JP4008197B2 - ダイアグノーシス機能を有する車両用制御装置及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を制御する車両用制御装置の自己診断技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高性能マイクロプロセッサの出現などエレクトロニクス技術の進歩を背景として、機械技術と電子技術とが結びついたメカトロニクス技術の進歩が著しい。メカトロニクスの進歩の一部として、自動車等の車両にも多くのコンピュータシステムが採用されてきている。このような車載用のコンピュータシステムは、省資源、省エネルギー、走行性能、安全性、快適性等を追求するものであり、車両内のエンジン・駆動系、走行・安全系、エンターテイメント系、及びその他の随所に搭載されている。
【0003】
その中でも特に高い信頼性を要求される車両制御用のコンピュータシステムは、システム内の各部位の異常検出を的確に行わないと、走行上の不具合を引き起こす可能性があり、場合によっては走行不能となることもある。そのため、コンピュータシステムに自己診断機能を備えることにより、信頼性の向上が図られている。すなわち、コンピュータ部やセンサ類の動作状態を適当な周期で自動的にチェックし、故障時には、ユーザなどに故障を知らせるための警告灯(MIL)を点灯したり、その故障内容が修理担当者などに分かるよう異常コード(DTC)を出力したりする、いわゆるダイアグノーシス(以下「ダイアグ」という。)判定を可能にしている。
【0004】
このダイアグ判定について説明する。ダイアグ判定は、ただ単に作動状態を単発的にチェックして「正常」又は「異常」を判定するものではない。「正常」、「異常」にもレベルがあるからである。例えば、センサからの入力系の「異常」を例に挙げた場合、コネクタ等における一時的な接触不良も「異常」であるし、完全な断線も「異常」である。前者の場合は、その後良好な作動状態を維持することがあり、特に部品交換の必要性が認められないことがある。
【0005】
このため、従来は、複数回のトリップ(イグニッションスイッチのオンからオフまでの1回の走行)にわたってダイアグ判定を行うようにしている。具体的には、トリップ毎の正常/異常の判断結果から、上述したような各レベルを有するダイアグ判定結果としての状態(以下「判定状態」という。)を決定するようにしている。例えば、1回目のトリップにて異常が検出された場合には、例えば一時的な接触不良とも考えられるため、判定状態を「仮異常状態」とし、その判定状態を記憶しておき、連続して2回目のトリップでも異常が検出された場合には、完全な断線の可能性が高いため、判定状態を「本異常状態」に遷移させるという具合に、判断結果によって判定状態を遷移させ、この判定状態に基づく出力制御を行っている。
【0006】
このように複数回のトリップにわたって正常/異常を判断することから、車両用制御装置内部には、上述した判定状態を記憶する領域が確保される。
従来は、あるビットがセットされているか否かというフラグ情報を用いてこの判定状態を記憶していた。例えばこのフラグ情報を記憶する領域は、一時的な記憶を行うノーマルRAMに1バイト、イグニッションスイッチがオフとなっても内容を保持するバックアップRAMに1バイトという具合に用意される。さらに、バックアップRAMに保持された情報が欠落・破損などしていないかを検証できるように、バックアップRAMにはミラーデータとして同一データを重複させて記憶しておくのが一般的である。
【0007】
すなわちこの場合は、ノーマルRAMに1バイト、ミラーデータを含めてバックアップRAMに2バイトの領域が用意されるため、判定状態を記憶するために計3バイトの領域が確保される。
さらに、判定状態が一度「本異常状態」とされた場合であっても、例えば40回というような所定回数のトリップで異常が検出されなければ判定状態を「正常状態」に復帰させ、警告灯を消灯したり、異常コードの出力を停止するという制御を行っている。したがって、警告灯を消灯するまでのトリップ数、異常コードを消去するまでのトリップ数を計数するためのカウンタを用意し、このカウンタの値もバックアップRAMに記憶していた。
【0008】
そのため、例えば、警告灯を消灯するまでのトリップ数を計数するために1バイトの領域を確保し、異常コードの出力を停止するまでのトリップ数を計数するためにさらに1バイトの領域を確保していた。そして、一般的にそれぞれにミラーデータが付加されるため、カウンタ値を記憶するのに計4バイトの記憶領域を確保していた。
【0009】
このように従来は、1つのダイアグ項目に対するダイアグ判定を行うために、合計7バイト前後の記憶領域が確保される状況があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ダイアグ項目は、クランク角センサ、カム角センサ、水温センサなど、各センサのダイアグ、失火検出のダイアグをはじめ、現在では約200項目におよぶ。そのため、200×7=約1.4Kバイトもの記憶領域が必要となってくる。そして、コンピュータシステムの随所への導入により、ダイアグ項目も増加の一途をたどっている。
【0011】
また、法規制(EOBD)によってRAM内容をEEPROMへ記憶することが要求されている。したがって、これを実現すると、RAMの記憶領域だけでなくEEPROMの記憶領域を圧迫することになる。
一方、判定状態を記憶するために2バイト(16ビット)の領域(ミラーデータを含めれば3バイトの領域)を確保すれば16本のフラグとして使用できるが、16本全てのフラグが必要となるわけではない。このようにバイト単位で記憶領域を確保する1つの理由として以下のことが言える。
【0012】
以前はCISCマイコンが主流であったため、1命令でビット操作ができた。しかし近年、命令数を少なくして演算速度を上げたRISCマイコンが主流となっている。このRISCマイコンでは、バイト単位の操作命令はあっても、ビット操作命令は減る方向にある。ビット操作命令がなければ、複数の命令を組み合わせる必要があり、これによって演算速度が遅くなってしまう。
【0013】
これを解決するために、1命令で可能なバイト単位のデータ操作を行うことになる。例えば1バイト領域の最上位ビットをセットする場合には、「128」(2進数では10000000)を記憶すればよい。つまり、RISCマイコンにビット操作命令がないために、演算速度の低下を回避しようとすれば、1バイト単位で記憶領域を確保する必要が生じるのである。結果として、記憶領域を無駄に使用することになっていた。
【0014】
そして、従来のようにフラグ情報として判定状態を記憶する手法では、ビット操作命令のないRISCマイコンにおいて、ビット操作を意識した処理プログラム設計をすることになるため、設計工数を考えても不利であった。そして、実際にビット単位の操作をすることもあり、その場合には、演算速度の低下を招いていた。
【0015】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、ダイアグ判定において、必要となる記憶領域を削減すると共に、主流となっているRISCマイコンに合わせた情報操作を行うことにより、処理プログラムの設計工数を削減し、また、演算速度の低下を防止することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上述した目的を達成するためになされた請求項1に記載の車両用制御装置では、判断手段が、トリップ期間に、所定のダイアグ項目に対し正常又は異常を判断する。ここでトリップ期間とは、イグニッションスイッチのオンからオフまでの期間をいう。
【0017】
例えば水温センサの断線ダイアグを例に挙げれば、水温センサから通常0〜5(V)の範囲の信号が入力されるのであるが、所定時間連続して0Vであった場合には断線、連続して5Vであった場合にはショートの可能性が高いと判断し、「水温センサの断線(ショート)ダイアグ」というダイアグ項目に対し異常と判断するという具合である。
【0018】
判定状態決定手段は、この判断手段による判断結果に基づき、ダイアグ項目に対するダイアグ判定結果を表す判定状態を決定する。この判定状態は記憶手段に記憶されるため、判定状態決定手段は、記憶手段に記憶された前回のトリップ期間における判定状態を、判定結果出力又は停止を決定するまでの過程を表す新たな判定状態へ遷移させる状態遷移処理を実行することによって、判定状態を決定する。例えば、状態遷移処理を実行することによって前回のトリップ期間において「仮異常状態」となった判定状態を、再度異常と判断された場合に「本異常状態」という判定状態へ遷移させるという具合である。
【0019】
そして、出力制御手段は、判定状態決定手段にて決定された判定状態に基づき、ダイアグ判定結果に応じた出力制御を行う。
ここで特に本発明は、判定状態決定手段が、上述した判定状態を、各判定状態に対応して設定された数値として記憶することを特徴とする。この数値は、複数の判定状態の間で重複しない。例えば正常状態を「1」、本異常状態を「41」、仮異常状態を「50」という具合に記憶する。
また、異常を検出した後のトリップにて連続して異常を検出していない場合には、判定状態決定手段が、前記記憶手段に記憶されている数値を、当該数値を用いて、連続して変更させる。
【0020】
従来は、所定ビットをセットするかリセットするかというフラグ情報として判定状態を記憶していた。つまり、1バイト(8ビット)の領域を8本のフラグとして使用していた。
これに対して本発明では、各判定状態をフラグ情報で記憶せず、ユニークな数値で記憶するようにした。例えば請求項2に示すように、判定状態決定手段が、前記記憶手段に記憶される数値を、1バイトで表現可能な「0」〜「255」の範囲の数値とすることが考えられる。1バイトの領域があれば0〜255の数値にて、最大256の判定状態が記憶できる。その結果、ダイアグ判定において必要となる記憶領域を削減することができる。
【0021】
例えば従来は、ノーマルRAMに1バイト、バックアップRAMに1バイトの計2バイトの領域を用意していたが、従来と同様のダイアグ判定では、バックアップRAMに1バイトの領域を確保すれば十分である。
また、従来のようにフラグ情報で判定状態を記憶しないため、処理設計においてビット操作を意識することがなくなる。すなわち、RISCマイコンに合わせた情報操作を行うことができ、処理プログラムの設計工数を削減することができる。また、従来はRISCマイコンに用意された命令で実現できないビット単位の操作を行う場合があり、その場合は、演算速度の低下を招くことになっていた。これに対し、本発明によれば演算速度の低下を招くこともない。
【0022】
ところで、数値にて示される判定状態を遷移させる場合、例えば従来と同様にカウンタを用いてトリップ数を計数することが考えられる。しかし、その場合には従来と同様に、カウンタ値を記憶しておくための記憶領域を確保する必要が生じる。
【0023】
一方、1バイトの領域に判定状態を数値で記憶する場合には、0〜255の数値にて最大256の判定状態が記憶できる。ところが、256もの判定状態を設けることはない。例えば後述する実施例では、「正常」とされる状態を3つの判定状態にて示し、異常とされる状態を2つの判定状態として示し、計5つの判定状態を定義している。このように高々数十という判定状態を記憶できればよいことを考えると、判定状態に対応する数値を工夫して記憶することによってカウンタ値を記憶するための記憶領域を削減できる。
【0024】
すなわち、請求項3に示すように、判定状態に対応する数値を、各判定状態に応じた所定範囲の数値として設定しておく。そして、判定状態決定手段が、状態遷移処理を実行する際には、記憶手段に記憶された判定状態に対応する数値に応じて、当該数値の加減を行い当該判定状態を遷移させるようにするとよい。
【0025】
上述したように、判定状態が完全な異常を示す「本異常」として一度決定された場合であっても、例えば40回というような所定回数のトリップで異常が検出されなければ完全な正常を示す判定状態へ復帰させ、警告灯を消灯したり、異常コードの出力を停止したりする。
【0026】
そこで例えば請求項4に示すように、判定状態決定手段が、状態遷移処理を実行する際には、判断手段による判断結果が同一のものとなるトリップ期間の連続する回数をカウントして判定状態を遷移させる場合には、判定状態に対応する数値の加減を行い、当該数値をトリップ期間毎に所定数ずつ変化させることが考えられる。具体的には、上述した例の如く、完全な異常を示す判定状態から完全な正常を示す判定状態へ判定状態を遷移させるときに、判断手段にて正常と判断されると、判定状態決定手段が、判定状態に対応する数値を所定数ずつ変化させるという具合である(請求項5)。例えば、判定状態決定手段が、完全な正常を示す判定状態に対応する数値となるまで、判定状態に対応する数値を所定数ずつ変化させる(請求項6)。
【0027】
例えば正常状態として3つの状態を定義する。それは、完全に正常な状態を示す第1の正常状態、遠い過去に異常となったが現在は正常である状態を示す第2の正常状態、及び近い過去に異常となったが現在は正常である状態を示す第3の正常状態である。そして、それぞれに相互に重複しない所定範囲の数値を割り付ける。例えば第1の正常状態に「1」、第2の正常状態に「2〜38」、第3の正常状態に「39,40」を割り付ける。そして完全な異常を示す本異常状態を「41」とする。
【0028】
この場合に、一度判定状態が本異常状態「41」と決定されてから、その後のトリップ期間に正常との判断がなされた場合、状態遷移処理にて、判定状態を示す数値をデクリメントする。
具体的に言えば、本異常状態と判定された時点で数値「41」が記憶される。そして、続くトリップにて正常との判断がなされると、数値がデクリメントされ「40」となる。したがって、第3の正常状態へ遷移する。さらに、その後のトリップで「正常」との判断が続けてなされれば、「40」→「39」→「38」→・・・→「2」→「1」と数値がデクリメントされていく。したがって、判定状態は、「本異常状態」→「第3の正常状態」→「第2の正常状態」→「第1の正常状態」という具合に遷移することになる。すなわち、判定状態が、本異常とされた後、40トリップという、正常判断がなされたトリップ期間の連続する回数をカウントして第1の正常状態まで遷移することになる。
【0029】
なお、請求項3でいう数値の加減には、所定数ずつ数値を変化させる場合だけでなく、例えば仮異常状態「50」から本異常状態「41」への遷移を実現するために数値「9」を減じる場合も含まれる。また、その場合に実際に減算処理を実行する必要もない。例えば「50」が代入されている変数に「41」を代入してもよい。つまり、結果的に数値が加減されてもよい。
【0030】
ところで、あるトリップ期間内に、判断手段にて「正常」との判断が複数回なされることが考えられる。このとき、そのトリップ期間内に上述した数値のデクリメントが繰り返されると、トリップ数を正確にカウントできなくなる。
そこで請求項7に示すように、判定状態決定手段が、状態遷移処理を実行する際には、判定状態に対応する数値をトリップ期間毎に変化させるため、トリップ期間内において、判断手段にて同一の判断が繰り返しなされても、最初の判断時にだけ判定状態に対応する数値を変化させるようにするとよい。例えば判定状態に対応する数値をデクリメントすると共に、ある定数を加算しておくことが考えられる。すると、2度目に正常との判断がなされた場合には、判定状態に対応する数値がその定数以上の値となっているため、これを判断すれば同一トリップ期間における複数回のデクリメントを回避できる。この定数は、各トリップ期間の最初に減じるようにすればよい。このようにすれば、あるトリップ期間内に「正常」との判断が複数回なされても、トリップ数を正確にカウントできる。
【0031】
以上説明したように、相互に重複しない所定範囲の数値として判定状態を記憶し、状態遷移処理にて、記憶された数値に応じた加減を行えば、カウンタを別に設ける必要がなくなる。
その結果、ミラーデータを含めて4バイトの記憶領域を使用していたカウンタ値の記憶領域が不要となる。したがって、従来は1つのダイアグ項目に対して7バイトの記憶領域を確保する必要があったが、本発明によれば、カウンタ値を記憶する4バイトが削減され、さらに上述したように判定状態を記憶する領域も、ミラーデータを含めて2バイトで足り、1バイトが削減される。すなわち、1つのダイアグ項目に対して2バイトの記憶領域を確保すればよい。これによって、200項目のダイアグ項目があった場合であっても、200×2=400バイトの記憶領域を確保すればよく、RAM領域を大幅に削減できる。また、RAM内容をEEPROMに記憶しても、EEPROMの記憶領域を圧迫することがなくなる。
【0032】
また、上述した通り、数値にて判定状態を記憶することによってRISCマイコンに合わせた情報操作を実現した。
以上のことから本発明によれば、ダイアグ判定において、必要となる記憶領域を削減すると共に、処理プログラムの設計工数を削減することができ、演算速度の低下を招くこともない。
【0033】
ところで、記憶手段は前回のトリップ期間における判定状態を記憶するため、イグニッションキーがオフされた状態においても記憶内容を保持できるものにする必要がある。したがって請求項8に示すように、電源供給が常時なされて記憶内容をバックアップ可能な揮発性メモリ装置又は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ装置を用いて実現することが考えられる。より具体的に言えば、既に上述したバックアップRAMやEEPROMなどのメモリ装置を用いて実現すればよい。
【0034】
なお、出力制御手段は判定状態に基づきダイアグ判定結果に応じた出力制御を行うが、具体的には請求項9に示すように、出力制御手段を、少なくとも異常を報知する警告灯のオン/オフ制御及び異常内容を示す異常コードの出力制御を行う構成とすることが考えられる。警告灯のオン/オフ制御は、警告灯を点灯させるか消灯させるかという制御である。また、異常コードの出力制御は、異常コードを出力するか否かという制御である。異常コードの出力は、例えば表示器を備える構成であれば、その表示器に表示することで実現することが考えられる。また、記憶装置に異常コードを記憶することで実現してもよい。異常コードの出力を停止する場合、前者では表示器への出力を停止する。一方後者では、記憶装置に記憶された異常コードを消去する。
【0035】
例えば上述した例のように第1の正常状態、第2の正常状態、第3の正常状態、仮異常状態、本異常状態を定義した場合、各判定状態における故障の確率を考えて次のように警告灯の点灯及び異常コードの出力を行うことが考えられる。
正常状態、仮異常状態では、警告灯をオフ(消灯)し、異常コードを出力しない。一方、本異常状態、第3の正常状態では、警告灯をオン(点灯)し、異常コードを出力する。そして、第2の正常状態では、警告灯をオフ(消灯)し、異常コードのみを出力する。
【0036】
ところで、最初のトリップであって判定状態が決定されていない場合、記憶手段に、それを示す判定状態を記憶しておくことが考えられる。すなわち、請求項10に示すように、前記記憶手段が、最初のトリップ期間において、前記判定状態決定手段にて前記判定状態が決定されるまでは、未検出状態を示す数値を前記判定状態として記憶するようするとよい。初期状態において、未検出状態を示す数値、例えば「0」を記憶手段に記憶しておけば、初期状態を判断する特別な処理を状態遷移処理に設ける必要がなくなる。したがって、処理プログラムの設計が容易になり、処理プログラムの設計工数の削減に寄与する。
また、請求項11に示すように、出力制御手段が、ダイアグ判定結果に応じた信号を外部の警告灯に対して送信することで、ダイアグ判定結果に応じた出力制御を行うことが考えられる。また、請求項12に示すように、出力制御手段が、ダイアグ判定結果に応じた信号を外部の表示器に対して送信することで、ダイアグ判定結果に応じた出力制御を行うことが考えられる。また、請求項13に示すように、ダイアグ判定結果に応じたコードを記憶するRAMを備え、出力制御手段が、ダイアグ判定結果に応じたコードをRAMに記憶させることで、ダイアグ判定結果に応じた出力制御を行うことが考えられる。
【0037】
なお、このような車両用制御装置の判断手段、判定状態決定手段及び出力制御手段をコンピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、FD、MO、CD−ROM、DVD、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いてもよい。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明を具体化したエンジン制御装置(以下「ECU」という。)2の構成を表すブロック図である。ECU2は、車両に搭載された内燃機関型エンジンの制御を行う。
【0039】
図1に示すように、ECU2は、エンジンのクランク軸が所定角度回転する毎にパルス状の信号を出力する回転角センサ4、エンジンの特定の気筒のピストンが所定位置(例えば上死点:TDC)にくる度にパルス状の信号を出力する基準位置センサ6、エンジンの冷却水の温度を検出する水温センサ8、及び酸素濃度を計測する酸素濃度センサ10等、エンジンの運転状態を検出する様々なセンサからの信号を入力して波形整形やA/D変換を行う入力回路12と、入力回路12からのセンサ信号に基づき、エンジンを制御するための様々な処理を行うマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)14と、マイコン14からの制御信号に応じて、エンジンに取付けられたインジェクタ(燃料噴射装置)及びイグナイタ(点火装置)等のアクチュエータ16、車室内に設けられた警告灯(ウォーニングランプ)18、さらには、異常コードを表示する表示器20等を駆動する出力回路22と、を備えている。この警告灯18及び表示器20は、後述するダイアグ判定に用いられる。
【0040】
そして、マイコン14には、プログラムを実行する周知のCPU(中央演算処理装置)24と、CPU24によって実行されるプログラムやそのプログラムの実行時に参照される制御データを記憶するROM26と、CPU24による演算結果等を記憶するためのバックアップRAM28と、入力回路12及び出力回路22との間で信号をやり取りするためのI/O30と、各種レジスタやフリーランカウンタ等(図示省略)とが備えられている。
【0041】
このように構成されたECU2は、各種センサから入力回路12を介して入力される信号に基づき、出力回路22に接続されたアクチュエータ16を駆動する、エンジン制御処理を行う。
そして、本実施例のECU2は、上述したエンジン制御処理に並行して、システムの各部位を診断してその診断結果を出力する、いわゆるダイアグ判定を行うことを特徴としている。したがって、以下このダイアグ判定について説明する。
【0042】
ダイアグ判定の対象となるダイアグ項目は、例えば水温センサ8や酸素濃度センサ10の断線ダイアグ、イグナイタの失火検出ダイアグなどをはじめ、約200の項目におよぶ。本実施例では水温センサ8の断線ダイアグを例に挙げて説明する。なお、他のダイアグ判定も基本的に同様となる。
【0043】
本実施例のマイコン14には、水温センサ8からの信号が入力回路12を介して入力される。水温センサ8からの信号値は、通常0〜5(V)の範囲を動くことになるため、一定期間連続して0Vあるいは5Vとなっている場合には、水温センサ8からの信号線の断線あるいはショートが予想できる。したがって、マイコン14のCPU24は、信号値が0Vあるいは5Vとなっている状態が継続する期間をカウンタにて計測し、一定期間その状態が継続した場合に「異常」と判断する。一方、一定期間その状態が継続しなければ「正常」と判断する。ECU2は、エンジン制御処理に並行して、このような正常/異常の判断を、各ダイアグ項目に対し定期的に行う。したがって、マイコン14のCPU24が「判断手段」に相当する。
【0044】
ただし、1回のトリップで水温センサ8が「異常」であると判断されても、コネクタ等における一時的な接触不良であることも考えられるため、複数回のトリップにわたってダイアグ判定を行う。
具体的には、マイコン14のCPU24は、上述した各トリップにおける正常/異常の判断に基づき、ダイアグ判定結果を表す判定状態を決定する。そして、この判定状態に基づき、出力回路22を介して、警告灯18を点灯させたり、表示器20に異常コードを表示させたりする。そして、この判定状態はバックアップRAM28に記憶され、次のトリップでは、記憶した判定状態を参照し必要に応じて判定状態を遷移させる。したがって、CPU24が「判定状態決定手段」及び「出力制御手段」に相当し、バックアップRAM28が「記憶手段」に相当する。
【0045】
本実施例では、この判定状態のそれぞれに、重複しないような所定範囲の数値を割り当て、判定状態をこの数値(以下「ステータスデータ」という。)にて記憶すると共に、記憶されたステータスデータStに従い判定状態を遷移させることを特徴とする。
【0046】
そこで次に、本実施例で定義される判定状態と、それら判定状態に対応して割り当てられるステータスデータStを示す。
未検出状態 :最初のトリップにて水温センサ8の異常/正常の判断がなされていない状態を示す。ステータスデータ「0」を割り当てる。
【0047】
第1の正常状態:完全な正常状態を示す。ステータスデータ「1」を割り当てる。
第2の正常状態:過去40トリップ以内に本異常状態とされたことがあるが、その後は正常と判断されている状態を示す。ステータスデータ「2」〜「38」,「130」〜「166」を割り当てる。
【0048】
第3の正常状態:過去3トリップ以内に本異常状態とされたことがあるが、その後は正常と判断されている状態を示す。ステータスデータ「39」,「40」,「166」,「168」を割り当てる。
仮異常状態 :異常判断がなされた状態であって、かつ、直前に正常判断がなされていた状態を示す。ステータスデータ「50」,「51」,「178」,「179」を割り当てる。
【0049】
本異常状態 :異常判断がなされた状態であって、かつ、直前に異常判断がなされていた状態を示す。ステータスデータ「41」を割り当てる。
なお、例えば同じ仮異常状態であっても、ステータスデータ「50」の仮異常状態と、ステータスデータ「51」の仮異常状態が存在する。したがって、以下の説明では、例えばステータスデータ「50」の仮異常状態を、説明の便宜上、必要に応じて仮異常状態「50」と記述することにする。
【0050】
本実施例では、このような計6つの判定状態が定義されており、マイコン14のCPU24は、前回のトリップにて決定した判定状態を新たな判定状態へ遷移させるための状態遷移処理を実行し、1つの判定状態を決定する。そして、未検出状態、第1の正常状態及び仮異常状態では、警告灯18を消灯し、異常コードの出力も行わない。また、第2の正常状態では、警告灯18を消灯し、異常コードのみを表示器20に表示する。第3の正常状態及び本異常状態では、警告灯18を点灯し、異常コードを表示器20に表示する。
【0051】
次に、上述した6つの判定状態を、各トリップにおける正常/異常の判断に基づき遷移させる状態遷移処理について説明する。この状態遷移処理は、図2のフローチャートに示したイニシャル処理、及び図3のフローチャートに示した遷移処理からなっている。なお、図4は、判定状態の遷移を示したものである。以下の説明では適宜図4を参照する。
【0052】
最初に図2に示すイニシャル処理を説明する。この処理は、イグニッションキーがオンとなった直後、すなわち各トリップの最初に実行されるものである。
まずステップS100において、ステータスデータStが「130」以上であるか否かを判断する。ここでSt≧130であると判断された場合(S100:YES)、S110にてステータスデータStから「128」を減じ、その後、本イニシャル処理を終了する。このS110の処理によって、図4中に記号Aで示した遷移が実現される。一方、St<130であると判断された場合(S100:NO)、S110の処理を実行せず、本イニシャル処理を終了する。
【0053】
ここでイニシャル処理について説明を加える。イニシャル処理では、図4から分かるように、判定状態は変わらずステータスデータStのみが変わる。これは次のような理由による。
例えばあるトリップ(以下「トリップA」という。)にて、未検出状態から仮異常状態へ遷移したときには仮異常状態「178」とされる。その後、次のトリップ(以下「トリップB」という。)にて再び「異常」との判断がなされると、さらに、本異常状態「41」とされる。しかし、例えばトリップAにて2回続けて「異常」との判断がなされることも考えられる。したがって、トリップAにて仮異常状態へ遷移させた後、同じトリップAで本異常状態へ遷移させないようにする必要がある。そのため、トリップBの開始直後に仮異常状態「178」から仮異常状態「50」とし、仮異常状態「50」のときに「異常」との判断がなされてはじめて、本異常状態「41」へ遷移させるようにしているのである。
【0054】
続いて図3に示す遷移処理を説明する。この処理は、上述したイニシャル処理終了後、所定時間間隔で繰り返し実行される。
まず最初のステップS200では、水温センサ8が「異常」と判断されたか否かによる分岐処理を行う。ここで水温センサ8が「異常」と判断された場合(S200:YES)、S210へ移行する。一方、「異常」と判断されなかった場合(S200:NO)S270へ移行する。
【0055】
S210では、ステータスデータStが「50」又は「51」であるか否かを判断する。ここでSt=50,51であった場合(S210:YES)、すなわち仮異常状態である場合には、S220にてStに「41」を代入し本異常状態へ遷移させ、その後、S270へ移行する。このS220の処理によって、図4中に記号Bで示した状態遷移が実現される。一方、St≠50,51であった場合(S210:NO)、S230へ移行する。
【0056】
S230では、ステータスデータStが「0」又は「1」であるか否かを判断する。ここでSt=0,1であった場合(S230:YES)、すなわち未検出状態「0」であるか、あるいは、第1の正常状態「1」である場合には、S240にてStに「178」を代入して仮異常状態へ遷移させ、その後、S270へ移行する。このS240の処理によって、図4中に記号Cで示した状態遷移が実現される。一方、St≠0,1であった場合(S230:NO)、S250へ移行する。
【0057】
S250では、ステータスデータStが「2」〜「40」又は「130」〜「168」であるか否かを判断する。ここでSt=2〜40,130〜168であった場合(S250:YES)、すなわち第2又は第3の正常状態であった場合には、S260にてStに「179」を代入して仮異常状態へ遷移させ、その後、S270へ移行する。このS260の処理によって、図4中の記号Dで示した状態遷移が実現される。一方、St≠2〜40,130〜168であった場合(S250:NO)、S270へ移行する。
【0058】
S200にて否定判断された場合、S220,S240,S260の処理終了後、又は、S250にて否定判断された場合に移行するS270では、水温センサ8が「正常」と判断されたか否かによって分岐処理を行う。ここで水温センサ8が「正常」と判断された場合(S270:YES)、S280へ移行する。一方、「正常」と判断されていない場合(S270:NO)、本遷移処理を終了する。
【0059】
S280では、ステータスデータStが「3」〜「41」であるか否かを判断する。ここでSt=3〜41であった場合(S280:YES)、S290にてStに「127」を加え、その後、本遷移処理を終了する。S290の処理は、図4中に記号Eで示した遷移に相当する。一方、St≠3〜41であった場合(S280:NO)、S300へ移行する。
【0060】
ここでS290の処理について説明を加える。S290は、「正常」と連続して判断されたトリップ数を計数するためのデクリメント処理(ステータスデータStから「1」を減じる)と、同一トリップにおいて「正常」との判断が連続してなされてもステータスデータStに対するデクリメントを連続して行わないようにするための処理(ステータスデータStに「128」を加える)からなっている。すなわち、ステータスデータStに「128」を加えることで、そのトリップで「正常」との判断が既になされたことを表す。また、本異常状態とされた後、次からのトリップにて「正常」との判断が連続してなされるとステータスデータStをデクリメントしていき、連続する40トリップにて「異常」との判断がなされない場合に、第3及び第2の正常状態を経て第1の正常状態まで遷移させる。このため、S290では、ステータスデータStに「128」を加え「1」を減じる、つまり「127」を加えるのである。
【0061】
S300では、ステータスデータStが「0」、「2」、「50」又は「178」であるか否かを判断する。ここでSt=0,2,50,178であった場合(S300:YES)、S310にてStに「1」を代入し第1の正常状態へ遷移させ、その後、本遷移処理を終了する。S310の処理は、図4中に記号Fで示した状態遷移に相当する。一方、St≠0,2,50,178であった場合(S300:NO)、S320へ移行する。
【0062】
S320では、ステータスデータStが「51」又は「179」であるか否かを判断する。ここでSt=50,179であった場合(S320:YES)、S330にてStに「168」を代入して第3の正常状態へ遷移させ、その後、本遷移処理を終了する。このS330の処理によって、図4中に記号Gで示した状態遷移が実現される。一方、St≠51,179であった場合(S320:NO)、本遷移処理を終了する。
【0063】
次に、上述したイニシャル処理及び遷移処理を具体例を挙げて説明する。
図5は、ダイアグ判定における判定状態、トリップの回数、バックアップRAM28に記憶されるステータスデータSt、警告灯のオン/オフ及び異常コード出力を対応させて示すタイミングチャートである。図5では、期間[T0,T1]が1回目のトリップを示し、期間[T1,T2]が2回目のトリップを示し、期間[T2,T3]が3回目のトリップを示し、期間[T3,T4]が4回目のトリップを示し、期間[T4,T5]が5回目のトリップを示している。そして、その後のトリップを省略し、時刻T6以降が42回目のトリップを示している。なお以下では、n回目のトリップを「nトリップ」と記載する。例えば2回目のトリップは「2トリップ」となる。
【0064】
時刻T0からの1トリップでは、時刻t1で水温センサ8の「異常」が判断されている。したがって、判定状態は、未検出状態「0」から仮異常状態「178」へと遷移する(図3中のS230:YES,S240)。
次に時刻T1からの2トリップが開始されると、ステータスデータ「178」から「128」が減じられる(図2中のS100:YES,S110)。そして、時刻t2で水温センサ8の「異常」が判断されると、仮異常状態「50」から本異常状態「41」へと遷移する(図3中のS210:YES,S220)。本異常状態となると、警告灯がオンとなり、また、異常コードが出力される。すなわち、出力回路22に接続された警告灯18が点灯し、表示器20に異常コードが表示される。なお、本実施例では、異常コードを表示器20に表示する構成としたが、例えば異常コードの出力先をバックアップRAM28としてもよい。
【0065】
続く時刻T2からの3トリップでは、まず時刻t3にて水温センサ8の「正常」が判断される。したがって、判定状態は、本異常状態「41」から第3の正常状態「168」へ遷移する(図3中のS280:YES,S290)。すなわち、ここではステータスデータStから「1」を減じると共に「128」が加えられる。そのため、時刻t4で水温センサ8の「正常」が判断されても、既に3トリップで「正常」判断がなされていることが分かり2重に処理されることはない。第3の正常状態では、本異常状態と同様に、警告灯がオンにされ、異常コードが出力される。
【0066】
時刻T3からの4トリップが開始されると、ステータスデータSt「168」から「128」が減じられる(図2中のS100:YES,S110)。そして、時刻t3で水温センサ8の「正常」が判断されると、第3の正常状態のまま、ステータスデータStに「127」が加えられ「167」となる(図3中のS280:YES)。
【0067】
続く5トリップでは時刻t6で、第3の正常状態「39」から第2の正常状態「166」へ遷移する。第2の正常状態となると、警告灯がオフされる。ただし、異常コードは出力される。
同様に以降の各トリップで水温センサ8の正常判断がなされると、ステータスデータStは各トリップの開始直後に128を減ぜられ、正常判断がなされた時点で127を加えられる。つまり「1」ずつ小さくなっていき、結果的にトリップ数を計数する。
【0068】
そして、時刻t6からの42トリップにて時刻t7で水温センサ8の「正常」が判断されると、第2の正常状態「2」から第1の正常状態「1」へ遷移する(図3中のS300:YES)。第1の正常状態では、警告灯だけでなく、異常コードの出力も停止される。なお、上述したように異常コードの出力先がバックアップRAM28の場合は、異常コードが消去されることになる。
【0069】
以上詳述したように、本実施例では、「0」〜「179」の範囲のステータスデータStを用いて、ダイアグ処理における判定状態を表し、ステータスデータStをバックアップRAM28に記憶する。そして、ステータスデータStを加減させて判定状態を遷移させ、それに応じた出力制御を行う。したがって、ダイアグ処理に要する記憶領域はわずか1バイトの領域で足りる。バックアップRAM28に記憶されたステータスデータStを検証するために、ステータスデータStをミラーデータとして重複させて記憶する場合であっても、計2バイトの記憶領域を用意すればよい。
【0070】
従来は、判定状態をフラグ情報として記憶していたため、1つのダイアグ項目に対して、例えば計7バイトという記憶領域を用意する必要があり、約200におよぶダイアグ項目のダイアグ処理を行う場合、1.4Kバイトという記憶領域が必要となっていた。また、バックアップRAM28の内容をEEPROMに記憶することが要求されているため、バックアップRAM28だけでなくEEPROMの領域を圧迫する結果を招いていた。
【0071】
これに対して、本実施例のECU2によれば、1つのダイアグ項目に対して2バイトの記憶領域で済むため、約200におよぶダイアグ項目のダイアグ処理を行う場合、約400バイトの記憶領域を用意すればよい。そして、RAM内容をEEPROMへ記憶することを考えても、EEPROMの領域を圧迫することがない。
【0072】
また、従来のようにフラグ情報で判定状態を記憶しないため、処理設計においてビット操作を意識することがなくなる。すなわち、ビット操作命令のないあるいは少ないRISCマイコンに合わせた情報操作を実現したため、処理プログラムの設計工数を削減することができる。また、演算速度の低下を招くようなこともない。
【0073】
さらにまた、本実施例では、未検出状態を示すステータスデータStを「0」として予め定義しておき、このステータスデータStを用いて他の判定状態と同様に未検出状態を取り扱う。したがって、未検出の場合に特別な判断処理を行う必要がなくなり、この点においても、処理プログラムの設計工数を削減できる。
【0074】
以上、本発明はこのような実施例に何等限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは言うまでもない。例えば上記実施例では、「記憶手段」をバックアップRAM28として具現化していたが、イグニッションキーがオフされている間も記憶内容を保持可能なメモリ装置であればよく、例えば上述したEEPROMを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のエンジン制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】イニシャル処理を示すフローチャートである。
【図3】遷移処理を示すフローチャートである。
【図4】判定状態の遷移を示す説明図である。
【図5】判定状態の遷移を具体的に示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
2…エンジン制御装置 4…回転角センサ
6…基準位置センサ 8…水温センサ
10…酸素濃度センサ 12…入力回路
14…マイコン 16…アクチュエータ
18…警告灯 20…表示器
22…出力回路
Claims (14)
- イグニッションスイッチのオンからオフまでの走行期間であるトリップ期間に、所定のダイアグ項目に対し正常又は異常を判断する判断手段と、
該判断手段による判断結果に基づき、前記ダイアグ項目に対するダイアグ判定結果を表す判定状態を決定する判定状態決定手段と、
該判定状態決定手段にて決定された判定状態を記憶する記憶手段と、
前記判定状態決定手段にて決定された判定状態に基づき、前記ダイアグ判定結果に応じた出力制御を行う出力制御手段とを備え、
前記判定状態決定手段は、前記判断手段による判断結果に基づき、前記記憶手段に記憶された前回のトリップ期間における判定状態を、判定結果出力又は停止を決定するまでの過程を表す新たな判定状態へ遷移させる状態遷移処理を実行することによって、前記判定状態を決定するよう構成された車両用制御装置において、
前記判定状態決定手段は、前記判定状態を、各判定状態に対応して設定された、相互に重複しない数値として前記記憶手段に記憶させるものであって、
異常を検出した後のトリップにて連続して異常を検出していない場合には前記記憶手段に記憶されている数値を、当該数値を用いて、連続して変更させること
を特徴とするダイアグノーシス機能を有する車両用制御装置。 - 請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記判定状態決定手段は、前記記憶手段に記憶される数値を、1バイトで表現可能な「0」〜「255」の範囲の数値とすること
を特徴とするダイアグノーシス機能を有する車両用制御装置。 - 請求項1又は2に記載の車両用制御装置において、
前記判定状態に対応する数値を、各判定状態に応じた所定範囲の数値として設定し、
前記判定状態決定手段は、前記状態遷移処理を実行する際には、前記記憶手段に記憶された前記判定状態に対応する数値に応じて、当該数値の加減を行い当該判定状態を遷移させるものであること
を特徴とするダイアグノーシス機能を有する車両用制御装置。 - 請求項3に記載の車両用制御装置において、
前記判定状態決定手段は、前記状態遷移処理を実行する際には、前記判断手段による判断結果が同一のものとなるトリップ期間の連続する回数をカウントして前記判定状態を遷移させる場合には、前記判定状態に対応する数値の加減を行い、当該数値を前記トリップ期間毎に所定数ずつ変化させること
を特徴とするダイアグノーシス機能を有する車両用制御装置。 - 請求項4に記載の車両用制御装置において、
前記判定状態決定手段は、前記状態遷移処理を実行する際には、完全な異常を示す判定状態から完全な正常を示す判定状態へ前記判定状態を遷移させるときに、前記判断手段にて正常と判断されると、前記判定状態に対応する数値を所定数ずつ変化させること
を特徴とするダイアグノーシス機能を有する車両用制御装置。 - 請求項5に記載の車両用制御装置において、
前記判定状態決定手段は、前記状態遷移処理を実行する際には、前記判断手段にて正常と判断されると、完全な正常を示す判定状態に対応する数値となるまで、前記判定状態に対応する数値を所定数ずつ変化させること
を特徴とするダイアグノーシス機能を有する車両用制御装置。 - 請求項4〜6のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記判定状態決定手段は、前記状態遷移処理を実行する際には、前記判定状態に対応する数値を前記トリップ期間毎に変化させるため、前記トリップ期間内において、前記判断手段にて同一の判断が繰り返しなされても、最初の判断時にだけ前記判定状態に対応する数値を変化させること
を特徴とするダイアグノーシス機能を有する車両用制御装置。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記記憶手段は、電源供給が常時なされて記憶内容をバックアップ可能な揮発性メモリ装置又は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ装置を用いて実現されていること
を特徴とするダイアグノーシス機能を有する車両用制御装置。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記出力制御手段は、少なくとも異常を報知する警告灯のオン/オフ制御及び異常内容を示す異常コードの出力制御を行うこと
を特徴とするダイアグノーシス機能を有する車両用制御装置。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記記憶手段は、最初のトリップ期間において、前記判定状態決定手段にて前記判定状態が決定されるまでは、未検出状態を示す数値を前記判定状態として記憶すること
を特徴とするダイアグノーシス機能を有する車両用制御装置。 - 請求項1〜10のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記出力制御手段は、前記ダイアグ判定結果に応じた信号を外部の警告灯に対して送信することで、前記ダイアグ判定結果に応じた出力制御を行うこと
を特徴とするダイアグノーシス機能を有する車両用制御装置。 - 請求項1〜11のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記出力制御手段は、前記ダイアグ判定結果に応じた信号を外部の表示器に対して送信することで、前記ダイアグ判定結果に応じた出力制御を行うこと
を特徴とするダイアグノーシス機能を有する車両用制御装置。 - 請求項1〜12のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記ダイアグ判定結果に応じたコードを記憶するRAMを備え、
前記出力制御手段は、前記ダイアグ判定結果に応じたコードを前記RAMに記憶させることで、前記ダイアグ判定結果に応じた出力制御を行うこと
を特徴とするダイアグノーシス機能を有する車両用制御装置。 - 請求項1〜13のいずれかに記載の車両用制御装置の前記判断手段、前記判定状態決定手段及び前記出力制御手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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