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JP4017352B2 - 光モジュール - Google Patents

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JP4017352B2
JP4017352B2 JP2001076903A JP2001076903A JP4017352B2 JP 4017352 B2 JP4017352 B2 JP 4017352B2 JP 2001076903 A JP2001076903 A JP 2001076903A JP 2001076903 A JP2001076903 A JP 2001076903A JP 4017352 B2 JP4017352 B2 JP 4017352B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電界吸収型の半導体光変調器素子を用い、連続光を高周波電気信号によって変調出力することができる光モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光通信システムでは、電界吸収型の半導体光変調器素子を用いて光信号を電気信号によって変調出力する光モジュールを用いる場合がある。図15は、従来の光モジュールの構成を示す図である。図15において、この光モジュール7は、電界吸収型の半導体光変調器素子1と、変調信号である高周波の電気信号を半導体光変調器素子1に給電する伝送線路基板2と、インピーダンス整合を行う抵抗体3aとスルーホール3bとこれらを接続する伝送線路とを有する終端抵抗基板3と、被変調信号である連続光を半導体光変調器素子1に伝搬する入力用結合光学系4aと、半導体光変調器素子1から出力される変調光を伝搬して外部に出力する出力用結合光学系4bとを有し、ワイヤ5が、伝送線路基板2と半導体光変調器素子1上の入力電極6との間および入力電極6と終端抵抗基板3との間をそれぞれ接続している。
【0003】
終端抵抗基板3の裏面は、接地電極となっており、スルーホール3bを介して抵抗体3aが、この接地電極と電気的に接続される。また、半導体光変調器素子1の裏面も接地電極となっている。このため、半導体光変調器素子1と抵抗体3aとは電気的に並列に接続されることになり、半導体光変調器素子1は、ハイインピーダンスとなり、抵抗体3aの抵抗値が、光モジュール7の内部インピーダンスとなる。また、伝送線路基板2には、上述した高周波電気信号を伝送する伝送線路2aが形成されている。
【0004】
ここで、電界吸収型の半導体光変調器素子1に、入力用結合光学系4aを介して連続レーザ光が効率良く入射される。この状態で、半導体光変調器素子1には、伝送線路基板2を介して変調信号である高周波の電気信号が印加され、この印加される電圧に応じて連続レーザ光の吸収量が変化することによって、半導体光変調器素子1の出射端面から出射されたレーザ光には、この電気信号の信号電圧に対応した強度変調が施され、出力用結合光学系4bに効率良く結合され、光変調信号として外部に出力される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の光モジュールでは、通常、位相のみが180度異なる差動出力の駆動回路によって駆動されるが、正相もしくは逆相のいずれか一方の駆動回路の出力信号のみによって駆動され、他方の駆動回路の出力信号は用いられていないのが現状であり、差動出力が有効利用されていないという問題点があった。
【0006】
一方、電界吸収型の半導体光変調器素子1におけるレーザ光の吸収量は、伝送線路基板2を介して印加される電圧に応じて変化することから、光モジュール7の駆動回路の駆動能力が不十分である場合、すなわち駆動回路の出力電圧振幅が小さい場合には、レーザ光が十分に吸収されず、光モジュール7から出力される光信号の消光比が小さくなり、結果として良好な変調光波形が得られず、この光モジュール7を光通信システムにおける光送信器として用いた場合、通信品質が劣化するという問題点があった。
【0007】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、光モジュールに入力される変調信号である電気信号の駆動能力が不十分である場合であっても、消光比が大きく、良好な変調光波形を形成でき、通信品質の劣化を防ぐことができる光モジュールを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかる光モジュールは、電界吸収型の半導体光変調器素子と、入力された変調信号である電気信号を前記半導体光変調器素子に給電する伝送路基板と、前記電気信号の給電に伴うインピーダンス整合を行う終端抵抗基板と、連続入力された被変調信号である光信号を前記半導体光変調器素子に光結合入力する入力側結合光学系と、前記半導体光変調器素子によって変調された光変調信号を光結合出力する出力側結合光学系と、を有した光モジュールにおいて、前記半導体光変調器素子に差動信号を印加するための伝送線路が第1の結合線路であり、かつ、該第1の結合線路の奇モードに対する特性インピーダンスが該半導体光変調器素子の内部インピーダンスに等しくなるように構成したことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、半導体光変調器素子に差動信号を印加するための伝送線路が第1の結合線路であり、この第1の結合線路に供給された差動信号が半導体光変調器素子に印加され、この差動信号の信号振幅によって被変調信号である光信号が変調される。また、第1の結合線路の奇モードに対する特性インピーダンスが半導体光変調器素子の内部インピーダンスに等しくなるように構成しているので、差動駆動時のインピーダンス不整合が解消される。
【0010】
つぎの発明にかかる光モジュールは、上記の発明において、前記半導体光変調器素子を構成する一方および他方の端子がそれぞれ接続される電極を同一基板上に形成したことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、半導体光変調器素子を構成する一方および他方の端子がそれぞれ接続される電極を同一基板上に形成し、各電極に接続されるワイヤなどの接続を容易にしている。
【0012】
つぎの発明にかかる光モジュールは、上記の発明において、前記第1の結合線路を成す一対の伝送線路を、同一の前記伝送路基板上に形成したことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、第1の結合線路を成す一対の伝送線路を、同一の前記伝送路基板上に形成し、部品数や組立工程数を削減するようにしている。
【0014】
つぎの発明にかかる光モジュールは、上記の発明において、前記第1の結合線路が、高周波特性を有する結合線路であることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、第1の結合線路を高周波特性を有する結合線路とし、外的雑音のようなコモンノイズに対して高耐性をもたせるようにしている。
【0016】
つぎの発明にかかる光モジュールは、上記の発明において、前記半導体光変調器素子に対して逆相の差動信号が印加される奇モードに対して、前記2本の伝送線路の特性インピーダンスが当該光モジュールの内部インピーダンスに等しくなるように構成したことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、前記半導体光変調器素子に対して逆相の差動信号が印加される奇モードに対して、前記2本の伝送線路の特性インピーダンスが当該光モジュールの内部インピーダンスに等しくなるように構成し、差動駆動時のインピーダンス不整合をなくすようにしている。
【0018】
つぎの発明にかかる光モジュールは、上記の発明において、前記終端抵抗基板上には、前記半導体光変調器素子の一方および他方の端子に電気的に接続される一対の伝送線路が設けられ、該一対の伝送線路間には第1の抵抗体が接続されていることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、終端抵抗基板上には、半導体光変調器素子の一方および他方の端子に電気的に接続される一対の伝送線路が設けられ、この一対の伝送線路間には第1の抵抗体が接続されることで、伝送線路のインダクタンス成分やキャパシタンス成分の悪影響を受けないようにしている。
【0020】
つぎの発明にかかる光モジュールは、上記の発明において、前記差動信号を生成出力する駆動回路を当該光モジュール内に内蔵したことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、前記差動信号を生成出力する駆動回路を当該光モジュール内に内蔵し、光モジュールの部品点数を削減するようにしている。
【0022】
つぎの発明にかかる光モジュールは、上記の発明において、前記伝送線路基板上に、前記第1の結合線路にDCバイアスを供給するDCバイアス回路を設けたことを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、伝送線路基板上に、第1の結合線路にDCバイアスを供給するDCバイアス回路を設け、電界吸収型の半導体光変調器素子の消光特性の最適点で動作するようにしている。
【0024】
つぎの発明にかかる光モジュールは、上記の発明において、前記駆動回路内に前記DCバイアス回路を設けたことを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、前記駆動回路内に前記DCバイアス回路を設け、部品数や組立工程数を削減するようにしている。
【0026】
つぎの発明にかかる光モジュールは、上記の発明において、前記終端抵抗基板上に設けられる前記一対の伝送線路が第2の結合線路を成すとともに、前記終端抵抗基板上に、前記第1の抵抗体に接続されるグランドパッドと、該グランドパッドと該抵抗基板のグランド端との間に接続される第2の抵抗体と、が設けられ、前記第1の抵抗体の抵抗値前記第2の結合線路の奇モードの特性インピーダンス対してインピーダンス整合がとれるように設定されているとともに、前記第2の抵抗体の抵抗値が、前記第2の結合線路の偶モードの特性インピーダンスに対してインピーダンス整合がとれるように設定されていることを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、終端抵抗基板上に設けられる一対の伝送線路が第2の結合線路を成すとともに、終端抵抗基板上に第1の抵抗体に接続されるグランドパッドと、該グランドパッドと該抵抗基板のグランド端との間に接続される第2の抵抗体と、が設けられ第1の抵抗体の抵抗値を第2の結合線路の奇モードの特性インピーダンス対してインピーダンス整合がとれるように設定し、第2の抵抗体の抵抗値を第2の結合線路の偶モードの特性インピーダンスに対してインピーダンス整合がとれるように設定することで、逆相および同相のどちらの差動信号に対してもインピーダンス不整合がないようにしている。
【0028】
つぎの発明にかかる光モジュールは、上記の発明において、前記半導体光変調器素子は、前記伝送線路基板上および終端抵抗基板上にフリップチップ実装されることを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、金や半田などのバンプによって、半導体光変調器素子を、前記伝送線路基板上および終端抵抗基板上にフリップチップ実装するようにし、インピーダンスの不整合がなくすようにしている。
【0030】
つぎの発明にかかる光モジュールは、上記の発明において、前記半導体光変調器素子は、一方の端子が前記第1の結合線路の一方側に電気的に接続されるとともに、他方の端子が前記第2の結合線路の一方側に電気的に接続される第1の半導体光変調器素子と、一方の端子が前記第1の結合線路の他方側に電気的に接続されるとともに、他方の端子が前記第2の結合線路の他方側に電気的に接続される第2の半導体光変調器素子と、からなることを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、一方の端子が第1の結合線路の一方側に電気的に接続されるとともに、他方の端子が第2の結合線路の一方側に電気的に接続される第1の半導体光変調器素子と、一方の端子が第1の結合線路の他方側に電気的に接続されるとともに、他方の端子が第2の結合線路の他方側に電気的に接続される第2の半導体光変調器素子とを具備し、これらの各半導体光変調器素子の最適消光特性に合致した印加電圧を印加することによって、最終的に得られる光変調波形の消光比を大きくすることができるようにしている。
【0032】
つぎの発明にかかる光モジュールは、上記の発明において、前記伝送線路基板上に、前記差動信号を同相信号に変換する変換回路を設けたことを特徴とする。
【0033】
この発明によれば、伝送線路基板上に設けられた変換回路が、差動信号を同相信号に変換し、半導体光変調器素子と伝送線路基板との間を接続するワイヤなどの各ワイヤ長がほぼ同じ長さになるようにしている。
【0034】
つぎの発明にかかる光モジュールは、上記の発明において、前記第1または第2の半導体光変調器素子が、被変調光であるレーザ光を発振出力する半導体レーザ素子であることを特徴とする。
【0035】
この発明によれば、被変調光であるレーザ光を発振出力する半導体レーザ素子と半導体光変調器素子とを集積化するようにしている。
【0036】
つぎの発明にかかる光モジュールは、上記の発明において、前記第1、第2の半導体光変調器素子を同一基板上に集積化したことを特徴とする。
【0037】
この発明によれば、複数の半導体光変調器素子をモノリシックに集積化し、結合光学系の部品数や組立工程数を削減するとともに、入射されるレーザ光をほぼ無損失で伝搬できるようにしている。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる光モジュールの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0039】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1である光モジュールの構成を示す図である。図1において、この光モジュール7は、量子閉じ込めシュタルク効果およびフランツケルディッシュ効果を有する電界吸収型の半導体光変調器素子1と、変調信号である高周波の電気信号を半導体光変調器素子1に給電する伝送線路基板2と、インピーダンス整合を行う抵抗体3aとこの抵抗体3aを接続する伝送線路13a,13bとを有する終端抵抗基板3と、被変調信号である連続光を半導体光変調器素子1に伝搬する入力用結合光学系4aと、半導体光変調器素子1から出力される変調光を伝搬して外部に出力する出力用結合光学系4bとを有し、ワイヤ5が、伝送線路基板2の伝送線路2aと半導体光変調器素子1上の電極6aとの間、伝送線路2bと半導体光変調器素子1上の電極6bとの間、電極6aと終端抵抗基板3の伝送線路13aとの間および電極6bと伝送線路13bとの間を接続している。
【0040】
ここで、半導体光変調器素子1には、カソード側電極あるいはアノード側電極となる電極6a,6bとが同一面上に形成され、半導体光変調器素子1の裏面は、接地電極を形成していない。また、伝送線路基板2には、振幅が等しく、位相のみが180度異なる差動信号を各々伝達する伝送線路2a,2bが形成される。このシールドされていない2本の伝送線路2a,2bが近接しているとき、各伝送線路2a,2bの電磁界の相互作用によって伝送線路2a,2b間の電力結合が可能となり、高周波回路における結合線路を形成する。
【0041】
また、この結合線路には、伝送線路2a,2bの導体内の電流が等しく、方向が同じである場合、すなわち偶モードの場合と、伝送線路2a,2bの導体内の電流が等しく、方向が反対である場合、すなわち奇モードの場合との2種類の特別な励振モードが存在する。この実施の形態1では、振幅が等しく、位相のみが180度異なる差動信号によって光モジュール7を駆動するため、奇モードに対する特性インピーダンスが、光モジュール7の内部インピーダンスと等しくなるように、伝送線路2a,2bが形成される。さらに、終端抵抗基板3上の抵抗体3aは、伝送線路基板2上に形成されている伝送線路2a,2bと同様に終端抵抗基板3上の伝送線路13a,13b間に直結されている。
【0042】
図1において、電界吸収型の半導体光変調器素子1には、入力用結合光学系4aから連続レーザ光が効率良く入射される。また、半導体光変調器素子1では、伝送線路基板2を介して印加されるアノード側電圧およびカソード側電圧に応じて、入射されたレーザ光の吸収量を変化させるため、伝送線路基板2上の伝送線路2a,2bに差動の変調信号の信号電圧を印加すると、半導体光変調器素子1の出射端面から出射されるレーザ光には、信号電圧に対応した強度変調が施されることになり、強度変調された変調光は、出力用結合光学系4bに効率良く結合される。
【0043】
この光モジュール7は、振幅が等しく、位相のみが180度異なる差動出力信号によって駆動できるようにしているため、電界吸収型の半導体光変調器素子1に印加する電圧を大きくすることができる。この差動出力信号によって駆動できるように構成することによって、電界吸収型の半導体光変調器素子1に印加する電圧を大きくすることができることを次に説明する。
【0044】
図2は、光モジュール7を駆動する差動信号の電圧波形と、電界吸収型の半導体光変調器素子1に印加される電圧波形との関係を示した波形図である。また、図3は、電界吸収型の半導体光変調器素子1に印加する電圧と半導体光変調器素子1における光の吸収量との関係、すなわち消光特性の一例を示した図である。図2(a)において、伝送線路2aに印加される信号電圧と伝送線路2bに印加される信号電圧とはそれぞれ逆相となる差動信号を形成する。ここで、差動信号は、伝送線路2a,2bにおいて流れる電流の方向が逆であるため、半導体光変調器素子1においては、図2(b)に示すように、入力される一方の差動信号の振幅の2倍の振幅をもつ電圧が印加される。
【0045】
この結果、図3に示すように、電界吸収型の半導体光変調器素子1におけるレーザ光の吸収量も大きくなる。従って、光モジュール7から出力される変調光の消光比が大きくなり、良好な変調光波形が得られる。特に、この光モジュール7を、光通信システムにおける光送信器として用いた場合、通信品質に優れた変調光を出力することができる。
【0046】
また、電界吸収型の半導体光変調器素子1の電極6a,6bは、図1に示すように、半導体光変調器素子1上の同一面上に形成されているため、それぞれ異なる面上に形成されている場合と比較して、ワイヤ5による接続が容易であり、実装性に優れ、安価、かつ高消光比をもつ良好な変調光波形を得ることができる光モジュールが実現される。
【0047】
さらに、差動信号を各々伝達する伝送線路2a,2bとが同一の伝送線路基板2上に形成されているため、部品数や組立工程数を削減することが可能であり、実装性に優れ、安価、かつ高消光比で良好な変調光波形を得ることができる光モジュールが実現される。
【0048】
また、差動信号を各々伝達する伝送線路2a,2bとが同一の伝送線路基板2上に、結合線路として形成されているため、外的雑音のようなコモンノイズに対して高耐性をもち、雑音耐性や高周波特性に優れ、かつ高消光比で良好な変調光波形を得ることができる光モジュールが実現される。
【0049】
さらに、差動信号を各々伝達する伝送線路2a,2bとが同一の伝送線路基板2上に、結合線路として形成され、かつ奇モードに対する特性インピーダンスが光モジュール7の内部インピーダンスに等しくなるように伝送線路2a,2bが形成されているため、差動駆動時のインピーダンス不整合がなく、高周波特性に優れ、かつ高消光比をもつ良好な変調光波形を得ることができる光モジュールが実現される。
【0050】
また、終端抵抗基板3上の抵抗体3aは、伝送線路基板2上に形成されている伝送線路2a,2bと同じようにして形成された終端抵抗基板3上の伝送線路13a,13b間に直結されているため、伝送線路等を中継して接続されている場合と比較して、伝送線路のインダクタンス成分やキャパシタンス成分の悪影響を受けることなく、高周波特性に優れ、かつ高消光比をもつ良好な変調光波形を得ることができる光モジュールが実現される。
【0051】
実施の形態2.
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。図4は、この発明の実施の形態2である光モジュールの構成を示す図である。図4において、光モジュール7は、差動信号を出力する差動信号駆動回路8を内蔵している。その他の構成は、図1に示した実施の形態1である光モジュールと同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0052】
光モジュール7内に差動信号駆動回路8を内蔵した場合、差動信号駆動回路8と電界吸収型の半導体光変調器素子1との間の電気長を短くすることができる。差動信号駆動回路8の反射係数であるS22特性および電界吸収型の半導体光変調器素子1の反射係数であるS11特性が不十分である場合、伝送線路基板2を介して差動信号駆動回路8と電界吸収型半導体光変調器素子1との間で高周波電気信号が多重反射し、高周波特性が劣化する恐れがある。しかしながら、上述したように光モジュール7内に差動信号駆動回路8を内蔵して電気長を短くした場合、所望の周波数帯域よりも高周波側に、上述した多重反射の影響を追いやることが可能である。
【0053】
したがって、この実施の形態2では、高周波特性に優れ、かつ高消光比が良好な変調光波形をもつ変調光を出力することができる光モジュールを実現できるとともに、この光モジュールを光通信システムにおける光送信器内の一部品として用いる場合、光送信器の部品点数を削減することができ、小型で安価、かつ高消光比で良好な変調光波形を出力する光送信器を得ることができる。
【0054】
実施の形態3.
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。図5は、この発明の実施の形態3である光モジュールの構成を示す図である。図5において、この光モジュール7は、差動信号を伝送する伝送線路基板2上に、DCバイアス回路9を備えている。その他の構成は、図4に示した実施の形態2である光モジュール7の構成と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0055】
伝送線路基板2上に、DCバイアス回路9を備えている場合、電界吸収型の半導体光変調器素子1に印加する電圧波形のバイアスを調整することができる。図6は、伝送線路基板2上の伝送線路2aに、差動信号の振幅と等しいバイアス電圧を印加した場合における差動信号のDCバイアス印加前後の電圧波形(図6(a),(b))と、電界吸収型の半導体光変調器素子1に印加される電圧波形(図6(c))との関係を示した図である。
【0056】
図6では、伝送線路2a上に、−2VのDCバイアスを印加している。この結果、半導体光変調器素子1に印加される電圧は、−4V〜0Vの範囲となる。これに対し、実施の形態1で示した半導体光変調器素子1に印加される電圧は、−2V〜+2Vの範囲である。このように、伝送線路2aあるいは伝送線路2bにDCバイアス回路9を設け、DCバイアスを印加することによって半導体光変調器素子1に印加される電圧位置を変化させることができる。
【0057】
ここで、電界吸収型の半導体光変調器素子1の消光特性は、図3に示したように、印加電圧に対して非線形であり、良好な変調光波形や伝送特性を得るための最適点が存在するため、差動信号を伝送する伝送線路基板2上にDCバイアス回路9を備えることによって、伝送特性に優れ、また汎用性があり、かつ高消光比が良好な変調光波形を出力することができる光モジュールを得ることができる。
【0058】
実施の形態4.
つぎに、この発明の実施の形態4について説明する。図7は、この発明の実施の形態4である光モジュールの構成を示す図である。図7において、この光モジュールは、差動信号駆動回路8内にDCバイアス回路9を備えている。その他の構成は、実施の形態3と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0059】
通常、差動信号駆動回路8は集積回路で構成され、DCバイアス回路9も集積回路で構成することができる。DCバイアス回路9が差動信号駆動回路8内に内蔵された一つの集積回路素子として構成される場合、光モジュール7の部品数や組立工程数を削減することができ、実装性に優れ、小型で安価、かつ高消光比をもつ良好な変調光波形を出力することができる光モジュールを得ることができる。
【0060】
実施の形態5.つぎに、この発明の実施の形態5について説明する。図8は、この発明の実施の形態5である光モジュールの構成を示す図である。図8において、この光モジュールでは、終端抵抗基板3の抵抗値が、結合線路における奇モードのインピーダンスおよび偶モードのインピーダンスに対してそれぞれ整合がとれるように抵抗体3aおよび抵抗体3aに接するグランドパッド3cを備えている。その他の構成は、図1に示した実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。なお、図8に示したグランドパッド3cは、スルーホールによって終端抵抗基板3裏面と接地させているが、このグランドパッド3cの接地はこのスルーホールを用いた例に限定されるものではない。また、接地させる手段はこれに限定されるものではない。
【0061】
通常、逆相の差動信号によって光モジュール7を駆動する場合、結合線路としては奇モードの特性インピーダンスが、光モジュール7の内部インピーダンスと等しくなるように設計される。しかし、同相の差動信号をも伝送する場合には、偶モードの特性インピーダンスについても、光モジュール7の内部インピーダンスと等しくなるように整合をとる必要がある。
【0062】
一般に、結合線路における奇モードの終端抵抗は、伝送線路間に配し、偶モードの終端抵抗は、各々の伝送線路と接地グランドとの間に配する。図8に示すように、抵抗体3aに接するグランドパッド3cを有する場合、抵抗体3aとグランドパッド3cとが接している長さによって、偶モードの終端抵抗値が決まる。また、奇モードの終端抵抗値は、グランドパッド3cの存在によって若干影響を受けるものの、伝送線路間の抵抗値によってほぼ決まる。
【0063】
したがって、終端抵抗基板3上において、抵抗体3aに接するグランドパッド3cが形成されている場合、奇モードのインピーダンスおよび偶モードのインピーダンスに対してそれぞれ整合がとれるように構成することができる。
【0064】
この結果、この光モジュールでは、逆相および同相のどちらの差動信号に対してもインピーダンス不整合がなく、高周波特性に優れ、かつ高消光比を有する良好な変調光波形を出力することができる光モジュールを得ることができる。
【0065】
実施の形態6.
つぎに、この発明の実施の形態6について説明する。図9は、この発明の実施の形態6である光モジュールの構成を示す図である。また、図10は、図9に示した光モジュールの要部断面図である。図9および図10において、この光モジュール7は、伝送線路基板2と終端抵抗基板3とが一体物となった終端抵抗付伝送線路基板11を有し、電界吸収型の半導体光変調器素子1が、この終端抵抗付伝送線路基板11上にフリップチップ実装されている。その他の構成は、実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0066】
ここで、たとえば上述した実施の形態1では、伝送線路基板2と電界吸収型の半導体光変調器素子1と終端抵抗基板3とが、それぞれワイヤ5によって接続されていたが、このワイヤ5のインダクタンス成分によって、伝送線路基板2,電界吸収型の半導体光変調器素子1,終端抵抗基板3と、ワイヤ5とを接続する接続部にインピーダンス不整合が生じ、高周波特性が劣化する可能性がある。
【0067】
これに対し、この実施の形態6に示した光モジュール7では、これらワイヤ5の代わりに、金や半田などのバンプ10によって半導体光変調器素子1をフリップチップ実装しているため、インピーダンスの不整合がほとんど生じず、高周波特性に優れ、かつ高消光比をもつ良好な変調光波形を出力することができる光モジュールを得ることができる。また、伝送線路基板2と終端抵抗基板3とが一体物で構成されているため、光モジュール全体として、部品数や組立工程数を削減することが可能であり、安価な光モジュールを得ることができる。
【0068】
実施の形態7.
つぎに、この発明の実施の形態7について説明する。図11は、この発明の実施の形態7である光モジュールの構成を示す図である。図11において、この光モジュール7は、光モジュール7内に、2つの電界吸収型の半導体光変調器素子1a,1bを備えている。半導体光変調器素子1aは、アノード側の電極6aaとカソード側の電極6abとを有し、アノード側の電極6aaは、ワイヤ5を介して伝送線路2a,13aに接続され、カソード側の電極6abは、ワイヤ15aを介してグランドパッド13cに接続されて接地される。同様にして、半導体光変調器素子1bは、アノード側の電極6baは、ワイヤ15bを介してグランドパッド13cに接続されて接地され、カソード側の電極6bbは、ワイヤ5を介して伝送線路2b,13bに接続される。すなわち、半導体光変調器素子1a,1bには、それぞれ振幅および位相が等しい同相の信号が印加されることになる。その他の構成は、図1に示した実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0069】
つぎに、この光モジュール7の動作について説明する。図11において、電界吸収型の半導体光変調器素子1には、入力用結合光学系4aから連続レーザ光が効率良く入射される。また、電界吸収型の半導体光変調器素子1aでは、伝送線路基板2上の伝送線路2aを介して印加される一方の信号電圧に応じて、入射されたレーザ光の吸収量が変化するため、電界吸収型の半導体光変調器素子1aの出射端面から出射されるレーザ光には、この信号電圧に対応した強度変調が施される。さらに、電界吸収型の半導体光変調器素子1aの出射端面から出射されるレーザ光は、電界吸収型の半導体光変調器素子1bの入射端面から半導体光変調器素子1b内に入射される。
【0070】
電界吸収型の半導体光変調器素子1bでは、伝送線路基板2上の伝送線路2bを介して印加される他方の信号電圧に応じてレーザ光の吸収量が変化するため、電界吸収型の半導体光変調器素子1bの出射端面から出射されるレーザ光には、半導体光変調器素子1aから出射される強度変調が施された光信号に加えて、さらに半導体光変調器素子1bに印加された信号電圧に対応した強度変調が施され、出力用結合光学系4bに効率良く結合される。
【0071】
この実施の形態7に示した光モジュール7内の各半導体光変調器素子1a,1bは、それぞれ図3に示した電界吸収型半導体光変調器素子の消光特性を有する。この消光特性は、非線形であり、逆バイアス時には、印加電圧の低い方が光の吸収量の変化量が大きいため、各半導体光変調器素子1a,1bの動作点を印加電圧が低い方にシフトさせておくことによって、1つの電界吸収型半導体光変調器素子に対して2倍の振幅を有する電圧を印加する場合に比較し、全体として大きな消光比を得ることができ、一層良好な変調光波形を出力することができる光モジュールを実現することができる。
【0072】
なお、図11に示した光モジュールでは、ワイヤ5を用いて接続するワイヤ実装の場合について示しているが、実施の形態6に示した光モジュール7と同様にしてフリップチップ実装を行うようにしてもよい。また、図11に示した光モジュール7では、2つの半導体光変調器素子1a,1bを用いているが、これに限らず3つ以上の半導体光変調器素子を設けて光変調するようにしてもよい。
【0073】
実施の形態8.
つぎに、この発明の実施の形態8について説明する。図12は、この発明の実施の形態8である光モジュールの構成を示す図である。図12において、電界吸収型の半導体光変調器素子1a,1bは、モノリシックに集積化した電界吸収型の半導体光変調器素子1cを備えている。その他の構成は、実施の形態7を同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。なお、この光モジュール7では、ワイヤ実装した一例を示しているが、これに限らず、実施の形態6と同様に、フリップチップ実装によって実現するようにしてもよい。
【0074】
ここで、上述した実施の形態7に示した光モジュール7では、半導体光変調器素子1aから出射されたレーザ光を、効率良く半導体光変調器素子1bに入射するために、半導体光変調器素子1a,1b間に配置された結合光学系を必要とするが、この実施の形態8では、モノリシックに集積化された半導体光変調器素子1cを用いているため、結合光学系の部品数や、組立工程数を削減することが可能である。さらに、入射されたレーザ光をほぼ無損失で伝搬することが可能となるため、安価で小型、高光出力、かつ高消光比をもつ良好な変調光波形を出力することができるモジュールを得ることができる。
【0075】
実施の形態9.
つぎに、この発明の実施の形態9について説明する。図13は、この発明の実施の形態9である光モジュールの構成を示す図である。図13において、この光モジュール7は、伝送線路基板2上に逆相信号を同相信号に変換する変換回路12を備えている。また、アノード側の電極6baは、ワイヤ5を介して伝送線路2b,13bに接続され、カソード側の電極6bbは、ワイヤ15cを介してグランドパッド13cに接続される。その他の構成は、実施の形態8と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0076】
ここで、たとえば実施の形態8では、半導体光変調器素子1aのアノード側の電極6aaがワイヤ5を介して伝送線路2a,13aに接続され、カソード側の電極6abは、ワイヤ15aを介してグランドパッド13cに接続されて接地される。また、半導体光変調器素子1bのアノード側の電極6baは、ワイヤ15bを介してグランドパッド13cに接続され、カソード側の電極6bbは、ワイヤ5を介して伝送線路2b,13bに接続することによって、電界吸収型の半導体光変調器素子1a,1bには、振幅および位相が等しい同相の信号が印加されるよう構成したが、この場合、伝送線路基板2とアノード側の電極6aaとを接続するワイヤ5の長さと、伝送線路基板2とアノード側の電極6baとを接続するワイヤ5の長さが異なり、このワイヤ長の違いによって同相信号の位相がずれてしまい、変調光波形が劣化する可能性がある。
【0077】
これに対して、この実施の形態9では、伝送線路基板2上に設けられた変換回路12が、入力される逆相信号を同相信号に変換するため、各伝送線路2a,2bに同相信号を印加することができるとともに、伝送線路基板2と半導体光変調器素子1a,1bとの間のワイヤ長および半導体光集積素子1a,1bとグランドパッド13cとの間のワイヤ長をそれぞれ、ほぼ等しくすることができ、変調光波形の劣化を抑圧でき、この結果、高消光比の実現する良好な変調光波形を出力する光モジュールを得ることができる。
【0078】
実施の形態10.
つぎに、この発明の実施の形態10について説明する。図14は、この発明の実施の形態10である光モジュールの構成を示す図である。図14において、この光モジュール7では、電界吸収型の半導体光変調器素子1の代わりに、電界吸収型の半導体光変調器素子1と半導体レーザ素子16とをモノリシックに集積化した光変調器集積化半導体レーザ素子1dを備える。その他の構成は、実施の形1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0079】
ここで、たとえば、図1に示した実施の形態1では、連続レーザ光を半導体光変調器素子1に効率良く入射するために、入射側に入力用結合光学系4aを必要とする上に、連続レーザ光を生成する半導体レーザ素子を含む半導体レーザモジュールを別途必要とする。
【0080】
これに対して、この実施の形態10では、光変調器集積化半導体レーザ素子1dを用いることによって、入射側の入力用結合光学系4aなどの部品数や、組立工程数を削減することが可能である。また、安価で小型、高光出力、かつ高消光比を実現し、良好な変調光波形を出力することができる光モジュールを得ることができる。さらに、この光モジュール7を光通信システムにおける光送信器内の一部品として用いる場合には、光送信器の部品点数を削減することができ、小型で安価、かつ高消光比をもつ良好な変調光波形を出力する光送信器を得ることができる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、半導体光変調器素子に差動信号を印加するための伝送線路が第1の結合線路であり、この第1の結合線路に供給された差動信号が半導体光変調器素子に印加され、この差動信号の信号振幅によって被変調信号である光信号が変調されるので、各差動信号が同じ振幅を有する場合、半導体光変調器素子に、各差動信号の2倍の振幅をもつ電圧を印加することができ、消光比が大きい波形をもった変調光を出力することができ、光通信システムにおける光送信器として用いた場合、通信品質に優れた変調光を出力することができるという効果を奏する。また、第1の結合線路の奇モードに対する特性インピーダンスが半導体光変調器素子の内部インピーダンスに等しくなるように構成することで、差動駆動時のインピーダンス不整合をなくすようにしているので、高周波特性に優れ、かつ高消光比をもつ良好な変調光波形を得ることができるという効果を奏する。
【0082】
つぎの発明によれば、半導体光変調器素子を構成する一方および他方の端子がそれぞれ接続される電極を同一基板上に形成し、各電極に接続されるワイヤなどの接続を容易にしているので、一対の電極がそれぞれ異なる面上に形成されている場合と比較して、実装性に優れ、安価、かつ高消光比をもつ良好な変調光波形を得ることができるという効果を奏する。
【0083】
つぎの発明によれば、第1の結合線路を成す一対の伝送線路を、同一の前記伝送路基板上に形成し、部品数や組立工程数を削減するようにしているので、実装性に優れ、安価、かつ高消光比で良好な変調光波形を得ることができるという効果を奏する。
【0084】
つぎの発明によれば、第1の結合線路を高周波特性を有する結合線路とし、外的雑音のようなコモンノイズに対して高耐性をもたせるようにしているので、雑音耐性や高周波特性に優れ、かつ高消光比で良好な変調光波形を得ることができるという効果を奏する。
【0085】
つぎの発明によれば、前記半導体光変調器素子に対して逆相の差動信号が印加される奇モードに対して、前記2本の伝送線路の特性インピーダンスが当該光モジュールの内部インピーダンスに等しくなるように構成し、差動駆動時のインピーダンス不整合をなくすようにしているので、高周波特性に優れ、かつ高消光比をもつ良好な変調光波形を得ることができるという効果を奏する。
【0086】
つぎの発明によれば、終端抵抗基板上には、半導体光変調器素子の一方および他方の端子に電気的に接続される一対の伝送線路が設けられ、この一対の伝送線路間には第1の抵抗体が接続されるように構成しているので、伝送線路等を中継して接続されている場合と比較して、高周波特性に優れ、かつ高消光比をもつ良好な変調光波形を得るという効果を奏する。
【0087】
つぎの発明によれば、前記差動信号を生成出力する駆動回路を当該光モジュール内に内蔵し、光モジュールの部品点数を削減するようにしているので、光モジュールを光通信システムにおける光送信器内の一部品として用いる場合、光送信器の部品点数を削減することができ、小型で安価、かつ高消光比で良好な変調光波形を出力する光送信器を得ることができるという効果を奏する。
【0088】
つぎの発明によれば、伝送線路基板上に、第1の結合線路にDCバイアスを供給するDCバイアス回路を設け、電界吸収型の半導体光変調器素子の消光特性の最適点で動作するようにしているので、伝送特性に優れ、また汎用性があり、かつ高消光比が良好な変調光波形を出力することができる光モジュールを得ることができるという効果を奏する。
【0089】
つぎの発明によれば、前記駆動回路内に前記DCバイアス回路を設け、部品数や組立工程数を削減するようにしているので、DCバイアス回路が差動信号駆動回路内に内蔵された一つの集積回路素子として構成される場合、さらに光モジュールの部品数や組立工程数を削減することができ、実装性に優れ、小型で安価、かつ高消光比をもつ良好な変調光波形を出力することができるという効果を奏する。
【0090】
つぎの発明によれば、終端抵抗基板上に設けられる一対の伝送線路が第2の結合線路を成すとともに、終端抵抗基板上に第1の抵抗体に接続されるグランドパッドと、該グランドパッドと該抵抗基板のグランド端との間に接続される第2の抵抗体と、が設けられ第1の抵抗体の抵抗値を第2の結合線路の奇モードの特性インピーダンス対してインピーダンス整合がとれるように設定し、第2の抵抗体の抵抗値を第2の結合線路の偶モードの特性インピーダンスに対してインピーダンス整合がとれるように設定することで、逆相および同相のどちらの差動信号に対してもインピーダンス不整合がないようにしているので、高周波特性に優れ、かつ高消光比を有する良好な変調光波形を出力することができる光モジュールを得ることができるという効果を奏する。
【0091】
つぎの発明によれば、金や半田などのバンプによって、半導体光変調器素子を、前記伝送線路基板上および終端抵抗基板上にフリップチップ実装するようにし、インピーダンスの不整合がなくすようにしているので、高周波特性に優れ、かつ高消光比をもつ良好な変調光波形を出力することができる光モジュールを得ることができるとともに、伝送線路基板と終端抵抗基板とが一体物で構成されているため、光モジュール全体として、部品数や組立工程数を削減することが可能であり、安価な光モジュールを得ることができるという効果を奏する。
【0092】
つぎの発明によれば、一方の端子が第1の結合線路の一方側に電気的に接続されるとともに、他方の端子が第2の結合線路の一方側に電気的に接続される第1の半導体光変調器素子と、一方の端子が第1の結合線路の他方側に電気的に接続されるとともに、他方の端子が第2の結合線路の他方側に電気的に接続される第2の半導体光変調器素子とを具備し、これらの各半導体光変調器素子の最適消光特性に合致した印加電圧を印加することによって、最終的に得られる光変調波形の消光比を大きくすることができるようにしているので、1つの半導体光変調器素子によって得られる消光比に比して大きな消光比を得ることができ、一層良好な変調光波形を出力することができるという効果を奏する。
【0093】
つぎの発明によれば、伝送線路基板上に設けられた変換回路が、差動信号を同相信号に変換し、半導体光変調器素子と伝送線路基板との間を接続するワイヤなどの各ワイヤ長がほぼ同じ長さになるようにしているので、変調光波形の劣化を抑圧でき、この結果、高消光比の実現する良好な変調光波形を出力する光モジュールを得ることができるという効果を奏する。
【0094】
つぎの発明によれば、被変調光であるレーザ光を発振出力する半導体レーザ素子と半導体光変調器素子とを集積化するようにしているので、結合光学系の部品数や、組立工程数を削減することができ、安価で小型、高光出力、かつ高消光比を実現し、良好な変調光波形を出力することができる光モジュールを得ることができるとともに、当該光モジュールを光通信システムにおける光送信器内の一部品として用いる場合には、光送信器の部品点数を削減することができ、小型で安価、かつ高消光比をもつ良好な変調光波形を出力する光送信器を得ることができるという効果を奏する。
【0095】
つぎの発明によれば、複数の半導体光変調器素子をモノリシックに集積化し、結合光学系の部品数や組立工程数を削減するとともに、入射されるレーザ光をほぼ無損失で伝搬できるようにしているので、結合光学系の部品数や組立工程数を削減するとともに、入射されるレーザ光をほぼ無損失で伝搬できるようにしているので、安価で小型、高光出力、かつ高消光比をもつ良好な変調光波形を出力することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である光モジュールの構成を示す図である。
【図2】 光モジュールを駆動する差動信号の電圧波形と電界吸収型の半導体光変調器素子に印加される電圧波形との関係を示した波形図である。
【図3】 図1に示した電界吸収型の半導体光変調器素子の消光特性を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2である光モジュールの構成を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態3である光モジュールの構成を示す図である。
【図6】 伝送線路基板上の伝送線路に、差動信号の振幅と等しいバイアス電圧を印加した場合における差動信号のDCバイアス印加前後の電圧波形と、電界吸収型の半導体光変調器素子に印加される電圧波形との関係を示した図である。
【図7】 この発明の実施の形態4である光モジュールの構成を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態5である光モジュールの構成を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態6である光モジュールの構成を示す図である。
【図10】 図9に示した光モジュールの要部断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態7である光モジュールの構成を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態8である光モジュールの構成を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態9である光モジュールの構成を示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態10である光モジュールの構成を示す図である。
【図15】 従来の光モジュールの構成を示す図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c 半導体光変調器素子、1d 光変調器集積化半導体レーザ素子、2 伝送線路基板、2a,2b,13a,13b 伝送線路、3 終端抵抗基板、3a 抵抗体、3b スルーホール、3c,13c グランドパッド、4a 入力用結合光学系、4b 出力用結合光学系、5,15a〜15c ワイヤ、6a,6b,6aa,6ab,6ba,6bb 電極、7 光モジュール、8 差動信号駆動回路、9 バイアス回路、10 バンプ、11 終端抵抗付伝送線路基板、12 変換回路。

Claims (14)

  1. 電界吸収型の半導体光変調器素子と、入力された変調信号である電気信号を前記半導体光変調器素子に給電する伝送路基板と、前記電気信号の給電に伴うインピーダンス整合を行う終端抵抗基板と、連続入力された被変調信号である光信号を前記半導体光変調器素子に光結合入力する入力側結合光学系と、前記半導体光変調器素子によって変調された光変調信号を光結合出力する出力側結合光学系と、を有した光モジュールにおいて、
    前記半導体光変調器素子に差動信号を印加するための伝送線路が第1の結合線路であり、かつ、該第1の結合線路の奇モードに対する特性インピーダンスが該半導体光変調器素子の内部インピーダンスに等しくなるように構成したことを特徴とする光モジュール。
  2. 前記半導体光変調器素子を構成する一方および他方の端子がそれぞれ接続される電極を同一基板上に形成したことを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
  3. 前記第1の結合線路を成す一対の伝送線路を、同一の前記伝送路基板上に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の光モジュール。
  4. 前記第1の結合線路が、高周波特性を有する結合線路であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光モジュール。
  5. 前記終端抵抗基板上には、前記半導体光変調器素子の一方および他方の端子に電気的に接続される一対の伝送線路が設けられ、該一対の伝送線路間には第1の抵抗体が接続されていることを特徴とする請求項4に記載の光モジュール。
  6. 前記差動信号を生成出力する駆動回路を当該光モジュール内に内蔵したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の光モジュール。
  7. 前記伝送線路基板上に、前記第1の結合線路にDCバイアスを供給するDCバイアス回路を設けたことを特徴とする請求項6に記載の光モジュール。
  8. 前記駆動回路内に、前記DCバイアス回路を設けたことを特徴とする請求項7に記載の光モジュール。
  9. 前記終端抵抗基板上に設けられる前記一対の伝送線路が第2の結合線路を成すとともに、
    前記終端抵抗基板上には、前記第1の抵抗体に接続されるグランドパッドと、該グランドパッドと該抵抗基板のグランド端との間に接続される第2の抵抗体と、が設けられ、
    前記第1の抵抗体の抵抗値が、前記第2の結合線路の奇モードの特性インピーダンスに対してインピーダンス整合がとれるように設定されているとともに、前記第2の抵抗体の抵抗値が、前記第2の結合線路の偶モードの特性インピーダンスに対してインピーダンス整合がとれるように設定されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載の光モジュール。
  10. 前記半導体光変調器素子は、前記伝送線路基板上および前記終端抵抗基板上にフリップチップ実装されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の光モジュール。
  11. 前記半導体光変調器素子は、
    一方の端子が前記第1の結合線路の一方側に電気的に接続されるとともに、他方の端子が前記第2の結合線路の一方側に電気的に接続される第1の半導体光変調器素子と、
    一方の端子が前記第1の結合線路の他方側に電気的に接続されるとともに、他方の端子が前記第2の結合線路の他方側に電気的に接続される第2の半導体光変調器素子と、
    からなることを特徴とする請求項9または10に記載の光モジュール。
  12. 前記伝送線路基板上に、前記差動信号を同相信号に変換する変換回路を設けたことを特徴とする請求項11に記載の光モジュール。
  13. 前記第1または第2の半導体光変調器素子が、被変調光であるレーザ光を発振出力する半導体レーザ素子であることを特徴とする請求項11または12のいずれか一つに記載の光モジュール。
  14. 前記第1、第2の半導体光変調器素子を同一基板上に集積化したことを特徴とする請求項11〜13のいずれか一つに記載の光モジュール。
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