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JP4015735B2 - 充填材エレメント - Google Patents

充填材エレメント Download PDF

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JP4015735B2
JP4015735B2 JP01408398A JP1408398A JP4015735B2 JP 4015735 B2 JP4015735 B2 JP 4015735B2 JP 01408398 A JP01408398 A JP 01408398A JP 1408398 A JP1408398 A JP 1408398A JP 4015735 B2 JP4015735 B2 JP 4015735B2
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満 石川
学 賀川
賢治郎 川鍋
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、吸収式冷凍機の精留装置や蒸留塔あるいは吸収塔などに使用される充填材エレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】
吸収冷凍サイクルを利用する吸収式冷凍機は、図14に一例を示すように、蒸発器1と吸収器2と凝縮器3と再生器4と精留装置5などを備えており、蒸発器1内で蒸発した冷媒の気化熱により冷却対象の温度を低下させるとともに、蒸発した冷媒蒸気を吸収器2中の吸収剤液に吸収させている。再生器4に貯留された吸収剤液は、加熱装置6によって加熱される。精留装置5は、その下部に位置する回収段5aと上部に位置する濃縮段5bとからなり、それぞれに充填材エレメント7が収容されている。充填材エレメント7は、例えば金属細線からなる金網を所望の密度となるようにロール状に巻回したものなどが使われている。
【0003】
この種の吸収式冷凍機においては再生器4内にて吸収剤液が加熱され、吸収剤液中の冷媒成分が蒸発して回収段5aと濃縮段5bを経て凝縮器3へと向かう。一方、吸収器2内の吸収剤液(冷媒を吸収して濃度が低下した吸収剤)が回収段5aの充填材エレメント7の上方から供給される。この液は充填材エレメント7を流下しつつ、再生器4から上昇してくる冷媒蒸気と接触することにより、吸収剤液中の冷媒成分が分離する。また、蒸発器1中の冷媒液(微量の吸収剤が混入した冷媒)が濃縮段5bの充填材エレメント7の上方から供給される。この液は濃縮段5bの充填材エレメント7を流下しつつ、回収段5aを通過してきた冷媒蒸気と接触することにより、冷媒蒸気の純度が高まる。
【0004】
このように、充填材エレメント7の内部を流下する液と、再生器4から上昇する蒸気とを接触させる場合、矢印Aで示すように蒸気の上昇速度が精留装置5の内面壁に近い部位と精留装置5の中央寄り部位とで異なることにより、液の流れが矢印Bで示すように壁面側に偏ったものとなり、精留装置5内での気液の流れと保液性が悪化し、気液接触が効果的に行われないことがある。このような問題を解決するには、充填材エレメント7の形状を工夫することにより、気液接触を効果的に行うことが有効である。
【0005】
すなわち、精留装置5内の気液の流れおよび保液性を制御することにより、精留性能を向上させることが可能であり、そのための手段として、充填材エレメント7の形状を単なる円柱状ではなく、例えば底面を円錐状にしたり、充填材エレメント7の各部分に適度な密度差を設けるなどの対策により、気液の流れと保液性を改善することが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の充填材エレメントのように、金網を単に巻回しただけのものでは、所望形状に充填材エレメントを成形したり、密度差をもたせることが困難であった。また、特公昭57−57165号公報などに記載されている従来の充填材エレメントは、その両端面の凹凸が大きかったり、エレメント外周面の形状精度が悪いため、複数の充填材エレメントを積層する場合に、エレメントどうしの接触面が著しく不連続になったり、精留装置のハウジング(精留塔)の内面に対する接触状態のばらつきが大きいなどの問題を生じる。また、金網を単に巻回しただけの充填材エレメント(特公昭57−57165号公報等)は、巻きがほどけるのを防ぐために金網の外端を細線によって結束しなければならず、その結束作業に手間がかかるという問題もあった。
【0007】
従って本発明の目的は、所望形状に正確に成形できかつ必要に応じた密度差をもたせることも可能であり、結束を省略することもできるような充填材エレメントを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を果たすための本発明の充填材エレメントは、請求項1に記載したように、液を吸収しない材質からなる繊維あるいは金属細線の編織物で波付けされたものを巻くか折り重ねかつ圧縮成形によって外周部の密度に比較して中央部の密度が小さくかつ下面中央部が下に突き出る形状に成形したことを特徴とするものである。この充填材エレメントの下面は、円錐状あるいは円錐台もしくは半球状などのように、下面中央部が下に突き出た形状となっている。波付け加工された上記編織物を圧縮成形によってこのような底面形状を成形した場合、この充填材エレメントは、中央部分に比較して外周部の圧縮量が大きくなり、従って外周部の密度に比較して中央部の密度が相対的に小さくなる。
【0009】
この明細書で編織物とは、1本あるいは複数本の編織要素(前記繊維あるいは金属細線)を編み機によって編んだもの(編成物)をはじめとして、縦糸と横糸に相当する編織要素を織った織成物、あるいは網や組物(平打組物,丸打組物)なども含まれる。
【0010】
本発明では好ましい形態として、請求項2に記載したように、液を吸収しない材質からなる繊維あるいは金属細線の編織物で波付けされたものを巻くか折り重ねかつ圧縮成形によって外周部の密度に比較して中央部の密度が小さくかつ下面中央部が下に突き出る形状でかつ上面が平坦な形状に成形した第1の充填材エレメントと、上記波付けされた編織物を圧縮成形によって外周部の密度に比較して中央部の密度が小さくかつ下面が平坦な形状に成形した第2の充填材エレメントとを含み、この第2の充填材エレメントの下面を上記第1の充填材エレメントの上面に重ねた複合充填材エレメントも提供する。
【0011】
このように複数の充填材エレメントを重ねて使用する場合、波付け加工されかつ圧縮成形された各エレメントどうしの対向面(接触面)の平坦度が良好であるため、エレメントどうしの密着度が高まる。
【0012】
本発明では好ましい形態として、請求項3に記載したように、液を吸収しない材質からなる繊維あるいは金属細線の編織物で波付けされたものを巻くか折り重ねかつ圧縮成形によって外周部の密度に比較して中央部の密度が小さくかつ下面中央部が下に突き出る形状に成形した第1の充填材エレメントと、上記波付けされた編織物を所定形状に圧縮成形し外周部の密度に比較して中央部の密度が小さい第2の充填材エレメントとを含み、上記第1の充填材エレメントの上面側に上記第2の充填材エレメントを重ね、かつ、圧縮成形によってこれら充填材エレメントを一体化させた充填材エレメントを一体化させた複合充填材エレメントも提供する。
【0013】
こうして圧縮成形により一体化された複合充填材エレメントは、これを構成する各エレメントの密度や形状等に応じて所望の密度分布が得られるとともに、所望の大きさあるいは形状のものが容易に得られる。
【0014】
製造方法の一例は、液を吸収しない材質からなる繊維あるいは金属細線の編織物に波付け加工を行ったのち、この編織物を巻くかまたは折り重ね、そののち金型によって圧縮成形することにより、下面中央部が下に突き出る形状に成形することを特徴とする。この製造方法により、所望形状と所望密度の充填材エレメントが得られ、しかも外面の凹凸が少なく、形状精度や寸法精度の高い充填材エレメントが得られる。この製造方法によれば、所望形状と所望密度の充填材エレメントが得られ、かつ、外面の凹凸が少なく、形状精度や寸法精度の高いものが得られる。
【0015】
製造方法の他の例は、液を吸収しない材質からなる繊維あるいは金属細線の帯状の編織物に、その長手方向に対し斜め方向に波山を成形する波付け加工を行い、さらにこの編織物を折り重ねることによって互いに重なり合うものどうしで波山の方向を交互に逆にしたのち、この編織物を金型に入れて圧縮成形することにより、下面中央部が下に突き出る形状に成形することも含む。こうすることにより、互いに重なり合う編織物どうしで波山の方向を変えることができる。この製造方法によれば、互いに重なり合う編織物どうしで波付け方向がX状に交差するようになるため、波付けされた編織物を丸めたり、折り重ねることを具合良く行うことができ、これを圧縮成形して得る充填材エレメントは金属細線等の密度分布が良好である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態について、図1から図4を参照して説明する。
図1に示す充填材エレメント10は、液を吸収しない材料の一例としての金属細線(例えば線径が数百μm前後のステンレス鋼線)11からなる編織物12を圧縮成形によっておおむね円柱状に成形し、かつ、下面中央部が周辺部よりも下方に突き出るように、下に凸の円錐状底部13を形成したものである。
【0017】
具体的には、図2(A)に示すように、上記金属細線11を例えば袋編みすることにより、筒状の編織物12aを得る。金属細線11は1本でもよいし複数本であってもかまわない。この編織物12aは、例えば編機によって図4に示すように編成されている。ただし、場合によっては織物のように、縦糸と横糸に相当する2本以上の編織要素(金属細線あるいは繊維)を織成したものでもよいし、あるいは網または組物などであってもよい。
【0018】
上記編織物12を、図2(B)に示すように板状に潰すことによって、帯状編織物12bを得る。そののちこの帯状編織物12bを、はすば歯車に似た形状の一対の波付けロールの間を通すことによって、波付け加工を行う。すなわち図2(C)に示すように、帯状編織物12bの長手方向に対し、斜め方向(例えばθ=45°)に延びる互いに平行な多数の波山15を形成する。そしてこの波付けされた編織物12bを所定長さに切断後、図2(D)に示すようにロール状に巻くことにより、おおむね円柱状にまとめた半成品12cを得る。
【0019】
そしてこの柱状の半成品12cを、図3に一例を示すような金型20のキャビティ20aに収容し、金型20bによって加圧するなどして圧縮成形を行うことにより、所定密度の前記充填材エレメント10を得るとともに、その下面に円錐状底部13を形成する。この充填材エレメント10の圧縮方向は問わないが、例えばエレメント10の主に軸線方向(図3において上下方向)および径方向に圧縮するなどして、所定の密度にする。
【0020】
図2(B)に示すように長手方向に一定幅の帯状編織物(編物あるいは織物)12bをロール状に巻いて圧縮成形することにより、円錐状底部13を有する充填材エレメント10を製造した場合、この充填材エレメント10は中心部に比較して周辺部の圧縮度が高くなる。つまりこの充填材エレメント10の密度は、中心部に近付くほど小さくなる。この場合、次の効果(1),(2) を奏することができる。
【0021】
(1) 充填材エレメント10の下方から流れてくる蒸気は充填材エレメント10の中心部ほどその流量が大きいが、この充填材エレメント10は中心部ほど低密度であるため、圧力損失の面で有利である。
(2) 充填材エレメント10の周辺部に対して中心部の密度が小さいと、中心部における気液接触が不十分になることが懸念されるが、この実施形態の充填材エレメント10の場合、液は充填材エレメント10の下面の円錐形状効果により、中心部に寄りながら流下するため気液接触が不十分になることが回避される。
【0022】
上記充填材エレメント10は、図5に一例を示す吸収式冷凍機に使用される。図5に示す吸収式冷凍機は、蒸発器1と吸収器2と凝縮器3と再生器4と精留装置5などを備えている。精留装置5は回収段5aと濃縮段5bとからなり、それぞれに充填材エレメント10が収容される。
【0023】
冷媒は蒸発器1内で蒸発し、冷媒の気化熱により冷却対象の温度を低下させるとともに、蒸発した冷媒蒸気は吸収器2中の吸収剤液に吸収される。再生器4に貯留された吸収剤液は、加熱装置6によって加熱される。
【0024】
再生器4内にて吸収剤液が加熱され、吸収剤液中の冷媒成分が蒸発して回収段5aと濃縮段5bを経て凝縮器3へと向かう。一方、吸収器2内の吸収剤液(冷媒を吸収して濃度が低下した吸収剤)が回収段5aの充填材エレメント10の上方から供給される。この液は充填材エレメント10を流下しつつ、再生器4から上昇してくる冷媒蒸気と接触することによって、吸収剤液中の冷媒成分が分離する。
【0025】
また、蒸発器1中の冷媒液(微量の吸収剤が混入した冷媒)が濃縮段5bの充填材エレメント10の上方から供給される。この液は濃縮段5bの充填材エレメント10を流下しつつ、回収段5aを通過してきた冷媒蒸気と接触することにより、冷媒蒸気の純度が高まる。
【0026】
この実施形態の充填材エレメント10は、円錐状底部13を有しているから、充填材エレメント10の上方から流下する液は矢印B1 で示すように下面中央部に向って流れる。このため壁流を防止でき、充填材エレメント10の中央部に十分な量の液が存在することになるから、この液を、再生器4から上昇してくる蒸気(矢印A1 方向の流れ)に接触させる場合、最も流量の大きい中心部の蒸気が確実に液と接触することができる。
【0027】
このため、精留装置5の内面壁に近い部位と精留装置5の中央寄り部位とで蒸気の上昇速度差を小さくすることができ、精留装置5内での気液の流れと保液性が改善される。このため気液接触が効果的に行われる。
【0028】
この充填材エレメント10は下面が円錐形状のため、エレメント10の下方から上昇してくる蒸気は円錐面に沿って精留装置5の壁方向(エレメント10の外周方向)へも流れる。このためこのエレメント10を通る蒸気は中心部に偏ることがなく、外周部へも十分にゆきわたることになり、従ってエレメント10全体を無駄なく機能させることができる。
【0029】
このように下面に円錐状底部13を有する充填材エレメント10であれば、その上方から流下する液は、エレメント下面の円錐先端部から確実に落下する。このため必要以上に液が充填材エレメント10の内部に滞留することがなくなり、フラッディングポイント(液の滞留の程度)を下げることができる。
【0030】
蒸気と液との接触を十分に行わせるためには、充填材エレメント10を高密度にした方が保液量が多くなるので有効であるが、その反面、フラッディングポイントが上昇する。円錐状底部13を有する充填材エレメント10であれば、液は円錐先端部より確実に落下するため保液量を下げることができ、高密度な充填材エレメント10でもフラッディング(flooding)を発生しにくくできる。従って高い精留性能を得ることができる。しかも充填材エレメント10の体積を小さくすることができるため、精留装置5を小形化することが可能である。
【0031】
これに対し、図14に示す従来の単純な円柱状の充填材エレメント7では、その上方から散布される液は精留装置5の内壁を通って流下するいわゆる壁流を生じ、液は充填材エレメント7の外周部に集中してしまう。充填材エレメント7の下方から流れる蒸気の流量は、充填材エレメント7の中心部ほど大きいが、上記の壁流のために中心部の液の存在量が不足し、気液接触が不十分になるという問題がある。
【0032】
なお図6に示すように、波付けされた帯状編織物12bを、つづら折りに重ねることによって角柱状の半成品12dを得たのち、前記金型20に入れて圧縮成形してもよい。
【0033】
また図7に示すように、帯状編織物12bの長手方向に対し約45°の角度θで波付けしたものを、編織物12bの長手方向に沿う中心線xを境に二つ折りしたのち、図2(D)に示すように巻くか、あるいはつづら折りに重ねることにより、金型20に入れて圧縮成形してもよい。
【0034】
また図8に示すように、帯状編織物12bの長手方向に対し約45°の角度θで波付けしたものを、編織物12bの長手方向中間部Yを境に二つ折りしたのちに、図2(D)に示すようにロール状に巻回し、金型20に入れて圧縮成形してもよい。
【0035】
このように斜めに波付けされた編織物12bを折り重ねると、重なり合うものどうしで波山15の方向が交互に逆になり、波山15どうしがX状に交差するようになるため、波山15が特定の方向性をもってしまったり、波山15どうしが重なり合って金属細線11が不特定の箇所で局部的に密集してしまうことを回避できる。このため波付けされた編織物12bを具合良く束ねることができるとともに、金属細線11の分布のばらつきをなくすことができる。
【0036】
図5あるいは図9に示されるように、錐状底部13を有する第1の充填材エレメント10の上に、圧縮成形された円柱状の第2あるいは第3の充填材エレメント10a,10bを重ねることにより、複合充填材エレメント30を構成してもよい。圧縮成形されたこれらの充填材エレメント10,10a,10bは、互いの対向面(上端面あるいは下端面)の平坦度が高く凹凸が少ないため、エレメント10,10a,10bどうしの境界面に不連続な箇所が生じることがなく、互いの接触部の密着性を良好なものにすることができる。このため、充填材エレメントとしての機能を効率良く発揮できるとともに、エレメント全体の体積を小さくすることができ、精留装置の小形化が可能となる。
【0037】
図10に示す実施形態の充填材エレメント10cは、その下部に、断面円弧状あるいは半球状の曲面底部40を有している。この充填材エレメント10cも、圧縮成形によって成形することができ、前記エレメント10と同様の効果を得ることができる。
【0038】
図11に示す実施形態の充填材エレメント10dは、その下部に下に凸の円錐台状の底部41を有している。このような形状の充填材エレメント10dを採用した場合、前記エレメント10,10cの効果に加え、さらに次の効果(3),(4) が得られる。
(3) 円錐台状の底部41を設けたことにより液が落下しにくくなるため、保液量を高めることができる。この場合、フラッディングポイントは上昇するが、許容範囲内であれば精留性能を向上させることができる。
(4) 円錐台状の底部41の平坦な端面41aを含む領域は圧縮量が小さく、従って低密度部を広くとることになるから、圧力損失の点で有利である。
【0039】
図12に示す実施形態は互いに密度が異なる2種類の充填材エレメント10,10eを組合わせたものである。一方の充填材エレメント10は、図1に示すものと同様に圧縮成形され、錐状底部13を有している。圧縮成形された他方の充填材エレメント10eには上記充填材エレメント10を収容する凹部50が形成されている。この場合、一方の充填材エレメント10を他方の充填材エレメント10eの凹部50に入れて一体化したのち、必要に応じてさらに圧縮成形してもよい。
【0040】
図13(A)に示す実施形態は、皿状に圧縮成形された高密度の充填材エレメント10fの上に、圧縮成形された低密度の充填材エレメント10gを重ね、必要に応じてさらに圧縮成形することにより、2種類のエレメント10f,10gからなる錐状底部13を有する複合充填材エレメントを構成したものである。
【0041】
図13(B)に示す実施形態は、中央部の厚みが周辺部よりも薄くなるように圧縮成形された高密度の充填材エレメント10fの上に、圧縮成形された低密度の充填材エレメント10gを重ね、必要に応じてさらに圧縮成形することによって、複合充填材エレメントを構成している。
【0042】
図13(C)に示す実施形態は、中央部の厚みが周辺部よりも薄くなるように断面円弧状に圧縮成形された高密度の充填材エレメント10fの上に、圧縮成形された低密度の充填材エレメント10gを重ね、必要に応じてさらに圧縮成形することにより、複合充填材エレメントを構成している。
【0043】
これら図13(A)(B)(C)に示す複合充填材エレメントのように、密度および線径など仕様の異なる複数種類の材料からなる複数個の充填材エレメント10f,10gを一体化させた場合、前述した効果に加え、さらに次の効果(5),(6) が得られる。
【0044】
(5) 低密度の充填材エレメント10gに高密度の充填材エレメント10fを付加することにより、保液量を高めることができ、精留性能を向上させることができる。保液量増加分は、高密度エレメント10fのみによる増加分と、高密度エレメント10fの付加に伴う蓋効果による低密度エレメント10gの内部の保液量増加による。
【0045】
(6) 充填材エレメント10gの中心部ほど液が多量に存在することになるが、高密度エレメント10fの形状を図13(B)あるいは図13(C)のように周辺部の厚みが大となるように成形すれば、周辺部の保液量を上昇させることができる。すなわち高密度エレメント10fの形状に応じて、径方向の保液量分布を制御することが可能である。
【0046】
【発明の効果】
請求項1に記載した本発明によれば、金属細線等の編織物からなる充填材エレメントを所望形状に正確に成形でき、かつ、所望の密度差をもたせることも可能である。また波付け加工と圧縮成形によって金属細線等の端末が絡み付くため、編織物の端末をわざわざ細線等によって結束する手間を省くことができる。そして本発明の充填材エレメントは金属細線の1本編みでも優れた精留性能を発揮できる。本発明の充填材エレメントは、外周部の密度に比較して中央部の密度が小さい。つまりこの充填材エレメントは中心部に比較して周辺部の圧縮度が高くなり、充填材エレメントの下方から流れてくる蒸気は充填材エレメントの中心部ほどその流量が大きいが、この充填材エレメントは中心部ほど低密度であるため、圧力損失の面で有利である。充填材エレメントの周辺部に対して中心部の密度が小さいと、中心部における気液接触が不十分になることが懸念されるが、この充填材エレメントの場合、液は充填材エレメントの下面の形状効果により、中心部に寄りながら流下するため気液接触が不十分になることが回避される。
【0047】
請求項2に記載した発明によれば、波付け加工されかつ圧縮成形された各エレメントどうしの対向面(接触面)の平坦度が良好であるため、複数の充填材エレメントを重ねて使用する場合に、エレメントどうしの密着度が高まる。
【0048】
請求項3に記載した発明の複合充填材エレメントは、これを構成する各エレメントの密度や形状等に応じて所望の密度分布が得られるとともに、所望の大きさあるいは形状のものが容易に得られる。そしてこれら複数の充填材エレメントがさらに圧縮成形されて一体化するため、細線等によって両者を結束するなどの手間のかかる作業を省略することができる。
【0049】
請求項4に記載した複合充填材エレメントは、低密度の充填材エレメントに高密度の充填材エレメントを付加したことにより、保液量を高めることができ、精留性能を向上させることができる。
【0050】
請求項5に記載した複合充填材エレメントは、周辺部の厚みが大となるように成形されていることにより、周辺部の保液量を上昇させることができる。すなわち高密度エレメントの形状に応じて、径方向の保液量分布を制御することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す充填材エレメントの斜視図。
【図2】 図1に示された充填材エレメントに用いる編織物を製造工程順に示す斜視図。
【図3】 図1に示された充填材エレメントの製造に使用する圧縮成形用金型の断面図。
【図4】 図1に示された充填材エレメントに用いる編織物の一部を拡大して示す斜視図。
【図5】 図1に示された充填材エレメントを用いる吸収式冷凍機の構成の概略を示す断面図。
【図6】 上記充填材エレメントに用いる編織物をつづら折りに重ねた状態を示す斜視図。
【図7】 上記充填材エレメントに用いる編織物を長手方向に沿う中心線を境に二つ折りにした状態を示す斜視図。
【図8】 上記充填材エレメントに用いる編織物を長手方向中間部を境に二つ折りにした状態を示す斜視図。
【図9】 複合充填材エレメントの側面図。
【図10】 充填材エレメントの変形例を示す側面図。
【図11】 充填材エレメントの他の変形例を示す側面図。
【図12】 複合充填材エレメントの変形例を示す断面図。
【図13】 複合充填材エレメントのさらに別の変形例を示す断面図。
【図14】 従来の充填材エレメントを用いる吸収式冷凍機の構成の概略を示す断面図。
【符号の説明】
10,10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g…充填材エレメント
11…金属細線
12…編織物
13…錐状底部
15…波山
20…金型
30…複合充填材エレメント

Claims (3)

  1. 液を吸収しない材質からなる繊維あるいは金属細線の編織物で波付けされたものを巻くか折り重ねかつ圧縮成形によって外周部の密度に比較して中央部の密度が小さくかつ下面中央部が下に突き出る形状に成形したことを特徴とする充填材エレメント。
  2. 液を吸収しない材質からなる繊維あるいは金属細線の編織物で波付けされたものを巻くか折り重ねかつ圧縮成形によって外周部の密度に比較して中央部の密度が小さくかつ下面中央部が下に突き出る形状で上面が平坦な形状に成形した第1の充填材エレメントと、上記波付けされた編織物を圧縮成形によって外周部の密度に比較して中央部の密度が小さくかつ下面が平坦な形状に成形した第2の充填材エレメントを含み、この第2の充填材エレメントの下面を上記第1の充填材エレメントの上面に重ねたことを特徴とする複合充填材エレメント。
  3. 液を吸収しない材質からなる繊維あるいは金属細線の編織物で波付けされたものを巻くか折り重ねかつ圧縮成形によって外周部の密度に比較して中央部の密度が小さくかつ下面中央部が下に突き出る形状に成形した第1の充填材エレメントと、上記波付けされた編織物を所定形状に圧縮成形し外周部の密度に比較して中央部の密度が小さい第2の充填材エレメントとを含み、上記第1の充填材エレメントの上面側に上記第2の充填材エレメントを重ね、かつ、圧縮成形によってこれら充填材エレメントを一体化させたことを特徴とする複合充填材エレメント。
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