JP4007723B2 - 車両の走行安全装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーダー装置等の物体検出手段を用いて自車が対向車に衝突するのを防止する車両の走行安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる車両の走行安全装置は、特開平7−14100号公報により既に知られている。
【0003】
上記公報に記載されたものは、自車と対向車との相対距離、自車と対向車との相対速度、自車の車速、自車の前方の画像に基づいて自車が対向車に衝突する可能性を判定し、衝突可能性がある場合にドライバーに警報を発したり、自動制動を行ったりして衝突を回避するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自車が対向車に衝突する可能性がある場合に、自動制動に代えて、あるいは自動制動に加えて自動操舵を行って衝突を回避することが考えられる。このような場合に、自動操舵の実行によって自車の車両姿勢が乱れるため、ドライバーは車両姿勢を元に戻す操作を強いられることになり、これがドライバーに操作負担や違和感を与えるという問題が発生する。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、自動操舵によって自車と対向車との衝突を回避したとき、その衝突回避制御により発生する自車の車両姿勢の乱れを自動的に復元してドライバーの操作負担および違和感を軽減することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、自車の進行方向に存在する物体を検出する物体検出手段と、自車の車速を検出する車速検出手段と、物体検出手段による検出結果および車速検出手段で検出した自車の車速に基づいて対向車を判別するとともに、自車および対向車の相対関係を算出する相対関係算出手段と、相対関係算出手段で算出した相対関係に基づいて自車および対向車の衝突可能性を判定する衝突判定手段と、自車の操舵を行うアクチュエータと、衝突判定手段により衝突可能性があると判定されたときにアクチュエータの駆動を制御するアクチュエータ制御手段とを備えてなり、前記アクチュエータの駆動は、自車および対向車の衝突を回避するために自車を横移動させる横移動制御と、衝突回避後に自車の車両姿勢を衝突回避前の状態に戻すためのヨー角補正制御とを含み、前記ヨー角補正制御におけるアクチュエータの駆動力は、前記横移動制御におけるアクチュエータの駆動力よりも小さく設定されることを特徴とする車両の走行安全装置が提案される。
【0007】
上記構成によれば、自車および対向車が衝突する可能性があると判定されると、アクチュエータ制御手段がアクチュエータの駆動を制御して自車を横移動させるので、ドライバーが自発的な衝突回避操作を行なわない場合でも対向車との衝突を確実に回避することができる。しかも前記アクチュエータの横移動制御によって自車の車両姿勢が乱れても、アクチュエータをヨー角補正制御して自車の車両姿勢を衝突回避前の状態に戻すので、車両姿勢を自動的に元の状態に復元してドライバーの操作負担および違和感を軽減することができる。更に、ヨー角補正制御におけるアクチュエータの駆動力が横移動制御におけるアクチュエータの駆動力よりも小さく設定されるので、車両の滑らかな横移動が阻害されるのを防止してドライバーが違和感を軽減することができる。
【0008】
また請求項2に記載された発明によれば、自車の進行方向に存在する物体を検出する物体検出手段と、自車の車速を検出する車速検出手段と、物体検出手段による検出結果および車速検出手段で検出した自車の車速に基づいて対向車を判別するとともに、自車および対向車の相対関係を算出する相対関係算出手段と、相対関係算出手段で算出した相対関係に基づいて自車および対向車の衝突可能性を判定する衝突判定手段と、自車の操舵を行うアクチュエータと、衝突判定手段により衝突可能性があると判定されたときにアクチュエータの駆動を制御するアクチュエータ制御手段とを備えてなり、前記アクチュエータの駆動は、自車および対向車の衝突を回避するために自車を横移動させる横移動制御と、衝突回避後に自車の車両姿勢を衝突回避前の状態に戻すためのヨー角補正制御とを含み、前記横移動制御におけるアクチュエータの駆動量は、自車の車速が低いほど大きくなることを特徴とする車両の走行安全装置が提案される。
【0009】
上記構成によれば、自車および対向車が衝突する可能性があると判定されると、アクチュエータ制御手段がアクチュエータの駆動を制御して自車を横移動させるので、ドライバーが自発的な衝突回避操作を行なわない場合でも対向車との衝突を確実に回避することができる。しかも前記アクチュエータの横移動制御によって自車の車両姿勢が乱れても、アクチュエータをヨー角補正制御して自車の車両姿勢を衝突回避前の状態に戻すので、車両姿勢を自動的に元の状態に復元してドライバーの操作負担および違和感を軽減することができる。更に、自車の車速が低いほど横移動制御において大きなアクチュエータの駆動力が必要になるので、衝突可能性が高いときに応答性良く横移動を行わせて衝突を確実に回避することができる。
【0010】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記衝突判定手段は、自車および対向車が適正にすれ違える適正進路と、自車が対向車に衝突すると推定される衝突予測位置との比較に基づいて衝突可能性を判定することを特徴とする車両の走行安全装置が提案される。
【0011】
上記構成によれば、自車および対向車が適正にすれ違える適正進路と、自車が対向車に衝突すると推定される衝突予測位置との比較に基づいて衝突可能性を判定するので、自車および対向車の衝突可能性を的確に判定することができる。
【0012】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜3の何れか1項の構成に加えて、自車のヨーレートを検出する自車ヨーレート検出手段を備えてなり、自車ヨーレート検出手段で検出したヨーレートを前記横移動制御を開始した時点から積分することにより、前記車両姿勢を検出することを特徴とする車両の走行安全装置が提案される。
【0013】
上記構成によれば、横移動制御を開始した時点からの自車のヨーレートを積分することにより、自車のヨー角、つまり自車の車両姿勢を的確に検出することができる。しかも横移動制御を開始した時点のヨー角の初期値を0に設定することにより、ヨーレート検出手段のドリフトの影響を除去して自車のヨー角の検出精度を高めることができる。
【0014】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項4の構成に加えて、前記ヨー角補正制御は、前記ヨーレートの積分値を0に収束させるものであることを特徴とする車両の走行安全装置が提案される。
【0015】
上記構成によれば、ヨーレートの積分値を0に収束させるようにヨー角補正制御を行うことにより、衝突回避後に車両姿勢を正確に衝突回避前の状態に戻すことができる。
【0016】
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1〜5の何れかの構成に加えて、前記ヨー角補正制御は、前記横移動制御の終了の所定時間前、あるいは前記横移動制御の開始の所定時間後に開始されることを特徴とする車両の走行安全装置が提案される。
【0017】
上記構成によれば、横移動制御の終了の所定時間前、あるいは横移動制御の開始の所定時間後にヨー角補正制御を開始するので、横移動制御およびヨー角補正制御を効果的に連携させて衝突を効果的に回避するとともにドライバーに違和感を与えることなく車両姿勢を速やかに突回避前の状態に戻すことができる。
【0018】
また請求項7に記載された発明によれば、請求項1〜6の何れかの構成に加えて、前記横移動制御は、その開始の所定時間後に終了することを特徴とする車両の走行安全装置が提案される。
【0019】
上記構成によれば、横移動制御が所定時間をかけて実行されるので、横移動制御が急激に行われて車両姿勢が急変することが防止される。
【0020】
また請求項8に記載された発明によれば、請求項1〜7の何れかの構成に加えて、前記ヨー角補正制御は、その開始の所定時間後に終了することを特徴とする車両の走行安全装置が提案される。
【0021】
上記構成によれば、ヨー角補正制御が所定時間で終了するので、ヨー角補正制御がだらだらと継続してドライバーが違和感を受けるのを防止することができる。
【0022】
また請求項9に記載された発明によれば、請求項1〜8の何れかの構成に加えて、前記横移動制御におけるアクチュエータの駆動量は、それに基づく自車の横移動量が所定値以下になるように設定されることを特徴とする車両の走行安全装置が提案される。
【0023】
上記構成によれば、対向車を自動的に回避するためのアクチュエータの駆動量が所定値以下に制限されるので、車両の横移動量が大き過ぎて自車が道路を逸脱するのを防止することができる。
【0024】
また請求項10に記載された発明によれば、請求項1〜9の何れかの構成に加えて、前記横移動制御におけるアクチュエータの駆動量は、自車の進行方向が対向車に近づくほど大きくなることを特徴とする車両の走行安全装置が提案される。
【0025】
上記構成によれば、自車の進行方向が対向車に近づくと横移動制御におけるアクチュエータの駆動量が大きくなるので、衝突可能性が高いときに大きな横移動量を発生させて衝突を確実に回避することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0027】
図1〜図24は本発明の一実施例を示すもので、図1は走行安全装置を備えた車両の全体構成図、図2は走行安全装置のブロック図、図3は車両の操舵装置の斜視図、図4は電子制御ユニットの機能の説明図、図5は正面衝突回避制御手段の回路構成を示すブロック図、図6はメインルーチンのフローチャート、図7は正面衝突回避制御ルーチンのフローチャート、図8は旋回時衝突回避制御ルーチンのフローチャート、図9は正面衝突判断ルーチンのフローチャート、図10は警報制御ルーチンのフローチャート、図11は横移動制御ルーチンのフローチャート、図12はヨー角補正制御ルーチンのフローチャート、図13はアクチュエータ駆動電流の出力可能領域を示すマップ、図14は旋回時衝突回避制御の内容を示す図、図15は横偏差δdを算出する手法の説明図(衝突が発生する場合)、図16は横偏差δdを算出する手法の説明図(自車が対向車の左側を通過する場合)、図17は横偏差δdを算出する手法の説明図(自車が対向車の右側を通過する場合)、図18は横偏差δdの補正係数を検索するマップ、図19は衝突回避のための基準横移動制御電流の算出手法の説明図、図20は自車の偏向角を説明する図、図21は偏向角から横移動制御電流補正係数を検索するマップ、図22は車速から横移動制御電流補正係数を検索するマップ、図23はアクチュエータの制御系のブロック図、図24は横移動制御電流およびヨー角補正制御電流の加算を説明する図である。
【0028】
図1および図2に示すように、左右の前輪Wf,Wfおよび左右の後輪Wr,Wrを備えた車両は、操舵輪である左右の前輪Wf,Wfを操舵するためのステアリングホイール1と、ドライバーによるステアリングホイール1の操作をアシストする操舵力および衝突回避のための操舵力を発生する電動パワーステアリング装置2とを備える。電動パワーステアリング装置2の作動を制御する電子制御ユニットUには、物体検出手段としてのレーダー装置3と、ステアリングホイール1の操舵角を検出する操舵角センサS1 と、ステアリングホイール1に入力される操舵トルクを検出する操舵トクルセンサS2 と、車体の横加速度を検出する横加速度センサS3 と、車体のヨーレートを検出する自車ヨーレートセンサS4 と、各車輪Wf,Wf;Wr,Wrの回転数を検出する車速センサS5 …とからの信号が入力される。電子制御ユニットUは、レーダー装置3および各センサS1 〜S5 …からの信号に基づいて電動パワーステアリング装置2の作動を制御するとともに、液晶ディスプレイよりなる表示器4およびブザーやランプよりなる警報器5の作動を制御する。
【0029】
レーダー装置3は、自車前方の左右方向所定範囲に向けて電磁波を送信し、その電磁波が物体に反射された反射波を受信することにより、自車と物体との相対距離、自車と物体との相対速度、物体の方向を検出する。本実施例では、1回の送受信で自車と物体との上記相対関係を検出することができるミリ波レーダーが用いられる。
【0030】
図3は操舵装置11の構造を示すもので、ステアリングホイール1の回転はステアリングシャフト12、連結軸13およびピニオン14を介してラック15に伝達され、更にラック15の往復動が左右のタイロッド16,16を介して左右の前輪Wf,Wfに伝達される。操舵装置11に設けられた前記電動パワーステアリング装置2は、電気モータよりなるアクチュエータ17の出力軸に設けた駆動ギヤ18と、この駆動ギヤ18に噛み合う従動ギヤ19と、この従動ギヤ19と一体のスクリューシャフト20と、このスクリューシャフト20に噛み合うとともに前記ラック15に連結されたナット21とを備える。従って、アクチュエータ17を駆動すれば、その駆動力を駆動ギヤ18、従動ギヤ19、スクリューシャフト20、ナット21、ラック15および左右のタイロッド16,16を介して左右の前輪Wf,Wfに伝達することができる。
【0031】
図4に示すように、電子制御ユニットUは電動パワーステアリング制御手段22と、正面衝突回避制御手段23と、加算手段24と、出力電流決定手段25とを備える。電動パワーステアリング制御手段22は、操舵トルクセンサS2 の出力に基づいて算出される操舵トルクが車速センサS5 …の出力に基づいて算出される車速に応じた所定の値になるように制御信号を出力する。出力電流決定手段25は前記制御信号に基づいてアクチュエータ17への出力電流を決定し、この出力電流を駆動回路26を介してアクチュエータ17に出力することにより、ドライバーによるステアリングホイール1の操作がアシストされる。一方、自車が対向車と正面衝突する可能性がある場合には、正面衝突回避制御手段23が衝突回避のための制御信号を出力し、この制御信号により出力電流決定手段25および駆動回路26を介してアクチュエータ17の駆動を制御することにより、対向車との正面衝突を回避するための自動操舵が実行される。この自動操舵の内容は後から詳述する。
【0032】
電動パワーステアリング制御手段22が出力する制御信号と、正面衝突回避制御手段23が出力する制御信号とを加算手段24で加算するので、正面衝突を回避するための自動操舵の実行中であっても、ドライバーの自発的なステアリング操作に応じて電動パワーステアリング装置2のアシスト機能をそのまま発揮させることが可能となり、自動操舵の実行中に電動パワーステアリング装置2のアシスト機能が消滅してドライバーが違和感を受けることが防止される。
【0033】
ところで、図13(A)に示すように、一般に電動パワーステアリング装置2の制御は、ドライバーがステアリングホイール1に入力した操舵トルクの方向と、アクチュエータ17を駆動する電流の方向とが一致するように設定されている。即ち、アクチュエータ17はドライバーによるステアリングホイール1の操作をアシストする方向の操舵トルクのみを発生するようになっている。
【0034】
しかしながら、電動パワーステアリング制御手段22の制御信号および正面衝突回避制御手段23の制御信号を加算すると、ドライバーがステアリングホイール1に入力する操舵トルク(電動パワーステアリング制御手段22の制御信号)の方向が、アクチュエータ17を駆動する電流の方向と一致しなくなる場合があり、このような場合に前記図13(A)のマップに基づいてアクチュエータ17を駆動する電流を決定すると、正面衝突を回避するための自動操舵が禁止され、あるいは弱められて充分な衝突防止効果が発揮できなくなる可能性がある。そこで本実施例では、前記図13(A)のマップに代えて図13(B)のマップを採用し、ドライバーがステアリングホイール1に入力した操舵トルクの方向と、アクチュエータ17を駆動する電流の方向とが一致しない場合を一部許容することにより、正面衝突を回避するための自動操舵の機能が支障なく発揮されるようにしている。
【0035】
次に、図5に基づいて正面衝突回避制御手段23の構成と、その機能の概要とを説明する。
【0036】
正面衝突回避制御手段23は、相対関係算出手段M1と、適正進路設定手段M2と、衝突時刻予測手段M3と、衝突位置予測手段M4と、衝突判定手段M5と、衝突回避操舵トルク算出手段M6と、アクチュエータ制御手段M7とから構成される。
【0037】
相対関係算出手段M1は、物体検出手段(レーダー装置3)および車速検出手段(車速センサS5 …)の出力に基づいて、自車Aiと対向車Aoとの相対角度(相対位置)θ、相対距離Lおよび相対速度Vsを算出する。適正進路設定手段M2は、自車Aiが対向車Aoと適正にすれ違うための自車Aiの本来の適正進路Rを設定する。衝突時刻予測手段M3は、自車Aiが対向車Aoとすれ違う衝突時刻を推定する。衝突位置予測手段M4は、前記衝突時刻において自車Aiが対向車Aoに衝突すると予測される衝突予測位置Pを予測する。衝突判定手段M5は、前記衝突予測位置Pを前記適正進路Rと比較して自車Aiおよび対向車Aoの衝突可能性を判定する。衝突回避操舵トルク算出手段M6は、自車Aiおよび対向車Aoの衝突を回避するためにアクチュエータ17が発生すべき操舵トルク(つまりアクチュエータ17に供給される電流)を算出する。そしてクチュエータ制御手段M7は、衝突回避操舵トルク算出手段M6で算出した操舵トルクをアクチュエータ17に発生させて自車Aiおよび対向車Aoの衝突を回避すべく、該アクチュエータ17の作動を制御する。
【0038】
次に、本実施例の作用を図6〜図12のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0039】
先ず、図6のメインルーチンのステップS11で操舵角センサS1 、操舵トルクセンサS2 、横加速度センサS3 、自車ヨーレートセンサS4 および車速センサS5 …の出力に基づいて自車の状態を検出する。続くステップS12で、レーダー装置3で対向車の状態を検出する。レーダー装置3は対向車以外にも前走車、歩道橋、標識、キャッツアイ等を検出するが、自車との相対速度に基づいて対向車を他の物体から識別することができる。続くステップS13で、自車の状態および対向車の状態を表示器4に表示する。
【0040】
続くステップS14で、レーダー装置3および各センサS1 〜S5 …の検出結果に基づいて正面衝突回避制御が適切に行われているか否かをチェックする。正面衝突回避制御はドライバーが過度な走行を行っていない場合だけに実行されるもので、例えばオーバースピードでの走行時には、ステップS15でシステムの作動を中止するとともに、その旨を表示器4でドライバーに報知して適切な運転を促す。また前記ステップS14のシステムチェックの結果、ドライバーが対向車との正面衝突を回避すべく自発的な操作を行った場合、つまりステアリングホイール1に大きな操舵トルクを入力したり、ブレーキペダルを踏んで制動を行ったりした場合には、ステップS16で正面衝突回避制御を中止して通常の電動パワーステアリング制御に復帰するとともに、その旨を表示器4でドライバーに報知する。これにより、ドライバーによる自発的なステアリング操作と正面衝突回避制御の自動操舵制御とが干渉するのを回避することができる。
【0041】
前記ステップS14のシステムチェックの結果が正常であれば、ステップS17で自車の走行状態を判定する。自車が直進に近い走行状態にあり、レーダー装置3および各センサS1 〜S5 …の検出結果に基づいて対向車とすれ違う(衝突する)時刻と、そのときの自車および対向車の位置関係とが的確に推定可能な場合であれば、ステップS18に移行して正面衝突回避制御を実行する。一方、過度な走行ではないが自車の旋回の度合いが強く、対向車とすれ違う(衝突する)時刻と、そのときの自車および対向車の位置関係が的確に推定できない場合であれば、ステップS19に移行して旋回時衝突回避制御を実行する。そしてステップS20で、自車と対向車との衝突を回避すべく、正面衝突回避制御あるいは旋回時衝突回避制御に基いて電動パワーステアリング装置2のアクチュエータ17を作動させる。
【0042】
次に、前記ステップS18の「正面衝突回避制御」の内容を、図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0043】
先ずステップS21で、自車および対向車が衝突する可能性の程度を表す衝突判断パラメータを、すなわち自車および対向車がすれ違う時刻(あるいは衝突する時刻)における自車および対向車の横偏差δdを算出する。そしてステップS22で、前記横偏差δdを後述する閾値と比較することにより衝突の可能性の有無を判定し、衝突の可能性があり且つその可能性が小さい場合には、ステップS23で警報器5を作動させてドライバーに警報を発する。また衝突の可能性があり且つその可能性が大きい場合には、ステップS24で警報を発すると同時にアクチュエータ17をさせて対向車を回避するための自動操舵を実行する。前記ステップS22の「衝突判断」、前記ステップS23の「警報制御」および前記ステップS24の「回避操舵制御」の具体的な内容は、図9〜図12のフローチャートに基づいて後から詳述する。
【0044】
次に、前記ステップS19の「旋回時衝突回避制御」の内容を、図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0045】
先ずステップS31で旋回時における衝突危険度を算出する。衝突危険度は、自車の旋回半径および対向車の旋回半径の差の絶対値に基づいて判断されるもので、その差の絶対値が大きくなるに伴って危険度が高いと判断される。そしてステップS32で、前記衝突危険度に応じた警報制御および車線逸脱防止制御を実行する。旋回時には、対向車とすれ違う時刻や、そのときの自車および対向車の位置関係を的確に推定することが難しいため、その衝突回避制御は直進時のそれに比べて弱いものとなる。
【0046】
図14に示すように、旋回時における衝突危険度はレベル1、レベル2およびレベル3の3段階に設定されており、それらのレベルは、例えば左側通行の道路で自車が右旋回中であれば対向車旋回半径−自車旋回半径に基づいて判定され、自車が左旋回中であれば自車旋回半径−対向車旋回半径に基づいて判定される。危険度が低いレベル1では警報器4による警報だけを実行し、危険度が中程度のレベル2および危険度が高いレベル3では警報器4による警報およびアクチュエータ17による車線逸脱防止制御を実行する。尚、危険度が中程度のレベル2における車線逸脱防止制御を弱めに設定し、危険度が高いレベル3では車線逸脱防止制御を強めに設定することもできる。車線逸脱防止制御は、ドライバーが車線を逸脱する方向への操舵を行ったとき、電動パワーステアリング装置2のアクチュエータ1を駆動して前記操舵を妨げるような操舵反力を発生させて車線逸脱を防止するものである。
【0047】
尚、「旋回時衝突回避制御」における警報は、「正面衝突回避制御」における警報と区別すべく、警報器5のブザーの音色やランプの色を異ならせている。
【0048】
次に、前記ステップS22の「衝突判断」の内容を、図9のフローチャートおよび図15〜図17の説明図に基づいて説明する。
【0049】
先ず、ステップS41で車速センサS5 …に出力に基づいて自車Aiの車速Viを算出し、ステップS42で自車ヨーレートセンサS4 の出力に基づいて自車Aiのヨーレートγiを算出し、ステップS43でレーダー装置3の出力に基づいて自車Aiおよび対向車Aoの相対距離Lを算出し、ステップS44でレーダー装置3の出力に基づいて自車Aiおよび対向車Aoの相対速度Vsを算出し、ステップS45でレーダー装置3の出力に基づいて自車Aiおよび対向車Aoの相対角度θを算出する。続くステップS46で、対向車と衝突せずにすれ違うための自車Aiの本来の適正進路Rを、現在の対向車Aoの位置から測った適正横距離daに基づいて設定する。この適正横距離daは予め設定されており、その値は例えば3mとされる。続くステップS47で、自車Aiの車速Viおよびヨーレートγiと、自車Aiに対する対向車Aoの相対位置関係から、対向車Aoのヨーレートγoを算出する。そしてステップS48で、自車Aiが対向車Aoとすれ違う位置(衝突予測位置P)における自車Aiと適正進路Rとの間の横偏差δdを算出する。以下、この横偏差δdを算出する過程を、図15に基づいて詳細に説明する。
【0050】
図15は、左側通行の道路で自車Aiが誤って対向車Ao側の車線に進入しようとする状態を示している。ここで、適正横位置Ai′は、自車Aiの適正進路R上であって、現在の対向車Aoの位置の横方向に対応する位置であり、その適正横位置Ai′と対向車Aoとの間の距離は適正横距離da(例えば3m)である。Lは自車Aiおよび対向車Aoの相対距離であってレーダー装置3の出力に基づいて算出される。θは自車Aiおよび対向車Aoの相対角度であってレーダー装置3の出力に基づいて算出される。εは自車Aiの適正進路Rの方向および対向車Aoの方向の成す角度であって、相対距離Lおよび適正横距離daに基づいて幾何学的に求められる。Viは自車Aiの車速であって、車速センサS5 …の出力に基づいて算出される。Vsは自車Aiの車速Viと対向車Aoの車速Voとの差に相当する相対車速であって、レーダー装置3の出力に基づいて算出される。
【0051】
図15において、斜線を施した三角形において、
X cos(θ+ε)=L sinθ …(1)
が成立し、これをXについて解くと、
X=L sinθ/ cos(θ+ε) …(2)
が得られる。また現在を基準として計った衝突時間tc(すれ違い時刻あるいは衝突時刻までの経過時間)は、相対距離Lを相対速度Vsで除算した値として得られる。
【0052】
tc=L/Vs …(3)
また自車Aiから衝突予測位置P(すれ違い位置)までの距離Lcは、車速Viと衝突時間tcとの積として得られる。
【0053】
Lc=Vi・tc=L(Vi/Vs) …(4)
図15から明らかなように、自車Aiの位置において角度θ+εの頂点を共有する2つの直角三角形の相似関係から、
Lc′:L=δd:da+X …(5)
が成立し、更にLc′ cosε=Lc cos(θ+ε)の関係と、前記(2)式、(4)式および(5)式とから、横偏差δdが次式のように得られる。
【0054】
【数1】
【0055】
(6)式の右辺における5つの変数のうち、Viは常に算出可能であり、且つVs,L,θ,εはレーダー装置3の1回の送受信で算出可能であるため、レーダー装置3で最初に対向車Aoを判別した時点で速やかに横偏差δdを算出することができる。従って、自車Aiおよび対向車Aoが相互に接近するために衝突時間tcに余裕がない場合でも、速やかに衝突可能性の判定を行なって衝突回避制御を開始することができる。
【0056】
而して、図9のフローチャートのステップS49で、前記横偏差δdを予め設定した衝突判定基準値と比較し、横偏差δdが第1衝突判定基準値δdnおよび第2衝突判定基準値δdxの間にあれば、すなわちδdn<δd<δdxが成立すれば、ステップS50で自車Aiが対向車Aoに衝突する可能性があると判定する(図15参照)。一方、図16に示すようにδd≦δdnであれば、あるいは図17に示すようにδd≧δdxであれば、ステップS51で自車Aiが対向車Aoに衝突する可能性がないと判定する。図17の状態は、例えば自車Aiが分岐路に進入するために対向車Aoの車線を斜めに横切るような場合に相当する。
【0057】
尚、前記第1衝突判定基準値δdnおよび第2衝突判定基準値δdxは自車Aiの車幅等に応じて適宜設定されるもので、例えば第1衝突判定基準値δdn=1.5m、第2衝突判定基準値δdx=4.5mとされる。
【0058】
以上の説明では横偏差δdを算出する際に自車Aiのヨーレートγiおよび対向車Aoのヨーレートγoを考慮していないが、それらヨーレートγi,γoを考慮することにより、更に精度の高い衝突回避が行われる。
【0059】
自車Aiが車速Vi、ヨーレートγiで走行するとViγiの横加速度が発生するため、このViγiを2回積分することにより自車Aiの横方向移動量yiが算出される。従って、衝突時間tc=L/Vsにおける自車Aiの横方向移動量yiは、
yi=(Vi・γi/2)・(L/Vs)2 …(7)
で与えられる。
【0060】
同様に、対向車Aoが車速Vo、ヨーレートγoで走行するとVoγoの横加速度が発生するため、このVoγoを2回積分することにより対向車Aoの横方向移動量yoが算出される。従って、衝突時間tc=L/Vsにおける対向車Aoの横方向移動量yoは、
yo=(Vo・γo/2)・(L/Vs)2 …(8)
で与えられる。
【0061】
而して、前記(6)式の横偏差δdを自車Aiの横方向移動量yiおよび対向車Aoの横方向移動量yoで補正した次式を用いることにより、横偏差δdの精度を一層高めることができる。
【0062】
【数2】
【0063】
対向車Aoのヨーレートγoは、レーダー装置3の出力に基づいて対向車Aoの位置を複数回検出して該対向車Aoの旋回軌跡を推定すれば、その旋回半径と対向車Aoの車速Voとに基づいて算出される。従って、対向車Aoのヨーレートγoはレーダー装置3の1回の送受信では検出することができず、(9)式における対向車Aoのヨーレートγoを用いた補正を行うには若干の演算時間が必要になる。但し、図6のフローチャートのステップS17で説明したように、この正面衝突回避制御は自車Aiが実質的に直線走行しているとき(直線路を走行しているとき)に行われるもので、このとき対向車Aoのヨーレートγoが大きな値を持つことは稀である。このことから、対向車Aoのヨーレートγoを用いた補正を行わなくても充分な精度を確保することができる。
【0064】
ところで、前記第1衝突判定基準値δdnおよび第2衝突判定基準値δdxを固定値とする代わりに、第1衝突判定基準値δdnおよび第2衝突判定基準値δdxを横偏差δdを算出した時点における自車Aiおよび対向車Aoの走行状態で補正すれば、正面衝突回避制御を更に精度良く行うことができる。すなわち、第1衝突判定基準値δdnの補正は、3つの補正係数k1n,k2n,k3nを用いて、
δdn←k1n・k2n・k3n・δdn …(10)
のように行われ、第2衝突判定基準値δdxの補正は3つの補正係数k1x,k2x,k3xを用いて、
δdx←k1x・k2x・k3x・δdx …(11)
のように行われる。
【0065】
補正係数k1n,k1xは、図18(A)に示すマップから衝突までの時間(衝突時間tc)に基づいて検索される。衝突時間tcが小さいために横偏差δdの算出誤差が小さいと推定される領域では、補正係数k1n,k1xは1に保持される。衝突時間tcが大きいために横偏差δdの算出誤差が大きいと推定される領域では、補正係数k1nは衝突時間tcの増加に伴って1から増加するとともに、補正係数k1xは衝突時間tcの増加に伴って1から減少する。これにより、横偏差δdの算出誤差が大きい領域で第1衝突判定基準値δdnおよび第2衝突判定基準値δdxの間の幅を小さくし、不確実な正面衝突回避制御が行われるのを回避することができる。
【0066】
補正係数k2n,k2xは、図18(B)に示すマップから自車Aiおよび対向車Aoの相対距離Lに基づいて検索される。相対距離Lが小さいために横偏差δdの算出誤差が小さいと推定される領域では、補正係数k2n,k2xは1に保持される。相対距離Lが大きいために横偏差δdの算出誤差が大きいと推定される領域では、補正係数k2nは相対距離Lの増加に伴って1から増加するとともに、補正係数k2xは相対距離Lの増加に伴って1から減少する。これにより、横偏差δdの算出誤差が大きい領域で第1衝突判定基準値δdnおよび第2衝突判定基準値δdxの間の幅を小さくし、不確実な正面衝突回避制御が行われるのを回避することができる。
【0067】
補正係数k3n,k3xは、図18(C)に示すマップから自車Aiのヨーレートγiに基づいて検索される。自車Aiのヨーレートγiが0であって横偏差δdの算出誤差が小さいと推定されるときには、補正係数k3n,k3xは1に設定される。自車Aiのヨーレートγiの増加に伴って横偏差δdの算出誤差が増加すると補正係数k3nは1から増加するとともに、補正係数k3xは1から減少する。これにより、横偏差δdの算出誤差が大きい領域で第1衝突判定基準値δdnおよび第2衝突判定基準値δdxの間の幅を小さくし、不確実な正面衝突回避制御が行われるのを回避することができる。
【0068】
次に、前記図7のフローチャートのステップS23の「警報制御」の内容を、図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0069】
先ず、ステップS61で衝突情報を受信する。衝突情報とは、衝突時間tc(衝突までの時間)、衝突予測位置Pでの自車Aiおよび対向車Aoの走行状態、横偏差δd等である。続くステップS62で一次警報の判断を行い、衝突時間tcが例えば4秒未満になると、ステップS63で警報器5を作動させて一次警報を開始する。続いてステップS64で二次警報の判断を行い、衝突時間tcが例えば3秒未満になると、ステップS65で警報器5を作動させて二次警報を開始する。一次警報は衝突までの時間的余裕が比較的に大きい場合に実行され、また二次警報は衝突までの時間的余裕が比較的に小さい場合に実行されるもので、その差異をドライバーに認識させるべくブザーの音色、音量やランプの色を変化させる。ドライバーは警報器5による警報により衝突の危険を認識して自発的な回避操作を行うことができる。
【0070】
さて、前記図7のフローチャートのステップS24の「回避操舵制御」は、自車Aiにレーンチェンジと同じ横移動を行わせて対向車Aoとの衝突を回避する「横移動制御」と、横移動が終了する段階で自車Aiのヨー角を横移動を開始する時点の状態に戻す「ヨー角補正制御」とから構成される。以下、前記ステップS24の「回避操舵制御」のうちの「横移動制御」の内容を、図11のフローチャートに基づいて説明する。
【0071】
先ず、ステップS71で、前記ステップS61と同様に衝突情報を受信した後に、ステップS72で操舵開始の判断を行い、衝突時間tcが前記二次警報の閾値である3秒よりも短い閾値τ0 (例えば2.2秒)未満になると、ステップS73で衝突回避のための横移動量を算出する。この横移動量は、基本的に前記ステップS48で算出した横偏差δdの今回値が充てられるが、誤差を除去するために前回値を用いて平均化処理を行う。続くステップS74以後で、回避操舵のためにアクチュエータ17を駆動する横移動制御電流I1 を算出する。
【0072】
即ち、ステップS74で、先ず基準となる横移動制御電流I1 を設定する。図19(A),(B)に示すように、回避操舵は自車Aiが対向車Aoを回避した後に自車Aiの元の姿勢に復帰するように行われるもので、衝突時間tc(閾値τ0 )が経過した時点での横移動量の基準値を、衝突回避の効果と最終的に車線を逸脱しないこととを考慮して例えば2mに設定する。また回避操舵により発生する最大横加速度YGが大き過ぎたり、操舵速度が速過ぎたりしてドライバーに違和感を与えないようにし、且つ操舵開始よりτ0 =2.2秒が経過したときに2mの横移動を行うようにしなければならない。以上のことから本実施例では、例えば最大横加速度YGを0.15G程度に設定し、操舵周期を4秒(0.25Hz)程度に設定する。
【0073】
自車が図19(A)に示す衝突回避のための横移動量を発生した後に元の車両姿勢(衝突回避を開始する以前のヨー角)に復帰するように、つまりレーンチェンジと同じ動作を行わせるために、電動パワーステアリング装置2のアクチュエータ17に図19(B)に実線で示す基準となる正弦波状の横移動制御電流I1 が与えられる。この横移動制御電流I1 の振幅は、車両の重量、タイヤ特性、サスペンションジオメトリ等によって異なるが、一般の乗用車ではアクチュエータ17により発生するラック15の推力に換算して80kgf程度(ドライバーがステアリングホイール1に加える操舵力に換算して15〜20kgf・cm程度)が適切である。
【0074】
アクチュエータ17に供給する電流を大きくすると該アクチュエータ17により発生する操舵トルクが大きくなるため、衝突回避のための操舵目標値をアクチュエータ17に供給する電流値により設定することは、前記操舵目標値をアクチュエータ17が発生する操舵トルクにより設定することと同義である。
【0075】
前記横移動制御電流I1 がそのままアクチュエータ17に供給されるのは、あくまでもドライバーが自発的なステアリング操作を行わない場合であり、ドライバーがステアリングホイール1を強く握っているような場合には、電動パワーステアリング装置2のアシスト制御電流Iにより横移動制御電流I1 が一部相殺されて横移動量が小さくなることもある。つまり、ドライバーがステアリングホイール1を強く握っているということは、ドライバーが自発的な操舵による衝突回避を行う必要がないと判断している場合であり、このドライバーの意思が横移動制御電流I1 に反映されることになる。また、このような場合には、ステアリングホイール1を強く握っているドライバーの手にアクチュエータ17が発生した操舵トルクが伝達されるので、ステアリングホイール1を通してドライバーに衝突の危険性があることを報知することができる。
【0076】
ところで、図19(B)に実線で示す基準となる横移動制御電流I1 は、図20(A)に示すように自車Aiの進行方向が車線に平行である状態を想定して設定されているが、図20(B)に示すように、自車Aiの進行方向が対向車Ao側(右側)に偏向角α>0だけずれている場合には回避に必要な横移動量が増加し、逆に図20(C)に示すように、自車Aiの進行方向が反対向車Ao側(左側)に偏向角α<0だけずれている場合には回避に必要な横移動量が減少する。そこでステップS75で、図21に示すマップに基づいて前記偏向角αから横移動制御電流補正係数を検索し、この横移動制御電流補正係数を基準となる横移動制御電流I1 に乗算して補正された横移動制御電流I1 を算出する。その結果、補正された横移動制御電流I1 は、自車Aiの進行方向が対向車Ao側にずれている場合には振幅が増加し、自車Aiの進行方向が反対向車Ao側にずれている場合には振幅が減少することになる。
【0077】
続くステップS76で、自車Aiの車速Viに応じて横移動制御電流I1 を更に補正する。基準となる横移動制御電流I1 は周波数が一定であり、かつそれにより発生する横加速度YGが一定になるように設定されているので、車速Viが変化しても横移動量が大きく変化することはないが、実際には操舵に伴うタイヤおよび路面間の摩擦力の影響で低車速時には大きな横移動制御電流I1 が必要になり、高車速時には必要な横移動制御電流I1 が減少する場合がある。そこで、図22に示すマップに基づいて車速Viから横移動制御電流補正係数を検索し、この横移動制御電流補正係数を前記ステップS75で補正した横移動制御電流I1 に乗算して更なる補正を行う。
【0078】
続くステップS77で、前記ステップS73で算出した横移動量を(横偏差δd)に基づいて横移動制御電流I1 を更に補正する。即ち、衝突回避に必要な横移動量が前記ステップS74〜76で算出した横移動制御電流I1 により発生する横移動量よりも小さい場合に、衝突回避に必要な横移動量が小さい割合だけ横移動制御電流I1 を減少する側に補正する。逆に、衝突回避に必要な横移動量が前記ステップS74〜76で算出した横移動制御電流I1 により発生する横移動量よりも大きい場合に、横移動制御電流I1 の補正は行わない。
【0079】
そしてステップS78で、対向車Aoとの衝突を回避すべく、前記ステップS77で算出した最終的な横移動制御電流I1 に応じてアクチュエータ17の駆動を制御する。
【0080】
次に、前記ステップS24の「回避操舵制御」のうちの「ヨー角補正制御」の内容を、図12のフローチャートに基づいて説明する。
【0081】
先ず、ステップS81で、前記ステップS61と同様に衝突情報を受信した後に、ステップS82でヨー角算出の開始判断を行う。ヨー角の算出は常時行われるものではなく、前記ステップS72の横移動制御の操舵開始と同じタイミングで開始される。横移動制御の操舵開始タイミングになると、ステップS83で、自車ヨーレートセンサS4 で検出した自車Aiのヨーレートγiを横移動制御の操舵開始の時点から積分することにより、自車のヨー角βを算出する。従って、横移動制御の操舵開始の時点では、自車のヨー角βは常に0になる。これにより自車ヨーレートセンサS4 のドリフトの影響を排除して自車Aiのヨー角βを正確に検出することができる。
【0082】
続いて、ステップS84でヨー角補正制御の開始判断を行う。ヨー角補正制御は、横移動制御が最終段階に入ってヨー角が0に近づいたときに開始されるもので、本実施例では4秒間に設定された横移動制御が終了する1秒前に、換言すると横移動制御が開始してから3秒後に開始される。横移動制御の継続時間を4秒間に設定したことにより、衝突回避のための自動操舵が急激に行われてドライバーに違和感を与えるのを防止することができる。また横移動制御の主要部である最初の3秒間はヨー角補正制御が実行されないので、ヨー角補正制御が横移動制御と干渉するのを防止して確実な横移動を可能にするとともに、横移動制御の最終段階でヨー角補正制御を効果的に行わせることができる。尚、ヨー角補正制御は、横移動制御により変化した自車Aiのヨー角βを元の状態に戻すためのものであるから、横移動制御の終了に続いて開始することもできる。
【0083】
続いて、ステップS85で、自車のヨー角βを0に戻すべくアクチュエータ17を駆動するヨー角補正制御電流I2 を算出し、ステップS86で前記ヨー角補正制御電流I2 を横移動制御を行うための横移動制御電流I1 に重ね合わせてアクチュエータ17を駆動する。
【0084】
これを図23に基づいて更に説明すると、ヨー角補正制御終了時の目標ヨー角β0 =0と、自車Aiのヨーレートγiを積分した実ヨー角βとの偏差を算出し、この偏差が入力されたPIコントローラは該偏差を0に収束させるフィードバック制御を行うべくヨー角補正制御電流I2 を算出する。このヨー角補正制御電流I2 には、ドライバーのステアリング操作をアシストするアシスト制御電流Iと、横移動制御電流I1 とが加算され、その加算値に基づいてアクチュエータ17が駆動される。
【0085】
但し、衝突回避制御中にドライバーがステアリングホイール1に大きな操舵トルクを入力すると前記偏差が0に収束せずに発散することがあり、このようなときにはヨー角補正制御電流I2 が大きく算出されてアクチュエータ17がドライバーが意図せぬ作動を行う可能性がある。そこで、ヨー角補正制御電流I2 をリミット処理してアシスト制御電流Iおよび横移動制御電流I1 を越えないようにすることにより、ドライバーが受ける違和感を軽減することができる。
【0086】
図24は横移動制御電流I1 およびヨー角補正制御電流I2 の加算を示すものである。このときドライバーによるステアリング操作は行われていないものとし、従ってアシスト制御電流Iは0である。正弦波状の横移動制御電流I1 は衝突回避制御の開始時点から、その1周期に相当する4秒に亘って出力され、ヨー角補正制御電流I2 は衝突回避制御の開始の3秒後から出力を開始され、実ヨー角βが0に収束しなくても2秒が経過すると強制的に終了される。従って、衝突回避制御は開始から5秒間で終了することになる。このように、ヨー角補正制御を時間を限って終了させることにより、実ヨー角βが0に収束せずにヨー角補正制御がだらだらと継続するのを防止することができる。また横移動制御とヨー角補正制御とを一部オーバーラップさせることにより、制御の収束感を高めることができる。
【0087】
ところで、衝突回避のための操舵目標値を操舵角として設定すると、ドライバーがステアリングホイール1を強く保持しているような場合に、実操舵角が目標操舵角に収束しないためにアクチュエータ17が大きな操舵トルクを発生してしまい、この操舵トルクがドライバーに伝達されて違和感を与えることになる。しかしながら、本実施例によれば衝突回避のための操舵目標値が操舵トルク(即ち、横移動制御電流I1 )により設定されているため、ドライバーがステアリングホイール1を強く保持していてもアクチュエータ17が発生する操舵トルクが予め設定された操舵トルクを越えることがなくなり、ドライバーが受ける違和感が軽減される。
【0088】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0089】
例えば、本発明の物体検出手段はレーダ装置3に限定されず、テレビカメラ等の他の手段であっても良い。また横移動制御電流I1 の出力が継続する時間(4秒)、横移動制御電流I1 の出力が開始されてからヨー角補正電流I2 の出力が開始されるまでの時間(3秒)、ヨー角補正電流I2 の出力が継続する時間(2秒)は、実施例に限定されずに適宜変更可能である。
【0090】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、自車および対向車が衝突する可能性があると判定されると、アクチュエータ制御手段がアクチュエータの駆動を制御して自車を横移動させるので、ドライバーが自発的な衝突回避操作を行なわない場合でも対向車との衝突を確実に回避することができる。しかも前記アクチュエータの横移動制御によって自車の車両姿勢が乱れても、アクチュエータをヨー角補正制御して自車の車両姿勢を衝突回避前の状態に戻すので、車両姿勢を自動的に元の状態に復元してドライバーの操作負担および違和感を軽減することができる。更に、ヨー角補正制御におけるアクチュエータの 駆動力が横移動制御におけるアクチュエータの駆動力よりも小さく設定されるので、車両の滑らかな横移動が阻害されるのを防止してドライバーが違和感を軽減することができる。
【0091】
また請求項2に記載された発明によれば、自車および対向車が衝突する可能性があると判定されると、アクチュエータ制御手段がアクチュエータの駆動を制御して自車を横移動させるので、ドライバーが自発的な衝突回避操作を行なわない場合でも対向車との衝突を確実に回避することができる。しかも前記アクチュエータの横移動制御によって自車の車両姿勢が乱れても、アクチュエータをヨー角補正制御して自車の車両姿勢を衝突回避前の状態に戻すので、車両姿勢を自動的に元の状態に復元してドライバーの操作負担および違和感を軽減することができる。更に、自車の車速が低いほど横移動制御において大きなアクチュエータの駆動力が必要になるので、衝突可能性が高いときに応答性良く横移動を行わせて衝突を確実に回避することができる。
【0092】
また請求項3に記載された発明によれば、自車および対向車が適正にすれ違える適正進路と、自車が対向車に衝突すると推定される衝突予測位置との比較に基づいて衝突可能性を判定するので、自車および対向車の衝突可能性を的確に判定することができる。
【0093】
また請求項4に記載された発明によれば、横移動制御を開始した時点からの自車のヨーレートを積分することにより、自車のヨー角、つまり自車の車両姿勢を的確に検出することができる。しかも横移動制御を開始した時点のヨー角の初期値を0に設定することにより、ヨーレート検出手段のドリフトの影響を除去して自車のヨー角の検出精度を高めることができる。
【0094】
また請求項5に記載された発明によれば、ヨーレートの積分値を0に収束させるようにヨー角補正制御を行うことにより、衝突回避後に車両姿勢を正確に衝突回避前の状態に戻すことができる。
【0095】
また請求項6に記載された発明によれば、横移動制御の終了の所定時間前、あるいは横移動制御の開始の所定時間後にヨー角補正制御を開始するので、横移動制御およびヨー角補正制御を効果的に連携させて衝突を効果的に回避するとともにドライバーに違和感を与えることなく車両姿勢を速やかに突回避前の状態に戻すことができる。
【0096】
また請求項7に記載された発明によれば、横移動制御が所定時間をかけて実行されるので、横移動制御が急激に行われて車両姿勢が急変することが防止される。
【0097】
また請求項8に記載された発明によれば、ヨー角補正制御が所定時間で終了するので、ヨー角補正制御がだらだらと継続してドライバーが違和感を受けるのを防止することができる。
【0098】
また請求項9に記載された発明によれば、対向車を自動的に回避するためのアクチュエータの駆動量が所定値以下に制限されるので、車両の横移動量が大き過ぎて自車が道路を逸脱するのを防止することができる。
【0099】
また請求項10に記載された発明によれば、自車の進行方向が対向車に近づくと横移動制御におけるアクチュエータの駆動量が大きくなるので、衝突可能性が高いときに大きな横移動量を発生させて衝突を確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 走行安全装置を備えた車両の全体構成図
【図2】 走行安全装置のブロック図
【図3】 操舵装置の斜視図
【図4】 電子制御ユニットの機能の説明図
【図5】 正面衝突回避制御手段の回路構成を示すブロック図
【図6】 メインルーチンのフローチャート
【図7】 正面衝突回避制御ルーチンのフローチャート
【図8】 旋回時衝突回避制御ルーチンのフローチャート
【図9】 正面衝突判断ルーチンのフローチャート
【図10】 警報制御ルーチンのフローチャート
【図11】 横移動制御ルーチンのフローチャート
【図12】 ヨー角補正制御ルーチンのフローチャート
【図13】 アクチュエータ駆動電流の出力可能領域を示すマップ
【図14】 旋回時衝突回避制御の内容を示す図
【図15】 横偏差δdを算出する手法の説明図(衝突が発生する場合)
【図16】 横偏差δdを算出する手法の説明図(自車が対向車の左側を通過する場合)
【図17】 横偏差δdを算出する手法の説明図(自車が対向車の右側を通過する場合)
【図18】 横偏差δdの補正係数を検索するマップ
【図19】 衝突回避のための基準横移動制御電流の算出手法の説明図
【図20】 自車の偏向角を説明する図
【図21】 偏向角から横移動制御電流補正係数を検索するマップ
【図22】 車速から横移動制御電流補正係数を検索するマップ
【図23】 アクチュエータの制御系のブロック図
【図24】 横移動制御電流およびヨー角補正制御電流の加算を説明する図
【符号の説明】
Ai 自車
Ao 対向車
M1 相対関係算出手段
M5 衝突判定手段
M7 アクチュエータ制御手段
P 衝突予測位置
R 適正進路
S4 自車ヨーレートセンサ(自車ヨーレート検出手段)
S5 車速センサ(車速検出手段)
Vi 自車の車速
γi 自車のヨーレート
3 レーダー装置(物体検出手段)
17 アクチュエータ
Claims (10)
- 自車(Ai)の進行方向に存在する物体を検出する物体検出手段(3)と、
自車(Ai)の車速(Vi)を検出する車速検出手段(S5 )と、
物体検出手段(3)による検出結果および車速検出手段(S5 )で検出した自車(Ai)の車速(Vi)に基づいて対向車(Ao)を判別するとともに、自車(Ai)および対向車(Ao)の相対関係を算出する相対関係算出手段(M1)と、
相対関係算出手段(M1)で算出した相対関係に基づいて自車(Ai)および対向車(Ao)の衝突可能性を判定する衝突判定手段(M5)と、
自車(Ai)の操舵を行うアクチュエータ(17)と、
衝突判定手段(M5)により衝突可能性があると判定されたときにアクチュエータ(17)の駆動を制御するアクチュエータ制御手段(M7)と、
を備えてなり、
前記アクチュエータ(17)の制御は、
自車(Ai)および対向車(Ao)の衝突を回避するために自車(Ai)を横移動させる横移動制御と、衝突回避後に自車(Ai)の車両姿勢を衝突回避前の状態に戻すためのヨー角補正制御とを含み、前記ヨー角補正制御におけるアクチュエータ(17)の駆動力は、前記横移動制御におけるアクチュエータ(17)の駆動力よりも小さく設定されることを特徴とする車両の走行安全装置。 - 自車(Ai)の進行方向に存在する物体を検出する物体検出手段(3)と、
自車(Ai)の車速(Vi)を検出する車速検出手段(S5 )と、
物体検出手段(3)による検出結果および車速検出手段(S5 )で検出した自車(Ai)の車速(Vi)に基づいて対向車(Ao)を判別するとともに、自車(Ai)および対向車(Ao)の相対関係を算出する相対関係算出手段(M1)と、
相対関係算出手段(M1)で算出した相対関係に基づいて自車(Ai)および対向車(Ao)の衝突可能性を判定する衝突判定手段(M5)と、
自車(Ai)の操舵を行うアクチュエータ(17)と、
衝突判定手段(M5)により衝突可能性があると判定されたときにアクチュエータ(17)の駆動を制御するアクチュエータ制御手段(M7)と、
を備えてなり、
前記アクチュエータ(17)の制御は、
自車(Ai)および対向車(Ao)の衝突を回避するために自車(Ai)を横移動させる横移動制御と、衝突回避後に自車(Ai)の車両姿勢を衝突回避前の状態に戻すためのヨー角補正制御とを含み、前記横移動制御におけるアクチュエータ(17)の駆動量は、自車(Ai)の車速(Vi)が低いほど大きくなることを特徴とする車両の走行安全装置。 - 前記衝突判定手段(M5)は、自車(Ai)および対向車(Ao)が適正にすれ違える適正進路(R)と、自車(Ai)が対向車(Ao)に衝突すると推定される衝突予測位置(P)との比較に基づいて衝突可能性を判定することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両の走行安全装置。
- 自車(Ai)のヨーレート(γi)を検出する自車ヨーレート検出手段(S4 )を備えてなり、自車ヨーレート検出手段(S4 )で検出したヨーレート(γi)を前記横移動制御を開始した時点から積分することにより、前記車両姿勢を検出することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の走行安全装置。
- 前記ヨー角補正制御は、前記ヨーレート(γi)の積分値を0に収束させるものであることを特徴とする、請求項4に記載の車両の走行安全装置。
- 前記ヨー角補正制御は、前記横移動制御の終了の所定時間前、あるいは前記横移動制御の開始の所定時間後に開始されることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の車両の走行安全装置。
- 前記横移動制御は、その開始の所定時間後に終了することを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載の車両の走行安全装置。
- 前記ヨー角補正制御は、その開始の所定時間後に終了することを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載の車両の走行安全装置。
- 前記横移動制御におけるアクチュエータ(17)の駆動量は、それに基づく自車(Ai)の横移動量が所定値以下になるように設定されることを特徴とする、請求項1〜8の何れかに記載の車両の走行安全装置。
- 前記横移動制御におけるアクチュエータ(17)の駆動量は、自車(Ai)の進行方向が対向車(Ao)に近づくほど大きくなることを特徴とする、請求項1〜9の何れかに記載の車両の走行安全装置。
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