JP4004140B2 - 回折光学素子を用いたズームレンズ及びそれを用いた撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置に用いるズームレンズに関するものであり、特に、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等に適した回折光学素子を用いたズームレンズ及びそれを用いた撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、CCD等の撮像素子を用いた撮像装置用のズームレンズにおいては、物体側から順に、正の第1群、負の第2群、正若しくは負の第3群、正若しくは負の第4群の4群構成を用いたものが多数提案されている。また、このようなズームレンズにおいては、各群内で極力収差の発生を小さく抑えることが好ましく、各群正負複数枚の構成にする必要があった。しかし、このようなズームレンズに回折光学素子(以下、DOEと呼ぶ。)を用いることで、レンズ枚数を増やさずに色収差を良好に補正するという提案がなされている。例えば、第1群若しくは第2群にDOEを用いた例としては、特開平9−211329号のズームレンズがある。しかし、DOEは設計回折次数光の回折効率が低いと、設計次数光以外の他の光(以下、不要次数光と呼ぶ。)の強度が大きくなり、十分な画質が得られない。特に、撮影レンズ等の広い波長域(λ=400nm〜700nm程度)でDOEを使用するためには、十分に高い回折効率が必要になる。DOEの回折効率を向上させるためには、DOEの断面形状を鋸歯状にすることで理論的に1波長、1画角のみ100%にすることが可能となる。しかし、回折面に対する光束の入射角が大きくなるに従い著しく回折効率の低下が起きる。詳細については、「Scalar theory of transmission relief gratings」Optics Communications,Vol.80,No.5,6/307〜311(1991)、「Blazed holographic gratings for polychromaticand multidirectional incident light」J.Opt.Soc.Am.,Vol.9,No.7/1196〜1199(1992)等の論文に記載されている。したがって、特開平9−211329号記載の第1群にDOEを用いたズームレンズは、回折面に入射する光束の入射角が非常に大きく、このままでは使用することができない。ズームレンズの第1群にDOEを用いた場合、広角側から望遠側にかけて回折面に対する光束の入射角の変化が大きいため、極力入射角を小さくするような配置にする必要があった。
【0003】
また、回折面に入射する光束に対してDOEのグレーティングの本数を十分確保しなければ、設計回折次数光の強度分布が大きく広がり、十分な画質が得られなくなる。詳細については、「Rigorous electromagnetic analysis of diffraction by finite−number−of−periods gratings」J.Opt.Soc.Am.A/Vol.14,No.4/907〜917(1997)等の論文に記載されている。そのため、第1群及び第2群にDOEを用いると、特に広角側の軸上近辺の光束に関しては十分なグレーティングの本数を確保できず、画質劣化の要因となってしまう。
【0004】
また、米国特許第5,268,790号には、第2群及び第3群にDOEを用いたズームレンズが提案されている。このズームレンズは回折面のパワーが非常に弱いため、グレーティングの本数も非常に少なく軸上近辺の光束に対して十分なグレーティングの本数が確保されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、DOEを用いることで色収差を良好に補正しつつ、広角側から望遠側に至るまで回折面に対する光束の入射角を極力小さく抑え、さらに光束に対するDOEのグレーティング本数を十分確保した高性能のズームレンズ及びそれを用いた撮像装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のズームレンズは、最も大きな変倍作用を担当する負レンズ群と、その像側に配置され、回折光学素子を構成する正レンズ群とを含み、回折面を1つのみ有するズームレンズであって、
前記正レンズ群が1つの正レンズにより構成され、該正レンズに前記回折面を設け、
以下の条件式(2’)を満足することを特徴とするものである。
0.057≦fa /fDOE <0.50 ・・・(2’)
ただし、fa 、fDOE はそれぞれ回折面を有するレンズ群、及び、前記回折面のd線の焦点距離である。
【0007】
本発明の別のズームレンズは、最も大きな変倍作用を担当する負レンズ群と、その像側に配置され、回折光学素子を構成する正レンズ群とを含み、
前記正レンズ群が1つの正レンズと、1つの負レンズとにより構成され、
該正レンズ及び負レンズの少なくとも何れかに回折面を設け、
以下の条件式(2”)を満足することを特徴とするものである。
0.03<fa /fDOE ≦0.082 ・・・(2”)
ただし、fa 、fDOE はそれぞれ回折面を有するレンズ群、及び、前記回折面のd線の焦点距離である。
【0008】
本発明のズームレンズは、以下の形態で構成することもできる。
本発明の第1のズームレンズは、最も大きな変倍作用を担当する負レンズ群と、その像側に少なくとも1つの正レンズ群を含み、前記正レンズ群が1つの回折光学素子で構成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の第2のズームレンズは、最も大きな変倍作用を担当する負レンズ群と、その像側に少なくとも1つの正レンズ群を含み、前記正レンズ群が少なくとも1つの正レンズと少なくとも1つの負レンズを有し、前記正レンズ及び負レンズの何れかの面に回折面を有することを特徴とするものである。
また、本発明の第3のズームレンズは、最も大きな変倍作用を担当する負レンズ群と、その像側に少なくとも1つの正レンズ群を含み、前記正レンズ群の最も物体側の面が以下の条件式を満足し、それより像側にある前記正レンズ群の面に回折面を有することを特徴とするものである。
0.2<Ra1/fS <3.0 ・・・(1)
ただし、fS はfS =√(fW ×fT )で、fW 、fT はそれぞれ広角端、望遠端のd線の全系焦点距離であり、Ra1は前記回折面を有するレンズ群の最も物体側の面の近軸曲率半径である。
【0009】
また、本発明の第4のズームレンズは、物体側から順に、1つのレンズ群、最も大きな変倍作用を担当する負レンズ群、正レンズ群の構成を含み、前記正レンズ群に以下の条件式を満足する回折面を有することを特徴とするものである。
0.03<fa /fDOE <0.50 ・・・(2)
ただし、fa 、fDOE はそれぞれ回折面を有するレンズ群、及び、前記回折面のd線の焦点距離である。
【0010】
以下に、本発明においてこのような構成をとる理由と作用について説明する。前述したように、DOEを撮影レンズに応用するためには非常に高い回折効率が必要になる。しかし、DOEの回折効率は入射角依存性があるために、回折面に対して光束の入射角が大きいと回折効率の著しい低下が生じる。図16、図17、図18に各波長に対する1次回折効率の入射角依存性のグラフを示す。これはDOEの最適設計波長をe線、基板のe線の屈折率Ne =1.5、グレーティングの周期Λ=10μm、20μm、光線の入射側は空気と仮定したときのそれぞれC線、e線、F線の0次光、1次光、2次光のTE偏光の回折効率を示したものである。なお、この計算はレンズ境界面の反射も考慮したものである。これらのグラフからも分かるように、入射角が大きくなるに従い1次光の回折効率が低下し、不要次数光の回折効率が増加する。さらに、短波長側(F線)においては回折効率の低下が顕著であり、撮影レンズのような可視域(波長400nm〜700nm程度)でDOEを用いる場合には、画質劣化の大きな原因となる。また、グレーティングの周期が小さい程入射角依存性が顕著に現れるのが分かる。したがって、極力回折面に入射する光束の角度を小さくするような配置が必要となる。特に、第1群にDOEを用いると、広角側及び望遠側の軸外光束の入射角変動が大きく好ましくない。
【0011】
また、回折面に入射する光束に対してグレーティングの本数を十分確保しなければ、設計回折次数光の強度分布が大きく広がり、十分な画質が得られなくなる。グレーティングの本数Nが十分大きいときは、各方向に回折した光の強度分布は非常にシャープな形状となるが、通常撮影レンズにDOEを用いる場合、グレーティングの本数Nは有限であり、また、その間隔は中心が非常に大きく周辺にかけて小さくなっていく。そのため、特に広角側の場合、主に変倍作用を有する負レンズ群、及び、その負レンズ群より物体側にあるレンズ群においては、軸上マージナル光線高は非常に低く、軸上近辺の光束に対して十分なグレーティング本数を確保することができない。
【0012】
そのため、DOEを配置する位置は、最も大きな変倍作用を担当する負レンズ群の像側にある正レンズ群であることが望ましい。特に広角側の場合、物体光の軸外主光線の角度は光軸に対して非常に大きく、軸上光束と軸外光束の両方の入射角度の差を小さくするためには、その負レンズ群の作用が必要となる。そのため、回折面を有するレンズ群より物体側に負レンズ群を用い、このような構成にすることで軸上光束と軸外光束の入射角の差が小さくなり、上記負レンズ群より像側にある正レンズ群内では、広角側から望遠側にかけて回折面に対する光束の入射角を極めて小さく抑えることが可能となる。また、軸上光束はその負レンズ群において一旦発散するため、上記正レンズ群内における軸上マージナル光線高は非常に高くなる。そのため、負レンズ群の後にある正レンズ群にDOEを用いた場合、広角側から望遠側に至るまで光束に対するグレーティング本数を十分確保することが可能となる。
【0013】
また、本発明の第1のズームレンズは、上記正レンズ群が1つの回折光学素子で構成されるズームレンズであることが望ましい。その正レンズ群を1枚で構成しようとした場合、群内での色収差の補正ができないため、従来はズーミングの際固定にすることで、極力収差変動が起きないようにしていたが、レンズ系の小型化が達成できなかった。そのため、レンズ系を小型化にするためには、その正レンズ群をズーミングの際可動にすることで達成できる。
【0014】
しかし、その正レンズ群を可動にした場合、広角側から望遠側にかけて収差変動が非常に大きく、目標性能を達成するためには正負複数枚のレンズ構成にすることが必要であった。そこで、正レンズ群に回折面を設けることで、回折光学素子1枚でその正レンズ群内の色収差を非常に小さく抑えることができ、良好な結像性能及びレンズ枚数の削減、撮影レンズの小型化を達成することが可能となる。
【0015】
また、本発明の第2のズームレンズは、上記正レンズ群の構成が少なくとも1つの正レンズと少なくとも1つの負レンズを有し、それらレンズの何れかの面に回折面を有するズームレンズであることが望ましい。レンズ系の小型化及び高性能化を目的とした場合、小型化するためには正レンズ群にある程度のパワーが必要となるが、色収差を良好に補正するためにはその正レンズ群のパワーに応じた回折面のパワーが必要となる。DOEは屈折光学系に置き換えた場合、アッべ数−3.45という高分散性を有しているため、回折面のパワーを強くするとその正レンズ群内で軸上色収差の2次スペクトルが大きく発生してしまい、高性能化が達成できなくなる。そのため、その正レンズ群に少なくとも1枚の負レンズを組み合わせてその回折面のパワーを緩くすることで、2次スペクトルの発生を小さく抑えることができ、非常に良好な結像性能を得ることが可能となる。
【0016】
また、本発明の第3のズームレンズは、上記正レンズ群の最も物体側の面が以下の条件式を満足し、それより像側にある上記正レンズ群の面に回折面を有するズームレンズであることが望ましい。
【0017】
0.2<Ra1/fS <3.0 ・・・(1)
ただし、fS はfS =√(fW ×fT )で、fW 、fT はそれぞれ広角端、望遠端のd線の全系焦点距離であり、Ra1は前記回折面を有するレンズ群の最も物体側の面の近軸曲率半径である。
【0018】
DOEの回折効率の低下を防ぐためには、回折面に入射する光束の入射角を極力小さくすることが望ましいことは前述したが、前記負レンズ群の後の正レンズ群の最も物体側の面に関しては、物体光の軸外主光線の角度は、光軸に対して少し大きい。さらに入射角を小さくするためには、条件式(1)の範囲内の曲率半径を持つレンズ面を最も物体側に配置し、それより像側に回折面を設けることにより、さらに広角側から望遠側まで極めて小さく入射角を抑えることが可能となる。
【0019】
つまり、条件式(1)は、前記正レンズ群の最も物体側にある面の曲率半径を規定するものである。条件式(1)の上限値の3.0を越えると、軸外主光線が光軸に対して小さい角度にならず、回折面に対する光束の入射角がさらに小さくならない。また、条件式(1)の下限値の0.2を越えると、軸上マージナル光線の角度が光軸に対して大きくなってしまい、回折面に対して軸上光束の入射角が大きくなってしまう。また、軸上マージナル光線の高さもその物体側の面の作用により低くなり、軸上光束に対して十分なグレーティングの本数を確保することができなくなる。したがって、条件式(1)の範囲内であれば、入射角をより小さくすることが可能となる。
【0020】
さらに、条件式(1)は、以下の条件式(3)の範囲内であることがさらに望ましい。
0.3<Ra1/fS <2.0 ・・・(3)
この条件式(3)の範囲内であれば、さらに入射角を極めて小さくすることができ、回折効率の低下を非常に小さく抑えることができる。
【0021】
また、本発明の第4のズームレンズは、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
0.03<fa /fDOE <0.50 ・・・(2)
ただし、fa 、fDOE はそれぞれ回折面を有するレンズ群、及び、前記回折面のd線の焦点距離である。
【0022】
条件式(2)は、回折面のパワーに対するその回折面を有するレンズ群のパワーを規定するものである。条件式(2)の下限値の0.03を越えると、回折面のパワーが非常に弱くなり、そのレンズ群内で発生する色収差を良好に補正することが困難となる。さらに、回折面のパワーが弱いということは、グレーティングの本数が非常に少なくなることを意味する。そのため、軸上近辺の光束中にグレーティングの本数を十分確保することができなくなり、好ましくない。条件式(2)の上限値0.50を越えると、回折面のパワーが大きくなり、そのレンズ群で発生する色収差が補正過剰となる。さらに、そのレンズ群内で非常に大きな軸上色収差の2次スペクトルが発生し、高性能が達成できなくなる。また、回折面のパワーが強いということは、回折面の周辺部分におけるグレーティングの間隔を非常に小さくすることを意味する。そのため、グレーティングの間隔が小さくなると、入射角依存性による回折効率の低下が大きく影響して好ましくない。したがって、条件式(2)の範囲内であれば、DOEの入射角依存性の問題による回折効率の低下、及び、グレーティング本数の確保による回折光の強度分布の広がりを小さく抑えることが可能となる。
【0023】
さらに、条件式(2)は、以下の条件式(4)の範囲内であることが望ましい。
0.04<fa /fDOE <0.30 ・・・(4)
この条件式(4)の範囲内であれば、さらに回折効率の低下を非常に小さく抑えることができ、色収差も良好に補正することができる。
なお、本発明のズームレンズにおいては、上記条件式(2)や(4)に代えて、下記の条件(2’)を満足するのが好ましい。
0.057≦fa /fDOE <0.50 ・・・(2’)
また、発明の別のズームレンズにおいては、上記条件式(2)や(4)に代えて、下記の条件(2”)を満足するのが好ましい。
0.03<fa /fDOE ≦0.082 ・・・(2”)
【0024】
また、第1、第2、第4のズームレンズにおいては、さらに条件式(1)を満足することが望ましい。さらに、条件式(3)を満足することが望ましい。
また、第1、第2、第4のズームレンズにおいては、さらに条件式(2)を満足することが望ましい。さらには、条件式(4)を満足することが望ましい。
【0025】
条件式(1)〜(4)は、以上に説明したように、それぞれのズームレンズにおいては同様の効果が得られる。
また、第1、第3、第4のズームレンズは、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
−5.0<SDOE <−1.0 ・・・(5)
ただし、SDOE は回折光学素子のシェイピングファクタであり、SDOE =(Rf +Rb )/(Rf −Rb )で、Rf 、Rb はそれぞれ前記回折光学素子の物体側及び像側の近軸曲率半径であり、回折面が設けられた面に対しては基板形状の近軸曲率半径とする。
【0026】
条件式(5)は、回折光学素子の形状を規定するものであり、単色収差を良好に補正する条件である。条件式(5)の上限値−1.0を越えると、非常に大きな球面収差が発生する。そのため、上限値内であれば物体側と像側の面で正負逆の球面収差を発生させ、打ち消すことができ、ズーミングの際生じる収差変動も小さく抑えることができるため、好ましい。条件式(5)の下限値の−5.0を越えると、面の曲率半径が小さくなるため、軸外主光線の入射角度が大きくなる。そのため、コマ収差及び非点収差が著しく悪化し、好ましくない。したがって、条件式(5)の範囲内であれば、球面収差、コマ収差及び非点収差を良好に補正することが可能である。
【0027】
さらに、条件式(5)は、以下の条件式(6)の範囲内であることが望ましい。
−3.0<SDOE <−1.2 ・・・(6)
この条件式(6)の範囲内であれば、さらに単色収差を良好に補正することができる。
【0028】
また、第2のズームレンズは、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
−2.0<fDOE /V<1.0 ・・・(7)
ただし、fDOE は前記回折面のd線の焦点距離、Vは前記正レンズ群の等価アッベ数で、前記回折面を除いた屈折レンズの焦点距離とアッべ数の関数で以下の式(8)で定義される。
ここで、νi 、fi はそれぞれ前記正レンズ群内にあるi番目のレンズのアッべ数とd線の焦点距離である。
【0029】
条件式(7)式は、広角側から望遠側に至るまで良好に色収差を補正するために前記正レンズ群内の屈折レンズの等価アッべ数と回折面のパワーの関係を規定するものである。条件式(7)の上限の1.0を越えると、前記正レンズ群内の負レンズのパワーが弱くなり、群内で発生する軸上色収差が補正不足となり、好ましくない。さらに、正レンズ群内の軸上色収差を良好に補正しようとすると回折面のパワーを非常に強くしなければならず、2次スペクトルが大きく発生してしまい、目標性能を達成できなくなる。また、条件式(7)の下限値の−2.0を越えると、屈折レンズのみで軸上色収差が補正過剰になり、良好な結像性能が達成できなくなる。また、DOEのパワーが弱くなるため、グレーティングの本数が極めて少なくなり、軸上近辺の光束に対して十分なグレーティングの本数を確保することができなくなる。
【0030】
したがって、条件式(7)の範囲内であれば、広角側から望遠側まで良好に色収差を補正することが可能となる。
さらに、条件式(7)は、以下の条件式(9)の範囲内であることが望ましい。
−1.5<fDOE /V<0.5 ・・・(9)
この条件式(9)の範囲内であれば、さらに良好な結像性能を達成できる。
【0031】
また、本発明の第1のズームレンズは、物体側から順に、正パワーの第1群、負パワーの第2群、正パワーの第3群を含み、その第3群が1つの回折光学素子で構成されることが望ましい。
【0032】
また、本発明の第2のズームレンズは、物体側から順に、正パワーの第1群、負パワーの第2群、正パワーの第3群を含み、その第3群の構成が少なくとも1つの正レンズと少なくとも1つの負レンズを有し、それらのレンズの何れかの面に回折面を有するズームレンズであることが望ましい。
【0033】
また、本発明の第3のズームレンズは、物体側から順に、正パワーの第1群、負パワーの第2群、正パワーの第3群を含み、その第3群の最も物体側の面が条件式(1)若しくは(3)を満足し、それより像側の面に回折面を有するズームレンズであることが望ましい。
【0034】
このような構成にすることで、以下の条件式(10)の範囲内にあるズーム比の撮影レンズを非常にコンパクトに達成することが可能となる。また、負のパワーの第2群の作用により、第3群内の軸上マージナル光線高が最も高くなり、軸上光束に対してグレーティングの本数を十分確保することが可能となる。
2.5<Z<15.0 ・・・(10)
ただし、Zはズーム比で、Z=fT /fW である。
【0035】
また、本発明の第1から第4のズームレンズの構成は、物体側から順に、正のパワーの第1群、負のパワーの第2群、正のパワーの第3群、正のパワーの第4群で構成され、その第3群あるいは第4群に回折面を有することが望ましい。
【0036】
回折光学素子をズームレンズに用いる場合、前述したように、第1群は広角側から望遠側にかけて回折面の入射角が大きく変動するために好ましくない。また、第1、2群は広角側の軸上近辺の光束に対して十分な数のグレーティングの本数を確保することが困難であり好ましくない。したがって、第3群あるいは第4群に回折面を用いることが望ましい。特に第3群にDOEを用いた場合は、広角側において最も軸上マージナル光線高が高いため、軸上近辺の光束に対して十分な数のグレーティングの本数を確保することができる。
【0037】
また、本発明のズームレンズの構成は、以下の条件式(11)を満足する第1から第4のズームレンズであることが望ましい。
0.10<fS /fa <1.00 ・・・(11)
条件式(11)は,回折面を有するレンズ群の焦点距離fa を全系の中間焦点距離fS で規格化したものである。条件式(11)の下限の0.10を越えると、そのレンズ群の正のパワーが弱くなり、レンズ系の小型化が困難となり好ましくない。さらに、そのレンズ群のパワーに比例して回折面のパワーが非常に弱くなる。そのため、軸上光束に対してグレーティングを十分確保できなくなり、好ましくない。また、条件式(11)の上限の1.00を越えると、そのレンズ群のパワーが強くなり、十分なバックフォーカスを確保するためにそのレンズ群の物体側にある変倍作用を主に担当する負レンズ群のパワーを強くしなくてはならない。そのため、各群の球面収差及びコマ収差の発生量が大きくなり、好ましくない。また、それに、そのレンズ群のパワーが強くなると、色収差を良好に補正するためにはそれに応じた回折面のパワーが必要となり、結果的にそのレンズ群で大きな軸上色収差の2次スペクトルが発生してしまう。したがって、条件式(11)の範囲内であれば、良好な結像性能を達成することができる。
【0038】
さらに、条件式(11)は、以下の条件式(12)の範囲内であることが望ましい。
0.20<fS /fa <0.95 ・・・(12)
この条件式(12)の範囲内であれば、球面収差、コマ収差共に良好に補正することができ、さらに高性能化を達成することが可能となる。
【0039】
さらに、本発明の撮像装置の構成は、第1から第4のズームレンズの少なくとも何れかのズームレンズを用いた撮像装置である。以上で説明してきたズームレンズを用いることにより、非常にコンパクトで高性能の撮像装置を提供することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のズームレンズの実施例1〜12について説明する。
本発明で使用している回折光学素子(DOE)を用いたズームレンズの設計方法としては、Sweatt Modelが有名であり、これについては「W.C.Sweatt,"NEW METHODS of DESIGNING HOLOGRAPHIC ELEMENTS 」SPIE vol.126 Clever Optics 46-53 (1997) に記載されている。これは、DOEを屈折率の極めて大きな仮想の屈折レンズ(ウルトラ・ハイ・インデックス・レンズ:Ultra high index lens )に置き換えて設計する手法であるが、以下の実施例においてもこの方法を使用する。なお、各実施例のDOEは波長587.56nm(d線)で仮想屈折率を1001で設計している。また、ウルトラ・ハイ・インデックス・レンズの非球面を以下のように定義する。すなわち、光軸方向をZ軸、光軸と垂直な方向をY軸とすると、非球面は以下の式にて表せられる。
【0041】
Z=CY2 /[1+√{1−(1+K)C2 Y2 }]
+A4 Y4 +A6 Y6 +A8 Y8 +A10Y10+・・・(a)
ただし、Cは面頂における曲率(=1/r、rは曲率半径)、Kは円錐係数、A4 、A6 、A8 、A10はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。
【0042】
また、回折面と厚みが0で接する面は基材の表面である。そして、実際の製造においては、回折面の非球面形状と基材表面の形状との差及び屈折率から位相変化を求め、この位相変化を回折格子のピッチに換算して基材表面上に回折面を形成する。したがって、以下の各実施例において、最終的にレンズとして作用をするのは基材の面である。また、回折面と示したウルトラ・ハイ・インデックス・レンズによる非球面は実際は存在しない。しかし、各実施例に対応するレンズ断面図中には、数値データ中に回折面として記載された面番も基材の面に表記してある。
【0043】
回折面の具体的な形状としては、例えば図19に断面を示すようなものがある。図の(a)は、透明部21と不透明部22が交互に配列され、不透明部22の厚みは略0であるが、振幅変調型と呼ばれる回折面である。図の(b)は、屈折率の異なる高屈折率部23と低屈折率部24を交互に配列して、屈折率差による位相差にて回折作用を持たせたものである。図の(c)は、矩形状の凹凸を交互に配列して厚みの差による位相差にて回折作用を持たせたものである。これは2レベルのバイナリー素子でもある。図の(d)は、表面を鋸歯形状にしたものであり、キノフォームと呼ばれ、連続的な厚みの差による位相差にて回折作用を持たせたものである。図の(e)と(f)は、キノフォームを4レベル及び8レベルで近似したバイナリー素子である。このように回折面の形状にはいくつかの形式があるが、本発明では、回折効率を高くして光量を有効に利用したいため、図19(d)のキノフォームや図19(e)や図19(f)等の4レベル以上のバイナリー素子を用いることが望ましい。
【0044】
本発明の実施例1〜12のズームレンズの光軸を含む断面図をそれぞれ図1〜図12に示す。なお、図1には、実施例1の広角端(a)、標準状態(b)、望遠端(c)の光軸を含む断面図を示し、図2〜図12には、それぞれ実施例2〜12の広角端での光軸を含む断面図を示す。これらの実施例は、前述のように、変倍作用を主に担当する負レンズ群と、その像側に正レンズが順に配置された構成を含み、その正レンズ群にDOEを用いることで、広角側から望遠側にかけて回折面に対する光束の入射角を極力小さく抑え、さらには、軸上付近の光束に対してもDOEのグレーティング本数を十分確保した設計になっている。なお、各実施例のズームレンズの最も像側にある1枚の平行平板は赤外カットフィルター、ローパスフィルター等を想定したものである。
【0045】
実施例1のズームレンズは、図1に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた1枚の正メニスカスレンズからなる第1群G1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる最も大きな変倍作用を有する第2群G2、絞りS、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの像側の面に回折面を設けたDOEからなる第3群G3、1枚の両凸正レンズからなる第4群G4で構成されている。広角端から望遠端にかけて、第1群G1と絞りSは固定で、第2群G2は像側へ、第3群G3と第4群G4は物体側へ移動する。非球面は、第2群G2の最も像側の面と、第4群G4の物体側の面に用いられている。この実施例は、ズーム比3倍、全系で4群5枚構成で、非常に良好な結像性能が達成できる。また、広角端、望遠端及びその中間の3状態において、主光線と回折面の法線とのなす角度は最大約7.1°である。軸上光束中に含まれるグレーティングの本数は、広角端で32本、望遠端で27本である。
【0046】
実施例2のズームレンズは、図2に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた1枚の正メニスカスレンズからなる第1群G1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと像側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる最も大きな変倍作用を有する第2群G2、絞りS、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの像側の面に回折面を設けたDOEからなる第3群G3、1枚の両凸正レンズからなる第4群G4で構成されている。広角端から望遠端にかけて、第1群G1と絞りSは固定で、第2群G2は像側へ、第3群G3と第4群G4は物体側へ移動する。非球面は、第2群G2の最も像側の面と、第3群G3の両面と、第4群G4の物体側の面に用いられている。この実施例は、ズーム比3倍、全系で4群5枚構成で、非常に良好な結像性能が達成できる。また、広角端、望遠端及びその中間の3状態において、主光線と回折面の法線とのなす角度は最大約9.1°である。軸上光束中に含まれるグレーティングの本数は、広角端で34本、望遠端で24本である。
【0047】
実施例3のズームレンズは、図3に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズからなる第1群G1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズとからなる最も大きな変倍作用を有する第2群G2、絞りS、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの像側の面に回折面を設けたDOEからなる第3群G3、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第4群G4の4群7枚構成で、広角端から望遠端にかけて、第1群G1と絞りSは固定で、第2群G2は像側へ、第3群G3と第4群G4は物体側へ移動する。非球面は、第2群G2の最も像側の面と、第3群G3の両面と、第4群G4の物体側の面に用いられている。この実施例は、ズームレンズ比6倍のズームレンズである。
主光線と回折面の法線とのなす角度は最大約6.5°で、軸上光束中に含まれるグレーティングの本数は広角端で38本、望遠端で27本である。
【0048】
実施例4のズームレンズは、図4に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第1群G1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズからなる最も大きな変倍作用を有する第2群G2、絞りS、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの像側の面に回折面を設けたDOEからなる第3群G3、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズとの接合レンズからなる第4群G4の4群9枚構成で、広角端から望遠端にかけて、第1群G1と絞りSは固定で、第2群G2は像側へ、第3群G3と第4群G4は物体側へ移動する。非球面は、第3群G3の両面に用いられている。この実施例は、ズーム比10倍の撮影レンズであり、第3群G3がズーミングの際移動することで、レンズ系の小型化が達成できている。
【0049】
主光線と回折面の法線とのなす角度は最大約7.0°で、軸上光束中に含まれるグレーティングの本数は広角端で17本、望遠端で16本である。
【0050】
実施例5のズームレンズは、図5に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズとの接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第1群G1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズからなる最も大きな変倍作用を有する第2群G2、絞りS、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの像側の面に回折面を設けたDOEからなる第3群G3、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズとの接合レンズからなる第4群G4の4群9枚構成で、広角端から望遠端にかけて、第1群G1と絞りSと第3群G3は固定で、第2群G2は像側へ、第4群G4は物体側へ移動する。非球面は、第3群G3の両面に用いられている。この実施例は、ズーム比10倍の撮影レンズであり、第3群G3が像面に対して固定であるため、レンズ鏡枠の構成を単純にできる。また、主光線と回折面の法線とのなす角度は最大約7.1°で、軸上光束中に含まれるグレーティングの本数は広角端で13本、望遠端で14本である。
【0051】
実施例6のズームレンズは、図6に示すように、物体側から順に、1枚の両凸正レンズからなる第1群G1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズとからなる最も大きな変倍作用を有する第2群G2、絞りS、両凸正レンズの像側の面に回折面を設けたDOEと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第3群G3、1枚の両凸正レンズからなる第4群G4の4群7枚構成で、広角端から望遠端にかけて、第1群G1と絞りSは固定で、第2群G2は像側へ、第3群G3と第4群G4は物体側へ移動する。非球面は、第3群G3の両凸正レンズの両面に用いられている。この実施例は、ズーム比3倍のズームレンズである。主光線と回折面の法線とのなす角度は最大約4.8°で、軸上光束中に含まれるグレーティングの本数は広角端で12本、望遠端で9本である。
【0052】
実施例7のズームレンズは、図7に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズからなる第1群G1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズとからなる最も大きな変倍作用を有する第2群G2、絞りS、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの像側の面に回折面を設けたDOEと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第3群G3、1枚の両凸正レンズからなる第4群G4の4群8枚構成で、広角端から望遠端にかけて、第1群G1と絞りSは固定で、第2群G2は像側へ、第3群G3と第4群G4は物体側へ移動する。非球面は、第3群G3の正メニスカスレンズの両面に用いられている。この実施例は、ズーム比6倍のズームレンズである。主光線と回折面の法線とのなす角度は最大約6.2°で、軸上光束中に含まれるグレーティングの本数は広角端で11本、望遠端で9本である。
【0053】
実施例8のズームレンズは、図8に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズとの接合レンズからなる第1群G1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズとからなる最も大きな変倍作用を有する第2群G2、絞りS、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの物体側の面に回折面を設けてなるDOEとからなる第3群G3、1枚の両凸正レンズからなる第4群G4の4群8枚構成で、広角端から望遠端にかけて、第1群G1と絞りSは固定で、第2群G2は像側へ、第3群G3と第4群G4は物体側へ移動する。非球面は、第3群G3の正メニスカスレンズの両面と第3群G3の負メニスカスレンズの物体側の面に用いられている。この実施例は、ズーム比6倍のズームレンズである。主光線と回折面の法線とのなす角度は最大約16.8°で、軸上光束中に含まれるグレーティングの本数は広角端で9本、望遠端で6本である。
【0054】
実施例9のズームレンズは、図9に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズとの接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとからなる第1群G1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズとからなる最も大きな変倍作用を有する第2群G2、絞りS、両凸正レンズの像側の面に回折面を設けたDOEと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとからなる第3群G3、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズとの接合レンズからなる第4群G4の4群10枚構成で、広角端から望遠端にかけて、第1群G1と絞りSは固定で、第2群G2は像側へ、第3群G3と第4群G4は物体側へ移動する。非球面は、第3群G3の両凸正レンズの両面に用いられている。この実施例は、ズーム比10倍のズームレンズである。主光線と回折面の法線とのなす角度は最大約5.5°で、軸上光束中に含まれるグレーティングの本数は広角端で12本、望遠端で11本である。
【0055】
実施例10のズームレンズは、図10に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとからなる第1群G1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズとからなる最も大きな変倍作用を有する第2群G2、絞りS、両凸正レンズの像側の面に回折面を設けたDOEと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとからなる第3群G3、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第4群G4の4群9枚構成で、広角端から望遠端にかけて、第1群G1と絞りSは固定で、第2群G2は像側へ、第3群G3は物体側へ移動し、第4群G4は広角端から中間までは物体側へ移動し、中間から望遠端にかけて像側へ移動する。非球面は、第3群G3の両凸正レンズの両面と、第4群G4の像側の面に用いられている。この実施例は、ズーム比10倍のズームレンズである。主光線と回折面の法線とのなす角度は最大約5.0°で、軸上光束中に含まれるグレーティングの本数は広角端で9本、望遠端で6本である。
【0056】
実施例11のズームレンズは、図11に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとからなる第1群G1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズとからなる最も大きな変倍作用を有する第2群G2、絞りS、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの像側の面に回折面を設けたDOEと両凸正レンズからなる第3群G3、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズからなる第4群G4の4群10枚構成で、広角端から望遠端にかけて、第1群G1と絞りSは固定で、第2群G2は像側へ、第3群G3は物体側へ移動し、第4群G4は広角端から中間までは物体側へ移動し、中間から望遠端にかけて像側へ移動する。非球面は、第3群G3の正メニスカスレンズの両面に用いられている。この実施例は、ズーム比10倍のズームレンズである。主光線と回折面の法線とのなす角度は最大約11.1°で、軸上光束中に含まれるグレーティングの本数は広角端で8本、望遠端で7本である。
【0057】
実施例12のズームレンズは、図12に示すように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸正レンズとの接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとからなる第1群G1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズとからなる最も大きな変倍作用を有する第2群G2、絞りS、両凸正レンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとからなる第3群G3、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの像側の面に回折面を設けたDOEからなる第4群G4の4群9枚構成で、広角端から望遠端にかけて、第1群G1と絞りSは固定で、第2群G2は像側へ、第3群G3は物体側へ移動し、第4群G4は広角端から中間までは物体側へ移動し、中間から望遠端にかけて像側へ移動する。非球面は、第3群G3の両凸正レンズの物体側の面、第4群G4の正メニスカスレンズの像側の面に用いられている。この実施例は、ズーム比10倍のズームレンズである。主光線と回折面の法線とのなす角度は最大約5.2度で、軸上光束中に含まれるグレーティングの本数は広角端で9本、望遠端で6本である。
【0058】
以下に、各実施例1〜12の数値データを示す。なお、各実施例において、記号は上記の外、fは焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角である。また、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのd線のアッべ数であり、また、非球面形状は前記の(a)式にて表される。
【0059】
実施例1
ズーム間隔
非球面係数
第6面
K = 0.00
A4 =-3.9503 ×10-4
A6 =-1.9327 ×10-5
A8 = 3.1437 ×10-7
A10=-2.4940 ×10-8
第10面
K =-1.00
A4 = 7.1073 ×10-6
A6 = 4.0701 ×10-8
A8 =-6.2062 ×10-9
A10= 3.3316 ×10-10
第11面
K = 0.00
A4 =-1.5880 ×10-3
A6 = 9.7826 ×10-6
A8 =-1.1786 ×10-5
A10= 4.8219 ×10-7
fDOE = 108.079
Ra1/fS = 0.649
fa /fDOE = 0.093
fS /fa = 0.93
SDOE =-1.608 。
【0060】
実施例2
ズーム間隔
非球面係数
第6面
K = 0.00
A4 =-2.8613 ×10-4
A6 =-3.8304 ×10-5
A8 = 2.5484 ×10-6
A10=-1.2152 ×10-7
第8面
K = 0.00
A4 =-1.4991 ×10-4
A6 = 1.3026 ×10-5
A8 =-8.1189 ×10-7
A10= 4.5379 ×10-8
第9面
K =-1.00
A4 = 1.5669 ×10-8
A6 =-1.9953 ×10-9
A8 = 1.5863 ×10-9
A10=-5.8291 ×10-11
第10面
K =-1.00
A4 =-4.2614 ×10-8
A6 = 9.5977 ×10-9
A8 = 8.2619 ×10-10
A10=-2.3733 ×10-11
第11面
K = 0.00
A4 =-2.6923 ×10-4
A6 =-3.0925 ×10-6
A8 = 1.8928 ×10-7
A10=-4.4111 ×10-9
fDOE = 125.939
Ra1/fS = 1.386
fa /fDOE = 0.173
fS /fa = 0.40
SDOE =-1.990 。
【0061】
実施例3
ズーム間隔
非球面係数
第9面
K = 0.00
A4 =-1.4081 ×10-4
A6 =-1.0162 ×10-5
A8 = 4.2071 ×10-7
A10=-1.0489 ×10-8
第11面
K =-0.2184
A4 =-9.2445 ×10-5
A6 =-6.6290 ×10-6
A8 = 4.8447 ×10-7
A10=-6.8248 ×10-9
第12面
K =-1.00
A4 =-6.0421 ×10-8
A6 =-1.7428 ×10-9
A8 = 1.7086 ×10-11
A10=-2.2958 ×10-11
第13面
K =-1.00
A4 = 3.3736 ×10-9
A6 =-5.7307 ×10-9
A8 = 4.9015 ×10-12
A10=-1.3667 ×10-11
第14面
K = 0.00
A4 =-6.9203 ×10-4
A6 =-5.2890 ×10-6
A8 =-3.6556 ×10-7
A10= 3.3110 ×10-9
fDOE = 128.283
Ra1/fS = 0.815
fa /fDOE = 0.123
fS /fa = 0.78
SDOE =-1.508 。
【0062】
実施例4
ズーム間隔
非球面係数
第12面
K = 0.00
A4 =-7.3866 ×10-7
A6 =-2.0618 ×10-5
A8 = 1.6837 ×10-6
A10=-6.6040 ×10-8
第13面
K =-1.00
A4 =-8.7129 ×10-8
A6 =-4.8959 ×10-9
A8 = 1.3102 ×10-10
A10=-5.1545 ×10-11
第14面
K =-1.00
A4 = 3.0088 ×10-8
A6 =-1.7653 ×10-8
A8 = 1.1068 ×10-9
A10=-9.4074 ×10-11
fDOE = 296.0716
Ra1/fS = 0.683
fa /fDOE = 0.072
fS /fa = 0.74
SDOE =-1.578 。
【0063】
実施例5
ズーム間隔
非球面係数
第12面
K = 0.00
A4 = 6.6419 ×10-5
A6 =-2.8229 ×10-5
A8 = 2.5591 ×10-6
A10=-9.2077 ×10-8
第13面
K =-1.00
A4 =-1.0012 ×10-7
A6 =-9.7044 ×10-10
A8 =-3.8160 ×10-10
A10=-5.3373 ×10-11
第14面
K =-1.00
A4 = 2.9316 ×10-8
A6 =-2.2933 ×10-8
A8 = 1.6805 ×10-9
A10=-1.3068 ×10-10
fDOE = 386.7484
Ra1/fS = 0.766
fa /fDOE = 0.057
fS /fa = 0.72
SDOE =-1.298 。
【0064】
実施例6
ズーム間隔
非球面係数
第9面
K =-0.2184
A4 =-5.5277 ×10-4
A6 =-1.5798 ×10-5
A8 = 9.1866 ×10-7
A10=-4.7112 ×10-8
第10面
K =-1.00
A4 = 1.5816 ×10-7
A6 = 1.0389 ×10-8
A8 =-3.2868 ×10-9
A10=-1.5818 ×10-10
第11面
K =-1.00
A4 = 2.5739 ×10-7
A6 = 9.5860 ×10-10
A8 =-2.9576 ×10-9
A10=-1.7614 ×10-10
fDOE = 243.400
Ra1/fS = 0.710
fa /fDOE = 0.051
fS /fa = 0.69
fDOE /V =-0.448 。
【0065】
実施例7
ズーム間隔
非球面係数
第11面
K = 0.00
A4 =-3.4950 ×10-4
A6 =-8.4230 ×10-7
A8 =-1.0159 ×10-6
A10= 2.1001 ×10-8
第12面
K =-1.00
A4 =-4.6107 ×10-6
A6 = 3.0611 ×10-7
A8 =-1.8674 ×10-8
A10= 1.1957 ×10-9
第13面
K =-1.00
A4 =-4.5395 ×10-6
A6 = 3.0152 ×10-7
A8 =-1.8546 ×10-8
A10= 1.1653 ×10-9
fDOE = 306.458
Ra1/fS = 0.480
fa /fDOE = 0.060
fS /fa = 0.67
fDOE /V =-0.650 。
【0066】
実施例8
ズーム間隔
非球面係数
第10面
K = 0.00
A4 =-4.0867 ×10-4
A6 = 3.8997 ×10-6
A8 =-1.1355 ×10-6
A10= 2.7725 ×10-8
第11面
K = 0.00
A4 =-5.9327 ×10-5
A6 = 4.5459 ×10-6
A8 = 3.1078 ×10-8
A10= 2.2560 ×10-10
第12面
K =-1.00
A4 =-1.0951 ×10-7
A6 =-8.2125 ×10-9
A8 =-6.3957 ×10-10
A10= 1.9025 ×10-11
第13面
K =-1.00
A4 =-1.7425 ×10-7
A6 = 4.0283 ×10-9
A8 =-2.4225 ×10-9
A10= 1.0134 ×10-10
fDOE = 365.262
Ra1/fS = 0.461
fa /fDOE = 0.047
fS /fa = 0.72
fDOE /V =-0.679 。
【0067】
実施例9
ズーム間隔
非球面係数
第12面
K = 0.00
A4 =-5.0985 ×10-7
A6 =-1.6417 ×10-5
A8 = 1.5718 ×10-6
A10=-5.8913 ×10-8
第13面
K =-1.00
A4 =-3.0929 ×10-8
A6 =-1.3976 ×10-8
A8 = 3.8705 ×10-10
A10= 1.8746 ×10-11
第14面
K =-1.00
A4 = 3.2743 ×10-8
A6 =-2.5612 ×10-8
A8 = 1.5145 ×10-9
A10=-2.4043 ×10-11
fDOE = 510.176
Ra1/fS = 0.812
fa /fDOE = 0.043
fS /fa = 0.72
fDOE /V = 0.245 。
【0068】
実施例10
ズーム間隔
非球面係数
第12面
K = 0.00
A4 =-2.1431 ×10-4
A6 = 3.2636 ×10-6
A8 =-3.1615 ×10-7
A10= 5.4824 ×10-9
第13面
K =-1.00
A4 =-1.9779 ×10-7
A6 =-2.2247 ×10-9
A8 = 1.7178 ×10-10
A10=-6.7101 ×10-12
第14面
K =-1.00
A4 =-2.2046 ×10-7
A6 = 2.9164 ×10-9
A8 =-1.6145 ×10-10
A10= 3.2090 ×10-13
第18面
K = 0.00
A4 = 2.0017 ×10-4
A6 =-1.8293 ×10-6
A8 = 1.2068 ×10-7
A10=-2.5837 ×10-9
fDOE = 391.0246
Ra1/fS = 0.501
fa /fDOE = 0.057
fS /fa = 0.71
fDOE /V =-0.387 。
【0069】
実施例11
ズーム間隔
非球面係数
第12面
K = 0.00
A4 =-9.1441 ×10-5
A6 =-1.8334 ×10-5
A8 = 1.0501 ×10-6
A10=-2.2216 ×10-8
第13面
K =-1.00
A4 = 1.8535 ×10-8
A6 = 1.2694 ×10-9
A8 =-4.4852 ×10-10
A10=-1.0217 ×10-10
第14面
K =-1.00
A4 = 1.0929 ×10-7
A6 =-1.2418 ×10-8
A8 = 4.5970 ×10-10
A10=-1.2510 ×10-10
fDOE = 514.6928
Ra1/fS = 0.599
fa /fDOE = 0.028
fS /fa = 1.101
SDOE =-6.155 。
【0070】
実施例12
ズーム間隔
非球面係数
第12面
K = 0.00
A4 =-3.6327 ×10-4
A6 =-6.9614 ×10-6
A8 =-9.6651 ×10-8
A10=-3.6965 ×10-9
第17面
K = 0.00
A4 =-3.1900 ×10-8
A6 = 1.5938 ×10-9
A8 = 2.7754 ×10-10
A10= 7.7833 ×10-12
第18面
K = 0.00
A4 = 3.0748 ×10-8
A6 =-2.2451 ×10-9
A8 = 5.2198 ×10-10
A10=-5.3955 ×10-12
fDOE = 245.5232
Ra1/fS = 0.763
fa /fDOE = 0.082
fS /fa = 0.79
SDOE =-1.135 。
【0071】
以上の実施例1の広角端、標準状態、望遠端での収差図をそれぞれ図13〜図15に示す。これら収差図において、(a)は球面収差、(b)は非点収差、(c)は歪曲収差、(d)は倍率色収差を示す図である。
【0072】
以上の本発明のズームレンズは、例えば次のように構成することができる。
〔1〕 最も大きな変倍作用を担当する負レンズ群と、その像側に少なくとも1つの正レンズ群を含み、前記正レンズ群が1つの回折光学素子で構成されていることを特徴とするズームレンズ。
【0073】
〔2〕 最も大きな変倍作用を担当する負レンズ群と、その像側に少なくとも1つの正レンズ群を含み、前記正レンズ群が少なくとも1つの正レンズと少なくとも1つの負レンズを有し、前記正レンズ及び負レンズの何れかの面に回折面を有することを特徴とするズームレンズ。
【0074】
〔3〕 最も大きな変倍作用を担当する負レンズ群と、その像側に少なくとも1つの正レンズ群を含み、前記正レンズ群の最も物体側の面が以下の条件式を満足し、それより像側にある前記正レンズ群の面に回折面を有することを特徴とするズームレンズ。
0.2<Ra1/fS <3.0 ・・・(1)
ただし、fS はfS =√(fW ×fT )で、fW 、fT はそれぞれ広角端、望遠端のd線の全系焦点距離であり、Ra1は前記回折面を有するレンズ群の最も物体側の面の近軸曲率半径である。
【0075】
〔4〕 物体側から順に、1つのレンズ群、最も大きな変倍作用を担当する負レンズ群、正レンズ群の構成を含み、前記正レンズ群に以下の条件式を満足する回折面を有することを特徴とするズームレンズ。
0.03<fa /fDOE <0.50 ・・・(2)
ただし、fa 、fDOE はそれぞれ回折面を有するレンズ群、及び、前記回折面のd線の焦点距離である。
【0076】
〔5〕 以下の条件式(5)を満足することを特徴とする上記1、3又は4記載のズームレンズ。
−5.0<SDOE <−1.0 ・・・(5)
ただし、SDOE は回折光学素子のシェイピングファクタであり、SDOE =(Rf +Rb )/(Rf −Rb )で、Rf 、Rb はそれぞれ前記回折光学素子の物体側及び像側の近軸曲率半径であり、回折面が設けられた面に対しては基板形状の近軸曲率半径とする。
【0077】
〔6〕 以下の条件式(7)を満足することを特徴とする上記2記載のズームレンズ。
−2.0<fDOE /V<1.0 ・・・(7)
ただし、fDOE は前記回折面のd線の焦点距離、Vは前記正レンズ群の等価アッベ数で、前記回折面を除いた屈折レンズの焦点距離とアッべ数の関数で以下の式(8)で定義される。
ここで、νi 、fi はそれぞれ前記正レンズ群内にあるi番目のレンズのアッべ数とd線の焦点距離である。
【0078】
〔7〕 上記1から4の何れか1項記載のズームレンズを用いたことを特徴とする撮像装置。
【0079】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のズームレンズは、DOEを用いることで色収差を良好に補正しつつ、広角側から望遠側に至るまで回折面に対する光束の入射角を極力小さく抑え、さらに、光束に対するDOEのグレーティング本数を十分確保した、レンズ枚数の少ない、また、高性能のズームレンズ及びそれを用いた撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のズームレンズの広角端(a)、 標準状態(b)、望遠端(c)の光軸を含む断面図である。
【図2】本発明の実施例2のズームレンズの広角端の光軸を含む断面図である。
【図3】本発明の実施例3のズームレンズの広角端の光軸を含む断面図である。
【図4】本発明の実施例4のズームレンズの広角端の光軸を含む断面図である。
【図5】本発明の実施例5のズームレンズの広角端の光軸を含む断面図である。
【図6】本発明の実施例6のズームレンズの広角端の光軸を含む断面図である。
【図7】本発明の実施例7のズームレンズの広角端の光軸を含む断面図である。
【図8】本発明の実施例8のズームレンズの広角端の光軸を含む断面図である。
【図9】本発明の実施例9のズームレンズの広角端の光軸を含む断面図である。
【図10】本発明の実施例10のズームレンズの広角端の光軸を含む断面図である。
【図11】本発明の実施例11のズームレンズの広角端の光軸を含む断面図である。
【図12】本発明の実施例12のズームレンズの広角端の光軸を含む断面図である。
【図13】実施例1の広角端での収差図である。
【図14】実施例1の標準状態での収差図である。
【図15】実施例1の望遠端での収差図である。
【図16】C線の各次数光の回折効率の入射角依存性を示す図である。
【図17】e線の各次数光の回折効率の入射角依存性を示す図である。
【図18】F線の各次数光の回折効率の入射角依存性を示す図である。
【図19】回折面の具体的な形状を示す断面図である。
【符号の説明】
G1…第1群
G2…第2群
G3…第3群
G4…第4群
S …開口絞り
21…透明部
22…不透明部
23…高屈折率部
24…低屈折率部
Claims (4)
- 最も大きな変倍作用を担当する負レンズ群と、その像側に配置され、回折光学素子を構成する正レンズ群とを含み、回折面を1つのみ有するズームレンズであって、
前記正レンズ群が1つの正レンズにより構成され、該正レンズに前記回折面を設け、
以下の条件式(2’)を満足することを特徴とするズームレンズ。
0.057≦fa /fDOE <0.50 ・・・(2’)
ただし、fa 、fDOE はそれぞれ回折面を有するレンズ群、及び、前記回折面のd線の焦点距離である。 - 最も大きな変倍作用を担当する負レンズ群と、その像側に配置され、回折光学素子を構成する正レンズ群とを含み、
前記正レンズ群が1つの正レンズと、1つの負レンズとにより構成され、
該正レンズ及び負レンズの少なくとも何れかに回折面を設け、
以下の条件式(2”)を満足することを特徴とするズームレンズ。
0.03<fa /fDOE ≦0.082 ・・・(2”)
ただし、fa 、fDOE はそれぞれ回折面を有するレンズ群、及び、前記回折面のd線の焦点距離である。 - 以下の条件式(5)を満足する請求項1又は2に記載のズームレンズ。
−5.0<S DOE <−1.0 ・・・(5)
ただし、S DOE は回折光学素子のシェイピングファクタであり、S DOE =(R f +R b )/(R f −R b )で、R f 、R b はそれぞれ前記回折光学素子の物体側及び像側の近軸曲率半径であり、回折面が設けられた面に対しては基板形状の近軸曲率半径とする。 - 以下の条件式(11)を満足する請求項1又は2に記載のズームレンズ。
0.10<f S /f a <1.00 ・・・(11)
ただし、f S はf S =√(f W ×f T )で、f W 、f T はそれぞれ広角端、望遠端のd線の全系焦点距離である。
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