[go: up one dir, main page]

JP4009509B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

内燃機関の冷却装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4009509B2
JP4009509B2 JP2002249424A JP2002249424A JP4009509B2 JP 4009509 B2 JP4009509 B2 JP 4009509B2 JP 2002249424 A JP2002249424 A JP 2002249424A JP 2002249424 A JP2002249424 A JP 2002249424A JP 4009509 B2 JP4009509 B2 JP 4009509B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow rate
cooling
cooling water
water temperature
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002249424A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004084615A (ja
Inventor
功 高木
登 高木
善一 新保
重孝 吉川
雅澄 吉田
隆 今井田
昌弘 小林
大介 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisan Industry Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisan Industry Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Aisan Industry Co Ltd
Priority to JP2002249424A priority Critical patent/JP4009509B2/ja
Publication of JP2004084615A publication Critical patent/JP2004084615A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4009509B2 publication Critical patent/JP4009509B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却水を循環させ、その冷却水と内燃機関との間で熱交換を行わせることにより内燃機関を冷却するようにした冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両等に搭載されるエンジンの冷却装置として、エンジンの冷却水循環経路に設けられて冷却水を冷却するラジエータと、ラジエータを通過する冷却水の流量を調整する流量制御弁とを備えたものが知られている。この冷却装置では、流量制御弁の開度制御を通じて調整される冷却水の流量に応じて、エンジンの冷却水温度が変化する。
【0003】
こうした流量制御弁の開度制御としては、例えば特開2002−21563号に記載されたものが知られている。この開度制御では、流量制御弁の弁体を作動させて弁開度を変化させるためにステップモータが用いられている。そして、エンジンの実際の冷却水温度と目標冷却水温度との比較結果に基づきステップモータを1ステップずつ動かし、冷却水温度が目標冷却水温度となるよう流量制御弁の開度をフィードバック制御している。この制御により、ラジエータを通過する冷却水の流量が調整され、エンジンの冷却水温度が目標冷却水温度に収束する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記制御技術では、ステップモータの1ステップの変化に対するエンジンの冷却水温度の変化が一義的なものとならない場合がある。すなわち、流量制御弁では、通常、その開度に対して流量がリニアに変化しない。従って、ステップモータ1ステップ当りのラジエータ流量の変化量が流量制御弁の使用開度域によって異なる。しかも、冷却水温度を目標冷却水温度とするのに要求されるラジエータ流量(要求ラジエータ流量)は、ラジエータを通過した後の冷却水温度によって異なる場合がある。そのため、上記のように実際の冷却水温度と目標冷却水温度との偏差に基づきステップモータを1ステップずつ作動させても、ラジエータを流れる冷却水の流量を要求ラジエータ流量に増減できるとは限らない。その結果、冷却水温度の目標冷却水温度に対するハンチングが大きくなるため、エンジンの耐熱性の観点から目標冷却水温度を下げざるを得なくなり、これにともないフリクションの増大による燃費悪化を招くという問題がある。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、冷却水温度の目標冷却水温度に対するハンチングを小さくすることのできる内燃機関の冷却装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、内燃機関の冷却水循環経路に設けられたラジエータと、前記ラジエータを通過する冷却水の流量であるラジエータ流量を調整する流量制御弁と、前記内燃機関が冷却水に奪われる冷却損失熱量を機関運転状態に基づき算出する冷却損失熱量算出手段と、前記冷却損失熱量算出手段による冷却損失熱量、前記内燃機関の目標冷却水温度、及び前記ラジエータを通過した後の冷却水温度に基づき、前記内燃機関の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするための要求ラジエータ流量を算出する要求ラジエータ流量算出手段と、前記内燃機関の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするためのフィードバック補正量を求め、前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量の算出に際し、前記冷却損失熱量を前記フィードバック補正量に基づき補正するフィードバック補正手段と、前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量に基づき前記流量制御弁を制御する流量制御弁制御手段とを備え、前記フィードバック補正手段は、前記目標冷却水温度と前記内燃機関の冷却水温度との偏差に応じた比例項に基づいて前記フィードバック補正量を求め、前記フィードバック補正手段は、前記比例項の感度係数を前記内燃機関の冷却水温度の変化量に応じて可変とし、この可変とされる感度係数に基づき前記比例項を求めるものであるとする。
【0007】
上記構成によれば、内燃機関の冷却装置では、冷却損失熱量算出手段、要求ラジエータ流量算出手段、フィードバック補正手段及び流量制御弁制御手段により流量制御弁が次のように制御される。
【0008】
冷却損失熱量算出手段では、機関運転状態に基づいて冷却損失熱量が算出される。要求ラジエータ流量算出手段では、内燃機関の冷却水温度を目標冷却水温度とするのに要求される要求ラジエータ流量が算出される。この要求ラジエータ流量の算出は、前記冷却損失熱量、前記目標冷却水温度、及びラジエータを通過した後の冷却水温度に基づいて行われる。フィードバック補正手段では、内燃機関の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするためのフィードバック補正量が求められ、前記要求ラジエータ流量の算出に際し、前記冷却損失熱量がこのフィードバック補正量に基づいて補正される。そして、流量制御弁制御手段では前記要求ラジエータ流量に基づいて流量制御弁が制御される。この制御により流量制御弁が作動して、ラジエータを通過するラジエータ流量が調整され、内燃機関の冷却水温度が目標冷却水温度に収束される。
【0009】
このように請求項1に記載の発明では、要求ラジエータ流量が算出され、この算出された要求ラジエータ流量に基づいて流量制御弁が制御されるため、流量制御弁の流量特性に応じて流量制御弁を制御することが可能となる。従って、流量制御弁の開度に対してラジエータ流量がリニアに変化しない場合であっても、要求ラジエータ流量に対応させて流量制御弁の開度を増減することができる。
【0010】
また、要求ラジエータ流量は、前述したように冷却損失熱量、目標冷却水温度、及びラジエータを通過した後の冷却水温度に基づいて算出される。このため、機関運転状態が変化することにより冷却損失熱量が変化し、それにともなって要求ラジエータ流量が変化したとしても、それに応じてラジエータ流量を変化させることができる。また、要求ラジエータ流量は、ラジエータを通過した後の冷却水温度によっても異なるが、その冷却水温度に応じてラジエータ流量を変化させることができる。
【0011】
しかも、冷却損失熱量がフィードバック補正量によって補正され、流量制御弁の開度がフィードバック制御されることから、上述したように、流量制御弁の流量特性やラジエータを通過した後の冷却水温度を反映させてラジエータ流量を増減することができ、冷却水温度の目標冷却水温度に対するハンチングを小さくすることができる。その結果、内燃機関の耐熱性を考慮しながらも目標冷却水温度を高めに設定することにより、フリクションの増大による燃費悪化を抑えることが可能となる。
加えて、上記の構成によれば、フィードバック補正手段では、内燃機関の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするためのフィードバック補正量が、これらの目標冷却水温度と冷却水温度との偏差に応じた比例項に基づいて求められ、前記比例項の感度係数が内燃機関の冷却水温度の変化量に応じて変更され、この変更された感度係数に基づき比例項が求められる。従って、このようにして求めたフィードバック補正量に基づいて冷却損失熱量が補正され、この冷却損失熱量が流量制御弁の制御のための要求ラジエータ流量の算出に用いられることで、冷却水温度の目標冷却水温度への応答性や収束性が好適に高められる。さらに、例えば、目標冷却水温度よりも高い側(又は低い側)にある冷却水温度が上昇(又は下降)していて冷却水温度の変化量が多い場合に感度係数を大きな値に設定することにより、冷却水温度を大きく変化させて目標冷却水温度に速く近づけることが可能となる。また、目標冷却水温度よりも高い側(又は低い側)にある冷却水温度があまり変化しておらず冷却水温度の変化量が少ない場合に感度係数を小さな値に設定することにより、冷却水温度を緩やかに変化させてその冷却水温度の目標冷却水温度に対するハンチングを抑制することが可能となる。このように、内燃機関の冷却水温度の目標冷却水温度への応答性や収束性を一層好適に高めることができる。
【0016】
請求項に記載の発明では、内燃機関の冷却水循環経路に設けられたラジエータと、前記ラジエータを通過する冷却水の流量であるラジエータ流量を調整する流量制御弁と、前記内燃機関が冷却水に奪われる冷却損失熱量を機関運転状態に基づき算出する冷却損失熱量算出手段と、前記冷却損失熱量算出手段による冷却損失熱量、前記内燃機関の目標冷却水温度、及び前記ラジエータを通過した後の冷却水温度に基づき、前記内燃機関の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするための要求ラジエータ流量を算出する要求ラジエータ流量算出手段と、前記内燃機関の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするためのフィードバック補正量を求め、前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量の算出に際し、前記冷却損失熱量を前記フィードバック補正量に基づき補正するフィードバック補正手段と、前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量に基づき前記流量制御弁を制御する流量制御弁制御手段とを備え、前記フィードバック補正手段は、前記目標冷却水温度と前記内燃機関の冷却水温度との偏差に応じた比例項に基づいて前記フィードバック補正量を求め、前記比例項の感度係数を前記目標冷却水温度と前記内燃機関の冷却水温度との偏差に応じて可変とし、この可変とされる感度係数に基づき前記比例項を求めるものであるとする。
【0017】
上記の構成によれば、フィードバック補正手段では、比例項の感度係数が目標冷却水温度と内燃機関の冷却水温度との偏差に応じて変更され、この変更された感度係数に基づき比例項が求められる。従って、例えば偏差が大きい場合に感度係数を大きな値に設定することにより、冷却水温度を大きく変化させて目標冷却水温度に速く収束させることが可能となる。また、偏差が小さい場合に感度係数を小さな値に設定することにより、冷却水温度をゆっくり変化させてその冷却水温度の目標冷却水温度に対するハンチングを抑制することが可能となる。このように、内燃機関の冷却水温度の目標冷却水温度への応答性や収束性を一層好適に高めることができる。
【0018】
請求項に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記フィードバック補正手段は、前記内燃機関を通過する冷却水の流量又はそれに相当する機関情報に応じた制御周期にて前記フィードバック補正量を更新するものであるとする。
【0019】
ここで、内燃機関を通過する冷却水の流量が少なく冷却水温度の応答が遅いにも拘らず短い制御周期でフィードバック補正量を更新すると、フィードバック補正量が過度に更新され、これにともない冷却水温度の制御性が悪化する。これとは逆に、内燃機関を通過する冷却水の流量が多く冷却水温度の応答が速いにも拘らず長い制御周期でフィードバック補正量を更新すると、フィードバック補正量の更新が遅れ、これにともない冷却水温度の制御性が悪化する。
【0020】
この点、請求項に記載の発明では、フィードバック補正手段において、内燃機関を通過する冷却水の流量又はそれに相当する機関情報に応じた制御周期でフィードバック補正量が更新される。従って、内燃機関の冷却水温度の応答に合わせてフィードバック補正量を適切に更新することができる。例えば、内燃機関を通過する冷却水の流量が少なく冷却水温度の応答が遅い場合に制御周期を長く設定することで、フィードバック補正量が過度に更新されるのを抑制できる。また、内燃機関を通過する冷却水の流量が多く冷却水温度の応答が速い場合に制御周期を短く設定することで、フィードバック補正量の更新が遅れるのを抑制できる。このように、冷却水の流量又はそれに相当する機関情報に基づき、冷却水温度の応答に合わせて制御周期を可変とすることで、フィードバック補正量の過度の更新や更新遅れといった制御性の悪化を抑制することができる。
【0021】
請求項に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記フィードバック補正手段は、前記フィードバック補正量を前記冷却損失熱量算出手段にて算出される冷却損失熱量に基づき修正したうえで前記冷却損失熱量を前記フィードバック補正量に基づき補正するものであるとする。
【0022】
ここで、機関運転状態が変化することにより冷却損失熱量が変化した場合、変化前の機関運転状態でのフィードバック補正量がそのまま機関運転状態変化後に要求されるフィードバック補正量にならない場合がある。この場合、変化前の機関運転状態でのフィードバック補正量を用いると、冷却水温度の制御性が悪化するおそれがある。
【0023】
これに対し、請求項に記載の発明では、フィードバック補正手段において、フィードバック補正量に基づく冷却損失熱量の補正に先立ち、そのフィードバック補正量が冷却損失熱量に基づいて修正される。従って、機関運転状態の変化にともない冷却損失熱量が変化しても、前記のようにその冷却損失熱量の変化を反映したフィードバック補正量を用いることで、冷却水温度の制御性の悪化を抑制することができる。
【0024】
請求項に記載の発明では、内燃機関の冷却水循環経路に設けられたラジエータと、前記ラジエータを通過する冷却水の流量であるラジエータ流量を調整する流量制御弁と、前記内燃機関が冷却水に奪われる冷却損失熱量を機関運転状態に基づき算出する冷却損失熱量算出手段と、前記冷却損失熱量算出手段による冷却損失熱量、前記内燃機関の目標冷却水温度、及び前記ラジエータを通過した後の冷却水温度に基づき、前記内燃機関の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするための要求ラジエータ流量を算出する要求ラジエータ流量算出手段と、前記内燃機関の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするためのフィードバック補正量を求め、前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量の算出に際し、前記冷却損失熱量を前記フィードバック補正量に基づき補正するフィードバック補正手段と、前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量に基づき前記流量制御弁を制御する流量制御弁制御手段と、前記冷却損失熱量算出手段にて算出される冷却損失熱量を前記内燃機関の運転状態の変化に対する応答遅れに応じた時定数に基づき補正して補正冷却損失熱量を算出する補正冷却損失熱量算出手段と、前記ラジエータ流量、前記内燃機関の冷却水温度、及び前記ラジエータを通過した後の冷却水温度に基づき実際の冷却損失熱量である実冷却損失熱量を算出する実冷却損失熱量算出手段と、前記補正冷却損失熱量算出手段による補正冷却損失熱量と、前記実冷却損失熱量算出手段による実冷却損失熱量とに基づき学習補正値を求め、この学習補正値を記憶するとともに、前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量の算出に際し、前記冷却損失熱量を前記学習補正値に基づき補正する学習補正手段とを備えるものであるとする。
【0025】
ここで、機関運転状態に基づいて求められた冷却損失熱量が実際の冷却損失熱量に対してずれると、上述したフィードバック補正量による補正だけでは補正遅れが生ずるおそれがある。
【0026】
この点、請求項に記載の発明では、冷却損失熱量算出手段によって算出される冷却損失熱量が、補正冷却損失熱量算出手段、実冷却損失熱量算出手段及び学習補正手段により算出される学習補正値に基づき補正される。
【0027】
補正冷却損失熱量算出手段では、前記冷却損失熱量が機関運転状態の変化に対する応答遅れに応じた時定数に基づいて補正されることにより、補正冷却損失熱量が算出される。また、実冷却損失熱量算出手段では、ラジエータ流量、内燃機関の冷却水温度、及びラジエータを通過した後の冷却水温度に基づき実冷却損失熱量が算出される。さらに、学習補正手段では、前記のようにして算出した補正冷却損失熱量及び実冷却損失熱量に基づき学習補正値が求められ、この学習補正値が記憶及び更新される。そして、学習補正手段では、要求ラジエータ流量算出手段による要求ラジエータ流量の算出に際し、冷却損失熱量が前記学習補正値に基づいて補正される。
【0028】
従って、機関運転状態に基づいて求められた冷却損失熱量が実際の冷却損失熱量に対してずれても、前記のようにして求めた学習補正値に基づいて冷却損失熱量を補正することで、フィードバック補正量による補正のみの場合に生じ得る補正遅れを補い、冷却水温度の制御性の悪化を抑制することができる。
【0029】
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、前記フィードバック補正量は、前記学習補正手段により前記学習補正値が更新されたとき、その更新量に応じて修正されるものであるとする。
【0030】
上記の構成によれば、学習補正手段によって学習補正値が更新されると、フィードバック補正量は、その学習補正値の更新量に応じて修正される。従って、要求ラジエータ流量の算出の際に用いる冷却損失熱量が、学習補正値の更新にともなって不要に変更されるのを防止でき、もって冷却水温度の制御性を向上することができる。
【0031】
請求項に記載の発明では、請求項5又は6に記載の発明において、前記学習補正手段は、前記内燃機関の運転領域別に前記学習補正値を求め、この学習補正値を前記運転領域別に記憶するとともに、前記冷却損失熱量をそのときの運転領域に対応する学習補正値に基づき補正するものであるとする。
【0032】
ここで、機関運転状態に基づいて求められた冷却損失熱量と実際の冷却損失熱量とのずれは、内燃機関の運転領域により変化する可能性がある。この点、請求項に記載の発明では、学習補正手段において、内燃機関の運転領域別に学習補正値が求められ、この学習補正値が運転領域別に記憶される。また、学習補正手段では、冷却損失熱量がそのときの運転領域に対応する学習補正値に基づいて補正される。従って、算出した冷却損失熱量と実際の冷却損失熱量とのずれが内燃機関の運転領域により変化したとしても、学習補正値をこの変化に対応させることができ、冷却水温度の制御性を向上することができる。
【0033】
請求項に記載の発明では、請求項5〜7のいずれかに記載の発明において、前記学習補正手段は、前記内燃機関の目標冷却水温度別に前記学習補正値を求め、この学習補正値を前記内燃機関の目標冷却水温度別に記憶するとともに、前記冷却損失熱量をそのときの目標冷却水温度に対応する学習補正値に基づき補正するものであるとする。
【0034】
ここで、機関運転状態に基づいて求められた冷却損失熱量と実際の冷却損失熱量とのずれは、目標冷却水温度により変化する可能性がある。この点、請求項に記載の発明では、学習補正手段において、内燃機関の目標冷却水温度別に学習補正値が求められ、この学習補正値が目標冷却水温度別に記憶される。また、学習補正手段では、冷却損失熱量がそのときの目標冷却水温度に対応する学習補正値に基づいて補正される。従って、算出した冷却損失熱量と実際の冷却損失熱量とのずれが目標冷却水温度により変化したとしても、学習補正値をこの変化に対応させることができ、冷却水温度の制御性を向上することができる。
【0035】
請求項に記載の発明では、請求項5〜8のいずれかに記載の発明において、前記学習補正手段は、前記内燃機関の燃焼形態別に前記学習補正値を求め、この学習補正値を前記燃焼形態別に記憶するとともに、前記冷却損失熱量をそのときの燃焼形態に対応する学習補正値に基づき補正するものであるとする。
【0036】
ここで、機関運転状態に基づいて求められた冷却損失熱量と実際の冷却損失熱量とのずれは、内燃機関の燃焼形態により変化する可能性がある。この点、請求項に記載の発明では、学習補正手段において、内燃機関の燃焼形態別に学習補正値が求められ、この学習補正値が運転領域別に記憶される。また、学習補正手段では、冷却損失熱量がそのときの燃焼形態に対応する学習補正値に基づいて補正される。従って、算出した冷却損失熱量と実際の冷却損失熱量とのずれが内燃機関の燃焼形態により変化したとしても、学習補正値をこの変化に対応させることができ、冷却水温度の制御性を向上することができる。
請求項10に記載の発明では、内燃機関の冷却水循環経路に設けられたラジエータと、前記ラジエータを通過する冷却水の流量であるラジエータ流量を調整する流量制御弁と、前記内燃機関が冷却水に奪われる冷却損失熱量を機関運転状態に基づき算出する冷却損失熱量算出手段と、前記冷却損失熱量算出手段による冷却損失熱量、前記内燃機関の出口の目標冷却水温度、及び前記ラジエータを通過した後の冷却水温度に基づき、前記内燃機関の出口の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするための要求ラジエータ流量を算出する要求ラジエータ流量算出手段と、前記内燃機関の出口の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするためのフィードバック補正量を求め、前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量の算出に際し、前記冷却損失熱量を前記フィードバック補正量に基づき補正するフィードバック補正手段と、前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量に基づき前記流量制御弁を制御する流量制御弁制御手段とを備えている。
上記構成によれば、内燃機関の出口の目標冷却水温度に対するハンチングを小さくすることができる。その結果、内燃機関の耐熱性を考慮しながらも内燃機関の出口の目標冷却水温度を高めに設定することができ、フリクションの増大による燃費悪化を抑えることができる。
請求項11に記載の発明では、請求項10に記載の発明において、前記フィードバック補正手段は、前記目標冷却水温度と前記内燃機関の冷却水温度との偏差に応じた比例項に基づいて前記フィードバック補正量を求めるものであるとする。
請求項12に記載の発明では、請求項10又は11に記載の発明において、前記フィードバック補正手段は、前記内燃機関を通過する冷却水の流量又はそれに相当する機関情報に応じた制御周期にて前記フィードバック補正量を更新するものであるとする。
請求項13に記載の発明では、請求項10〜12のいずれかに記載の発明において、前記フィードバック補正手段は、前記フィードバック補正量を前記冷却損失熱量算出手段にて算出される冷却損失熱量に基づき修正したうえで前記冷却損失熱量を前記フィードバック補正量に基づき補正するものであるとする。
【0037】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図1〜図9に従って説明する。
【0038】
図1に示すように、車両に搭載された多気筒エンジン11の主要部は、シリンダブロック、シリンダヘッド等からなるエンジン本体12によって構成されている。エンジン本体12には、シリンダ毎の燃焼室に空気を取込むための吸気通路13が接続されている。吸気通路13には、エアクリーナ14及びスロットルボディ15が設けられている。スロットルボディ15にはスロットル弁16が回動可能に支持され、さらにこのスロットル弁16にスロットルモータ17が駆動連結されている。
【0039】
スロットルモータ17は、運転者によるアクセルペダル18の踏込み操作等に基づき、後述するECU55によって制御され、スロットル弁16を回動させる。吸気通路13を流れる空気の量である吸入空気量は、スロットル弁16の回動角度であるスロットル開度に応じて変化する。燃焼室では、吸気通路13を通じて取込まれた空気と燃料の混合気が燃焼される。この燃焼にともない発生する熱エネルギーによって、出力軸であるクランク軸19が回転される。このようにして熱エネルギーが動力に変換される。エンジン本体12には、燃焼室で生じた燃焼ガスをエンジン11の外部に排出するための排気通路21が接続されている。動力に変換されない熱エネルギーの一部は排気ガスとともに、あるいは摩擦損失として失われ、残りはエンジン本体12の各部に吸収される。この吸収された熱によりエンジン本体12が過熱するのを防止するために、以下に示す水冷式の冷却装置22が設けられている。
【0040】
エンジン本体12の内部には冷却水の通路であるウォータジャケット(図示略)が設けられている。ウォータジャケットの入口23a及び出口23bは、ラジエータ通路24によってラジエータ25に接続されている。
【0041】
ウォータジャケットの入口23a又はその近傍にはウォータポンプ(W/P)26が取付けられている。ウォータポンプ26は、プーリ、ベルト等によりクランク軸19に駆動連結されており、エンジン11の作動にともなうクランク軸19の回転により作動する。ウォータポンプ26は、ラジエータ通路24内の冷却水を吸引してウォータジャケットへ吐出する。これらの吸引及び吐出により、冷却水はウォータポンプ26を起点としてラジエータ通路24内を図1の時計周り方向に循環する(図1の矢印参照)。この循環中、冷却水はウォータジャケット通過する過程でエンジン本体12の熱を吸収し昇温する。そして、昇温した冷却水がラジエータ25を通過する際に、その冷却水の熱が放射される。
【0042】
ラジエータ通路24には、ラジエータ25を迂回するバイパス通路27が接続されている。バイパス通路27の一端(図1の右端)は、ラジエータ通路24において、ラジエータ25とウォータジャケットの出口23bとの間に接続されている。また、バイパス通路27の他端(図1の左端)は、ラジエータ通路24において、ラジエータ25とウォータポンプ26との間に接続されている。
【0043】
さらに、バイパス通路27とは別に、ラジエータ25をバイパスする複数の受放熱回路28が設けられている。受放熱回路28は、ヒータ回路31、スロットルボディ温水回路32、EGR(排気還流)クーラ回路33、自動変速機の作動油ウォーマ(トランスミッションオイルクーラ)回路34、温水加熱式のホットエアインテーク回路35等からなる。ヒータ回路31では、同回路31を流れる冷却水が熱源として、温水式ヒータ(暖房装置)のヒータコア(暖房用熱交換器)36に導かれる。スロットルボディ温水回路32では、同回路32を流れる冷却水(温水)によってスロットルボディ15が暖められ、極寒時等におけるスロットル弁16等の作動が安定する。EGRクーラ回路33では、同回路33を流れる冷却水によって、EGR装置37の構成部品、吸気通路13(特に吸気マニホルド)等が冷却される。EGR装置37の構成部品としては、EGRガスを各気筒に均等に導くためのEGRチャンバ39、EGR通路38を流れるEGRガスの流量を調整するためのEGR弁41等が挙げられる。作動油ウォーマ回路34では、冷却水(温水)が作動油ウォーマ42を流れ、冷間時には自動変速機の作動油が早期に暖められるとともに、自動変速機のフリクションが低減される。この作動油ウォーマ42は、作動油温が高いときにはオイルクーラとして機能する。ホットエアインテーク回路35では、冷却水がエアクリーナ14の近傍に設けられたヒータコアを通過する過程で、吸入空気が暖められる。
【0044】
上述した各受放熱回路28の上流部は、ラジエータ通路24において、ウォータジャケットの出口23bとラジエータ25との間に接続されている。また、これらの受放熱回路28の下流部は合流してウォータポンプ26に接続されている。そして、前述したウォータジャケット、ラジエータ通路24、バイパス通路27、各種受放熱回路28等によって冷却水循環経路が構成されている。
【0045】
前記冷却水循環経路において、バイパス通路27の前記他端(図1の左端)とラジエータ通路24との接続部分には流量制御弁43が設けられている。流量制御弁43は、その弁開度を調整することにより、ラジエータ通路24及びバイパス通路27を流れる冷却水の流量を調整するための弁である。ここで、流量制御弁43は、弁開度が大となるほどラジエータ通路24での冷却水の流量が多くなるよう構成されている。
【0046】
そして、流量制御弁43により、ラジエータ通路24の冷却水流量を調整することで、エンジン本体12を冷却する冷却水温度が制御される。すなわち、ラジエータ通路24の冷却水流量を多くすれば、冷却水循環経路内をエンジン本体12側に流れる冷却水のうち、ラジエータ25にて冷却された冷却水の割合が大となることから、エンジン本体12を冷却する冷却水の温度が低くなる。また、ラジエータ通路24の冷却水流量を少なくすれば、冷却水循環経路内をエンジン本体12側に流れる冷却水のうち、ラジエータ25にて冷却された冷却水の割合が小となることから、エンジン本体12を冷却する冷却水の温度が高くなる。
【0047】
車両には、その状態を検出するために各種センサが取付けられている。例えば、エンジン本体12には、ウォータジャケットの出口23bを通過した直後の冷却水の温度(エンジン出口水温ethw1 )を、エンジン本体12の冷却水温度として検出するエンジン出口水温センサ46が取付けられている。ラジエータ25には、そのラジエータ25を通過した直後の冷却水の温度(ラジエータ出口水温ethw2) を検出するラジエータ出口水温センサ47が取付けられている。
【0048】
アクセルペダル18又はその近傍には、運転者によるアクセルペダル18の踏込み量(アクセル開度)を検出するアクセルセンサ48が取付けられている。スロットルボディ15には、スロットル開度を検出するスロットルセンサ49が取付けられている。吸気通路13内のスロットル弁16よりも下流には、吸入空気の圧力(吸気圧)を検出する吸気圧センサ50が取付けられている。クランク軸19の近傍には、そのクランク軸19が一定角度回転する毎にパルス状の信号を発生するクランク角センサ51が設けられている。この信号は、クランク軸19の回転角度(クランク角)及び回転速度(エンジン回転速度ene )の算出に用いられる。
【0049】
エンジン11の各部を制御するために、マイクロコンピュータを中心として構成された電子制御装置(Electronic Control Unit :ECU)55が設けられている。ECU55では、中央処理装置(CPU)が各種信号に基づき、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラムや初期データに従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。この演算処理に用いられる各種信号としては、例えば、前述した各種センサ46〜51の検出値が挙げられる。CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ(RAM)において一時的に記憶される。さらに、ECU55は、不揮発性メモリからなるバックアップRAMを備えている。バックアップRAMはバッテリによってバックアップされており、ECU55に対する電力供給が停止された後にも各種データを記憶保持する。
【0050】
上記ECU55による制御の1つに、エンジン出口水温ethw1 が目標冷却水温度(目標エンジン出口水温ethwtvw )に収束するように流量制御弁43を制御するものがある。この冷却水温度制御では、エンジン本体12が冷却水に奪われる熱量(冷却損失熱量eqw )を算出する。また、エンジン出口水温ethw1 を目標エンジン出口水温ethwtvw とするために要求されるラジエータ25での冷却水の流量(要求ラジエータ流量ev2req)を、前記冷却損失熱量eqw 等に基づいて算出する。さらに、エンジン出口水温ethw1 を目標エンジン出口水温ethwtvw とするためのフィードバック(F/B)補正熱量eqwfb(i)を求め、前記要求ラジエータ流量ev2req の算出に際し、冷却損失熱量eqw をフィードバック補正熱量eqwfb(i)に基づいて補正する。そして、要求ラジエータ流量ev2reqに基づき流量制御弁43を制御する。
【0051】
次に、上記冷却水温度制御の詳細を図2及び図3のフローチャートに従って説明する。図2の冷却水温度制御ルーチンは所定のタイミングで、例えば所定時間毎に繰り返し実行される。
【0052】
ECU55は、まず図2のステップ100において、前回の制御周期における各種値(前回値)をRAMから読出す。次に、ステップ200において、エンジン11の運転状態に基づき目標エンジン出口水温ethwtvw を算出する。例えば、運転状態がアイドル域にある場合、目標エンジン出口水温ethwtvw は、発進時のノッキング対策等のために若干低めの温度(例えば90℃)に設定される。運転状態が部分負荷域(パーシャル域)にある場合、目標エンジン出口水温ethwtvw は、フリクションロス低減等のために高めの温度(例えば100℃)に設定される。運転状態が全負荷域(WOT)にある場合、目標エンジン出口水温ethwtvw は、充てん効率を高めるためやノッキングによる点火遅角を回避するために低めの温度(例えば80℃)に設定される。なお、これらの目標エンジン出口水温ethwtvw の各値は一例にすぎず、適宜変更可能である。
【0053】
次に、ステップ300において、エンジン出口水温センサ46によって検出されたエンジン出口水温ethw1 、及びラジエータ出口水温センサ47によって検出されたラジエータ出口水温ethw2 をそれぞれ読込む。
【0054】
続いて、ステップ400において、エンジン運転状態に基づき冷却損失熱量eqw を算出する。このエンジン運転状態としては、冷却損失熱量eqw に大きく影響を及ぼすと考えられるもの、例えばエンジン回転速度ene 、エンジン負荷等を用いることができる。
【0055】
冷却損失熱量eqw の算出に際しては、例えば、図4に示すように、エンジン回転速度ene 及びエンジン負荷と冷却損失熱量eqw との関係を予め規定したマップを参照する。このマップでは、冷却損失熱量eqw は、エンジン回転速度ene が低いときには少なく、エンジン回転速度ene が高くなるに従って多くなる。これは、エンジン回転速度ene が高いほど単位時間当りに燃焼室に供給される燃料が多くなり、これにともないエンジン本体12で発生する熱量が多くなって、冷却水に奪われるエンジン本体12の熱量が多くなるためである。
【0056】
また、冷却損失熱量eqw は、エンジン負荷が小さいときには少なく、エンジン負荷が大きくなるに従って多くなる。ただし、エンジン回転速度ene が高い領域では、エンジン負荷が大きくなるに従い冷却損失熱量eqw の増加度合が緩やかになる。これは、前述したようにエンジン回転速度ene の上昇により単位時間当りに供給される燃料が増え、その燃料増量にともなう冷却効果により燃焼室の温度が下がり、冷却水に奪われるエンジン本体12の熱量が減少するためである。
【0057】
ここで、冷却損失熱量eqw は基本的にはエンジン本体12での発熱量に左右される。このことから、エンジン負荷としては、発熱量に関係する要素、例えば1燃焼サイクル当りの燃料噴射量、吸入空気量等を用いることができる。後者(吸入空気量)については、燃料噴射制御において、吸入空気量に応じた量の燃料が噴射されることから、発熱量に間接的に関係する要素であるといえる。そのほかにも、エンジン負荷として、吸気圧センサ50による吸気圧、スロットルセンサ49によるスロットル開度等を用いることも可能であるが、この場合には適宜補正を行うことが望ましい。
【0058】
次に、ステップ500において、冷却損失熱量eqw を基準の値(基準冷却損失熱量eqwb)とした場合の、すなわち基準状態でのフィードバック補正熱量eqwfb(i)を算出する。なお、基準冷却損失熱量eqwbとしては、冷却損失熱量eqw について使用頻度の高い値が用いられることが望ましい。
【0059】
フィードバック補正熱量eqwfb(i)の算出に際しては、ECU55はまず図3のステップ505において、フィードバック補正熱量eqwfb(i)を更新する制御周期(更新周期etmqwf)であるかどうかを判定する。この更新周期etmqwfは、エンジン本体12を通過する冷却水の流量又はそれに相当するエンジン情報に基づき変更される。これは、冷却損失熱量eqw の変化に対する冷却水温度の応答が冷却水の流量に応じて異なるところ、常に同じ更新周期etmqwfでフィードバック補正熱量eqwfb(i)を更新すると、その更新が過度に行われたり更新が遅れたりし、これにともない冷却水温度の制御性が低下するおそれがあるからである。
【0060】
ここで、冷却水の流量はウォータポンプ26の回転速度に応じて変化する。このウォータポンプ26はエンジン11によって駆動される。このことから、本実施形態では、冷却水の流量に相当するエンジン情報としてエンジン回転速度ene が用いられ、このエンジン回転速度ene に応じて更新周期etmqwfが可変設定される。
【0061】
そして、この設定に際しては、図5に示すように、エンジン回転速度ene と更新周期etmqwfとの関係を予め規定したマップが用いられる。このマップでは、更新周期etmqwfはエンジン回転速度ene が低いときには長く、エンジン回転速度ene の上昇にともなって短くなる。従って、このマップを参照すると、エンジン回転速度ene が高くなるに従い冷却水の流量が多くなって冷却水温度の応答が速くなるが、この場合には短い更新周期etmqwfでフィードバック補正熱量eqwfb(i)の更新及び冷却損失熱量eqw の補正が行われる。また、エンジン回転速度ene の低下に従い冷却水の流量が少なくなって冷却水温度の応答が遅くなるが、この場合には長い更新周期etmqwfでフィードバック補正熱量eqwfb(i)の更新及び冷却損失熱量eqw の補正が行われる。
【0062】
前記ステップ505の判定条件が満たされていないと図2のステップ700へ移行し、満たされているとステップ510へ移行する。ステップ510では、今回の制御周期におけるエンジン出口水温(今回値)ethw1 から前回の制御周期におけるエンジン出口水温(前回値)ethwo を減算することにより、エンジン出口水温ethw1 についての変化量edlthw1oを算出する。また、ステップ515において、目標エンジン出口水温ethwtvw とエンジン出口水温ethw1 との偏差edlthwt1を算出する。
【0063】
次に、ステップ520において、前記変化量edlthw1o、偏差edlthwt1等に基づき、フィードバック補正熱量eqwfb(i)の更新を禁止する条件(更新禁止条件)が成立しているかどうかを判定する。この更新禁止条件の1つに、図6に示すように、エンジン出口水温ethw1 が目標エンジン出口水温ethwtvw を含む一定の幅の中にあることが挙げられる。すなわち、(ethwtvw −α)≦ethw1 <(ethwtvw +α)であることが更新禁止条件の1つとされる。αは所定の温度であり、ここでは1.25℃に設定されている。
【0064】
そのほかにも、更新禁止条件として、ethw1 ≧(ethwtvw +α)のもと、edlthw1o<β1であることが挙げられる。β1は所定の温度であり、ここでは−0.625℃に設定されている。これを更新禁止条件としたのは、図6において特性線L1で示すようにエンジン出口水温ethw1 が低下傾向にあり、フィードバック補正熱量eqwfb(i)を更新しなくてもエンジン出口水温ethw1 が低下して前述した幅の中に入ると考えられるからである。
【0065】
同様に、更新禁止条件として、ethw1 <(ethwtvw −α)のもと、edlthw1o≧γ2であることが挙げられる。γ2は所定の温度であり、ここでは0.625℃に設定されている。これを更新禁止条件としたのは、図6において特性線L2で示すようにエンジン出口水温ethw1 が上昇傾向にあり、フィードバック補正熱量eqwfb(i)を更新しなくてもエンジン出口水温ethw1 が上昇して前述した幅の中に入ると考えられるからである。
【0066】
前記ステップ520の判定条件が満たされていない(更新禁止条件不成立)と、ステップ525,530において、フィードバック補正熱量eqwfb(i)を更新するための更新量eqwfbaddを、前記偏差edlthwt1に応じた比例項に基づいて算出する。
【0067】
ステップ525では、前記変化量edlthw1o及び偏差edlthwt1に基づいて比例項の感度係数ekvwfbを算出する。この算出には例えば図7に示すマップを参照する。このマップには、偏差edlthwt1に対応する感度係数ekvwfbが変化量edlthw1oの態様別に規定されている。変化量edlthw1oの態様としては、次の(I)〜(IV)の4つが設定されている。
【0068】
態様(I)
ethw1 ≧(ethwtvw +α)のもと、β1≦edlthw1o<β2である態様(図6参照)、すなわち、エンジン出口水温ethw1 が目標エンジン出口水温ethwtvw よりも高い側にあり、あまり変化していない態様。β1,β2は所定の温度であり、ここではβ1=−0.625℃、β2=+0.625℃に設定されている。
【0069】
この態様(I)では、偏差edlthwt1が−α(=−1.25℃)に近いとき、感度係数ekvwfbはほぼ最小値(ほぼ1.0)になる。そして、感度係数ekvwfbは、偏差edlthwt1が小さくなるに従い、すなわち目標エンジン出口水温ethwtvw に対しエンジン出口水温ethw1 が高くなるに従い徐々に大きな値になる。
【0070】
態様(II)
ethw1 ≧(ethwtvw +α)のもと、β2≦edlthw1oである態様(図6参照)、すなわち、エンジン出口水温ethw1 が目標エンジン出口水温ethwtvw よりも高い側にあり、かつ上昇している態様。
【0071】
この態様(II)では、偏差edlthwt1が−α(=−1.25℃)に近いとき、感度係数ekvwfbはほぼ最小値になる。ただし、この最小値は上記した態様(I)での最小値よりも大きい。そして、感度係数ekvwfbは、偏差edlthwt1が小さくなるに従い大きくなる傾向にある。
【0072】
態様(III )
ethw1 <(ethwtvw −α)のもと、γ1≦edlthw1o<γ2である態様(図6参照)、すなわち、エンジン出口水温ethw1 が目標エンジン出口水温ethwtvw よりも低い側にあり、あまり変化していない態様。γ1は所定の温度であり、ここでは−0.625℃に設定されている。
【0073】
この態様(III )では、偏差edlthwt1がα(=1.25℃)に近いとき、感度係数ekvwfbはほぼ最小値(ほぼ1.0)になる。そして、感度係数ekvwfbは、偏差edlthwt1が大きくなるに従い、すなわち目標エンジン出口水温ethwtvw に対しエンジン出口水温ethw1 が低くなるに従い徐々に大きくなる。
【0074】
態様(IV)
ethw1 <(ethwtvw −α)のもと、edlthw1o<γ1である態様(図6参照)、すなわち、エンジン出口水温ethw1 が目標エンジン出口水温ethwtvw よりも低い側にあり、かつ下降している態様。
【0075】
この態様(IV)では、偏差edlthwt1がα(=1.25℃)に近いとき、感度係数ekvwfbはほぼ最小値になる。ただし、この最小値は上記した態様(III )での最小値よりも大きい。そして、感度係数ekvwfbは、偏差edlthwt1が大きくなるに従い大きくなる傾向にある。
【0076】
前記のようにしてマップを参照して感度係数ekvwfbを算出すると、ステップ530において次式(1)に従って更新量eqwfbaddを算出する。
eqwfbadd=C*ev2req(i-1)*edlthwt1*ekvwfb ……(1)
上記式(1)中、C は温度を熱流量に変換するための係数であり、例えば冷却水の比熱と密度との積によって決定されている。また、ev2req(i-1) は、前回の制御周期における要求ラジエータ流量である。式(1)中、edlthwt1*ekvwfb が比例項に相当する。ステップ530の処理を経た後、ステップ540へ移行する。一方、前記ステップ520の判定条件が満たされている(更新禁止条件成立)と、ステップ535で更新量eqwfbaddを「0」に設定し、ステップ540へ移行する。
【0077】
ステップ540では、前記ステップ400で求めた現在の冷却損失熱量eqw に応じた反映係数ekqwfbを算出する。この反映係数ekqwfbの算出には、例えば図8に示すような冷却損失熱量eqw と反映係数ekqwfbとの関係を予め規定したマップを用いる。このマップでは、冷却損失熱量eqw と反映係数ekqwfbとがほぼ比例関係となり、かつ、前記基準冷却損失熱量eqwbのとき反映係数ekqwfbが「1.0」となるように設定されている。
【0078】
次に、ステップ545において、前記ステップ530での更新量eqwfbaddを加算項として用い、次式(2)に従ってフィードバック補正熱量eqwfb(i)を算出する。
【0079】
eqwfb(i)={eqwfb(i-1)*ekqwfb+eqwfbadd}/ekqwfb ……(2)
上記式(2)中、eqwfb(i-1)は、前回の制御周期におけるフィードバック補正熱量(前回値)である。ここで、更新量eqwfbaddは現在の状況に対応した値であるのに対し、フィードバック補正熱量eqwfb(i-1)は、冷却損失熱量eqw を基準冷却損失熱量eqwbとした場合(ekqwfb=1)の値である。そこで、後者を前者と同様、一旦現在の状況に対応した値にするために、式(2)の分子では、フィードバック補正熱量eqwfb(i-1)に対し、そのときの冷却損失熱量eqw に応じた反映係数ekqwfbを乗算している。従って、この乗算により、前回のフィードバック補正熱量eqwfb(i-1)は、現在の状況(冷却損失熱量eqw )に対応した値となる。
【0080】
なお、前回のフィードバック補正熱量eqwfb(i-1)に反映係数ekqwfbを乗算することにより、その乗算結果と冷却損失熱量eqw との間の関係、例えば比率が、冷却損失熱量eqw が変化しても一定に保たれることとなる。
【0081】
また、上記式(2)において、分子を反映係数ekqwfbで除算するのは、次回制御周期でのフィードバック補正熱量eqwfb(i)の算出に備え、分子を再び、冷却損失熱量eqw を基準冷却損失熱量eqwbとした場合(基準状態)の値に戻すためである。すなわち、分子を反映係数ekqwfbで除算することにより、その分子をekqwfb=1、つまりeqw =eqwbのときの値に変換する。この変換により得られたフィードバック補正熱量eqwfb(i)は、冷却損失熱量eqw を基準冷却損失熱量eqwbとした場合の値であるため、次回の制御周期ではそのままの形でフィードバック補正熱量eqwfb(i)の算出に用いることができる。
【0082】
なお、前記更新禁止条件が成立してステップ520→535の処理を経ている場合には、eqwfbadd=0であることから、フィードバック補正熱量eqwfb が更新されない。前回値eqwfb(i-1)がそのまま今回の制御周期におけるフィードバック補正熱量eqwfb(i)とされる。
【0083】
次に、ステップ550において、今回の制御周期におけるエンジン出口水温(今回値)ethw1 を、次回の制御周期に備え、前回の制御周期におけるエンジン出口水温(前回値)ethwo として設定し、RAMに記憶する。
【0084】
そして、このようにしてフィードバック補正熱量eqwfb(i)を算出すると、図2のステップ700へ移行する。ステップ700では、エンジン本体12から放出される熱量であるエンジン本体放熱熱量eqoengと、冷却水が受放熱回路28を通過する過程で授受される熱量である受放熱熱量eqetc とをそれぞれ算出する。
【0085】
次に、ステップ800において、次式(3)に従って要求ラジエータ流量ev2req(i) を算出する。
ev2req(i)={(eqw-eqwfb(i)*ekqwfb)-eqoeng-eqetc}/{C*(ethwtvw-ethw2)}……(3)
上記式(3)の分子において、フィードバック補正熱量eqwfb(i)に反映係数ekqwfbを乗算しているのは、冷却損失熱量eqw を基準冷却損失熱量eqwbとした場合のフィードバック補正熱量eqwfb(i)を、現在の状況(冷却損失熱量eqw )に対応した値に変換するためである。
【0086】
続いて、ステップ900において、前記要求ラジエータ流量ev2req(i) 及び前記エンジン回転速度ene に基づき流量制御弁43への指令開度(バルブ開度evwreq)を算出する。この算出に際しては、例えば、図9に示すように、要求ラジエータ流量ev2req及びエンジン回転速度ene と、バルブ開度evwreqとの関係を予め規定したマップを参照する。このマップでは、バルブ開度evwreqは、要求ラジエータ流量ev2reqが少ないときには小さく、要求ラジエータ流量ev2reqが多くなるに従って大きくなる。また、バルブ開度evwreqは、エンジン回転速度ene が低いときには要求ラジエータ流量ev2reqがわずかに変化しても大きく変化する。これに対し、バルブ開度evwreqは、エンジン回転速度ene が高くなるに従い、要求ラジエータ流量ev2reqが多く変化しなければあまり変化しなくなる。
【0087】
次に、ステップ1000において、前記ステップ900で求めたバルブ開度evwreqに従って流量制御弁43を駆動制御して、弁開度を変化させる。そして、ステップ1100において、今回の制御周期における各種値を、次回の制御周期に備えて前回値としてRAMに記憶し、その後冷却水温度制御ルーチンの一連の処理を一旦終了する。この流量制御弁43の開度調整によりラジエータ25を通過する冷却水の流量が調整され、エンジン出口水温ethw1 が目標エンジン出口水温ethwtvw に収束する。
【0088】
上述した冷却水温度制御ルーチンでは、ECU55によって実行されるステップ400の処理が冷却損失熱量算出手段に相当し、ステップ800の処理が要求ラジエータ流量算出手段に相当する。また、ステップ500,800の処理がフィードバック補正手段に相当し、ステップ900,1000の処理が流量制御弁制御手段に相当する。
【0089】
以上詳述した第1実施形態によれば、次の効果が得られる。
(a)要求ラジエータ流量ev2req(i) を算出し、この要求ラジエータ流量ev2req(i) に基づき流量制御弁43を制御している(ステップ800〜1000)。このため、流量制御弁43の流量特性に応じてその流量制御弁43を制御することが可能となる。従って、流量制御弁43の開度に対してラジエータ流量がリニアに変化しない場合であっても、要求ラジエータ流量ev2req(i) に対応させて流量制御弁43の開度を増減することができる。
【0090】
(b)要求ラジエータ流量ev2req(i) を、冷却損失熱量eqw 、目標エンジン出口水温ethwtvw 及びラジエータ出口水温ethw2 に基づき算出している(ステップ800)。このため、エンジン11の運転状態が変化することにより冷却損失熱量eqw が変化し、それにともなって要求ラジエータ流量ev2req(i) が変化したとしても、その要求ラジエータ流量ev2req(i) の変化に応じて実際のラジエータ流量を変化させることができる。
【0091】
また、要求ラジエータ流量ev2req(i) はラジエータ出口水温ethw2 によっても異なるが、前記のように要求ラジエータ流量ev2req(i) の算出にラジエータ出口水温ethw2 を用いているため、そのラジエータ出口水温ethw2 に応じてラジエータ流量を変化させることができる。
【0092】
(c)冷却損失熱量eqw をフィードバック補正熱量eqwfb(i)で補正し、流量制御弁の開度をフィードバック制御している(ステップ800〜1000)。このため、上記(a)での流量制御弁43の流量特性や、上記(b)でのラジエータ出口水温ethw2 を反映させてラジエータ流量を増減することができ、エンジン出口水温ethw1 の目標エンジン出口水温ethwtvw に対するハンチングを小さくすることができる。その結果、エンジン11の耐熱性を考慮しながらも目標エンジン出口水温ethwtvw を高めに設定することができ、フリクションの増大による燃費悪化を抑えることができる。
【0093】
(d)偏差edlthwt1に応じた比例項(edlthwt1*ekvwfb )に基づき更新量eqwfbaddを求め、この更新量eqwfbaddを用いてフィードバック補正熱量eqwfb(i)を算出している(ステップ530,545)。このため、冷却損失熱量eqw をフィードバック補正熱量eqwfb(i)に基づいて補正したうえで要求ラジエータ流量ev2reqの算出に用いる(ステップ800)ことで、エンジン出口水温ethw1 の目標エンジン出口水温ethwtvw への応答性や収束性を好適に高めることができる。
【0094】
(e)比例項(edlthwt1*ekvwfb )の感度係数ekvwfbをエンジン出口水温ethw1 の変化量edlthw1oに応じて可変とし、この感度係数ekvwfbに基づき比例項を求めている(ステップ510,525,530)。
【0095】
すなわち、目標エンジン出口水温ethwtvw よりも高い側(又は低い側)にあるエンジン出口水温ethw1 が上昇(又は下降)傾向にある図6の態様(II)(又は態様(IV))では感度係数ekvwfbを大きな値に設定している。こうすることで、目標エンジン出口水温ethwtvw から遠ざかる方向へ変化しようとしているエンジン出口水温ethw1 を大きく変化させて、その目標エンジン出口水温ethwtvw に速く近づけることができる。
【0096】
また、目標エンジン出口水温ethwtvw よりも高い側(又は低い側)にあるエンジン出口水温ethw1 があまり変化していない図6の態様(I)(又は態様(III ))では感度係数ekvwfbを小さな値に設定している。こうすることで、エンジン出口水温ethw1 を緩やかに変化させてそのエンジン出口水温ethw1 の目標エンジン出口水温ethwtvw に対するハンチングを抑制することができる。
【0097】
従って、感度係数ekvwfbを一定とした場合に比べて、エンジン出口水温ethw1 の目標エンジン出口水温ethwtvw への応答性や収束性を一層好適に高めることが可能となる。
【0098】
(f)目標エンジン出口水温ethwtvw よりも高い側(又は低い側)にあるエンジン出口水温ethw1 が、図6において特性線L1又はL2で示すように下降又は上昇している場合には、そのエンジン出口水温ethw1 が目標エンジン出口水温ethwtvw に近づいていることになる。この場合、更新量eqwfbaddを「0」にして(ステップ535)、フィードバック補正熱量eqwfb(i)の更新を行わないようにしている(ステップ545)。また、エンジン出口水温ethw1 が目標エンジン出口水温ethwtvw を含む一定の幅の中にある場合にも、前記と同様にフィードバック補正熱量eqwfb(i)の更新を行わないようにしている。従って、上記のいずれの場合にも、フィードバック補正熱量eqwfb(i)の更新により、エンジン出口水温ethw1 が目標エンジン出口水温ethwtvw に対しハンチングする現象を抑制することができる。
【0099】
(g)比例項(edlthwt1*ekvwfb )の感度係数ekvwfbを目標エンジン出口水温ethwtvw とエンジン出口水温ethw1 との偏差edlthwt1に応じて可変とし、この感度係数ekvwfbに基づき比例項を求めている(ステップ525,530)。
【0100】
すなわち、偏差edlthwt1(絶対値)が大きい場合に感度係数ekvwfbを大きな値に設定することにより、エンジン出口水温ethw1 を急激に変化させて目標エンジン出口水温ethwtvw に速く近づけることが可能となる。また、偏差edlthwt1(絶対値)が小さい場合に感度係数ekvwfbを小さな値に設定することにより、エンジン出口水温ethw1 をゆっくり変化させてそのエンジン出口水温ethw1 の目標エンジン出口水温ethwtvw に対するハンチングを抑制することが可能となる。このように、エンジン出口水温ethw1 の目標エンジン出口水温ethwtvw への応答性や収束性を一層好適に高めることができる。
【0101】
(h)エンジン11を通過する冷却水の流量に相当するエンジン情報としてエンジン回転速度ene を用い、このエンジン回転速度ene に応じた更新周期etmqwfでフィードバック補正熱量eqwfb(i)を更新している(ステップ505)。従って、エンジン出口水温ethw1 の応答に合わせてフィードバック補正熱量eqwfb(i)を適切に更新することができる。
【0102】
すなわち、エンジン11を通過する冷却水の流量が少なく(ene :低)、エンジン出口水温ethw1 の応答が遅い場合に更新周期etmqwfを長く設定することで、フィードバック補正熱量eqwfb(i)が過度に更新されるのを抑制できる。また、前記冷却水の流量が多く(ene :高)、エンジン出口水温ethw1 の応答が速い場合に更新周期etmqwfを短く設定することで、フィードバック補正熱量eqwfb(i)の更新が遅れるのを抑制できる。このように、エンジン回転速度ene に応じて更新周期etmqwfを可変とすることで、フィードバック補正熱量eqwfb(i)の過度の更新や更新遅れといった制御性の悪化を抑制することができる。
【0103】
(i)エンジン運転状態が変化することにより冷却損失熱量eqw が変化した場合、変化前のエンジン運転状態でのフィードバック補正熱量eqwfb(i)がそのまま変化後に要求されるフィードバック補正熱量eqwfb(i)にならない場合がある。この場合、変化前のエンジン運転状態でのフィードバック補正熱量eqwfb(i)を用いると、冷却水温度の制御性が悪化するおそれがある。
【0104】
これに対し、第1実施形態では、フィードバック補正熱量eqwfb(i)を用いた冷却損失熱量eqw の補正(ステップ800)に先立ち、そのフィードバック補正熱量eqwfb(i)を冷却損失熱量eqw に基づいて修正している。すなわち、フィードバック補正熱量eqwfb(i),eqwfb(i-1)を、冷却損失熱量eqw を基準冷却損失熱量eqwbとした場合の値としている。また、基準冷却損失熱量eqwbでの反映係数ekqwfbを「1.0」としている。そして、フィードバック補正熱量eqwfb(i)の算出に際し、前回値eqwfb(i-1)に対し、現在の冷却損失熱量eqw に応じた反映係数ekqwfbを乗算している(ステップ545)。
【0105】
従って、冷却損失熱量eqw に拘らずその冷却損失熱量eqw に対するフィードバック補正熱量eqwfb(i)の比率を一定(基準冷却損失熱量eqwbと、それに対応するフィードバック補正熱量eqwfb(i)との比率と同じ値)に保つことができる。結果として、エンジン運転状態の変化にともない冷却損失熱量eqw が変化しても、前記のようにその冷却損失熱量eqw の変化を反映したフィードバック補正熱量eqwfb(i)を用いることで、冷却水温度の制御性の悪化を抑制することができる。
【0106】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図10〜図13に従って説明する。第2実施形態では、エンジン運転状態に基づき求めた冷却損失熱量eqw が実際の冷却損失熱量に対してずれた場合のフィードバック補正熱量eqwfb(i)の補正遅れを解消するために学習制御を行っている。
【0107】
この学習制御の概要を説明すると、冷却損失熱量eqw が変化した場合において、図12に示すように冷却損失熱量eqw を、エンジン運転状態の変化に対する応答遅れを考慮して補正することにより補正冷却損失熱量eqwsm を算出する。これとは別に、実際の冷却損失熱量(実冷却損失熱量eqwreal )を算出する。これら補正冷却損失熱量eqwsm 及び実冷却損失熱量eqwreal は本来は一致すべきものである。そこで、これら補正冷却損失熱量eqwsm 及び実冷却損失熱量eqwreal に基づき学習補正値(学習補正係数ekqwkg)を求め、これをバックアップRAMに記憶するとともに、要求ラジエータ流量ev2reqの算出に際し、冷却損失熱量eqw を学習補正係数ekqwkgに基づいて補正する。
【0108】
次に、上記制御の詳細について説明する。図10のフローチャートは、前述した図2に対応する冷却水温度制御ルーチンを示している。なお、図10において図2と同様の処理については同一のステップ数を付して詳しい説明を省略する。
【0109】
この冷却水温度制御ルーチンでは、ECU55はステップ100〜500の処理を順に経た後、ステップ600において学習補正係数ekqwkgの更新処理を行う。この更新処理に際しては、図11のステップ605において、前述したように冷却損失熱量eqw を、応答遅れの程度を示す時定数nsm に基づき補正する、いわゆるなまし処理(徐変処理)を行うことにより、補正冷却損失熱量eqwsm(i)を算出する。
【0110】
時定数nsm としてはエンジン回転速度ene に応じた値が設定される。この設定に際しては、例えば図13に示すように、エンジン回転速度ene と時定数nsm との関係を予め規定したマップが用いられる。このマップでは、時定数nsm はエンジン回転速度ene が低いときには大きく、エンジン回転速度ene の上昇にともなって小さくなるよう設定されている。これは、エンジン回転速度ene の低いときには冷却水の流量が少なくエンジン出口水温ethw1 の応答が遅く、エンジン回転速度ene が高くなるに従い冷却水の流量が多くなってエンジン出口水温ethw1 の応答が速くなるためである。
【0111】
次に、ステップ610において、ラジエータ流量及び実際の水温(エンジン出口水温ethw1 及びラジエータ出口水温ethw2 )を用い、次式(4)〜(6)に従って実冷却損失熱量eqwreal を算出する。ラジエータ流量としては、例えば要求ラジエータ流量の前回値ev2req(i-1) を用いることができる。
【0112】
eqwreal =t_qwb/ekqwkg(o) ……(4)
t_qwb =C*ev2req(i-1)*edlthw12+eqoeng+eqetc ……(5)
edlthw12=ethw1-ethw2 ……(6)
上記式(4)中、ekqwkg(o)は更新前の学習補正係数である。また、edlthw12 はラジエータ25通過前後の冷却水の温度変化を示している。
【0113】
次に、ステップ615において学習補正係数ekqwkgを更新する周期かどうかを判定する。ここでは、更新周期は補正冷却損失熱量eqwsm(i)や実冷却損失熱量eqwreal の算出周期に比べて大きな値、例えば10秒に設定されている。このステップ615の判定条件が満たされていると、ステップ620において、そのときのエンジン運転状態がどの学習領域に属しているかを判定する。学習領域は、算出した冷却損失熱量eqw と実冷却損失熱量eqwreal との間のずれを変化させる可能性のある要素に基づき複数の領域に区分されている。このような要素としては、例えば(i)エンジン11の運転領域、(ii)目標エンジン出口水温ethwtvw 、(iii )エンジン11の燃焼形態、(iv)前記(i)〜(iii )の組合わせ等が挙げられる。
【0114】
上記(i)の場合、学習領域は、例えば停止及びアイドル域と、それ以外の領域とに区分されてもよい。(ii)の場合、学習領域は、目標エンジン出口水温ethwtvw に応じた数の領域に区分されてもよい。また、高温、低温といったように目標エンジン出口水温ethwtvw が複数のグループに分けられ、学習領域がそのグループに応じた数の領域に区分されてもよい。
【0115】
(iii )の場合、学習領域は、例えば成層燃焼と均質燃焼とに区分されてもよい。均質燃焼は、エンジン11の高負荷時等において、吸気行程に燃料を噴射させることにより拡散時間を長く取り、気化を促進して燃料と空気とを均一に混合して理論空燃比付近の混合気とし、その後に点火を行う燃焼方式である。成層燃焼は、エンジン11の低負荷時等において、圧縮行程の後半に燃料をピストンの頂面に向けて噴射することにより混合気を層状化し、その後に点火を行う燃焼方式である。すなわち、燃料の噴射時期を可能な限り遅らせることで、燃料が燃焼室の全体に拡散する前に、点火プラグの周辺には燃料の濃い(理論空燃比程度)混合気の層を形成し、その周りには燃料の少ない混合気の層を形成する方式である。
【0116】
前記ステップ620で学習領域を決定すると、ステップ625において、学習補正係数ekqwkgの更新量edlkqwkgを次式(7)に従って算出する。
edlkqwkg={(eqwreal/eqwsm(i))-1}/n ……(7)
上記式(7)中のnは任意の数であり、例えば「6」が設定される。式(7)中の(eqwreal/eqwsm(i))-1は、基準となる値、この場合「1」からのずれに相当する。また、nで除算するのは、学習補正係数ekqwkgをゆっくり更新してずれを少しずつ小さくするためである。
【0117】
次に、ステップ630において、更新量edlkqwkgを用いた次式(8)に従って学習補正係数ekqwkgを更新する。
ekqwkg(n) =ekqwkg(o) +edlkqwkg ……(8)
上記式(8)中のekqwkg(o) は、前記ステップ620で判定したバックアップRAMの学習領域において記憶されている更新前の学習補正係数である。また、ekqwkg(n) は前記と同じ学習領域において置き換えられる新たな学習補正係数、すなわち更新後の学習補正係数である。
【0118】
次に、ステップ635において、前記更新後の学習補正係数ekqwkg(n) を次式(9)に従って熱量に変換することにより、学習更新熱量eqwfbadjを算出する。
eqwfbadj=t_qwb/ekqwkg(n)-eqwreal ……(9)
上記式(9)は以下のようにして導き出したものである。冷却損失熱量eqw 、フィードバック補正熱量eqwfb(i)、反映係数ekqwfb、学習補正係数ekqwkg(o),ekqwkg(n)、学習更新熱量eqwfbadjの間には、次の関係式(10)が成り立つ。
【0119】
(eqw-eqwfb(i)*ekqwfb)*ekqwkg(o)
={eqw-(eqwfb(i)*ekqwfb-eqwfbadj)}*ekqwkg(n) ……(10)
ここで、eqw-eqwfb(i)*ekqwfb=eqwreal とすると、上記式(10)は次式(11)で表される。
【0120】
eqwreal*ekqwkg(o)=(eqwreal+eqwfbadj)*ekqwkg(n) ……(11)
式(11)を整理すると、下記式(12)、(13)が導かれる。
eqwfbadj*ekqwkg(n)=eqwreal*ekqwkg(o)-eqwreal*ekqwkg(n)……(12)
eqwfbadj=eqwreal*ekqwkg(o)/ekqwkg(n)-eqwreal ……(13)
そして、前述した式(4)で上記式(13)を整理すると、前記式(9)が得られる。
【0121】
次に、ステップ640において、前記ステップ500で算出したフィードバック補正熱量eqwfb(i)を次式(14)に従って修正することにより、修正フィードバック補正熱量eqwfb(i')を算出する。
【0122】
eqwfb(i')=(eqwfb(i)*ekqwfb-eqwfbadj)/ekqwfb ……(14)
上記式(14)の分子中の反映係数ekqwfbは、フィードバック補正熱量eqwfb(i)を現在の状況(冷却損失熱量eqw )に対応した値にするために用いられている。また、分母中の反映係数ekqwfbは、分子を再び、冷却損失熱量eqw を基準冷却損失熱量eqwbとした場合(基準状態)の値に戻すために用いられている。
【0123】
そして、ステップ640の処理を経た後、図10のステップ700へ移行する。ステップ700でエンジン本体放熱熱量eqoeng及び受放熱熱量eqetc をそれぞれ算出した後、ステップ800で次式(15)に従って要求ラジエータ流量ev2req(i) を算出する。式(15)は前述した式(3)に学習補正係数ekqwkg(n) 及び修正フィードバック補正熱量eqwfb(i')を反映させたものである。
【0124】
Figure 0004009509
上記式(15)において、修正フィードバック補正熱量eqwfb(i' )に反映係数ekqwfbを乗算しているのは、次の理由によるものである。すなわち、前述した式(3)と同様、冷却損失熱量eqw を基準冷却損失熱量eqwbとした場合の修正フィードバック補正熱量eqwfb(i' )を、現在の状況(冷却損失熱量eqw )に対応した値に変換するためである。
【0125】
このようにして要求ラジエータ流量ev2req(i) を算出すると、ステップ900〜1100の処理を順に行った後、冷却水温度制御ルーチンの一連の処理を一旦終了する。
【0126】
上述した第2実施形態では、ECU55によって実行されるステップ605の処理が補正冷却損失熱量算出手段に相当し、ステップ610の処理が実冷却損失熱量算出手段に相当する。また、ステップ625〜640,800の処理が学習補正手段に相当する。
【0127】
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した(a)〜(i)に加え、次の効果が得られる。
(j)冷却損失熱量eqw を学習補正係数ekqwkg(n)に基づいて補正している。すなわち、冷却損失熱量eqw を応答遅れに応じた時定数nsm に基づいて補正することにより、補正冷却損失熱量eqwsm(i)を算出する(ステップ605)。また、要求ラジエータ流量ev2req(i-1) 、現在の水温(エンジン出口水温ethw1 、ラジエータ出口水温ethw2 )に基づき実冷却損失熱量eqwreal を算出する(ステップ610)。さらに、前記補正冷却損失熱量eqwsm 及び実冷却損失熱量eqwreal に基づき学習補正係数ekqwkg(n) を求め、これを記憶及び更新する(ステップ625,630)。そして、要求ラジエータ流量ev2req(i) の算出に際し、冷却損失熱量eqw を学習補正係数ekqwkg(n) に基づいて補正している(ステップ635,640,800)。
【0128】
従って、冷却損失熱量eqw が実冷却損失熱量eqwreal に対してずれても、前記学習補正係数ekqwkg(n) に基づく冷却損失熱量eqw の補正により、フィードバック補正熱量eqwfb(i)による補正のみの場合に生じ得る補正遅れを補い、冷却水温度の制御性の悪化を抑制することができる。
【0129】
(k)式(7)において、基準となる値、ここでは「1」からのずれに相当する(eqwreal/eqwsm(i))-1をnで除算して更新量edlkqwkgを求めている。このため、学習補正係数ekqwkgを少しずつ更新して、学習補正係数ekqwkgの誤学習を防止し、冷却損失熱量eqw の過補正を抑制することができる。
【0130】
(l)学習補正係数ekqwkg(o) が更新される(ステップ630)と、その更新量edlkqwkgに応じてフィードバック補正熱量eqwfb(i)を修正している(ステップ635,640)。すなわち、学習補正係数ekqwkg(n) を熱量(学習更新熱量eqwfbadj)に変換した後、これをフィードバック補正熱量eqwfb(i)(正確には反映係数ekqwfbとの積)から減算している。従って、要求ラジエータ流量ev2req(i) の算出に用いる冷却損失熱量eqw が、学習補正係数ekqwkgの更新にともなって不要に変更されるのを防止でき、もって冷却水温度の制御性を向上することができる。
【0131】
(m)エンジン11の運転領域について学習領域を区分し、その学習領域毎に学習補正係数ekqwkg(n) を求め、これを学習領域別に記憶及び更新している。そして、冷却損失熱量eqw をそのときの運転領域に対応する学習領域の学習補正係数ekqwkg(n) に基づいて補正している。従って、算出した冷却損失熱量eqw と実際の冷却損失熱量とのずれが、エンジン11の運転領域により変化したとしても、この変化に対応させて学習補正係数ekqwkg(n) を得ることができ、冷却水温度の制御性を向上することができる。
【0132】
同様の効果は、エンジン11の運転領域以外にも目標エンジン出口水温ethwtvw 毎、燃焼形態毎に学習領域を設定した場合にも得られる。例えば、本実施形態では目標エンジン出口水温ethwtvw (又は燃焼形態)について学習領域を区分し、その学習領域毎に学習補正係数ekqwkg(n) を求め、これを学習領域別に記憶及び更新している。この場合、算出した冷却損失熱量eqw と実際の冷却損失熱量とのずれが、目標エンジン出口水温ethwtvw (又は燃焼形態)により変化したとしても、この変化に対応させて学習補正係数ekqwkg(n) を得ることができ、冷却水温度の制御性を向上することができる。
【0133】
さらに、上記の効果は、前記エンジン11の運転領域、目標エンジン出口水温ethwtvw 、燃焼形態を種々組合わせて、その組合わせについて学習領域を区分し、その学習領域毎に学習補正係数ekqwkgを求め、これを学習領域別に記憶した場合にも得られる。
【0134】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図14〜図16に従って説明する。第3実施形態は、学習制御の内容が前述した第2実施形態と大きく異なっている。すなわち、フィードバック補正熱量eqwfb(i)の所定分の1に基づき学習補正量eqwkg を求め、この学習補正量eqwkg を記憶するとともに、要求ラジエータ流量ev2reqの算出に際し、冷却損失熱量eqw を前記学習補正量eqwkg に基づき補正している。
【0135】
次に、上記制御の詳細について説明する。図14は前述した図2及び図10に対応する冷却水温度制御ルーチンを示している。なお、図14において図2及び図10と同様の処理については同一のステップ数を付して詳しい説明を省略する。
【0136】
この冷却水温度制御ルーチンでは、ECU55はステップ100〜500の処理を順に経た後、ステップ650において学習補正量eqwkg の更新処理を行う。この処理に際しては、図15のステップ655において学習領域の判定を行う。この処理は、前述したステップ620の処理内容と同様である。
【0137】
次に、ステップ660において、次式(16)に従って学習補正量eqwkg を更新する。
eqwkg(n) =eqwkg(o) +eqwfb(i)/n ……(16)
上記式(16)中のeqwkg(o)は、前記ステップ655で判定した学習領域においてバックアップRAMに記憶されている更新前の学習補正量である。また、eqwkg(n)は前記と同じ学習領域において置き換えられる新たな学習補正量、すなわち更新後の学習補正量である。さらに、nは任意の数である。
【0138】
次に、ステップ665において、前記ステップ500で算出したフィードバック補正熱量eqwfb(i)を次式(17)に従って修正することにより、修正フィードバック補正熱量eqwfb(i') を算出する。
【0139】
eqwfb(i')=(1-1/n)eqwfb(i) ……(17)
上記式(17)でeqwfb(i)/nを減算するのは、要求ラジエータ流量ev2req(i) の算出に用いる冷却損失熱量eqw が学習補正量eqwkg の更新にともなって不要に変更されるのを防止し、もって冷却水温度の制御性を高めるためである。
【0140】
続いて、ステップ670において、冷却損失熱量eqw に応じた反映係数ekqwkgを算出する。ここで、反映係数ekqwkgは、第1実施形態で説明した反映係数ekqwfbと同様のものである。この算出には例えば、図16に示すような冷却損失熱量eqw と反映係数ekqwkgとの関係を予め規定したマップを用いる。このマップでは、冷却損失熱量eqw と反映係数ekqwkgとがほぼ比例関係となり、かつ、前記基準冷却損失熱量eqwbのとき反映係数ekqwkgが「1.0」となるように設定されている。
【0141】
そして、ステップ670の処理を経た後、図14のステップ700へ移行する。ステップ700でエンジン本体放熱熱量eqoeng及び受放熱熱量eqetc を算出した後、ステップ800で次式(18)に従って要求ラジエータ流量ev2req(i) を算出する。式(18)は前述した式(3)に修正フィードバック補正熱量eqwfb(i' )、学習補正量eqwkg(n)及び反映係数ekqwkgを反映させたものである。
【0142】
Figure 0004009509
上記式(18)の分子において、学習補正量eqwkg(n) に反映係数ekqwkg を乗算しているのは、次の理由によるものである。すなわち、冷却損失熱量eqw を基準冷却損失熱量eqwbとした場合のフィードバック補正熱量eqwfb(i)が反映された学習補正量eqwkg(n)を、現在の状況(冷却損失熱量eqw )に対応した値に変換するためである。
このようにして要求ラジエータ流量ev2req(i) を算出すると、ステップ900〜1100の処理を順に行った後、冷却水温度制御ルーチンの一連の処理を一旦終了する。
【0143】
以上詳述した第3実施形態によれば、前述した(a)〜(i)及び(m)に加え、次の効果が得られる。
(n)フィードバック補正熱量eqwfb(i)のn分の1ずつ学習補正量eqwkg(o)を更新し(ステップ660)、この学習補正量eqwkg(n)をバックアップRAMに記憶する。そして、要求ラジエータ流量ev2req(i) の算出に際し、冷却損失熱量eqw を前記学習補正量eqwkg(n)に基づいて補正している(ステップ800)。
【0144】
従って、冷却損失熱量eqw が実際の冷却損失熱量に対してずれても、前記学習補正量eqwkg(n)に基づいて冷却損失熱量eqw を補正することで、フィードバック補正熱量eqwfb(i)による補正のみの場合に生じ得る補正遅れを補い、冷却水温度の制御性の悪化を抑制することができる。
【0145】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・本発明は、エンジン11により駆動される機械駆動式ウォータポンプ26に代えて、モータにより駆動される電動式ウォータポンプを用いた冷却装置にも適用可能である。
【0146】
・エンジン本体12を通過する冷却水の流量を検出し、その検出値に基づいてフィードバック補正熱量eqwfb(i)の更新周期etmqwfを設定してもよい。また、エンジン本体12を通過する冷却水の流量に相当するエンジン情報に基づいて更新周期etmqwfを設定してもよい。このエンジン情報としては、冷却水の流量に比例するものが望ましい。この点、機械駆動式ウォータポンプ26を用いた前記各実施形態では、前記エンジン情報としてエンジン回転速度ene を用いた。この機械駆動式ウォータポンプ26に代えて前記のように電動式ウォータポンプを用いた場合には、前記エンジン情報として例えばモータの回転速度を用いることができる。
【0147】
・変化量edlthw1oの態様を、前記第2及び第3実施形態((I)〜(IV)の4つの態様)よりも多くの態様に細分化してもよい。例えば、目標エンジン出口水温ethwtvw よりも高い側にあるエンジン出口水温ethw1 が上昇している場合(態様(II)に相当)、その上昇の度合に応じて複数の態様を設定してもよい。このように多くの態様に分けた場合にも、それぞれの態様につき偏差edlthwt1に対する感度係数ekvwfbの特性を異ならせる。
【0148】
・感度係数ekvwfbを一定値としてもよく、また変化量edlthw1o及び偏差edlthwt1のいずれか一方に応じて可変としてもよい。
・第2及び第3実施形態に代えて、又は加えて、冷却損失熱量eqw 別に学習補正係数ekqwkg(又は学習補正量eqwkg )を求め、これらを冷却損失熱量eqw 別に記憶する。そして、冷却損失熱量eqw をその冷却損失熱量eqw に対応する学習補正係数ekqwkg(又は学習補正量eqwkg )に基づき補正するようにしてもよい。
【0149】
その他、前記各実施形態から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに記載する。
(A)請求項1〜のいずれかに記載の内燃機関の冷却装置において、さらに、前記フィードバック補正手段による前記フィードバック補正量に基づき学習補正量を求め、この学習補正量を記憶するとともに、前記要求ラジエータ流量算出手段にて前記要求ラジエータ流量を算出するに際して前記冷却損失熱量を前記学習補正量に基づき補正する第2の学習補正手段を備える。
【0150】
ここで、ECU55によって実行されるステップ660,800の処理が第2の学習補正手段に相当する。
上記の構成によれば、機関運転状態に基づいて求めた冷却損失熱量が実際の冷却損失熱量に対してずれても、前記学習補正量に基づいて冷却損失熱量を補正することで、フィードバック補正量による補正のみの場合に生じ得る補正遅れを補い、冷却水温度の制御性の悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態において、エンジンの冷却装置の構成を示す略図。
【図2】冷却水の温度を制御する手順を示すフローチャート。
【図3】フィードバック補正熱量eqwfb(i)を算出する手順を示すフローチャート。
【図4】冷却損失熱量eqw の決定に用いられるマップのマップ構造を示す略図。
【図5】フィードバック補正熱量の更新周期etmqwfの決定に用いられるマップのマップ構造を示す略図。
【図6】エンジン出口水温の変化量edlthw1oの態様を示す説明図。
【図7】感度係数ekvwfbの決定に用いられるマップのマップ構造を示す略図。
【図8】反映係数ekqwfbの決定に用いられるマップのマップ構造を示す略図。
【図9】バルブ開度evwreqの決定に用いられるマップのマップ構造を示す略図。
【図10】本発明の第2実施形態において、冷却水の温度を制御する手順を示すフローチャート。
【図11】学習補正係数ekqwkgを更新する手順を示すフローチャート。
【図12】冷却損失熱量eqw 、補正冷却損失熱量eqwsm 及び実冷却損失熱量eqwreal の関係を示す説明図。
【図13】時定数の決定に用いられるマップのマップ構造を示す略図。
【図14】本発明の第3実施形態において、冷却水の温度を制御する手順を示すフローチャート。
【図15】学習補正量eqwkg を更新する手順を示すフローチャート。
【図16】反映係数ekqwkgの決定に用いられるマップのマップ構造を示す略図。
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、22…冷却装置、25…ラジエータ、43…流量制御弁、55…ECU(冷却損失熱量算出手段、要求ラジエータ流量算出手段、フィードバック補正手段、流量制御弁制御手段、補正冷却損失熱量算出手段、実冷却損失熱量算出手段、学習補正手段)、ethw1 …エンジン出口水温(内燃機関の冷却水温度)、ethw2 …ラジエータ出口水温(ラジエータを通過した後の冷却水温度)、ethwtvw …目標エンジン出口水温(目標冷却水温度)、edlthw1o…変化量、edlthwt1…偏差、ene …エンジン回転速度(機関情報)、ev2req…要求ラジエータ流量、eqw …冷却損失熱量、eqwfb …フィードバック補正熱量(フィードバック補正量)、eqwsm …補正冷却損失熱量、eqwreal …実冷却損失熱量、eqwfbadd…更新量、ekqwkg…学習補正係数(学習補正値)、etmqwf…更新周期(制御周期)、ekvwfb…感度係数、nsm …時定数。

Claims (13)

  1. 内燃機関の冷却水循環経路に設けられたラジエータと、
    前記ラジエータを通過する冷却水の流量であるラジエータ流量を調整する流量制御弁と、
    前記内燃機関が冷却水に奪われる冷却損失熱量を機関運転状態に基づき算出する冷却損失熱量算出手段と、
    前記冷却損失熱量算出手段による冷却損失熱量、前記内燃機関の目標冷却水温度、及び前記ラジエータを通過した後の冷却水温度に基づき、前記内燃機関の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするための要求ラジエータ流量を算出する要求ラジエータ流量算出手段と、
    前記内燃機関の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするためのフィードバック補正量を求め、前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量の算出に際し、前記冷却損失熱量を前記フィードバック補正量に基づき補正するフィードバック補正手段と、
    前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量に基づき前記流量制御弁を制御する流量制御弁制御手段とを備え、
    前記フィードバック補正手段は、前記目標冷却水温度と前記内燃機関の冷却水温度との偏差に応じた比例項に基づいて前記フィードバック補正量を求め、前記比例項の感度係数を前記内燃機関の冷却水温度の変化量に応じて可変とし、この可変とされる感度係数に基づき前記比例項を求めるものであることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  2. 内燃機関の冷却水循環経路に設けられたラジエータと、
    前記ラジエータを通過する冷却水の流量であるラジエータ流量を調整する流量制御弁と、
    前記内燃機関が冷却水に奪われる冷却損失熱量を機関運転状態に基づき算出する冷却損失熱量算出手段と、
    前記冷却損失熱量算出手段による冷却損失熱量、前記内燃機関の目標冷却水温度、及び前記ラジエータを通過した後の冷却水温度に基づき、前記内燃機関の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするための要求ラジエータ流量を算出する要求ラジエータ流量算出手段と、
    前記内燃機関の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするためのフィードバック補正量を求め、前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量の算出に際し、前記冷却損失熱量を前記フィードバック補正量に基づき補正するフィードバック補正手段と、
    前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量に基づき前記流量制御弁を制御する流量制御弁制御手段とを備え、
    前記フィードバック補正手段は、前記目標冷却水温度と前記内燃機関の冷却水温度との偏差に応じた比例項に基づいて前記フィードバック補正量を求め、前記比例項の感度係数を前記目標冷却水温度と前記内燃機関の冷却水温度との偏差に応じて可変とし、この可変とされる感度係数に基づき前記比例項を求めるものであることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  3. 前記フィードバック補正手段は、前記内燃機関を通過する冷却水の流量又はそれに相当する機関情報に応じた制御周期にて前記フィードバック補正量を更新するものである請求項1又は2に記載の内燃機関の冷却装置。
  4. 前記フィードバック補正手段は、前記フィードバック補正量を前記冷却損失熱量算出手段にて算出される冷却損失熱量に基づき修正したうえで前記冷却損失熱量を前記フィードバック補正量に基づき補正するものである請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の冷却装置。
  5. 内燃機関の冷却水循環経路に設けられたラジエータと、
    前記ラジエータを通過する冷却水の流量であるラジエータ流量を調整する流量制御弁と、
    前記内燃機関が冷却水に奪われる冷却損失熱量を機関運転状態に基づき算出する冷却損失熱量算出手段と、
    前記冷却損失熱量算出手段による冷却損失熱量、前記内燃機関の目標冷却水温度、及び前記ラジエータを通過した後の冷却水温度に基づき、前記内燃機関の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするための要求ラジエータ流量を算出する要求ラジエータ流量算出手段と、
    前記内燃機関の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするためのフィードバック補正量を求め、前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量の算出に際し、前記冷却損失熱量を前記フィードバック補正量に基づき補正するフィードバック補正手段と、
    前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量に基づき前記流量制御弁を制御する流量制御弁制御手段と、
    前記冷却損失熱量算出手段にて算出される冷却損失熱量を前記内燃機関の運転状態の変化に対する応答遅れに応じた時定数に基づき補正して補正冷却損失熱量を算出する補正冷却損失熱量算出手段と、
    前記ラジエータ流量、前記内燃機関の冷却水温度、及び前記ラジエータを通過した後の冷却水温度に基づき実際の冷却損失熱量である実冷却損失熱量を算出する実冷却損失熱量算出手段と、
    前記補正冷却損失熱量算出手段による補正冷却損失熱量と、前記実冷却損失熱量算出手段による実冷却損失熱量とに基づき学習補正値を求め、この学習補正値を記憶するとともに、前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量の算出に際し、前記冷却損失熱量を前記学習補正値に基づき補正する学習補正手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  6. 前記フィードバック補正量は、前記学習補正手段により前記学習補正値が更新されたとき、その更新量に応じて修正されるものである請求項5に記載の内燃機関の冷却装置。
  7. 前記学習補正手段は、前記内燃機関の運転領域別に前記学習補正値を求め、この学習補正値を前記運転領域別に記憶するとともに、前記冷却損失熱量をそのときの運転領域に対応する学習補正値に基づき補正するものである請求項5又は6に記載の内燃機関の冷却装置。
  8. 前記学習補正手段は、前記内燃機関の目標冷却水温度別に前記学習補正値を求め、この学習補正値を前記内燃機関の目標冷却水温度別に記憶するとともに、前記冷却損失熱量をそのときの目標冷却水温度に対応する学習補正値に基づき補正するものである請求項5〜7のいずれかに記載の内燃機関の冷却装置。
  9. 前記学習補正手段は、前記内燃機関の燃焼形態別に前記学習補正値を求め、この学習補正値を前記燃焼形態別に記憶するとともに、前記冷却損失熱量をそのときの燃焼形態に対応する学習補正値に基づき補正するものである請求項5〜8のいずれかに記載の内燃機関の冷却装置。
  10. 内燃機関の冷却水循環経路に設けられたラジエータと、
    前記ラジエータを通過する冷却水の流量であるラジエータ流量を調整する流量制御弁と、
    前記内燃機関が冷却水に奪われる冷却損失熱量を機関運転状態に基づき算出する冷却損失熱量算出手段と、
    前記冷却損失熱量算出手段による冷却損失熱量、前記内燃機関の出口の目標冷却水温度、及び前記ラジエータを通過した後の冷却水温度に基づき、前記内燃機関の出口の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするための要求ラジエータ流量を算出する要求ラジエータ流量算出手段と、
    前記内燃機関の出口の冷却水温度を前記目標冷却水温度とするためのフィードバック補正量を求め、前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量の算出に際し、前記冷却損失熱量を前記フィードバック補正量に基づき補正するフィードバック補正 手段と、
    前記要求ラジエータ流量算出手段による前記要求ラジエータ流量に基づき前記流量制御弁を制御する流量制御弁制御手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  11. 前記フィードバック補正手段は、前記目標冷却水温度と前記内燃機関の冷却水温度との偏差に応じた比例項に基づいて前記フィードバック補正量を求めるものである請求項10に記載の内燃機関の冷却装置。
  12. 前記フィードバック補正手段は、前記内燃機関を通過する冷却水の流量又はそれに相当する機関情報に応じた制御周期にて前記フィードバック補正量を更新するものである請求項10又は11に記載の内燃機関の冷却装置。
  13. 前記フィードバック補正手段は、前記フィードバック補正量を前記冷却損失熱量算出手段にて算出される冷却損失熱量に基づき修正したうえで前記冷却損失熱量を前記フィードバック補正量に基づき補正するものである請求項10〜12のいずれかに記載の内燃機関の冷却装置。
JP2002249424A 2002-08-28 2002-08-28 内燃機関の冷却装置 Expired - Fee Related JP4009509B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002249424A JP4009509B2 (ja) 2002-08-28 2002-08-28 内燃機関の冷却装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002249424A JP4009509B2 (ja) 2002-08-28 2002-08-28 内燃機関の冷却装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004084615A JP2004084615A (ja) 2004-03-18
JP4009509B2 true JP4009509B2 (ja) 2007-11-14

Family

ID=32056541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002249424A Expired - Fee Related JP4009509B2 (ja) 2002-08-28 2002-08-28 内燃機関の冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4009509B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4998390B2 (ja) * 2008-07-08 2012-08-15 トヨタ自動車株式会社 冷却水循環装置
JP5152595B2 (ja) * 2009-07-13 2013-02-27 株式会社デンソー 車両用冷却システムの制御装置
JP5381851B2 (ja) * 2010-03-25 2014-01-08 トヨタ自動車株式会社 冷媒流通制御装置および車両の冷却装置
JP6311503B2 (ja) * 2014-07-08 2018-04-18 日産自動車株式会社 内燃機関の冷却装置及び内燃機関の冷却方法
GB2525538A (en) * 2015-08-13 2015-10-28 Gm Global Tech Operations Inc Method of controlling a cooling system of an internal combustion engine
JP6265197B2 (ja) * 2015-11-26 2018-01-24 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP6557271B2 (ja) * 2017-03-24 2019-08-07 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の冷却装置
US20190010858A1 (en) * 2017-07-10 2019-01-10 GM Global Technology Operations LLC Controlling engine coolant fluid temperature
JP6806016B2 (ja) * 2017-09-25 2020-12-23 トヨタ自動車株式会社 エンジン冷却装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH108960A (ja) * 1996-06-27 1998-01-13 Mitsubishi Motors Corp 車両用冷却ファン装置
JP3644262B2 (ja) * 1998-07-29 2005-04-27 株式会社デンソー 液冷式内燃機関の冷却装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004084615A (ja) 2004-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4023176B2 (ja) 内燃機関の冷却装置
JP3768296B2 (ja) 筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置
US7975670B2 (en) Control unit and control method for torque-demand-type internal combustion engine
US6684826B2 (en) Engine cooling apparatus
US5404842A (en) Internal combustion engine cooling apparatus
US9863393B2 (en) Waste heat controller
US6321730B1 (en) Internal combustion engine having combustion heater
JP4009509B2 (ja) 内燃機関の冷却装置
JP5625815B2 (ja) エンジンの冷却制御装置
JP3379354B2 (ja) 2系統冷却装置付き内燃機関の排気再循環制御装置
JP2008215173A (ja) 車両の制御装置
JP2022032184A (ja) 内燃機関制御装置
JP2007285130A (ja) 内燃機関
JP4415509B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US8161941B2 (en) Control device for internal combustion engine
JP2004052670A (ja) 熱式エアフローセンサの出力補正手段を備えた内燃機関の制御装置
JP5067397B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2004169634A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2012072669A (ja) 内燃機関制御システム
JP2006105105A (ja) エンジンの冷却装置
JP3018740B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP2006105106A (ja) エンジンの冷却装置
JP2006112344A (ja) エンジンの冷却装置
JP2006112234A (ja) エンジンの冷却装置
JP7540448B2 (ja) 内燃機関の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070622

TRDD Decision of grant or rejection written
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070705

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070903

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110907

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120907

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees