JP4011117B2 - 香料 - Google Patents
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Description
本発明は乳または乳製品をリパーゼおよびエステル合成酵素等で処理して得られるフルーツの香りの強い香料の製法および当該香料の食品、特に加工食品への利用に関する。
背景技術
乳または乳製品に由来する香料の製造方法として、動物の咽頭由来の酵素で生クリームまたは乳を処理する方法(USP 3,469,993、USP 3,650,768)、微生物に由来するリパーゼで乳またはクリームを処理する方法(特公昭45−3187号)、バターを加水分解した後、アルコールの存在下で微生物由来のリパーゼで処理する方法〔日本食品工業学会誌30巻、572頁(1983)〕、植物性油脂を加水分解した後、アルコールの存在下で微生物由来のリパーゼで処理する方法(特公昭56−50554号)、バターオイルにアルコールの非存在下で動物由来のエステラーゼで処理した後にリパーゼで処理する方法(特開昭59−66856号)などが知られている。これらの方法で得られる乳または乳製品に由来する香料は、バターフレーバーまたはチーズフレーバーであって、果実の香の豊かなフレーバーではない。
バター脂肪のエタノールの存在下で微生物由来のリパーゼを作用させると高級脂肪酸のエチルエステルが多量に生成する〔日本食品工業学会誌30巻、572頁(1983)〕が、高級脂肪酸アルキルエステル含量が多いと、香料はワックス臭やロウのような味を呈するようになる。
一方、飲食品に動物の肝臓または腎臓由来のエステル合成能の高い酵素を作用させて、飲食品に果実の風味をつける方法が知られている(WO93/09681)が、乳または乳製品に動物の肝臓または腎臓由来のエステラーゼを単独で作用させても青臭みがしフルーツフレーバーが得られない。
発明の開示
本発明によれば、乳または乳製品をリパーゼで処理し、およびアルコールの存在下に、有機酸とアルコールを基質としてエステルを生成する活性を有する動物由来の酵素(以下エステル合成酵素またはエステラーゼという)で処理することによりフルーツの香の豊かな香料を製造することができる。
エステル合成酵素の酵素活性として、0.5%エタノールと2.6%酪酸とを基質として酵素反応させたときの酪酸エチルのエステル合成活性が0.1(単位/mg蛋白質)以上である酵素を用いることによって、より豊かな香の香料がえられる。酵素処理はリパーゼ処理次いでエステル合成酵素処理を行うか、両者で同時処理を行うことができる。
前記香料を製造する工程のいずれかの時期に乳酸菌を用いて発酵させる工程を加えることによって香料の風味を増すことができる。
上記の方法によって得られる香料は乳脂肪および多量の脂肪酸アルキルエステル、特に多量の低級脂肪酸アルキルエステルを含有する風味豊かな香料で、食品加工に有用である。
本発明方法によって得られる香料で、香料1gに対して脂肪酸アルキルエステルの総量が20μmol以上、好ましくは27μmol以上含有し、総脂肪酸アルキルエステル中、80%以上、好ましくは90%以上が低級脂肪酸アルキルエステルである香料は特に香豊かな香料である。
さらに、低級脂肪酸アルキルエステルの組成濃度比が酪酸エチルエステル35〜50%、好ましくは38〜46%、カプロン酸エチルエステル15〜30%、好ましくは20〜27%、カプリル酸エチルエステル5〜10%、好ましくは6〜9%、カプリン酸エチルエステル15〜30%、好ましくは20〜26%であり、組成重量比が酪酸エチルエステル20〜40の重量部、好ましくは25〜35重量部、カプロン酸エチルエステル15〜30重量部、好ましくは20〜25重量部、カプリル酸エチルエステル3〜15重量部、好ましくは5〜10重量部、カプリン酸エチルエステル20〜40重量部、好ましくは25〜35重量部である香料は特に香が豊かである。
酵素反応によって得られる香料の分析から、乳脂肪と脂肪酸アルキルエステルの混合物について検討の結果、かかる香料は酵素反応を利用せずに、各成分を混合することによっても得ることができるが、酵素反応を利用して得られる香料の方が風味豊かで、好適に利用される。
かかる混合物を製造するに際して、脂肪酸アルキルエステルの脂肪酸部分としては、乳脂肪を構成する脂肪酸であれば、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸のいずれも用いうる。
本発明において、脂肪酸のうち、低級脂肪酸は炭素数が1〜10のものを、高級脂肪酸は炭素数が11〜32のものをそれぞれ表す。
乳脂肪を構成する低級脂肪酸としては、例えば、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸などがあげられる。
乳脂肪を構成する高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸などがあげられる。
脂肪酸アルキルエステルのアルキル部分としては、直鎖または分岐状の炭素数1〜6のアルキル、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシルなどがあげられる。
本発明で用いられる乳または乳製品の原料乳としては、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ラクダ、トナカイ、ヤク、ウマ、ロバなどから選ばれる動物から搾乳された乳があげられる。
乳製品とは乳を加工して得られる製品を意味し、例えば、クリーム、バター、バターオイル、チーズ、濃縮ホエイ、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無脂練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、加糖粉乳、加糖脱脂粉乳、調整粉乳、ヨーグルト(発酵乳)、乳酸菌飲料および乳飲料などが単独あるいは混合して用いられる。粉乳等の固体成分は乳あるいは水等の溶媒に溶解、あるいは分散させて用いることができる。
酵素反応において、通常乳脂肪は3〜55%、好ましくは18〜45%で用いられる。
一般的な乳または乳製品の成分としては、例えば、生乳は各々約3%の脂肪と蛋白質、約5%の糖分、88%の水分から構成され、チーズは27〜34%の脂肪、25〜31%の蛋白質、33〜40%の水分から構成され、バターは81〜84%の脂肪、16%の水分から構成される。これらの乳製品のその他の成分およびその他の乳または乳製品の主要成分も広く知られている(食品加工用天然物便覧」外山章夫編、昭和51年食品と科学社刊等)。
乳または乳製品は、乳脂肪の通常の測定方法、たとえばレーゼ・ゴットリーブ法〔Official Methods of Analysis of the AOAC.13th ed.245(1980)〕などの方法によって測定できる。
好ましい原料として、乳、クリーム、全脂無糖ヨーグルト、アイスクリーム、アイスミルク、全粉乳、調整粉乳、チーズなどが例示され、クリームが最も好ましい。
クリームとしては、原料乳を遠心分離で脱脂乳と分離して調製される生クリーム、生クリームに脱脂乳などを加え、乳脂肪の含量を調節して調製される生クリーム、生クリームに含まれる乳脂肪の一部を乳脂肪以外の動物油や植物油で置換し、乳化剤や安定剤を加えて調製されたコンパウンドクリーム、および生クリームに必要に応じて無脂乳固形分、レンネットまたはゼラチンを加えたものを乳酸発酵させて得られる発酵クリーム(サワークリーム)などがあげられる。
リパーゼとしては、トリアシルグリセロールハイドロラーゼ(E.C.3.1.1.3)活性を有するものであれば、精製酵素、粗酵素、微生物の培養物、菌体もしくは菌体処理物、または動植物の細胞、組織もしくはそれらの処理物などの当該酵素含有物のいずれも用いうる。
処理物の処理手段としては、乾燥、凍結乾燥、界面活性剤処理、酵素処理、超音波、機械的摩擦、タンパク質画分等の処理が例示される。
リパーゼとしては、種々の微生物起源の酵素標品が市販されていて、これらを用いることができる。
酵素標品(商品名および微生物)の例としては、例えば、リパーゼM〔商品名:天野製薬社製、ムコール・ジャバニカス(Mucor javanicus)〕、Palatase M〔商品名:ノボ・ノボルディスク社製、ムコール・ミーハエ(Mucor miehei)〕、リパーゼF〔商品名:天野製薬社製、リゾプス・スピーシーズ(Rhizopus sp.)〕タリパーゼ〔商品名:田辺製薬社製、リゾプス・デラマー(Rhizopus delemar)〕、ニューラーゼF〔商品名:天野製薬社製、リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)〕、リパーゼMY〔商品名:名糖産業社製、キャンディダ・シリンドラッセ(Candida cylindracea)〕、リパーゼA〔商品名:天野製薬社製、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)〕、リパーゼAu〔商品名:新日本化学社製、アースロバクター・ウレアファシエンス(Arthrobacter ureafaciens)〕、リパーゼP〔商品名:、天野製薬社製、シュードモナス・スピーシーズ(Pseudomonas sp.)〕、リパーゼSP〔商品名:東洋醸造社製、クロモバクテリウム・ビスコーサム(Chromobacterium viscosum)〕等があげられる。
動物起源のリパーゼとして、例えばPANCREATICリパーゼ250(商品名:協和ソルザイム社製 豚膵臓由来)、リパーゼ400(商品名:協和ハイフーズ社製 羊および山羊咽頭由来)、リパーゼ600(商品名:協和ハイフーズ社製牛咽頭由来)などが酵素標品として市販されており、好適に用いられる。
リパーゼの使用量は、乳もしくは乳製品の種類、反応条件、または香料として期待される脂肪酸アルキルエステル含量などによるが、たとえば微生物由来のリパーゼは乳または乳製品1kg当たり1〜1000、好ましくは10〜500単位加えられ、動物の咽頭由来のリパーゼは乳または乳製品1kg当たり10〜10000、好ましくは100〜5000単位加えられる。
微生物由来のリパーゼの酵素活性単位は油化学36巻、821頁(1987)の方法に準じて酵素活性を測定した場合に、1分間に1μmolの脂肪酸を生成する酵素量を1単位として表す。
動物の咽頭由来のリパーゼ源の酵素活性は以下の方法で測定される。即ち、トリブチリンを25%含有する4%ポリビニルアルコール溶液(以下、トリブチリン乳化液という)1mlとマックルバイン(Mcllvain)緩衝液(pH5.5)2mlとを混合し、得られた溶液に酵素液を2ml添加して30℃で60分間反応させた後、エタノール・アセトン(1:1)溶液を5ml添加し反応を停止させる。反応終了後、反応液をフェノールフタレインを指示薬として0.05N水酸化ナトリウム水溶液で滴定して、酵素活性を算出する。この方法で酵素活性を測定した場合に、1分間に1μmolの酪酸を生成する酵素量を1単位として表す。
反応は、乳または乳製品にリパーゼを添加し、10〜45℃、好ましくは20〜40℃で、pH2〜8、好ましくはpH3〜7で、通常2〜120時間、好ましくは10〜72時間行われる。
反応終了後、得られたリパーゼ処理物を、そのままあるいは該処理物中に残存するリパーゼを加熱して失活させた後にアルコールの存在下で、エステル合成酵素で処理する。
アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコールなどのアルコール類、あるいはフーゼル油などが用いられるが、食品および酒類に通常用いられるエチルアルコールまたはフーゼル油が好適に用いられる。アルコールは反応液中、0.1〜20%、好ましくは1〜15%の濃度で用いられる。
エステル合成酵素としては、動物に由来し、有機酸およびアルコールの存在下にエステルを生成する活性を有する酵素であれば何れも用いうる。
有機酸とは脂肪酸等カルボン酸を持つ化合物があげられ、該カルボン酸とアルコールからエステルを生成する酵素であるから、エステラーゼ類(E.C.3.1)を用いることが好ましい。
特に、エタノール(0.5%)と酪酸(2.6%)とを基質として反応させたときに0.1単位/mg蛋白以上の酪酸エチルを生成する能力を有する酵素がとりわけ好ましく、例えばWO93/09681に記載されている酵素が好適に用いられる。
酵素としては、精製酵素、粗酵素、細胞、組織もしくはそれらの処理物などいずれも用いうる。処理物における処理手段としては、乾燥、凍結乾燥、界面活性剤処理、酵素処理、超音波、機械的摩擦、タンパク質画分等があげられる。
具体的にエステル合成酵素としては、ウシ、ブタ、ウマまたはヤギなどの動物の肝臓、腎臓または心臓などの臓器に由来するエステラーゼ、好ましくはカルボキシエステラーゼ(E.C.3.1.1.1)があげられる。
動物の臓器からエステラーゼを調製する方法は、臓器の種類または目的とする酵素の精製度などによって異なるが、たとえば肝臓からの粗酵素液の調製は以下の方法で行われる。
即ち、肝臓をミンチした後、蔗糖を含む緩衝液(pH6〜7)を加え破砕し、遠心分離する。得られた上清液を酢酸、塩酸などの酸でpHを4.5〜5.5に調整した後、遠心分離して沈澱物を得る。この沈澱物をアセトンなどの有機溶媒にて脱脂後、緩衝液(pH6〜7)に縣濁する。この懸濁液に70%飽和になるように硫酸アンモニウムを添加し、遠心分離する。得られた沈澱物を3.2M硫酸アンモニウムに懸濁して、粗酵素液を得る。
エステル合成酵素は、その種類、乳もしくは乳製品の種類、反応条件、または香料として期待される脂肪酸アルキルエステル含量などによって異なるが、通常、乳または乳製品1kg当り0.0001〜10、好ましくは0.1〜50、とりわけ好ましくは1〜10単位用いられる。
エステル合成酵素の酵素活性は、以下の方法で測定される。即ち、エタノール0.5%および酪酸2.6%を含有する0.1Mリン酸緩衝液(pH6)1.9mlに酵素液0.1mlを混合し、30℃で10分間反応させた後、アセトンを1.0ml添加して反応を停止させる。反応終了後、反応液に内部標準物質として50μMカプロン酸エチルを含有するエーテル溶液を2.0ml添加して混合した後、3000×gで10分間遠心分離する。遠心分離後、上層液中の酪酸エチルをガスクロマトグラフィーにより定量する。なお、同様の基質溶液1.9mlにアセトン1mlをあらかじめ加え、同様の酵素液0.1mlを反応液として処理し、以下同様に定量してブランク値とする。両値の差を反応液中に生成した酪酸エチルの量とし、酵素活性を算出する。上記の方法で酵素活性を測定した場合に、1分間に1μmolの酪酸エチルを生成する酵素量を1単位として表す。
反応は、乳または乳製品のリパーゼ処理物に、アルコールおよびエステル合成酵素を添加し、あるいは乳または乳製品にアルコール、リパーゼおよびエステル合成酵素を添加し、10〜60℃、好ましくは20〜50℃で、pH3〜8、好ましくはpH4〜7で、通常2〜120時間、好ましくは10〜72時間行われる。
反応終了後、乳または乳製品のリパーゼおよびエステル合成酵素処理物を、そのままあるいは該処理物中に残存するリパーゼおよびエステラーゼを加熱して失活させて香料として用いられる。
本発明の香料を製造する工程において、乳または乳製品、あるいはこれらのリパーゼ処理物またはエステラーゼ処理物を乳酸菌を用いて発酵させる工程を加えることができる。
乳酸菌としては、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、ロイコノストック(Leuconostoc)属またはビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物などがあげられが、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・ヘルベティクス(L. helveticus)、ラクトバチルス・ユーグルティ(L. jugurti)ラクトバチルス・アシドフィラス(L. acidophilus)などが好適に用いられる。
乳酸菌による発酵は、乳または乳製品、あるいはこれらのリパーゼ処理物またはエステラーゼ処理物に乳酸菌を湿菌体重量として通常0.01〜1%(w/w)添加し、10〜50℃、好ましくは20〜45℃で、2〜120時間、好ましくは10〜72時間反応を行わせる。
反応終了後、乳酸菌処理物はそのままあるいは該処理物中に残存する乳酸菌を加熱殺菌して香料の製造に用いられるか、あるいはそのまま香料として用いられる。
醗酵生産物はそのまま香料として用いてもよいし、フレーバー素材、調和剤、変調剤、補助剤および保留剤などを調合して用いてもよい。
フレーバー素材としては、精油、オレオレジン、回収フレーバー、天然物からの抽出物あるいは単離物などの天然香料素材、ならびにエステル、アルコール、アルデヒド、ケトンおよびラクトンなどの合成香料素材などがあげられる。
本発明の香料は、農産食品、発酵食品、畜産食品、水産食品などの食品を調製、加工または調理するときに添加して用いられる。
農産食品としては、食パン、菓子パンなどのパン類、うどん、中華麺、スパゲティーおよびマカロニなどのめん類、ビスケット、チョコレート、キャンデー、チューインガム、スナック菓子、洋生菓子、和菓子、ケーキミックス、氷菓などの菓子類、マーガリン、ショートニングおよびラードなどの植物等油脂食品類、ならびに豆腐、豆乳および脱脂大豆、粒状大豆蛋白質を含有する食品などの大豆タンパク食品などがあげられる。
発酵食品としては、リキュールなどの酒類、ソース、醤油、味噌、漬物などがあげられる。
畜産食品としては、乳製品、ハム、ソーセージ、ベーコンなどの肉製品、ならびにマヨネーズおよびドレッシングなどの卵製品などがあげられる。
水産食品としては、かまぼこ、ちくわおよび魚肉ソーセージなどの魚肉ねり製品などがあげられる。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例、比較例および参考例を示す。
実施例1
脂肪分35%の生クリーム100gにリパーゼパウダー600(商品名:協和ハイフーズ社製、牛咽頭由来のリパーゼ)を130単位加え、よく混合した後、混合物を38℃で72時間加水分解反応させた。得られた加水分解物を90℃で60分間加熱し、リパーゼを失活させた。得られた混合物にエタノール5mlと参考例1の豚肝臓由来のエステラーゼを0.7単位加え、よく撹拌混合した後40℃で72時間反応を行わせた。
反応終了後、80℃で30分間加熱してエステラーゼを失活させ、香料を得た。得られた香料について、15人の専門のパネラーによる官能検査が行われた。官能検査はチーズ香およびフルーツ香について行われ、それぞれ0点(香りなし)から5点(強い香り)の6段階で採点され、パネラーによる採点結果の平均値が算出された。
その結果、チーズ香およびフルーツ香は、それぞれ0点および4.8点であった。
実施例2
豚肝臓由来のエステラーゼの代わりに参考例2で得られた豚腎臓由来のエステラーゼを0.7単位用いる以外は、実施例1と同様の方法が繰り返され、香料を得た。得られた香料についての官能検査の結果、チーズ香およびフルーツ香は、それぞれ0点および4.8点であった。
実施例3
豚肝臓由来のエステラーゼの代わりに参考例3で得られた牛肝臓由来のエステラーゼを0.7単位用いる以外は、実施例1と同様の方法が繰り返され、香料を得た。得られた香料についての官能検査の結果、チーズ香およびフルーツ香は、それぞれ0点および4.5点であった。
実施例4
豚肝臓由来のエステラーゼの代わりに参考例4で得られた牛腎臓由来のエステラーゼを0.7単位用いる以外は、実施例1と同様の方法が繰り返され、香料を得た。得られた香料についての官能検査の結果、チーズ香およびフルーツ香は、それぞれ0点および4.4点であった。
実施例5
リパーゼパウダー600(商品名:牛咽頭由来のリパーゼ)の代わりにリパーゼMY(商品名:名糖産業社製、キャンデイダ・シリンドラッセ由来のリパーゼ)を10単位用いる以外は、実施例1と同様の方法が繰り返され、香料を得た。得られた香料についての官能検査の結果、チーズ香およびフルーツ香は、それぞれ0点および4.9点であった。
実施例6
リパーゼパウダー600(商品名:牛咽頭由来のリパーゼ)の代わりにPalatase M(商品名:ノボ・ノボルディスク社製、ムコール・ミーヘイ由来のリパーゼ)を10単位用いる以外は、実施例1と同様の方法が繰り返され香料を得た。
得られた香料についての官能検査の結果、チーズ香およびフルーツ香は、それぞれ0点および4.5点であった。
実施例7
エタノール5mlの代わりにフーゼル油5mlを加える以外は、実施例1と同様の方法が繰り返され、香料を得た。得られた香料についての官能検査の結果、チーズ香およびフルーツ香は、それぞれ0点および4.8点であった。
実施例8
脂肪分35%に調製した生クリーム100gにTR160(商品名:協和ハイフーズ社製、ラクトバチルス・ブルガリカスの凍結菌体)を0.1g加え、37℃で48時間培養した。得られた培養物にリパーゼパウダー600(商品名:牛咽頭由来のリパーゼ9)を130単位加えてよく混合し、38℃で72時間加水分解反応させた後、90℃で60分間加熱してリパーゼを失活させた。得られた加水分解物に、エタノール5mlと参考例1の豚肝臓由来のエステラーゼを0.7単位加えてよく撹拌した後、40℃で72時間反応指せた。反応終了後、80℃で30分間加熱し、エステラーゼを失活させて香料を得た。
得られた香料について実施例1と同様の方法で官能検査を行った結果、チーズ香およびフルーツ香は、それぞれ0点および4.4点であった。
実施例9
TR160の代わりに、LBST(商品名:協和ハイフーズ社製、ラクトバチルス・ヘルベティカスおよびストレプトコッカス・サーモフィラスの凍結菌体)を0.1g加える以外は、実施例8と同様の方法が繰り返され香料を得た。得られた香料についての官能検査の結果、チーズ香およびフルーツ香は、それぞれ0点および4.8点であった。
実施例10
実施例8で得られた香料0.1gに、内部標品としてカプロン酸エチルを40μMおよびミリスチン酸エチルを40μM含むアセトンを5ml加え、ガスクロマトグラフィーを用いて脂肪酸のエチルエステル含量を測定した。
結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、この香料には脂肪酸アルキルエステル中の低級脂肪酸エチルエステル(酪酸エチル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチルおよびカプリン酸エチル)が、92%含まれており、フルーツ香の主成分が低級脂肪酸エチルエステルであることがわかる。
実施例11
実施例8で調製した香料2g、グラニュー糖200g、全卵200g、水80gおよび、ハイアップミヨシ油脂(商品名:ミヨシ油脂社製、起泡剤)10gをホバートミキサーを用いて低速で2分間、中速で10秒間混合し、ハート(商品名:日本製粉社製、小麦粉)200gを加えて低速で2分間混合した後、中速で比重が0.42になるまでホイップして生地を調製した。この生地250gをケーキ用型に入れ、180℃で35分間焼成して好ましいフルーツ香を有するスポンジケーキを得た。
実施例12
脂肪分35%の生クリームの代わりに脂肪分18%の生クリームを用いる他は実施例1の方法を繰り返して、香料を得た。得られた香料について15人のパネラーによる官能検査を行った結果、チーズ香およびフルーツ香は、それぞれ0点および3.0点であった。
得られた香料0.1gに、内部標品としてカプロン酸エチルを40μMおよびミリスチン酸エチルを40μM含むアセトンを5ml加え、ガスクロマトグラフィーを用いて香料1g当たりの脂肪酸のエチルエステル含量、各種脂肪酸エチルエステルの濃度組成比、各種脂肪酸エチルエステルの重量組成比を測定した。
結果を第2表に示す。
第2表によれば、各種脂肪酸エチルエステル中95.9%が低級脂肪酸エステであった。
実施例13
脂肪分35%の生クリームの代わりに脂肪分45%の生クリームを用いる他は実施例1の方法を繰り返して、香料を得た。得られた香料について15人のパネラーによる官能検査を行った結果、チーズ香およびフルーツ香は、それぞれ0点および4.8点であった。
得られた香料0.1gに、内部標品としてカプロン酸エチルを40μMおよびミリスチン酸エチルを40μM含むアセトンを5ml加え、ガスクロマトグラフィーを用いて香料1g当たりの脂肪酸のエチルエステル含量、各種脂肪酸エチルエステルの濃度組成比、各種脂肪酸エチルエステルの重量組成比を測定した。
結果を第3表に示す。
第3表によれば、各種脂肪酸エステル中97.5%が低級脂肪酸エステルであった。
実施例14
雪印ニューホイップ(商品名:ホイップクリーム用クリーム:無脂乳固形分3.5%、乳脂肪分20.2%、植物性脂肪分20.0%、雪印乳業社製)に実施例9、12または13で調製した香料を0.1%になるように添加した後にホイップしてホイップクリームを調製した。
調製されたホイップクリームについて、10人の専門のパネラーによる官能検査を行った。官能検査はフルーツ感、ライト感、甘さ、酸味およびまるみについて行い、それぞれ0点から5点の6段階で採点し、パネラーによる採点結果の平均値を算出した。なお、フルーツ感、甘さ、酸味およびまるみは、それぞれ0点になるほど弱く、5点になるほど強いことを示し、ライト感は0点になるほど重く、5点になるほど軽いまたは華やかであることを示す。
結果を第4表に示す。
第4表から明らかなように、本発明の香料には食品にフルーツ感、ライト感、甘さ、まるみなどを増強し、酸味を低減する効果があることが示された。
比較例1
脂肪分を35%に調製した生クリーム100gにリパーゼパウダー600(商品名:牛咽頭由来のリパーゼ)を130単位加えてよく混合し、38℃で72時間加水分解反応させた後、90℃で60分間加熱してリパーゼを失活させた。得られた加水分解物に、エタノール5mlとキャンジダ・シリンドラセア由来のリパーゼ(リパーゼMY、協和ソルザイム社製)を0.5ユニット加えてよく撹拌した後、40℃で72時間反応させた。反応終了後、80℃で30分間加熱してリパーゼを失活させ、香料を調製した。
この香料について実施例1と同様の方法で官能検査を行った結果、チーズ香およびフルーツ香は、それぞれ4.9点および0.2点であった。
比較例2
香料を添加しないこと以外は実施例14の方法を繰り返してホイップクリームを調製し、官能検査を行った。
結果を第4表に示す。
比較例3〜5
香料としてバターフレーバーL−11(商品名:協和ハイフーズ社製、バターフレーバー、比較例3)、パイナップルフレーバーC80883(商品名:小川香料社製、パイナップルフレーバー、比較例4)またはバナナフレーバーC80880(商品名:小川香料社製、バナナフレーバー、比較例5)を用いる以外は実施例14の方法を繰り返してホイップクリームを調製し、官能検査を行った。
結果を第4表に示す。
参考例1
豚肝臓1kgを肉挽器でミンチした後、0.02Mリン酸緩衝液(pH6.5)を3000ml加えて破砕した後、10000×gで30分間遠心分離して上清を得た。上清を2N酢酸でpH5.3に調整し、4℃で10時間放置した後、10000×gで30分間遠心分離して沈澱物を得た。沈澱物に−20℃の冷アセトンを1000ml添加して攪拌後、吸引濾過(東洋濾紙No.2を使用)して脱脂した。このアセトンによる脱脂操作を3回繰り返した後、得られた残査を20℃で真空乾燥機中にて乾燥し、残留アセトンを除去した。この濾過残査に0.05Mリン酸緩衝液(pH6.7)を1000ml添加し、4℃で10時間攪拌した後、10000×gで30分間遠心分離して上清を得た。上清に硫酸アンモニウムを50%飽和になるように添加した後、4℃で5時間放置した。この液を10000×gで30分間遠心分離して沈澱物を除いた後、硫酸アンモニウムを70%飽和になるよう添加混合し、4℃で5時間放置した。この液を10000×gで30分間遠心分離して得た沈澱物を3.2Mの硫酸アンモニウムで全量100mlとなるように溶解し、豚肝臓由来の酵素液とした。このようにして調製した酵素のエステラーゼ活性は、0.37単位/mg蛋白質であった。
参考例2〜4
参考例1において豚肝臓の代わりに、豚腎臓(参考例2)、牛肝臓(参考例3)、牛腎臓(参考例4)を用いる以外は参考例1の方法を繰り返して、酵素を調製した。得られた酵素のエステラーゼ活性は、豚腎臓由来のものが0.35単位/mg蛋白質、牛肝臓由来のものが0.37単位/mg蛋白質、牛腎臓由来のものが0.35単位/mg蛋白質であった。
産業上の利用分野
本発明方法によって得られる香料は風味豊かで食品、特に加工食品の製造に利用することによって、フルーツの香を食品に付与できる。
Claims (14)
- 乳または乳製品を、リパーゼで処理し、およびアルコールの存在下に、有機酸とアルコールとを基質としてエステルを生成する動物由来の酵素(以下、エステル合成酵素という)で処理することを特徴とする、乳脂肪および脂肪酸アルキルエステルを含有する香料であって、1g当たり脂肪酸アルキルエステルを20μmol以上含有し、かつ該脂肪酸アルキルエステルのうち80%以上が低級脂肪酸アルキルエステルである香料の製造方法。
- エステル合成酵素が、0.5%(w/w)エタノールと2.6%(w/w)酪酸とを基質として酵素反応させたときの酪酸エチルのエステル合成活性が0.1(単位/mg蛋白質)以上の活性を有するものである請求項1記載の香料の製造方法。
- 香料の製造工程の何れかの時期に乳酸菌で処理する工程が加えられる請求項1または2記載の香料の製造方法。
- エステル合成酵素が、ウシ、ブタ、ウマまたはヤギ由来の酵素である請求項1〜3のいずれか1項に記載の香料の製造方法。
- エステル合成酵素が、動物の肝臓、腎臓または心臓から採取されたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の香料の製造方法。
- エステル合成酵素が、動物の臓器由来のカルボキシエステラーゼもしくはその含有物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の香料の製造方法。
- リパーゼが動物の咽頭由来の酵素である請求項1〜6のいずれか1項に記載の香料の製造方法。
- 酵素反応開始時の反応液の乳脂肪濃度が3〜55%(w/w)である請求項1〜7のいずれか1項に記載の香料の製造方法。
- 乳製品がクリームである請求項1〜8のいずれか1項に記載の香料の製造方法。
- 低級脂肪酸アルキルエステルの組成比が酪酸エチルエステル25〜35重量部、カプロン酸エチルエステル20〜25重量部、カプリル酸エチルエステル5〜10重量部、カプリン酸エチルエステル25〜35重量部であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の香料の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法によって得られる香料。
- 乳脂肪および脂肪酸アルキルエステルを含有する香料であって、香料1gに対し20μmol以上の脂肪酸アルキルエステルを含有し、脂肪酸アルキルエステルの80%以上が低級脂肪酸アルキルエステルである香料。
- 低級脂肪酸アルキルエステルの組成比が酪酸エチルエステル25〜35重量部、カプロン酸エチルエステル20〜25重量部、カプリル酸エチルエステル5〜10重量部、カプリン酸エチルエステル25〜35重量部であることを特徴とする請求項12記載の香料。
- 請求項11〜13のいずれか1項に記載の香料を添加してなる食品。
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