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JP4010754B2 - 画像処理装置と画像処理方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

画像処理装置と画像処理方法及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置と画像処理方法及びコンピュータ記録媒体に関し、さらに詳しくは、撮像状態によらず適正な画像を得るための画像処理装置と画像処理方法、及び該方法を実現するためのプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータネットワークの急速な進歩と共にビジネスのあり方も多様化し、あらゆる局面で重要な情報を素早く取得する必要が生じている。それに伴い、至る所で携帯型の入力装置を駆使してビジネスに必要な文書情報を簡便かつ高精細に入力することへの要求が高まっている。特に、デジタルスチルカメラの急速な普及及びその高解像化に伴い、撮影した画像に加工処理を施すことにより、仕事や娯楽に有効な電子情報として活用しようという応用例も見られるようになった。
【0003】
代表的な第一の応用例としては、A4紙面や大型のポスター等の被写体面を撮影するとき、撮像面と被写体面が平行でない状態で撮影した場合には、画像の歪み(これを「あおり歪み」ともいう。)が生じるが、これを補正することによって取得した文書画像情報の判読性を向上させる技術がある。そして、このような技術に関しては特開平3−94383号公報において、既知の想定された固定形状内に入力画像を配置して該固定形状の歪み方を調べることにより、本来の被写体面上での形状に合致させるための変換パラメータを発見し、あおり歪みを補正するという技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、この技術では撮影対象を形状が既に知られた固定図形内に配置させる必要があり、また該固定図形に対するデータを予め得ておく必要もある。
【0005】
また、特開平5−101221号公報においては、被写体面に直交格子を導入して各格子点の空間座標を求め、撮像面に設けられた座標系に直交変換を施して射影することにより、画像歪みを補正するという技術が開示されている。しかしながら、このような技術においては、上記各格子点の2次元座標を手動で入力する必要があるため、簡便な操作により被写体面を撮影するのは困難である。
【0006】
また、特開平6−197261号公報においては、被写体像の輪郭を検出して得られた輪郭情報からあおり歪みに対する補正量を算出した上で補正処理を行い、該補正処理後の画像に対して最大補間量分を間引くような画像処理を行うことにより、画質を均一にするという技術が開示されている。しかしながら、上記のような処理においては被写体の縦横比を考慮することなく、例えば台形の被写体像を横方向に引き伸ばして長方形に変換するので、得られる被写体像は本来の被写体と相似でない図形に変形されるという問題がある。
【0007】
また、特開平9−289600号公報においては、カメラの撮像面と被写体面とのなす傾斜角を入力する角度設定手段と、被写体までの距離を測定する測距手段とを備え、角度設定手段へ傾斜角を入力した状態で被写体を撮影することにより、上記傾斜角と測距手段で検出された被写体距離に基づいて被写体を正面から見た画像に補正するという技術が開示されている。しかしながら、このような技術において上記傾斜角を正確に手動で入力するのは非常に困難であり、その結果高い精度で画像のあおり歪みを補正することは困難となる。
【0008】
また、特開平11−98485号公報においては、回転軸に固定されたカメラの方向に関する情報に基づいて、撮影対象の幾何形状が正しく再現されるように画像のあおり歪みを補正するという技術が開示されている。しかし、この技術においてはカメラを回転軸に固定する必要があるため装置規模が増大し、利用者による撮影の自由度が低下するという問題がある。
【0009】
また、特開平11−238123号公報においては、撮像により得られた画像が表示されるディスプレイ画面上で、画像要素及び画像要素間の関係を指示することにより、該画像のあおり歪みを補正する方法等が開示されている。しかし、この方法では被写体面の法線ベクトルと底辺とにより作られる平面と、撮像板の底辺とが平行である状態において被写体を撮影した場合以外には、あおり歪みを正確に補正することができず、限定された撮影条件下でのみしか該方法を適用できないという問題がある。
【0010】
また、第二の応用例としては、携帯可能な画像入力装置で新聞紙等の大面積の紙面情報やパネルや壁に描かれた絵柄等を分割撮影して、得られた複数枚の画像を貼り合わせることにより1枚の合成画像を作成するものがある。すなわち、CCD(Charge Coupled Device)に代表される撮像素子の画素数が増加するに伴い、デジタルカメラの解像度は近年向上しているが、上記のように細かいパターンを有する被写体、すなわち高い周波数成分を含む被写体を撮影して電子化するにはまだまだ解像度が不足する。従って、画像を貼り合わせることにより擬似的に高精細画像を作成して、デジタルカメラの解像度不足を補うというアプローチがなされている。
【0011】
このような応用例は、被写体が平面状とみなせる場合にアフィン変換や射影変換のような幾何補正式を用いて、被写体の一部分を分割撮影した画像を貼り合わせる技術であり、各分割画像の被写体像を基準となる画像における被写体の見え方に変換して貼り合わせるというものである。なお、このような技術の概要は文献『コンピュータビジョン−技術評論と将来展望−』(松山隆司ほか、新技術コミュニケーションズ)に記載されている。
【0012】
しかしながら、このような応用例において、基準となる画像において被写体像にあおり歪みが生じていた場合には、貼り合わせた合成画像においてもあおり歪みが含まれてしまうという問題がある。この問題について図1を参照しつつ説明する。なお、図中fは撮影装置に含まれた光学系の焦点距離を示す。
【0013】
図1に示されるように、例えば被写体面1を位置P1と位置P2から撮影することによって得られた二つの画像を合成する場合を考える。ここで、位置P2から撮影して得られた分割画像7は、位置P1からの撮影において基準とされる画像面3を引き伸ばした面に写像すると被写体像5となる。従って図1に示されるように、分割画像7は被写体像5として、画像面3上において位置P1から撮影された画像と合成される。そして、このようにして得られた合成画像は、基準となる画像面が拡大される広画角の光学系を用いて被写体面1を撮影した画像と等価なものとなる。
【0014】
従って、上記のように作成された合成画像では、被写体に対する遠近効果が通常の撮影で得られる画像よりも大きくなるため、より大きなあおり歪みが生じやすいという問題がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題を解消するためになされたもので、撮影条件によらず簡易に適正な画像を得ることができる画像処理装置と画像処理方法及び該方法を実現するためのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、被写体面を撮影することにより得られる画像のあおり歪みを補正する画像処理装置であって、互いに平行な2つのパターンを含む平行パターン対を少なくとも 2 つ含む被写体面が撮像された入力画像を入力する入力部と、前記入力画像における、2つの前記平行パターン対の投写像である画像パターン対を検出する平行パターン検出部と、
前記2つの画像パターン対に基づいて前記入力画像のあおり歪みを補正する画像歪み補正部とを具備し、前記平行パターン検出部は、前記入力画像における、2つの前記画像パターン対の入力を受け付け又は検出し、さらに、前記画像パターン対を投写像とする前記2つの平行パターン対が前記被写体面においてなす角度の入力を受け付け、前記画像歪み補正部は、前記2つの画像パターン対の各々について、該画像パターン対を構成するパターンの交点である消失点の座標を検出する消失点検出手段と、前記2つの消失点の座標と前記入力された角度とに基づいて、前記入力画像が撮影された光学系における焦点距離を算出する焦点距離算出手段と、前記2つの消失点の座標と前記焦点距離とに基づいて、前記入力画像が有するあおり歪みを補正する補正パラメータを算出する補正パラメータ算出手段と、前記補正パラメータに基づいて、前記入力画像のあおり歪みを補正した補正画像を生成する生成手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置を提供することにより達成される。このような手段によれば、様々な撮影条件において撮影されることにより生じた画像の歪みを、簡易な構成を有する画像処理装置により補正することができる。
【0017】
また、本発明の画像処理装置によれば、様々な撮影条件において撮影されることにより生じた画像の歪みを、簡易な構成を有する画像処理装置により確実に補正することができる。
【0018】
また、ここで画像補正手段は、被写体を撮影した光学系の画像パラメータ及び消失点を用いることによって、変換行列を算出するものとすれば、補正後の画像を被写体の表面に描かれた原像と相似なものとすることができる。
【0019】
また、画像補正手段は、被写体を部分的に撮影することにより得られた複数の画像がつなぎ合わされることにより生成された合成画像を入力する場合には、合成画像の作成の際に基準とされた画像を撮影した光学系の画像パラメータ及び消失点を用いることにより、変換行列を算出するものとすることができる。このような手段によれば、あおり歪みが生じ易い合成画像に対して、簡易な構成を有する画像処理装置により該歪みを補正することができる。なお、上記画像パラメータは、光学系における焦点距離を含むものとすることができる。
【0020】
また、画像補正手段は、少なくとも二組の線分が被写体上でなす角度及び消失点を用いて変換行列を算出するものとすれば、被写体を撮影した光学系の焦点距離が未知の場合においても、該歪みを高精度に補正することができる。
【0021】
また、画像補正手段は、一組の線分における座標変換後の方向がユーザにより指定された場合には、方向に応じて変換行列を算出するものとすることができる。このような手段によれば、歪みが補正された画像の向きを画像面内において自由に変更することができる。
【0022】
また、本発明の目的は、被写体面を撮影することにより得られる画像のあおり歪みを補正する画像処理方法であって、互いに平行な2つのパターンを含む平行パターン対を少なくとも 2 つ含む被写体面が撮像された入力画像を入力する入力ステップと、前記入力画像における、2つの前記平行パターン対の投写像である画像パターン対を検出する平行パターン検出ステップと、前記2つの画像パターン対に基づいて前記入力画像のあおり歪みを補正する画像歪み補正ステップとを具備し、前記平行パターン検出ステップは、前記入力画像における、2つの前記画像パターン対の入力を受け付け又は検出し、さらに、前記画像パターン対を投写像とする前記2つの平行パターン対が前記被写体面においてなす角度の入力を受け付け、前記画像歪み補正ステップは、前記2つの画像パターン対の各々について、該画像パターン対を構成するパターンの交点である消失点の座標を検出する消失点検出ステップと、前記2つの消失点の座標と前記入力された角度とに基づいて、前記被写体面が撮影された光学系における焦点距離を算出する焦点距離算出ステップと、前記2つの消失点の座標と前記焦点距離とに基づいて、前記入力画像が有するあおり歪みを補正する補正パラメータを算出する補正パラメータ算出ステップと、前記補正パラメータに基づいて、前記入力画像のあおり歪みを補正した補正画像を生成する生成ステップと、を具備することを特徴とする画像処理方法を提供することにより達成される。このような手段によれば、様々な撮影条件において撮影されることにより生じた画像の歪みを、簡易な画像処理により補正することができる。
【0023】
また、本発明の目的は、被写体を撮影することにより得られる画像の歪みを補正する画像処理方法であって、画像から抽出された少なくとも二組の線分をそれぞれ外挿することによって少なくとも二つの消失点を算出する第一のステップと、少なくとも二つの消失点を用いて変換行列を求める第二のステップと、変換行列により、画像を構成する各点を座標変換する第三のステップとを有することを特徴とする画像処理方法を提供することにより達成される。このような手段によれば、様々な撮影条件において撮影されることにより生じた画像の歪みを、簡易な画像処理により確実に補正することができる。
【0024】
また、第二のステップでは、被写体を撮影した光学系の画像パラメータ及び消失点を用いることによって、変換行列を算出することとすれば、容易に補正後の画像を被写体の表面に描かれた原像と相似なものとすることができる。
【0025】
また、被写体を部分的に撮影することにより得られた複数の画像がつなぎ合わされることにより生成された合成画像を画像処理する場合には、第二のステップにおいて、合成画像の作成の際に基準とされた画像を撮影した光学系の画像パラメータ及び消失点を用いることにより変換行列を算出することとすれば、あおり歪みが生じ易い合成画像に対して、簡易な画像処理により該歪みを補正することができる。なお、上記画像パラメータは、光学系における焦点距離を含むものとすることができる。
【0026】
また、第二のステップでは、少なくとも二組の線分が被写体上でなす角度及び消失点を用いて変換行列を算出することとすれば、被写体を撮影した光学系の焦点距離が未知の場合においても、該歪みを高精度に補正することができる。
【0027】
また、一組の線分における座標変換後の方向がユーザにより指定された場合には、第二のステップにおいて、方向に応じて変換行列を算出することとすれば、歪みが補正された画像の向きを画像面内において容易に変更することができる。
【0028】
また、本発明の目的は、被写体を撮影することにより得られる画像の歪みをコンピュータによる画像処理により補正するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、プログラムは、コンピュータに対して、画像から抽出された対向する少なくとも二組の線分をそれぞれ外挿することによって得られる少なくとも二つの交点を算出させ、少なくとも二つの交点を用いて変換行列を求めさせ、画像を構成する各点を変換行列により座標変換させることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにより達成される。このような手段によれば、上記プログラムをコンピュータに実行させることによって、様々な撮影条件において撮影されることにより生じた画像の歪みを、簡易な画像処理により補正することができる。
【0029】
また、本発明の目的は、コンピュータに本発明の画像処理方法を実行させるプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することにより達成される。このような手段によれば、上記プログラムをコンピュータに実行させることによって、様々な撮影条件において撮影されることにより生じた画像の歪みを、簡易な画像処理により確実に補正することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0031】
一般的に、被写体面においては、互いに向かい合う境界線の組や、同一方向に描かれた罫線の組、あるいは互いに平行な向きに並んでいる文字列の組等のように、相互に平行な直線状パターンが存在することが多い。以下においては、このような被写体面における平行な直線状パターンの組を「平行パターン対」と呼ぶことにする。
【0032】
また、上記平行パターン対は、縦及び横方向の両方向に存在することが多い。すなわち、一の被写体面において2組の平行パターン対が存在することが頻繁にある。ここで、この2組の平行パターン対を画像に投影した場合の歪み方と、被写体面と撮像面の相対的な向きとの間には、ある代数的な関係が成立する。従って、平行パターン対を画像に投影して形成される像(以下「画像パターン対」と呼ぶ)を2組以上入力又は検出することができれば、被写体面と撮像面の相対的な向きを計算により求め、それに基づいてあおり歪み補正を行うことができる。
【0033】
本発明は、このような原理に基づいて上記目的を達成するものである。すなわち、本発明の実施の形態に係る画像処理装置2によれば、例えば図2(a)に示されるように、「ABC」という文字が書かれた被写体面1を該被写体面1に対して傾いた方向から撮影した場合であっても、あおり歪みを有する画像4ではなく、図2(b)に示される歪みが補正された画像6を得ることができる。なお以下においては、説明を簡単にするために、撮影する平面状の被写体の形状は矩形であると仮定する。
【0034】
図3は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置の基本構成を示すブロック図である。図3に示されるように、本実施の形態に係る画像処理装置は、中央演算処理装置(CPU)11と、同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)12と、ハードディスクドライブ(HDD)13と、入力インタフェース(入力I/F)14と、電源15と、表示インタフェース(表示I/F)16と、記録装置17と、外部インタフェース(外部I/F)18と、ディスプレイ19と、バスBUSとを備える。
【0035】
ここで、CPU11と、SDRAM12と、HDD13と、入力I/F14と、電源15と、表示I/F16と、記録装置17と、外部I/F18は、共にバスBUSに接続される。また、ディスプレイ19は表示I/F16に接続される。
【0036】
上記において、入力I/F14は、マウス等のポインティングデバイスやキーボード、ボタンなどからなり、ディスプレイ19はCRTなどからなる。また、記録装置17はCD−RW(Compact Disk ReWritable)ドライブ等により構成され、外部I/F18はデジタルカメラやプリンタ等の外部機器やインターネットなどの電気通信回線に対して、有線又は無線接続するために使用される。
【0037】
また、SDRAM12はCPU11の作業領域として利用され、以下に説明する画像処理方法を実行するための処理プログラムや、その他の制御プログラムなどの固定情報が記憶される。そして、該処理プログラムは例えば記録装置17を介してSDRAM12にロードされ、又はHDD13に一旦保存された後であって必要なときにSDRAM12にロードされ、あるいは外部I/F18に接続された電気通信回線を介してSDRAM12にロードされる。
【0038】
一方、画像処理の対象とされる画像信号は、記録装置17又は外部I/F18に接続されたデジタルカメラなどのデバイス若しくは電気通信回線から供給される。
【0039】
図4は、本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図である。図4に示されるように、本実施の形態に係るデジタルカメラは、CPU11と、SDRAM12と、入力インタフェース(入力I/F)14と、電源15と、表示インタフェース(表示I/F)16と、記録装置17と、外部インタフェース(外部I/F)18と、ディスプレイ19と、読み出し専用メモリ(ROM)20と、レンズ21と、絞り機構22と、シャッタ23と、光電変換素子24と、駆動部25と、前処理回路26と、モータ駆動部27と、液晶ディスプレイ(LCD)28とを備える。
【0040】
ここで、CPU11とSDRAM12、入力I/F14、電源15、表示I/F16、記録装置17、外部I/F18、ROM20、前処理回路26、及びモータ駆動部27はバスBUSに接続され、レンズ21と絞り機構22及びシャッタ23はモータ駆動部27に接続される。また、光電変換素子24及び前処理回路26は共に駆動部25に接続され、LCD28は表示I/F16に接続される。
【0041】
このような構成を有するデジタルカメラにおいては、入力I/F14はペン等のポインティングデバイスやカメラ本体に設置されたボタン等からなり、光電変換素子24はCCD等からなる。
【0042】
また、駆動部25は光電変換素子24を制御すると共に、光電変換素子24により得られた画像信号に対して、プリアンプやAGC(Auto Gain Control)回路等により増幅やクランプ等のアナログ信号処理を施し、アナログ−デジタル(A/D)変換器により該変換を実行する。また、前処理回路26は、駆動部25で生成されたデジタル信号に対して自動ホワイトバランス(Automatic White Balance −AWB)や、エッジ強調、γ補正等の前処理を施すと共に、画像圧縮/伸長処理を実行する。
【0043】
また、モータ駆動部27は被写体の撮像に際し、フォーカスやズーム、アイリス、シャッタースピード等を制御するため、レンズ21や絞り機構22、シャッター23を駆動する。そして、ROM20はCPU11の作業領域として利用されると共に、以下に説明する画像処理方法を実行するための処理プログラムを記憶する。また、SDRAM12はCPU11の作業領域として利用されると共に、以下に説明する画像処理方法を実行するための処理プログラムやその他の制御プログラムなどの固定情報を記憶する。ここで、該処理プログラムは、例えばROM20に予め格納され、又は記録装置17を介してSDRAM12にロードされ、又は外部I/F18に接続された電気通信回線を介してSDRAM12にロードされる。一方、上記制御プログラムは、例えばROM20に予め格納される。
【0044】
以下において、本実施の形態に係る画像処理装置と画像処理方法についてより詳しく説明する。
[実施の形態1]
図5は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。図5に示されるように、実施の形態1に係る画像処理装置は、撮像部31と、信号処理部32と、メモリ制御部33と、主制御部34と、フレームメモリ35と、インタフェース(I/F)36と、表示部37と、外部記憶部38と、平行パターン検出部39と、画像歪み補正部40とを備える。
【0045】
ここで、撮像部31は信号処理部32に接続され、信号処理部32はメモリ制御部33と主制御部34及びインタフェース36に接続され、フレームメモリ35はメモリ制御部33に接続される。また、平行バターン検出部39は主制御部34とメモリ制御部33及びフレームメモリ35に接続され、画像歪み補正部40は平行パターン検出部39とフレームメモリ35に接続される。
【0046】
また、表示部37及び外部記憶部38はインタフェース36に接続される。以下において、図5に示された実施の形態1に係る画像処理装置と図3及び図4に示された実施の形態との対応関係について説明する。
【0047】
図5に示された撮像部31には図4に示されたレンズ21と絞り機構22、シャッタ23、光電変換素子24、駆動部25、及び前処理回路26が含まれ、信号処理部32及びメモリ制御部33はCPU11により構成される。また、主制御部34はCPU11とROM20により構成され、フレームメモリ35はSDRAM12により構成される。そして、インタフェース36は表示I/F16と外部I/F18を含み、表示部37はディスプレイ19又はLCD28により構成される。
【0048】
また、外部記憶部38はHDD13又は記録装置17により構成され、より具体的にはCD−RWや光磁気ディスクなどが使用できるが、モデムカード等を利用することにより電気通信回線を介して画像信号を直接遠隔地の記録媒体に送信できるようにしても良い。
【0049】
また、平行パターン検出部39及び画像歪み補正部40は、CPU11と入力I/F14により構成される。
【0050】
そして、上記のような構成を有する画像処理装置において、信号処理部32は撮像部31で撮像され又はインタフェース36を介して外部から入力された画像に対して所定の処理を施す。また、主制御部34は画像処理装置を構成する各部を集中的に制御し、フレームメモリ35はメモリ制御部33の命令により画像信号を蓄積する。また、表示部37はインタフェース36を介して供給された画像信号を表示し、外部記憶部38はインタフェース36を介して画像信号等の種々の信号を読み書きする。
【0051】
以下において、図5に示された各部の動作を具体的に説明する。まず信号処理部32は供給された画像信号に対して圧縮や伸長、色分解、ホワイトバランス調整、γ補正等の種々の画像処理を施す。また、メモリ制御部33は信号処理部32において処理された画像信号をフレームメモリ35に格納したり、その逆にフレームメモリ35に格納された画像信号を読み出す。そして、この場合にはフレームメモリ35から読み出された画像信号は、信号処理部32において圧縮などが施されたのちインタフェース36を介して外部記憶部38に保存される。
【0052】
また、外部記憶部38に記憶された画像信号を読み出す場合は、まずインタフェース36を介して信号処理部32に画像信号が供給され、信号処理部32において画像伸長が施される。一方、外部記憶部38及びフレームメモリ35から読み出された画像信号を表示する場合は、まず読み出された該信号が信号処理部32においてデジタル−アナログ変換(D/A変換)され、増幅などの信号処理がなされる。そして、該処理がなされた信号は、インタフェース36を介して表示部37に送信される。
【0053】
また、平行パターン検出部39は、被写体面における平行パターン対の投影像である画像パターン対を、少なくとも二組入力または検出するが、この動作については後に詳しく説明する。また、画像歪み補正部40は、フレームメモリ35に記憶された画像における被写体像のあおり歪みを補正するが、この動作についても後に詳しく説明する。
【0054】
次に、図5に示された画像処理装置における動作を、図6に示されたフローチャートを参照しつつ説明する。まず、ステップS1において、信号処理部32は撮像部31により撮影された被写体面の画像、あるいは予め別途撮影されインタフェース36を介して供給された画像を入力する。
【0055】
そして、ステップS2において、平行パターン検出部39は、被写体面上における平行パターン対の画像への投影像である画像パターン対を入力又は検出する。なお、各画像パターン対は2つの線状パターンにより構成されている。
【0056】
以下において、平行パターン検出部39について詳しく説明する。図7は、図5に示された平行パターン検出部の構成及び動作を説明する図である。図7に示されるように、平行パターン検出部39は表示部37の表面に設置された透明タッチパネル391と、画像パターン対を指定するポインティングデバイス392により構成される。
【0057】
そして、表示部37において「平行パターン入力」という文字がオーバレイ表示されると、ユーザは表示部37に表示された画像上に存在する線状パターンを指定することにより、画像パターン対を二組入力する。具体的には、表示部37において、ユーザに対し一組目の画像パターン対を入力するよう指示されると、該ユーザはポインティングデバイス392を用いて第一の線状パターンの始点位置を指定する。すると、表示部37に十字型のポインタ及び「1−1」という字が表示され、第一の線状パターンの始点が入力されたことがユーザに通知される。
【0058】
続いて、第一の線状パターンの終点を指定すると、表示部37上に十字型のポインタ及び「1−2」という字が表示され、第一の線状パターンの終点が入力されたことがユーザに通知される。
【0059】
これにより、図7に示されるように、「1−1」及び「1−2」と表示された二つのポインタを結ぶ直線393aが、上記第一の線状パターンとして平行パターン検出部39に記憶される。同様に、ユーザは第二の線状パターンの始点と終点をポインティングデバイス392で指定することにより、「2−1」及び「2−2」と表示された二つのポインタを結ぶ直線393bが、上記第二の線状パターンとして平行パターン検出部39に記憶される。
【0060】
以上より、第一及び第二の線状パターンからなる一組の画像パターン対の平行パターン検出部39に対する入力が完了される。そして、同様な動作により、二組目以降の画像パターン対が平行パターン検出部39に入力される。
【0061】
また、図5に示された平行パターン検出部39は、以下のように文字列上の一点をユーザが指定することによって、該文字列を構成する線状パターンを順次記憶するものとしても良い。すなわち、このような平行パターン検出部39は、図8に示されるように、ユーザがポインティングデバイス392により表示部37に示された文字列などの線状パターン付近を指定したとき、該指定された点付近の線状パターンを自動検出して第一の線状パターンを示す直線393aを表示する。なおこのとき、図8に示されるように、直線393aの周辺に「1」という数字が表示され、第一の線状パターンの入力が完了したことがユーザに通知される。
【0062】
ここで、線状パターンの自動検出方法について簡単に説明する。線状パターンが直線である場合には、例えば画像にソベル(Sobel)フィルタ等の微分オペレータを施す。これにより、微分値がしきい値より大きな部分は白色、小さな部分は黒色で示されるエッジ画像を生成し、該エッジ画像において、指定された点付近のエッジセグメントを統合することにより該直線が自動検出される。
【0063】
そして、線状パターンが文字列である場合には、例えば特許第2895122号公報に示されるような矩形の局所的統合処理によって、指定された点付近の行又は列を切り出し、文字列を自動検出することができる。
【0064】
また、図8に示されるように、ユーザが第二の線状パターン付近の点をポインティングデバイス392により指定すると、第二の線状パターンを示す直線393b及び「2」という数字が表示され、第二の線状パターンが入力されたことがユーザに通知される。そして、以上のような動作により、一組目の画像パターン対の入力が完了される。なお、同様な動作を繰り返すことにより、二組以上の画像パターン対が平行パターン検出部39に入力される。
【0065】
次に、画像歪み補正部40は、図6に示されたステップS3において、信号処理部32に供給された画像のあおり歪みを補正するためのあおり歪み補正パラメータを算出し、ステップS4において該パラメータを用いてあおり歪みを補正した画像(以下「歪み補正画像」ともいう)を生成する。
【0066】
以下において、図5に示された画像歪み補正部40の構成及び動作について詳しく説明する。画像歪み補正部40は、平行パターン検出部39に入力され、あるいは検出された二組の画像パターン対に基づいて、該画像のあおり歪みを補正する。ここで、該画像のあおり歪みを補正するためには、各々の画像パターン対を構成する互いの線状パターンがなす角度に基づいて、該画像上において局所的な拡大や縮小を施す方法もあるが、ここでは射影変換を利用して該あおり歪みを補正する例について説明する。
【0067】
図9は、図5に示された画像歪み補正部40の構成を示すブロック図である。図9に示されるように、画像歪み補正部40は消失点検出部401と、射影変換部402と、座標変換部403とを含む。ここで、消失点検出部401は平行パターン検出部39及びフレームメモリ35に接続され、射影変換部402は消失点検出部401に接続される。また、座標変換部403は射影変換部402に接続される。
【0068】
以下においては、図5に示された撮像部31の光学系が図10に示されるように、焦点距離をfとする中心射影モデル(又は透視変換モデル)で近似されると仮定して図9に示された各部の動作を説明する。なお、「中心射影モデル」とは、図10に示されるように、画像中心CIを有する画像面3に対象点POの画像を形成する場合、光学中心oと対象点POを結ぶ直線が画像面3と交わる点Q(x,y)を対象点POの像とするモデルをいう。なお、該点Qは視線ベクトルEVにより表現される。
【0069】
図9に示された消失点検出部401は、平行パターン検出部39で得られた二組の画像パターン対におけるそれぞれの交点を検出する。なお、消失点検出部401には、フレームメモリ35から画像パラメータが供給される。ここで、「画像パラメータ」とは、図10に示された画像面3と光軸(z軸)とが交差する点(画像中心CI)の座標や焦点距離f等といった画像撮影時における撮像部31の光学的なパラメータを指称する。
【0070】
一方、撮像部31の光学系が上記のように中心射影モデルである場合、実空間中の平行線は画像面内では一点で交わるという定理が成り立ち、該交点は「消失点」と呼ばれている。
【0071】
そして、例えば図11(a)に示されるような点P及び点P、点Q、点Qに囲まれた矩形の被写体を画像処理装置2によって斜め方向から撮影することによって、図11(b)に示されるような対応する点p及び点p、点q、点qに囲まれる画像が得られた場合について説明する。
【0072】
この場合、図11(a)に示されるように、実空間においては、点Pと点Pを結ぶ直線と、点Qと点Qを結ぶ直線、及び点Pと点Qを結ぶ直線と、点Pと点Qを結ぶ直線とはそれぞれ互いに平行である。
【0073】
しかしながら、図11(b)に示されるように、点pと点pを結ぶ直線と、点qと点qを結ぶ直線は消失点V1で交わり、点pと点qを結ぶ直線と、点pと点qを結ぶ直線とは消失点V2において交わる。なお、上記消失点の座標は、画像バターン対を構成する2つの線状パターンについてそれぞれ直線方程式を求め、求められた二つの直線方程式を連立させて解く等の一般的な方法によって得ることができる。
【0074】
また、図9に示された射影変換部402は、消失点検出部401により得られた二つの消失点の座標、及び消失点検出部401から供給された画像パラメータにより、被写体像におけるあおり歪みを補正するための射影変換を求めるものである。そして、該射影変換では、次の式(1)により点(x,y)が点(x’,y’)に写像される。
【0075】
【数1】
Figure 0004010754
ここで、上記の式(1)における9つの未知数bからbを以下の行列Bとしてまとめることができる。
【0076】
【数2】
Figure 0004010754
なお、上記行列Bを射影変換行列と呼ぶこととする。そして、この射影変換行列Bを用いると、上記式(1)により示された射影変換は次の式(3)により表すことができる。
【0077】
【数3】
Figure 0004010754
なお、上記式(3)においてsは、左辺の第三要素を1に正規化するための定数を示す。ここで、上記式(1)及び式(3)から明らかなように、行列Bはスケール倍の自由度を有しているため、実質的な自由度は8となる。以下においては、射影幾何学に基づき被写体像のあおり歪みを補正する射影変換行列を求める手順を詳しく説明する。
【0078】
射影幾何学においては、画像面上の点(x,y)に定数zを付け加えた3次元ベクトル(x,y,z)を計算に用いると便利なことが知られている。以下においては、この3次元ベクトルを拡張ベクトルと呼ぶことにする。そして特に、定数zの値が焦点距離fに一致する場合は、拡張ベクトルが画像面上の点(x,y)に対応する視線の向きを示す。そこで、以下においては画像面上の点(x,y)に焦点距離fを付加した3次元ベクトル(x,y,f)を視線ベクトルと呼ぶこととする。
【0079】
ここで、図11(b)に示された消失点V1及び消失点V2の視線ベクトルを、それぞれ以下の式(4)及び式(5)とおく。
【0080】
【数4】
Figure 0004010754
そして、射影幾何学においては、拡張ベクトルの第三要素zが焦点距離fである場合に限り、空間中で方向ベクトルがmである直線は、画像面上において視線ベクトルがmである消失点を持つという定理が成り立つ。すなわち、消失点V1を持つ画像パターン対に対応する平行パターン対の空間中の方向は視線ベクトルvで表され、消失点V2を持つ画像パターン対に対応する平行パターン対の空間中の方向は視線ベクトルvで表される。従って、被写体面の向きは視線ベクトルv及び視線ベクトルvの両方に直交し、次の式(6)により示されるベクトルnにより表すことができる。
【0081】
【数5】
Figure 0004010754
なお、式(6)においてNはベクトル(v×v)を単位ベクトルに正規化する作用素であり、任意のベクトルvに対して以下の式(7)に示される演算を施すものである。
【0082】
【数6】
Figure 0004010754
なお、式(7)において|v|はベクトルvのノルムを示す。
【0083】
次に、あおり歪みを補正する射影変換行列Bの算出手順を詳しく説明する。ここで、本実施の形態では撮像部31における光軸の向きと被写体面の向きとの関係に基づいて、あおり歪みを補正するパラメータを計算する。具体的には、図12に示されるように、上記式(6)により算出されたベクトルnを単位法線ベクトルとする平面、すなわち被写体面に平行な平面を被投影面101として、該被投影面101に向かってあおり歪みを含んだ被写体像を持つ画像面100を投影(射影変換)することにより歪み補正画像102を生成する。
【0084】
以下において、あおり歪みを補正するパラメータの計算方法を説明する。まず、図13に示されるように、撮像部31の光軸をなすz軸を被投影面101の単位法線ベクトルnに一致させる座標変換を表す回転行列Rを求める。この場合、次の式(8)に示された関係が成立する。
【0085】
【数7】
Figure 0004010754
そして、上記式(8)を満たす回転行列Rは多数存在するが、ここでは回転行列Rを次の式(9)により定義する。
【0086】
【数8】
Figure 0004010754
但し、行列R及び行列Rは次の式(10)により示される。
【0087】
【数9】
Figure 0004010754
ここで、上記式(9)及び式(10)により示された回転行列は、図14に示されるように、以下の順序でxyz座標系を回転させることにより、x’y’z’座標系に変換する演算に相当する。すなわち、最初にxyz座標系をy軸周りに角度βだけ回転させる。そして、このような回転により得られた座標系をx座標系とするとき、このx座標系をx軸周りに角度αだけ回転する。
【0088】
ここで、ベクトルnを次の式(11)のように表す。
【0089】
【数10】
Figure 0004010754
そして、上記の式(8)及び式(9)を用いると、回転角は次式のように導出される。
【0090】
【数11】
Figure 0004010754
ここで、求められた回転角を式(9)及び式(10)に代入することによって、行列Rを一意に定めることができる。
【0091】
次に、上記のような手順により求められた回転行列Rを用いて、画像面上の任意の点(x,y,f)を被投影面上の点(x’,y’,z’)に座標変換する。そして、この座標変換は次式(14)により示される射影変換により表すことができる。
【0092】
【数12】
Figure 0004010754
ここで、kは撮像部31の光学中心oから被投影面101までの距離を示す拡大係数であるため、kは作成される歪み補正画像の大きさを表す係数を意味する。また、sは射影変換後のベクトルのz’座標をkにするための定数である。そして、以上の手順で式(3)の行列Bを以下の式(15)により示される行列とすることにより、あおり歪みを補正するための射影変換行列Bを求めることができる。
【0093】
【数13】
Figure 0004010754
そして、図9に示された座標変換部403は、射影変換部402により算出された射影変換行列Bを基に、被写体像を座標変換して歪み補正画像を作成する。ここで、より具体的には、射影変換後の点(x’,y’)に対応する変換前の点(x,y)を式(3)により計算し、計算された座標(x,y)の近傍における画素値を基に、歪み補正画像を構成する点(x’,y’)における画素値を補間演算により決定する。
【0094】
なお、該補間演算は、双一次補間法やB−スプライン補間法などの方法を用いて行うことができる。
【0095】
また、上記において消失点が無限遠点となる場合、すなわち画像パターン対を構成する2つの線状パターンが平行となる場合には、線状パターンの画像面上での向きが(m,m)であるとき、消失点の視線ベクトルを第三要素として0を加えた(m,m,0)とすればよい。
【0096】
また、焦点距離fが未知である場合でも、適当な値f’を用いて点(x,y)に対し拡張ベクトル(x,y,f’)を生成し、上記手順を実行することによって、被写体像のあおり歪みを補正することができる。但し、この場合は実空間中における方向ベクトルと画像面上の消失点との間に成立する上記定理は成立しないため、実際には元の被写体面の縦横比が一致しない歪み補正画像が得られる。従って、焦点距離及び画像中心などの画像パラメータを用いて視線ベクトル(x,y,f)を生成することにより、元の被写体面に相似な被写体像を持つ歪み補正画像を得ることができる。
【0097】
以上より、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置及び画像処理方法によれば、二組の画像パターン対を用いて被写体面の向きを求めることにより、あらゆる撮影条件下で撮影された被写体像であっても、簡易に該被写体像のあおり歪みを補正して適正な画像を得ることができる。また、上記画像パラメータを利用することにより、被写体面に相似であると共にあおり歪みが補正された画像を生成することもできる。
【0098】
さらには、該あおり歪みの補正において上記のような射影変換を用いることにより、少ない処理コストで信頼性の高い該補正を実現することができる。
[実施の形態2]
図15は、本発明の実施の形態2に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。図15に示されるように、実施の形態2に係る画像処理装置は、図5に示された実施の形態1に係る画像処理装置と同様な構成を有するが、インタフェース36には予め生成された合成画像が外部から入力されると共に、撮像部31を備えていない点で相違するものである。
【0099】
すなわち、本実施の形態2に係る画像処理装置は、合成画像に対してあおり歪みを補正するものである。ここで上記合成画像は、図16(a)に示されるように、被写体面10の一部を画像処理装置200によって複数の視点D1〜Dnから分割的に撮影し、該撮影により得られた複数の画像4a,4b,4nを貼り合わせることによって生成されるものである。
【0100】
より具体的には、図16(b)に示されるように、ある一つの画像例えば画像4nを基準として、分割された各画像4a,4bをこの画像4nに対して貼り合わせることにより合成画像41が生成される。そして、本実施の形態2に係る画像処理装置200においては、該合成画像41のあおり歪みが補正され、図16(c)に示された歪み補正画像60が得られる。
【0101】
以下において、本実施の形態2に係る画像処理装置の動作を、図17のフローチャートを参照しつつ説明する。まず、ステップS1において、インタフェース36を介して予め生成された合成画像を入力し、フレームメモリ35に記憶する。そして、該合成画像の入力が終了すると、平行パターン検出部39はステップS2において、被写体面における平行パターン対の投影像である画像パターン対を二組入力または検出する。
【0102】
次に、画像歪み補正部40は、ステップS3において、入力された合成画像のあおり歪みを補正するためのあおり歪み補正パラメータを算出し、ステップS4において該パラメータを用いてあおり歪みを補正した合成画像を生成する。
【0103】
ここで、上記実施の形態1に係る画像処理方法と同様な方法によって、合成画像におけるあおり歪みを補正する場合、該合成画像の画像パラメータが既知である必要があるが、該合成画像の画像パラメータを知ることは可能である。例えば、被写体面の一部分をそれぞれ撮影した分割画像を、射影変換を用いて貼り合わせることにより合成画像を生成する場合には、各分割画像を基準となる画像に整合するよう変換して貼り合わせる。
【0104】
そして、このような方法により生成された合成画像は、上記基準となる画像を撮影した時の画像面を拡大する広画角の光学系を用いて、被写体面を撮影することにより得られる画像と等価なものとなる。すなわち、合成画像の焦点距離及び画像中心は、貼り合わせの基準となる画像の焦点距離及び画像中心とそれぞれ一致することとなる。
【0105】
従って、貼り合わせの基準となる画像の画像パラメータが既知ならば、合成画像の焦点距離及び画像中心を得ることができ、上記実施の形態1に係る画像処理方法を適用することによって、合成画像における被写体像のあおり歪みを補正することが可能である。
【0106】
以上より、本発明の実施の形態2に係る画像処理装置及び画像処理方法によれば、二組の画像パターン対を入力又は検出することによって、分割画像を貼り合わせるためあおり歪みが目立ち易い合成画像のあおり歪みを補正し、適正な合成画像を得ることができる。
【0107】
また、本実施の形態2に係る画像処理装置及び画像処理方法によれば、画像パラメータを利用することによって、被写体面に相似であると共に歪み補正が施された被写体像を生成することができる。そしてさらには、あおり歪み補正に射影変換を用いることによって、少ない処理コストで信頼性の高いあおり歪み補正を実現することができる。
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3に係る画像処理装置は、図5に示された実施の形態1に係る画像処理装置と同様な構成を有するが、画像歪み補正部40の機能が相違するものである。
【0108】
すなわち、本実施の形態3に係る画像処理装置は、被写体面において既知の角度で交わる2組以上の平行パターン対の投影像である画像パターン対を入力または検出する。ここで、入力した画像パターン対に対応する2組の平行パターン対が被写体面上でなす角度が既知である場合には、焦点距離fが未知でも被写体面に相似であると共に歪み補正がなされた被写体像を生成することができる。
【0109】
以下においては、被写体面における2組の平行パターン対のなす角度がψであると仮定して、本実施の形態を説明する。
【0110】
図18は、本発明の実施の形態3に係る画像処理方法を示すフローチャートである。図18に示されるように、まずステップS1においては、ユーザは撮像部により被写体面を撮像し、又は予め撮影された画像を外部から入力する。次に、ステップS2において、平行パターン検出部は被写体面においてなす角度がψである平行パターン対の投影像である画像パターン対を検出すると共に、インタフェースを介して上記角度ψを外部から入力する。なお、上記角度ψとしては、一例として90度とすることができる。
【0111】
そして、画像歪み補正部は、ステップS3においてあおり歪み補正パラメータを算出し、ステップS4において算出された該パラメータを利用してあおり歪みを補正した画像を作成する。
【0112】
以下において、本実施の形態3に係る画像歪み補正部の動作について説明する。なお、本実施の形態3に係る画像歪み補正部は、図9に示された実施の形態1に係る画像歪み補正部40と同様な構成を有する。
【0113】
まず、消失点検出部は、平行パターン検出部で得られた二組の画像パターン対における各消失点を検出する。なお、消失点の座標は、上記実施の形態1において説明された方法により求めることができる。
【0114】
また、射影変換部は、消失点検出部により求められた二組の消失点の座標及び上記角度ψに基づき、被写体像におけるあおり歪みを補正するための射影変換行列Bを求める。ここで、消失点検出部が検出した二つの消失点の拡張ベクトルを、それぞれ以下の式(16)及び式(17)とおく。
【0115】
【数14】
Figure 0004010754
なお、上記式(16)及び式(17)におけるzは、定数を意味する。
【0116】
ここで、二つの消失点に対応する拡張ベクトルv’,v’のなす角度はψであるとわかっているため、空間中における方向ベクトルと画面上における消失点との関係についての上記定理により、上記拡張ベクトルv’,v’の第三要素zが焦点距離fである場合に限り、次式(18)が成立する。
【0117】
【数15】
Figure 0004010754
すなわち、上記式(18)を解くことにより、焦点距離fを計算することができる。
【0118】
以上のような方法により、既知の角度ψで交わる平行パターン対の投影像である画像パターン対を入力することによって、焦点距離fを計算することができる。そして、このように求められた焦点距離fと上記式(4)乃至式(15)を用いて、上記実施の形態1と同様な方法により、あおり歪みを補正するための射影変換行列Bを求めることができる。
【0119】
また、座標変換部は、上記射影変換部により算出された射影変換行列Bを基に、画像を座標変換して歪み補正画像を作成する。具体的には、射影変換後の座標(x’,y’)に対応する変換前の座標(x,y)を式(3)に基づいて計算し、計算された座標(x,y)の近傍における画素値を基に座標(x’,y’)における画素値を補間演算により決定する。なお、この補間演算は、双一次補間法やB−スプライン補間法などの既存の方法を用いて行うことができる。
【0120】
また、ほとんどの被写体面においては、縦及び横方向の境界線や縦罫線及び横罫線など、少なくとも二組の平行パターン対が互いに直交しているため、上記平行パターン検出部においては、互いに直交している平行パターン対の投影像である画像パターン対を検出するようにしても良い。なお、この場合には、式(18)において角度ψに90度を代入して焦点距離fを求めればよいが、該焦点距離fは次式(19)により求められる。
【0121】
【数16】
Figure 0004010754
すなわち、上記式(19)によれば、式(18)による計算よりも遥かに簡単に焦点距離fを求めることができる。そしてさらに、互いに直交している平行パターン対に対応する画像パターン対を入力するよう予め設定することとすれば、上記角度ψを別途入力する必要がなくなり、利便性を一層高めることができる。
【0122】
なお、上記において、いずれか一方の消失点が無限遠点となる場合には、焦点距離fを計算することはできない。このとき、上記実施の形態1と同様に、焦点距離fが未知の場合でも、適当な値f’を用いて点(x,y)より拡張ベクトル(x,y,f’)を生成して上記手順を実行することができるが、この場合にはあおり歪みを補正することはできるものの、実際の被写体面と縦横比が一致しない画像が生成される。
【0123】
以上より、本発明の実施の形態3に係る画像処理装置及び画像処理方法によれば、平行パターン対のなす角度が既知の画像パターン対を二組用いることにより、いずれか一方の消失点が無限遠点でない限り、撮影時の焦点距離が未知であっても、被写体面に相似であると共に歪み補正がなされた被写体像を生成することができる。
[実施の形態4]
本発明の実施の形態4に係る画像処理装置は、図5に示された上記実施の形態1に係る画像処理装置と同様な構成を有するが、画像歪み補正部40の機能が相違するものである。以下においては、該相違点について詳しく説明する。
【0124】
本実施の形態4に係る画像処理装置は、あおり歪みを補正した画像における被写体像の傾きを補正することを特徴とする。例えば、上記実施の形態1においては、式(14)に示された回転行列Rを用いて座標変換することにより、画像のあおり歪みを補正すると説明したが、この座標変換は被写体面の法線ベクトルを回転軸とする1軸周りの自由度を残している。すなわち、図19(a)に示されるように、画像処理装置2が被写体面1に対して傾いている場合などには、撮影時の撮像部31の姿勢により、画像面3内で被写体像が傾いた歪み補正画像が得られることがある。
【0125】
従って、本実施の形態に係る画像処理装置は、図19(b)に示されるように、画像処理装置2が被写体面1に対して傾いていない状態で撮影されたときに得られる歪み補正画像、すなわち画像面内3で被写体像が傾いていない補正画像を得ることを目的とするものである。
【0126】
以下において、本実施の形態4に係る画像処理装置の動作を、図20に示されたフローチャートを参照しつつ説明する。まず、ステップS1において、信号処理部32は撮像部31により撮影された被写体面の画像を入力する。
【0127】
そして、ステップS2において、平行パターン検出部39は、被写体面上における平行パターン対の画像への投影像である画像パターン対を入力又は検出する。なお、各画像パターン対は2つの線状パターンにより構成されている。
【0128】
次に、ステップS3において、ステップS2で入力された画像パターン対のうち一の画像パターン対に対して、あおり歪み補正後の向きを指定する。そして、以下に詳しく説明する画像歪み補正部41は、ステップS4において、ステップS2において入力された画像パターン対と、ステップS3で指定された上記向きとに基づいて、撮影した画像のあおり歪みを補正するパラメータを算出する。またステップS5では、画像歪み補正部41は、ステップS4で算出されたパラメータを用いてあおり歪みを補正した画像を作成する。
【0129】
以下において、本実施の形態4に係る画像歪み補正部41について詳しく説明する。図21は、本実施の形態4に係る画像歪み補正部41の構成を示すブロック図である。図21に示されるように、この画像歪み補正部41は消失点検出部401と、射影変換部402と、座標変換部403と、向き指定部404とを備える。ここで、消失点検出部401は平行パターン検出部39に接続され、射影変換部402は消失点検出部401に接続される。また、座標変換部403は射影変換部402に接続され、向き指定部404は射影変換部402に接続される。
【0130】
上記のような構成を有する画像歪み補正部41においては、消失点検出部401は平行パターン検出部39で得られた二組の画像パターン対においてそれぞれ消失点を検出する。そして、射影変換部402は、消失点検出部401から供給された二つの消失点の座標に基づき、被写体におけるあおり歪みを補正するための射影変換行列Bを求める。また、座標変換部403は、射影変換部402により算出された射影変換行列Bを基に、画像を座標変換して歪み補正画像を作成する。
【0131】
また、向き指定部404は、図22に示されるように、表示部37の表面に設置された透明タッチパネル404aと、入力された画像パターン対のうち一つの画像パターン対に対してあおり歪み補正後の向きを指定するポインティングデバイス404bとにより構成される。
【0132】
ここで例えば、図22(a)に示されるように、画像パターン対を入力した後、表示部37において「向き指定」という文字がオーバレイ表示される。すると、ユーザはポインティングデバイス404bにより、表示部37上で入力した画像パターン対のうち一つの画像パターン対に対して、あおり歪みを補正した後の画像における該画像パターンの向きを入力する。
【0133】
すなわち、例えば図22(b)に示されるように、第一の画像パターン対を構成する直線393a及び直線393bに対し、あおり歪み補正後に横方向(水平方向)を向くように指定すると、該画像パターン対はそれぞれ直線393c及び直線393dのように横方向(水平方向)を向くように補正される。
【0134】
以下において、このような画像処理を実行するときの動作を説明する。まず、撮像部31の光軸(z軸)を被投影面の単位法線ベクトルnに一致させる座標変換を示す回転行列Rは、上記式(8)で与えられる。次に、第一の画像パターン対の消失点に対応する単位視線ベクトルをvとおくと、vを横方向すなわち単位ベクトル[1,0,0] に変換する座標変換は、回転行列Rを用いて以下の式(20)により示される。
【0135】
【数17】
Figure 0004010754
ここで、回転行列Rは直交行列なので、同一直線上にない変換前後のベクトルが二組与えられれば一意に求められ、式(8)及び式(20)により以下の式(21)が求められる。
【0136】
【数18】
Figure 0004010754
但し、uはnとvの両方に直交する単位ベクトルであり、次式(22)で表される。
【0137】
【数19】
Figure 0004010754
これは、式(8)から式(13)による計算において残された回転行列Rの1軸周りの自由度が、一つの画像パターン対における補正後の向きを規定することにより拘束されることを意味する。そして、以上の計算によって求められた回転行列Rを式(15)に代入することにより、あおり歪みを補正する射影変換行列Bが求められる。
【0138】
また、座標変換部403は、射影変換部402により算出された射影変換行列Bを基に、画像を座標変換して歪み補正画像を生成する。具体的には、射影変換後の座標(x’,y’)に対応する変換前の座標(x,y)を式(3)に基づいて計算し、計算された座標(x、y)の近傍における画素値を基に座標(x’,y’)における画素値を補間演算により決定する。なお、該補間演算は、双一次補間法やB−スプライン補間法などの既存の方法を用いて行えばよい。
【0139】
以上より、本実施の形態4に係る画像処理装置及び画像処理方法によれば、上記実施の形態1と同様な効果を得ることができると共に、さらに、あおり歪みが補正された画像の画像面内における傾きを任意に変更することができるため、一層見た目の良い画像を得ることができる。
【0140】
また、例えば、得られた該画像に対して文字認識処理などを行う場合においては、該認識精度が向上するため、文書情報の取得から符号化までの後処理コストを大幅に減らすこともできる。
[実施の形態5]
本発明の実施の形態5に係る画像処理装置は、図5に示された上記実施の形態1に係る画像処理装置と同様な構成を有するが、画像歪み補正部40の機能が相違するものである。以下においては、該相違点について詳しく説明する。
【0141】
また、本実施の形態5に係る画像処理装置は、上記実施の形態4と同様に、あおり歪みを補正した画像における被写体像の傾きを補正することを特徴とする。
【0142】
以下において、本実施の形態5に係る画像処理装置の動作を図23のフローチャートを参照しつつ説明する。まず、ステップS1において、信号処理部32は撮像部31により撮影された被写体面の画像、あるいは予め撮影された画像を入力する。そして、ステップS2において、平行パターン検出部39は、被写体面内における二つの平行パターン対の画像への投影像である二組の画像パターン対を入力又は検出する。なお、各画像パターン対は2つの線状パターンにより構成されている。
【0143】
次に、以下に詳しく説明する画像歪み補正部42は、ステップS3において、撮影した画像のあおり歪みを補正するパラメータを算出し、ステップS4で該算出されたパラメータを用いてあおり歪みを補正した画像を作成する。そして、ステップS5において、歪み補正がなされた画像における被写体像の画面内における傾きを補正する。
【0144】
以下において、本実施の形態5に係る画像歪み補正部42について詳しく説明する。図24は、本実施の形態5に係る画像歪み補正部42の構成を示すブロック図である。図21に示されるように、この画像歪み補正部42は消失点検出部401と、射影変換部402と、座標変換部403と、傾き補正部405とを備える。ここで、消失点検出部401は平行パターン検出部39に接続され、射影変換部402は消失点検出部401に接続される。また、座標変換部403は射影変換部402に接続され、傾き補正部405は座標変換部403に接続される。
【0145】
上記のような構成を有する画像歪み補正部42においては、消失点検出部401は平行パターン検出部39で得られた二組の画像パターン対においてそれぞれ消失点を検出する。そして、射影変換部402は、消失点検出部401から供給された二つの消失点の座標に基づき、被写体におけるあおり歪みを補正するための射影変換行列Bを求める。また、座標変換部403は、射影変換部402により算出された射影変換行列Bを基に、画像を座標変換して歪み補正画像を作成する。
【0146】
また、傾き補正部405は、図25に示されるように、表示部37の表面に設置された透明タッチパネル405aと、傾きを補正する角度を入力するポインティングデバイス405bにより構成され、歪み補正画像の画像面内における傾きを補正するための座標変換を求めるものである。例えば、本実施の形態に係る画像処理装置の筐体に配設されたスイッチ(図示していない)を押して、傾き補正モードを起動すると、図25に示されるように、表示部37の透明タッチパネル405a上において「傾き補正」という文字がオーバレイ表示される。すると、ユーザはポインティングデバイス405bにより表示部37上で円弧を描き、被写体像の傾きを補正する回転の方向及び回転の大きさをゼスチャ入力する。
【0147】
そして、このようにして入力された回転角をθとすると、次式(23)により歪み補正画像における点(x’,y’)から点(x’’,y’’)への合同変換を算出する。
【0148】
【数20】
Figure 0004010754
但し、点(x’,y’)は回転の中心となる座標であり、通常は画像中心が回転中心座標として選択される。
【0149】
そして、傾き補正部405の算出結果は座標変換部403に出力され、式(23)の合同変換式を基に、歪み補正画像における被写体像の傾きを補正した画像を作成する。具体的には、射影変換後の座標(x’’,y’’)に対応する変換前の座標(x’,y’)を式(23)に基づいて計算し、計算された座標(x’、y’)の近傍における画素値を基に座標(x’’,y’’)における画素値を補間演算により決定する。なお、該補間演算は、双一次補間法やB−スプライン補間法などの既存の方法を用いて行えばよい。
【0150】
以上より、本実施の形態5に係る画像処理装置及び画像処理方法によっても、上記実施の形態4と同様な効果を得ることができる。
[実施の形態6]
本発明の実施の形態6に係る画像処理装置は、図5に示された上記実施の形態1に係る画像処理装置と同様な構成を有するが、画像歪み補正部40の機能が相違するものである。以下においては、該相違点について詳しく説明する。
【0151】
ここで、本実施の形態6に係る画像処理装置は、さらにあおり歪みを補正した画像の大きさを該補正前の画像の大きさと概ね等しくすることを特徴とするものである。
【0152】
以下において、本実施の形態6に係る画像処理装置の動作を図26のフローチャートを参照しつつ説明する。まず、ステップS1において、信号処理部32は撮像部31により撮影された被写体面の画像、あるいは予め撮影された画像を入力する。そして、ステップS2において、平行パターン検出部39は、被写体面内における二つの平行パターン対の画像への投影像である二組の画像パターン対を入力又は検出する。なお、各画像パターン対は2つの線状パターンにより構成されている。
【0153】
次に、以下に詳しく説明する画像歪み補正部43は、ステップS3において、撮影した画像のあおり歪みを補正するパラメータを算出し、ステップS4で、あおり歪みを補正した画像の大きさを該補正前の大きさとほぼ同じにするための拡大係数kを計算する。そしてさらに、ステップS5において、画像歪み補正部43は、該算出されたパラメータ及び拡大係数kを用いてあおり歪みを補正した画像を作成する。
【0154】
以下において、本実施の形態6に係る画像歪み補正部43について詳しく説明する。図27は、本実施の形態6に係る画像歪み補正部43の構成を示すブロック図である。図27に示されるように、この画像歪み補正部43は消失点検出部401と、射影変換部402と、座標変換部403と、画像正規化部406とを備える。ここで、消失点検出部401は平行パターン検出部39に接続され、射影変換部402は消失点検出部401に接続される。また、座標変換部403は射影変換部402に接続され、画像正規化部406は消失点検出部401と座標変換部403との間に射影変換部402と並列に接続される。
【0155】
上記のような構成を有する画像歪み補正部43においては、消失点検出部401は平行パターン検出部39で得られた二組の画像パターン対においてそれぞれ消失点を検出する。そして、射影変換部402は、消失点検出部401から供給された二つの消失点の座標に基づき、被写体におけるあおり歪みを補正するための射影変換行列Bを求める。また、座標変換部403は、射影変換部402により算出された射影変換行列Bを基に、画像を座標変換して歪み補正画像を作成する。
【0156】
また、画像正規化部405は、式(14)において、あおり歪みを補正した画像を補正前とほぼ同じ大きさとするための拡大係数kの値を求める。ここで拡大係数kは、図28に示されるように、撮像部31の光学中心oと被写体面に平行な被投影面101との距離を表し、作成される歪み補正画像の大きさを規定する。
【0157】
そこで、図28に示されるように、焦点距離f、及び撮像部31の光軸(z軸)と被投影面101の法線ベクトルとのなす角φを用いて、拡大係数kを次式(24)により算出される値とする。
【0158】
【数21】
Figure 0004010754
これにより、あおり歪みを補正した画像104の大きさは、図28に示された斜線部で示されるように、補正前の画像103の大きさと概ね等しくなる。ここで、撮像部31の光軸(z軸)の単位ベクトルと、式(8)により示された被投影面101の法線ベクトルnを用いて、以下の式(25)で示される関係が成立する。
【0159】
【数22】
Figure 0004010754
これにより、上記式(24)は次式(26)のように変形される。
【0160】
【数23】
Figure 0004010754
従って、上記式(26)により算出された拡大係数kを用いて式(14)により示される座標変換を行うことにより、あおり歪み補正前後の画像の大きさをほぼ同じにすることができる。
【0161】
なお、上記拡大係数kの算出方法は、式(26)を用いる方法に限定されるものでない。すなわち例えば、あおり歪み補正前の画像における図29(a)に示された点P,P,P,Pに対し、一旦kを1と置いて式(14)に示された座標変換を施すことにより、図29(b)に示されたあおり歪み補正後の点P’,P’,P’,P’をそれぞれ計算する。次に、該点P’,P’,P’,P’に囲まれた外接矩形の面積S’を求める。ここで、あおり歪み補正前の画像における点P,P,P,Pにより囲まれた矩形の面積をSとすると、上記拡大係数kは次式(27)によっても算出することができる。
【0162】
【数24】
Figure 0004010754
以上より、本実施の形態6に係る画像処理装置及び画像処理方法によれば、上記実施の形態1と同様な効果を得ることができると共に、さらに、あおり歪みを補正した画像を所望の大きさにすることができる。
[実施の形態7]
本発明の実施の形態7に係る画像処理装置は、図5に示された上記実施の形態1に係る画像処理装置と同様な構成を有するが、画像歪み補正部40の機能が相違するものである。以下においては、該相違点について詳しく説明する。
【0163】
ここで、本実施の形態7に係る画像処理装置についても、上記実施の形態6と同様に、あおり歪みを補正した画像の大きさを該補正前の画像の大きさと概ね等しくすることができることを特徴とするものである。
【0164】
そして、本実施の形態7に係る画像処理装置は、上記実施の形態6に係る画像処理装置と同様に動作するが、図26に示されたステップS4においては、ユーザが画像歪み補正部に対して、あおり歪みを補正した画像の大きさを設定する。これにより、ステップS5において、本実施の形態7に係るあおり歪み補正部44は、ステップS3において算出されたあおり歪み補正パラメータと上記のようにユーザによって設定された大きさとにより、あおり歪みを補正した画像を生成する。
【0165】
以下において、本実施の形態7に係る画像歪み補正部44について詳しく説明する。図30は、本実施の形態7に係る画像歪み補正部44の構成を示すブロック図である。図30に示されるように、この画像歪み補正部44は消失点検出部401と、射影変換部402と、座標変換部403と、画像サイズ設定部407とを備える。ここで、消失点検出部401は平行パターン検出部39に接続され、射影変換部402は消失点検出部401に接続される。また、座標変換部403は射影変換部402に接続され、画像サイズ設定部407は消失点検出部401と座標変換部403との間に射影変換部402と並列に接続される。
【0166】
上記において、画像サイズ設定部407は、図31に示されるように、表示部37の表面に設置された透明タッチパネル407aと、あおり歪み補正前後の画像の拡大倍率を設定するポインティングデバイス407bにより構成される。
【0167】
ここで、例えば本実施の形態6に係る画像処理装置の筐体に配設されたスイッチを押すことにより、画像サイズ設定モードを起動すると、図31に示されるように表示部37において「画像サイズ設定」という文字がオーバレイ表示される。すると、ユーザはポインティングデバイス407bを用いて表示部37上に表された倍率を選択することにより、歪み補正がなされた画像の倍率が入力される。
【0168】
このとき、該入力された倍率をgとすると、上記実施の形態5に係る画像処理方法と同様に、式(14)の拡大係数kを次式(28)により算出する。
【0169】
【数25】
Figure 0004010754
従って、式(28)により算出された拡大係数kの値を用いて式(14)の座標変換を行うことにより、所望の大きさの歪み補正画像を得ることができる。なお、拡大係数kの計算方法は、式(28)による計算に限定されるものではなく、式(27)のkの値に基づいて以下の式(29)により算出することもできる。
【0170】
【数26】
Figure 0004010754
以上より、本発明の実施の形態7に係る画像処理装置及び画像処理方法によっても、上記実施の形態6と同様な効果を得ることができる。
【0171】
なお、上記全ての実施の形態に係る画像処理方法は、コンピュータプログラムにより記述できる。従って、該プログラムを例えばCD−ROM171やフロッピーディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、図32(a)に示されるようにコンピュータPCに装着することにより、該プログラムをコンピュータPCに実行させることにより容易に該画像処理を実現することができる。
【0172】
また、図32(b)に示されるように、上記全ての実施の形態に係る画像処理装置は、デジタルカメラ2aとして一つの筐体に収容してもよく、この場合には上記プログラムが記録されたフロッピーディスク172等の小型記録媒体を該デジタルカメラ2aに装着して、該プログラムを該デジタルカメラ2a自身に実行させることにより、該デジタルカメラ2aに上記画像処理の機能を持たせることができる。
【0173】
【発明の効果】
上述の如く、本発明に係る画像処理によれば、様々な撮影条件において撮影されることにより生じた画像の歪みを簡易に補正することができるため、適正な画像を容易に得ることができる。
【0174】
また、少なくとも二つの消失点を用いて変換行列を求めることとすれば、様々な撮影条件において撮影されることにより生じた画像の歪みを簡易な画像処理により確実に補正することができるため、精度の高い適正な画像を得ることができる。
【0175】
また、光学系の画像パラメータ及び消失点を用いることによって変換行列を算出することとすれば、容易に補正後の画像を被写体の表面に描かれた原像と相似なものとすることができるため、より高精度な補正を実現することができる。
【0176】
また、合成画像を画像処理する場合には、合成画像の作成の際に基準とされた画像を撮影した光学系の画像パラメータ及び消失点を用いることにより変換行列を算出することとすれば、あおり歪みが生じ易い合成画像に対しても、簡易な画像処理により該歪みを補正することができる。
【0177】
また、少なくとも二組の線分が被写体上でなす角度及び消失点を用いて変換行列を算出することとすれば、被写体を撮影した光学系の焦点距離が未知の場合においても該歪みを高精度に補正することができるため、該焦点距離を得るための装置及び動作が不用となり、より簡易に適正な画像を得ることができる。
【0178】
また、一組の平行な線分における座標変換後の方向がユーザにより指定された場合には、該方向に応じて変換行列を算出することとすれば、歪みが補正された画像の向きを画像面内において容易に変更することができるため、一層見た目の良い画像を得ることができ、また、得られた画像に対する後処理コストを低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成画像を得る際の従来からの問題を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の動作を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の基本構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示された画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】図5に示された平行パターン検出部の構成及び動作を説明する図である。
【図8】図5に示された平行パターン検出部の他の動作を説明する図である。
【図9】図5に示された画像歪み補正部の構成を示すブロック図である。
【図10】図5に示された撮像部の光学系を説明する図である。
【図11】図9に示された消失点検出部の動作を説明する図である。
【図12】図5に示された画像歪み補正部によるパラメータ算出動作を説明する第一の図である。
【図13】図5に示された画像歪み補正部によるパラメータ算出動作を説明する第二の図である。
【図14】図5に示された画像歪み補正部によるパラメータ算出動作を説明する第三の図である。
【図15】本発明の実施の形態2に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の実施の形態2に係る画像処理装置の動作を説明する図である。
【図17】図15に示された画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態3に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施の形態4に係る画像処理装置の動作を説明する図である。
【図20】本発明の実施の形態4に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図21】本発明の実施の形態4に係る画像歪み補正部の構成を示すブロック図である。
【図22】図21に示された向き指定部の構成及び動作を説明する図である。
【図23】本発明の実施の形態5に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図24】本発明の実施の形態5に係る画像歪み補正部の構成を示すブロック図である。
【図25】図24に示された傾き補正部の構成及び動作を説明する図である。
【図26】本発明の実施の形態6に係る画像処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図27】本発明の実施の形態6に係る画像歪み補正部の構成を示すブロック図である。
【図28】図27に示された画像歪み補正部の動作を説明する第一の図である。
【図29】図27に示された画像歪み補正部の動作を説明する第二の図である。
【図30】本発明の実施の形態7に係る画像歪み補正部の構成を示すブロック図である。
【図31】図30に示された画像サイズ設定部の構成及び動作を説明する図である。
【図32】本発明に係る他の実施の形態を説明する図である。
【符号の説明】
1,10 被写体面
2,200 画像処理装置
2a デジタルカメラ
3,100 画像面
4,4a〜4n,6,41,60,103,104 画像
5 被写体像
7 分割画像
11 中央演算処理装置(CPU)
12 同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)
13 ハードディスクドライブ(HDD)
14 入力インタフェース(入力I/F)
15 電源
16 表示インタフェース(表示I/F)
17 記録装置
18 外部インタフェース(外部I/F)
19 ディスプレイ
20 読み出し専用メモリ(ROM)
21 レンズ
22 絞り機構
23 シャッタ
24 光電変換素子
25 駆動部
26 前処理回路
27 モータ駆動部
28 液晶ディスプレイ(LCD)
31 撮像部
32 信号処理部
33 メモリ制御部
34 主制御部
35 フレームメモリ
36 インタフェース(I/F)
37 表示部
38 外部記憶部
39 平行パターン検出部
40,41,42,43,44 画像歪み補正部
101 被投影面
102 歪み補正画像
171 CD−ROM
172 フロッピーディスク
390 ポインタ
391,404a,405a,407a 透明タッチパネル
392,404b,405b,407b ポインティングデバイス
393a〜393d 直線
401 消失点検出部
402 射影変換部
403 座標変換部
404 向き指定部
405 傾き補正部
406 画像正規化部
407 画像サイズ設定部
BUS バス
PO 対象点
CI 画像中心
EV 視線ベクトル
v1,v2 消失点
D1〜Dn 視点
P1,P2 位置
PC コンピュータ

Claims (13)

  1. 被写体面を撮影することにより得られる画像のあおり歪みを補正する画像処理装置であって、
    互いに平行な2つのパターンを含む平行パターン対を少なくとも 2 つ含む被写体面が撮像された入力画像を入力する入力部と、
    前記入力画像における、2つの前記平行パターン対の投写像である画像パターン対を検出する平行パターン検出部と、
    前記2つの画像パターン対に基づいて前記入力画像のあおり歪みを補正する画像歪み補正部とを具備し、
    前記平行パターン検出部は、
    前記入力画像における、2つの前記画像パターン対の入力を受け付け又は検出し、さらに、前記画像パターン対を投写像とする前記2つの平行パターン対が前記被写体面においてなす角度の入力を受け付け、
    前記画像歪み補正部は、
    前記2つの画像パターン対の各々について、該画像パターン対を構成するパターンの交点である消失点の座標を検出する消失点検出手段と、
    前記2つの消失点の座標と前記入力された角度とに基づいて、前記被写体面が撮影された光学系における焦点距離を算出する焦点距離算出手段と、
    前記2つの消失点の座標と前記焦点距離とに基づいて、前記入力画像が有するあおり歪みを補正する補正パラメータを算出する補正パラメータ算出手段と、
    前記補正パラメータに基づいて、前記入力画像のあおり歪みを補正した補正画像を生成する生成手段と、
    を具備することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記生成手段は、
    前記補正パラメータを含む変換行列を用いて、所定の被投影面に投影される際のあおり歪みが補正された補正画像を生成することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  3. 前記被投影面は、前記被写体面に平行な平面であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記変換行列は、射影変換行列であり、
    前記補正画像を生成する手段は、前記射影変換行列を用い、前記画像を構成する各点が前記被投影面上の点に座標変換された補正画像を生成すること
    を特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
  5. 前記算出手段は、
    前記被投影面上の前記補正画像の、前記入力画像に対する拡大率のパラメータを、前記2つの消失点の座標と前記焦点距離とに基づいて算出し、
    前記変換行列は、前記拡大率のパラメータを含むことを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
  6. 前記画像歪み補正部は、前記入力画像が、前記被写体面を部分的に撮影することにより得られた複数の画像がつなぎ合わされることにより生成された合成画像の場合には、前記合成画像の作成の際に基準とされた画像を撮影した光学系のパラメータ及び前記消失点を用いることにより、前記変換行列を算出することを特徴とする請求項1ないし5何れか一項に記載の画像処理装置。
  7. 被写体面を撮影することにより得られる画像のあおり歪みを補正する画像処理方法であって、
    互いに平行な2つのパターンを含む平行パターン対を少なくとも 2 つ含む被写体面が撮像された入力画像を入力する入力ステップと、
    前記入力画像における、2つの前記平行パターン対の投写像である画像パターン対を検出する平行パターン検出ステップと、
    前記2つの画像パターン対に基づいて前記入力画像のあおり歪みを補正する画像歪み補正ステップとを具備し、
    前記平行パターン検出ステップは、
    前記入力画像における、2つの前記画像パターン対の入力を受け付け又は検出し、さらに、前記画像パターン対を投写像とする前記2つの平行パターン対が前記被写体面においてなす角度の入力を受け付け、
    前記画像歪み補正ステップは、
    前記2つの画像パターン対の各々について、該画像パターン対を構成するパターンの交点である消失点の座標を検出する消失点検出ステップと、
    前記2つの消失点の座標と前記入力された角度とに基づいて、前記被写体面が撮影された光学系における焦点距離を算出する焦点距離算出ステップと、
    前記2つの消失点の座標と前記焦点距離とに基づいて、前記入力画像が有するあおり歪みを補正する補正パラメータを算出する補正パラメータ算出ステップと、
    前記補正パラメータに基づいて、前記入力画像のあおり歪みを補正した補正画像を生成する生成ステップと、
    を具備することを特徴とする画像処理方法。
  8. 前記生成ステップにおいて、
    前記補正パラメータを含む変換行列を用いて、所定の被投影面に投影される際のあおり歪みが補正された補正画像を生成することを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
  9. 前記被投影面は、前記被写体面に平行な平面であることを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
  10. 前記変換行列は、射影変換行列であり、
    前記補正画像を生成するステップは、前記射影変換行列を用い、前記画像を構成する各点が前記被投影面上の点に座標変換された補正画像を生成すること
    を特徴とする請求項8又は9に記載の画像処理方法。
  11. 前記算出ステップにおいて、
    前記被投影面上の前記補正画像の、前記入力画像に対する拡大率のパラメータを、前記2つの消失点の座標と前記焦点距離とに基づいて算出し、
    前記変換行列は、前記拡大率のパラメータを含むことを特徴とする請求項10記載の画像処理方法。
  12. 前記画像歪み補正ステップは、前記入力画像が、前記被写体面を部分的に撮影することにより得られた複数の画像がつなぎ合わされることにより生成された合成画像の場合には、前記合成画像の作成の際に基準とされた画像を撮影した光学系のパラメータ及び前記消失点を用いることにより、前記変換行列を算出することを特徴とする請求項7ないし11何れか一項に記載の画像処理方法。
  13. コンピュータに、請求項7ないし12何れか一項に記載の画像処理方法を実行させるプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記録媒体
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