波方向にほぼ沿うように配置され、且つ、先端部が折り曲げられた第1のアンテナエレメントと、
前記同軸給電線の外導体に接続されると共に、先端部が折り曲げられた第2のアンテナエレメントとを備え、
前記第2のアンテナエレメントにおける前記同軸給電線に近付く部位に、前記同軸給電線との間に距離を設けるための切欠部または凹部を設けたことを特徴とするアンテナ装置。 - 主偏波方向にほぼ沿うように配置される同軸給電線と、
この同軸給電線の中心導体に接続されると共に、主偏波方向にほぼ沿うように配置され、且つ、先端部が折り曲げられた第1のアンテナエレメントと、
前記同軸給電線の外導体に接続されると共に、先端部が折り曲げられた第2のアンテナエレメントとを備え、
前記第2のアンテナエレメントを、前記同軸給電線から遠避けるように、且つ、前記同軸給電線に対して斜めとなるように配置すると共に、
前記第2のアンテナエレメントにおける折り曲げられて前記同軸給電線に近付く先端部に、前記同軸給電線との間に距離を設けるための切欠部を設けたことを特徴とするアンテナ装置。
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